JP3106190B1 - 原子炉収容容器及び原子炉移送方法 - Google Patents

原子炉収容容器及び原子炉移送方法

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JP3106190B1
JP3106190B1 JP2000005337A JP2000005337A JP3106190B1 JP 3106190 B1 JP3106190 B1 JP 3106190B1 JP 2000005337 A JP2000005337 A JP 2000005337A JP 2000005337 A JP2000005337 A JP 2000005337A JP 3106190 B1 JP3106190 B1 JP 3106190B1
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久雄 大塚
正人 高畑
博文 鎌田
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Abstract

【要約】 【課題】 原子炉移送前の準備作業中に原子炉から発す
る放射線を作業員が極力浴びずに済み、しかも高い作業
効率で作業時間を短縮できるようにした原子炉収容容器
及び原子炉移送方法を提案する。 【解決手段】 解体した原子炉たる圧力容器Aの全体を
収容できる容積と圧力容器Aの全体を下方から収容でき
る大きさの底面開口11とを有し、圧力容器Aを吊り上
げるための吊り線材たるワイヤWを挿通できる吊り孔1
2が頂部に穿設された、必要な放射線遮蔽機能を有する
容器本体10と、容器本体10に取着した丁番21によ
り底面開口11に対して開閉自在に装着された、必要な
放射線遮蔽機能を有する底蓋20と、を備えることを特
徴とする原子炉収容容器1。ここで原子炉収容容器1
は、容器本体10又は底蓋20に穿設されたネジ孔1
3,22に螺合し、先端の座板14a,23aが圧力容
器Aに当接する締付ネジ14,23を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電施設等
における施設の解体又は原子炉の交換の際に、撤去した
原子炉を安全に収容し移送するための原子炉収容容器及
びこれを用いた原子炉移送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】商業用原子力発電所や研究用原子炉施
設、放射線照射施設等において、施設の解体や原子炉の
交換の際には、原子炉を撤去しこれを所定の保管施設や
処分施設に移送することになる。ここで、移送中の原子
炉から発する放射線レベル(線量当量率)を一定規制値
以下に抑える必要があるため、移送前に原子炉周囲への
遮蔽材の取付けや、場合によっては原子炉の密封作業を
行わなければならない。そして従来においては、このよ
うな準備作業を、多くの作業員が交代で原子炉に接近し
て行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、作業員
がたとえ交代で原子炉に接近して準備作業を行ったとし
ても、原子炉から発する放射線を浴びることにかわりは
なく、作業員の健康に悪影響を与えるという問題が依然
として残っている。また、一定レベル以上の放射線に被
曝しないよう各作業員の作業時間も限られるため、作業
効率が悪く作業が長期化してしまうという問題もあっ
た。
【0004】そこで本発明は、原子炉移送前の準備作業
中に原子炉から発する放射線を作業員が極力浴びずに済
み、しかも高い作業効率で作業時間を短縮できるように
した原子炉収容容器及び原子炉移送方法を提案するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、撤去しようとする原子炉の全体を収容できる
容積と前記原子炉の全体を下方から収容できる大きさの
底面開口とを有し、前記原子炉を吊り上げるための吊り
線材を挿通できる吊り孔が頂部に穿設された、必要な放
射線遮蔽機能を有する容器本体と、この容器本体に取着
した丁番により前記底面開口に対して開閉自在に装着さ
れた、必要な放射線遮蔽機能を有する底蓋と、前記容器
本体又は前記底蓋に穿設されたネジ孔に螺合し、先端が
前記原子炉に当接する締付ネジと、を備えることを特徴
とする原子炉収容容器である。
【0006】また、請求項2に係る発明は、撤去しよう
とする原子炉の全体を収容できる容積と前記原子炉の全
体を下方から収容できる大きさの底面開口とを有し、前
記原子炉を吊り上げるための吊り線材を挿通できる吊り
孔が頂部に穿設された、必要な放射線遮蔽機能を有する
容器本体と、この容器本体に取着した丁番により前記底
