図1は、本発明の食品情報管理方法の一実施の形態を示す図である。
以下、食品として加工食品(「ハム」)を例にして説明する。ハムに代表されるような食品は、温湿度を含む雰囲気管理が重要であり、本発明は、このような「雰囲気管理を要する食品」の物流に対して好適に適用できる。
本実施例では、「ハム」は、それを製造する工場1、工場1で製造された「ハム」を後述の物流センター5に配送する物流グループ3、物流グループ3から配送された「ハム」を各地域の店舗7に配送する物流センター5、物流センター5から配送された「ハム」を一般消費者に販売する店舗7の流通過程を経て一般消費者に購入される。
上記のように流通する食品は、端末装置15と非接触状態で読み書き可能な記憶媒体としてのデータキャリアである無線ICタグ21を付帯させて流通する。なお、一般に、データキャリアは、「非接触データキャリア」、「非接触IC」、「非接触ICラベル」、「非接触ICタグ」等と表現される場合もある。
上記無線ICタグ21は、流通させようとする食品に関する食品情報や流通ロットの流通過程における各流通段階で生じた流通履歴情報(流通情報)等を記憶する。この無線ICタグ21は、端末装置15により食品の流通起点である工場1においてその食品に関する食品情報が書き込まれ、流通拠点である物流グループ3および物流センター5や流通終点である店舗7において流通履歴情報および後述の微生物データが書き込まれるようになっている。
また、無線ICタグ21には、流通履歴情報として、工場1から物流グループ3、物流グループ3から物流センター5、物流センター5から店舗7までの輸送段階で生じた輸送履歴情報(流通履歴情報に含まれる)も書き込まれるようになっている。
食品に関する食品情報は、無線ICタグ21に書き込まれ、流通させようとする食品、具体的には、パレット単位や、数ケース単位等、ある一塊の量の1単位である流通ロット毎に付帯して流通し、流通起点である工場1から流通終点である店舗7に至るまでの流通過程に存在するいずれかの流通拠点(物流グループ3、物流センター5)において1つの流通ロットを複数の流通ロットに分割し分岐して流通させる段階で、食品情報が記憶された無線ICタグ21を流通ロットの上記分割数になるよう複製される。そして、複製によって得られた分割数の無線ICタグ21それぞれを、分割した各流通ロットにそれぞれ付帯してさらに下流の流通過程に流通させるようになっている。
すなわち、食品情報が記憶された無線ICタグ21は、上記流通ロットの分割数になるよう複製されるため、流通ロットの分割数にかかわらず、流通終点(例えば店舗7や一般消費者等)まで直接食品情報を伝達することができる。このため、インターネット等の接続環境がなくても、食品の選択に資する情報を一般消費者に提供することができ、消費者のニーズに応えるための情報の開示を実行することができる。また、食品に関する情報を当該食品の流通ロットに付帯させて流通させるため、食品情報の信憑性を高めることができ、一般消費者は、安心して食品を選択して購入することができる。
しかも、パレット単位や、数ケース単位等、ある一塊の量を1単位である流通ロット毎に情報を付帯させるため、食品に付帯させて流通させる記憶媒体の数を大幅に少なくすることができ、極めて低コストで効率よく情報管理を行なうことができる。また、少なくともいずれかの流通拠点および/または流通終点において、流通ロットに付帯された記憶媒体に記憶された食品情報を読み取るようにしたことで、本発明の食品管理方法を使用して業務処理を行なう企業等のユーザは、食品情報を逐次入手し管理することができる。
また、流通ロットに無線ICタグ21を付することにより、情報記録量を飛躍的に増大させ、食品の流通起点から流通終点にいたる間で発生する流通履歴情報等を十分に記録することができ、情報の流れを分断することなく、1つの媒体で一貫した情報管理を行なうことができる。
図2に示すように、上記無線ICタグ21は、半導体素子としてのICチップ23、このICチップ23に接続され、渦巻き状に形成されたアンテナ25を収納する基材27とで構成される。無線ICタグ21は、セキュリティや信頼性確保のために、成形封止をしたり、熱プレスによるカード化を行なって、常に分解しがたい形状になっている。
上記アンテナ25は、巻線コイルで形成され、データ通信と外部からの電力供給という2つの機能を持っている。情報格納手段であるICチップ23は、データ制御やメモリ機能を有し、アンテナ25を介して外部(端末装置15)とのデータ通信や電力の受給を行なう。このアンテナ25により、ICチップ23は、端末装置15の情報送受信部15aと非接触で情報の送受信を行なうことができる。
なお、本実施例では、アンテナ25は、巻線コイルを採用しているが、基板上にエッチングにより形成したコイル、又は基板上に印刷配線により形成されたコイル等を採用してもよい。また、アンテナ25のコイルの巻数は、通信周波数や通信距離などにより異なっている。また、本実施例では、アンテナ25は送信受信兼用のものであるが、送信アンテナと受信アンテナとが互いに別々であるアンテナを用いてもよい。また、無線ICタグ21として、内部にバッテリーを内蔵したものを用いてもよい。
