JP6320336B2 - 吊構造 - Google Patents

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Description

本発明は、放射性物質収納容器を吊り下げて支持する吊構造に関する。
原子力発電プラントの原子炉などで発生した放射性廃棄物は、放射性物質収納容器に収納され、貯蔵施設や再処理施設などに搬送され、貯蔵または再処理される。このような放射性物質収納容器は、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されているように、外周部における所定の位置にトラニオンが固定されている。トラニオンは、プールの水中で放射性物質収納容器のセルに放射性物質を収納した後、プールから放射性物質収納容器を立てた状態で取り出すために吊装置が係合されたり、プールから取り出された後の放射性物質収納容器を横置きとするために横置架台に支持されたりするものである。
そして、特許文献1および特許文献2では、トラニオン側に係止穴を設け、吊装置側に係止穴に挿入される軸状の係止部を設けた構成について示されている。
特開2015−004575号公報 特開2001−133589号公報
特許文献1および特許文献2のように、トラニオン側に係止穴を設け、吊装置側に係止穴に挿入される軸状の係止部を設けた構成は、トラニオンの突出を少なくしてトラニオンの小型化を図ることができ好ましい。
しかし、その一方で、係止穴から係止部が抜けて放射性物質収納容器が落下することを防ぐことが望まれている。特許文献2では、軸を穴に固定する機構が示されているが、構成が複雑であったり、トラニオンの突出した先端側で固定するためにトラニオンに大きな荷重(モーメント)がかかったりする課題があり、簡素な構成であって、かつトラニオンにかかる荷重を低減する構成が望まれている。
本発明は上述した課題を解決するものであり、放射性物質収納容器に設けたトラニオンと放射性物質収納容器を吊るための吊装置との係合を維持する構成を簡素化すると共に、トラニオンにかかる荷重を低減することのできる吊構造を提供することを目的とする。
本発明の吊構造は、放射性物質収納容器の外方に突出して設けられたトラニオンの突出端部に形成された係止穴と、前記放射性物質収納容器を吊る吊装置に設けられて前記係止穴に挿入される係止軸と、前記係止穴の奥部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に凹んで形成された凹部と、前記係止軸の先端部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に突出して形成されて前記凹部に嵌合可能に設けられた凸部と、前記係止軸を前記係止穴に挿入して前記交差方向に移動させて前記凹部へ前記凸部を嵌合した状態で前記係止軸の前記交差方向に抗する方向への移動を規制する移動規制部と、を備えることを特徴とする。
この吊構造によれば、係止軸の凸部を係止穴の凹部に嵌合させることで、係止軸の係止穴からの抜けを防止する。しかも、係止軸を係止穴に挿入して交差方向に移動させて凹部へ凸部が嵌合した状態で、移動規制部により係止軸の交差方向に抗する方向への移動を規制することで、凹部への凸部の嵌合を維持し、係止軸の係止穴からの抜けを確実に防止する。このように、放射性物質収納容器に設けたトラニオンと放射性物質収納容器を吊るための吊装置との係合を維持する構成を簡素化することができる。さらに、凹部への凸部の嵌合は、係止穴の奥部でなされるため、係止穴の突出端部側で嵌合する構成と比較してトラニオンにかかる荷重を低減することができる。
本発明の吊構造では、前記移動規制部は、前記係止軸に対して前記挿入方向に沿って移動可能に設けられて、前記凹部に前記凸部が嵌合した状態で前記係止軸と前記係止穴とに生じる前記交差方向に抗する側の隙間に挿入される挿入部材を有することを特徴とする。
この吊構造によれば、放射性物質収納容器に設けたトラニオンと放射性物質収納容器を吊るための吊装置との係合を維持する構成の簡素化を図ることができる。
本発明の吊構造では、前記移動規制部は、前記トラニオンに対して前記交差方向に移動可能に設けられると共に前記係止穴の内外に貫通可能に設けられて、前記凹部と前記凸部とが嵌合した状態で前記係止軸を前記交差方向に押し込む押込部材を有することを特徴とする。
この吊構造によれば、放射性物質収納容器に設けたトラニオンと放射性物質収納容器を吊るための吊装置との係合を維持する構成の簡素化を図ることができる。
本発明の吊構造では、前記押込部材は、前記凹部と前記凸部とが嵌合し、かつ前記係止軸を前記交差方向に押し込んだ状態で前記トラニオンの外周面から埋没することを特徴とする。
この吊構造によれば、押込部材がトラニオンの外周面から突出しないように構成されているため、押込部材が放射性物質収納容器の移送の邪魔になる事態を防ぐことができる。
本発明の吊構造は、放射性物質収納容器の外方に突出して設けられたトラニオンの突出端部に形成された係止穴と、前記放射性物質収納容器を吊る吊装置に設けられて前記係止穴に挿入される係止軸と、前記係止穴の奥部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に凹んで形成された凹部と、前記係止軸の先端部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に突出して形成されて前記凹部に嵌合可能に設けられた凸部と、を備え、前記係止軸を前記挿入方向に沿う軸心の廻りに回転可能に設け、前記係止軸を前記係止穴に挿入すると共に回転移動させて前記凹部に前記凸部を嵌合させることを特徴とする。
この吊構造によれば、係止軸を係止穴に挿入すると共に回転移動させ、係止軸の凸部を係止穴の凹部に嵌合させることで、係止軸の係止穴からの抜けを防止する。このように、放射性物質収納容器に設けたトラニオンと放射性物質収納容器を吊るための吊装置との係合を維持する構成を簡素化することができる。さらに、凹部への凸部の嵌合は、係止穴の奥部でなされるため、係止穴の突出端部側で嵌合する構成と比較してトラニオンにかかる荷重を低減することができる。
