JP2014022477A - 太陽電池用接合材組立体および太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用接合材組立体および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池用接合材組立体において、太陽電池セルの裏面の接続電極と配線基板上の配線用電極との間の電極間距離が大きい場合でも、電極同士を良好に接続することができ、かつ接続時の作業効率を向上することができるようにする。
【解決手段】接合材複合シート33は、熱可塑性樹脂からなり、太陽電池セル20裏面部側から太陽電池セル20を封止する封止材シート32と、封止材シート32の厚さ方向の一方側に露出された第1端面と、他方側に露出された第2端面10bとを有し、太陽電池セル20の複数の接続電極と対向する位置関係に配置された接合材10と、を備え、接合材10は、第1端面を形成する導電性樹脂層12aと、第2端面10bを形成する導電性樹脂層12bと、導電性樹脂層12a、12bに挟まれた金属層11とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、太陽電池用接合材組立体、および太陽電池モジュールに関する。
従来、太陽電池セルにおいて発電された電気はその表面に張り巡らされたバスバーを通じて集約されている。しかし、このバスバーは太陽電池セル表面の一部を覆い隠してしまうためその発電効率が下がってしまうという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、特許文献1では、太陽電池セルのプラス電極とマイナス電極の両電極がセルの裏面に設置されたバックコンタクト方式の太陽電池セルが提案されている。この方式の太陽電池セルはセル裏面で接続することが可能であり、セル表面を覆い隠すことなく発電効率の低下を防止できる
このような太陽電池モジュールでは、太陽電池セルの裏面に配線パターンを有する金属箔を被着した積層体をバスバーの代替の回路として用いており、これらの金属はその導電性の面から一般的に銅が用いられている。
しかしながら銅は高価であるため、配線に銅よりも安価であるアルミニウムを用いることも提案されている。
ただし、太陽電池セルと配線を接合する際、従来は銀ペーストを使用しており、アルミニウムを使用することでその表面に生成された酸化膜によって銅よりも抵抗値が大きくなってしまうという問題や、アルミニウムと銀の電気化学列における電位差が非常に大きいことから、アルミニウムが腐食し最悪の場合、絶縁されてしまうという問題がある。
また、これを解決したとしてもさらに高価な銀を使用するという莫大なコストが必要とされる。
これらを解決するための方法として、太陽電池セルと配線とを、金属粒子を含む導電性材料を用いて接続する方法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−011869号公報 特開2009−302327号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題があった。
特許文献2に記載の技術では、バックコンタクト方式の太陽電池セルを、金属粒子を含む導電性材料を用いて接続するため、アルミニウムの配線であっても、電気的に接続することが容易になるが、このような導電性材料による接続では、回路基板と太陽電池セルとの間の距離を狭くする必要がある。
一方、太陽電池セルは、例えば、水分等の侵入を抑制する等、経年使用での耐久性を高めるため、もしくは外力が作用した際の振動や衝撃に対する耐性を高めるため、外周を封止材によって封止する必要がある。このため、太陽電池セルと回路基板との間の電極間距離はある程度の大きくすることが求められる。
したがって、導電性材料により太陽電池セルと回路基板との接続を行う場合には、良好な導電性を確保すると、太陽電池セルと回路基板との間の電極間距離を好適な距離に設定することができないおそれがあるという問題がある。
また、必要な電極間距離を設定できたとしても、このような接続を行うため導電性材料は高価な銀(Ag)などの金属粒子を含むため、電極間距離が大きくなることによって高価な導電性材料の使用量が多くなる。このため、製造コストが増大するという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、太陽電池セルの裏面の接続電極と配線基板上の配線用電極との間の電極間距離が大きい場合でも、電極同士を良好に接続することができ、かつ接続時の作業効率を向上することができる太陽電池用接合材組立体および太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の太陽電池用接合材組立体は、太陽電池セルの受光面と反対側の裏面部に設けられた前記太陽電池セルの複数の接続電極と、配線基板上の配線用電極とを接合して、前記接続電極と前記配線用電極とを互いに電気的に接続する太陽電池用接合材組立体であって、熱可塑性樹脂からなり、前記太陽電池セルの前記裏面部側から前記太陽電池セルを封止する封止材シートと、該封止材シートの厚さ方向の一方側に露出された第1端面と、前記封止材シートの厚さ方向の他方側に露出された第2端面とを有し、前記太陽電池セルの前記複数の接続電極と対向する位置関係に配置された接合材と、を備え、該接合材は、前記第1端面を形成する第1の導電性樹脂層と、前記第2端面を形成する第2の導電性樹脂層と、前記第1の導電性樹脂層と前記第2の導電性樹脂層とに挟まれた金属製の接合材本体とを備える構成とする。
また、本発明の第1の態様の太陽電池用接合材組立体では、前記接合材本体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の太陽電池用接合材組立体では、前記第1端面および前記第2端面のうちの少なくとも一方に剥離可能に密着された剥離シートと、を備えることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の太陽電池用接合材組立体では、前記剥離シートは、前記接合材の位置を識別するための識別マークを有することが好ましい。
本発明の第2の態様の太陽電池モジュールは、表面に配線用電極を有する配線基板と、請求項1または2に記載の太陽電池用接合材組立体と、受光面と反対側の裏面部に接続電極が設けられた太陽電池セルとを備え、前記配線基板の前記配線用電極と、前記太陽電池セルの前記接続電極とが、前記太陽電池用接合材組立体の前記接合材とによって互いに電気的に接続されるとともに、前記太陽電池用接合材組立体の前記封止材シートによって少なくとも前記太陽電池セルの前記裏面部が封止されている構成とする。
また、本発明の第2の態様の太陽電池モジュールでは、前記配線基板、前記太陽電池用接合材組立体、前記太陽電池セル、および光透過性を有する熱可塑性樹脂からなる透明封止材シートがこの順に積層した積層部分を有し、該積層部分を含む積層体がラミネート加工により一体化されていることが好ましい。
