JP6125343B2 - 放射性物質収納容器移送方法、放射性物質収納容器吊装置および放射性物質収納容器 - Google Patents

放射性物質収納容器移送方法、放射性物質収納容器吊装置および放射性物質収納容器 Download PDF

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Description

本発明は、放射性廃棄物を収納し、搬送、貯蔵する放射性物質収納容器を移送する放射性物質収納容器移送方法、放射性物質収納容器を移送するための放射性物質収納容器吊装置、および放射性物質収納容器に関する。
原子力発電プラントの原子炉などで発生した放射性廃棄物は、放射性物質収納容器に収納され、貯蔵施設や再処理施設などに搬送され、貯蔵または再処理される。このような放射性物質収納容器は、上部が開口した底付きの円筒形状をなす胴部と、複数の放射性物質を個々に収納可能な複数のセルを有するバスケットと、胴部の上部に固定される蓋部とから構成されている。また、放射性物質収納容器は、胴部の外周部における所定の位置にトラニオンが固定されている。このトラニオンは、プールの水中で放射性物質収納容器のセルに放射性物質を収納した後、プールから放射性物質収納容器を立てた状態で取り出すために吊装置が係合されたり、プールから取り出された後の放射性物質収納容器を横置きとするために横置架台に支持されたりするものである。
従来、放射性物質収納容器として、例えば、特許文献1に記載された放射性物質輸送用キャスクは、キャスクに対して外方に付勢された可動筒により構成され、この可動筒の内周部に吊具が挿入され、可動筒の外周部が横置架台に支持されるトラニオンを有する。
また、従来、放射性物質収納容器として、例えば、特許文献2に記載されたキャスクは、外周部が横置架台に支持される受け部を有し、この受け部に、吊具の取り付け軸が挿入される取り付け穴が形成されたトラニオンを有する。
また、従来、例えば、特許文献3に記載された放射性物質格納容器は、キャスクの胴本体に直付けされ、その内部には中性子遮蔽体が封入される穴が形成されたトラニオンを有する。このトラニオンを用いてキャスクを吊り上げる場合、このトラニオンの中性子遮蔽体を取り外した穴に、吊具に設けた円柱状の突起を差し込み係止してキャスクを吊り上げる。また、トラニオンは、キャスクを横置きする場合、その外周部の支持部が横置架台に支持される。
特開平01−305398号公報 特開2001−133589号公報 特開2004−125762号公報
上述した特許文献1〜3に示す放射性物質収納容器において、トラニオンは、外周部が横置架台に支持され、吊装置が挿入係止される穴部を有していることから、外周部に、横置架台に支持される部分と、それよりも細径で吊装置が係止される部分とが形成された従前のトラニオン(例えば、特許文献1の第16図参照)と比較し、放射性物質収納容器の外方への突出寸法を小さくできる。
ここで、放射性物質収納容器の搬送時に、放射性物質収納容器の蓋部側と胴部の底側に緩衝体が取り付けられ、この緩衝体の外径寸法と、トラニオンの突出寸法とは、緩衝体が衝撃によって変形などが生じた際、この衝撃がトラニオンを介して胴部に伝わる事態を防ぐためにトラニオンの突出寸法が小さく形成される。従って、トラニオンの外方への突出寸法を小さくできれば、従前と同じ緩衝体の外径寸法のままで緩衝体の有効な緩衝領域を拡大することができる。また、トラニオンの外方への突出寸法を小さくできれば、従前よりも緩衝体の外径寸法を小さくし、緩衝体や緩衝体を含む放射性物質収納容器を小型・軽量化できたり、バスケットを小型・軽量化できたり、軽量化により、その分の放射性物質の収納重量を増して放射性物質の収納量を増加させたりすることができる。また、トラニオンの外方への突出寸法を小さくできれば、従前は放射性物質収納容器の外周の中性子遮蔽機能を一部犠牲にしていたが、これを緩和することができる。
しかしながら、上述した特許文献1〜3に示す放射性物質収納容器のトラニオンでは、トラニオンを用いて放射性物質収納容器を吊り上げる場合、プールの水中で穴部に吊装置を挿入係止しなければならず、吊り上げ作業に手間がかかることになる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、吊り上げ作業を容易に行うことのできる放射性物質収納容器移送方法、放射性物質収納容器吊装置および放射性物質収納容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質収納容器移送方法は、一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部と、前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、前記胴部の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部が横置架台に掛け止められる掛止部として構成され、かつ突出端部に係止穴を有した複数のトラニオンと、を備える放射性物質収納容器を移送する放射性物質収納容器移送方法において、プールの水中にて前記放射性物質収納容器が前記蓋部を上向きにして立てられた状態で、前記トラニオンの前記掛止部に第一吊部を掛け止め前記放射性物質収納容器を吊り上げて前記プールの外に出す工程と、前記プールの外で前記放射性物質収納容器が前記蓋部を上向きにして立てられた状態で、前記トラニオンの前記係止穴に第二吊部を挿入し前記放射性物質収納容器を吊り上げて前記蓋部を横向きにし、前記トラニオンの前記掛止部を前記横置架台に掛け止める工程と、を含むことを特徴とする。
この放射性物質収納容器移送方法によれば、横置架台に支持されるための掛止部の外周部を掛け止める吊装置の第一吊部を用い、プールの水中にて放射性物質収納容器が蓋部を上向きにして立てられた状態で、第一吊部を使ってプールの水中から吊り上げる。このため、プールの水中で第一吊部を放射性物質収納容器のトラニオンに対して容易に掛け止めることができるため、プールの水中からの吊り上げ作業を容易に行うことができる。その後は、水中ではないため、トラニオンの係止穴に対し、第二吊部を容易に挿入係止できる。
