(第1実施例)
第1実施例では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.装置構成:
B.本実施例のインクボトルの着脱方法:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
A.装置構成 :
図1は、いわゆるインクジェットプリンターを例に用いて本実施例の液体消費装置の大まかな構成を示した説明図である。インクジェットプリンター10は、画像などの印刷を行う本体部30や、本体部30の側面に設けられたタンクケース50などから構成されている。
図2は、インクジェットプリンター10の内部構造を示した説明図である。図示されているように、本体部30の内部には、印刷用紙2上で往復動するキャリッジ20が設けられている。キャリッジ20の底面側(印刷用紙2を向いた側)には、複数の噴射ノズルが形成された噴射ヘッド22が搭載されており、噴射ノズルから印刷用紙2に向かってインクが噴射される。本実施例のインクジェットプリンター10では、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4種類のインクを用いてカラー画像を印刷することが可能であり、このことと対応して、キャリッジ20の噴射ヘッド22には、インクの種類毎に噴射ノズルが設けられている。
キャリッジ20は、図示しない駆動機構に駆動されて、ガイドレール24によってガイドされながら印刷用紙2上で往復動を繰り返す。また、インクジェットプリンター10には図示しない紙送り機構も設けられており、キャリッジ20が往復動する動きに合わせて印刷用紙2が少しずつ紙送りされる。そして、キャリッジ20が往復動する動きと、印刷用紙2が紙送りされる動きとに合わせて、噴射ヘッド22の噴射ノズルからインクを噴射することによって、印刷用紙2に画像等が印刷される。
噴射ノズルから噴射されるインクは、タンクケース50内のインクボトル100に収容されている。本実施例のインクジェットプリンター10では、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4種類のインクを使用することから、インクボトル100もインクの種類毎に設けられている。これらインクボトル100は、逆さまに向けた状態で、インクの種類毎に設けられたインク受部200に装着される。また、インクボトル100内のインクは、インク受部200およびインクチューブ26を介して噴射ヘッド22に供給される。
図3は、インクボトル100をインク受部200に装着した状態を示した斜視図である。図示されているように、インクボトル100は、インク受部200の上面に設けられた挿入口202にインクボトル100を挿入することによって装着される。インク受部200の内部には、中央に穴が空いた円卓形状の取付部210が設けられており、インクボトル100をインク受部200に装着すると、インクボトル100の細く形成された部分(以下、「首部」)が取付部210の中央の穴に挿入される。
図4は、本実施例のインクボトル100およびインク受部200の大まかな内部構造を示した断面図である。図示されているように、インクボトル100の首部の端面100eには、インクが外部に流出するためのボトル開口102(容器側開口部)が設けられている。また、インク受部200の上部には、外部から空気を取り入れるための空気取入口204が設けられており、インク受部200の下部には、噴射ヘッド22にインクを供給するためのインク供給口206が設けられており、インク供給口206にインクチューブ26が接続されている。
尚、本実施例のインク受部200は、上面の挿入口202を形成する部分が、インクボトル100の末狭まりとなる部分(肩部)の傾斜と同じ傾斜のテーパー形状に形成されており、このテーパー形状によってインクボトル100の肩部が支持されることによって、インクボトル100のグラつきが防止されている。
このように構成されるインクボトル100およびインク受部200では、次のようにして噴射ヘッド22にインクを供給する。まず、インクボトル100がインク受部200に装着された状態で、インク受部200内のインク液面がボトル開口102よりも下にあれば、ボトル開口102からインクボトル100内に空気が流入し、インクボトル100内からはインクが流出する。その結果、インク受部200内のインク液面が上昇して、インク液面がボトル開口102の高さに達すると、ボトル開口102がインクで塞がれてインクボトル100に空気が流入しなくなる。その結果、図4に示されるように、インクボトル100からインク受部200へのインクの流出が停止した状態となる。
この状態で、噴射ヘッド22によってインク供給口206からインクが吸い出されると、インク受部200のインクの液面が下がって、インクボトル100のボトル開口102とインクの液面との間に隙間ができる。その結果、ボトル開口102からインクボトル100に空気が流入するとともにボトル開口102からインク受部200にインクが流出し、インクの液面がボトル開口102の高さに達した時点でインクの流出が停止する。このように、インク受部200のインクの液面は、概ね一定の高さ(ボトル開口102の高さ)に保たれるようになっており、これによってインクが一定圧力で噴射ヘッド22に供給される。
ここで、上述のようにインクボトル100をインク受部200に装着する構成では、装着されたインクボトル100が空になる前に何らかの理由でユーザーによって外されて、インクボトル100内のインクが流出することが起こり得る。また、インク受部200にインクボトル100を装着する時にもインクボトル100を逆さまにしなければならないので、この時にインクボトル100内のインクが流出する。そこで、こうした事態を回避するために、本実施例のインクボトル100、およびインク受部200の取付部210は、以下のように構成されている。