本発明の吊構造は、放射性物質収納容器の外方に突出して設けられたトラニオンの突出端部に形成された係止穴と、前記放射性物質収納容器を吊る吊装置に設けられて前記係止穴に挿入される係止軸と、前記係止穴の奥部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に凹んで形成された凹部と、前記係止軸の先端部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に出没可能に設けられて突出した場合に前記凹部に嵌合可能に設けられた凸部と、前記係止軸を前記係止穴に挿入した状態で前記凹部と前記凸部との嵌合を維持するように前記凸部を突出方向に弾性付勢する弾性部と、を備えることを特徴とする。
この吊構造によれば、係止軸を係止穴に挿入することで、弾性部の弾性力により係止軸の凸部を係止穴の凹部に嵌合させることで、係止軸の係止穴からの抜けを防止する。このように、放射性物質収納容器に設けたトラニオンと放射性物質収納容器を吊るための吊装置との係合を維持する構成を簡素化することができる。さらに、凹部への凸部の嵌合は、係止穴の奥部でなされるため、係止穴の突出端部側で嵌合する構成と比較してトラニオンにかかる荷重を低減することができる。
本発明の吊構造では、前記係止軸および前記トラニオンを高硬度材料にて形成し、当該高硬度材料に対して硬度の低い低硬度材料にて形成された板部材を前記係止穴の内周面に接触し得る前記係止軸の外周部に取り付けることを特徴とする。
この吊構造によれば、係止軸およびトラニオンを高硬度材料にて形成することで、曲げに強い強度を得ることができる。また、係止穴の内周面に接触し得る係止軸の外周部に低硬度材料にて形成された板部材を取り付けることで、トラニオンよりも硬度を低くしてトラニオンの摩耗を防止することができる。また、低硬度材料にて形成された板部材が摩耗した場合は交換が可能である。
本発明によれば、放射性物質収納容器に設けたトラニオンと放射性物質収納容器を吊るための吊装置との係合を維持する構成を簡素化すると共に、トラニオンにかかる荷重を低減することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る吊構造が適用される放射性物質収納容器としてのキャスクの一例を示す側断面図である。 図2は、図1に示すキャスクの平断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る吊構造が適用される吊装置およびトラニオンの側面図である。 図4は、吊装置による放射性物質収納容器の移送例を示す工程図である。 図5は、吊装置による放射性物質収納容器の移送例を示す工程図である。 図6は、吊装置による放射性物質収納容器の移送例を示す工程図である。 図7は、吊装置による放射性物質収納容器の移送例を示す工程図である。 図8は、吊装置による放射性物質収納容器の移送例を示す工程図である。 図9は、吊装置による放射性物質収納容器の移送例を示す工程図である。 図10は、本発明の実施形態1に係る吊構造の構成図である。 図11は、図10のA−A矢視図である。 図12は、図10のB−B矢視図である。 図13は、本発明の実施形態1に係る吊構造の動作図である。 図14は、図13のC−C矢視図である。 図15は、本発明の実施形態2に係る吊構造の構成図である。 図16は、図15のD−D矢視図である。 図17は、本発明の実施形態2に係る吊構造の他の例の構成図である。 図18は、本発明の実施形態3に係る吊構造の構成図である。 図19は、図18のE−E矢視図である。 図20は、本発明の実施形態4に係る吊構造の構成図である。 図21は、図20のF−F矢視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る吊構造が適用される放射性物質収納容器としてのキャスクの一例を示す側断面図である。図2は、図1に示すキャスクの平断面図である。
放射性物質収納容器としてのキャスク11は、胴部12と蓋部13とバスケット14とを有する。胴部12は、胴本体21の一方である上部に開口部22が形成され、他方である下部に底部(閉塞部)23が形成された円筒形状をなしている。胴本体21は、内部にキャビティ24が設けられ、このキャビティ24は、その内面がバスケット14の外周形状に合わせた形状となっている。バスケット14は、例えば、使用済燃料集合体である放射性物質(図示略)を個々に収納するセルを複数有している。バスケット14は、図1に示すようにバスケット本体14Aを有する。バスケット本体14Aは、互いに平行かつ所定間隔で配置されるセルとしての放射性物質収納部14Bが上下方向で連続して形成されている。ここで、上下方向とは、キャスク11において胴本体21の円筒形状の中心軸の延在方向である長手方向Xに対して沿う方向であり、胴本体21の上下方向に相当する。そして、胴本体21は、下部に底部23が溶接結合または一体成形されており、この胴本体21および底部23は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっている。胴本体21および底部23は、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。また、胴本体21および底部23は、球状黒鉛鋳鉄または炭素鋼鋳鋼などの鋳造品を用いることもできる。
胴部12は、胴本体21の外周側に所定の隙間を空けて外筒25が配設されており、胴本体21の外周面と外筒25の内周面との間に、熱伝導を行う銅や鋼製の伝熱フィン25Aが周方向に等間隔で複数溶接されている。そして、胴部12は、胴本体21と外筒25との空間部に、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(中性子遮蔽体)26が流動状態で図示しないパイプ等を介して注入され、固化されている。
また、胴部12は、底部23の下側に複数の連結板27により所定の隙間を空けて底板28が連結されていてもよく、この連結板27と底板28との空間部にレジン(中性子遮蔽体)29が設けられている。なお、連結板27を設けないこともある。また、胴部12は、側面35にトラニオン41が固定されている。トラニオン41は、キャスク11において径方向の相反する側に突出して対をなし、かつ上下方向の2箇所に配置されて、少なくとも計4箇所に設けられている。なお、図には明示しないが、補助として、トラニオン41は、上述したキャスク11において径方向の相反する側に突出して対をなし、かつ上下方向の2箇所にさらに追加配置して、計8箇所に設けてもよい。