図3に示すように、端末装置15には、無線ICタグ21と情報を送受信するための情報送受信部15aが接続されている。端末装置15は、無線ICタグ21を端末装置15の情報送受信部15aの送受信可能領域内で無線ICタグ21と食品情報や流通履歴情報を送受信することができるようになっている。これにより、無線ICタグ21を端末装置15の情報送受信部15aの送受信可能領域内を通過させることで端末装置15と無線ICタグ21で情報の送受信が行なわれる。
ここで、複製とは、食品に付帯して流通する無線ICタグ21とは別の無線ICタグ21を用意し、端末装置15で当該食品に関する食品情報等(流通履歴情報を含む)を上記のような送受信により書き込むことを含む。例えば、別の無線ICタグ21が未使用の無線ICタグ21である場合には、そのまま当該食品情報を書き込み、使用済みの無線ICタグ21である場合には、既に記憶されている情報を消去し、当該食品情報を書き込み直すことを含む。このように、使用済みの無線ICタグ21を再利用することで、低コストで経済的に食品情報を管理することができる。
このように、上記無線ICタグ21は、端末装置15と非接触状態で読み書き可能なデータキャリアであることで、無線ICタグ21への情報の送受信が遠隔で行なうことができ、無線ICタグ21を付した食品が、例えばベルトコンベア上を移動しているとき、あるいはカート等で移動している場合でもその無線ICタグ21と情報を送受信することができる。また、端末装置15は、一度に複数の無線ICタグ21と情報の送受信を行なうことができるため、製品ロットが流通拠点において分岐して流通する場合でもそれぞれの製品ロットに対して付帯させる情報を容易に複製することができる。これにより、滞りなく食品を流通させることができる。また、無線ICタグ21は、読み書き可能なデータキャリアであるため、必ずしもインターネット等のネットワーク13を利用した外部のデータベースを必要としないトレーサビリティーシステムを構築することができる。
図1に示すように、上記工場1、物流グループ3、物流センター5、および店舗7には、それぞれ後述のデータベースを備えたサーバ装置11にインターネット13経由で接続可能な端末装置(コンピュータ装置、ハンディーターミナル)15が設けられている。
本発明の食品管理方法を使用して業務処理を行なう製造者や配送業者等のユーザは、端末装置15で起動したプログラムに従って、端末装置15のディスプレイに表示される画面上での操作やデータ確認その他の作業を行なうことができる。なお、図では、店舗7において端末装置15を示していない。
上記端末装置15は、無線ICタグ21への流通履歴の書き込みの際に、当該書き込みによって蓄積された食品情報および流通履歴情報を記憶する。そして、本システムは、上記端末装置15から蓄積された食品情報および流通履歴情報をネットワーク13を介して受信するとともに、各流通ロット毎に蓄積された最新の食品情報および流通履歴情報を格納するサーバ装置11を備えている。
これにより、複数の流通拠点に分割されて流通し、さらにその流通拠点から複数の流通終点に分割されて複雑なルートで流通する食品について、分割されたそれぞれの流通ロット毎に正確に蓄積された流通履歴情報を、サーバ装置11で一元的に管理することができる。すなわち、ユーザは、食品がどの流通拠点に存在してもその流通ロットの食品に関する食品情報および流通履歴情報を確認することができる。
上記サーバ装置11や端末装置15は、インターネット13経由で食品微生物測定装置19と接続されている。微生物測定手段である食品微生物測定装置19は、食品に繁殖する細菌の種類や数を測定し、その測定結果情報をサーバ装置11や端末装置15に送信するようになっている。具体的には、食品微生物測定装置19は、上記微生物測定を行なって微生物データを生成するとともに、上記微生物データが食品の流通を停止すべきレベルであるかどうかを判定し、上記判定の結果が流通停止である場合に、当該微生物データに係る食品を含む流通ロットに対する流通停止の警報情報を発生する。
本実施例では、上記端末装置15は、インターネット13経由でサーバ装置11に接続できるようにしているが、これに限定されるものではなく、LAN、無線、ケーブル等でサーバ装置11に接続できるようにしてもよい。また、サーバ装置11は、ユーザ端末15が接続できる環境であれば、任意の場所に設置可能である。
また、図ではサーバ装置11を1つの装置として示しているが、複数でもよい。また、サーバ装置11内には、WWWサーバ機能,メールサーバ機能,データベースサーバ機能等の各種機能を実現するために必要なハードウェア資源やソフトウェア等、本システムで必要とされる各種のソフトウェアおよびハードウェアが備わっている。具体的には、ハードウェアとしてプログラム処理を行なう中央演算装置(CPU)と、ユーザが操作するためのキーボードやマウス等の入力手段と、種々の画像を表示するCRTディスプレイなどの表示手段と、RAM,ROM,ハードディスクドライブ,フレキシブルディスクドライブ,CD−ROMドライブ等の記憶手段と、モデムやルータなどのコンピュータネットワークに接続するための通信手段とを備える。
