以下、図1〜図12を用い、本発明の実施形態を説明する。以下では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げ説明する。本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(複合機100の全体構成)
次に、図1を用いて、実施形態に係る複合機100について説明する。図1は、複合機100の一例を示す図である。
図3に示すように、複合機100は、操作パネル1(詳細は後述)、原稿搬送部2aと画像読取部2bを含む。原稿搬送部2aは、搬送読取用コンタクトガラス21に向けて原稿を搬送する。また、画像読取部2bは、搬送読取用コンタクトガラス21上を通過する原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する(搬送読取を行う)。あるいは、画像読取部2bは、載置読取用コンタクトガラス22上に載置された原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する(載置読取を行う)。また、複合機100は、印刷部100aを備える。印刷部100aは、給紙部3a、搬送部3b、画画像形成部4、中間転写ユニット5、定着ユニット6を含む。
給紙部3aは、用紙を供給し、搬送部3bに向けて送り出す。搬送部3bは、用紙を搬送し、印刷済みの用紙を機外に排出する。画画像形成部4は、画像データに基づきトナー像を形成する。画像形成部4は、ブラックの画像形成ユニット40Bk、シアンの画像形成ユニット40C、イエローの画像形成ユニット40Y、マゼンタの画像形成ユニット40Mを含む。各画像形成ユニット40の詳細は後述する。中間転写ユニット5は、各画像形成ユニット40で形成されたトナー像の1次転写を受け、用紙に2次転写する。定着ユニット6は、用紙に転写されたトナー像を加熱および加圧して定着させる。
そして、印刷部100aは、操作パネル1でコピージョブの実行指示がなされたとき、画像読取部2bによる原稿読み取りにより得られた画像データに基づき用紙への印刷を行う(コピー機能)。あるいは、印刷部100aは、通信部74で受信された印刷用データに基づく画像を用紙に印刷する(プリンター機能)。
(操作パネル1)
次に、図1、図2を用いて、実施形態に係る操作パネル1の一例を説明する。図2は、操作パネル1の一例を示す図である。
図1に示すように、操作パネル1は、複合機100の正面上方に設けられる。操作パネル1は、表示部11とタッチパネル部12を含む表示パネル部1aを備える。表示部11は、複合機100の設定や動作指示を与え、操作するためのメニュー、画面、キー、ボタン、複合機100等の状態のメッセージなどを表示する。表示部11は、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどである。
そして、表示部11の上面側に、タッチパネル部12が設けられる。タッチパネル部12は、表示部11のうち、使用者にタッチされた部分の位置(タッチ位置の座標)を検知し、使用者による操作を受け付けるためのものである。尚、タッチパネル部12としては、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式等、各方式のものを採用でき特に制限はない。
又、操作パネル1は、コピー等のジョブ開始指示用のスタートキー13や、数字入力用のテンキー部14のようなハードキーを含むハードキー配置部1bを含む。このように、操作パネル1は、タッチパネル部12やハードキー配置部1bを含み、複合機100の各機能について表示、各種設定、モード選択等を行うための表示入力装置として機能する。
(複合機100等のハードウェア構成)
次に、図3を用いて、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を説明する。図3は複合機100のハードウェア構成の一例を示す図である。
まず、複合機100本体内には、主制御部7(判断部に相当)が設けられる。主制御部7は、操作パネル1、原稿搬送部2a、画像読取部2b、印刷部100a(給紙部3a、搬送部3b、画像形成部4、中間転写ユニット5、定着ユニット6)などと接続され、これらの制御を行う。
例えば、主制御部7は、CPU71や、複合機100での処理を行うための専用回路であるASIC72等の素子を含む。CPU71は記憶部73に記憶される制御プログラムや制御用のデータに基づき演算、処理を行い、複合機100の各部を制御する。尚、主制御部7は全体制御や画像処理を行うメイン制御部や、印刷部100aを制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けてもよい。
記憶部73は、主制御部7と通信可能に接続される。記憶部73は、ROM、RAM、HDD等の記憶装置の組み合わせである。記憶部73は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像読取部2bによって読み取られた原稿の画像データのような各種データを記憶する。又、例えば、主制御部7には画像読取部2bで原稿を読み取って得られた画像データや通信部74を介して複合機100に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部75が設けられる。画像処理部75が処理した画像データは、印刷や送信に用いられる。
そして、主制御部7は各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えた通信用インターフェイス部(以下、通信部74)と接続される。通信部74は、ネットワークや公衆回線等により接続された外部のコンピュータ−200(例えば、パーソナルコンピュータ−やサーバー)やFAX装置300から印刷や送信を行うためのデータ(画像データやジョブの設定に関するデータ)を受信する。また、画像読取部2bで得られた画像データをコンピュータ−200や相手方FAX装置300に送信することもできる(スキャナ機能、FAX機能)。
また、主制御部7には、操作パネル1に配され、タッチパネル部12を振動させるための圧電素子9を制御する振動制御部8(圧電素子9への電圧印加や、圧電素子9の出力を検知するための圧電素子制御用回路)が設けられる。振動制御部8の詳細は、後述する。
