JP6129720B2 - 媒体搬送装置、媒体繰出装置及び媒体集積装置 - Google Patents

媒体搬送装置、媒体繰出装置及び媒体集積装置 Download PDF

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Description

本発明は、媒体搬送装置、媒体繰出装置及び媒体集積装置に関する。
従来、媒体を搬送する媒体搬送装置や、媒体を繰出す媒体繰出装置や、媒体を集積する媒体集積装置として、真空による吸引力や、高摩擦計数部材による摩擦力や、粘着部材による粘着力を用いたものがある。粘着力を用いた装置として、特許文献1には、搬送ローラの搬送面を、所定の粘着力を有する粘着材で形成したことにより、粘着力により確実に用紙を搬送できるとともに、重送を起こしにくくすることが可能な給紙装置について開示されている。また、特許文献2には、常温または高温で粘着力を変化可能な層を有することにより、媒体の搬送、剥離、クリーニング、転写などのプロセスに応じた粘着力を得ることが可能な搬送ベルトについて開示されている。
特開平7−315592号公報 特開2006−232512号公報
粘着力を用いる場合、粘着剤の粘着力を消失させて非粘着性の状態とし、単なるクリーニングブラシや布などによってクリーニングを行ったとしても、初期の粘着力を再現させることは困難である。クリーニングを行って粘着力を復元させるためには、クリーニング手段の粘着力を強くする必要がある。これは、一旦粘着剤にゴミや塵埃が付着した場合、粘着状態において特に細かなゴミや塵埃が粘着剤の内部に入り込み、これが非粘着状態となった場合は粘着剤そのものが固まって内部に入り込んだゴミや塵埃も粘着剤に付着して取れにくくなっているためと考えられる。
本発明では、粘着部にゴミや塵埃が付着した後のクリーニングが簡単に行え、かつクリーニング後の粘着部の粘着力も初期レベルの粘着力を復元することが可能な媒体搬送装置、媒体繰出装置及び媒体集積装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は第1のローラと、加熱手段を備える第2のローラと、前記第1のローラと前記第2のローラとに掛架され、感温性粘着剤が塗布された粘着部を備えるベルトと、前記ベルトのクリーニング手段と、を備えた媒体搬送装置であって、前記加熱手段は、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱し、前記クリーニング手段は、融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、該粘着部に付着した付着物を除去することを特徴とする。その他の手段については、実施例において説明する。
本発明によれば、粘着部にゴミや塵埃が付着した後のクリーニングが簡単に行え、かつクリーニング後の粘着部の粘着力も初期レベルの粘着力を復元することができ、繰り返し粘着動作を行うことが可能な媒体搬送装置、媒体繰出装置及び媒体集積装置を提供することが可能である。なお、その他の効果については、実施例において説明する。
媒体搬送装置を示した図 媒体搬送装置を装置上方から俯瞰した図 搬送面が凸状に屈曲した媒体搬送装置を示した図 媒体搬送装置の変形例を示した図 媒体繰出装置を示した図 媒体繰出装置の変形例を示した図 媒体繰出装置の変形例を示した図 媒体繰出装置の変形例を示した図 媒体集積装置を示した図 粘着剤の特性を示した図 クリーニング手段を示した図
本発明における媒体搬送装置、媒体繰出装置及び媒体集積装置について、以下に基づき説明する。
(1)媒体搬送装置の構成
最初に、本発明における媒体搬送装置について説明する。図1(a)は、媒体(紙葉類等)との接触面に粘着部を有するベルトを備えた媒体搬送装置を示した図である。媒体搬送装置200Aは、駆動ローラ(第1のローラ)201と、ヒートローラ(第2のローラ)202と、搬送ベルト(搬送手段)203と、搬送ガイド204と、を備える。
駆動ローラ201の駆動力は、モータ等の駆動源201Dから駆動トルク伝達機構を介して伝達される。ヒートローラ202は、電源手段に接続されており、当該電源手段に連結された制御手段からの電源オン動作指令信号により電源がオン動作され、ヒートローラ内部のヒータ(加熱手段)を加熱させる。搬送ベルト203は、駆動ローラ201とヒートローラ202とに掛架され、紙葉類の搬送面に後述する感温性粘着剤が塗布されたものであり、ヒートローラ202が加熱した場合に搬送面に粘着力が発現する。搬送ガイド204は、上面が搬送ベルト203と接触するように設置されている。これにより、搬送される紙葉類Pの両端部の垂れ下がり、搬送中のばたつきの抑制や、搬送ベルト203のばたつき、自重による撓みを抑制することが可能となる。
加熱手段は、上述したヒートローラ202の他に、例えば、光源からの熱輻射やローラ表面上に渦電流を発生させて加熱させるような手段でも良い。
また、搬送ベルト203は、ヒートローラ202との接触部分において加熱されるため、再度ヒートローラ202との接触部分まで回動してくるまでに温度が低下する。温度が低下すると、搬送ベルト203の粘着力が低下あるいは消失する可能性があるが、これを防ぐために、ヒートローラ202の加熱温度は、搬送ベルト203の粘着力が必要である下流側媒体搬送装置との受渡し部分まで、放熱により搬送ベルト203の温度が低下しても、搬送ベルト203の粘着力が搬送動作に必要な値以上であるように設定されている。また、動作中の放熱による温度降下をできるだけ小さくするため、比熱が比較的大きな材料を搬送ベルト203の素材とすることが望ましい。
媒体搬送装置の上流側(図1(a)の左側)入口付近には、搬送ベルト203に接触対向した搬送ローラ205が設けられる。搬送ローラ205は、圧力付与手段であるバネ206によって、所定の圧力で搬送ベルト203に押し付けられている。紙葉類Pの搬送時には、搬送ベルト203には粘着力が発現しており、搬送ベルト203と搬送ローラ205とは、バネ206により所定の圧力で対向接触しているため、粘着力は搬送ローラ205の表面にも作用する。
このとき、搬送ベルト203が搬送ローラ205に粘着することによって生じる、搬送ベルトの持ち上がりや不安定な搬送を防止するために、少なくとも搬送ローラの表面は、表面エネルギーの小さな材質(粘着状態に置いても粘着部と粘着しにくい材質)であることが望ましい。表面エネルギーの小さい材質としては、例えば、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン等があるが、本実施例では、搬送ローラ205の表面はテフロン被膜がされており、搬送ベルト203との間に作用する粘着力を小さくしている。
また、搬送ローラ205の上流側には、搬送ローラ207A、207Bを含む媒体搬送装置(上流側媒体搬送装置)が設けられており、当該上流側媒体搬送装置から紙葉類Pが搬送される。上流側媒体搬送装置から搬送された紙葉類Pは、入口側搬送ガイド208に案内され、搬送ベルト203と搬送ローラ205との間にその先端部が送り込まれる。