上記端末装置15としてのコンピュータ装置は、プログラム処理を行なう中央演算装置(CPU)と、キーボード、マウス、操作ボタン等の入力手段と、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示手段と、RAM,ROM,ハードディスクドライブ,フレキシブルディスクドライブ,CD−ROMドライブ等の記憶手段と、モデムやルータなどのコンピュータネットワークに接続するための通信手段とを備えた一般的なコンピュータを使用することができる。なお、上記端末装置15として、情報閲覧機能を備えた携帯電話端末等を用いることもできる。
上記端末装置15は、サーバ装置11と同様にネットワーク13に接続されるとともに、ネットワーク13上に存在する各種のWWWサーバに存在するウェブページを閲覧するWWWブラウザ、ユーザによる端末装置15の操作入力をサーバ装置11に送信するプログラム等を備え、ネットワーク13を介してサーバ装置11と接続されて通信を行ない得るようになっている。
図4に示すように、「ハム」は、工場1において、原料ロットで管理された原料(「原料肉」、「つなぎ肉」、「調味料」等)を加工しながら製造される。「ハム」は、1次加工により半製品となり、さらに2次加工により包装され製品となる。
「ハム」の製造工程では、一つの製造ロットとして、工場1の端末装置15から管理項目である加熱工程の加熱時間と加熱温度、冷却工程の冷却時間と冷却温度等の情報が加工に使用した「原料肉」、「つなぎ肉」、「調味料」とリンクさせて入力される。すなわち、工場1で製造された食品は製品ロット単位で管理される。サーバ装置11や端末装置15等で製品ロットを読み出すことでその製品ロットに関する情報を読み出すことができるようになっている。
製品となった「ハム」は、例えば注文数に応じて箱に梱包され、配送先ごとにまとめられる。ここで、配送先ごとにまとめられた「ハム」は一つの流通ロット(出荷ロットすなわち最初の流通ロット)で管理され、その流通ロットの「ハム」の箱に無線ICタグ21が取り付けられる。そして、無線ICタグ21を端末装置15の情報送受信部15aの前を通過させ、無線ICタグ21に食品情報を書き込み、出荷される。
工場1から物流グループ3までの輸送段階では、端末装置15としてのハンディーターミナルによって無線ICタグ21に輸送段階で生じた輸送履歴情報が書き込まれる。
すなわち、上記流通段階は、上流の流通起点または流通拠点からつぎの流通拠点または流通終点までの輸送段階を含み、端末装置15としてのハンディーターミナルは、輸送段階で生じた輸送履歴情報を書き込む輸送履歴書込端末として機能する。無線ICタグ21に輸送段階で生じる新たな輸送履歴情報が書き込まれることで、輸送履歴情報が確実に蓄積されていくため、輸送履歴情報を流通過程に沿って辿っていくことができる。これにより、輸送履歴情報を管理することができ、より厳密に食品情報を管理することができる。
図5に示すように、物流グループ3は、複数の物流センター5に配送を行なう拠点の役割を担っている。物流グループ3では、工場1から配送された「ハム」を倉庫の冷蔵庫に一時保管する。また、物流グループ3では、食品情報が記憶された無線ICタグ21を流通ロットの分割数になるよう複製し、複製によって得られた分割数の無線ICタグ21それぞれを、分割した各流通ロットにそれぞれ付帯してさらに下流の各物流センター5に配送する。
下流の各物流センター5に配送する前に、流通ロットの流通過程における各流通段階で生じた流通履歴情報を、当該流通ロットに付帯させた無線ICタグ21に対し、無線ICタグ21への書き込み可能な端末装置15によって順次書き込むことにより、無線ICタグ21に当該流通ロットの食品情報に加えて当該流通ロットの流通履歴情報を蓄積するようになっている。
すなわち、上記端末装置15は、上記流通ロットの流通過程における各流通段階で生じた流通履歴情報を当該流通ロットに付帯させた記憶媒体に対して当該流通ロットの食品情報に加えて当該流通ロットの流通履歴情報を蓄積するように順次書き込む。
このようにすることにより、従来行なえなかった流通段階における保管状態に関する情報や輸送状態に関する情報等のような流通段階で生じる流通履歴情報を、正確に消費者等に提供できるようになる。また、複数の流通拠点に分割されて流通し、さらにその流通拠点から複数の流通拠点に分割されて複雑なルートで流通する食品について、分割されたそれぞれの流通ロット毎に正確に流通履歴情報を蓄積することができる。また、共通の流通履歴情報を有する流通ロットには共通の情報を付帯させて情報管理を行なうため、極めて効率よく情報管理を行なうことができ、事故が生じた時の流通の停止も低コストで効率よく行なえる。
