JP6131169B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の変速歯車列からなる動力伝達経路を切り換えて自動的に変速を行う変速クラッチ等の摩擦係合要素を備えた自動変速機の変速制御装置に関し、特に、摩擦係合要素のフェーシングを焼損等の熱害から保護することができる変速制御装置に関する。
従来から、車両においては、変速クラッチ等の摩擦係合要素を選択的に締結制御することで、複数の変速歯車列からなる動力伝達経路を切り換えて、自動的に変速を行う自動変速機が広く採用されている。ところで、近年においては、エンジンの高出力化や自動変速機の変速品質向上等を目的として、自動変速機の変速動作(摩擦係合要素の締結動作)が頻繁に行われる傾向にあり、それに伴い、自動変速機においては、変速に供する摩擦係合要素の締結動作時の発熱量が増加する傾向にある。摩擦係合要素の発熱量が過大となると、摩擦係合要素の焼き付き(焼損)などが生じるおそれがあるため、摩擦係合要素を熱害から保護するための保護制御が必要となる。
この保護制御に関する従来技術として、特許文献1,2に記載の自動変速機の制御装置がある。特許文献1に記載の制御装置では、変速時に少なくとも締結すべき摩擦係合要素の温度を演算し、演算した温度が基準温度よりも高い場合において、さらに目標変速段への変速操作が締結すべき摩擦係合要素を使用したアップシフトである場合には、当該アップシフトのタイミングを所定時間遅延させる一方、目標変速段への変速操作がダウンシフトである場合には、当該ダウンシフトを遅延させずに許可するようにしている。
また、特許文献2に記載の制御装置では、摩擦係合要素の温度を算出するとともに、摩擦係合要素の入出力の差回転を検出し、該算出した摩擦係合要素の温度及び前記差回転と変速指令のパターンとに基づき摩擦係合要素の係合可否を判断し、摩擦係合要素に焼損を起こすおそれがある場合は係合不可と判断し、係合可と判断されるまで係合を遅延する。これにより、適切な冷却期間が設定されるので、摩擦係合要素を熱害から保護しつつ、係合制御を行うことができる。
特許第4913535号公報 特許第4913848号公報
ところで、従来の保護制御において摩擦係合要素の係合可否を判断するための閾値温度は、摩擦係合要素及び車両の全使用期間に渡って一定の値に設定(固定)されていた。そしてこの閾値温度は、摩擦係合要素の温度が一時的に上昇した場合に熱害による故障を防ぐ目的で設定された温度(すなわち、比較的に短い期間内の故障を防止する目的で設定された温度)であり、長い期間での摩擦係合要素及び車両の耐久性を考慮して設定された温度ではなかった。そのため、車両が長期に渡って使用された後では、保護制御のための閾値温度がその時点での摩擦係合要素の保護に最適な閾値温度と乖離する場合がある。そのような場合、摩擦係合要素の劣化が想定以上に進むことなどによって、自動変速機の保証期限内における摩擦係合要素の性能を維持できないおそれがあった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、摩擦係合要素の保護制御において、保護制御を行うための閾値温度を耐久性の観点から最適な値に設定することで、自動変速機の保証期限内における摩擦係合要素の性能の維持を図ることができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる自動変速機の制御装置は、複数の摩擦係合要素を選択的に係合して変速制御を行う自動変速機の制御装置であって、変速指令を出す変速指令手段と、前記摩擦係合要素の温度を算出する温度算出手段と、前記変速指令手段から変速指令が出されたときに、前記温度算出手段で算出した前記摩擦係合要素の温度(Tp)と予め設定された閾値温度(Tth)との比較に基いて前記摩擦係合要素の係合可否を判断する係合可否判断手段と、前記係合可否判断手段が前記摩擦係合要素の係合を不可と判断した場合には、係合可と判断するまで前記摩擦係合要素の係合を遅延する係合遅延手段と、前記自動変速機による変速動作が行なわれたときに前記複数の摩擦係合要素それぞれに入力される累積の負荷量(K)を算出する累積負荷算出手段と、を備え、前記係合可否判断手段は、前記累積負荷算出手段で算出された累積の負荷量(K)が所定量(K1,K2,K3)以上となったときに、前記摩擦係合要素の係合可否を判断するための閾値温度(Tth)を変更し、前記閾値温度(Tth)は、前記累積負荷算出手段で算出された前記累積の負荷量(K)が多い程、低い温度に設定されることを特徴とする。
