実施の形態1.
図1は、本発明のカバー開閉機構を備えた実施の形態1の画像形成装置1の要部構成を説明するための概略構成図である。
同図に示すように、画像形成装置1は、内部に、それぞれ、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)を印刷するための画像形成ユニット2K,2Y,2M,2C(特に区別する必要がない場合は単に画像形成ユニット2と称す場合がある)の4つの大きなユニット、それ等に対向する転写ローラ10K,10Y,10M,10C(特に区別する必要がない場合は単に転写ローラ10と称す場合がある)、無端状で記録紙35の搬送を行う搬送ベルト18とベルト従動ローラ16とベルト駆動ローラ17からなる転写ユニット27、記録紙35を複数枚入れておき順次記録紙を取り出すための用紙カセット24、用紙カセット24から分離用舌片などを併用して1枚ずつ記録紙35を分離して取り出すための給紙ローラ11、第1搬送ローラ対13及びその第1入り口センサ12、第2搬送ローラ対15及びその第2入り口センサ14、書き込みセンサ21、内部にハロゲンランプなどの発熱体を有して記録紙35を加熱及び加圧して記録紙35に現像剤を定着させる定着ローラ19と定着バックアップローラ20からなる定着ユニット28、排出センサ22、定着後の記録紙35を排出する排出ローラ対23、排出ローラ対より排出された記録紙35をスタックする排出トレイ31を備える。
画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは、それぞれ、LEDヘッド3K,3Y,3M,3C(特に区別する必要がない場合は単にLEDヘッド3と称す場合がある)、感光体ドラム4K,4Y,4M,4C(特に区別する必要がない場合は単に感光体ドラム4と称す場合がある)、帯電ローラ5K,5Y,5M,5C(特に区別する必要がない場合は単に帯電ローラ5と称す場合がある)、現像ローラ6K,6Y,6M,6C(特に区別する必要がない場合は単に現像ローラ6と称す場合がある)、トナータンク7K,7Y,7M,7C、現像ブレード8K,8Y,8M,8C、及びトナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cによって構成されている。
画像形成装置1の上部には、後述するように、内部構成を覆うトップカバー41が配置されている。このトップカバー41は、装置本体に支点部43が回動自在に保持されたインナープレート42によって固定的に保持されており、装置上方を開閉して、内部構成品の交換等を可能にしている。尚、上記したように、画像形成装置1の、トップカバー41のように、可動な或いは着脱可能な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を画像形成装置本体と称す場合がある。
また、図1には図示していないが、各ローラ類をまわすためのモータ、最小記録紙間隔以下の距離に敷設された搬送路上のローラ、搬送路切り替え用のソレノイド等を備える。
特にモータ類は、図2の説明で後述するように、主に給紙ローラ11をまわすための給紙モータ811、搬送ローラ対13,15をまわすための搬送モータ812、ベルト駆動ローラ17を回すための搬送ベルトモータ801、定着ローラ19、定着バックアップローラ20、排出ローラ対23を回すための定着モータ793、及び画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cをそれぞれ独立して駆動するK−IDモータ781、Y−IDモータ782、M−IDモータ783、C−IDモータ784を備える。
尚、図1中のX、Y、Zの各軸は、記録紙35が画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cを通過する際の搬送方向にX軸をとり、後述する感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各軸が示される場合、これらの軸方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ軸は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置1を構成する際の配置方向を示している。またここでは、Z軸が略鉛直方向となるように配置されるものとする。
図2は、画像形成装置1の要部動作を制御する制御系の要部構成を示すブロック図である。
同図中、画像形成制御部700は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、カウンタ、タイマ等によって構成され、上位装置から印刷データ及び制御コマンドを受信してプリンタ部の全体をシーケンス制御し、印刷動作を行う。I/F制御部710は、上位装置ヘプリンタ情報を送信すると共に、上位装置から入力したコマンドを解析し、上位装置から受信したデータを処理する。受信メモリ720は、上位装置から受信したデータをI/F制御部710の制御に基づいて色毎に格納し、操作部701は、画像形成装置1の状態を表示するためのLED、使用者からの指示を画像形成制御部700へ与えるためのスイッチを備えている。
各種センサ702は、記録紙35の搬送位置を検出する複数のセンサ(第1入ロセンサ12、第2入口センサ14、書込みセンサ21、排出センサ22等)を含み、各センサの出力は画像形成制御部700へ入力されている。画データ編集メモリ730は、I/F制御部710を介して上位装置から入力した印刷データを画データとして編集し、即ち受信メモリ720に一時的に格納された印刷データを受け取ってLEDヘッド3(図1)に送信するためのイメージデータに編集し、編集処理したイメージデータを格納するためのメモリである。
