JP2016081938A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池セルと配線回路との短絡を抑制しつつ、生産コストを抑制することが可能な太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】封止材32の貫通孔の半径をr[mm]、封止材32の厚みをh[mm]とした場合に、配線回路53のポアソン比ν、配線回路53のヤング率E[N/mm]、配線回路53の厚みh[mm]は、下記(1)式を満たす。
Figure 2016081938

【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関する。
従来、結晶シリコン太陽電池モジュール等の太陽電池モジュールの太陽電池セルは、太陽電池セルの受光面に張り巡らされたインターコネクタを通じて、別の太陽電池セルまたは出力取出端子に接続されている。しかしながら、インターコネクタが太陽電池セルの受光面の一部を覆い隠すため、太陽電池セルの発電効率が低下するという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、特許文献1では、太陽電池セルのn型電極とp型電極の両電極を受光面と反対側の裏面に設置したバックコンタクト方式の太陽電池セルが提案されている。バックコンタクト方式の太陽電池セルは、受光面と反対側の裏面で接続されるため、インターコネクタが受光面を覆い隠さず、発電効率の低下を防止できる。
このようなバックコンタクト方式の太陽電池モジュールでは、太陽電池セルの受光面と反対側の裏面に配線基板が対向配置され、配線基板に配線パターンを形成する金属箔を被着した積層体がインターコネクタの代替の配線回路(配線用電極)として設けられている。配線回路を形成する金属は、一般的に銅やアルミニウムを用いる(特許文献2、3)。
図1は、バックコンタクト方式の太陽電池モジュール1の構成を表す断面図である。図1において、20は太陽電池セル、50は太陽電池セル20の受光面20bと反対側の裏面20cと対向配置され、裏面保護材と配線回路53とが一体化した配線基板(バックコンタクトシート)、30は配線基板50と太陽電池セル20との上に積層されて太陽電池セル20を封止する封止材、40は太陽電池セル20の接続電極20aと配線回路53とを電気的に接続する導電接合材、60は封止材30上に積層された透光性基板である。
バックコンタクト方式の太陽電池モジュール1の作成方法では、図2に示すように、配線基板50上に導電接合材40を設けた後、導電接合材40の径w40より大きい径w32の貫通孔32aを設けた裏面側封止材32と、バックコンタクト型の太陽電池セル20と、封止材31と、透光性基板60と、をこの順に積層して、真空ラミネート工程を行う。真空ラミネート工程では、加温された真空チャンバー内に積層体を導入した後、真空チャンバー内を減圧して脱気する。続いて、真空チャンバーの片側から大気圧で積層体を加圧し、適当な時間保持する。これにより、導電接合材40を通じて、バックコンタクト型の太陽電池セル20の接続電極20aと配線回路53とが電気的に接続し、さらに、封止材31と裏面側封止材32とが脱気されながら溶融することで、太陽電池モジュール1の構成部材が隙間なく接合して、図1に示すような太陽電池モジュール1が形成される。
しかしながら、上記のような従来技術では、以下のような問題があった。真空ラミネート工程の終了後に、太陽電池セル20の裏面20c(配線回路53に対向する面)と配線回路53とは、裏面側封止材32で完全に絶縁されていなければならない。その理由は、バックコンタクト型の太陽電池セル20の裏面20cは、接続電極20aと導通しているため、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53とが接触した場合、接続電極20aと配線回路53とが短絡し、太陽電池セル20が発電しなくなる可能性があるからである。図3は、短絡した太陽電池モジュール1を表す概略断面図である。図3では、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53とが接触している箇所が短絡の発生箇所となる。
このような太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53との短絡を回避するには、真空ラミネート工程で十分に脱気された後に、裏面側封止材32が溶融して太陽電池モジュール1の構成部材の隙間をふさぐ必要がある。脱気される前に裏面側封止材32が溶融すると、脱気が進み難く、真空ラミネート工程で空気が残った箇所の配線回路53が変形し、変形した配線回路53が太陽電池セル20の裏面20cと接触する可能性があった。
特開2005−011869号公報 国際公開第2013/146414号 特開2013−207219号公報
上記課題を解決するためには、真空ラミネート工程の加温及び減圧のプロセス条件を適切なものにし、裏面側封止材32が溶融する前に十分に脱気することが有効である。しかしながら、真空ラミネート工程で用いる真空ラミネータの性能は機種によって大きく異なり、真空ラミネータの機種によっては真空引きの能力が低い、あるいは温度調節機構がない場合がある。それゆえ、急激に裏面側封止材32が溶融してしまい、裏面側封止材32の溶融前に十分に脱気することが不可能な場合がある。この場合、真空ラミネータの改造、あるいは新規導入が必要となるため、設備投資を行うことで生産コストが増加してしまう。また、使用する裏面側封止材32の溶融特性、あるいは配線回路53の表面に対する裏面側封止材32の濡れ性によっては、適切なラミネート条件のプロセスウインドウが極めて狭くなり、太陽電池モジュール1の生産上の収率が悪くなるという問題があった。
