JP2013191619A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】製造後でも電位を調整することが可能な太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
【解決手段】太陽電池モジュールの上部電極側の封止層にスリットを設け、上部電極が露出した太陽電池モジュールにより課題を解決する。
【選択図】図5
【解決手段】太陽電池モジュールの上部電極側の封止層にスリットを設け、上部電極が露出した太陽電池モジュールにより課題を解決する。
【選択図】図5
Description
本発明は、太陽電池モジュールに関し、特に、必要な電位を任意に設定可能な太陽電池モジュールに関する。
薄膜系太陽電池モジュールは、光電変換層、並びに上部電極および下部電極を含む薄膜系太陽電池素子を製造し、該薄膜系太陽電池素子の各電極と集電線とを電気的に接続して、封止することで製造される。そして、薄膜系太陽電池素子は、必要となる電位の調整と製造の効率化のために、複数の太陽電池セルを直列に接続したモノリシック構造を有することが一般的である。
薄膜系太陽電池素子素子、特に有機薄膜太陽電池素子は、外部からの物理的衝撃および水分等への耐性が非常に低いため、有機薄膜太陽電池素子を用いて太陽電池モジュールを製造する際には、封止材で有機薄膜太陽電池を挟み込むように封止することが必要である。また、封止材による封止の際に多少でも隙間が存在すると、当該隙間から水分等が入り込み有機太陽電池素子の起電力が失われることから、このような隙間を有する太陽電池モジュールは製品として適さないものであった。
一方、薄膜系太陽電池モジュールは、その可撓性ゆえに、シート状からロール状など、さまざまな形状での生産・出荷が期待されている。特に、太陽電池モジュールをロール状とすることで、大きな発電面積を有し、かつ、製造後の保管場所などに有利な太陽電池モジュールを得ることができる。そのため、ロール状太陽電池モジュールの製造効率の向上のために、さまざまな技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
モノリシック構造を有する太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールは、発生した電気を取り出すために、通常、太陽電池セルが直列に接続された太陽電池素子の両端から集電線を介して電気を取り出す。具体的には、太陽電池モジュールの両端において、有機太陽電池素子の一方の末端の太陽電池セルの上部電極及び/又は下部電極、ならびに、他方の末端の太陽電池セルの上部電極及び/又は下部電極、と集電線とを電気的に接続することで電気を取り出す。ロール状の太陽電池モジュールにあっても、その両端に存在する電極と集電線を接続し、特定の電位の電気を取り出すこととなる。
このように、モジュールの両端から電気を取り出すことを前提として、要求された仕様に基づき太陽電池素子におけるセルの数を設定し、太陽電池素子を封止することにより太陽電池モジュールを製造する。従って、一度製造した太陽電池モジュールは、太陽電池素子が封止されているため、設定された特定の電位が得られるのみであり、製造後に電位を変更したという要望への対応は不可能であった。そのため、太陽電池モジュールを一旦設計してその製造を始めた後に電位の変更要求があった場合には、再度太陽電池素子の設計を行うことから製造を始める必要があり、非常に生産効率が悪かった。
本発明は、このような要求に対して対応し得る、製造後でも電位を調整することが可能な太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
このように、モジュールの両端から電気を取り出すことを前提として、要求された仕様に基づき太陽電池素子におけるセルの数を設定し、太陽電池素子を封止することにより太陽電池モジュールを製造する。従って、一度製造した太陽電池モジュールは、太陽電池素子が封止されているため、設定された特定の電位が得られるのみであり、製造後に電位を変更したという要望への対応は不可能であった。そのため、太陽電池モジュールを一旦設計してその製造を始めた後に電位の変更要求があった場合には、再度太陽電池素子の設計を行うことから製造を始める必要があり、非常に生産効率が悪かった。
本発明は、このような要求に対して対応し得る、製造後でも電位を調整することが可能な太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、太陽電池素子を封止している封止材の一部にスリットを備えることで、上記課題を解決できることに想到した。太陽電池素子は外部からの物理的な衝撃や、水分への耐性が非常に弱いことから、水分等が一切入らないように封止することが、太陽電池セルの寿命を長くし、壊れにくい太陽電池モジュールを製造するために必要と考えられてきた。そのような従来の常識にとらわれず、本発明者らは、封止材の一部にあえてスリットを入れ、太陽電池素子を構成する太陽電池セルの上部電極の一部を露出させた太陽電池モジュールを製造することで、該露出した上部電極に集電線を接続して任意の電位を有する電気を取り出すことが可能となり、本発明を完成させた。
本発明の概要は以下のとおりである。
光電変換層、上部電極および下部電極を有する太陽電池セルが直列に複数接続された、モノリシック構造を有する太陽電池素子を封止した太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュールは、少なくとも前記太陽電池セルの上部電極側を封止する封止層を有し、
前記封止層は、上部電極のうち光電変換層と積層する箇所を露出させるスリットを少なくとも1つ備えることを特徴とする、太陽電池モジュール。
光電変換層、上部電極および下部電極を有する太陽電池セルが直列に複数接続された、モノリシック構造を有する太陽電池素子を封止した太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュールは、少なくとも前記太陽電池セルの上部電極側を封止する封止層を有し、
前記封止層は、上部電極のうち光電変換層と積層する箇所を露出させるスリットを少なくとも1つ備えることを特徴とする、太陽電池モジュール。
また、上記太陽電池モジュールは、太陽電池セルが直列に複数接続された太陽電池素子の両端において、太陽電池モジュールから電気を取り出すことができる集電線を備えることが好ましい。また、上記太陽電池モジュールの封止層にスリットを2つ以上備えることが好ましい。また、前記封止層に備えられたスリットは、剥離可能な層で封止されていることが好ましい。また、ロール状太陽電池モジュールであることが好ましい。
本発明によれば、製造後でも電位を調整することが可能な太陽電池モジュールを提供することが可能となり、製造効率を下げることなく、要求に応じた電位を取り出すことができる。
以下、本発明について、具体的な態様を示しながら詳細に説明するが、本発明は例示する具体的態様に限定されないことはいうまでもない。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池素子を封止することで製造される。また、太陽電池素子は、通常、複数のセルが接続されたモノリシック構造を有し、要求される特性に応じて太陽電池素子を構成する太陽電池セルの数を決定する。それぞれの太陽電池セルは、光電変換層、上部電極および下部電極を有するものである。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池素子が封止されていればよく、複数の太陽電池素子が接続される場合には、その配置方法、数は特段制限されない。また、本発明の太