本発明の太陽電池用接合材および太陽電池モジュールによれば、アルミニウム箔上において前記接続電極と対向可能な位置に、亜鉛粒子およびニッケル粒子の少なくとも一方を含有する導電性接着層を介して銅箔が接着されているため、配線パターンをアルミニウム箔で形成するとともに、太陽電池セルとアルミニウム箔との電気接続性を、アルミニウム箔表面の酸化膜を除去する薬液処理を行うことなく改善することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの基板部を示す模式的な平面図である。 本発明の第1の実施形態の太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な平面図、およびそのA−A断面図である。 図3におけるB部の部分拡大図である。 本発明の第1の実施形態の太陽電池用接合材組立体の製造工程の一例について説明する工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の太陽電池用接合材組立体の製造工程の他例について説明する工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの製造工程の一例について説明する工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの図7に続く製造工程の一例について説明する工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の第1〜第3変形例の太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第4変形例の太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な断面図および分解図である。 本発明の第1の実施形態の第5変形例の太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な断面図および分解図である。 本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールの構成を示す模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の太陽電池用接合材組立体および太陽電池モジュールについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの構成を示す模式的な断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの基板部を示す模式的な平面図である。図3(a)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な平面図である。図3(b)は、図3(a)におけるA−A断面図である。図4は、図3(b)におけるB部の部分拡大図である。
図1に示すように、本実施形態の太陽電池モジュール50の概略構成は、発電のための光を受光する受光面20bと反対側の裏面20c(裏面部)に配線用の接続電極20aが複数設けられた太陽電池セル20と、太陽電池セル20を配線する基板部55と、基板部55および太陽電池セル20上に積層されて太陽電池セル20を封止する封止材30と、基板部55および太陽電池セル20を電気的に接続する接合材10(太陽電池用接合材)と、封止材30上に積層された透光性基板40とを備える。
太陽電池セル20は、受光面20bから入射した光を光電変換して発電を行う半導体素子である。太陽電池セル20の方式としては、裏面20cに接続電極20aが設けられた、いわゆるバックコンタクト方式の太陽電池セルであれば、適宜の方式のものを採用することができる。なお、図1は模式図のため、図示を簡略化しているが、接続電極20aの個数は、2以上の適宜個数を必要に応じて設けることができる(図2の二点鎖線参照)。
接続電極20aは、例えば、直径w20aの円形に形成され、材質は、例えば、銀ペーストを焼成したものからなる。なお、接続電極20aは、大きさや形状が異なっていてもよいが、以下では一例として、各接続電極20aは同一の大きさと形状を有するものとして説明する。
また、太陽電池セル20の平面視形状は、図2に二点鎖線で示すように、例えば平面視矩形状などの適宜形状を採用することができる。
また、図2では1つの太陽電池セル20しか図示していないが、太陽電池モジュール50における太陽電池セル20は、図1に示すように、基板部55の面方向に沿って複数のものが、隙間をあけて隣り合わせに2個以上配置されている。本実施形態では、図示は省略するが、図1の図示左右方向および図示奥行き方向に複数のものが隙間をあけて隣り合わせに配置されており、これにより、平面視矩形格子状をなして配置されている。
本実施形態の基板部55は、図1に示すように、バックシート54、基材51(配線用基板)、絶縁性接着剤層52、およびアルミニウム電極53(配線用電極)が、この順に積層されたものである。
バックシート54は、基板部55の積層方向における一方の外表面を構成して、基板部55の内部、および太陽電池モジュール50との内部に、水分や酸素等が侵入することを抑制するためのシート状部材である。このため、バックシート54は、シールド材としてのバリア機能を有している。
バックシート54の材質としては、水分や酸素に対する遮断性に優れた適宜の樹脂材料、アルミニウム箔、もしくはアルミニウム箔と適宜の樹脂との複合積層フィルムを使用することができる。
基材51は、バックシート54上に積層して形成され、絶縁性接着剤層52を介してアルミニウム電極53を支持する部材であり、本実施形態では、可撓性を有するシート状部材で構成される。また、基材51は、電気絶縁性に優れる材料からなることが好ましい。
例えば、基材51は、樹脂材料を、シート状もしくはフィルム状に形成したものを採用することができる。
基材51の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ウレタン、エポキシ、メラミン、スチレンなどの樹脂材料、またはこれらを共重合した樹脂材料を用いることが可能である。
また、基材51の材料は、断熱性や弾力性や光学特性の制御のため、必要に応じて、有機フィラーまたは無機フィラー等を混入した材料を用いることも可能である。
また、基材51は、上記の樹脂材料を複数積層させた積層フィルムや、上記の樹脂材料の層と、例えばアルミニウム箔等の金属箔とを積層させた複合積層フィルムを採用することも可能である。
また、例えば、上記の複合積層フィルムを用いる場合など、基材51が太陽電池モジュール50の外表面として必要な強度や水分や酸素の遮断性を有している場合には、バックシート54を削除し、基材51がバックシート54の機能を兼ねる構成としてもよい。
絶縁性接着剤層52は、基材51の表面に、アルミニウム電極53を固定するための層状部であり、例えば、硬化性樹脂であるウレタン、アクリル、エポキシ、ポリイミド、オレフィン、またはこれらを共重合した硬化型接着剤を硬化させることで形成されている。硬化型接着剤の種類は特に限定されず、例えば、熱硬化型接着剤、UV硬化型接着剤などを好適に採用できる。また、絶縁性接着剤層52として段階硬化型でない接着剤層を用いてもよい。
アルミニウム電極53は、太陽電池セル20を配線する配線パターンを形成するもので、太陽電池セル20の接続電極20aの配置に応じて、適宜の平面視形状を備え、絶縁性接着剤層52を介して、基材51に積層され、基材51と一体に接合されている。
アルミニウム電極53の配線パターンとしては、例えば、図2に示すように、略一定の線幅を有する4つの線状部53a、53a、53a、53a(以下、線状部53a〜53aと記載する場合がある)が櫛歯状をなして配置された櫛歯状部53Aと、略一定の線幅を有する4つの線状部53b、53b、53b、53b(以下、線状部53b〜53bと記載する場合がある)が櫛歯状をなして配置された櫛歯状部53Bとを有し、これら櫛歯状部53A、53Bが、互いの線状部間の隙間に貫入するとともに互いに離間して近接配置されたパターンの例を挙げることができる。
以下では、線状部53a〜53a、53b〜53bが延びる方向(図2の上下方向)をアルミニウム電極53の長さ方向、これと直交する線状部53a〜53a、53b〜53bの線幅方向(図2の図示左右方向)をアルミニウム電極53の幅方向と称する場合がある。
この例の場合、櫛歯状部53A、53Bはそれぞれ発電出力のプラス電極配線、マイナス電極配線に対応している。また、櫛歯状部53A、53Bの上方(透光性基板40側)には、図2の二点鎖線で示すように、櫛歯状部53A、53Bを上方から覆う位置に太陽電池セル20が配置される。このような接続位置において、太陽電池セル20には、各線状部53a〜53a、53b〜53bの上方に、それぞれ3個ずつ、合計24個の接続電極20a(図2の二点鎖線参照)が設けられている。
アルミニウム電極53の各パターンの各線状部53a〜53a、53b〜53b上には、接続電極20aに対向可能な位置に、後述する接合材10がそれぞれ3個ずつ接着されている。
なお、図2に示すアルミニウム電極53のパターンの形状、および太陽電池セル20の接続電極20aの個数、配置は、一例であってこれに限定されるものではない。