面開口に対して開閉自在に装着された、必要な放射線遮
蔽機能を有する底蓋と、前記底蓋が一旦前記底面開口を
塞ぐとこの状態で自動的にロックするとともに、必要に
応じてこれを解除できるラッチ機構と、を備えることを
特徴とする原子炉収容容器である。
【0007】さらに、請求項3に係る発明は、解体した
原子炉の全体を収容できる容積と前記原子炉の全体を下
方から収容できる大きさの底面開口とを有し、前記原子
炉を吊り上げるための吊り線材を挿通できる吊り孔が頂
部に穿設された、必要な放射線遮蔽機能を有する容器本
体と、この容器本体に取着した丁番により前記底面開口
に対して開閉自在に装着された、必要な放射線遮蔽機能
を有する底蓋と、を備える原子炉収容容器を用いて、以
下の(1)乃至(5)の工程を行うことを特徴とする原
子炉移送方法である。 (1)原子炉収容容器を原子炉の上方に待機させる。 (2)吊り線材を上方から吊り孔に挿通し、当該吊り線
材の先端を原子炉に係着する。 (3)吊り線材をもって原子炉を吊り上げることによ
り、これを容器本体内に収容する。 (4)底蓋に対して丁番を上側に保持したまま容器本体
を傾け、これを横倒しすることにより底蓋で底面開口を
塞ぐ。 (5)原子炉収容容器を所定の場所に搬送する。
【0008】そして、請求項4に係る発明は、請求項3
記載の原子炉移送方法の(5)において、原子炉収容容
器を所定の場所に搬送した後、当該原子炉収容容器をこ
のまま保管容器として用い、保管施設内に保管すること
を特徴とする。
【0009】ここで、請求項1に係る原子炉収容容器
用いれば、原子炉を容器本体内に収容し底蓋を閉じた後
に、締付ネジを締め付けることにより、収容された原子
炉の容器本体内における移動を拘束することができるた
め、安全かつ確実に原子炉を移送することが可能とな
る。
【0010】また、請求項2に係る原子炉収容容器を用
いれば、ラッチ機構により、底蓋が一旦底面開口を塞ぐ
とこの状態で自動的にロックされるため、原子炉収容容
器から放射線漏れを防止すべく作業員が原子炉収容容器
に接近して底蓋をロックする手間が省ける。また、必要
に応じてロック状態を解除することもできるため、非常
時等に底蓋を開けて中身を点検することも可能であり、
安全かつ確実に原子炉を移送することが可能となる。
【0011】さらに、請求項3に係る原子炉移送方法に
よれば、撤去しようとする原子炉を容器本体内へ収容す
る作業と、原子炉収容容器の底蓋を閉じる作業とが殆ど
自動的に行われるため、従来の原子炉周囲への遮蔽材の
取付けや原子炉の密封作業に相当する作業を、作業員が
原子炉に殆ど接近することなく安全に完了させることが
できる。その結果、各作業員の作業時間の制約も低減で
きるため、作業効率が向上し作業の短期化を図ることも
できる。 そして、特に請求項4に係る原子炉移送方法に
よれば、原子炉収容容器をそのまま保管容器として用
い、保管施設内に保管するため、従来のように移送容器
と保管容器を別々に用意する必要もなく、また移送容器
内から保管容器内へ原子炉を移しかえる必要もないた
め、撤去しようとする原子炉の後処理に関する作業効率
の向上やコストダウンを図ることができ、安全性も高ま
る。
【0012】なお、本発明において「原子炉」とは、そ
の内部で核分裂連鎖反応を持続してゆくための装置をい
い、より具体的には、商業用原子力発電所における圧力
容器とその内部にある炉内構造物あるいはその一部、圧
力容器のない炉型の原子炉施設における炉心本体あるい
はその一部をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一
要素には同一符号を用い、重複する説明は省略するもの
とする。
【0014】1.原子炉収容容器 図1は、本発明に係る原子炉収容容器の一実施形態を表
す斜視図である。同図に示すように、原子炉収容容器1
は容器本体10と底蓋20とを備えている。なお、本実
施形態における原子炉は、圧力容器Aとする。
【0015】容器本体10は、円筒の上部に半球殻を載
せたような略釣鐘形状を呈しており、収容対象となる圧
力容器Aの全体をすっぽりと収容可能な容積を有する。
また、底面開口11は、圧力容器Aの全体を容器本体1
0の下方から収容できる大きさとなっている。
【0016】容器本体10の頂部には吊り孔12が3ヵ
所穿設されており、各吊り孔12は吊り線材たるワイヤ
Wを挿通することができるものとなっている。
【0017】また、容器本体10の頂部及び側部には、
所定間隔でネジ孔13が穿設されており、各ネジ孔13
には締付ネジ14が螺合している。各締付ネジ14の先
端には座板14aが取り付けられており、締付ネジ14
を締め込んでいくと座板14aが圧力容器Aに当接する
