JP6131738B2 - 情報提供システム、衛生管理システム、及び、プログラム - Google Patents

情報提供システム、衛生管理システム、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、食品用の衛生管理システム等に関する。
近年、ファーストフードその他の外食産業の成長や手軽な加工食品の増加により、他人が調理した食品を食する機会が著しく増加している。その一方で、加工食材や加工食品等の食品に毒物又は微生物等の危険なものが混入すると、人体に直接影響を与えるため、加工食品を取り扱う場合には、原材料の安全性だけでなく、製造工程の衛生面を厳しく管理し、食品の生産加工の全般に渡る食品の安全性が求められている。
特に、各地で発生して問題となっている食中毒事件を発端に、食品の一層の安全性を図ることが命題となっており、食品衛生法を遵守するだけでなく、「HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point) System」や「FSSC(Food Safety System Certification)22000」を導入する企業も増加している。
このような加工食品に混入する微生物を検出するシステムとしては、フィルム型培地を用いるとともに、当該フィルム型培地において培養された検体に発生するコロニーを画像によってカウントするものが知られている。
また、最近では、コロニーをカウントすることによって得られたコロニー数に基づいて加工食品の製造ラインの衛生状態を監視するシステムも登場しており、特に、日々のコロニー数を蓄積しつつ、その傾向を予測するものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2010−67239号公報
しかしながら、上述の特許文献1にあっては、コロニー数に基づいて製造ラインの衛生状態の原因を推定する手法が開示されておらず、管理者の負担を軽減しつつ、推定した原因を特定して当該管理者に提供する手法についても明らかになっていない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、製造ラインなどの対象物が異常又は異常傾向にある場合に、その原因を推定し、当該推定した原因を管理者に提供すること、当該提供によって容易にかつ迅速に異常原因の特定させること、及び、その結果、異常原因を特定する際の管理者の負担を軽減することが可能な情報提供システム等を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明に係る情報提供システム等は、商品に関する所定の作業を実行する対象物の衛生状態に関する情報を管理者に提供する情報提供システム等であって、前記対象物から所定のタイミング毎に抽出された検体を有する培地に培養されたコロニー数を取得する取得手段と、前記取得されたコロニー数に基づいて前記対象物の衛生状態を判定する判定手段と、前記判定手段によって前記衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定された場合には、データベースに登録されている前記対象物毎の作業履歴を示す作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業に関する属性を示す作業属性及び当該作業に関するイベントを示す作業イベントの少なくともいずれか一方を作業要素として抽出する抽出手段と、前記抽出された各作業要素に属する前記所定のタイミング毎のコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定する特定手段と、前記異常原因を示す原因推定情報として前記特定された作業要素に関する情報を前記管理者に提供する提供手段と、を備える構成を有している。
本発明に係る情報提供システム等は、製造ラインなどの対象物が異常又は異常傾向にある場合に、その原因を推定し、当該推定した原因を管理者に提供すること、当該提供によって容易にかつ迅速に異常原因の特定させること、及び、その結果、異常原因を特定する際の管理者の負担を軽減することが可能な情報提供システム等を提供することができる。
本発明に係る衛生管理システムの一実施形態の構成を示す構成図である。 一実施形態の衛生管理システムに用いるフィルム型培地の一例である。 一実施形態の衛生管理システムに用いる作業指示書の一例である。 一実施形態の衛生管理システムに用いる携帯用通信端末装置の構成を示すブロック図である。 一実施形態の衛生管理システムに用いるサーバ装置の構成を示すブロック図である。 一実施形態の衛生状態解析処理部において実行される判定処理を説明するための図(その1)である。 一実施形態の衛生状態解析処理部において実行される判定処理を説明するための図(その2)である。 一実施形態の衛生状態解析処理部において実行される判定処理を説明するための図(その3)である。 一実施形態の異常原因推定処理部において実行される作業イベントに基づく異常傾向原因推定処理を説明するための図である。 一実施形態の異常原因推定処理部において実行される作業属性における異常傾向原因推定処理を説明するための図である。 一実施形態の携帯用通信端末装置における培地情報の登録処理の動作を示すフローチャートである。 一実施形態のサーバ装置における培地情報の登録処理の動作を示すフローチャートである。 本実施形態のサーバ装置におけるロット判定処理の動作を示すフローチャートである。 一実施形態のサーバ装置における衛生状態解析処理の動作を示すフローチャートである。 一実施形態のサーバ装置における異常原因推定処理の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、食品の製造ライン又は検査ライン(以下、「作業ライン」という。)におけるフィルム型培地を用いた衛生管理システムに対して、本発明に係る情報提供システム、プログラム、及び、衛生管理システムを適用した場合の実施形態である。ただし、本発明は、その技術的思想を含む範囲内で以下の実施形態に限定されない。
[1]衛生管理システム
まず、図1を用いて本実施形態の衛生管理システムSについて説明する。なお、図1は、本実施形態の衛生管理システムSの構成を示す構成図である。
本実施形態の衛生管理システムSは、フィルム型の培地(すなわち、フィルム型培地)60を用いるとともに、当該培地に関する情報(以下、「培地情報」という。)をデータ管理することによって、食品の製造上又は検査上の衛生状態を検査するためのシステムである。
また、本実施形態の衛生管理システムSは、フィルム型培地60を用いて作業工程、作業ライン80、商品ロット(以下、単に「ロット」という。)又はこれらの一部を示す商品に関する所定の作業を実行する対象物の衛生状態の傾向及びその原因を所定の情報として管理者に提供するためのシステムである。
具体的には、衛生管理システムSは、
(1)加工中又は加工後の食品を製造する製造工程又は当該食品を検査する検査工程を有する作業ライン80において、製造中又は製造後の食品を検体として抽出し、フィルム型培地60で検体に発生した一般性菌又は大腸菌等の予め特定した菌を培養させた際の培養状況(すなわち、培地情報)をデータ管理し、
(2)培地情報に基づいて、作業工程やロット等の作業要素に属する作業ライン80又はその一部の対象物において、衛生状態の傾向を解析しつつ、当該解析結果を傾向情報として管理者に提供し、
(3)対象物における衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定した場合に、培地情報に基づいて、当該対象物における作業履歴の情報(以下、「作業履歴情報」という。)から異常原因を推定してその情報を管理者に提供する、
ためのシステムである。
特に、本実施形態の衛生管理システムSは、(1)を実行するための培地情報を登録する処理(以下、「培地情報登録処理」という。)としては、食品の衛生状態をデータ上で管理するために、食品の製造又は検査における作業に関する情報(以下、「作業情報」という。)と、当該抽出した検体を培養する前後において携帯用通信端末装置10によって取得されるフィルム型培地60の培地情報と、を対応付けてサーバ装置40(具体的には、データベース400)に登録することが可能な構成を有している。
そして、本実施形態の衛生管理システムSは、培地情報を登録する毎に、又は、所定のタイミングによって、フィルム型培地60が画像化された培地画像について画像解析を実行して当該フィルム型培地60に培養されたコロニー数を検出し、当該検出したコロニー数を培地情報として登録することが可能な構成を有している。
また、本実施形態の衛生管理システムSは、(2)の衛生状態を解析して提供する処理(以下、「衛生状態解析提供処理」という。)としては、所定のタイミング毎に、対象物における日時、ロット、作業者、天候などの作業要素に基づく培地情報のコロニー数を取得し、当該取得したコロニー数に基づいて、予め定めた判定条件に基づく判定処理を実行し、その結果を作業ライン80の衛生状態の傾向を示す傾向情報として管理者(具体的には管理者端末装置20)に提供することが可能な構成を有している。
さらに、本実施形態の衛生管理システムSは、(3)の異常原因又は異常傾向となる原因を推定する処理(以下、「異常原因推定処理」という。)としては、
(A)衛生状態解析提供処理において異常傾向であると判定した際に、又は、
(B)培地情報を登録する際に若しくは所定のタイミングに、培地情報に含まれるコロニー数に基づいて、フィルム型培地60、作業ライン80、作業工程又はロットが異常(不合格)と判定された場合に、
予め登録された作業履歴情報に含まれる作業ライン80の作業に関する属性(以下、「作業属性」という。)又は当該作業に関するイベント(以下、「作業イベント」という。)などの作業要素の中から、各作業要素に属する培地情報に含まれるコロニー数を取得することが可能な構成を有している。
そして、衛生管理システムSは、当該取得したコロニー数に基づいて所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定し、当該特定した異常原因に関する情報を原因推定情報として管理者(具体的には管理者端末装置20)に提供することが可能な構成を有している。
このような構成を実現するために、本実施形態の衛生管理システムSは、図1に示すように、各フィルム型培地60に関する培地情報を登録する際に用いる複数の携帯用通信端末装置10と、当該衛生管理システムSを管理する管理者端末装置20と、ネットワーク30と、データベース400を有し、かつ、携帯用通信端末装置10又は管理者端末装置20と連動し、培地情報の登録管理を含む各種の処理を実行するサーバ装置40と、を有している。
本実施形態の作業情報は、製造工程又は検査工程に係わる各種の情報の他に、検体として製造工程又は検査工程から抽出された食品及び当該検体の培養に関する情報を含み、作業毎に、固有の識別情報(以下、「作業ID」という。)71を用いてデータベース400に登録されるようになっている。具体的には、各作業情報には、
(1)作業ID71と、
(2)検体を抽出すべき作業ライン80の識別情報(以下、「ラインID」という。)又は作業ライン80が複数の工程を有している場合には、ラインID及び工程の識別情報(以下、「工程ID」という。)71bと、
(3)検体としての食品の製品名、ロットの識別情報(以下、「ロットID」という。)及びロット名と、
(4)作業開始時刻及び終了時刻を示す作業日時と、
(5)作業者の識別情報(以下、「作業者ID(社員ID)」という。)及び作業者名と、
が含まれる。そして、作業情報の各情報は、種別毎にかつ作業毎にデータベース400に登録されている。
携帯用通信端末装置10は、例えば、通信機能を有するデジタルカメラ、タブレット型情報端末装置、スマートフォン又は携帯用電話機等、静止画像等の撮像機能又は録画機能(以下、単に「カメラ機能」という。)を有し、かつ、作業者によって携帯可能な通信端末装置である。
特に、携帯用通信端末装置10は、カメラ機能によって、フィルム型培地60を画像化して培地画像データを生成すること、及び、作業指示書70を画像化して指示書画像データを生成することが可能な構成を有している。そして、携帯用通信端末装置10は、作業ID71と、フィルム型培地60の培地画像データと、当該培地画像データのメタデータと、を培地情報として、サーバ装置40のデータベース400に登録することが可能な構成を有している。
一方、携帯用通信端末装置10は、培地情報をサーバ装置40に送信する際には、BLUETOOTH(登録商標)、ワイヤレスLAN(WLAN:Wireless Local Area Network)又はワイヤレスPAN(WPAN:Wireless Personal Area Network)等の近距離無線用の通信規格を用いて直接若しくはアクセスポイント50を介してサーバ装置40に送信し、又は、図示しない移動基地局を介して公衆電話網回線を用いてサーバ装置40に送信する構成を有している。そして、携帯用通信端末装置10は、XML(eXtensible Markup Language)等のマークアップ言語によって構築されたブラウザ機能を有し、当該ブラウザ機能を用いて作業者の操作入力指示及び操作確認を実行するとともに、当該ブラウザ機能を介して培地情報をサーバ装置40に送信するようになっている。
管理者端末装置20は、例えば、タブレット型情報端末装置、スマートフォン、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報通信端末装置である。
また、管理者端末装置20は、管理者の識別情報(以下、「管理者ID」という。)と管理者のパスワード及び作業者IDを管理し、サーバ装置40へのアクセス権限の管理、携帯用通信端末装置10の端末IDの管理、及び、登録された培地情報の修正その他の管理を行うことができる制御装置として機能する。
そして、管理者端末装置20は、携帯用通信端末装置10と同様に、マークアップ言語によって構築されたブラウザ機能を有し、当該ブラウザ機能を用いてサーバ装置40とのデータの授受、報告書の閲覧等を実行することができる構成を有している。
さらに、管理者端末装置20は、管理者の指示に基づいて、傾向情報及び原因推定情報の提供に関する各種の設定を行うことができる構成を有しており、
(1)作業ライン80、作業工程、ロットなどの対象物の設定、
(2)1日毎、1週間毎又は曜日毎などの評価期間の設定、
(3)音声通知、メール通知又はその他の傾向情報及び原因推定情報の提供方法の設定、
(4)傾向情報及び原因推定情報の提供レベルの設定、
(5)提供する際の付加情報の設定、及び、
(6)作業ライン80等の対象物における作業属性及び作業イベントを含む作業要素、及び、作業要素毎の作業内容を含む各種の作業履歴の情報(以下、「作業履歴情報」という。)の登録、
を行うことができる構成を有している。
なお、管理者端末装置20は、同一ロット内において、工程を実行する機械の故障その他によって各作業が中断した場合、作業者における培地情報の登録ミス等が発生した場合に、培地情報その他の情報を修正することができる構成を有している。
ネットワーク30は、例えば、携帯電話網を含む公衆電話回線網(以下、「長距離通信ネットワーク」という)、近距離無線ネットワーク等のIP(Internet Protocol)ネットワーク、又は、その双方が相互接続されて構成されている。ただし、当該ネットワーク30の構成は、これに限られない。
サーバ装置40は、携帯用通信端末装置10又は管理者端末装置20と連動し、培地情報のデータ処理及びその登録を実行するために用いられるとともに、日時やロットなどの作業要素に基づく、対象物としての作業ライン80又はその一部の衛生状態の傾向を傾向情報として管理者に提供するためのサーバ装置である。
具体的には、サーバ装置40は、培地情報登録処理として、
(1A)培養開始から所定の時間経過後に、フィルム型培地60が撮像されて画像化された培地画像を有する培地画像データを取得し、
(1B)当該取得した培地画像データの培地画像を構成する各ピクセルの色に関する特徴量を検出し、
(1C)取得した培地画像データの培地画像、検出した特徴量、及び、予め定められたコロニー検出基準に基づいて、培地画像に画像化されたフィルム型培地60からコロニー及びコロニー数を検出し、
(1D)コロニー数を含む検出した各コロニーに関する情報を培地情報としてデータベース400に登録する、
構成を有している。
また、サーバ装置40は、衛生状態解析提供処理として、予め定められたタイミング又は管理者の指示に基づいて、
(2A)管理者によって特定された対象物について、3時間毎、1日毎、又は1週間毎など、第1のタイミングから第2のタイミングまでの期間(以下、「評価期間」という。)の登録した各培地情報(すなわち、所定のタイミング毎に登録された培地情報)から、各コロニー数を取得し、
(2B)取得したコロニー数が一定数以上か又は取得したコロニー数を以前のコロニー数と比較してその変動が大きいかなど、取得したコロニー数が予め定められた条件を示す判定条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行し、
(2C)判定条件を具備すると判定した場合には、当該判定結果を作業ライン80の衛生状態の傾向を示す傾向情報として管理者(具体的には管理者端末装置20)に提供する、
構成を有している。
さらに、サーバ装置40は、異常原因推定処理として、衛生状態解析提供処理によって衛生状態の傾向が異常傾向であると判定した場合に、又は、コロニー数に基づいてフィルム型培地60、作業工程、作業ライン80若しくはロットに異常があると判定した場合に、
(3A)データベース400に登録されているロット毎、作業ライン80毎、作業工程毎又はその一部毎などの予め管理者によって設定された対象物毎の作業履歴を示す作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業属性又は作業イベントを作業要素として抽出し、
(3B)抽出した作業要素に属する培地情報から該当するコロニー数を取得し、当該取得したコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定し、
