JP2001133589A - キャスク - Google Patents

キャスク

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JP2001133589A
JP2001133589A JP31171499A JP31171499A JP2001133589A JP 2001133589 A JP2001133589 A JP 2001133589A JP 31171499 A JP31171499 A JP 31171499A JP 31171499 A JP31171499 A JP 31171499A JP 2001133589 A JP2001133589 A JP 2001133589A
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cask
receiving portion
mounting shaft
hanging
hanging portion
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Hide Hode
秀 甫出
Masanari Osono
勝成 大園
Shinji Okame
信二 大亀
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩衝体のクラッシュ代を大きく取り、キャス
ク搬送時におけるスペースの効率化又は緩衝性の向上等
を図ること。 【解決手段】 キャスク本体に取り付けられた受け部1
1と、この受け部11に着脱自在に取り付けられた吊り
部12とを有するトラニオン10を備える。本発明によ
れば、搬送時等には吊り部12を受け部11から取り外
すことができ、その分だけクラッシュ代を大きくとるこ
とができる。したがって、緩衝体を小径化できて搬送時
のスペース効率の向上を図ることができる。あるいは、
従来よりクラッシュ代を大きく取ることができ、衝撃を
よりゆるやかに吸収することができて緩衝性を向上させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼を終えた使
用済核燃料集合体を収容するキャスクに関するものであ
って、キャスク搬送時におけるスペースの効率化または
緩衝性の向上等を図ることのできるキャスクに関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉内で所定の燃焼を終え使用できな
くなった核燃料集合体を、使用済核燃料という。この使
用済核燃料は、核分裂性物質および核分裂生成物などを
含んで放射能および崩壊熱を発生することから熱的に冷
却する必要があり、原子力発電所の冷却ピット内で所定
期間冷却される。その後、使用済核燃料は、放射線の遮
蔽および放射能封じ込め機能を有する容器であるキャス
クに収容される。このキャスクは、使用済核燃料の再処
理施設等への輸送や、所定の貯蔵施設にて貯蔵に供用さ
れる。
【0003】図43は、従来のキャスクの搬送状態にお
ける正面図、図44は図43のキャスクの分解斜視図、
図45は図43のE部拡大図である。なお、図43にお
いてはキャスクを縦置きに示すが、実際の搬送の際には
横置きに配置される。図43、44に示すように、キャ
スク200は、筒形状のキャスク本体2と、その一端の
蓋部3、および他端の底部4とを備えて構成されてい
る。キャスク本体2および底部4はγ線遮蔽体である炭
素鋼製の鍛造品である。また、図44の破断部分に示す
ように、キャスク本体2の外周部分は中性子遮蔽体であ
るレジン201にて覆われており、その内部には、使用
済核燃料を収容する複数の角パイプ202を束状に集合
して構成されたバスケット203が設けられている。
【0004】ここで、図43、44に示すように、キャ
スク本体2には、トラニオン204と呼ばれる吊り金具
が設けられている。このトラニオン204は、蓋部側に
4つ、底部側に二つ設けられており、吊り上げの際は、
蓋部側のトラニオン204を用いてキャスク200の吊
り上げが行われ、輸送の際は、さらに底部側のトラニオ
ン204をも用いてキャスク200の固定が行われる。
各トラニオン204は、図45に示すように、受け部2
05および吊り部206を一体的に有する2段構造に形
成されている。
【0005】図46は、キャスク固定時における底部側
のトラニオン周辺部分を示す図であり、(a)は側面
図、(b)は正面図である。この図46に示すように、
キャスク固定時には、底部側の各トラニオン204の受
け部205に、トラニオン固定金具210が連結され
る。このトラニオン固定金具210は、キャスク200
を貯蔵架台207等の固定対象物に固定するもので、ト
ラニオン挟持プレート211および架台固定プレート2
12を備える。トラニオン挟持プレート211は受け部
205を挟持することによってトラニオン204に連結
され、架台固定プレート212は複数の固定ボルト21
3によって貯蔵架台207に固定される。このような構
造により、キャスク200はトラニオン204およびト
ラニオン固定金具210を介して貯蔵架台207に固定
され、地震等の際の転倒が防止される。
【0006】図47は、キャスク吊り上げ時におけるト
ラニオン周辺部分を示す図であり、(a)は側面図(吊
りアーム以外を想像線にて示す)、(b)は正面図であ
る。この図47に示すように、キャスク吊り上げ時に
は、蓋部側の二つのトラニオン204の吊り部206
に、吊りアーム220等の吊り上げ手段が連結される。
吊り部206の端部には、吊りアーム220が当該吊り
部206から抜けないようにフランジ207が設けられ
ている。吊りアーム220は、縦長平板状に形成されて
おり、フランジ207より若干大径の穴部221と吊り
部206より若干大径の穴部222からなる瓢箪状の取
り付け穴223が形成されており、穴部221にフラン
ジ207を挿通させ穴部222を介して吊り部206を
保持する。
【0007】ここで、図43、44に示すように、キャ
スクの搬送時には、キャスクの蓋部3および底部4に、
木材等を組み込んで構成された緩衝体5が取り付けられ
る。この緩衝体5は、キャスク搬送時の衝撃を吸収して
キャスク本体2への衝撃を緩衝するもので、キャスク本
体2よりも太径の短尺円筒状に形成されている。この緩
衝体5とトラニオン204との間には、緩衝体5が衝撃
によって変形等した際、この衝撃がトラニオン204を
介してキャスク本体2に伝達される防ぐためのクラッシ
ュ代が設けられている。すなわち、図45に示すよう
に、緩衝体5とトラニオン204とは、相互に距離L1
だけ隔てて配置されており、衝撃による緩衝体5の変形
寸法が距離L1以下であれば、衝撃力が緩衝体5にて吸
収されてトラニオン204に接触しないので、この緩衝
体5で緩和された衝撃力しかキャスク本体に到達しな
い。
【0008】このクラッシュ代としては、トラニオン2
04自体の変形寸法を加えることもできる。すなわち、
緩衝体5が変形してトラニオン204に接触した際、あ
るいはトラニオン204に衝撃力が直接加わった際に、
当該トラニオン204がキャスク本体2に大きい衝撃を
伝えることなく変形する場合には、この変形寸法をクラ
ッシュ代に加えることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようにトラニオン
204がキャスク本体2に大きな衝撃を伝えることなく
変形するためには、トラニオン204のうちの最も剪断
力の弱い部分、すなわち図45における受け部205と
吊り部206の接合部分208が、キャスク本体2に障
害を生じない程度の小さい衝撃力F1で剪断される必要
がある。しかしながら、従来のキャスク200において
は、トラニオン204の受け部205と吊り部206が
単に相互一体に構成されており、その接合部分208
は、吊り部206がキャスク200の吊り上げ荷重F2
を支え得るための充分な強度を有して構成されている。
したがって、落下衝撃等によってトラニオンが変形する
際に、この変形に見合う反力として大きな衝撃力が発生
し、この衝撃力がキャスクを構成する部材に伝わる為、
これをクラッシュ代に加えることができなかった。
【0010】このため、従来のキャスク200において
は、クラッシュ代は上述のように緩衝体5とトラニオン
204の先端部分との相互距離L1に等しくなっていた
(以下、従来のクラッシュ代をL1とする)。ここで、
トラニオン204の受け部205および吊り部206は
一体に形成されており、当該トラニオン204を短縮化
することが困難であるため、所望のクラッシュ代L1を
確保するためには緩衝体5の外径を大きくする必要があ
った。したがって、緩衝体5を含めたキャスク全体の搬
送時の荷姿が大きくなり、搬送上のスペース効率が悪く
なるという問題があった。
【0011】たとえば、設計的にはもっと大きなキャス
クを製造できる場合であっても、キャスク200が取り
扱われる各種施設への出入り可能な寸法等の制約上、緩
衝体5の大きさも一定の制約を受ける。このような緩衝
体5に対する制約に基づいてキャスク200の大きさも
決まることになり、所望のクラッシュ代L1を確保する
ためにはキャスク200をあまり大きくすることができ
なかった。したがって、一定の使用済核燃料を収容する
ために必要となるキャスク200の本数が増えることに
なっていた。あるいは逆に、スペース効率を向上させる
ために緩衝体5を極力小径にしてクラッシュ代L1を必
要最低限とした場合には、最低限の緩衝性しか確保でき
なかった。
【0012】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、緩衝体のクラッシュ代を大きく取ることがで
き、キャスク搬送時におけるスペースの効率化または緩
衝性の向上等を図ることのできるキャスクを提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1にかかるキャスクは、キャスクを固定対
象物に固定するためキャスク本体に取り付けられた受け
部と、キャスクを吊り上げるため受け部に対して着脱自