図5は、本実施例のインクボトル100および取付部210の詳細な構造を示した分解組立図である。図示されているように、本実施例のインクボトル100には、ボトル開口102が設けられたインクボトル100の首部の端面100eに、円形の蓋部材110が設けられている。蓋部材110の中央には回転軸114が形成されており、回転軸114がインクボトル100の首部の端面100eの取付穴104に取り付けられるとによって、蓋部材110が回転可能となっている。また、蓋部材110にも、インクボトル100のボトル開口102と同様の開口(蓋開口112)が設けられており、更に、インクボトル100の首部の外周上と、蓋部材110の外周上とには、それぞれ凸部(凸部106,凸部116)が設けられている。これら凸部106,116の位置を合わせた状態では、ボトル開口102の位置と蓋開口112の位置とが半周分ずれて、蓋部材110でボトル開口102が密閉されるようになっている。
尚、本実施例のインクボトル100の凸部106は、本発明の「抜け止め部」に対応する。また、本実施例の蓋部材110の蓋開口112は、本発明の「蓋側開口部」に対応し、本実施例の蓋部材110の凸部116は、本発明の「位置決め部」に対応する。
インクボトル100が挿入される取付部210は、2枚のリング状の部材(上板212,中板214)と、中央に穴が空いた台座216とから構成される。上板212および中板214は、2枚重ねた状態で、台座216に対してネジ220でネジ止めされている。上板212および台座216には、内周上の同じ位置にそれぞれ凹部(凹部212a,216a)が設けられている。また、中板214には、上述した凹部212a,216aに対応する位置から半周分移動した位置にかけて、内周が切り欠かれた部分(溝部214b)が設けられている。
B.本実施例のインクボトルの着脱方法 :
図6は、本実施例のインクボトル100を取付部210に着脱する様子を示した説明図である。インクボトル100を取付部210に装着する際には、先ず、インクボトル100の凸部106と蓋部材110の凸部116との位置を合わせて、蓋部材110でボトル開口102を密閉した状態にしておく。そして、図6(a)に示されているように、インクボトル100を逆さまにし、凸部106,116の位置と取付部210の上板212の凹部212aの位置とを合わせてインクボトル100を挿入する。すると、蓋部材110の凸部116が取付部210の台座216の凹部216aに嵌まって蓋部材110が固定される。また、インクボトル100の凸部106は、中板214の溝部214bの一端側の位置(以下、溝部214bの始点)に配置される。
この状態で、インクボトル100を所定方向(本実施例では、時計回り方向)に回転させると、インクボトル100の凸部106が溝部214b内を移動する結果、図6(b)に示されるように、インクボトル100だけが時計回り方向に回転する。そして、インクボトル100が半周分だけ回転すると、図6(c)に示されるように、凸部106が溝部214bの他端側の位置(以下、溝部214bの終点)に達してインクボトル100が回転しなくなる。このとき、回転前は半周分ずれていたボトル開口102と蓋開口112とが同じ位置にくることによってボトル開口102が開いた状態となり、ボトル開口102からインクを供給可能となる。
また、装着したインクボトル100を抜き取る際には、装着時とは反対方向(本実施例では反時計回り方向)にインクボトル100を回転させる。すると、インクボトル100の凸部106が溝部214bの終点から始点に向かって溝部214b内を移動する。そして、凸部106の位置を溝部214bの始点(蓋部材110の凸部116の位置)まで戻すと、凸部106が取付部210の上板212に係合しなくなるので、インクボトル100を上方に持ち上げて取付部210から抜き取る。
このように本実施例のインクボトル100は、インクボトル100を取付部210に装着することによってボトル開口102が開き、インクが流出可能となる。従って、取付部210に装着されていない状態では、ボトル開口102が蓋部材110で密閉されているので、装着するときにインクボトル100内のインクが流出してしまうことがない。また、インクボトル100は、インクボトル100の凸部106の位置と蓋部材110の凸部116の位置とを合わせた状態(ボトル開口102が蓋部材110で密閉された状態)でなければ、インクボトル100を抜き取ることができないようになっている。その結果、インクボトル100が抜き取られる時は常に、ボトル開口102が密閉された状態とすることができるので、このときにインクが流出することを防止することも可能である。
C.変形例 :
以上に説明した本実施例のインクボトル100には、種々の変形例が存在する。以下では、これら変形例について簡単に説明する。尚、以下の変形例では、上述した本実施例のインクボトル100と異なる部分に焦点を当てて説明し、本実施例のインクボトル100と同様な構成については、同じ番号を付すこととして説明を省略する。
C−1.第1変形例 :
上述した本実施例のインクボトル100では、ボトル開口102はインクボトル100の端面100eの1か所だけに設けられているものと説明した。しかし、ボトル開口は、次のように複数箇所に設けることとしてもよい。
図7は、第1変形例のインクボトル300の構造を示した分解組立図である。図示したインクボトル300には、首部の端面100eの2か所にボトル開口(ボトル開口302a,302b)が設けられるとともに、蓋部材110にも2つの蓋開口(蓋開口312a,312b)が設けられている。そして、インクボトル300の凸部106と蓋部材110の凸部116との位置を合わせた状態では、ボトル開口302aの位置と蓋開口312aの位置とが90度分ずれ、ボトル開口302bの位置と蓋開口312bの位置とが90度分ずれて、ボトル開口302a,302bが蓋部材110で密閉される。また、インクボトル300を取付部210に挿入し、時計回り方向に90度分だけ回転させることで、ボトル開口302aと蓋開口312a(およびボトル開口302bと蓋開口312b)との位置が一致してボトル開口302a,302bが開き、インク受部200にインクを供給可能となる。
