JP6779452B2 - クリーニングシート - Google Patents

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本発明はクリーニングシートに関し、詳しくは、紙やフィルムなどのシートを搬送する印刷機や塗工機などの装置で搬送することにより、印刷機や塗工機などの装置類のローラー外周を清掃するクリーニングシートに関する。
電子機器用途をはじめシリコーンが悪影響を与えやすい用途に、ウレタンを用いたクリーニングシートが特許文献1などで提案されている。一般に、この種のクリーニングシートは、プラスチックフィルムなどの基材にウレタン粘着層を積層したものであり、特許文献1では、0.2〜1.0kg/inchの粘着力(タック力)で異物を除去するクリーニングシートが例示されている。
この種のクリーニングシートを印刷機や塗工機などで搬送してローラー外周を清掃しようとすると、粘着層の粘着力が小さければ、ローラー表面を確実に清掃できないことがあり、粘着力を強粘着にするとクリーニングシートがローラーに強く貼りつくことがある。クリーニングシートがローラーに強く貼りつくと、クリーニングシートがローラーから離れた後にローラー表面に粘着層が残ること(以後、「糊残り」と言う)や、クリーニングシートがローラーから離れる際にクリーニングシートの張力が変動して、クリーニングシートが搬送不良になることがあった。また、この種のクリーニングシートでは、ローラーと接触することによって粘着層の粘着力が低下するので、クリーニングシートが多くのローラーと接触した後に接触するローラーの外周は、十分に清掃することができなかった。
強粘着のクリーニングシートを使用すると、クリーニングシートがローラーに強く貼りつくために、図3に示すように、クリーニングシートがローラーから離れ難くなる。クリーニングシートがローラーから離れ難くなる傾向は、クリーニングシートの搬送スピードが速くなるほど、顕著になる。クリーニングシートの搬送スピードが遅いと、図3(a)に示すように、ローラーと次に接触するローラーの両方の接線となる直線に沿って、クリーニングシートは、ローラーから離れて行き、クリーニングシートが走行不良となり難い。しかしながら、クリーニングシートの搬送スピードが速くなればなるほど、ローラーからクリーニングシートが離れにくくなり、図3(b)のように、クリーニングシートがローラーから離れる位置が遅れる。図3(b)の状態になると、クリーニングシートの張力が大きくなり、クリーニングシートがローラー表面から引き剥がされ、図3(c)のようになりクリーニングシートの張力が減少するが、クリーニングシートの張力が減少することにより、クリーニングシートは再び図3(b)の状態となる。このように、クリーニングシートは、図3(b)と図3(c)の状態を交互に繰り返すようになり、クリーニングシートは波打つように張力が不安定になり、蛇行し、しわになる等の走行不良が発生し、十分なクリーニング性能を発揮できなくなる。さらにクリーニングシートの搬送スピードを速くすると、クリーニングシートは図3(d)の状態となり、ローラーに巻き付いて搬送不能となる。
このように、従来のクリーニングシートは、十分なクリーニング性能を確保しようとするとローラー表面への糊残りが発生し、ローラーとの接触を繰り返すことによりクリーニング性能が低下し、速い搬送スピードで搬送すると走行不良が発生するため、ごく遅いスピードでしか使用することが出来なかった。
特開2011−147884号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、ローラー表面への糊残りが生じず、ローラーとの接触を繰り返すことによっても、クリーニング性能が低下せず、早い搬送スピードで搬送してもクリーニング性能が良好かつ走行不良が発生することなく、紙やフィルムなどのシートを搬送する印刷機や塗工機などの装置類に使用されるローラー外周清掃用のクリーニングシートの提供である。
第1発明は、印刷機や塗工機などのシートを搬送する装置におけるローラー外周清掃用のクリーニングシートであって、基材の少なくとも一方の面にウレタン吸着層を設け、前記ウレタン吸着層は長鎖脂肪酸エステルを10重量%以上27.2重量%以下含有し、前記ウレタン吸着層の対ガラス板剥離力が0.10N/25mm以下であることを特徴とするクリーニングシートである。
第2発明は、前記装置へのシート装着時において前記装置のシート搬送方向前後の両端表面にウレタン吸着層を有しない部分を設けることを特徴とする第1発明に記載のクリーニングシートである。
第3発明は、前記基材のウレタン吸着層を有する部分の前記装置のシート搬送方向長さが、前記装置の最大外径のローラー外周長以上であることを特徴とする第1又は第2発明のいずれかに記載のクリーニングシートである。
本発明のクリーニングシートは、基材の少なくとも一方の面に、粘着力は弱いが吸着性の高いウレタン吸着層を設けたので、ローラーと接触しても糊残りを生じず、かつ糊残りが生じないため、ローラーとの接触によるクリーニング性能の低下が非常に小さい。また、本発明のクリーニングシートは、ウレタン吸着層中に長鎖脂肪酸エステルを10重量%以上30重量%以下含有することによって、ウレタン吸着層がローラー表面に、気泡を巻き込むことなく素早く吸着できるので、紙やフィルムなどのシートを搬送する印刷機や塗工機などの装置類に使用されるローラー外周に素早く吸着して、クリーニングシートの搬送スピードを速くしても、ローラー外周を確実に清掃できる。
本発明の第1実施形態にかかるクリーニングシートXのクリーニングシート本体Aの層構成を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかるクリーニングシートXの全体構成を示す図である。 従来のクリーニングシートがローラーに貼りついて、走行不良となる様子を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるクリーニングシートYの全体構成を示す図である。