また、上記課題を解決するには、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53との間に層間絶縁層(ILD層:Inter Layer Dielectric層)を形成することも有効である。しかしながら、層間絶縁層を形成する場合、生産コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記のような点に着目し、太陽電池モジュールの収率を向上でき、生産コストを抑制することが可能な太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明の一態様は、太陽電池セルの受光面と反対側の裏面と対向配置された配線回路の材質及び厚みは、配線回路のポアソン比をν、封止材の貫通孔の半径をr[mm]、配線回路のヤング率をE[N/mm]、配線回路の厚みをh[mm]、封止材の厚みをh[mm]とした場合に、下記(1)式を満たすことを特徴とする。
Figure 2016081938
本発明の一態様によれば、例えば、脱気が十分に行われず、真空ラミネート工程で空気が残った個所の配線回路が変形しても、太陽電池セルの裏面と配線回路との接触を回避できる。それゆえ、接続電極と配線回路との短絡を抑制できる。これにより、太陽電池モジュールの収率を向上でき、生産コストを抑制することができる。
バックコンタクト方式の太陽電池モジュールの1の構成を表す断面図である。 太陽電池モジュール1の作成方法を説明するための説明図である。 太陽電池モジュール1の短絡状態を説明するための説明図である。 太陽電池モジュール1の櫛歯状部53A、53Bの構成を表す平面図である。 実施例1〜5の結果を表すテーブルである。 実施例2及び6〜9の結果を表すテーブルである。
以下では、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
(構成)
図1に示すように、太陽電池モジュール1は、太陽電池セル20と、太陽電池セル20の受光面20bと反対側の面(以下、「裏面20c」とも呼ぶ)と対向配置された配線基板50と、配線基板50と太陽電池セル20との上に積層されて太陽電池セル20を封止する封止材30と、太陽電池セル20と配線基板50とを電気的に接続する導電接合材40と、封止材30上に積層された透光性基板60と、を備える。これにより、太陽電池モジュール1は、バックコンタクト方式の太陽電池モジュール1を形成する。
太陽電池セル20は、受光面20bから入射された光を光電変換して発電を行う。なお、太陽電池セル20としては、受光面20bと反対側の裏面20cに接続電極20aが設けられた、いわゆるバックコンタクト方式の太陽電池セル20であれば、適宜の方式のものを採用することができる。図1では、模式図のため、図示を簡略化しているが、接続電極20aの個数は、2以上の適宜個数を必要に応じて設けることができる。
接続電極20aは、例えば、直径w20aの円形に形成されている。また、接続電極20aの材質としては、例えば、銀ペーストを焼成したものを採用することができる。なお、各接続電極20aは、大きさや形状が異なっていてもよいが、以下では一例として、各接続電極20aは、同一の大きさと形状を有するものとして説明する。
また、太陽電池セル20の平面視形状は、図4に二点鎖線で示すように、例えば、平面視矩形状等の適宜形状を採用することができる。
図1〜図4では、模式図のため、図示を簡略化しているが、太陽電池モジュール1には、複数の太陽電池セル20が内装されている。すなわち、複数の太陽電池セル20が、配線基板50に隙間をあけて配置されている。本実施形態では、図示を省略しているが、図1の図示左右方向及び図示奥行き方向に複数の太陽電池セル20が、隙間をあけつつ配列されている。これにより、平面視矩形格子状をなして配置されている。
配線基板50は、図1に示すように、耐候性樹脂層54、基材51、絶縁性接着剤層52、配線回路53(配線用電極、金属箔)が、この順に積層されたものである。
配線回路53は、接続電極20aを配線するための配線パターンを形成する。配線回路53の平面視形状は、太陽電池セル20の接続電極20aそれぞれの配置に応じて設計された、適宜の平面視形状を採用することができる。配線回路53は、絶縁性接着剤層52を介して基材51に積層され、基材51と一体に接着されている。
配線パターンとしては、例えば、図4に示すように、略一定の線幅を有する4つの線状部53a、53a、53a、53aが櫛歯状をなして配置された櫛歯状部53Aと、略一定の線幅を有する4つの線状部53b、53b、53b、53bが櫛歯状をなして配置された櫛歯状部53Bとを有し、これら櫛歯状部53A、53Bが、互いの線状部間の隙間に貫入するとともに互いに離間して近接配置されたパターンがある。
このパターンでは、櫛歯状部53A、53Bは、それぞれ太陽電池セル20の発電出力のプラス電極配線(太陽電池セル20のp型電極側に接続する配線)、マイナス電極配線(セルのn型電極側に接続する配線)に対応する。また、櫛歯状部53A、53Bの上方(透光性基板60側)には、図4に二点鎖線で示すように、櫛歯状部53A、53Bを上方から覆う位置に太陽電池セル20が配置される。そして、太陽電池セル20には、各線状部53a〜53a、53b〜53bと対向する位置に、それぞれ3個ずつ、合計24個の接続電極20a(図4の二点鎖線参照)が設けられている。また、配線回路53の各パターンの各線状部53a〜53a、53b〜53b上には、接続電極20aに対向する位置に、後述する導電接合材40がそれぞれ3個ずつ接着されている。なお、線状部53a〜53a、53b〜53bには、導電接合材40のための電極部10を設けてもよい。
なお、図4に示す配線回路53のパターンの形状、及び太陽電池セル20の接続電極20aの個数、配置は、一例であってこれに限定されるものではない。
また、配線回路53の材質及び厚みとしては、例えば、配線回路53のポアソン比をν、裏面側封止材32の貫通孔32aの半径をr[mm]、配線回路53のヤング率をE[N/mm]、配線回路53の厚みをh[mm]、裏面側封止材32の厚みをh[mm]とした場合に、下記(1)式を満たすものとするのが望ましい。
