JP2011253581A - ドア装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドアの開閉状態にかかわらず、外観が悪化することを防止する。
【解決手段】収容孔5を備えた筐体7と、筐体7に設けられ収容孔5の内部に収容された位置である収容位置と収容孔5から突出した位置である突出位置PSaとの間を移動する移動体9と、収容孔5を閉じるためのドア11と、収容孔5を閉じる閉位置と収容孔5を開ける第1の開位置との間でドア11がほぼ平行移動をするように、ドア11を支持するドア支持機構とを有するドア装置3である。
【選択図】図2
【解決手段】収容孔5を備えた筐体7と、筐体7に設けられ収容孔5の内部に収容された位置である収容位置と収容孔5から突出した位置である突出位置PSaとの間を移動する移動体9と、収容孔5を閉じるためのドア11と、収容孔5を閉じる閉位置と収容孔5を開ける第1の開位置との間でドア11がほぼ平行移動をするように、ドア11を支持するドア支持機構とを有するドア装置3である。
【選択図】図2
Description
本発明は、ドア装置および電子機器に係り、たとえば、DVD等を載置するトレイ用の収容孔を塞ぐためのドアを開閉するドア装置およびこのドア装置を備えた電子機器に関する。
従来、筐体の前面に、ディスクを載置するトレイを保護・遮蔽するドアを設け、また、カードスロットを保護・遮蔽するドアを別に設けた構成のDVDレコーダ等の電子機器が知られている。これらのドアは、ドアの一端部に位置している中心軸を中心にして回動し、トレイやカードスロットの設けられている部位を開閉するようになっている。
また、トレイを保護・遮蔽するドアは、トレイの出入りに連動して開閉するようになっており、カードスロットを保護・遮蔽するドアは、ユーザが手動で開閉するようになっている。
上記従来のDVDレコーダ等の電子機器は、ドアが複数設けられているので、デザイン上の制限が生じたり、部品点数が増えて構成が煩雑になり、コストが上昇するという弊害がある。
そこで、筐体の前面に、トレイを保護・遮蔽するとともにカードスロットを保護・遮蔽する大型のドアを1枚設けた方式を考えることができる。上記大型のドアは、たとえば、このドアの下端部で水平方向に延びている中心軸を中心にして回動し、開閉をするようになっている。
なお、上記従来の技術に関連する特許文献として、たとえば、特許文献1を掲げることができる。
ところで、上記大型のドアを備えたDVDレコーダ等の電子機器では、ドアを閉じている状態とドアを開けている状態とで外見が大きく異なり、ドアを開いている状態で外観が悪化してしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ドアの開閉状態にかかわらず、外観が悪化することを防止することができるドア装置および電子機器を提供することを目的とする。
第1の発明は、収容孔(5)を備えた筐体(7)と、前記筐体(7)に設けられ、前記収容孔の内部に収容された位置である収容位置(PS0)と前記収容孔から突出した位置である突出位置(PSa)との間を移動する移動体(9)と、前記収容孔を閉じるためのドア(11)と、前記収容孔(5)を閉じる閉位置(P0)と前記収容孔(5)を開ける第1の開位置(P1)との間で前記ドアがほぼ平行移動をするように、前記ドアを支持するドア支持機構(13)とを有するドア装置(3)である。
第2の発明は、第1の発明のドア装置において、前記ドア支持機構(13)は、前記閉位置(P0)と前記第1の開位置(P1)よりも前記筐体の収容孔寄りの位置である第2の開位置(P2)との間で、前記移動体の移動に応じて前記ドアが自動的に開閉するように、前記ドアを支持する機構であるドア装置である。
第3の発明は、第1または第2の発明のドア装置において、前記ドア支持機構(13)は、前記ドアが前記第1の開位置(P1)に位置しているとき前記ドアが停止するように、前記ドア(11)を支持する機構であるドア装置である。
第4の発明は、第1から第3の発明のドア装置において、前記ドア支持機構(13)は、第1のメンバ(15)と、前記筐体(7)と前記ドア(11)と前記第1のメンバ(15)とともに、前記ドア(11)が前記ドアの重量及び前記各メンバのうちの少なくともいずれかのメンバを付勢する第2の付勢部材(23)の少なくともいずれか一方により前記閉位置(P0)から前記第1の開位置(P1)に向かうように付勢がされる平行リンク機構(19)もしくは平行リンク機構に近似したリンク機構を構成している第2のメンバ(17)と、前記ドアが前記収容孔を閉じるように、前記各メンバ(15、17)のうちの少なくともいずれかのメンバを付勢する付勢部材(21)とを備えて構成されているドア装置である。
第5の発明は、第4の発明のドア装置において、前記ドア(11)との係合部と前記筐体(7)との係合部との間に位置している前記メンバの部位が、前記ドア(11)の中央部側に凸になるように屈曲しているドア装置である。
第6の発明は、第4または第5の発明のドア装置において、前記移動体(9)に設けられているドア用当接部(47)が、前記ドア(11)に設けられている移動体用当接部(49)に当接して、前記移動体(9)で前記ドアを押すことにより前記ドアが自動的に開くように構成されており、前記ドア用当接部は、斜面(51)で構成されており、前記移動体用当接部(49)は、この移動体用当接部(49)が前記ドア用当接部(47)に当接するときに、前記ドア用当接部(47)の斜面(51)に対向する斜面(53)で構成されており、前記第1のメンバ(15)における筐体との係合部と前記第1のメンバ(15)におけるドアとの係合部とをお互いに結ぶ直線と、前記移動体の移動方向との交差角度(φ)は、前記移動体が前記収容位置から前記突出位置側に向かうにしたがって次第に小さくなるように構成されており、前記ドア用当接部の斜面(51)、前記移動体用当接部の斜面(53)のうちの少なくとも一方の斜面は、前記交差角度(φ)が小さくなったときに前記移動体の移動で前記メンバを回動させる力が小さくなることを防ぐために、傾斜角度が変化しているドア装置である。
第7の発明は、第1〜第6の発明のドア装置を有する電子機器(1)である。