(3C)特定した異常原因に関する情報を原因推定情報として管理者(具体的には管理者端末装置20)に提供する、
構成を有している。
特に、サーバ装置40は、作業要素が作業イベントの場合には、(3B)の処理においては、抽出した作業要素毎に、作業イベントのタイミングと異常傾向の評価期間の始期又は異常であるフィルム型培地60又は作業ライン80などを判定したタイミングと比較して所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定するようになっている。
また、サーバ装置40は、作業要素が作業属性の場合には、(3B)の処理においては、抽出した作業要素毎に該当するコロニー数を集約するとともに、当該集約した各作業要素のコロニー数の変動について所定の条件を具備する作業要素を特定し、当該特定した作業要素を異常原因として特定するようになっている。
なお、本実施形態の作業属性には、対象物(例えば、作業ライン80)に関する属性、日時、商品に関する属性、及び、作業に携わる作業者の属性が含まれるとともに、作業イベントには、作業開始又は作業停止等の作業に基づくイベント、作業ライン80の洗浄や組み替え等の作業ライン80に基づくイベント、作業者の交代等の作業に携わる作業者に基づくイベント、及び、原材料の変更や納入業者の変更等の商品に基づくイベントが含まれる。
また、本実施形態においては、対象物の衛生状態において異常傾向があると判定された場合にその原因推定を行うための異常原因推定処理を実行しているが、後述するように、培地判定、ライン判定、工程判定及びロット判定において、フィルム型培地60、作業工程、作業ライン80、又は、ロットが異常であると判定された場合に、その原因推定を行うための異常原因推定処理を実行してもよい。
このような構成を有することによって、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、作業ライン80又はその一部等の対象物の衛生状態が異常又は異常傾向がある判定された場合に、異常原因となる当該対象物の作業属性又は作業イベントなどの作業要素を推定することができるので、当該推定した原因を管理者に提供することができるようになっている。
したがって、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、容易にかつ迅速に異常原因の特定することができるとともに、異常原因を特定する際の管理者の負担を軽減することができるようになっている。
また、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、対象物の異常原因における原因推定情報を通知する際の処理を電子化することができるので、画像化された培地画像を用いることによって無駄に培地を消費すること無く、かつ、省資源化を図ることができることに加えて、原因推定情報の通知をも電子化することによって、紙などの実媒体を無駄に消費すること無く、省資源化を図ることができる。
[2]フィルム型培地
次に、図2を用いて本実施形態のフィルム型培地60について説明する。なお、図2は、本実施形態に用いるフィルム型培地60の一例である。
本実施形態に用いるフィルム型培地60は、フィルム又はシ−ト状の乾燥培地によって作業ライン80の各工程から検出した検体としての食品に発生した菌を培養するための培地である。例えば、フィルム型培地60は、一般生菌、大腸菌群及び黄色ブドウ球菌を培養する培地として用いられる。なお、カビや酵母、リステリア菌、水質用微生物、乳酸菌、タンパク質等の各種の菌、物質又は微生物を培養する培地として用いてもよい。
また、フィルム型培地60は、例えば、図2に示すように、フィルムによって形成される基材シート61と、基材シート61の中心を基準に当該基材シート61上に形成される円形の枠(以下、「円形枠」という。)62と、当該枠内に設けられる菌を培養する培養層63と、当該培養層63を被覆するカバーシート64と、基材シート61の左側に形成された培地ID66と、を有している。
例えば、培地ID66は、2次元バーコード等のバーコード又は英数字で形成されており、フィルム型培地60の撮像時に一緒に画像化され、バーコード認識機能又はOCR(Optical Character Recognition)機能などの画像解析機能を用いて、携帯用通信端末装置10又はサーバ装置40において取得される。
基材シート61は、フィルム状又はシート状の基材であれば特に限定されず、例えば、プラスチックフィルムや紙等を用いることができる。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを好ましく挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン系の合成紙等が好ましく挙げることができる。なお、ポリプロピレン系合成紙は、ポリプロピレンを主原料とするフィルム合成紙である。
なお、フィルム型培地60は、培地ID66を記憶させたICタグを有し、携帯用通信端末装置10が有する近距離無線通信インターフェース140(例えば、ICタグリーダ)によって当該携帯用通信端末装置10に培地ID66を取得させてもよい。
[3]作業指示書
次に、図3を用いて本実施形態の作業指示書70について説明する。なお、図3は、本実施形態に用いる作業指示書70の一例である。
本実施形態の作業指示書70は、同一条件によって製造又は検査された食品群毎、すなわち、ロット毎に、一以上の製造工程又は検査工程の作業名称及びその内容と、使用する作業ライン80と、製造又は検査される食品(加工食品)名称、数量その他の情報と、が記載された指示書である。
また、本実施形態の作業指示書70は、左上に印刷その他の方法によって形成された指示書ID71aと、所定の領域に印刷その他の方法によって形成された複数の工程ID71bと、を有している。指示書ID71a及び各工程ID71bは、作業ID71として用いられ、例えば、2次元バーコード等のバーコード又は英数字で形成されている。そして、指示書ID71a及び各工程ID71bは、フィルム型培地60の登録が実行される際に当該フィルム型培地60と同様に画像化され、携帯用通信端末装置10又はサーバ装置40において解析することによって認識される。
なお、作業指示書70は、フィルム型培地60と同様に、指示書ID71a又は工程ID71bの作業ID71を記憶させたICタグを有し、タグリーダなどの携帯用通信端末装置10が有するインターフェース(近距離無線通信インターフェース140)によって当該携帯用通信端末装置10に作業ID71を取得させてもよい。また、以下の説明においては、特別に言及しない場合には、作業ID71とは、指示書ID71a又は工程ID71bを示す。
[4]携帯用通信端末装置
次に、図4を用いて本実施形態の携帯用通信端末装置10の構成について説明する。なお、図4は、本実施形態の携帯用通信端末装置10の構成を示すブロック図である。
本実施形態の携帯用通信端末装置10は、各種のプログラムが実行される際に用いられるメモリ機能を有するデータ記憶部100と、撮像機能を有し、フィルム型培地60の画像データその他の画像データを生成する画像データ生成部110と、サーバ装置40と連動して培地情報をサーバ装置40に初期登録及び培養直後を含む培養後登録する処理(以下、「培地情報登録処理」という。)その他の処理を実行するアプリケーション制御部120と、を備えている。
また、携帯用通信端末装置10は、サーバ装置40及び他の通信装置と通信を行うネットワーク通信部130と、ICタグその他の通信用のインターフェースとデータの授受を行う近距離無線通信インターフェース140と、現在位置を検出する現在位置検出部150と、表示部160と、表示部160を制御する表示制御部161と、ユーザの操作を入力するための操作部170と、タイマー180と、装置全体を制御する携帯端末管理制御部190と、を有している。
そして、携帯用通信端末装置10は、例えば、電話機能及び電子メール等のメール機能を有する場合には、マイク、スピーカ及び電子メールの送受信機能等の種々の必要な部材を有している。さらに、上述の各部は、バス11によって互いに接続され、データの授受が実行される。
データ記憶部100は、各種のアプリケーションプログラムが記憶されるアプリケーション記憶部101と、画像データ生成部110によって撮像されて生成された画像データが記憶される画像データ記憶部102と、携帯用通信端末装置10の管理及び制御に関するプログラム、並びに、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられるとともに、携帯用通信端末装置10で実行される各処理において用いられるデータが記憶されるROM/RAM103と、を有している。
特に、アプリケーション記憶部101には、画像データ生成部110、操作部170、表示制御部161及び画像データ記憶部102と連動しつつ、アプリケーション制御部120によって実行されるアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)が記録されている。また、アプリケーション記憶部101には、上述のブラウジング機能を実現するためのブラウザ用のプログラムも記録されている。
画像データ記憶部102には、撮像した培地画像データ及び指示書画像データと、各画像データを管理するための画像IDと、撮像時刻等の各画像データに対応する各種のメタデータと、作業ID71と、培地ID66と、各種のフラグ情報と、が対応付けられて記憶される。なお、画像IDとは、各携帯用通信端末装置10において適宜付与される任意の識別情報である。
画像データ生成部110は、光学システムと、当該光学システムから入力された光学画像を電気信号に変換するCCDIセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)と、CCDIセンサにおいて生成された電気信号に基づいて画像データを生成する生成部と、を有する。
特に、画像データ生成部110は、作業指示書70を撮像した際に、当該撮像された作業指示書70を画像化し、指示書画像データを生成する。また、画像データ生成部110は、検体に発生した菌が培養される、又は、培養されたフィルム型培地60を撮像した際に、当該撮像されたフィルム型培地60を画像化し、当該フィルム型培地60の培地画像データを培地画像データとして生成する。
アプリケーション制御部120は、所定のアプリによって培地情報登録処理を実現する。特に、アプリケーション制御部120は、アプリケーション記憶部101に記憶された培地登録アプリによって携帯用通信端末装置10の各部を制御するための各種制御プログラムを実行しつつ、ネットワーク通信部130、表示制御部161及び操作部170と連動して、又は、制御して各種の処理を実行する。
アプリケーション制御部120は、アプリケーション記憶部101に記録された培地登録アプリを実行し、画像データ生成部110を制御して撮像されたフィルム型培地60の培地画像データを取得して画像データ記憶部102に記憶する。
そして、アプリケーション制御部120は、画像化された培地画像データから培地ID66を取得し、当該取得した培地ID66とともに、培地画像データと当該培地画像データのメタデータと各種のフラグ情報を画像データ記憶部102に記憶する。なお、アプリケーション制御部120は、通信回線を介して他の通信装置又はデータベース400と連動してバーコード認識又はOCR認識を実行してもよい。
また、アプリケーション制御部120は、培地画像データの撮像後、又は、所定のタイミングによって、検体の培養開始時に培地情報をサーバ装置40に登録する初期登録及び当該検体の培養開始後に培地情報を登録する培養後登録を実行する。特に、アプリケーション制御部120は、作業者の指示に基づいて、初期登録か又は培養後登録かを特定し、いずれかの登録かを示す情報(フラグ情報)を培地情報に含めてサーバ装置40に送信する。
また、アプリケーション制御部120は、フィルム型培地60を撮像した際に、タイマー180から現在時刻を取得し、当該現在時刻を撮像時刻として所定の画像IDとともに培地画像データのメタデータとして画像データ記憶部102に記憶し、サーバ装置40に培地画像データを送信する際に一緒に送信する。
なお、アプリケーション制御部120は、培地ID66と、指示書ID71a及び工程ID71bである作業ID71と、がICタグに記憶されている場合には、操作部170及び表示制御部161及び近距離無線通信インターフェース140と連動して培地ID66及び作業ID71を取得する。
また、アプリケーション制御部120は、サーバ装置40によって培地ID66及び作業ID71を培地画像データ及び指示書画像データから認識する場合には、培地情報として培地画像データの他に指示書画像データを送信する。
さらに、アプリケーション制御部120は、実装上、携帯端末管理制御部190を構成するCPU(中央処理装置)が、アプリを実行した際の機能として実現されるものであってもよい。
ネットワーク通信部130は、アプリケーション制御部120及び携帯端末管理制御部190の制御の下、ネットワーク30に接続されるサーバ装置40との通信回線を構築し、培地画像データ等の種々のデータの授受を行う。
近距離無線通信インターフェース140は、アプリケーション制御部120及び携帯端末管理制御部190の制御の下、ICタグを用いた近距離無線通信を行う。
現在位置検出部150は、アプリケーション制御部120又は携帯端末管理制御部190の制御の下、ネットワーク30を介してGPS(Global Positioning System)衛生の位置を認識しつつ、当該GPS衛星から送信された衛星信号(GPS信号)を検出する。
そして、現在位置検出部150は、当該検出されたGPS信号に基づいて携帯用通信端末装置10の現在位置の緯度及び経度によって示される座標値を算出(すなわち、検出)する。また、この現在位置検出部150は、この算出された座標値を位置情報としてアプリケーション制御部120に提供する。
なお、携帯用通信端末装置10が、電話機能や近距離無線機能を有している場合には、電話や近距離無線に用いる電波を電話基地局等において受信した方角と電波強度に基づいて当該携帯用通信端末装置10の現在位置を算出(検出)してもよい。
表示部160は、所定のサイズ(例えば、5インチ、W480×H960ピクセル)の画像表示領域を有し、液晶素子又はEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部161において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。特に、本実施形態では、表示部160は、培地登録アプリが実行されている際に、操作部170と連動しつつ、各種の表示及び撮像されて画像化された作業指示書70とフィルム型培地60との画像を表示する。
表示制御部161は、アプリケーション制御部120又は携帯端末管理制御部190の制御の下、表示部160に所定の画像を描画させるために必要な描画データを生成し、生成した描画データを当該表示部160に出力するようになっている。
操作部170は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキー等の多数のキー及び表示部160上に設けられたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。具体的には、操作部170は、培地登録アプリの起動時に上述の各種の処理を実行するための操作を行う際に用いられるようになっている。
なお、本実施形態においては、操作部170は、培地ID66を直接手入力する際に用いることも可能である。
タイマー180は、画像データ生成部110がフィルム型培地を撮像するときの日付及び時刻をアプリケーション制御部120に提供する。
携帯端末管理制御部190は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、携帯用通信端末装置10の全般的な機能及び情報提供プログラムを実行するための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。
[5]サーバ装置
[5.1]サーバ装置の構成
次に、図5を用いて本実施形態のサーバ装置40の構成について説明する。なお、図5は、本実施形態のサーバ装置40の構成を示す構成図である。
本実施形態のサーバ装置40は、図5に示すように、作業情報及び培地情報等の各種の情報が記憶されるデータベース400と、携帯用通信端末装置10及び管理者端末装置20と通信を行う通信制御部410と、培地情報登録処理等の各種の処理を実行するデータ処理部420と、サーバ装置40の各部を制御するサーバ管理制御部430と、各部の制御に用いるROM/RAM440と、時刻管理を行うために用いるタイマー450と、を有する。なお、上述の各部は、バス41によって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。
通信制御部410は、所定のネットワークインターフェースであり、携帯用通信端末装置10又は管理者端末装置20と通信回線を構築し、携帯用通信端末装置10又は管理者端末装置20と種々のデータの授受を行う。
データベース400は、HDDにより構成され、培地情報データベース(以下、「培地情報DB」と略す。)401、ライン情報データベース(以下、「ライン情報DB」と略す。)402、ロット情報データベース(以下、「ロット情報DB」と略す。)403、作業管理データベース(以下、「作業管理DB」と略す。)404及び傾向情報及び当該傾向情報に関するデータを記録する傾向情報DB405を有する。
培地情報DB401は、各作業ライン80の工程毎に抽出され、かつ、携帯用通信端末装置10によって撮像されて取得した検体のフィルム型培地60に関する培地情報が作業ID71毎に、登録時に培地IDを付与しつつ、格納されるデータベースである。例えば、培地情報DB401には、
(1)培地ID
(2)作業ID71
(3)撮像された培地画像データ
(4)撮像時刻
(5)フラグ情報を含むその他の情報
(6)コロニー数
(7)培地判定結果
(8)サイズ(ピクセル数)、重心位置、各ピクセルの特徴量など検出された各コロニーに関する情報(以下、「コロニー情報」という。)
(9)コロニー検出時に用いたプロファイル情報の種別(プロファイルID)