ようになっている。
【0018】容器本体10は鋼製であり、必要な放射線
遮蔽機能を有する。例えば40年間稼働した原子力発電
所の圧力容器Aを収容する場合においては、容器本体1
0の胴部(円筒部分)の厚さを10cm程度、容器本体1
0の頂部(球殻部分)の厚さを1cm程度と設定する。
【0019】一方、底蓋20は、丁番21をもって容器
本体10の下部に開閉自在に装着されており、底面開口
11を隙間なく塞ぐことができる大きさを有している。
そして、底蓋20にもまたネジ孔22が穿設されてお
り、底蓋20を閉じたときにネジ孔22に螺合する締付
ネジ23の先端の座板23aが圧力容器Aに当接できる
ようになっている。底蓋20も鋼製であり、必要な放射
線遮蔽機能を有する。
【0020】また、図2に示すように、底蓋20はラッ
チ機構により自動的に閉まり、ロックされるようになっ
ている。すなわち、図2(a)に示すように、底蓋20
の内側面にはラッチケース24が固定されており、スプ
リング25によりラッチヘッド26がラッチケース24
から出没可能に構成されている。ラッチヘッド26の先
端面は傾斜面となっており、容器本体10に近づくにつ
れてラッチヘッド26の長さが小さくなっている。一
方、容器本体10の下部内側面にはラッチ孔15が形成
されており、このラッチ孔15にラッチヘッド26が嵌
合するようになっている。
【0021】したがって、図2(a)に示すように底蓋
20が容器本体10に近づいていき、ラッチヘッド26
がラッチ孔15の下方の下方壁面16に当接すると、図
2(b)に示すように下方壁面16がスプリング25の
付勢力に抗してラッチヘッド26をラッチケース24内
に埋没させる。そして、ラッチヘッド26が下方壁面1
6を通過し終わると、図2(c)に示すようにスプリン
グ25の付勢力によりラッチヘッド26がラッチケース
24内から突出し、ラッチ孔15に嵌合する。そして、
ラッチヘッド26の先端面の形状とスプリング25の付
勢力との相互作用により、底蓋20はこの状態から図面
右方向に開くことがなくロックされる。
【0022】このように、底蓋20はラッチ機構により
自動的に閉まり、ロックされるようになっているため、
例えば図1に示す容器本体10内に圧力容器Aを収容し
た後、丁番21を底蓋20に対して上側に保持したまま
容器本体10を横に傾けていくと、自重により底蓋20
は自動的に底面開口11を塞いでロックされる。
【0023】なお、ラッチケース24の裏側にあたる底
蓋20の外側面には取っ手27が組み込まれており、こ
の取っ手27の軸部分はスプリング25及びラッチヘッ
ド26と連動している(図示省略)。そして、取っ手2
7を軸まわりにまわすと、スプリング25の付勢力に抗
してラッチヘッド26がラッチケース24内に引き込ま
れ、底蓋20を再び開くことができるようになっている
(図2(c)点線矢印参照)。
【0024】2.原子炉移送方法 続いて、このような原子炉収容容器1を使用して、圧力
容器Aを移送する方法について図3を参照して説明す
る。なお、従来と同様、圧力容器Aの移送に先立ち、必
要に応じて圧力容器Aに連結された配管類やケーブルそ
の他の突出部を切断・閉鎖しておく必要がある。圧力容
器Aだけを移送するためである。
【0025】(0)ちなみに、圧力容器Aの移送前に、
圧力容器Aの外周部に丸環等の吊り治具を溶接等によっ
て固定しておくことが望ましい。後でワイヤWを通じて
クレーンKによって圧力容器Aを吊り上げるためであ
る。
【0026】(1)まず、事前に解体してある圧力容器
Aの上方において、原子炉収容容器1を待機させる。具
体的には図3(a)に示すように、原子炉収容容器1の
底蓋20が開き、容器本体10が垂直に立った状態で、
原子炉収容容器1を圧力容器Aの上方の架台B上に載置
する。この載置作業は必要に応じて、原子炉建屋T内の
上方に設置されているクレーンKを用いて行う。
【0027】(2)次に、容器本体10の頂部に穿設さ
れた吊り孔12に上方からワイヤWを挿通する。そし
て、必要に応じてワイヤWの先端に取り付けられている
吊り治具を、圧力容器Aの外周に固定されたフック等に
引っかけて係合させる。もちろん、ワイヤWと圧力容器
Aは、丸環やフック等を用いなくても他の何らかの手段
で係着することとしてもよい。なお、本工程は基本的に
作業員の手作業により行われる。
【0028】(3)ワイヤWを圧力容器Aに係着した
ら、クレーンKを操作して圧力容器Aを吊り上げる。す
ると、図3(a)に示すように、吊り上げられた圧力容
器Aは原子炉収容容器1の容器本体10内に収容され
る。
【0029】(4)圧力容器Aを架台Bよりもさらに上
方に吊り上げていくと、原子炉収容容器1が圧力容器A