帯電電圧制御部740は、画像形成制御部700の指示により画像形成ユニット2(図1)内の帯電ローラ5に電圧を印加して感光体ドラム4の表面を帯電させるための制御を行う。帯電電圧制御部740は、各々色毎に制御が分かれて、K−帯電電圧制御部、Y−帯電電圧制御部、M−帯電電圧制御部、及びC−帯電電圧制御部を有しており、それぞれが、K−帯電ローラ5K、Y−帯電ローラ5Y、M−帯電ローラ5M、及びC−帯電ローラ5Cへの印加電圧を制御する。
ヘッド制御部750は、画データ編集メモリ730に格納されたイメージデータに従って、LEDヘッド3(図1)により帯電された感光体ドラム4の表面に光を照射して露光させるための制御を行う。ヘッド制御部750は、各々色毎に制御が分かれて、K−ヘッド制御部、Y−ヘッド制御部、M−ヘッド制御部、及びC−ヘッド制御部を有しており、それぞれが、K−LEDヘッド3K、Y−LEDヘッド3Y、M−LEDヘッド3M、及びC−LEDヘッド3Cに対して所定のタイミングでイメージデータを送信するための制御を行う。
現像電圧制御部760は、感光体ドラム4(図1)の表面にLEDヘッド3により生成された静電潜像にトナーを付着させるため、画像形成ユニット2内の現像ローラ6に対し電圧を印加するための制御を行う。このため現像電圧制御部760は、K−現像電圧制御部、Y−現像電圧制御部、M−現像電圧制御部、及びC−現像電圧制御部を有しており、それぞれが、K−現像ローラ6K、Y−現像ローラ6Y、M−現像ローラ6M、及びC−現像ローラ6Cへの印加電圧を制御する。
転写電圧制御部770は、感光体ドラム4(図1)の表面に生成されたトナー像を記録媒体である記録紙35に転写するため、画像形成制御部700の指示を受けて転写ローラ10(図1)に対し電圧を印加するための制御を行う。このため、転写電圧制御部770は、K−転写電圧制御部、Y−転写電圧制御部、M−転写電圧制御部、及びC−転写電圧制御部を有しており、それぞれが、K−転写ローラ10K、Y−転写ローラ10Y、M−転写ローラ10M、及びC−転写ローラ10Cへの印加電圧を制御し、各々の感光体ドラム4の表面に生成されたトナー像を記録紙35に順次重ねて転写する。
画像形成駆動制御部780は、画像形成制御部700の指示を受けて画像形成ユニット2(図1)内に備えられた各感光体ドラム4、帯電ローラ5、現像ローラ6を駆動するための制御を行う。このため、画像形成駆動制御部780は、K−IDモータ制御部、Y−IDモータ制御部、M−IDモータ制御部、及びC−IDモータ制御部を有しており、それぞれが、各画像形成ユニットのK−IDモータ781、Y−IDモータ782、M−IDモータ783、C−IDモータ784を駆動制御する。
定着制御部790は、記録紙35に転写されたトナー像を定着するための制御部であり、画像形成制御部700の指示、及び定着ユニット28(図1)の所定温度を測定するための定着サーミスタ791からの検出温度を受入れ、定着ユニット28に内蔵された発熱体792(図1参照)への電圧印加をオン・オフして定着温度を制御する。更に、定着ユニット28が所定温度に上昇した段階で、定着ロ−ラ19、定着バックアップローラ20、及び排出ローラ対23を回すための定着モータ793を回転駆動制御する。
搬送ベルト駆動制御部800は、画像形成制御部700の指示により、転写ユニット27(図1)の搬送ベルト18を駆動するベルト駆動ローラ17を回す搬送ベルトモータ801を回転制御する。給紙・搬送駆動制御部810は、画像形成制御部700の指示により、記録紙35を給紙する給紙ローラ11(図1)を回す給紙モータ811と、記録紙35を搬送する、第1搬送ローラ対13及び第2搬送ローラ対15を回すための搬送モータ812とを回転駆動制御する。
以上の構成における画像形成装置1の印刷動作について説明する。
図2に示す画像形成制御部700は、I/F制御部710を介して上位装置から送信された制御コマンド及び印刷データを受信し、上位装置による印刷指示を受けると、給紙・搬送駆動制御部810に所定の搬送速度を指示し、図1に示す給紙ローラ11を回転させて用紙カセット24より記録紙35を1枚引き出し、第1搬送ローラ対13まで送り出す。
途中の第1入り口センサ12は、給紙ローラ11が給紙を正常に行えたか否かを検出し、正常に行えなかった場合に再度給紙動作を行う目的や、記録紙35の先端位置を検出したのち、第1搬送ローラ対13の駆動タイミングを制御することによって記録紙35の先端を第1搬送ローラ対13に突き当てて記録紙35の斜行を解消する目的ために設置している。
第1搬送ローラ対13まで送られた記録紙35は、その後、第2搬送ローラ対15によって画像形成ユニット2Kまで搬送される。画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは給紙開始とほぼ同時にローラ類の回転を開始する。このとき帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cには画像形成制御部700が帯電電圧制御部740に指示した負電圧(約−1000V)が掛けられ、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面を帯電させる。そしてトナータンク7K,7Y,7M,7Cから印刷に用いるトナーがスポンジローラ9K,9Y,9M,9C経由で現像ローラ6K,6Y,6M,6Cまで供給され、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cに載ったトナーは、現像ブレード8K,8Y,8M,8Cによって薄層化され、摩擦帯電される。
また、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの回転開始と同時にベルト駆動ローラ17が回転し、搬送ベルト18を各感光体ドラム4の周速度と同一速度で移動する。記録紙35は、第2搬送ローラ対15で更に搬送され、書き込みセンサ21をオンにする。ここでの先端の検出から一定時間後にLEDヘッド3Kが露光を開始して感光体ドラム4K上に静電潜像を形成する。