又、操作パネル1でなされたジョブに関する設定の内容は、主制御部7に伝えられる。主制御部7は、使用者の設定にあわせてコピーのようなジョブが行われるように複合機100を制御する。操作パネル1は、パネル制御部10(認識部に相当)、ドライバー回路15、メモリー16、表示部11、タッチパネル部12を含む。パネル制御部10は、CPU10aやICなどの回路を含む。パネル制御部10は、表示部11の表示を実際に制御するドライバー回路15に指示を与え、表示部11の表示を制御する。また、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力を受け、タッチ位置(座標)を認識する。タッチパネル部12の出力とタッチ位置の座標の対応を示すデータはメモリー16に記憶される。パネル制御部10は、タッチ位置の座標と表示画面の画像データを比較して、画面上で選択された(押された、操作された)キーやボタンを認識する。言い換えると、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力と表示部11の表示に基づき、使用者の操作内容を認識する。このようにして、複合機100のコピーや送信等の各種機能における各種設定や動作指示を操作パネル1で行うことができる。
(表示パネル部1a)
次に、図4を用いて、表示部11や、タッチパネル部12を含む表示パネル部1aを説明する。図4は、表示パネル部1aの構成の一例を示す図である。尚、図4では、操作パネル1のうちのハードキー配置部1bの図示は省略している。
図4に示すように、表示パネル部1aは、タッチパネル部12を振動させるための複数の圧電素子9を含む。複数の圧電素子9は、例えば、矩形状(帯状)である。各圧電素子9は、タッチパネル部12に接するように(タッチパネル部12の裏面側に)取り付けられる。各圧電素子9はチタン酸ジルコン酸鉛などの圧電効果を有する材料で形成され、例えば、積層型のものが用いられる。
又、タッチパネル部12の裏面側には、タッチパネル部12と所定の間隔を設けつつ、表示部11が配置される。タッチパネル部12は、表示部11に表示された画面、画像を透過する。例えば、タッチパネル部12には、透明のプラスチック板やガラス板が用いられる。又、各圧電素子9は、タッチパネル部12の下側(表示部11の側)の面に取り付けられる(上側の面に取り付けられても良い)。例えば、各圧電素子9は接着剤、両面テープなどによりタッチパネル部12に取り付けられる。
又、化粧ケース17には、開口17a(操作窓)が設けられている。開口17aは、矩形状であり、タッチパネル部12のうち、開口17aに応じた矩形の領域は、外部に露出する。この露出部分が使用者から(外部から)視認でき、使用者によりタッチされ得る領域(タッチ可能領域12a)となる。また、表示部11のうち、開口17aに対応する領域が使用者に視認される部分となる。使用者は、タッチ可能領域12aに映る表示部11のキー等の表示位置をタッチして、所望の機能や設定項目について設定を行う。一方、タッチパネル部12のうち、化粧ケース17により隠され、外部から視認できず(視認されず)、使用者によりタッチされない領域(外周縁領域12b)に各圧電素子9が取り付けられる。
また、タッチパネル部12、圧電素子9、表示部11には、化粧ケース17が被せられる。化粧ケース17とタッチパネル部12の間には、埃やゴミの進入を防ぐシール材18が挟まれる。
(各圧電素子9、タッチパネル部12の振動)
次に、図5を用いて、実施形態に係る操作パネル1での各圧電素子9とタッチパネル部12の振動を説明する。図5は、各圧電素子9を振動させる構成の一例を示す図である。
図5に示すように、本実施形態の圧電素子9は、タッチパネル部12の上下左右の辺に対し、それぞれ1つずつ配される。そして、タッチパネル部12の各端辺から予め定められた長さだけ内側であって、各辺の中央に対して90度のラインと、圧電素子9の中心が重なるように各圧電素子9が配される。尚、各圧電素子9の配置の手法は上記に限られず、別の態様で配置してもよい。
そして、振動制御部8は、制御回路81(制御IC)、入力電圧調整部82、スイッチング部83を含む。制御回路81は、各圧電素子9への電圧印加のON/OFFを制御する。入力電圧調整部82は、各圧電素子9に入力する駆動信号用の直流電圧を生成する回路であり、電圧の大きさを変えることができる。スイッチング部83は、各圧電素子9への電圧印加のON/OFFを行うためのスイッチング素子であり、制御回路81の指示に基づき、ON/OFFを行い、その結果、パルス信号が各圧電素子9に入力される。
主制御部7が交換、補充の時期が近いメンテナンス対象(詳細は後述)がないと判断している状態でキー操作がなされたとき、制御回路81は、通常駆動信号S1を各圧電素子9に入力させる。具体的に、通常駆動信号S1を入力するとき、制御回路81は、入力電圧調整部82に予め定められた大きさ(振幅)のに直流電圧を生成させる。尚、入力電圧調整部82は、制御回路81の指示に応じた電圧を出力するコンバーターである。そして、制御回路81は、予め定められた入力期間(例えば、0.5秒程度)の間に、予め定められた周波数で各圧電素子9への電圧印加のON/OFFをスイッチング部83に行わせる。この通常駆動信号S1の入力による圧電素子9の形状変化によって、圧電素子9及びこれに接するタッチパネル部12が通常振動量で振動する。この振動によって、クリックしたような操作感を与えることができる。
そして、本実施形態の操作パネル1では、各圧電素子9とタッチパネル部12の振動量を変えることができる。言い換えると、振動の大きさや振動する時間を通常振動量と異ならせることができる。主制御部7が交換、補充の時期が近いメンテナンス対象(詳細は後述)があると判断している状態でキー操作がなされたとき、制御回路81は、通常振動量とは異なる振動量となる報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力する(場合がある)。例えば、圧電素子9は、印加される電圧の大小に応じて圧電素子9の変形量が変わる点に着目し、入力電圧調整部82は、圧電素子9に入力する駆動信号の電圧の振幅(大きさ)を通常駆動信号S1と異ならせる。
また、圧電素子9には、共振周波数のような振動が最も大きくなる周波数が存在する。そこで、制御回路81は、各圧電素子9への電圧印加のON期間とOFF期間の長さを調整することで(スイッチング部83のスイッチング周波数を調整することで)、各圧電素子9に入力する通常駆動信号S1の周波数と報知用駆動信号S2の周波数を異ならせてもよい。また、制御回路81は、通常駆動信号S1と報知用駆動信号S2で各圧電素子9に入力するパルス数やパルスを入力する時間の長さを異ならせて、振動している時間を異ならせてもよい。
このように、振動制御部8は、各圧電素子9に入力する駆動信号の波形を、通常駆動信号S1と報知用駆動信号S2とで異ならせる(調整する)ことで、各圧電素子9とタッチパネル部12の振動量を制御できる。
