以下に図面を参照して、本発明に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲を以下の実施形態に限定するものではない。
[第1実施形態]
図1〜図5を用いて本発明に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の第1実施形態について説明する。
図1は画像読取装置2を画像形成装置1の上方に配置した場合の斜視図である。図2は画像読取装置のみの平面図である。図3は図2のA−A矢視断面図である。図4は支持手段の主要部を拡大した斜視図である。図5は支持手段の主要部を拡大した断面図である。図1〜図5において、1は画像読取装置2により読み取った画像情報に基づいて図示しない紙等のシート状の記録材に画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置である。
2は画像読取装置である。6は図示しない本やシート状の原稿を載置するための載置部材としての原稿台ガラスである。3は原稿台ガラス6の外周縁部6bを支持する筐体である。4は蓋である。5は原稿台ガラス6上(原稿台ガラス上)に載置された原稿を該原稿台ガラス6の上面からなる載置面(原稿台ガラス面)に倣わせるための圧板である。7は原稿台ガラス6の下部で原稿台ガラス6に載置された原稿に対向し、筐体3内(筐体内)を該原稿台ガラス6に沿って移動可能に設けられた読取部としてのイメージセンサ部である。
具体的にはイメージセンサ部7の両端の当接部7eが筐体3に当接し移動可能に支持されている。イメージセンサ部7は不図示の発光素子、受光素子を備える。図1に示すように、原稿台ガラス6は光を透過する透過部材である。原稿台ガラス6上に載置された原稿(不図示)に対してイメージセンサ部7の発光素子から原稿台ガラス6を介して光を照射する。そして、該原稿からの反射光を原稿台ガラス6を介してイメージセンサ部7の受光素子で受光することで、イメージセンサ部7により原稿台ガラス6上に載置された図示しない原稿の画像を読み取る。
次にイメージセンサ部7による読取動作の概略を説明する。図1及び図2において、イメージセンサ部7は、図示しないモータ等の駆動手段によって移動可能に構成されている。画像読取装置2の移送時のホームポジション位置でもある図1及び図2に示す原稿台ガラス6の左端部位置から、原稿台ガラス6上に載置された原稿の大きさに応じた読取動作位置までを、図1及び図2の矢印e方向に移動可能に構成されている。
図1〜図5において、9,10は原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位となる外周縁部6b以外(外周縁部以外)で該原稿台ガラス6の下面に当接して該原稿台ガラス6を下方側から支持する支持手段となる平板状の支持部材である。8はイメージセンサ部7に接続された信号線束である。
本実施形態の支持部材9,10は、筐体3の側面3aに貫通して設けられた軸受け部31と、該筐体3の底面3bに設けられた軸受け部32とにより回転可能に保持された軸部95を有し、該軸部95と一体的に回動する。また、軸部95の一端部は筐体3の側面3aを貫通して外部に突出しており、その突出部に回動操作用の摘み部91が設けられている。そして、摘み部91を回動することで、軸部95を中心に支持部材9,10が一体的に回動する。
これにより、支持部材9,10は、図5(a)に示す原稿台ガラス6を支持する支持位置と、図5(b)に示す原稿台ガラス6から退避した退避位置とに移動可能に設けられている。支持部材9,10の軸部95の軸受け部31または軸受け部32と当接する部分は、筐体3によって支持される支持部材9,10の当接部95aである。
図5(b)に示すように、支持部材9,10の退避位置は、イメージセンサ部7の移動動作に干渉しない位置に設定されている。本実施形態では、支持部材9,10が軸部95を中心に回動する。そして、図5(b)に示す原稿台ガラス6から退避した退避位置にある場合には、イメージセンサ部7の最下端部となる下面7aが移動する軌跡30よりも下方の位置まで支持部材9,10が退避する。これにより、イメージセンサ部7の移動動作に支障が無い(移動を規制しない)ようになっている。これにより原稿台ガラス6を支持する支持部材9,10はイメージセンサ部7の移動軌跡外である軌跡30よりも下方の退避位置へ移動可能であるので、読み取り動作時に妨げになることがない。
支持部材9の一端部(図1〜図5の左端部)9aは、該支持部材9の回動動作による移動に連動してイメージセンサ部7をホームポジション位置となる図1〜図5の左端部の所定位置に拘束する拘束手段を兼ねる。換言すれば、支持部材9の一端部9aはイメージセンサ部7をホームポジション位置から移動することを規制する規制部材として機能する。
図4に示すように、支持部材10の先端部には弾性体10a(弾性部)が取り付けられている。該支持部材10が軸部95を中心に回動して図5(a)に示す原稿台ガラス6を支持する支持位置にある場合には該弾性体10aが原稿台ガラス6の下面に当接して該原稿台ガラス6の中央部を支持する。支持部材10が原稿台ガラス6の中央部を支持することにより、支持部材10が原稿台ガラス6の下面から受ける力は、軸部95の当接部95aから、比較的強度の高い筐体3の軸受け部31,32に伝わる。このため、装置移送時の振動や衝撃によって原稿台ガラス6が撓むことを規制して、原稿台ガラス6の破損を防ぐことができる。
ここで、イメージセンサ部7の上面7bと原稿台ガラス6の下面6aとの間の離間距離をa、支持部材10と原稿台ガラス6の下面6aとの間の離間距離をbとする。図5(a)に示すように、イメージセンサ部7の上面7bが原稿台ガラス6の下面6aと離間距離aで対向しているのに対して、支持部材10は、該離間距離aよりも小さな離間距離bをもって原稿台ガラス6と対向している。弾性体10aが原稿台ガラス6の下面6aに当接しているので、図5(a)では離間距離b=0の場合を示す。
図5(a)の円弧状の破線で示す原稿台ガラス6は、該原稿台ガラス6が破損しない限界形状の概略である。そのときの支持部材10が原稿台ガラス6に当接する位置(弾性体10aの位置)における原稿台ガラス6の最大撓み量dを示す(以降では単に「最大撓み量d」として説明する)。支持部材10と原稿台ガラス6との離間距離bを、該原稿台ガラス6の最大撓み量dよりも小さく設定すれば、原稿台ガラス6は破損前に支持部材10で支えられることになる。
よって、図5(a)に示す状態で画像読取装置2の移送を行えば、原稿台ガラス6を筐体3の内部側から支えた状態となり、移送時の振動や衝撃に対して原稿台ガラス6の内側への撓みが無くなり保持状態が良好である。つまり、イメージセンサ部7の非移動時である画像読取装置2の非動作時に、図5(a)に示すように支持部材10を支持位置にしておく。これにより、振動や衝撃による原稿台ガラス6の破損を防ぐことができる。
イメージセンサ部7と原稿台ガラス6との離間距離aよりも、支持部材10と原稿台ガラス6との離間距離bが小さければ原稿台ガラス6が下方に撓んでも該原稿台ガラス6がイメージセンサ部7に接触する前に原稿台ガラス6が支持部材10に当接して支持される。これにより原稿台ガラス6が下方に撓んでも該原稿台ガラス6がイメージセンサ部7に接触しないためイメージセンサ部7も同時に保護出来る。
次に、原稿台ガラス6の支持と支持解除の方法について図4及び図5を用いて説明する。原稿台ガラス6の支持と支持解除の切り替えは、軸部95に一体的に固定され、筐体3の側面3aから外部に露出した摘み部91を該軸部95を中心に回動する。そして、図4の実線及び図5(a)に示すように、支持部材9,10を起立させて原稿台ガラス6を支持する支持位置にするか、図4の破線及び図5(b)に示すように、支持部材9,10を水平に倒して原稿台ガラス6から退避した退避位置にする。