陽電池素子は、複数の太陽電池セルが直列に接続され、モノリシック構造で配置されているかぎり、太陽電池セルの配置方法、数は特段制限されない。通常、太陽電池モジュールに要求される電位や電流により、太陽電池セルの数や配置方法を決める。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池素子を封止することで製造される。また、太陽電池素子は、通常、複数のセルが接続されたモノリシック構造を有し、要求される特性に応じて太陽電池素子を構成する太陽電池セルの数を決定する。それぞれの太陽電池セルは、光電変換層、上部電極および下部電極を有するものである。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池素子が封止されていればよく、複数の太陽電池素子が接続される場合には、その配置方法、数は特段制限されない。また、本発明の太
陽電池素子は、複数の太陽電池セルが直列に接続され、モノリシック構造で配置されているかぎり、太陽電池セルの配置方法、数は特段制限されない。通常、太陽電池モジュールに要求される電位や電流により、太陽電池セルの数や配置方法を決める。
<太陽電池セル構成>
太陽電池セルは、光電変換層、上部電極および下部電極を少なくとも備え、その他の層を有していても良い。なお、図1に示すように、通常太陽電池セルの基板に積層される電極を下部電極と称する。
光電変換層は、複数のセルが接続されたモノリシック構造を有する太陽電池素子を製造できる限り制限されず、アモルファスシリコンや有機半導体などにより形成できるが、本発明の効果を得るには有機半導体が好ましい。
有機半導体は半導体特性により、p型、n型に分けられる。p型、n型は、電気伝導に寄与するのが、正孔、電子いずれであるかを示しており、材料の電子状態、ドーピング状態、トラップ状態に依存する。したがって、p型、n型は必ずしも明確に分類できない場合があり、同一物質でp型、n型両方の特性を示すものもある。
太陽電池セルは、光電変換層、上部電極および下部電極を少なくとも備え、その他の層を有していても良い。なお、図1に示すように、通常太陽電池セルの基板に積層される電極を下部電極と称する。
光電変換層は、複数のセルが接続されたモノリシック構造を有する太陽電池素子を製造できる限り制限されず、アモルファスシリコンや有機半導体などにより形成できるが、本発明の効果を得るには有機半導体が好ましい。
有機半導体は半導体特性により、p型、n型に分けられる。p型、n型は、電気伝導に寄与するのが、正孔、電子いずれであるかを示しており、材料の電子状態、ドーピング状態、トラップ状態に依存する。したがって、p型、n型は必ずしも明確に分類できない場合があり、同一物質でp型、n型両方の特性を示すものもある。
p型半導体の例として、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポルフィリン等のポルフィリン化合物;フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;ナフタロシアニン化合物;テトラセンやペンタセンのポリアセン;セキシチオフェン等のオリゴチオフェンおよびこれら化合物を骨格として含む誘導体が挙げられる。さらに、ポリ(3−アルキルチオフェン)などを含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール等の高分子等が例示される。
n型半導体の例として、フラーレン(C60、C70、C76);オクタアザポルフィリン;上記p型半導体のパーフルオロ体;ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物;及び、これら化合物を骨格として含む誘導体などが挙げられる。
少なくともp型の半導体およびn型の半導体が含有されていれば、光電変換層の具体的な構成は任意である。光電変換層は単層の膜のみによって構成されていてもよく、2以上の積層膜によって構成されていてもよい。例えば、n型の半導体とp型の半導体とを別々の膜に含有させるようにしても良く、n型の半導体とp型の半導体とを同じ膜に含有させても良い。また、n型の半導体及びp型の半導体は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
光電変換層の具体的な構成例としては、p型半導体とn型半導体が層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、それぞれp型半導体を含む層(p層)とn型半導体を含む層(p層)が界面を有する積層型(ヘテロpn接合型)、ショットキー型およびそれらの組合せが挙げられる。これらの中でもバルクへテロ接合型およびバルクへテロ接合型と積層型を組み合わせた(p−i−n接合型)が高い性能を示すことから好ましい。
光電変換層のp層、i層、n層各層の厚みは、通常3nm以上、中でも10nm以上、また、通常500nm以下、中でも50〜300nmとすることが好ましい。層を厚くすることで光電流が増大する傾向にあり、薄くすることで直列抵抗が低下する傾向にある。
下部電極及び上部電極としては導電性を有する材料により形成することが可能であり、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸
化タングステン、酸化錫等の金属酸化物、あるいはその複合酸化物(ITO、IWO、IZOなど);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。
なかでも、正孔を捕集する電極には、Au、ITO等の深い仕事関数を有する材料が好ましい。一方、電子を捕集する電極には、Alのような浅い仕事関数を有する材料が好ましい。仕事関数を最適化することにより、光吸収により生じた正孔及び電子を良好に捕集する利点がある。
化タングステン、酸化錫等の金属酸化物、あるいはその複合酸化物(ITO、IWO、IZOなど);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。
なかでも、正孔を捕集する電極には、Au、ITO等の深い仕事関数を有する材料が好ましい。一方、電子を捕集する電極には、Alのような浅い仕事関数を有する材料が好ましい。仕事関数を最適化することにより、光吸収により生じた正孔及び電子を良好に捕集する利点がある。
少なくとも受光面側の電極は、光透過性を有しており、好ましくは透明である。但し、電極は、発電性能に著しく悪影響を与えない場合は必ずしも透明でなくてもよい。透明な電極の材料を挙げると、例えば、ITO、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の酸化物;金属薄膜などが挙げられる。また、受光面側の電極の光の透過率は、太陽電池素子の発電効率を考慮すると、光学界面での部分反射によるロスを除き、80%以上が好ましい。
下部電極及び上部電極の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
下部電極及び上部電極の形成方法に制限はない。例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することができる。また、導電性インク等を用いたウェットプロセスにより形成することもできる。この導電性インクとしては、例えば、導電性高分子、金属粒子分散液等を用いることができる。さらに、電極は2層以上積層してもよく、表面処理による特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
<太陽電池素子>
本発明における太陽電池素子は、モノリシック構造を有する太陽電池素子であれば限定されないが、本発明の効果を得るには薄膜系太陽電池素子が好ましく、中でも有機薄膜太陽電池素子が好ましい。
以下、複数の有機薄膜太陽電池セルが直列に接続されたモノリシック構造を有する有機薄膜太陽電池素子の製造方法について、光電変換層がp−i−n接合型である場合を例に図1を用いて説明する。以下、光電変換層がp−i−n接合型である場合を例にして説明するが、バルクヘテロ接合型、ヘテロpn接合型、ショットキー型、等、公知の有機光電変換層も同様の方法で製造できる。