(メンテナンス対象としてのユニット)
次に、図1、図6を用いて、メンテナンス対象としてのユニットを説明する。図6は、メンテナンス対象としてのユニットを説明するための図である。尚、各色の画像形成ユニット40は同様の構成である。
本実施形態の複合機100では、印刷関連のユニットのうち、複数のユニットを交換することができる。各ユニットの寿命には差があるので、寿命が来たユニットごとに交換することができる。これにより、複合機100の寿命を全体的に延ばすことができる。本実施形態の複合機100では、ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6などを交換することができる。これらのユニットがメンテナンス対象である。
ドラムユニット4aは、各色の画像形成ユニット40に含まれるユニットであり、感光体ドラム41を含む。感光体ドラム41の表面には、静電潜像が形成され、感光体ドラム41は、静電潜像をトナーで現像したトナー像を担持する。また、ドラムユニット4aは、感光体ドラム41を回転させるためのギア列や感光体ドラム41を支持する筐体などを含む。
現像ユニット4bは、各色の画像形成ユニット40に含まれる。トナーの色ごとに、計4つの現像ユニット4bが設けられる。現像ユニット4bは、トナーを感光体ドラム41に飛翔させ、感光体ドラム41周面の静電潜像をトナーで現像するため、トナーを担持する部材や、現像ユニット4b内のトナーを攪拌する部材や各種回転体を回転させるギア列などを含む。
中間転写ユニット5は、中間転写ベルト51や1次転写ローラー52を含む。中間転写ユニット5は中間転写ベルト51を回転させ、1次転写ローラー52に電圧を印加し、各感光体ドラム41で形成されたトナー像を重ね合わせつつ中間転写ベルト51に1次転写する。そして、中間転写ユニット5は、2次転写ローラー53を含み、2次転写ローラー53に電圧を印加し、中間転写ベルト51上のトナー像を用紙に2次転写する。また、中間転写ユニット5はこれらの部材を支持するフレームや各種回転体を回転させるギア列などを含む。
定着ユニット6は、トナーを加熱する加熱ローラー61、加熱ローラー61に圧接してニップを形成する加圧ローラー62を含む。定着ユニット6は、加熱ローラー61と加圧ローラー62のニップに用紙を通過させ、用紙にトナー像を定着させる。加熱ローラー61を熱するため、ヒーターや通電スイッチや温度センサーや過昇温防止回路などを含むヒーターユニット63も定着ユニット6に設けられる。また、定着ユニット6は、これらの部材を支持するフレームや各種回転体を回転させるギア列などを含む。
そして、各ユニット(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6)には、それぞれ印刷耐用枚数(印刷できる枚数)が予め定められる。印刷耐用枚数は、各ユニットのメンテナンス時期(交換時期)を定めたものである。各ユニットの印刷耐用枚数は、画質や摩耗の程度などを考慮して適宜定められる。例えば、ドラムユニット4aと中間転写ユニット5の印刷耐用枚数は、50万ページ、現像ユニット4bや定着ユニット6は25万ページのように定められる。これらの各ユニットの印刷耐用枚数を定めたデータ(印刷耐用枚数データD1)が記憶部73に記憶される。
そして、主制御部7は、各ユニットについて、使用開始から(取り付けられてから)、現在までの印刷枚数の累計印刷枚数を示すデータ(累計印刷枚数データD2)を記憶部73に記憶させる。例えば、主制御部7は、1ページ印刷するごとに、印刷で用いたユニットの累計印刷枚数を示すデータを更新させる。例えば、白黒印刷のときブラックのドラムユニット4a、現像ユニット4bは使用するが、ブラック以外の色のドラムユニット4a、現像ユニット4bは用いない。この場合、ブラックのドラムユニット4a、現像ユニット4bについてのみ累計印刷枚数の値を増やす。あるいは、主制御部7は、ジョブが完了するごとに、そのジョブで印刷した枚数分、印刷で用いたユニットの累計印刷枚数のカウントを増やす。
更に、主制御部7は、印刷耐用枚数と累計印刷枚数に基づき、各ユニットのうち、寿命が近いため交換時期が近づいており、メンテナンスを行うべき時期が近いユニット(要確認対象)の有無を判断する。具体的には、主制御部7は、印刷耐用枚数から累計印刷枚数を引いて得られる枚数が、予め定められた基準枚数を下回っているユニットを、要確認対象と判断する。基準枚数は、適宜定めることができる。例えば、残り2000枚というように具体的な枚数でもよいし、各ユニットの印刷耐用枚数に5%を乗じて得られる枚数のように、印刷耐用枚数に所定の比率を乗じて得られる枚数でもよい。各ユニットの基準枚数を示すデータ(基準枚数データD3)は、記憶部73に記憶される。
例えば、ユニットを交換したサービスマンが操作パネル1に対して入力を行うことにより、主制御部7は、ユニット交換がなされたこと、交換されたユニットを認識する。この場合、操作パネル1は、ユニットの交換がなされた旨の入力を受け付ける。そして、主制御部7は、交換されたユニットの累計印刷枚数をリセットする。
また、主制御部7は、ユニットのうち、要確認対象のものがあるとき、そのユニットの交換時期が近づいている旨のメッセージを表示部11に表示させる。表示部11は、左下隅や右下隅などの限られた領域にメッセージを表示する。
(メンテナンス対象としての給紙部3a、トナーコンテナ42、廃トナー容器44)
次に、図1、図7を用いて、トナー及び用紙に関するメンテナンスを説明する。図7は、トナー及び用紙に関するメンテナンスを説明するための図である。尚、図1では、便宜上、トナーコンテナ42と廃トナー容器44の図示を省略している。
主制御部7は、トナーや用紙に関するメンテナンスを行うべき時期が近づいているか否かも判断する。複合機100は、トナーに関する部分として、トナーコンテナ42、トナー補給機構43、廃トナー容器44、廃トナー搬送部45、を含む。このうち、トナーコンテナ42や廃トナー容器44がメンテナンス対象である。また、複合機100は、用紙の給紙を行う部分であり、メンテナンス対象としての給紙部3aを含む。
トナーに関し、各色の現像ユニット4bに対して、トナーコンテナ42(トナーコンテナ42)が設けられる(計4つ)。各トナーコンテナ42は、対応する現像ユニット4bが形成するトナー像の色(ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの何れか1色)のトナーを収容する。そして、各トナーコンテナ42は、現像ユニット4bにトナーを補給する。トナーコンテナ42から現像ユニット4bにトナーを送るためトナー補給機構43が設けられる。トナー補給機構43は、トナーを現像ユニット4bに向けて搬送する補給スクリュー43aや、補給スクリュー43aを回転させる補給用モーター43bを含む。主制御部7は、補給用モーター43b及び補給スクリュー43aを回転させ、トナーを補給させる。