在に取り付けられた吊り部とを有するトラニオンを備え
るものである。
【0014】キャスクを吊り上げる際には、吊り部を受
け部に取り付け、この吊り部に吊り上げ手段を連結する
ことによって、従来と同様にキャスクを吊り上げること
ができる。また、吊り上げ終了後の搬送時等において
は、吊り部を受け部から取り外すことができる。この状
態においては、吊り部を取り外した分だけトラニオンの
全長が短くなり、トラニオンと緩衝体との相互距離が長
くなるため、従来に比べてクラッシュ代を大きくとるこ
とができる。したがって、従来と同一のクラッシュ代を
設けるためには緩衝体を小径状にすることができるの
で、搬送時のスペース効率の向上を図ることができる。
あるいは、従来と同径の緩衝体を用いる場合には、従来
よりもクラッシュ代を大きく取ることができるので、よ
り緩やかに衝撃力を吸収することができるので衝撃によ
る反力も小さくなり、緩衝性を向上させることができ
る。
【0015】また、請求項2にかかるキャスクは、吊り
部には受け部側に突出する取り付け軸を設け、受け部に
は取り付け軸を着脱自在に挿入する取り付け穴を設けた
ものである。
【0016】吊り部を受け部に着脱自在とする構造とし
ては様々なものが考えられるが、取り付け軸を取り付け
穴に挿入することによって吊り部の固定を行う場合に
は、受け部の内部にて着脱が行われ、受け部の外部には
特別な構造を要しない。したがって、受け部の外部構造
を従来と同様に構成することができ、この受け部には従
来と同様のキャスク固定金具を連結してキャスクの固定
を行うことができる。従って、キャスクの固定構造に影
響を与えることなく、吊り部の着脱を行うことができ
る。
【0017】また、請求項3にかかるキャスクは、吊り
部の取り付け軸と受け部の取り付け穴には、相互に対応
する位置にピン穴を穿設し、このピン穴に挿入した取り
付けピンを介して吊り部を受け部に取付けたものであ
る。
【0018】取り付け軸を取り付け穴に挿入し、これら
の対応する位置に設けたピン穴に取り付けピンを挿入す
る。吊り部を受け部から引き抜く方向に外力が働いた場
合、吊り部と受け部の相対的な移動が取り付けピンによ
って抑止され、吊り部が受け部から脱落等することが防
止される。吊り上げ終了時には、取り付けピンを取り付
け穴から引き抜くことで、取り付けピンによる抑止が解
除され、取り付け軸を取り付け穴から引き抜いて、吊り
部を受け部から取り外すことができる。このように取り
付けピンを取り付け穴に挿入しまたは取り付け穴から引
き抜くだけで、吊り部の着脱が可能となり、着脱機構を
簡易に構成できると共に、着脱操作が容易である。
【0019】また、請求項4にかかるキャスクは、吊り
部の取り付け軸の外周面には、ネジ山を形成し、受け部
の取り付け穴の内周面には、ネジ山に螺合するネジ溝を
形成したものである。
【0020】キャスクの吊り上げ時には、吊り部を所定
方向に回転させつつ、その取り付け軸を取り付け穴に挿
入することにより、フランジのネジ山が凹部のネジ溝に
螺合した状態で、取り付け軸が取り付け穴に収められ
る。吊り部を受け部から引き抜く方向に外力が働いた場
合、吊り部と受け部の相対的な移動がネジ山とネジ溝の
螺合による締結力によって抑止され、吊り部が受け部か
ら脱落等することが防止される。そして、吊り上げ終了
時には、吊り部を先の所定方向とは逆方向に回転させつ
つ、取り付け軸を取り付け穴から引き抜くことにより、
ネジ山とネジ溝の螺合が解除され、吊り部を受け部から
取り外すことができる。このように、螺合構造という稼
働部のない非常にシンプルな着脱構造にて吊り部の着脱
を行うことができるので、極めて信頼性の高い着脱を行
うことができる。
【0021】また、請求項5にかかるキャスクは、吊り
部の取り付け軸の外周面には、外側に突出するバヨネッ
トリブを設け、受け部の取り付け穴には、バヨネットリ
ブを収めるバヨネット受け部と、当該バヨネット受け部
の外側において、取り付け軸およびバヨネットリブに対
応した形状の開口部を有するストッパフランジを設けた
ものである。
【0022】キャスクの吊り上げ時には、バヨネットリ
ブがストッパフランジの開口部に対応して位置するよう
に吊り部を回転させ、その取り付け軸を受け部の取り付
け穴に挿入することにより、取り付け軸が開口部を通過
すると共に、バヨネットリブが開口部を通過してその奥
のバヨネット受け部に収められる。さらに、バヨネット
リブが開口部に対応しない位置に移動するように吊り部
を回転させることにより、バヨネットリブが開口部を通
過不能となって、吊り部が受け部から抜けなくなり、吊
り部を受け部に取り付けることができる。そして、吊り
上げ終了時には、バヨネットリブが開口部に対応して位
置するように吊り部を回転させることで、吊り部を受け
部から取り外すことができる。このように、バヨネット
構造という稼働部のない非常にシンプルな着脱構造にて
吊り部の着脱を行うことができるので、極めて信頼性の
高い着脱を行うことができる。
【0023】また、請求項6にかかるキャスクは、吊り
部の取り付け軸には、当該取り付け軸の半径方向にスラ
イド自在のコマと、当該コマを取り付け軸の軸心方向へ
付勢するバネと、取り付け軸の長手方向に沿ってスライ
ドされることにより、その先端の傾斜面を介してコマを
取り付け軸の外周方向に押圧する押しピンとを設け、受
け部の取り付け穴には、押しピンにて押圧されたコマを
係止させる凹部を設けたものである。
【0024】キャスクの吊り上げ時には、吊り部の取り
付け軸を、受け部の取り付け穴に挿入する。そして、押
しピンを所定方向にスライドさせると、押しピンの端部
がコマの中央位置に挿入され、当該端部の傾斜面がコマ
に当接し、コマはバネの付勢力に抗して取り付け軸の外
周方向に押圧される。そして各コマは、取り付け軸の外
周よりも外側に突出し、受け部の凹部に係止する。この
状態においては、凹部に対するコマの係止によって吊り
部が受け部から抜けることが防止され、吊り部が受け部
に固定される。吊り上げ終了後は、押しピンを反対方向
にスライドさせると、押しピンの端部がコマの中央位置
から抜け出て、コマに対する押圧が解除され、コマがバ
ネの付勢力によって取り付け軸の中央位置に押し戻され
る。したがって、凹部に対するコマの係止が解除され、
吊り部を受け部から取り外すことができる。このように
押しピンを回転させるだけで、コマをスライドさせて吊
り部の着脱を行うことができるので、操作には大きな力
を要せず、操作性が良好である。
【0025】また、請求項7にかかるキャスクは、押し
ピンの傾斜面を、当該押しピンを受け部側にスライドさ
せることに伴ってコマを取り付け軸の外周方向に押圧す
る傾斜面、または、当該押しピンを受け部と反対側にス
ライドさせることに伴ってコマを取り付け軸の外周方向
に押圧する傾斜面としたものである。
【0026】いずれの場合においても、押しピンを所定
方向にスライドさせることによってコマを凹部に係止さ
せることができ、また逆方向にスライドさせることによ
ってコマと凹部の係止を解除することができる。特に、
押しピンを受け部と反対側にスライドさせることに伴っ
てコマを押圧する場合には、吊り部を引き抜く方向の力
が加わった場合に、コマが押圧されて凹部に係止する。
したがって、吊り部を引き抜く力とコマによる係止力と
が均衡し、吊り部が受け部から不用意に脱落する危険性
を低減できるので、キャスクの吊り上げ時における安全
性を向上させることができる。
【0027】また、請求項8にかかるキャスクは、吊り
部の取り付け軸には、当該取り付け軸の半径方向に移動
自在の振れ子と、当該振れ子を取り付け軸の軸心方向へ
付勢するバネと、取り付け軸と同心に回転されることに
より、その周面を介して振れ子を取り付け軸の外周方向
に押圧するカムと、このカムを回転させるカム軸とを設
け、受け部の取り付け穴には、カムにて押圧された振れ
子を係止させる凹部を設けたものである。
【0028】キャスクの吊り上げ時には、取り付け軸を
取り付け穴に挿入し、カム軸を所定方向に回転させる
と、カムの所定の外周面が振れ子に当接し、振れ子はバ
ネの付勢力に抗して外側に押圧されて、取り付け軸の外
周よりも外側に突出する。突出した振れ子は、受け部の
凹部に係止し、これによって、吊り部が受け部に対して
取り付けられる。そして、吊り上げ終了後、カム軸をさ
らに回転させると、カムの他の外周面が振れ子に当接
し、振れ子の押圧が解除され、吊り部を受け部から取り
外すことができる。このようにカム軸を回転させるだけ
で吊り部の着脱を行うことができるので、操作には大き
な力を要せず、操作性が良好である。さらに、螺合構造
の如き摺動部を必要としないので、吊り部と受け部の接
触面が焼き付くといったおそれがない。
【0029】また、請求項9にかかるキャスクは、吊り
部を、キャスクを吊り上げるための吊り上げ手段の一部
として形成したものである。
【0030】キャスクの吊り上げ時には、吊りアーム等
の吊り上げ手段に設けた吊り部を受け部に取り付け、こ
れら吊り部および吊りアームを介してキャスクを吊り上
げることができる。そして、吊り上げ終了後、吊り部を
受け部から取外し、この吊り部を吊りアームと共に退避
させることができる。この場合には、従来のようにトラ
ニオンのフランジを吊りアームに挿通させる必要がない
ので、吊りアームに取り付け穴を設ける必要がない。こ
のように取り付け穴を省略できる分、吊りアーム等の吊
り上げ手段の製造が容易になると共に、吊り上げ手段を
従来に比べて細幅に形成することができる。さらに、吊
り部を吊り上げ手段に取り付けているので、受け部から
取り外した後の吊り部を別個に保持する必要がなく、吊
り部の扱いが容易である。また、吊り部が吊り上げ手段
に取り付けられているので、従来のように吊り部を吊り
上げ手段に連結する必要がなく、吊り上げ作業が一層容
易になる。
【0031】また、請求項10にかかるキャスクは、キ
ャスクを固定対象物に固定するためキャスク本体に取り
付けられた受け部と、キャスクを吊り上げるため受け部
に対して取り付けられるもので、吊り上げ手段の係止部
にて係脱自在に係止される吊り部とを有するトラニオン
を備えたものである。