本発明にかかる自動変速機の制御装置では、摩擦係合要素の温度が閾値温度以上になると当該摩擦係合要素の係合を禁止する保護制御を行う制御装置において、摩擦係合要素に入力される累積の負荷量を算出し、当該累積の負荷量に応じて摩擦係合要素の保護制御を実施(開始)するための閾値温度を変更するようにした。すなわち、摩擦係合要素の保護制御の適用範囲を累積の負荷量に応じて段階的に変更する。これにより、摩擦係合要素の使用態様に応じた適切な保護制御が可能となるので、自動変速機の保証期限内における摩擦係合要素の性能の維持を図ることができる。
そして、摩擦係合要素の累積の負荷量が多い程、摩擦係合要素の劣化が進んでいると判断できる。したがって本発明では、摩擦係合要素の保護制御を実施するための閾値温度をより低い温度に設定する。これにより、長期間の使用に対する摩擦係合要素及び車両の耐久性を考慮して設定された適切な閾値温度となるので、摩擦係合要素の確実な保護を図ることができ、自動変速機の保証期限内における摩擦係合要素の性能の維持を図ることができる。
また、上記の制御装置では、前記閾値温度(Tth)は、前記摩擦係合要素の使用限界における累積の負荷量(K3)と、当該摩擦係合要素の使用限界における車両の走行距離(L3)と、車両の実際の走行距離(L)に対する前記累積の負荷量(K)の変化量(α1〜α3)とに基づいて算出された値であってよい。
この構成によれば、摩擦係合要素の使用限界及び実際の使用態様に応じた適切な閾値温度を設定することができる。したがって、自動変速機の保証期限内における摩擦係合要素のより確実な性能の維持を図ることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる自動変速機の制御装置によれば、摩擦係合要素の保護制御を行うための閾値温度を耐久性の観点から最適な値に設定することで、摩擦係合要素の温度が一時的に上昇した場合に熱害から保護できるだけでなく、自動変速機の保証期限内における摩擦係合要素の性能の維持を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る自動変速機の制御装置を備えた車両の動力伝達系統及び制御系統の概略を示すブロック図である。 本発明に係る自動変速機の制御装置の機能的構成を示すブロック図である。 本発明に係る自動変速機の制御装置の機能をコンピュータプログラムによって実現する場合の一例を示すフローチャートである。 各温度領域において変速指令のパターンと差回転との組み合わせに応じてクラッチ係合可否を判定する基準を規定する変速規制ルールを示す表である。 特殊な変速規制ルールに従う係合可否判断及び制御の処理手順を示すフローチャートである。 変速規制を行う際に用いるクラッチのプレート温度の閾値を変更する手順を説明するためのフローチャートである。 クラッチ負荷量の計算手順を示すフローチャートである。 車両の走行距離とクラッチ負荷量との関係を示すグラフである。 変速制御におけるクラッチのプレート温度と変速段との経時変化を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動変速機の制御装置を備えた車両の動力伝達系統及び制御系統の概略を示すブロック図である。車両の動力伝達系統は、動力源であるエンジン1と、エンジン1の回転出力を変速ギア機構3に伝達するための流体継手であるトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2の回転出力を入力して設定された速度比で変速して出力する変速ギア機構3と、変速ギア機構3の出力回転を左右の車輪(例えば後輪)5に分配するディファレンシャルギア機構4とを含む。トルクコンバータ2及び変速ギア機構3に付属して油圧制御装置6が設けられており、この油圧制御装置6はトルクコンバータ2及び変速ギア機構3内に設けられている油圧制御型の複数の摩擦係合要素(クラッチなど)を所定の組み合わせで係合又は解放することにより、トルクコンバータ2のロックアップや、該変速ギア機構3における入出力速度比を所要の変速段に設定することを行う。車両の自動変速機は、これらのトルクコンバータ2、変速ギア機構3、油圧制御装置6などによって構成される。
車両の動力伝達系統を制御するための制御系統は、車両の各部に設けられたセンサと、該各センサの出力が入力される電子制御ユニット(ECU)10と、電子制御ユニット10によって制御される油圧制御装置6などで構成される。回転センサ11は、トルクコンバータ2の入力軸の回転数(エンジン回転数)Neを検出し、回転センサ12は、変速ギア機構3の入力軸の回転数Niを検出し、回転センサ13は、変速ギア機構3の出力軸の回転数Noを検出し、車速センサ14は、車速Nvを検出する。スロットルセンサ15は、アクセルペダルの踏み込みに応じて開度が設定されるエンジン1のスロットルの開度を検出する。ATF温度センサ16は、油圧制御装置6における作動油の温度(ATF油温)TATFを検出する。冷却水温センサ17は、エンジン冷却液の温度を検出する。