本発明によれば、ドアの開閉状態にかかわらず、外観が悪化することを防止することができるという効果を奏する。
図1(a)、図2(a)、図3(a)は、DVDレコーダの斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるI矢視図であり、図2(b)は、図2(a)におけるII矢視図であり、図3(b)は、図3(a)におけるIII矢視図である。
電子機器1は、ディスクローディング用トレイ9を備えた機器(たとえば、DVDレコーダ等のディスク装置)であり、ドア装置3を備えている(図1、図4等参照)。
ドア装置3は、収容孔(収納孔)5を備えた筐体7と、筐体7の収容孔5に出入りする移動体(たとえば、DVD等のディスク状の記録媒体が載置されるトレイ)9と、収容孔5を保護・遮蔽するためのドア11と、ドア11を支持するドア支持機構13とを備えている(図2、図4等参照)。
トレイ9は、筐体7に設けられており、筐体7の収容孔5の内部に収容されている収容位置PS0と筐体7の収容孔5から最大に突出している突出位置PSaとの間を直線的に移動するようになっている(図4〜図7、図14等参照)。なお、移動体として、トレイ9の他に、車載用等の収容可能な映像表示パネルを掲げることができる。収容可能な映像表示パネルでは、筐体の収容孔の内部に収容されている収容位置と筐体の収容孔から最大に突出している突出位置との間を直線的に移動し、さらに突出位置に達するまでに起き上がるように動き、突出位置で映像表示パネル面を前面に向けるようになっている。
トレイ9が収容位置PS0に位置(存在)している状態では、トレイ9の総てが収容孔5の内部に位置している。トレイ9が突出位置PSaに位置している状態では、トレイ9の基部の一部が、収容孔5内に位置している(図2、図6等参照)。
トレイ9は、図示しないアクチュエータで、上述した移動をするようになっており、収容位置PS0に位置しているときには、この位置を維持し、突出位置PSaに位置しているときにも、この位置を維持することができるようになっている(図4、図6等参照)。
ドア11は、筐体7の収容孔5を閉じる(塞ぐ)ためのものであり、筐体7の前側に設けられており、収容孔5の開口部で収容孔5を蓋するようになっている(図1等参照)。
ドア支持機構13は、筐体7とドア11との間に設けられている。ドア支持機構13を介して筐体7に支持されているドア11は、筐体7の収容孔5を閉じる閉位置P0と筐体7の収容孔5を開ける第1の開位置P1との間で、筐体7に対してほぼ平行移動し(ドア11がこの姿勢を維持して移動し)収容孔5を開閉するようになっている(図4〜図7等参照)。
また、ドア支持機構13で支持されているドア11は、閉位置P0と第2の開位置P2との間で、トレイ9の移動に応じて(連動して)自動的に開閉するようになっている。第2の開位置P2は、第1の開位置P1よりも筐体7の収容孔5寄りの中間位置(たとえば僅かに上方の位置)である(図1〜図7等参照)。
また、ドア支持機構13で支持されているドア11は、ドア11が閉位置P0に位置しているときドア11が停止してこの位置を保持(維持)し、ドア11が第1の開位置P1に位置しているときドア11が停止してこの位置を保持(維持)するようになっている。
ドア支持機構13は、図4〜図7等で示すように、たとえば、第1のメンバ(第1のアーム)15と第2のメンバ(第2のアーム)17とを備えて構成されている。第1のメンバ15は、筐体7とドア11とに対して回動自在に係合している。
第2のメンバ17も、筐体7とドア11とに対して回動自在に係合している。また、第2のメンバ17は、筐体7とドア11と第1のメンバ15とともに、平行リンク機構19もしくは平行リンク機構に近似したリンク機構を構成している。平行リンク機構19(ドア支持機構13)では、ドア11がこの重量により閉位置P0から第1の開位置P1に向かう付勢(下方向に向かう付勢)がされている。
また、ドア支持機構13には、第1の付勢部材(主バネ)21と第2の付勢部材(補助バネ)23とが設けられている。
主バネ21は、ドア11が収容孔5を閉じるように(ドア11が収容孔5の開口部を塞ぐように;ドア11が第1の開位置P1から閉位置P0へ移動する回動を各メンバ15,17がするように)、メンバ15,17のうちの少なくともいずれかのメンバを付勢している。
補助バネ23は、ドア11が収容孔5の開口部を開くように(ドア11が閉位置P0から第1の開位置P1へ移動する回動を各メンバ15,17がするように)、メンバ15,17のうちの少なくともいずれかのメンバを付勢している。
なお、ドア11の重量と、主バネ21のバネ定数を調整することにより、補助バネ23が削除されている構成や、各メンバの長さと各バネのバネ定数を変更することにより主バネ21でメンバ15、補助バネ23でメンバ17をそれぞれ付勢するような構成であってもよいが、この実施形態に係るDVDレコーダでは、主バネ21がメンバ17、補助バネ23がメンバ15をそれぞれ付勢する例を示す。
ドア支持機構13を構成している各メンバ15,17や各バネ21,23は、たとえば、2組(一対)設けられている。すなわち、一組の各メンバ15,17や各バネ21,23は、ドア11の左右方向で左側(トレイ9の左端部の近傍)に設けられており、他の一組の各メンバ15,17や各バネ21,23は、DVDレコーダ1の中央平面に対して、左側の各メンバ15,17や各バネ21,23と対称に(すなわち右側に)設けられている。中央平面とは、DVDレコーダ1の中心を通り、DVDレコーダ1の前後方向および上下方向に展開している平面(DVDレコーダ1の左右方向に直交している平面)である。
平行リンク機構19においては、筐体7が固定リンクになっている。そして、各メンバ15,17が筐体7に対して回動することにより、ドア11が平行に移動するようになっている。ドア11が平行に移動するときには、各メンバ15,17は、ドアに対しても回動する。
図4〜図7を参照するに、筐体7に対する第1のメンバ15の回動中心軸は、参照符号C1で示してあり、筐体7に対する第2のメンバ17の回動中心軸は、参照符号C2で示してあり、ドア11に対する第1のメンバ15の回動中心軸は、参照符号C3で示してあり、ドア11に対する第2のメンバ17の回動中心軸は、参照符号C4で示してある。
