JP6130884B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、操縦安定性能を維持しつつ、耐偏摩耗性能を向上しうる空気入りタイヤに関する。
従来、ショルダー主溝とトレッド接地端との間で区分されるショルダー陸部に、トレッド接地端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、ショルダー主溝に至ることなく終端するショルダーラグ溝が設けられた空気入りタイヤが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。このような空気入りタイヤは、ショルダー陸部の周方向剛性を高めることができるため、操縦安定性能を向上しうる。
特開2013−139194号公報
しかしながら、上記のようなショルダー陸部では、ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の内端側での剛性が相対的に大きくなり、タイヤ軸方向で大きな剛性差が形成されやすい。このため、ショルダー陸部は、タイヤ軸方向の全域において、路面に柔軟に追従することができず、ショルダー陸部と路面との間ですべりが生じやすい。このようなすべりは、ショルダー陸部に偏摩耗を生じさせやすいという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ショルダー陸部に、第1ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の内端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、ショルダー主溝に連通する第1ショルダーサイプと、第1ショルダーサイプと交差してタイヤ周方向にのびる第2ショルダーサイプとを含むことを基本として、操縦安定性能を維持しつつ、耐偏摩耗性能を向上しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部に、最もトレッド接地端側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝を具えることにより、前記ショルダー主溝とトレッド接地端との間で区分される一対のショルダー陸部を具えた空気入りタイヤであって、前記ショルダー陸部の少なくとも一つは、複数本のショルダーラグ溝と、複数本のショルダーサイプとを具え、前記ショルダーラグ溝は、前記トレッド接地端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記ショルダー主溝に至ることなく終端する第1ショルダーラグ溝を含み、前記ショルダーサイプは、前記第1ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の内端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記ショルダー主溝に連通する第1ショルダーサイプと、前記第1ショルダーサイプと十字状に交差してタイヤ周方向にのびる第2ショルダーサイプとを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第2ショルダーサイプのタイヤ周方向の他端には、該第2ショルダーサイプの幅が大きくなる膨らみ部が設けられているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ショルダーサイプは、前記第1ショルダーラグ溝と、前記第2ショルダーラグ溝との間でタイヤ軸方向にのびる第3ショルダーサイプを含み、前記第3ショルダーサイプのタイヤ軸方向の内端は、前記第2ショルダーサイプに至ることなく終端するのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ショルダーラグ溝の溝壁と前記ショルダー陸部のトレッド接地面との出隅部には、面取が設けられるのが望ましい。
本明細書において、タイヤの各部の寸法は、特に断りがない限り、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された正規状態において特定される値とする。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"とするが、タイヤが乗用車用である場合には一律に180kPaとする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、最もトレッド接地端側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝を具えることにより、ショルダー主溝とトレッド接地端との間で区分される一対のショルダー陸部が設けられている。ショルダー陸部の少なくとも一つは、複数本のショルダーラグ溝と、複数本のショルダーサイプとが設けられている。
ショルダーラグ溝は、トレッド接地端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、ショルダー主溝に至ることなく終端する第1ショルダーラグ溝を含んでいる。このような第1ショルダーラグ溝は、排水性能を維持しつつ、ショルダー陸部の周方向剛性を高めることができる。従って、本発明の空気入りタイヤは、操縦安定性能を向上しうる。
ショルダーサイプは、第1ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の内端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記ショルダー主溝に連通する第1ショルダーサイプと、第1ショルダーサイプと交差してタイヤ周方向にのびる第2ショルダーサイプとを含んでいる。