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質収納容器吊装置は、一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部と、前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、前記胴部の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部が横置架台に掛け止められる掛止部として構成され、かつ突出端部に係止穴を有した複数のトラニオンと、を備える放射性物質収納容器を吊り上げる放射性物質収納容器吊装置において、前記トラニオンの前記掛止部を掛け止める掛止穴を有する第一吊部と、前記トラニオンの前記係止穴に挿入される係止部を有する第二吊部と、を有することを特徴とする。
この放射性物質収納容器吊装置によれば、横置架台に支持されるための掛止部の外周部を掛け止める第一吊部の掛止穴を用い、プールの水中にて放射性物質収納容器が蓋部を上向きにして立てられた状態で、第一吊部を使ってプールの水中から吊り上げる。このため、プールの水中で第一吊部の掛止穴を放射性物質収納容器のトラニオンに対して容易に掛け止めることができるため、プールの水中からの吊り上げ作業を容易に行うことができる。その後は、水中ではないため、トラニオンの係止穴に対し、第二吊部の係止部を容易に挿入係止できる。
また、本発明の放射性物質収納容器吊装置では、前記第二吊部は、前記係止部の外周上部が前記係止穴の内面形状に沿って形成されることを特徴とする。
この放射性物質収納容器吊装置によれば、係止部の外周上部が、係止穴の内面上部に面接触するため、係止部に係る面圧を低減することができ、放射性物質収納容器の荷重を受け持つことができる。従って、係止部が係止穴から外れて放射性物質収納容器が脱落する事態を防ぐことができる。
また、本発明の放射性物質収納容器吊装置では、前記第二吊部は、前記係止部を先端部に有する軸部と、前記軸部の基端を先端に固定する棒状の支持部とを備え、前記軸部が前記支持部の先端下寄りに偏って配置され、かつ前記軸部の上部に前記係止部を配置することを特徴とする。
この放射性物質収納容器吊装置によれば、穴部の内面形状に沿って形成される係止部の外周上部の範囲が大きくなり、係止部の外周上部が穴部の内面上部に摺動可能に接触する面を多くとれる。従って、係止部が係止穴から外れて放射性物質収納容器が脱落する事態を防ぐことができる。
また、本発明の放射性物質収納容器吊装置では、前記係止部が前記軸部に嵌合されていることを特徴とする。
この放射性物質収納容器吊装置によれば、係止部が軸部を中心として回転することを防止することができ、係止部の適し部分を係止穴の内面に当接させることができる。
また、本発明の放射性物質収納容器吊装置では、前記第一吊部および/または前記第二吊部が先端に取り付けられたアームと、前記アームを回転移動させる基部とを有し、前記アームは、前記第一吊部および/または前記第二吊部が前記トラニオンの前記掛止部や前記係止穴に対して水平方向で対向する重心位置となるように前記基部に支持されることを特徴とする。
この放射性物質収納容器吊装置によれば、第二吊部の係止部を係止穴に挿入させる際に第二吊部を水平移動させるアームの作動トルクを極力小さくでき、また、第一吊部の係止穴に掛止部を掛け止めるように第一吊部を水平移動させるアームの作動トルクを極力小さくできる。
また、本発明の放射性物質収納容器吊装置では、前記第一吊部と前記第二吊部とを一体として回転軸を介して回転移動可能に設けることを特徴とする。
この放射性物質収納容器吊装置によれば、第一吊部と第二吊部とを容易に交換することができる。
また、本発明の放射性物質収納容器吊装置では、前記第一吊部と前記第二吊部とを一体としてスライド移動可能に設けることを特徴とする。
この放射性物質収納容器吊装置によれば、第一吊部と第二吊部とを容易に交換することができる。
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質収納容器は、一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部と、前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、前記胴部の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部が横置架台に掛け止められる掛止部として構成され、かつ突出端部に係止穴を有しており、前記蓋部側を上向きにした形態および前記蓋部側を所定方向に横向きにした形態で上方となる前記係止穴の開口縁の一部に沿って係止鍔部が形成された複数のトラニオンと、を備えることを特徴とする。
この放射性物質収納容器によれば、トラニオンにおいて、放射性物質収納容器が蓋部側を上向きにした形態や、蓋部側を所定方向に横向きにした形態のいずれであっても、上方となる係止穴の開口縁の一部に沿って係止鍔部が存在するため、係止穴に挿入した吊装置から脱落する事態を防ぐことができる。しかも、係止鍔部は、蓋部側を上向きにした形態および蓋部側を所定方向に横向きにした形態で上方となる係止穴の開口縁の一部に形成されているため、係止鍔部を設けていない部分では、係止穴を開放していることから、係止穴への吊装置の挿入を容易に行うことができ、かつ、係止穴からの排水性を向上することができる。