本発明における太陽電池素子は、モノリシック構造を有する太陽電池素子であれば限定されないが、本発明の効果を得るには薄膜系太陽電池素子が好ましく、中でも有機薄膜太陽電池素子が好ましい。
以下、複数の有機薄膜太陽電池セルが直列に接続されたモノリシック構造を有する有機薄膜太陽電池素子の製造方法について、光電変換層がp−i−n接合型である場合を例に図1を用いて説明する。以下、光電変換層がp−i−n接合型である場合を例にして説明するが、バルクヘテロ接合型、ヘテロpn接合型、ショットキー型、等、公知の有機光電変換層も同様の方法で製造できる。
太陽電池素子は、通常基板上に太陽電池セルを積層させることで製造される。基板1は公知の基板が使用でき、具体的には例えば厚さ0.05〜1mm程度のガラス、金属箔又は耐熱性の高分子フィルム等が挙げられる。太陽電池モジュールの受光面が基板1側の場合には、透明な基板を用いるのが好ましい。受光面が上部電極8側の場合には、基板1は透明でも不透明でも良い。(a)図の通り、基板1上に開溝11を持つ下部電極2を形成する。電極の形成はドライ法、ウェット法のいずれでもよい。ドライ法としては例えばスパッタ、蒸着、CVD等公知の方法が挙げられる。ウェット法としては、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。第1の開溝11の幅は通常50〜1000μm、特に100〜500μm程度が好ましい。
次に、(b)図の通り、下部電極2の上にp層3を形成する。p層3を下部電極2の全面に形成する場合には、第1の開溝11はp層3の材料で埋められる。また、p層3を下部電極2上にパターンを形成する場合には、第1の開溝11はp層3の材料によって埋め
られないこともある。
られないこともある。
次に、(c)図の通り、下部電極2およびp層3の上にi層4およびn層5を順次成膜する。次いで、(d)図の通り、p層3の上に形成されたi層4、n層5に、第1の開溝11と重ならないように、その近傍に数10〜100μm程度離れて下部電極2に達する第2の開溝12をレーザスクライブにより形成する。第2の開溝の幅は50〜1000μm特に100〜500μm程度が好ましい。この第2の開溝12を形成するレーザの波長は200〜1200nmであり、中でも250〜900nm特に250〜600nm程度が好ましい。これによりp層3、i層4およびn層5は短冊状の形状に分離される。
次に、(e)図の通り、上部電極6を形成する。第2の開溝12は上部電極6の材料で埋められる。第2の開溝12は、単位セルの上部電極を隣接する単位セルの受光面の下部電極2と接続するためのものであるから、下部電極2に達していなければならない。
その後、(f)図の通り、上部電極6、n層5、i層4及びp層3をレーザスクライブして第3の開溝13を形成して、単位セルに分割する。開溝13は隣接する単位セルの上面電極6を分割するものであるから、i層4を突き抜けずにi層4の途中で止まってもよく、i層4からさらにp層3を突き抜けて下部電極2に入り込んでもよい。この第3の開溝13を形成するレーザの波長は200〜1200nmであり、中でも250〜900nm特に250〜600nm程度が好ましい。各単位セルの上部電極6は、開溝12内を埋める上部電極6の材料によって隣接する単位セルの下部電極2と導通しているので、各単位セルが直列に接続された太陽電池素子が得られる。
光電変換層(この実施の形態では、p層3、i層4及びn層5)を構成する材料は、200〜1200nm特に250〜900nmとりわけ250〜600nmの波長の光の吸収性が良く、光電変換層は効率よく切断(スクライブ)される。上部電極6を構成する材料は、この波長の光を吸収するものであってもよく、吸収しなくてもよい。上部電極6の構成材料がこの波長の光を吸収しない場合であっても、その下の光電変換層がレーザスクライブにより除去されるときに、その上側の上部電極構成材料が併せて除去されて第3の開溝13が形成されるようになる。上部電極6の構成材料が光吸収材料に限定されないところから、上部電極の構成材料の選択肢が広がる。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、上記太陽電池セルが直列に接続されたモノリシック構造を有する太陽電池素子を封止することで、製造される。太陽電池素子の封止は、封止材により行う。太陽電池素子、中でも薄膜系太陽電池素子、特に有機薄膜太陽電池素子は、水分や衝撃に弱いため、モジュールとして使用する場合には、通常、太陽電池素子全体を封止材により封止する必要があり、本発明においては少なくとも太陽電池セルの上部電極側を封止する封止層を有する。
本発明の太陽電池モジュールは、上記太陽電池セルが直列に接続されたモノリシック構造を有する太陽電池素子を封止することで、製造される。太陽電池素子の封止は、封止材により行う。太陽電池素子、中でも薄膜系太陽電池素子、特に有機薄膜太陽電池素子は、水分や衝撃に弱いため、モジュールとして使用する場合には、通常、太陽電池素子全体を封止材により封止する必要があり、本発明においては少なくとも太陽電池セルの上部電極側を封止する封止層を有する。
封止層を構成する封止材は、太陽電池モジュールの強度保持の観点から強度が高いことが好ましい。具体的強度については、封止材以外の層の強度とも関係することになり一概には規定しにくいが、太陽電池モジュール全体が良好な曲げ加工性を有し、折り曲げ部分の剥離を生じないような強度を有するのが望ましい。
また、封止材は、太陽電池セルの受光面側に用いられる場合、光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なかでも好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
一方、太陽電池セルの受光面と反対側に封止材を用いる場合は、必ずしも可視光を透過させる必要がなく、不透明でもよい。
さらに、太陽電池モジュールは光を受けて熱せられることが多いため、封止材も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、封止材の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで太陽電池モジュールの使用時に封止材が融解・劣化するのを防ぐことができる。
さらに、太陽電池モジュールは光を受けて熱せられることが多いため、封止材も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、封止材の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで太陽電池モジュールの使用時に封止材が融解・劣化するのを防ぐことができる。
封止材の厚みは特に規定されないが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上であり、また、通常1000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは600μm以下である。厚くすることで太陽電池モジュール全体の強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まり、また可視光の透過率が向上する傾向にある。このため、両方の利点を兼ね備える範囲として、上記範囲とするのが望ましい。
封止材を構成する材料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂組成物をフィルムにしたもの(EVAフィルム)などを用いることができる。
しかし、EVA樹脂の架橋処理には比較的時間を要するため、太陽電池モジュールの生産速度及び生産効率を低下させる原因となる場合がある。また、長期間使用の際には、EVA樹脂組成物の分解ガス(酢酸ガス)またはEVA樹脂自体が有する酢酸ビニル基が、太陽電池素子に悪影響を与えて発電効率が低下させる場合がある。そこで、封止材としては、EVAフィルムの他に、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体からなる共重合体のフィルムを用いることもできる。
