JP2014003161A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】モジュールを大型化した場合であっても、配線と太陽電池との剥離が生じない、製造後の構造安定性が高い太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の太陽電池モジュールは、特殊な配線を用いることを特徴とする。具体的には、太陽電池モジュールから基板及び太陽電池を除いた配線は、Y軸を応力、X軸を歪とした応力−歪曲線において、その曲線の形状が下に凸を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、輸送、施工、設置などの使用環境に対して高い耐久性を有し、特に製造後の構造安定性が高い太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、基板上に配置した太陽電池により光を電気に変換し、該変換された電気は、太陽電池の集電電極から外部へと取り出される。そして、外部への電気の取り出しを容易にするため、太陽電池の集電電極と配線を接続することが行われている。
集電電極と配線の接続には半田付けが一般的に行われているが、半田付けの際に高温になるため、配線の線膨張により太陽電池セルが割れてしまうことが報告されている。
このような問題に対して、配線に凹凸部を形成し、部分的に太陽電池セルと結合させることが提案されている(特許文献1参照)。
また、半田を使用しない方法として、導電性接着材を用いることも提案されている。接着力確保のために銅線の前面に導電性接着材を塗布すると、接着強度は確保されるものの、接合面全体に応力がかかってしまい、太陽電池セルの反り、クラック等が発生してしまうことが報告されている。
このような問題に対して、太陽電池接続用タブ線として、銅線と、該銅線に所定間隔離間した導電性接着層とを有するものを用いることが提案されている(特許文献2参照)。
一方で近年、薄膜半導体や有機半導体の開発が進み、基板に金属樹脂積層基板または樹脂基板を採用することで、軽量で可撓性を有するフレキシブルタイプの太陽電池モジュールが実現可能となっている。
金属樹脂積層基板または樹脂基板を用いた太陽電池モジュールの製造は、熱ラミネートにより行われることがあり、このような方法によると、太陽電池セルへのダメージもなく、簡易に太陽電池モジュールの製造が可能となる。
特開2005−302902号公報 特開2011−222744号公報
本発明者らは、基板に金属樹脂積層基板または樹脂基板を採用した太陽電池モジュールを熱ラミネートにより製造したところ、モジュールを大型化した際に、配線と太陽電池セルが剥離する現象に想到した。
また、大型化した太陽電池モジュールは、製造後の運搬・加工の際に、その重みにより大きく撓む場合があり、その際にも配線と太陽電池セルが剥離する場合があることに想到した。
本発明は上記問題点を解決するものであり、モジュールを大型化した場合であっても、配線と太陽電池セルとの剥離が生じない、輸送、施工、設置などの使用環境に対して高い耐久性を有し、製造後の構造安定性が高い太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、太陽電池モジュールを製造する工程において、太陽電池モジュールを構成する層の積層体をラミネートした際に、線膨張率が高い金属樹脂積層基板または樹脂基板が膨張し、ラミネート後の冷却において膨張した金属樹脂積層基板または樹脂基板が収縮するため、太陽電池モジュール全体として変形や反りが生じ、それに起因して配線と太陽電池が剥離するという知見を得た。
そして、該知見に基づき更に検討を重ねた結果、特定の性質を有する配線を用いることで上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。
本発明は、
金属樹脂積層基板または樹脂基板、太陽電池、及び該太陽電池の集電電極上に配置される配線を有する太陽電池モジュールにおいて、
前記太陽電池モジュールから基板及び太陽電池を除いた配線は、Y軸を応力、X軸を歪とした応力−歪曲線において、その曲線の形状が下に凸を示すことを特徴とする太陽電池モジュール、である。
また、前記金属樹脂積層基板または樹脂基板は、線膨張係数が15ppm以上であることが好ましい。
また、前記応力−歪曲線は、曲線の変曲点が応力10MPa以下の範囲に存在することが好ましい。
また、前記金属樹脂積層基板または樹脂基板と太陽電池とが、直接又は接着層を介して積層されていることが好ましい。
また、前記配線は、編物又は織物であることが好ましく、前記編物又は織物が被覆されていないことが好ましい。
また、前記太陽電池モジュールは、大きさが310cm以上であることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、運搬、施工、設置などの外的負荷に対して、モジュールを大型化した場合であっても、配線と太陽電池との剥離が生じない、高い耐久性を有し、製造後の構造安定性が高い太陽電池モジュールである。加えて、使用時の環境変化による温度差が大きい雰囲気下であっても、配線と太陽電池との剥離が生じない太陽電池モジュールである。
実施例1及び比較例1で用いた配線の応力−歪曲線を示すグラフである。
本発明の太陽電池モジュールは、金属樹脂積層基板または樹脂基板、太陽電池、及び該太陽電池の集電電極上に配置される配線を有する。その他、通常太陽電池モジュールに備えられる層を有しても良い。一般的な太陽電池モジュールの構成としては例えば、受光面側から、表面保護層、封止層、太陽電池、封止層、基板を積層した構成が挙げられ、太陽電池の集電電極上に、接着層を介して配線が配置される。また、基板として線膨張係数の大きいものを使用する場合は、基板と他の層、特に基板と太陽電池との間に応力緩衝層を設けてもよい。応力緩衝層としては接着層であることが好ましい。