の9つデータが対応付けて記録される。
なお、各培地情報における、コロニー情報、コロニー数及び培地判定としては、データ処理部420によって判定された結果が記憶される。また、各培地情報におけるコロニー情報、コロニー数及び培地判定は、培地情報が登録される際に登録されてもよいし、当該培地情報の登録タイミングと異なる所定のタイミングで登録されてもよい。
また、抽出すべき検体が、同一のロットにおいて、常に同一の作業ライン80の同一の工程から抽出する場合には、作業ID71は、ロットIDであればよく、抽出すべき検体が、同一のロットであっても異なる作業ライン80又は異なる工程から抽出する場合には、ラインID又は工程ID71bとなる。
さらに、同一のフィルム型培地60の培地情報の撮像時刻が複数登録される場合には(すなわち、培養検査時刻が複数の場合には)、同一の培地ID66において、培養検査時刻毎に培地画像、撮像時刻、コロニー数、培地判定の各培地情報が記憶される。
ライン情報DB402は、各作業ライン80に関するライン情報がラインID毎に格納されるデータベースである。例えば、ライン情報DB402には、
(1)ラインID
(2)作業ライン80が有する工程の工程ID71b及びその種別
の2つデータが対応付けて記録される。なお、工程種別としては、材料投入、調合、充填、ボイル、包装、及び、梱包等の各工程を特定する名称が用いられる。
ロット情報DB403は、各ロットに関するロット情報がロットID毎に格納されるデータベースである。例えば、ロット情報DB403には、
(1)ロットID
(2)ロットの製造又は検査に用いる作業ラインのラインID
(3)ロットの作業開始時刻
(4)ロットの作業終了時刻
(5)ロットの作業を実行する作業者の作業班
(6)ロットによって製造される各商品に用いられる原材料
(7)原材料の納入業者又は原産地
の7つデータが対応付けて記録される。
作業管理DB404は、作業内容に関する各種の情報が格納されるデータベースである。例えば、作業管理DB404には、
(1)作業ID71
(2)検体を抽出すべき作業ラインのラインID(又はラインID及び工程ID71b)
(3)検体(食品)の種別(製品名、ロットID及び/又はロット名)
(4)検査種別(一般性菌又は大腸菌など検出する菌種)及びフィルム型培地60上に発生する際の色(発色)情報(RGB階調値又はその範囲)
(5)培養条件(希釈倍率、希釈液の種別、培養温度及び培養湿度)
(6)培養開始時刻
(7)培養開始から所定の時間経過後までの培養時間
(8)培養場所(例えば、インキュベータ番号及びインキュベータ内の段数等の位置)
(9)ゴミなどの余分な固形物を除去するために検体を抽出した際にフィルタを使用した否か(以下、単に「フィルタ使用の有無」という。)を示す情報(以下、「フィルタ情報」という。)
(10)作業日時(作業開始時刻及び終了時刻)
(11)作業者ID(及び/又は作業者名)
の11つデータが対応付けて記録される。
なお、培養検査時刻には、単一の時刻(すなわち、検体における菌の培養を終了させる終了時刻)だけが設定されてもよいし、培養開始時刻から法定された又は所定の時間経過後、例えば、培養開始時刻から24時間経過後、48時間経過後又は72時間経過後等の複数の時刻が設定されてもよい。
傾向情報DB405は、予め設定された作業要素毎の傾向情報が格納されるデータベースである。特に、傾向情報DB405には、傾向情報が生成されると、作業ライン80などの対象物について、日時、ロット又は作業者IDなどの作業要素に対応付けられて更新記憶される。なお、傾向情報が生成される際に該当する作業要素に関する過去の傾向情報が読み出されようになっている。
作業履歴情報DB406は、ロット(すなわち、複数の作業ライン80)毎、単一の作業ライン80毎、当該作業ライン80の一部に形成された作業工程毎、又は、作業工程の一部毎の予め管理者によって設定された対象物毎に、作業属性及び作業イベントを含む作業要素毎の作業履歴が作業履歴情報として格納されるデータベースである。例えば、作業履歴情報DB406には、
(1)対象物を特定するためのロットID、ラインID、工程ID7ID又はその一部については各IDとその一部を特定するための情報
(2)作業属性か作業イベントであるかの種別を示すカテゴリー種別の情報、
(3)対象物が作業ライン80時における当該作業ライン80に含まれる作業工程、作業者ID、納入業者の識別情報(以下、「納入業者ID」という。)、天候種別、曜日種別、時間帯種別などの作業属性の種別(以下、「属性種別」ともいう。)、又は、洗浄イベント、対象物の一時停止イベントなど作業イベントの種別(以下、「イベント種別」ともいう。)を含む各作業要素種別の各情報(名称に関する情報含む)、及び、
(4)各作業要素の内容を示す作業要素内容情報
の4つデータが対応付けて記録される。
具体的には、作業イベントの場合には、作業要素内容情報には、当該作業イベントを実行した日時及び作業イベントの予定日時等のスケジュールに関する情報(以下、「イベントスケジュール情報」という。)が含まれる。
また、作業属性の場合には、作業要素内容情報には、各属性種別に関する日時又はスケジュールの情報(以下、「属性スケジュール情報」という。)が含まれる。
なお、登録される作業履歴情報は、管理者端末装置20その他の装置によって手動又は所定のプログラムによって自動的に登録されてもよい。
データ処理部420は、ROM/RAM440に記録されているアプリケーションに応じて各種のデータ処理を実行する。特に、データ処理部420は、所定のプログラムを実行することによって、
(1)通信制御部410の動作管理と、
(2)各携帯用通信端末装置10と連動して実行する培地情報登録処理と、
(3)培地情報登録処理時に取得した培地ID66及び作業ID71に基づいて培地画像に画像化されているコロニーのコロニー検出基準(すなわち、プロファイル)を特定するプロファイル特定処理と、
(4)特定したプロファイルに基づいて培地画像に画像化されたコロニーを検出しつつ、検出したコロニー数の計数及び当該コロニー数に基づく培地判定を実行するコロニー検出判定処理と、
(5)登録した培地情報に基づいてロットの判定を行うロット判定処理と、
(6)判定結果を所定の報告書形式で出力する報告処理と、
(7)対象物における評価期間の衛生状態の傾向を解析して管理者に提供する衛生状態解析提供処理と、
(8)対象物の衛生状態が異常傾向若しくは異常であると判定した場合に、又は、当該対象物に属するフィルム型培地80が異常であると判定した場合に、その原因を推定する異常原因推定処理と、
(9)データベース400の管理及び制御と、
を行う。具体的には、データ処理部420は、登録処理部421、コロニー検出判定部423、ロット判定処理部424、報告処理部425、衛生状態解析処理部426及び異常原因推定処理部427と、を含む。
なお、例えば、本実施形態の登録処理部421は、本発明に係る取得手段を構成し、傾向解析処理部426は、判定手段を構成する。また、本実施形態の異常原因推定処理部427は、本発明に係る抽出手段、特定手段及び提供手段を構成する。さらに、本実施形態の登録処理部421、コロニー検出判定部423、ロット判定処理部424、報告処理部425、衛生状態解析処理部426及び異常原因推定処理部427の詳細については後述する。
サーバ管理制御部430は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、サーバ装置40の各部を統合制御する。具体的には、サーバ管理制御部430は、ユーザの操作による携帯用通信端末装置10からのログイン要求に基づいて各ユーザのログイン処理、及び、その他の各種の制御を行う。
ROM/RAM440には、サーバ装置40の駆動に必要な各種のプログラムが記録されている。特に、ROM/RAM440には、コロニー特定処理の際に用いるクラスタリング用の学習データ、各フィルム型培地60の培地判定(合否判定)、工程判定、ライン判定及びロット判定の各判定を実行する際に用いる判定基準の情報(以下、「培地判定基準情報」ともいう。)等のそれぞれの各情報が記憶される。また、ROM/RAM440は、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられる。
タイマー450は、培地情報の登録処理及びロット判定処理を実行する際に必要な時刻を管理するために用いられる。
[5.2]登録処理部
次に、本実施形態のサーバ装置40における登録処理部421の詳細について説明する。
本実施形態の登録処理部421は、携帯用通信端末装置10と連動し、作業ID71に対応付けつつ、各培地情報を培地情報DB401に登録する登録処理を実行する。特に、登録処理部421は、培地情報に含まれる、初期登録か又は培養後登録かを示すフラグ情報に基づいて、異なる培地情報登録処理を実行する。
(初期登録)
登録処理部421は、初期登録を示すフラグ情報が携帯用通信端末装置10から送信された培地情報に含まれている場合には、初期登録に基づく登録処理を実行する。
具体的には、登録処理部421は、通信制御部410介して培地情報を取得すると、作業ID71を特定する。また、登録処理部421は、特定した作業ID71に基づいて、作業管理DB404を検索し、該当する作業情報を特定しつつ、当該特定した作業情報に対応付けて、取得した培地画像データ及び撮像時刻を培地情報DB401に登録する。
特に、登録処理部421は、取得した作業ID71に基づいて検体を抽出した作業ライン80が含まれるロットID、当該作業ライン80のラインID、当該検体を抽出した工程ID71bを特定するとともに、当該特定したロットID、ラインID及び工程ID71bに対応付けて、固有の培地IDを付与しつつ、培地情報に含まれる培地画像データ及び撮像時刻を培地情報DB401に登録する。
なお、登録処理部421は、撮像時刻を培養開始時刻として培地情報DB401に登録する。また、培養開始時刻は、当該時刻に培地情報の登録処理を実行することを前提に撮像時刻に代えて予め設定された時刻を用いてもよい。
(培養後登録)
登録処理部421は、培養後登録を示すフラグ情報が携帯用通信端末装置10から送信された培地情報に含まれている場合には、培養後登録に基づく登録処理を実行する。
具体的には、登録処理部421は、初期登録と同様に、通信制御部410を介し培地情報を取得すると、当該培地情報に含まれる作業ID71を特定する。そして、登録処理部421は、特定した作業ID71に基づいて、作業管理DB404を検索し、該当する作業情報を特定しつつ、当該特定した作業情報に対応付けて、培地画像データ及び撮像時刻を培地情報DB401に登録する。なお、培養検査時刻は、培養開始時刻と同様に、当該時刻に培地情報の登録処理を実行することを前提に撮像時刻に代えて予め設定された時刻を用いてもよい。
また、登録処理部421は、コロニー検出判定部423に、取得した培地情報に基づいて、コロニー検出判定処理を実行させ、実行させて取得したコロニー情報、コロニー数及び判定結果を培地情報として特定した作業ID71に対応付けて培地情報DB401に登録する。
[5.3]コロニー検出判定部
次に、本実施形態のサーバ装置40におけるコロニー検出判定部423の動作原理について説明する。
コロニー検出判定部423は、コロニー検出判定処理として、
(A)培地画像から、画像化されたコロニーを構成すると想定されるピクセルを検出するために、当該培地画像を構成する各ピクセルの中から、所定の条件を有する色に関する特徴量を有するピクセル(以下、「コロニーピクセル」という。)を検出し、
(B)所定の条件に基づいてコロニーピクセルを連結してラベリングを実行してIDを付与し、連結したコロニーピクセル群を一のオブジェクトをコロニー候補として検出し、
(C)所定の条件を有するコロニー候補をコロニーとして特定しつつ、その数を計数し、
(D)計数したコロニー数に基づいて培地判定を実行する。
具体的には、コロニー検出判定部423は、登録処理部421によって特定された作業ID71、及び、必要な場合には、当該登録処理部421によって取得された培地情報に含まれる情報に基づいて、作業情報DB404又は必要な場合には他のデータベースに記憶された情報を検索し、該当する作業情報を取得する。
また、コロニー検出判定部423は、取得した作業情報に含まれる検体の種別、菌種、培養時間及び培養条件などのコロニーを検出するための条件に基づいて、
(1)培地画像からコロニーピクセルを検出する際の色に関する特徴量の種別、
(2)(1)の種別に基づいてコロニーを検出するための検出手法及び当該検出を実行するためのパラメータ、及び、
(3)培地判定を行う際の合否における閾値、
を含むプロファイルをROM/RAM430に記憶された複数のプロファイルの中から特定する。
そして、コロニー検出判定部423は、特定したプロファイルに基づいて各種の閾値又はパラメータを設定しつつ、コロニーピクセルの検出手法、コロニー候補の検出手法、コロニーの特定手法及び培地判定手法を定めつつ、各処理を実行する。
特に、コロニー検出判定部423は、特徴量の種別が輝度又は彩度の場合には、各ピクセルのRGBの個々のサブピクセルの階調値に基づいて所定の演算を実行して得られた値と当該プロファイルに規定されるパラメータに基づいて、コロニーピクセルを検出し、検出したコロニーピクセルに基づいてコロニー候補を特定しつつ、当該特定したコロニー候補の中からコロニーを検出してその数を計数する。
例えば、コロニー検出判定部423は、プロファイルに規定されるコロニーピクセルの検出手法が「2値化」を用いる場合には、プロファイルに規定された特徴量を当該プロファイルによって規定された閾値によって2値化して一方の値を具備するピクセルをコロニーピクセルとして検出する。
また、コロニー検出判定部423は、画像フィルタノイズを低減させるための膨張処理及び縮小処理を含む画像フィルタ処理を実行しつつ、隣接するコロニーピクセルを連結してラベリングを実行してIDを付与する際の連結方法とそのパラメータに基づいて、コロニー候補を検出する。
すなわち、コロニー検出判定部423は、コロニーピクセルの連結に関しては、プロファイルによって特定された各コロニーピクセルの色に関する特徴量と同一と判定されるべき範囲に基づいて、隣接するコロニーピクセルについて同一のコロニー候補であると判定したものを連結する。
また、コロニー検出判定部423は、隣接するコロニーピクセルを連結してコロニーピクセル群を形成させ、コロニーピクセル群毎の色特性又は培地画像上の重心位置を用いて同一のコロニーピクセルを構成するピクセル群同士を連結させる。
そして、コロニー検出判定部423は、検出した各コロニー候補について、色特性、真円度、形状及びサイズなどの特徴量に基づいて、コロニーらしさを示す尤度を算出し、当該尤度が閾値以上など所定の条件を有するコロニー候補をコロニーとして特定し、その計数を実行する。
さらに、コロニー検出判定部423は、取得したプロファイルに基づいて設定した閾値と検出したコロニー数とに基づいて、各フィルム型培地60の検体が異常であるか正常であるかの培地判定(すなわち、検体の合否判定)を実行する。
なお、コロニー検出判定部423は、検出したコロニーピクセル(例えば培地画像上の位置及び自ピクセルが属するコロニー候補のID)、検出したコロニー候補(例えばコロニーピクセルの培地画像上の配置位置、色特性又は重心位置などの所定の情報)、特定したコロニー(例えばコロニーピクセルの培地画像上の配置位置、色特性又は重心位置などの所定の情報)、計数したコロニー数及び培地判定結果を培地情報として登録処理部421を介して培地情報DB401に記憶する。
また、膨張処理とは、画像フィルタ処理の一つであって、各コロニーピクセルに隣接して他のコロニーピクセルが存在する場合に、コロニーピクセルに隣接する全てのピクセルをコロニーピクセルに置き換える処理である。
さらに、収縮処理とは、コロニーピクセルに隣接して非検出したピクセル(以下、「非コロニーピクセル」という。)が存在する場合に当該コロニーピクセルに隣接するピクセルを全て非コロニーピクセルに置き換える処理である。
[5.4]ロット判定処理部
次に、本実施形態のサーバ装置40におけるロット判定処理部424の詳細について説明する。
本実施形態のロット判定処理部424は、管理者端末装置20に入力された管理者の指示に基づいて、指定されたロット、作業ライン80又は工程における衛生管理に関するデータ解析(すなわち、合否判定)を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、各ロットについて、該当するロットに用いられる作業ライン80のライン情報と、該当する作業ライン80に対応付けられて登録された培地情報(少なくともコロニー数)と、に基づいて、同一条件によって製造又は検査された食品群が所定の条件を具備しているか否かを判定する。
また、ロット判定処理部424は、ロット判定が指示されると、該当するロットに含まれる作業ライン80及び当該作業ライン80に属する工程が衛生管理上において異常であるか正常であるかの作業ライン80のライン判定(すなわち、衛生管理上の合否の判定)及び各工程の工程判定(すなわち、衛生管理上の合否の判定)を実行し、工程判定及びライン判定を用いてロット判定を実行する。
特に、ロット判定処理部424は、ロット判定が指示された際に、例えば、培養開始後から24時間、48時間等の所定の培養検査時刻を経過した培地情報におけるフィルム型培地60のコロニー数や検体の合否判定の培地情報に基づいて当該工程の衛生管理上の合否を判定し、該当する作業ライン80に含まれる工程の合否判定に基づいて当該作業ライン80の衛生管理上の合否を判定し、該当するロットに含まれる作業ライン80の合否判定に基づいて当該ロットの衛生管理上の合否を判定する。
なお、本実施形態のロット判定処理部424は、ロット判定だけでなく、工程判定又はライン判定のみをデータ解析として実行してもよい。
(工程判定)