図1に示した車両の動力伝達系統及び制御系統の具体的構成は、公知の構成を適宜採用してよい。本発明に係る自動変速機の制御装置は、電子制御ユニット10に含まれるものであり、該電子制御ユニット10が実現可能な種々の制御機能のうちの一つとして実施される。以下述べる実施例においては、本発明に係る自動変速機の制御装置は、電子制御ユニット10が具備するコンピュータプログラムによって実行される。しかし、本発明に係る制御装置は、コンピュータプログラムに限らず、専用の電子回路ハードウェアで構成することができるのは勿論である。
図2は、本発明に係る自動変速機の制御装置の機能的構成を示すブロック図である。これらの機能は具体的には電子制御ユニット10において実行される。
変速制御手段20は、車両の運転状態に応じて最適な変速段を決定し、決定した変速段にギアシフトすべきことを指示する変速指令を発生するもので、車両の自動変速制御技術において公知の構成を用いてよい。
温度算出手段21は、少なくとも変速に関係する摩擦係合要素(詳しくはクラッチプレート)の温度を算出するための演算を行う。具体的な温度算出法は、前記特許文献1などで公知の手法を用いてよい。
差回転算出手段22は、少なくとも変速に関係する摩擦係合要素(クラッチ)の入出力差回転を算出するための演算を行う。具体的な差回転算出法は、前記特許文献1などで公知の手法を用いてよい。
判断手段23は、算出した摩擦係合要素(クラッチ)の温度及び差回転と、変速制御手段20から発生された変速指令のパターンとに基づき、該変速指令によって指示される摩擦係合要素の係合可否を判断する。ここで、変速指令のパターンとは、今回発生された変速指令がアップシフトであるか、ダウンシフトであるか、あるいは1段以上を飛び越すダウンシフトであるか、あるいは2段以上の順次ダウンシフトであるか等、今回行うべき変速態様のことである。変速制御手段20から変速指令が発生されたときに該判断手段23が係合不可と判断したならば、油圧制御装置6に対して変速のためのクラッチ係合制御信号が与えられず、クラッチ係合がなされない(係合が保留される)。これにより、係合による発熱によりクラッチフェーシングが焼きつくことを防止する。係合が保留されることで、クラッチが冷却されると、温度算出手段21によりリアルタイムで算出される温度が低下する、あるいは差回転算出手段22でリアルタイムで算出される差回転が低下することにより、判断手段23が係合可と判断するようになり、油圧制御装置6に対して変速のためのクラッチ係合制御信号が与えられ、変速のためのクラッチ係合が行われる。こうして、クラッチの係合動作が適切に遅延される。
図3は、上記各手段20〜23の機能を電子制御ユニット10に搭載したコンピュータプログラムによって実現する場合の一例を示すフローチャートである。図3(a)におけるステップS1の「クラッチ発熱量推定」ルーチンと、ステップS2の「クラッチプレート温度推定」ルーチンが上記温度算出手段21の機能に相当する。ステップS1の「クラッチ発熱量推定」ルーチンの詳細例が図3(b)に示されており、ステップS2の「クラッチプレート温度推定」ルーチンの詳細例が図3(c)に示されている。また、図3(b)のステップS12で行われる「クラッチ差回転演算」が上記差回転算出手段22の機能に相当する。これらは、公知の機能であるため、以下の説明では簡単に説明する。図3(a)におけるステップS3の「クラッチプレート温度領域判定」ルーチン及びステップS4の「変速規制」ルーチンが上記判断手段23の機能に相当する。図3の処理ルーチンはタイマ割り込みによって繰り返し実行され、温度算出、差回転算出、判断等の演算処理がリアルタイムに実行される。
図3(a)において、ステップS1の「クラッチ発熱量推定」ルーチンでは、変速に関係する各クラッチ、つまり新たに係合されるクラッチ(ONクラッチ)と係合解除されるクラッチ(OFFクラッチ)、毎にそこで発生している発熱量をリアルタイムに推定する演算を行う。
この「クラッチ発熱量推定」ルーチンにおいては、図3(b)に示すように、まず、「クラッチトルク推定」ステップS11で、当該クラッチのクラッチトルクTCLを推定する演算を行う。たとえば、クラッチ締結指示圧及びその他の必要なパラメータに基づきクラッチの油充填率を演算し、これに基づきクラッチトルクTCLを算出する。
