JP6131655B2 - 太陽電池用集電シート及びそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用集電シート及びそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Description

この発明は、バックコンタクト型の太陽電池素子から電気を取り出すための太陽電池用集電シート及びそれを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、表面側封止材シート、太陽電池素子、裏面側封止材シート、及び裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
ところで、太陽電池素子は、太陽光を受光する受光面と、その裏側に位置する非受光面とを含むが、受光面における太陽光線の受光効率を高めるために、受光面には電極を配置せず、非受光面に異なる極性を有する複数の電極を配置したバックコンタクト型の太陽電池素子が知られている。
バックコンタクト形の太陽電池素子には種々の方式がある。受光面と非受光面とを貫通する複数のスルーホールを有する半導体基板を備え、非受光面に極性が異なる複数の電極が設けられたメタルラップスルー(MWT)方式、或いはエミッタラップスルー(EWT)方式の太陽電池素子がある他、太陽電池素子の裏面に、くし型形状のp型、n型の拡散層を形成し、そのp、n領域から電気を取り出す構造の「interdigitated back−contact(IBC)方式」等、スルーホールを有しない構造の太陽電池素子もある。
バックコンタクト型の太陽電池素子を備える太陽電池モジュールにおいては、太陽電池素子から電気を取り出すための回路を樹脂シートの表面に形成した太陽電池用集電シートが用いられる。そして、太陽電池用集電シートの回路を形成するための導電性基材としては、従来、極めて導電性に優れ、他の様々な分野の回路基板において、導電性基材としての使用実績が豊富な銅箔が広く用いられてきた。
ここで、バックコンタクト型の太陽電池素子を備える太陽電池モジュールにおいては、太陽電池素子の非受光面側おける太陽電池素子の電極と集電シートの回路間の不要な短絡を防ぐために、回路上に絶縁性接着剤等によって絶縁層を形成することが必須となっている。又、近年、薄膜化が進んでいる太陽電池素子を外部衝撃から守るために、衝撃を充分に緩和することのできる封止材の配置も必須となっている。そのような封止材としては、従来より、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)樹脂が広く用いられてきた。
電極、回路間の不要な短絡を防ぎながら安全に効率よく電気を取り出すことができ、且つ、太陽電池素子を外部衝撃から保護しうる太陽電池用集電シートして、銅箔からなる回路上に、絶縁性接着剤からなる絶縁層を形成し、更にその上に、EVA等の樹脂フィルムからなる封止材を積層した太陽電池用集電シート、及びそれを用いた太陽電池モジュールが提案されている(特許文献1)。又、上記の封止材としてポリエチレン系の樹脂フィルムを採用して絶縁層としての機能も兼ね備えさせた、より簡易な構成の集電シート、及びそれを用いた太陽電池モジュールも提案されている(特許文献2)。
特開2012−74685号公報 特開2012−94846号公報
上記例示の通り、従来の太陽電池用集電シートにおいて回路(配線部)を形成する導電性基材として用いられてきた銅箔は極めて酸化し易い。回路表面が酸化するとハンダ密着性が劣化し、太陽電池モジュールの故障原因となる。又、銅箔は重量が大きいため、太陽電池モジュールの重量が増え、ユーザー側の設置において重量の制約が発生するという欠点もあった。更に、銅は価格が高いため製造コストが嵩むという問題もあり、これらの問題を解決するために、太陽電池用集電シートにおいて、銅に代えて用いることができる導電性基材が求められていた。
例えば、特開2010−1557553号公報にも一案として記載されている通り、例えば、銅に代わる導電性基材として、金属としての安定性、導電性、軽量性、加工性、経済性等に優れるアルミニウムを使用することも考えられる。しかし、実際には、封止材として従来広く用いられているEVAと、アルミニウムからなる回路を備える集電シートを積層して太陽電池モジュールを構成した場合には、アルミニウムの水蒸気バリア性が銅よりも劣ることから、加水分解性を有するEVAの劣化が促進され、太陽電池モジュール内部で、封止材層とその他の層との間の密着性、特に長期耐久性が低下してしまうという問題点があった。