本発明によれば、吊り上げ作業を容易に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの縦断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの平断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器におけるトラニオンの側断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器におけるトラニオンの正面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第一吊部の縦断面図である。 図6は、図5におけるA矢視図である。 図7は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第二吊部の縦断面図である。 図8は、図7におけるB−B断面図である。 図9は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第二吊部の側面図である。 図10は、図9におけるC矢視図である。 図11は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第一吊部および第二吊部の側面図である。 図12は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第一吊部および第二吊部の側面図である。 図13は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置の側面図である。 図14は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器移送方法の手順を示す工程図である。 図15は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器移送方法の手順を示す工程図である。 図16は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器移送方法の手順を示す工程図である。 図17は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器移送方法の手順を示す工程図である。 図18は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器移送方法の手順を示す工程図である。 図19は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器移送方法の手順を示す工程図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの縦断面図であり、図2は、本実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの平断面図である。
放射性物質収納容器としてのキャスク11は、胴部12と蓋部13とバスケット14とから構成されている。胴部12は、胴本体21の一方、つまり、上部に開口部22が形成され、他方、つまり、下部に底部(閉塞部)23が形成された円筒形状をなしており、内部に放射性物質(例えば、使用済燃料集合体)を収納可能となっている。すなわち、胴本体21は、内部にキャビティ24が設けられ、このキャビティ24は、その内面がバスケット14の外周形状に合わせた形状となっている。放射性物質収納用バスケット14は、複数の放射性物質(図示略)を個々に収納するセルを複数有している。バスケット14は、図1に示すようにバスケット本体14Aを有する。バスケット本体14Aは、互いに平行かつ所定間隔で配置されるセルとしての放射性物質収納部14Bが上下方向で連続して形成されている。上下方向とは、キャスク11において胴部12の円筒形状の中心軸に沿う方向であり、胴本体21の上下方向に相当する。そして、胴本体21は、下部に底部23が溶接により結合されており、この胴本体21および底部23は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっている。胴本体21および底部23は、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。また、胴本体21および底部23は、球状黒鉛鋳鉄や炭素鋼鋳鋼などの鋳造品を用いることもできる。
胴部12は、胴本体21の外周側に所定の隙間を空けて外筒25が配設されており、胴本体21の外周面と外筒25の内周面との間に、熱伝達を行う銅製の伝熱フィン25aが周方向に等間隔で複数溶接されている。そして、胴部12は、胴本体21と外筒25との空間部に、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(中性子遮蔽体)26が流動状態で図示しないパイプ等を介して注入され、固化されている。
また、胴部12は、底部23の下側に複数の連結板27により所定の隙間を空けて底板28が連結されていてもよく、この連結板27と底板28との空間部にレジン(中性子遮蔽体)29が設けられている。更に、胴部12は、外周部における所定の位置にトラニオン41が固定されている。
胴部12における胴本体21の開口部22を閉塞する蓋部13は、一次蓋部31と二次蓋部32によって構成されている。一次蓋部31は、γ線を遮蔽するステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。また、二次蓋部32も、ステンレス鋼製または炭素鋼製の円盤形状であるが、その内部にレジン(中性子遮蔽体)33が封入されている。この一次蓋部31および二次蓋部32は、ステンレス鋼製または炭素鋼製のボルト(図示略)により胴本体21の上端部に着脱自在に取付けられている。この場合、一次蓋部31および二次蓋部32と胴本体21との間に、それぞれ図示しない金属ガスケットが介装され、内部の密封性を確保している。なお、レジン33は、一次蓋部31の内部に設けられていてもよく、一次蓋部31にのみ設けられていてもよい。また、蓋部13の周囲には、レジンを封入した補助遮蔽体34が設けられる場合もある。
トラニオン41について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る放射性物質収納容器におけるトラニオンの側断面図であり、図4は、本実施形態に係る放射性物質収納容器におけるトラニオンの正面図である。
トラニオン41は、円柱形状をなし、キャスク11における胴部12の胴本体21に対して基端が固定され、胴部12の径方向外側に先端が突出して設けられている。このトラニオン41は、基端部に、胴本体21に螺合するネジ部42と、胴本体21の外面に当接するフランジ部43とを有している。そして、トラニオン41は、基端部に凹部が形成され、当該凹部においてフランジ部43の位置に対応する奥部に中性子吸収材44が挿入され、同凹部においてネジ部42の位置に対応する開口部に蓋板45が挿入されて塞がれている。