媒体搬送装置の上部には、紙葉類Pに記録された情報を読取るための磁気センサ209と、光学センサ210と、紙葉類の画像を取得するカメラ211とを備える。磁気センサ209、光学センサ210及びカメラ211は、媒体搬送装置内に設けられた紙葉類検知センサ(図示せず)から検知信号が発生すると、紙葉類Pに記録された情報や画像の取得動作を開始する。
媒体搬送装置の下流側(図1(a)の左側)出口付近には、搬送ローラ212A、212Bを含む媒体搬送装置(下流側媒体搬送装置)が設けられており、この下流側媒体搬送装置によって、紙葉類Pは、紙葉類の収納部等に搬送される。また、媒体搬送装置と下流側媒体搬送装置との間には、紙葉類Pの正確な搬送受渡しを可能とするために、搬送ガイド213A、213Bを備える。
また、搬送ガイド213Aは、搬送ベルト203に粘着した紙葉類Pを搬送ベルト203から剥離させる剥離手段としての機能を有している。具体的には、搬送ガイド213Aは、搬送ベルト203の粘着面より反粘着面側(図1(a)の下側)から紙葉類Pを案内する面が設けられており、その面は下流側媒体搬送装置との間において、側面から見て搬送ベルト203の粘着面と交差する点を含み、さらに下流側下流側媒体搬送装置へ紙葉類を搬送案内するような面形状となっている。搬送ベルト203に粘着して搬送される紙葉類Pは、上記交差点において、搬送ガイド213Aから剥離作用を受けて搬送ベルト203から剥離されると共に、搬送ガイド213Aに導かれる。なお、搬送ベルト203で発現する粘着力は、剥離動作の際に紙葉類Pが搬送ベルト203に粘着したまま搬送されることがなく正常に剥離されるように設定されている。
このように、粘着力を有する搬送ベルトを用いて紙葉類を搬送する装置とすることにより、ローラのような紙葉類を挟んで搬送する搬送手段や、紙葉類の先端の搬送案内を行う搬送ガイドを減らし、装置の小型化や簡素化を図ることを可能とする。例えば、搬送ガイドの一方を無くすことにより、媒体搬送装置の内部に残留している搬送物や、媒体搬送装置自身の視認性を向上させることも可能となり、搬送装置内部に残留する搬送物や異物などの除去においても有効である。
また、搬送する紙葉類の先端部を搬送ベルトに粘着させることにより、搬送ガイドを減らすことが容易になると共に、搬送ガイドに紙葉類の先端部が接触することで発生する紙葉類に対する圧縮力による座屈や、異常変形による搬送ジャムを減らすことが可能となり、搬送装置の信頼性を向上することも可能となる。
また、他の媒体搬送装置として、下流側媒体搬送装置に紙葉類を受け渡す際に、紙葉類を正確に送り込むために、搬送ベルト203に所定の間隔で所定のマークを付しても良い。なお、粘着部が設けられている間隔は、搬送ベルト203から搬送物に剥離力が作用する点から、下流側媒体搬送装置の搬送ローラ212A、212Bの接触点、すなわち、下流側媒体搬送装置において搬送力が作用し始める点までの距離より短く設定されている。
このとき、図1(b)に示されるように、媒体搬送装置200Bは、搬送ベルト203に付されたマークの検出手段220と、媒体搬送装置の上流側に紙葉類Pが搬送されてきたことを検出する検出手段221と、検出手段220及び制御手段222を接続する信号伝達手段223と、制御手段222及び上記駆動源201Dを接続する信号伝達手段224とを備えており、駆動源201Dの駆動制御が可能なように制御系が構成されている。
図1(b)に示す媒体搬送装置では、検出手段221により、紙葉類Pの先端部を検出すると、予め設定された上流側媒体搬送装置の搬送速度と、搬送ベルト203と搬送ローラ205との接触点までの距離に基づき、紙葉類Pが当該接触点まで搬送される時間が計算される。また、検出手段220は、搬送ベルト203に付されたマークを検出するため、この検出タイミングに基づき、搬送ベルト203の粘着部が当該接触点に駆動される時刻と、紙葉類Pの先端部が当該接触点に搬送される時刻とが一致するように、搬送ベルト203の駆動速度を制御する。これにより、紙葉類Pの先端部が、搬送ベルト203の粘着部に粘着されて搬送されるため、紙葉類の搬送案内を行う搬送ガイドを減らすことが可能となり、搬送ガイドと紙葉類の先端部分が衝突して発生する搬送ジャムのような障害を減らすことができる。また、搬送ベルト203からの剥離力も、紙葉類と搬送ベルトの粘着部との間でのみ発生するため、過剰な剥離力により発生する剥離動作時の障害も低減することが可能である。
図2(a)は、図1(a)に示す媒体搬送装置200Aを装置上方(図1(a)の上側)から俯瞰した図である。図2(a)に示す媒体搬送装置200Aは、二本の搬送ベルト203を備える媒体搬送装置を示しているが、搬送ベルト203の本数は、媒体搬送装置で実現させる機能に応じて適宜変更させても良い。例えば、搬送中に紙葉類の姿勢や位置がずれないように、紙葉類の前面を粘着することが必要である場合、図2(b)に示すように、一本の搬送ベルト203とし、当該搬送ベルト203の幅を、搬送される紙葉類の幅方向寸法より広くすれば良い。これにより、紙葉類の底面の全域が搬送ベルト203と粘着するため、紙葉類の姿勢や位置ずれが発生しにくい。また、搬送ベルト203の本数が三本以上としても良い。
図2(c)は、図1(b)に示す媒体搬送装置200Bを装置上方(図1(b)の上側)から俯瞰した図である。このとき、粘着部203Aは、搬送ベルト203上に一定間隔毎に設けられており、搬送ベルト203の全面には設けられていないため、紙葉類の姿勢や搬送精度に高い信頼性がそれほど要求されないような場合や、紙葉類の剛性が弱く、剥離動作の際に大きな剥離力を作用させることができないような場合に有効である。また、上述の通り、搬送ベルト203には、一定の間隔で所定のマーク203Mが設けられている。
図3は、搬送ベルト203により形成される前記媒体の搬送面が凸状に屈曲した媒体搬送装置である。図3(a)に示す媒体搬送装置200Cでは、搬送される紙葉類Pは、搬送ローラ205によって搬送ベルト203に押し付けられることにより粘着される。搬送ベルト203の粘着力は、紙葉類Pの先端部が凸状の屈曲部において変形した状態であっても、その変形による復元力よりも大きいように設定されている。具体的には、搬送ベルト203の粘着剤の塗布厚さが所望の粘着力を発現できるように設定され、搬送ベルトの製作、製造段階において、所定の粘着剤が塗布されている。
また、図3(b)に示すように、単純な形状をした搬送ガイド215を設けることにより、紙葉類の搬送信頼性を向上させた媒体搬送装置200Dとしても良い。通常の搬送ガイドでは、搬送ベルトや搬送ローラが取り付けられるための切欠部やスリットが設けられるため、紙葉類等の一部が引っかかることで発生する障害があった。一方、本発明においては、紙葉類が搬送ベルト203に粘着された状態で搬送されるため、搬送ガイド215に切欠部やスリットを設ける必要が無くなり、搬送障害のリスクを低減することが可能であると共に、媒体搬送装置の簡素化や小型化、コスト削減が可能である。