そのため、アルミニウムを導電性基材として採用した太陽電池用集電シートは、未だ実用化された例はなく、それを用いた太陽電池モジュールも依然存在していない。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、バックコンタクト型の太陽電池素子から集電するための太陽電池用集電シートであって、電極や回路間の短絡の防止や、外部衝撃の緩和が可能であり、且つ、軽量で設置容易でありながら、長期耐久性に優れる太陽電池用集電シート及びそれを用いた太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、太陽電池用集電シートの回路をアルミニウムによって形成した場合には、更に、封止材層として、ポリエチレン系樹脂を用いた封止材を回路上に積層した太陽電池用集電シートとし、それを用いて太陽電池モジュールを構成することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュールにおける内部配線用としてバックコンタクト型の太陽電池素子の裏面側に配置され、樹脂基材の表面にアルミニウムの配線部が形成されている回路と、前記回路上に積層され、ポリエチレン系樹脂からなる封止材層と、を備え、前記封止材層には、該封止材層を介して、前記太陽電池素子の非受光面側の電極と、これに対応する前記配線部とを導通するために前記配線部が露出する導通凹部が形成されていることを特徴とする太陽電池用集電シート。
(2) 前記封止材層のJIS C6481で測定した体積抵抗値が10Ω以上である(1)に記載の太陽電池用集電シート。
(3) 前記封止材層が、密度0.870g/cm以上0.980g/cm以下のポリエチレン系樹脂である(1)又は(2)に記載の太陽電池用集電シート。
(4) 前記ポリエチレン系樹脂が、シラン変性ポリエチレン樹脂を含有するポリエチレン系樹脂である(3)に記載の太陽電池用集電シート。
(5) 前記回路はその表面に絶縁層を備え、前記導通凹部は、前記封止材層及び前記絶縁層を貫通して形成されている(1)から(4)のいずれかに記載の太陽電池用集電シート。
(6) 前記樹脂基材の裏面側に裏面保護シートが一体化されている(1)から(5)のいずれかに記載の裏面保護シート一体化太陽電池用集電シート。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の太陽電池用集電シートが、バックコンタクト型の太陽電池素子の非受光面側に積層されてなる接合部材を備える太陽電池モジュール。
(8) 樹脂基材の表面にアルミニウムの配線部が形成されている回路と、前記回路上に積層され、ポリエチレン系樹脂からなる封止材層と、前記封止材層上に積層されたバックコンタクト型の太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュール。
本発明によれば、バックコンタクト型の太陽電池素子に接合される太陽電池用集電シートであって、安全性、集電効率、衝撃緩和能力に優れ、且つ、長期耐久性をも兼ね備えた太陽電池用集電シート及びそれを用いた太陽電池モジュールを従来よりも低コストで提供することができる。
スルーホールを有するバックコンタクト型の太陽電池素子を模式的に表した斜視図である。 図1のX−X線に沿う断面図である。 太陽電池素子と本発明の太陽電池用集電シートの接合部材を模式的に表した斜視図である。 図3の接合部材3の、太陽電池素子1と太陽電池用集電シート2の接合前の状態におけるY−Y線に沿う断面図である。 図3の接合部材3の、太陽電池素子1と太陽電池用集電シート2の接合後の状態におけるY−Y線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態である太陽電池モジュールの層構成の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<バックコンタクト型の太陽電池素子>
まず、図1、図2を参照しながら本発明の太陽電池用集電シート、及びそれを用いた太陽電池モジュールにおいて、好ましく用いられる太陽電池素子の一例として、スルーホールを有するバックコンタクト型の太陽電池素子1について説明する。図1は、太陽電池素子1を模式的に表した斜視図である。図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。
太陽電池素子1は、上下に積層されるN極の受光面側素子11とP極の非受光面側素子12とからなり、受光面側素子11と非受光面側素子を貫通する複数のスルーホール13と、受光面側素子11からスルーホール13を経て非受光面側に形成される負電極である第1電極41と、非受光面側素子上に形成される正電極である第2電極42とからなる電極4を備える。