とともに持ち上がる。この状態で容器本体10の下端
を、予め用意してある台車Dの端部に引っ掛け、台車D
を固定した後、クレーンKを図面左方向に水平移動させ
ながらワイヤWの長さを調節することにより、図3
(b)に示すように、丁番21を底蓋20に対して上側
に保持したまま容器本体10を横に倒していく。する
と、底蓋20は自重により自動的に、容器本体10の底
面開口11を塞ぐ方向に閉まっていく。そして、容器本
体10が完全に横に倒れたときには、図2に示したラッ
チ機構により、底蓋20が自動的にロックされる。もち
ろん、ラッチ機構を設けていないときには、何らかの手
段により底面開口11を塞ぐように底蓋20を容器本体
10に固定する。
【0030】そして、図4に示すように、ワイヤWを切
断し、吊り孔12や底蓋20の周囲等の隙間をガスケッ
ト等により完全に塞いで原子炉収容容器1を密封する。
さらに、締付ネジ14,23を容器本体10内部に向け
て締め込むことにより、圧力容器Aが原子炉収容容器1
内部で移動しないように拘束する。
【0031】また、移送中又は移送後の原子炉収容容器
1外側の線量当量率を抑えるため、あるいは原子炉収容
容器1内に圧力容器Aを収容したまま一体で処分するに
は、圧力容器A及び原子炉収容容器1の内部にモルタル
M等を充填することも有効な手段である。このように圧
力容器A及び原子炉収容容器1の内部にモルタルMを充
填した場合には、圧力容器Aから発する放射線をモルタ
ルM自体がある程度遮蔽するため、原子炉収容容器1自
体の放射線遮蔽機能を減ずることができ、例えば容器本
体10や底蓋20の厚みを小さくすることが可能とな
る。
【0032】(5)最後に、図3(c)に示すように、
圧力容器Aを収容した原子炉収容容器1を載せた台車D
を移動させて、原子炉建屋Tの通路開口Taからこれを
搬出する。この後、台車Dは、所定の保管施設や処分施
設に移動することになるが、強度や耐久性、落下防止措
置等の必要な対策を施せば、原子炉収容容器1をこのま
ま保管容器として用い、保管施設H内に保管することが
可能となる(図5参照)。したがって、従来のように移
送容器と保管容器を別々に用意する必要もなく、また移
送容器内から保管容器内へ圧力容器Aを移しかえる必要
もないため、撤去しようとする原子炉の後処理に関する
作業効率の向上やコストダウンを図ることができ、安全
性も高まる。
【0033】3.補足説明 以上、本発明に係る原子炉収容容器及びこれを用いた原
子炉移送方法の実施の形態について説明してきたが、本
発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、適
宜の変更を加えて実施される。例えば、容器本体10を
略釣鐘形状ではなく例えば上蓋付の円筒形状としてもよ
いし、容器本体10や底蓋20の材質を鉄筋コンクリー
トとしてもよい。また、吊り線材としてワイヤWではな
く鋼棒等を用いてもよいし、吊り孔12や締付ネジ1
4,23の配置や数、ラッチ機構の具体的構成や台車D
の有無等についても自由に定めうる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る原子炉収
容容器を用いれば、原子炉を容器本体内に収容し底蓋を
閉じた後に、締付ネジを締め付けることにより、収容さ
れた原子炉の容器本体内における移動を拘束することが
できるため、安全かつ確実に原子炉を移送することが可
能となる。
【0035】また、請求項2に係る原子炉収容容器を用
いれば、ラッチ機構により、底蓋が一旦底面開口を塞ぐ
とこの状態で自動的にロックされるため、原子炉収容容
器から放射線漏れを防止すべく作業員が原子炉収容容器
に接近して底蓋をロックする手間が省ける。また、必要
に応じてロック状態を解除することもできるため、非常
時等に底蓋を開けて中身を点検することも可能であり、
安全かつ確実に原子炉を移送することが可能となる。
【0036】さらに、請求項3に係る原子炉移送方法
よれば、撤去しようとする原子炉を容器本体内へ収容す
る作業と、原子炉収容容器の底蓋を閉じる作業とが殆ど
自動的に行われるため、従来の原子炉周囲への遮蔽材の
取付けや原子炉の密封作業に相当する作業を、作業員が
原子炉に殆ど接近することなく安全に完了させることが
できる。その結果、各作業員の作業時間の制約も低減で
きるため、作業効率が向上し作業の短期化を図ることも
できる。 そして、特に請求項4に係る原子炉移送方法に
よれば、従来のように移送容器と保管容器を別々に用意
する必要もなく、また移送容器内から保管容器内へ原子
炉を移しかえる必要もないため、撤去しようとする原子
炉の後処理に関する作業効率の向上やコストダウンを図