なお、本実施例において紙葉類Pを搬送ベルト203に粘着させる手段として、例えば図4(a)に示すように、搬送ベルト203が掛架されたヒートローラ202と同軸かつ隣り合う位置(図4(a)の右側又は左側)に設置された搬送ローラ202Aと、搬送ローラ202Aに接触対向する搬送ローラ205Aとを設ける構成としても良い。この場合、搬送ベルト203の両脇で紙葉類Pを挟み込むことにより、紙葉類Pを搬送ベルト203に粘着させることが可能である。また、図4(b)に示すように、搬送ガイド手段208によって、紙葉類Pを搬送ベルト203に所定の角度を持って進入接触させるような形状とした媒体搬送装置200Eとしても良い。この場合、搬送ベルト203に対して所定の押圧力を発生させて紙葉類Pを粘着させることが可能である。さらに、媒体搬送装置の入り口付近に、空気を噴出するノズル(図示せず)を設け、空気の噴出力により、紙葉類Pを搬送ベルト203に押し付けて粘着させてもよい。
(2)媒体繰出装置の構成
次に、本発明における媒体繰出装置について説明する。図5は、媒体との接触面に粘着部を有するローラを用いた媒体繰出装置である。図5(a)に示すように、媒体繰出装置300Aは、繰り出される媒体(以下、紙葉類P)が集積される底板301と、底板301に集積された紙葉類Pのうち、最上部の紙葉類と接触することにより、集積された紙葉類に対して搬送力を付与する搬送力を付与するピックアップローラ(第3のローラ)302と、ピックアップローラ302によって搬送された紙葉類に対して、下流側へ搬送するための搬送力を付与する(第4のローラ)フィードローラ303と、フィードローラ303に所定の圧力で接触して対向するように設けられた分離プレート304と、底板301に集積された紙葉類Pを所定の圧力でピックアップローラ302に押し付けるための押圧手段305と、分離プレート304をフィードローラ303に所定の圧力で押し付ける押圧手段306と、を備える。
ピックアップローラ302の表面の全周には、感温性粘着剤が塗布されている。また、ピックアップローラ302の加熱手段として、図5(b)に示す電源325と、電源ライン326とを備え、電源に接続されたヒータ(図示せず)により加熱する方式の他、媒体搬送装置の例において説明したような、光源からの熱輻射や渦電流を用いた方式としても良い。
また、媒体繰出装置300Aは、集積される紙葉類の位置や搬送時の案内を行う前面ガイド309と、ピックアップローラ302の駆動軸307を保持すると共に、フィードローラ303の駆動軸308に回転自在に取り付けられ、繰出される紙葉類の上面側の搬送案内を行うアームガイド310と、アームガイド310を紙葉類に押し付ける押圧手段311と、フィードローラ303を駆動する駆動源312と、ピックアップローラ302を駆動する駆動源313と、駆動源313からの駆動力を駆動軸308へ伝達するためのベルトやギヤなどから構成される駆動力伝達機構314と、駆動源に対して駆動指令信号を発生する制御手段315と、指令信号を伝達する信号伝達手段316と、集積される紙葉類の有無を検出する検出手段317と、繰出される紙葉類を検出する検出手段318A、318Bと、検出手段からの信号を制御手段315へ伝送する信号伝送手段319と、ピックアップローラ302の表面に付着した塵埃物を除去するクリーニング部(ローラ)320と、繰出された紙葉類Pを媒体繰出装置の下流側に搬送する搬送ローラ321と、を備える。
検出手段317、318A、318Bによって検出された信号情報は、伝送手段319を介して制御手段315へ伝送され、そして信号情報に基づいて駆動源の動作制御が行われる。また、検出センサ318Aは、フィードローラ303と搬送ローラ321との間に、検出センサ318Bは、搬送ローラ321の下流側の所定の位置にそれぞれ設けられている。また、搬送ローラ321には、駆動軸322に取り付けられており、駆動源313によって駆動される。なお、これらのローラが設けられている駆動軸は、それぞれの軸に取り付けられたベアリングを介してフレーム323に設けられている。
ピックアップローラ302及びフィードローラ303は、それぞれ駆動軸307、308にワンウェイクラッチ330、331を介して取り付けられており、紙葉類を繰出す方向におけるピックアップローラ及びフィードローラの回転速度が駆動軸307、308の回転速度より速い場合に、駆動軸307、308に対して空転する構造である。また、フィードローラ303は、駆動軸308に軸方向に3個設けられており、中央のフィードローラ303Aは、周囲が高摩擦係数の部材(ゴム等)で構成され、両側のフィードローラ303Bは、周囲が低摩擦係数の部材で構成されている。これらのフィードローラ303A、303Bは同一の径であり、同一の周速度で駆動される。
また、本発明における媒体繰出装置は、可能な限り下流側(図5(a)の右側)において、ピックアップローラ302と紙葉類とを接触させるように構成しているため、集積された紙葉類の剛性によって生じる紙葉類後端部の上下方向への変形が生じやすい。そのため、紙葉類の変形を抑止するガイド手段を設けている。当該ガイド手段と最上部に集積された紙葉類との接触点は、ピックアップローラ302と紙葉類との接触点と略同一またはわずかに上側(すなわち、紙葉類が集積される空間とは逆方向)である。これにより、紙葉類の変形を抑止する他に、紙葉類に作用する圧力をガイド手段でも受けるため、ピックアップローラ302に掛かる圧力を低減することが可能となる。このため、紙葉類間の摩擦力も低減することが可能となる。なお、当該ガイド手段の形状は、板状の他、ローラ状や棒状であっても良い。
分離プレート304には、図5(c)に示すように、フィードローラ303に接触対向した部分に分離パッド304A、304Bが設けられている。両側のフィードローラ303Bに接触する分離パッド304Bは、高摩擦係数の部材(ゴム等)で構成され、中央のフィードローラ303Aに接触する分離パッド304Aは、低摩擦係数の部材で構成される。このような構成とすることにより、フィードローラや分離パッドの磨耗を低減することが可能となる。
また、アームガイド310は、押圧手段311によって図5(a)の下側方向に押される構造となっているが、アームガイド310の下限位置は、例えば、アームガイド310に取り付けられた位置決めピン335が、フレーム323に設けられたストッパ336に当接することで位置決めされている。
次に、媒体繰出装置300Aの動作について説明する。繰出動作開始の信号が発生すると、ピックアップローラ302に内蔵されたヒータに電力が供給され、ピックアップローラが加熱される。これにより、ピックアップローラ302の表面に塗布された粘着剤に、粘着力が発現する。また、押圧手段306によって底板301が上昇し、底板301に積載された最上部の紙葉類とピックアップローラ302とが接触する。最上部の紙葉類とピックアップローラ302との間の接触圧力が所定値以上になったことを圧力センサ(図示せず)で検出すると、押圧手段の駆動が停止される。このとき、最上位の紙葉類はピックアップローラ302の表面に粘着される。