<配線>
本発明の太陽電池モジュールは配線の性質に特徴を有する。具体的には、太陽電池モジュールから基板及び太陽電池を除いた配線は、Y軸を応力、X軸を歪とした応力−歪曲線において、その曲線の形状が下に凸を示すことを特徴とする。このことについて、図1を用いて説明する。
図1は、実施例1及び比較例1で用いた配線について、Y軸を応力、X軸を歪とした応力−歪曲線を示す。通常、金属の平板は比較例1の配線のように、応力が小さい範囲においては歪の発生が小さく、ある応力以上にあると、歪の発生が大きくなるという物性を有する。このような物性を有する配線は、図1から明らかなように上に凸の形状を有する応力−歪曲線を示す。
一方、本発明で用いられる配線は、下に凸の形状を有する応力−歪曲線を示すことを特徴とする。
応力−歪曲線において下に凸の形状を有するということは、小さい応力であっても大きく歪む性質を有する配線であることを示している。すなわち、このような性質を有する配線は、熱ラミネートにより金属樹脂積層基板または樹脂基板が膨張し、その後の冷却により配線に応力がかかった場合であっても配線自体が十分に歪むため、応力が緩和されて太陽電池と配線が剥離することはない。また、大型太陽電池モジュールの加工・運搬の際に、太陽電池モジュール全体が撓む場合であっても、配線自信が十分に歪むため、応力が緩和されて太陽電池と配線が剥離することはない。
特に柔軟性を有するモジュールに対しては、極めて有用な特徴となる。
一方で、応力−歪曲線が上に凸の形状を有する従来の配線を用いた場合には、熱ラミネート後の冷却により配線に応力がかかった場合に、配線の形状の変化が乏しいため、応力が緩和されず配線と太陽電池が剥離する。
本発明に用いる配線は上記性質を有するものであるが、より柔軟性の高いモジュールに対しては、太陽電池モジュールを構成する層のうち、太陽電池モジュールから基板及び太陽電池を除いたもの、すなわち表面保護層および封止層が積層された配線積層体の応力についても、Y軸を応力、X軸を歪とした応力−歪曲線において下に凸の形状を示してもよい。
上記配線、または配線積層体の応力−歪曲線は、その変曲点が応力10MPa以下に存在することが好ましい。配線、または配線積層体が低応力にて大きく歪む性質を有することで、太陽電池モジュールにおける太陽電池と配線の剥離を防止することが容易となる。
また、上記配線、または配線積層体の応力−歪曲線において、下に凸部分が応力10MPa以下に存在することが好ましい。
配線、または配線積層体の応力−歪曲線は、歪量が10%において、応力が10MPa以下であることが好ましい。配線、または配線積層体が低応力にて大きく歪む性質を有することで、太陽電池モジュールにおける太陽電池と配線の剥離を防止することが容易となる。
また、歪量の極大値は特段限定されず、太陽電池モジュールの実使用温度範囲の観点から、2%以下であることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、上記性質を有する配線であればどのようなものを用いても問題ないが、例えば、いくつかの素線を編んだ編物や、いくつかの素線を織った織物が好ましく、生産性が良い観点から、編物が好ましい。
編物の編み方は、配線として使用可能なように平らな形状に編んであれば何でも良く、例えば平編み、一重編組、二重編組、三重編組、デンビー編み、コード編み、アトラス編み、鎖編み、かぎ編み、四つ目編み、六つ目編み、八つ目編み、網代、鉄線、三つ編み、右結び、左結び、たて巻き結び、よこ巻き結び、斜め編み、ゴム編み、かのこ編み、メリヤス編み、ガーター編みが好ましい。特に、平らな形状にしやすいことから平編み、一重編組、二重編組、三重編組、かぎ編み、四つ目編み、六つ目編み、八つ目編み、網代、鉄線、右結び、左結び、たて巻き結び、よこ巻き結び、斜め編みが好ましい。
織物の織り方は、配線として使用可能なように平らな形状に織られたものであれば何でも良く、例えば平織、綾織、朱子織が好ましい。
また、編物や織物とする前の素線の形態として、素線自体を編んだり織ったりしてもよいし、素線を撚ったものを編んだり織ったりしてもよいし、素線を編んだものを編んだり織ったりしても良く、素線を織ったものを編んだり織ってもよい。
なお、編物や織物は、被覆されていないことが好ましい。被覆されていない編物や織物を用いることで、より応力−歪曲線の変曲点における応力値が小さくなる。一方、被覆されていると、編物や織物などの構造的に及ぼす応力−歪曲線への影響を阻害する恐れがある。
素線の材質は、導電性物質であれば何でも良く、金属、金属酸化物、導電性高分子、カーボン、またはこれらを樹脂や有機化合物などの絶縁性材料中にコンパウンドした材料を用いても良く、絶縁性材料の表面にこれらの導電性物質をメッキやコーティングしたものを用いても良い。安価で導電性が高いことから、金属、メッキやコーティングされたものが好ましい。金属として、鉄、タングステン、銅、ニッケル、金、銀、コンスタンタン、黄銅、ニクロム、白金、水銀、イリジュウム、カルシュウム、ニッケル、ベリリウム、マグネシウム、モリブデン、ロジウム、アルミニウムなどを用いても良く、導電性が高いことから、銅、黄銅、銀、金、アルミニウムが好ましい。金属酸化物として、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、インジウム−スズ系酸化物などが好ましく、これらを組み合わせて作製されたものを用いても良い。導電性高分子として、ポリアセチレン、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p-フェニレンスルフィド)が好ましい。