そして、店舗7やユーザは、流通履歴情報により食品を厳密に管理することができるため、食中毒等の食品事故を防止することができる。また、端末装置15によって無線ICタグ21に流通履歴情報が蓄積されていくため、食品の流通履歴をさかのぼって追跡していくことができる。例えば、食中毒等の食品事故が発生した場合には、店舗やユーザは、事故原因の迅速な特定を行なうことができ、消費者の保護と汚染の拡大を防止することができる。また、一般消費者に対して食品情報を開示し、食品事故から生じる様々な不安を防止することができる。
工場1から物流グループ3までの輸送段階では、端末装置15としてのハンディーターミナルによって無線ICタグ21に冷蔵庫に一時的に保管された「ハム」の保管履歴情報(流通履歴情報に含まれる)が書き込まれる。
すなわち、上記流通段階は、各流通拠点での保管段階を含み、端末装置15は、保管段階で生じた保管履歴情報を書き込む保管履歴書込端末として機能する。無線ICタグ21に保管段階で生じる新たな保管履歴情報が書き込まれることで、保管履歴情報が確実に蓄積されていくため、保管履歴情報を流通過程に沿って辿っていくことができる。これにより、保管履歴情報を管理することができ、より厳密に食品情報を管理することができる。
図6に示すように、各物流センター5は、複数の店舗7に配送を行なう拠点の役割を担っている。各物流センター5では、物流グループ3から配送された「ハム」を倉庫の冷蔵庫に一時保管する。また、物流グループ3は、食品情報が記憶された無線ICタグ21を流通ロットの分割数になるよう複製し、複製によって得られた分割数の無線ICタグ21それぞれを、分割した各流通ロットにそれぞれ付帯してさらに下流の各店舗7に配送する。ここで、各流通ロットに一つづつ無線ICタグ21を取り付け、一度に流通ロットの分割数だけ、無線ICタグ21へ流通履歴情報の書き込みが行なわれる。
図7に示すように、店舗7は、一般消費者に「ハム」を販売する。店舗7では、端末装置15で無線ICタグ21に記憶された食品情報や流通履歴情報等を読み取り、端末装置15に表示させ、原料、製造、流通に関わる情報を参照することができる。
店舗7に陳列された「ハム」の近傍には、その「ハム」の食品情報や流通履歴情報が記憶された無線ICタグ21が設置されている。図においては、商品名「ラックスハム」と商品名「生ハム」が陳列されている状態を示す。
店舗7には、無線ICタグ21に記憶された食品情報や流通履歴情報等を読み取る情報読取部31aを有し、その情報読取部31aで読み取った食品情報や流通履歴情報を表示する情報表示装置31が備えられている。一般消費者は、上記情報表示装置31の情報読取部31aを操作し、確認したい食品に対応する無線ICタグ21の情報を読み取らせることで、その食品情報や流通履歴情報を確認することができるようになっている。
例えば、一般消費者が「ラックスハム」の食品情報や流通履歴情報を確認したい場合、情報読取部31aに「ラックスハム」に対応する無線ICタグ21を読み取らせ、「生ハム」の食品情報や流通履歴情報を確認したい場合、情報読取部31aに「生ハム」に対応する無線ICタグ21を読み取らせる。これにより、読み取った無線ICタグ21に記憶された食品情報や流通履歴情報が情報表示装置31に表示される。
すなわち、本発明の食品情報管理システムは、食品に関する食品情報を記憶する無線ICタグ21と、端末装置15とを備えている。上記端末装置15は、食品の流通起点において、流通させようとする食品に関する食品情報を無線ICタグ21に書き込み、流通起点である工場1から流通終点である店舗7に至るまでの流通過程に存在するいずれかの流通拠点において1つの流通ロットを複数の流通ロットに分割して流通させる段階で、食品情報が記憶された無線ICタグ21を流通ロットの分割数になるよう複製する複製手段としての機能を有する。また、この端末装置15は、複製で得られた分割数の無線ICタグ21それぞれを、分割した各流通ロットにそれぞれ付帯してさらに下流の流通過程に流通させた無線ICタグ21から少なくともいずれかの流通拠点および/または流通終点において、当該流通ロットに付帯された無線ICタグ21に記憶された食品情報を読み取る読取手段としての機能を有する。そして、食品の流通に際して当該食品に付帯させた当該食品に関する情報を管理する食品情報管理システムである。
これにより、食品に関する食品情報は、無線ICタグ21に書き込まれ、流通させようとする食品に付帯して流通し、流通起点である工場1から流通終点である店舗7に至るまでの流通過程に存在するいずれかの流通拠点(物流グループ3、物流センター5)において1つの流通ロットを複数の流通ロットに分割して流通させる段階で、食品情報が記憶された無線ICタグ21を流通ロットの分割数になるよう複製される。そして、複製によって得られた分割数の無線ICタグ21それぞれを、分割した各流通ロットにそれぞれ付帯してさらに下流の流通過程に流通するようになっている。