支持部材10の先端部を弾性体10aで構成すれば、図5(a)に示すように、原稿台ガラス6が下方に撓んで、該弾性体10aと接する際に衝撃を吸収出来るので、原稿台ガラス6の保護が出来る。
次に、イメージセンサ部7の拘束と拘束解除の方法について図4及び図5を用いて説明する。イメージセンサ部7の拘束と拘束解除の切り替えは、軸部95に一体的に固定され、筐体3の側面3aから外部に露出した摘み部91を該軸部95を中心に回動することにより行われる。
図4の実線及び図5(a)に示すように、支持部材9を起立させる。そしてイメージセンサ部7のホームポジション位置となる図4及び図5の左端部に位置しているイメージセンサ部7の側面7cに支持部材9の一端部9a(規制部材)を対面させてイメージセンサ部7を拘束する拘束位置(規制位置)にする。或いは、図4の破線及び図5(b)に示すように、支持部材9を水平に倒してイメージセンサ部7の拘束(規制)を解除した解除位置(規制解除位置)にする。このとき、前述した支持部材9,10による原稿台ガラス6の支持と支持解除動作が同時に行なわれる。
これにより画像読取装置2の移送時には、原稿台ガラス6が支持部材9,10により支持され、且つ、イメージセンサ部7が支持部材9により拘束されて固定され、画像読取装置2の動作時には原稿台ガラス6とイメージセンサ部7が同時に解放されるように出来る。つまり、イメージセンサ部7の非移動時である画像読取装置2の非動作時に、図5(a)に示すように支持部材10を支持位置にしておくことにより、同時に支持部材9も拘束位置にある。このため、振動や衝撃によってイメージセンサ部7が所定位置(ホームポジション位置)から移動してしまうことを防ぐことができる。
尚、筐体3の側面3aに設けられた軸受け部31と軸部95とは図示しないシール部材によって、摺動自在且つ隙間がない状態を保たれているため筐体3内に埃が入ることがなく、イメージセンサ部7による画像読み取りが良好に出来る。
支持部材9,10は、原稿台ガラス6の面積や厚みに応じて、該原稿台ガラス6の下面6aに当接する当接面積や数量を適宜増やしても良い。例えば、支持部材9を軸部95の軸方向に更に延長したり、支持部材10の数を更に追加して、原稿台ガラス6の中心付近を支持することも可能である。
また、摘み部91を回動して支持部材9,10が図5(a)に示す支持位置と、図5(b)に示す退避位置との間を移動する。その際に支持部材10が原稿台ガラス6の下面6aと擦れることを回避したい場合がある。その場合には、支持部材10と原稿台ガラス6との離間距離bが、イメージセンサ部7と原稿台ガラス6との離間距離aよりも小さい範囲で、該離間距離bが微小隙間を有するように設定すれば良い。
また、イメージセンサ部7は、例えば、ユーザが画像読取装置2の電源をOFFするタイミングで、自動的にホームポジション位置となる図4及び図5の左端部に戻るシーケンスを施す。これにより、移送の際にはイメージセンサ部7をホームポジション位置に動かす手間が無く、支持部材9を原稿台ガラス6を支持する支持位置であってイメージセンサ部7を拘束する拘束位置に回動させるだけで済む。これによりユーザの利便性を増すことも可能である。
尚、上述した構成では、軸部95の剛性は十分高く、また支持部材10と軸受け部32と軸線方向で近い位置にあるので、支持部材10が原稿台ガラス6の下面から力を受けた際に、支持部材10を介してその力を受けた軸部95は実質的に撓まない。しかしながら、支持部材10が原稿台ガラス6の下面から力を受けた際には軸部95が下方に撓み、筐体3の底面3bに当接することで、筐体3へ力を伝える構成であっても良い。
このような構成の場合、軸部95の下面が支持部材9,10の当接部として機能する。そして、軸部95の下面と底面3bとの離間距離をcとすると、b+c<dであれば、原稿台ガラス6は破損前に支持部材10を介して支えられることになる。また、b+c<aであれば、原稿台ガラス6が下方に撓んでも該原稿台ガラス6がイメージセンサ部7に接触しないためイメージセンサ部7も同時に保護出来る。
また、イメージセンサ部7の当接部7eと、支持部材9の当接部95aとは異なり、原稿台ガラス6から支持部材9に伝わった力は実質的にイメージセンサ部7には伝わらず、支持部材9の当接部95aを介して筐体3に伝達されることになる。このため、イメージセンサ部7の破損も防ぐことができる。
[第2実施形態]
次に図6を用いて本発明に係る画像読取装置の第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、摘み部91を回動して支持部材9,10を図5(a)に示す支持位置に設定した状態で支持部材9の高さが支持部材10の高さよりも低くなるように構成した。本実施形態では、図6に示すように、支持部材9の一部に支持部材10と同じ高さとなる段部9bを設けたものである。段部9bの先端部には弾性体9c(弾性部)が設けられている。尚、本実施形態の軸受け部32は支持部材9,10の間に設けられた一例である。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
また、本実施形態のように構成することで複数の支持点で同時に原稿台ガラス6の下面を受けるので、より強固に原稿台ガラス6を支持することができる。
[第3実施形態]
次に図7〜図10を用いて本発明に係る画像読取装置の第3実施形態を備えた画像形成装置の構成について説明する。本実施形態では、図7、図8、図9及び図10に示すように、前記第2実施形態の支持部材10を省略したものである。他の構成は前記第1、第2実施形態と同様に構成される。このような構成においても前記第1、2実施形態と同様な効果を得ることが出来る。
また、本実施形態のように構成することで、シンプルで簡易な構成で原稿台ガラス6を支持することができ、装置重量の増加や、コストアップを抑えつつ原稿台ガラス6の破損を防ぐことができる。
[第4実施形態]
次に図11〜図14を用いて本発明に係る画像読取装置の第4実施形態の構成について説明する。前記各実施形態では軸部95を中心に摘み部91を回動することで支持部材9,10を支持位置と退避位置とに回動する構成とした。本実施形態では、原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する支持手段となる支持部材14を筐体3内で昇降させる構成としたものである。
筐体3の底面3bの略中央部にはイメージセンサ部7の移動方向(図12の左右方向)に沿ってガイドレール33が設けられており、該ガイドレール33に係合しつつ図12の左右方向に移動可能なスライダ13が設けられている。
スライダ13は平面がL字形状で構成され、その一端部に設けられた角柱状の突出部13bが筐体3の側面3cに図13の左右方向に沿って形成された長穴36を貫通して外部に突出しており、その突出部13bにスライド操作用の摘み部35が設けられている。そして、摘み部35を長穴36に沿って図13の左右方向にスライドすることで該摘み部35と一体的にスライダ13がガイドレール33に係合しつつ図12及び図13の左右方向に移動する。支持部材14に対向するスライダ13の他端部には傾斜面13aが設けられている。