配線の断面形状は、矩形や正方形であることが好ましく、接触面積を損なわずに、厚みが薄くできる観点から、矩形の形状であることが好ましい。
配線の厚みは、薄い方が好ましく、特に0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、太陽電池モジュールにした際に、配線部分で凹凸が生じにくくするために0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
配線の幅は、接触面積を広げる観点から、2mm以上10mm以下であることが好ましく、特に2mm以上7mm以下であることが好ましい。
<表面保護層>
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護層を備えていてもよい。太陽電池モジュールの表面保護層として用いる材質としては、多くの太陽光を光電変換層に供給する観点から、通常、表面保護層の全光線透過率は80%以上、好ましくは90%以上である。全光線透過率の測定方法は、例えば、JIS K 7361−1による。
表面保護層としては、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が挙げられる。好ましくは、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
表面保護層の厚さは、通常0.02mm以上である。好ましくは0.03mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上である。一方上限は特段限定されないが、1mm以下であることが好ましい。この範囲であることで、適度な耐衝撃性と柔軟性を付与することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールでは、表面保護層の外側(太陽光側)に更に表面保護シートを備えてもよい。本発明において表面保護シートを備えることは表面保護層の傷つきや劣化を抑制し、全光線透過率を維持するため好ましい。表面保護シートを構成する材料は、耐候性フィルムが好ましく、通常使用される公知のものを使用することができる。
耐候性フィルムの材料となる樹脂としては、例えばエチレンーテトラフルオロエチレン共重合体(PTFE)、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が挙げられる。これらの中でもエチレンーテトラフルオロエチレン共重合体(PTFE)が好ましい。
耐候性保護フィルムの厚さは特に制限されないが、通常10μm以上、好ましくは20μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。
表面保護シートと表面保護層との間に接着層を備えてもよい。接着層の材質等は特に制限されないが、通常例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、マレイン酸またはシラン等で変性した変性ポリエチレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、またエポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等の光透過性の材料が用いられる。接着層の厚さは特に制限されないが例えば200μm〜500μmのシート状が好ましい。
<太陽電池>
太陽電池は、太陽光を電気に変換する発電素子と、発電素子の形状変化を抑制するための発電素子基材から構成されている。その他、必要に応じて、ガスバリア層、波長変換層、UV吸収層を積層してもよい。
上記発電素子は、耐候層側から入射される太陽光に基づき発電を行う素子である。この発電素子は、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、変換によって得られた電気エネルギーを外部に取り出せるものであれば、特に限定されない。
発電素子としては、一対の電極で発電層(光電変換層、光吸収層)を挟んだもの、一対の電極で発電層と他層(バッファ層等)との積層体を挟んだもの、そのようなものを複数個、直列接続したものを用いることができる。発電層としては様々なものを採用することができるが、薄膜単結晶シリコン、薄膜多結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、球状シリコン、無機半導体材料、有機色素材料、または有機半導体材料からなる層であることが好ましい。これらの材料を用いることで、発電効率が比較的高く、薄い(軽量な)発電素子を実現できる。さらに効率を上げる観点から、これらを積層したHIT型、タンデム型でもよい。
発電層を薄膜多結晶シリコン層とした場合、発電素子は間接光学遷移を利用するタイプの素子となる。そのため、発電層を薄膜多結晶シリコン層とする場合には、光吸収を増加させるために、後述する発電素子基材又はその表面に凸凹構造を形成するなど十分な光閉じ込め構造を設けておくことが好ましい。
発電層をアモルファスシリコン層とした場合、可視域での光学吸収係数が大きく、厚さ1μm程度の薄膜でも太陽光を十分に吸収できる太陽電池を実現できる。しかも、アモルファスシリコンは、非結晶質の材料であるが故に、変形にも耐性を有している。そのため、発電層をアモルファスシリコン層とした場合、特に軽量な、変形に対してもある程度の耐性を有する太陽電池モジュールを実現できる。