このような第1ショルダーサイプ及び第2ショルダーサイプは、第1ショルダーラグ溝の内端とショルダー主溝との間の領域において、ショルダー陸部を効果的に変形させて、その剛性をさらに緩和することができる。第1ショルダーラグ溝の内端とショルダー主溝との間の領域は、ショルダー陸部の剛性が相対的に大きくなる領域である。このため、ショルダー陸部は、タイヤ軸方向の剛性差が小さくなり、路面に柔軟に追従することができるため、ショルダー陸部と路面との間ですべりが生じるのを効果的に防ぐことができる。従って、本発明の空気入りタイヤは、操縦安定性能を維持しつつ、耐偏摩耗性能を向上しうる。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッド部の一例を示す展開図である。 図1のA1−A1断面図である。 図1のA2−A2断面図である。 ショルダー陸部を拡大して示す展開図である。 図1のA3−A3断面図である。 ミドル陸部を拡大して示す展開図である。 センター陸部を拡大して示す展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1のトレッド部の一例を示す展開図である。図2は、図1のA1−A1断面図である。本実施形態のタイヤ1は、乗用車用タイヤとして構成されている。本実施形態のトレッド部2は、タイヤ赤道C上の任意の点に対する点対称のトレッドパターンとして形成されている。
トレッド部2には、最もトレッド接地端2t側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝3A、3Aと、タイヤ赤道Cの両側かつショルダー主溝3Aのタイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のセンター主溝3B、3Bとが設けられている。これにより、トレッド部2には、ショルダー主溝3Aとトレッド接地端2tとの間で区分される一対のショルダー陸部4A、4A、センター主溝3Bとショルダー主溝3Aとの間で区分される一対のミドル陸部4B、4B、及び、一対のセンター主溝3B、3B間で区分されるセンター陸部4C、4Cが設けられている。
「トレッド接地端2t」は、外観上、明瞭なエッジによって識別しうるときには当該エッジとする。なお、識別不能の場合には、前記正規状態のタイヤ1に、正規荷重を負荷してキャンバー角0度でトレッド部2を平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側で平面に接地する接地端が、トレッド接地端2tとして定められる。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" とするが、タイヤ1が乗用車用の場合には、前記荷重の88%に相当する荷重とする。
ショルダー主溝3A及びセンター主溝3Bは、タイヤ周方向に沿って直線状にのびるストレート溝として形成されている。このようなストレート溝は、トレッド部2のトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、タイヤ周方向に円滑に排出することができる。従って、タイヤ1は、排水性能を向上しうる。ショルダー主溝3A及びセンター主溝3Bの各溝幅W1a、W1bは、トレッド接地端2t、2t間のタイヤ軸方向の距離であるトレッド接地幅TWの8.0%〜15.0%程度が望ましい。また、ショルダー主溝3A及びセンター主溝3Bの溝深さD1a、D1b(図2に示す)は、6.0mm〜10.0mm程度が望ましい。
図3は、図1のA2−A2断面図である。ショルダー主溝3Aの溝壁3Awとショルダー陸部4Aのトレッド接地面2Sとの出隅部7には、面取8が設けられるのが望ましい。さらに、ショルダー主溝3Aの溝壁3Awとミドル陸部4Bのトレッド接地面2Sとの出隅部7にも、面取8が設けられるのが望ましい。このような面取8は、出隅部7で生じやすいチッピング等の損傷や、ショルダー陸部4A及びミドル陸部4Bの偏摩耗を防ぐことができる。このような作用を効果的に発揮させるために、面取8のタイヤ半径方向に対する角度α4aが、30度〜60度程度が望ましい。また、面取8の幅W4aは、0.5mm〜1.5mm程度が望ましい。
また、センター主溝3Bの溝壁(図示省略)とミドル陸部4Bのトレッド接地面2Sとの出隅部(図示省略)にも、面取(図示省略)が設けられるのが望ましい。さらに、センター主溝3Bの溝壁とセンター陸部4Cのトレッド接地面2Sとの出隅部(図示省略)にも、面取(図示省略)が設けられるのが望ましい。このような面取も、出隅部で生じやすいチッピング等の損傷や、ミドル陸部4B及びセンター陸部4Cの偏摩耗を防ぐことができる。
図1に示されるように、ショルダー陸部4Aは、タイヤ周方向に直線状にのびるストレートリブとして形成されている。このようなショルダー陸部4Aは、周方向剛性を高めることができ、操縦安定性能及び直進安定性能の向上に役立つ。なお、ショルダー陸部4Aのタイヤ軸方向の最大幅W2aは、トレッド接地幅TWの18.0%〜23.0%程度が望ましい。
ショルダー陸部4Aの少なくとも一つは、複数本のショルダーラグ溝5と、複数本のショルダーサイプ6とが設けられている。本実施形態では、複数本のショルダーラグ溝5、及び、複数本のショルダーサイプ6が、一対のショルダー陸部4A、4Aのそれぞれに設けられる。