一方、筐体3の底面3b上でガイドレール33の延長線上には断面コ字形状で互いに対向する一対のガイド部材34が図13及び図14の上下方向に起立して設けられている。そしてガイド部材34のガイドレール34a内には支持部材14の一端部に設けられた断面T字形状の嵌合部14aがガイドレール34aに沿って昇降可能に嵌合されている。支持部材14の他端部にはスライダ13の傾斜面13aに対応した傾斜面14bが設けられている。傾斜面14bの上方には原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する弾性体14d(弾性部)が設けられている。
支持部材14の一端部に設けられた嵌合部14aよりも更に先端部にはバネ支持部14cが設けられている。一方、筐体3の底面3b上には断面Z字形状の加圧金具16の下片16bがビス17により固定されており、加圧金具16の上片16aと、支持部材14のバネ支持部14cとの間にコイル状の加圧バネ18が係止されている。加圧バネ18の弾性力により支持部材14は図14の下方向に常時付勢されている。
図13(a)及び図14(a)は、画像読取装置2を移送する際の各部品の位置関係を表す。支持部材14が上昇して原稿台ガラス6を支持する支持位置に設定されて該原稿台ガラス6は支持部材14の弾性体14dにより下面6aが支持される。ホームポジション位置にあるイメージセンサ部7は支持部材14の嵌合部14aの側面14a1が該イメージセンサ部7の側面7cに対面して拘束された状態にある。
図13(b)及び図14(b)は、画像読取装置2の読み取り動作時の各部品の位置関係を表し、支持部材14が下降して原稿台ガラス6から退避した退避位置に設定されて該原稿台ガラス6とイメージセンサ部7は支持及び拘束が解除された状態にある。
図13(b)に示すように、支持部材14が下降して原稿台ガラス6から退避した退避位置にある状態では、スライダ13の傾斜面13aに支持部材14の傾斜面14bが摺動可能に当接している。そして、スライダ13に連結された摘み部35を筐体3の側面3cの外部から長穴36に沿って図13の左方向にスライドすることで該摘み部35と一体的にスライダ13がガイドレール33に係合しつつ図13の左方向に移動する。
すると、支持部材14の傾斜面14bがスライダ13の傾斜面13aに当接摺動しつつ支持部材14は加圧バネ18の付勢力に抗してガイド部材34に沿って上昇する。そして、図13(a)に示すように、支持部材14の下面14eがスライダ13の上面13c上に載置され、支持部材14は原稿台ガラス6の下面6aの中央部を支持する支持位置に設定される。このとき、支持部材14とスライダ13をまとめて原稿台ガラス6を支持可能な支持部材としてみることができ、このとき、スライダ13の下面13dは支持部材14とスライダ13とからなる支持部材が筐体3に当接して支持される当接面として機能する。
支持部材14は原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離を持って移動可能に構成される。そして、図13(a)に示すように、支持部材14が上昇して原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持位置に設定される。
このように支持部材14がガイドレール34aに沿って上昇する時、弾性体14dは原稿台ガラス6の下面6aに、下面6aの法線方向で当接する。このため、第1実施形態のように弾性体10aが下面6aと略平行な方向で移動しながら当接するよりも、弾性体14dをスムーズに原稿台ガラス6の下面6aに当接させることができ、使用者の負荷を低減することができる。
すると、図12、図13及び図14の左端部に位置しているイメージセンサ部7の側面7cにガイド部材34の上端部から突出した支持部材14の一端部に設けられた嵌合部14aの側面14a1を対面させてイメージセンサ部7を拘束する。図12、図13及び図14の左端部はイメージセンサ部7のホームポジション位置となる。
支持部材14の一端部に設けられた嵌合部14aが支持部材14の移動に連動してイメージセンサ部7をホームポジション位置に拘束する拘束手段を兼ねる。
スライダ13に連結された摘み部35を筐体3の側面3cの外部から長穴36に沿って図13の右方向にスライドすると、該摘み部35と一体的にスライダ13がガイドレール33に係合しつつ図13の右方向に移動する。すると、図14(a)に示す状態からスライダ13の上面13cが支持部材14の下面14eに摺動しつつ図14の右方向に移動する。
そして、スライダ13の傾斜面13aと支持部材14の傾斜面14bとが当接摺動し、支持部材14の傾斜面14bがスライダ13の傾斜面13aに当接摺動しつつ支持部材14は自重と加圧バネ18の付勢力によってガイド部材34に沿って下降する。そして、図14(b)に示すように、支持部材14の一端部側に設けられた段部14fの下面14f1が筐体3の底面3b上に当接して原稿台ガラス6から退避した退避位置に設定される。
支持部材14が下降して図13(b)及び図14(b)に示す原稿台ガラス6から退避した退避位置にある場合には、イメージセンサ部7の最下端部となる下面7aが移動する軌跡30よりも下方の位置まで支持部材14が退避する。これによりイメージセンサ部7の移動動作に支障が無いようになっている。原稿台ガラス6を支持する支持部材14はイメージセンサ部7の移動軌跡外である軌跡30よりも下方の退避位置へ移動可能であるので、読み取り動作時に妨げになることがない。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
また、本実施形態のように弾性体14dが原稿台ガラス6の下面6aに、該下面6aの法線方向(図14の上下方向)で当接する。これにより、前記第1実施形態と比べて弾性体14dをスムーズに原稿台ガラス6の下面6aに当接させることができ、使用者の負荷を低減することができる。
[第5実施形態]
次に図15〜図18を用いて本発明に係る画像読取装置の第5実施形態の構成について説明する。前記第4実施形態では支持部材14の弾性体14dが原稿台ガラス6の下面6aの略中央部の位置に配置される構成とした。本実施形態では、支持部材14の弾性体14dが原稿台ガラス6の下面6aのイメージセンサ部7のホームポジション位置の近傍で且つ摘み部35が設けられる側面3cの近傍に配置される構成としたものである。
筐体3の底面3bで側面3cの近傍にはイメージセンサ部7の移動方向(図16の左右方向)に沿ってガイドレール33が設けられており、該ガイドレール33に係合しつつ図16の左右方向に移動可能な長尺状のスライダ13が設けられている。
スライダ13は平面がL字形状で構成され、その一端部に設けられた角柱状の突出部13bが筐体3の側面3cに図17の左右方向に沿って形成された長穴36を貫通して外部に突出しており、その突出部13bにスライド操作用の摘み部35が設けられている。そして、摘み部35を長穴36に沿って図17の左右方向にスライドすることで該摘み部35と一体的にスライダ13がガイドレール33に係合しつつ図16及び図17の左右方向に移動する。支持部材14に対向するスライダ13の他端部には傾斜面13aが設けられている。
一方、筐体3の底面3b上でガイドレール33の延長線上には断面C字形状のガイド部材34が起立して設けられている。そしてガイド部材34のガイドレール34a内には支持部材14の一端部に設けられた断面T字形状の嵌合部14aがガイドレール34aに沿って昇降可能に嵌合されている。支持部材14の他端部にはスライダ13の傾斜面13aに対応した傾斜面14bが設けられている。傾斜面14bの上方には原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する弾性体14dが設けられている。