【0032】このような構造において、キャスクの吊り
上げ時には、吊りアーム等の吊り上げ手段の係止部を吊
り部に係止させ、この係止構造にて吊り上げ手段を吊り
部に連結することができ、キャスクを吊り上げることが
できる。そして、吊り上げ終了後、係止部による係止を
解除することにより、吊り上げ手段を吊り部から取り外
すことができる。この場合、吊り上げ手段が吊り部から
脱落することが係止部によって防止されるため、吊り部
の外側には脱落防止のためのフランジを設ける必要がな
い。したがって、フランジを省略した分だけ吊り部を短
くすることができ、クラッシュ代を大きくとることがで
きる。また、フランジを設ける必要がないことから、吊
り上げ手段を吊り部に連結する際、吊り上げ手段の取り
付け穴にフランジを挿通させる必要がないので、吊り上
げ手段の取り付け穴を従来に比べて小径化することがで
きる。このように取り付け穴を小径化できる分、吊り上
げ手段を従来に比べて細幅に形成することができる。
【0033】また、請求項11にかかるキャスクは、キ
ャスクを固定対象物に固定するためキャスク本体に取り
付けられた受け部と、キャスクを吊り上げるため受け部
に対して取り付けられるもので、所定値以上の荷重が加
えられた場合にその一部が剪断されることによって受け
部の内部に略挿入される吊り部とを有するトラニオンを
備えるものである。
【0034】通常時には吊り部が受け部に取り付けられ
ており、この吊り部を介してキャスクの吊り上げを行う
ことができる。そして、搬送時において衝撃が生じ、緩
衝体で所定のクラッシュ代までこの衝撃が緩衝されてな
お所定値以上の衝撃として吊り部を押圧し、あるいは吊
り部に直接的に所定値以上の衝撃が加わった場合には、
吊り部の一部が剪断され、受け部に対する吊り部の固定
が解除される。さらに、吊り部は衝撃力によって受け部
側にスライドされ、その全体または一部が受け部の内部
に挿入される。この吊り部のスライド動作によって衝撃
力が緩和され、緩和された衝撃力しかキャスク本体に伝
わらないので、吊り部のスライド分をクラッシュ代とし
て取り扱うことができる。すなわち、スライド分だけク
ラッシュ代が大きく取れるため、従来と同径の緩衝体を
用いる場合には、従来よりもクラッシュ代を大きく取る
ことができて緩衝性を向上させることができ、あるい
は、従来と同一のクラッシュ代で良ければ緩衝体を小径
状にしてスペース効率の向上を図ることができる。
【0035】また、通常時には吊り部が受け部に固定さ
れていることから、吊り部が受け部から脱落する危険性
がなく、吊り上げ時の安全性を確保することができる。
さらに、通常時は吊り部が受け部に取り付けられてお
り、吊り部が受け部から外れることがないため、キャス
ク吊り上げ時の信頼性を維持できる。また、吊り部を着
脱したり、別個に保管等する必要がなく、管理が容易で
ある。この発明は、請求項10にかかる発明と組み合わ
せることもでき、この場合には、両者の効果を奏するこ
とができる。
【0036】このように吊り部の一部を剪断可能とする
構造としては種々のものが考えられるが、たとえば、請
求項12にかかるキャスクのように、吊り部には受け部
側に突出する取り付け軸を設け、この取り付け軸には所
定値以上の荷重が加えられた場合に剪断されるフランジ
を設け、このフランジを介して吊り部を受け部に固定す
ることができる。この場合、吊り部に所定値以上の衝撃
が加えられた場合には、そのフランジが剪断され、吊り
部が受け部内にスライド挿入される。吊り部の受け部に
対する挿入量は、フランジの位置によって調整すること
ができるため、設計等が容易である。
【0037】あるいは、請求項13にかかるキャスクの
ように、受け部には吊り部を挿入するための取り付け穴
を設け、この取り付け穴の近傍位置には、所定値以上の
荷重が加えられた場合に剪断されることにより、吊り部
をさらに受け部側にスライドさせる段部を設けることも
できる。この場合、吊り部に所定値以上の衝撃が加えら
れた場合には、その衝撃が受け部に伝達され、受け部の
段部が剪断されることにより、吊り部が受け部内にスラ
イド挿入される。このように、一定値以上の衝撃力が加
わった場合の吊り部のスライド構造を、受け部側で構成
することもできる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるキャスク
の実施の形態1〜10につき図面を参照しつつ詳細に説
明する。ただし、これら実施の形態によりこの発明が限
定されるものではない。なお、実施の形態2〜10につ
いて、特に説明なき構成は実施の形態1等と同じであ
り、同じ構成を同符号にて示す。
【0039】(実施の形態1)図1はこの発明の実施の
形態1にかかるキャスクの搬送状態における正面図、図
2は図1のA部拡大図、図3は吊り部を取り付けた状態
のトラニオン周辺の縦断面図、図4は吊り部を取り外し
た状態のトラニオン周辺の縦断面図である。なお、図1
においてはキャスクを縦置きに示すが、搬送の際には横
置きに配置される。本実施の形態は概略的に、トラニオ
ンの吊り部をピンを介して受け部に着脱自在としたキャ
スクにかかるものである。なお、特に説明なき構成は上
述した従来技術と同じであり、同じ構成を同符号にて示
す。
【0040】図1、2に示すように、キャスク1は、筒
形状のキャスク本体2と、その上端の蓋部3、および下
端の底部4とを備えて構成されている。そして輸送時に
は、これら蓋部3および底部4に、木材等を組み込んで
構成された短尺円筒状の緩衝体5が取り付けられる。そ
して、吊り上げ作業および搬送時の固定のため、キャス
ク本体2の蓋部側には4つのトラニオン10、底部側に
は二つのトラニオン10が設けられている。各トラニオ
ン10は、図3、4に示すように、キャスク本体2に固
定された受け部11と、この受け部11に着脱自在に取
り付けられた吊り部12と、この吊り部12を受け部1
1に取り付けるための取り付けピン13とを備えて構成
されている。
【0041】吊り部12は、図3、4に示すように、吊
りアーム等の図示しない吊り上げ手段に連結される吊り
部本体14と、吊り部本体14の受け部側に設けた取り
付け軸15と、吊り部本体14の外端と、吊り部本体1
4と取り付け軸15の間とにそれぞれ設けたフランジ1
6、17とを備えて構成されている。フランジ16は、
吊り部本体14に連結された図示しない吊りアーム等の
吊り上げ手段が当該吊り部本体14から抜け落ちること
を防止するものである。また、フランジ17は、吊り部
12を受け部11に装着する際の位置決めを行うための
ものであり、さらには、吊り部12の荷重支持構造の一
部を構成する。ただし、このフランジ17は省略可能で
ある。
【0042】受け部11は、図3、4に示すように、略
円筒状に形成されており、その基部においてキャスク本
体2に対して溶接やボルト締め等の任意の手段にて固定
されている。この受け部11には、吊り部12を挿入し
て取り付けるための取り付け穴18が長手方向に沿って
穿設されている。この取り付け穴18は、取り付け軸1
5を収め得る径および長さで、受け部11に対して同心
に形成されている。また、取り付け穴18の外端には、
フランジ17に対応する径および幅の凹部19が形成さ
れており、この凹部19にフランジ17を収めることが
できる。
【0043】ここで、吊り部12の取り付け軸15と受
け部11には、取り付けピン13を挿入するためのピン
穴11a、15aが相互に対応する位置に穿設されてお
り、これらピン穴11a、15aに取り付けピン13が
挿通されている。ピン穴11a、15aは、取り付けピ
ン13に対応する径の円柱状の空間部であり、取り付け
ピン13の頭部13aに対応する位置には当該頭部13
aに形成されたネジ山13bを螺合させるためのネジ溝
11bが形成されている。そして、これらネジ山13b
とネジ溝11bの螺合によって、取り付けピン13をピ
ン穴11a、15aに固定することができる。この取り
付けピン13の操作は、頭部13aに設けた六角穴13
cに図示しない工具を差し込むことにより行うことがで
きる。
【0044】このような構成において、キャスク1の吊
り上げ時には、図3に示すように、取り付けピン13を
介して吊り部12を受け部11に取り付けることができ
る。具体的には、フランジ17が凹部19に収まる位置
まで、取り付け軸15を取り付け穴18に挿入する。こ
の状態において、吊り部12と受け部11のそれぞれの
ピン穴11a、15aが相互に対応する位置に配置され
る。そして、ネジ山13bをネジ溝11bに螺合させつ
つ、取り付けピン13をピン穴11a、15aに挿入す
ることで、吊り部12は取り付けピン13を介して受け
部11に固定され、この吊り部12を介してキャスク本
体2を吊り上げることができる。
【0045】ここで、取り付け軸15と取り付け穴18
との嵌め合いには、これら相互間に大きなガタのない嵌
め合い構造、たとえば、ゆるみばめを採用することがで
きる。その一方、取り付けピン13とピン穴11a、1
5aとの嵌め合いは、取り付けピン13に剪断力が直接
加わらないように決定することが好ましい。この場合に
は、吊り上げ荷重が取り付け軸15と取り付け穴18と
の嵌め合い部分に加わり、取り付けピン13には直接加
わらないので、取り付けピン13は少なくとも取り付け
軸15が取り付け穴18から抜け落ちることを防止可能
な強度を有するものであればよい。
【0046】そして、吊り上げ終了後、キャスク1を搬
送する際等には、図4に示すように、取り付けピン13
をピン穴11a、15aから引き抜くことによって吊り
部12と受け部11の固定を解除し、吊り部12を受け
部11から取り外すことができる。また、この吊り部1
2の取り外しの前後いずれかの時点で、キャスク本体2
の蓋部3および底部4に緩衝体5を取り付ける。この状
態においては、図2に示すように、従来のクラッシュ代
L1に加えて、トラニオン10の吊り部12を取り外す
ことによって広がった距離L2をクラッシュ代に含める
ことができる。
【0047】したがって、従来と同一のクラッシュ代L
1を設けるためには、緩衝体5を距離L2だけ小径状に