Figure 2016081938
また、一般的な太陽電池モジュール1では、封止材30の貫通孔32aの直径2rは5〜6[mm]程度とする。したがって、配線回路53の材質及び厚みとしては、例えば、下記(2)式を満たすものとするのがより望ましい。
Figure 2016081938
さらに、一般的な太陽電池モジュール1では、封止材30の厚みhは0.2[mm]程度としている。したがって、配線回路53の材質及び厚みとしては、例えば、下記(3)式を満たすものとするのがより望ましい。
Figure 2016081938
上記(1)〜(3)式を満たすように配線回路53の材質及び厚みを規定することで、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53との接触を回避でき、接続電極20aと配線回路53との短絡を抑制でき、太陽電池モジュール1の生産上の収率を向上できる。この理由は、完全には明らかではないが、次のようなことが理由として考えられる。
太陽電池モジュール1の作成時、真空ラミネート工程で十分に脱気されなかった場合、裏面側封止材32の貫通孔32aに由来する大きさの気泡が残存することになる。このような気泡が残存した場合、真空ラミネート工程では太陽電池モジュール1周辺の気圧は真空に近いため、気泡はほぼ裏面側封止材32の貫通孔32aに近い大きさのまま存在しているが、真空ラミネート工程が終了すると、太陽電池モジュール1周辺の圧力が大気圧まで戻るため、気泡箇所は圧力差で凹んでしまう。この凹みが大きい場合、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53とが接触し、接続電極20aと配線回路53とが短絡する。一方、配線回路53の材質・厚みを適切に選択すれば、凹みを小さくすることができ、仮に十分に脱気できず、気泡が残存してしまった場合も、凹みが小さいため太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53とが接触することを防ぐことができ、接続電極20aと配線回路53とが短絡までは至らないことが、発明者らの検討の結果明らかとなった。
ここで、気泡が残存した場合における、配線回路53の凹みの深さの量D[mm]は、次のように単純化して近似できると考えられる。配線回路53の凹みの深さDは、周辺が完全固定された円板が、大気圧でたわむ時の、円板の中心のたわみ方向の変位量であると考え、円板の厚みを配線回路53の厚みh、円板の半径を封止材30の貫通孔32aの半径rとした場合、下記(4)で表すことができると考えられる。
Figure 2016081938
但し、Dは配線回路53の凹みの深さ[mm]、Pは大気圧[N/mm]、νは配線回路53のポアソン比、rは裏面側封止材32の貫通孔32aの半径、Eは配線回路53のヤング率[N/mm]、hは配線回路53の厚み[mm]である。
配線回路53の凹みの深さDと封止材30の厚みhとの比率D/hが十分小さければ、配線回路53の凹みが生じても太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53とが接触せず、接続電極20aと配線回路53との短絡を防ぐことができる。しかしながら、比率D/hがある一定の値を超えると、配線回路53の凹みにより配線回路53と太陽電池セル20の裏面20cとが接触し、接続電極20aと配線回路53との短絡が発生する可能性が高まる。このような短絡が発生するかどうかの比率D/hの閾値は、単純には1と考えられたが、発明者らの検討の結果1より小さいことが判明した。この理由は、上記の配線回路53の凹みの深さDの計算においては単純化のため周囲が完全固定された円板としたが、実際は裏面側封止材32が溶融し流動するため、配線回路53の凹みの深さ方向及び深さ方向と垂直な方向に、配線回路53の凹み領域が変動するためと考えられる。
実際の太陽電池モジュール1で検討した結果、比率D/hに定数を乗じたパラメータFIの値が、30未満であれば、配線回路53に凹みが生じた場合でも、配線回路53と太陽電池セル20の裏面20cとが接触しないことが確認できた。
また、比率D/hに定数を乗じたパラメータFIが小さければ小さいほど短絡は起きづらいが、パラメータFIを小さくする手段としては、配線回路53の材料及び封止材30の厚みが固定された場合には、配線回路53の厚みを増すしかない。しかしながら、配線回路53の凹みの深さDは配線回路53の厚みhの1/3乗に比例するため、hが一定の値以上になるとほぼ同じになる。そのため、配線回路53の厚みを増すことによる費用対効果の観点から、パラメータFIは5以上とすることが望ましい。
配線回路53の材質としては、市販されている箔状の金属材料のうち、目的に応じて適宜のものを使用することができる。低コストでかつ良好な電気導電性を有する材料として、銅やアルミニウムまたはアルミニウム合金が望ましい。この中で、銅は電気導電性と耐食性が優れていることから望ましい。また、アルミニウム及びアルミニウム合金は、生産コストの観点から望ましい。良好な電気導電性、及び耐食性を確保するためには、例えば国際アルミニウム合金名の、1000系等の高純度アルミニウムを使用することが望ましい。また、良好な強度や加工適性を確保するためには、例えば、国際アルミニウム合金名の3000系や8000系等の高強度アルミニウム合金を使用することが望ましい。
配線回路53の厚みは、良好な電気導電性を確保するためには、厚いほうが望ましいが、材料コストの観点からは薄いほうが望ましい。具体的には、20μm以上200μm以下の範囲が好ましく、50μm以上100μm以下の範囲が特に好ましい。