このようなインクボトル300をインク受部200に装着すると、インクボトル300からインク受部200にインクが流出する際に、何れか一方のボトル開口(例えば、ボトル開口302a)からインクボトル300に空気が流入し、他方のボトル開口(例えば、ボトル開口302b)からインクボトル300内のインクが流出する。その結果、インクボトル300に流入する空気と、インクボトル300から流出するインクとを別々の経路で移動させることができ、空気の移動によってインクの移動が妨げられることが抑制されるので、インクボトル300からインク受部200に速やかにインクを補給することが可能となる。
C−2.第2変形例 :
上述した第1変形例のインクボトル300は、本実施例のインクボトル100をインク受部200に装着する場合と同様に、インクボトル300を逆さまにし、真っ直ぐに立てた状態でインク受部200に装着するものとして説明した。しかし、インクボトル300は、次のように斜めに傾けてインク受部200に装着することとしてもよい。
図8は、第2変形例のインクボトル300をインク受部200に装着した状態を示した断面図である。図8(a)に示されているように、第2変形例のインクボトル300は、インク受部200に対して斜めに傾けた状態で装着される。そして、装着された状態で、インクボトル300の一方のボトル開口302aの高さが、他方のボトル開口302bの高さよりも高くなっている。
このようにインクボトル300を装着すると、噴射ヘッド22によってインクが吸い出されてインク受部200の液面が下がった場合に、図8(b)に示されるように、ボトル開口302aとインクの液面との間に隙間ができる。その結果、ボトル開口302aからインクボトル300に空気が流入し、流入した空気の分のインクがボトル開口302bからインク受部200に流出する。このように、インクが移動する経路と空気が移動する経路とを明確に区別することができるので、空気の移動によってインクの移動が妨げられることがなく、インクボトル300からインク受部200により速やかにインクを補給することが可能となる。
以上、各種の実施形態を説明したが、本発明は上記すべての実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上述した本実施例および変形例では、インクボトルの首部の側面と、この側面に面する取付部の内周面とは、平滑な面であるものと説明した。しかし、インクボトルの首部の側面と、取付部の内周面とにネジ溝を設けることとしてもよい。こうすれば、ネジ溝のかみ合いによって、インクボトルを取付部により確実に固定することが可能である。
(第2実施例)
第1実施例、第1変形例、第2変形例では、インクが外部に流出するためのボトル開口102,302a,302bを首部の端面100eに設けたインクボトル100,300について説明したが、第2実施例では、首部の外周面にボトル開口を設けたインクボトルについて説明する。
図9は、第2実施例における液体容器の一例であるインクボトル400の外観斜視図である。インクボトル400は、容器本体403と開閉部420とから構成される。図9は、鉛直方向Zにおいて容器本体403を開閉部420より上側にし、インクボトル400を逆さまの姿勢にした状態の図である。
容器本体403は、液体としてのインクを収容する液体収容部401と、排出部402とから構成される。排出部402は、液体収容部401に収容されたインクが排出される流路が内部に形成され、液体収容部401より細い円筒状の首部である。
排出部402は、開閉部420を貫通し、開閉部420は、排出部402に対して回転方向D1,D2に回転可能に備えられる。排出部402の先端部である排出部先端部404は、開閉部420の先端部となる開閉部先端部426より下方で露出する。排出部先端部404には、第1の突出部405が設けられ、開閉部先端部426には、第2の突出部421が設けられる。
図10(a)は、図9から開閉部420を取り除いた状態の容器本体403の斜視図である。図10(b)は、開閉部420の斜視図である。図11(a)は、容器本体403に開閉部420を備えたインクボトル400を、図10(a)の断面位置A−A´において矢印方向から見た断面図である。
排出部402は、排出部402の軸方向(鉛直方向Z)と直交する断面が円環状の排出部周壁409を有する。排出部周壁409には、貫通孔である第1開口部406が形成される。また、排出部周壁409における第1開口部406より排出部先端部404側には、貫通孔である、第3開口部407aと第3開口部407cとが対向し、図10(a)の第3開口部407bと第3開口部407dと対向して配置される。
図11(a)の開閉部420は、開閉部周壁422、接続部423、外壁424、テーパー部425、開閉部先端部426によって構成される。開閉部420は、一体に形成してもよいし、複数の部材から構成してもよい。開閉部周壁422は、排出部周壁409の外周面と摺動する。外壁424は、開閉部周壁422の外周側に設けられて開閉部周壁422との間に流路R2を形成する。
接続部423は、開閉部周壁422と外壁424とを接続する壁部である。接続部423は、排出部周壁409の段差部402aに当接し、開閉部420の液体収容部401側への移動が規制される。開閉部先端部426は、排出部周壁409の外周面と摺動する。テーパー部425は、開閉部先端部426と外壁424とを接続する壁部である。