することができ、搬送時のスペース効率の向上を図るこ
とができる。あるいは、従来と同径の緩衝体5を用いる
場合には、従来よりもクラッシュ代を距離L2だけ大き
く取ることができるので、衝撃を一層吸収することがで
き、緩衝性を向上させることができる。特に、本実施の
形態においては、取り付けピン13を挿入または抜き取
ることで吊り部12の固定を行うことができ、着脱機構
を簡易に構成できると共に、着脱操作が容易である。
【0048】これまで説明した他、本実施の形態は、種
々の異なる態様を取り得る。たとえば、取り付け軸15
の形状は円筒状でなく角柱状等の任意の断面形状を取り
得る。また、取り付けピン13の形状や本数、ピン穴1
1a、15aに対する取り付けピン13の固定構造につ
いても、任意のものを採用することができる。あるい
は、取り付けピン13がピン穴11a、15aから抜け
落ちる可能性がなければ、取り付けピン13の螺合構造
を省略することもできる。
【0049】(実施の形態2)図5はこの発明の実施の
形態2にかかるキャスクの、吊り部を取り付けた状態の
トラニオン周辺の縦断面図、図6は吊り部を取り外した
状態のトラニオン周辺の縦断面図である。本実施の形態
は概略的に、吊り部と受け部を螺合構造にて着脱自在と
したキャスクにかかるものである。
【0050】本実施の形態において、トラニオン20の
吊り部12のフランジ17には、その外周面の略全面に
渡ってネジ山21が形成されている。一方、受け部11
の凹部19には、その内周面の略全面に渡って、ネジ山
21が螺合するネジ溝22が形成されている。なお、ネ
ジ山21の種類は、螺合による所望の締結力を得ること
のできるように決定され、三角ネジ等の任意のものを用
いることができる。
【0051】このような構造において、キャスク吊り上
げ時には、図5に示すように、吊り部12を所定方向に
回転させつつ、その取り付け軸15を取り付け穴18に
挿入することにより、ネジ山21がネジ溝22に螺合し
た状態で、取り付け軸15が取り付け穴18に収められ
る。したがって、螺合による締結力によって取り付け軸
15が取り付け穴18から抜け出ることが防止され、吊
り部12を受け部11に取り付けることができる。そし
て、吊り上げ終了時には、図6に示すように、吊り部1
2を先の所定方向とは逆方向に回転させつつ、取り付け
軸15を取り付け穴18から引き抜くことにより、ネジ
山21とネジ溝22の螺合が解除され、吊り部12を受
け部11から取り外すことができる。
【0052】したがって、上述の実施の形態1と同様に
クラッシュ代を大きく取ることができ、スペース効率や
緩衝性を向上させることができる。特に、本実施の形態
においては、螺合構造という稼働部のない非常にシンプ
ルな着脱構造にて吊り部12の着脱を行うことができる
ので、容易に着脱を行うことができる。
【0053】なお、これまで説明した他、本実施の形態
は、種々の異なる態様を取り得る。たとえば、螺合構造
を形成する位置は、所望の締結力を得ることのできる任
意の位置とすることができる。図7は、変形例にかかる
吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺の縦断面図で
ある。この図7に示すように、取り付け軸15の先端に
ネジ山21を作り、これに対向する面にネジ溝22を設
けると、吊り上げ時に生ずる力の影響を最小にすること
ができる。この構造は、フランジ17と凹部19の接合
部分を螺合面とした際に締結力が不足する場合にも有効
である。この場合には、フランジ17および凹部19を
省略することができる。
【0054】(実施の形態3)図8は、この発明の実施
の形態3にかかるキャスクの、吊り部を取り付けた状態
のトラニオン周辺の縦断面図、図9は吊り部を取り外し
た状態のトラニオン周辺の縦断面図、図10は図9のB
−B矢視図、図11は図9のC−C矢視図である。本実
施の形態は概略的に、吊り部と受け部をバヨネット構造
にて着脱自在としたキャスクにかかるものである。
【0055】図8〜10に示すように、トラニオン30
の吊り部12の取り付け軸15には、一対のバヨネット
リブ31が当該取り付け軸15を挟んで対称位置に形成
されている。各バヨネットリブ31は、4分割されたフ
ランジの一片の如き形状にて形成され、取り付け軸15
の外周に突設されている。
【0056】一方、受け部11には、バヨネット受け部
32と、ストッパフランジ33とが備えられている。バ
ヨネット受け部32は、図8、9に示すように、バヨネ
ットリブ31の径および幅に対応した空間部であり、そ
の内部に一対のバヨネットリブ31を収め得る。また、
ストッパフランジ33は、図11に示すように、バヨネ
ット受け部32の外側(吊り部側)に隣接して形成され
るもので、取り付け軸15に略対応した形状の開口部3
3aと一対のバヨネットリブ31に略対応した形状の開
口部33bとを有する。
【0057】このような構造において、キャスク吊り上
げ時には、バヨネットリブ31がストッパフランジ33
の開口部33bに対応して位置するように吊り部12を
回転させ、その取り付け軸15を受け部11の取り付け
穴18に挿入することにより、取り付け軸15が開口部
33aを通過すると共に、バヨネットリブ31が開口部
33bを通過してその奥のバヨネット受け部32に収め
られる。さらに、バヨネットリブ31が開口部33bに
対応しない位置に移動するように吊り部12を回転させ
ることにより、バヨネットリブ31がストッパフランジ
33を通過不能となって、吊り部12を受け部11に取
り付けることができる。そして、吊り上げ終了時には、
再び、バヨネットリブ31が開口部33bに対応して位
置するように吊り部12を回転させることで、吊り部1
2を受け部11から取り外すことができる。
【0058】これらバヨネットリブ31、バヨネット受
け部32、およびストッパフランジ33の形状の相互関
係について説明する。図12は、トラニオンの平面図で
ある(受け部を想像線にて示す)。この図12に示すよ
うに、バヨネットリブ31は、取り付け軸15に対して
所定角度θを有して取り付けられている。また、バヨネ
ット受け部32またはストッパフランジ33には、この
θに対応した角度の勾配が設けられており、バヨネット
リブ31とストッパフランジ33との間に隙間が生じな
いようにされている。この他、バヨネット受け部32ま
たはストッパフランジ33に勾配を設けることに代え
て、ストッパフランジ33のバヨネットリブ31との接
触部33cを面取りして、バヨネットリブ31に対して
隙間なくスムーズに接触するようにしてもよい。
【0059】したがって、これまでの実施の形態と同様
にクラッシュ代を大きく取ることができ、スペース効率
や緩衝性を向上させることができる。特に、本実施の形
態においては、バヨネット構造という稼働部のない非常
にシンプルな着脱構造にて吊り部12の着脱を行うこと
ができるので、容易に着脱を行うことができる。
【0060】これまで説明した他、本実施の形態は、種
々の異なる態様を取り得る。たとえば、バヨネットリブ
31の数は上述の二つに限定されず、所望の強度を得る
ことができる限り、1以上の任意の数にて設けられてよ
い。ただし、応力の均一分散の観点からは、複数のバヨ
ネットリブ31が取り付け軸15を中心として対称的に
配置されることが好ましい。
【0061】また、バヨネットリブ31やバヨネット受
け部32の形状について、上述の形状は最も簡易である
点で好ましいが、必ずしもこの形状に限定されない。図
13は、変形例におけるバヨネットリブ周辺の要部縦断
面図である。この図13に示すように、バヨネットリブ
34およびストッパフランジ35の対抗面を相互に対応
する傾斜面34a、35aとし、傾斜面34aを傾斜面
35aに当接させて摺動させつつ取り付け軸15を挿入
するようにしてもよい。この場合には、傾斜面34aを
介してバヨネットリブ34が取り付け軸15の軸方向に
沿って押圧され、この軸方向における緩み等を低減する
ことができる。
【0062】さらに、図14(a)(b)には、変形例
におけるバヨネットリブ周辺の要部縦断面図を示す。こ
の図14(a)に示すように、傾斜面34aの先端部の
みを傾斜面35aに接触するように形成してもよく、あ
るいは、傾斜面34aの基部のみを傾斜面35aに接触
するように形成してもよい。このように、傾斜面34a
および傾斜面35aの勾配の形成態様としては種々のも
のが考えられる。一般に、外周側が広くなる穴の加工は
難しいので、このような加工の容易性を考慮して、勾配
を決定することができる。
【0063】また、バヨネットリブ31を回転させるた
めの構造も適宜変更可能である。図15は、変形例にお
ける吊り部を中心とする要部縦断面図である。この図1
5に示すように、取り付け軸15の内部に、当該取り付
け軸15の長手方向に沿って同心状の回転軸36を設
け、この回転軸36にバヨネットリブ31を固定しても
よい。この場合には、回転軸36を回転させることによ
ってバヨネットリブ31の位置決めを行い、吊り部12
の着脱を行うことができ、吊り部12の全体を回転させ
る必要がないことから、着脱操作が容易である。
【0064】(実施の形態4)図16はこの発明の実施
の形態4にかかるキャスクの、吊り部を取り付けた状態
のトラニオン周辺の縦断面図、図17は吊り部を取り外
した状態のトラニオン周辺の縦断面図、図18は吊り部
の斜視図、図19は吊り部の取り付け時のコマの状態等
を側面方向から示す概念図、図20は吊り部の取り外し
時のコマの状態等を側面方向から示す概念図、図21は
図20のA−A矢視断面図である。本実施の形態は概略
的に、トラニオンの吊り部を、その端部に設けた複数の
コマを介して受け部に着脱自在としたキャスクにかかる
ものである。
【0065】これら各図に示すように、トラニオン40
の吊り部12の取り付け軸15には、4つのコマ41、
バネ42、およびバネ押え43が設けられている。ま
た、吊り部12の内部にはその長手方向に沿ってピン穴
44が形成されており、このピン穴44に押しピン45
が収められている。
【0066】4つのコマ41は、図19に示すように、