発電層を無機半導体材料(化合物半導体)層とした場合、発電効率が高い発電素子を実現することが出来る。なお、発電効率(光電変換効率)の観点からは、発電層をS、Se
、Teなどカルコゲン元素を含むカルコゲナイド系発電層とすることが好ましく、I−III−VI2族半導体系(カルコパイライト系)発電層としておくことがより好ましく、I族元素としてCuを用いたCu−III−VI2族半導体系発電層、特に、CIS系半導体〔CuIn(Se1−y)2;0≦y≦1〕層やCIGS系半導体〔Cu(In1−xGa)(Se1−y)2;0<x<1、0≦y≦1〕〕層としておくことが、好ましい。
発電層として、酸化チタン層及び電解質層などからなる色素増感型発電層を採用しても、発電効率が高い発電素子を実現することができ、有機半導体層(p型の半導体とn型の半導体を含む層)を採用することもできる。なお、有機半導体層を構成し得るp型の半導体としては、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポリフィリン等のプルフィリン化合物;フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;テトラセンやペンタセンのポリアセン;セキシチオフェン等のオリゴチオフェン及びこれら化合物を骨格として含む誘導体が例示できる。さらに、有機半導体層を構成し得るp型の半導体として、ポリ(3−アルキルチオフェン)などを含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール等の高分子等も例示できる。
また、有機半導体層を構成し得るn型の半導体としては、フラーレン(C60、C70、C76);オクタアポフィリン;上記p型半導体のパーフルオロ体;ナフラレンテトラカルボン酸無水物、ナフラレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化合物;及び、これら化合物を骨格として含む誘導体などを例示できる。
また、有機半導体層の具体的な構成例としては、p型半導体とn型半導体が層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、それぞれp型半導体を含む層(p層)とn型半導体を含む層(n層)を積層した積層型(ヘテロpn接合型)、ショットキー型およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
発電素子の各電極は、導電性を有する任意の材料を1種又は2種以上用いて形成することができる。電極材料(電極の構成材料)としては、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属、あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその合金(ITO:酸化スズインジウム);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;そのような導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。
電極材料は、正孔又は電子を捕集するのに適した材料としておくことが好ましい。なお、正孔の捕集に適した電極材料(つまり、高い仕事関数を有する材料)としては、金、ITO等を例示できる。また、電子の捕集に適した電極材料(つまり、低い仕事関数を有する材料)としては、銀、アルミニウムを例示できる。
発電素子の各電極は、発電層とほぼ同サイズのものであっても、発電層よりも小さなものであっても良い。ただし、発電素子の,受光面側(耐候層側)の電極を、比較的に大きなもの(その面積が、発電層面積に比して十分に小さくないもの)とする場合には、当該電極を、透明な(透光性を有する)電極、特に、発電層が効率良く電気エネルギーに変換できる波長の光の透過率が比較的に高い(例えば、50%以上)電極、としておくべきで
ある。なお、透明な電極材料としては、ITO、IZO(酸化インジウム−亜鉛酸化物)等の酸化物;金属薄膜などを、例示できる。
発電素子の各電極の厚さ及び発電層の厚さは、必要とされる出力等に基づき、決定することが出来る。さらに電極に接するように補助電極を設置してもよい。特に、ITOなど導電性のやや低い電極を用いる場合には効果的である。補助電極材料としては、導電性が良好ならば上記金属材料と同じ材料を用いることができるが、銀、アルミニウム、銅が例示される。
上記発電素子基材は、その一方の面上に、発電素子が形成される部材である。そのため発電素子基材は、機械的強度が比較的に高く、耐候性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、且つ軽量なものであることが望まれる。また、発電素子基材は、変形に対して或る程度の耐性を有するものであることも望まれる。そのため、発電素子基材としては、金属箔や、融点が85〜350℃の樹脂フィルム、幾つかの金属箔/樹脂フィルムの積層体を採用することが好ましい。
発電素子基材(又は、その構成要素)として使用し得る金属箔としては、アルミニウム、ステンレス、金、銀、銅、チタン、ニッケル、鉄、それらの合金からなる箔を、例示できる。また、融点が85〜350℃の樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、これらの共重合体、PVDF、PVFなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ニトリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどからなるフィルムを、例示できる。なお、発電素子基材として使用する樹脂フィルムは、上記のような樹脂中に、ガラス繊維、有機繊維、炭素繊維等を分散させたフィルムであってもよい。