ここで形成された静電潜像に従ったトナー像が、現像ローラ6Kによって感光体ドラム4K上に形成される。記録紙35が感光体ドラム4Kと転写ローラ10Kとの間に到達した時点で、転写ローラ10Kに正電圧(約3000V)を掛け、感光体ドラム4K上のトナー像を記録紙35側に引き寄せて記録紙35への転写を行う。
他の色の画像形成ユニット2Y〜2Cも、順次、同様にして各色のトナー像を重ねて転写する。各色のトナー像が転写された記録紙35は、定着ローラ19と定着バックアップローラ20との間で加熱及び加圧され、転写されたトナー像の、記録紙35への定着が行われる。定着後、記録紙35は、その先端がヒータのジャム監視兼定着後の媒体長さ検出用の排出センサ22をオンした後、排出ローラ対23にて排出され、排出トレイ31に載置される。
次に、本発明による画像形成装置1のカバー開閉機構について以下に説明する。
図3は画像形成装置1の外観斜視図、図4はトップカバーユニット40がフロントユニット45にロックされた時の外観斜視図、図5はトップカバーユニット40単体の外観斜視図、図6はトップカバー41の外観斜視図、図7はトップカバー41を別の角度から視た外観斜視図、図8は排出カバーユニット60の外観斜視図、図9は排出カバーユニット60を別の角度から視た外観斜視図である。
図3は、画像形成装置1の上部に配置されたトップカバーユニット40が閉じている状態を示す。このトップカバーユニット40は、図5に示すように、画像形成装置1の外装の一部を構成するプラスチック樹脂からなる第1のカバー部材としてのトップカバー41と、トップカバー41の内側に配置されて複数のネジによりトップカバー41に一体的に固定される金属板からなるインナープレート42とを有する。
インナープレート42には、左右の両側部において、トップカバーユニット40が画像形成装置1本体に対して回動自在に保持されるための回動軸となる第1の回動支点としての一対の支点部43L,43R(43Lのみ図示し、特に区別する必要がない場合には支点部43と称す場合がある)が同軸上に左右に突出するように形成されている。
図1に示すように、これら一対の支点部43L,43Rは、画像形成装置1の奥側(X軸のプラス側)で画像形成装置1本体によって、Y軸と平行な回動軸線上でそれぞれ回転自在に保持されている。更に、インナープレート42と画像形成装置1本体間には、例えばトーションスプリング等の付勢部材が架けられている。これによりトップカバー41は、支点部43を中心として後述する開位置と図3に示す閉位置との間で回動自在であると共に、開く方向に付勢されている。
図5に示すように、インナープレート42の回動先端側には、一対の開口部44L、44Rが形成されている。図10は、この開口部44Lとフロントカバー45に備えられたロックバー46によるトップカバーユニット40のロック機構を説明する図である。
図10に示すように、ロックバー46は、回動によってその爪部47がインナープレート42の開口部44Lに嵌入してトップカバー41を閉位置に係止可能な位置において、その支点部48が、画像形成装置1本体に固定されたフロントユニット45(図4)によって回動自在に保持されている。ロックバー46は、フロントユニット45との間に架けられた例えばトーションスプリング等の付勢部材によって爪部47がインナープレート42の開口部44Lに嵌入する矢印A方向に付勢されている。
従って、このロック機構によって閉位置に係止されたトップカバー41のロックを解除するには、その爪部47がインナープレート42の開口部44Lに嵌入してトップカバー41を閉位置に係止する係止位置(図10に実線で示す)にあるロックバー46を、操作者によって、爪部47がインナープレート42の開口部44Lから外れる解除位置(図10に点線で示す)まで付勢力に抗して移動させる。尚、ここでは、開口部44Lにおけるロック機構について説明したが、開口部44Rにおいても同様のロック機構を備えている。
図6、図7に示すようにトップカバー41は、略ロ字形に配置された外枠部50と、外枠部50の先端側(X軸のマイナス側)から支点部43(回動軸、図4、図5参照)に向かって下方にやや湾曲して形成されて、回動軸方向に平行な軸側端部52を有する用紙載置面51と、外枠部50の上部と用紙載置面51の湾曲部の左右端部との間で垂直方向に一対形成された側壁部に連続して形成され、軸側端部52よりも更に軸方向に延在するリブ状の、第1の当接部としての左右の当接部53L,53R(特に区別する必要がない場合には当接部53と称す場合がある)と、そして外枠部50の軸側上端部54(図4参照)と軸側端部52と左右の当接部53L,53Rとによって囲まれた開口49とを有する。
次に図8、図9を参照しながら排出カバーユニット60について説明する。排出カバーユニット60は、トップカバー41と共にプラスチック樹脂からなる画像形成装置1の外装の一部であり、排出フレーム62と第2のカバー部材としての排出カバー61とから構成され、図3に示すように、画像形成装置1本体に備えられたとき、トップカバー41の開口49部分に位置し、後述するように、トップカバー41の開閉動作に連動して排出カバー61が、後述する開位置と図8、図9に示す閉位置との間で開閉するように構成されている。後述するように、トップカバー41及び排出カバー61が閉位置にあるとき、トップカバー41の開口49は、排出フレーム62と排出カバー61とによって塞がれる。
排出フレーム62は、画像形成装置1から排出されて用紙載置面51に載置される記録紙35の排出方向の後端側に面する規制壁部63と、この規制壁部63の左右の両端部から、用紙排出方向の下流側(X軸マイナス側)に延在する一対の側壁部64L,64Rと、同じく下端部から同方向に延在する固定底部65を備え、更に側壁部64L,64Rの、固定底部65の先端部に近い位置には、各外側において、Y軸に平行な同軸上に配置された第2の回動支点としての左右のポスト66L,66R(特に区別する必要がない場合にはポスト66と称す場合がある)がそれぞれ外方に突出するように形成されている。