そして、各トナーコンテナ42には、トナーコンテナ42内のトナーの残量を検知するためのトナー残量センサー46が設けられる。主制御部7は、トナー残量センサー46の出力に基づき、各トナーコンテナ42に残るトナーの量を認識する。尚、トナー残量センサー46には、光センサーや磁気センサーや圧力センサーなどを用いることができ、用いるトナーの特性を考慮したセンサーが用いられる。また、主制御部7は、トナーコンテナ42が取り付けられてから原稿の画像データに対してトナーをのせるドットを累計的にカウントし、累計のドットカウントに基づきトナーの残量を認識、推定するようにしてもよい。
更に、主制御部7は、認識した各トナーコンテナ42内のトナーの残量に基づき、各トナーコンテナ42のうち、トナーの残量が少ないため、メンテナンスを行うべき時期(交換時期)が近いトナーコンテナ42(要確認対象)の有無を判断する。具体的には、主制御部7は、トナー残量センサー46の出力に基づき、トナーコンテナ42内のトナーが予め定められたトナー残量を下回ったトナーコンテナ42を要確認対象と認識する。例えば主制御部7は、残り10%を下回っているトナーコンテナ42を要確認対象と判断する。
尚、主制御部7は、トナーコンテナ42が取り付けられてからの印刷枚数を累計的にカウントし、累計印刷枚数が一定値を超えているトナーコンテナ42を要確認対象と認識してもよい。この場合、主制御部7は、検知される残量が所定の値以上増えた色のトナーコンテナ42が交換されたと認識する。交換したトナーコンテナ42の色の入力が操作パネル1になされたとき、主制御部7は、その色のトナーコンテナ42が交換されたと認識してもよい。
また、中間転写ユニット5の中間転写ベルト51や感光体ドラム41上のトナーは、全て転写されず、残る場合がある。残ったトナーは次のトナー像形成の邪魔になる。そこで、本実施形態の複合機100には、感光体ドラム41や中間転写ベルト51に残るトナーを除去するクリーニングユニット47、54(図1参照)が設けられる。主制御部7は、除去されたトナーを廃トナーとして廃トナー容器44に向けて廃トナー搬送部45に搬送させる。廃トナー搬送部45は、廃トナーを送る搬送用スクリュー45aや、搬送用スクリュー45aを回転させる廃トナーモーター45bを含む。主制御部7は、印刷ジョブ中や印刷ジョブ後、一定時間の間、廃トナーモーター45b及び搬送用スクリュー45aを回転させ、廃トナー容器44に向けて廃トナーを送る。
そして、廃トナー容器44に対して、廃トナー容器44内の廃トナーの量を検知する(廃トナー容器44に収容される廃トナーが一定量を超えたか否かを検知する)ための廃トナーセンサー48が設けられる。廃トナー容器44の収容量には限界があり、廃トナーがこぼれると機内を汚すので、こぼれるほど廃トナー容器44に廃トナーが溜まる前に廃トナー容器44の交換を促す必要がある。主制御部7は、廃トナーセンサー48の出力に基づき、廃トナー容器44内の廃トナーの量を認識する。尚、トナー残量センサー46には、廃トナー容器44内の積み上げられた廃トナーの高さを検知するセンサー(例えば、光センサー)などを用いることができる。
更に、主制御部7は、認識した廃トナーセンサー48の出力に基づき、廃トナー容器44内の廃トナーの量が一定量を超えており、満杯が近いため、メンテナンスを行うべき時期(交換時期)が近いか否かを判断する。
尚、各ユニットやトナーコンテナ42と同様に、主制御部7は、廃トナー容器44が取り付けられてからの印刷枚数を累計的にカウントし、累計印刷枚数が一定値を超えているとき、廃トナー容器44を要確認対象と認識してもよい。この場合、主制御部7は、廃トナー容器44内の廃トナーの量が一定量でなくなったことに基づき、廃トナー容器44が交換されたと認識する。また、廃トナー容器44を交換した旨の入力がなされたとき、主制御部7は、廃トナー容器44が交換されたと認識してもよい。
次に、用紙に関するメンテナンスを説明する。給紙部3aは、印刷に用いる用紙を収容する。例えば、500枚程度の用紙を収容する。尚、複数の給紙部3aを積み重ねて給紙部3aを増設することで、数千枚の用紙を収容することもできる。そして、給紙部3aには、用紙の残量を検知するための用紙残量センサー31が設けられる。
主制御部7は、用紙残量センサー31の出力に基づき、給紙部3a(給紙カセット)に残る用紙の量を認識する。尚、用紙残量センサー31には、用紙の積載方向(上下方向)に並べた複数の光センサーなどを用いることができ、用紙の残量を認識できればよい。
更に、主制御部7は、認識した用紙残量に基づき、メンテナンスを行うべき時期(用紙の補充時期)が近いか否かを判断する。具体的に、主制御部7は、用紙残量センサー31の出力に基づき、残量が予め定められた用紙残量を下回ったと認識したとき、給紙部3aを要確認対象と認識する。例えば、主制御部7は、残り10%を下回っていると、給紙部3aを要確認対象と判断する。
また、主制御部7は、給紙部3a、各トナーコンテナ42、廃トナー容器44のうち、要確認対象があるとき、用紙の補充、又は、交換時期が近づいている旨のメッセージを表示部11に表示させる。表示部11は、左下隅や右下隅などの限られた領域にメッセージを表示する。
(要確認対象がないときの振動処理)
次に、図8を用いて、要確認対象がないときの振動処理の流れを説明する。図8は、要確認対象がないときの振動処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8のスタートでは、主制御部7は、各ユニット(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6)、各色のトナーコンテナ42、廃トナー容器44、給紙部3aといったメンテナンス対象のうち、要確認対象がないと判断している状態である。
まず、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力と表示している画面のデータに基づき、表示部11に表示されたキーに対する操作がなされたか否かを確認する(ステップ♯11)。パネル制御部10は、キー操作がなされるまで確認を続ける(ステップ♯11のNo→ステップ♯11)
キー操作がなされたとき(ステップ♯11のYes)、パネル制御部10は、主制御部7にキー操作がなされた旨を伝える(ステップ♯12)。この旨を受けて、振動制御部8は、予め定められた通常駆動信号S1を各圧電素子9に入力する(ステップ♯13)。