押しピン45に対して上下左右に対称に配置されてお
り、各コマ41は円弧を一辺とする略台形に形成されて
いる。これら各コマ41は、図18に示すように、取り
付け軸15とバネ押え43との間に形成した開口47に
収められており、この開口47を介して取り付け軸15
の半径方向に沿ってスライド可能である。各コマ41に
はバネ42の一端が当接しており、このバネ42によっ
て各コマ41が取り付け軸15の軸心方向に向けて付勢
される。
【0067】このバネ42は、バネ押え43によって所
定位置に固定されている。このバネ押え43は、図18
〜21に示すように、取り付け軸15の先端に一体に形
成されるもので、押しピン45の端部45aを内部に挿
通可能な円環状に形成されている。これら、取り付け軸
15およびバネ押え43は、吊り部12が抜けようとす
る際にコマ41に働く力に抗して当該コマ41を支える
機能を有する。なお、コマ41の形状や数は、説明した
内容に限定されず、任意に決定することができる。ま
た、バネ42は、コマ41を付勢し得る全ての弾性体に
てこれを代替することができる。このバネ42およびバ
ネ押え43には、コマ41を取り付け軸15の軸心方向
に付勢し得る全ての構造を採用することができる。
【0068】押しピン45は、その頭部45bとピン穴
44との間の螺合構造を介して、吊り部12の長手方向
に沿ってスライド自在に設けられている。この押しピン
45の受け部側の端部45aは、コマ41を所定の二つ
の位置にスライドさせるための傾斜面を有して鋭角状に
形成されている。所定の二つの位置とは、コマ41が取
り付け軸15の外周よりも外側に突出する第1の位置
と、コマ41が取り付け軸15の外周よりも外側に突出
しない第2の位置である。この点については後述する。
なお、押しピン45の頭部45bには、当該押しピン4
5を回転操作するための六角穴45cが形成されてい
る。
【0069】一方、受け部11には、コマ41を収める
ための凹部46が設けられている。この凹部46は、コ
マ41に対応する位置および幅にて形成された円環状の
空間部であり、コマ41の外端部、すなわち取り付け軸
15の外周よりも外側に突出した部分を収め得る。
【0070】このような構成において、キャスク吊り上
げ時には、図16に示すように、吊り部12がコマ41
を介して受け部11に取り付けられる。具体的には、フ
ランジ17が凹部19に収まる位置まで、取り付け軸1
5を取り付け穴18に挿入する。このようにフランジ1
7を収めた状態においては、コマ41が凹部46に対応
する位置に配置される。そして、押しピン45を回転さ
せて受け部側にスライドさせると、図16、19に示す
ように、押しピン45の端部45aがコマ41の中央位
置に挿入され、当該端部45aの傾斜面がコマ41に当
接し、コマ41はバネ42の付勢力に抗して取り付け軸
15の外周方向に押し出される。そして各コマ41は、
取り付け軸15の外周よりも外側に突出し(図19の斜
線部分)、凹部46に係止する(第1の位置)。この状
態においては、凹部46に対するコマ41の係止によっ
て、吊り部12が受け部11に固定される。
【0071】そして、吊り上げ終了後、押しピン45を
逆方向に回転させることにより受け部11とは反対側に
スライドさせると、図17、20、21に示すように、
押しピン45の端部45aがコマ41の中央位置から抜
け出て、コマ41に対する押圧が解除され、コマ41が
バネ42の付勢力によって取り付け軸15の中央位置に
押し戻される(第2の位置)。したがって、凹部46に
対するコマ41の係止が解除され、吊り部12を受け部
11から取り外すことができる。
【0072】したがって、先の実施の形態と同様にクラ
ッシュ代を大きく取ることができる。特に、本実施の形
態においては、押しピン45を回転させるだけで、コマ
41をスライドさせて吊り部12の着脱を行うことがで
きるので、操作には大きな力を要せず、操作性が良好で
ある。
【0073】(実施の形態5)図22はこの発明の実施
の形態5にかかるキャスクの、吊り部を取り付けた状態
のトラニオン周辺の縦断面図、図23は吊り部を取り外
した状態のトラニオン周辺の縦断面図である。なお、実
施の形態4と同じ構成を同符号で示し、その説明を省略
する。本実施の形態は概略的に、実施の形態4の押しピ
ンを逆方向にスライドさせた際にコマを押圧するように
したキャスクにかかるものである。
【0074】本実施の形態において、トラニオン50の
押しピン51の端部51aには、コマ41を所定の二つ
の位置にスライドさせる傾斜面が形成されている。この
傾斜面は、上述の実施の形態4の押しピン45の傾斜面
と逆向きに形成され、吊り部側に近づくにつれて徐々に
太径となってコマ41を押圧する。また、各コマ41の
押しピン51側の端面も、端部51aに沿った傾斜状に
形成されている。
【0075】したがって、押しピン51が吊り部側に近
づくように操作された場合に、図22に示すように、当
該押しピン51の端部51aがコマ41の中央位置に挿
入されて当該コマ41が半径方向に押圧され、コマ41
が凹部46に係止して、吊り部12が受け部11に固定
される。逆に、押しピン51が受け部側に近づくように
操作されると、図23に示すように、その端部51aが
コマ41の中央位置から抜けだし、凹部46に対するコ
マ41の係止が解除されて、吊り部12を受け部11か
ら取り外すことができる。
【0076】したがって、先の実施の形態と同様にクラ
ッシュ代を大きく取ることができる。また、実施の形態
4と同様に、押しピン51を回転させるだけで吊り部1
2の着脱を行うことができるので、操作性が良好であ
る。特に、本実施の形態においては、吊り部12を引き
抜く方向の力が加わった場合にコマ41が押圧されるた
め、吊り部12が脱落する危険性を低減でき、安全性が
向上する。
【0077】(実施の形態6)図24はこの発明の実施
の形態6にかかるキャスクの、吊り部を取り付けた状態
のトラニオン周辺の縦断面図、図25は吊り部を取り外
した状態のトラニオン周辺の縦断面図、図26は吊り部
の取り付け時の振れ子等の状態を側面方向から示す説明
図、図27は吊り部の取り外し時の振れ子等の状態を側
面方向から示す説明図である。本実施の形態は概略的
に、吊り部の先端に設けた一対の振れ子を受け部に係止
させることにより、吊り部を受け部に着脱自在としたキ
ャスクにかかるものである。
【0078】図24、25に示すように、トラニオン6
0の吊り部12の先端近傍には、一対の振れ子61が設
けられている。この振れ子61は、図26、27に示す
ように、それぞれ略半円形に形成され、取り付け軸15
の軸心に関して相互に対称に配置され、その両端に設け
たバネ62によって互いに近接する方向に付勢されてい
る。
【0079】また、吊り部12の内部には、その長手方
向に沿って同心状にカム軸63が設けられており、その
先端には振れ子61の間に位置するカム64が固定され
ている。このカム64は、カム軸63の軸心に関して楕
円形に形成されており、この楕円形状は、振れ子61を
所定の二つの位置にスライド可能なように決定されてい
る。所定の二つの位置とは、振れ子61が取り付け軸1
5の外周よりも外側に突出する位置と、振れ子61が取
り付け軸15の外周よりも外側に突出しない位置であ
る。
【0080】たとえば、カム64の長軸側の幅W1は、
当該長軸側の外周面を振れ子61に当接させた状態にお
いて、振れ子61がカム64に押圧され取り付け軸15
の外周よりも外側に突出するように決定される。また、
カム64の短軸側の幅W2は、当該短軸側の外周面を振
れ子61に当接させた状態において、当該振れ子61が
取り付け軸15の外周よりも外側に突出しないように決
定される。
【0081】一方、受け部11には、振れ子61を収め
るための凹部65が設けられている。この凹部65は、
振れ子61に対応する位置および幅にて形成された円環
状の空間部であり、振れ子61の外端部、すなわち取り
付け軸15の外周よりも外側に突出した部分を収め得
る。
【0082】このような構成において、キャスク吊り上
げ時には、図24に示すように、吊り部12が振れ子6
1を介して受け部11に取り付けられる。具体的には、
まず図25、27に示すように振れ子61を非突出状態
とし、フランジ17が凹部19に収まる位置まで、取り
付け軸15を取り付け穴18に挿入する。このようにフ
ランジ17を収めた状態においては、振れ子61が凹部
65に対応する位置に配置される。そして、カム軸63
を所定方向に90度回転させると、図24、26に示す
ように、カム64の長軸側の外周面が振れ子61に当接
し、振れ子61はバネ42の付勢力に抗して外側に押圧
されて、取り付け軸15の外周よりも外側に突出する。
この突出した部分(図26において斜線にて示す)は凹
部65に係止し、これによって、吊り部12が受け部1
1に対して取り付けられる。そして、吊り上げ終了後、
カム軸63をさらに90度回転させると、図25、27
に示すように、カム64の短軸側の外周面が振れ子61
に当接し、振れ子61の押圧が解除され、吊り部12を
受け部11から取り外すことができる。
【0083】したがって、先の実施の形態と同様にクラ
ッシュ代を大きく取ることができる。特に、本実施の形
態においては、カム軸63を回転させるだけで吊り部1
2の着脱を行うことができ、操作性が良好である。さら
に、螺合構造の如き摺動部を必要としないので、吊り部
12と受け部11の接触面が焼き付くおそれがない。
【0084】この他、振り子61の数は二つ以上でもよ
い。図28は変形例にかかる吊り部の取り付け時の振れ
子等の状態を側面方向から示す説明図、図29は変形例
にかかる吊り部の取り外し時の振れ子等の状態を側面方
向から示す説明図である。これら図28、29に示すよ
うに、振り子61を三つ均等間隔で配置すると共に、カ
ム64を略正三角形状に形成してもよい。この場合に
は、カム64を60度回転させることによって、振り子
61を突出状態または非突出状態に操作することができ
る。ただし、振り子61の数があまり多いと、その駆動
機構が複雑になるため、二つまたは三つ程度が好まし
い。