開閉部周壁422と開閉部先端部426とは離れて形成されており、第3開口部407a,407b,407c,407dは、開閉部周壁422と開閉部先端部426との間に配置される。
第1開口部406と第3開口部407a〜407dとの間には、排出部402の内部において、排出部周壁409と接続され、鉛直方向Zと交わる方向の面410aが形成され、流路R1を遮断する隔壁410が形成される。隔壁410によって、排出部402の内部に形成された流路R1における排出部先端部404側は閉じられる。
図10(b)、図11(a)に示す第2開口部427は、開閉部周壁422を貫通して形成される。図11(a)に示すように、第2開口部427が第1開口部406と反対側の回転位置にあるとき、第1開口部406は開閉部周壁422によって密閉される。そのため、インクがインクボトル400の外部に流出しない。
図11(b)は、図11(a)の開閉部420を180度分回転させ、第2開口部427が第1開口部406と同じ側の位置にあり、第2開口部427と第1開口部406とが連通する位置にあることを示す。
第2開口部427と第1開口部406とが連通する位置にあるとき、液体収容部401に収容されたインクは、排出部402の内部に形成された流路R1を流れ、矢印a1に示すように、第1開口部406、第2開口部427を流れ、開閉部周壁422と外壁424との間に形成された流路R2に流入する。
流路R2に流入したインクは、矢印a2に示すように、排出部先端部404の内部に形成された流路R3に流入し、矢印a4に示すように、開口部408から外部に排出される。また、流路R2に流入したインクは、テーパー部425の内部の壁面に沿って周方向に流れ、第3開口部407a,407b,407c,407dから流路R3に流入し、矢印a4に示すように、開口部408から外部に排出される。
インクボトル400は、第1実施例で説明したインクジェットプリンター10に設けられた図4のインク受部200と寸法は異なるが、インク受部200と同じ構成のインク受部に装着して噴射ヘッド22にインクを供給することができる。
図4、図5を参照し、インクボトル400を取付部210に装着するときの様子を説明する。インクボトル400を取付部210に装着するとき、図11(a)の第1の突出部405と第2の突出部421の回転位置が合った状態すなわち第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で、第1の突出部405と第2の突出部421とを図5の上板212の凹部212aを通過させ、開閉部420のテーパー部425が図4の挿入口202に当接するまで挿入する。
開閉部420のテーパー部425が挿入口202に当接した状態では、排出部先端部404の第1の突出部405が、台座216の凹部216aに挿入した状態となり、容器本体403の回転が規制される。また、開閉部先端部426の第2の突出部421が、溝部214bの一端側の位置(以下、溝部214bの始点)に配置される。
この状態で、開閉部420を回転方向D2(図9参照)に回転させると、第2の突出部421が溝部214b内を移動し、開閉部420だけが回転方向D2に回転し、容器本体403は回転しない。
そして、開閉部420が半周分だけ回転すると、第2の突出部421が溝部214bの他端側の位置(以下、溝部214bの終点)に達して開閉部420が回転しなくなる。このとき、回転前は半周分ずれていた第1開口部406と第2開口部427とが同じ位置になることによって第1開口部406と第2開口部427とが連通する状態となり、インクボトル400からインクを供給可能となる。
第1開口部406と第2開口部427とが連通する状態では、第2の突出部421が取付部210の上板212に係合し、鉛直方向Zにおける上側への移動が規制されるので、インクボトル400を取付部210から取り外すことができない。
装着したインクボトル400を抜き取る際には、装着時とは反対方向である回転方向D1(図9参照)に開閉部420を回転させる。すると、第2の突出部421が溝部214bの終点から始点に向かって溝部214b内を移動する。そして、第2の突出部421の位置を溝部214bの始点(第1の突出部405の位置)まで戻すと、第2の突出部421が取付部210の上板212に係合しなくなるので、インクボトル400を上方に持ち上げて取付部210から抜き取ることができる。
第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で、インクボトル400を取付部210に挿入したり、取付部210から取り外すときは、第1開口部406が開閉部420の開閉部周壁422で密閉されているので、インクボトル400内のインクが流出してしまうことがない。
取付部210にインクボトル400を装着するときは、第1の突出部405は、インクボトル400を取付部210に装着するときの位置決め部として機能し、第2の突出部421は、インクボトル400が取付部210から抜けてしまうことを防止する抜け止め部として機能する。
反対に、第1の突出部405が抜け止め部として機能し、第2の突出部421が位置決め部として機能する場合について図12を用いて説明する。図5の取付部210は、溝部214bが中板214に設けられたが、図12は、溝部603aが台座603に設けられた取付部600を示す図である。
取付部600は、2枚のリング状の部材(上板601,中板602)と、中央に穴が空いた台座603とから構成される。上板601および中板602は、2枚重ねた状態で、台座603に対してネジ604でネジ止めされる。上板601および中板602には、内周上の同じ位置にそれぞれ凹部601a,602aが設けられている。また、台座603には、上述した凹部601a,602aに対応する位置から半周分移動した位置にかけて、内周が切り欠かれた溝部603aが設けられている。