図4は、ショルダー陸部4Aを拡大して示す展開図である。ショルダーラグ溝5は、トレッド接地端2tからタイヤ軸方向内側にのび、かつ、ショルダー主溝3Aに至ることなく終端している。このようなショルダーラグ溝5は、ショルダー陸部4Aの剛性低下を防ぎつつ、ショルダー陸部4Aのトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、トレッド接地端2t側に円滑に排出することができる。従って、ショルダーラグ溝5は、操縦安定性能及び排水性能の向上に役立つ。なお、ショルダーラグ溝5の溝幅W3は、トレッド接地幅TW(図1に示す)の2.5%〜8.5%程度が望ましい。また、ショルダーラグ溝5の溝深さD3(図2に示す)は、6.0mm〜10.0mm程度が望ましい。

図5は、図1のA3−A3断面図である。ショルダーラグ溝5の溝壁5wとショルダー陸部4Aのトレッド接地面2Sとの出隅部9には、面取10が設けられるのが望ましい。このような面取10は、出隅部9で生じやすいチッピング等の損傷や、ショルダー陸部4Aの偏摩耗を防ぐことができる。面取10のタイヤ半径方向に対する角度α4bは、図3に示した面取8の角度α4aと同一範囲に設定されるのが望ましい。さらに、面取10の幅W4bは、図3に示した面取8の幅W4aと同一範囲が望ましい。
図1に示されるように、本実施形態のショルダーラグ溝5は、タイヤ周方向に隔設される第1ショルダーラグ溝5Aと、タイヤ周方向で隣り合う一対の第1ショルダーラグ溝5A、5A間に一つ配置される第2ショルダーラグ溝5Bとを含んでいる。第1ショルダーラグ溝5A及び第2ショルダーラグ溝5Bは、タイヤ周方向に交互に配置されている。
図4に示されるように、第1ショルダーラグ溝5Aは、トレッド接地端2tを横切って配置される外側部11と、外側部11のタイヤ軸方向内側に配される内側部12とを含んで構成されている。

外側部11は、タイヤ軸方向に対して0度〜5度の角度α3で、タイヤ軸方向にのびている。このような外側部11は、例えば、その角度α3が大きく形成される場合(例えば、15度以上)に比べて、ショルダー陸部4Aの剛性を高めることができる。従って、タイヤ1は、操縦安定性能を向上することができる。
本実施形態の外側部11は、内側部12のタイヤ軸方向の外端から、タイヤ軸方向外側にのび、かつ、トレッド接地端2tを越えてバットレス部13側にのびている。また、外側部11の溝幅W3は、バットレス部13において、トレッド接地端2t側からタイヤ軸方向外側に向かって漸増している。このような外側部11は、バットレス部13の剛性を緩和することができ、ショルダー陸部4Aのトレッド接地端2t側での路面追従性を高めることができる。従って、ショルダー陸部4Aは、トレッド接地端2t側において、路面との間のすべりを抑制することができ、耐偏摩耗性能及び耐摩耗性能を向上しうる。また、外側部11は、バットレス部13の剛性を緩和することができるため、乗り心地を向上させることができる。なお、外側部11のバットレス部13での溝幅W3の最大値は、トレッド接地幅TW(図1に示す)の4.0%〜8.0%程度が望ましい。
タイヤ周方向で隣り合う外側部11、11のタイヤ軸方向の外端は、バットレス部13において、タイヤ周方向にのびる継溝14によって連結される。このような継溝14は、バットレス部13の剛性を効果的に緩和することができる。従って、継溝14は、ショルダー陸部4Aのトレッド接地端2t側の路面追従性を高めるのに役立つ。
内側部12は、タイヤ軸方向に対して、外側部11よりも大きな角度α3で傾斜してのびている。このような内側部12は、ショルダー陸部4Aのトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、外側部11に円滑に案内することができる。なお、内側部12の角度α3は、5度〜10度程度が望ましい。
内側部12は、外側部11側からタイヤ軸方向の内端12iに向かって先細状にのびている。このような内側部12は、ショルダー陸部4Aのタイヤ軸方向内側において、ショルダー陸部4Aの剛性低下を防ぐことができ、操縦安定性能を向上しうる。
第2ショルダーラグ溝5Bは、第1ショルダーラグ溝5Aと同様に、トレッド接地端2tを横切る外側部15と、外側部15のタイヤ軸方向の内端に配される内側部16とを含んでいる。
外側部15は、第1ショルダーラグ溝5Aの外側部11と同様に、タイヤ軸方向に対して0度〜5度の角度α3で、タイヤ軸方向にのびている。このような外側部15も、ショルダー陸部4Aの剛性低下を防ぐことができ、操縦安定性能の向上に役立つ。
外側部15は、第1ショルダーラグ溝5Aの外側部11と同様に、内側部16のタイヤ軸方向の外端からタイヤ軸方向外側にのび、トレッド接地端2tを越えてバットレス部13にのびている。また、外側部15のタイヤ軸方向の外端15oは、第1ショルダーラグ溝5Aの外側部11の外端よりも、タイヤ軸方向内側で終端している。従って、外側部15の外端15oは、継溝14に至ることなく終端している。このような外側部15は、ショルダー陸部4Aの剛性が過度に低下するのを防ぐことができ、操縦安定性能を維持しうる。
内側部16は、第1ショルダーラグ溝5Aの内側部12と同様に、タイヤ軸方向に対して、外側部15よりも大きな角度α3で傾斜してのびている。このような内側部16も、ショルダー陸部4Aのトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、外側部15に円滑に案内することができる。
本実施形態のショルダーサイプ6は、第1ショルダーサイプ6Aと、第2ショルダーサイプ6Bと、第3ショルダーサイプ6Cとを含んでいる。