次に、制御手段315からの信号により、ピックアップローラ302及びフィードローラ303の駆動源313が駆動される。このとき、ピックアップローラ302とフィードローラ303の周速度は略同一である。ピックアップローラ302が駆動されることにより、最上位の紙葉類は、フィードローラ303及び分離プレート304から構成される分離部に搬送される。分離部に搬送された紙葉類には、フィードローラ303との摩擦力による搬送力と分離パッド304Bの摩擦力による搬送抵抗力を受けるが、フィードローラ303による搬送力が、分離パッドによる摩擦力より大きくなるように予め設定されているため、紙葉類は分離部よりさらに下流側に搬送され、搬送ローラ321へ受け渡されて搬送される。搬送ローラ321の周速度は、フィードローラ303の周速度と略同一かわずかに速い速度となるように設定されている。
仮に、複数の紙葉類が重なり合わさった状態で分離部へ搬送されても、分離パッドの摩擦力による搬送抵抗力は紙葉類同士の摩擦力より大きくなるように設定されているため、分離部において最上部の紙葉類が分離・繰出される。
検知センサ318A、318Bによって、繰出される紙葉類の先端部が検知されると、制御手段315は、ピックアップローラ302、フィードローラ303の駆動を停止する信号を発生し、それぞれのローラの駆動源312,313は停止する。このとき、ピックアップローラ302、フィードローラ303は、駆動軸307、308にワンウェイクラッチ310、311を介して設けられているため、最上位の紙葉類の搬送を妨げない。そして、最上位の紙葉類の後端部がピックアップローラ302から離れると、ピックアップローラ302は、二枚目の紙葉類と接触することにより停止する。
このような紙幣の繰出動作は、検知センサ317により、紙葉類がないとの信号を検出するまで繰り返し行われる。また、紙葉類が何枚か繰出された後に、ピックアップローラ302と紙葉類との接触圧力の検知センサにより、接触圧力が所定値未満であることを検出した場合、押圧手段が所定の圧力となるように駆動制御される。
本発明における媒体繰出装置は、ピックアップローラ302の表面に粘着力が発現しているため、ピックアップローラ302と紙葉類との接触圧力を小さく設定することが可能である。そのため、紙葉類が重なり合って搬送される可能性が低くなり、仮に重なり合って搬送されたとしても、上述したように分離部において紙葉類が分離されるため、簡素化、低コスト化と共に、高信頼性の媒体繰出装置を実現することが可能となる。
また、媒体繰出装置は、所定の枚数の紙葉類が繰出されるとピックアップローラ302のクリーニングが行われる。本実施例におけるクリーニング手段は、表面がスポンジや布材質で構成されたクリーニング部(ローラ)340と、クリーニング部340を回転自在に保持するローラ軸とを備えており、クリーニング部340は、ローラ軸にトルクリミッタを介して取付けられている。このトルクリミッタの設定トルクは、クリーニングする粘着面において粘着力が発現した場合に、クリーニング部340に作用するトルクの値より小さく、かつクリーニングする粘着面において粘着力が消失した場合にクリーニング部340に作用するトルクの値より大きな値に設定されている。
ピックアップローラ302の表面に粘着力が発現している場合、クリーニング部340は、ピックアップローラ302の粘着力による回転トルクにより回転する。一方、粘着力が消失した場合、トルクリミッタの負荷トルクが、ピックアップローラとクリーニング部340との間の摩擦によるトルクより大きくなる。そのため、クリーニング部340は回転せずに、ピックアップローラローラとの間で滑った状態となる。このように、クリーニング部340とピックアップローラ302との間で滑りを生じさせることにより、ピックアップローラ302の表面に付着した塵埃物をクリーニングすることができる。このようなクリーニング手段は、簡素化、低コスト化が可能であり、また、粘着状態においては、クリーニング部340とピックアップローラ302との間では滑りが生じないため、ピックアップローラ302の長寿命化も可能である。
なお、媒体繰出装置は上記の他に、以下のような構成を採用しても良い。
(A)分離プレート304の代わりに、ゲートローラを用いる構成
図6に示す媒体繰出装置300Bは、フィードローラ303A、303Bに接触対向した部分にゲートローラ350A、350Bが設けられている。両側のフィードローラ303Bに接触するゲートローラ350Bの表面は、高摩擦係数の部材(ゴム等)で構成されており、中央のフィードローラ303Aに接触するゲートローラ350Aの表面は、低摩擦係数の部材で構成されている。このような構成とすることにより、フィードローラや分離パッドの磨耗を低減することが可能となる。また、ゲートローラ350A、350Bは、ゲートローラの軸351にワンウェイクラッチ352を介して取り付けられており、紙葉類の繰出し方向には回転しないが、繰出し方向と逆方向には回転するように構成されている。このような構成とすることにより、紙葉類が搬送方向とは逆方向に搬送される場合には、ゲートローラが搬送抵抗となることはなく、また繰出し動作の際にはゲートローラがわずかに繰出し方向と逆方向に回転するため、ローラの表面の特定の箇所が磨耗することを避けることが可能となる。
図6に示す媒体搬送装置300Bの場合、複数の紙葉類が重なり合わさった状態で分離部へ搬送されても、ゲートローラ350の表面の摩擦力による搬送抵抗力は、紙葉類同士の摩擦力より大きくなるように設定されている。そのため、分離部において最上位の紙葉類と二枚目の紙葉類が分離され、最上位の紙葉類だけが繰出される。
(B)搬送ベルト及びヒートローラを追加する構成
図7に示す媒体搬送装置300Cは、搬送ベルト360と、ヒートローラ361と、ヒートローラ361と共に搬送ベルト360を掛架するフィードローラ370(370A、370B)とを備える。搬送ベルト360と、ヒートローラ361とは、上述した媒体搬送装置における構成と同一であるため、詳細な説明を省略する。
なお、図7(b)に示すように、フィードローラ370は、フィードローラの駆動軸308に軸方向に5個取り付けられており、搬送ベルト360が掛架されているフィードローラ370Aは、その周囲が高摩擦係数の部材(ゴム等)で構成されている。また、搬送ベルト360が掛架されていないフィードローラ370Bは、その周囲が低摩擦係数の部材で構成されている。5個のフィードローラ370A,370Bは、略同一の径であり、略同一の周速度で駆動される。また、図7(c)、(d)に示すように、分離プレート304を用いる他に、ゲートローラを用いても良い。
(C)アームガイド310を別形状とした構成
図8に示す媒体搬送装置300D、300Eは、最上部の紙葉類を分離・繰出させるときに紙葉類を変形させることにより、紙葉類の間に作用する摩擦力を可能な限り小さくすること、あるいは紙葉類の間に大きな摩擦力が作用する時間を可能な限り短くすることを可能としている。
具体的には、アームローラ310の構成を、図8(a)に示すピックアップローラ302と最上部の紙葉類との接触位置、または図8(b)に示す搬送ベルト360と最上部の紙葉類と接触位置を、フィードローラ303とゲートローラ350との接触位置より下側、すなわち紙葉類が収納される空間方向にしたことにより、集積された紙葉類の先端部が上側に変形可能な空間Sを形成した構成である。また、図8(a)に示すピックアップローラ302、または図8(b)に示すヒートローラ361の径を小さい構成としている。これにより、最上部の紙葉類が、ピックアップローラ302や搬送ベルト361に粘着しても搬送される距離は短く、すぐに紙葉類の先端部が剥離され、上側に変形される。