支持部材14の一端部に設けられた嵌合部14aよりも更に先端部にはバネ支持部14cが設けられている。一方、筐体3の底面3b上には断面Z字形状の加圧金具16の下片16bがビス17により固定されており、加圧金具16の上片16aと、支持部材14のバネ支持部14cとの間にコイル状の加圧バネ18が係止されている。加圧バネ18の弾性力により支持部材14は常時、図17(b)の下方向に付勢されている。
図17(a)及び図18は、画像読取装置2を移送する際の各部品の位置関係を表す。支持部材14が上昇して原稿台ガラス6を支持する支持位置に設定されて該原稿台ガラス6は支持部材14の弾性体14dにより下面6aが支持される。ホームポジション位置にあるイメージセンサ部7は支持部材14の嵌合部14aの側面14a1が該イメージセンサ部7の側面7cに対面して拘束された状態にある。
図17(b)は、画像読取装置2の読み取り動作時の各部品の位置関係を表し、支持部材14が下降して原稿台ガラス6から退避した退避位置に設定されて該原稿台ガラス6とイメージセンサ部7は支持及び拘束が解除された状態にある。
図17(b)に示すように、支持部材14が下降して原稿台ガラス6から退避した退避位置にある状態では、スライダ13の傾斜面13aに支持部材14の傾斜面14bが摺動可能に当接している。そして、スライダ13に連結された摘み部35を筐体3の側面3cの外部から長穴36に沿って図17の左方向にスライドすることで該摘み部35と一体的にスライダ13がガイドレール33に係合しつつ図17の左方向に移動する。
すると、支持部材14の傾斜面14bがスライダ13の傾斜面13aに当接摺動しつつ支持部材14は加圧バネ18の付勢力に抗してガイド部材34に沿って上昇する。そして、図17(a)及び図18に示すように、支持部材14の下面14eがスライダ13の上面13c上に載置され、原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持位置に設定される。
支持部材14は原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離を持って移動可能に構成される。そして、図17(a)及び図18に示すように、支持部材14が上昇して原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持位置に設定される。
すると、図17及び図18の左端部に位置しているイメージセンサ部7の側面7cにガイド部材34の上端部から突出した支持部材14の一端部に設けられた嵌合部14aの側面14a1を対面させてイメージセンサ部7を拘束する。図17及び図18の左端部はイメージセンサ部7のホームポジション位置となる。
支持部材14の一端部に設けられた嵌合部14aが支持部材14の移動に連動してイメージセンサ部7をホームポジション位置に拘束する拘束手段を兼ねる。
スライダ13に連結された摘み部35を筐体3の側面3cの外部から長穴36に沿って図17(b)の右方向にスライドすると、該摘み部35と一体的にスライダ13がガイドレール33に係合しつつ図17(b)の右方向に移動する。
すると、図18に示す状態からスライダ13の上面13cが支持部材14の下面14eに摺動しつつ図17(b)の右方向に移動してスライダ13の傾斜面13aと支持部材14の傾斜面14bとが当接摺動する。そして、支持部材14の傾斜面14bがスライダ13の傾斜面13aに当接摺動しつつ支持部材14は自重と加圧バネ18の付勢力によってガイド部材34に沿って下降する。そして、図17(b)に示すように、支持部材14の一端部側に設けられた段部14fの下面14f1が筐体3の底面3b上に当接して原稿台ガラス6から退避した退避位置に設定される。
支持部材14が下降して図17(b)に示す原稿台ガラス6から退避した退避位置にある場合には、イメージセンサ部7の最下端部となる下面7aが移動する軌跡30よりも下方の位置まで支持部材14が退避する。これによりイメージセンサ部7の移動動作に支障が無いようになっている。原稿台ガラス6を支持する支持部材14はイメージセンサ部7の移動軌跡外である軌跡30よりも下方の退避位置へ移動可能であるので、読み取り動作時に妨げになることがない。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
また、本実施形態のように弾性体14dが原稿台ガラス6の下面6aに、該下面6aの法線方向(図17の上下方向)で当接する。これにより、前記第4実施形態と同様に、前記第1実施形態と比べて弾性体14dをスムーズに原稿台ガラス6の下面6aに当接させることができ、使用者の負荷を低減することができる。
[第6実施形態]
次に図19〜図25を用いて本発明に係る画像読取装置の第6実施形態の構成について説明する。前記各実施形態では筐体3の側面3a,3cの外側に支持部材9,14を操作するための摘み部91,35を設けた構成とした。
本実施形態では、画像読取装置2(装置本体)が梱包材28(保護部材)をセットされた状態で輸送される。そして、ユーザが開梱作業時に画像読取装置2から梱包材28を着脱する操作に連動して原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aを支持手段となる支持部材24により支持する。
支持部材24は原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持位置と、該原稿台ガラス6の下面6aから退避した退避位置とに移動可能に設けられたものである。
更には、梱包材28の着脱操作に連動して拘束手段となる拘束部材23がイメージセンサ部7をホームポジション位置に拘束する拘束位置と、該イメージセンサ部7の拘束を解除した解除位置とに移動可能に設けられたものである。
本実施形態では、拘束部材23と支持部材24とが別体で構成される。拘束部材23がイメージセンサ部7のホームポジション位置の近傍で且つイメージセンサ部7の長尺方向の略中央部に配置される。そして、支持部材24の弾性体25(弾性部)が原稿台ガラス6の下面6aの略中央部の位置に配置された一例である。
筐体3の底面3bの図20に示す左端部のホームポジション位置近傍と、底面3bの中央部には、図20及び図21に示すように、ガイド部材45,46が図22及び図23の上下方向にそれぞれ起立して設けられている。ガイド部材45,46は筐体3の底面3bを貫通して該筐体3の内外を連通させたガイドレール47,48をそれぞれ形成する断面コ字形状で互いに対向する一対のレール部材からなる。
拘束部材23を昇降可能にガイドするガイド部材45はイメージセンサ部7のホームポジション位置の近傍で且つイメージセンサ部7の長尺方向の略中央部に配置される。そして、支持部材24を昇降可能にガイドするガイド部材46は原稿台ガラス6の下面6aの略中央部の位置に配置される。
ガイドレール47,48内には該ガイドレール47,48にそれぞれ係合しつつ該ガイドレール47,48に沿って図22及び図23の上下方向に移動可能な断面T字形状の拘束部材23がガイドレール47に沿って昇降可能に嵌合されている。同じく断面T字形状の支持部材24がガイドレール48に沿って昇降可能に嵌合されている。
本実施形態では拘束部材23を昇降可能に保持するガイド部材45はイメージセンサ部7のホームポジション位置となる図22及び図23の左端部側に設けられている。また、支持部材24を昇降可能に保持するガイド部材46は原稿台ガラス6の下面6aの略中央部の位置に設けられている。支持部材24の上部には原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する弾性体25が設けられている。
拘束部材23及び支持部材24のそれぞれの上下方向の中間部にはガイド部材45,46から突出したバネ支持部23a,24aが設けられている。