第1ショルダーサイプ6Aは、第1ショルダーラグ溝5Aのタイヤ軸方向の内端5Aiからタイヤ軸方向内側にのび、かつ、ショルダー主溝3Aに連通している。このような第1ショルダーサイプ6Aは、第1ショルダーラグ溝5Aの内端5iとショルダー主溝3Aとの間の領域において、ショルダー陸部4Aの剛性を緩和することができる。第1ショルダーラグ溝5Aの内端5iとショルダー主溝3Aとの間の領域は、ショルダー陸部4Aの剛性が相対的に大きくなる領域である。これにより、第1ショルダーサイプ6Aは、ショルダー陸部4Aのタイヤ軸方向の剛性差を小さくすることができ、ショルダー陸部4Aの路面追従性を高めうる。従って、第1ショルダーサイプ6Aは、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能、及び、乗り心地の向上に役立つ。なお、第1ショルダーサイプ6Aの深さ(図示省略)は、4.0mm〜8.0mm程度が望ましい。
また、第1ショルダーサイプ6Aは、タイヤ軸方向に対して傾斜している。このため、第1ショルダーサイプ6Aは、タイヤ軸方向及びタイヤ周方向のエッジ成分を増加させることができ、操縦安定性能の向上に役立つ。
さらに、第1ショルダーサイプ6Aは、タイヤ軸方向外側からタイヤ軸方向内側に向かって、タイヤ軸方向に対する角度α5aが漸増するのが望ましい。このような第1ショルダーサイプ6Aは、第1ショルダーラグ溝5Aの内端5Aiとショルダー主溝3Aとの間において、ショルダー陸部4Aの剛性変化を滑らかにでき、操縦安定性能を向上しうる。第1ショルダーサイプ6Aの角度α5aは、10度〜30度が望ましい。
第2ショルダーサイプ6Bは、タイヤ周方向にのびる第1部分19を含んでいる。このような第1部分19は、タイヤ軸方向に対するエッジ成分を増加させることができ、操縦安定性能の向上に役立つ。
第1部分19は、第1ショルダーサイプ6Aと略十字状に交差している。このような第2ショルダーサイプ6Bは、第1ショルダーラグ溝5Aの内端5Aiとショルダー主溝3Aとの間の領域において、第1ショルダーサイプ6Aとともに、ショルダー陸部4Aを変形させて、その剛性を効果的に緩和することができる。これにより、第1部分19は、ショルダー陸部4Aのタイヤ軸方向の剛性差を確実に小さくすることができ、ショルダー陸部4Aの路面追従性を効果的に高めるのに役立つ。従って、ショルダー陸部4Aは、路面との間ですべりが生じるのを効果的に防ぐことができ、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能及び乗り心地を向上しうる。
このような作用を効果的に発揮させるために、第1部分19のタイヤ周方向の長さL5bは、タイヤ周方向で隣り合う一対の第2ショルダーラグ溝5B、5B間のタイヤ周方向の長さL6の80%〜95%に設定されるのが望ましい。なお、第1部分19の長さL5bが、第2ショルダーラグ溝5B、5B間の長さL6の80%未満であると、ショルダー陸部4Aのタイヤ軸方向の剛性差を十分に小さくできず、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能、及び、乗り心地が低下するおそれがある。逆に、第1部分19の長さL5bが、第2ショルダーラグ溝5B、5B間の長さL6の95%を超えると、ショルダー陸部4Aの剛性が過度に低下し、操縦安定性能を維持することができなくなるおそれがある。このような観点より、第1部分19の長さL5は、より好ましくは、第2ショルダーラグ溝5B、5B間の長さL6の85%以上であり、より好ましくは、92%以下である。
同様の観点より、第1部分19の深さ(図示省略)は、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.8mm以上であり、また、好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.2mm以下である。
本実施形態の第2ショルダーサイプ6Bは、第1部分19のタイヤ周方向の一端と第2ショルダーラグ溝5Bの内端5Biとの間を連通する第2部分20を含んでいる。このような第2部分20は、第2ショルダーラグ溝5Bの内端5Biとショルダー主溝3Aとの間の領域において、ショルダー陸部4Aの剛性を緩和することができる。これにより、第2部分20は、第1ショルダーサイプ6A及び第1部分19とともに、ショルダー陸部4Aのタイヤ軸方向の剛性差を小さくすることができ、ショルダー陸部4Aの路面追従性を高めるのに役立つ。従って、ショルダー陸部4Aは、路面との間ですべりが生じるのを効果的に防ぐことができ、耐偏摩耗性能及び耐摩耗性能を向上しうる。第2部分20の深さ(図示省略)は、第1部分19と同一範囲が望ましい。
また、第2部分20は、第1部分19の一端と第2ショルダーラグ溝5Bの内端20iとの間で、タイヤ軸方向に対する角度α5cを漸減させながら湾曲してのびるのが望ましい。このような第2部分20は、第1部分19の一端と第2ショルダーラグ溝5Bの内端5Biとの間の剛性変化を滑らかにでき、操縦安定性能を向上しうる。
第2ショルダーサイプ6Bの第1部分19のタイヤ周方向の他端には、第2ショルダーサイプ6Bのタイヤ軸方向の幅が大きくなる膨らみ部21が設けられる。本実施形態の膨らみ部21は、タイヤ周方向の最大長さL7が、タイヤ軸方向の最大幅W7よりも大きい縦長の楕円形状に形成されている。
このような膨らみ部21は、ショルダー陸部4Aの剛性を効果的に緩和することができ、ショルダー陸部4Aの路面追従性の向上に役立つ。従って、膨らみ部21は、偏摩耗性能、耐摩耗性能及び乗り心地の向上に役立つ。このような作用を効果的に発揮させるために、膨らみ部21の最大幅W7は、1.0mm〜2.0mmが望ましい。また、膨らみ部21の最大長さL7は、5.0mm〜6.0mmが望ましい。さらに、膨らみ部21の深さ(図示省略)は、0.6mm〜1.5mmが望ましい。