以下に本発明のクリーニングシートを、さらに詳しく説明する。
(クリーニングシート)
本発明の第1実施形態のクリーニングシートXの全体構成を図2に示す。本発明のクリーニングシートXは、両面にウレタン吸着層を積層したクリーニングシート本体Aの前後両方に両面接着テープCによってリーダーテープBを接合し、両面接着テープCをカバーテープDで覆った構成となっている。
本発明のクリーニングシートは、クリーニングシート本体Aのみでも使用可能であるが、クリーニングシート本体Aの前後両方にリーダーテープBを接合することによって、装置への装着が容易になるので、リーダーテープBを接合した形態とすることが好ましい。
クリーニングシート本体AとリーダーテープBの接合に両面接着テープCを使用し、両面接着テープCをカバーテープDで覆う構成としたのは、両面接着テープCに使用されているシリコーンが清掃する装置のローラーへ移行することを防ぐことを目的としている。このため、カバーテープDの面積を両面接着テープCの面積よりも大きくして、両面接着テープCの粘着剤成分がカバーテープDの端部から湧き出すことを防止している。片面接着テープを含め、製造工程において、全くシリコーンを使用していない接着テープの入手が困難であるため、本発明者らは、両面接着テープCをカバーテープDで覆う構成としたものである。したがって、製造工程において全くシリコーンを使用していない片面接着テープが入手できれば、クリーニングシート本体AとリーダーテープBを片面接着テープで接合することも可能である。
クリーニングシート本体Aの有効長さL(ウレタン吸着層が露出している部分の長さ)は、印刷機や塗工機などの使用する装置に適する長さにすることが好ましい。有効長さLは使用する装置の最大外径のローラー外周長の1周以上、最大外径のローラー外周長の2周未満であることが好ましい。ウレタン吸着層の有効長さLを装置の最大外径のローラー外周長以上とするとともに、ウレタン吸着層をクリーニングシート本体の両側に設けているので、クリーニングシートXを使用すると、使用する装置のすべてのローラー外周長の1周以上とウレタン吸着層が接触して、すべてのローラー外周全周を清掃することができる。クリーニングシート本体Aの有効長さLが、使用する装置の最大外径のローラー外周の2周以上となっても、ローラー清掃の効果がほとんど向上することはなく、他方、クリーニングシート本体Aの有効長さLが長くなればなるほど、使用する装置でのクリーニングシートXの搬送不良が発生しやすくなる。したがって、クリーニングシート本体Aの有効長さLは、使用する装置の最大外径のローラー外周の2周未満とすることが好ましい。
(リーダーテープB)
本発明のクリーニングシートXは、装置装着時にクリーニングシートXが搬送される方向の前後両端に、ウレタン吸着層を有しない基材であるリーダーテープBを接合することが好ましい。クリーニングシート本体Aは両面にウレタン吸着層が積層されているので、クリーニングシート本体A単体を装置のローラーに装着しようとした時に、誤った状態、例えばクリーニングシートXがシワになった状態や、クリーニングシートXが歪んだ状態でローラーに装着すると、ウレタン吸着層がローラーに接触した状態のままでは正しい状態への修正が困難で、ウレタン吸着層をローラーと接触した状態から持ち上げて、正しい状態に修正しなければならない。これに対して、リーダーテープBはローラーに吸着しないので、ローラーに接触した状態のままで正しい状態への修正することができ、クリーニングシートXの装置への装着がより容易になる。
本発明で使用するリーダーテープBの材質は、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に限定されないが、取り扱い性、コストの面からポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムが好ましい。リーダーテープBの厚みは、使用する装置の大きさやローラー径、クリーニングシート本体Aの基材厚みなどに応じて適宜選択すればよいが、通常5〜400μm、特に20〜250μmの範囲が好ましい。リーダーテープBのクリーニングシート本体Aとの接合部から反対側端部までの長さL1は、使用する装置の大きさやローラー径などに応じて適宜選択すればよいが、装置への装着性や経済性を考慮すると、使用する装置の最大外径のローラー外周長の1周以下の長さとすることが好ましい。
(両面接着テープC)
クリーニングシート本体AとリーダーテープBの隙間から粘着剤が湧き出すことを防止するため、両面接着テープCは、クリーニングシート本体AとリーダーテープBを挟むように両側から貼り付ける。本発明のクリーニングシートXで使用する両面接着テープCは、基材を有するものでも、基材レスのものでもよく、基材としては、PETフィルム、不織布等が例示されるが、これらに限定されるものではない。両面接着テープCに使用する接着剤としては、アクリル系、ポリエステル系、ニトリルゴム・フェノール樹脂混合物、ウレタン系等が例示されるが、これらに限定されるものではない。但し、本発明のクリーニングシートXの用途から、シリコーン系の接着剤を使用した両面接着テープは好ましくない。両面接着テープCの厚みは、十分な接着力が確保できるものであれば、両面接着テープCを貼り付けたことによる段差をできるだけ小さくするために、薄い方が好ましい。両面接着テープCの厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。
(カバーテープD)
