JP6123600B2 - 印刷装置および画像処理プログラム - Google Patents

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本発明は、印刷装置および画像処理プログラムに関する。
プリンターは、ユーザーが任意に選択した写真等の画像を印刷媒体に印刷する際、印刷媒体の各辺と画像との間に縁(あるいは余白とも言う。)を設けて印刷する縁(以下、片仮名で「フチ」。)あり印刷を行うことができる。
関連技術として、写真プリントの周辺領域に二重フチを形成する設定を有し、二重フチを構成する外側フチの幅と内側フチの幅をそれぞれユーザーが選択設定可能であるデジタル写真プリント装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2004‐309558号公報
画像周辺におけるフチの形成の有無や、形成するフチがどのようなものであるかは、画像の印刷結果(印刷物あるいは作品と呼ぶ。)の見栄えに大きな影響を与える。例えば、ユーザーは、作品における画像を際立たせたり、あるいは作品が掲示される周囲の雰囲気に作品を自然に溶け込ませたりする等、様々な効果をフチによって演出することを望む。しかしユーザーにとって、写真等の画像をプリンターに印刷させる際、フチを適切に設定することは必ずしも容易ではない。そのため、印刷に際して最適なフチを設定すべく試行錯誤して多大な労力を費やすことがあった。また、ユーザーは、任意に選んだ画像を、印刷する以外にもインターネット上のサイト等に掲示することがあるが、このような掲示を行う際にも印刷時と同様に、画像へ適切にフチを設定することの難しさがあった。
本発明は少なくとも上述の課題を解決するためになされたものであり、画像周辺にフチをより簡単にかつ適切に設けることが可能な印刷装置および画像処理プログラムを提供する。
本発明の態様の一つは、画像の周囲にフチを設けて当該画像を印刷媒体に印刷可能な印刷装置であって、前記印刷の対象となる画像を外部からの指示に応じて選択する画像選択部と、前記選択された画像の周囲に設ける前記フチの種類について、1重のフチか2重のフチかを外部からの指示に応じて選択するフチ種類選択部と、前記選択された種類にかかるフチの色を、フチに隣接する色に応じて決定するフチ色決定部と、を備える。
当該構成によれば、ユーザーは、印刷の対象として選択した画像の周囲に設けるフチの種類について、1重のフチか2重のフチかを選択することができる。そして、このように選択された種類にかかるフチの色が、フチに隣接する色に応じて自動的に決定される。つまり、ユーザーは、フチに対する色の設定に労力を費やすことなく、フチに隣接する色に応じて最適な色に設定されたフチを含む印刷結果を得ることができる。
本発明の態様の一つは、前記フチ色決定部は、前記選択された画像の色に応じて、当該画像に隣接するフチの色を決定するとしてもよい。
当該構成によれば、印刷の対象として選択された画像の色に応じて、画像に隣接するフチの色が最適な色に決定される。
本発明の態様の一つは、前記フチ色決定部は、前記選択された画像が印刷後に設置される所定面の色に応じて、当該所定面に隣接するフチの色を決定するとしてもよい。
当該構成によれば、印刷の対象として選択された画像が印刷後に設置される所定面の色に応じて、当該所定面に隣接するフチの色が最適な色に決定される。所定面は、例えば、作品が掲示される壁面や、作品が納められる額や当該額内の台紙等を指す。
本発明の態様の一つは、前記フチ色決定部は、前記選択された画像の色と前記選択された画像が印刷後に設置される所定面の色とに応じて、グラテーション状に変化する色を前記フチの色として決定するとしてもよい。
当該構成によれば、フチよりも内側の色である前記選択された画像の色と、フチよりも外側の色である前記所定面の色との両方を考慮して色が適正化されたフチを、ユーザーは自動的に得ることができる。
なお、印刷装置は、前記選択された種類にかかるフチの太さを外部からの指示に応じて選択するフチ太さ選択部をさらに備えるとしてもよい。