本実施形態の膨らみ部21は、第2ショルダーラグ溝5Bのタイヤ軸方向内側に設けられている。このような膨らみ部21は、第2ショルダーラグ溝5Bの内端5Biとショルダー主溝3Aとの間の領域において、第2部分20とともに、ショルダー陸部4Aの剛性を緩和することができる。

第3ショルダーサイプ6Cは、第1ショルダーラグ溝5Aと、第2ショルダーラグ溝5Bとの間でタイヤ軸方向にのびている。さらに、第3ショルダーサイプ6Cのタイヤ軸方向の外端は、トレッド接地端2tを越えて、バットレス部13に配置されている。このような第3ショルダーサイプ6Cは、第1ショルダーラグ溝5Aと第2ショルダーラグ溝5Bとで区分されるブロック状部分23の剛性を、効果的に緩和することができる。これにより、ショルダー陸部4Aは、タイヤ周方向の剛性差が小さくなり、路面追従性を高めることができる。従って、タイヤ1は、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能及び乗り心地を向上しうる。第3ショルダーサイプ6Cの深さ(図示省略)は、1.0mm〜6.0mmが望ましい。
第3ショルダーサイプ6Cのタイヤ軸方向の内端は、第2ショルダーサイプ6Bに至ることなく終端している。これにより、第3ショルダーサイプ6Cは、ショルダー陸部4Aの剛性を、過度に低下させるのを防ぐことができ、操縦安定性能を維持しうる。
バットレス部13には、第3ショルダーサイプ6Cのタイヤ軸方向外側において、タイヤ半径方向内側に凹む凹部26が設けられる。本実施形態の凹部26は、膨らみ部21と同一形状に形成されている。
このような凹部26は、タイヤ周方向で隣り合う第1ショルダーラグ溝5A及び第2ショルダーラグ溝5Bの間において、バットレス部13の剛性を低減させることができ、ショルダー陸部4Aの路面追従性を高めることができる。従って、凹部26は、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能及び乗り心地を向上しうる。
図1に示されるように、ミドル陸部4Bは、タイヤ周方向に直線状にのびるストレートリブとして形成されている。このようなミドル陸部4Bは、周方向剛性を高めることができ、操縦安定性能及び直進安定性能の向上に役立つ。なお、ミドル陸部4Bのタイヤ軸方向の最大幅W2bは、トレッド接地幅TWの10.0%〜17.0%程度が望ましい。
ミドル陸部4Bの少なくとも一つは、外側ミドルラグ溝27と、内側ミドルラグ溝28とが設けられている。本実施形態では、外側ミドルラグ溝27、及び、内側ミドルラグ溝28が、一対のミドル陸部4B、4Bのそれぞれに設けられている。また、ミドル陸部4Bには、少なくとも一本、本実施形態では複数のミドルサイプ30が設けられている。
図6は、ミドル陸部4Bを拡大して示す展開図である。外側ミドルラグ溝27は、ショルダー主溝3Aからタイヤ軸方向内側にのび、かつ、センター主溝3Bに至ることなく終端している。このような外側ミドルラグ溝27は、ミドル陸部4Bの剛性低下を抑制しつつ、ミドル陸部4Bのトレッド接地面2S(図2に示す)と路面との間の水膜を、ショルダー主溝3A側に円滑に排出することができる。従って、外側ミドルラグ溝27は、操縦安定性能及び排水性能の向上に役立つ。なお、外側ミドルラグ溝27の溝幅W8は、トレッド接地幅TW(図1に示す)の2.0%〜4.0%程度が望ましい。また、外側ミドルラグ溝27の溝深さD8(図2に示す)は、4.0mm〜7.0mm程度が望ましい。
また、外側ミドルラグ溝27の溝幅W8は、ショルダー主溝3Aからタイヤ軸方向内側に向かって漸減するのが望ましい。このような外側ミドルラグ溝27は、ミドル陸部4Bのタイヤ軸方向内側の剛性を維持することができるため、操縦安定性能を向上しうる。
外側ミドルラグ溝27のタイヤ軸方向の長さL8は、ミドル陸部4Bの最大幅W2bの50%以下に設定されるのが望ましい。このような外側ミドルラグ溝27は、ミドル陸部4Bの剛性低下を防ぐことができるため、操縦安定性能を効果的に向上させることができる。
外側ミドルラグ溝27の長さL8は、より好ましくは、ミドル陸部4Bの最大幅W2bの48.0%以下である。なお、外側ミドルラグ溝27の長さL8が小さすぎても、排水性能が低下するおそれがある。このため、外側ミドルラグ溝27の長さL8は、好ましくは、ミドル陸部4Bの最大幅W2bの18.0%以上であり、さらに好ましくは、20.0%以上である。
また、外側ミドルラグ溝27は、図5に示したショルダーラグ溝5と同様に、溝壁(図示省略)とミドル陸部4Bのトレッド接地面2Sとの出隅部(図示省略)に、面取(図示省略)が設けられるのが望ましい。このような面取も、出隅部で生じやすいチッピング等の損傷や、ミドル陸部4Bの偏摩耗を防ぐことができる。
本実施形態の外側ミドルラグ溝27は、第1外側ミドルラグ溝27Aと、第1外側ミドルラグ溝27Aよりも長さL8が大きい第2外側ミドルラグ溝27Bとを含んで構成されている。第1外側ミドルラグ溝27A及び第2外側ミドルラグ溝27Bは、タイヤ周方向に交互に配置されている。
このような外側ミドルラグ溝27は、長さL8が相対的に小さい第1外側ミドルラグ溝27Aによって、ミドル陸部4Bの剛性の過度の低下を防ぎ、操縦安定性能を高めることができる。また、長さL8が相対的に大きい第2外側ミドルラグ溝27Bによって、ミドル陸部4Bの排水性能を高めることができる。しかも、第1外側ミドルラグ溝27A及び第2外側ミドルラグ溝27Bは、タイヤ周方向に交互に配置されているため、操縦安定性能及び排水性能をバランス良く向上させることができる。