また、トラニオン41は、その先端側の突出端部に、掛止部46および係止穴47を有している。掛止部46は、トラニオン41の先端側の円柱の外周面をなす周面部46aと、トラニオン41の先端において周面部46aの全周に沿って外方に突出形成された掛止鍔部46bとで構成される。係止穴47は、トラニオン41の先端において基端側に凹んで設けられた穴部47aと、トラニオン41の先端において穴部47aの開口縁に内方に突出形成された係止鍔部47bとで構成される。なお、係止穴47における穴部47aの奥には、回転用工具(図示略)が係止可能な工具用係止穴47cが設けられている。この工具用係止穴47cは、例えば、六角形穴であって、外部から回転用工具の先端部(六角部)を係止させ、この回転用工具を回転することで、トラニオン41を回転させ、ネジ部42を胴本体21に螺合させる。
ここで、上記構成のトラニオン41は、上述したキャスク11において径方向の相反する側に突出して対をなし、かつ上下方向の2箇所に配置されて、少なくとも計4箇所に設けられている。なお、補助として、トラニオン41は、上述したキャスク11において径方向の相反する側に突出して対をなし、かつ上下方向の2箇所にさらに追加配置して、形8箇所に設けてもよい。そして、このようにトラニオン41が設けられたキャスク11は、蓋部13側を上向きに立てた形態で、上方の対のトラニオン41を用いて吊り上げられる一方、蓋部13側を所定方向に横向きにした横倒しの形態で、4つのトラニオン41を用いて支持される。図4では、トラニオン41を正面(先端側)から視ており、キャスク11を、蓋部13側を上向きに立てた形態とした場合に対応している。そして、キャスク11を、蓋部13側を所定方向に横向きにした横倒しの形態とした場合、トラニオン41は、図4に示す矢印R方向に90度回転することになる。本実施形態において、トラニオン41は、係止穴47において、係止鍔部47bが、キャスク11を、蓋部13側を上向きにした形態および蓋部13側を所定方向に横向きにした形態で、上方となる係止穴47の開口縁の一部に沿って形成されている。具体的に、掛止部46の周面部46aおよび掛止鍔部46bと、係止穴47の穴部47aとは、円柱形状のトラニオン41の中心軸S1を中心として円形状に形成されているが、係止鍔部47bは、円形状に形成されてトラニオン41の中心軸S1から偏心して設けられている。
なお、トラニオン41の胴本体21への取り付けは、ネジ部42による胴本体21への螺合以外に、図には明示しないが、フランジ部43を胴本体21にボルト止めしたり、キーとキー溝とにより結合したりする構成であってもよい。
このように構成されたトラニオン41は、放射性物質収納容器吊装置51により吊り上げられる。以下に、放射性物質収納容器吊装置51について説明する。
図5は、本実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第一吊部の縦断面図であり、図6は、図5におけるA矢視図である。図7は、本実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第二吊部の縦断面図であり、図8は、図7におけるB−B断面図であり、図9は、本実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第二吊部の側面図であり、図10は、図9におけるC矢視図である。
放射性物質収納容器吊装置(以下、吊装置という)51は、図5および図6に示す第一吊部52と、図7〜図10に示す第二吊部53とを有する。
第一吊部52は、図5および図6に示すように、トラニオン41の掛止部46に掛け止められるもので、トラニオン41の中心軸S1の延在方向において周面部46aの寸法よりも小さい厚さを有する板材52aに、掛止鍔部46bを挿通する挿通穴52bと、周面部46aに嵌合する掛止穴52cとが形成されている。挿通穴52bは、掛止鍔部46bの円形状の外径よりも大きい円形状の内径に基づいて形成された穴である。掛止穴52cは、掛止鍔部46bの円形状の外径よりも小さく、かつ周面部46aの円形状の外径とほぼ同じ(若干大きい)円形状の内径に基づいて形成された穴である。これら、挿通穴52bと掛止穴52cとは、挿通穴52bを上方とし掛止穴52cを下方として互いに連通して形成されている。
この第一吊部52は、図5に示すように、第一吊部52を移動させるためのアーム54の先端に取り付けられている。アーム54は、1対設けられており、第一吊部52が水平方向で対向して配置される。従って、第一吊部52は、挿通穴52bに掛止鍔部46bを挿通するようにアーム54を介して中心軸S1に沿って移動され、その後、アーム54を介して上方に移動されることで、掛止穴52cが周面部46aに嵌合する。そして、第一吊部52は、そのままの状態でさらにアーム54が上方に移動されることで、キャスク11の径方向の相反する側に設けられた1対のトラニオン41を介してキャスク11を吊り上げる。
第二吊部53は、図7に示すように、支持部53aと、軸部53bと、係止部53cとを有する。支持部53aは、円柱棒状に形成され、第一吊部52と同じまたは別のアーム54に固定される。本実施形態において支持部53aは、アーム54に固定された筒部53dに挿入され、ボルト53eにより筒部53dに固定される。軸部53bは、円柱棒状に形成され、支持部53aの円柱状の中心軸S2に対し、自身の中心軸S3が平行となるように基端が支持部53aの先端に固定されている。図7において、軸部53bは、自身の中心軸S3が、支持部53aの円柱状の中心軸S2に一致するように支持部53aと一体成形されている。係止部53cは、軸部53bの先端部の外周に設けられている。係止部53cは、摩擦抵抗の小さい摺動材により形成されている。この係止部53cは、軸部53bとともにトラニオン41の係止穴47に挿入され、係止穴47における穴部47aの内面上部に外周上部53caが摺動可能に接触し、かつ係止鍔部47bに当接して係止穴47から抜け止めされる。