また、ドア支持機構13では、ドア11の重量と各バネ21,23による付勢力とトレイ9の移動とで、各メンバ15,17に回転モーメトを発生させて、ドア11が駆動(移動)するようになっている。ドア11の重量と各バネ21,23による付勢力とで各メンバ15,17に発生する回転モーメントは、各メンバ15,17の回動角度に応じて適宜変化するようになっている(図8等参照)。そして、トレイ9の移動により、ドア11が閉位置P0と第2の開位置P2との間で上述した動きをするようになっている。
さらに詳しく説明すると、第1の開位置P1と第2の開位置P2との間におけるドア11の所定の位置を第3の開位置P3とする。閉位置P0に位置しているドア11は、各メンバ15,17の回動によって、第2の開位置P2、第3の開位置P3をこの順に経て、第1の開位置P1まで移動するようになっている(図4〜図8等参照)。
閉位置P0に位置しているドア11は、ドア11の重量と補助バネ23とで付勢されているにもかかわらず、主バネ21で付勢されて閉位置P0に位置し、筐体7の収容孔5の開口部を閉じて塞いでいる(図1、図4、図5、図8等参照)。
図8の横軸は、各メンバ15,17の回動角度を示しており、図8の縦軸は、各バネ21,23とドア11の重量とによって各メンバ15,17に加えられる回転モーメントを示している。図8のグラフG1は、各メンバ15,17の回動角度と、補助バネ23によって各メンバ15,17に加えられる回転モーメントとの関係を示している。図8のグラフG2は、各メンバ15,17の回動角度と、ドア11の重量によって各メンバ15,17に加えられる回転モーメントとの関係を示している。図8のグラフG3は、グラフG1とグラフG2との和である。図8のグラフG4は、各メンバ15,17の回動角度と、主バネ21によって各メンバ15,17に加えられる回転モーメントとの関係を示している。実際には、補助バネ23とドア11の重量とにより各メンバ15,17に加えられる回転モーメントに対して、主バネ21により各メンバ15,17に加えられる回転モーメントは逆向きなのであるが、図8の縦軸は、回転モーメントの絶対値を示している。
なお、各メンバ15,17に加えられる回転モーメントとして、各メンバ15,17自身の重量等も考慮することになろうが、各メンバ15,17の重量等はドア11の重量に比べて小さいので、無視してある。
また、図8の横軸には、各メンバ15,17の閉位置P0からの回動角度に対応したドア11の位置を示してある。すなわち、各メンバ15,17の回動角度が閉角度θ0であるとき、ドア11は閉位置P0に位置しており(図4、図5等参照)、各メンバ15,17の回動角度が第1の角度θ1であるとき、ドア11は第1の開位置P1に位置しており(図7等参照)、各メンバ15,17の回動角度が第2の角度θ2であるとき、ドア11は第2の開位置P2に位置しており(図6等参照)、各メンバ15,17の回動角度が第3の角度θ3であるとき、ドア11は第3の開位置P3に位置している。
閉位置P0に位置しているドア11は、主バネ21で付勢されているとともに、第2のメンバ17に設けられている筐体用当接部25が、筐体7に設けられているメンバ用当接部27に当接しており(図9等参照)、ドア11に設けられている筐体用当接部(図示せず)が筐体7に設けられているドア用当接部(図示せず)に当接している。ドア11の筐体用当接部はたとえばクッションとして働く材料で構成されており、ドア11の筐体用当接部が筐体7のドア用当接部に当接するとき(ドア11が収容孔5を閉じるときの)の衝撃を緩和している。
閉位置P0と第3の開位置P3の間では、補助バネ23による回転モーメントとドア11の重量による回転モーメントとの和よりも、主バネ21による回転モーメントが大きくなっている。したがって、各メンバ15,17は、ドア11が収容孔5を閉じる方向に回動し(たとえば図4では、軸C1,C2を中心にして時計まわりに付勢され)、ドア11が、収容孔5を閉じる方向(上方向)に移動するようになっている(図8参照)。
また、第3の開位置P3では、補助バネ23による回転モーメントとドア11の重量による回転モーメントとの和が、主バネ21による回転モーメントと等しくなる(図8参照)。
さらに、第3の開位置P3と第1の開位置P1との間では、補助バネ23による回転モーメントとドア11の重量による回転モーメントとの和よりも、主バネ21による回転モーメントが小さくなる(図8参照)。したがって、各メンバ15,17は、ドア11が収容孔5をあける方向に回動し、ドア11が、収容孔5を空ける方向(下方向)に移動するようになっている。
なお、ドアが第1の開位置P1に位置しているときには、各メンバ15,17に設けられている筐体用当接部29,31が、筐体7に設けられているメンバ用当接部27,33に当接し、各メンバ15,17の回動(第1の開位置P1に位置しているドア11が筐体7の収容孔5の開口部からより離れる側へ移動する回動)が停止し、ドア11の位置が維持されるようになっている(図11等参照)。
ところで、トレイ9が収容位置PS0から突出位置PSaまで移動する場合、この移動をしている途中で、トレイ9がたとえばドア11に当接してドア11を押し、これにより、主バネ21で付勢されているにもかかわらず、各メンバ15,17が回動し、閉位置P0から第2の開位置P2に向かってドア11が移動するようになっている(図4、図5、図6、図14等参照)。
トレイ9が当接することによってドア11が移動し収容孔5の開口部が開くので(トレイ9の移動量に連動してドア11が徐々に移動し収容孔5の開口部が徐々に開くので)、トレイ9は収容位置PS0から突出位置PSaに向かって移動できるのである。
トレイ9が、突出位置PSaまで移動し終えて突出位置PSaに位置しているときには、主バネ21で付勢されているにもかかわらず、ドア11がたとえばトレイ9に当接して第2の開位置P2に位置し、この位置が維持されるようになっている(図2、図6等参照)。