【0085】(実施の形態7)図30は、この発明の実
施の形態7にかかるキャスクの、吊り部の取り付け時の
振れ子等の状態を側面方向から示す説明図、図31は吊
り部の取り外し時の振れ子等の状態を側面方向から示す
説明図である。なお、実施の形態6と同じ構成を同符号
で示し、その説明を省略する。本実施の形態は概略的
に、実施の形態6の構造とほとんど同じであるが振れ子
に回転支点を設けた点において異なる。
【0086】図30、31に示すように、各振れ子61
には、その一端部の近傍位置に、当該振れ子61の回転
支点となる固定ピン71が設けられている。この固定ピ
ン71は、取り付け軸15から振れ子61に向けて延出
するもので、当該固定ピン71を支点として振れ子61
を回動可能とする。
【0087】そして、吊り部12の取り付け時には、カ
ム軸63を回転させて振れ子61を押圧すると固定ピン
71を支点として振れ子61が回動し、この固定ピン7
1と反対側の端部周辺が取り付け軸15の外周から突出
する(突出した部分を図30において斜線にて示す)。
一方、吊り部12の取り外し時には、カム軸63を90
度回転させると、固定ピン71を支点として振れ子61
が先程と反対方向に回動し、係止状態が解除される。本
実施の形態においては、実施の形態6と同様の効果を得
ることができる。特に、固定ピン71が設けられている
ので、この固定ピン71を回転支点として振れ子61を
スムーズに回転させることができる。
【0088】本実施形態においても、振り子の数は二つ
以上でもよい。図32は変形例にかかる吊り部の取り付
け時の振れ子等の状態を側面方向から示す説明図、図3
3は変形例にかかる吊り部の取り外し時の振れ子等の状
態を側面方向から示す説明図である。これら図32、3
3に示すように、振り子61を三つ均等間隔で配置する
と共に、各振り子61を固定ピン71で回動可能に支持
し、かつ、カム64を略正三角形状に形成してもよい。
【0089】(実施の形態8)図34は、この発明の実
施の形態8にかかるキャスクの、吊り部を取り付けた状
態のトラニオン周辺の縦断面図であり、(a)は吊りア
ームの側面図、(b)はトラニオン周辺の縦断面図であ
る。また、図35は吊り部を取り外した状態のトラニオ
ン周辺の縦断面図である。本実施の形態は概略的に吊り
部自体を吊り上げ手段側に取り付けることによってクラ
ッシュ代を大きく取るものである。
【0090】図34、35に示すように、トラニオン8
0の受け部11には、取り付け穴81が形成されてい
る。この取り付け穴81は、後述する取り付け軸83に
対応した径および長さの空間部として形成され、その内
部に取り付け軸83を挿入可能である。
【0091】一方、吊り上げ手段としての吊りアーム8
2は、縦長平板状に形成されており、その下端には、吊
り部としての取り付け軸83が設けられている。この取
り付け軸83は、これまでの実施の形態の取り付け軸と
同様、キャスクを吊り上げるためトラニオン80の受け
部11に対して着脱自在に取り付けられるものである。
この取り付け軸83は、吊りアーム82と一体に形成さ
れてもよく、あるいは別体に形成されて溶接等にて接合
されてもよい。
【0092】このような構成において、キャスク吊り上
げ時には、図34に示すように、吊りアーム82の取り
付け軸83を取り付け穴81に挿入する。ここで、吊り
アーム82は、その長手方向が常に垂直になるように構
成されており、また、取り付け軸83は吊りアーム82
に対して直交するように設けられている。したがって、
取り付け軸83は取り付け穴81に対して水平に挿入さ
れ、この状態で吊りアーム82を垂直上方に引き上げる
ことにより、取り付け軸83が取り付け穴81から抜け
出ることなく、キャスクを吊り上げることができる。そ
して、吊り上げ終了後、図35に示すように、吊りアー
ム82を受け部11から離れる水平方向に移動させるこ
とによって、取り付け軸83が取り付け穴81から引き
抜かれ、吊り部12を受け部11から取り外すことがで
きる。
【0093】このように、吊り部(取り付け軸83)を
吊り上げ手段側に設けた場合においても、吊り上げ終了
後に吊り部12を取り外すことができるため、先の実施
の形態と同様に、クラッシュ代を大きくとることができ
る。特に、本実施の形態においては、吊りアーム82に
瓢箪形の取り付け穴等を設ける必要がなく、その分だけ
吊りアーム82の製造が容易になると共に、取り付け穴
が不要となる分だけ吊りアーム82の幅W1を細幅に形
成できる。さらに、受け部11から取り外した後の吊り
部12を別個に保持する必要がなく、吊り部12の扱い
が容易である。また、トラニオン80と吊り部12を連
結する手間を省くことができる。
【0094】なお、上記の説明においては、取り付け軸
83には、取り付け穴81に対して固定を行うための機
構を特に設けてはいないが、取り付け軸83には、これ
までの実施の形態1〜7にて説明した着脱構造を付加す
ることもできる。たとえば、取り付け軸83の端部にコ
マ41や振れ子61を設けると共に、取り付け穴81に
はコマ41が係止する凹部46や振れ子61が係止する
凹部65を設けてもよい。このような構造を付加した場
合には、取り付け軸83の脱落を一層確実に防止するこ
とができる。
【0095】(実施の形態9)図36はこの発明の実施
の形態9にかかるキャスクの、吊り部を取り付けた状態
のトラニオン周辺の縦断面図、図37は吊り部を取り外
した状態のトラニオン周辺の縦断面図、図38は吊りア
ームの正面図、図39は図37のD−D矢視断面図であ
る。本実施の形態は概略的に、吊りアームの係止部を介
して、吊りアームを吊り部に連結するキャスクにかか
る。
【0096】図36に示すように、トラニオン90の吊
り部12は、受け部11と一体に形成されている。この
吊り部12には、吊り部本体14のみが設けられてお
り、フランジは省略されている。この吊り部本体14に
は、その外周に沿って、溝部91が形成されている。一
方、吊りアーム92は、図38に示すように、縦長平板
状に形成されており、取り付け穴93と、左右一対の係
止部94とを備える。取り付け穴93は、吊り部本体1
4の外径より若干大きく形成されており、この取り付け
穴93に吊り部本体14を挿通させることができる。
【0097】また、各係止部94は、吊りアーム92を
吊り部12に連結するものであり、図38、39に示す
ように、吊りアーム92の側面に固定された基部95
と、取り付け穴93の半径方向にスライドするシリンダ
96(通称ミニシリンダと呼ばれる、小ストロークのシ
リンダ)と、このシリンダ96の先端に遊嵌された係止
爪97とを備えて構成されている(なお、図38の左半
分および図39の下半分は、係止爪97が引き込められ
た状態を示し、図38の右半分および図39の上半分
は、係止爪97が出された状態を示す)。係止爪97
は、その取り付け穴側の端面を、吊り部12の溝部91
に適合した曲率および幅の曲面状に形成されている。
【0098】このような構造において、キャスク吊り上
げ時には、図36に示すように、吊りアーム92の取り
付け穴93に吊り部本体14を挿通させることができ
る。そして、シリンダ96の供給口96aに圧縮水や圧
縮空気の如き高圧流体を閉方向に供給すると、プランジ
ャ95が取り付け穴93の中心方向にスライドする。そ
して、係止爪97が取り付け穴93の内部に突出して溝
部91に係止する。この状態では、吊り部12が係止部
94を介して吊りアーム92に連結されるので、キャス
クを安全に吊り上げることができる。そして、吊り上げ
終了後、シリンダ96の供給口96aに高圧流体を開方
向に供給すると、プランジャ95が取り付け穴93から
遠ざかる方向にスライドする。取り付け穴93の周囲に
は、係止爪97を収め得る円環状の空間部98が形成さ
れているので、この空間部98に係止爪97を退避さ
せ、係止爪97と溝部91の係止を解除することができ
る。したがって、吊りアーム92を吊り部12から取り
外すことができる。なお、プランジャ95の動作状態
は、リミットスイッチ等の検知手段を設けて確認しても
よい。
【0099】この場合においても、吊り部12の外側に
フランジを設ける必要がないので、その分だけクラッシ
ュ代を大きくとることができる。特に、本実施の形態に
おいては、吊りアーム92をフランジに挿通させる必要
がないので、取り付け穴93を小径化することができ、
吊りアーム92の幅W2を細幅に形成することができ
る。なお、吊りアーム92の吊り部12への連結構造
は、上述の係止部94以外にも種々の構成を取ることが
できる。たとえば、実施の形態1の如く、吊りアーム9
2および吊り部12を貫通する取り付けピンを設けて連
結を行ってもよい。
【0100】(実施の形態10)図40はこの発明の実
施の形態10にかかるキャスクの、吊り部の挿入前のト
ラニオン周辺を示す縦断面図、図41は吊り部の挿入後
のトラニオン周辺の縦断面図である。本実施の形態は吊
り部を着脱するものではなく、吊り部を所定時に受け部
の内部に挿入することによって、クラッシュ代を大きく
取ることのできるトラニオンを備えるキャスクにかか
る。
【0101】トラニオン100の吊り部12の受け部側
のフランジ17は、所定値以上の衝撃荷重が吊り部12
の長手方向に沿った向きで当該フランジ17に対して加
えられた際に、当該フランジ17と吊り部12との接続
部分(フランジ17の基部101)、が剪断されるよう
に形成されている。すなわち、所定値の衝撃荷重によっ
て生じるフランジの基部101の応力が剪断応力にほぼ
等しくなるように形成されている。ここで、所定値の衝
撃荷重としては、吊り部12を介してキャスクを吊り上
げる際に生じる荷重よりも大きい、任意の荷重を設定す
ることができる。
【0102】また、受け部11には、取り付け軸15を
収め得る受け入れ部102aが、取り付け穴18に隣接
するように形成されている。この受け入れ部102a
は、取り付け軸15を収め得るいかなる形状にて形成さ
れてもよいが、本実施の形態においては、取り付け軸1
5よりも太径に形成されている。したがって、取り付け
軸15は不要な抵抗を受けることなく、受け入れ部10
2aに受け入れられる。