このような作用を効果的に発揮させるために、第2外側ミドルラグ溝27Bの長さL8bは、第1外側ミドルラグ溝27Aの長さL8aの180%〜280%が望ましい。なお、第2外側ミドルラグ溝27Bの長さL8bが、第1外側ミドルラグ溝27Aの長さL8aの180%未満であると、排水性能を十分に向上できないおそれがある。逆に、第2外側ミドルラグ溝27Bの長さL8bが、第1外側ミドルラグ溝27Aの長さL8aの280%を超えると、ミドル陸部4Bの剛性が過度に低下し、操縦安定性能を十分に向上できないおそれがある。このような観点より、第2外側ミドルラグ溝27Bの長さL8bは、より好ましくは、第1外側ミドルラグ溝27Aの長さL8aの200%以上であり、また、より好ましくは、250%以下である。
第1外側ミドルラグ溝27Aは、タイヤ軸方向に対して傾斜している。このような第1外側ミドルラグ溝27Aは、ミドル陸部4Bのトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、第1外側ミドルラグ溝27Aの傾斜に沿って、ショルダー主溝3A側に円滑に排出することができる。第1外側ミドルラグ溝27Aのタイヤ軸方向に対する角度α8aは、50度〜70度程度が望ましい。
第2外側ミドルラグ溝27Bは、タイヤ軸方向に対する角度α8bを漸増させながら、タイヤ軸方向に対して傾斜している。このような第2外側ミドルラグ溝27Bは、ミドル陸部4Bのトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、第2外側ミドルラグ溝27Bの傾斜に沿って、ショルダー主溝3A側に円滑に排出することができる。第2外側ミドルラグ溝27Bの角度α8bは、50度〜80度程度が望ましい。
第2外側ミドルラグ溝27Bのタイヤ軸方向の外端27Boには、その溝底からタイヤ半径方向外側に突出する隆起部35(図2に示す)が設けられるのが望ましい。このような隆起部35は、ミドル陸部4Bのタイヤ軸方向外側の剛性を高めることができ、操縦安定性能の向上に役立つ。
内側ミドルラグ溝28は、タイヤ軸方向に対して傾斜している。このような内側ミドルラグ溝28は、ミドル陸部4Bのトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、内側ミドルラグ溝28の傾斜に沿って、センター主溝3B側に円滑に排出することができる。なお、内側ミドルラグ溝28の溝幅W9は、トレッド接地幅TW(図1に示す)の3.0%〜5.0%程度が望ましい。また、内側ミドルラグ溝28の溝深さD9(図2に示す)は、5.0mm〜7.0mm程度が望ましい。さらに、内側ミドルラグ溝28の角度α9は、40度〜60度程度が望ましい。
内側ミドルラグ溝28のタイヤ軸方向の長さL9は、ミドル陸部4Bの最大幅W2bの50%以下に設定されるのが望ましい。このような内側ミドルラグ溝28は、外側ミドルラグ溝27と同様に、ミドル陸部4Bの剛性低下を防ぐことができるため、操縦安定性能を効果的に向上させることができる。
さらに、内側ミドルラグ溝28の長さL9は、第1外側ミドルラグ溝27Aのタイヤ軸方向の長さL8a及び第2外側ミドルラグ溝27Bのタイヤ軸方向の長さL8bよりも小に設定されるのが望ましい。これにより、ミドル陸部4Bは、接地圧が相対的に大きくなるタイヤ軸方向内側において、ミドル陸部4Bの剛性を高めることができ、操縦安定性能及び直進安定性能を向上しうる。内側ミドルラグ溝28の長さL9は、より好ましくは、ミドル陸部4Bの最大幅W2bの18.0%以下であり、より好ましくは10.0%以上である。
また、内側ミドルラグ溝28の合計本数は、外側ミドルラグ溝27の合計本数よりも小に設定されるのが望ましい。これにより、内側ミドルラグ溝28は、ミドル陸部4Bのタイヤ軸方向内側の領域において、ミドル陸部4Bの剛性を相対的に高めることができ、操縦安定性能及び直進安定性能を向上しうる。なお、内側ミドルラグ溝28の合計本数は、外側ミドルラグ溝27の合計本数の2/5〜3/5程度(本実施形態では、1/2)が望ましい。
本実施形態のミドルサイプ30は、外側ミドルラグ溝27と内側ミドルラグ溝28との間の領域において、タイヤ周方向にのびている。このようなミドルサイプ30は、タイヤ軸方向に対してエッジ成分を増加させることができ、操縦安定性能の向上に役立つ。さらに、ミドルサイプ30は、外側ミドルラグ溝27と内側ミドルラグ溝28との間の領域において、ミドル陸部4Bを柔軟に変形させることができる。これにより、ミドルサイプ30は、ミドル陸部4Bのタイヤ軸方向の剛性差を小さくすることができ、ミドル陸部4Bの路面追従性を高めることができる。従って、ミドルサイプ30は、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能、及び、乗り心地を向上しうる。
ミドルサイプ30のタイヤ周方向の一端は、第2外側ミドルラグ溝27Bのタイヤ軸方向の内端27Biに連通している。これにより、ミドルサイプ30は、第2外側ミドルラグ溝27Bの内端27Biから連続して、ミドル陸部4Bの剛性を緩和させることができる。従って、ミドル陸部4Bは、接地圧が相対的に小さくなるタイヤ軸方向外側において、ミドル陸部4Bを柔軟に変形させることができ、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能、及び、乗り心地を向上しうる。ミドルサイプ30の深さ(図示省略)は、1.5mm〜5.0mmが望ましい。