トレイ9が突出位置PSaから収容位置PS0まで移動するときには、主バネ21が開こうとすることによる付勢力により、ドア11が第2の開位置P2から閉位置P0まで移動するようになっている。ドア11が第2の開位置P2から閉位置P0まで移動するときの動作は、トレイ9が収容位置PS0から突出位置PSaまで移動するときとは逆の動作となる。
ここで、トレイ9とドア11との当接状態(接触)について、図4、図5、図6、図14等を参照して詳しく説明する。
説明の便宜のために、収容位置PS0と突出位置PSaとの間に位置するトレイ9の位置として、第1の移動位置PS1と第2の移動位置PS2とを掲げる。
第1の移動位置PS1は、収容位置PS0から突出位置PSaに向かって僅かな第1の距離だけ移動したときにおけるトレイ9の位置である。第2の移動位置PS2は、第1の移動位置PS1から突出位置PSaに向かって第2の距離だけ移動したときにおけるトレイ9の位置である。
トレイ9が収容位置PS0から突出位置PSaに移動する場合において、トレイ9が収容位置PS0と第1の移動位置PS1との間に位置しているときには、トレイ9とドア11とはお互いが非接触の状態にある(お互いが離れている)。トレイ9が第1の移動位置PS1に位置したときに、トレイ9とドア11とがお互いに接触し始め、トレイ9が第1の移動位置PS1と突出位置PSaとの間に位置しているときには、トレイ9とドア11とはお互いが接触している。
トレイ9が第1の移動位置PS1と第2の移動位置PS2との間に位置しているときには、トレイ9の移動量に応じて、ドア11の移動量も変化するようになっている。すなわち、トレイ9が第1の移動位置PS1から第2の移動位置PS2に向かうにしたがって、ドア11が閉位置P0から第2の開位置P2に向かって移動し、収容孔5の開口量が次第に増えるようになっている。そして、トレイ9が第2の移動位置PS2に位置したときには、ドア11が第2の開位置P2に位置するようになっている。
トレイ9が第2の移動位置PS2と突出位置PSaとの間に位置しているときには、左右前後方向に展開しているトレイ9の平面状の下面に、ドア11の直線状の上端部(左右方向に延伸している上端部)が接触することで、トレイ9の位置にかかわらずドア11が第2の開位置P2に位置しこの位置を維持するようになっている。
ところで、第1の開位置P1にドア11が位置しているときには、トレイ9がいずれに位置しているかにかかわらず、ドア11とトレイ9とはお互いが離れている。また、第1の開位置P1にドア11が位置しているときには、前述したように、補助バネ23による回転モーメントとドア11の重量による回転モーメントとの和よりも、主バネ21による回転モーメントが小さくなる。また、筐体7に設けられているメンバ用当接部27,33に各メンバ15,17の筐体用当接部29,31が当接し、ドア11の第1の開位置P1が維持されるようになっている(図8、図11等参照)。
ドア支持機構13で支持されているドア11は、前述したように、たとえば下方向に移動することによって、閉位置P0から第1の開位置P1に移動する。ドア11が第1の開位置P1や第2の開位置P2に位置しているとき、ドア11は、収容孔5の下方にあって収容孔5から離れている。
また、ドア11との係合部と筐体7との係合部との間に位置しているメンバ15,17の部位(ドア側部位)35,37が、ドア11の上下方向でドア11の中央部側に凸になるように屈曲している(図12(a)等参照)。第1のメンバ15におけるドア側部位35は、各中心軸C1,C3の間に存在している部位であり、第2のメンバ17におけるドア側部位37は、各中心軸C2,C4の間に存在している部位である。
詳しく説明すると、各メンバ15,17は、ドア11の後側で筐体7に設けられている。第1のメンバ15は、上側に設けられており、第2のメンバ17は、第1のメンバ15から離れて第1のメンバ15の下側に設けられている。第1のメンバ15は、上下方向ではドア11の上部側に設けられており、第2のメンバ17は、上下方向ではドア11のほぼ中央部に設けられている。ドア11が閉位置P0に位置している状態では、各メンバ15,17はドア11に遮られて見えないようになっている。
さらに、水平な前後方向でDVDレコーダ1の前からドア11を見ると、ドア11で遮ることにより、ドア11がいずれの位置に位置していても(たとえば、第1の開位置P1や第2の開位置P2に位置していても)、図13(a)、(c)で示すように、各メンバ15,17のドア側部位(特に、第1のメンバ15のドア側部位35)が見えないか見えにくいようになっている。なお、図13で示す参照符号Eは、ユーザの目である。また、図12(b)、図13(b)、(d)は、ドア側部位35,37が曲がっていない場合を示す図であり、図12(a)、図13(a)、(c)は、ドア側部位35,37が曲がっている場合を示す図である。
第1のメンバ15のドア側部位35は、直線的な帯状の先端側部位39と直線的な帯状の基端側部位41との境界でたとえば直角に屈曲して「L」字状に形成されている。そして、ドア11が閉位置P0から離れたときに、屈曲部位であるドア側部位35の境界(先端側部位39と基端側部位41との境界)が、ドア11との係合部(軸C3)や筐体7との係合部(軸C1)よりも下方に位置するようになっている(図13(a)、(c)等参照)。なお、ドア11が閉位置P0に位置しているときには、屈曲部位であるドア側部位の境界が、筐体7との係合部(軸C1)とほぼ同じ高さのところに位置しており、ドア11との係合部(軸C3)が、屈曲部位であるドア側部位の境界よりも上方に位置している(図12(a)参照)。
第2のメンバ17のドア側部位37は、直線的な帯状の先端側部位43と直線的な帯状の基端側部位45との境界でたとえば鈍角で屈曲して「ヘ」字状に形成されている。そして、ドア11が閉位置P0から離れたときに、屈曲部位であるドア側部位37の境界が、ドア11との係合部(軸C4)や筐体7との係合部(軸C2)よりも上方に位置するようになっている(図13(a)、(c)参照)。なお、ドア11が閉位置P0に位置しているときには、屈曲部位であるドア側部位37の境界が、ドア11との係合部(軸C4)とほぼ同じ高さのところに位置しており、筐体7との係合部(軸C2)が、屈曲部位であるドア側部位37の境界よりも上方に位置している(図12(a)参照)。