しかし、EVA樹脂の架橋処理には比較的時間を要するため、太陽電池モジュールの生産速度及び生産効率を低下させる原因となる場合がある。また、長期間使用の際には、EVA樹脂組成物の分解ガス(酢酸ガス)またはEVA樹脂自体が有する酢酸ビニル基が、太陽電池素子に悪影響を与えて発電効率が低下させる場合がある。そこで、封止材としては、EVAフィルムの他に、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体からなる共重合体のフィルムを用いることもできる。
なお、封止材は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていても良い。また、封止材は単層フィルムにより形成されていても良いが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
本発明の太陽電池モジュールにおいては少なくとも太陽電池セルの下部電極側を封止する封止層を有すればよいが、上部電極側にも封止層を有することが好ましい。その場合には、通常封止材で太陽電池素子を挟み込むようにする。
本発明の太陽電池モジュールにおいては少なくとも太陽電池セルの下部電極側を封止する封止層を有すればよいが、上部電極側にも封止層を有することが好ましい。その場合には、通常封止材で太陽電池素子を挟み込むようにする。
また、封止材に、紫外線遮断、熱線遮断、導電性、反射防止、防眩性、光拡散、光散乱、波長変換、ガスバリア性等の機能を付与してもよい。特に、太陽電池の場合は、太陽光からの強い紫外線にさらされることから、紫外線遮断機能を持つことが好ましい。
このような機能を付与する方法としては、機能を有する層を塗布成膜等により封止材上に積層してもよいし、機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして封止材に含有させてもよい。
このような機能を付与する方法としては、機能を有する層を塗布成膜等により封止材上に積層してもよいし、機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして封止材に含有させてもよい。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池セルの上部電極側を封止する封止層にスリットを有することを特徴とするものである。このスリットを有することで、上部電極のうち光電変換層と積層する箇所を露出させることができる。
太陽電池素子はすでに説明したように水分や衝撃に弱く、モジュールとして用いる場合には、封止することが一般的に行われている。しかも、封止の際には、水分等が一切入らないように封止することが要求されており、封止層から電極が露出した太陽電池モジュールは商品として不適格と考えられてきた。
しかしながら本発明者らは、そのような従来の常識にとらわれず、封止層にあえてスリットを設け、太陽電池素子を構成する太陽電池セルの上部電極の一部を露出させた太陽電池モジュールを製造することで、該露出した上部電極に集電線を接続して任意の電位を有する電気を取り出すことを見出した。
太陽電池素子はすでに説明したように水分や衝撃に弱く、モジュールとして用いる場合には、封止することが一般的に行われている。しかも、封止の際には、水分等が一切入らないように封止することが要求されており、封止層から電極が露出した太陽電池モジュールは商品として不適格と考えられてきた。
しかしながら本発明者らは、そのような従来の常識にとらわれず、封止層にあえてスリットを設け、太陽電池素子を構成する太陽電池セルの上部電極の一部を露出させた太陽電池モジュールを製造することで、該露出した上部電極に集電線を接続して任意の電位を有する電気を取り出すことを見出した。
本発明の太陽電池モジュールが有するスリットは、その大きさは特段限定されず、集電線と電気的接続が可能な程度に上部電極が露出する大きさであればよいが、スリット一つの大きさとして、通常1mm2、好ましくは5mm2以上、より好ましくは1cm2以上、であって、通常50cm2以下、好ましくは30cm2以下、より好ましくは10cm2以下、更に好ましくは5cm2以下である。スリットの形状も特段限定されず、円形、矩形など、集電線と上部電極が電気的に接続可能であればよい。
通常上部電極は、太陽電池素子の端部において光電変換層と積層しない箇所を有しており、該箇所において集電線と接続されて電気が取り出される。本発明では、このような太陽電池素子の端部において露出された上部電極とは異なり、太陽電池セルが起電能力を発揮する箇所、すなわち上部電極のうち光電変換層と積層する箇所にスリットを設けることを特徴とする。なお、このようにスリットを設けたとしても、太陽電池モジュールの発電動作に問題ないことを、本発明者らは確認している。
通常上部電極は、太陽電池素子の端部において光電変換層と積層しない箇所を有しており、該箇所において集電線と接続されて電気が取り出される。本発明では、このような太陽電池素子の端部において露出された上部電極とは異なり、太陽電池セルが起電能力を発揮する箇所、すなわち上部電極のうち光電変換層と積層する箇所にスリットを設けることを特徴とする。なお、このようにスリットを設けたとしても、太陽電池モジュールの発電動作に問題ないことを、本発明者らは確認している。
スリットの作成方法は特段限定されず、封止後の封止層に対して、集電線を接続する位置にスリットを形成することで、太陽電池モジュールの表面に電極が露出した状態となる。また、封止する前の封止材に対し、あらかじめ特定の位置にスリットを設けることで、封止後にスリットを形成する手間が省ける。このようにあらかじめスリットを設けることで、封止後にスリットを形成する際に生じる太陽電池セルへのダメージの可能性を排除することが可能となる。
更に、封止材を太陽電池モジュールに積層して封止層を形成した後に、スリットを形成する箇所のみ剥離してスリットを形成できるように、スリットが剥離可能な層で封止されている態様が好ましい。
具体的には、封止材として、スリットにしうる領域の周辺の一部もしくは全部に切り込みを入れることで、封止材の一部を剥離可能とした封止材を用いて太陽電池モジュールを製造する態様が挙げられる(図2−1(a))。予めスリットを設けるのではなく、封止層を剥離してスリットを設けられるようにすることで、スリットを形成するまでに発生しうる太陽電池セルへのダメージを低減することが可能となる。別の態様としては、あらかじめ特定の位置にスリットを設けた封止層を形成し、スリットの上に剥離可能な層でスリットを封止することもできる。該剥離可能な層は、スリットを封止できれば良いため、スリットの形状に合わせてスリットの領域にのみ積層してもよく(図2−1(b))、各セルの形状に合わせてセル毎に積層してもよく(図2−1(c))、特定の電位および/または電流を取り出すための目印になるように、特定の領域毎に積層してもよい(図2−2(d))。また、スリットを形成した封止層の全面に積層しても(図2−2(e))、一部に積層してもよい(図2−3(f))。なお、スリットに対する「封止」は、太陽電池モジュール全体を封止する際の封止よりも簡易なものでよいが、外部環境から太陽電池セルを保護することが可能となるように、スリットを密閉することが好ましい。
剥離可能な層とスリットは、剥離可能に積層されればスリットを封止する方法に特段の限定はない。粘着層を間に設けて封止する方法などが挙げられる。
更に、封止材を太陽電池モジュールに積層して封止層を形成した後に、スリットを形成する箇所のみ剥離してスリットを形成できるように、スリットが剥離可能な層で封止されている態様が好ましい。