すなわち、食品情報が記憶された無線ICタグ21は、上記流通ロットの分割数になるよう複製されるため、流通ロットの分割数にかかわらず、流通終点(例えば一般消費者)まで直接食品情報を伝達することができる。このため、インターネット等の接続環境がなくても、食品の選択に資する情報を一般消費者に提供することができる。すなわち、消費者のニーズに応えるための情報の開示を実行することができる。また、食品に関する情報を当該食品の流通ロットに付帯させて流通させるため、食品情報の信憑性を高めることができ、一般消費者は、安心して食品を選択して購入することができる。
しかも、パレット単位や、数ケース単位等、ある一塊の量を1単位である流通ロット毎に情報を付帯させるため、食品に付帯させて流通させる記憶媒体の数を大幅に少なくすることができ、極めて低コストで効率よく情報管理を行なうことがきる。また、少なくともいずれかの流通拠点および/または流通終点において、流通ロットに付帯された記憶媒体に記憶された食品情報を読み取るようにしたことで、本発明の食品情報管理システムを使用して業務処理を行なう企業等のユーザは、食品情報を逐次管理することができる。
また、流通終点において無線ICタグ21に記憶された情報内容を読み取って表示することで、一般消費者は、購入前に無線ICタグ21に記憶された情報内容を確認することができる。これにより、一般消費者は、安心して食品を口にすることができる。
つぎに、図8を参照して、上記食品微生物測定装置19について説明する。
上記食品微生物測定装置19は、検査対象である食品から採取された検体を寒天培地で培養し、特定の菌種を正確に識別し、そのコロニー数を高速にカウントするようになっている。
具体的には、食品微生物測定装置19は、採取された検体の培養開始から6時間経過すると、1時間ごとに菌の増加状況を把握する。具体的には、食品微生物測定装置19は、衛生指標菌(一般生菌、大腸菌群、大腸菌等)や食中毒菌(黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、セレウス菌、EHECO157、サルモネラ、リステリア・モノシトゲネス等)を検知し、これらの菌を検知すれば、そのコロニー数をカウントする。そして、その測定結果を食品情報の1つである微生物データとしてサーバ装置11に送信する。すなわち、微生物データは、食品微生物測定装置19の測定結果が出るごとにサーバ装置11に送信される。
また、食品微生物測定装置19は、上記微生物測定を行なって微生物データを生成するとともに、上記微生物データが食品の流通を停止すべきレベルであるかどうかを判定する。そして、上記判定の結果が流通停止である場合には、当該微生物データに係る食品を含む流通ロットに対する流通停止の警報情報を発生する。
具体的には、上記食品微生物測定装置19は、上記のような菌が所定時間(本実施例では、12時間)の間に所定菌数に増殖した場合、警報情報として注意報を発し、特定時間(本実施例では、18時間)の間に特定菌数に増殖した場合、警報情報として警報を発する。
上記端末装置15は、上記警報情報を受信して、上記微生物データに係る食品を含む最初の流通ロットから分割されて流通している各流通ロットに付帯した記憶媒体とのデータ交換を行なう際に、上記流通停止の警報情報を出力するようになっている。
これにより、上記食品微生物測定装置19の判定の結果が流通停止である場合には、端末装置15は、微生物データに係る食品を含む流通ロットがいずれの流通段階に存在していてもその流通ロットに対して流通停止の警報情報を発することができ、その流通ロットの流通を迅速に停止させることができる。このように、最初の流通ロットから複数のロットの分割を経て複雑なルートで流通する食品について、微生物データにNGがでたときには確実に流通ロットの停止を行なって極めて低コストで被害の発生および拡大を防止できる。
上記サーバ装置11は、流通起点である工場1から流通させた最初の流通ロットに係る食品の微生物測定を行なった微生物データを格納するとともに、当該微生物データを各端末装置15に対して送信する。端末装置15では受信した当該微生物データを格納するとともに、いずれかの流通段階において、最初の流通ロットから分割されて流通している各流通ロットに付帯した無線ICタグ21とのデータ交換を行なう際に、上記微生物データを当該無線ICタグ21に書き込むようになっている。上記食品微生物測定装置19の判定の結果が流通停止である場合には、上記微生物データに流通停止の警報情報が含まれる。
このようにすることにより、微生物測定の結果がでたときに流通起点である工場1から流通させた最初の流通ロットに係る食品が既に流通していても、ユーザは、いずれかの流通段階において、端末装置15より微生物データをリアルタイムに確認することができる。例えば、ユーザ(例えば、食品を仕入れる仕入者)は、端末装置15より仕入れ予定の食品の微生物データを事前に把握することができ、ユーザである食品の検査者(出荷者)や受入者の双方で微生物データにより微生物汚染の状況判断を行なうことができる。そして、食品が一般消費者まで流通する前段階で確実に流通をストップさせることができる。これにより、食中毒事故等を未然に防ぐことができ、食中毒菌に対して食品の安全を確保することができる。