また、ドア装置3(DVDレコーダ1)では、図14で示すように、トレイ9に設けられているドア用当接部47が、ドア11に設けられているトレイ用当接部(移動体用当接部)49に当接して、トレイ9でドア11を押すことによりドア11が自動的に開き、また閉じるように構成されている。
ドア用当接部47は、斜面51で構成されている。トレイ用当接部49は、このトレイ用当接部49がドア用当接部47に当接するときに、ドア用当接部47の斜面51に対向する斜面53で構成されている。
また、第1のメンバ15(第2のメンバ17)における筐体7との係合部(軸C1,C2)と第1のメンバ15(第2のメンバ17)におけるドア11との係合部(軸C3,C4)とをお互いに結ぶ直線と、トレイ9の移動方向との交差角度φが、トレイ9が収容位置PS0から突出位置PSa側に向かうにしたがって次第に小さくなるように構成されている(図4、図5参照)。
すなわち、トレイ9が収容位置PS0に位置しているときには、前記直線とトレイ9の移動方向(水平な前後方向)の交差角度φが直角に近い角度になっている。また、トレイ9が突出位置PSaに位置しているときには、前記直線がトレイ9の移動方向に対して平行に近い状態で延伸している。より正確には、トレイ9が収容位置PS0から突出位置PSaに向って移動する場合、前記直線とトレイ9の移動方向との交差角度φは、一旦「0°」になり、その後、僅かな値になる(図4〜図6等参照)。
そして、ドア用当接部47の斜面51、トレイ用当接部49の斜面53のうちの少なくとも一方の斜面は、前記交差角度φが小さくなったときにトレイ9の移動でメンバ15,17を回動させる力(押す力の分力)が小さくなることを防ぐために、傾斜角度が変化している。
具体的には、図14で示すように、ドア用当接部47の斜面51が第1の斜面55と第2の斜面57とで構成されている。第1の斜面55は、第2の斜面57の上側に設けられている。そして、トレイ9が収容位置PS0から突出位置PSaに向かって移動するときに、まず、第1の斜面55がトレイ用当接部49の斜面53の当接し、次に、第2の斜面57がトレイ用当接部49の斜面53に当接するようになっている。
トレイ9の移動方向に対する第1の斜面55の交差角度は、第2の斜面57の交差角度よりも大きくなっている。また、第2の斜面57とトレイ用当接部49の斜面53とはほぼ平行になっている。
そして、第2の斜面57がトレイ用当接部49の斜面53に当接する場合のほうが、第1の斜面55がトレイ用当接部49の斜面53に当接する場合よりも、トレイ9の移動量に対する各メンバ15,17の回動角度の量の割合が小さくなる一方で、各メンバ15,17を回動させる分力が大きくなる。
なお、図14では、ドア用当接部47の斜面51が、第1の斜面55と第2の斜面57との2つの斜面で構成されているが、3つ以上の斜面で構成されていてもよく、さらには、斜面51を側面視において円弧状に形成し、連続的にトレイの移動方向との交差角度が変化するようにしてもよい。
DVDレコーダ1についてさらに説明すると、DVDレコーダ1(筐体7)は、前後方向の寸法、上下方向の寸法、左右方向の寸法が所定の値になっている直方体状に形成されており、上下方向の寸法が、前後方向の寸法や左右方向の寸法よりも小さくなっている。
収容孔5は、横方向の寸法が縦方向の寸法よりも大きな矩形状に形成されており、筐体7の前面で、高さ方向ではやや上方に左右方向ではほぼ中央に設けられている。収容孔5の深さ方向が筐体7の前後方向になっており、トレイ9は、前後方向で水平に移動するようになっている。
トレイ9は、ディスクドライブの枠体(図示せず)に対して移動するようになっている。ディスクドライブの枠体は、筐体7に一体的に設けられており、枠体に収容孔5が形成されている。なお、この明細書では、ディスクドライブの枠体を筐体7の一部とみなしている。
筐体7の前面には、メモリカードスロット59やLCD等で構成された表示部61が設けられている。さらに、HDNI端子等の端子部(図示せず)が設けられている場合がある。
ドア11は、トレイ9の収容孔5を塞ぐだけでなく、メモリカードスロット59や表示部61や端子部等も覆うようになっている。すなわち、ドア11は、トレイ9の収容孔5を塞ぐドアとメモリカードスロット59や表示部61や端子部等を覆うドアとを兼ねている。
ドア11は、図1〜図7等で示すように、たとえば矩形な板状に形成されている。ドア11の長手方向の寸法は、筐体7の左右方向の寸法よりも小さく、ドア11の幅方向の寸法は、筐体7の高さ方向の寸法よりも小さくなっている。矩形なドア11の外周の4辺には、面取り63が施されている。この面取り63の大きさは、ドア11の厚さよりも僅かに小さいものである。これにより、ドア11は、高さの低い四角錐状に形成されている。また、ドア11の上の辺に設けられている面取り63が、トレイ用当接部49を構成している。
より詳しく説明すると、面取り63の一部には、平板状のパッド64(図9、図10、図14参照)が設けられており、パッド64が、トレイ用当接部49を構成している。
また、ドア11は、厚さ方向が前後方向になり、長手方向が左右方向になり、幅方向が上下方向になり、面取り61が筐体7側を向くようにして、ドア支持機構13によって筐体7に設けられている。
ドア11が閉位置P0に位置しているとき、ドア11は、筐体7の左右方向では中央部に位置し、筐体7の上下方向ではほぼ中央に位置し、筐体7の前後方向では、ドア11の前面と筐体7の前面(ドア11周辺の部位)とがほぼ同一平面上に位置している。
閉位置P0から開位置P1,P2,P3に移動するとき、ドア11は、左右方向ではこの位置を維持し、高さ方向の位置と前後方向の位置とが変化するようになっている。また、前述したように、ドア11は、姿勢が変化することなく移動するようになっている。さらに、ドア11の上下方向での移動量が前後方向での移動量よりも大きくなっている。
ドア11が閉位置P0に位置している状態では、前述したように、収容孔5(収容位置PS0に位置しているトレイ9)とメモリカードスロット59と表示部61や端子部は、ドア11によって隠れてしまいDVDレコーダ1の外部からは見えないようになっている。