導電接合材40は、接続電極20aと配線回路53とを電気的に接続する。導電接合材40の材質としては、例えば、導電性ペーストを採用することができる。導電性ペーストとしては、一般的には、銀、銅、スズ、鉛等の金属粉末を熱硬化性のバインダ樹脂に分散させたものであり、ペーストを目的とする適宜の形に成形してから加熱することでバインダが硬化し、目的とする形状のペースト硬化物とすることができる。ラミネート後の太陽電池モジュール1においては、導電接合材40が、接続電極20aと配線回路53の両方に接触し、電気的に接続している形態をとっている。
また、接続電極20aと導電接合材40との間の接続抵抗、配線回路53と導電接合材40との間の接続抵抗は、低いことが望ましい。導電接合材40の抵抗にもよるが、接続抵抗にして100mΩ以下が望ましく、10mΩ以下がさらに望ましい。
また、接続電極20aと導電接合材40との間の電気的接続、配線回路53と導電接合材40との間の電気的接続は、耐候性を持つことが望ましい。この場合の耐候性とは高温高湿度環境、温度の上下を繰り返す環境、紫外線を含む光に暴露される環境、及びそれらの複合した環境において、腐食等が起こらず長時間電気的接続性を保つことをさす。これは、太陽電池モジュール1が屋外で暴露されて使用されることが主であることによる。
配線回路53の表面は、導電接合材40との電気的接続性、及び耐候性を増すために、何らかの表面処理が施されていてもよい。表面処理の方法としては、例えば、めっき処理、金属蒸着処理、コーティング処理、粗化処理、コールドスプレー処理、及びこれらの複合処理等がある。
特に配線回路53にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた場合、表面に酸化皮膜が存在すること、及び銀等の金属と高温高湿度環境で接触すると腐食がおきやすいことから、配線回路53の表面に上記のような表面処理を施すことが望ましい。表面処理の方法としてとくに望ましいものは、めっき処理や金属蒸着処理、あるいはコールドスプレー処理により、表面にニッケルや銅の薄膜を設けることである。このようにして、配線回路53の線状部53a〜53a、53b〜53bに電極部10を形成することができる。これにより、電気的接続性と耐候性を良化することができる。
配線基板50を形成するには、耐候性樹脂層54、基材51、絶縁性接着剤層52、配線回路53、をこの順に積層させる。積層方法としては、例えば、ドライラミネート法がある。このとき、耐候性樹脂層54と基材51との間にも適宜の接着剤を配する。
耐候性樹脂層54は、配線基板50の積層方向における一方の外表面を構成して、基材51、絶縁性接着剤層52、及び配線回路53を保護する役割を果たす。耐候性樹脂層54の材質としては、耐湿熱性や紫外線遮断性に優れた適宜の樹脂材料が望ましい。具体的には、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、また酸化チタン・シリカ等のフィラーを添加して用いてもよい。耐候性樹脂層54は、耐候性樹脂のフィルムを基材51にラミネートして設けてもよく、またコーティングにより基材51に直接設けてもよい。
基材51は、耐候性樹脂層54上に積層して形成され、絶縁性接着剤層52を介して配線回路53を支持する部材である。基材51は、可撓性を有するシート状部材であることが好ましい。また、基材51は、電気絶縁性に優れる材料からなることが好ましい。基材51は、樹脂材料を、シート状もしくはフィルム状に形成したものを採用することができる。
基材51の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ウレタン、エポキシ、メラミン、スチレン等の樹脂材料、またはこれらを共重合した樹脂材料を採用することができる。この中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが性能とコストのバランスの観点から好ましい。また、断熱性や弾力性や光学特性の制御のため、必要に応じて、有機フィラー、または無機フィラー、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を混入した材料を使用することもできる。
また、基材51としては、単一の樹脂材料からなるものだけでなく、例えば、上記の樹脂材料を複数積層させた積層フィルムや、上記の樹脂材料からなる層と後述するバリアフィルムのような機能層とを積層させた複合積層フィルムを採用することもできる。
基材51が太陽電池モジュール1の外表面として必要な強度や耐候性を有する場合には、耐候性樹脂層54を削除し、基材51が耐候性樹脂層54を兼ねる構成としてもよい。
絶縁性接着剤層52は、基材51の表面に、配線回路53を固定する。絶縁性接着剤層52の材質としては、例えば、硬化性樹脂であるウレタン、アクリル、エポキシ、ポリイミド、オレフィン、またはこれらを共重合した硬化型接着剤を硬化させたものを採用できる。硬化型接着剤の種類は特に限定されず、例えば、熱硬化型接着剤、UV硬化型接着剤等を好適に採用できる。また、段階硬化型でない接着剤層を用いてもよい。
封止材30は、配線基板50と太陽電池セル20との上に積層され、太陽電池セル20を封止して絶縁する。封止材30としては、熱可塑性樹脂フィルムを採用できる。
封止材30の材質としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタアクリル酸共重合体(EMAA)等からなるフィルム材を採用できる。この中でも、ポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、無水マレイン酸等の不飽和モノマーのうち1種類または2種類以上を共重合したものを採用できる。柔軟性等の機械特性、また、融点やメルトフローレート等、加工適性等の観点からエチレン/α−オレフィン共重合体が好ましく、特に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。