インクボトル400を取付部600に装着するときの様子を説明する。インクボトル400を図12の取付部600に装着するとき、図11(a)の第1の突出部405と第2の突出部421の回転位置が合った状態すなわち第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で、第1の突出部405と第2の突出部421とを図12の上板601の凹部601aを通過させ、開閉部420のテーパー部425が図4の挿入口202に当接するまで挿入する。
開閉部420のテーパー部425が挿入口202に当接した状態では、第2の突出部421が、中板602の凹部602aに挿入した状態となり、容器本体403の回転が規制される。また、第1の突出部405が、溝部603aの一端側の位置(以下、溝部603aの始点)に配置される。
この状態で、容器本体403を回転方向D2(図9参照)に回転させると、第1の突出部405が溝部603a内を移動し、容器本体403だけが回転方向D2に回転し、開閉部420は回転しない。
そして、容器本体403が半周分だけ回転すると、第1の突出部405が溝部603aの他端側の位置(以下、溝部603aの終点)に達して容器本体403が回転しなくなる。このとき、回転前は半周分ずれていた第1開口部406と第2開口部427とが同じ位置となることによって第1開口部406と第2開口部427とが連通する状態となり、インクボトル400からインクが供給可能となる。
第1開口部406と第2開口部427とが連通する状態では、第1の突出部405が取付部600の中板602に係合し、鉛直方向Zにおける上側への移動が規制されるので、インクボトル400を取付部600から取り外すことができない。
装着したインクボトル400を抜き取る際には、装着時とは反対の回転方向D1(図9参照)に容器本体403を回転させる。すると、第1の突出部405が溝部603aの終点から始点に向かって溝部603a内を移動する。そして、第1の突出部405の位置を溝部603aの始点(第2の突出部421の位置)まで戻すと、第1の突出部405が取付部600の中板602に係合しなくなるので、インクボトル400を上方に持ち上げて取付部600から抜き取ることができる。
第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で、インクボトル400を取付部600に挿入したり、取付部600から取り外すときは、第1開口部406が開閉部周壁422で密閉されているので、インクボトル400内のインクが流出してしまうことがない。
取付部600にインクボトル400を装着するときは、第2の突出部421は、インクボトル400を取付部600に装着するときの位置決め部として機能し、第1の突出部405は、インクボトル400が取付部600から抜けてしまうことを防止する抜け止め部として機能する。
以上、本実施例で説明したインクボトル400は、インクジェットプリンター10の装着部に装着されて、インクジェットプリンター10にインクを供給する液体容器であって、インクジェットプリンター10に供給されるインクが収容される液体収容部401と、液体収容部401から排出されるインクの流路R1,R2が形成された排出部402とを有する容器本体403と、排出部402に設けられ、流路R1,R2を開閉する開閉部420と、を備え、排出部402には、流路R1の一部を形成する第1開口部406が設けられ、開閉部420には、容器本体403と開閉部420との相対的な回転移動によって、第1開口部406と連通可能な第2開口部427が設けられる。
このような構成により、インクボトル400が空になる前にインクジェットプリンター10の装着部から取り外されたとしても、第1開口部406が塞がれているのでインクボトル400内のインクが流出することを防ぐことができる。その結果、インクが流出して無駄になったり、インクジェットプリンター10や周囲をインクで汚したりすることを回避可能となる。
また、排出部402は、円筒状の排出部周壁409を有し、開閉部420は、排出部周壁409の外周面と摺動する開閉部周壁422と、開閉部周壁422の外周側に設けられて開閉部周壁422との間に流路R2を形成する外壁424とを有し、第1開口部406は、排出部周壁409に形成され、第2開口部427は、開閉部周壁422に形成される。
また、排出部先端部404には、外周方向に突出する第1の突出部405が設けられ、開閉部先端部426には、外周方向に突出する第2の突出部421が設けられ、第1の突出部405と第2の突出部421のうちの一方は、回転範囲における位置決めを行い、他方は、第1開口部406と第2開口部427とが連通した状態において容器本体403の抜け止めを行う。
こうすれば、第1開口部406と第2開口部427とが連通した状態で、インクボトル400をインクジェットプリンター10の装着部から取り外してしまい、インクジェットプリンター10や周囲をインクで汚したりすることを回避可能となる。
また、排出部周壁409には、液体収容部401から排出される方向において、開閉部周壁422と外壁424の間に形成された流路R2より下流側に第3開口部407a〜407dが形成される。
こうすれば、インクが、開閉部周壁422と外壁424の間に形成された流路R2から、第3開口部407a〜407dを通り、排出部の開口部408から排出される。これにより、インクボトル400の先端部を細くすることができる。従って、インクボトル400の装着部である取付部210の開口部を小さくすることができる。
また、第1の突出部405は、排出部先端部404に着脱可能な構成にし、第1の突出部405を排出部先端部404から取り外した状態で、開閉部420を排出部402に着脱可能に備えるようにしてもよい。このような構成では、開閉部420は、インクボトル400にインクを注入するときは取り外され、インクを収容するときは容器本体403を密閉する蓋部材を構成する。