具体的には、封止材として、スリットにしうる領域の周辺の一部もしくは全部に切り込みを入れることで、封止材の一部を剥離可能とした封止材を用いて太陽電池モジュールを製造する態様が挙げられる(図2−1(a))。予めスリットを設けるのではなく、封止層を剥離してスリットを設けられるようにすることで、スリットを形成するまでに発生しうる太陽電池セルへのダメージを低減することが可能となる。別の態様としては、あらかじめ特定の位置にスリットを設けた封止層を形成し、スリットの上に剥離可能な層でスリットを封止することもできる。該剥離可能な層は、スリットを封止できれば良いため、スリットの形状に合わせてスリットの領域にのみ積層してもよく(図2−1(b))、各セルの形状に合わせてセル毎に積層してもよく(図2−1(c))、特定の電位および/または電流を取り出すための目印になるように、特定の領域毎に積層してもよい(図2−2(d))。また、スリットを形成した封止層の全面に積層しても(図2−2(e))、一部に積層してもよい(図2−3(f))。なお、スリットに対する「封止」は、太陽電池モジュール全体を封止する際の封止よりも簡易なものでよいが、外部環境から太陽電池セルを保護することが可能となるように、スリットを密閉することが好ましい。
剥離可能な層とスリットは、剥離可能に積層されればスリットを封止する方法に特段の限定はない。粘着層を間に設けて封止する方法などが挙げられる。
以下、少なくとも1つスリットを有する太陽電池モジュールの構成を、図3〜図6により説明する。
図3は、スリットを1つ有する太陽電池モジュールを示す断面図である。図3では上部電極6が露出するように封止層9にスリット10が設けられている。スリット10の位置は、光電変換層と積層する上部電極が位置する箇所であれば任意であり、スリット10から露出した上部電極に集電線を接続することが可能であればよい。このようにスリット10を任意の箇所に設けることで、通常太陽電池素子の端部に備えられる集電線との間に存在する単位セルの数を適宜設定し、要求される電位を取り出すことができる。
図3は、スリットを1つ有する太陽電池モジュールを示す断面図である。図3では上部電極6が露出するように封止層9にスリット10が設けられている。スリット10の位置は、光電変換層と積層する上部電極が位置する箇所であれば任意であり、スリット10から露出した上部電極に集電線を接続することが可能であればよい。このようにスリット10を任意の箇所に設けることで、通常太陽電池素子の端部に備えられる集電線との間に存在する単位セルの数を適宜設定し、要求される電位を取り出すことができる。
図4は、太陽電池モジュールの両端に集電線を備えた太陽電池モジュールを示す断面図である。太陽電池モジュールは通常、十分な起電力を確保するために、太陽電池セルの存在しない太陽電池モジュールの両端において電気を取り出す集電線8を備える。本発明の一態様では、太陽電池モジュールの両端に集電線8を備え、かつスリット10を有する構成とすることで、スリット10から露出した上部電極に集電線を接続し、かつ両端の集電線8と併せて要求される電位を取り出すことが可能となる。
より具体的に説明すると、図5はスリットを有する太陽電池モジュールを上部電極側からみた模式図である。図5の太陽電池モジュールの太陽電池素子は、太陽電池素子を構成する太陽電池セルが横方向に直列に接続されたモノリシック構造を有する。本発明の太陽電池モジュールは、通常、太陽電池セルが直列方向に接続された太陽電池素子の両端の電極に集電線を接続して電気を取り出す。そのため、太陽電池モジュールの両端に露出した前記電極の間に存在する太陽電池セルの数により、得られる電位が決まる。図5の太陽電池モジュールでは、両端の集電線間に太陽電池セルが10個存在し、太陽電池セル10個分の電位を取り出すことが可能である。このように、一度太陽電池モジュールの製造を設計して製造した後に、異なる電位の要求があった場合には、両端の電極間に存在する太陽電池セルの数を変更するように、設計段階から再度製造を開始する必要があった。本発明の太陽電池モジュールでは、適当な場所、例えば図5に示す位置にスリット10を備えることで、両端の電極から取り出すことができる電位とは異なる電位を取り出すことができることとなる。例えば、スリット10から露出する上部電極に集電線を接続し、該集電線と右端の電極と接続した集電線から電気を取り出す場合には、太陽電池セル7個分の電位を取り出すことが可能となり、より小さい電位の要求があった場合に対応可能となる。スリット10の位置は任意に決めることができるため、本発明の太陽電池モジュールでは、封止層にスリットを有することで任意に取り出す電位を設定することが可能となる。
また、本発明の太陽電池モジュールの別の態様は、封止層にスリットを2つ以上備える太陽電池モジュールである。両端の集電線間で直列に接続された太陽電池セル1列において、スリットを2つ以上有することが好ましい。このような態様とすることで、太陽電池モジュールから取り出す電位、および電流を任意に決定することができる。そのため、必要とする電力に応じて、設計製造後であってもユーザーが自由に太陽電池モジュールを設定できる。
更に、スリットを2つ以上備える太陽電池モジュールの場合には、必ずしも集電線が設置されていなくてもよい。図6は直列に接続された太陽電池セル1列において、スリットを2つ以上有する太陽電池モジュールを上部電極側からみた模式図である。図6の太陽電池モジュールは、太陽電池素子を構成する太陽電池セルが縦方向に直列に接続されたモノリシック構造を有する。図6の太陽電池モジュールによれば、例えば端(図面上端)のスリットから露出する上部電極に一方の集電線を接続した場合には、他方の集電線を設置するスリットとの間の太陽電池セルの個数を3個、4個、8個、9個に設定することができる。すなわち、3個分、4個分、8個分又は9個分の太陽電池セルの電圧を取り出すことが可能となり、より高い電圧の要求があった場合に対応可能となる。
図7は、スリットを2つ以上有する太陽電池モジュールの断面を示す図である。封止層9にスリット10が複数存在することで、多様な設計が可能となる。例えば、右側のスリット10aと真中のスリット10bにより露出された上部電極を集電線で接続する場合と、右側のスリット10aと左側のスリット10cにより露出された上部電極を集電線で接続する場合とでは、そのスリット間に存在する太陽電池セルの数が異なるため、異なる電位を取り出すことが可能となる。また、スリットの数を増やしたり、太陽電池モジュールの両端に集電線を備えることで、取り出すことができる電位のバリエーションを増加させることができる。
更に、スリットを2つ以上備える太陽電池モジュールの場合には、必ずしも集電線が設置されていなくてもよい。図6は直列に接続された太陽電池セル1列において、スリットを2つ以上有する太陽電池モジュールを上部電極側からみた模式図である。図6の太陽電池モジュールは、太陽電池素子を構成する太陽電池セルが縦方向に直列に接続されたモノリシック構造を有する。図6の太陽電池モジュールによれば、例えば端(図面上端)のスリットから露出する上部電極に一方の集電線を接続した場合には、他方の集電線を設置するスリットとの間の太陽電池セルの個数を3個、4個、8個、9個に設定することができる。すなわち、3個分、4個分、8個分又は9個分の太陽電池セルの電圧を取り出すことが可能となり、より高い電圧の要求があった場合に対応可能となる。
図7は、スリットを2つ以上有する太陽電池モジュールの断面を示す図である。封止層9にスリット10が複数存在することで、多様な設計が可能となる。例えば、右側のスリット10aと真中のスリット10bにより露出された上部電極を集電線で接続する場合と、右側のスリット10aと左側のスリット10cにより露出された上部電極を集電線で接続する場合とでは、そのスリット間に存在する太陽電池セルの数が異なるため、異なる電位を取り出すことが可能となる。また、スリットの数を増やしたり、太陽電池モジュールの両端に集電線を備えることで、取り出すことができる電位のバリエーションを増加させることができる。
また、図5および図6のように、太陽電池モジュールの多く、特にモノリシック構造を