封止材30では、湿熱環境下で加水分解によるカルボン酸の発生が少ないことが望ましい。本実施形態では、配線回路53にアルミニウムを用いるため、カルボン酸の発生が大きい材料を用いると接続電極20aの電解腐食が進行する可能性がある。LLDPE等のポリオレフィン系樹脂では、湿熱環境下でも加水分解によるカルボン酸の発生が少ないため、特に好適であると考えられる。また、封止材30のうち、表面側封止材31及び32両方がポリオレフィン系樹脂であることが望ましいが、配線回路53に直接接する裏面側封止材32のみにポリオレフィン系樹脂を用い、表面側封止材31には、例えば、EVA等のカルボン酸を比較的発生しやすい樹脂を用いる構成も可能である。
また、封止材30には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、二酸化炭素捕捉剤等の各種添加剤を含むようにしてもよい。特に、二酸化炭素捕捉剤を含むようにした場合、太陽電池モジュール1内の二酸化炭素濃度を低減できる。そのため、導電接合材40とアルミニウム(配線回路53)の接点付近の腐食を防止する観点から望ましい。
封止材30は、図1に示すように、上記のような熱可塑性樹脂フィルムで構成される裏面側封止材32、表面側封止材31によって、太陽電池セル20を挟み込んでラミネート加工することにより形成されている。
裏面側封止材32は、太陽電池セル20と配線基板50との間に介挿され、太陽電池セル20を裏面20c側から封止する。裏面側封止材32は、太陽電池セル20の受光面20bよりも配線基板50側の封止材30の領域を形成するため、光透過性を要しない。このため、裏面側封止材32の材質としては、例えば、光吸収性、光散乱性、光反射性を有する種々のフィルムを採用することができる。例えば、適宜色を有する色材を含む色付きフィルム、例えば、黒色フィルムや白色フィルム等を好適に使用することができる。
裏面側封止材32として、黒色フィルムや白色フィルム等の色付きフィルムを採用した場合、配線基板50の表面が太陽電池セル20間の隙間を通して透光性基板60側から視認できなくなる。そのため、太陽電池モジュール1の意匠性を向上することができる。
また、裏面側封止材32には、接続電極20aに対向する位置、つまり、導電接合材40が設けられている位置に導電接合材40が貫通する貫通孔32aが設けられている。
表面側封止材31は、太陽電池セル20を受光面20b側から封止する。表面側封止材31は、太陽電池セル20の受光面20bよりも透光性基板60側の封止材30の領域を形成するため、光透過性を要する。このため、表面側封止材31の材質としては、例えば、光透過性を有する種々の透明フィルムを採用することができる。
透光性基板60は、入射光を太陽電池セル20の受光面20bに導くとともに、耐候性樹脂層54と反対側の外表面を形成する部材である。透光性基板60の材質としては、例えば、光線透過性、耐候性、強度の観点から強化ガラス板が望ましい。また、例えば、フッ素系樹脂やアクリル系樹脂等のプラスチック板やシートを用いることができる。
(製造方法)
次に、太陽電池モジュール1の製造方法について説明する。
配線基板50上に、導電性ペーストを、導電接合材40(配線パターン)の形状に塗布する。導電性ペーストの塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷やステンシル印刷等、任意のパターンを形成可能な印刷方法を採用することができる。
続いて、導電性ペーストの塗布が終了すると、導電性ペーストが塗布された配線基板50、裏面側封止材32、太陽電池セル20、表面側封止材31、及び透光性基板60を、この順に重ねて配置する。その際、接続電極20aと導電性ペースト(導電接合材40)とが接触するように、裏面側封止材32には、導電接合材40が位置する箇所に導電接合材40が少なくとも貫通できる大きさの貫通孔32aをあけておく。
続いて、ラミネータを用い、真空下で、配線基板50、裏面側封止材32、太陽電池セル20、表面側封止材31、及び透光性基板60の積層体を加熱しつつ積層方向に加圧する真空加圧ラミネート(以下、「ラミネート工程」とも呼ぶ)を行う。加熱温度、加圧力の加工条件は、裏面側封止材32と表面側封止材31とが軟化して変形し、それぞれが隣接する部材の表面と密着して接着する温度であるとともに、導電接合材40が硬化し、接続電極20aと配線回路53とが電気的に接合する加熱温度、加圧力とする。
ラミネート工程での加熱により、裏面側封止材32と表面側封止材31とが軟化して変形し一体化する。また、軟化が進んだ裏面側封止材32と表面側封止材31とは、流動しそれぞれが隣接する部材の表面と密着する。これにより、太陽電池セル20の外周部が封止され、配線基板50と透光性基板60との間に封止材30の層が形成される。
そして、ラミネート工程が終了すると、各層、各部材20、30、40、50、60間が接着された状態で固化する。これにより、太陽電池モジュール1が形成される。
このようなラミネート工程は、通常130℃〜200℃の温度で、5分〜30分かけて行われる。そして、真空加圧ラミネートが行われている間、裏面側封止材32の軟化変形と、導電接合材40の硬化とが同時に行われる。それゆえ、導電接合材40の硬化条件によっては、導電接合材40が充分に硬化する前に、裏面側封止材32の軟化変形により導電接合材40が変形したり断線したりする恐れがある。そのため、導電接合材40の硬化条件は、裏面側封止材32の軟化変形に影響されないように設計する必要がある。
次に、上記実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明は、以下に記載の実施例に限定されない。
<ラミネート条件による短絡の発生の有無検討>
以下、太陽電池モジュール1の配線回路53を同一の条件とし、ラミネート条件・封止材種を変更して太陽電池モジュール1を作成し、ラミネート条件・封止材種の違いが短絡に及ぼす影響を評価した結果を記す。
[実施例1]
実施例1では、図1の太陽電池モジュール1を3個作成した。太陽電池セル20の裏面20c側の裏面側封止材32としては厚さ200μmのLLDPEフィルム(凸版印刷(株)製、商品名EFBC−SL02)を採用した。貫通孔32aの直径は5mmとした。