また、第1の開位置P1や第2の開位置P2に位置している状態では、ドア11は、収容孔5から離れて収容孔5の下側に位置しており、収容孔5とメモリカードスロット59と表示部61や端子部が現れるようになっている。
ドア11が第1の開位置P1に位置していても、ドア11はDVDレコーダ1の設置面から離れている。すなわち、ドア11がいずれに位置していても、DVDレコーダ1(筐体7)の前から後に向かってDVDレコーダ1を眺めると、ドア11は、常に脚を含めた筐体7の内側に位置している。
第1のメンバ15や第2のメンバ17は、たとえば、板金によって形成されており、厚さ方向が筐体7の左右方向になるようにして、筐体7に設置されている。
第1のメンバ15には、反ドア側部位65が設けられている。反ドア側部位65は、ドア側部位35の反対側でドア側部位35から離れる方向に、筐体7との係合部(軸C1)から直線状に延びている。また、反ドア側部位65は、ドア側部位35の基端側部位41を延長した形態になっている(図12(a)等参照)。
第2のメンバ17には、反ドア側部位67が設けられている。反ドア側部位67は、ドア側部位37の反対側でドア側部位37から離れる方向に、筐体7との係合部(軸C2)から直線状に延びている。また、反ドア側部位67は、ドア側部位37の先端側部位43と平行に延びている(図12(a)等参照)。
主バネ21は、ねじりコイルバネで構成されており、螺旋状のコイル部69とこのコイル部69から延出している直線状のメンバ側延出部71とコイル部69から延出している直線状の筐体側延出部73とを備えて「V」字状に形成されている。補助バネ23も主バネ21と同様にしてねじりコイルバネで構成されており、コイル部75とメンバ側延出部77と筐体側延出部79とを備えて「V」字状に形成されている。
そして、図4等で示すように、主バネ21のメンバ側延出部71の先端部が第2のメンバ17の反ドア側部位67の先端部に係合し、主バネ21の筐体側延出部73の先端部が筐体7に係合していることにより、第2のメンバ17が軸C2を中心にして時計まわりに回動するように付勢されている。
また、補助バネ23のメンバ側延出部77の先端部が第1のメンバ15の反ドア側部位65の先端部に係合し、補助バネ23の筐体側延出部79の先端部が筐体7に係合していることにより、第1のメンバ15が軸C1を中心にして反時計まわりに回動するように付勢されている。
さらに、各メンバ15,17の回動角度に応じて、各バネ21,23とドア11の重量とにより各メンバ15,17が受ける回転モーメントが変化し(各バネ21,23等の分力が変化し)、図8に示したような関係を得ることができる。
たとえば、図4で示す状態では、軸C1と、第1のメンバ15と補助バネ23との係合部と、補助バネ23と筐体7との係合部とがほぼ一直線(水平な直線)上に位置しているので、補助バネ23は第1のメンバ15(第2のメンバ17)に回転モーメントを与えていないのである。なお、各バネ21,23のコイル部69,75は、筐体7等に支持されてはいない。
ドア11は、アルミニムやこの合金等の金属で構成された基板部81と、可視光線を透過する樹脂等の透明な材料で構成された導光板部83とを備えて構成されている。そして、導光板部83が筐体7に対向するようにして、ドア支持機構13を介して筐体7に設けられている(図4、図14、16〜20等参照)。
筐体7の前面の中央部には、LED等の発光素子(図示せず)が設けられており、この発光素子が発した光が、導光板部83を通って、ドア11の周辺部から出射され、ドア11に審美性を付与するようになっている。なお、この審美性は、ドア11がこの姿勢を変えないで移動するので、一層引き立つのである。
また、ドア11は、ドア支持機構13に対して着脱自在になっている。
具体的には、上述した平行リンク機構19は、筐体7と第1のメンバ15と第2のメンバ17とドア11に一体的に係合している第3のメンバ85とで構成されている(図15等参照)。なお、第3のメンバ85を用いることなく、第3のメンバ85の代わりにドア11を第1のメンバ15と第2のメンバ17とに直接係合させて上述した平行リンク機構19を構成してあってもよい。
第3のメンバ85はたとえば板金で構成されており、第3のメンバ85には、長手方向の断面が「コ」字状になっているメンバ用係合部87が設けられている。メンバ用係合部87には弾性を備えた梁部89が設けられており、梁部89の中央部には凸部91が設けられている(図15等参照)。
ドア11の導光板部83には、溝部93が形成されており(図16参照)、この溝部93に、メンバ用係合部87の梁部89や凸部91が入り込み係合するようになっている(図17参照)。
ドア11の基板部81にも、溝部95が形成されており(図18参照)、この溝部95に、メンバ用係合部87が入り込み係合するようになっている(図19参照)。
そして、ドア11の導光板部83と基板部81とで第3のメンバ85が挟まれて、ドア11が第3のメンバ85に一体的に設置されるようになっている(図20参照)。
また、図20で示すように、基板部81の溝部95の下側の部位は、導光板部83で覆われていない。そして、図20で示す状態(第3のメンバ85にドア11が一体的に設置されている状態)から、ドア11を取り外す場合には、ドア11を上方に移動し、第3のメンバ85のメンバ用係合部87を、導光板部83では覆われていない基板部81の溝部95のところまで移動し、続いて、ドア11を、前側に移動すればよい。ドア11を第3のメンバ85に設置する場合には、逆の操作をすればよい。
ここで、ドア11の動作について説明する。
まず、トレイ9によるドア11の開動作について説明する。
初期状態として、トレイ9が収容位置PS0に位置し、ドア11が閉位置P0に位置しているもとする。
この初期状態(図1、図4、図9、図12(a)、図14(a)参照)で、筐体7の前面に設けられている操作スイッチ97(図1参照)をユーザが押すと、トレイ9が、第1の移動位置PS1に向かって移動する。
トレイ9が、第1の移動位置PS1に到達すると、トレイ9がドア11に当接し、各メンバ15,17が回動し始めドア11も移動し始める(図5、図14(b)参照)。トレイ9は停止することなく、第2の移動位置PS2に向かって移動する。