有する太陽電池素子を含む太陽電池モジュールは、上下または左右に太陽電池セルが直列に接続された平面構造を有する。そのため、スリットを2つ以上有する太陽電池モジュールは、集電線の接続位置により、任意の電位および任意の電流を得ることが可能となる。具体的には、接続する集電線間に存在する太陽電池セルの数により電位を決定することができ、また集電線間を結ぶ太陽電池セル列の法線方向に存在する太陽電池セルの数により電流を決定することができる。このように、本発明の構成により太陽電池モジュールの使用性が格段に向上することとなる。
有する太陽電池素子を含む太陽電池モジュールは、上下または左右に太陽電池セルが直列に接続された平面構造を有する。そのため、スリットを2つ以上有する太陽電池モジュールは、集電線の接続位置により、任意の電位および任意の電流を得ることが可能となる。具体的には、接続する集電線間に存在する太陽電池セルの数により電位を決定することができ、また集電線間を結ぶ太陽電池セル列の法線方向に存在する太陽電池セルの数により電流を決定することができる。このように、本発明の構成により太陽電池モジュールの使用性が格段に向上することとなる。
本発明の太陽電池モジュールは、製造後においても任意に電位および電流を決定することができるため、面積の大きな太陽電池モジュールとすることが好ましい。特に、本発明はロール状太陽電池モジュールに適用することにより効果を発揮する。これまでロール状太陽電池は所定の幅および長さの太陽電池モジュールを製造し、使用の際に切断して使用する態様が望まれていたが、そのためには、従来の方法によれば集電線を一定の間隔で設置し、封止されていた。従って設置された集電線からしか電気を取り出すことができないため、(1)電圧および電流の調整ができない(2)設置された集電線により、太陽電池モジュールを切断する大きさが限定される、等といった制限があった。
これに対して、本発明によれば、集電線を太陽電池モジュールの任意の位置に設置できるため、電圧および電流の調整を自在に行え、かつ、目的に応じて任意の大きさに切断して使用することができる。
太陽電池モジュールの電流設定の自由度を上げたい場合には、太陽電池セルが横方向に直列に接続されている図5の方式が好ましく、電圧設定の自由度を上げたい場合には、縦方向に直列に接続されている図6の方式が好ましい。基材フィルムの長さや、高電圧化による構成部材がダメージを受ける等の制限がなければ、太陽電池モジュールから取り出す電流および/または電圧を任意に設定することができる。
これに対して、本発明によれば、集電線を太陽電池モジュールの任意の位置に設置できるため、電圧および電流の調整を自在に行え、かつ、目的に応じて任意の大きさに切断して使用することができる。
太陽電池モジュールの電流設定の自由度を上げたい場合には、太陽電池セルが横方向に直列に接続されている図5の方式が好ましく、電圧設定の自由度を上げたい場合には、縦方向に直列に接続されている図6の方式が好ましい。基材フィルムの長さや、高電圧化による構成部材がダメージを受ける等の制限がなければ、太陽電池モジュールから取り出す電流および/または電圧を任意に設定することができる。
なお、一般的に太陽電池モジュールでは、集電線を上部電極および下部電極に接続することで電気を取り出すが、集電線を複数の上部電極のみに接続した場合であっても電気を取り出すことができる。これは、各太陽電池セルの上部電極と下部電極は光電変換層を挟んで電気が流れており、また、各セル間同士が直列接続されていることから、上部電極同士からであっても電気を取り出すことができる。
また、集電線と接続した上部電極を有する太陽電池セルは、集電線との接続により短絡していても、短絡していなくともよい。当該太陽電池セルが短絡している場合には、確実に電気を流すことができるため、安定的な電気取り出しが可能となる。このような短絡を確実にさせるためには、例えば集電線の表面粗度を制御することで集電線と他方の電極とを接触させればよい。
一方、短絡していない場合には、当該集電線を接続した上部電極を有する太陽電池セルであっても発電が可能であり、太陽電池モジュールの面積当たりの発電量を上げることができる。
一方、短絡していない場合には、当該集電線を接続した上部電極を有する太陽電池セルであっても発電が可能であり、太陽電池モジュールの面積当たりの発電量を上げることができる。
本発明における集電線は上部電極と接続されるものであるが、接続の方法としては、電気的に接続可能であれば特段限定されず、接着材を用いる方法、金属鋲や金属ピアス端子でかしめる方法、などが挙げられる。かしめる方法を用いる場合には、完全に太陽電池セルが破壊されてしまい、発電能力が失われることから、接着材を用いて接続することが好ましい。
接着材の材料としては、炭化水素系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤等を用いることができる。その中でも好ましくは、炭化水素系接着剤又はエポキシ系接着剤であり、更に好ましくは炭化水素系粘着剤又は熱硬化性エポキシ系接着剤であり、特に好ましくはブチルゴム系粘着
剤又は熱硬化性エポキシ系接着剤である。
剤又は熱硬化性エポキシ系接着剤である。
接着剤とは、例えばJISK6800に定義されているように、物体の間に介在することによって物体を結合することの出来る物質をいう。
粘着剤とは、例えばJISK6800に定義されているように、常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着剤に接着する物質をいい、常温で圧力を加えるだけで接着する接着剤(感圧型接着剤)とほぼ同義である。
接着材の材料が炭化水素系粘着剤であることは、水蒸気透過率が低く、光線透過率が高い点及び接着する際に熱をかけずに接着できることから太陽電池セルへの熱によるダメージが避けることができることから好ましい。
また、接着材は、導電性を有することで電気的な接続をより確実にする観点から、導電性を有することが好ましい。導電性を有する接着材としては、繊維系両面導電性テープ、金属箔系両面導電性テープ、ACF(Anisotropic Conductive Film、異方性導電フィルム)等が挙げられる。この中でも、接着工程に加熱が不要であり、プロセスが簡易であることから両面導電性テープが好ましく用いられる。
接着材の導電性が低い場合には、電極と集電線の一部を接着材で固定し、残りの部分で電極と集電線とが直接接するように設置するのが好ましい。
粘着剤とは、例えばJISK6800に定義されているように、常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着剤に接着する物質をいい、常温で圧力を加えるだけで接着する接着剤(感圧型接着剤)とほぼ同義である。
接着材の材料が炭化水素系粘着剤であることは、水蒸気透過率が低く、光線透過率が高い点及び接着する際に熱をかけずに接着できることから太陽電池セルへの熱によるダメージが避けることができることから好ましい。
また、接着材は、導電性を有することで電気的な接続をより確実にする観点から、導電性を有することが好ましい。導電性を有する接着材としては、繊維系両面導電性テープ、金属箔系両面導電性テープ、ACF(Anisotropic Conductive Film、異方性導電フィルム)等が挙げられる。この中でも、接着工程に加熱が不要であり、プロセスが簡易であることから両面導電性テープが好ましく用いられる。
接着材の導電性が低い場合には、電極と集電線の一部を接着材で固定し、残りの部分で電極と集電線とが直接接するように設置するのが好ましい。
集電線の材料としては、金属や合金などがよく用いられ、その中でも抵抗率の低い銅やアルミ、銀、金、ニッケルなどを用いることが好ましい。その中でも銅やアルミが安価であることから、特に好ましい。また、錆防止のため、集電線の周囲をスズや銀などでメッキしたり、表面を樹脂などでコートしてあったり、フィルムをラミネートしてあってもよい。集電線の形状としては、平角線、箔、平板、ワイヤー状のものがあるが、接着面積の確保などの理由から、平角線や、箔、平板状のものを用いることが好ましい。