アームガイド310の開始位置は、繰出される紙葉類の先端位置より上流側にあると共に、剥離されて上側に変形された紙葉類の先端部が接触する位置である。これにより、先端部が剥離された紙葉類は、前面ガイド309やアームガイド310に案内されて分離部へ搬送されることが可能となる。また、ピックアップローラと紙葉類との粘着状態は、繰出される紙葉類の先端部が、フィードローラ303とゲートローラ350との間に導かれるまでの間、持続するような構成である。
(3)媒体集積装置の構成
次に、本発明における媒体集積装置について説明する。図9(a)に示すように、媒体集積装置400Aは、底板401と、底板401を上下方向に移動させる底板の駆動手段402と、紙葉類をホッパ内に搬送する搬送ベルト403と、搬送ベルト403の駆動ローラ(第5のローラ)404と、搬送ベルト403を加熱して粘着力を発現させるヒートローラ(加熱手段を備える第6のローラ)405と、媒体集積装置の入り口付近に設けられ、搬送ベルト403に接触対向したプレスローラ406と、プレスローラ406と同軸に設けられ羽根状の放射部を有するシートローラ407と、紙葉類が収納されるホッパを形成する側版408、409と、最上部の紙葉類の位置を検出する検出手段410と、搬送ベルトの表面に付着した塵埃をクリーニングするクリーニング部440とを備えている。すなわち、搬送ベルト403は、駆動ローラ403とヒートローラ404とに掛架され、紙葉類の搬送面に後述する感温性粘着剤が塗布されたものであり、ヒートローラ404が加熱した場合に搬送面に粘着力が発現する。
また、媒体集積装置400Aは、駆動ローラ404を駆動する駆動軸412に直結された駆動源411Aと、駆動源411Aからの駆動力を後述するシートローラの軸へ伝達するためのベルトやギヤなどから構成される駆動力伝達機構413と、駆動源411Aに対して駆動指令信号を発生する制御手段414と、指令信号を伝達する信号伝達手段415と、集積装置へ搬送される紙葉類を検出する検出手段416と、検出手段416からの信号を制御手段414へ伝送する信号伝送手段417とを備える。検出手段416によって検出された信号情報は制御手段414へ伝送され、信号情報に基づいて駆動源411Aの動作制御が行われる。
媒体集積装置の上流側には、媒体集積装置へ紙葉類を搬送する搬送ローラ418が設けられている。搬送ローラ418は、駆動軸419に取り付けられており、駆動源411Bによって駆動される。また、検出手段416は、搬送ローラ418近傍の位置に設けられている。なお、上述のローラが設けられている駆動軸は、それぞれの軸に取り付けられたベアリングを介して図示されないフレームに設けられている。
図9(b)に示すように、搬送ベルト403の感温性粘着剤が塗布された部分(粘着部)430は、搬送ベルトの周長、駆動ローラ404やヒートローラ405の外径寸法、及び駆動ローラ404が取付けられている駆動軸412に取付けられた位相板422に応じて位置が決定され、位相板422の位相を検出する位相検出手段423により検出可能な位置に構成されており、その位置情報を制御手段414が把握することが可能なように構成されている。この場合、搬送ベルト403としてタイミングベルトを用いることが望ましく、図9(c)に示すように、感温性粘着剤が塗布された部分430から所定の寸法だけ離れた位置にマークを付すると共に、このマークを検出する検出手段431を設けても良い。
駆動軸412には、シートローラ407と接触対向するように中間ローラ424が設けられており、駆動ローラと同様に駆動される。中間ローラ424とシートローラのボス部とは、図9(d)に示すように所定の距離だけ離れており、シートローラ407が回転する際には、シートが中間ローラ424に接触して変形しながら回転する。シートローラ407から放射状に設けられているシートの材質は、プラスチックやゴムのような可撓性を有するものであることが望ましい。
次に、媒体集積装置の動作のうち、粘着部430に粘着力が発現した後の動作について説明する。紙葉類の検出手段416により、集積される紙葉類が搬送されてくることを検出すると、紙葉類の先端位置が搬送ベルト403とプレスローラ406との挟持位置に到達する時刻に合わせて、粘着部430がプレスローラ406と接触する位置に到達するように、搬送ベルト403の速度制御が行われる。これにより、集積される紙葉類の先端部分は、プレスローラ406によって搬送ベルト403の粘着部430に押し付けられて粘着される。
紙葉類が搬送ベルト403に粘着された後、当該紙葉類は、搬送ベルト403の粘着力と搬送ベルト403の非粘着部とプレスローラ406の挟持力により、収納空間内に搬送される。このとき、紙葉類の先端部以外は搬送ベルト403には粘着されていないため、自重により落下しようとする。そして、紙葉類の後端部が搬送ベルト403とプレスローラ406との接触部を通過した後は、シートローラ407のシートによって紙葉類の後端部は叩き落され、底板401または底板401上に集積された紙葉類の上に落下する。
紙葉類の先端部が、搬送ベルト403と側板409とが交差点する点に到達すると、側板409により、紙葉類の先端部が搬送ベルト403から剥離され、または底板401上に集積された紙葉類の上に落下する。すなわち、側板409は、搬送ベルトに粘着された紙葉類の剥離手段に相当する。このようにして、紙葉類が集積される。
この集積動作の信頼性は、粘着部430の粘着力や、粘着部430の搬送方向の領域の寸法に影響される。すなわち、粘着力が大き過ぎる場合、紙葉類が搬送ベルト403から剥離できず、紙葉類の先端部が、側板409と搬送ベルト403の交差部でジャムを起こしてしまう。従って、粘着部430の粘着力は、剥離時の障害が発生しない程度であって、紙葉類に作用する搬送抵抗力により、搬送中で先端部が剥離しない程度に設定されている。
また、粘着部430の搬送方向の長さxが、側板409と搬送ベルト403の交差部と側板409の内壁までの距離yより大きい場合、紙葉類の先端部が剥離された後、側板409に接触して座屈を起こしたり、紙葉類の先端部が側板409に沿って下方へ搬送されてしまうような集積不良が生じる可能性がある。従って、粘着部430の搬送方向の距離xは、紙葉類の先端部の座屈や下方への搬送を許容して、側板409とヒートローラ405が設けられている位置の搬送方向の距離z以下とすること(特に、搬送ベルト403の交差部と側板409の内壁までの距離yと同程度)とすることが望ましい。
さらに、搬送ベルト403に複数の粘着部430を設ける場合には、粘着部の間隔は、集積する紙葉類の搬送方向の寸法より大きくすることが望ましい。これにより、後続の紙葉類を粘着する粘着部が、集積する紙葉類の後端部を粘着することがない。