尚、本明細書においては、受光面側素子がN極であり、非受光面側素子がP極である太陽電池素子1、即ち、第1電極41が負電極であり第2電極42が正電極である太陽電池素子1を実施例として例示する。但し、太陽電池素子の構成はこれに限られるものではない。例えば、図1と異なり受光面側がP極である太陽電池素子の場合には、第1電極41と第2電極42の正負の極性が逆転する。本発明の太陽電池用集電シートは、そのような構成の太陽電池素子にも用いることができる。そして、そのような実施形態である場合も、本実施例と全く同様の効果を奏しうるものである。
スルーホール13を有するバックコンタクト型の太陽電池素子の具体例としては、メタルラップスルー(MWT)方式、エミッタラップスルー(EWT)方式の太陽電池素子が挙げられる。MWT方式の太陽電池素子とは、太陽電池素子1の、スルーホール13内に銀ペースト14等の金属を充填し、金属を通して受光面で集めた電力を非受光面側の第1電極41(負電極)より取り出す構造の太陽電池素子をいう。EWT方式の太陽電池素子とは、太陽電池素子1のスルーホール13の内壁に拡散層を設け、拡散層を通して受光面で集めた電力を非受光面側の第1電極(負電極)より取り出す構造の太陽電池素子をいう。
尚、本発明の太陽電池用集電シートを用いることができる太陽電池素子は、必ずしも上記のようなスルーホール13を有する太陽電池素子には限られない。本発明の太陽電池用集電シートは、非受光面に異なる極性を有する複数の電極を配置したバックコンタクト型の太陽電池素子であれば、スルーホール13を有さないIBC方式等の太陽電池素子にも好ましく用いることができる。
<太陽電池用集電シート>
図3から図5を参照しながら、本発明の太陽電池用集電シートの一実施形態である太陽電池用集電シート2について説明する。図3は、スルーホール13を有するバックコンタクト型の太陽電池素子1と本発明の太陽電池用集電シート2の接合部材3を模式的に表した斜視図である。図4は、図3の接合部材3の、太陽電池素子1と太陽電池用集電シート2の接合前の状態におけるY−Y線に沿う断面図である。図5は図3の接合部材3の、太陽電池素子1と太陽電池用集電シート2の接合後の状態におけるY−Y線に沿う断面図である。
本実施形態の太陽電池用集電シート2は、樹脂基材21と、回路22と、封止材層23と、封止材層23の一部に形成された導通凹部24と、を備える。樹脂基材21の表面にはアルミニウムによって形成された配線部221と、配線が形成されていない部分である非配線部222からなる回路22が形成されている。そして、回路22を覆って封止材層23が形成されている。又、封止材層23の上部表面から、回路22の上部表面まで貫通する導通凹部24が形成されている。
[樹脂基材]
樹脂基材21は、シート状に成型された樹脂である。ここで、シート状とはフィルム状を含む概念であり、本発明において両者に差はない。樹脂基材21を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系等が例示される。
樹脂基材21の厚さは、太陽電池用集電シート2に要求される強度や薄さ等に応じて適宜設定すればよい。樹脂基材21の厚さは、特に限定されないが、一例として20μm以上250μm以下の厚さが挙げられる。
[回路]
回路22は、所望の配線形状となるように太陽電池用集電シート2の表面に形成された電気配線である。本発明の太陽電池用集電シート2は、この回路22の配線部221が、アルミニウムによって形成されたものである点に特徴がある。
アルミニウムは表面に強固な酸化膜が存在し金属として安定している。又、ポリエチレン系樹脂はアルミニウムを侵食する酸性ガスを発生させないため、ポリエチレン系樹脂からなる封止材との組合せで太陽電池モジュールを構成した際には、アルミニウムの安定性は更に高まる。
又、アルミニウムは、導電性についても、銅の導電率との対比において63%と、導電性基材として実施上好ましい範囲にある。例えば、約1.6倍の量を使用することで銅と同等の導電性を確保できるが、アルミニウムは銅と比較して極めて安価であるため、そのように使用量を増量したとしても、尚、総製造コストを低減することができる。又、アルミニウムの比重は、銅の8.93に対して、2.7と、約1/3であるため、銅からアルミニウムへの導電性基材の材料変更によって、太陽電池モジュールの軽量化を図ることもできる。
回路22の厚さは、太陽電池用集電シート2に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。回路22の厚さは、特に限定されないが、一例として10〜50μmが挙げられる。