次の「クラッチ差回転演算」ステップS12では、当該クラッチの入出力差回転Δωを算出する。これは、変速機の入力回転数Ni及び出力回転数No及びギヤ比に基づき算出される。
次の「クラッチ発熱量演算」ステップS13では、当該クラッチの単位時間のクラッチ発熱量ΔQを、例えばクラッチトルクTCLと差回転Δωの積(ΔQ=TCL・Δω)として、算出する。なお、ここで、単位時間とは、図3の処理ルーチンをタイマ割り込みによって繰り返すときの割り込み周期に相当する。
図3(a)において、ステップS2の「クラッチプレート温度推定」ルーチンでは、各クラッチのクラッチプレート温度を推定する演算を行う。ここでは、すべてのクラッチの現在のクラッチプレート温度を推定し、管理する。すなわち、発熱による温度上昇は締結クラッチで発生するが、係合解除後の冷却による温度低下はすべてのクラッチでリアルタイムに進行し、当該非締結クラッチが変速操作によって次の係合対象となるとき、即座に現在のクラッチプレート温度を算出できるようにするためには、すべてのクラッチの現在のクラッチプレート温度を推定し、管理する必要がある。
この「クラッチプレート温度推定」ルーチンにおいては、図3(c)に示すように、まず、「上昇温度演算」ステップS21で、上記クラッチ発熱量ΔQに基づき当該クラッチの上昇温度Hpを算出する。上昇温度Hpとは、タイマ割り込みで繰り返し実行される図3の処理ルーチンのタイマ割り込み1周期当りの時間で上昇すると推定される温度増分である。なお、今回の変速に関係しないクラッチについては、その上昇温度Hpを実質的に0としてよい。
「冷却温度演算」ステップS22では、各クラッチについての冷却温度Cpを算出する。この冷却温度Cpとは、上記タイマ割り込み1周期当りの時間で低下すると推定される温度減分である。例えば、温度低下要因となる各クラッチの潤滑油の油量と潤滑油温をパラメータとして冷却温度Cpを算出する。
「プレート温度演算」ステップS23では、各クラッチについての現在のクラッチプレート温度Tpを算出する。これは、当該クラッチについて前回演算で求めたクラッチプレート温度Tp_prevに対して上記上昇温度Hpと冷却温度Cpを加算及び減算することにより求められる。すなわち、
Tp=Tp_prev +Tp +Cp
である。なお、Cpの符号はマイナスであるとする。
図3(a)において、ステップS3の「クラッチプレート温度領域判定」ルーチンでは、各クラッチの現在のクラッチプレート温度Tpが複数の温度領域のいずれに属しているかを判定する。一例として、後述する図4に示すように、クラッチプレート温度領域として2つの温度領域が設定される。例えば、第1の温度領域(許可領域)はプレート温度Tpが閾値温度Tth未満の範囲、第2の温度領域(禁止領域)は、プレート温度Tpが閾値温度Tth以上の範囲である。
ステップS4の「変速規制」ルーチンでは、クラッチの係合可否を規定する所定の変速規制ルール(テーブル)を参照して、各クラッチの現在のクラッチプレート温度Tpが属する温度領域において係合が許可されるか否かを判断する。
この変速規制ルール(テーブル)は、例えば図4に示すように、上記のように設定された各温度領域において変速指令のパターンと差回転との組み合わせに応じてクラッチ係合可否を判定する基準を規定するものである。図4において、○は係合可を示し、×は係合不可を示し、△は差回転が所定閾値より大であれば係合不可とする若しくは条件付きで係合可とすることを示す。なお、△マークに付記された記号(♯1)は、差回転が所定閾値より大であるときの係合制御の形態が変速指令のパターンに応じて異なることを示している。
例えば、変速指令のパターンが「アップシフト」の場合、変速後の変速段(目標段)を実現するためのクラッチの現在のクラッチプレート温度Tpがどの温度領域に属しているかを判定する。これは、アップシフトの場合は、変速後(目標段)のクラッチ(係合しようとするクラッチ)の方が発熱が大であるからである。図4の「アップシフト」のコラムに示すように、当該クラッチの現在のクラッチプレート温度Tpが第1の温度領域(許可領域)に属しているならば当該クラッチの係合を許可する。しかし、現在のクラッチプレート温度Tpが第2の温度領域(禁止領域)に属しているならば、当該クラッチの係合を許可しない。
次に、変速指令のパターンが「ダウンシフト」の場合について説明する。「ダウンシフト」の場合は、変速前の変速段を実現しているクラッチ(係合解除されるべきクラッチ)の現在のクラッチプレート温度Tpがどの温度領域に属しているかを判定する。これは、ダウンシフトの場合は、変速前(現在の変速段)のクラッチ(係合解除されるべきクラッチ)の方が発熱が大であるからである。