アルミニウム電極53の材質としては、なるべく良好な電気導電性を確保するために、例えば、1N30材などの高純度アルミニウムを使用することが望ましい。
封止材30は、アルミニウム電極53、および基板部55の絶縁性接着剤層52上で、太陽電池セル20を封止して絶縁できれば、適宜の材質から構成することができる。封止材30に好適な材質としては、熱可塑性樹脂、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタアクリル酸共重合体(EMAA)などからなるフィルム材を挙げることができる。
本実施形態の封止材30は、図1に示すように、このような熱可塑性樹脂フィルムで構成される封止材シート32、透明封止材シート31によって、太陽電池セル20を挟み込んでラミネート加工することにより形成されている。
このため、太陽電池モジュール50において、封止材シート32と透明封止材シート31との境界は同材質の場合、明確ではないが、異材質の場合には、色、透過率、あるいは屈折率が異なることによって、例えば、図1に想像線(二点鎖線)で示すような界面の観察が可能である。
封止材シート32は、太陽電池セル20を裏面20c側から封止するためのフィルム部材であり、封止材シート32は、後述する接合材複合シート33の一部を構成している。
封止材シート32は、太陽電池セル20の受光面20bよりも基板部55側の封止材30の領域を形成するため、光透過性を要しない。このため、封止材シート32の材質としては、光吸収性、光散乱性、光反射性を有する種々のフィルムを採用することが可能である。例えば、適宜色を有する色材を含む色付き(白色を含む)フィルム、例えば、黒色フィルムや白色フィルム等を好適に採用することができる。
封止材シート32として、このような色付きフィルムを採用することにより、基板部55の表面が太陽電池セル20間の隙間を通して透光性基板40側から視認できなくなるため、太陽電池モジュール50の意匠性を向上することができる。
これに対して、透明封止材シート31は、太陽電池セル20を受光面20b側から封止するためのフィルム部材であり、光透過性を有する透明フィルムを用いる。
本実施形態では、透明封止材シート31の厚さは、太陽電池モジュール50における太陽電池セル20の裏面20cから透光性基板40までの層厚に略相当する厚さを有する。
本実施形態の接合材10は、図1に示すように、アルミニウム電極53から接続電極20aに向かって、導電性樹脂層12a(第1の導電性樹脂層)、金属層11(接合材本体)、および導電性樹脂層12b(第2の導電性樹脂層)がこの順に積層されている。これにより、アルミニウム電極53と接続電極20aとが互いに電気的に接続されている。
接合材10の平面視の形状は、本実施形態では、櫛歯状部53A、53Bとの間、および各接続電極20aとの間がショートしない形状であれば、特に限定されない。
本実施形態では、一例として、アルミニウム電極53の線状部53a〜53a、53b〜53bの線幅よりも小さく、かつ太陽電池セル20の接続電極20aよりも小さい直径w10の円形としている。
これは、接合材10が接続電極20aの直径やアルミニウム電極53の線状部53a〜53a、53b〜53bの線幅よりも大きな形状を有すると接続されない部分の材料が無駄になるためである。また、接合材10の外形を接続電極20aの直径やアルミニウム電極53の線状部53a〜53a、53b〜53bの線幅よりも小さくしておけば、接続時に位置ずれが生じた場合にも、接続電極20aや線状部53a〜53a、53b〜53bからはみ出て隣り合う他の電極とショートする可能性を低減することができるためでもある。
ただし、これは一例であって、接合材10の平面視形状は、例えば、接続電極20aと同形状としてもよいし、接続電極20aよりも大きな形状としてもよい。また、各接続電極20aの相互の大きさや形状が異なる場合には、接合する接続電極20aの大きさや形状に対応して適宜大きさや形状を変えることができる。接合材10の平面視形状と、アルミニウム電極53の線状部53a〜53a、53b〜53bの線幅に関しても同様である。
このため、接合材10の接続方向(図1の図示上下方向)に直交する方向の外形の形状、大きさは、接続電極20aおよびアルミニウム電極53の線状部53a〜53a、53b〜53bの形状、大きさと、接続時に発生しうる接続方向に直交する方向の位置ずれの大きさとに応じて予め決めておく。
接合材10は、本実施形態では、図3(a)、(b)、図4に示すように、接合材複合シート33(太陽電池用接合材組立体)の形態で、複数のものがまとめて供給され、太陽電池モジュール50の製造に用いられる。
また、本実施形態では、接合材複合シート33は、剥離シート14が貼り付けられた接合材転写シート34(太陽電池用接合材組立体)の形態で供給される。そこで、以下では、接合材10の構成について、本実施形態の接合材複合シート33、接合材転写シート34の構成とともに説明する。
接合材転写シート34は、図3(a)、(b)に示すように、剥離シート14上に、複数の接合材10を含む接合材複合シート33を密着させたシート状部材である。接合材複合シート33の製造方法については後述する。
剥離シート14は、適宜の大きさに切断されたシートや、長尺テープ状のシートを採用することができる。本実施形態では、太陽電池モジュール50の平面視の形状よりも大きくなっている。
剥離シート14の一方の表面14aは導電性樹脂層12aに対する離型性を有することにより、導電性樹脂層12aと剥離可能に密着できるようになっている。
また、剥離シート14の他方の表面14bは、導電性樹脂層12bに対する離型性を有することにより、導電性樹脂層12bと積層しても、表面14b側に接合材10が転写されないようになっている。
剥離シート14の表面14a上には、1つの太陽電池モジュール50の平面視の形状と略一致する矩形状の接合材複合シート33が配置されている。そして、接合材複合シート33の互いに対向する2頂点の近傍の剥離シート14上には、剥離シート14の位置情報を表すための識別マーク14c、14dが、例えば、印刷、刻印、打ち抜き加工などによって形成されている。識別マーク14c、14dの形状や位置は、剥離シート14上の接合材複合シート33の位置、および接合材複合シート33内の後述する接合材10の位置情報を特定するための座標系が設定できれば特に限定されない。
本実施形態では、一例として、接合材複合シート33の前記2頂点から一定方向に一定距離だけ離間した位置に、それぞれの位置を特定可能な十字線状の識別マーク14c、14dが形成されている。このため、識別マーク14c、14dで決まる直角座標系によって、接合材複合シート33および各接合材10の配置位置を表すことができる。
なお、識別マーク14c、14dを印刷により形成する場合、必要に応じて剥離シート14の表面14a、14bのどちらか一方または両方に形成する。
このような識別マーク14c、14dによれば、例えば、カメラで撮像した画像から画像認識や、光学センサによる検知によって、識別マーク14c、14dの位置情報を取得することにより、接合材複合シート33および各接合材10の位置を特定することができる。
本実施形態では、このような接合材転写シート34は、ロール状に巻かれており、必要に応じて、巻き出して使用することが可能である。その際、表面14bは、導電性樹脂層12bに対する離型性が良好であるため、巻き出された剥離シート14の表面14bに、その下層側の接合材10が転写されることはない。
接合材10の導電性樹脂層12aは、図1に示すように、金属層11とアルミニウム電極53とを電気的に接続するためのもので、図4に示すように、接合材10の厚さ方向の第1端面10aを構成している。
また、導電性樹脂層12aは、金属層11の厚さ方向の一方の端面である第1端面11aに形成されている。
導電性樹脂層12aとしては、素子実装に使用される導電性接着剤もしくは導電性接着フィルムを使用することができる。
導電性樹脂層12aの一例としては、熱硬化性樹脂であるウレタン、アクリル、エポキシ、ポリイミド、オレフィン、またはこれらを共重合した硬化型接着剤に、導電性粒子を含有させた構成を挙げることができる。
導電性粒子としては、例えば、銅粒子、亜鉛粒子、銀粒子、金粒子、ニッケル粒子、もしくは高分子粒子表面にこれらと同様な金属のめっきを施した粒子を挙げることができる。