一方、筐体3の底面3b上には断面Z字形状の各加圧金具16の下片16bがビス17によりそれぞれ固定されている。そして、各加圧金具16の上片16aと、拘束部材23及び支持部材24のそれぞれのバネ支持部23a,24aとの間にコイル状の加圧バネ18がそれぞれ係止されている。
加圧バネ18の弾性力により拘束部材23及び支持部材24は図22及び図23の下方向に常時付勢されている。
筐体3の底面3bから外部に突出したガイド部材45,46の下端部には支軸49を中心に回動可能に設けられた断面がL字形状のロックアーム26がそれぞれ設けられている。ロックアーム26の側面には支軸49に嵌装された捩じりコイルバネ27が設けられており、該捩じりコイルバネ27の一端部がロックアーム26の側面に設けられた係止部26aに係止されている。また、捩じりコイルバネ27の他端部はガイド部材45,46の一方の内壁面に当接されている。
捩じりコイルバネ27の弾性力によりロックアーム26は支軸49を中心に図23の時計回り方向に常時付勢されている。そのため、ガイド部材45,46の内壁面の一部に設けた開口部12から、梱包材28を装着した状態では、図23(a)及び図24(a)に示すように、梱包材28の突出部28aの壁面にロックアーム26の長片が当接されて静止状態で保持される。
ここで、イメージセンサ部7の拘束状態と原稿台ガラス6の保持を解除する手順を説明する。梱包材28を取り外すと、図23(b)に示すように、ねじりコイルバネ27の付勢力は、加圧バネ18の付勢力によりロックアーム26の上端部26bの天面と、拘束部材23の下端部23bとの間に生じる摩擦抵抗に対して十分強く設定されている。このため、ガイド部材45の他方の内壁面にロックアーム26の長片が突き当たるまで回動する。
同様に、ねじりコイルバネ27の付勢力は、加圧バネ18の付勢力によりロックアーム26の上端部26bの天面と、支持部材24の下端部24bとの間に生じる摩擦抵抗に対して十分強く設定されている。このため、ガイド部材46の他方の内壁面にロックアーム26の長片が突き当たるまで回動する。
以上により、拘束部材23及び支持部材24のロックが解除され、各々は、ガイド部材45,46に沿って下降する。上記一連の動作により、イメージセンサ部7の拘束状態と原稿台ガラス6の保持が解除される。
次に、イメージセンサ部7の拘束状態と原稿台ガラス6の保持を行う手順を説明する。図24(a),(b)は、図22(a),(b)の部分拡大斜視図である。図24中手前の壁は一点鎖線で示し、中の構造が見えるように図示した。同図において、ロックアーム26の長片が当接するガイド部材45,46の内壁面の一部に、開口部12が形成されている。
ガイド部材45の開口部12から不図示の指を挿入し、加圧バネ18の付勢力に抗して拘束部材23をガイド部材45に沿って上昇させる。そして、捩じりコイルバネ27の付勢力に抗して該ロックアーム26を、支軸49を中心に図23(a)の反時計回り方向に回動させる。そして、ロックアーム26の上端部26bの天面と、拘束部材23の下端部23bとが突き当たる位置で指で仮保持する。次に梱包材28を指と入れ替えて開口部12から挿入し、突出部28aの壁面でロックアーム26をねじりコイルバネ27の付勢力に抗して支持する。
次に、ガイド部材46の開口部12から不図示の指を挿入し、加圧バネ18の付勢力に抗して支持部材24をガイド部材46に沿って上昇させる。そして、捩じりコイルバネ27の付勢力に抗して該ロックアーム26を、支軸49を中心に図23(a)の反時計回り方向に回動させる。そして、ロックアーム26の上端部26bの天面と、支持部材24の下端部24bとが突き当たる位置で指で仮保持する。
次に梱包材28を指と入れ替えて開口部12から挿入し、突出部28aの壁面でロックアーム26をねじりコイルバネ27の付勢力に抗して支持する。この状態で、ロックアーム26は筐体3の一部として見ることができ、支持部材24の下端部24bは支持部材24の筐体3に支持される当接面として機能する。
尚、イメージセンサ部7の拘束状態と原稿台ガラス6の保持を行う際には、予め、イメージセンサ部7のホームポジション位置に移動してから行うことを前提としている。
このように、開梱の時に梱包材28を取り外すだけでイメージセンサ部7と原稿台ガラス6の保持状態が解除出来るためユーザにとって簡便である上、再度梱包可能な構成となっている。
また、拘束部材23及び支持部材24がそれぞれ下降して図23(b)に示すようにイメージセンサ部7及び原稿台ガラス6から退避した退避位置にある。その場合には、イメージセンサ部7の最下端部となる下面7aが移動する軌跡30よりも下方の位置まで拘束部材23及び支持部材24が退避する。これによりイメージセンサ部7の移動動作に支障が無いようになっている。
これによりイメージセンサ部7をホームポジション位置で拘束する拘束部材23と、原稿台ガラス6を支持する支持部材24はイメージセンサ部7の移動軌跡外である軌跡30よりも下方の退避位置へ移動可能であるので、読み取り動作時に妨げになることがない。
尚、本実施形態では、梱包材28がロックアーム26を規制して間接的にイメージセンサ部7を拘束する拘束部材23と、原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持部材24との昇降操作を行う構成を示した。他にロックアーム26を省略して梱包材28の一部が直接、イメージセンサ部7を拘束する拘束部材23と、原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持部材24とに当接してそれぞれの昇降操作を行う構成としても良い。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
また、本実施形態によれば、開梱の時に梱包材28を取り外すだけで原稿台ガラス6の保持状態やイメージセンサ部7の拘束状態を解除出来るため、ユーザが梱包材28を取り外すのと別に解除動作を行わずに済むのでユーザビリティが良好となる。
[第7実施形態]
次に図26〜図30を用いて本発明に係る画像読取装置の第7実施形態の構成について説明する。前記第6実施形態では拘束部材23がイメージセンサ部7のホームポジション位置の近傍で且つイメージセンサ部7の長尺方向の略中央部に配置され、支持部材24の弾性体25が原稿台ガラス6の下面6aの略中央部の位置に配置される構成とした。
本実施形態では、図27及び図28に示すように、拘束部材23がイメージセンサ部7のホームポジション位置の近傍で且つ筐体3の側面3cの近傍に配置される。そして、支持部材24の弾性体25が原稿台ガラス6の下面6aの筐体3の側面3cの近傍で且つ拘束部材23に近接して配置される構成としたものである。
筐体3の底面3bで側面3cの近傍にはガイド部材45,46が図29及び図30の上下方向にそれぞれ起立して設けられている。ガイド部材45,46は筐体3の底面3bを貫通して該筐体3の内外を連通させたガイドレール47,48をそれぞれ形成する断面コ字形状で互いに対向する一対のレール部材からなる。
拘束部材23を昇降可能にガイドするガイド部材45はイメージセンサ部7のホームポジション位置の近傍で且つ筐体3の側面3c近傍に配置される。そして、支持部材24を昇降可能にガイドするガイド部材46は原稿台ガラス6の下面6aの筐体3の側面3c近傍でガイド部材45に隣接した位置に配置される。