本発明で使用するカバーテープDの材質は、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に限定されないが、取り扱い性、コストの面からポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムが好ましい。カバーテープDの厚みは、カバーテープDを貼り付けたことによる段差をできるだけ小さくするために薄い方が好ましく。カバーテープDの厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。
(クリーニングシート本体A)
本発明の第1実施形態のクリーニングシート本体Aの層構成を図1に示す。クリーニングシート本体Aは、基材1の両面にウレタン吸着層2を積層した少なくとも3層で構成されている。
(基材1)
本発明で使用する基材1は、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に限定されない。例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等よりなるフィルムが例示されるが、これらに限定されるものではない。ウレタン吸着層2の熱架橋時の取り扱い性、コストの面からポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムが好ましい。基材の厚みは、使用する装置の大きさやローラー径などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは5〜400μm、より好ましくは20〜250μmである。
基材1は、その表面をコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理などを施してもよいし、必要に応じてアンカー層等を設けてもよい。アンカー層等を積層する方法としては、製膜時に積層するいわゆるインライン法、または製膜したフィルムに積層するいわゆるオフライン法のいずれでもよい。
(ウレタン吸着層2)
本発明のクリーニングシートのウレタン吸着層は、粘着力は弱いが、ローラーに対する吸着力は強いものとすることによって、従来の強粘着のクリーニングシートで発生していたローラー表面への糊残りを無くすことができるとともに、ウレタン吸着層がローラー表面に強く貼りつかずに剥離するので、従来の強粘着のクリーニングシートで発生していたクリーニングシートの搬送不良を防止することができる。しかしながら、クリーニング層を単にウレタン吸着層としただけでは、クリーニング層の粘着力が弱くなり十分にローラー表面をクリーニングすることができないことがあった。また、クリーニング層を単にウレタン吸着層としただけでは、クリーニング層がローラーに接触する時に、クリーニング層とローラー表面間に気泡を巻き込み、クリーニング層がローラー表面に吸着することができず、ローラー表面を十分に清掃できないことがあった。
本発明者らが鋭意検討した結果、ウレタン吸着層に長鎖脂肪酸エステルを含有することにより、ウレタン吸着層によるローラー表面への吸着性能が向上し、ウレタン吸着層が気泡を巻き込むことなく素早くローラー表面に吸着するので、クリーニングシートの搬送スピードを速くしてもクリーニング性能が低下しないことを見出し、本発明に至った。
(ポリウレタン系樹脂)
ウレタン吸着層はポリウレタン系樹脂を主成分として含む。ウレタン吸着層のポリウレタン系樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜90重量%であり、より好ましくは70重量%〜90重量%である。ウレタン吸着層中のポリウレタン系樹脂の含有割合を上記範囲内に調整することにより、本発明のクリーニングシートにおいて、ローラー表面への糊残りによる汚染をより少なくし得るとともに、ローラーからの剥離性が向上するので搬送不良を防止できる。
(長鎖脂肪酸エステル)
本発明のウレタン吸着層は長鎖脂肪酸エステルを必須成分として含む。ウレタン吸着層の長鎖脂肪酸エステルの含有割合は、好ましくは10重量%〜30重量%であり、より好ましくは15重量%〜25重量%である。ウレタン吸着層中の長鎖脂肪酸エステルの含有割合を上記範囲内に調整することにより、本発明のクリーニングシートにおいて、ウレタン吸着層の濡れ性が向上することにより、クリーニング性能が向上するとともに、クリーニングシートの搬送スピードを速くしても、ウレタン吸着層が気泡を巻き込むことなく、ウレタン吸着層がローラー表面に素早く密着するので、クリーニングシートの搬送スピードを速くして、ローラー外周のクリーニング作業をより効率的なものとすることができる。
長鎖脂肪酸エステルの含有割合が少なすぎると、ローラーに対する濡れ性が低いため、ウレタン吸着層が気泡を巻き込み易くなるので、クリーニングシートの搬送スピードを速くできない。長鎖脂肪酸エステルの含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる他、ローラーが長鎖脂肪酸エステルの析出により汚染されるおそれがある。
長鎖脂肪酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
長鎖脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが200〜600の長鎖脂肪酸エステルが好ましく、より好ましくは数平均分子量Mnが270〜530である。長鎖脂肪酸エステルの数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することによって、クリーニングシートがローラーにより素早く濡れ吸着し得る。長鎖脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが小さすぎると、添加部数が多くても濡れ速度が向上しない。長鎖脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが大きすぎると、乾燥時の硬化性が悪化し、その他特性に悪影響を及ぼす。