トレイ9が、第2の移動位置PS2に到達すると、トレイ9の下面がドア11に当接する(図14(d)参照)。トレイ9は停止することなく、突出位置PSaに向かって移動するが、各メンバ15,17は回動を停止し、ドア11も移動を停止する。
トレイ9が、突出位置PSaに到達すると、トレイ9は移動を停止し、この位置を維持する(図2、図6、図10、図13(a)、図14(e)参照)。この状態で、DVDの交換等がユーザによってなされる。
続いて、ユーザが操作スイッチ97を再び押すことにより。トレイ9が、突出位置PSaから収容位置PS0に移動し、これに伴って、ドア11が収容孔5を閉じる(閉位置P0に位置する)。
次に、ユーザが、手動で行うドア11の開動作について説明する。
上記初期状態で、ユーザが指をドア11にかけてドアを下方向に移動し、ドア11を第1の開位置P1に位置させる(図3、図7、図11、図13(c)参照)。ドア11は開位置P1で停止する。ドア11を閉じるときは、ユーザが指をドア11にかけてドアを上方向に移動し、ドア11を閉位置P0に位置させる。なお、ドア11が第1の開位置P1に位置している状態で、トレイ9を移動させてもよい。
DVDレコーダ1によれば、ドア支持機構13によりドア11が閉位置P0と第1の開位置P1との間をほぼ平行に移動するので、ユーザからドア11の裏面(筐体7に対向しているドア11の後面)が見えなくなり、ドア11が開状態にあっても、DVDレコーダ1の外観が悪化することを防止することができる。また、ドア11の裏面への仕上げ処理が不要になるので、ドア11の製造コストを低減することができる。さらに、裏面へ導光板をつけるなどの加工ができるようになる。
また、従来のようにドア11が、回動中心軸を中心に回動するのではなく、平行移動することで開閉するので、ドア11の開閉によるDVDレコーダ1の外観の変化が少なく、良好な外観を維持することができ、加えて、ドア11が開いたときにおける筐体7からのドア11の突出量を極力少なくすることができる。
また、DVDレコーダ1によれば、トレイ9の移動に連動してドア11が自動的に開閉するので、トレイ9の動作時におけるドア11の閉め忘れが無くなり、DVDレコーダ1の外観を一層良好な状態に保つことができる。
また、DVDレコーダ1によれば、第1の開位置P1に位置しているときドア11が停止するように、ドア支持機構13でドア11を支持しているので、構成の簡素化を果たすべくドア11を兼用している(トレイ保護用のドアとカードスロット保護用のドアとを兼用している)にもかかわらず、モメリカードの設置や交換を容易にすることができる。
さらに、DVDレコーダ1によれば、平行リンク機構19でドア11が支持されているので、従来のように、1本の回動中心軸のところでドアを支持している構成に比べて、ドア11をより堅固に支持することが容易になり、特に補強をすることなく、ユーザの誤操作(たとえば、開状態における誤った下方向の力の付与)によるドア11やドア支持機構13の破損を回避することができる。
また、DVDレコーダ1によれば、ドア支持機構13のメンバ15が上述したように屈曲しているので、ドア11が閉位置P0から離れたときにであっても、メンバ15が見えにくくなり、高級感をかもし出すことができる。
図12、図13を参照して詳しく説明する。図12(a)、図13(a)、図13(c)は、ドア支持機構13のメンバ15が屈曲している場合におけるドア11の開閉状態を示す図であり、図12(a)ではドア11が閉位置P0に位置しており、図13(a)では、ドア11が第2の開位置P2に位置しており、図13(c)では、ドア11が第1の開位置P1に位置している。
図12(b)、図13(b)、図13(d)は、ドア支持機構13のメンバ15が直線状に形成されている場合におけるドア11の開閉状態を示す図であり、図12(b)ではドア11が閉位置P0に位置しており、図13(b)では、ドア11が第2の開位置P2に位置しており、図13(d)では、ドア11が第1の開位置P1に位置している。
図13(a)、図13(c)と図13(b)、図13(d)とにおけるユーザの目Eの視線からわかるように、ドア支持機構13のメンバ15が屈曲していることにより、メンバ15が見えにくくなっている。
また、DVDレコーダ1によれば、トレイ9の移動でメンバ15,17を回動させる力が小さくなることを防ぐために、ドア用当接部47の斜面51の傾斜角度が変化しているので、トレイ9の移動によってドア11を確実に開くことができる。
ところで、DVDレコーダ1のドア支持機構13では、主バネ21と補助バネ23との干渉を避けるために、筐体7の左右方向で主バネ21と補助バネ23との取り付け位置を僅かにずらしている。
詳しく説明すると、図6や図7では、メンバ15,17の回動によって(ドア11の移動によって)、主バネ21(メンバ側延出部71の中間部)と補助バネ23(筐体側延出部79の先端部)とがお互いに干渉しているように見える。
しかし、実際には、たとえば図10で示すように、主バネ21のメンバ側延出部71の中間部が、筐体7の壁101側に位置しており、補助バネ23の筐体側延出部79の先端部が、筐体7の壁101から離れた側に位置している。
さらに詳しく説明すると、補助バネ23の筐体側延出部79の先端部は、円柱状に形成されて筐体7に一体的に設けられ筐体7の壁101から突出している(軸が筐体7の壁101に対して直交するように突出している)補助バネ支持柱103で支持されている。補助バネ支持柱103には、2つの円環状のクビレ部(小径部)105,107が形成されている。一方のクビレ部105は、補助バネ支持柱103の基端側(筐体7の壁101側)に設けられており、他方のクビレ部107は、補助バネ支持柱103の先端側(筐体7の壁101から離れた側)に設けられている。
そして、補助バネ23の筐体側延出部79の先端部が、先端側のクビレ部107の係合しており、主バネ21のメンバ側延出部71の中間部が、基端側のクビレ部105に入り込むことにより、主バネ21と補助バネ23との干渉や主バネ21と補助バネ支持柱103との干渉が回避されている。