さらに 本発明の態様の一つは、前記選択された画像の色と当該画像に隣接するフチについて決定された色との差が所定の差以下である場合に前記選択された画像の色を修正する画像修正部を備えるとしてもよい。
当該構成によれば、画像の色と画像に隣接するフチについて決定された色との差が少ない場合に画像の色を修正することで、自動的に画像とフチとの境界を明確化することができる。
本発明の態様の一つは、前記選択されたフチの種類が1重のフチである場合、当該フチについて決定された色と前記選択された画像の所定部分の色とに基づいて、当該フチと当該画像との間に新たなフチを生成してフチを2重化するか否かを判定し、当該2重化をすると判定した場合に、当該新たなフチを生成するフチ生成部を備えるとしてもよい。
当該構成によれば、ユーザーが1重のフチを選択した場合であっても、フチの色と画像の色との関係に基づいて、フチを2重化した方が適切である場合に、自動的にフチが2重化され、ユーザーに対してより見栄えのよい印刷結果が提供される。
本発明の技術的思想は、上述したような印刷装置以外の物や方法によって実現されてもよい。例えば、印刷装置が実行する処理工程を有する方法(印刷方法)の発明を捉えることができる。
また、画像の周囲にフチを設けて当該画像を出力する処理をコンピューターに実行させる画像処理プログラムであって、前記出力の対象となる画像を外部からの指示に応じて選択する画像選択機能と、前記選択された画像の周囲に設ける前記フチの種類について、1重のフチか2重のフチかを外部からの指示に応じて選択するフチ種類選択機能と、前記選択された種類にかかるフチの色を、フチに隣接する色に応じて決定するフチ色決定機能と、を前記コンピューターに実行させる構成も、1つの発明として捉えることができる。ここで言うコンピューターとは、印刷装置に搭載されるCPU等を指しても良いし、印刷装置とは別の、パーソナルコンピューター(PC)や、携帯型端末装置等を指しても良い。むろん、このようなプログラムを記録したコンピューター読取可能な記録媒体も発明として捉えることが可能である。
印刷装置を概略的に示す図である。 プログラムの構成を概略的に示す図である。 印刷処理を示すフローチャートである。 フチ設定処理を示すフローチャートである。 UI画面を例示する図である。 フチを設けた対象画像が印刷媒体に印刷された状態を例示する図である。 グラテーション状に色が変化するフチの一部等を例示する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
1.印刷装置の概略
図1は、本実施形態にかかる印刷装置の構成を概略的に示している。図1では、画像の周囲にフチを設けて当該画像を印刷媒体に印刷可能な印刷装置(プリンター)10を示している。印刷装置10は、例えば、インク(液体)を吐出するための複数のノズルからインクを吐出するインクジェットプリンターである。印刷装置10は、印刷処理を制御するための制御部11を有する。制御部11では、CPU12が、例えば、ROM13に記憶されたプログラムをRAM14等の所定のメモリーに展開してプログラムに従った処理を行なうことにより、自機を制御する。
図2は、このようなプログラムの一例としてのプログラム30を示している。CPU12は、プログラム30に従った処理を行なうことにより、画像選択部30a、フチ種類選択部30b、フチ太さ選択部30c、フチ色決定部30d、フチ生成部30e、画像修正部30f等の各機能を実現する。これら各機能については後述する。プログラム30は、特許請求の範囲における「画像処理プログラム」の一例である。
制御部11は、例えば、通信インターフェイス(IF)15を介して有線あるいは無線で通信可能に接続された不図示の外部装置(例えば、PC、携帯型端末装置、スキャナー、デジタルスチルカメラ等)や、印刷装置10に外部より挿入された記憶メディア等から画像データを入力し、入力した画像データに基づいた印刷処理を実現することができる。外部より挿入された記憶メディアとは、例えばメモリーカードMCであり、メモリーカードMCは、印刷装置10の筺体に形成されたスロット部16に挿入される。