蓋部13は、図1に示すように、一次蓋31と、二次蓋32と、三次蓋33と、を有する。一次蓋31は、胴部12における胴本体21の開口部22に対して着脱可能に取り付けられる。二次蓋32は、一次蓋31の外側で開口部22に対して着脱可能に取り付けられる。三次蓋33は、二次蓋32の外側で開口部22に対して着脱可能に取り付けられる。一次蓋31は、キャビティ24側の負圧を維持してキャビティ24内に充填されたガスの漏洩を防ぐと共に、キャビティ24内に収納された放射性物質から出る放射線(γ線)を遮蔽する。また、一次蓋31は、二次蓋32側にレジン(中性子遮蔽体)34が設けられている。二次蓋32は、一次蓋31との間に大気に対して加圧された圧力監視境界を有し、一次蓋31からのガスの漏洩を阻止すると共に、キャビティ24側の圧力を担保する。三次蓋33は、二次蓋32を外部の衝撃から防御する。なお、図には明示しないが、一次蓋31と二次蓋32との間に、二次蓋32の衝撃を吸収する緩衝部が設けられていてもよい。
そして、放射性物質は、水中において胴部12におけるキャビティ24のバスケット14に挿入され、一次蓋31が配置される。その後、胴部12は、水中から引き上げられ、一次蓋31に設けられた排水口(図示せず)から排水および吸引が行われ、一次蓋31がボルトで取り付けられた後、真空乾燥および一次蓋31に設けられた封入口(図示せず)からガス(例えば、不活性ガス)が注入されることで、一次蓋31により密封された内部が負圧とされてガスで満たされる。その後、二次蓋32および三次蓋33がボルトにより取り付けられる。このように、放射性物質は、一次蓋31、二次蓋32および三次蓋33を胴本体21に取り付けることによりキャスク11に収納される。なお、図には明示しないが、キャスク11は、一次蓋31および二次蓋32のみを有する構成や、一次蓋31および三次蓋33のみを有する構成がある。
なお、放射性物質収納容器としてのキャスク11は、トラニオン41が外方に突出して設けられていればよく、上記構成に限定されるものではない。
図3は、本実施形態に係る吊構造が適用される吊装置およびトラニオンの側面図である。図4〜図9は、吊装置による放射性物質収納容器の移送例を示す工程図である。
トラニオン41は、円柱形状(または円筒形状)をなし、キャスク11における胴部12の胴本体21に対して基端が固定され、胴部12の径方向外側に先端が突出して設けられている。このトラニオン41は、図3に示すように、先端側の突出端部に、係止穴42および掛止部43を有している。係止穴42は、トラニオン41の先端において基端側に凹んで設けられた円形の穴である。掛止部43は、トラニオン41の先端側の円形の外周面をなす周面部43aと、トラニオン41の先端において周面部43aの全周に沿って外方に突出形成された掛止鍔部43bとを有している。図3において、符号S1はトラニオン41の円形状の中心線であって、係止穴42および掛止部43の中心線を示す。
吊装置51は、図3に示すように、アーム52が基部53に支持されている。基部53は、揺動軸53aによりアーム52を揺動可能に支持している。また、基部53は、クレーンなどの揚重設備に取り付けられる。なお、図3では、アーム52を1つで示しているが、アーム52は、水平に配置される基部53の両端部に平行に設けられた揺動軸53aを介して一対設けられ(図4参照)、相互の下端である揺動端が近接または離隔するように揺動する。また、アーム52の下端である揺動端に、吊部54が設けられている。吊部54は、係止軸55を有している。係止軸55は、トラニオン41の係止穴42に挿入することが可能な径に形成され、相互のアーム52が対向する側に延出している。図3において、符号S2は、係止軸55の延在する方向に沿う中心線(軸心)を示す。
基部53は、アーム52を揺動させることで、吊部54の係止軸55をトラニオン41の係止穴42に挿入して係止させる。また、基部53は、揚重設備により上下方向に移動されることでアーム52およびトラニオン41を介してキャスク11を吊り上げる。
上記吊装置51により放射性物質収納容器としてのキャスク11を移送する場合、ここでの例では、図4および図5に示すように、プール61の水中で放射性物質を収納したキャスク11を吊り上げ、プール61から出し、その後、キャスク11を搬送や貯蔵するため、図6〜図9に示すようにキャスク11を横置きにする。
まず、プール61の水中で放射性物質を収納する場合、キャスク11は、図4に示すように、蓋部13側を上向きにして立てられた状態とされる。キャスク11は、蓋部13が外され、バスケット14の放射性物質収納部14Bの内部に放射性物質が収納される。その後、キャスク11は、放射性物質が収納されると蓋部13(一次蓋31)が取り付けられる。このように、プール61の水中で放射性物質を収納したキャスク11は、蓋部13側を上向きにして立てられた状態とされる。
このプール61の水中で立てられた状態のキャスク11をプール61から出すには、図4に示すように、吊装置51が用いられる。吊装置51はクレーンなどの揚重設備により吊り下げられている。すなわち、図4および図5に示すように、1対の吊部54の各係止軸55を、上方の1対の各トラニオン41の係止穴42に挿入して係止し、キャスク11を吊り上げる。吊り上げられたキャスク11は、図6に示すように、プール61の外で立てられた状態で載置され、ここで、例えば、一次蓋31に設けられた水抜穴(図示せず)から内部の水が抜かれ、さらにキャスク11の外部の除染が行われる。この作業の後、二次蓋32および三次蓋33が取り付けられる。
その後、キャスク11を横置きにする。キャスク11を横置きにするには、図6に示すように、キャスク11を横置きで支持するための横置架台62が用いられる。この横置架台62は、4箇所のトラニオン41における掛止部43の周面部43aが掛け止められることでキャスク11を支持する4つの支持片63が設けられている。各支持片63は、横置架台62から上方に延在し、その上端にトラニオン41における掛止部43の周面部43aが掛け止められる掛止凹部63aが形成されている。