排出カバー61は、平板状に形成された用紙載置面71と、この用紙載置面71の左右の両端部から垂直方向に延在して、排出フレーム62の側壁部64L,64Rと、その外側でそれぞれが対向する一対の側面部72L,72Rを備え、更に側面部72L,72Rの、用紙載置面71の固定底部65側に近い位置には、各外側において、前記した一対のポスト66L,66Rがそれぞれ回転自在に嵌入する一対の軸孔73L,73Rが形成されている。
また、用紙載置面71の先端側(軸孔73L,73Rが形成されている側とは反対側)の両端部には、トップカバー41の左側当接部53Lと当接する受け部67L及びトップカバー41の当接部53Rと当接する受け部67R(特に区別する必要がない場合には受け部67と称す場合がある)が形成されている。尚、受け部67が第2の当接部に相当する。
従って、排出カバー61は、排出フレーム62によって回動自在に保持され、図8に示すように、排出フレーム62の固定底部65と排出カバー61の用紙載置面とが略面一となって隣接する閉位置と、後述する図13に示すように、規制壁部63と用紙載置面71とが対向する開位置との間で回動可能に構成されている。更に、排出カバー61は、排出フレーム61との間に架けられた付勢部材としてのトーションスプリング68(図13)によって開方向となる矢印B方向(図8)に付勢され、自然状態では、図13に示すように開位置に維持されている。
図11は、排出カバーユニット60が画像形成装置1の所定位置に配置され、トップカバー41がロック機構によって閉位置にロックされた状態を示している。同図に示すように、このとき、排出カバーユニット60の規制壁部63の上端部は、トップカバー41の開口49の軸側上端部54(図4)と面一となり、トップカバー41の左右の当接部53L,53Rと、排出フレーム62の左右の側壁部64L,64Rが面一となり、排出カバー61の、回動軸方向に形成された先端部74が上側でトップカバー41の軸側端部52(図7)と重なって、閉位置にある排出カバー61の用紙載置面71とトップカバー41の用紙載置面51とが面一となっている。またこのとき、後述するように、トップカバー41の当接部53L,53Rと排出カバー61の受け部67L,67Rとがそれぞれ当接した状態となっている。
次に、トップカバー41の開閉時における、トップカバー41と排出カバー61の関係について更に説明する。
図12は、本実施の形態のカバー開閉機構において、トップカバー41及び排出カバー61が共に開位置にある状態を示し、図13は、図12に示す排出カバーユニット60の拡大図である。図14、図15は、トップカバー41が閉じる過程での、トップカバー41と排出カバー61の位置関係を示す外観斜視図であり、図16〜図18は、トップカバー41が閉じる過程での、トップカバー41と排出カバー61の動作説明図である。
図16は、トップカバー41が閉じられる過程で、トップカバー41の当接部53Rと排出カバー61の受け部67Rとが当接する様子をY軸のマイナス側からみた動作説明図である。同図において、トップカバー41は、支点部43(回動軸に相当)を中心に矢印D,E方向に回動し、開位置の回動位置P0から閉位置の回動位置P3まで、4箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。同じく排出カバー61は、ポスト66(回動軸に相当)を中心に矢印B,C方向に回動し、開位置にある回動位置Q1から閉位置にある回動位置Q3まで、3箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。
同図に示すように、トップカバー41及び排出カバー61が共に開位置の回動位置P0及びQ1にある状態(図12の状態)から、例えば操作者によって、トップカバーユニット40(図12)を閉じるべく、付勢力に抗して矢印E方向に回動すると、この回動に伴って図16に示すトップカバー41が、開位置の相当する回動位置P0から閉位置に相当する回動位置P3まで矢印E方向に回動する。
この矢印E方向への回動過程において、トップカバー41は、回動位置P1でその当接部53Rが、回動位置Q1(開位置)にある排出カバー61の受け部67Rに当接し、以後、排出カバー61をその付勢力に抗して矢印C方向へと回動する。尚、トップカバー41の当接部53Rと排出カバー61の受け部67Rとは、トップカバー41の回動位置P1で当接した後、閉位置P4に至るまで、互いに当接可能な領域が漸次増加して当接状態を確実にしている。これは係合を開始する排出カバー61の開位置(回動位置P1)が垂直上方よりも反時計方向に傾斜している状況において、トップカバー41の回動軸(支点部43)が排出カバー61の回動軸(ポスト66)よりも、少なくともX軸のプラス側に位置するためである。
尚、ここでは、トップカバー41の当接部53Rと排出カバー61の受け部67Rの関係について説明したが、もう一方の対であるトップカバー41の当接部53Lと排出カバー61の受け部67Lの関係も同様に構成されて同様に作用し合う。
図17は、トップカバー41及び排出カバー61がそれぞれ回動位置P1,Q1にあるときの、トップカバー41の軸側端部52と排出カバー61の先端部74の関係を示す動作説明図であり、図14は、この時の状態を示すトップカバーユニット40の外観斜視図である。
これらの各図に示すように、トップカバー41の当接部53と排出カバー61の受け部67とが当接を開始する段階で、トップカバー41の用紙載置面51の軸側端部52と排出カバー61の用紙載置面71の先端部74とはまだ離間した状態にある。
