JP6126172B2 - 逆溶媒を使用する逆転写酵素阻害剤の結晶化方法 - Google Patents
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Description
逆転写酵素阻害剤(RTI)(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オン(DMP−266としても公知である)の合成は、1996年5月21日付け発行の米国特許第5,519,021号および1995年8月3日付け公開のその対応PCT国際特許出願WO 95/20389に記載されている。また、高度にエナンチオ選択的なアセチリド付加および環化の順序によるエナンチオメリックなベンゾオキサジノンの不斉合成が、Thompsonら,Tetrahedron Letters 1995,36,937−940および1996年11月28日付け公開のPCT公開WO96/37457に記載されている。
構造式
で表される化合物の結晶化方法であって、
(1)該化合物1グラムに対して溶媒約3.0mlから約10.0mlの比率で該化合物を溶媒に溶解する工程、
(2)該化合物の該溶液を濾過して、すべての粒子状物質を除去する工程、
(3)逆溶媒を該攪拌溶液に室温で約30分から約1時間かけて加えて、該化合物を含有する溶液の飽和点に到達させる工程、
(4)該化合物の固体添加シード(solid seed charge)約2から約10重量%を該溶液に加えて、スラリーを形成させる工程、
(5)該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(6)残りの水を加えて約25%から約50%の所望の溶媒組成に到達させ、必要に応じて該添加中に該スラリーを粉砕する工程、
(7)該スラリーを約5℃から約20℃までゆっくり冷却する工程、
(8)該上清濃度が平衡に達するまで、約2から約16時間熟成させる工程、
(9)必要に応じて該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(10)該粉砕化スラリーを濾過して、該結晶化合物の湿潤ケークを単離する工程、
(11)該湿潤ケークを約1から約2ベッド容積の該最終結晶化溶媒組成で1回、ついで化合物1g当たり約5から10mlの水で2回洗浄する工程、および
(12)その洗浄された湿潤ケーキを真空下約40℃から約90℃で、約1時間から約3日間、または該乾燥減量が0.5重量%未満になるまで乾燥させる工程、を含んでなる方法。
で表される化合物の結晶化方法であって、
(1)約10%から約20重量%の最終量の(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンを逆溶媒に対する溶媒の所望のv/v比率で約20℃で混合してヒールを形成させるか、あるいは前バッチからの最終スラリーを維持する工程、
(2)溶媒と(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンとの溶液および逆溶媒を、同時に、逆溶媒に対する溶媒のv/v比率を維持しながら一定速度で約6時間かけて該ヒールに加える工程、
(3)該添加中に該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(4)該スラリーを約3時間かけて約10℃に冷却し、該上清濃度が平衡に達するまでスラリーを熟成させる工程、
(5)該粉砕化スラリーを濾過して、該結晶化合物の湿潤ケークを単離する工程、
(6)該湿潤ケークを約1から約2ベッド容積の該最終結晶化溶媒組成で1回、ついで化合物1g当たり約5mlから約10mlの水で2回洗浄する工程、
(7)その洗浄された湿潤ケークを真空下約40℃から約90℃で、約1時間から約3日間または該乾燥減量が0.5重量%未満になるまで乾燥させる工程、を含んでなる方法。
制御化逆溶媒添加結晶化方法
出発物質である400gのDMP−266を2.400Lのエタノールに溶解する。図1を参照されたい。該溶液を濾過して、異質物を除去する。2.088Lの脱イオン(DI)水を該溶液に30から60分間かけて加える。20gのDMP−266シードを該溶液に加える。該シードベッドを1時間熟成させる。該スラリーを混合するには、Intermig攪拌機の使用が好ましい。必要に応じて(過度に長い結晶または厚いスラリーの存在により)、該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。1.512LのDI水を該スラリーに4から6時間かけて加える。必要に応じて(過度に長い結晶または厚いスラリーの存在により)、該添加中に該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。該スラリーを1から3時間熟成させた後、3時間かけて10℃に冷却する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを1から2ベッド容積の40%エタノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ2LのDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。
半連続的ヒール結晶化方法