また、導電性樹脂層12aを低コスト化するためには、安価な亜鉛粒子、ニッケル粒子もしくはその両方を含有することが望ましい。
特に、導電性樹脂層12aが、銀粒子、亜鉛粒子、ニッケル粒子を含有する場合、それぞれの剛性が高いため、例えば、アルミニウムや銅に押圧されると、これらの表面に形成されている酸化被膜が突き破られる。このため、酸化被膜が形成されていても容易に電気接続をとることができる。
また、このような導電性樹脂層12aは、加熱されることにより硬化し、密着する相手部材に接着される。
導電性樹脂層12aの厚さt12aは、アルミニウム電極53および金属層11に対して、良好な電気接続が可能となる厚さに設定する。
導電性樹脂層12aとして好ましい厚さとしては、例えば、10μm〜50μm程度である。粒子径が小さい導電性粒子を用いれば、導電性樹脂層12aの層厚は10μmより薄くすることも可能である。
金属層11は、図1に示すように、導電性樹脂層12a、12bを介して、アルミニウム電極53と接続電極20aとを導通させる導電性部材であり、金属または合金、もしくは金属および合金の複合体からなる板状の導電性部材である。本実施形態では、接続方向に直交する方向の外形は、導電性樹脂層12a、12bと同一である。
金属層11は、図4に示すように、厚さ方向の一方および他方にそれぞれ、第1端面11a、第2端面11bを有しており、金属層11の厚さはt11である。第1端面11aには、導電性樹脂層12aが積層されており、第2端面11bには、後述する導電性樹脂層12bが積層されている。
金属層11は、金属箔シートや板材を切断して形成することができる。既製の部材では、必要な厚さt11が得られない場合には、既製の部材を削ったり、圧延したり、成膜したりして、厚さを加減してもよい。
また、複数枚のものをはんだづけ等によって接合して厚さを調整してもよい。
また、成膜により必要な厚さのシート材を形成してもよい。
金属層11は、金属または合金のみから構成されるため、厚さを増しても導電性が悪化することはない。
このように、金属層11の厚さt11に特に制限はなく、しかも変更が容易である。したがって、金属層11の厚さt11は、アルミニウム電極53と接続電極20aとの間に確保すべき電極間隙間に応じて適宜の厚さに設定することができる。
金属層11の材質は、導電性を得られる金属または合金であれば、特に限定されず、例えば金、銀、銅、アルミニウム、鉄、などから選択された金属、またはこれらを主成分とする合金を採用することが可能である。ただし、低コストや導電率の面から、銅、またはアルミニウム、またはアルミニウム合金を使用することがより好ましい。
本実施形態では、一例として、厚さt11のアルミニウム箔またはアルミニウム板を採用している。
導電性樹脂層12bは、金属層11の厚さ方向において第1端面11aと反対側の端面である第2端面11bと、太陽電池セル20の接続電極20aとを接続するものであり、接合材10の厚さ方向において、第1端面10aと反対側の第2端面10bを構成している。
導電性樹脂層12bは、導電性樹脂層12aと同様に、素子実装に使用される導電性接着剤もしくは導電性接着フィルムを使用することができる。すなわち、上記に例示した導電性樹脂層12aに好適な材質は、導電性樹脂層12bにも採用することができる。
導電性樹脂層12a、12bの材質やそれぞれの厚さt12a、t12bは、同一でもよいが、金属層11との電気接続性能を損なわない範囲であれば、それぞれアルミニウム電極53と接続電極20aとの電気接続のしやすさや耐久性等を考慮して、材質、厚さ、導電性粒子の粒子径、表面のラフネスなどが異なる構成を採用してもよい。
例えば、アルミニウム電極53と接接続電極20aとの材質が異なる場合や、アルミニウム電極53と接続電極20aとの接続部分の温度条件などが異なる場合などに、それぞれの接続部分の条件に応じて、導電性樹脂層12a、12bの材質、厚さ、導電性粒子の粒子径、表面のラフネスなどを変えることができる。
接合材複合シート33は、封止材シート32に、上記のような複数の接合材10を一体化したシート部材である。
本実施形態では、図4に示すように、封止材シート32の厚さt32は、接合材10の厚さと同一であり、t32=t12a+t11+t12bである。
そして、接合材複合シート33において、接合材10の第1端面10a、第2端面10bが、それぞれ接合材複合シート33の厚さ方向のシート表面と整列するように、接合材複合シート33に埋め込まれている。このため、接合材複合シート33のシート表面には、各接合材10の第1端面10a、第2端面10bが露出されている。
本実施形態では、接合材複合シート33の平面視の形状は、図3(a)に示すように、1つの太陽電池モジュール50と略同様の大きさを有する矩形状とされている。
接合材複合シート33における複数の接合材10は、太陽電池モジュール50における複数の太陽電池セル20の各接続電極20aと同数設けられている。
各接合材10は、太陽電池モジュール50に配置される複数の太陽電池セル20の各接続電極20aと互いに対向可能となるように配置されている。
例えば、図3(a)に二点鎖線で示すように、1つの太陽電池モジュール50上で、太陽電池セル20Aから太陽電池セル20Mまでm個の太陽電池セル20が一列に配置され、これと直交する方向に、太陽電池セル20Aから太陽電池セル20Nまでそれぞれm個ずつのn列の太陽電池セル20が配置され、太陽電池セル20Aから太陽電池セル20Zまで、m×n個の太陽電池セル20が矩形格子状に配列しているとする。
このとき、接合材複合シート33内には、太陽電池セル20A、…、20M、…、20N、…、20Zとそれぞれ向かい合うように、それぞれ同一の配置パターンをなす単位群U、…、U、…、U、…、Uの接合材10が設けられている。
単位群U、…、U、…、U、…、Uの各配置パターンは、1つの太陽電池セル20において、裏面20c側から見たときの各接続電極20aの配置パターンと線対称の位置関係となる配置パターンである。
このような構成の接合材複合シート33、接合材転写シート34は、次のようにして製造することができる。
図5は、本発明の第1の実施形態の太陽電池用接合材組立体の製造工程の一例について説明する工程説明図である。図6は、本発明の第1の実施形態の太陽電池用接合材組立体の製造工程の他例について説明する工程説明図である。
次に、接合材複合シート33の製造方法の一例について説明する。
本例では、接合材10を打ち抜き加工によって製造する。
例えば、金属層11と同材質のシート部材からなる金属層シートを用意し、この厚さ方向の両面に、導電性樹脂層12a、12bを貼り合わせる。次に、この貼り合わせたシートを抜き型によって打ち抜くことにより、適宜形状の接合材10を形成する。本実施形態では、直径w10の円形状に打ち抜く。
これと並行して、封止材シート32上に、各接合材10を配置するための貫通孔32a(図5参照)を、例えば、打ち抜き加工によって形成する。
貫通孔32aの位置は、太陽電池モジュール50における各接続電極20aの配置位置応じて設定しておく。また、貫通孔32aの孔径は、接合材10を圧入して封止材シート32内に係止できるように、直径w10と同一またはわずかに小さい孔径とする。
次に、図5に矢印で示すように、各貫通孔32aに接合材10を押し込み、各接合材10の第1端面10a、第2端面10bが封止材シート32の表面に整列する位置まで挿入する。封止材シート32は柔軟性を有するため、貫通孔32aよりも大径の接合材10であっても容易に挿入できる。これにより、各接合材10は、貫通孔32aに摩擦力のみで貫通孔32aに係止される。貫通孔32aの孔径が直径w10よりも小径の場合には接合材10の挿入時に圧入状態となり、摩擦力が増大するためより好ましい。
このようにして、接合材複合シート33が製造される。
接合材複合シート33が製造されたら、導電性樹脂層12aが露出した封止材シート32の表面に剥離シート14を密着させて、接合材転写シート34を製造する。
接合材複合シート33の製造方法は、上記例以外の方法も可能である。