本実施形態においても画像読取装置2が梱包材28により梱包されて輸送された後、ユーザが開梱作業時に画像読取装置2を梱包する梱包材28の着脱操作に連動して原稿台ガラス6の下面6aを支持手段となる支持部材24が支持する。支持部材24は原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aを支持する。そして支持部材24は原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持位置と、該原稿台ガラス6の下面6aから退避した退避位置とに移動可能に設けられる。
更には、梱包材28の着脱操作に連動して拘束手段となる拘束部材23がイメージセンサ部7をホームポジション位置に拘束する拘束位置と、該イメージセンサ部7の拘束を解除した解除位置とに移動可能に設けられたものである。また、拘束部材23と支持部材24とは別体で構成された一例である。
梱包材28の突出部28aはそれぞれのロックアーム26に対応する位置に設けられており、画像読取装置2の底部に梱包材28を取り付けた際に該梱包材28の突出部28aがそれぞれの開口部12から進入してロックアーム26に当接する。他の構成は前記第6実施形態と同様に構成され、開梱の時に梱包材28を取り外すだけで原稿台ガラス6の保持状態やイメージセンサ部7の拘束状態を解除出来るため、ユーザが梱包材28を取り外すのと別に解除動作を行わずに済むのでユーザビリティが良好となる。
[第8実施形態]
次に図31及び図32を用いて本発明に係る画像読取装置の第8実施形態の構成について説明する。本実施形態では、原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する支持手段となる支持部材41がイメージセンサ部7の移動に連動して移動する構成としたものである。支持部材41は原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離を持って移動可能に設けられている。尚、前記各実施形態と同様に構成されたものは同一の符号を付して説明を省略する。
イメージセンサ部7は図31及び図32に示す原稿台ガラス6の左端部位置から、原稿台ガラス6上に載置された原稿の大きさに応じた読取動作位置までを、図31(b)の矢印e方向に移動可能に構成されている。
イメージセンサ部7は図示しないモータ等の駆動手段によって移動する。図31及び図32に示す原稿台ガラス6の左端部位置はイメージセンサ部7のホームポジション位置となる。
本実施形態の支持部材41は、筐体3の底面3bと、原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離に対応した高さを有する円柱状或いは円筒状で構成されている。そして、その上部に原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する弾性体41a(弾性部)が設けられている。支持部材41はイメージセンサ部7と一体的に固定されており、該イメージセンサ部7の移動に連動して移動する。
図32(b)に示すように、イメージセンサ部7の上面7bと、原稿台ガラス6の下面6aとは離間距離aで対向している。これに対して、支持部材41の弾性体41aの上面41a1と、原稿台ガラス6の下面6aとは前記離間距離aよりも小さな離間距離bを持って原稿台ガラス6と対向している。
画像読取装置2の移送時は、図31に示すように、イメージセンサ部7が原稿台ガラス6の略中央部位置に移動した状態で固定され、該イメージセンサ部7に一体的に固定された支持部材41が原稿台ガラス6の下面6aを該原稿台ガラス6の略中央部で支持する。
図32(a)に示す断面図中の円弧の破線は、原稿台ガラス6が破損しない限界形状の概略であり、図中dにてそのときの最大撓み量を示した。原稿台ガラス6が破損しない限界形状の最大撓み量dよりも支持部材41の弾性体41aの上面41a1と、原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離bを小さくすれば、原稿台ガラス6は破損前に支持部材41で支えられることになる。
よって、図31及び図32(a)に示すように、イメージセンサ部7が原稿台ガラス6の略中央部位置に移動した状態で固定される。そして、該イメージセンサ部7に一体的に固定された支持部材41が原稿台ガラス6の下面6aを該原稿台ガラス6の略中央部で支持し得る状態で画像読取装置2の移送を行う。そうすれば、原稿台ガラス6を筐体3の内部側から支えた状態となり、移送時の振動や衝撃に対して原稿台ガラス6の内側への撓みが無くなり保持状態が良好である。
本実施形態では、支持部材41がイメージセンサ部7に一体的に固定された。これにより原稿台ガラス6が筐体3の内部側に撓んでもイメージセンサ部7の上面7bと原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離aが、支持部材41の弾性体41aの上面41a1と原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離bよりも大きい。そうすれば、原稿台ガラス6の下面6aがイメージセンサ部7に接触する前に該原稿台ガラス6の下面6aが支持部材41の弾性体41aの上面41a1に当接して支持される。よって、原稿台ガラス6が筐体3の内部側に撓んでも、原稿台ガラス6がイメージセンサ部7に接触することはない。
また、イメージセンサ部7の上面7bと原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離aと、支持部材41の弾性体41aの上面41a1と原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離bとの関係が{a>b>0}となるように設定する。これによりイメージセンサ部7が読み取り動作で図31(b)の矢印e方向に移動する際に、原稿台ガラス6の下面6aと、支持部材41の弾性体41aの上面41a1とが擦れて傷つくことがない。
支持部材41の下面41bは、該支持部材41の筐体3に支持される当接面として機能する。また、支持部材41の下面41bは、筐体3の底面3bに対して、距離0mmで接する場合だけでなく、所定の離間距離cを持って移動可能としても良い。このとき、イメージセンサ部7の上面7bと前記離間距離a、離間距離b、支持部材41の下面41bと筐体3の底面3bとの離間距離c、の関係は{a>b+c>0}とすることが条件となる。
その条件下で、原稿台ガラス6が筐体3の内部側に撓んで支持部材41により原稿台ガラス6の下面6aを支持した状態では、原稿台ガラス6の下面6aが支持部材41の弾性体41aの上面41a1に当接する。更に、イメージセンサ部7が撓むことで該支持部材41が下降して該支持部材41の下面41bが筐体3の底面3bに当接する。また、支持部材41の位置における原稿台ガラス6の最大撓み量dとの関係は、b+c<dであれば、原稿台ガラス6の破損を防ぐことができる。尚、本実施形態で説明したケースは、離間距離c=0の場合であるが、離間距離c>0であっても良い。
原稿台ガラス6が筐体3の内部側に撓んで原稿台ガラス6の下面6aが支持部材41の上部に設けられた弾性体41aに当接する。これにより原稿台ガラス6の下面6aが支持部材41と接触する際の衝撃を弾性体41aの弾性により吸収出来るので、原稿台ガラス6の保護に関して、より効果的である。
以上示したように、画像読取装置2が移送時に衝撃を受けたときや画像読取動作時に原稿台ガラス6が外力を受けて筐体3の内部側に撓んだときに支持部材41により原稿台ガラス6の下面6aを支持する。つまり、原稿台ガラス6を撓ませる力は支持部材41を介して筐体3の底面3bに伝わる構成となっている。これにより該原稿台ガラス6とイメージセンサ部7とを保護することが出来る。