長鎖脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な長鎖脂肪酸エステルを採用し得る。このような長鎖脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルなどが挙げられる。
ウレタン吸着層の厚みとしては、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。ウレタン吸着層の厚みは、好ましくは3μm〜50μmであり、より好ましくは5μm〜10μmである。ウレタン吸着層を利用したクリーニングシートでは、ウレタン吸着層の厚みが大きいほど、ウレタン吸着層が弾性変形して異物を吸着する性能が向上するが、本発明のクリーニングシートでは、ウレタン吸着層の濡れ性が良好であるため、5μm〜10μmの薄いウレタン吸着層でも十分に異物を吸着することができ、異物吸着性能と経済性を両立したクリーニングシートを得ることが可能となる。
本発明のクリーニングシートのウレタン吸着層は、対ガラス板の剥離力が、好ましくは0.10N/25mm以下であり、より好ましくは0.07N/25mm以下である。剥離力が上記範囲内にあることにより、本発明のクリーニングシートにおいて、ローラー表面への糊残りによる汚染をより少なくし得るとともに、ローラーからの剥離性が向上するので搬送不良を防止できる。本発明におけるウレタン吸着層の対ガラス板剥離力は、本発明の実施例中に記載する方法で測定することができる。
ウレタン吸着層は、任意の適切な製造方法によって製造し得る。このような製造方法としては、例えば、ウレタン吸着層の形成材料である組成物を基材上に塗布し、基材上においてウレタン吸着層を形成する方法が挙げられる。このような塗布の方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、スプレーコート、エアーナイフコート法、スロットダイなどによる押出しコートなどが挙げられる。
ウレタン吸着層はウレタン樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含有しうる。このような他の成分としては、例えば、ウレタン系樹脂以外の樹脂成分、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、導電剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、などが挙げられる。
(ポリウレタン系樹脂)
ポリウレタン系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリウレタン系樹脂を採用し得る。ポリウレタン系樹脂としては、好ましくは、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂、または、ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂である。ポリウレタン系樹脂として上記のようなものを採用することにより、本発明のクリーニングシートにおいて、ローラー表面への糊残りによる汚染をより少なくし得るとともに、ローラーからの剥離性が向上するので搬送不良を防止できる。
(ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂)
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂は、好ましくは、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させて得られるポリウレタン系樹脂である。ポリオール(A)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物(B)としては、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
本発明の効果をより一層発現させるために、ウレタン吸着層は、好ましくは、レベリング剤を含む。レベリング剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ウレタン吸着層中のレベリング剤の含有割合は、好ましくは0.001重量%〜1重量%であり、より好ましくは0.005重量%〜0.1重量%である。レベリング剤の含有割合を上記範囲内に調整することによって、ウレタン吸着層の濡れ性がより向上する。ウレタン吸着層の濡れ性がより向上することによって、ウレタン吸着層が気泡を巻き込むことなくローラー表面により素早く吸着するので、クリーニングシートの搬送スピードをより速くして、ローラー外周のクリーニング作業をより効率的なものとすることができる。
レベリング剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なレベリング剤を採用し得る。このようなレベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤などが挙げられる。アクリル系レベリング剤としては、ポリフローNo.36、ポリフローNo.56、ポリフローNo.85HF、ポリフローNo.99C(いすれも共栄社化学社製)などが挙げられる。フッ素系レベリング剤としては、メガファックF470N、メガファックF556(いずれもDIC社製)などが挙げられる。
ウレタン吸着層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤といった劣化防止剤を含んでもよい。ウレタン吸着層が劣化防止剤を含むことにより、加温状態のローラーと接触してもローラーに糊残りが生じにくいなど、糊残り防止性に優れるようになる。劣化防止剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。劣化防止剤として、特に好ましくは、酸化防止剤である。