例えば、図6に示すように、予め、金属層11と、貫通孔32aを設けた封止材シート32とを製造する。金属層11は、例えば、同材質のシート部材からなる金属層シートを打ち抜き加工したり、切断加工したりすることにより製造することができる。
次に、封止材シート32の各貫通孔32aに金属層11を挿入する。このとき、金属層11は、貫通孔32aの略中央で係止されるように押し込む。これにより、金属層11の第1端面11a、第2端面11b上に、それぞれ接合材複合シート33のシート面よりも凹んだ凹所が形成される。
次に、これらの凹所に導電性樹脂層12a、12bをそれぞれ配置する。
導電性樹脂層12a、12bの配置方法は、例えば、転写、印刷、塗布、貼り付け等の適宜の手段を採用することができる。
このようにして、接合材複合シート33を製造することができる。
接合材複合シート33が製造されたら、導電性樹脂層12aが露出した封止材シート32の表面に剥離シート14を密着させて、接合材転写シート34を製造する。
なお、上記に説明した2例のように、接合材10または金属層11が貫通孔32aの内周に密着するように挿入される場合、接合材10または金属層11は圧入状態で固定する製造方法には限定されない。
例えば、加熱ヘッドを用いて、接合材10または金属層11を封止材シート32の軟化温度以上の温度、例えば、150℃に加熱することで、封止材シート32と接合材10または金属層11との接触部分の溶融接合を行って、接合材複合シート33を製造するようにしてもよい。この場合、圧入に比べて、より確実に封止材シート32と接合材10または金属層11との接合することが可能である。
透光性基板40は、入射光を太陽電池セル20の受光面20bに導くとともに、太陽電池モジュール50において、バックシート54と反対側の外表面を形成する部材である。本実施形態では、ガラスパネルを封止材30の表面に接着した構成を採用している。
次に、このような太陽電池モジュール50の製造方法について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの製造工程の一例について説明する工程説明図である。図8は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの図7に続く製造工程の一例について説明する工程説明図である。
太陽電池モジュール50を製造するには、まず、接合材複合シート33、接合材転写シート34を製造しておき、これと並行して基板部55を製造しておく。
基板部55を形成するには、バックシート54、基材51、絶縁性接着剤層52、アルミニウム電極53の材料となるアルミニウム箔シートをこの順に積層させる。このとき、バックシート54および基材51の間にも適宜の接着剤を配する。
次に、この積層体を、例えば、ドライラミネート法などによって貼り合わせる。
次に、この積層体におけるアルミニウム箔シートをパターニングして、アルミニウム電極53を形成する。
パターニング方法としては、例えば、エッチング法を採用することができる。すなわち、アルミニウム箔シート上にレジストを塗布した後、アルミニウム電極53の配線パターンに対応するようにレジストをパターニングし、薬液エッチングにより、レジストに被覆されていないアルミニウム箔シートを除去して、アルミニウム電極53を形成する。その後、アルミニウム電極53上のレジストを除去する。
このようにして、図7に示すように、基板部55が形成される。
なお、このような積層体は、基材51上に、絶縁性接着剤層52、アルミニウム電極53を形成した後に、基材51の裏面にバックシート54を接合して形成してもよい。
次に、図7に示すように、基板部55、封止材シート32、太陽電池セル20、透明封止材シート31、および透光性基板40をこの順に重ねて配置する。
例えば、基板部55上に接合材転写シート34を移動し、剥離シート14上の識別マーク14c、14dによって基板部55に対する位置合わせを行ってから剥離シート14を除去し、接合材複合シート33を基板部55上に位置決めして配置する。
次に、図示は省略するが、接合材複合シート33上の導電性樹脂層12bとの位置合わせを行いながら、太陽電池セル20を配置する。すべての太陽電池セル20を配置したら、透明封止材シート31、透光性基板40を積層させる。
このようにして、図8に示すように、基板部55、接合材複合シート33、太陽電池セル20、透明封止材シート31、および透光性基板40が積層する積層体50Aが形成される。
このとき、接続電極20aおよび導電性樹脂層12bと、アルミニウム電極53および導電性樹脂層12aとは、すべて互いに当接していることが好ましい。
次に、ラミネーターを用いて、真空下で、積層体50Aを加熱しつつ積層方向に加圧する真空加圧ラミネートを行う。
このときの加熱温度、加圧力の加工条件は、封止材シート32と透明封止材シート31とが軟化して変形し、それぞれが隣接する部材の表面と密着して接着可能な温度であって、かつ導電性樹脂層12bおよび接続電極20aと、導電性樹脂層12aおよびアルミニウム電極53とが接合可能な加熱温度、加圧力とする。
このようなラミネート加工により、アルミニウム電極53と金属層11の第1端面11aとの間、および接続電極20aと金属層11の第2端面11bとの間に、それぞれ挟まれた導電性樹脂層12a、12bが、厚さ方向に加圧されるとともに加熱される。
これにより、導電性樹脂層12a、12bが硬化して、金属層11とアルミニウム電極53および接続電極20aが接着される。
また、導電性樹脂層12a、12b内の導電性粒子が、それぞれ金属層11の第1端面11aおよびアルミニウム電極53と、金属層11の第2端面11bと接続電極20aとに当接して密着する。このとき、金属層11、アルミニウム電極53、接続電極20aの表面に、酸化被膜が形成されている場合でも、導電性粒子との接触により各表面に発生した応力集中によって、酸化被膜が突き破られることで、電気接続が得られる。
また、このようなラミネート加工の加熱により、封止材シート32と透明封止材シート31とが軟化して変形し一体化される。また、軟化が進んだ封止材シート32と透明封止材シート31とは流動しそれぞれが隣接する部材の表面と密着される。これにより、太陽電池セル20の外周部が封止され、基板部55と透光性基板40との間に、封止材30の層が形成される。
このようにして、加熱が終了すると、積層体50Aの各層間が接着された状態で固化し、図1に示すような太陽電池モジュール50が形成される。
このような太陽電池モジュール50によれば、太陽電池セル20と基板部55とを電気的に接続する際に、アルミニウム電極53は表面に酸化膜が生じるため、はんだづけ等では特殊な処理が必要となるのに対して、本実施形態では、導電性樹脂層12aを用いることで、酸化膜除去のための表面処理等を行うことなく、良好に電気的な接続を行うことができる。このため、電気的な接続の工程が簡素化される。
また、接合材10によって、太陽電池セル20と基板部55とが接続されているため、厚さが変わっても良好な電導性が得られる金属層11の厚さを適宜の厚さに設定するのみで、接続電極20aとアルミニウム電極53との間の電極間距離を変更することができる。
また、導電性樹脂層12a、12bは、それぞれ、アルミニウム電極53、接続電極20aとの間に必要な接着強度や導電性が得られる一定の厚さや材質を採用することができる。
したがって、接続電極20aとアルミニウム電極53との間の電極間距離の大きさによらず、接続電極20aとアルミニウム電極53とを良好に電気接続することができる。
また、電極間距離が大きく取る必要がある場合でも、容易に組み立てを行うことができる。
また、金属層11には、導電性樹脂層12a、12bと比べて安価な材料を採用することができるため、高価な導電性樹脂層12a、12bの使用量を抑制することができ、太陽電池モジュール50の製造コストを低減することができる。
また、接合材10と接続電極20a、アルミニウム電極53との接合は、太陽電池モジュール50を形成するラミネート加工と同時に行うことができる。このため、接合材10と接続電極20a、アルミニウム電極53とを接合する工程を別に設ける場合に比べて、作業効率が向上し、工程数も低減することができる。