変速指令のパターンが「1段のダウンシフト」の場合、図4の「ダウンシフト・1段変速」のコラムに示すように、当該クラッチの現在のクラッチプレート温度Tpが第1の温度領域(許可領域)に属しているならば係合可と判断し(○)、当該クラッチの係合解除と変速後(目標変速段)のクラッチの係合を許可する。しかし、現在のクラッチプレート温度Tpが第2の温度領域(禁止領域)に属しているならば、当該クラッチの差回転Δωを考慮した係合可否判断を行う(△)。図5(a)は、「△」に係る係合可否判断を行うためのフローチャートを略示する。すなわち、現在のクラッチプレート温度Tpが第2の温度領域(禁止領域)に属しており、かつ当該クラッチの差回転Δωが所定の閾値ω1以上であれば変速不可と判断する(ステップS31のYES)。一方、現在のクラッチプレート温度Tpが第2の温度領域(禁止領域)に属していても、当該クラッチの差回転Δωが所定の閾値ω1未満であれば変速可と判断する(ステップS31のNO)。この場合、変速不可と判断されたならば、変速前(現在の変速段)のクラッチ(係合解除されるべきクラッチ)の係合が持続されるが、やがて当該クラッチの差回転Δωが所定の閾値ω1未満となるか又は温度が第1の温度領域(許可領域)まで下がれば、変速可と判断され、変速指令に応じたダウンシフトが実行される。このように、変速規制を受ける領域では、変速可と判断されるまで変速(クラッチの係合)が遅延される。
変速指令のパターンが「2段以上を直接変速(いわゆる飛びダウンシフト)」の場合、図4の「ダウンシフト・2段以上の直接変速」のコラムに示すように、変速前(現在の変速段)のクラッチ(係合解除されるべきクラッチ)の現在のクラッチプレート温度Tpが第2の温度領域(禁止領域)に属しているならば、係合不可と判断する(×)。一方、現在のクラッチプレート温度Tpが第1の温度領域(許可領域)に属しているならば、当該クラッチの差回転Δωを考慮した係合可否判断及び制御を行う(△♯1)。
この条件付きの変速規制(△♯1)とは、第1の温度領域(許可領域)において当該クラッチの差回転Δωが所定の閾値以上であれば単純に係合不可と判断するのではなく、前段(例えば6速)から1段以上を飛び越す後段(例えば4速)への直接変速を不可とし、それに代えて、中間段(例えば5速)を経由する1段毎の順次ダウンシフトに変速指令を変更した上で係合可と判断して係合を行わせることからなる。図5(b)は、「△(♯1)」に係る係合可否判断及び制御を行うためのフローチャートを略示する。すなわち、当該クラッチの差回転Δωが所定の閾値ω2以上であれば、中間段を経由する1段毎の順次ダウンシフトに変速指令を変更した上で、変速可と判断する(ステップS32のYESからステップS33の処理)。その後、該中間段(例えば5速)のクラッチの係合解除を指示すると共に、ダウンシフトの目標段として後段(例えば4速)を指示して該後段(例えば4速)のクラッチの係合を行わせる。こうして、1段毎の順次ダウンシフトに切り換えてダウンシフトを行う。このように、1段以上を飛び越す直接変速ではなく、1段毎の順次ダウンシフトに変更することにより、前段クラッチの仕事分を中間段のクラッチに請け負わせることで前段クラッチの仕事量を下げ、もって発熱量を抑え、前段クラッチを焼損から保護する。なお、この条件付きの変速規制(△♯1)においては、当該クラッチの温度が第1の温度領域(許可領域)に属していても、その差回転Δωが該所定の閾値未満であれば変速可と判断する(ステップS32のNO)。
このように、本実施形態の制御では、クラッチの焼き付きなどの熱害を防止するために、クラッチの温度(プレート温度)Tpが閾値温度Tth以上になると、当該クラッチの係合を原則として禁止する保護制御を行うようにしている。
本実施形態の制御ではさらに、クラッチに入力される累積の負荷量(後述するクラッチ負荷量K)を算出し、当該累積の負荷量に応じてクラッチの保護制御を実施(開始)するためのプレート温度Tpの閾値温度Tthを変更するようにしている。すなわち、従来は固定値としていた閾値温度Tthをクラッチの使用状況に応じた変動値としている。つまり、図2に示すように、本発明に係る自動変速機の制御装置は、その機能的構成として、変速動作ごとにクラッチに入力される負荷を算出する負荷算出手段24と、負荷算出手段で算出した負荷の累積値である累積の負荷量を算出する累積負荷量算出手段25とを備えている。そして、判断手段23は、この累積負荷量算出手段25で算出した累積の負荷量に基いてクラッチの係合可否を判断するための温度閾値Tthを変更するようにしている。以下、この閾値温度Tthの変更手順について詳細に説明する。