また、第二吊部53は、図8に示すように、係止部53cの外周上部53caが、係止穴47における穴部47aの内面形状に沿って形成されている。本実施形態において、穴部47aの内面形状は円形状に形成されており、係止部53cの外周上部53caは、穴部47aと同半径の円形状の一部をなす。すなわち、係止部53cの外周上部53caは、穴部47aの内面上部に面接触することになる。なお、係止穴47は、穴部47aの内面形状が円形状以外に形成されていてもよい。例えば、図には明示しないが、係止穴47における穴部47aの内面形状が6角形状に形成されている場合、係止部53cの外周上部53caが、係止穴47における穴部47aの内面形状に沿って形成される。ただし、この場合は、係止部53cの外周上部53caが穴部47aの内面上部に嵌合して摺動できないため、係止部53cが軸部53bに対して回転可能に設けられる。
この第二吊部53は、図7に示すように、第二吊部53を移動させるためのアーム54の先端に取り付けられている。アーム54は、1対設けられており、第二吊部53が水平方向で対向して配置される。従って、第二吊部53は、係止部53cを係止穴47の穴部47aに挿入するようにアーム54を介して中心軸S1に沿って移動され、その後、アーム54を介して上方に移動されることで、係止部53cの外周上部53caが穴部47aの内面上部に接触し、かつ係止鍔部47bにより抜け止めされる。そして、第二吊部53は、そのままの状態でさらにアーム54が上方に移動されることで、キャスク11の径方向の相反する側に設けられた1対のトラニオン41を介してキャスク11を吊り上げる。
図9および図10は、第二吊部53の変形例を示す。図9および図10に示すように、第二吊部53は、軸部53bが支持部53aの先端下寄りに偏って配置されている。すなわち、軸部53bの中心軸S3が支持部53aの中心軸S2に対して下寄りに配置されている。さらに、係止部53cが軸部53bの上部に配置されている。図7および図8で示す第二吊部53は、係止部53cの円形状の穴に円柱状の軸部53bが挿通されているが、図9および図10に示す第二吊部53では、係止部53cが軸部53bの上部に嵌合されている。具体的には、軸部53bの上部に凸部53bbが形成され、この凸部53bbに係止部53cの凹部53cbが嵌合されている。この場合、係止穴47における穴部47aの内面形状は円形状に形成され、係止部53cの外周上部53caが、係止穴47における穴部47aの内面形状に沿って穴部47aと同半径の円形状の一部をなす。この図9および図10に示す第二吊部53は、軸部53bが支持部53aの先端下寄りに偏って配置され、かつ係止部53cが軸部53bの上部に配置されているため、穴部47aの内面形状に沿って形成される係止部53cの外周上部53caの範囲が大きくなり、係止部53cの外周上部53caが穴部47aの内面上部に摺動可能に接触する面を多くとれる。また、この第二吊部53は、係止部53cが軸部53bの上部に嵌合されているため、係止部53cが軸部53bの中心軸S3の廻りに回転することを防止する。
図11は、本実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第一吊部および第二吊部の側面図であり、図12は、本実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置における第一吊部および第二吊部の側面図である。
上述した第一吊部52および第二吊部53は、それぞれ別のアーム54に取り付けられていてもよいが、図11や図12に示すように、同じアーム54に取り付けられていてもよい。図11に示す吊装置51は、第一吊部52と第二吊部53とを支持板55に取り付け、この支持板55をアーム54に対して回転軸56を介して回転移動可能に設けている。すなわち、第一吊部52および第二吊部53を、回転軸56を介して回転移動させて、いずれか一方をトラニオン41に対向する位置に配置させる。また、図12に示す吊装置51は、第一吊部52と第二吊部53とを支持板55に取り付け、この支持板55をアーム54に対してレール57およびスライダ58を介して上下方向にスライド移動可能に設けている。すなわち、第一吊部52および第二吊部53を、レール57およびスライダ58を介してスライド移動させて、いずれか一方をトラニオン41に対向する位置に配置させる。なお、図11および図12で示す第二吊部53は、支持板55に軸部53bを固定した構造である。
図13は、本実施形態に係る放射性物質収納容器吊装置の側面図である。図13に示す吊装置51は、一対のアーム54の一方側のみを示している。また、図13に示す吊装置51は、第二吊部53のみ適用した例を示している。
図13に示すように、吊装置51は、アーム54が基部59に支持されている。基部59は、揺動軸59aによりアーム54を揺動可能に支持している。また、基部59は、クレーンなどの揚重設備に取り付けられる。基部59は、アーム54を揺動させることで、第一吊部52をトラニオン41に掛け止めたり、第二吊部53をトラニオン41に係止させたりする。また、基部59は、揚重設備によりアーム54を上下方向に移動させ、トラニオン41を介してキャスク11を吊り上げる。
図13に示す吊装置51は、第一吊部52をトラニオン41に掛け止めたり、第二吊部53をトラニオン41に係止させたりする水平方向への移動量に比較し、アーム54の長さ(揺動半径)を極力長くすることで、第一吊部52および第二吊部53を水平方向に移動させる直線の軌跡を得ることができる。