また、接合材10は、接合材複合シート33内において、太陽電池モジュール50の各接続電極20aと重ね合わせ可能な位置関係に配置されているため、接合材複合シート33を基板部55および各太陽電池セル20に位置合わせするのみで、各接合材10の位置合わせを一括して行うことができる。このため、多数の接合材10を移動配置する手間を省くことができるため、配置作業が容易となる。
[第1〜第3変形例]
次に、本実施形態の第1〜第3変形例について説明する。
図9(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態の第1〜第3変形例の太陽電池モジュールに用いる太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な断面図である。
上記第1の実施形態では、接合材10が封止材シート32と同様な厚さを有する場合の例で説明したが、第1〜第3変形例は、太陽電池用接合材の厚さが、封止材シート32よりも厚い場合の例である。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9(a)に示すように、第1変形例の接合材複合シート33A(太陽電池用接合材組立体)は、上記第1の実施形態の接合材複合シート33に代えて、太陽電池モジュール50に用いることができるものであり、接合材10に代えて接合材10A(太陽電池用接合材)を備える点が接合材複合シート33と異なる。
接合材10Aは、上記第1の実施形態接合材10の金属層11を、封止材シート32と同様な厚さt32を有する金属層11A(接合材本体)に代えたものである。
接合材10Aは、金属層11Aの第1端面11a、第2端面11bをそれぞれ封止材シート32のシート面に整列された状態で貫通孔32aに挿入されている。これにより、導電性樹脂層12a、導電性樹脂層12bが、封止材シート32から厚さ方向に突出した状態になっている。
本変形例の接合材複合シート33Aによれば、接合材10Aの第1端面10a、10bが封止材シート32の表面から突出しているため、接合材複合シート33Aを基板部55および太陽電池セル20と積層したとき、アルミニウム電極53、接続電極20aと確実に接触させることができる。
また、接合材複合シート33Aによれば、導電性樹脂層12a、12bを形成する第1端面11a、第2端面11bが封止材シート32の表面に整列しているため、例えば、金属層11Aを貫通孔32aに挿入した後に導電性樹脂層12a、12bを形成する製造方法の場合に、金属層11Aと封止材シート32との組立体が凹凸のないシート部材になるため、取り扱いが容易となり、導電性樹脂層12a、12bの転写、印刷、塗布、貼り付け等が容易となる。
また、金属層11Aと封止材シート32との組立体を形成する際、例えば、封止材シート32を平板上に支持し、平板と貫通孔32aによって形成された凹所上に金属層11Aを配置して、封止材シート32の表面をローラ等によって押圧して、表面を平らにすれば形成することができる。このため、金属層11Aの挿入量の管理が不要となるため、製造が容易となる。
図9(b)に示すように、第2変形例の接合材複合シート33B(太陽電池用接合材組立体)は、上記第1の実施形態の接合材複合シート33に代えて、太陽電池モジュール50に用いることができるものであり、接合材10に代えて接合材10B(太陽電池用接合材)を備える点が接合材複合シート33と異なる。
接合材10Bは、上記第1の実施形態接合材10の金属層11を、厚さt11B(ただし、t11B>t32)を有する金属層11B(接合材本体)に代えたものである。
接合材10Bは、金属層11Bの第1端面11a、第2端面11bをそれぞれ封止材シート32のシート面の外側にそれぞれ突出させた状態で貫通孔32aに挿入されている。これにより、導電性樹脂層12a、導電性樹脂層12bとともに、金属層11Bの一部も封止材シート32から厚さ方向に突出した状態になっている。
本変形例の接合材複合シート33Bによれば、接合材10Bの第1端面10a、第2端面10bが封止材シート32の表面から突出しているため、接合材複合シート33Bを基板部55および太陽電池セル20と積層したとき、アルミニウム電極53、接続電極20aと確実に接触させることができる。
図9(c)に示すように、第3変形例の接合材複合シート33C(太陽電池用接合材組立体)は、上記第1の実施形態の接合材複合シート33に代えて、太陽電池モジュール50に用いることができるものであり、接合材10に代えて接合材10C(太陽電池用接合材)を備える点が接合材複合シート33と異なる。
接合材10Cは、上記第1の実施形態接合材10の金属層11を、厚さt11C(ただし、t11C<t32)を有する金属層11C(接合材本体)に代えたものである。
接合材10Cは、第1端面10aが、封止材シート32の一方のシート面(図示側のシート面)に整列し、第2端面10bが封止材シート32の他方のシート面から突出させた状態で貫通孔32aに挿入されている。
また本変形例では、t11C=t32−t12aとすることにより、金属層11Cの第2端面11bが封止材シート32の他方のシート面と整列し、導電性樹脂層12bのみが封止材シート32から突出するようになっている。
本変形例の接合材複合シート33Cによれば、接合材10Cの第2端面10bが封止材シート32の表面から突出しているため、接合材複合シート33Cを太陽電池セル20と積層したとき、接続電極20aと確実に接触させることができる。
また、接合材10Cの第1端面10aが封止材シート32の表面と整列していることにより、接合材複合シート33Cを基板部55と積層したとき、封止材シート32と基板部55との間に発生する隙間を低減することができる。このため、ラミネート加工時に封止材シート32と基板部55とが素早く密着するため、加工時間を短縮することができる。
[第4変形例]
次に、本実施形態の第4変形例について説明する。
図10(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の第4変形例の太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な断面図および分解図である。
図10(a)、(b)に示すように、本変形例の接合材複合シート33D(太陽電池用接合材組立体)は、上記第1の実施形態の接合材複合シート33に代えて、太陽電池モジュール50に用いることができるものであり、接合材10、封止材シート32に代えて接合材10D(太陽電池用接合材)、封止材シート32Dを備える点が接合材複合シート33と異なる。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
接合材10Dは、上記第1の実施形態接合材10の金属層11よりも厚さが薄い金属層11D(接合材本体)に代えて、接合材10Dとして厚さをt10D(ただし、t10D<t32)にしたものである。
封止材シート32Dは、貫通孔32aの一端側(図示の上側)に貫通孔32aの直径w32aよりも大径、かつ接続電極20aの直径w20aよりも小径である直径w32bを有する円穴部32bが設けられたものである。
円穴部32bの深さは、接続電極20aの厚さ寸法より大きな深さに形成されている。
このような封止材シート32Dの貫通孔32a、円穴部32bは、これら形状を転写する金型を用いたプレス加工によって形成することができる。
接合材10Dは、図10(a)に示すように、接合材10Dの第1端面10aが貫通孔32aの形成された方の封止材シート32Dのシート面と整列し、接合材10Dの第2端面10bが、円穴部32bの内部側に位置する状態で貫通孔32aに挿入されている。第2端面10bは、円穴部32bが形成された方の封止材シート32Dのシート面の側に露出されている。
本変形例の接合材複合シート33Dによれば、図10(a)に示すように、第2端面10bを接続電極20aと当接させる際に、接続電極20aの一部が円穴部32bの内部に挿入された状態で、当接させることができる。
このため、接合材複合シート33Dを太陽電池セル20と積層したとき、封止材シート32Dの円穴部32b側のシート面と、太陽電池セル20の裏面20cとの間の隙間を低減することができる。このため、ラミネート加工時に封止材シート32Dと太陽電池セル20の裏面20cとが素早く密着するため、加工時間を短縮することができる。