図6は、上記の変速規制を行う際にクラッチのプレート温度Tpの閾値温度Tthを変更する手順を説明するためのフローチャートである。ここではまず、変速動作に伴うクラッチの係合によって当該クラッチに入力された累積の負荷量(以下、この量を「クラッチ負荷量K」と称す。)を計算する(ステップS51)。クラッチ負荷量Kの計算は、図7に示すフローチャート(サブルーチン)に従って行われる。すなわち、まず自動変速機による変速動作の最中であるか否かを判断する(ステップS511)。その結果、変速動作の最中でなければ(NO)、そのまま処理を終了する。一方、変速動作の最中であれば(YES)、クラッチ負荷量Kの計算を実施する(ステップS512)。
クラッチ負荷量Kは、下記の(式1)で表される。
K=ΣF(T,P,Q,N)/F(T0,P0,Q0,N0) (式1)
ここで、(T,T0)=クラッチのプレート温度(Tp)、(P,P0)=クラッチ圧、(Q,Q0)=変速動作の際にクラッチで発生する熱量、(N,N0)=クラッチの作動回数(係合回数)、である。T0,P0,Q0は、それぞれクラッチが劣化していない状態での初期値である。すなわち、クラッチの温度、変速回数、発熱量に基いて当該クラッチに入力された累積の負荷量(被害度)を算出する。なお、クラッチ負荷量Kとして、複数のクラッチそれぞれに入力される累積の負荷量が別個に算出される。なお、(式1)では、F(T,P,Q,N)とは、T,P,Q、Nの関数であることを示している。
そしてここでは、算出したクラッチ負荷量Kが予め定めた第1の値K1に達するまでの段階(0<K≦K1)をクラッチの保護制御のための初期段階とし、算出したクラッチ負荷量Kが第1の値K1を越えてから予め定めた第2の値K2(K1<K2)に達するまでの段階(K1<K≦K2)をクラッチの保護制御のための第1段階とし、算出したクラッチ負荷量Kが第2の値K2を越えてから予め定めた第3の値K3(K2<K3)に達するまでの段階(K2<K≦K3)をクラッチの保護制御のための第2段階とする。
そして、上記のクラッチ保護制御の初期段階(0<K≦K1)では、変速(クラッチの係合)の可否を判断するための閾値温度Tth=T1とする。また、第1段階(K1<K≦K2)では、変速の可否を判断するための閾値温度Tth=T2とする。また、第2段階(K2<K≦K3)では、変速の可否を判断するための閾値温度Tth=T3とする。ここで、T1,T2はあらかじめ定められた温度(一定値)であり、T3は、第1段階と第2段階の状況に応じて算出される温度である。T3の算出方法については後述する。閾値温度T1は一例としてT1=290℃、閾値温度T2は一例としてT2=275℃に設定することができる。
すなわち、図6のフローチャートに示すように、ステップST51でクラッチ負荷量Kを算出したら、続けて、算出したクラッチ負荷量KがK1より大きいか否かを判断する。その結果、クラッチ負荷量KがK1以下の場合(NO)には、閾値温度TthをT1から変更せずに処理を終了する。一方、クラッチ負荷量KがK1より大きい(K>K1)場合には(YES)、クラッチの保護制御に用いる閾値温度TthをT1からT2に変更する(持ち替える)。続けて、クラッチ負荷量KがK2より大きいか否かを判断する(ステップS54)。その結果、クラッチ負荷量KがK2以下の場合(NO)には、閾値温度TthをT2から変更せずに処理を終了する。一方、クラッチ負荷量KがK2より大きい(K>K2)場合には(YES)、クラッチ保護制御の第2段階で用いる閾値温度T3を算出する(ステップS55)。
ここで、閾値温度T3の算出手順について説明する。図8は、車両の走行距離(累積の走行距離)Lとクラッチ負荷量Kとの関係を示すグラフである。同図のグラフに示すように、クラッチ負荷量K=K1になったときの車両の走行距離L=L1であり、クラッチ負荷量K=K2になったときの車両の走行距離L=L2である。また、クラッチの保障距離(クラッチが使用限度に達する走行距離)L=L3であり、この保障距離L3に対応するクラッチ負荷量K=K3である。そして、クラッチ保護制御の初期段階(0<K≦K1)では、車両の走行距離L=L1に対するクラッチ負荷量K=K1の変化量α1は、下記の(式2)で表される。
α1=K1/L1 (式2)
また、クラッチ保護制御の第1段階(K1<K≦K2)では、車両の走行距離L=L2−L1に対するクラッチ負荷量K=K2−K1の変化量α2は、下記の(式3)で表される。
α2=(K2−K1)/(L2−L1) (式3)