そして、立てられた状態のキャスク11を横置きにするには、図6に示すように、同じく吊装置51が用いられる。吊装置51はクレーンなどの揚重設備により吊り下げられている。すなわち、1対の吊部54の各係止軸55を、上方の1対の各トラニオン41の係止穴42に挿入して係止し、キャスク11を吊り上げる。吊り上げられたキャスク11は、図7に示すように、下方の1対の各トラニオン41における掛止部43の周面部43aを、対向する1対の支持片63における各掛止凹部63aに掛け止める。その後、図8に示すように、下方の1対の各トラニオン41を回転中心としてキャスク11を横倒しにしてゆく。そして、最後に、図9に示すように、上方の1対の各トラニオン41の掛止部43の周面部43aを、対向する1対の支持片63における各掛止凹部63aに掛け止め、キャスク11を横置きとする。
なお、図6〜図9において、横置架台62は、床に載置された形態で示され、この形態はキャスク11を貯蔵するためのものである。キャスク11を搬送する場合、キャスク11が横置きに支持された横置架台62が搬送手段であるトレーラなどに設置される。なお、キャスク11は、横置きの状態から2つの吊装置51により横置きのまま移送することも可能である。
以下、吊構造について説明する。
[実施形態1]
図10は、本実施形態に係る吊構造の構成図である。図11は、図10のA−A矢視図である。図12は、図10のB−B矢視図である。図13は、本実施形態に係る吊構造の動作図である。図14は、図13のC−C矢視図である。
本実施形態の吊構造は、トラニオン41および吊装置51に係り設けられている。トラニオン41は、その突出端部に係止穴42が設けられている。図10および図11に示すように、係止穴42は、その奥部に凹部42aが設けられている。凹部42aは、係止穴42の中心線S1に沿う方向(係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に凹んで形成されている。即ち、凹部42aは、係止穴42の奥部において係止穴42の内周面から径方向外側に広がって形成されている。この凹部42aは、係止穴42の周方向に沿って円環状に連続して形成されている。
一方、吊装置51は、係止軸55を有する。図10および図12に示すように、係止軸55は、その先端部に凸部55aが設けられている。凸部55aは、係止軸55の延出方向(中心線S2に沿う方向であって係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に突出して形成されている。即ち、凸部55aは、係止軸55の先端部において係止軸55の外周面から径方向外側に突出して形成されている。この凸部55aは、係止軸55の外周面の一部に形成され、係止穴42の凹部42aに挿入して嵌合する大きさに形成されている。そして、係止軸55は、凸部55aを含む差し渡し(外径)寸法D1が、係止穴42の内径D2よりも小さくなるように形成されている。従って、係止軸55の先端部は、係止穴42に挿入可能に設けられている。
そして、図13および図14に示すように、係止軸55を係止穴42に挿入して交差方向に移動させ、凹部42aに凸部55aを嵌合させることで、係止穴42から係止軸55が抜ける事態を防止することができる。
また、本実施形態の吊構造は、移動規制部56を有する。移動規制部56は、係止軸55の延出方向(中心線S2に沿う方向であって係止軸55の挿入方向)に沿って延在する棒状部材である。移動規制部56は、係止軸55の延出方向に形成された溝部55bに支持されて、この溝部55bに沿って係止軸55の延出方向にスライド移動可能に設けられている。なお、係止軸55は、溝部55bが係止軸55の先端部の手前で終端することで、先端部に段部55cが形成されている。この段部55cは、移動規制部56が係止軸55の先端部に移動した場合に当接するストッパとして構成されている。この溝部55bは、係止軸55の径方向において凸部55aとは相反する側に設けられている。即ち、移動規制部56は、凸部55aとは相反する側で係止軸55の延出方向に沿って移動可能に設けられている。そして、移動規制部56は、係止軸55および凸部55aを含む差し渡し(外径)寸法D3が、係止穴42および凹部42aの内径D4と同等、または凸部55aの突出高さTを除いた場合に係止穴42の内径D2と同等となるように形成されている。従って、移動規制部56は、図13および図14に示すように、凹部42aに凸部55aが嵌合した状態で係止軸55と係止穴42とに生じる径方向(交差方向)の隙間D5に挿入される挿入部材として構成されている。そして、挿入部材としての移動規制部56は、凹部42aへの凸部55aの嵌合を維持するように係止軸55の交差方向に抗する方向への移動を規制する。
また、挿入部材としての移動規制部56は、レバー57が係止軸55の径方向外側に延出して形成されている。レバー57は、移動規制部56をスライド移動させるときの操作部として構成されている。また、レバー57は、吊部54が設けられたアーム52に形成されている長穴52aを介して係止軸55の径方向外側に延出して設けられている。長穴52aは、係止軸55の溝部55bと同方向に延在し、レバー57の移動範囲であって移動規制部56の移動範囲を規定する。
また、挿入部材としての移動規制部56は、図13に示すように、凹部42aに凸部55aが嵌合した状態で係止軸55と係止穴42とに生じる径方向(交差方向)の隙間D5に挿入され、かつ溝部55bの先端部の段部55cに当接する位置、またはレバー57が長穴52aの縁に当接する位置にある場合に、トラニオン41の突出端部の縁と一致する指標56aが設けられている。指標56aは、トラニオン41の突出端部の縁と一致したことを外部から認識できるように、トラニオン41の突出端部の縁と一致し得る線状や、当該線状を境にした色分けなどで表すことができる。
このように、本実施形態の吊構造は、放射性物質収納容器としてのキャスク11の外方に突出して設けられたトラニオン41の突出端部に形成された係止穴42と、キャスク11を吊る吊装置51に設けられて係止穴42に挿入される係止軸55と、係止穴42の奥部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に凹んで形成された凹部42aと、係止軸55の先端部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に突出して形成されて凹部42aに嵌合可能に設けられた凸部55aと、係止軸55を係止穴42に挿入して交差方向に移動させて凹部42aへ凸部55aが嵌合した状態で係止軸55の交差方向に抗する方向への移動を規制する移動規制部56と、を備える。