また、t10D<t32であるので、ラミネート加工時にセル接続パットへ加わる圧力が分散され、セル割れを防止できる。
また、円穴部32bは、接続電極20aを挿入する際のガイドとしても利用できるため、太陽電池セル20を配置する際の作業効率が向上する。
[第5変形例]
次に、本実施形態の第5変形例について説明する。
図11(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の第5変形例の太陽電池用接合材組立体の構成を示す模式的な断面図および分解図である。
図11(a)、(b)に示すように、本変形例の接合材複合シート33E(太陽電池用接合材組立体)は、上記第1の実施形態の接合材複合シート33に代えて、太陽電池モジュール50に用いることができるものであり、接合材10、封止材シート32に代えて接合材10D、封止材シート32Eを備える点が接合材複合シート33と異なる。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
封止材シート32Eは、上記第1の実施形態の封止材シート32の貫通孔32aに代えて、テーパ孔32cを備える。
テーパ孔32cは、図11(b)に示すように、封止材シート32Eの一端側(図示の上側)の直径がw32c2(ただし、w32c2>w10)、封止材シート32Eの他端側(図示の下側)の直径がw32c1(ただし、w32c1<w10)とされ、内周面が直径w32c2からw32c1まで、漸次縮径する円錐面で構成されている。
このような封止材シート32Eのテーパ孔32cは、これら形状を転写するプレス型を用いたプレス加工によって形成することができる。この円錐面の頂角は、40°±10°程度が好ましい。
接合材10Dは、図11(a)に示すように、接合材10Dの第1端面10aが封止材シート32Eの他端側で、封止材シート32Eのシート面と整列し、接合材10Dの第2端面10bが、テーパ孔32cの内部側に位置する状態でテーパ孔32cに挿入されている。第2端面10bは、封止材シート32Eの一端側に露出されている。
このような接合材複合シート33Eは、図11(b)に示すように、テーパ孔32cの大径側の開口から、接合材10Dを挿入することにより形成することができる。
この場合テーパ孔32cの小径側の開口は、接合材10Dが挿入されるにつれて変形する。このため、接合材10Dにおいて金属層11Dの導電性樹脂層12a側の側面が、テーパ孔32cに圧入された状態になって接合材10Dが係止される。
本変形例の接合材複合シート33Eによれば、図11(a)に示すように、第2端面10bを接続電極20aと当接させる際に、接続電極20aの一部がテーパ孔32cの内部に挿入された状態で、当接させることができる。
このため、接合材複合シート33Eを太陽電池セル20と積層したとき、封止材シート32Eの一端側のシート面と、太陽電池セル20の裏面20cとの間の隙間を低減することができる。このため、ラミネート加工時に封止材シート32Eと太陽電池セル20の裏面20cとが素早く密着するため、加工時間を短縮することができる。
また、t10D<t32であるので、ラミネート加工時にセル接続パットへ加わる圧力が分散され、セル割れを防止できる。
また、テーパ孔32cは、上記第4変形例の段穴形状に比べて形状が簡素であるため、加工が容易となる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールについて説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールの構成を示す模式的な断面図である。
図12に示すように、本実施形態の太陽電池モジュール80は、上記第1の実施形態の太陽電池モジュール50に、黒色のソルダーレジスト81を追加したものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態のソルダーレジスト81は、各アルミニウム電極53の間の隙間、およびアルミニウム電極53上の幅方向の両端部を被覆して、アルミニウム電極53の表面が透光性基板40側から視認できないように、黒色塗装している。これにより、太陽電池セル20の接続電極20aと対向可能な位置に、凹穴部87が形成され、凹穴部87の穴底にアルミニウム電極53が部分的に露出されている。
本実施形態では、凹穴部87は、一例として、接合材10の直径w10よりも大径のw87の円穴状に設けられている。これにより、平面視では、直径w87の大きさのアルミニウム電極53が露出されている。
ただし、凹穴部87の形状や大きさは、接合材10が配置可能な大きさのアルミニウム電極53が露出されていれば、これに限定されない。例えば、角穴等の多角形穴状に設けられていてもよいし、アルミニウム電極53の櫛歯状部53A、53Bの長さ方向に沿って延びる線状の凹穴部でもよい。
このような構成の太陽電池モジュール80は、基板部55上に、アルミニウム電極53を形成してから、ソルダーレジスト81を形成する点を除いて、上記第1の実施形態と同様にして製造することができる。
本実施形態の太陽電池モジュール80によれば、ソルダーレジスト81を備えるため、接続電極20aとアルミニウム電極53との間の電極間距離を、上記第1の実施形態よりも大きくとる必要がある。しかし、厚さを変えても、良好な電気接続が行える接合材10を用いるため、電極間距離をより大きく取る必要があっても、第1の実施形態と同様に、電極同士を良好に接続することができ、かつ接続時の作業効率を向上することができる。
なお、上記各実施形態および各変形例の説明では、アルミニウム電極53が細長い線状部を有する櫛歯状の配線パターンが形成された場合の例で説明したが、このようなアルミニウム電極53上に、例えば、銅箔等の他の金属箔を貼り付けるなどして、接続電極20aに対向する位置において、アルミニウム電極53よりも狭い領域に、接合材10等を接続する配線用電極を形成してもよい。
また、上記各実施形態および各変形例の説明では、配線用電極として、アルミニウム電極53を用いた場合の例で説明したが、配線用電極の材質は、アルミニウムやアルミニウム合金には限定されない。例えば、銅や銅合金、鉄や鉄合金、ニッケルやニッケル合金などを用いることも可能である。
また、上記各実施形態および各変形例の説明では、接続電極20aが平面視円形の場合の例で説明したが、これは一例であって、接続電極20aの形状はこれに限定されない。例えば、四角形等の多角形、楕円形、帯状、線状等の適宜の形状を採用することができる。
また、上記各実施形態および各変形例の説明では、一例として、接合材複合シート33等の太陽電池用接合材組立体に設けられた接合材10等の太陽電池用接合材が、1つの太陽電池モジュール50に対応する個数だけ設けられた場合の例で説明したが、太陽電池用接合材組立体は、複数の太陽電池モジュールを一括して製造できる大きさや形状に設けることが可能である。
また、太陽電池用接合材組立体は、1つの太陽電池モジュール50を複数に分割した大きさや形状に設けることも可能である。この場合、太陽電池接合材組立体を複数枚並べた状態で、基板部55や太陽電池セル20と積層してラミネート加工することで、太陽電池モジュール50を形成することができる。
また、上記各実施形態および各変形例の説明では、接合材複合シート33に剥離シート14が密着された接合材転写シート34を用いる場合の例で説明したが、接合材複合シート33の表面に剥離シート14を密着させることは必須ではない。
例えば、接合材複合シート33を製造した工程から、接合材複合シート33を搬送して、そのまま、基板部55等に積層させるようにしてもよい。その際、接合材複合シート33の位置合わせは、封止材シート32の外形や、封止材シート32に挿入された接合材10等の画像などを位置測定に用いることができる。
また、剥離シート14を有する場合でも、同様に、封止材シート32や接合材10によって位置測定を行うことができるため、識別マーク14c、14dは必須ではない。
また、上記各実施形態および各変形例の説明では、接合材転写シート34が、ロール状に巻かれたものとして説明したが、切断されたシート状に形成された場合、ロール状に巻く必要なく、平面状に積層させておくことができる。