配線回路53としては、厚さ35μmの高純度銅からなる銅板を採用した。基材51及び耐候性樹脂層54としては、250μm厚みのポリエチレンテレフタレートシートの片面に、ポリフッ化ビニル層を25μmとなるように塗工したもの(凸版印刷(株)製、商品名BS−TX)を採用した。また、耐候性樹脂層54には、絶縁性接着剤層52、配線回路53、をこの順に積層してドライラミネータにより圧着させた。さらに、配線回路53と絶縁性接着剤層52とをハーフカット打ち抜きで櫛形パターンに加工した。
本実施例の太陽電池モジュール1は、太陽電池セル20を4枚、矩形に並べたモジュールであり、太陽電池セル20の接続電極20aの配置に合わせた配線基板50、導電接合材40、裏面側封止材32、太陽電池セル20、表面側封止材31、厚さ4mmのガラス板からなる透光性基板60を、この順に積層してモジュールラミネータによりモジュールラミネートを行うことにより作成した、セルが4個直列に接続しているモジュールである。
導電接合材40は、銀ペーストをメタルマスク印刷により、径1.5mm、高さ300μmとなるように形成した。また、表面側封止材31は、厚さ300μmの透明なLLDPEフィルム(凸版印刷(株)製、商品名AZ−1001)を採用した。
真空ラミネート工程では、太陽電池用真空ラミネータを用い、加温150℃で、まず脱気を3分間行った。脱気は、封止材30の溶融に対して早く進むように、ラミネータのピンを使用し、真空チャンバー内が0.2kPaに到達するまで1分かかるようにしたのに対し、太陽電池モジュール1の温度は100℃に達するまで3分かかるようにした。ここで、ピンは、ラミネータの熱板と太陽電池モジュール1が直接接するのを防ぐための、3mm高さのスペーサーである。これを使用することで、脱気を封止材30の溶融に対して早く進めることができる。続いて、ピンを下げ、加温150℃、大気圧の環境下で、15分間、積層方向に加圧した。
このようにして製造した太陽電池モジュール1の電流−電圧(I−V)特性を、太陽電池効率測定システムを用い評価した。照射条件は、1000[W/m]とした。
このような手順で、太陽電池モジュール1の作成と評価とを行った。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して97〜100%の間であり良好に維持されていた。太陽電池モジュール1のEL(エレクトロ・ルミネッセンス)検査を行ったところ、4個の太陽電池セル20はすべて発光しており、短絡の発生は確認できなかった。
[実施例2]
実施例2では、真空ラミネート工程で、脱気が封止材30の溶融に対して遅く進むように、ラミネータのピンを使用せず、真空チャンバー内が0.2kPaに到達するまで1分かかるようにしたのに対し、太陽電池モジュール1の温度は100℃に達するまで10秒以内となるようにした以外は、実施例1と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して75%未満まで低下していた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、4個の太陽電池セル20のうち1個の太陽電池セル20が発光せず、短絡の発生が確認された。
[実施例3]
実施例3では、真空ラミネート工程で、脱気が封止材30の溶融に対して遅く進むように、ラミネータのピンを使用せず、真空チャンバー内が0.2kPaに到達するまで1.5分かかるようにしたのに対し、太陽電池モジュール1の温度は100℃に達するまで10秒以内となるようにした以外、実施例1と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して75%未満まで低下していた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、4個の太陽電池セル20のうち3個の太陽電池セル20が発光せず、短絡の発生が確認された。
[実施例4]
実施例4では、太陽電池モジュール1の材料として、表面側封止材31と裏面側封止材32とに、厚さ200μmの透明なEVAフィルム(STR社製、商品名PHOTOCAP)を使用した以外は、実施例1と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して97〜100%の間であり良好に維持されていた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、太陽電池セル20の4個はすべて発光しており、短絡の発生は確認できなかった。
[実施例5]
実施例5では、太陽電池モジュール1の材料として、表面側封止材31と裏面側封止材32とに厚さ200μmの透明なEVAフィルム(STR社製、商品名PHOTOCAP)を使用した点と、真空ラミネート工程で、脱気が封止材30の溶融に対して遅く進むように、ラミネータのピンを使用せず、チャンバー内が0.2kPaに到達するまで1.5分かかるようにしたのに対し、太陽電池モジュール1の温度は100℃に達するまで10秒以内となるようにした以外は、実施例1と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して75%未満まで低下していた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、4個の太陽電池セル20のうち3個の太陽電池セル20が発光せず、短絡の発生が確認された。
実施例1〜5の結果をもとに、ラミネート条件及び封止材種と、太陽電池モジュール1の短絡評価の結果とをまとめたものを図5に表す。ここで、EL(Electro Luminescence)検査にて太陽電池セル20が4個とも発光したものはOK、短絡により発光しなかった太陽電池セル20があるものはNGと表記した。実施例1〜5から、真空ラミネート工程で、脱気を太陽電池モジュール1の温度上昇に対し早く進めることで、太陽電池モジュール1の短絡を防止できることがわかった。また、脱気を太陽電池モジュール1の温度上昇に対し遅く進めた場合には、太陽電池モジュール1の短絡が発生する可能性があることがわかった。これは、表面側封止材31、裏面側封止材32の材質が異なる場合でも共通した挙動だった。