なお、発電素子基材(又は、その構成要素)として使用する樹脂フィルムの融点が85〜350℃の範囲である場合には、発電素子基材の変形が生じず発電素子との剥離が生じないため、好ましい。また、発電素子基材(又は、その構成要素)として使用する樹脂フィルムの融点は、100℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましく、150℃以上であることが特に好ましく、180℃以上であることが最も好ましい。また、当該樹脂フィルムの融点は、300℃以下であることがより好ましく、280℃以下であることがさらに好ましく、250℃以下であることが特に好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、熱可塑性樹脂層と上記の発電部材が接して積層される場合には、熱可塑性樹脂としてポリウレタンまたはポリオレフィンを用い、熱可塑性樹脂層と接する発電部材のうち、発電素子基材としてポリエチレンナフタレート、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートを用いることが、接着及び歪み吸収の観点から好ましい。
太陽電池は集電電極を有し、集電電極上に配線を配置することで、太陽電池から外部へ電気を取り出す。集電電極としては、太陽電池において変換した電気を取り出すことができればよく、例えば結晶系太陽電池では、集電用のフィンガー電極、出力取出し用のバスパー電極などが挙げられる。薄膜系太陽電池では、細長い電流取出し部の領域内での外部電極などが挙げられる。
太陽電池の集電電極と配線の接着は、接着層を介して行うことが好ましい。接着層の材
料としては、炭化水素系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤等を用いることができる。その中でも好ましくは、炭化水素系接着剤又はエポキシ系接着剤であり、更に好ましくは炭化水素系粘着剤又は熱硬化性エポキシ系接着剤であり、特に好ましくはブチルゴム系粘着剤又は熱硬化性エポキシ系接着剤である。
接着剤とは、例えばJIS K 6800に定義されているように、物体の間に介在することによって物体を結合することの出来る物質をいう。
粘着剤とは、例えばJISK6800に定義されているように、常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着剤に接着する物質をいい、常温で圧力を加えるだけで接着する接着剤(感圧型接着剤)とほぼ同義である。
接着層の材料が炭化水素系粘着剤であることは、水蒸気透過率が低く、光線透過率が高い点及び接着する際に熱をかけずに接着できることから太陽電池セルへの熱によるダメージが避けることができることから好ましい。
また、接着層は、電気的な接続をより確実にする観点から、導電性を有することが好ましい。導電性を有する接着層としては、繊維系両面導電性テープ、金属箔系両面導電性テープ、ACF(Anisotropic Conductive Film、異方性導電フィルム)等が挙げられる。この中でも、接着工程に加熱が不要であり、プロセスが簡易であることから両面導電性テープが好ましく用いられる。
接着層の導電性が低い場合には、電極と集電線の一部を接着材で固定し、残りの部分で電極と集電線とが直接接するように設置するのが好ましい。
接着層は、厚みが通常5μm以上であり、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。一方、通常、500μm以下であり、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。薄いとリボン線の変形による接着不良を引き起こす恐れがある。一方、厚すぎると抵抗が大きくなり、太陽電池の電気特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
また、接着層は、ヤング率が0.3GPa以下であることが好ましい。ヤング率が高いと、リボン線の変形による残留応力が大きくなり、剥離や接触不良などの危険性がある。
なお、ここで説明した接着層を構成する材料は、基板と太陽電池の間に配置する接着層に適用することができる。
<封止層>
太陽電池モジュールは、通常、太陽電池と後述する基板との間に少なくとも一層の封止層を有する。このような封止層を設けることで、上述した発電素子を封止するとともに、耐衝撃性等を太陽電池モジュールに付与することができる。
封止層は、上述した太陽電池と基材層との間に積層されることに加え、太陽電池の受光面側にも積層されることで、発電素子の耐衝撃性の向上に寄与できる。太陽電池モジュールでは、太陽電池の上下を挟むように封止層が積層される態様が好ましい。
この封止層として積層される材料には、日射透過率が比較的高い樹脂材料で、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム等を使用することができ、これらの1種以上の混合体、若しくは共重合体を使用できる。中でもEVAが好ましい。
封止層の厚さは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることが
より好ましく、300μm以上であることが更に好ましい。一方、1000μmであることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることが更に好ましい。封止層の厚さを上記範囲とすることで、適度な耐衝撃性を得ることができると共に、コストおよび重量の観点からも好ましく、発電特性も十分に発揮することができる。
太陽電池モジュールの封止層には、紫外線吸収剤が添加されていてもよい。そのような紫外線吸収剤としては、市販されているものを含め、特段の限定なく用いることができる。例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。封止層に紫外線吸収剤を添加する場合には、封止層全量に対して0.01重量%以上であることが好ましく、0.05重量%以上であることがより好ましい。一方、この含有量は1重量%以下であることが好ましく、0.8重量%以下であることがより好ましく、0.6重量%以下であることが特に好ましい。0.01重量%未満であると、紫外線吸収効果を発揮することが難しくなり、1重量%を超えるとブリードアウトの原因となるからである。
また、上記封止層がシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤が含まれていることで、封止層とそれに接する層との接着性が向上する。シランカップリング剤としては、官能基としてアルキル基を有するものが好ましく例示でき、具体的には、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基等が挙げられる。封止材とシランカップリング剤の重量比は、封止材の重量を100としたとき、0.1〜2.0であることが好ましく、0.3〜1.0であることがより好ましく、0.5〜0.7であることが特に好ましい。このような範囲とすることで、接着性を好適なものとすることができる。 ここでいうシランカップリング剤を含むとは、封止材にシランカップリング剤を添加ないしは混合することを意味し、シランカップリング剤は太陽電池モジュールの積層前に予め熱可塑性樹脂に添加ないし混合しておいてもよいし、積層時に封止材に添加ないし混合してもよい。
<基板>
本発明の太陽電池モジュールは、金属樹脂積層基板または樹脂基板を有する。基板として金属樹脂積層基板または樹脂基板を使用することから、本発明の太陽電池モジュールは可撓性を有する。
樹脂基板としては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー(TPO)として、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー等が好ましく、特に機械特性と耐光性が良いことから、ETFE、PC、PVC、TPO、PMMAが望ましい。
金属樹脂積層板として、アルミ、ステンレス、銅、チタン、鉄、それらの合金からなる板状部材の間に層間樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド6、ポリアミド66、これらをブレンドしたものやこれらのコポリマーを積層したものが好ましい。さらに、これらの層間樹脂中に燐酸エステル化合物、塩化パラフィンなどのハロゲン化合物、酸化アンチモン、水酸化アンチモン、ホウ酸バリウム、ガラス繊維、水酸化アルミ、水酸化ナトリウムなどの無機物を含むものであっても、何らかの手法により発泡させたものであっても良い。
本発明の金属樹脂積層基板または樹脂基板の厚みは、通常0.01mm以上20mm以下であり、軽量性や可撓性を付与できる観点から、0.01mm以上10mm以下であることが好ましい。
本発明の配線を使用した場合、製造時(加熱など)による配線の変形が生じ易く、基板(バックシート基材)も同時に変形する方が好ましい。変形することで、モジュール内部に残留応力が生じにくく。長期での耐久性が維持できる。また、熱的性質として、線膨張率が15ppm以上であることが好ましく、熱クリープ性に優れる観点から、20ppm以上であることが好ましい。
また、ヤング率が1500MPa以上、また2000MPa以上、特に2200MPa以上の基板を用いた場合であっても、本発明の太陽電池モジュールは熱ラミネート後に太陽電池と配線の剥離を生じることがない。
<その他の層>
本発明の太陽電池モジュールには、必要に応じその他の層を備えることもできる。例としては、緩衝層、補強層、電気絶縁層、ガスバリア層、紫外線カット層、耐候性保護層、耐擦傷性層、防汚層、などが挙げられる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
本発明の太陽電池モジュールは公知の方法で製造でき、例えば表面保護層、封止層、太陽電池、封止層、緩衝層、基板等を含む多層シートを積層し、熱プレスする方法が挙げられる。このとき、配線は太陽電池上に接着層を介して形成させる。また、基板として線膨張係数の大きい層を使用する場合には、基板と太陽電池とが、応力緩衝層としての接着層を介して積層されていることが好ましい。接着層としては、有機化合物中に導電性物質を分散させた接着層を介して太陽電池の集電電極上に形成させることが好ましい。配線を形成させる段階は、各層を積層する前に形成させておいてもよいし、積層し、熱プレスする際に太陽電池と貼り合せることで形成させても良い。熱プレスは具体的には真空ラミネーション装置内へ配置し、真空引きの後、加熱し、一定時間経過後に冷却することにより、太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の配線を使用することで、接着層を一定間隔のスペースを作って貼り合わせたり、集電線とセルを半田付けする際に点状に溶着させなくても良いため、製造工程が簡易化し、生産性と歩留まりが向上する。また、接着層を用いることで、半田工程を省略することも可能である。