なお、本発明でいう「箔」は厚みが100μm未満のものをいい、「板」は厚みが100μm以上のものをいう。また「平角線」とは、断面が円形のワイヤーを圧延して、断面の形状を四角形にしたものをいう。
なお、本発明でいう「箔」は厚みが100μm未満のものをいい、「板」は厚みが100μm以上のものをいう。また「平角線」とは、断面が円形のワイヤーを圧延して、断面の形状を四角形にしたものをいう。
また集電線は、導電性を有する限り特段の限定はされないが、接続する上部電極や下部電極よりも抵抗値が低いものが好ましく、特に、上部電極や下部電極より厚みを厚くすることによって、抵抗値を低減させることが好ましい。集電線の厚みとしては、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上である。また、2mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以下、特に好ましくは300μm以下である。上記範囲より厚みが薄いと、集電線の抵抗値が上昇し、発電した電力を効率よく外部に取り出すことができない。また、上記範囲より厚みが厚いと、太陽電池モジュールの重量が増加するとともに可撓性が減少したり、モジュール表面に凹凸が発生しやすくなったり、生産コストが増加するなどの問題が生じる恐れがある。
また、集電線の幅としては、0.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは1mm以上、特に好ましくは2mm以上である。また、集電線の幅は、50mm以下であることが好ましく、より好ましくは20mm以下、特に好ましくは10mm以下である。上記範囲より集電線の幅が狭いと、集電線の抵抗値が上昇し、発電した電力を効率よく取り出すことができない。また、集電線の機械強度が減少し、破断等の原因になる恐れがある。また、上記範囲より集電線の幅が広いと、モジュール全体における開口率が減少し、モジュールの発電量の低下に繋がる恐れがある。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池素子を封止することで製造される。
太陽電池素子の封止の方法は特段限定されず、公知の方法を採用することができる。封止層に備えるスリットは、スリットを有しない封止材で太陽電池素子を封止した後にスリットを形成してもよく、封止する際の封止材に、あらかじめ特定の位置にスリットを設けることでもよく、封止後にスリットを形成する手間が省ける。このようにあらかじめスリットを設けることで、封止後にスリットを形成する際に生じる太陽電池セルへのダメージの可能性を排除することが可能となる。また、スリットに剥離可能な層を積層させる態様では、あらかじめ封止前の封止材にスリット及び剥離可能な層を積層させてもよく、太陽電池素子の封止後に剥離可能な層を積層させてもよい。
太陽電池素子の封止の方法は特段限定されず、公知の方法を採用することができる。封止層に備えるスリットは、スリットを有しない封止材で太陽電池素子を封止した後にスリットを形成してもよく、封止する際の封止材に、あらかじめ特定の位置にスリットを設けることでもよく、封止後にスリットを形成する手間が省ける。このようにあらかじめスリットを設けることで、封止後にスリットを形成する際に生じる太陽電池セルへのダメージの可能性を排除することが可能となる。また、スリットに剥離可能な層を積層させる態様では、あらかじめ封止前の封止材にスリット及び剥離可能な層を積層させてもよく、太陽電池素子の封止後に剥離可能な層を積層させてもよい。
本発明の太陽電池モジュールでは、封止後更に耐候性保護シートを最表面に設けることができる。耐候性保護シートは温度変化、湿度変化、光、風雨などデバイス設置環境から太陽電池モジュールを保護するシート及びフィルムである。 耐候性保護シートでデバイス表面を覆うことにより、太陽電池モジュール構成材料、特に太陽電池セルが保護され、劣化することなく、高い発電能力を得ることができるという利点がある。
耐候性保護シートは、太陽電池素子の最表層に位置するため、耐候性、耐熱性、透明性、撥水性、耐汚染性、機械強度などの、太陽電池セルの表面被覆材として好適な性能を備え、しかもそれを屋外暴露において長期間維持する性質を有することが好ましい。
また、耐候性保護シートは、太陽電池セルの受光面側に用いられる場合、光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なかでも好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
また、耐候性保護シートは、太陽電池セルの受光面側に用いられる場合、光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なかでも好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
一方、太陽電池素子の受光面と反対側に耐候性保護シートを用いる場合は、必ずしも可視光を透過させる必要がなく、不透明でもよい。
さらに、太陽電池素子は光を受けて熱せられることが多いため、耐候性保護シートも熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、耐候性保護シートの構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで太陽電池素子の使用時に耐候性保護シートが融解・劣化する可能性を低減できる。
さらに、太陽電池素子は光を受けて熱せられることが多いため、耐候性保護シートも熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、耐候性保護シートの構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで太陽電池素子の使用時に耐候性保護シートが融解・劣化する可能性を低減できる。
耐候性保護シートを構成する材料は、太陽電池モジュールを保護することができるものであれば任意である。その材料の例を挙げると、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
中でも好ましくはフッ素系樹脂が挙げられ、その具体例を挙げるとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
なお、耐候性保護シートは1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていても良い。また、耐候性保護シートは単層フィルムにより形成されていても良いが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
耐候性保護シートの厚みは特に規定されないが、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは1
80μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。このため、両方の利点を兼ね備える範囲として、上記範囲とするのが望ましい。
耐候性保護シートの厚みは特に規定されないが、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは1
80μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。このため、両方の利点を兼ね備える範囲として、上記範囲とするのが望ましい。
また耐候性保護シートには、他のフィルムとの接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を行なってもよい。
耐候性保護シートは、太陽電池モジュールにおいてできるだけ外側に設けることが好ましい。デバイス構成部材のうちより多くのものを保護できるようにするためである。
また、耐候性保護シートに紫外線遮断、熱線遮断、防汚性、親水性、疎水性、防曇性、耐擦性、導電性、反射防止、防眩性、光拡散、光散乱、波長変換、ガスバリア性等の機能を付与してもよい。特に、太陽電池の場合は、太陽光からの強い紫外線にさらされることから、紫外線遮断機能を持つことが好ましい。