ウレタン吸着層中の劣化防止剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜10重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜1重量%である。劣化防止剤の含有割合が少なすぎると、糊残り防止性が十分に発現できなくなるおそれがある。劣化防止剤の含有割合が多すぎると、コスト的に不利になるほか、クリーニング性能が維持できないという問題が生じ、ローラーが劣化防止剤の析出により汚染されるという問題が生じるおそれがある。
ポリウレタン系樹脂は、ケト−エノール互変異性を起こす化合物を含んでもよい。ポリウレタン系樹脂がケト−エノール互変異性を起こす化合物を含むことにより、触媒との作用によって、ポリウレタン系樹脂を形成させるために用いる組成物の保存段階におけるポットライフを十分に長くでき、他方、該組成物を用いて(好ましくは硬化させて)ポリウレタン系樹脂を形成させる際にはポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の架橋反応が速やかに進行する。
多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合は、ポリオール(A)に対して、多官能イソシアネート化合物(B)が、好ましくは5重量%〜60重量%であり、より好ましくは10重量%〜60重量%である。多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、本発明のクリーニングシートにおいて、ローラー表面への糊残りによる汚染をより少なくし得るとともに、ローラーからの剥離性が向上するので搬送不良を防止できる。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させてポリウレタン系樹脂を得る方法としては、塊状重合や溶液重合などを用いたウレタン化反応方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させるために、好ましくは触媒を用いる。このような触媒としては、例えば、有機金属系化合物、3級アミン化合物などが挙げられる。
有機金属系化合物としては、鉄系化合物、錫系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、鉛系化合物、コバルト系化合物、亜鉛系化合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応速度と粘着剤層のポットライフの点で、鉄系化合物、錫系化合物が好ましい。
触媒は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。また、触媒と架橋遅延剤などを併用しても良い。触媒の量は、ポリオール(A)に対して、好ましくは0.02重量%〜0.10重量%であり、より好ましくは0.02重量%〜0.05重量%である。
(ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂)
ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂は、いわゆる「ウレタンプレポリマー」を原料として用いて得られるポリウレタン系樹脂であれば、任意の適切なポリウレタン系樹脂を採用し得る。
ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂は、ウレタンプレポリマー(C)としてのポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂が挙げられる。ウレタンプレポリマー(C)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ウレタンプレポリマー(C)としてのポリウレタンポリオールは、好ましくは、ポリエステルポリオールと、ポリエーテルポリオールとを、触媒存在下または無触媒下で、有機ポリイソシアネ−ト化合物と反応させてなるものである。
ポリウレタンポリオールを得る際に用い得る触媒としては、任意の適切な触媒を用い得る。このような触媒としては、例えば、3級アミン系化合物、有機金属系化合物などが挙げられる。
ポリウレタンポリオールを得る際に触媒を使用する場合、触媒の使用量は、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールと有機ポリイソシアネ−ト化合物の総量に対して、好ましくは0.01〜1.0重量%である。
ポリウレタンポリオールを得る際には、触媒を用いなくても良く、無触媒下でポリウレタンポリオールを得る際は、3時間以上反応させることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂を製造する方法としては、いわゆる「ウレタンプレポリマー」を原料として用いてポリウレタン系樹脂を製造する方法であれば、任意の適切な製造方法を採用し得る。
(クリーニングシートY)
本発明の第2実施形態のクリーニングシートYの全体構成を図4に示す。図4(a)はセパレータ3が全面に貼り付けられた状態を示す図であり、図4(b)はセパレータ3の一部が剥がされた状態を示す図である。
クリーニングシートYに使用するクリーニングシート本体Aは、クリーニングシートXのクリーニングシート本体Aと同じものである。クリーニングシートYは、クリーニングシート本体の両面にセパレータ3を貼り付けたままのものである。セパレータ3にはハーフカットが設けられており、ユーザーが使用時にハーフカットに沿って、セパレータ3をカットしながらセパレータ3の一部をクリーニングシート本体Aから剥がすことによって、必要な長さのウレタン吸着層を外部に露出させることができる。