この吊構造によれば、係止軸55の凸部55aを係止穴42の凹部42aに嵌合させることで、係止軸55の係止穴42からの抜けを防止する。しかも、係止軸55を係止穴42に挿入して交差方向に移動させて凹部42aへ凸部55aが嵌合した状態で、移動規制部56により係止軸55の交差方向に抗する方向への移動を規制することで、凹部42aへの凸部55aの嵌合を維持し、係止軸55の係止穴42からの抜けを確実に防止する。このように、キャスク11に設けたトラニオン41とキャスク11を吊るための吊装置51との係合を維持する構成を簡素化することができる。さらに、凹部42aへの凸部55aの嵌合は、係止穴42の奥部でなされるため、係止穴42の突出端部側で嵌合する構成と比較してトラニオン41にかかる荷重(モーメント)を低減することができる。
また、本実施形態の吊構造では、移動規制部56は、係止軸55に対して挿入方向に沿って移動可能に設けられて、凹部42aに凸部55aが嵌合した状態で係止軸55と係止穴42とに生じる交差方向に抗する側の隙間D5に挿入される挿入部材を有する。
この吊構造によれば、キャスク11に設けたトラニオン41とキャスク11を吊るための吊装置51との係合を維持する構成の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態の吊構造では、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成し、当該高硬度材料に対して硬度の低い低硬度材料にて形成された板部材55d(図10、図13、図14参照)を、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に取り付ける。
ここで、係止軸55を形成する高硬度材料は焼き入れ鋼があり、トラニオン41を形成する高硬度材料はステンレス鋼がある。一方、高硬度材料に対して硬度の低い低硬度材料は、黄銅がある。この黄銅にて形成された板部材55dは、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部であって、本実施形態では、図10、図13、図14に示すように、凸部55aを除いて係止穴42の内周面に接触し得る部分に貼り付ける。
この吊構造によれば、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成することで、曲げに強い強度を得ることができる。また、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に低硬度材料にて形成された板部材55dを取り付けることで、トラニオン41よりも硬度を低くしてトラニオンの摩耗を防止することができる。また、低硬度材料にて形成された板部材55dが摩耗した場合は交換が可能である。
[実施形態2]
図15は、本実施形態に係る吊構造の構成図である。図16は、図15のD−D矢視図である。図17は、本実施形態に係る吊構造の他の例の構成図である。なお、上述した実施形態1と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の吊構造は、トラニオン41および吊装置51に係り設けられている。トラニオン41は、その突出端部に係止穴42が設けられている。図15および図16に示すように、係止穴42は、その奥部に凹部42aが設けられている。
一方、吊装置51は、係止軸55を有する。図15および図16に示すように、係止軸55は、その先端部に凸部55aが設けられている。
そして、図15および図16に示すように、係止軸55を係止穴42に挿入して交差方向に移動させ、凹部42aに凸部55aを嵌合させることで、係止穴42から係止軸55が抜ける事態を防止することができる。
また、本実施形態の吊構造は、移動規制部58を有する。移動規制部58は、トラニオン41に対して、係止穴42の中心線S1に沿う方向(係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に移動可能に設けられ、係止穴42の内外に貫通可能な棒状部材である。移動規制部58は、例えば、雌ネジ部材として構成され、トラニオン41において係止穴42の中心線S1に沿う方向(係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に貫通する雄ネジ穴44に対して締めたり緩めたりすることで交差方向に移動する。また、移動規制部58は、係止穴42内に向く先端部58aが、係止軸55の外周面に凹んで形成された挿入穴55eに挿入可能に設けられている。挿入穴55eは、係止軸55の径方向において凸部55aとは相反する側に設けられている。即ち、移動規制部58は、凸部55aとは相反する側で係止軸55の挿入穴55eに挿入するように径方向に進退移動可能に設けられている。従って、移動規制部58は、図15および図16に示すように、凹部42aに凸部55aが嵌合した状態で係止軸55と係止穴42とに生じる径方向(交差方向)の隙間D5に交差方向から挿入され、係止軸55を交差方向に押し込む押込部材として構成されている。そして、押込部材としての移動規制部58は、凹部42aへの凸部55aの嵌合を維持するように係止軸55の交差方向に抗する方向への移動を規制する。
また、押込部材としての移動規制部58は、雄ネジ穴44からトラニオン41の径方向外側に延出する基端部を有し、この基端部に把持部58bが設けられている。把持部58bは、移動規制部58を移動させるときの操作部として構成されている。
また、押込部材としての移動規制部58は、図15に示すように、凹部42aに凸部55aが嵌合した状態で係止軸55と係止穴42とに生じる径方向(交差方向)の隙間D5に挿入され、かつ先端部58aが、係止軸55の外周面に凹んで形成された挿入穴55eに挿入されて係止軸55を交差方向に押し込む位置にある場合に、雄ネジ穴44の外縁と一致する指標58cが設けられている。指標58cは、雄ネジ穴44の外縁と一致したことを外部から認識できるように、雄ネジ穴44の外縁と一致し得る線状や、当該線状を境にした色分けなどで表すことができる。