ミドルサイプ30のタイヤ周方向の他端には、該ミドルサイプ30の幅が大きくなる膨らみ部31が設けられている。本実施形態の膨らみ部31は、第2外側ミドルラグ溝27Bのタイヤ軸方向内側に設けられている。また、膨らみ部31は、タイヤ周方向の最大長さL10が、タイヤ軸方向の最大幅W10よりも大きい縦長の楕円形状に形成されている。
このような膨らみ部31は、ショルダー陸部4Aの膨らみ部21(図4に示す)と同様に、ミドル陸部4Bの剛性を効果的に緩和することができ、ミドル陸部4Bの路面追従性の向上に役立つ。従って、膨らみ部31は、耐偏摩耗性能、耐摩耗性能、及び、乗り心地を向上しうる。このような作用を効果的に発揮させるために、膨らみ部31の最大幅W10は、膨らみ部21の最大幅W7(図4に示す)と同一範囲が望ましい。また、膨らみ部31の最大長さL10は、膨らみ部21の最大長さL7(図4に示す)と同一範囲が望ましい。さらに、膨らみ部31の深さ(図示省略)は、膨らみ部21(図4に示す)の深さと同一範囲が望ましい。
ミドルサイプ30は、第2外側ミドルラグ溝27Bの内端27Biから膨らみ部31に向かって、タイヤ軸方向に対する角度α11を漸増させながら、滑らかに湾曲してのびている。このようなミドルサイプ30は、第2外側ミドルラグ溝27Bの内端27Biと、膨らみ部31との間において、ミドル陸部4Bの剛性変化を滑らかにすることができ、操縦安定性能を向上しうる。ミドルサイプ30の角度α11は、60度〜90度が望ましい。
図1に示されるように、センター陸部4Cは、タイヤ周方向に直線状にのびるストレートリブとして形成されている。このようなセンター陸部4Cは、周方向剛性を高めることができ、直進安定性能及び操縦安定性能の向上に役立つ。なお、センター陸部4Cのタイヤ軸方向の最大幅W2cは、トレッド接地幅TWの8.0%〜12.0%程度が望ましい。
図7は、センター陸部4Cを拡大して示す展開図である。センター陸部4Cには、センター主溝3Bからタイヤ軸方向内側にのび、かつ、タイヤ赤道Cに至ることなく終端するセンターラグ溝33が設けられる。本実施形態のセンターラグ溝33は、タイヤ軸方向に対して傾斜している。
このようなセンターラグ溝33は、センター陸部4Cの剛性低下を防ぎつつ、センター陸部4Cのトレッド接地面2Sと路面との間の水膜を、センターラグ溝33の傾斜に沿って、センター主溝3B側に円滑に排出することができる。従って、センターラグ溝33は、直進安定性能及び排水性能の向上に役立つ。なお、センターラグ溝33の溝幅W12は、トレッド接地幅TW(図1に示す)の7.0%〜9.0%程度が望ましい。また、センターラグ溝33の溝深さD12(図2に示す)は、5.0mm〜7.0mm程度が望ましい。さらに、センターラグ溝33の角度α12は、50度〜70度が望ましい。
センターラグ溝33は、センター主溝3Bからタイヤ軸方向内側に向かって、溝幅W12が漸減するのが望ましい。このようなセンターラグ溝33は、センター陸部4Cのタイヤ軸方向内側の剛性が低下するのを防ぐことができ、直進安定性能を向上しうる。
また、センターラグ溝33は、図5に示したショルダーラグ溝5と同様に、溝壁(図示省略)とセンター陸部4Cのトレッド接地面2Sとの出隅部(図示省略)に、面取(図示省略)が設けられるのが望ましい。このような面取も、出隅部で生じやすいチッピング等の損傷や、センター陸部4Cの偏摩耗を防ぐことができる。
センターラグ溝33のタイヤ軸方向の長さL12は、センター陸部4Cの最大幅W2cの50%以下に設定されるのが望ましい。このようなセンターラグ溝33は、センター陸部4Cの剛性低下を防ぐことができ、操縦安定性能を向上させることができる。なお、センターラグ溝33の長さL12は、好ましくは、センター陸部4Cの最大幅W2cの40%以下であり、また、好ましくは20%以上である。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構造をなし、表1に示す第1ショルダーサイプ、第2ショルダーサイプ、及び、ラグ溝を有するタイヤが製造され、それらが評価された。また、比較のために、第1ショルダーサイプ又は第2ショルダーサイプを有さないタイヤ(比較例1、比較例2、及び、比較例3)についても製造され、同様に評価された。なお、共通仕様は以下の通りである。
タイヤサイズ:195/65R15 91H
リムサイズ:15×6.0J
内圧(車両指定の内圧):
前輪:230kPa、後輪:220kPa
車両:トヨタ自動車(株)社製のプリウス
トレッド接地幅TW:150mm
ショルダー主溝:
溝幅W1a/TW:10.1%、溝深さD1a:8.2mm
センター主溝:
溝幅W1b/TW:13.5%、溝深さD1b:8.2mm
面取:
角度α4a:45度、幅W4a:0.8mm
ショルダー陸部:
最大幅W2a/TW:21.3%
ショルダーラグ溝:
溝幅W3/TW:3.0〜7.8%、溝深さD3:8.2mm
内側部での角度α3:5〜10度
第2ショルダーラグ溝間の長さL6:62.0mm
面取:
角度α4b:45度、幅W4b:0.5mm
第1ショルダーサイプ:
深さ:5.6mm、角度α5a:10度〜30度

第2ショルダーサイプ:
深さ:1.0mm
膨らみ部:
最大長さL7:1.4mm、最大幅W7:5.4mm
深さ:1.2mm
ミドル陸部:
最大幅W2b/TW:15.7%
外側ミドルラグ溝:
溝幅W8/TW:3.0%、溝深さD8:5.8mm
第1外側ミドルラグ溝の角度α8a:60度
第2外側ミドルラグ溝の角度α8b:50〜70度
内側ミドルラグ溝:
溝幅W9/TW:3.9%、溝深さD9:5.8mm
角度α9:50度
ミドルサイプ:
深さ:2.0mm〜4.0mm、角度α11:70度〜90度