図18(a)は、トップカバー41が閉じられる過程で、トップカバー41の用紙載置面51の軸側端部52と排出カバー61の用紙載置面71の先端部74とが対峙(係合)する様子をY軸のマイナス側からみた動作説明図である。同図において、トップカバー41は、支点部43(回動軸に相当)を中心に矢印D,E方向に回動し、開位置にある回動位置P0から閉位置にある回動位置P3まで、4箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。
同じく排出カバー61は、ポスト66(回動軸に相当)を中心に矢印B,C方向に回動し、開位置にある回動位置Q1から閉位置にある回動位置Q3まで、3箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。尚、これらの回動位置P0〜P3,Q1〜Q3は、図16に示す同符号の各回動位置と共通する。同図(b)は、同図(a)における矩形囲み部分Mの部分拡大図であり、同図(c)は、同図(a)における矩形囲み部分Nの部分拡大図である。
図18(a)において、第1の移動軌跡としての移動軌跡l1はトップカバー41の用紙載置面51の軸側端部52の移動軌跡であり、第2の移動軌跡としての移動軌跡l2は排出カバー61の用紙載置面71の先端部74の移動軌跡である。上記したように、開位置からのトップカバー41の矢印E方向への回動過程において、トップカバー41は、回動位置P1で、その当接部53が排出カバー61の受け部67に当接し、以後排出カバー61はトップカバー41の矢印E方向への回動に伴って矢印C方向へ回動する。
回動位置P2は、トップカバー41の軸側端部52が、移動軌跡l1,l2のクロスポイントに至る時のトップカバー41の回動位置であり、移動軌跡l1,l2が示すように、トップカバー41の軸側端部52は、トップカバー41が回動位置P2に至るまで、用紙載置面71の先端部74の移動軌跡l2の円弧の外側を移動し、回動位置P2を過ぎると回動位置P3(閉位置)に至るまで、移動軌跡l2の円弧の内側を移動する。尚、用紙載置面71の先端部74は、排出カバー61の回動軸(ポスト66)に対して放射方向に延在する。
図18(b)に示すように、トップカバー41が閉じられる過程で、トップカバー41の軸側端部52の第1の係合部としての屈曲部52aが、先に移動軌跡l1,l2のクロスポイントに達し、その後に排出カバー61の用紙載置面71の先端部74がクロスポイントに達するように構成され、トップカバー41がこの回動位置P2に至る段階で生じる屈曲部52aと先端部74とのクリアランスをT1とする。またこのときトップカバー41の用紙載置面51と排出カバー61の用紙載置面71とが略面一となる。
このため、トップカバー41の軸側端部52は、図18(b)に示すように用紙載置面51に対して断面がクランク状の段部を有し、その屈曲部52aが用紙載置面51に対して、更には図17に示すように当接部53に対してトップカバー41を閉じる方向における下流側(矢印E方向)に変位し、支点部43(回動軸に相当)に向けて延在している。一方排出カバー61の用紙載置面71の第2の係合部としての先端部74は、図17に示すように、受け部67に対して排出カバー61を閉じる方向における上流側(矢印B方向)に位置している。
回動位置P2から更に矢印E方向にトップカバー41が回動すると、トップカバー41の屈曲部52aとこの屈曲部52aよりも排出カバー61を閉じる方向における上流側(矢印B方向)に位置している排出カバー61の先端部71とが、用紙載置面71の先端部74の移動軌跡l2の円弧の接線方向においてオーバーラップを開始する。
そしてトップカバー41がトップカバーユニット40の閉位置に対応する回動位置P3に至った段階で、図18(c)に示すように、トップカバー41の屈曲部52aと排出カバー61の先端部71とが必要な量だけオーバーラップし、隙間wを介して対峙(係合)するように形成されている。図15は、この時の状態を示すトップカバーユニット40の外観斜視図である。
尚、移動軌跡l1,l2がクロスするためには、トップカバー41の回動軸(支点部43)に対して排出カバー61の回動軸(ポスト66)をオフセットさせる必要があるが、このクロスポイントを排出カバー61が垂直上方よりも反時計方向に傾斜している回動位置Q2に設定している状況において、トップカバー41の回動軸(支点部43)が排出カバー61の回動軸(ポスト66)よりも、少なくともX軸のプラス側(クロスポイントから離れる側)に位置すれば、この条件を満たす。ここでは十分なクロス角及びトップカバー41の屈曲部52aと排出カバー61の先端部74との十分なオーバーラップ量が得られるように、回動軸(支点部43)と回動軸(ポスト66)とのX軸に平行な距離(水平方向の距離)Lを設定する。
トップカバー41が回動位置P3に達すると、トップカバーユニット40は閉位置となり、前記したように、フロントカバー45に備えられたロックバー46(図10)の爪部47がインナープレート42の開口部44に嵌入してこの閉位置にロックされる。一方排出カバー61は、図16に示すように、トーションスプリング68(図13)による付勢によって、その受け部67がトップカバー41の当接部53を押圧した状態で閉位置となる回動位置Q3に留まる。
従って、トップカバーユニット40は、閉位置にある状態において、その外周部が、画像形成装置1本体の側面カバー80(図3)やフロントユニット45によって支えられ、特にその回動軸(支点部43)から最も離れた位置にある回動先端部の辺がフロントユニット45によって支持されるため高い剛性が得られる。