また、図13に示す吊装置51では、アーム54は、第二吊部53(および/または第一吊部52)がトラニオン41における係止穴47の穴部47a(および/または掛止部46の周面部46a)に対して水平方向で対向する重心位置となるように基部59に支持されている。水平方向で対向する重心位置とは、第二吊部53であれば、支持部53aの中心軸S2が水平であり、係止部53cが水平方向の移動により係止穴47の穴部47aに挿入される状態であって、この状態が釣り合って保持されるようにアーム54の重心が設定されることを意味する。また、水平方向で対向する重心位置とは、第一吊部52であれば、挿通穴52bが水平方向の移動により掛止部46を挿通する状態であって、この状態が釣り合って保持されるようにアーム54の重心が設定されることを意味する。具体的に、第二吊部53(および/または第一吊部52)がトラニオン41における係止穴47の穴部47a(および/または掛止部46の周面部46a)に対して水平方向で対向する重心位置となるように、アーム54を基部59に支持する構成としては、図13に示すように、揺動軸59aの直下に、第二吊部53の係止部53c(および/または第一吊部52の挿通穴52b)を配置し、アーム54を揺動軸59aの直下から逸れるように配置することでバランスを保持している。従って、この状態とすれば、第二吊部53の係止部53cを係止穴47の穴部47aに挿入させるように第二吊部53を移動させるアーム54の作動トルクを極力小さくでき、また、第一吊部52の挿通穴52bに掛止部46を挿通させるように第一吊部52を移動させるアーム54の作動トルクを極力小さくできる。
図14〜図19は、本実施形態に係る放射性物質収納容器移送方法の手順を示す工程図である。本実施形態の放射性物質収納容器移送方法では、図14および図15に示すように、プール61の水中で放射性物質を収納したキャスク11を吊り上げてプール61から出し、その後、キャスク11を搬送や貯蔵するため、図16〜図19に示すようにキャスク11を横置きにする。
まず、プール61の水中で放射性物質を収納する場合、キャスク11は、図14に示すように、蓋部13側を上向きにして立てられた状態とされる。キャスク11は、蓋部13が外され、バスケット14の放射性物質収納部14Bの内部に放射性物質が収納される。また、キャスク11は、放射性物質が収納されると蓋部13が取り付けられる。このように、プール61の水中で放射性物質を収納したキャスク11は、蓋部13側を上向きにして立てられた状態とされる。
このプール61の水中で立てられた状態のキャスク11をプール61から出すには、図14に示すように、第一吊部52を有する吊装置51が用いられる。吊装置51はクレーンなどの揚重設備により吊り下げられている。すなわち、1対の第一吊部52の各掛止穴52cを上方で1対の各トラニオン41の掛止部46に掛け止め、キャスク11を吊り上げる。吊り上げられたキャスク11は、図15に示すように、プール61の外で立てられた状態で載置され、ここで、例えば、蓋部13に設けられた水抜穴(図示せず)から内部の水が抜かれ、さらにキャスク11の外部の除染が行われる。
その後、キャスク11を横置きにする。キャスク11を横置きにするには、図16に示すように、キャスク11を横置きで支持するための横置架台62が用いられる。この横置架台62は、4箇所のトラニオン41における掛止部46の周面部46aが掛け止められることでキャスク11を支持する4つの支持片63が設けられている。各支持片63は、横置架台62から上方に延在し、その上端にトラニオン41における掛止部46の周面部46aが掛け止められる掛止凹部63aが形成されている。
そして、立てられた状態のキャスク11を横置きにするには、図16に示すように、第二吊部53を有する吊装置51が用いられる。吊装置51はクレーンなどの揚重設備により吊り下げられている。すなわち、1対の第二吊部53の各係止部53cを上方で1対の各トラニオン41の係止穴47に挿入して係止し、キャスク11を吊り上げる。吊り上げられたキャスク11は、図17に示すように、下方で1対の各トラニオン41における掛止部46の周面部46aを、対向する1対の支持片63における各掛止凹部63aに掛け止める。その後、図18に示すように、下方で1対の各トラニオン41を回転中心としてキャスク11を横倒しにしてゆく。そして、最後に、図19に示すように、上方で1対の各トラニオン41の掛止部46の周面部46aを、対向する1対の支持片63における各掛止凹部63aに掛け止め、キャスク11を横置きとする。
なお、図16〜図19において、横置架台62は、床に載置された形態で示され、この形態はキャスク11を貯蔵するためのものである。キャスク11を搬送する場合、横置架台62が搬送手段であるトレーラなどに設置される。
このように、本実施形態の放射性物質収納容器移送方法は、一方に開口部22が形成されて他方に閉塞部(底部23)が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部12と、開口部22を閉塞するように胴部12に対して着脱可能な蓋部13と、胴部12の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部46aが横置架台62に掛け止められる掛止部46として構成され、かつ突出端部に係止穴47を有した複数のトラニオン41と、を備える放射性物質収納容器(キャスク11)を移送する放射性物質収納容器移送方法において、プール61の水中にてキャスク11が蓋部13を上向きにして立てられた状態で、トラニオン41の掛止部46に第一吊部52を掛け止めキャスク11を吊り上げてプール61の外に出す工程と、プール61の外でキャスク11が蓋部13を上向きにして立てられた状態で、トラニオン41の係止穴47に第二吊部53を挿入しキャスク11を吊り上げて蓋部13を横向きにし、トラニオン41の掛止部46を横置架台62に掛け止める工程と、を含む。
トラニオン41は、周面部46aが横置架台62に支持され、かつ吊装置51の係止部53cが挿入係止される係止穴47を有していることから、外周部に、横置架台62に支持される外周面と、それよりも細径で吊装置が係止される外周面とが形成された従前のトラニオンと比較し、キャスク11の外方への突出寸法を小さくできる。このため、従前と同じ緩衝体の外径寸法のままで緩衝体の有効な緩衝領域を拡大することができる。また、トラニオン41の外方への突出寸法を小さくできれば、従前よりも緩衝体の外径寸法を小さくし、緩衝体や緩衝体を含む放射性物質収納容器を小型・軽量化できたり、バスケット14を小型・軽量化できたり、軽量化により、その分の放射性物質の収納重量を増して放射性物質の収納量を増加させたりすることができる。また、トラニオン41の外方への突出寸法を小さくできれば、従前は放射性物質収納容器の外周の中性子遮蔽機能を一部犠牲にしていたが、これを緩和することができる。