膨らみ部:
最大長さL10:1.4mm、最大幅W10:5.4mm
深さ:1.0mm
センター陸部:
最大幅W2c/TW:10.0%
センターラグ溝:
溝幅W12/TW:7.9%、溝深さD12:5.8mm
角度α12:60度
テスト方法は次のとおりである。
<操縦安定性能>
各供試タイヤを上記リムにリム組みし、かつ、上記内圧を充填して、上記車両の4輪に装着された。そして、ドライアスファルト路面のテストコースを2名乗車で走行し、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性をドライバーの官能評価により評価された。評価結果は、比較例1を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。
<乗り心地>
各供試タイヤを上記リムにリム組みし、かつ、上記内圧を充填して、上記車両の4輪に装着された。そして、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等のテストコースを2名乗車で走行し、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価が行われた。評価結果は、比較例1を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。
<耐摩耗性能>
各供試タイヤを上記リムにリム組みし、かつ、上記内圧を充填して、上記車両の4輪に装着された。次に、高速道路、及び、一般道路(市街地、山岳路を含む)を、2名乗車で合計340km走行した。そして、ショルダー陸部のタイヤ周上の3つのブロック状部分において、摩耗指数(走行距離/摩耗量)が測定され、その平均値が計算された。評価結果は、各平均値を、比較例1を100とする指数で表示している。指数が大きいほど良好である。
<耐偏摩耗性能>
各供試タイヤを上記リムにリム組みし、かつ、上記内圧を充填して、上記車両の4輪に装着された。次に、高速道路、及び、一般道路(市街地、山岳路を含む)を、2名乗車で合計8000km走行した。そして、トレッド接地端側のタイヤ周上の4箇所において、ショルダー陸部のブロック状部分の後着側の摩耗量V1と、ブロック状部分の先着側の摩耗量V2との比(V1/V2)に基づいて、偏摩耗(ヒール&トー摩耗)の有無が確認された。なお、比(V1/V2)が0.5以下、又は1.5以上の場合に、偏摩耗が生じていると判断される。
テストの結果を表1に示す。
Figure 0006130884
テストの結果、実施例のタイヤは、操縦安定性能を維持しつつ、耐偏摩耗性能を向上しうることが確認できた。
2 トレッド部
3A ショルダー主溝
4A ショルダー陸部
5 ショルダーラグ溝
5A 第1ショルダーラグ溝
6 ショルダーサイプ
6A 第1ショルダーラグ溝
6B 第2ショルダーラグ溝

Claims (4)

  1. トレッド部に、最もトレッド接地端側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝を具えることにより、
    前記ショルダー主溝とトレッド接地端との間で区分される一対のショルダー陸部を具えた空気入りタイヤであって、
    前記ショルダー陸部の少なくとも一つは、複数本のショルダーラグ溝と、複数本のショルダーサイプとを具え、
    前記ショルダーラグ溝は、前記トレッド接地端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記ショルダー主溝に至ることなく終端する複数本の第1ショルダーラグ溝を含み、
    前記ショルダーサイプは、前記第1ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の内端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記ショルダー主溝に連通する複数本の第1ショルダーサイプと、
    前記第1ショルダーサイプと十字状に交差してタイヤ周方向にのびる複数本の第2ショルダーサイプとを含み、
    タイヤ周方向で隣接する前記第2ショルダーサイプは、互いに連通することなく配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ショルダーラグ溝は、タイヤ周方向で隣り合う一対の前記第1ショルダーラグ溝間に一つ配置される第2ショルダーラグ溝を含み、
    前記第2ショルダーサイプは、前記第2ショルダーラグ溝に連通する一端と、該第2ショルダーサイプの幅が大きくなる膨らみ部が設けられる他端とを有している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ショルダーラグ溝は、タイヤ周方向で隣り合う一対の前記第1ショルダーラグ溝間に一つ配置される第2ショルダーラグ溝を含み、
    前記ショルダーサイプは、前記第1ショルダーラグ溝と、前記第2ショルダーラグ溝との間でタイヤ軸方向にのびる第3ショルダーサイプを含み、
    前記第3ショルダーサイプのタイヤ軸方向の内端は、前記第2ショルダーサイプに至ることなく終端する請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ショルダーラグ溝の溝壁と前記ショルダー陸部のトレッド接地面との出隅部には、面取が設けられる請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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