図4(b)に示すように、クリーニングシートYの両端にセパレータ3を残すことによって、セパレータ3が残された部分を、クリーニングシートXのリーダーテープBと同様に使用することができる。セパレータ3が残された部分を、クリーニングシートXのリーダーテープBと同様に使用することによって、クリーニングシートYの装置類への装着を容易にすることができる。
クリーニングシートYを用いれば、セパレータ3のハーフカットを3箇所以上設けることによって、ウレタン吸着層を外部に露出する長さを、ユーザーが選択できるようにすることもできる。
(セパレータ)
本発明のクリーニングシートのセパレータには、プラスチックフィルムが用いられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム等を挙げることができる。これらの中で、生産性、加工性に優れるポリエステルフィルムが好ましく使用できる。また、このようなポリエステルフィルムには二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルムがあり、そのいずれも使用できるが、特に二軸延伸フィルムが汎用的であり好ましく使用できる。プラスチックフィルムの厚さとしては、25〜200μmが好ましく用いられる。25μmより薄いとフィルム強度が不足し、十分なウレタン吸着層の保護性能が得られない。剥離時にフィルムが破れる等の問題が発生する。また、200μmより厚いと高価になる。
セパレータの中心線表面粗さRaは0.20μm以下が好ましい。より好ましくは、0.10μm以下である。中心線表面粗さが0.20μmより大きくなると、セパレータ表面の粗さがウレタン吸着層面に転写し、ウレタン粘着剤層の粗さにより、ウレタン吸着層の吸着力が低下する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
(合成例)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにポリエステルポリオールP−1010(2官能ポリエステルポリオール、OH価112、分子量1,000、クラレ株式会社製)81重量部、ポリエーテルポリオールG−3000B(3官能ポリエーテルポリオール、OH価56、分子量3,000、旭電化株式会社製)101重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(住友バイエル株式会社製)19重量部、トルエン134重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.05重量部、2−エチルヘキサン酸錫0.02重量部を仕込み、90℃まで徐々に昇温し2時間反応を行う。IRで残存イソシアネート基の消滅を確認した上で冷却し反応を終了することでポリウレタンポリオール溶液を得た。このポリウレタンポリオール溶液は無色透明で不揮発分60%、粘度3,300cps、Mn(数平均分子量)=15,500、Mw(重量平均分子量)=46,000であった。分子量測定に関しては、島津製作所製Prominenceを用いて実施した(カラム;TOSOH製 TSKgelGMH×2本連結、検出器;RID−10A、溶媒;THF、流速;1ml/分)。
(実施例1)
合成例で合成したポリウレタンポリオール溶液100重量部に対して、ステアリン酸2−エチルヘキシル17.5重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート誘導体75重量%酢酸エチル溶液16.7重量部を加え、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た。得られたウレタン系樹脂組成物を、厚み38μm、のPETフィルム基材の両面にスロットダイを用いて乾燥後厚みが5μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥させた。このようにして、基材上にウレタン系樹脂からなるウレタン吸着層を作製した。次いで、ウレタン吸着層の表面に、厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレータを貼合せたものを紙管に巻き取り、クリーニングシート本体原反ロールを得た。得られたクリーニングシート本体原反ロールを、常温で7日間エージングを行った後、クリーニングシート本体原反ロールを使用して、図2に示す構成の実施例1のクリーニングシートX1を作製した。この際、両面接着テープCとしてはTESA4972を使用し、カバーテープDとして厚さ25μmのPETフィルムを使用し、リーダーテープBとして厚さ25μmのPETフィルムを使用し、クリーニングシート本体Aの有効長さLを1200mm、リーダーテープBの長さL1を1000mmとした。このクリーニングシートX1を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(実施例2)
実施例1の成分に、レベリング剤としてポリフローNo.36(アクリル)、共栄社化学製を0.01重量部加えて、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様にして、実施例2のクリーニングシートX2を得た。このクリーニングシートX2を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(実施例3)