ロット判定処理部424は、同一タイミングの培養開始時刻、同一タイミングの培養検査時刻、予め設定された第1時刻から第2時刻までの時間内の時刻を有する培養開始時刻又は、予め設定された第1時刻から第2時刻までの時間内の時刻を有する培養検査時刻を有するなど、培養開始時刻又は培養検査時刻が所定の条件を有し、かつ、同一のロットの同一の工程に対応付けて登録された複数のフィルム型培地60の培地情報に基づいて、各工程判定を実行する。すなわち、ロット判定処理部424は、複数のフィルム型培地60の各培地判定の結果に基づく、総合判定によって各工程判定を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、該当するフィルム型培地60の培地判定結果(すなわち、工程判定を実行すべき工程の工程ID71bを有する培地情報に登録されたすべての培地判定結果)を取得するとともに、判定結果の合否の数が所定の条件を具備している場合には、判定すべき工程の工程判定を合格と判定し、当該条件を具備していない場合には、判定すべき工程の工程判定を不合格と判定する。
例えば、ロット判定処理部424は、該当する工程における個々のフィルム型培地60において、合格のフィルム型培地60が所定の割合(60%)以上の場合、全てのフィルム型培地60が該当する条件(コロニー数が一定数以下)を具備している場合、又は、各フィルム型培地60のコロニー数が該当する条件(単一のフィルム型培地60の平均コロニー数が一定数以下)を具備している場合に、該当する工程を合格と判定する。
なお、本実施形態のロット判定処理部424は、検体の種別、検出する菌種等によって条件を変更することが可能となっており、管理者によって設定可能、又は、プログラムの一部として提供される。
(ライン判定)
ロット判定処理部424は、所定のタイミングで判定され、かつ、該当するライン情報に対応付けて登録された複数の工程の衛生管理上の合否判定に基づいて、各作業ライン80のライン判定を実行する。すなわち、ロット判定処理部424は、所定のタイミングで判定された同一ロットの複数の工程の各判定結果に基づく、総合判定によってライン判定を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、同タイミング又は所定の条件を具備するタイミングに判定され、かつ、上述のように、ライン判定を実行すべき作業ライン80のラインIDを有する工程の工程判定の判定結果を取得するとともに、判定結果の合否の数が所定の条件を具備している場合には、判定すべき作業ライン80のライン判定を合格と判定し、当該条件を不具備の場合には、判定すべき作業ライン80のライン判定を不合格と判定する。
例えば、3つの工程が判定すべき作業ライン80のラインIDを有している場合であって、第1工程が「合格」、第2工程が「合格」及び第3工程が「不合格」で、所定の条件が「60%」の合格した工程から作業ライン80が構成されている場合には、ロット判定処理部424は、判定すべき作業ライン80のライン判定を合格と判定する。
(ロット判定)
ロット判定処理部424は、所定のタイミングで判定され、かつ、該当するロット情報に対応付けて登録された複数の作業ライン80の衛生管理上の合否判定に基づいて、各ロットのロット判定を実行する。すなわち、ロット判定処理部424は、複数の作業ライン80の各判定結果に基づく総合判定によってロット判定を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、ロット判定を実行すべきロットのロットIDを有する作業ライン80における合否判定に基づいて、ロット判定を実行する。
例えば、ロット判定処理部424は、ロットIDを有する作業ライン80の60%においてライン判定が合格の場合に、判定すべきロットのロット判定を合格とし、3つの作業ライン80が判定すべきロットのロットIDを有している場合を想定する。この場合において、第1作業ライン80が「合格」、第2作業ライン80が「合格」及び第3作業ライン80が「不合格」の場合には、ロット判定処理部424は、判定すべきロットのロット判定を合格と判定する。
なお、ロットの作業時間が長時間に及ぶ場合には、所定の時間(例えば8時間又は12時間)毎に時間を区切ってロットの判定を実行してもよい。この場合には、作業が中断している間のロット判定を実行する場合には、ダミーの結果を用いてもよいし、作業中断中として判定してもよい。
(その他)
ロット判定処理部424は、培地情報、ライン情報、ロット情報及び作業管理DB404を用いて、上述以外の判定及びデータ解析を行うことができるとともに、報告処理部425を介して当該判定結果又はデータ解析結果を管理者が閲覧可能に管理者端末装置20に提供することができるようになっている。
具体的には、ロット判定処理部424は、各フィルム型培地60に培養された検体の信頼性を確認するために、すなわち、検査ミスが発生していない否かを確認するために、一の培地IDにおける培地情報を培養開始時時刻から培養の終了まで、時系列に培地情報又は培地画像データの所定の解析を実行する。
例えば、ロット判定処理部424は、管理者端末装置20を介して受信した管理者の指示に基づいて、特定の培地ID(同一の培地ID)66を有し、培養開始時刻から所定の時刻までの複数の培地情報を、培地画像データとともに抽出する。そして、ロット判定処理部424は、各培地情報及び各画像データについて所定の時系列に沿って所定の解析を実行し、又は、各培地情報及び各画像データを時系列に沿って集約する。また、ロット判定処理部424は、報告処理部425に、解析結果又は集約結果を所定のデータ形式を有する閲覧データに生成させ、当該生成させた閲覧データを管理者に閲覧可能に管理者端末装置20に提供させる。
なお、ロット判定処理部424は、報告処理部425と連動して、このとき、管理者端末装置20の指示に基づいて、法定された衛生管理の報告用に、一の培地ID66における各培地情報を個々に閲覧可能にさせてもよい。
また、ロット判定処理部424は、培地情報、ライン情報、ロット情報又は作業管理情報の検索機能を有していてもよい。具体的には、ロット判定処理部424は、ロットID(指示書ID71a)、作業ラインID、工程ID71b、作業ID71、培養開始時刻、ロットの作業日時、培地ID66、検体の種別などを検索キーとしてデータベース400を検索し、報告処理部425と連動し、該当する培地情報や各種の情報を管理者に閲覧可能なデータを生成してもよい。
なお、報告処理部425は、管理者端末装置20を介して受信した管理者の指示に基づいて、検索によって特定された培地情報(培地画像データ、コロニー数及び培地判定結果)、工程情報、ライン情報、又は、ロットに関する情報を所定の報告形式で提供することも可能である。すなわち、報告処理部425は、法定の検査報告その他の場合においてその証拠又は報告書として種々の情報を提供することができるように構成されている。
[5.5]報告処理部
次に、本実施形態のサーバ装置40における報告処理部425の詳細について説明する。
報告処理部425は、管理者端末装置20に入力された管理者の指示及び所定の報告書形式を有するテンプレートデータに基づいて、指定されたロット、作業ライン80又は工程における衛生管理に関するデータ解析の解析結果(すなわち、合否判定の判定結果)を報告書データとして生成し、生成した報告書データを、通信制御部410を介して管理者に閲覧可能に管理者端末装置20に提供する。
具体的には、報告処理部425は、培地画像のデータ、コロニー数又は培地判定結果等、培地情報、ライン情報及びロット情報から必要な情報を抽出するとともに、抽出した情報とロット判定処理部424によって得られた解析結果に基づいて、テンプレートデータに各情報を割り当てつつ、報告書データを生成する。
なお、報告処理部425は、上述したように、種々の解析又は検索に応じて所定の報告書データ又は閲覧データを生成し、管理者端末装置20に提供することができるように構成されている。すなわち、報告処理部425は、受信した管理者の指示に基づいて、検索によって特定された培地情報、工程情報、ライン情報、又は、ロットに関する情報を所定の報告形式で提供することも可能であるとともに、法定の検査報告その他の場合においてその証拠又は報告書として種々の情報を提供することができるように構成されている。
[5.6]衛生状態解析処理部
次に、図6〜図8の各図を用いて本実施形態のサーバ装置40における衛生状態解析処理部426の詳細について説明する。なお、図6〜図8は、本実施形態の衛生状態解析処理部426において実行される判定処理を説明するための図である。
衛生状態解析処理部426は、日時及び曜日を含むスケジュールされた時刻などの予め定められたタイミング、又は、管理者の指示に基づいて、対象物としての単一若しくは複数の作業ライン80又はその一部の対象物について、予め定められたタイミング毎に登録した各培地情報(すなわち、培養検査時刻毎の培地情報)に含まれる各コロニー数を取得しつつ、衛生状態解析提供処理を実行する。
特に、衛生状態解析処理部426は、衛生状態解析提供処理として、
(1)管理者が指定した日時、作業工程、ロット、又は、作業者などの管理者によって指定された作業要素において、第1のタイミングから第2のタイミングまでの評価期間内に登録されたコロニー数に基づいて、当該評価期間中の複数の作業ライン80、1の作業ライン80又はその一部を示す対象物の衛生状態の傾向を解析して所定の判定を実行する判定処理、及び、
(2)対象物の衛生状態が異常傾向又は改善傾向であると判定した場合に、その判定結果を傾向情報として管理者(又は複数の管理者が存在する場合には、該当する管理者)に提供する提供処理、
を実行する。
特に、衛生状態解析処理部426は、前回の判定処理を実行した後のタイミングから最新の培地情報が登録されたタイミングまでの最新の評価期間に基づいて、対象物の衛生状態が異常傾向を示しているか否か、又は、前回の解析で異常傾向の場合であって今回の解析でその傾向が改善された改善傾向を示しているか否かを判定する判定処理を実行する。
また、衛生状態解析処理部426は、判定処理としては、
(1A)評価期間のコロニー数が判定条件を具備するか否か判定する第1判定処理、又は、
(1B)評価期間のコロニー数の変化が判定条件を具備するか否かを判定する第2判定処理、
のいずれか一方を実行する。
通常、コロニー数の変化(グラフの傾き)が一定以上であれば、コロニー数の急激な変化を示すことになるので、その変化に基づいて異常傾向又は改善傾向にあることを識別することができる。
また、過去のコロニー数がガウス分布(正規分布)となるとの想定から信頼区間外の範囲に属するコロニー数を異常傾向又は改善傾向を示すものであると識別することができる。
そこで、衛生状態解析処理部426は、上述のように、第1判定処理又は第2判定処理を実行することによって評価期間中の異常傾向及び改善傾向を判定することができるようになっている。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、第1判定処理としては、評価期間中において、所定のタイミング毎に取得した時系列における各コロニー数の変化に基づいて判定処理を実行し、第2判定処理としては、評価期間前における複数の培地情報の各コロニー数に基づいて閾値を決定し、当該決定した閾値と評価期間中の各コロニー数とに基づいて判定処理を実行する。
なお、本実施形態の傾向情報には、対象物における衛生状態が異常傾向を示す異常傾向情報及び当該衛生状態が改善傾向を示す改善傾向情報の少なくともいずれか一方を含むようになっている。
また、衛生状態解析処理部426は、管理者が指示した評価期間が最新の培地情報が登録されたタイミングまでを含まない場合であっても、当該管理者によって設定された評価期間における対象物の判定処理を実行する。
(第1判定処理)
衛生状態解析処理部426は、予め定められた単位時間に基づいて、該当する評価期間中(すなわち、予め定められた第1のタイミングから最新の培地情報を取得した第2のタイミングまでの期間中)におけるコロニー数の変化量を算出し、当該算出したコロニー数の変化量が当該評価期間中において予め設定された判定条件を具備するか否かを判定する。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、該当する評価期間中における各タイミングにおけるコロニー数から当該コロニー数の変化を示すグラフ(以下、「変化グラフ」という。)を生成するとともに、3時間、12時間又は24時間などの単位時間Δtによって変化グラフf(t)を微分し、当該変化グラフにおける微分グラフ(dx/dt)f(t)を生成する。
そして、衛生状態解析処理部426は、該当する評価期間中の微分グラフ(dx/dt)f(t)が予め定められた閾値に基づいて所定の条件を具備した場合に、異常傾向又は改善傾向と判定する。
特に、衛生状態解析処理部426は、生成した微分グラフ(dx/dt)f(t)の評価期間の値が予め設定された第1閾値を超えた場合に、対象物が異常傾向にあると判定し、生成した微分グラフ(dx/dt)f(t)の評価期間の値が予め設定された第2閾値を下回った場合に、対象物が改善傾向にあると判定する。
すなわち、衛生状態解析処理部426は、生成した微分グラフ(dx/dt)f(t)の評価期間の値(コロニー数の変化量)が予め設定された第1閾値を超えたか、又は、当該生成した微分グラフ(dx/dt)f(t)の評価期間の値が予め設定された第2閾値を下回ったかを示す判定条件を用いることによって、対象物の異常傾向又は改善傾向を判定する。
例えば、対象物が作業ラインA及び作業ラインBの場合には、衛生状態解析処理部426は、評価期間中の所定のタイミング(1時間)毎に取得した各作業ラインのコロニー数に基づいて、図6(A)及び(B)に示すようなコロニー数の推移を示す変化グラフf(t)を生成する。
また、衛生状態解析処理部426は、図7(A)及び(B)に示すように、生成した作業ラインAの変化グラフf(x)を、予め定められた単位時間(3時間)に基づいて微分し、作業ラインAの変化グラフにおける微分グラフ(dx/dt)f(x)を生成する。
そして、衛生状態解析処理部426は、図7(A)及び(B)に示すように、
(1)生成した微分グラフ(dx/dt)f(x)の評価期間中の少なくとも一部の区間(図7では評価区間の全部)が予め定められた第1閾値(以下、「上限閾値」という。)を超えている場合には、対象物が異常傾向であると判定し、
(2)同一の作業要素における同一の対象物について実行された前回の衛生状態解析提供処理において異常傾向があると判定されている場合であって、生成した微分グラフ(dx/dt)f(x)の一部の区間(図7では評価区間の全部)が予め定められた第2閾値(以下、「下限閾値」という。)を下回っている場合には、対象物が改善傾向であると判定する。
なお、図7(B)は、タイミングAにおいて上限閾値に基づいて異常傾向と判定されている場合であって、タイミングB(すなわち、最新期間である評価期間)において下限閾値に基づいて改善傾向と判定されていることを示している。
本実施形態において、改善傾向を判定する際に用いる過去の異常傾向の有無としては、第1判定処理の実行時から1日前までの評価期間の判定結果、1週間前の評価期間の判定結果又は1月前の評価期間の判定結果などの所定の期間内であることが条件とされてもよいし、時期を無制限として過去の評価期間における異常傾向判定後に最初の改善傾向の判定がされたことを条件としてもよい。ただし、衛生状態解析処理部426は、過去の評価期間における異常傾向の判定が無い、又は、当該異常傾向の判定があっても判定された評価期間の判定結果が設定された条件を具備しない場合には、下限閾値を下回っても改善傾向であると判定しないようになっている。
なお、衛生状態解析処理部426は、評価期間中の一の区間における微分グラフ(コロニー数の変化量)が上限閾値を超える場合又は下限値を下回る場合には、対象物が異常傾向又は改善傾向にあると判定してもよいし、評価期間中の2以上等の所定の数以上の微分グラフ(コロニー数の変化量)がフィルム型培地60におけるコロニー数が上限閾値を超える場合に又は下限値を下回る場合に、対象物が異常傾向又は改善傾向にあると判定してもよい。
そして、同一の作業要素(例えば、毎日)で同一の対象物(例えば、同一の作業ライン80又はその一部)に対して複数の培地情報が登録されている場合には、当該各培地情報に含まれるコロニー数の平均値を算出し、当該平均値を判定処理に用いるようにしてもよい。
さらに、衛生状態解析処理部426は、異常傾向の傾向情報をレベルによって異なる提供を実行する場合には、複数の閾値を設け、どの閾値を超えたかを判定して異常傾向のレベルを判定してもよい。
(第2判定処理)
衛生状態解析処理部426は、評価期間前における複数の培地情報の各コロニー数を取得し、当該各コロニー数に基づいてコロニー数の上限値又は下限値を閾値として決定し、決定した閾値に基づいて評価期間中のコロニー数が判定条件を具備しているか否かを判定する。
特に、衛生状態解析処理部426は、
(1)評価期間のコロニー数の変化として、評価期間におけるコロニー数の変化量を算出し、
(2)当該算出したコロニー数の変化量が前記判定条件を具備するか否かを判定する。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、第1判定処理と同様に、該当する評価期間中における各タイミングにおけるコロニー数から、図6(A)に示すようなコロニー数の変化を示す変化グラフを生成する。
また、衛生状態解析処理部426は、図8(A)に示すように、評価期間前の所定の期間における複数の培地情報の各コロニー数から平均値及び分散値を算出しつつ、標本数と平均値のコロニー数を中心とした予め定められた信頼区間(例えば、95%又は99%)に基づいて、平均値に基づくコロニー数の信頼区間の範囲を算出し、図8(B)に示すように、当該算出した信頼区間の上限値及び下限値のコロニー数を上限の閾値(すなわち、上限閾値)及び下限の閾値(すなわち、下限閾値)にそれぞれ決定する。
そして、衛生状態解析処理部426は、図8(B)に示すように、
(1)評価期間のコロニー数が上限閾値を超える場合には対象物が異常傾向にあると判定し、
(2)評価期間のコロニー数が決定された下限閾値を下回る場合であって、傾向情報DB405に記憶されている同一の作業要素における過去の傾向情報を読み出しつつ、前回の判定処理において異常傾向があると判定されている場合には、改善傾向にあると判定する。
すなわち、衛生状態解析処理部426は、評価期間の各フィルム型培地60のコロニー数が上限値を超えるか否か、又は、下限値を下回るか否かを判定条件として用いることによって、対象物の異常傾向又は改善傾向を判定する。