尚、アルミニウムによって形成された配線部221を備える回路22を樹脂基材21の表面に形成するためには、銅箔からなる配線部を備える従来の回路の形成方法として一般的に用いられてきたエッチングによる方法の他、太陽電池用集電シート2においては、後に詳細を説明する通り、グラビア印刷やフレキソ印刷等の各種のパターン印刷による回路形成方法を特に好ましく用いることができる。
尚、本発明の太陽電池用集電シートは、回路22上に絶縁層(図示せず)が形成されているものであってもよい。回路22上の絶縁層上に封止材層23が形成されている構成とすることによって、非受光面側素子と配線部との間の短絡を、更に確実に防ぐことができる。
回路22上に、このような絶縁層を形成するための絶縁剤として、従来から広く用いられている絶縁性の極めて高いエポキシ−フェノール系インキ等の熱硬化性絶縁インキに替えて、コート剤として紫外線硬化型絶縁剤を好適に用いることができる。紫外線硬化型絶縁コート剤を用いることにより、絶縁層形成時のインキのキュア温度を低温に抑えることができる。これにより、ガラス転移温度が100℃以下である経済性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)等を樹脂基材21として使用することができる。又、工程として、紫外線硬化の方が熱硬化よりも経済性に優れる。よって、絶縁層を形成するための絶縁剤として、紫外線硬化型絶縁コート剤を用いることにより、太陽電池用集電シート又は太陽電池モジュールの生産性を高めることができる。
絶縁層の厚さは5μm以上25μm以下が好ましい。5μm未満であると、封止材層を積層したとしても絶縁性が不十分となるので好ましくなく、25μmを超えてもそれ以上の効果が得られず、むしろ導通凹部24のパターン形成が困難となり、又、不経済であるので好ましくない。
[封止材層]
図5に示すように、封止材層23は、回路22上に導通凹部24が占める場所を除いて形成される。封止材層23は、太陽電池モジュール内において、太陽電池素子の位置を固定し、又、外部からの衝撃を緩和するために配置される。本発明の太陽電池用集電シート2は、この封止材層23を、ポリエチレン系樹脂によって形成したものである点に特徴がある。
ここで、ポリエチレン系樹脂は、従来、封止材の材料として広く用いられてきたEVAと異なり加水分解しない。上述の通り、配線部221を水蒸気バリア性に劣るアルミニウムで形成したとしても、密着性や耐久性の極端な劣化を引き起こすことはない。加えて、ポリエチレン系樹脂は、上述の通り、アルミニウムを侵食する酸性ガスを発生させない点においても、アルミニウムとの相性が極めて良好である。よって、配線部221を形成する導電性基材をアルミニウムとし、更に、封止材層23を形成する樹脂基材をポリエチレン系樹脂に限定する本発明特有の組み合わせによって、より優れた長期耐久性を備え、より軽量化された太陽電池モジュールを、従来よりも低コストで生産することができる。
封止材層23を形成するポリエチレン系樹脂としては、密度0.870g/cm以上0.980g/cm以下、好ましくは、密度0.880g/cm以上0.910g/cm以下のポリエチレン系樹脂を用いることができる。又、密度が0.900g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを更に好ましく用いることができる。なかでも、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものであるが、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一であるため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能であり封止材シートに対して柔軟性を付与できる。これにより、封止材シートとガラス、金属等との密着性が高まるため、封止材シートとして極めて好ましく用いることができる。
又、封止材層23を形成するポリエチレン系樹脂は、更に、シラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するものであってもよい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への封止材シートの接着性を向上することができる。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュール用封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造しうる。