通常駆動信号S1は、パルス信号である。また、通常駆動信号S1の振幅、パルス信号の周波数、入力するパルス数、通常駆動信号S1を入力する時間の長さ、キー操作がなされてから通常駆動信号S1の入力を開始するまでの時間などが予め定められている。この通常駆動信号S1を示すデータ(通常駆動信号データD4)は、記憶部73に記憶されている。振動制御部8は、通常駆動信号データD4に示される波形の信号を各圧電素子9に入力する。その結果、各圧電素子9やタッチパネル部12は通常振動量で振動する。通常駆動信号S1は、使用者にクリック感を与えるような波形である。そして、フローは終了し、ステップ♯11から再び開始される(ステップ♯13の後、ステップ♯11に戻るともいえる)。
(要確認対象があるときの振動処理)
次に、図9〜図12を用いて、要確認対象があるときの振動処理の流れを説明する。図9は、要確認対象があるときの振動処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10〜図12は、通常振動量と振動量を異ならせる場合の振動に関する設定画面の一例を示す。
図9のスタートでは、主制御部7は、各ユニット(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6)、各色のトナーコンテナ42、廃トナー容器44、給紙部3aといったメンテナンス対象のうち、要確認対象があると判断している状態である。言い換えると、主制御部7が、補充、交換の時期が近いメンテナンス対象があると判断している状態である。
まず、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力と表示している画面のデータに基づき、表示部11に表示されたキーに対する操作がなされたか否かを確認する(ステップ♯21)。パネル制御部10は、キー操作がなされるまで確認を続ける(ステップ♯21のNo→ステップ♯21)
キー操作がなされたとき(ステップ♯21のYes)、パネル制御部10は、主制御部7に操作されたキー(キーの種類)を伝える(ステップ♯22)。そして、主制御部7は、操作されたキーに基づき、通常振動量と異なる振動量で振動させるか否かを判断する(ステップ♯23)。
ここで、本実施形態の複合機100では、表示部11に表示されるキーのうち、要確認対象がある状態でどのようなキーが操作されると、振動量を通常と異ならせるかを予め定めておくことができる。図10を用いて、この点を説明する。
図10は、要確認対象がある状態での振動を設定するための画面(第1振動設定画面SC1)である。第1振動設定画面SC1は、操作パネル1に対して所定の操作が行われると、パネル制御部10は、表示部11に表示させる。
図10の第1振動設定画面SC1の第1の項目に配されたキーを操作することにより、要確認対象がある状態でどのようなキーが操作されると、圧電素子9やタッチパネル部12の振動量を通常と異ならせるかを定めることができる。
図10の第1振動設定画面SC1の第1の項目のうち、左側の第1選択キーK1が操作されると、パネル制御部10は、要確認対象がある状態で、予め定められた特定キーが操作されたときのみ、圧電素子9やタッチパネル部12の振動量を通常と異ならせる(報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力する)設定がなされたと認識する。
特定キーは、メンテナンス対象(要確認対象)ごとに、適宜定めることができる。例えば、給紙部3aに対しては、用紙の設定に関するキーを特定キーと定めることができる。例えば、印刷に用いる用紙サイズの設定項目を選択するためのキーが、給紙部3aの特定キーとされてもよい。また、用紙サイズの設定項目を選択すると表示される用紙サイズ選択画面内に配された用紙サイズ(設定値)を選択するためのキー(例えば、「A4」や「レター」の文字を含むキー)が給紙部3aの特定キーとされてもよい。また、給紙部3aに収容されている用紙のサイズと一致する文字を含むキー(例えば、「A4」サイズが収容されているとき、「A4」の文字を含むキー)が給紙部3aの特定キーとされてもよい。尚、給紙部3aには収容される用紙のサイズを自動的に検知するための用紙サイズセンサー32を設けることができる(図7参照)。主制御部7は、用紙サイズセンサー32の出力に基づき、給紙部3a内の用紙のサイズを認識する。このように、用紙の設定に関するキーを給紙部3aに対する特定キーとし、通常振動量と振動量が異なったときに直前に操作したキーの種類によって、給紙部3aや用紙に関するメンテナンス対象が要確認対象であると使用者に類推させることができる。
また、トナーコンテナ42、廃トナー容器44に対しては、色の設定に関するキーやトナーに関するキーを特定キーと定めることができる。例えば、印刷物の色の設定項目を選択するためのキーや、各トナーコンテナ42のトナー残量を示す画面を表示させるためのキーがトナーコンテナ42や廃トナー容器44の特定キーとされてもよい。また、印刷物の色を定めるためのキー(カラー印刷を行うかモノクロ印刷を行うか)がトナーコンテナ42や廃トナー容器44の特定キーとされてもよい。あるいは、要確認対象となっているトナーコンテナ42の色と同じ意味合いを有するキー(例えば、ブラックのトナーコンテナ42が要確認対象のとき、黒やブラックの文字を含むキーや、黒色で塗りつぶされたキー)が、トナーコンテナ42や廃トナー容器44の特定キーとされてもよい。このように、トナーに関するキーをトナーコンテナ42や廃トナー容器44に対する特定キーとし、通常振動量と振動量が異なったときに直前に操作したキーの種類によって、トナーコンテナ42や廃トナー容器44が要確認対象であると使用者に類推させることができる。
また、各ユニット(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6)に対しては、画質の設定に関するキーや、印刷画質のための調整に関するキーを特定キーと定めることができる。例えば、印刷の濃度を設定するためのキーが、各ユニットの特定キーとされてもよい。また、感光体ドラム41に意図的にトナーをのせてトナーに含まれる研磨剤によるリフレッシュ処理に関するキーが、ドラムユニット4aの特定キーと設定されてもよい。現像ユニット4bに印加する電圧の調整を行うためのキーが現像ユニット4bの特定キーとされてもよい。また、位置ずれや色ずれを確認するために中間転写ベルト51にトナー像を転写させるキャリブレーション処理に関するキーが、中間転写ユニット5の特定キーと設定されてもよい。また、印刷時の加熱ローラー61の温度の設定に関するキーが定着ユニット6の特定キーと設定されてもよい。このように、印刷プロセスや、印刷プロセスの調整に関するキーを各ユニットに対する特定キーとし、通常振動量と振動量が異なったときに直前に操作したキーの種類によって、要確認対象となっているユニットを使用者に類推させることができる。