合成例で合成したポリウレタンポリオール溶液100重量部に対して、ステアリン酸2−エチルヘキシル20重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート誘導体75重量%酢酸エチル溶液16.7重量部を加え、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た。ウレタン系樹脂組成物を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のクリーニングシートX3を得た。クリーニングシートX3を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(実施例4)
実施例3の成分に、レベリング剤としてポリフローNo.36(アクリル)、共栄社化学製を0.01重量部加えて、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様にして、実施例4のクリーニングシートX4を得た。このクリーニングシートX4を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(実施例5)
合成例で合成したポリウレタンポリオール溶液100重量部に対して、ステアリン酸2−エチルヘキシル15重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート誘導体75重量%酢酸エチル溶液16.7重量部を加え、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た。ウレタン系樹脂組成物を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5のクリーニングシートX5を得た。クリーニングシートX5を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(実施例6)
実施例5の成分に、レベリング剤としてポリフローNo.36(アクリル)、共栄社化学製を0.01重量部加えて、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た以外は、実施例5と同様にして、実施例6のクリーニングシートX6を得た。このクリーニングシートX6を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(実施例7)
合成例で合成したポリウレタンポリオール溶液100重量部に対して、ステアリン酸2−エチルヘキシル10重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート誘導体75重量%酢酸エチル溶液16.7重量部を加え、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た。ウレタン系樹脂組成物を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7のクリーニングシートX7を得た。クリーニングシートX7を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(実施例8)
合成例で合成したポリウレタンポリオール溶液100重量部に対して、ステアリン酸2−エチルヘキシル27重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート誘導体75重量%酢酸エチル溶液16.7重量部を加え、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た。ウレタン系樹脂組成物を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8のクリーニングシートX8を得た。クリーニングシートX8を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(比較例1)
合成例で合成したポリウレタンポリオール溶液100重量部に対して、ステアリン酸2−エチルヘキシル4重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート誘導体75重量%酢酸エチル溶液16.7重量部を加え、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た。ウレタン系樹脂組成物を変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のクリーニングシートZ1を得た。クリーニングシートZ1を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(比較例2)
合成例で合成したポリウレタンポリオール溶液100重量部に対して、ステアリン酸2−エチルヘキシル38重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート誘導体75重量%酢酸エチル溶液16.7重量部を加え、樹脂組成物の固形分が45%となる様にトルエンで希釈し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系樹脂組成物を得た。ウレタン系樹脂組成物を変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のクリーニングシートZ2を得た。クリーニングシートZ2を使用して、下記に示す剥離力の評価、異物除去性の評価、糊残り性の評価、及びクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1〜表4に示す。
(比較例3)