複数の紙葉類が集積され、検出手段410が最上部の紙葉類を検出した場合、制御手段414は、紙葉類の収納空間が狭くなったと判断し、駆動手段402によって底板401を下降させる。底板401の下降は、検出手段410が、最上部の紙葉類を検出しなくなるまで継続する。これにより、紙葉類の収納空間が確保される。
なお、媒体集積装置においても、所定の枚数の紙葉類が集積されると搬送ベルト403をクリーニングするクリーニング手段が設けられているが、詳細な構成については、媒体繰出装置のクリーニング手段と同一であるため、説明を省略する。
(4)粘着部の粘着の発現、消失
次に、粘着部の粘着を発現、消失させるために、粘着部の加熱、温度維持、放熱、温度低下処理に関して説明する。
[加熱、温度維持]
粘着部に粘着力を発生させる場合、制御手段から電源手段に対して電源をONにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段(ヒートローラ)への電源がONにされると、加熱手段の温度が上昇する。
加熱手段の温度が、粘着部における感温性粘着剤に粘着力を発生させるに十分な温度にまで上昇すると、制御手段から電源手段に対して電源をOFFにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段への電源がOFFにされると、加熱手段の温度が低下する。
電源手段に対して電源をOFFにさせる信号を発信させる処理として、例えば、加熱手段に内蔵されている温度検出手段(温度検知センサ)で温度を検出し、その検出結果を制御手段に伝達し、制御手段において、加熱手段における温度が感温性粘着剤に粘着力を発生させるに十分な温度にまで上昇していた場合に、電源手段に対して電源をOFFさせる信号を発生させる処理がある。
また、その他の処理として、所定の温度異常になると電源がOFFされるような電源回路を加熱手段に備えても良いし、予め所定の温度に上昇するまでの所要時間の評価結果に基づき、電源ONから所定の時間が経過すると電源をOFFするような処理としても良い。
電源がOFFされた後、例えば加熱手段の温度が低下して、粘着部における粘着力が消失する可能性が出た場合には、再び加熱手段への電源をONとすることにより、加熱手段の温度が上昇し粘着力が維持される。粘着力消失の可能性の判断においても、温度検知センサを用いたり、加熱手段の温度低下特性の事前評価結果に基づき、電源OFF後、所定の時間が経過した後、再度電源ONの必要がある場合には、加熱手段の電源をONする制御フローとしてもよい。
[放熱、温度低下]
粘着部に粘着力を消失させる場合、制御手段から電源手段に対して電源をOFFにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段への電源がOFFにされると、加熱手段の温度が低下する。
また、温度降下を行う温度降下手段を備えている装置の場合、最初に、加熱手段の電源がONであるときは、制御手段から電源手段に対して電源をOFFにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段への電源をOFFにする。その後、制御手段から電源手段に対して温度降下手段の電源をONにさせる信号を発信する。この信号により、温度降下手段への電源がONにされると、加熱手段の温度が低下し、粘着部の温度を粘着剤のガラス転移温度(Tg)より低い温度となることにより、粘着部の粘着力が消失する。
(5)感温性粘着剤
次に、感温性粘着剤について説明する。感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを一成分として架橋した粘着剤であって、温度を粘着発現温度(Tm)以上とすることで粘着力が発現し、また加熱を停止しての自然冷却、あるいは温度降下手段によって粘着部の温度を粘着発現温度(Tm)未満かつガラス転移温度(Tg)未満の温度とすることで粘着部の粘着力を消失させる。
上述のような特性を有する感温性粘着剤を塗布した粘着装置とすることで、粘着力発生時に粘着部に付着した塵埃などを、粘着力消失時に容易に除去することが可能となる。具体的には、粘着部の温度を粘着発現温度(Tm)未満かつガラス転移温度(Tg)未満の温度とした後に、布やブラシなどで粘着部を拭き取るような簡単なクリーニング動作を行うことにより、粘着力発現時の粘着力が低下することを防ぎ、粘着部を交換することなく繰り返し粘着動作を行うことができる。この場合、加熱手段は、粘着部の温度を粘着剤の融点(Tm、すなわち粘着力発現温度)より高くすることが可能であることが必須である。
より望ましいのは、融点(Tm)は粘着剤のガラス転移温度(Tg)より高く、かつ融点(Tm)と粘着剤のガラス転移温度(Tg)の差が小さいものであり(5ケルビン程度)、さらにはガラス転移温度(Tg)が室温(約摂氏15〜25度)程度の粘着剤である。これにより、粘着力が消失した状態において、粘着剤に付着した付着物(粉塵物や、粘着剤に付着可能な異物)の除去が容易となる。このような特性を有することにより、粘着力発生時に粘着部1に付着した塵埃などの除去が容易となる他に、加熱に要する電力も少なく、さらには粘着力発現や粘着力消失を達成するまでの時間を短くすることを可能としている。
また、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満の粘着剤であってもよい。この場合、粘着装置に温度降下手段を設け、当該温度降下手段は、粘着部の温度を粘着剤のガラス転移温度(Tg)より低くすることが可能であることが必須である。
上述のような特性を有する感温性粘着剤を塗布した粘着部と加熱手段、冷却手段を有することにより、粘着力発生時に粘着部に付着した塵埃などを容易に除去することが可能となり、所定の動作回数の後、粘着部の温度を粘着発現温度(Tm)以下かつガラス転移温度(Tg)以下の温度とすることで粘着部の粘着力を消失させ、例えば布やブラシで粘着部を拭き取るような簡単なクリーニングを行うことで粘着力発現時の粘着力が低下することを防ぎ、粘着部を交換することなく繰り返し粘着動作を行うことができる。またこの場合には感温性粘着剤のコストを抑制することも可能とすることができる。
以下に、上述した粘着剤に用いる架橋性粘着材料(粘着剤のプレポリマー)の合成例、粘着剤の実施例、及び各実施例における粘着力の状態を示す。また、図10は、各実施例における粘着剤の特性を示した図である。
[合成例1]側鎖結晶性ポリマーのアクリル系共重合プレポリマーの合成例
オクタデシルアクリレート4.9g(アルドリッチ)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.02g(東京化成)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量230,000であった。TAインスツルメンツ社製Q200による熱分析およびニコン製偏光顕微鏡による観察から、このアクリル系共重合プレポリマー融点(Tm)は50℃である。
[合成例2]非結晶性ポリマーのアクリル系共重合プレポリマーの合成例