なお、サーバ装置11および端末装置15は、微生物データが食品の流通を停止すべきレベルであるかどうかを判定し、上記判定の結果が流通停止である場合に、当該微生物データに係る食品を含む流通ロットに対する流通停止の警報情報を発生するようにしてもよい。
具体的には、上記サーバ装置11および端末装置15は、送信された微生物データに基いて、上記のような菌が所定時間(本実施例では、12時間)の間に所定菌数に増殖した場合、警報情報として注意報を発し、特定時間(本実施例では、18時間)の間に特定菌数に増殖した場合、警報情報として警報を発するようにしてもよい。
この場合、上記端末装置15は、微生物データに係る食品を含む最初の流通ロットから分割されて流通している各流通ロットに付帯した無線ICタグ21とのデータ交換を行なう際に、上記判定の結果が流通停止である場合には、上記流通停止の警報情報を出力するようにしてもよい。
このようにすることにより、上記端末装置15の判定の結果が流通停止である場合には、端末装置15は、微生物データに係る食品を含む流通ロットがいずれの流通段階に存在していてもその流通ロットに対して流通停止の警報情報を発することができ、その流通ロットの流通を迅速に停止させることができる。このように、最初の流通ロットから複数のロットの分割を経て複雑なルートで流通する食品について、微生物データにNGがでたときには確実に流通ロットの停止を行なって極めて低コストで被害の発生および拡大を防止できる。
つぎに、図9を参照して、無線ICタグ21に記憶される食品情報および流通履歴情報について説明する。
上記工場1では、端末装置15から「管理項目1」、「管理項目2」、「表示項目」、「その他」に分類された食品情報が入力される。具体的には、「管理項目1」として、細菌数、pH、塩分濃度、ロットNo(原料ロットと製造ロット)、検査装置保守が入力される。「管理項目2」として、検査員名、検査日時、製造責任者、添加物、X線検査、金属検査、細菌検査、品管出荷判定が入力される。「表示項目」として、品名、品質保持期限、原材料名、添加物、内容量、保存方法、製造者、商品問合せ先、注意書、水分活性が入力される。「その他」として、原料原産国情報、製造工程情報が入力される。
物流グループ3および物流センター5の輸送トラックでは、端末装置15から「管理項目2」として、輸送履歴情報である運送会社名、ドライバー名、輸送開始日時、輸送終了日時、輸送温度等が入力される。「その他」として、所在地等が入力される。
物流グループ3および物流センター5の流通倉庫では、端末装置15から保管履歴情報として流通会社名、管理責任者名、受入日時、出荷日時、貯蔵日時等が入力される。「その他」として、所在地等が入力される。
店舗7では、入荷日時、店舗名、販売責任者等が入力される。「その他」として、所在地等が入力される。
「管理項目2」、「表示項目」、「その他」に分類された食品情報や流通履歴情報は、情報表示装置31に表示することができ、一般消費者に開示される項目である。
端末装置15から上記のような食品情報や流通履歴情報が入力され、サーバ装置11に送信されると、サーバ装置11でこれらの情報を蓄積しデータベースが構築される。端末装置15は、ネットワーク13を介してサーバ装置11に接続することで、図12に示すような画像でそのデータベースの内容を表示することができる。
ここで、上記流通履歴情報すなわち輸送履歴情報および保管履歴情報は、温湿度等を含む食品を流通させる際の雰囲気に関する情報を含む。
図12に示すように、各端末装置15およびサーバ装置11では、それらの表示装置により食品情報を示す商品情報画像や検査情報画像、流通履歴情報を示す搬送情報画像を表示することができる。
また、各端末装置15およびサーバ装置11では、図13に示すように、データベースから任意の食品の流通履歴情報を検索することもできる。なお、図においては、「ラックスハム」の流通履歴情報を検索する場合を示す。
図13に示すように、ユーザは、表示させたい食品の品名、内容量、品質保持期限、購入店舗名等を入力し、所定の操作をすることで、図14に示すように、その食品の流通履歴情報を端末装置15に表示させることができる。また、図15に示すような画像を表示させ、出荷ロット情報修正画像を表示させ出荷ロット情報や出荷ロットに含まれる製品ロットを修正することもできる。
つぎに、図10を参照して、食品情報および流通履歴情報等の送受信のタイミングについて説明する。
工場1の現場において、端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような食品情報が送信されると、サーバ装置11は、その食品情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。これにより、サーバ装置11および端末装置15では、図16に示すような画像によりその微生物データを表示することができる。端末装置15は、微生物データを受信するごとに微生物データを最新のデータに更新する。