出発物質である400gのDMP−266を2.400Lのエタノールに溶解する。図2を参照されたい。水中の40%(v/v)エタノール0.3L中に20gのDMP−266を混合することにより、ヒールスラリーを得る。その溶解したバッチおよび3.6LのDI水を同時に、該晶出器内で一定の溶媒組成を維持するように一定速度で6時間かけて該ヒールスラリーに加える。該結晶化中は、Intermig攪拌機の使用が好ましい。該結晶の長さが過度に長かったり、あるいは該スラリーが過度に稠密である場合には、この添加中に該スラリーを湿式粉砕する。該スラリーを3時間かけて約10℃に冷却する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを1から2ベッド容積の40%エタノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ2LのDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。
以下の表に記載の溶媒を、列挙されている量で使用し、実施例1および2に記載の結晶化手順に従い、DMP−266を結晶化することができる。
400gのスケールで制御化逆溶媒添加を用いDMP−266 1グラム当たり溶媒15mlの比率を用いる、水中の30% 2−プロパノールからのDMP−266の結晶化
出発物質である400gのDMP−266を1.8Lの2−プロパノールに溶解する。該溶液を濾過して、異質物を除去する。1.95Lの脱イオン(DI)水を該溶液に30から60分間かけて加える。10gから20gのDMP−266シード(II型の湿潤ケーク)を該溶液に加える。該シードベッドを1時間熟成させる。該スラリーを混合するには、Intermig攪拌機の使用が好ましい。必要に応じて(過度に長い結晶または稠密なスラリーの存在により)、該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。2.25LのDI水を該スラリーに4から6時間かけて加える。必要に応じて(過度に長い結晶または稠密なスラリーの存在により)、該添加中に該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを1から2ベッド容積の30% 2−プロパノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ1ベッド容積のDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。
400gのスケールで半連続的方法を用いDMP−266 1グラム当たり溶媒15mlの比率を用いる、水中の30% 2−プロパノールからのDMP−266の結晶化
出発物質である400gのDMP−266を1.8Lの2−プロパノールに溶解する。図2を参照されたい。水中の30%(v/v)2−プロパノール0.3L中に20gのII型のDMP−266を混合することにより、あるいは該晶出器内に前結晶化からのスラリーの一部を維持することにより、ヒールスラリーを得る。その溶解したバッチおよび4.2LのDI水を同時に、該晶出器内で一定の溶媒組成を維持するように一定速度で6時間かけて該ヒールスラリーに加える。該結晶化中は、Intermig攪拌機の使用が好ましい。該結晶の長さが過度に長かったり、あるいは該スラリーが稠密になり過ぎた場合には、この添加中に該スラリーを湿式粉砕する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを2ベッド容積の30% 2−プロパノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ1ベッド容積のDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。
Claims (4)
- 14.5、8.5、8.0、7.2、6.7、6.2、5.2、4.6、4.4、4.2及び3.6オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられる(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのI型結晶であって、II型結晶及びIII型結晶を含まない結晶、を含む医薬であって、
II型結晶が、24.3、13.9、8.0、6.9、6.6、5.5、4.6、4.5、4.3、4.2、3.9、3.6、3.4、3.3および3.2オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられ、
III型結晶が、12.2、8.1、6.4、6.1、4.7、4.3、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.3、3.2および3.0オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられる、医薬。 - 14.5、8.5、8.0、7.2、6.7、6.2、5.2、4.6、4.4、4.2及び3.6オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられる(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのI型結晶であって、II型結晶及びIII型結晶を含まない結晶、を有効成分として含む逆転写酵素阻害剤であって、
II型結晶が、24.3、13.9、8.0、6.9、6.6、5.5、4.6、4.5、4.3、4.2、3.9、3.6、3.4、3.3および3.2オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられ、
III型結晶が、12.2、8.1、6.4、6.1、4.7、4.3、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.3、3.2および3.0オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられる、逆転写酵素阻害剤。
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