このように、本実施形態の吊構造は、放射性物質収納容器としてのキャスク11の外方に突出して設けられたトラニオン41の突出端部に形成された係止穴42と、キャスク11を吊る吊装置51に設けられて係止穴42に挿入される係止軸55と、係止穴42の奥部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に凹んで形成された凹部42aと、係止軸55の先端部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に突出して形成されて凹部42aに嵌合可能に設けられた凸部55aと、係止軸55を係止穴42に挿入して交差方向に移動させて凹部42aへ凸部55aが嵌合した状態で係止軸55の交差方向に抗する方向への移動を規制する移動規制部58と、を備える。
この吊構造によれば、係止軸55の凸部55aを係止穴42の凹部42aに嵌合させることで、係止軸55の係止穴42からの抜けを防止する。しかも、係止軸55を係止穴42に挿入して交差方向に移動させて凹部42aへ凸部55aが嵌合した状態で、移動規制部56により係止軸55の交差方向に抗する方向への移動を規制することで、凹部42aへの凸部55aの嵌合を維持し、係止軸55の係止穴42からの抜けを確実に防止する。このように、キャスク11に設けたトラニオン41とキャスク11を吊るための吊装置51との係合を維持する構成を簡素化することができる。さらに、凹部42aへの凸部55aの嵌合は、係止穴42の奥部でなされるため、係止穴42の突出端部側で嵌合する構成と比較してトラニオンにかかる荷重(モーメント)を低減することができる。
また、本実施形態の吊構造では、移動規制部58は、トラニオン41に対して交差方向に移動可能に設けられると共に、係止穴42の内外に貫通可能に設けられて、凹部42aと凸部55aとが嵌合した状態で係止軸55を交差方向に押し込む押込部材を有する。
この吊構造によれば、キャスク11に設けたトラニオン41とキャスク11を吊るための吊装置51との係合を維持する構成の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態の吊構造では、図17に示すように、押込部材としての移動規制部58は、凹部42aと凸部55aとが嵌合し、かつ係止軸55を交差方向に押し込んだ状態でトラニオン41の外周面から埋没するように形成されている。
この吊構造によれば、押込部材としての移動規制部58がトラニオン41の外周面から突出しないように構成されているため、移動規制部58がキャスク11の移送の邪魔になる事態を防ぐことができる。
また、本実施形態の吊構造では、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成し、当該高硬度材料に対して硬度の低い低硬度材料にて形成された板部材55d(図15、図16、図17参照)を、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に取り付ける。
この吊構造によれば、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成することで、曲げに強い強度を得ることができる。また、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に低硬度材料にて形成された板部材55dを取り付けることで、トラニオン41よりも硬度を低くしてトラニオン41の摩耗を防止することができる。また、低硬度材料にて形成された板部材55dが摩耗した場合は交換が可能である。
[実施形態3]
図18は、本実施形態に係る吊構造の構成図である。図19は、図18のE−E矢視図である。なお、上述した実施形態1と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の吊構造は、トラニオン41および吊装置51に係り設けられている。トラニオン41は、その突出端部に係止穴42が設けられている。図18および図19に示すように、係止穴42は、その奥部に凹部42aが設けられている。凹部42aは、係止穴42の中心線S1に沿う方向(係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に凹んで形成されている。即ち、凹部42aは、係止穴42の奥部において係止穴42の内周面から径方向外側に広がって形成されている。この凹部42aは、係止穴42の周方向に沿って等間隔の複数カ所に所定範囲で連続して形成され、本実施形態では、例えば、図19に示すように、180°ごとの2カ所に90°の範囲で連続して形成されている。また、係止穴42は、その内周面に連通溝42bが設けられている。連通溝42bは、係止穴42の周方向に沿って等間隔の複数カ所に形成され、本実施形態では、例えば、図19に示すように、180°ごとの2カ所に形成されている。また、連通溝42bは、係止穴42の開口部から奥部に向かって係止穴42の中心線S1に沿う方向(係止軸55の挿入方向)に連続し、各凹部42aの周方向の同方向に向く端部に連通して設けられている。
一方、吊装置51は、係止軸55を有する。図18および図19に示すように、係止軸55は、その先端部に凸部55aが設けられている。凸部55aは、係止軸55の延出方向(中心線S2に沿う方向であって係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に突出して形成されている。即ち、凸部55aは、係止軸55の先端部において係止軸55の外周面から径方向外側に突出して形成されている。凸部55aは、係止軸55の外周面の一部であって、連通溝42bと同様に、係止軸55の周方向に沿って等間隔の複数カ所に形成され、本実施形態では、例えば、図19に示すように、180°ごとの2カ所に形成されている。この凸部55aは、連通溝42bに挿入して嵌合する大きさであって、かつ係止穴42の凹部42aに挿入して嵌合する大きさに形成されている。そして、係止軸55は、凸部55aを除く差し渡し(外径)寸法D6が、係止穴42の内径D2と同等であって、凸部55aを含む差し渡し(外径)寸法D7が、係止穴42の凹部42aや連通溝42bを含む内径と同等に形成されている。従って、係止軸55は、凸部55aが係止穴42の凹部42aや連通溝42bに挿入可能に設けられ、凸部55aを除く部分が係止穴42の凹部42aや連通溝42bを除く部分に挿入可能に設けられている。このとき、中心線S2が係止穴42の中心線S1に一致する。また、係止軸55は、アーム52に対し、中心線(挿入方向に沿う軸心)S2の廻りに回転可能に設けられている。