一方、排出カバー61は、図11に示すように閉位置にある状態において、例えば矢印Fで示すような、下方(図16に示す矢印C方向)への力Fを受けた場合、付勢力に抗して同方向に回動しようとするが、図18(c)から理解されるように、その先端部74がトップカバー41の軸側端部52の屈曲部52aに当接し、同方向への回動が阻止される。これによって、排出カバー61が外力を受けても、トップカバー41の用紙載置面51と排出カバー61の用紙載置面71の面一状態が保たれる。
図19〜図23は、比較例として説明するカバー開閉機構の参考図であり、図19は、排出カバーユニット560が画像形成装置の所定位置に配置され、トップカバー541がロック機構によって閉位置にロックされた状態を示し、図20は排出カバーユニット560の外観斜視図であり、図21は、トップカバーユニット540を斜め下方から視た外観斜視図である。
比較例としてのカバー開閉機構は、実施の形態1のカバー開閉機構と同様に、一体化されたトップカバー541とインナープレート542によってトップカバーユニット540が形成され、インナープレート542には、画像形成装置本体に回動自在に保持される際の回動軸となる支点部543が形成されている。
排出カバーユニット560の排出カバー561は、排出フレーム562に形成されたポスト566を回動軸として回動自在に保持され、トーションスプリング568によって、開く方向に付勢され、実施の形態1のカバー開閉機構と同様に、トップカバーユニット540の開閉に連動して開閉する。図20は、トーションスプリング568の付勢に抗して閉じた状態を示している。
トップカバー541には、一対の当接部553が形成され、実施の形態1のカバー開閉機構と同様に、この一対の当接部553がそれぞれ排出カバー561に形成された一対の受け部567に当接して開方向に付勢された排出カバー561を開閉する。
図22は、トップカバー541が閉じられる過程で、トップカバー541の当接部553と排出カバー561の受け部567とが当接する様子をY軸のマイナス側からみた動作説明図である。同図において、トップカバー541は、支点部543(回動軸に相当)を中心に回動し、開位置の回動位置P0と閉位置の回動位置P3での各状態がそれぞれ実線で示されている。同じく排出カバー561は、ポスト566(回動軸に相当)を中心に回動し、開位置の回動位置Q0と閉位置の回動位置Q3での排出カバー561の受け部567の各状態がそれぞれ実線で示されている。
同図に示すように、トップカバー541及び排出カバー61が共に開位置の回動位置P0,Q0にある状態から、例えば操作者によって、トップカバーユニット540(図21)を閉じるべく回動すると、この回動に伴ってトップカバー541が、開位置の相当する回動位置P0から閉位置に相当する回動位置P3まで回動する。この回動中、トップカバー541の当接部553が、排出カバー561の受け部567を押圧し、排出カバー561をその付勢力に抗して閉位置の回動位置Q3まで回動する。図19は、トップカバー541及び排出カバー561が共に閉じたこのときの状態を示している。
図23(a)は、トップカバー541が閉じられる過程で、トップカバー541の軸側端部552と排出カバー561の先端部574とが対峙(係合)する様子をY軸のマイナス側からみた動作説明図である。同図において、トップカバー541は、支点部543(回動軸に相当)を中心に回動し、開位置の回動位置P0と閉位置の回動位置P3での各状態がそれぞれ実線で示されている。
同じく排出カバー561は、ポスト566(回動軸に相当)を中心に回動し、開位置の回動位置Q0と閉位置の回動位置Q3での排出カバー561の各状態がそれぞれ実線で示されている。尚、これらの回動位置P0〜P3,Q1〜Q3は、図22に示す同符号の各回動位置と共通する。同図(b)は、同図(a)における矩形囲み部分の拡大図である。
図23(a)には、トップカバー541の軸側端部552の移動軌跡と、排出カバー561の先端部574の移動軌跡とを点線で示している。上記したように、トップカバー541の閉じる方向への回動過程において、排出カバー561はトップカバー541の同方向への回動に伴って閉じる方向へ回動する。
各移動軌跡が示すように、トップカバー41の軸側端部552と排出カバー561の先端部574とは、各回動過程でクロスし、クロスしたまま排出カバー561及びトップカバー541が閉位置に至る。図19は、トップカバー541及び排出カバー561が共に閉じたこのときの状態を示し、図23(b)は、このときのトップカバー541の軸側端部552と排出カバー561の先端部574の部分拡大図である。
図18(b)に示すように、トップカバー541の用紙載置面551と排出カバー561の用紙載置面571は略面一となり、クランク状に形成された屈曲部574aがトップカバー541の閉じる方向における下流側でトップカバー541の先端部552とオーバーラップしている。
トップカバー541が回動位置P3に達すると、前記した実施の形態1のカバー開閉機構と同様に、トップカバーユニット540が閉位置にロックされ、排出カバー561は、図22に示すように、トーションスプリング568(図20)による付勢によって、その受け部567がトップカバー541の当接部553を押圧した状態で閉位置となる回動位置Q3に留まる。
従って、この比較例のカバー開閉機構において、排出カバー561は、図19に示すように閉位置にある状態において、例えば矢印Fで示すような、下方への力Fを受けた場合、図23(a)に点線で示すように、付勢力に抗して同方向に回動し、トップカバー541と排出カバー561の合わせ部分に隙間Wpが発生してしまう。
以上のように、本実施の形態のカバー開閉機構によれば、トップカバー41が閉じた閉位置にあるとき、排出カバー61の先端部74がトップカバー41の軸側端部52の屈曲部52aよりも排出カバー61を閉じる方向における上流側(矢印B方向)に位置しているため、排出カバー61の先端部74に外力が加わっても、トップカバー41の屈曲部52aによって回動が規制され、合わせ部分に隙間が発生することがなく、良好な外観が得られる。
実施の形態2.