しかし、トラニオン41を用いてキャスク11を吊り上げる場合、プール61の水中で係止穴47に吊装置51の係止部53cを挿入係止しなければならず、吊り上げ作業に手間がかかることになる。
そこで、本実施形態では、横置架台62に支持されるための掛止部46の周面部46aを掛け止める吊装置51の掛止穴52cを用い、プール61の水中にてキャスク11が蓋部13を上向きにして立てられた状態で、掛止部46を使ってプール61の水中から吊り上げる。このため、プール61の水中で吊装置51をキャスク11のトラニオン41に対して容易に掛け止めることができるため、プール61の水中からの吊り上げ作業を容易に行うことができる。その後は、水中ではないため、トラニオン41の係止穴47に対し、吊装置51の係止部53cを容易に挿入係止できる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器吊装置51は、一方に開口部22が形成されて他方に閉塞部(底部23)が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部12と、開口部22を閉塞するように胴部12に対して着脱可能な蓋部13と、胴部12の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部46aが横置架台62に掛け止められる掛止部46として構成され、かつ突出端部に係止穴47を有した複数のトラニオン41と、を備える放射性物質収納容器(キャスク11)を吊り上げるもので、トラニオン41の掛止部46を掛け止める掛止穴52cを有する第一吊部52と、トラニオン41の係止穴47に挿入される係止部53cを有する第二吊部53と、を有する。
この放射性物質収納容器吊装置51によれば、横置架台62に支持されるための掛止部46の周面部46aを掛け止める吊装置51の掛止穴52cを用い、プール61の水中にてキャスク11が蓋部13を上向きにして立てられた状態で、掛止部46を使ってプール61の水中から吊り上げる。このため、プール61の水中で吊装置51をキャスク11のトラニオン41に対して容易に掛け止めることができるため、プール61の水中からの吊り上げ作業を容易に行うことができる。その後は、水中ではないため、トラニオン41の係止穴47に対し、吊装置51の係止部53cを容易に挿入係止できる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器吊装置51では、第二吊部53は、係止部53cの外周上部53caが係止穴47の内面形状に沿って形成されることが好ましい。
この放射性物質収納容器吊装置51によれば、係止部53cの外周上部53caが、係止穴47の内面上部に面接触するため、係止部53cに係る面圧を低減することができ、キャスク11の荷重を受け持つことができる。従って、係止部53cが係止穴47から外れてキャスク11が脱落する事態を防ぐことができる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器吊装置51では、第二吊部53は、係止部53cを先端部に有する軸部53bと、軸部53bの基端を先端に固定する棒状の支持部53aとを備え、軸部53bが支持部53aの先端下寄りに偏って配置され、かつ軸部53bの上部に係止部53cを配置することが好ましい。
この放射性物質収納容器吊装置51によれば、穴部47aの内面形状に沿って形成される係止部53cの外周上部53caの範囲が大きくなり、係止部53cの外周上部53caが穴部47aの内面上部に摺動可能に接触する面を多くとれる。従って、係止部53cが係止穴47から外れてキャスク11が脱落する事態を防ぐことができる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器吊装置51では、係止部53cが軸部53bに嵌合されていることが好ましい。
この放射性物質収納容器吊装置51によれば、係止部53cが軸部53bを中心として回転することを防止することができ、係止部53cの適した部分を係止穴47の内面に当接させることができる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器吊装置51では、第一吊部52および/または第二吊部53が先端に取り付けられたアーム54と、アーム54を回転移動させる基部59とを有し、アーム54は、第一吊部52および/または第二吊部53がトラニオン41の掛止部46や係止穴47に対して水平方向で対向する重心位置となるように基部59に支持されることが好ましい。
この放射性物質収納容器吊装置51によれば、第二吊部53の係止部53cを係止穴47の穴部47aに挿入させるように第二吊部53を移動させるアーム54の作動トルクを極力小さくでき、また、第一吊部52の挿通穴52bに掛止部46を挿通させるように第一吊部52を移動させるアーム54の作動トルクを極力小さくできる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器吊装置51では、第一吊部52と第二吊部53とを一体として回転軸56を介して回転移動可能に設けることが好ましい。
この放射性物質収納容器吊装置51によれば、第一吊部52と第二吊部53とを容易に交換することができる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器吊装置51では、第一吊部52と第二吊部53とを一体としてスライド移動可能に設けることが好ましい。
この放射性物質収納容器吊装置51によれば、第一吊部52と第二吊部53とを容易に交換することができる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器(キャスク11)は、一方に開口部22が形成されて他方に閉塞部(底部23)が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部12と、開口部22を閉塞するように胴部12に対して着脱可能な蓋部13と、胴部12の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部46aが掛止部46として構成され、かつ突出端部に係止穴47を有しており、蓋部13側を上向きにした形態および蓋部13側を所定方向に横向きにした形態で上方となる係止穴47の開口縁の一部に沿って係止鍔部47bが形成された複数のトラニオン41と、を備える。