物流トラックAにおいて、食品の配送開始時にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような輸送開始日時情報や会社名情報等(所在地、TEL、ドライバー名)の流通履歴情報が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流トラックAにおいて、物流トラックAが食品の配送中にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような輸送履歴情報としての流通履歴情報(搬送温度情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流トラックAにおいて、物流トラックAで食品の配送終了時にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような輸送履歴情報としての流通履歴情報(輸送終了日時情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
物流グループ3の流通倉庫Aにおいて、その端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような物流トラックAから受け取った食品の受取日時情報や会社名情報等(所在地、TEL、管理責任者)の流通履歴情報が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流グループ3の流通倉庫Aにおいて、その端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような保管履歴情報としての流通履歴情報(保管温度情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流グループ3の流通倉庫Aにおいて、その端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような流通履歴情報(払出日時情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
物流トラックBにおいて、食品の配送開始時にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような輸送開始日時情報や会社名情報等(所在地、TEL、ドライバー名)の輸送履歴情報としての流通履歴情報が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流トラックBにおいて、食品の配送中にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような輸送履歴情報としての流通履歴情報(搬送温度情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流トラックBにおいて、配送終了時にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような流通履歴情報(輸送終了日時情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
物流センター5の流通倉庫Bにおいて、その端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような物流トラックBから受け取った食品の受取日時情報や会社名情報等(所在地、TEL、管理責任者)の流通履歴情報が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流センター5の流通倉庫Bにおいて、その端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような保管履歴情報としての流通履歴情報(保管温度情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流センター5の流通倉庫Bにおいて、その端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような流通履歴情報(払出日時情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
物流トラックCにおいて、食品の配送開始時にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような輸送開始日時情報や会社名情報等(所在地、TEL、ドライバー名)の流通履歴情報が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流トラックCにおいて、食品の配送中にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような流通履歴情報(搬送温度情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