<配線回路53材による短絡の発生の有無検討>
以下、短絡が発生した実施例2と同じラミネート条件にて、配線回路53の材料を変更して太陽電池モジュール1を作製し、短絡の発生を評価した結果を記す。
[実施例6]
実施例6では、配線回路53の素材として、厚さ66μmの高純度アルミニウム(純度99%以上)からなるアルミニウム板を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して97〜100%の間であり良好に維持されていた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、太陽電池セル20の4個はすべて発光しており、短絡の発生は確認できなかった。
[実施例7]
実施例7では、配線回路53の素材として、厚さ50μmの高純度アルミニウム(純度99%以上)からなるアルミニウム板を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して97〜100%の間であり良好に維持されていた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、太陽電池セル20の4個はすべて発光しており、短絡の発生は確認できなかった。
[実施例8]
実施例8では、配線回路53の素材として、厚さ70μmの高純度銅からなる銅板を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して97〜100%の間であり良好に維持されていた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、太陽電池セル20は4個すべて発光しており、短絡の発生は確認できなかった。
[実施例9]
実施例9では、配線回路53の素材として、厚さ25μmの高純度銅からなる銅板を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池モジュール1を作成し、評価した。
その結果、太陽電池モジュール1の変換効率は、太陽電池モジュール1の3個中3個において、太陽電池セル20そのものの変換効率に対して75%未満まで低下していた。太陽電池モジュール1のEL検査を行ったところ、4個の太陽電池セル20のうち1〜2個の太陽電池セル20が発光せず、短絡の発生が確認された。
実施例2、6〜9の結果をもとに、構成材料のパラメータと、変換効率比(太陽電池セル20そのものの変換効率に対する太陽電池モジュール1の変換効率)とをまとめたものを図6に表す。FIの値が30以下の場合、太陽電池モジュール1の短絡による出力低下が起きにくいことがわかる。また、生産コストを4段階評価(◎:非常に低い、○:低い、△:やや高い、×:非常に高く現実的でない)したところ、FIの値が5以下の場合では、太陽電池モジュール1の性能は良好だったが、コスト上現実的ではなかった。
なお、本実施形態では、図1の太陽電池セル20が太陽電池セルを構成する。以下同様に、図1の接続電極20aが接続電極を構成する。また、図1の配線回路53が配線回路を構成する。さらに、図1の配線基板50が配線基板を構成する。また、図1の導電接合材40が導電接合材を構成する。さらに、図1の貫通孔32aが貫通孔を構成する。また、図1の裏面側封止材32が封止材を構成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、裏面側封止材32の貫通孔32aの半径をr[mm]、裏面側封止材32の厚みをh[mm]とした場合に、配線回路(53)のポアソン比ν、配線回路(53)のヤング率E[N/mm]、配線回路(53)の厚みh[mm]は、下記(1)式を満たすものとする。
Figure 2016081938
このような構成によれば、例えば、脱気が十分に行われず、真空ラミネート工程で空気が残った個所の配線回路53が変形しても、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53との接触を回避できる。それゆえ、接続電極20aと配線回路53との短絡を抑制できる。これにより、太陽電池モジュール1の収率を向上でき、生産コストを抑制できる。
(2)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路(53)のポアソン比ν、配線回路(53)のヤング率E[N/mm]、配線回路(53)の厚みh[mm]は、下記(2)式を満たすものとする。
Figure 2016081938
このような構成によれば、例えば、脱気が十分に行われず、真空ラミネート工程で空気が残った個所の配線回路53が変形しても、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53との接触を回避できる。それゆえ、接続電極20aと配線回路53との短絡を抑制できる。これにより、太陽電池モジュール1の収率を向上でき、生産コストを抑制できる。
(3)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路(53)のポアソン比ν、配線回路(53)のヤング率E[N/mm]、配線回路(53)の厚みh[mm]は、下記(3)式を満たすものとする。
Figure 2016081938
このような構成によれば、例えば、脱気が十分に行われず、真空ラミネート工程で空気が残った個所の配線回路53が変形しても、太陽電池セル20の裏面20cと配線回路53との接触を回避できる。それゆえ、接続電極20aと配線回路53との短絡を抑制できる。これにより、太陽電池モジュール1の収率を向上でき、生産コストを抑制できる。