図24は、本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置に採用されるカバー開閉機構において、トップカバー141及び排出カバー61が共に開位置にある状態を示し、図25は、トップカバーユニット140の上下をひっくり返して斜め上方から視た外観斜視図であり、図26は図25の点線囲み部分の部分拡大図である。図27〜図29は、トップカバー141が閉じる過程での、トップカバー141と排出カバー61の動作説明図である。
このカバー開閉機構を採用する画像形成装置が、前記した図12に示す実施の形態1のカバー開閉機構を採用する画像形成装置と主に異なる点は、トップカバー141の用紙載置面151(図29)の軸側端部152の両端部及び中央部の3箇所にガイドリブ190を設けた点である。従って、この開閉機構を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置1と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態の画像形成装置の要部構成は、トップカバー141以外において図1に示す実施の形態1の画像形成装置1の要部構成と共通するため、必要に応じて図1を参照する。
図27は、トップカバー141が閉じられる過程で、トップカバー141の当接部53Rと排出カバー61の受け部67Rとが係合する様子をY軸のマイナス側からみた動作説明図である。同図において、トップカバー141は、支点部43(回動軸に相当)を中心に矢印D,E方向に回動し、開位置の回動位置P0から閉位置の回動位置P3まで、4箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。同じく排出カバー61は、ポスト66(回動軸に相当)を中心に矢印B,C方向に回動し、開位置にある回動位置Q1から閉位置にある回動位置Q3まで、3箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。
同図に示すように、トップカバー141及び排出カバー61が共に開位置の回動位置P0及びQ1にある状態(図12の状態)から、例えば操作者によって、トップカバーユニット140(図24)を閉じるべく、付勢力に抗して矢印E方向に回動すると、この回動に伴って図27に示すトップカバー141が、開位置の相当する回動位置P0から閉位置に相当する回動位置P3まで矢印E方向に回動する。
この矢印E方向への回動過程において、トップカバー141は、回動位置P1でその当接部53Rが、回動位置Q1(開位置)にある排出カバー61の受け部67Rに当接し、以後、排出カバー61をその付勢力に抗して矢印C方向へと回動する。
尚、ここでは、トップカバー141の当接部53Rと排出カバー61の受け部67Rの関係について説明したが、もう一方の対であるトップカバー141の当接部53Lと排出カバー61の受け部67Lの関係も同様に構成されて同様に作用し合う。
図28は、トップカバー141及び排出カバー61がそれぞれ回動位置P1,Q1にあるときの、トップカバー141の軸側端部152と排出カバー61の先端部74の関係を示す動作説明図である。
図28に示すように、トップカバー141の当接部53と排出カバー61の受け部67とが当接を開始する段階で、トップカバー141の用紙載置面151の軸側端部152と排出カバー61の用紙載置面71の先端部74とはまだ離間した状態にある。
図29(a)は、トップカバー141が閉じられる過程で、トップカバー141の用紙載置面151の軸側端部152と排出カバー61の用紙載置面71の先端部74とが対峙(係合)する様子をY軸のマイナス側からみた動作説明図である。同図において、トップカバー141は、支点部43(回動軸に相当)を中心に矢印D,E方向に回動し、開位置にある回動位置P0から閉位置にある回動位置P3まで、4箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。
同じく排出カバー61は、ポスト66(回動軸に相当)を中心に矢印B,C方向に回動し、開位置にある回動位置Q1から閉位置にある回動位置Q3まで、3箇所での各状態がそれぞれ実線で示されている。尚、これらの回動位置P0〜P3,Q1〜Q3は、図27に示す同符号の各回動位置と共通する。同図(b)は、同図(a)における矩形囲み部分の部分拡大図である。
図29(a)において、移動軌跡l3はトップカバー141の用紙載置面51の軸側端部52に形成されたガイドリブ190の先端部191の移動軌跡であり、移動軌跡l2は排出カバー61の用紙載置面71の先端部74の移動軌跡である。上記したように、開位置からの矢印E方向への回動過程において、トップカバー141は、回動位置P1で、その当接部53が排出カバー61の受け部67と係合し、以後排出カバー61はトップカバー141の矢印E方向への回動に伴って矢印C方向へ回動する。
ここで、トップカバー141における軸側端部152の形成条件は、実施の形態1におけるトップカバー41における軸側端部52の形成条件と同一であり、この軸側端部152に設けられたガイドリブ190は、図26及び図29(a),(b)に示すように、トップカバー141の軸側端部152の矢印E方向(トップカバー141を閉じる方向)の側にあって同方向に延在する板状部材で、その先端部191が、屈曲部152aの先端部より支持部43に近く配置され、屈曲部152aの先端部から先端部191まで直線状のガイド辺192が形成されている。