従って、本実施例で説明したインクボトル400は、回転を伴う装着動作によってインクジェットプリンター10の装着部である取付部600に装着されて、インクジェットプリンター10にインクを供給する液体容器であって、インクジェットプリンター10に供給されるインクが通過する容器側開口部である第1開口部406が設けられた容器本体403と、第1開口部406を塞ぐ位置で且つ容器本体403に対して回転可能な状態で容器本体403に取り付けられて、前記装着動作では取付部600に当接される蓋部材としての開閉部420と、を備える。
そして、開閉部420には、インクボトル400を装着する際に、取付部600に対して開閉部420を装着動作の回転方向D1,D2に位置決めする位置決め部である第2の突出部421と、前記装着動作による容器本体403の回転によって容器側開口部である第1開口部406と連通する位置に設けられた蓋側開口部である第2開口部427と、が設けられており、容器本体403には、インクボトル400が取付部600に装着され、且つ、容器本体403の回転位置が第1開口部406と第2開口部427とが連通する回転位置にある場合には、取付部600に係合して容器本体403が抜けてしまうことを防止する抜け止め部としての第1の突出部405が設けられている。
(第3実施例)
第3実施例では、インクボトルを装着する取付部の形状と同じ形状の開閉部の先端部を設けたインクボトルについて説明する。図13(a)は、第3実施例におけるインクボトル400aの外観斜視図である。図13(a)は、図9のインクボトル400の開閉部先端部426に、突出部430を設けたものである。
突出部430は、外周方向に突出して鉛直方向Zに延びる形状である。図13(b)は、挿入口202a(図4参照)を鉛直方向Zにおける上側から見た形状を示す。挿入口202aの内周面230は、インクボトル400aの開閉部先端部426の外周面が挿入可能な円形状である。
内周面230には、凹部231,232が形成される。凹部231は、インクボトル400aの第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で貫通可能な大きさの形状である。凹部232は、突出部430が貫通可能な大きさの形状である。内周面230に対する凹部231,232の配置は、開閉部先端部426の外周面における第2の突出部421と突出部430の配置と同じである。
すなわち、挿入口202aを鉛直方向Zにおける上側から見た形状は、第2の突出部421と突出部430を含む開閉部先端部426を鉛直方向Zから見た外形形状と同じである。従って、第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で、インクボトル400aを挿入口202aに挿入することができる。
図14(a)は、第3実施例におけるインクボトル400bの外観斜視図である。図14(a)は、図13(a)のインクボトル400aの開閉部先端部426に、さらに突出部431を設けたものである。
突出部431は、外周方向に突出して鉛直方向Zに延びる形状である。図14(b)は、挿入口202bを鉛直方向Zにおける上側から見た形状を示す。挿入口202bの内周面240は、インクボトル400bの開閉部先端部426の外周面が挿入可能な円形状である。
内周面240には、凹部241,242,243が形成される。凹部241は、インクボトル400bの第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で貫通可能な大きさの形状である。凹部242は、突出部430が貫通可能な大きさの形状である。凹部243は、突出部431が貫通可能な大きさの形状である。内周面240に対する凹部241,242,243の配置は、開閉部先端部426の外周面に対する第2の突出部421と突出部430,431の配置と同じである。
すなわち、挿入口202bを鉛直方向Zにおける上側から見た形状は、第2の突出部421と突出部430,431を含む開閉部先端部426を鉛直方向Zから見た外形形状と同じである。従って、第1の突出部405と第2の突出部421とが重なった状態で、インクボトル400bを挿入口202bに挿入することができる。
例えば、インクボトル400a、挿入口202aをそれぞれイエローインクの、専用インクボトル400a、専用挿入口202aとし、インクボトル400b、挿入口202bをそれぞれマゼンタインクの、専用インクボトル400b、専用挿入口202bとする。
図13(a)のイエローインクの専用インクボトル400aの第2の突出部421、突出部430の配置は、図14(b)のマゼンタインクの専用挿入口202bにおける内周面240に対する凹部241,242の配置と異なる。
従って、イエローインクの専用インクボトル400aを、マゼンタインクの専用挿入口202bに挿入できない。また、反対に、マゼンタインクの専用インクボトル400bを、イエローインクの専用挿入口202aに挿入できない。このように、装着対象ではないインクボトルを誤って装着してしまうことを防止できる。
(第4実施例)
第4実施例では、開閉部がスライド移動することにより、第1開口部と第2開口部とが連通する液体容器について説明する。図15(a)、(b)は、液体容器の一例である第4実施例におけるインクボトル500の外観斜視図である。図15(b)は、図15(a)の開閉部としてのスライド部材521をスライド方向D4に引き出した状態の図である。
インクボトル500の容器本体503は、インクを収容する液体収容部501と、液体収容部501に収容されたインクが排出される流路が内部に形成された円筒状の排出部502とから構成される。図15(a)、(b)は、液体収容部501を排出部502より鉛直方向Zにおける上側にした逆さまの姿勢を示す。