尚、支持部材41の数量や原稿台ガラス6の下面6aに当接する当接面積は、原稿台ガラス6の面積や厚みに応じて適宜設定することが出来る。
画像読取装置2の移送時(画像読取装置2の非読取動作時)には、図31及び図32(a)に示すように、イメージセンサ部7は、原稿台ガラス6の略中央部近傍位置に移動させてある。
これにより、例えば、ユーザが画像読取装置2或いは画像形成装置1の電源をONするタイミングで自動的にイメージセンサ部7が図31及び図32に示す原稿台ガラス6の左端部位置に戻るシーケンスを施す。イメージセンサ部7は図示しないモータ等の駆動手段によって移動する。図31及び図32に示す原稿台ガラス6の左端部位置はイメージセンサ部7のホームポジション位置となる。これによりユーザの利便性を増すことが出来る。
このように、本実施形態では、イメージセンサ部7と連動して移動するよう支持部材41を設け、この支持部材41によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とした。これによりイメージセンサ部7を動作(移動)させるために、支持部材41を別途移動させる必要がなく、原稿台ガラス6の支持構成を簡易でシンプルなものとすることができる。また、支持部材41によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とすることで、原稿台ガラス6を撓ませる力がイメージセンサ部7へ伝達される割合を低減させることができる。
[第9実施形態]
次に図33及び図34を用いて本発明に係る画像読取装置の第9実施形態の構成について説明する。前記第8実施形態では、原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する支持手段となる支持部材41をイメージセンサ部7に一体的に設けて構成したものである。
本実施形態では、支持部材41が、イメージセンサ部7とは別体で、原稿台ガラス6の下面6aの法線方向(図34の上下方向)に関して独立して移動可能に設けた。そして、原稿台ガラス6の下面6aに平行な方向に関しては該イメージセンサ部7の移動に追従して該支持部材41が移動するように構成されたものである。尚、前記各実施形態と同様に構成されたものは同一の符号を付して説明を省略する。
支持部材41は筐体3の底面3bの角隅部に設けられた回動軸43を中心に回動可能に設けられたアーム42の先端部に固定されている。回動軸43には捩じりコイルバネ44が嵌装されており、該捩じりコイルバネ44の一端が筐体3の側面3aの内壁面に当接され、他端がアーム42に係止されている。
アーム42は捩じりコイルバネ44の弾性力により回動軸43を中心に図33(b)の時計回り方向に常時付勢されている。そして、支持部材41がイメージセンサ部7の図33(b)の左側の側面7dに当接した状態で該イメージセンサ部7の移動に追従して原稿台ガラス6の下面6aに平行な方向に移動する。支持部材41が原稿台ガラス6の略中央部近傍位置まで移動すると、捩じりコイルバネ44はバネ全開で弾性力が作用しなくなる図33(b)に示す自然状態に遷移し、支持部材41はそれ以上は移動しないで静止する。
イメージセンサ部7が図33(b)に示す位置から図33(b)に示す左方向に移動する。すると、該イメージセンサ部7の図33(b)の左側の側面7dが支持部材41に当接する。そして、捩じりコイルバネ44の付勢力に抗してアーム42を回動軸43を中心に図33(b)の反時計回り方向に回動させる。支持部材41は該イメージセンサ部7の図33(b)の左側の側面7dに当接摺動しながらアーム42を半径とした円弧状に移動する。そして、イメージセンサ部7がホームポジション位置となる図33(b)に示す原稿台ガラス6の左端部位置に戻る。すると、支持部材41は該イメージセンサ部7の移動に追従して筐体3の側面3aの近傍位置まで戻る。
図33(b)に示すように、イメージセンサ部7が原稿台ガラス6の略中央部位置に移動した状態で固定される。そして、該イメージセンサ部7に追従する支持部材41が原稿台ガラス6の下面6aを該原稿台ガラス6の略中央部で支持し得る状態で画像読取装置2の移送を行う。そうすれば、原稿台ガラス6を筐体3の内部側から支えた状態となる。これにより移送時の振動や衝撃に対して原稿台ガラス6の内側への撓みを低減した状態となり、保持状態が良好である。
つまり、原稿台ガラス6を撓ませる力は支持部材41を介して筐体3の底面3bに伝わる構成となっている。また、このとき、支持部材41は原稿台ガラス6の下面6aの法線方向(図34の上下方向)に関してイメージセンサ部7とは独立して動けるようになっている。ここれにより原稿台ガラス6とイメージセンサ部7とを保護することが出来る。
尚、本実施形態では捩じりコイルバネ44によりアーム42に常時付勢力を与える構成としたが、コイルバネ等の他の弾性体で置き換えることでも良いし、それら弾性体の配置場所を他の位置に変更しても良い。
また、アーム42や支持部材41は、原稿台ガラス6の面積や厚みに応じて、数量を適宜増やしても良い。また、アーム42や支持部材41の移動方法についても本実施形態に限定されるものではなく、他の種々の移動方法を用いることが出来る。他の構成は前記第8実施形態と同様に構成され、イメージセンサ部7と連動して移動するよう支持部材41を設け、この支持部材41によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とした。これによりイメージセンサ部7を動作(移動)させるために、支持部材41を別途移動させる必要がなく、原稿台ガラス6の支持構成を簡易でシンプルなものとすることができる。
また、原稿台ガラス6の下面6aの法線方向(図34の上下方向)に関してイメージセンサ部7とは独立して動ける支持部材41によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とする。これにより、原稿台ガラス6を撓ませる力がイメージセンサ部7へ伝達されることを前記第9実施形態に比べてより低減することができる。
[第10実施形態]
次に図35及び図36を用いて本発明に係る画像読取装置の第10実施形態の構成について説明する。本実施形態では、原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する支持手段となる板状の支持部材52を有する。
そして、支持部材52は筐体3の底面3bと原稿台ガラス6の下面6aとの間で折り畳み自在(屈曲自在)に構成される信号線束51(屈曲部)の長尺方向の略中央部に設けられている。信号線束51はイメージセンサ部7と画像読取装置2の図示しないコントロール部とを接続して入出力信号を伝送する。イメージセンサ部7の移動に連動して伸縮する信号線束51と共に支持部材52が移動する。
図35及び図36において、51はイメージセンサ部7の入出力信号を伝送する信号束線である。52は原稿台ガラス6の下面6aを支持するための板状の支持部材である。支持部材52の上部には弾性体52a(弾性部)が設けられている。信号線束51は蛇腹状に折りたたみ(屈曲)自在であり、折りたたむ方向の中央近傍にて支持部材52と接続されている。信号線束51は一端がイメージセンサ部7に接続され、他端が筐体3内に設けられる図示しないコントロール部に接続されている。
図36(b)に示すように、イメージセンサ部7の上面7bと原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離aと、支持部材52の弾性体52aの上面52a1と原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離bとの関係は、a>bである。