一方で、図10の第1振動設定画面SC1の第1の項目のうち、右側の第2選択キーK2が操作されると、パネル制御部10は、要確認対象がある状態では、表示部11に表示されたキーの何れのキーが操作されても、圧電素子9やタッチパネル部12の振動量を通常と異ならせる(報知用駆動信号S2を圧電素子9に入力する)設定がなされたと認識する。
これら特定キーのみか、全てのキーかの設定に基づき、主制御部7は、操作されたキーに基づき、通常振動量と異なる振動量で振動させるか否かを判断する(ステップ♯23)。特定キーが操作されたときのみ通常振動量と異なる振動量とする設定がなされているとき、主制御部7は、操作されたキーが現在の要確認対象に対応する特定キーであれば、通常振動量と異なる振動量で振動させると判断し(ステップ♯23のYes)、操作されたキーが現在の要確認対象に対応する特定キー以外のキーであれば、通常振動量で振動させると判断する(ステップ♯23のNo)。また、何れのキーが操作されても、圧電素子9やタッチパネル部12の振動量を通常と異ならせる設定がなされているとき、主制御部7は、通常振動量と異なる振動量で振動させると判断する(ステップ♯23のYes)。
通常振動量で振動させると判断したとき(ステップ♯23のNo)、主制御部7は、各圧電素子9に、予め定められた通常駆動信号S1を振動制御部8に入力させる(ステップ♯24)。そして、フローは終了し、ステップ♯21から再び開始される(ステップ♯24の後、ステップ♯21に戻るともいえる)。
報知用駆動信号S2で振動させると判断したとき(ステップ♯23のNo)、主制御部7は、各圧電素子9に、通常駆動信号S1とは波形が異なる報知用駆動信号S2を振動制御部8に入力させる(ステップ♯25)。そして、フローは終了し、ステップ♯21から再び開始される(ステップ♯25の後、ステップ♯21に戻るともいえる)。
ここで、本実施形態の複合機100では、報知用駆動信号S2を圧電素子9に入力するとき(通常と振動量を異ならせるとき)の振動量を設定することができる。この点を、図10〜図12を用いて説明する。
まず、本実施形態の複合機100では、複数のメンテナンス対象をグループ分けすることができる。パネル制御部10は、図10に示す第1振動設定画面SC1に配された有キーK3に対する操作がなされると、各メンテナンス対象をグループ分けする旨の設定がなされたと認識する。
有りキーの下方には、複数のメンテナンス対象が上下方向に並べて表示される。そして、各メンテナンス対象に対し、属するグループを設定するためのチェックボックスC1C1が設けられる。メンテナンス対象1つにつき、チェックボックスC1が3つなので、本実施形態の複合機100では、メンテナンス対象を3つのグループに分けることができる。このように、タッチパネル部12は、各メンテナンス対象をグループ分けする入力を受け付け、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力に基づき、各メンテナンス対象が属するグループを認識する。
図10に示す例では、要確認対象となる頻度(交換や補充の頻度)が最も高い用紙補充(給紙部3a)をグループ1に、要確認対象となる頻度(交換や補充の頻度)が中程度のトナーコンテナ42や廃トナー容器44をグループ2に、要確認対象となる頻度(交換や補充の頻度)が低い各ユニット(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6)をグループ3とする例を示している。
グループ分けをする設定で第1振動設定画面SC1の次へキーK5が操作されると、パネル制御部10は、図11に示す第2振動設定画面SC2を表示部11に表示させる。第2振動設定画面SC2では、並べられたチェックボックスC2にチェックをいれることで、グループ単位で振動量の大きさを設定することができる。なお、第2振動設定画面SC2では、通常振動量よりも3段階まで振動量を大きく又は小さくできる(計6段階)例を示しているが、更に多段階でもよい。
各段階での報知用駆動信号S2の波形を示すデータ(報知用駆動信号データD5)は、記憶部73に記憶されている。主制御部7は、各圧電素子9に対し、記憶部73に記憶された報知用駆動信号データD5と、第2設定画面で設定された段階に基づいた報知用駆動信号S2を振動制御部8に入力させる。
振動制御部8は、報知用駆動信号S2と通常駆動信号S1とで、振幅のみを変化させることで振動量を異ならせるようにしてもよい。この場合、振動制御部8は、通常駆動信号S1の振幅と報知用駆動信号S2の振幅を異ならせる。そして、振動制御部8は、振動量が大きい段階ほど振幅が大きい波形の報知用駆動信号S2を、振動量が小さい段階ほど振幅が小さい波形の報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力する。
また、振動制御部8は、報知用駆動信号S2と通常駆動信号S1とで、パルス信号の周波数のみを変化させることで振動量を異ならせるようにしてもよい。この場合、振動制御部8は、通常駆動信号S1の周波数と報知用駆動信号S2の周波数を異ならせる。そして、振動制御部8は、振動量が大きい段階ほど圧電素子9の固有振動数に近い周波数の報知用駆動信号S2を、振動量が小さい段階ほど圧電素子9の固有振動数から遠い周波数の報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力する。
また、振動制御部8は、報知用駆動信号S2と通常駆動信号S1とで、パルス信号を入力する時間(入力するパルスの個数)のみを変化させることで振動量を異ならせるようにしてもよい。この場合、振動制御部8は、通常駆動信号S1を入力する時間の長さと、報知用駆動信号S2を入力する時間の長さを異ならせる。また、振動制御部8は、振動量が大きい段階ほどパルス信号の入力時間が長い報知用駆動信号S2を、振動量が小さい段階ほどパルス信号の入力時間が短い報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力する。
また、振幅、周波数、信号を入力する時間の長さの長短の複数を組み合わせて、報知用駆動信号S2の波形と通常駆動信号S1の波形を異ならせるようにしてもよい。