印刷装置10は、操作パネル17を備える。操作パネル17は、表示部(例えば液晶ディスプレー)や、表示部内に形成されるタッチパネルや、各種ボタンやキーを含み、印刷処理に必要な情報を、ユーザーからの入力により受け付けたり、必要なユーザーインターフェイス(UI)画面を表示部に表示したりする。また、印刷装置10は、原稿を読み取る(スキャンする)ための読取部18を備えるとしてもよい。つまり、印刷装置10は、読取部18を備えることでスキャナーとしても機能する。むろん、印刷装置10は、読取部18による読取で入力した画像データに基づいた印刷処理を行うこともと可能である。
印刷装置10は、搬送機構19を備える。搬送機構19は、不図示のローラーや当該ローラーを回転させるモーター等を備え、所定の搬送方向に沿って印刷媒体を搬送する。印刷媒体は、代表的には紙であるが、例えば、プラスチックや繊維等、紙以外の各種素材であってもよい。
印刷装置10は、キャリッジ20を備えており、キャリッジ20は複数種類のインク毎のカートリッジ21を搭載している。図1の例では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクに対応した複数のカートリッジ21が搭載されている。ただし、印刷装置10が使用する液体の具体的な種類や数は上述したものに限られず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリックインク、プレコート液…等、種々の液体を使用可能である。また、カートリッジ21は、キャリッジ20に搭載されずに印刷装置10内の所定位置に設置されるとしてもよい。カートリッジ21は、インクタンク、インクパッケージ等の体裁でもよい。また、キャリッジ20は、各カートリッジ21から供給されるインクを複数のノズルから吐出(噴射)する印刷ヘッド22を備える。
印刷処理において、制御部11は、後述の「フチ設定処理」が施された画像データに対して、さらに各種変換処理を施すことにより、印刷データを生成する。
印刷ヘッド22内には、各ノズルに対応して、ノズルからインク(インク滴)を吐出させるための圧電素子が設けられている。圧電素子は、印刷データに基づく駆動波形が印加されると変形して、対応するノズルからインクを吐出させる。搬送機構19は、制御部11に駆動制御されることにより、搬送方向に沿って印刷媒体を搬送する。また、制御部11は、キャリッジモーター23を駆動制御することにより、キャリッジ20(および印刷ヘッド22)を搬送方向と交差する方向(主走査方向)に沿って移動(主走査)させ、かつ当該移動に伴って印刷ヘッド22の各ノズルからインクを吐出させる。これにより、印刷媒体にドットが形成され、画像データに基づく画像が印刷媒体上に再現される。ドットとは、印刷媒体に付着した状態のインク滴を意味する。なお前記“交差”とは、直交の意である。ただし、直交といっても、厳密な直交(90°)のみを意味するのではなく、製品の品質上許容される程度の角度の誤差を含む意味である。
印刷装置10は、前記のように印刷ヘッド22が主走査方向に沿って移動するいわゆるシリアルプリンターに限られない。例えば、印刷装置10は、ノズルが主走査方向に沿って並ぶインク種類毎のノズル列を搬送方向に複数並列させたラインプリンター用ヘッドを有する、いわゆるラインプリンターであってもよい。また、ノズルからインクを吐出させる手段も、前記圧電素子に限られず、発熱素子によりインクを加熱してノズルからインクを吐出させる手段を採用してもよい。さらに、印刷装置10が採用する印刷方式は、前記のようなインクジェット方式に限る必要はなく、レーザー方式やサーマル方式であってもよい。
2.印刷処理
図3は、印刷装置10においてCPU12がプログラム30に従って実行する印刷処理の一例を示したフローチャートである。当該フローチャートは、フチ設定処理を含むものである。