(4)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路53は、銅からなる。
このような構成によれば、配線回路53の電気導電性や耐食性を向上できる。
(5)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路53は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。
このような構成によれば、配線回路53の生産コストを抑制できる。
(6)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路53の表面は、めっき処理されている。
このような構成によれば、配線回路53の導電接合材40との電気的接続性や、配線回路53の耐候性を向上できる。
(7)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路53の表面は、金属蒸着処理されている。
このような構成によれば、配線回路53の導電接合材40との電気的接続性や、配線回路53の耐候性を向上できる。
(8)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路53の表面は、コールドスプレー処理されている。
このような構成によれば、配線回路53の導電接合材40との電気的接続性や、配線回路53の耐候性を向上できる。
(9)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線回路53の表面は、粗化処理されている。
このような構成によれば、配線回路53の導電接合材40との電気的接続性や、配線回路53の耐候性を向上できる。
(10)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、裏面側封止材32は、ポリオレフィン系樹脂からなる。
このような構成によれば、湿熱環境下での加水分解によるカルボン酸の発生を抑制できる。それゆえ、接続電極20aの電解腐食の進行を抑制できる。
(11)本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、ポリオレフィン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンである。
このような構成によれば、融点やメルトフローレート等の加工適正を向上できる。
本発明の太陽電池モジュール1によれば、バックコンタクト方式の太陽電池モジュール1の形成過程において発生する可能性のある短絡を、ラミネータの設備投資や、層間絶縁膜の形成のような生産コストの増大を招くことなく、低減することができる。そのため、生産コスト上有利な太陽電池モジュール1を提供することができる。
1 太陽電池モジュール
10 配線回路上の電極部
20 太陽電池セル
20a 接続電極
20b 受光面
20c 裏面
30 封止材
31 表面側封止材
32 裏面側封止材
32a 貫通孔
40 導電接合材
50 配線基板
51 基材
52 絶縁性接着剤層
53、53A、53B 配線回路
54 耐候性樹脂層
60 透光性基板

Claims (11)

  1. 受光面と反対側の裏面に接続電極が設けられた太陽電池セルと、
    前記太陽電池セルの前記裏面と対向配置され、前記接続電極と対向する位置に前記接続電極を配線するための配線回路が設けられた配線基板と、
    前記接続電極と前記配線回路とを電気的に接続する導電接合材と、
    前記太陽電池セルと前記配線回路との間に介挿され、前記導電接合材が貫通する貫通孔が設けられた封止材と、を備え、
    前記貫通孔の半径をr[mm]、前記封止材の厚みをh[mm]とした場合に、前記配線回路のポアソン比ν、前記配線回路のヤング率E[N/mm]、前記配線回路の厚みh[mm]は、下記(1)式を満たすことを特徴とする太陽電池モジュール。
    Figure 2016081938
  2. 前記配線回路のポアソン比ν、前記配線回路のヤング率E[N/mm]、前記配線回路の厚みh[mm]は、下記(2)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
    Figure 2016081938
  3. 前記配線回路のポアソン比ν、前記配線回路のヤング率E[N/mm]、前記配線回路の厚みh[mm]は、下記(3)式を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール。
    Figure 2016081938
  4. 前記配線回路は、銅からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記配線回路は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記配線回路の表面は、めっき処理されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記配線回路の表面は、金属蒸着処理されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記配線回路の表面は、コールドスプレー処理されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記配線回路の表面は、粗化処理されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  10. 前記封止材は、ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  11. 前記ポリオレフィン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池モジュール。
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