回動位置P2´は、トップカバー141のガイドリブ190の先端部191が、移動軌跡l3,l2のクロスポイントに至る時のトップカバー141の回動位置であり、移動軌跡l3,l2が示すように、トップカバー141のガイドリブ190の先端部191は、トップカバー141が回動位置P2´に至るまで、用紙載置面71の先端部74の移動軌跡l2の円弧の外側を移動し、回動位置P2´を過ぎると回動位置P3(閉位置)に至るまで、移動軌跡l2の内側を移動する。
トップカバー141が閉じられる過程で、トップカバー141の軸側端部152の屈曲部152aが、先に移動軌跡l1,l2のクロスポイントに達し、その後に排出カバー61の用紙載置面71の先端部74がクロスポイントに達するように構成され、先にガイドリブ190の先端部191がクロスポイントに達する回動位置P2´に至る段階で生じる屈曲部152aと先端部74とのクリアランスをT2とする。またこのときトップカバー141の用紙載置面151と排出カバー61の用紙載置面71とが略面一となる。
このため、トップカバー141の軸側端部152は、図29(b)に示すように用紙載置面51に対して断面がクランク状の段部を有し、その屈曲部152aが用紙載置面151に対して、更には図28に示すように当接部53に対してトップカバー141を閉じる方向における下流側(矢印E方向)に変位し、支点部43(回動軸に相当)に向けて延在している。一方排出カバー61の用紙載置面71の第2の係合部としての先端部74は、図28に示すように、受け部67に対して排出カバー61を閉じる方向における上流側(矢印B方向)に位置している。
トップカバー141が回動位置P2´から更に矢印E方向に回動すると、先ずトップカバー141のガイドリブ190、続いてトップカバー141の屈曲部152aと、これらよりも排出カバー61を閉じる方向における上流側(矢印B方向)に位置している排出カバー61の先端部71とが、用紙載置面71の先端部74の移動軌跡l2の円弧の接線方向において順次オーバーラップを開始する。そしてトップカバー141が閉位置である回動位置P3に至った段階で、図28(b)に示すように、トップカバー141の屈曲部152aと排出カバー61の先端部71とが必要な量だけオーバーラップし、隙間wを介して対峙(係合)するように形成されている。
ここで、前記した図18(a)に示す実施の形態1の回動位置P2と本実施の形態での回動位置P2´とを比較すると、回動位置P2´は、図29(a)に示すように、ガイドリブ190の先端部191が屈曲部152aの先端部より支持部43に近く配置されている分だけ、回動位置P2より矢印D側に移動する。
従って、トップカバー141の回動位置P2´における、屈曲部152aと先端部74とのクリアランスT2は、前記した図18(b)に示す実施の形態1での屈曲部52aと先端部74とのクリアランスT1よりも大きく確保される。ここでのクリアランスは、排出カバー61の先端部74が、例えば図29(a)に点線で示すように、反りや変形により矢印C方向(排出カバー61を閉じる方向)に変位した場合の許容量の目安となり、大きいほど許容量も増える。
例えば、排出カバー61が図29(a)に点線で示すように変形していたとしても、トップカバー141が、回動位置P2´から更に矢印E方向に回動する過程で、排出カバー61の先端部74がガイドリブ190の直線状のガイド辺192に当接してトップカバー141の屈曲部152aに導かれ、トップカバー141がトップカバーユニット140の閉位置に対応する回動位置P3に至った段階で、変形が矯正された状態で回動位置Q3に留まり、排出カバー61の先端部74がトップカバー141の軸側端部152よりも矢印C側に位置してしまうことを防止できる。
トップカバー141が回動位置P3に達すると、トップカバーユニット140は閉位置となり、前記したように、フロントカバー45に備えられたロックバー46(図10)の爪部47がインナープレート42の開口部44に嵌入してこの閉位置にロックされる。一方排出カバー61は、図27に示すように、トーションスプリング68(図13)による付勢によって、その受け部67がトップカバー141の当接部53を押圧した状態で閉位置となる回動位置Q3に留まる。
従って、排出カバー61は、図11に示すように閉位置にある状態において、例えば矢印Fで示すような、下方(図27に示す矢印C方向)への力Fを受けた場合、付勢力に抗して同方向に回動しようとするが、図29に示すように、その先端部74がトップカバー141の軸側端部152の屈曲部152aに当接し、同方向への回動が阻止される。これによって、排出カバー61が外力を受けても、トップカバー141の用紙載置面151と排出カバー61の用紙載置面71の面一状態が保たれる。
以上のように、本実施の形態のカバー開閉機構によれば、トップカバー141が閉じた閉位置にあるとき、排出カバー61の先端部74がトップカバー141の軸側端部152の屈曲部152aよりも排出カバー61を閉じる方向における上流側(矢印B方向)に位置しているため、排出カバー61の先端部74に外力が加わっても、トップカバー141の屈曲部152aによって回動が規制され、合わせ部分に隙間が発生することがなく、良好な外観が得られる。
更に、排出カバー61の先端部74が反りや変形により排出カバー61を閉じる方向に変形した状態でも、その先端部74がガイドリブ190のガイド辺192に接触しながらトップカバーユニット140が閉じられるので、トップカバーユニット140の開閉動作がより円滑となる。