ステップS100では、画像選択部30aは、印刷装置10による印刷の対象となる画像(以下、対象画像)を外部からの指示に応じて選択する。具体的には、画像選択部30aは、操作パネル17の表示部に、対象画像を選択させるためのUI画面を表示させ、操作パネル17を介してユーザーが指定した画像を、対象画像として選択する。画像選択部30aは、選択した対象画像にかかる画像データを、メモリーカードMC等の上述の入力元から取得する。画像データは、例えば、画素毎にレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の階調値を有するビットマップ形式のデータである。
ステップS110では、プログラム30は、対象画像にかかる画像データに対する色彩編集をする機能を実現する。プログラム30は、操作パネル17の表示部に、例えば画像データについての、R,G,Bのカラーバランス、明るさ、コントラスト、彩度等の各種パラメーターを編集するためのUI画面を表示させる。そして、操作パネル17を介したユーザーのこれら各種パラメーターに対する編集の指示に応じて、画像データのカラーバランス、明るさ、コントラスト、彩度等を変更する。
ステップS120では、プログラム30は、対象画像(ステップS110の色彩編集が施された画像データ)の周囲にフチを設ける機能を実現する(フチ設定処理)。
図4は、フチ設定処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS121では、フチ種類選択部30bが、対象画像の周囲に設けるフチの種類について、1重のフチか2重のフチかを外部からの指示に応じて選択する。具体的には、フチ種類選択部30bは、操作パネル17の表示部に、フチの種類を選択させるためのUI画面を表示させ、操作パネル17を介してユーザーが指定したフチの種類を選択する。
図5Aは、フチの種類を選択させるためのUI画面24aの一例を示している。図5において符号24は、操作パネル17の表示部を示している。UI画面24aには、例えば「フチなし」、「フチあり」、「フチあり枠付」等といった複数の選択肢が提示される。ユーザーは、このような選択肢の中から任意にフチの種類を指定することができる。図5Aの例では、「フチあり」は1重のフチを意味し、「フチあり枠付」は2重のフチを意味する。2重のフチについては、以後、外側のフチを「外フチ」、内側のフチを「内フチ」と呼ぶ。「フチあり枠付」における“枠”は、ユーザーに対して「内フチ」の存在を教示している。なお、「フチなし」が指定された場合は、印刷媒体の全面にインクを吐出して対象画像を印刷するいわゆるフチなし印刷が実行されるが、本実施形態では「フチなし」が指定された場合についての説明は省略する。
ステップS122では、フチ太さ選択部30cが、ステップS121で選択された種類にかかるフチの太さを外部からの指示に応じて選択する。具体的には、フチ太さ選択部30cは、操作パネル17の表示部24に、フチの太さを選択させるためのUI画面24bを表示させ、操作パネル17を介してユーザーが指定したフチの太さを選択する。
図5Bは、フチの太さを選択させるためのUI画面24bの一例を示している。UI画面24bには、例えば「普通」、「やや太め」、「太め」、「かなり太め」等といった複数の選択肢が提示される。ユーザーは、このような選択肢の中から任意にフチの太さを指定することができる。例えば「普通」は、3ミリ程度の太さを意味し、それぞれが意味するフチの太さには、「普通」<「やや太め」<「太め」<「かなり太め」の関係が成り立つ。図5Bに例示したUI画面24bは、前記「フチあり」と「フチあり枠付」のいずれが選択された場合でも表示される。「フチあり枠付」が選択された後に表示されるUI画面24bは、外フチの太さを選択するための画面である。本実施形態では基本的に、2重のフチを設定する場合、内フチは外フチよりも細く、その太さが予め決められており、ユーザーが太さを指定できるのは外フチのみである。ただし、内フチについても、外フチと同様に、太さをユーザーが選択できるとしてもよい。また、フチの太さについて、図5Bのように限られた選択肢の中から選ぶ以外に、ユーザーが数値で具体的に指定するとしてもよい。