封止材層23を形成するポリエチレン系樹脂は、その封止材組成物の成分として架橋剤を用いたものであってもよい。架橋剤を組成物に添加する場合、架橋剤としては公知のものが使用でき、特に限定されない。例えば、公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。架橋剤の使用量は、組成物中に0.015質量%以上1.5質量%以下含まれることが好ましく、より好ましくは0.02質量%以上1.0質量%以下の範囲である。
封止材層23を形成するポリエチレン系樹脂は、更にその他の成分を含有したものであってもよい。例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)等の架橋助剤、シランカップリング剤等の接着性向上剤、耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等が例示される。
ここで、例えば、回路上に封止材は積層されておらず、熱硬化型の絶縁インキ等からなる絶縁層のみが回路上に形成されている太陽電池用集電シートにおいては、電極及び配線部間の不要な短絡を防ぐために、当該絶縁層には、JIS C6481で測定した体積抵抗値が10Ω以上、好ましくは1011Ω以上であることが求められている。本実施例に係る太陽電池用集電シート2は、封止材層23に上記絶縁層の役割をも果たさせるものであるが、実施例として後述する通り、ポリエチレン系樹脂からなる封止材層23の体積抵抗値は、上記体積抵抗値の条件を満たすため、本実施例に係る太陽電池用集電シート2によれば、上記の短絡を防いで、バックコンタクト型の太陽電池素子1から安全に電気を取り出すことができる。
封止材層23の厚さは、100μm以上600μm以下が好ましく、100μm未満であると充分に衝撃を緩和することができず、又、絶縁性も不十分となるので好ましくない。又、600μmを超えてもそれ以上の効果が得られず、むしろ導通凹部24のパターン形成が困難となり、又、不経済であるので好ましくない。
図4及び図5に示すように、導通凹部24は、太陽電池素子1と太陽電池用集電シート2の接合時において、太陽電池素子1の第1電極(負電極)41の直下に形成される第1導通凹部241と、太陽電池素子1の第2電極(正電極)42の直下に形成される第2導通凹部242とからなる。第1導通凹部241は太陽電池素子の上面側から見た平面視における形状及び面積がスルーホール13と略同一であり、封止材層23の上面部から配線部221の上面まで貫通する孔である。一方、第2導通凹部242は同じく封止材層23の上面部から配線部221の上面まで貫通する孔であるが、その形状及び面積は、第2電極42と接合されればよく、第2電極42の形状位置に応じて適宜設計される。
太陽電池素子1と太陽電池用集電シート2の接合時において、第1導通凹部241は第1電極41を間に挟んで対応するスルーホール13と上下に重なる位置に形成され、又、第2導通凹部242は第2電極42を間に挟んで対応するスルーホール13と上下に重なる位置に形成される。第1導通凹部241と第2導通凹部242の空間部分には、導電性材料25が充填されている。この導電性材料25は、例えば、アルミニウム用のハンダ等が例示できる。上記アルミニウム用ハンダとしては、例えば「AM−055(日本アルミット株式会社製)」等の専用品があり、これを市場より入手して用いることができる。
このように、ポリエチレン系樹脂からなる封止材層23は、衝撃緩和特性、絶縁性を備え、耐加水分解性を有し、更に、アルミニウムを侵食する酸性ガスの発生がない。よって、太陽電池用集電シート2を用いることにより、安全に電気を取り出すことができ、且つ、優れた長期耐久性を備えた太陽電池モジュールとすることができる。
<太陽電池用集電シートの製造方法>
太陽電池用集電シート2の製造においては、まず樹脂基材21の表面に、アルミニウムからなる導電層が積層された積層シートが使用される。この積層シートに対して、エッチング工程及び剥離工程を施すことにより、太陽電池用集電シート2上に回路22が形成される。更に回路22が形成された積層シートに対して、封止材積層工程を施すことにより、回路22上に封止材層23が形成される。以下、エッチング工程、剥離工程、及び封止材積層工程について説明する。
[エッチング工程]
まず、エッチング工程について説明する。この工程は、所望の回路22の形状にパターニングされたエッチングマスク(図示せず)を上記の積層シートの表面に作製した後でエッチング処理を行うことにより、エッチングマスクに覆われていない箇所における導電層を除去する工程である。