メチルアクリレートを2.5g(東京化成)、メチルメタクリレートを2.5g(東京化成)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱光重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.05g(東京化成製)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量310,000であった。TAインスツルメンツ社製Q200による熱分析から、このアクリル系共重合プレポリマーのガラス転移温度(Tg)は45℃である。
[合成例3]非結晶性ポリマーのアクリル系共重合プレポリマーの合成例
メチルアクリレートを4.9g(東京化成)、メチルメタクリレートを0.1g(東京化成)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱光重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.05g(東京化成製)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量310,000であった。TAインスツルメンツ社製Q200による熱分析から、このアクリル系共重合プレポリマーのガラス転移温度(Tg)は0℃である。
[合成例4]アクリル系共重合プレポリマーの合成例
オクタデシルアクリレート2,5g(アルドリッチ)、メチルアクリレートを2.5g(東京化成)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.02g(東京化成)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量490,000であった。熱分析および偏光顕微鏡観察から、このアクリル系共重合プレポリマーの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は10℃である。
[実施例1]
合成例1で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと合成例2で得られた非結晶性ポリマー1.0g、これに架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は45℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.9N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、20℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作により、付着したベビーパウダーが除去できることが分かった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.8N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できる粘着シートであることが確認できた。
[実施例2]
合成例1で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと合成例3で得られた非結晶性ポリマー1.0g、これに架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は0℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.2N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、−10℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作により、付着したベビーパウダーが除去できることが分かった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.1N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できる粘着シートであることが確認できた。
[実施例3]
合成例4で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は10℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.0N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、−10℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作により、付着したベビーパウダーが除去できることが分かった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.9N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できる粘着シートであることが確認できた。
[比較例1]
合成例1で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと合成例3で得られた非結晶性ポリマー1.0g、これに架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は0℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.2N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、20℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作を行っても付着したベビーパウダーが除去出来ない結果となった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.0N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できない粘着シートであることが確認できた。
[比較例2]
合成例4で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は10℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.0N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、20℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作を行っても付着したベビーパウダーが除去出来ない結果となった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.0N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できない粘着シートであることが確認できた。
以上の実施例、比較例において、付着物の例として、ベビーパウダーを用いて説明したが、他に、ベビーパウダー以外の粉塵物や、粘着シートに付着可能な大きさの異物であれば良い。
(6)他のクリーニング手段