また、物流トラックCにおいて、食品の配送終了時にその端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような流通履歴情報(輸送終了日時情報)が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
販売店舗7において、その端末装置15からサーバ装置11に対して、図11に示すような物流トラックCから受け取った食品の受取日時情報や会社名情報等(所在地、TEL、管理責任者)の流通履歴情報が送信されると、サーバ装置11は、その流通履歴情報を受信し、蓄積する。これと略同時に、サーバ装置11は、食品微生物測定装置19の微生物データを端末装置15に送信する。
すなわち、端末装置15による無線ICタグ21への流通履歴の書き込みの際に、当該書き込みによって蓄積された食品情報および流通履歴情報を端末装置15に記憶し、当該端末装置15から蓄積された食品情報および流通履歴情報をネットワーク13を介してサーバ装置11に送信する。サーバ装置11では、各流通ロット毎に蓄積された最新の食品情報および流通履歴情報を格納する。このようにすることで、複数の流通拠点に分割されて流通し、さらにその流通拠点から複数の流通終点に分割されて複雑なルートで流通する食品について、分割されたそれぞれの流通ロット毎に正確に蓄積された流通履歴情報を、上記サーバ装置11で一元的に管理することができる。すなわち、ユーザは、食品がどの流通拠点に存在してもその流通ロットの食品に関する食品情報および流通履歴情報を確認することができる。
また、上記サーバ装置11は、各流通ロット毎に蓄積された最新の食品情報および流通履歴情報を格納するのと略同時期に、各端末装置15に対して最新の食品情報および流通履歴情報を送信し、各端末装置15において最新の食品情報および流通履歴情報を格納する。このようにすることにより、サーバ装置11、端末装置15、無線ICタグ21は、いつでも最新に蓄積された同じ食品情報および流通履歴情報を共有する。このため、各端末装置15や無線ICタグ21において同じ食品に対しての食品情報や流通履歴情報が一致しないという状況を防止することができ、ユーザ等に対してより正確に最新の食品情報および流通履歴情報を提供することができる。また、サーバ装置11、端末装置15および無線ICタグ21が最新に蓄積された同じ情報を共有することから、例えば、ある流通ロットで無線ICタグ21が破損したり、ある端末装置15に故障が生じたりしたような場合でも、すぐに修復が可能である。
図17に示すように、工場の製造においては、原料ロットが複数混在し、原料ロットと製品ロットとが必ずしも同じにならない。例えば、産地が違う原料肉が混在した食品を一つの製品ロットとして管理し、その製品ロットを原料肉の原料ロットAと原料ロットBで構成されるものとして管理する。データベース検索において、製造日を特定することで、製造した食品がどのような原料ロットで構成されるか容易に特定することができる。
原料ロットBの原料を含む食品を回収する場合は、無線ICタグ(タグB)21および無線ICタグ(タグC)21の流通ロットの食品を回収する。すなわち、原料ロットBの原料を含む食品に係る流通ロットの食品を全て回収する。また、製品ロットBの食品を回収する場合は、無線ICタグ(タグB)21および無線ICタグ(タグC)21の流通ロットの食品を回収する。すなわち、製品ロットBの食品に係る流通ロットの食品を全て回収する。
すなわち、上記食品情報は、複数の原料ロットからなり得る製品ロット情報を含み、製品ロット情報を含む食品情報が記憶された無線ICタグ21が各流通ロットに付帯される。したがって、一つの流通ロットに付帯する無線ICタグ21により複数の原料ロットからなり得る製品ロット情報を管理することができる。これにより、複雑な製造過程によって製造される食品(例えば加工食品)においても、食品情報や流通履歴情報等を流通起点から流通終点まで伝達し、これらの情報を適切に管理、運用するいわゆるトレーサビリティー(追跡可能性)システムを容易に実現することができる。
上記実施例では、流通起点を工場とし、流通拠点を物流グループや物流センターとし、流通終点を店舗としているが、これに限定されるものではなく、流通起点を第1工場とし、流通拠点を第1工場で製造された食品を加工する第2工場、第2工場で加工された食品をさらに加工する第3工場、第3工場で加工された食品を配送する物流グループや物流センターとし、流通終点を店舗としてもよい。すなわち、製品を流通させるだけでなく、原料や半製品を流通させる場合においても本発明を適用することができる。
また、上記実施例では、食品として加工食品を例にして説明したが、これに限定されるものではなく、野菜等の加工が不要な食品であってもよい。本発明は、特に、要冷蔵品や冷凍品、生鮮食品等に代表されるような、温湿度を含む「雰囲気管理が必要な食品」の物流において優れた効果を発揮する。