既に説明したように、この工程で使用される積層シートは、樹脂基材21の表面にアルミニウムの導電層が形成されたものである。樹脂基材21の表面にアルミニウムの導電層を形成させる方法については、アルミニウム箔を接着剤によって樹脂基材21の表面に接着する方法、樹脂基材21の表面にアルミニウム箔を蒸着させる方法等が例示されるが、コストの面からは、アルミニウム箔を接着剤によって樹脂基材21の表面に接着する方法が有利である。中でも、ウレタン系、ポリカーボネート系、エポキシ系等の接着剤を使用したドライラミネート法によって銅箔を樹脂基材21の表面に接着する方法が好ましい。
この工程では、まず、上記の積層シートの表面(すなわち上記の導電層の表面)に所望の配線部221の形状にパターニングされたエッチングマスク(図示せず)が作製される。エッチングマスクは、エッチング工程において、将来、配線部221となる導電層が浸漬液による腐食を免れるために設けられる。このようなエッチングマスクを形成する方法は特に限定されず、例えば、フォトレジスト又はドライフィルムをフォトマスクを通して感光させた後で現像することにより積層シートの表面にエッチングマスクを形成してもよいし、フレキソ印刷等の印刷処理により積層シートの表面にエッチングマスクを形成してもよい。フレキソ印刷等の印刷処理によって連続的にエッチングマスクを形成することにより、従来、枚様での作業を前提としていたエッチングマスクの形成をロール・トゥ・ロールで行うことができる。
ロール・トゥ・ロールでエッチング処理を行う上記製造方法によれば、枚様状態でのエッチング処理を前提とする従来方法と比較して、ロールの両端部分で無駄になる導電性基材が多くなるため、従来のように比較的高価な銅を導電性基材として用いる場合には、コスト高に直結してしまう。しかしながら、比較的安価なアルミニウムを導電性基材として選択した本発明の太陽電池用集電シート2においては、ロール・トゥ・ロールによる製造方法を採用することによる上記の材料コストの増加の影響以上に、ロール・トゥ・ロールで連続的に製造することによる生産性向上の効果が上回るため、ロール・トゥ・ロールでエッチング処理を行う上記製造方法によって、従来の製造方法よりも太陽電池用集電シート2の生産性を大きく向上させることができる。
エッチング工程におけるエッチング処理は、エッチングマスクに覆われていない箇所における導電層を浸漬液により除去する処理である。この処理を経ることにより、導電層のうち、配線部221となる箇所以外の部分が除去されるので、樹脂基材21の表面には、所望とする配線部221の形状に導電層が残ることになる。尚、配線部を形成する導電性基材として、従来のように銅箔を用いた場合には、腐食液として塩化鉄・塩化銅等を用いる必要があり、処理速度が上がらないという問題があった。しかし、配線部221を形成する導電性基材をアルミニウムとした本発明の太陽電池用集電シート2の製造においては、塩酸や過酸化水素水を使用することが可能であるため、従来よりもエッチング処理の速度を大きく高めて生産性を向上させることができる。更に、アルミニウムは表面に酸化被膜が形成されることにより、錆びにくい性質も兼ね備える。
[剥離工程]
次に、剥離工程でアルカリ性の剥離液を使用して、エッチングマスクを除去する。この工程を経ることにより、エッチングマスクが配線部221の表面から除去される。剥離工程で使用されるアルカリ性の剥離液としては、例えば、所定濃度の苛性ソーダの水溶液が挙げられる。
[封止材積層工程]
封止材層23の形成方法は特に限定されないが、例えば、封止材をシート状に形成後、導通凹部24を形成する位置に予めパンチング等で貫通孔を形成してから、積層することで回路22上に貫通する導通凹部24を形成できる。
尚、上記製造方法によれば、シート状の封止材を回路上に積層した段階では、図4に示す通り、厳密には非配線部222には封止材層23は形成されない場合もある。しかし、後述する太陽電池モジュールの製造工程における真空熱ラミネート加工の過程において、加工に係る熱により、軟化した封止材が非配線部222にも流れ込み、図5に示す通り、非配線部222にも封止材層23が形成されることとなる。
[封止材積層工程]
封止材層23の形成方法は特に限定されないが、例えば、通常の熱可塑性樹脂において用いられる成形法、即ち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により封止材をシート状に成型後、導通凹部24を形成する位置に予めパンチング等で貫通孔を形成してから、積層することで回路22上に貫通する導通凹部24を形成することができる。尚、シート状の封止材を回路上に積層した段階では、図4に示す通り、厳密には非配線部222には封止材層23は形成されない場合もある。しかし、後述する太陽電池モジュールの製造工程における真空熱ラミネート加工の過程において、軟化した封止材が非配線部222にも流れ込み、図5に示す通り、非配線部222にも封止材層23が形成されることとなる。