耐候性保護シートは、太陽電池モジュールにおいてできるだけ外側に設けることが好ましい。デバイス構成部材のうちより多くのものを保護できるようにするためである。
また、耐候性保護シートに紫外線遮断、熱線遮断、防汚性、親水性、疎水性、防曇性、耐擦性、導電性、反射防止、防眩性、光拡散、光散乱、波長変換、ガスバリア性等の機能を付与してもよい。特に、太陽電池の場合は、太陽光からの強い紫外線にさらされることから、紫外線遮断機能を持つことが好ましい。
このような機能を付与する方法としては、機能を有する層を塗布成膜等により耐候性保護シート上に積層してもよいし、機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして耐候性保護シートに含有させてもよい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、上記説明以外の製造方法については特段限定されず、公知の方法を適用すればよい。具体的には、必要となる層を積層させ、真空ラミネーターやロールラミネーターを用いた熱ラミネート法などによることができる。
熱ラミネートによる場合には、真空条件下で行うことが好ましく、通常真空度が10Pa以上、好ましくは20Pa以上、より好ましくは30Pa以上である。一方上限は、通常150Pa以下、好ましくは120Pa以下、より好ましくは100Pa以下である。上記範囲とすることで、モジュール内の各層において気泡の発生を抑制することができ、生産性も向上するため好ましい。
真空時間としては、通常1分以上、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上である。一方上限は、通常20分以下、好ましくは18分以下、より好ましくは15分以下である。真空時間を上記範囲とすることで、熱ラミネート後の太陽電池モジュールの外観が良好となり、またモジュール内の各層において熱ラミネート条件による気泡の発生を抑制することができるため好ましい。
真空時間としては、通常1分以上、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上である。一方上限は、通常20分以下、好ましくは18分以下、より好ましくは15分以下である。真空時間を上記範囲とすることで、熱ラミネート後の太陽電池モジュールの外観が良好となり、またモジュール内の各層において熱ラミネート条件による気泡の発生を抑制することができるため好ましい。
熱ラミネートの加圧条件は、通常圧力が50kPa以上、好ましくは70kPa以上、より好ましくは90kPa以上である。一方上限値は、101kPa以下であることが好ましい。上記範囲の加圧条件とすることで、太陽電池モジュールを損傷することなく、また適度な接着性を得ることができるため、耐久性の観点からも好ましい。
上記圧力の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。一方上限は、通常50分以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下である。上記保持時間とすることで、封止材のゲル化率を適正とすることができるため、十分な接着強度を得ることができる。
上記圧力の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。一方上限は、通常50分以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下である。上記保持時間とすることで、封止材のゲル化率を適正とすることができるため、十分な接着強度を得ることができる。
熱ラミネートの温度条件は、通常115℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上である。一方上限値は、通常180℃以下、好ましくは165℃以下、より好ましくは155℃以下である。上記温度範囲とすることで、十分な接着強度を得ることができる。
また、上記温度の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。一方上限は50分以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下である。上記保持時間とすることで、封止材の架橋が適度に行われるため耐久性能が向上し、適度な柔軟性を有することができるため、好ましい。
また、上記温度の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。一方上限は50分以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下である。上記保持時間とすることで、封止材の架橋が適度に行われるため耐久性能が向上し、適度な柔軟性を有することができるため、好ましい。
1 透光性基板
2 下部電極
3 p層
4 i層
5 n層
6 上部電極
7 光電変換層
8 集電線
9 封止層
10 スリット
11 第1の開溝
12 第2の開溝
13 第3の開溝
14 切り込み
15 剥離可能な層
20 太陽電池セル(単位セル)
2 下部電極
3 p層
4 i層
5 n層
6 上部電極
7 光電変換層
8 集電線
9 封止層
10 スリット
11 第1の開溝
12 第2の開溝
13 第3の開溝
14 切り込み
15 剥離可能な層
20 太陽電池セル(単位セル)
Claims (5)
- 光電変換層、上部電極および下部電極を有する太陽電池セルが直列に複数接続された、モノリシック構造を有する太陽電池素子を封止した太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュールは、少なくとも前記太陽電池セルの上部電極側を封止する封止層を有し、
前記封止層は、上部電極のうち光電変換層と積層する箇所を露出させるスリットを少なくとも1つ備えることを特徴とする、太陽電池モジュール。 - 前記太陽電池モジュールは、太陽電池セルが直列に複数接続された太陽電池素子の両端において、太陽電池モジュールから電気を取り出すことができる集電線を備えることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池モジュールは、封止層にスリットを2つ以上備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記封止層に備えられたスリットは、剥離可能な層で封止されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- ロール状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016111153A (ja) * | 2014-12-04 | 2016-06-20 | 住友化学株式会社 | 太陽電池モジュール及びその製造方法 |
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-
2012
- 2012-03-12 JP JP2012054725A patent/JP2013191619A/ja active Pending
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JP7372965B2 (ja) | 2018-07-25 | 2023-11-01 | ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパスト-ナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー | 光起電デバイス及びその製造方法 |
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