また、クラッチ保護制御の第2段階(K2<K≦K3)では、車両の走行距離L=L3−L2に対するクラッチ負荷量K=K3−K2の変化量α3は、下記の(式4)で表される。
α3=(K3−K2)/(L3−L2) (式4)
これらから、クラッチ保護制御の第2段階で用いる閾値温度T3は、下記の式(5)で算出することができる。
T3=T2−{α3/(α1−α2)}・(T1−T2) (式5)
このように、閾値温度T3は、クラッチの使用限界におけるクラッチ負荷量K3と、当該クラッチの使用限界における車両の走行距離(累積の走行距離)L3と、車両の実際の走行距離Lに対するクラッチ負荷量Kの変化量α1〜α3とに基づいて算出することができる。T1=290℃、T2=275℃の場合、算出された閾値温度T3は、一例としてT3=250℃程度の温度になる。
図6のフローチャートに戻り、ステップST55で閾値温度T3を算出したら、クラッチの保護制御に用いる閾値温度TthをT2からT3に持ち替える。
ここで、変更した閾値温度Tthに基づいて行われる変速制御について説明する。図9は、変速制御におけるクラッチのプレート温度Tpと変速段nの経時変化を示すグラフであり、同図(a)は、変速規制のための閾値温度Tthを温度T1から温度T2に変更した場合、同図(b)は、変速規制のための閾値温度Tthを温度T2から温度T3に変更した場合のグラフである。また、同図(a)のグラフでは、一点鎖線で示すラインが閾値温度T1とそれに対応するプレート温度Tpの変化であり、点線で示すラインが閾値温度T2とそれに対応するプレート温度Tpの変化である。また、点線で示す変速段は、閾値温度T1に対応する変速段の切り替えを示しており、実線で示す変速段の変化は、閾値温度T2に対応する変速段の切り替えを示している。同様に、同図(b)のグラフでは、点線で示すラインが閾値温度T2とそれに対応するプレート温度Tpの変化であり、二点鎖線で示すラインが閾値温度T3とそれに対応するプレート温度Tpの変化である。また、点線で示す変速段は、閾値温度T2に対応する変速段の切り替えを示しており、実線で示す変速段の変化は、閾値温度T3に対応する変速段の切り替えを示している。
図9(a)に示す例では、変速制御の閾値温度TthをT1からT2に変更した場合、通常の変速制御(点線で示す変速段の切り替え)を行うと、同図の符号Aで示す3速段から4速段への変速段の切り替え(アップシフト)によって、プレート温度Tpが一時的に閾値温度T2を越えてしまうおそれがある(符号B)。このように、閾値温度TがT2を超えると予想される場合には、そのタイミングでの変速段の切り替えを不許可として(符号C)、閾値温度がT2を超えないと判断するまで変速段の切り換えを遅延させる(シフトホールド制御)。これにより、プレート温度Tpが閾値温度T2を越えない範囲に抑制される(符号D)。
同様に、図9(b)に示す例では、変速制御の閾値温度TthをT2からT3に変更した場合、通常の変速制御(点線で示す変速段の切り替え)を行うと、同図の符号Eで示す6速段から3速段へ飛び変速(飛びダウンシフト)によって、プレート温度Tpが一時的に閾値温度T3を越えてしまうおそれがある(符号F)。このように、プレート温度Tpが閾値温度T3を超えると予想される場合には、そのタイミングでの飛び変速を不許可として(符号G)、変速段の順次の切り替えを行うようにする。これにより、プレート温度Tpが閾値温度T3を越えない範囲に抑制される(符号H)。
以上説明したように、本実施形態の制御装置によるクラッチの保護制御では、自動変速機の変速指令が出されたときに、算出したクラッチのプレート温度Tpと、クラッチの差回転と変速指令のパターンとに対応して予め設定された閾値温度Tthとを比較することでクラッチの係合可否を判断し、クラッチの係合を不可と判断した場合には、係合可と判断するまでクラッチの係合(変速動作)を遅延する。このような制御において、自動変速機による変速動作が行なわれたときに各クラッチに入力される累積の負荷量(クラッチ負荷量K)を算出する。そして、この算出したクラッチ負荷量Kが所定以上となったときに、クラッチの係合可否を判断するための閾値温度Tthを変更するようにしている。
これにより、クラッチの保護制御の適用範囲を累積の負荷量に応じて段階的に変更することができる。したがって、クラッチの実際の使用態様に応じた適切な保護制御が可能となるので、自動変速機の保証期限内におけるクラッチの性能の維持を図ることができる。
すなわち、従来のクラッチの保護制御では,クラッチの係合可否を判断するための閾値温度は、クラッチの焼き付きなどによる損傷を防止する観点のみに基いて設定されていた。そしてこの閾値温度は、クラッチの全使用期間に渡って一定の値(固定値)であった。それに対して、本実施形態のクラッチ保護制御では、従来は固定値としていた閾値温度をクラッチの実際の使用態様に応じて算出される値(クラッチ負荷量K)に応じた変動値としている。