【0103】そして、キャスクの吊り上げ時や搬送時等
を含む通常時には、図40に示すように、吊り部12の
取り付け軸15は取り付け穴18に収められており、ま
た、フランジ17は凹部19に収められている。ここ
で、取り付け軸15と取り付け穴18の嵌め合い部分に
おいて吊り部12の荷重を支持することができるため、
この吊り部12を介してキャスクを吊り上げることがで
きる。なお、フランジ17はその外周部において凹部1
9に対して溶接されており、これによって吊り部12は
受け部11に固定されて、吊り部12の脱落等が防止さ
れている。ただし、フランジ17と凹部19の固定構造
は溶接以外でもよく、たとえば、実施の形態2の様な螺
合構造を適用することもできる。
【0104】そして、搬送時には、吊り部12を取付け
た状態で、緩衝体が取り付けられる。この搬送時におい
て衝撃が生じ、この衝撃が緩衝体により緩衝されてなお
所定値以上の衝撃として吊り部12を押圧し、あるいは
吊り部12に直接的に所定値以上の衝撃が加わった場合
には、フランジ17の基部101が剪断され、受け部1
1に対する吊り部12の固定が解除される。そして、吊
り部12はさらに受け部側にスライドされ、取り付け軸
15が受け入れ部102aの内部に挿入される。そし
て、緩衝体のクラッシュにより衝撃が吸収された時点、
たとえばフランジ16が、凹部19に残されたフランジ
17に当接する直前の時点で、吊り部12が停止する。
【0105】この吊り部12のスライド時においては衝
撃のエネルギは相当割合が吸収されてキャスク本体2に
はほとんど伝わらないので、吊り部12のスライド分を
クラッシュ代として取り扱うことができ、この分だけク
ラッシュ代を大きく取ることができる。また、通常時は
吊り部12が受け部11に取り付けられているので、キ
ャスク吊り上げ時の信頼性を維持でき、また、吊り部1
2の管理が容易である。
【0106】本実施の形態においては、フランジ17の
基部101を剪断させることとしたが、他の任意の部分
を剪断させてもよい。また、受け部11に挿入される部
分も適宜変更することができる。たとえば、図40に示
すように、受け部11の本体103と基部104との間
に段部105を形成すると共に、所定値以上の衝撃が加
わった場合にはこの段部105が剪断されるように形成
し、かつ、受け部11には、取り付け軸15および本体
103を受け入れるための第2の受け入れ部102bを
形成してもよい。図42はこの変形例にかかる吊り部の
挿入後のトラニオン周辺の縦断面図である。この図42
に示すように、大きな衝撃力が加わった場合には段部1
05が剪断され、取り付け軸15および本体103が第
2の受け入れ部102bに挿入されるようにしてもよ
い。このような段部105による剪断構造は、フランジ
17による剪断構造に代えて設けてもよく、あるいは両
方を設けてもよい。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
キャスク(請求項1)によれば、キャスク本体に取り付
けられた受け部と、この受け部に着脱自在に取り付けら
れた吊り部とを有するトラニオンを備えるので、搬送時
等には吊り部を取り外すことができ、その分だけクラッ
シュ代を大きくとることができる。したがって、緩衝体
を小径化できて搬送時のスペース効率の向上を図ること
ができる。あるいは、従来よりクラッシュ代を大きく取
ることができ、衝撃をより緩やかに吸収することができ
て緩衝性が向上する。
【0108】また、この発明にかかるキャスク(請求項
2)によれば、吊り部には受け部側に突出する取り付け
軸を設け、受け部には取り付け軸を着脱自在に挿入する
取り付け穴を設けているので、受け部の外部構造を従来
と同様に構成することができ、キャスクの固定構造に影
響を与えることなく、吊り部の着脱を行うことができ
る。
【0109】また、この発明にかかるキャスク(請求項
3)によれば、取り付け軸と取り付け穴にはピン穴を穿
設し、このピン穴に挿入した取り付けピンを介して吊り
部を受け部に取付けているので、取り付けピンを取り付
け穴に挿入等するだけで吊り部の着脱が可能となり、着
脱機構を簡易に構成できると共に、着脱操作が容易であ
る。
【0110】また、この発明にかかるキャスク(請求項
4)によれば、吊り部の取り付け軸の外周面には、ネジ
山を形成し、受け部の取り付け穴の内周面には、ネジ山
に螺合するネジ溝を形成しているので、螺合構造という
稼働部のない非常にシンプルな着脱構造なので容易に着
脱を行うことができる。
【0111】また、この発明にかかるキャスク(請求項
5)によれば、吊り部の取り付け軸の外周面にはバヨネ
ットリブを設け、受け部の取り付け穴には、バヨネット
受け部とストッパフランジを設けたので、バヨネット構
造という稼働部のない非常にシンプルな着脱構造なので
容易に着脱を行うことができる。
【0112】また、この発明にかかるキャスク(請求項
6)によれば、取り付け軸には、コマと、当該コマを付
勢するバネと、コマを取り付け軸の外周方向に押圧する
押しピンとを設け、取り付け穴にはコマを係止させる凹
部を設けているので、押しピンを回転させるだけで、コ
マをスライドさせて吊り部の着脱を行うことができ、操
作には大きな力を要せず、操作性が良好である。
【0113】また、この発明にかかるキャスク(請求項
7)によれば、押しピンの傾斜面を、当該押しピンを受
け部側にスライドさせることで押圧する傾斜面、また
は、受け部と反対側にスライドさせることでコマを押圧
する傾斜面としている。後者の場合には、吊り部を引き
抜く方向の力が加わった場合には、コマがさらに押圧さ
れて凹部に係止するので、吊り部が受け部から不用意に
脱落する危険性を低減でき、安全性を向上させることが
できる。
【0114】また、この発明にかかるキャスク(請求項
8)によれば、取り付け軸には、振れ子と、当該振れ子
を付勢するバネと、振れ子を押圧するカムと、このカム
を回転させるカム軸とを設け、取り付け穴には振れ子を
係止させる凹部を設けているので、カム軸を回転させる
だけで吊り部の着脱を行うことができ、操作性が良好で
ある。さらに、螺合構造の如き摺動部を必要としないの
で、吊り部と受け部の接触面が焼き付くといったおそれ
がない。
【0115】また、この発明にかかるキャスク(請求項
9)によれば、吊り部を吊り上げ手段の一部として形成
しているので、吊りアームに取り付け穴を設ける必要が
なく、吊り上げ手段を従来に比べて細幅に形成すること
ができる。さらに、取り外した後の吊り部を別個に保持
する必要がなく、吊り部の扱いが容易である。また、従
来のように吊り部を吊り上げ手段に連結する必要がな
く、吊り上げ作業が一層容易になる。
【0116】また、この発明にかかるキャスク(請求項
10)によれば、キャスク本体に取り付けられた受け部
と、吊り上げ手段の係止部にて係脱自在に係止される吊
り部とを有するトラニオンを備えたことにより、吊り部
にはフランジを設ける必要がないので、その分だけ吊り
部を短くすることができ、クラッシュ代を大きくとるこ
とができる。また、吊り上げ手段の取り付け穴にフラン
ジを挿通させる必要がないので、取り付け穴を小径化で
き、吊り上げ手段を細幅に形成できる。
【0117】また、この発明にかかるキャスク(請求項
11)によれば、キャスク本体に取り付けられた受け部
と、所定値以上の荷重が加えられた場合にその一部が剪
断されることによって受け部の内部に略挿入される吊り
部とを有するトラニオンを備えているので、吊り部の挿
入分だけクラッシュ代が大きく取れる。また、吊り部が
受け部に固定されていることから吊り部が脱落する危険
性がなく、吊り上げ時の安全性を容易に確保できる。さ
らに、通常時は吊り部が受け部に取り付けられているの
で、キャスク吊り上げ時の信頼性を維持でき、また、吊
り部の管理が容易である。さらに、この構成を請求項1
0の構成に適用することにより、両構成による効果を同
時に得ることができる。
【0118】また、この発明にかかるキャスク(請求項
12)によれば、吊り部には取り付け軸を設け、この取
り付け軸には所定値以上の荷重が加えられた場合に剪断
されるフランジを設け、このフランジを介して吊り部を
受け部に固定しているので、吊り部の受け部に対する挿
入量をフランジの位置によって調整でき、設計等が容易
である。
【0119】また、この発明にかかるキャスク(請求項
13)によれば、受け部には吊り部を挿入するための取
り付け穴を設け、この取り付け穴の近傍位置には、吊り
部をさらに受け部側にスライドさせる段部を設けること
もできる。このように、一定値以上の衝撃力が加わった
場合の吊り部のスライド構造を、受け部側で構成するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるキャスクの搬
送状態を示す正面図である。
【図2】図1に示したA部拡大図である。
【図3】吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示
す縦断面図である。
【図4】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を示
す縦断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかるキャスクの吊
り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示す縦断面図
である。
【図6】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を示
す縦断面図である。
【図7】実施の形態2の変形例にかかる、吊り部を取り
付けた状態のトラニオン周辺の縦断面図である。
【図8】この発明の実施の形態3にかかるキャスクの、
吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示す縦断面
図である。
【図9】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を示
す縦断面図である。