そして、図18および図19に示すように、係止軸55を係止穴42に挿入して凸部55aが連通溝42bに沿って係止穴42の奥部の凹部42aの位置に到達した後、中心線S2の廻りに回転移動させて凹部42aの連続する周方向に沿って凸部55aを移動させる。凹部42aに凸部55aを嵌合させることで、係止穴42から係止軸55が抜ける事態を防止することができる。
このように、本実施形態の吊構造は、放射性物質収納容器としてのキャスク11の外方に突出して設けられたトラニオン41の突出端部に形成された係止穴42と、キャスク11を吊る吊装置51に設けられて係止穴42に挿入される係止軸55と、係止穴42の奥部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に凹んで形成された凹部42aと、係止軸55の先端部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に突出して形成されて凹部42aに嵌合可能に設けられた凸部55aと、を備え、係止軸55を挿入方向に沿う軸心の廻りに回転可能に設け、係止軸55を係止穴42に挿入すると共に回転移動させて凹部42aに凸部55aを嵌合させる。
この吊構造によれば、係止軸55を係止穴42に挿入すると共に回転移動させ、係止軸55の凸部55aを係止穴42の凹部42aに嵌合させることで、係止軸55の係止穴42からの抜けを防止する。このように、キャスク11に設けたトラニオン41とキャスク11を吊るための吊装置51との係合を維持する構成を簡素化することができる。さらに、凹部42aへの凸部55aの嵌合は、係止穴42の奥部でなされるため、係止穴42の突出端部側で嵌合する構成と比較してトラニオン41にかかる荷重(モーメント)を低減することができる。
また、本実施形態の吊構造では、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成し、当該高硬度材料に対して硬度の低い低硬度材料にて形成された板部材55d(図18、図19参照)を、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に取り付ける。本実施形態では、板部材55dは、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部であって、凸部55aを除いて係止軸55の全外周面に貼り付ける。
この吊構造によれば、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成することで、曲げに強い強度を得ることができる。また、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に低硬度材料にて形成された板部材55dを取り付けることで、トラニオン41よりも硬度を低くしてトラニオンの摩耗を防止することができる。また、低硬度材料にて形成された板部材55dが摩耗した場合は交換が可能である。
[実施形態4]
図20は、本実施形態に係る吊構造の構成図である。図21は、図20のF−F矢視図である。なお、上述した実施形態1と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の吊構造は、トラニオン41および吊装置51に係り設けられている。トラニオン41は、その突出端部に係止穴42が設けられている。図20および図21に示すように、係止穴42は、その奥部に凹部42aが設けられている。凹部42aは、係止穴42の中心線S1に沿う方向(係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に凹んで形成されている。即ち、凹部42aは、係止穴42の奥部において係止穴42の内周面から径方向外側に広がって形成されている。この凹部42aは、係止穴42の周方向に沿って等間隔の複数カ所に形成され、本実施形態では、例えば、図21に示すように、90°ごとの4カ所に形成されている。
一方、吊装置51は、係止軸55を有する。図20および図21に示すように、係止軸55は、その先端部に凸部55aが設けられている。凸部55aは、係止軸55の延出方向(中心線S2に沿う方向であって係止軸55の挿入方向)に対する交差方向に突出して形成されている。即ち、凸部55aは、係止軸55の先端部において係止軸55の外周面から径方向外側に突出して形成されている。凸部55aは、係止軸55の外周面の一部であって、凹部42aと同様に、係止軸55の周方向に沿って等間隔の複数カ所に形成され、本実施形態では、例えば、図21に示すように、90°ごとの4カ所に形成されている。この凸部55aは、係止穴42の凹部42aに挿入して嵌合する大きさに形成されている。そして、係止軸55は、凸部55aを除く差し渡し(外径)寸法D6が、係止穴42の内径D2と同等であって、凸部55aを含む差し渡し(外径)寸法D7が、係止穴42の凹部42aを含む内径と同等に形成されている。従って、係止軸55は、凸部55aが係止穴42の凹部42aに挿入可能に設けられ、凸部55aを除く部分が係止穴42の凹部42aを除く部分に挿入可能に設けられている。このとき、中心線S2が係止穴42の中心線S1に一致する。
また、本実施形態の吊構造は、弾性部55fを有する。弾性部55fは、図20に示すように、凸部55aを突出方向である径方向外側に弾性力により付勢するものである。弾性部55fは、本実施形態では、例えば、圧縮バネとして構成される。なお、弾性部55fにより突出方向に弾性付勢される凸部55aは、係止軸55から飛び出て外れないように構成され、かつ弾性部55fの弾性力に抗して係止軸55の外周面と面一である寸法D6に没入するように出没可能に形成されている。