上記熱プレスを実施する条件は特に限定されず、通常行う条件で実施することができる。
真空条件で行うことが好ましく、通常真空度が30Pa以上、好ましくは50Pa以上、より好ましくは80Pa以上である。一方上限は、通常150Pa以下、好ましくは120Pa以下、より好ましくは100Pa以下である。上記範囲とすることで、モジュール内の各層において気泡の発生を抑制することができ、生産性も向上するため好ましい。
真空時間としては、通常1分以上、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上である。一方上限は、通常8分以下、好ましくは6分以下、より好ましくは5分以下である。真空時間を上記範囲とすることで、熱プレス後の太陽電池モジュールの外観が良好となり、またモジュール内の各層において気泡の発生を抑制することができるため好ましい。
熱プレスの加圧条件は、通常圧力が50kPa以上、好ましくは70kPa以上、より好ましくは90kPa以上である。一方上限値は、101kPa以下であることが好ましい。上記範囲の加圧条件とすることで、太陽電池モジュールを損傷することなく、また適度な接着性を得ることができるため、耐久性の観点からも好ましい。
上記圧力の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上
である。一方上限は、通常30分以下、好ましくは20分以下、より好ましくは15分以下である。上記保持時間とすることで、封止層の発電素子を保護する機能を十分に発揮することができ、また十分な接着強度を得ることができる。
熱プレスの温度条件は、通常120℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上である。一方上限値は、通常180℃以下、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下である。上記温度範囲とすることで、十分な接着強度を得ることができる。
また、上記温度の加熱時間は、通常10分以上、好ましくは12分以上、より好ましくは15分以上である。一方上限は60分以下、好ましくは45分以下、より好ましくは30分以下である。上記加熱時間とすることで、封止材の架橋が適度に行われるため耐久性能が向上し、適度な柔軟性を有することができるため、好ましい。
このようにして得られた本発明の太陽電池モジュールは、薄肉かつ軽量であるにもかかわらず太陽電池セルの破壊を抑制する耐衝撃性を有し、また、たわみや振動を抑制する機能を持つために、トラック等の自動車に取り付けることができる。さらに、結晶系太陽電池モジュールでは適用できなかった、曲面形状の建造物に対しても適用することが出来る。
また、一般的にモジュールサイズが大きくなると、運搬や施工時の変形が大きくなるため、変形に伴う剥離なども起こり易い。本発明の太陽電池モジュールは大型化した場合であっても太陽電池と配線の剥離が生じない。そのため、太陽電池モジュールの大きさを310cm以上とすることが可能であり、好ましくは8000cm以上とすることが可能であり、更に好ましくは10000cm以上とすることが可能である。太陽電池モジュールの大きさは通常50000cm以下、好ましくは40000cm以下である。また、太陽電池モジュールの配線方向の長さを50cm以上、好ましくは100cm以上、より好ましくは120cm以上とすることが可能である。太陽電池モジュールの配線方向の長さは、通常400cm以下、好ましくは350cm以下である。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明がこのような具体的な態様のみに限定されないことはいうまでもない。
本発明の実施例における評価は、以下の方法を用いた。
<配線の応力−歪曲線>
各配線を10cmにカットし、カットした各配線をORIENTEC社製引張試験機(ORIENTEC製STA−12 25)を用いて、標線間距離20mm、1mm/minで引張試験を実施した。測定結果について、Y軸を応力、X軸を歪とした応力−歪曲線の代表例を図1に示す。
<結露凍結試験>
エスペック社製環境試験機を用いて、−40℃2時間、85℃,85rh%2hを1サイクルとし、30サイクル試験した。試験前後の配線の剥離の状態を目視観察した。
<出力評価>
PASAN社製ソーラーシミュレータを用い、太陽電池モジュールの出力特性を測定し、Fill Facterを評価する事で、太陽電池セルへのダメージを確認した。
<曲げ試験>
外径が50mmφの紙管ロールに対し、ラミネート後の太陽電池モジュールの表面保護層が接するように向け、太陽電池モジュールの長軸方向の中心が紙管ロール上に当たるように設置する。その後、太陽電池モジュールの長軸方向の端部を地面に着けるように曲げる。曲げた後に地面に設置したときの外観を目視観察し、配線の剥離の有無を確認した。
<実施例1>
(評価用太陽電池モジュールの作製)
配線に幅5mm、厚み0.65mmの双葉電線社製平編導線を用い、該配線を、太陽電池素子上の電極部に幅6mmの3M社製の両面導電性シート#4305を用いて設置した。用いた配線の応力−歪曲線を図1に示す。