なお、衛生状態解析処理部426は、評価期間中の一のフィルム型培地60におけるコロニー数が上限閾値を超える場合又は下限値を下回る場合には、対象物が異常傾向又は改善傾向にあると判定してもよいし、評価期間中の2以上等の所定の個数以上のフィルム型培地60におけるコロニー数が上限閾値を超える場合に又は下限値を下回る場合に、対象物が異常傾向又は改善傾向にあると判定してもよい。
例えば、対象物が作業ラインAの場合には、衛生状態解析処理部426は、第1判定処理と同様に、評価期間中の所定のタイミング(1時間)毎に取得した各作業ラインのコロニー数に基づいて、コロニー数の推移を示す変化グラフf(t)を生成する。
また、衛生状態解析処理部426は、評価期間前の全期間又は過去1月における複数の培地情報の各コロニー数から、(式1)及び(式2)に示すように、平均値X及び分散値Sを算出する。そして、衛生状態解析処理部426は、(式3)に示すように、標本数nと平均値Xのコロニー数を中心とした予め定められた信頼区間(例えば、95%又は99%)に基づいて、平均値Xに基づくコロニー数の信頼区間を算出し、当該算出した信頼区間の上限値及び下限値のコロニー数を上限閾値及び下限閾値にそれぞれ決定する。
なお、「α」は、((100−信頼区間%)/100)を示し、「x」は、各コロニー数を示す。また、「t」は、連続確率分布であり、サンプル数が少ない場合にガウス分布をとる母集団の平均を推定する際に用いるt分布から算出された値であって信頼区間が95%のときは「0.262」を示し、信頼区間が99%のときは「0.3250」を示す。
また、第1判定処理と同様に、改善傾向を判定する際に用いる過去の異常傾向の有無としては、第1判定処理の実行時から1日前までの評価期間の判定結果、1週間前の評価期間の判定結果又は1月前の評価期間の判定結果などの所定の期間内であることが条件とされてもよいし、時期を無制限として過去の評価期間における異常傾向判定後に最初の改善傾向の判定がされたことを条件としてもよい。ただし、衛生状態解析処理部426は、過去の評価期間における異常傾向の判定が無い、又は、当該異常傾向の判定があっても判定された評価期間の判定結果が設定された条件を具備しない場合には、下限閾値を下回っても改善傾向であると判定しないようになっている。
そして、第1判定処理と同様に、作業要素が日毎の場合であって、同一の対象物に対して複数の培地情報が登録されている場合には、当該各培地情報に含まれるコロニー数の平均値を算出し、当該平均値を判定処理に用いるようにしてもよい。
さらに、第1判定処理と同様に、衛生状態解析処理部426は、異常傾向の傾向情報をレベルによって異なる提供を実行する場合には、複数の閾値を設け、どの閾値を超えたかを判定して異常傾向のレベルを判定してもよく、この場合に、異常傾向のレベルに応じて後述の提供処理を変更してもよい。
(提供処理)
衛生状態解析処理部426は、第1判定処理又は第2判定処理によって作業ライン80又はその一部など対象物の衛生状態が異常傾向であると判定した場合に、その判定結果を傾向情報として管理者端末装置20に提供するなど、所定の手法によって管理者(又は複数の管理者が存在する場合には、該当する管理者)に提供する提供処理を実行する。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、対象物の衛生状態が異常傾向であると判定した場合に、電子メール又は所定のアプリケーションを介して管理者端末装置20に警告表示を実行するためのデータを送信し、その旨を提供する。
また、衛生状態解析処理部426は、第1判定処理又は第2判定処理によって対象物の衛生状態が異常傾向であると判定した後に、当該対象物の衛生状態が改善されて改善傾向であると判定した場合には、電子メール又は所定のアプリケーションを介して管理者端末装置20に改善表示を実行するためのデータを送信し、その旨を提供する。
特に、衛生状態解析処理部426は、管理者の設定その他によって、異常傾向及び改善傾向に関するデータを管理者端末装置20に表示するための画像データを生成し、当該生成した画像データを管理者端末装置20に警告表示又は改善表示を行うためのデータとともに送信する。
なお、衛生状態解析処理部426は、改善傾向の判定結果の提供においては、管理者によって設定された場合にのみ改善傾向を提供するようにしてもよい。すなわち、衛生状態解析処理部426は、管理者が改善傾向の提供を要求した場合であって、改善傾向であると判定した場合にのみ、その旨を管理者に提供する。
また、衛生状態解析処理部426は、異常傾向のレベル(以下、「異常傾向レベル」という。)に応じて当該異常傾向の傾向情報を提供する場合には、役職及び人数などの傾向情報の異常傾向レベルに応じて提供する管理者、メール、警報、作業ラインの停止等の提供する手段を変更又は追加して傾向情報の提供を実行する。例えば、衛生状態解析処理部426は、異常傾向レベルが最低レベル(軽度な異常傾向)の場合には、作業ライン80の担当者の管理者端末装置20にのみ提供し、当該異常傾向レベルが最高レベル(深刻な異常傾向)の場合には、システム全体を管理する管理者の端末装置に提供するなど、異常傾向レベルが高くなる毎に(異常傾向の深刻度を増す毎に)徐々に提供する担当者を拡大又は担当者の役職を高くする提供レベルを変化させるになっている。
[5.7]異常原因推定処理部
[5.7.1]異常原因推定処理部の概要
次に、本実施形態のサーバ装置40における異常原因推定処理部427の詳細について説明する。
異常原因推定処理部427は、
(1)予め管理者端末装置20によって対象物として設定された、ロット(具体的には、同一ロットとなる単一又は複数の作業ライン80)、作業ライン80、作業工程、又は、それらの一部について、その衛生状態が異常傾向若しくは異常であると判定された場合に、又は、
(2)当該対象物から抽出された検体を有し、コロニーを培養するフィルム型培地60において培地判定によって異常と判定された場合に、
対象物から抽出された検体を有するフィルム型培地60の培地情報から又は培地判定において異常となったフィルム型培地60の培地情報からコロニー数の情報を取得し、当該取得したコロニー数の情報に基づいて、対象物の作業履歴情報から異常原因を推定して管理者に提供する。
具体的には、異常原因推定処理部427は、
(A)衛生状態解析処理部426おいて実行された第1判定処理又は第2判定処理によって対象物の衛生状態が異常傾向であると判定された場合に、
(B)コロニー検出判定部423の培地判定において対象物から抽出された検体におけるフィルム型培地60が異常と判定された場合に、又は、
(C)ロット判定処理部424の工程判定、ライン判定若しくはロット判定において作業工程、作業ライン80若しくはロットが異常と判定された場合に、
該当する対象物の作業イベント及び作業属性を含む作業要素を作業履歴情報DB406から抽出する。
そして、異常原因推定処理部427は、異常傾向又は異常と判定した対象物の抽出した各作業要素において、該当する培地情報(すなわち、対象物から抽出した検体を有する各フィルム型培地60又は異常と判定されたフィルム型培地60における、培養検査時刻毎に画像解析されて登録された培地情報)に含まれるコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定する。
一方、異常原因推定処理部427は、作業イベント又は作業属性を異常原因として特定すると、特定した作業要素である異常原因に関する情報(すなわち、異常原因推定情報)を管理者端末装置20に提供するなど、所定の手法によって管理者(又は複数の管理者が存在する場合には、該当する管理者)に提供する。
[5.7.2]作業イベントに基づく異常原因推定処理
次に、図9を用いて本実施形態の異常原因推定処理部427において実行される作業イベントに基づく異常傾向原因推定処理について説明する。なお、図9は、本実施形態の異常原因推定処理部427において実行される作業イベントに基づく異常傾向原因推定処理を説明するための図である。
異常原因推定処理部427は、対象物の衛生状態が異常傾向であると判定された場合であって、作業履歴情報DB406の該当する対象物における作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業要素に作業イベントが含まれている場合には、作業履歴情報の中から当該作業イベントに対応付けられて格納されている作業要素内容情報を取得する。
そして、異常原因推定処理部427は、抽出した作業要素に作業イベントが含まれる場合には、抽出した作業イベント毎に、作業イベントの実行したタイミング又は実行が予定されていたタイミングと対象物のコロニー数の変動が生じたタイミングとを比較し、所定の条件を具備する作業イベントを異常原因として特定する。
特に、異常原因推定処理部427は、作業履歴情報DB406に作業要素内容情報として記憶された情報であって、作業要素内容情報から作業イベントが既に実行された際のタイミング(以下、「実行タイミング」という。)又は既に経過した未実行の作業イベントのタイミング(以下、「未実行タイミング」という。)を示す情報を取得する。
また、異常原因推定処理部427は、異常傾向であると判定された際に用いた評価期間に関する情報、すなわち、評価期間の始期のタイミングを取得する。
そして、異常原因推定処理部427は、衛生状態解析処理部426において実行された判定処理によって用いた評価期間の始期のタイミングと、各作業イベントにおける実行タイミング、未実行タイミング又はその双方のタイミングと、を比較し、所定の条件として、評価期間の始期のタイミングと一致するタイミング又は当該始期のタイミングの前のタイミングであって所定の期間(例えば、3時間以内)において一番近いタイミングを有する作業イベントを異常原因として特定する。
なお、本実施形態の作業イベントとしては、
(1)作業開始及び作業の一時停止等の作業に基づくイベント、
(2)対象物の洗浄や一部の作業工程の機械又はラインの変更に基づくイベント、
(3)作業者の交代等の対象物の作業に携わる作業者に基づくイベント、及び、
(4)商品の原材料の変更又は納入業者の変更等の商品に基づくイベント
が含まれるとともに、(1)〜(4)のそれぞれのイベントには、実行作業イベント及び未実行作業イベントが含まれる。
例えば、対象物が作業ラインAにおいて、作業イベントとして、作業ラインの一時停止、未実行の洗浄イベント、及び、作業者の交代イベント、が取得された場合には、図9に示すように、未実行の洗浄イベントが評価期間の始期のタイミングの前であって他のイベントより始期のタイミングに一番近いので、異常原因推定処理部427は、未実行の洗浄イベントを異常原因として特定する。
なお、異常原因推定処理部427は、評価期間の始期のタイミングと作業イベントのタイミングを比較する際に、所定の条件として、評価期間の始期のタイミングと一致するタイミング又は当該始期のタイミングの前のタイミングであって所定期間において一番近いタイミングを有する作業イベントを異常原因として特定しているが、評価期間の始期のタイミングの前のタイミングであって所定期間外であって一番近いタイミング、又は、評価期間の始期のタイミング後であって一番近いタイミングを有する作業イベントを異常原因として特定してもよいし、一番近いタイミングを有する作業イベントから高い信頼度を付与して順位付けをしてもよい。
一方、異常原因推定処理部427は、コロニー検出判定部423の培地判定によって予め設定された対象物から抽出された検体におけるフィルム型培地60が異常であると判定された場合には、当該培地判定を実行したフィルム型培地60の培養検査時刻と、各作業イベントにおける実行タイミング、未実行タイミング又はその双方のタイミングと、を比較し、対象物の衛生状態が異常傾向であると判定された場合と同様に、培養検査時刻と一致するタイミング、又は、当該培養検査時刻の前のタイミングで一番近いタイミングを有する作業イベントを異常原因として特定する。
なお、このような場合には、異常原因推定処理部427は、同一の対象物において2回以上連続の培養検査時刻におけるフィルム型培地60が異常と判定された場合に、異常傾向原因推定処理を実行してもよい。すなわち、一回のみの異常判定であると、システムなどのエラーであることも考えられるので、このような処理を実行することによってその防止を実行することができる。
また、このような場合には、異常原因推定処理部427は、例えば、最初に異常判定されたフィルム型培地60の培養検査時刻と、未実行タイミング又はその双方のタイミングと、を比較し、異常原因としての作業イベントを特定する。
他方、異常原因推定処理部427は、培地判定の際と同様に、ロット判定処理部424における工程判定、ライン判定又はロット判定によって予め設定された対象物が異常であると判定された場合には、工程判定、ライン判定又はロット判定によって用いた最先のフィルム型培地60の培養検査時刻と、各作業イベントにおける実行タイミング、未実行タイミング又はその双方のタイミングと、を比較し、対象物の衛生状態が異常傾向であると判定された場合と同様に、最先のフィルム型培地60の培養検査時刻と一致するタイミングを有する作業イベントを異常原因として特定する。
すなわち、このような場合には、異常原因推定処理部427は、上述のように、複数の培地判定を実行することによって工程判定、ライン判定又はロット判定を行っているため、その中の1のフィルム型培地60であって培養検査時刻的に最先のものと作業イベントのタイミングとを比較する。ただし、異常原因推定処理部427は、その他のフィルム型培地60の培養検査時刻と比較してもよい。
[5.7.3]作業属性における異常原因推定処理
次に、図10を用いて本実施形態の異常原因推定処理部427において実行される作業属性における異常傾向原因推定処理について説明する。なお、図10は、本実施形態の異常原因推定処理部427において実行される作業属性における異常傾向原因推定処理を説明するための図である。
異常原因推定処理部427は、対象物の衛生状態が異常傾向であると判定された場合であって、作業履歴情報DB406の該当する対象物における作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業要素に作業属性が含まれている場合には、培地情報DB401、ライン情報DB402、ロット情報DB403及び作業管理DB404を検索し、衛生状態解析処理部426の判定処理によって用いた評価期間又は当該評価期間を含む予め定められた一定の期間に属し、かつ、当該対象物の培地情報に含まれるコロニー数を、該当する作業属性とともに、取得する。
そして、異常原因推定処理部427は、抽出した作業属性において同一カテゴリー毎に、当該作業属性の種別に応じて、対象物における所定のタイミング毎のコロニー数を集約するとともに、当該集約した各作業属性のコロニー数の変動について所定の条件を具備する作業属性を特定し、当該特定した作業属性(すなわち、作業要素)を異常原因として特定する。
特に、異常原因推定処理部427は、同一カテゴリーの作業属性の種別毎に、各作業属性の種別において集約したコロニー数のデータ群から平均及び分散を算出しつつ、コロニー数と当該コロニー数を有するフィルム型培地60の数(以下、「培地数」という。)に基づいて作業属性の種別毎に正規分布を生成する。そして、異常原因推定処理部427は、同一カテゴリーの作業属性の種別毎に、2つの正規分布の差を算出するT検定、又は、3つ以上の正規分布を比較し、最適な正規分布を特定する分散分析及び多重比較(例えば、1つの対照群と2つ以上の処理群があって、母平均について対照群と処理群の対比較を検定するDunnett法)等を用いて、異常原因推定の信頼度を示すp値を算出するとともに、作業属性の種別毎に、他の正規分布から差のある正規分布を抽出し、当該抽出した正規分布を有する作業属性を、該当するカテゴリーにおける異常原因として特定する。
なお、本実施形態の作業属性としては、
(1)対象物が作業ライン80時における当該作業ライン80に含まれる作業工程など作業ライン80又は作業工程の種別等の対象物に関する属性、
(2)曜日、午前中、午後又は夜中等の時間帯や特定の時刻等の培養検査された際の時間に関する属性
(3)作業に携わる作業者ID、及び、
(4)商品の原材料の変更又は納入先等の商品に関する属性
が含まれる。また、同一カテゴリーとは、例えば、作業工程、曜日、作業者ID及び原材料を示し、作業属性の種別とは、作業工程におけるA工程及びB工程、または、原材料における原料A及び原料Bを示す。
例えば、異常原因推定処理部427は、図10(A)に示すように、作業属性のカテゴリーが「納入業者」であって、作業属性の種別が「業者A」、「業者B」及び「業者C」の場合に、評価期間における各コロニー数を培地情報DB401などの各DBから各作業属性に関するデータを取得すると、作業属性の種別毎に取得したコロニー数のデータ群から平均及び分散を算出しつつ、図10(B)に示すように、正規分布を生成する。そして、異常原因推定処理部427は、分散分析及び多重比較を実行し、業者A、業者B及び業者Cの中から、正規分布が他の正規分布から差があるとして業者Aを抽出すると、当該納入業者のカテゴリーにおいて業者Aの作業属性の種別を異常原因と特定する。
なお、異常原因推定処理部427は、複数の作業属性のカテゴリーにおいてそれぞれ異常原因の作業属性を特定した場合に、それぞれ特定した作業属性を異常原因として特定する。そして、異常原因推定処理部427は、各作業属性のカテゴリーにおいて、作業属性の種別毎に他の正規分布から差のある正規分布を抽出することができない場合に、当該作業属性におけるいずれの種別も異常原因としては特定しない。
また、異常原因推定処理部427は、異常原因推定の信頼度を示すp値を用いて異常原因の信頼性の高い順に異常原因を順位付けしてもよい。
一方、異常原因推定処理部427は、コロニー検出判定部423の培地判定によって予め設定された対象物から抽出された検体におけるフィルム型培地60が異常であると判定された場合には、培地情報DB401、ライン情報DB402、ロット情報DB403及び作業管理DB404を検索し、異常判定がされた培地検査時刻から予め定められた一定期間前までの期間に属し、かつ、当該対象物の培地情報に含まれるコロニー数を、該当する作業属性とともに、取得する。