そして、図11に示す第2振動設定画面SC2は、要確認対象となる頻度(交換や補充の頻度)が最も高いグループ1を振動量が最も小さい段階に設定し、要確認対象となる頻度が最も低いグループ3を振動量が最も大きい段階に設定し、要確認対象となる頻度(交換や補充の頻度)が中程度のグループ2を、グループ3よりは振動量が小さく、通常駆動信号S1よりは振動量が大きい段階に設定した例を示している。振動量の大小の関係は、グループ1<グループ2<グループ3となる。
また、逆に、要確認対象となる頻度が最も高いグループ1ほど、振動量が大きくなるように設定してもよい。また、どのグループも、通常振動量よりも振動量が大きくなるように設定してもよいし、通常振動量よりも振動量が小さくなるように設定してもよい。このように、パネル制御部10は、複数のメンテナンス対象をグループに分ける設定を認識する。そして、振動制御部8は、グループごとに報知用駆動信号S2の波形を異ならせ、グループごとに振動量を異ならせる。尚、全て又は2つのグループの振動量が同じになるように設定してもよい。
また、本実施形態の複合機100では、複数のメンテナンス対象をグループ分けせずに、要確認対象があるときの報知用駆動信号S2を設定することができる。具体的に、パネル制御部10は、図10に示す第1振動設定画面SC1に配された無キーK4に対する操作がなされると、各メンテナンス対象をグループしない旨の設定がなされたと認識する。
グループ分けをしない設定で第1振動設定画面SC1の次へキーK5が操作されると、パネル制御部10は、図12に示す第3振動設定画面SC3を表示部11に表示させる。第3振動設定画面SC3では、要確認対象があるときの振動量を4種の中から選択することができる。
まず、画面中央に配された4つのキーのうち、左上の振動増加キーK6が操作されると、パネル制御部10は、報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力して振動量を通常振動量と異ならせるとき、要確認対象の種類を問わず、通常振動量よりも振動量を大きくする旨の設定がなされたと認識する。この設定がなされているとき、主制御部7は、各圧電素子9に、要確認対象がいずれのメンテナンス対象でも、通常振動量よりも振動量が大きくなるような報知用駆動信号S2を振動制御部8に入力させる。
一方、画面中央に配された4つのキーのうち、右上の振動抑制キーK7が操作されると、パネル制御部10は、報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力して振動量を通常振動量と異ならせるとき、要確認対象の種類を問わず、通常振動量よりも振動量を小さくする旨の設定がなされたと認識する。この設定がなされているとき、主制御部7は、要確認対象がいずれのメンテナンス対象でも、各圧電素子9に対し、通常振動量よりも振動量が小さくなるような報知用駆動信号S2を振動制御部8に入力させる。
また、画面中央に配された4つのキーのうち、左下の高頻度増加キーK8が操作されると、パネル制御部10は、報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力して振動量を通常振動量と異ならせるとき、高頻度と予め定められたメンテナンス対象が要確認対象であるときは、通常振動量よりも振動量を大きくし、低頻度と予め定められたメンテナンス対象が要確認対象であるときは、通常振動量よりも振動量を小さくする旨の設定がなされたと認識する。この設定がなされているとき、主制御部7は、要確認対象に応じて、各圧電素子9に対し、通常振動量よりも振動量が大きく又は小さくなるような報知用駆動信号S2を振動制御部8に入力させる。
また、画面中央に配された4つのキーのうち、右下の高頻度抑制キーK9が操作されると、パネル制御部10は、報知用駆動信号S2を各圧電素子9に入力して振動量を通常振動量と異ならせるとき、高頻度と予め定められたメンテナンス対象が要確認対象であるときは、通常振動量よりも振動量を小さくし、低頻度と予め定められたメンテナンス対象が要確認対象であるときは、通常振動量よりも振動量を大きくする旨の設定がなされたと認識する。この設定がなされているとき、主制御部7は、要確認対象に応じて、各圧電素子9に対し、通常振動量よりも振動量が大きく又は小さくなるような報知用駆動信号S2を振動制御部8に入力させる。
尚、各メンテナンス対象が高頻度に属するか低頻度に属するかは適宜定めることができる。例えば、給紙部3a、トナーコンテナ42、廃トナー容器44が高頻度であると予め定められ(固定的に定められ)、各ユニット(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6)が低頻度であると予め定めることができる。
メンテナンス対象をグループ分けするか、グループ分けする場合、メンテナンス対象をどのグルーブに含めるか、設けられたグループの振動量の大きさをどうするか、グループわけしない場合、振動増加キーK6、振動抑制キーK7、高頻度増加キーK8、高頻度抑制キーK9のうち選択されたキーはどれかという設定が操作パネル1で受け付けられ、設定内容が駆動信号設定データD6(図3参照)として記憶部73に記憶される。主制御部7は、各圧電素子9に対し、この駆動信号設定データD6に基づく波形を振動制御部8に入力させる。
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、画面に操作、設定用のキーを表示する表示部11と、表示部11に対して設けられタッチされている位置を検知して使用者による操作を受け付けるためのタッチパネル部12と、タッチパネル部12と接する複数の圧電素子9と、タッチパネル部12の出力に基づき使用者の操作内容を認識するパネル制御部10を含む操作パネル1と、タッチパネル部12を振動させるための駆動信号を圧電素子9に入力する振動制御部8と、交換、補充を行う対象であって、種類に応じたメンテナンス時期が予め定められているメンテナンス対象(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6、トナーコンテナ42、廃トナー容器44、給紙部3a)とメンテナンス時期に基づき、複数のメンテナンス対象のうち、メンテナンスを行うべき時期が近い要確認対象を判断する判断部(主制御部7)と、を備え、振動制御部8は、要確認対象がない状態でキー操作がなされたとき、予め定められた通常駆動信号S1を圧電素子9に入力して通常振動量でタッチパネル部12及び圧電素子9を振動させ、要確認対象がある状態で予め定められたキーへの操作がなされたとき、報知用駆動信号S2を圧電素子9に入力し、通常振動量とは異なる振動量で振動させる。