ポリウレタン樹脂として市販の熱可塑性エーテル系ポリウレタンをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、13.6%のポリウレタン溶液を調製した。基材フィルムとして厚さ38μmのPETフィルム基材の両面に調製したポリウレタン溶液を、ウレタン層形成後の厚さが約10μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥温度110℃、乾燥時間3分の条件で乾燥させた。このようにして、基材上の両面に粘着層を作製した。次いで、両粘着層の表面に、フッ素系離型処理をした厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレータの離型処理面を貼合せたものを紙管に巻き取り、クリーニングシート本体原反ロールを得た。得られたクリーニングシート本体原反ロールを、常温で7日間エージングして、原反ロールとした。この原反ロールを使用して、図2に示す構成の比較例3のクリーニングシートZ3を作製した。この際、両面接着テープCとしてはTESA社製4972を使用し、カバーテープDとして厚さ25μmのPETフィルムを使用し、リーダーテープBとして厚さ25μmのPETフィルムを使用し、クリーニングシート本体Aの有効長さLを1200mm、リーダーテープBの長さL1を1000mmとした。このクリーニングシートZ3を使用して、下記に示す剥離力の評価とクリーニングシート搬送性の評価を行った。評価結果を表1と表4に示す。
(剥離力の評価)
クリーニングシートを、幅25mm、長さ150mmに切断し、評価用サンプルとした。
温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、評価用サンプルの粘着剤層面をガラス板(松浪硝子工業株式会社製、商品名:マイクロスライドガラスS)に、荷重2.0kgのローラーを1往復することにより貼り付けた。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で30分間養生した後、剥離角度180°、引っ張り速度300mm/minで剥離し、剥離力を測定した。評価結果を表1に示す。
(異物除去性の評価)
実施例1〜8、比較例1〜2のそれぞれのクリーニングシートを6枚準備した。所定の塗工機(最大外径のローラーの外周=1100mm)で所定の塗工作業を行った後、実施例1のクリーニングシートのうちの1枚を前記塗工機に装着して、前記塗工機のすべてのローラーと接触するように、クリーニングシートを2m/分のスピードで搬送した。次に、もう1枚の実施例1のクリーニングシートを前記塗工機に装着して、前記塗工機のすべてのローラーと接触するように、クリーニングシートを2m/分のスピードで搬送した。塗工機で搬送した2枚のクリーニングシートの一部分(塗工機での搬送方向、搬送方向の垂直方向ともに中央部となる箇所)を、塗工機の搬送方向が長手方向になるようにA4サイズに切り取り、切り取ったクリーニングシートの両面のクリーニング層上にある異物の個数の合計を目視確認した。個数として計上する異物は、きょう雑物見本を参照して、0.04mm2 以上とした。1枚目のクリーニングシートの異物の個数を基準として、2枚目のクリーニングシートの異物の個数が1/10未満であれば「◎」、1/10以上2/10未満であれば「○」、2/10以上であれば「×」とした。次に、クリーニングシートの搬送速度を5m/分、10m/分に変更した以外は、同じ方法で実施例1のクリーニングシートの異物除去性の評価を実施した。実施例2〜8、比較例1〜2のクリーニングシートについても、同様の方法で異物除去性の評価を行った。それぞれの評価結果を表2に示す。
(糊残り性の評価)
クリーニングシートをAl−Ni基板(表面粗さRa:約1Å)に平面接触させ、200g/inch(3.04×103Pa)の圧力を10秒間負荷してからクリーニングシートを剥離した後Al−Ni基板上の糊残りを目視確認した。糊残りが確認されなければ「○」、糊残りが確認されれば「×」とした。それぞれの評価結果を表3に示す。
(クリーニングシート搬送性の評価)
所定の塗工機に、クリーニングシートを装着して、搬送速度2m/分、5m/分、10m/分で搬送し、塗工機の最大径のロールからクリーニングシートが剥離する状態を目視で確認した。常に一定の状態でクリーニングシートがローラーの接線方向に引き出されていれば「◎」、ほぼ一定の状態でクリーニングシートがローラーの接線方向に引き出されているが、クリーニングシートがローラーに巻きつく方向に、わずかでも引っ張られることがあれば「○」、クリーニングシートがローラーの接線方向に引き出される状態とローラーに巻きつく方向に引っ張られる状態を交互に繰り返しているか、或いはクリーニングシートがローラーに巻きついて搬送不能になれば「×」とした。それぞれの結果を表4に示す。
Figure 0006779452
Figure 0006779452

Figure 0006779452
Figure 0006779452
X、Y、X1〜X8、Z1〜Z3:クリーニングシート
A:クリーニングシート本体
B:リーダーテープ
C:両面接着テープ
D:カバーテープ
1:基材
2:ウレタン吸着層
3:セパレータ

Claims (3)

  1. 印刷機や塗工機などのシートを搬送する装置におけるローラー外周清掃用のクリーニングシートであって、基材の少なくとも一方の面にウレタン吸着層を設け、前記ウレタン吸着層は長鎖脂肪酸エステルを10重量%以上27.2重量%以下含有し、前記ウレタン吸着層の対ガラス板剥離力が0.10N/25mm以下であることを特徴とするクリーニングシート。
  2. 前記装置へのシート装着時において前記装置のシート搬送方向前後の両端表面にウレタン吸着層を有しない部分を設けることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングシート。
  3. 前記基材のウレタン吸着層を有する部分の前記装置のシート搬送方向長さが、前記装置の最大外径のローラー外周長以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のクリーニングシート。
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