そして、図20および図21に示すように、係止軸55を係止穴42に挿入して凸部55aが係止穴42の奥部の凹部42aの位置に到達した状態で、凸部55aが弾性部55fにより突出して凹部42aに嵌合することで、係止穴42から係止軸55が抜ける事態を防止することができる。
このように、本実施形態の吊構造は、放射性物質収納容器としてのキャスク11の外方に突出して設けられたトラニオン41の突出端部に形成された係止穴42と、キャスク11を吊る吊装置51に設けられて係止穴42に挿入される係止軸55と、係止穴42の奥部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に凹んで形成された凹部42aと、係止軸55の先端部に設けられて係止軸55の挿入方向に対する交差方向に出没可能に設けられて突出した場合に凹部42aに嵌合可能に設けられた凸部55aと、係止軸55を係止穴42に挿入した状態で凹部42aと凸部55aとの嵌合を維持するように凸部55aを突出方向に弾性付勢する弾性部55fと、を備える。
この吊構造によれば、係止軸55を係止穴42に挿入することで、弾性部55fの弾性力により係止軸55の凸部55aを係止穴42の凹部42aに嵌合させることで、係止軸55の係止穴42からの抜けを防止する。このように、キャスク11に設けたトラニオン41とキャスク11を吊るための吊装置51との係合を維持する構成を簡素化することができる。さらに、凹部42aへの凸部55aの嵌合は、係止穴42の奥部でなされるため、係止穴42の突出端部側で嵌合する構成と比較してトラニオン41にかかる荷重(モーメント)を低減することができる。
また、本実施形態の吊構造では、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成し、当該高硬度材料に対して硬度の低い低硬度材料にて形成された板部材55d(図20、図21参照)を、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に取り付ける。本実施形態では、板部材55dは、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部であって、凸部55aを除いて係止軸55の全外周面に貼り付ける。
この吊構造によれば、係止軸55およびトラニオン41を高硬度材料にて形成することで、曲げに強い強度を得ることができる。また、係止穴42の内周面に接触し得る係止軸55の外周部に低硬度材料にて形成された板部材55dを取り付けることで、トラニオン41よりも硬度を低くしてトラニオン41の摩耗を防止することができる。また、低硬度材料にて形成された板部材55dが摩耗した場合は交換が可能である。
11 キャスク(放射性物質収納容器)
41 トラニオン
42 係止穴
42a 凹部
51 吊装置
55 係止軸
55a 凸部
55d 板部材
55f 弾性部
56 移動規制部(挿入部材)
58 移動規制部(押込部材)

Claims (6)

  1. 放射性物質収納容器の外方に突出して設けられたトラニオンの突出端部に形成された係止穴と、
    前記放射性物質収納容器を吊る吊装置に設けられて前記係止穴に挿入される係止軸と、
    前記係止穴の奥部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に凹んで前記係止穴と一体に形成された凹部と、
    前記係止軸の先端部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に突出して形成されて前記凹部に嵌合可能に設けられた凸部と、
    前記係止軸を前記係止穴に挿入して前記交差方向に移動させて前記凹部へ前記凸部を嵌合した状態で前記係止軸の前記交差方向に抗する方向への移動を規制する移動規制部と、
    を備え、前記係止穴と前記凹部は一部材で形成されていることを特徴とする吊構造。
  2. 放射性物質収納容器の外方に突出して設けられたトラニオンの突出端部に形成された係止穴と、
    前記放射性物質収納容器を吊る吊装置に設けられて前記係止穴に挿入される係止軸と、
    前記係止穴の奥部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に凹んで前記係止穴と一体に形成された凹部と、
    前記係止軸の先端部に設けられて前記係止軸の挿入方向に対する交差方向に突出して形成されて前記凹部に嵌合可能に設けられた凸部と、
    前記係止軸を相互の中心線に沿って前記係止穴に挿入し、前記係止軸を前記係止穴と相互に偏心する位置に前記交差方向に移動させて前記凹部へ前記凸部を嵌合し、前記凹部へ前記凸部を嵌合した状態を維持する態様で前記係止軸の前記交差方向に抗する方向への移動を規制して前記係止穴と前記係止軸とが相互に偏心した位置を維持する移動規制部と、
    を備え、前記係止穴と前記凹部は一部材で形成されていることを特徴とする吊構造。
  3. 前記移動規制部は、前記係止軸に対して前記挿入方向に沿って移動可能に設けられて、前記凹部に前記凸部が嵌合した状態で前記係止軸と前記係止穴とに生じる前記交差方向に抗する側の隙間に挿入される挿入部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の吊構造。
  4. 前記移動規制部は、前記トラニオンに対して前記交差方向に移動可能に設けられると共に前記係止穴の内外に貫通可能に設けられて、前記凹部と前記凸部とが嵌合した状態で前記係止軸を前記交差方向に押し込む押込部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の吊構造。
  5. 前記押込部材は、前記凹部と前記凸部とが嵌合し、かつ前記係止軸を前記交差方向に押し込んだ状態で前記トラニオンの外周面から埋没することを特徴とする請求項に記載の吊構造。
  6. 前記係止軸および前記トラニオンを高硬度材料にて形成し、当該高硬度材料に対して硬度の低い低硬度材料にて形成された板部材を前記係止穴の内周面に接触し得る前記係止軸の外周部に取り付けることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の吊構造。
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