ステップS123では、フチ色決定部30dが、ステップS121で選択された種類にかかるフチの色を、フチに隣接する色に応じて決定する機能を実現する。
図6Aおよび図6Bは、種類や太さや色が設定されたフチを周囲に有する対象画像が印刷媒体Pに印刷された状態を簡易的に示す図である。図6A,6B(および後述の図7)はいずれも、対象画像が印刷された領域(画像領域IA)を、ハッチングを施した領域により示している。
図6Aでは、前記「フチあり」が選択された場合に画像領域IAの周囲に設けられた1重のフチFを例示している。フチFの太さWは、ステップS122で選択した太さに対応する数値で実現されており、例えば、画像領域IAの上下左右のいずれにおいても同一である。図6Aでは、フチFの色が白とされた(つまりフチFは余白である)場合を示している。図6Bでは、前記「フチあり枠付」が選択された場合に画像領域IAの周囲に設けられた2重のフチ(外フチF1および内フチF2)を例示している。外フチF1の太さW1は、ステップS122で選択した太さに対応する数値で実現されており、例えば、画像領域IAの上下左右のいずれにおいても同一である。内フチF2の太さW2も画像領域IAの上下左右のいずれにおいても同一であり、予め決められた太さで実現されている。図6Bでは、外フチF1の色が黒とされ、内フチF2の色が白とされた場合を示している。このようなフチ(F,F1,F2)の色は、白黒以外の色にも決定され得る。
以下では、ステップS123においてフチの色を決定する処理を、複数の実施例により説明する。
≪実施例1≫
フチ色決定部30dは、対象画像の色に応じて、対象画像に隣接するフチの色を決定する。ここで言う対象画像の色とは、色彩編集(ステップS110)が施された画像データが表現する色であり、前記「フチに隣接する色」の一例である。ただし、画像データは様々な色を含み得るため、フチ色決定部30dは、例えば、画像データを解析して画像データ内で最も多く使用されている色を、対象画像の色(対象画像を代表する色)として特定する。このとき、例えば、色彩値Lab(CIE L*a*b*表色系)で示される1つの色(色彩)を特定してもよいし、色相環を所定数の色(例えば12色程度)に区切ったときの1つの色(1つの色相範囲)を特定してもよい。また、画像データがモノクロ画像を示している場合には、フチ色決定部30dは、例えば、画像データ内の平均明度を求め、当該平均明度が所定のしきい値以上であれば白、当該平均明度が当該しきい値未満であれば黒、というように単純に対象画像の色を特定してもよい。
フチ色決定部30dは、前記のように対象画像の色を特定したら、当該特定した色に応じて対象画像に隣接するフチの色を決定する。ユーザーは、対象画像の周囲にフチを設けることで、作品として得られる対象画像を際立たせたいと望むことが多い。そこで、フチ色決定部30dは、前記特定した対象画像の色と補色の関係にある色を、フチの色として決定する。補色とは、色相環において対角位置にある色同士の関係を言う。対象画像に隣接するフチの色を対象画像の色の補色とすることで、対象画像を際立たせることができる。ただし、補色といっても厳密な補色の関係に限定する必要はなく、フチ色決定部30dは、おおよそ補色の関係にある色の組み合わせを複数予め規定しておき、この規定を参照して前記特定した対象画像の色の補色をフチの色として決定すれば良い。また、補色という概念以外にも、相性が良いとされる色同士の組み合わせや互いを際立たせる効果を持った特定の色同士の組み合わせを予め規定しておき、そのような規定を参照して前記特定した対象画像の色との関係でフチの色を決定しても良い。また、前記特定した対象画像の色が白であればフチの色は黒、前記特定した対象画像の色が黒であればフチの色は白、と決定しても良い。