そして、異常原因推定処理部427は、上記と同様に、同一のカテゴリー毎に、作業属性の種別において取得したコロニー数のデータ群から平均及び分散を算出しつつ、フィルム型培地60の数とコロニー数に基づく正規分布をそれぞれ生成するとともに、T検定又は多重比較等を用いて異常原因推定の信頼度(p値)を算出し、カテゴリー毎に、他の作業属性の正規分布から差を有する正規分布を抽出して異常原因を特定する。
また、異常原因推定処理部427は、上述と同様に、異常原因推定の信頼度を示すp値を用いて異常原因の信頼性の高い順に異常原因を順位付けしてもよい。
他方、異常原因推定処理部427は、ロット判定処理部424の工程判定、ライン判定及びロット判定(以下、「ロット判定等」ともいう。)によって作業工程、作業ライン80又はロットなどの対象物が異常であると判定された場合には、培地情報DB401、ライン情報DB402、ロット情報DB403及び作業管理DB404を検索し、ロット判定等に用いた最先のフィルム型培地60の培地情報に含まれる培地検査時刻から予め定められた一定期間前までの期間(例えば、48時間又は1週間)に属し、かつ、当該対象物の培地情報に含まれるコロニー数を、該当する作業属性とともに、取得する。
そして、異常原因推定処理部427は、上記と同様に、同一のカテゴリー毎に、作業属性の種別において取得したコロニー数のデータ群から平均及び分散を算出しつつ、フィルム型培地60の数とコロニー数に基づく正規分布をそれぞれ生成するとともに、T検定又は多重比較等を用いて異常原因推定の信頼度(p値)を算出し、カテゴリー毎に、他の作業属性の正規分布から差を有する正規分布を抽出して異常原因を特定する。
なお、異常原因推定処理部427は、上述と同様に、異常原因推定の信頼度を示すp値を用いて異常原因の信頼性の高い順に異常原因を順位付けしてもよい。
[5.7.4]異常原因推定情報の提供
次に、本実施形態の異常原因推定処理部427において実行される異常原因推定情報の提供について説明する。
異常原因推定処理部427は、上述のように、対象物における衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定し、異常原因推定処理によって異常原因を特定すると、異常原因として特定した作業イベント又は作業属性等の作業要素に関する情報を異常原因推定情報として管理者に提供する。
具体的には、異常原因推定処理部427は、電子メール又は所定のアプリケーションを介して管理者端末装置20に異常原因推定情報を表示させて管理者に注意を喚起させるためのデータを送信する。
例えば、異常原因推定処理部427は、異常原因推定の信頼度を示すp値を用いて異常原因の信頼性の高い順に異常原因を順位付けしている場合には、当該順位に基づいて特定した作業要素に関する情報を異常原因推定情報として提供してもよいし、上述した対象物の衛生状態解析処理と連動し、対象物の衛生状態の異常傾向とともに、又は、培地判定、工程判定、ライン判定若しくはロット判定における異常判定と当該判定された対象物とともに、特定した作業要素に関する情報を異常原因推定情報として提供してもよい。
また、異常原因推定処理部427は、上述の衛生状態解析処理と同様に、又は、当該衛生状態解析処理と連動し、異常原因推定情報の提供を傾向情報のレベルに応じて変更してもよい。具体的には、異常原因推定処理部427は、役職及び人数などの傾向情報のレベルによって提供する管理者、メール、警報、作業ラインの停止等の提供する手段などを変更又は追加して傾向情報とともに異常原因推定情報の提供を実行する。
特に、異常原因推定処理部427は、最低レベルの異常傾向の場合には、作業ライン80の担当者の管理者端末装置20のみに異常原因推定情報を提供し、最高レベルの異常傾向の場合には、システム全体を管理する管理者の端末装置に異常原因推定情報を提供するなど、レベルが高くなる毎に徐々に提供する担当者を拡大し、又は、監督責任の上位の管理者に提供する担当者を変更するようになっている。
[6]衛生管理システムの動作処理
[6.1]培地情報登録処理(携帯用通信端末装置)
次に、図11を用いて本実施形態の携帯用通信端末装置10における培地情報登録処理の動作について説明する。なお、図11は、本実施形態の携帯用通信端末装置10における培地情報の登録処理動作を示すフローチャートである。
本動作においては、ライン情報DB402及びロット情報DB403には、既に作業指示書70に対応付けられた該当するロット情報及びライン情報が記憶されているものとする。
また、フィルム型培地60及び作業指示書70には、2次元バーコードによって培地ID66又は指示書ID71aが付されているものとする。
さらに、本動作においては、各フィルム型培地60におけるコロニー数の検出は、培地情報のデータベース400への登録時に実行されるものとし、携帯用通信端末装置10においては培地画像を撮像するためのRGBの階調値又は輝度値に対するキャリブレーションが実行されているものとする。
まず、携帯用通信端末装置10において、アプリケーション制御部120は、操作部170を介して培地登録アプリの起動指示を検出すると(ステップS101)、アプリケーション記憶部101から培地登録アプリを読み出して起動する(ステップS102)。このとき、アプリケーション制御部120は、携帯端末管理制御部190の制御下、ワークメモリの初期化その他の必要な処理を実行する。
次いで、アプリケーション制御部120は、表示制御部161と連動し、フィルム型培地60の初期登録であるか、又は、培養開始から所定の時間経過した培養後登録であるか選択させるための画像を表示部160に表示させてその入力を待機する(ステップS103)。
次いで、アプリケーション制御部120は、操作部170による選択指示の入力を検出すると(ステップS104)、初期登録か培養後登録かを判断し、フラグ情報にその結果を設定する(ステップS105)。
次いで、アプリケーション制御部120は、フィルム型培地60の撮像を促す画面を表示部160に表示させるとともに、操作部170と連動し、画像データ生成部110による撮像を待機する(ステップS106)。なお、このとき、アプリケーション制御部120は、取得すべき培地画像の位置合わせするために所定の画像を表示部160に重畳表示させる。
次いで、アプリケーション制御部120は、画像データ生成部110、表示制御部161及び操作部170と連動しつつ、画像データ生成部110による撮像を検出すると(ステップS107)、画像データ生成部110によって培地ID66とともに画像化されたフィルム型培地60の培地画像データを取得し、画像データ記憶部102に所定の画像IDを付与しつつ記憶する(ステップS108)。
次いで、アプリケーション制御部120は、タイマー180より現在時刻を培地画像データの撮像時刻として取得し、当該培地画像データに対応付けてメタデータとして画像データ記憶部102に記憶する(ステップS109)。
次いで、アプリケーション制御部120は、取得した画像化された培地画像データの所定の領域に形成された2次元バーコードを解析して培地ID66を取得し、当該培地画像データに対応付けて画像データ記憶部102に記憶する(ステップS110)。
次いで、アプリケーション制御部120は、表示制御部161と連動して指示書ID71a及び工程ID71bとともに指示書画像データを取得するための画面を表示部160に表示させ、指示書画像データの取得を待機する(ステップS111)。
次いで、アプリケーション制御部120は、画像データ生成部110、表示制御部161及び操作部170と連動しつつ、画像データ生成部110による撮像を検出すると(ステップS112)、作業ID71が画像化された指示書画像データを取得し、ステップS108によって取得した培地画像データに対応付けて画像データ記憶部102に記憶する(ステップS113)。
なお、アプリケーション制御部120は、工程ID71bを作業ID71として取得する場合、又は、複数の工程ID71bから一の工程ID71bを取得する場合には、表示制御部161及び操作部170と連動しつつ、ユーザに取得すべき工程ID71bを選択させる表示をし、該当する工程ID71bを取得する。
次いで、アプリケーション制御部120は、取画像化された指示書画像データ及び培地画像データの所定の領域に形成された2次元バーコードを解析して作業ID71を取得し、当該指示書画像データに対応付けて画像データ記憶部102に記憶する(ステップS114)。
次いで、アプリケーション制御部120は、タイマー180より現在時刻を培地画像データの撮像時刻として取得し、表示制御部161及び操作部170と連動して作業者に、取得した指示書画像データ、作業ID71、培地画像データ、培地ID66、及び、撮像時刻を確認させる(ステップS115)。
なお、アプリケーション制御部120は、取得した培地情報の作業者による確認時に、作業者の指示に基づいて、培地画像データの再取得を行っていてもよい。また、このとき、アプリケーション制御部120は、表示制御部161及び操作部170と連動して作業者によって培地画像データの補正を行うことができるようにしてもよい。
次いで、アプリケーション制御部120は、作業者の指示に基づいて、端末IDと作業ID71とともに、取得した培地画像データとそのメタデータ、及び、初期登録か培養後登録かを示すフラグ情報を培地情報として、ネットワーク通信部130を介してサーバ装置40に送信し(ステップS116)、携帯用通信端末装置10の登録処理を終了する。
このとき、ネットワーク通信部130は、培地情報を送信する際に、端末IDや入力されたID及びパスワードに基づいてサーバ装置40へのアクセスをするためのログインを実行し、ログイン完了後にサーバ装置40との通信回線を確立し、培地情報を送信する。
[6.2]培地情報登録処理(サーバ装置)
次に、図12を用いて本実施形態のサーバ装置40における培地情報の登録処理動作について説明する。なお、図12は、本実施形態のサーバ装置40における培地情報の登録処理動作を示すフローチャートである。
なお、本動作は、携帯用通信端末装置10によって実行された培地情報登録処理と連動して実行される処理であり、サーバ装置40は、携帯用通信端末装置10から送信された培地情報を培地情報DB401に登録するための処理である。
まず、サーバ装置40においては、通信制御部410が携帯用通信端末装置10から送信された培地情報を受信すると(ステップS300)、登録処理部421は、受信した培地情報に含まれるフラグ情報に基づいて、初期登録か培養後登録であるかを判定する(ステップS301)。
このとき、登録処理部421は、初期登録と判定した場合には、ステップS302の処理に移行し、初期登録でないと判定した場合には、すなわち、培養後登録と判定した場合には、ステップS304の処理に移行する。
次いで、登録処理部421は、初期登録と判定した場合には、培地情報に含まれる作業ID71を抽出して特定する(ステップS302)。
次いで、登録処理部421は、特定した作業ID71に基づいて培地情報を培地情報DB401に登録し(ステップS303)、本動作を終了する。なお、培養開始時刻は作業管理DB404に予め記憶されているが、登録処理部421は、ステップS303の処理において、受信した培地情報に含まれる撮像時刻を培養開始時刻として作業管理DB404に登録してもよい。
一方、登録処理部421は、培養後登録と判定した場合には、培地情報に含まれる作業ID71を抽出して特定し(ステップS304)、培地情報に含まれる撮像時刻に基づいて培地情報を登録する培養検査時刻を特定する(ステップS305)。
なお、このとき、登録処理部421は、携帯用通信端末装置10と連動して培地情報を登録する培養検査時刻を指定させて登録してもよいし、受信した培地情報に含まれる撮像時刻を培養検査時刻としてそのまま登録してもよい。また、登録処理部421は、既に実行された培養検査時刻における培地登録を管理し、培地情報を受信したタイミング及び既に培地情報の登録に用いた培養検査時刻に基づいて、培養検査時刻を特定してもよい。すなわち、登録処理部421は、培地情報の登録を実行する毎に実行フラグを書き換え、当該フラグの情報を参照しつつ、受信した撮像時刻と比較して、培養検査時刻を特定してもよい。
次いで、登録処理部421は、コロニー検出判定部423に、取得した培地情報及び特定した作業ID71に基づいて、作業情報を用いてコロニーを検出するためのプロファイルを特定させる(ステップS307)。
次いで、コロニー検出判定部423は、特定させたプロファイルに基づいて、受信した培地画像データに対して画像解析を実行し、培地画像を構成する各ピクセルの特徴量(輝度値)を抽出させるとともに(ステップS308)、当該培地画像を構成する各ピクセルの特徴量に基づいて画像化された検体に発生したコロニーを検出しつつ、その数を検出させる(ステップS309)。
次いで、コロニー検出判定部423は、特定されたプロファイルに基づいて、検出したコロニー数が所定の条件を具備するか否かを判定する(ステップS310)。すなわち、コロニー検出判定部423は、所定の条件を具備する場合には、合格(正常)と判定し、所定の条件を不具備な場合には、不合格(異常)と判定する。また、コロニー検出判定部423は、フィルム型培地60が不合格と判定した場合(すなわち、異常判定と判定した場合)であって、予め設定された作業ライン80等の対象物から抽出された検体を有するフィルム型培地60に対する合否判定の場合には、異常原因推定処理部427に異常原因推定処理の開始を指示する。
なお、コロニー検出判定部423は、携帯用通信端末装置10と連動し、検出したコロニー数及び合否判定の結果を当該携帯用通信端末装置10の表示部160に表示させ、ユーザに閲覧及び確認させるようにしてもよい。また、異常原因推定処理部427の異常原因推定処理の詳細について後述する。
次いで、登録処理部421は、培地画像データ、認識した培地ID66、判定された合否、検出されたコロニー数及び培地情報に含まれる撮像時刻を培養開始時刻とした培養開始時刻情報を、特定した作業ID71対応付けて培地情報DB401に登録し(ステップS311)、本動作を終了する。
なお、登録処理部421は、ライン情報及び登録すべき情報を携帯用通信端末装置10の表示部160に表示させ、当該携帯用通信端末装置10を介して入力されたユーザ指示に基づいて、培地情報等の登録をするようにしてもよい。
また、携帯用通信端末装置10から培地画像データが送信され、サーバ装置40によって各画像データを解析することによって培地ID66を認識する場合には、登録処理部421は、ステップS201の処理において、受信した培地画像データのそれぞれの所定の領域上に画像化された培地ID66を解析して当該培地ID66を認識して取得するようになる。同様に、指示書画像データにおける作業ID71についても、サーバ装置40において認識させる。
さらに、上述の動作は、携帯用通信端末装置10によって培地情報を取得した際に実行しているが、携帯用通信端末装置10によって取得した培地情報が培地情報DB401に記録され、その後に実行されてもよい。
[6.3]ロット判定処理
次に、図13を用いて本実施形態のサーバ装置40におけるロット判定処理の動作について説明する。なお、図13は、本実施形態のサーバ装置40におけるロット判定処理の動作を示すフローチャートである。
本動作においては、該当する培地情報が登録されているものとし、工程判定基準情報、ライン判定基準情報及びロット判定基準情報が予め登録されているものとする。
まず、サーバ装置40の通信制御部410が、管理者端末装置20から送信されたロット判定指示を受信すると(ステップS351)、ロット判定処理部424は、通信制御部410と連動し、ロット判定可能なロットIDを検索して当該ロット判定可能なロットID及びそれに対応するロット情報を、管理者に閲覧及び選択可能に管理者端末装置20に送信し、ロット判定処理を実行するロットIDの指示を待機する(ステップS352)。
なお、管理者端末装置20には、ロット判定可能なロットIDを管理者に閲覧及び選択可能に所定の表示画面に表示させる。
次いで、通信制御部410が、管理者によって特定されたロットIDを、管理者端末装置20を介して受信すると(ステップS353)、ロット判定処理部424は、該当するロットに属する工程の工程判定、ライン判定及びロット判定の条件を示す各判定基準情報をRAM/ROM440から読み出す(ステップS354)。
次いで、ロット判定処理部424は、該当するロットIDの各種のロット情報、ライン情報及び培地情報を読み出し(ステップS355)、読み出したロット情報、ライン情報及び培地情報に基づいて、工程判定及びライン判定を実行しつつ、ロット判定を行う(ステップS356)。具体的には、ロット判定処理部424は、ロット情報によって特定された各工程の工程判定を実行し、当該工程判定の工程判定結果に基づいて、ロット情報によって特定された各作業ライン80のライン判定を実行する。そして、ロット判定処理部424は、ライン判定結果に基づいてロット判定を実行する。
次いで、ロット判定処理部424は、工程判定、ライン判定及びロット判定において、予め対象物として設定された作業工程、作業ライン又はロットが異常であると判定した場合には、異常原因推定処理部427に異常原因推定処理の開始を指示する(ステップS357)。
なお、コロニー検出判定部423は、携帯用通信端末装置10と連動し、検出したコロニー数及び合否判定の結果を当該携帯用通信端末装置10の表示部160に表示させ、ユーザに閲覧及び確認させるようにしてもよい。また、異常原因推定処理部427の異常原因推定処理の詳細について後述する。
次いで、ロット判定処理部424は、判定の報告形式となる予め定めたテンプレート情報を読み出しつつ、ロット判定結果を、当該テンプレートに割り当てて、報告書データを生成する(ステップS358)。
最後に、ロット判定処理部424は、通信制御部410と連動して生成した報告書データを該当する管理者端末装置20に提供して(ステップS359)本動作を終了させる。
なお、管理者端末装置20は、報告書データを受信すると、管理者に閲覧可能に表示させる。ただし、ロット判定処理部424は、管理者端末装置20に報告書データを送信せずに、プリンタに印刷可能に印刷データとして送信してもよい。
[6.4]衛生状態解析提供処理
次に、図14を用いて本実施形態のサーバ装置40における衛生状態解析提供処理の動作について説明する。なお、図14は、本実施形態のサーバ装置40における衛生状態解析提供処理の動作を示すフローチャートである。