イメージセンサ部7の移動に伴って伸縮する信号線束51と共に支持部材52は筐体3の底面3bと原稿台ガラス6の下面6aとの間を起立したままの状態で浮遊して移動する。支持部材52は原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離bを持って移動可能に設けられている。
原稿台ガラス6が図36(b)の矢印F方向の力を受けたときにのみ原稿台ガラス6の下面6aが支持部材52の弾性体52aに当接して該支持部材52が下降する。そして、該支持部材52の下面52bが筐体3の底面3bに当接して原稿台ガラス6の下面6aが支持部材52により支持される。
そのため、原稿台ガラス6は図36(b)の矢印F方向の力が加わったときに筐体3の底面3bに当接した支持部材52により支持され、且つ、イメージセンサ部7と原稿台ガラス6とが接触することはない。つまり、原稿台ガラス6を撓ませる力は支持部材52を介して筐体3の底面3bに伝わる構成となっている。また、このとき、支持部材52は原稿台ガラス6の下面6aの法線方向(図36(b)の上下方向)に関してイメージセンサ部7とは独立して動けるようになっている。ここれにより原稿台ガラス6とイメージセンサ部7とを保護することが出来る。
本実施形態では、信号線束51に対して板状の支持部材52を1個だけ接続した例を示したが、複数以上配置しても良い。他の構成は、前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
また、イメージセンサ部7と連動して移動するよう支持部材52を設け、この支持部材52によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とした。これによりイメージセンサ部7を動作(移動)させるために、支持部材52を別途移動させる必要がなく、原稿台ガラス6の支持構成を簡易でシンプルなものとすることができる。
また、原稿台ガラス6の下面6aの法線方向(図36(b)の上下方向)に関してイメージセンサ部7とは独立して動ける支持部材52によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とする。これにより、原稿台ガラス6を撓ませる力がイメージセンサ部7へ伝達されることを前記第9実施形態に比べてより低減することができる。
[第11実施形態]
次に図37を用いて本発明に係る画像読取装置の第11実施形態の構成について説明する。本実施形態でもイメージセンサ部7の移動に連動して原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持する支持手段となる支持部材61が移動する。また、支持部材61は原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離を持って移動可能に設けられる。
支持部材61は複数の板状部材(屈曲部)を蛇腹状に繋げ合わせて筐体3の底面3bと、原稿台ガラス6の下面6aとの間で折り畳み自在(屈曲自在)に構成されている。そして、複数の板状部材のそれぞれが、原稿台ガラス6に対して鉛直方向に起立した状態で配置されている。支持部材61の一端部はイメージセンサ部7に連結されており、他端部は筐体3の図37(b)の右側の側面3dの内壁面に連結されている。イメージセンサ部7が移動することにより支持部材61が伸縮する。支持部材61は筐体3の底面3bと原稿台ガラス6の下面6aとの間を起立したままの状態で浮遊して移動する。支持部材61は原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離を持って移動可能に設けられている。
本実施形態では、画像読取装置2が移送時に衝撃を受けたときや画像読取動作時に原稿台ガラス6が外力を受けて筐体3の内部側に撓んだときがある。そのときに原稿台ガラス6の下面6aが支持部材61の上部に設けられた弾性体61a(弾性部)に当接して該支持部材52が下降する。
そして、該支持部材52の下面52bが筐体3の底面3bに当接して原稿台ガラス6の下面6aが支持部材61により支持される。
そのため、原稿台ガラス6は外力を受けて筐体3の内部側に撓んだときに筐体3の底面3bに当接した支持部材61により支持され、且つ、イメージセンサ部7と原稿台ガラス6とが接触することはない。本実施形態の支持部材61は構造的に座屈し難い。よって、折り畳み自在に構成される支持部材61をイメージセンサ部7に接続された信号線束が兼ねる構成とすることも出来る。
信号線束からなる支持部材61は一端がイメージセンサ部7に接続され、他端が筐体3内に設けられる図示しないコントロール部に接続される。支持部材61を構成する信号線束はイメージセンサ部7と画像読取装置2の図示しないコントロール部とを接続して入出力信号を伝送する。
尚、原稿台ガラス6の下面6aを支持する支持部材61は、イメージセンサ部7に追従して折り畳み自在に伸縮する構成であれば良く、扇形等の他、いかなる伸縮軌跡を描く配置としても良い。
このように、本実施形態では、イメージセンサ部7と連動して移動するよう支持部材61を設け、この支持部材61によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とした。これによりイメージセンサ部7を動作(移動)させるために、支持部材61を別途移動させる必要がなく、原稿台ガラス6の支持構成を簡易でシンプルなものとすることができる。また、支持部材61によって、原稿台ガラス6を撓ませる力を受けて直接、筐体3に力を伝達する構成とすることで、原稿台ガラス6を撓ませる力がイメージセンサ部7へ伝達される割合を低減させることができる。
[第12実施形態]
次に図38及び図39を用いて本発明に係る画像読取装置の第12実施形態の構成について説明する。本実施形態では、原稿台ガラス6の筐体3により支持される部位以外で該原稿台ガラス6の下面6aに当接して該原稿台ガラス6を支持可能な支持手段となる回転移動可能な回転体としてのローラ71a,71bを有する。
そして、ローラ71a,71bが筐体3の底面3b上を転動しながらイメージセンサ部7の移動に連動して移動する。ローラ71a,71bは原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離bを持ってイメージセンサ部7の移動方向へ回転移動自在な回転体で構成され、該ローラ71a,71bの少なくとも表層が弾性体で構成される。
ローラ71a,71bは、原稿台ガラス6の下面6aとの間に所定の離間距離bを保ち、且つ、イメージセンサ部7のとの離間距離も一定に保ったまま図示しないモータ等の駆動源によって図39(a)の矢印e方向へ走行移動する。ローラ71a,71bは弾性体で構成される。このため原稿台ガラス6の下面6aとの離間距離bを「b=0」としても、ローラ71a,71bの表面が該原稿台ガラス6の下面6aの表面を摺動した際に、該原稿台ガラス6の下面6aの表面を傷つける恐れが無い。
よって、ローラ71a,71bにより常時積極的に原稿台ガラス6の下面6aを支持しつつ、イメージセンサ部7に追従して走行移動することが可能となる。また、ローラ71a,71bの下部は筐体3の底面3bと当接する当接面として機能し、原稿台ガラス6からの力を筐体3に伝達する。このため、より積極的に原稿台ガラス6の下面6aを支持することが出来る。画像読取装置2の移送時に図39(a)中の線E近傍をイメージセンサ部7のホームポジション位置とすることで原稿台ガラス6の下面6aの中央部付近を確実に支持することが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。