その後に、厚さ50μmのエチレン−四フッ化エチレン共重合体(以下、ETFEと記載)フィルム(旭硝子株式会社製50HK−DCS)、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記載)フィルム、前記太陽電池素子(ポリエチレンナフタレート(以下、PENと記載)フィルム上にアモルファスシリコン系発電層を積層)、同EVAフィルム、緩衝層として同ETFEフィルム(Tg=100℃、Tm=260℃、線膨張係数(MD):59ppm/K、ヤング率:800MPa、ガス透過率:12g/m2/day)、接着層として同EVAフィルム、基板として幅786mm、長さ2152mm、厚さ2.5mm、線膨張率65ppm、ヤング率2500MPaのポリカーボネート基材(三菱樹脂製)の順で重ね合わせ、NPC社製真空ラミネータを使用し、125℃で熱熱プレス(真空度80Pa、真空時間5分、加圧時間5分、保持30分)して外観評価用の太陽電池モジュールを作製した。用いた太陽電池素子の短絡電流値は、2.89Aであった。
(外観評価)
熱プレス後に配線の剥離は見られなかった。また、結露凍結試験後に配線の剥離は見られなかった。
(出力評価)
熱プレス後のFill Facterは0.63であった。
(曲げ試験)
曲げ試験後のサンプルを観察した結果、配線の剥離はみられなかった。
<比較例1>
配線として、幅5mm、厚み0.18mmの日立電線社製平板導線を用いた以外、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。用いた配線の応力−歪曲線を図1に示す。
(外観評価)
熱プレス後及び結露凍結試験後に配線の剥離が見られた。
(出力評価)
熱プレス後のFill Facterは0.52であった。このことより、太陽電池セルへのダメージ、若しくは配線の剥離や接触不良が生じている。
(曲げ試験)
曲げ試験後のサンプルを観察した結果、配線の剥離が見られた。
<比較例2>
配線として、幅5mm、厚み0.28mmの日立電線社製平板導線を用いた以外、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。用いた配線の応力−歪曲線は、下に凸ではない。
(外観評価)
熱プレス後及び結露凍結試験後に配線の剥離が見られた。
(出力評価)
熱プレス後のFill Facterは0.54であった。このことより、太陽電池セルへのダメージ、若しくは配線の剥離や接触不良が生じている。
(曲げ試験)
曲げ試験後のサンプルを観察した結果、配線の剥離が見られた。
<比較例3>
配線として、幅10mm、厚み0.3mmの木屋製作所社製SUSバンドを用いた以外、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。用いた配線の応力−歪曲線は、下に凸ではない。
(外観評価)
熱プレス後及び結露凍結試験後に配線の剥離が見られた。
(出力評価)
熱プレス後のFill Facterは0.56であった。
(曲げ試験)
曲げ試験後のサンプルを観察した結果、配線の剥離が見られた。
<比較例4>
配線として、幅20mm、厚み0.3mmの名興双葉電線株式会社製SUSバンドを用いた以外、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。用いた配線の応力−歪曲線は、下に凸ではない。
(外観評価)
熱プレス後及び結露凍結試験後に配線の剥離が見られた。
(出力評価)
熱プレス後のFill Facterは0.57であった。このことより、太陽電池セルへのダメージ、若しくは配線の剥離や接触不良が生じている。
(曲げ試験)
曲げ試験後のサンプルを観察した結果、配線の剥離が見られた。
<比較例5>
配線として、幅20mm、厚み0.4mmの木屋製作所社製平板導線を用いた以外、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。用いた配線の応力−歪曲線は、下に凸ではない。
(外観評価)
熱プレス後には配線の剥離は見られなかったが、結露凍結試験後に配線の剥離が見られた。
(出力評価)
熱プレス後のFill Facterは0.61であった。このことより、太陽電池セルへのダメージ、若しくは配線の剥離や接触不良が生じている。
(曲げ試験)
曲げ試験後のサンプルを観察した結果、配線の剥離が見られた。
Figure 2014003161

Claims (7)

  1. 金属樹脂積層基板または樹脂基板、太陽電池、及び該太陽電池の集電電極上に配置される配線を有する太陽電池モジュールにおいて、
    前記太陽電池モジュールから基板及び太陽電池を除いた配線は、Y軸を応力、X軸を歪とした応力−歪曲線において、その曲線の形状が下に凸を示すことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記金属樹脂積層基板または樹脂基板は、線膨張係数が15ppm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記応力−歪曲線は、曲線の変曲点が応力10MPa以下の範囲に存在することを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記金属樹脂積層基板または樹脂基板と太陽電池とが、接着層を介して積層されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記配線は、編物又は織物であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記編物又は織物が被覆されていないことを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記太陽電池モジュールは、大きさが310cm以上である、請求項1から6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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