本動作においては、作業ライン80又は所定の作業工程に関わるその一部など衛生状態を解析する対象物が予め設定されているものとし、管理者端末装置20からの指示又は所定のタイミング(作業要素)として12時間毎に本動作を実行するものとする。すなわち、評価期間は、本動作の実行時の直前の12時間となる。
また、本動作においては、培地情報DB401には、衛生状態を解析すべき対象物における複数の培地情報が登録されており、1時間毎に新規のフィルム型培地60における所定の培養時間経過後(48時間経過後)における培地情報が登録されているものとする。
さらに、本動作においては、設定された作業要素の以前に実行して登録された傾向情報が傾向情報DB405に既に登録されているものとする。
まず、衛生状態解析処理部426は、管理者端末装置20からの指示又は所定のタイミングであることを検出すると(ステップS401)、該当する培地情報(すなわち、評価期間中の培地情報)を特定しつつ、特定した培地情報から各コロニー数を取得する(ステップS402)。具体的には、衛生状態解析処理部426は、衛生状態解析処理の対象物である作業ライン80のラインIDを有し、かつ、未だ衛生状態解析提供処理に用いていない培地情報であって、最新に登録された培地情報まで各培地情報を培地情報DB401から読み出すことによって取得する。
次いで、衛生状態解析処理部426は、取得した各コロニー数の値を時系列に配置して当該コロニー数の時系列変化を示す変化グラフを生成する(ステップS403)。
次いで、衛生状態解析処理部426は、生成した変化グラフに基づいて、評価期間における判定処理(具体的には第1判定処理又は第2判定処理)を実行し(ステップS404)、評価期間中の対象物(例えば作業ライン80)の衛生状態が異常傾向を示すか否かを判定する(ステップS405)。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、ステップS404の処理においては、第1判定処理として、予め定められた単位時間に基づいて、変化グラフから微分グラフを生成し、評価期間内における微分グラフの値が上限閾値を超えるか否かを判定する判定処理を実行する。
また、衛生状態解析処理部426は、第2判定処理として、評価期間前の所定の期間における複数の培地情報(すなわち、当該衛生状態解析処理の対象となっている作業ライン80のラインIDを有する該当する期間内の各培地情報)の各コロニー数から平均値及び分散値を算出しつつ、標本数と、平均値のコロニー数を中心とした予め定められた信頼区間と、に基づいて、上限閾値及び下限閾値をそれぞれ決定し、変化グラフの評価期間のコロニー数が上限閾値を超えるか否かを判定する判定処理を実行する。
さらに、衛生状態解析処理部426は、ステップS405の処理においては、対象物(例えば作業ライン80)の衛生状態が異常傾向を示すと判定した場合には、すなわち、評価期間中のコロニー数又は当該コロニー数の変化が異常傾向を示すと判定した場合には、ステップS411の処理に移行し、異常傾向を示さないと判定した場合には、ステップS421の処理に移行する。
なお、衛生状態解析処理部426は、ステップS405の処理においては、評価期間中のコロニー数又はコロニー数の変化の全てが上限閾値を超えているか否かを判定し、全てのコロニー数又はコロニー数の変化が上限閾値を超えている場合に、評価期間中のコロニー数又は当該コロニー数の変化が異常傾向を示すとして、ステップS411の処理に移行させる。
次いで、衛生状態解析処理部426は、評価期間中のコロニー数又は当該コロニー数の変化が異常傾向を示すと判定した場合には、異常傾向の判定を示すフラグをオンにし、当該異常傾向を示す傾向情報を生成する(ステップS411)。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、同一の作業要素に対応付けられた過去の傾向情報を培地情報DB401から読み出しつつ、当該読み出した傾向情報とともに評価期間の傾向情報を生成する。なお、衛生状態解析処理部426は、異常傾向の判定を示すフラグが既にオンの場合には、その状態を維持する。
次いで、衛生状態解析処理部426は、生成した傾向情報を、培地情報DB401の該当する作業要素に対応付けて登録しつつ、管理者端末装置20にその旨を送信する(ステップS412)。
次いで、衛生状態解析処理部426は、異常原因推定処理部427に異常原因推定処理の開始を指示して(ステップS413)本動作を終了させる。なお、異常原因推定処理部427の異常原因推定処理の詳細について後述する。
一方、衛生状態解析処理部426は、評価期間中のコロニー数又は当該コロニー数の変化が異常傾向を示さないと判定した場合には、異常傾向判定を示すフラグがオンか否かを判定し(ステップS421)、当該フラグがオンの場合には、ステップS422の処理に移行し、当該フラグがオンでない場合(すなわち、オフの場合)には、本動作を終了させる。
次いで、衛生状態解析処理部426は、異常傾向判定を示すフラグがオンであると判定した場合には、評価期間中のコロニー数が下限閾値を下回るか否かを判定し(ステップS422)、当該コロニー数が下限閾値を下回っていると判定した場合には、ステップS423の処理に移行し、当該コロニー数が下限閾値を下回っていないと判定した場合に、本動作を終了させる。
次いで、衛生状態解析処理部426は、評価期間中のコロニー数が下限閾値を下回っていると判定した場合には、異常傾向の判定を示すフラグをオフにし、改善傾向を示す傾向情報を生成する(ステップS423)。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、同一の作業要素に対応付けられた過去の傾向情報を培地情報DB401から読み出しつつ、当該読み出した傾向情報とともに評価期間の傾向情報を生成する。
次いで、衛生状態解析処理部426は、生成した傾向情報を、培地情報DB401の該当する作業要素に対応付けて登録しつつ、管理者端末装置20にその旨を送信し(ステップS424)、本動作を終了させる。
[6.4]異常原因推定処理
次に、図15を用いて本実施形態のサーバ装置40における異常原因推定処理の動作について説明する。なお、図15は、本実施形態のサーバ装置40における異常原因推定処理の動作を示すフローチャートである。
本動作においては、図12における培地登録処理のステップS310の処理、図13におけるロット判定処理のステップS357、又は、図14における衛生状態解析処理のステップS413の処理によって異常原因推定処理の開始が指示された場合に実行するものとする。ただし、本動作は、上記の開始指示に限らず、管理者の指示に基づいて実行してもよい。
まず、異常原因推定処理部427は、上述のように異常原因推定処理の開始指示を検出すると(ステップS501)、該当する対象物の作業イベント及び作業属性を含む作業要素を作業履歴情報DB406から抽出する(ステップS502)。
このとき、異常原因推定処理部427は、作業履歴情報の中から抽出された作業要素における作業イベント又は作業属性に対応付けられて格納されている作業要素内容情報を取得する。
次いで、異常原因推定処理部427は、抽出した作業要素の中に作業イベントが含まれているか否かを判定し(ステップS503)、作業要素の中に作業イベントが含まれていると判定した場合には、ステップS511の処理に移行するとともに、当該作業イベントが含まれていないと判定した場合には、ステップS520の処理に移行する。
次いで、異常原因推定処理部427は、抽出した作業要素の中に作業イベントが含まれていると判定した場合には、抽出した作業イベント毎に、作業イベントの実行したタイミング又は実行が予定されていたタイミング(以下、「イベントタイミング」という。)と対象物のコロニー数の変動が生じたタイミング(以下、「変動タイミング」という。)とを比較する(ステップS511)。例えば、異常原因推定処理部427は、衛生状態解析処理部426において実行された判定処理によって用いた評価期間の始期のタイミングと、各作業イベントにおける実行タイミング、未実行タイミング又はその双方のタイミングと、を比較する。
そして、異常原因推定処理部427は、評価期間の始期のタイミングと所定の条件に合致するタイミングを有する作業イベントを異常原因として特定し(ステップS512)、ステップS520の処理に移行する。例えば、異常原因推定処理部427は、評価期間の始期のタイミングに一致するタイミング又は当該始期のタイミングの前のタイミングで一番近いタイミングを有する作業イベントを異常原因として特定する。
次いで、異常原因推定処理部427は、ステップS503の処理において取得した作業要素の中に作業イベントが含まれていないと判定した場合には、又は、ステップS520の処理に継続して、取得した作業要素に作業属性が含まれるか否かを判定する(ステップS520)。このとき、異常原因推定処理部427は、取得した作業要素に作業属性が含まれていると判定した場合には、ステップS521の処理に移行し、取得した作業要素に作業属性が含まれていないと判定した場合には、ステップS515の処理に移行する。
次いで、異常原因推定処理部427は、作業要素に作業属性が含まれている場合には、培地情報登録処理その他の処理において既に取得した培地情報に含まれるコロニー数、又は、データベース400から該当する培地情報に含まれるコロニー数を取得する(ステップS521)。
具体的には、異常原因推定処理部427は、データベース400から取得する場合には、培地情報DB401、ライン情報DB402、ロット情報DB403及び作業管理DB404を検索し、衛生状態解析処理部426の判定処理によって用いた評価期間又は当該評価期間を含む予め定められた一定の期間(例えば当該処理の実施日から1週間前までの期間)に属し、かつ、当該対象物の培地情報に含まれるコロニー数を、該当する作業属性とともに、取得する。また、異常原因推定処理部427は、衛生状態解析処理によって取得した評価期間に属する培地情報の中から該当する培地情報に含まれるコロニー数を取得する。
次いで、異常原因推定処理部427は、作業属性のカテゴリー毎に、抽出した作業属性の種別に応じて、対象物における所定のタイミング毎のコロニー数を集約するとともに、当該集約した各作業要素のコロニー数の変動について所定の条件を具備する作業属性を特定し、当該特定した作業属性を異常原因として特定する(ステップS522)。
例えば、異常原因推定処理部427は、作業属性のカテゴリー毎に、作業属性の種別に応じて取得したコロニー数のデータ群から平均及び分散を算出しつつ、コロニー数とフィルム型培地60の数(以下、「培地数」という。)に基づいて作業属性の種別毎に正規分布を生成し、2つの正規分布の差を算出するT検定、又は、3つ以上の正規分布を比較し、最適な正規分布を特定する分散分析及び多重比較等を用いて、異常原因推定の信頼度を示すp値を算出する。そして、異常原因推定処理部427は、作業属性の種別毎に正規分布の中から他の正規分布から差のある正規分布を抽出し、当該抽出した正規分布を有する作業種別を該当する作業属性における異常原因として特定する。
次いで、異常原因推定処理部427は、特定された異常原因としての作業属性、作業イベント及びその双方を用いて管理者端末装置20に表示可能な原因推定情報を生成する(ステップS531)。
このとき、異常原因推定処理部427は、複数の作業要素を異常原因として特定している場合は、複数の作業要素を含む原因推定情報を生成する。例えば、異常原因推定処理部427は、作業イベントと作業属性との異なる種別において複数の作業要素を異常原因として特定している場合には、作業イベントと作業属性との種別を分けて表示可能に原因する原因推定情報を生成してもよいし、評価期間の始期とのタイミング差や作業属性における信用度pを比較可能な数値に変換し、当該変換した数値に基づいて順位化したものを用いて原因推定情報を生成してもよい。
次いで、異常原因推定処理部427は、生成した原因推定情報を生データとして管理者端末装置20に送信して(ステップS532)本動作を終了させる。
[7]変形例
[7.1]変形例1
本実施形態において、タブレット型情報端末装置、スマートフォン又は携帯用電話機等の携帯用通信端末装置10を用いて培地情報の登録処理を実行している点に代えて、ラップトップ型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータと、スキャナ、デジタルカメラ又はスマートフォン等の画像入力装置と、によって当該培地情報の登録処理を実現してもよい。
この場合には、パーソナルコンピュータと画像入力装置とを所定の通信規格によって接続し、パーソナルコンピュータと画像入力装置とを一体的に用いて当該培地情報の登録処理を実現してもよいし、メモリカードその他の物理的なメモリに画像入力装置によって先に取得した培地画像データ及び指示書画像データを記憶させ、当該記憶させた各画像データをパーソナルコンピュータによって取り込みつつ、当該培地情報の登録処理を実現してもよい。
また、この場合には、サーバ装置40の機能をパーソナルコンピュータに持たせて上記の各種の処理を実行してもよい。
[7.2]変形例2
本実施形態においては、携帯用通信端末装置10、管理者端末装置20、サーバ装置40が同一敷地内で設置又は使用されてもよいし、それぞれが国外などの遠隔地に設置され、又は、遠隔地にて使用されて上述の各処理が実行されてもよい。ただし、携帯用通信端末装置10は、同一ロットにおいて使用させることが前提となる。
[7.3]変形例3
本実施形態においては、フィルム型培地60を用いて当該フィルム型培地60に培養された検体における培地情報の登録を実行しているが、寒天培地を用いて当該寒天培地に培養された菌及びその検体における培地情報の登録を実行してもよい。
[7.4]変形例4
本実施形態において、画像データ生成部110によってフィルム型培地60を撮像して培地ID66を取得する点に代えて、作業者の操作入力によって培地ID66を入力させるようにしてもよい。
この場合には、アプリケーション制御部120は、表示制御部161及び操作部170と連動し、作業者に培地ID66を操作部170を用いて直接手入力させる。
また、アプリケーション制御部120は、クリック又はタッチ選択等によって、プルダウンメニュー等の表示項目を選択させるように表示制御部161及び操作部170を制御させて、作業者に培地ID66を入力させる。
[7.5]変形例5
本実施形態においては、単一のサーバ装置40によって各種の処理を実行しているが、複数のサーバ装置40から構成されるサーバシステムによって各種の処理を実行するようにしてもよい。
[7.6]変形例6
本実施形態の衛生状態解析処理部426は、上述の実施形態においては、第1判定処理としては、予め定められた単位期間に基づいて変化グラフを微分することによって評価期間のコロニー数の変化を算出しているが、現在の評価期間(以下、「現評価期間」という。)と前回の評価期間(以下、「前評価期間」という。)など、現評価期間と同一の期間長を有する期間の変化グラフにおける積分をそれぞれ実行し、その差がプラスでかつ予め定められた閾値以上の場合に、異常傾向であると判定してもよい。
具体的には、衛生状態解析処理部426は、評価期間中の所定のタイミング(1時間)毎に取得した各作業ラインのコロニー数に基づいて、上述と同様に、コロニー数の推移を示す変化グラフf(t)を生成する。
また、衛生状態解析処理部426は、図12(A)及び(B)に示すように、生成した作業ラインA及び作業ラインBの変化グラフf(t)を、評価期間で積分することによって得られた積分値と、前評価期間の積分値とを算出するとともに、前評価期間積分値と現評価期間の積分値とを比較し、その差がプラスでかつ予め定められた閾値以上の場合に、異常傾向であると判定する。
例えば、評価期間の作業ラインAの積分値a(現)が「120」であり、作業ラインBの積分値b(現)が「55」の場合であって、前評価期間の作業ラインAの積分値a(前)が「60」で作業ラインBの積分値b(前)が「50」の場合には、作業ラインAの場合の差が「+60」で作業ラインBの場合の差が「+5」とり、これらの値が予め定められた閾値以上であれば、衛生状態解析処理部426は、異常傾向であると判定する。
また、衛生状態解析処理部426は、異常傾向の判定後一定期間内に、現評価期間と前評価期間の積分値の差がマイナスで予め定められた閾値以下の場合であって、異常判定をした際の評価期間における変化グラフにおける積分値と、現評価期間の積分値とを比較し、その差がマイナスとなり、かつ、予め定められた閾値以上の場合に、改善傾向であると判定する。
[7.7]変形例7
本実施形態の衛生状態解析処理部426は、第2判定処理においては、評価期間前における複数の培地情報の各コロニー数を取得し、当該各コロニー数に基づいてコロニー数の上限値又は下限値を決定しているが、作業者又は管理者が手動で設定してもよい。
この場合には、管理者端末装置20において、作業者又は管理者の操作に基づいて、所定のアプリケーションの処理にしたがって、上限値又は下限値を設定する。
[7.8]変形例8
本実施形態においては、培地判定、工程判定及びライン判定(以下、まとめて「培地判定等」という。)とは別に、衛生状態解析処理部426における判定処理の結果に基づいて対象物の異常傾向又は異常傾向判定後の改善傾向を判定しているが、培地判定等を用いて対象物の異常傾向又は異常傾向判定後の改善傾向を判定してもよい。
すなわち、本実施形態においては、衛生状態解析処理部426は、所定の条件と各フィルム型培地60のコロニー数に基づいて、評価期間中の各フィルム型培地60がそれぞれ異常か否かの判定(上述の培地判定)を実行し、当該判定した各フィルム型培地60の異常か否かの判定結果が判定条件を具備するか否かを判定することによって対象物の異常傾向又は異常傾向判定後の改善傾向を判定してもよい。
具体的には、上述の工程判定において判定対象となる工程が「異常」でない場合、上述のライン判定において判定対象となる作業ライン80が「異常」でない場合、又は、上述のロット判定において判定対象となるロットが「異常」でない場合であって、異常傾向及び改善傾向の対象物の判定処理に用いる培地判定、工程判定又はライン判定の判定対象の一部(例えば、フィルム型培地60の一部又は作業ライン80の一部の工程など)が、「異常」と判定されて場合に、当該対象物について異常傾向があると判定し、その後の評価期間における培地判定、工程判定又はライン判定の判定対象の一部が「正常」と判定された場合に、当該対象物について改善傾向があると判定してもよい。