<太陽電池モジュール>
図6を参照しながら、本発明の太陽電池用集電シートを用いた太陽電池モジュール100について説明する。図6は、バックコンタクト型の太陽電池素子1と本発明の太陽電池用集電シート2を備える太陽電池モジュール100の層構成を模式的に示した断面図である。
本発明の太陽電池モジュール100は、入射光の受光面側から、透明前面基板5、前面封止材層6、太陽電池素子1、背面封止材層となる封止材層23を備える太陽電池用集電シート2、及び裏面保護シート7が順に積層されている。又、必要に応じて、適宜この他の部材を積層してもよい。
<太陽電池モジュールの製造方法>
本発明の一実施形態である太陽電池用集電シート2と太陽電池素子1を接合した接合部材3とを備える太陽電池モジュール100の製造方法について説明する。
図5に示すように、太陽電池用集電シート2、太陽電池素子1及び他の部材の一体化の工程の前に、まず太陽電池用集電シート2の導通凹部24に導電性材料25を充填する。これにより、導通凹部24は、配線部221が底面で露出するように形成されているため、導電性材料25と配線部221とが導通する。より具体的には図5において、配線部221と第1電極41(負電極)に接続される第1導通凹部241と、配線部221と第2電極42(正電極)に接続される第2導通凹部242とが、それぞれ封止材層23によって別個に導通される。
一方の太陽電池素子1は、示すバックコンタクト型の太陽電池素子1が用いられる。MWT方式の太陽電池素子の場合は、スルーホール13には、図5に示すように銀ペースト14が充填されている。
次に太陽電池用集電シート2、太陽電池素子1、及び、図示しない裏面保護シート等の他の部材を積層して一体化する。この一体化の方法としては真空熱ラミネート加工により一体化する方法が挙げられる。上記方法を用いた際のラミネート温度は、130℃〜190℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5分〜60分の範囲内が好ましく、特に8分〜40分の範囲内が好ましい。
この一体化の過程において、太陽電池用集電シート2の封止材層23は、加熱により、軟化して非配線部222にも流れ込み、図5に示す通り、非配線部222にも封止材層23が形成されることとなる。これにより、封止材層23が電極、配線部221間の不要な短絡を防ぐ絶縁層としても機能することができるようになる。
又、この一体化の過程において、太陽電池用集電シート2の樹脂基材21は、太陽電池モジュールとして他の部材と強固に一体化されているため、太陽電池用集電シート2の基材樹脂のTg以上で加熱しても熱による収縮、変形の問題が生じない。
尚、本発明の太陽電池用集電シート2は、アルミニウムによって形成された配線部221を備える回路22上にポリエチレン系樹脂からなる封止材層23が積層されているものをいうが、本発明の太陽電池モジュールについては、予め回路22上に封止材層23が積層されているものに限られない。樹脂基材の表面に形成され、アルミニウムによって形成された配線部と非配線部とからなる回路と、その回路上に積層されたポリエチレン系樹脂からなる封止材層と、その封止材層上に積層されたバックコンタクト型の太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであれば、例えば、上記の集電シートと上記の封止材層を別途に製造し、それらを他の構成部材とあわせて、太陽電池モジュールの製造時に一体化した太陽電池モジュールであっても本発明の範囲である。
上記の一体化によって、図4に示すように、第1電極41から取り出された電気はスルーホール13内の銀ペースト14を経て、更に第1導通凹部241内の導電性材料25を介して対応する配線部221に伝導される。又、第2電極42から取り出された電気は第2導通凹部242内の導電性材料25を介して対応する配線部221に伝導可能となる。
尚、太陽電池用集電シート2は、上記の通り、太陽電池素子1の他、他の部材と一体化する工程を経て、太陽電池モジュールとなるが、その工程に先だって、樹脂基材21の裏面側に予め別のETFE、耐加水PET等の裏面保護シート(図示せず)を一体化することにより、太陽電池モジュールの製造に用いる裏面保護シート一体化集電シートとすることも可能である。上記の裏面保護シート一体化集電シートを作成するには、樹脂基材21の裏面側に裏面保護シートをドライラミネーション法等によって積層する。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[試験例1]