ることができ、安全性も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉収容容器の一実施形態を表
す斜視図である。
【図2】図1に示した原子炉収容容器のラッチ機構の原
理図である。
【図3】本発明に係る原子炉移送方法の一実施形態を表
す工程図である。
【図4】図1に示した原子炉収容容器を台車に載せた状
態を表す側断面図である。
【図5】図1に示した原子炉収容容器を保管容器に転用
した状態を表す側断面図である。
【符号の説明】
1 … 原子炉収容容器 10 … 容器本体 11 … 底面開口 12 … 吊り孔 13 … ネジ孔 14 … 締付ネジ 20 … 底蓋 21 … 丁番 22 … ネジ孔 23 … 締付ネジ A … 圧力容器(原子炉) D … 台車 W … ワイヤ(吊り線材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G21F 9/36 501 (72)発明者 大塚 久雄 茨城県那珂郡東海村舟石川821番100号 財団法人原子力施設デコミッショニング 研究協会内 (72)発明者 高畑 正人 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 鎌田 博文 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−230188(JP,A) 特開 平6−27247(JP,A) 特開 平10−39076(JP,A) 特開 平8−62368(JP,A) 特開 平8−285981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/30 G21F 5/002 G21F 5/005 G21F 9/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撤去しようとする原子炉の全体を収容で
    きる容積と前記原子炉の全体を下方から収容できる大き
    さの底面開口とを有し、前記原子炉を吊り上げるための
    吊り線材を挿通できる吊り孔が頂部に穿設された、必要
    な放射線遮蔽機能を有する容器本体と、 この容器本体に取着した丁番により前記底面開口に対し
    て開閉自在に装着された、必要な放射線遮蔽機能を有す
    る底蓋と、 前記容器本体又は前記底蓋に穿設されたネジ孔に螺合
    し、先端が前記原子炉に当接する締付ネジと、 を備えることを特徴とする原子炉収容容器。
  2. 【請求項2】 撤去しようとする原子炉の全体を収容で
    きる容積と前記原子炉の全体を下方から収容できる大き
    さの底面開口とを有し、前記原子炉を吊り上げるための
    吊り線材を挿通できる吊り孔が頂部に穿設された、必要
    な放射線遮蔽機能を有する容器本体と、 この容器本体に取着した丁番により前記底面開口に対し
    て開閉自在に装着された、必要な放射線遮蔽機能を有す
    る底蓋と、 前記底蓋が一旦前記底面開口を塞ぐとこの状態で自動的
    にロックするとともに、必要に応じてこれを解除できる
    ラッチ機構と、 を備えることを特徴とする原子炉収容容器。
  3. 【請求項3】 撤去しようとする原子炉の全体を収容で
    きる容積と前記原子炉の全体を下方から収容できる大き
    さの底面開口とを有し、前記原子炉を吊り上げるための
    吊り線材を挿通できる吊り孔が頂部に穿設された、必要
    な放射線遮蔽機能を有する容器本体と、この容器本体に
    取着した丁番により前記底面開口に対して開閉自在に装
    着された、必要な放射線遮蔽機能を有する底蓋と、を備
    える原子炉収容容器を用いて、以下の(1)乃至(5)
    の工程を行うことを特徴とする原子炉移送方法。 (1)前記原子炉収容容器を前記原子炉の上方に待機さ
    せる。 (2)前記吊り線材を上方から前記吊り孔に挿通し、当
    該吊り線材の先端を前記原子炉に係着する。 (3)前記吊り線材をもって前記原子炉を吊り上げるこ
    とにより、これを前記容器本体内に収容する。 (4)前記底蓋に対して前記丁番を上側に保持したまま
    前記容器本体を傾け、これを横倒しすることにより前記
    底蓋で前記底面開口を塞ぐ。 (5)前記原子炉収容容器を所定の場所に搬送する。
  4. 【請求項4】 前記(5)において、前記原子炉収容容
    器を所定の場所に搬送した後、当該原子炉収容容器をこ
    のまま保管容器として用い、保管施設内に保管すること
    を特徴とする請求項3記載の原子炉移送方法。
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