排出部502には、箱形状の部材520に備えられ、スライド方向D3,D4にスライド移動するスライド部材521が備えられる。スライド部材521には、操作者が指で把持するための摘み部522が設けられる。
図16は、図15(b)の箱形状の部材520を取り外した状態のインクボトル500の斜視図である。スライド部材521は、排出部502の排出部周壁509を貫通し、スライド移動可能に備えられる。
排出部502の排出部先端部504には、外周方向に突出し、鉛直方向Zに延びる突出部505が設けられる。突出部505を含む排出部先端部504を、鉛直方向Zから見た外形形状は、インクボトル500を装着する挿入口(図4の挿入口202参照)を鉛直方向Zにおける上側から見た形状と同じである。
排出部先端部504に設けられる突出部の配置、個数、形状をインクボトルごとに変え、それぞれに対応する取付部をインクジェットプリンター10に設けることによって、インク色の異なるインクが収容されたインクボトルを誤って装着することを防止できる。
図17(a)は、図15(a)の断面位置B−B´において矢印方向から見たインクボトル500の断面図である。排出部502の内部には、排出部周壁509と接続され、鉛直方向Zと交わる方向(後述するインクが排出される方向と交わる方向)の面507aが形成された隔壁507が設けられる。隔壁507には、貫通孔である第1開口部506が設けられる。
スライド部材521は、隔壁507と当接してスライド移動する。スライド部材521には、貫通孔である第2開口部526が設けられる。図17(a)のスライド部材521が箱形状の部材520に押し込まれた状態では、第1開口部506は、スライド部材521によって密閉された状態である。
図17(b)は、図15(b)の断面位置C−C´において矢印方向から見たインクボトル500の断面図である。図17(b)のスライド部材521がスライド方向D4に引き出された状態では、第1開口部506と第2開口部526とは連通する。これにより、矢印a5に示すように、インクが排出方向(鉛直方向Zにおける下方向)に流れ、開口部508から流出する。
本実施例で説明したインクボトル500は、排出部502は、内側に流路を形成する排出部周壁509と、排出部周壁509の内側に形成されてインクの排出方向と交わる方向の面507aが形成された隔壁507とを有し、スライド部材521は、排出部周壁509を排出方向と交わる方向に貫通し、スライドするスライド部材521であり、第1開口部506は、隔壁507に形成され、第2開口部526は、スライド部材521に形成され、スライド部材521が、隔壁507に当接してスライド移動することにより、第1開口部506と第2開口部526とが連通する。
この構成によれば、スライド部材521が隔壁507に当接してスライド移動することにより、第1開口部506と第2開口部526とが連通可能な状態または非連通の状態にすることができる。
(第5実施例)
第5実施例では、円筒状の排出部の中心線で示した軸方向に移動する開閉部を備えたインクボトルについて説明する。図18(a)は、第5実施例におけるインクボトル700の断面図である。インクボトル700は、インクジェットプリンター10に供給されるインクが収容される液体収容部701と、液体収容部701から排出される流路が形成された排出部702とを有する容器本体703と、排出部702に設けられ、流路を開閉する開閉部720と、を備える。排出部702の円筒状の排出部周壁709の内部には、隔壁706が形成される。
開閉部720は、排出部周壁709の外周面と摺動する開閉部周壁721と、開閉部周壁721の外周側に設けられて開閉部周壁721との間に流路を形成する外壁723とを有する。
排出部周壁709には、貫通孔である第1開口部704a,704bが形成され、開閉部周壁721には、貫通孔である第2開口部724a,724bが形成される。また、排出部周壁709には、隔壁706より開口部707側に、貫通孔である第3開口部705a,705bが形成される。
開閉部720は、円筒状の排出部702の中心線(一点鎖線)を軸とする軸方向D5,D6に移動可能に備えられる。
図18(a)は、開閉部720が軸方向D6側の位置にある状態を示す。この状態では、第1開口部704a,704bは、開閉部周壁721によって密閉される。図18(b)は、開閉部720が軸方向D5側の位置にある状態を示す。この状態では、第1開口部704a,704bと第2開口部724a,724bとは連通する状態にある。
矢印a6,a7に示すように、インクは、第1開口部704a,704b、第2開口部724a,724bを流れ、矢印a8,a9に示すように、第3開口部705a,705bを流れて開口部707から流出する。
このような構成により、インクボトル700が空になる前に装着部から取り外されたとしても、第1開口部704a,704bが開閉部周壁721によって塞がれているのでインクボトル700内のインクが流出することを防ぐことができる。その結果、インクが流出して無駄になったり、インクジェットプリンター10や周囲をインクで汚したりすることを回避可能となる。
(第6実施例)
第2実施例、第3実施例では、排出部402の外周面に開閉部420を摺動可能に備え、第5実施例では、排出部702の外周面に開閉部720を摺動可能に備えた。このような排出部402,702には、第3開口部407a〜407d,705a,705bを設けたが、排出部に第3開口部を設けなくてもよい。図19は、第6実施例におけるインクボトル800の断面図である。