なお、主バネ21の筐体側延出部73の先端部は、補助バネ支持柱103と同様に構成された主バネ支持柱109の先端側のクビレ部107に係合している。また、メンバ15とメンバ17とは、左右方向では、ほぼ同じところに位置(ほぼ1つの平面上に存在)している。
さらに、筐体7の壁101には、図10で示すように、1/4円弧状の突出部111が設けられている。この突出部111は、壁101からごく僅かに突出しており、上記1/4円弧の中心は、メンバ17の回動中心軸C2と一致しており、突出部111が常にメンバ17の接触するようになっている。これにより、メンバ17の動きを安定させることができる。なお、メンバ17を突出部111に接触させることに代えてもしくは加えて、メンバ15を突出部111と同様な突出部に接触させてもよい。
また、図21で示すように、一対のメンバ17(前述したように、筐体7の左側に設けられているメンバ17と、筐体7の右側に設けられているメンバ17)をお互いに、連結部99で連結してもよい。なお、図21に示すものは、たとえば、1枚の板金素材に打ち抜き加工や折り曲げ加工を施して生成されているものとする。
このように、一対のメンバ17をお互いに接続することによって、一対のメンバ17が同期して回動するようになり、特に、ユーザが手動でドア11を開くときにドア11が斜めになること(前後方向に延びている軸を中心にして回動してしまうこと)を防止することができる。
なお、一対のメンバ17をお互いに接続することに代えてもしくは加えて、一対のメンバ15をお互いに接続するようにしてもよい。
また、図22で示すように、メンバ15,17の長さを代えて、ドア11が平行移動に近似した移動をするようにしてもよい。すなわち、図22(a)は、メンバ15,17の長さを等しくしてドア11が平行移動する態様を示しているが、図22(b)、(c)で示すように、メンバ15とメンバ17の長さを代えて、ドア支持機構を平行リンク機構に近似した機構にしてもよい。
さらに、上述した姿勢以外の姿勢にDVDレコーダ1を設置する場合(たとえば、横方向を上下方向とし、左右方向を上下方向とするように、DVDレコーダ1を立てて設置する場合)に、ドア11の重量を使用することなく主バネ21と補助バネ23とで、ドア11が上述した動作をするようにしてもよい。
1 DVDレコーダ(電子機器)
3 ドア装置
5 収容孔
7 筐体
9 トレイ(移動体)
11 ドア
13 ドア支持機構
15 第1のメンバ
17 第2のメンバ
19 平行リンク機構
21 主バネ(付勢部材)
47 ドア用当接部
49 トレイ用当接部
51 斜面(ドア用当接部の斜面)
53 斜面(トレイ用当接部の斜面)
P0 閉位置
P1 第1の開位置
P2 第2の開位置
PS0 収容位置
PSa 突出位置
3 ドア装置
5 収容孔
7 筐体
9 トレイ(移動体)
11 ドア
13 ドア支持機構
15 第1のメンバ
17 第2のメンバ
19 平行リンク機構
21 主バネ(付勢部材)
47 ドア用当接部
49 トレイ用当接部
51 斜面(ドア用当接部の斜面)
53 斜面(トレイ用当接部の斜面)
P0 閉位置
P1 第1の開位置
P2 第2の開位置
PS0 収容位置
PSa 突出位置
Claims (7)
- 収容孔を備えた筐体と、
前記筐体に設けられ、前記収容孔の内部に収容された位置である収容位置と前記収容孔から突出した位置である突出位置との間を移動する移動体と、
前記収容孔を閉じるためのドアと、
前記収容孔を閉じる閉位置と前記収容孔を開ける第1の開位置との間で前記ドアがほぼ平行移動をするように、前記ドアを支持するドア支持機構と、
を有することを特徴とするドア装置。 - 請求項1に記載のドア装置において、
前記ドア支持機構は、前記閉位置と前記第1の開位置よりも前記筐体の収容孔寄りの位置である第2の開位置との間で、前記移動体の移動に応じて前記ドアが自動的に開閉するように、前記ドアを支持する機構であることを特徴とするドア装置。 - 請求項1または請求項2に記載のドア装置において、
前記ドア支持機構は、前記ドアが前記第1の開位置に位置しているとき前記ドアが停止するように、前記ドアを支持する機構であることを特徴とするドア装置。 - 請求項1から3に記載のドア装置において、
前記ドア支持機構は、
第1のメンバと、
前記筐体と前記ドアと前記第1のメンバとともに、前記ドアが前記ドアの重量及び前記各メンバのうちの少なくともいずれかのメンバを付勢する第2の付勢部材の少なくともいずれか一方により前記閉位置から前記第1の開位置に向かう付勢がされる平行リンク機構もしくは平行リンク機構に近似したリンク機構を構成している第2のメンバと、
前記ドアが前記収容孔を閉じるように、前記各メンバのうちの少なくともいずれかのメンバを付勢する第1の付勢部材と、
を備えて構成されていることを特徴とするドア装置。 - 請求項4に記載のドア装置において、
前記ドアとの係合部と前記筐体との係合部との間に位置している前記メンバの部位が、前記ドアの中央部側に凸になるように屈曲していることを特徴とするドア装置。 - 請求項4または請求項5に記載のドア装置において、
前記移動体に設けられているドア用当接部が、前記ドアに設けられている移動体用当接部に当接して、前記移動体で前記ドアを押すことにより前記ドアが自動的に開くように構成されており、
前記ドア用当接部は、斜面で構成されており、
前記移動体用当接部は、この移動体用当接部が前記ドア用当接部に当接するときに、前記ドア用当接部の斜面に対向する斜面で構成されており、
前記第1のメンバにおける筐体との係合部と前記第1のメンバにおけるドアとの係合部とをお互いに結ぶ直線と、前記移動体の移動方向との交差角度は、前記移動体が前記収容位置から前記突出位置側に向かうにしたがって次第に小さくなるように構成されており、
前記ドア用当接部の斜面、前記移動体用当接部の斜面のうちの少なくとも一方の斜面は、傾斜角度が変化していることを特徴とするドア装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のドア装置を有することを特徴とする電子機器。
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