図11は、他のクリーニング手段を示した図である。図11(a)に示すクリーニング手段40Aは、ローラ表面やベルト表面の粘着部に接触するクリーニング部(ブラシ)41Aと、クリーニング部41Aをローラ表面やベルト表面から退避させるための駆動源としてのソレノイド42Aと、リンク機構43Aとを備えている。クリーニング部40Aでは、ソレノイド42Aによりリンク機構43Aを駆動させることにより、リンク機構43Aの末端に取り付けられたクリーニング部41が所定の圧力でローラ表面やベルト表面に接触し、非粘着状態のローラやベルトを駆動させることで粘着部に付着した塵埃などを除去する。
また、図11(b)に示すようなローラ式のクリーニング手段としても良い。クリーニング手段40Bは、粘着部に接触するクリーニング部(ローラ)41Bと、クリーニング部41Bを粘着部から退避させるための駆動源としてのソレノイド42Bと、リンク機構43Bと、クリーニング部41Bを駆動する駆動源としてのモータ45と、モータ45の駆動力をクリーニング部41Bに伝達するモータ軸に取り付けられたタイミングギヤ46と、タイミングベルト47と、クリーニングローラ軸に取り付けられたタイミングギヤ48とを備えている。クリーニング手段40Bでは、ソレノイド42Bによりリンク機構43Bを駆動させることにより、リンク機構43Bの末端に取り付けられたクリーニング部41Bが所定の圧力でローラ表面やベルト表面に接触し、非粘着状態のローラやベルトを駆動させることで粘着部に付着した塵埃などを除去する。
以上、本発明によれば、粘着部にゴミや塵埃が付着した後のクリーニングが簡単に行え、かつクリーニング後の粘着部の粘着力も初期レベルの粘着力を復元することができ、繰り返し粘着動作を行うことが可能な粘着装置とクリーニング方法を提供することができる。また、上述の粘着装置を用いることで多用な物品を取り扱うことができ、かつ簡素で小型化が可能な物品の取扱機構を実現することができる。
200A〜E:媒体搬送装置、201:駆動ローラ、202:ヒートローラ、203:搬送ベルト、204:搬送ガイド、205:搬送ローラ、212、213:搬送ガイド、300A〜E:媒体繰出装置、301:底板、302:ピックアップローラ、303:フィードローラ、304:分離プレート、312:駆動源、325:ヒータ電源、340:クリーニングローラ、400A〜B:媒体集積装置、401:底板、402:底板の駆動手段、403:搬送ベルト、404:駆動ローラ、405:ヒートローラ、406:プレスローラ、414:制御手段

Claims (11)

  1. 第1のローラと、加熱手段を備える第2のローラと、前記第1のローラと前記第2のローラとに掛架され、感温性粘着剤が塗布された粘着部を備えるベルトと、前記ベルトのクリーニング手段と、を備えた媒体搬送装置であって、
    前記加熱手段は、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱し、
    前記クリーニング手段は、融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、該粘着部に付着した付着物を除去することを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 請求項1記載の媒体搬送装置であって、
    前記融点と前記ガラス転移温度の差は、5ケルビンであることを特徴とする媒体搬送装置。
  3. 請求項1記載の媒体搬送装置であって、
    前記ベルトは、前記粘着部と所定のマークとを、一定間隔毎に設けており、
    さらに、前記マークの検出手段を備え、
    前記検出手段によって、前記マークが検出されたタイミングに基づき、前記ベルトの駆動速度が制御されることを特徴とする媒体搬送装置。
  4. 請求項1記載の媒体搬送装置であって、
    前記ベルトにより形成される前記媒体の搬送面が凸状に屈曲したことを特徴とする媒体搬送装置。
  5. 加熱手段を備えると共に、感温性粘着剤が塗布された粘着部を備えており、集積された媒体に対して搬送力を付与する第3のローラと、前記第3のローラによって搬送された媒体に対して搬送力を付与する第4のローラと、前記第3のローラのクリーニング手段と、
    を備えた媒体繰出装置であって、
    前記加熱手段は、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱し、
    前記クリーニング手段は、融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、該粘着部に付着した付着物を除去することを特徴とする媒体繰出装置。
  6. 請求項5記載の媒体繰出装置であって、
    前記融点と前記ガラス転移温度の差は、5ケルビンであることを特徴とする媒体繰出装置。
  7. 請求項5記載の媒体繰出装置であって、
    繰出される媒体を案内するガイドを備え、
    前記ガイドは、集積された媒体の先端部が変形可能な空間を形成することを特徴とする媒体繰出装置。
  8. 加熱手段を備えており、集積された媒体に対して搬送力を付与する第3のローラと、前記第3のローラによって搬送された媒体に対して搬送力を付与する第4のローラと、前記第3のローラと前記第4のローラとに掛架され、感温性粘着剤が塗布された粘着部を備えるベルトと、前記ベルトのクリーニング手段と、を備えた媒体繰出装置であって、
    前記加熱手段は、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱し、
    前記クリーニング手段は、融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、該粘着部に付着した付着物を除去することを特徴とする媒体繰出装置。
  9. 加熱手段を備える第のローラと、前記第のローラによって搬送された媒体に対して搬送力を付与する第のローラと、前記第のローラと前記第のローラとに掛架され、
    感温性粘着剤が塗布された粘着部を備えるベルトと、前記ベルトに粘着された媒体を剥離する剥離手段と、前記ベルトのクリーニング手段と、を備えた媒体集積装置であって、
    前記加熱手段は、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱し、
    前記クリーニング手段は、融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、該粘着部に付着した付着物を除去することを特徴とする媒体集積装置。
  10. 請求項9記載の媒体集積装置であって、
    前記融点と前記ガラス転移温度の差は、5ケルビンであることを特徴とする媒体集積
    装置。
  11. 請求項9記載の媒体集積装置であって、
    前記粘着部の長さは、前記剥離手段と前記第のローラが設けられている位置との距離
    以下であることを特徴とする媒体集積装置。
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