本発明の太陽電池用集電シートにおいて封止材層として用いられるポリエチレン系樹脂について試料を用意し、下記の通り、絶縁性についての試験を行った。
絶縁性についての試験は、JIS C6481により、下記試料の体積抵抗値を測定することにより行った。測定機器としては、超絶縁計(日置電機株式会社製:型番SM−8215)を用いた。試料については、特開2003−46105に記載のポリエチレン系の樹脂(以下、「樹脂1」とも言う)と、VA含量28%のEVA樹脂(以下、「樹脂2」とも言う)を用い、試料の厚さはいずれも400μmとした。結果を表1に示す。
Figure 0006131655
表1より、ポリエチレン系樹脂を用いた封止材層23は、従来広く用いられているEVA樹脂を用いた場合と、ほぼ同等の絶縁性を備えるものであり、太陽電池用集電シートにおける上記短絡を防ぐことができるものであることが分かる。
[試験例2]
以下の通り、本発明の集電シートについて、アルミニウムからなる導電性基材の酸化を抑制する機能を検証するための試験を行った。
上記の樹脂1を50mm×50mmにカットした封止材サンプル(厚さ400μm)を2枚用意し、2枚の封止材サンプルの間に、30mm×30mmにカットしたアルミニウム箔(厚さ40μm)を挟んだ状態で加熱圧着し、実施例の試料を作成した。又、樹脂1を樹脂2に替えたこと以外は上記と同じ方法で、比較例の試料を作成した。それぞれの試料を、外気を遮断した状態で、160℃、16時間の条件で加熱し、加熱後のアルミニウム箔の表面の状態をそれぞれ目視により観察した。
実施例の試料については、導電性基材表面の端部近傍のごく一部(全表面積の5%未満程度)に、表面劣化が観察された。一方比較例の試料については、EVA樹脂からの酸性ガスの発生による酸化の結果であると推測される表面劣化が導電性基材表面のほぼ全面にわたって観察された。
以上より、本発明の太陽電池用集電シート及びそれを用いた太陽電池モジュールは、電極や回路間の短絡の防止が充分に可能であり、且つ、長期耐久性に優れるものであることが分かる。
1 太陽電池素子
13 スルーホール
2 太陽電池用集電シート
21 樹脂基材
22 回路
23 封止材層
24 導通凹部
25 導電性材料
3 太陽電池素子と太陽電池用集電シートとの接合部材
4 電極
41 第1電極
42 第2電極
5 透明前面基板
6 前面封止材層
7 裏面保護シート
100 太陽電池モジュール

Claims (8)

  1. 太陽電池モジュールにおける内部配線用としてバックコンタクト型の太陽電池素子の裏面側に配置され、
    樹脂基材の表面にアルミニウムの配線部が形成されている回路と、
    前記回路上に積層され、ポリエチレン系樹脂からなる封止材層と、を備え、
    前記封止材層には、該封止材層を介して、前記太陽電池素子の非受光面側の電極と、これに対応する前記配線部とを導通するために前記配線部が露出する導通凹部が形成されていることを特徴とする太陽電池用集電シート。
  2. 前記封止材層のJIS C6481で測定した体積抵抗値が10Ω以上である請求項1に記載の太陽電池用集電シート。
  3. 前記封止材層が、密度0.870g/cm以上0.980g/cm以下のポリエチレン系樹脂である請求項1又は2に記載の太陽電池用集電シート。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂が、シラン変性ポリエチレン樹脂を含有するポリエチレン樹脂樹脂である請求項3に記載の太陽電池用集電シート。
  5. 前記回路はその表面に絶縁層を備え、
    前記導通凹部は、前記封止材層及び前記絶縁層を貫通して形成されている請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池用集電シート。
  6. 前記樹脂基材の裏面側に裏面保護シートが一体化されている請求項1から5のいずれかに記載の裏面保護シート一体化太陽電池用集電シート。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の太陽電池用集電シートが、バックコンタクト型の太陽電池素子の非受光面側に積層されてなる接合部材を備える太陽電池モジュール。
  8. 樹脂基材の表面にアルミニウムの配線部が形成されている回路と、
    前記回路上に積層され、ポリエチレン系樹脂からなる封止材層と、
    前記封止材層上に積層されたバックコンタクト型の太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュール。
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