この放射性物質収納容器(キャスク11)によれば、トラニオン41において、キャスク11が蓋部13側を上向きにした形態や、蓋部13側を所定方向に横向きにした形態のいずれであっても、上方となる係止穴47の開口縁の一部に沿って係止鍔部47bが存在するため、係止穴47に挿入した吊装置51から脱落する事態を防ぐことができる。しかも、係止鍔部47bは、蓋部13側を上向きにした形態および蓋部13側を所定方向に横向きにした形態で上方となる係止穴47の開口縁の一部に形成されているため、係止鍔部47bを設けていない部分では、係止穴47を開放していることから、係止穴47への吊装置51の挿入を容易に行うことができ、かつ、係止穴47からの排水性を向上することができる。
11 キャスク(放射性物質収納容器)
12 胴部
13 蓋部
22 開口部
23 底部(閉塞部)
41 トラニオン
46 掛止部
46a 周面部
46b 掛止鍔部
47 係止穴
47a 穴部
47b 係止鍔部
51 放射性物質収納容器吊装置
52 第一吊部
52b 挿通穴
52c 掛止穴
53 第二吊部
53a 支持部
53b 軸部
53bb 凸部
53c 係止部
53ca 外周上部
53cb 凹部
54 アーム
55 支持板
56 回転軸
57 レール
58 スライダ
59 基部
59a 揺動軸
61 プール
62 横置架台
63 支持片
63a 掛止凹部

Claims (9)

  1. 一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部と、前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、前記胴部の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部が横置架台に掛け止められる掛止部として構成され、かつ突出端部に係止穴を有した複数のトラニオンと、を備える放射性物質収納容器を移送する放射性物質収納容器移送方法において、
    プールの水中にて前記放射性物質収納容器が前記蓋部を上向きにして立てられた状態で、前記トラニオンの前記掛止部に第一吊部を掛け止め前記放射性物質収納容器を吊り上げて前記プールの外に出す工程と、
    前記プールの外で前記放射性物質収納容器が前記蓋部を上向きにして立てられた状態で、前記トラニオンの前記係止穴に第二吊部を挿入し前記放射性物質収納容器を吊り上げて前記蓋部を横向きにし、前記トラニオンの前記掛止部を前記横置架台に掛け止める工程と、
    を含むことを特徴とする放射性物質収納容器移送方法。
  2. 一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部と、前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、前記胴部の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部が横置架台に掛け止められる掛止部として構成され、かつ突出端部に係止穴を有した複数のトラニオンと、を備える放射性物質収納容器を吊り上げる放射性物質収納容器吊装置において、
    前記トラニオンの前記掛止部を掛け止める掛止穴を有する第一吊部と、
    前記トラニオンの前記係止穴に挿入される係止部を有する第二吊部と、
    を有することを特徴とする放射性物質収納容器吊装置。
  3. 前記第二吊部は、前記係止部の外周上部が前記係止穴の内面形状に沿って形成されることを特徴とする請求項2に記載の放射性物質収納容器吊装置。
  4. 前記第二吊部は、前記係止部を先端部に有する軸部と、前記軸部の基端を先端に固定する棒状の支持部とを備え、前記軸部が前記支持部の先端下寄りに偏って配置され、かつ前記軸部の上部に前記係止部を配置することを特徴とする請求項2または3に記載の放射性物質収納容器吊装置。
  5. 前記係止部が前記軸部に嵌合されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の放射性物質収納容器吊装置。
  6. 前記第一吊部および/または前記第二吊部が先端に取り付けられたアームと、前記アームを回転移動させる基部とを有し、前記アームは、前記第一吊部および/または前記第二吊部が前記トラニオンの前記掛止部や前記係止穴に対して水平方向で対向する重心位置となるように前記基部に支持されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の放射性物質収納容器吊装置。
  7. 前記第一吊部と前記第二吊部とを一体として回転軸を介して回転移動可能に設けることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の放射性物質収納容器吊装置。
  8. 前記第一吊部と前記第二吊部とを一体としてスライド移動可能に設けることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の放射性物質収納容器吊装置。
  9. 一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成される筒形状をなして内部に放射性物質を収納可能な胴部と、
    前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、
    前記胴部の所定の位置の外方に突出して設けられ、その周面部が横置架台に掛け止められる掛止部として構成され、かつ突出端部に係止穴を有しており、前記蓋部側を上向きにした形態および前記蓋部側を所定方向に横向きにした形態で上方となる前記係止穴の開口縁の一部に沿って係止鍔部が形成された複数のトラニオンと、
    を備えることを特徴とする放射性物質収納容器。
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