すなわち、クラッチ保護制御の閾値温度Tthをより低い温度に設定すれば、クラッチに入力される負荷が低くなる。しかしながら、変速制御における変速規制がより強く働いてしまうため、車両の走行性能に影響を及ぼすおそれがある。そのため、クラッチの全使用期間に渡って保護制御の閾値温度Tthを低い温度に設定することは、車両の良好な走行性能を確保する観点からは得策ではない。その一方で、クラッチの長期の使用後には、クラッチの耐久性を確保するために閾値温度Tthをより低い温度に設定する必要性が生じる。これに対して、本実施形態の制御では、クラッチの使用期間及び累積の負荷量に応じて、保護制御のための閾値温度Tthを変化させている。これにより、クラッチの使用期間の初期段階での車両の走行性能の確保と、長期の使用後における耐久性の確保との両立を図ることができるようにしている。
また、本実施形態の保護制御では、上記の閾値温度Tthは、累積の負荷量Kが多い程、低い温度に設定されている。すなわち、クラッチの累積の負荷量Kが多い程、クラッチの劣化が進んでいると判断できる。したがってその場合には、クラッチの保護制御を実施するための閾値温度Tthをより低い温度に設定する。これにより、長期間の使用に対するクラッチの及び車両の耐久性を考慮して設定された適切な閾値温度となるので、クラッチの確実な保護を図ることができ、自動変速機の保証期限内におけるクラッチの性能の維持を図ることができる。
また、本実施形態の制御装置では、クラッチ保護制御の第2段階で用いる閾値温度T3を算出する際に、クラッチの使用限界となる総負荷量(K3)と、クラッチの性能を保障する車両の走行距離(L3)と、クラッチ累積の負荷量(K)と車両の走行距離(L)とに基づいて算出される累積の負荷量の変化量とに基づいて閾値温度T3を算出(決定)するようにしている。
この構成によれば、クラッチの実際の使用態様に応じた適切な閾値温度を設定することができる。したがって、自動変速機の保証期限内におけるクラッチの性能の維持を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 変速ギア機構
4 ディファレンシャルギア機構
6 油圧制御装置
10 電子制御ユニット
11 回転センサ
12 回転センサ
13 回転センサ
14 車速センサ
15 スロットルセンサ
16 温度センサ
17 冷却水温センサ
20 変速制御手段
21 温度算出手段
22 差回転算出手段
23 判断手段(係合可否判断手段)
24 負荷算出手段
25 累積負荷量算出手段
K クラッチ負荷量(累積の負荷量)

Claims (2)

  1. 複数の摩擦係合要素を選択的に係合して変速制御を行う自動変速機の制御装置であって、
    変速指令を出す変速指令手段と、
    前記摩擦係合要素の温度を算出する温度算出手段と、
    前記変速指令手段から変速指令が出されたときに、前記温度算出手段で算出した前記摩擦係合要素の温度と予め設定された閾値温度との比較に基いて前記摩擦係合要素の係合可否を判断する係合可否判断手段と、
    前記係合可否判断手段が前記摩擦係合要素の係合を不可と判断した場合には、係合可と判断するまで前記摩擦係合要素の係合を遅延する係合遅延手段と、
    前記自動変速機による変速動作が行なわれたときに前記複数の摩擦係合要素それぞれに入力される負荷量を算出する負荷算出手段と、
    前記負荷算出手段で算出した負荷を累積して累積の負荷量を算出する累積負荷量算出手段と、を備え、
    前記係合可否判断手段は、
    前記累積負荷量算出手段で算出された累積の負荷量が所定量以上となったときに、前記摩擦係合要素の係合可否を判断するための閾値温度を変更し、
    前記閾値温度は、前記累積負荷量算出手段で算出された前記累積の負荷量が多い程、低い温度に設定される
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記閾値温度は、前記摩擦係合要素の使用限界における累積の負荷量と、当該摩擦係合要素の使用限界における車両の走行距離と、車両の実際の走行距離に対する前記累積の負荷量の変化量とに基づいて算出された値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
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