また、上記各実施形態および各変形例の説明では、太陽電池用接合材が、接合材本体に第1の導電性樹脂層と第2の導電性樹脂層とを有する場合の例で説明したが、電極に酸化膜が形成されない場合等、導電樹脂層を用いることなく容易に電気接続が行える場合には、第1の導電性樹脂層および第2の導電性樹脂層の少なくともいずれかを、導電性樹脂層以外の導電性接続材料に置換してもよい。
このような導電性接続材料としては、例えば、はんだ層を挙げることができる。このような導電性接続材料は、太陽電池モジュールを製造する際のラミネート工程における加熱や加圧によって、電極と接合可能な材料であれば、より好ましい。
例えば、太陽電池用接合材組立体として、剥離シートと接着される側に導電性樹脂層が用いられ、これと反対側に導電性樹脂層と異なる導電性接続材料を設けた構成も好適である。
また、上記に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを代えたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記第1の実施形態において接合材複合シート33を製造する際に接合材10または金属層11を封止材シート32と溶融接合してもよいことを述べたが、このような溶融接合は、上記第1の実施形態の第1〜第5変形例における各接合材複合シートの製造にも採用することが可能である。
次に、上記第1の実施形態の第1変形例の太陽電池用接合材組立体、および太陽電池モジュールの具体的な実施例について、比較例とともに説明する。
[実施例1]
本実施例の接合材複合シート33A、封止材シート32として、厚さ200μmの黒色のEVAフィルムを用い、貫通孔32aの直径は3mmとした。
金属層11Aとして、厚さ200μm、直径3mmの高純度アルミニウム(純度99%以上)からなるアルミニウム板を用いた。
接合材複合シート33Aに金属層11Aを挿入した後、剥離シート14上に貫通孔32aと同じ位置に直径3mmで円状にハーフカットされた導電性樹脂層12a、12bを作製し、金属層11Aの第1端面11a、第2端面11bに転写した。
このようにして、接合材複合シート33を製造した。
ここで、導電性樹脂層12a、12bおよび剥離シート14としては、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス(株)製SP100(商品名)を用いた。このSP100における導電性樹脂層は、エポキシ系の熱硬化型樹脂バインダの中に導電粒子としてニッケル粒子を分散させたものである。
本実施例の太陽電池モジュール50は、太陽電池セル20の接続電極20aの配置に合わせたアルミニウム電極53を形成した基板部55、接合材複合シート33、太陽電池セル20、透明封止材シート31、厚さ3mmのガラス板からなる透光性基板40をこの順に積層し、モジュールラミネータによりモジュールラミネートを行うことにより作製した。
ここで、透明封止材シート31は、厚さ300μmの透明なEVAフィルムを用いた。
モジュールラミネートの条件は、真空にて150℃で3分間、続いて150℃、大気圧で、12分間、積層方向に加圧した。
このようにして製造した太陽電池モジュール50は、アルミニウム電極53に対して太陽電池セル20が良好に電気接続されており、導通不良などは発生しなかった。
[比較例]
本比較例は、上記実施例1の太陽電池モジュール50において、接合材10Aに代えて銀ペーストであるペルトロン(登録商標)S−3031(商品名;ペルノックス(株)製)を用いたものである。
このような太陽電池モジュールは、基板部55を形成した後、接続電極20aに銀ペーストをスクリーン印刷法により塗布してから、基板部55、封止材シート32、太陽電池セル20、透明封止材シート31、透光性基板40をこの順に積層し、モジュールラミネータによりモジュールラミネートを行うことにより作製した。
本比較例では、ペルトロン(登録商標)S−3031の塗布に、一箇所について3秒ほどの作業時間を要したため、上記実施例1〜3における接合材10の仮接着作業と比べると格段に長い作業時間を要した。
10、10A、10B、10C、10D、10E 接合材(太陽電池用接合材)
11、11A、11B、11C、11D 金属層(接合材本体)
11a 第1端面
11b 第2端面
11c 突起部
12a 導電性樹脂層(第1の導電性樹脂層)
12b 導電性樹脂層(第2の導電性樹脂層)
14 剥離シート
14c、14d 識別マーク
20、20A、20M、20N、20Z 太陽電池セル
20a 接続電極
20b 受光面
20c 裏面(裏面部)
30 封止材
31 透明封止材シート
32、32D、32E 封止材シート
32a 貫通孔
32b 円穴部
32c テーパ孔
33、33A、33B、33C、33D、33E 接合材複合シート(太陽電池用接合材組立体)
34 接合材転写シート(太陽電池用接合材組立体)
40 透光性基板
50、80 太陽電池モジュール
51 基材(配線用基板)
52 絶縁性接着剤層
53 アルミニウム電極(配線用電極)
54 バックシート
55 基板部
81 ソルダーレジスト
、U、U、U 単位群

Claims (6)

  1. 太陽電池セルの受光面と反対側の裏面部に設けられた前記太陽電池セルの複数の接続電極と、配線基板上の配線用電極とを接合して、前記接続電極と前記配線用電極とを互いに電気的に接続する太陽電池用接合材組立体であって、
    熱可塑性樹脂からなり、前記太陽電池セルの前記裏面部側から前記太陽電池セルを封止する封止材シートと、
    該封止材シートの厚さ方向の一方側に露出された第1端面と、前記封止材シートの厚さ方向の他方側に露出された第2端面とを有し、前記太陽電池セルの前記複数の接続電極と対向する位置関係に配置された接合材と、
    を備え、
    該接合材は、
    前記第1端面を形成する第1の導電性樹脂層と、
    前記第2端面を形成する第2の導電性樹脂層と、
    前記第1の導電性樹脂層と前記第2の導電性樹脂層とに挟まれた金属製の接合材本体と
    を備える太陽電池用接合材組立体。
  2. 前記接合材本体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用接合材組立体。
  3. 前記第1端面および前記第2端面のうちの少なくとも一方に剥離可能に密着された剥離シートと、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池用接合材組立体。
  4. 前記剥離シートは、前記接合材の位置を識別するための識別マークを有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用接合材組立体。
  5. 表面に配線用電極を有する配線基板と、
    請求項1または2に記載の太陽電池用接合材組立体と、
    受光面と反対側の裏面部に接続電極が設けられた太陽電池セルとを備え、
    前記配線基板の前記配線用電極と、前記太陽電池セルの前記接続電極とが、前記太陽電池用接合材組立体の前記接合材とによって互いに電気的に接続されるとともに、前記太陽電池用接合材組立体の前記封止材シートによって少なくとも前記太陽電池セルの前記裏面部が封止されている太陽電池モジュール。
  6. 前記配線基板、前記太陽電池用接合材組立体、前記太陽電池セル、および光透過性を有する熱可塑性樹脂からなる透明封止材シートがこの順に積層した積層部分を有し、
    該積層部分を含む積層体がラミネート加工により一体化されている
    ことを特徴する請求項5に記載の太陽電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016081938A (ja) * 2014-10-09 2016-05-16 凸版印刷株式会社 太陽電池モジュール
CN112018207A (zh) * 2020-08-14 2020-12-01 隆基绿能科技股份有限公司 一种透光复合层、叠层太阳能电池及其制备方法

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