これにより、メンテナンスを行うべき時期が近いメンテナンス対象(要確認対象)がある状態で何れかのキー操作がなされたとき、通常と異なった振動を生じさせることができる。この通常との振動の差により、確認、点検すべきメンテナンス対象があることを使用者に触覚により伝え、注意を喚起することができる。
ここで、振動量の差を持たせるとき、圧電素子9に入力する報知用駆動信号S2の電圧値(振幅)や、周波数や、駆動信号を圧電素子9に入力する時間の長さを、通常駆動信号S1と異ならせることで、振動量の差を持たせてもよい。
また、判断部(主制御部7)が要確認対象の存在を認識しているとき、振動制御部8は、認識中の要確認対象に対応するキーとして予め定められた特定キーに対する操作がなされたとき報知用駆動信号S2を圧電素子9に入力し、特定キーでないキーに対して操作がなされたとき通常駆動信号S1を圧電素子9に入力するようにしてもよい。これにより、要確認対象に対応する特定キーを操作すると、通常振動量とは異なる振動量で圧電素子9やタッチパネル部12を振動させることができる。従って、特定キーに対応する(関連する)メンテナンス対象の交換、補充が必要であることを使用者に触覚により伝えることができる。また、確認が必要なメンテナンス対象はどれかを使用者に伝えることもできる。
また、判断部(主制御部7)が要確認対象の存在を認識しているとき、振動制御部8は、表示部11に表示されたキーの何れのキーが操作されても、報知用駆動信号S2を圧電素子9に入力するようにしてもよい。これにより、どのキーの操作がなされても通常とは異なった振動となるので、確認すべきメンテナンス対象が存在していることを使用者に触覚により伝えることができる。
また、振動制御部8は、通常駆動信号S1を入力したときよりも振動量が小さくなる、又は、大きくなる駆動信号を報知用駆動信号S2として圧電素子9に入力する。このように、振動量の差を持たせることで、確認、点検すべきメンテナンス対象が存在することを使用者に触覚により伝えることができる。
また、複数のメンテナンス対象(ドラムユニット4a、現像ユニット4b、中間転写ユニット5、定着ユニット6、トナーコンテナ42、廃トナー容器44、給紙部3a)はグループ分けされ、振動制御部8は、グループごとに報知用駆動信号S2の波形を異ならせるようしてもよい。このように、グループ単位でキーが操作されたときの振動量に差を持たせることで、使用者は、感じられた振動量によって、確認すべきメンテナンス対象をある程度絞り込むことができる。使用者は、感じた振動量に対応するグループに属するメンテナンス対象を確認、点検すればよい。
また、メンテナンス対象は、印刷に用いる用紙を収容し、収容する用紙の残量を検知するための用紙残量センサー31を含む給紙部3aである。判断部(主制御部7)は、用紙残量センサー31の出力に基づき、給紙部3aに収容される用紙が予め定められた用紙残量を下回ったと認識したとき、給紙部3aを要確認対象と認識する。これにより、使用者に用紙残量が少なくなってきており、用紙の切れの時期が近く、用紙補給が必要であることを触覚により伝えることができる。
また、メンテナンス対象は、補給用のトナーを収容するトナーコンテナ42と、印刷で生じた廃トナーを収容する廃トナー容器44である。そして、画像形成装置(複合機100)は、収容するトナーの残量を検知するためのトナー残量センサー46と、印刷により生じた廃トナーを廃トナー容器44に送る廃トナー搬送部45と、廃トナー容器44の廃トナー量が一定量を超えたことを検知するための廃トナーセンサー48と、を含む。判断部(主制御部7)は、トナー残量センサー46の出力に基づき、トナーコンテナ42に収容されるトナーが予め定められたトナー残量を下回ったと認識したときトナーコンテナ42を要確認対象と認識し、廃トナーセンサー48の出力に基づき、廃トナー容器44に収容される廃トナーが一定量を超えたと認識したとき、廃トナー容器44を要確認対象と認識する。これにより、トナー切れや、廃トナー容器44満杯の時期が近く、トナーコンテナ42や廃トナー容器44の交換時期であることを触覚により伝えることができる。
また、画像形成装置(複合機100)は、印刷枚数を記憶する記憶部73を含む。印刷に用いる感光体ドラム41を含むドラムユニット4a、用紙にトナー像を転写するための中間転写ユニット5、感光体ドラム41上の静電潜像をトナーで現像する現像ユニット4b、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着ユニット6のうち、少なくとも1つのユニットがメンテナンス対象である。判断部(主制御部7)は、取り付けられてから現在までの累計印刷枚数をユニットごとに記憶部73に記憶させ、ユニットに対して予め定められた印刷耐用枚数から累計印刷枚数を減じて得られる枚数が予め定められた枚数を下回ったユニットを、要確認対象と認識する。
これにより、ユニットの寿命切れが近く、ユニットの交換時期であることを触覚により伝えることができる。
また、判断部(主制御部7)は、要確認対象を認識したとき、表示部11に要確認対象に関するメンテナンス情報を表示させる。これにより、触覚により要確認対象の存在を使用者に知らせるとともに、表示部11により要確認対象の具体的な情報を使用者に知らせることができる。要確認対象があるとき、表示部11は、メッセージ情報(例えば、用紙の補充、又は、交換時期が近づいている旨のメッセージ)を表示するところ、キー操作での振動が通常と異なることにより、表示部11の左下隅や右下隅などの限られた領域に表示されたメッセージに対し、注意を喚起することができる。
また、画像形成装置(複合機100)は、上述の表示入力装置(操作パネル1)を含む。そのため、キーを操作したとき、タッチパネル部12が所望する大きさで振動するように、容易、正確、直感的に設定することができる。そして、使用者に理想的なクリック感を与えることができ、心地よく設定、入力の操作を行える画像形成装置(複合機100)を提供することができる。
また、特定キーをメンテナンス対象毎に、例えば、給紙部3aに対して用紙の設定に関するキーを特定キーと定めたが、メンテナンス対象毎に用紙サイズを選択する個々のキーを設定してもよい。具体的には、「A4」サイズの用紙残量が予め定めた用紙残量を下回ったときに、「A4」サイズの用紙を使用しようと、用紙サイズ選択画面に表示された「A4」サイズの用紙選択キーが操作されたときに通常振動量と異なる振動量とするようにしてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、振動制御部8を複合機100の主制御部7に設ける例を説明したが、振動制御部8は、操作パネル1内や、パネル制御部10内に設けるようにしてもよい。