【図10】図9に示したB−B矢視図である。
【図11】図9に示したC−C矢視図である。
【図12】トラニオンの平面図である。
【図13】変形例におけるバヨネットリブ周辺の要部を
示す縦断面図である。
【図14】(a)(b)いずれも、変形例におけるバヨ
ネットリブ周辺の要部縦断面図である。
【図15】変形例における吊り部を中心とする要部を示
す縦断面図である。
【図16】この発明の実施の形態4にかかるキャスクの
吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示す縦断面
図である。
【図17】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を
示す縦断面図である。
【図18】吊り部を示す斜視図である。
【図19】吊り部取り付け時のコマの状態等を側面方向
から示す概念図である。
【図20】吊り部取り外し時のコマの状態等を側面方向
から示す概念図である。
【図21】図20に示したA−A矢視断面図である。
【図22】この発明の実施の形態5にかかるキャスクの
吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示す縦断面
図である。
【図23】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を
示す縦断面図である。
【図24】この発明の実施の形態6にかかるキャスク
の、吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示す縦
断面図である。
【図25】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を
示す縦断面図である。
【図26】吊り部の取り付け時の振れ子等の状態を側面
方向から示す説明図である。
【図27】吊り部の取り外し時の振れ子等の状態を側面
方向から示す説明図である。
【図28】変形例にかかる吊り部の取り付け時の振れ子
等の状態を側面方向から示す説明図である。
【図29】変形例にかかる吊り部の取り外し時の振れ子
等の状態を側面方向から示す説明図である。
【図30】この発明の実施の形態7にかかるキャスクの
吊り部の取り付け時の振れ子等の状態を側面方向から示
す説明図である。
【図31】吊り部の取り外し時の振れ子等の状態を側面
方向から示す説明図である。
【図32】変形例にかかる吊り部の取り付け時の振れ子
等の状態を側面方向から示す説明図である。
【図33】変形例にかかる吊り部の取り外し時の振れ子
等の状態を側面方向から示す説明図である。
【図34】この発明の実施の形態8にかかるキャスクの
吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示す縦断面
図であり、(a)は吊りアームの側面図、(b)はトラ
ニオン周辺の縦断面図である。
【図35】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を
示す縦断面図である。
【図36】この発明の実施の形態9にかかるキャスク
の、吊り部を取り付けた状態のトラニオン周辺を示す縦
断面図である。
【図37】吊り部を取り外した状態のトラニオン周辺を
示す縦断面図である。
【図38】吊りアームを示す正面図である。
【図39】図37に示したD−D矢視断面図である。
【図40】この発明の実施の形態10にかかるキャスク
の吊り部の挿入前のトラニオン周辺を示す縦断面図であ
る。
【図41】吊り部の挿入後のトラニオン周辺を示す縦断
面図である。
【図42】この変形例にかかる吊り部挿入後のトラニオ
ン周辺の縦断面図である。
【図43】従来におけるキャスクの搬送状態を示す正面
図である。
【図44】図43に示したキャスクを示す分解斜視図で
ある。
【図45】図43に示したE部拡大図である。
【図46】キャスク固定時における底部側のトラニオン
周辺部分を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正
面図である。
【図47】キャスク吊り上げ時におけるトラニオン周辺
部分を示す図であり、(a)は側面図(吊りアーム以外
を想像線にて示す)、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 キャスク 2 キャスク本体 3 蓋部 4 底部 5 緩衝体 10、20、30、40、50、60、70、80、9
0、100トラニオン 11 受け部 12 吊り部 13 取り付けピン 14 吊り部本体 15 取り付け軸 16、17 フランジ 18 取り付け穴 19 凹部 21 ネジ山 22 ネジ溝 31、34 バヨネットリブ 32、35 バヨネット受け部 33 ストッパフランジ 41 コマ 44、51 押しピン 61 振れ子 64 カム 71 固定ピン 82、92 吊りアーム 94 係止部 95 プランジャ 96 シリンダ 97 係止爪

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャスクを固定対象物に固定するためキ
    ャスク本体に取り付けられた受け部と、キャスクを吊り
    上げるため受け部に対して着脱自在に取り付けられた吊
    り部とを有するトラニオンを備えることを特徴とするキ
    ャスク。
  2. 【請求項2】 吊り部には受け部側に突出する取り付け
    軸を設け、受け部には取り付け軸を着脱自在に挿入する
    取り付け穴を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    キャスク。
  3. 【請求項3】 吊り部の取り付け軸と受け部の取り付け
    穴には、相互に対応する位置にピン穴を穿設し、このピ
    ン穴に挿入した取り付けピンを介して吊り部を受け部に
    取付けたことを特徴とする請求項2に記載のキャスク。
  4. 【請求項4】 前記吊り部の取り付け軸の外周面には、
    ネジ山を形成し、前記受け部の取り付け穴の内周面に
    は、ネジ山に螺合するネジ溝を形成したことを特徴とす
    る請求項2に記載のキャスク。
  5. 【請求項5】 前記吊り部の取り付け軸の外周面には、
    外側に突出するバヨネットリブを設け、前記受け部の取
    り付け穴には、バヨネットリブを収めるバヨネット受け
    部と、当該バヨネット受け部の外側に隣接するもので、
    取り付け軸およびバヨネットリブに対応した形状の開口
    部を有するストッパフランジを設けたことを特徴とする
    請求項2に記載のキャスク。
  6. 【請求項6】 前記吊り部の取り付け軸には、当該取り
    付け軸の半径方向にスライド自在のコマと、当該コマを
    取り付け軸の軸心方向へ付勢するバネと、取り付け軸の
    長手方向に沿ってスライドされることにより、その先端
    の傾斜面を介してコマを取り付け軸の外周方向に押圧す
    る押しピンとを設け、前記受け部の取り付け穴には、押
    しピンにて押圧されたコマを係止させる凹部を設けたこ
    とを特徴とする請求項2に記載のキャスク。
  7. 【請求項7】 押しピンの傾斜面は、当該押しピンを受
    け部側にスライドさせることに伴ってコマを取り付け軸
    の外周方向に押圧する傾斜面、または、当該押しピンを
    受け部と反対側にスライドさせることに伴ってコマを取
    り付け軸の外周方向に押圧する傾斜面であることを特徴
    とする請求項6に記載のキャスク。
  8. 【請求項8】 前記吊り部の取り付け軸には、当該取り
    付け軸の半径方向に移動自在の振れ子と、当該振れ子を
    取り付け軸の軸心方向へ付勢するバネと、取り付け軸と
    同心に回転されることにより、その周面を介して振れ子
    を取り付け軸の外周方向に押圧するカムと、このカムを
    回転させるカム軸とを設け、前記受け部の取り付け穴に
    は、カムにて押圧された振れ子を係止させる凹部を設け
    たことを特徴とする請求項2に記載のキャスク。
  9. 【請求項9】 前記吊り部を、キャスクを吊り上げるた
    めの吊り上げ手段の一部として形成したことを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか一つに記載のキャスク。
  10. 【請求項10】 キャスクを固定対象物に固定するため
    キャスク本体に取り付けられた受け部と、キャスクを吊
    り上げるため受け部に対して取り付けられるもので、吊
    り上げ手段の係止部にて係脱自在に係止される吊り部と
    を有するトラニオンを備えることを特徴とするキャス
    ク。
  11. 【請求項11】 キャスクを固定対象物に固定するため
    キャスク本体に取り付けられた受け部と、キャスクを吊
    り上げるため受け部に対して取り付けられるもので、所
    定値以上の荷重が加えられた場合に自己または受け部の
    一部が剪断されることによって、受け部側に向けてスラ
    イドされる吊り部とを有するトラニオンを備えることを
    特徴とするキャスク。
  12. 【請求項12】 吊り部には受け部側に突出する取り付
    け軸を設け、この取り付け軸には所定値以上の荷重が加
    えられた場合に剪断されるフランジを設け、このフラン
    ジを介して吊り部を受け部に固定したことを特徴とする
    請求項11に記載のキャスク。
  13. 【請求項13】 受け部には吊り部を挿入するための取
    り付け穴を設け、この取り付け穴の近傍位置には、所定
    値以上の荷重が加えられた場合に剪断されることによ
    り、吊り部をさらに受け部側にスライドさせる段部を設
    けたことを特徴とする請求項11または12に記載のキ
    ャスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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