図19は、第6実施例におけるインクボトル800の断面図である。インクボトル800は、インクジェットプリンター10に供給されるインクが収容される液体収容部801と、液体収容部801から排出される流路が形成された排出部802とを有する容器本体803と、排出部802を軸として回転移動することにより流路を開閉する開閉部820と、を備える。排出部802の円筒状の排出部周壁804の内部には、隔壁806が形成される。
開閉部820は、排出部周壁804の外周面と摺動する開閉部周壁821と、開閉部周壁821の外周側に設けられて開閉部周壁821との間に流路を形成する外壁822、開閉部周壁821と外壁822とを接続する壁部である接続部823を有する。
排出部周壁804には、第1開口部805が形成され、開閉部周壁821には、第2開口部824が形成される。開閉部820の回転位置によって、第1開口部805と第2開口部824とが連通または非連通の状態になる。
図19の第1開口部805と第2開口部824とが連通する状態にあるとき、液体収容部801に収容されていたインクは、矢印a10に示すように、第1開口部805、第2開口部824を流れ、矢印a11,a12に示すように、排出部802の外周面と外壁822との間に形成された流路から流出する。
本実施例のように、第3開口部を排出部802に設けなくてもよいので、インクボトル800の製造コストの増加を抑制できる。
(第7実施例)
第7実施例では、第1開口部、第2開口部がそれぞれテーパー部に形成されたインクボトルについて説明する。図20(a)は、インクボトル900の斜視図であり、図20(b)は、図20(a)の断面位置D−D´において矢印方向から見たインクボトル900の断面図である。
図20(a)の開閉部920は、容器本体903に対して回転方向D1,D2に回転可能に備えられる。図20(b)の容器本体903は、インクが収容される液体収容部901と、液体収容部901からインクが排出される排出部902とから構成される。
排出部902は、円筒部905とテーパー部904とを形成する排出部周壁906を有する。開閉部920は、円筒部922とテーパー部921とを形成する開閉部周壁923を有する。排出部周壁906におけるテーパー部904には、貫通孔である一対の第1開口部907が設けられる。排出部902の先端側(液体収容部901と反対側)は閉じられる。
開閉部周壁923におけるテーパー部921には、貫通孔である一対の第2開口部925が設けられる。第1開口部907、第2開口部925は、略同じ形状であり、一点鎖線に示した排出部902の軸方向に延びる長穴である。
一対の第1開口部907は、対向する。すなわち、一対の第1開口部907は、排出部902の軸を中心として互いに180度回転した位置に設けられる。同様に、一対の第2開口部925は、対向し、排出部902の軸を中心として互いに180度回転した位置に設けられる。
開閉部周壁923における円筒部922の内周には、内周に亘って溝部926が設けられる。排出部周壁906における円筒部905の外周には、外周に亘って突出部908が、溝部926に挿入した状態で回転方向D1,D2に摺動可能に設けられる。これにより、開閉部920は、排出部902の軸方向における移動が規制された状態で、排出部902に対して回転方向D1,D2に摺動可能である。
開閉部周壁923における円筒部922の外周には、排出部902の軸方向に延びる一対の突出部924が設けられる。一対の突出部924は、対向し、排出部902の軸を中心として互いに180度回転した位置に設けられる。
一対の突出部924が対向する方向と、一対の第2開口部925が対向する方向とは、直交する。そのため、開閉部920に対する容器本体903の回転位置において、図20(a)に示すように、一対の突出部924が対向する方向と、一対の第1開口部907が対向する方向とが直交するとき、図20(b)の第1開口部907と第2開口部925とは連通する。
開閉部920に対する容器本体903の回転位置において、一対の突出部924が対向する方向と、一対の第1開口部907が対向する方向とが同じであるとき、第1開口部907は、開閉部周壁923におけるテーパー部921によって封止される。
図20(c)は、プリンターに設けられた装着部940をインクボトル900の挿入方向(鉛直方向Z)から見た図である。装着部940には、円筒部922が挿入可能な円形状の開口部941と、一対の突出部924が挿入可能な一対の凹部942が形成される。
操作者は、排出部902に対する開閉部920の回転位置において、一対の突出部924が対向する方向と、一対の第1開口部907が対向する方向とが同じ方向にある状態、すなわち、第1開口部907が、開閉部周壁923におけるテーパー部921によって封止された状態で、円筒部922を開口部941に挿入し、インクが収容されたインクボトル900を装着部940に装着する。
この状態では、突出部924は凹部942に挿入されているので、開閉部920は、回転方向D1,D2の回転が規制される。この状態で、操作者が、容器本体903を90度回転させると、図20(b)の第1開口部907と第2開口部925とが連通し、インクは矢印a13,a14に示すように、第1開口部907、第2開口部925から流出する。
尚、第1開口部907と第2開口部925とが対向して連通する回転位置の目印を開閉部周壁923と液体収容部901のそれぞれに設けておけば、位置合わせが容易となる。 また、この実施例における開閉部920は、その第2開口部925が容器本体903の第1開口部907と対向しない状態では、インク流出や、ごみの浸入を防止する蓋部材を構成する。
開閉部920は、インクボトル900をプリンターの装着部940に装着した後、容器本体903を回転させればインクを流出させることができるため、操作者や周囲へのインク汚染を防止できる。また、インク補給後、インクボトル900を引き抜くときも、容器本体903を回転させれば第1開口部907が閉じるため、同様に、操作者や周囲へのインク汚染を防止できる。