例えば、衛生状態解析処理部426は、対象物が作業ライン80の場合において、
(1)評価期間中の対象物である作業ライン80のライン判定が「正常」と判定された場合であって、かつ、
(2)当該評価期間中の作業ライン80から抽出された検体に基づく複数のフィルム型培地60の培地判定が、1又は予め定められた複数のフィルム型培地60の培地判定が「異常」と判定された場合に、
当該対象物について異常傾向があると判定するとともに、その後の評価期間における複数のフィルム型培地60の培地判定において、1又は予め定められた複数のフィルム型培地60の培地判定が「正常」と判定された場合に、当該対象物について改善傾向があると判定することとなる。
なお、この場合における培地判定等においては、上述した培地判定、工程判定又はライン判定の各判定手法に代えて、SVM(Support Vector Machine)、ニューラルネットワーク又はベイズ推定等の機械学習の手法を用いて当該培地判定等における異常の有無を判定してもよい。
すなわち、衛生状態解析処理部426は、SVM、ニューラルネットワーク又はベイズ推定による演算(2値分類手法による演算)を実行することによって、過去に既に判定された培地判定等の結果又は当該培地判定等が既に実行された複数のサンプルに基づいて、
(A)ロット判定処理部424において異常及び正常と培地判定された各フィルム型培地60のコロニー数による識別条件、又は、
(B)当該ロット判定処理部424において異常及び正常と工程判定やライン判定された際の当該コロニー数の平均値若しくは総計等の識別条件を、
決定し、当該決定した識別条件によって評価期間における対象物における異常傾向及びその後の改善傾向とを判定する。
例えば、培地判定の場合には、衛生状態解析処理部426は、過去に既に培地判定されたフィルム型培地60においてラベリングされた異常又は正常の各判定結果を、又は、予めラベリングされた異常又は正常の培地判定されたフィルム型培地60のコロニー数のサンプルを、2つのクラスに分類し、当該クラスを識別する識別平面(識別条件)を判定条件として設定し、当該設定した判別条件に基づいて、評価期間中の各フィルム型培地60の異常の有無を判定する培地判定を実行してもよい。
[7.9]変形例9
本実施形態の異常原因推定処理部427は、対象物の衛生状態が異常又は異常傾向があると判定され、かつ、各作業イベントのいずれも異常原因でなく、かつ、各作業属性のカテゴリーのいずれからも、所定の条件を具備する一以上の作業イベント又は作業属性を抽出することができない場合には、作業属性における作業要素のいずれも異常原因としては特定しないとしたが、2以上の作業属性の組み合わせによる交互作用(任意の作業属性における種別の優劣が他の作業属性の水準によって変化すること)の大きさを解析し、複数の作業属性のカテゴリーにそれぞれ属する2以上の作業属性の組合せを異常原因として特定してもよい。
例えば、異常原因推定処理部427は、「納入業者」の作業属性のカテゴリーにおける作業属性「業者A」であって「原材料」のカテゴリーにおける作業属性「原料1」の組み合わせを異常原因として特定するなど、複数のカテゴリーにおける作業属性の組み合わせを異常原因として特定してもよい。
具体的には、異常原因推定処理部427は、作業属性のカテゴリー毎に集約した各作業属性におけるコロニー数の変動のいずれも、所定の条件を具備しなかった場合に(すなわち、いずれのカテゴリーにおいても、他の作業属性の正規分布から差のある正規分布を有する作業属性を抽出することができない場合に)、複数のカテゴリー(例えば2つ又は3つのカテゴリー)に属する作業属性の組み合わせにおいて、コロニー数の変動のいずれも「所定の条件を具備しない」又は「当該所定条件を具備する」という帰無仮説や対立仮説等の統計学的仮説検定を実行する。
そして、異常原因推定処理部427は、統計学的仮説の検定結果に基づいて、複数のカテゴリーにおける作業属性の組み合わせについて、一の作業属性の組み合わせ毎に、その他の複数の作業属性の組み合わせとのコロニー数の変動についての所定の条件を具備するか否かを判定し、所定の条件を具備する一の作業属性の組み合わせを異常原因として特定する。
例えば、異常原因推定処理部427は、帰無仮説を用いる場合には、複数カテゴリーにおける作業属性の組み合わせ毎に、各作業属性の組み合わせにおける平均、分散、及び、標準偏差を算出しつつ、当該算出した各値に基づいて、
(1)各作業属性の組み合わせの平方和(分散×各作業属性のデータ数)、
(2)全体の平方和(全体の分散×全てのデータ数)、
(3)郡内の平方和(全ての作業属性の組み合わせの平方和の総計)、
(4)群間の平方和(全体の平方和−郡内の平方和)、
(5)郡内の自由度(各作業属性の組み合わせのデータ数−1の総計)、
(6)群間の自由度(作業属性の組み合わせ数−1)、
(7)全体の自由度((全ての作業属性の組み合わせにおけるデータ数−1)の総計)、
(8)郡内の平方平均(群間平方和/群間自由度)、及び、
(9)F値(群間平方平均/郡内平方平均)、
を算出し、当該F値がF分布表(5%有意水準)を参照して棄却域に属するか否かを判定する。
そして、異常原因推定処理部427は、F値が棄却域に属する場合には、帰無仮説は否定されたとして、一の作業属性の組み合わせ毎に、その平均及び分散を用いて正規分布を生成するとともに、上述のように、2つの正規分布の差を算出するT検定、又は、3つ以上の正規分布を比較し、最適な正規分布を特定する分散分析及び多重比較等を用いて、差のある正規分布を抽出し、当該抽出した正規分布を有する作業属性の組み合わせを異常原因として特定する。
以上、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、フィルム型培地60に基づいて取得した評価期間中のコロニー数又はその変化などのコロニーに関する情報を取得すれば、商品の製造若しくは検査を行う作業ライン80またはその一部などの対象物についての衛生状態の異常を示す異常傾向、又は、当該異常傾向が改善された事を示す改善傾向などの傾向情報を管理者に提供することができるので、管理者の負担を軽減しつつ、衛生状態の異常を示す異常傾向又はその後における改善傾向を監視することができる。
したがって、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、管理者における煩雑な操作を行うことなく、簡易な構成によって、衛生状態の悪化を未然に防止すること、及び、悪化した衛生状態の改善を確認することができるとともに、日時、ロット(すなわち、商品ロット)、作業者、天候などの作業要素毎にも対象物の衛生状態の傾向を把握することができる。
また、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、対象物の衛生状態における傾向情報を提供する際の処理を電子化することができるので、画像化された培地画像を用いることによって無駄に培地を消費すること無く、かつ、省資源化を図ることができることに加えて、傾向情報の提供をも電子化することによって、紙などの実媒体を無駄に消費すること無く、更なる省資源化を図ることができる。
なお、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、食品を用いて説明したが、当該食品に限らず、薬品や薬剤の人体をはじめとする生物全般に提供される生産品について適用することができる。
S … 衛生管理システム
10 … 携帯用通信端末装置
20 … 管理者端末装置
30 … ネットワーク
40 … サーバ装置
60 … フィルム型培地
70 … 作業指示書
80 … 作業ライン
100 … データ記憶部
101 … アプリケーション記憶部
102 … 画像データ記憶部
110 … 画像データ生成部
120 … アプリケーション制御部
130 … ネットワーク通信部
140 … 近距離無線通信インターフェース
150 … 現在位置検出部
160 … 表示部
170 … 操作部
180 … タイマー
190 … 携帯端末管理制御部
210 … 通信制御部
220 … ラベル発行処理部
230 … 管理者端末管理制御部
250 … タイマー
260 … 表示部
261 … 表示制御部
400 … データベース
401 … 培地情報DB
402 … ライン情報DB
403 … ロット情報DB
404 … 作業管理DB
410 … 通信制御部
420 … データ処理部
421 … 登録処理部
423 … コロニー検出判定部
424 … ロット判定処理部
425 … 報告処理部
426 … 衛生状態解析処理部
430 … サーバ管理制御部

Claims (11)

  1. 商品に関する所定の作業を実行する対象物の衛生状態に関する情報を管理者に提供する情報提供システムであって、
    前記対象物から所定のタイミング毎に抽出された検体を有する培地に培養されたコロニー数を取得する取得手段と、
    前記取得されたコロニー数に基づいて前記対象物の衛生状態を判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定された場合には、データベースに登録されている前記対象物毎の作業履歴を示す作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業に関する属性を示す作業属性及び当該作業に関するイベントを示す作業イベントの少なくともいずれか一方を作業要素として抽出する抽出手段と、
    前記抽出された各作業要素に属する前記取得されたコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定する特定手段と、
    前記異常原因を示す原因推定情報として前記特定された作業要素に関する情報を前記管理者に提供する提供手段と、
    を備えることを特徴とする情報提供システム。
  2. 請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
    前記作業要素に前記作業イベントが含まれる場合に、
    前記特定手段が、
    前記抽出された作業要素毎に、前記イベントの実行タイミングと前記対象物の異常又は異常傾向と判定された際のタイミングを比較し、所定の条件を有する作業要素を異常原因として特定する、情報提供システム。
  3. 請求項1又は2に記載の情報提供システムにおいて、
    前記作業要素に前記作業属性が含まれる場合に、
    前記特定手段が、
    前記抽出された作業要素毎に前記取得されたコロニー数を集約し、
    前記集約した各作業要素のコロニー数の変動について所定の条件を具備する作業要素を特定し、当該特定した作業要素を前記異常原因として特定する、情報提供システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
    前記作業イベントには、前記作業に基づくイベント、前記対象物に基づくイベント、前記作業に携わる作業員に基づくイベント、及び、前記商品に基づくイベントの少なくともいずれかが含まれる、情報提供システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
    前記作業属性には、前記対象物に関する属性、日時、前記商品に関する属性、及び、前記作業に携わる作業員の属性の少なくともいずれかが含まれる、情報提供システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
    前記判定手段が、前記対象物における衛生状態の異常レベル又は異常傾向レベルに応じて前記対象物の衛生状態を判定し、
    前記提供手段が、前記対象物における衛生状態の異常レベル又は異常傾向レベルに応じて前記原因推定情報の提供レベルを変えて前記管理者に提供する、情報提供システム。
  7. 請求項6に記載の情報提供システムにおいて、
    前記提供手段が、前記提供レベルに応じて前記管理者が閲覧可能な前記原因推定情報を変化させて提供する、情報提供システム。
  8. 商品に関する所定の作業を実行する対象物の衛生状態に関する情報を管理者に提供する情報提供システムに用いるプログラムであって、
    前記情報提供システムを、
    前記対象物から所定のタイミング毎に抽出された検体を有する培地に培養されたコロニー数を取得する取得手段、
    前記取得されたコロニー数に基づいて前記対象物の衛生状態を判定する判定手段、
    前記判定手段によって前記衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定された場合には、データベースに登録されている前記対象物毎の作業履歴を示す作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業に関する属性を示す作業属性及び当該作業に関するイベントを示す作業イベントの少なくともいずれか一方を作業要素として抽出する抽出手段、
    前記抽出された各作業要素に属する前記取得されたコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定する特定手段、及び、
    前記異常原因を示す原因推定情報として前記特定された作業要素に関する情報を前記管理者に提供する提供手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  9. 商品に関する所定の作業を実行する対象物の衛生状態に関する情報を管理者に提供する情報提供システムであって、
    通信端末装置から、前記対象物から所定のタイミング毎に抽出された検体を有する培地について画像化した培地画像を培地画像データとして受信する受信手段と、
    前記受信された培地画像データの培地画像を解析して前記培地に発生したコロニー及び当該コロニー数を検出する検出手段と、
    前記検出されたコロニー数に基づいて、前記対象物の衛生状態を判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定された場合には、データベースに登録されている前記対象物毎の作業履歴を示す作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業に関する属性を示す作業属性及び当該作業に関するイベントを示す作業イベントの少なくともいずれか一方を作業要素として抽出する抽出手段と、
    前記抽出された各作業要素に属する前記取得されたコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定する特定手段と、
    前記異常原因を示す原因推定情報として前記特定された作業要素に関する情報を前記管理者に提供する提供手段と、
    を備えることを特徴とする情報提供システム。
  10. 商品に関する所定の作業を実行する対象物の衛生状態に関する情報を管理者に提供する情報提供システムに用いるプログラムであって、
    前記情報提供システムを、
    通信端末装置から、前記対象物から所定のタイミング毎に抽出された検体を有する培地について画像化した培地画像を培地画像データとして受信する受信手段、
    前記受信された培地画像データの培地画像を解析して前記培地に発生したコロニー及び当該コロニー数を検出する検出手段、
    前記検出されたコロニー数に基づいて、前記対象物の衛生状態を判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定された場合には、データベースに登録されている前記対象物毎の作業履歴を示す作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業に関する属性を示す作業属性及び当該作業に関するイベントを示す作業イベントの少なくともいずれか一方を作業要素として抽出する抽出手段、
    前記抽出された各作業要素に属する前記取得されたコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定する特定手段、及び、
    前記異常原因を示す原因推定情報として前記特定された作業要素に関する情報を前記管理者に提供する提供手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 培地を用いて、商品に対して所定の作業を実行する対象物の衛生状態を管理する衛生管理システムであって、
    前記対象物から抽出された商品の少なくとも一部が検体として載置された前記培地について画像化した培地画像を培地画像データとして生成する通信端末装置と、
    前記培地画像データの培地画像を解析して前記培地に発生したコロニー及び当該コロニー数を検出し、当該コロニー数の検出結果に基づいて、対象物の衛生状態の傾向を傾向情報として管理者に提供するサーバ装置と、
    を備え、
    前記サーバ装置が、
    前記培地画像について画像解析を実行することによって、所定のタイミング毎に検出された、当該培地に培養されたコロニーの数を、取得する取得手段と、
    前記検出されたコロニー数に基づいて、前記対象物の衛生状態を判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記衛生状態が異常又は異常傾向にあると判定された場合には、データベースに登録されている前記対象物毎の作業履歴を示す作業履歴情報を検索し、該当する対象物の作業に関する属性を示す作業属性及び当該作業に関するイベントを示す作業イベントの少なくともいずれか一方を作業要素として抽出する抽出手段と、
    前記抽出された各作業要素に属する前記取得されたコロニー数に基づいて、所定の条件を具備する作業要素を異常原因として特定する特定手段と、
    前記異常原因を示す原因推定情報として前記特定された作業要素に関する情報を前記管理者に提供する提供手段と、
    を備えることを特徴とする衛生管理システム。
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