上述したように、ユーザーはフチの種類として1重のフチと2重のフチとを選択可能である。1重のフチが選択されている場合にはフチは1つであるため、前記特定した対象画像の色に応じて決定するフチの色とは、当該1重のフチの色である。一方、2重のフチが選択されている場合、対象画像に隣接するフチは内フチである。そのため、前記特定した対象画像の色に応じて決定するフチの色とは、内フチの色である。2重のフチが選択されている場合、外フチの色も決定する必要がある。この場合、フチ色決定部30dは、例えば、決定した内フチの色に応じて自動的に外フチの色を決定することができる。例えば、外フチの色は白か黒のいずれかに限定し、内フチの色が比較的明るい色(比較的明るい色として予め決められている色群に属する色)であれば、外フチの色は黒、内フチの色が比較的暗い色(比較的暗い色として予め決められている色群に属する色)であれば、外フチの色は白、というように決定する。あるいは、決定した内フチの色と補色の関係にある色を外フチの色として決定してもよい。
フチ色決定部30dは、前記の如く対象画像の画像データを解析して画像データ内で最も多く使用されている色を特定する際、解析の対象を画像データ内の一部領域に限定するとしてもよい。つまり、フチが対象画像を際立たせるためのものであれば、対象画像内のフチに近い領域の色に応じてフチの色を決定することが好適であるとも言える。そこでフチ色決定部30dは、例えば、画像データ内の、中央を含む中央領域を除いた領域を対象として前記解析を行い、対象画像の色を特定するとしてもよい。
≪実施例2≫
フチ色決定部30dは、対象画像が印刷後に設置される所定面の色に応じて、当該所定面に隣接するフチの色を決定する。ここでいう所定面とは、例えば、ユーザーが作品を掲示する予定の壁面や、作品を収める額や、当該額内の台紙(額内で作品のフチの一部を押さえつける役割をする台紙)等を指す。また、このような所定面の色を、周辺色と呼ぶ。周辺色は、前記「フチに隣接する色」の一例である。
実施例2では、少なくともステップS123を実行するタイミング迄に、制御部11(フチ色決定部30d)は何らかの手段により周辺色の情報を得ているものとする。例えば、ユーザーは、フチの種類やフチの太さを指定する一連の操作の中で、操作パネル17を操作して周辺色を指定するとしてもよい。あるいは、ユーザーは、前記所定面を撮影した写真(所定面写真)を読取部18にセットして読み取らせるとしてもよい。読取部18は、セットされた所定面写真を読み取ることにより画像データを生成する。制御部11は、所定面写真の読み取りにより生成された画像データを解析することにより、所定面写真内で最も多く使用されている色を特定し、この特定した色を周辺色として扱うとしてもよい。なお、所定面写真の読み取りにより生成された画像データの解析は、実施例1で説明した解析と同様に行うことができる。
フチ色決定部30dは、周辺色に応じて前記所定面に隣接する(正確には、将来的に隣接することとなる)フチの色を決定する。周辺色に応じてフチの色を決定する場合、周辺色に対してフチを際立たせるべく、実施例1で説明したように、フチに隣接する色(周辺色)の補色をフチの色として決定してもよい。一方で、周辺色に対しては、フチの色を近似させてフチを周辺色に馴染ませたい(溶け込ませたい)とのニーズもある。そこで、フチ色決定部30dは、周辺色と近似する色をフチの色として決定する。近似する色とは、同一色および同一色との色差が比較的小さい他の色を意味する。例えば、フチ色決定部30dは、周辺色に応じて決定可能なフチの色の候補を予め複数規定しておき、当該規定した候補の色のうち、そのときの周辺色と最も近似する(色差が最も小さい)色を、フチの色として決定する。
1重のフチが選択されている場合には、周辺色に応じて決定するフチの色とは、当該1重のフチの色である。一方、2重のフチが選択されている場合、前記所定面に隣接するフチは外フチであるため、周辺色に応じて決定するフチの色とは、外フチの色である。2重のフチが選択されている場合、内フチの色も決定する必要がある。この場合、フチ色決定部30dは、例えば、決定した外フチの色に応じて自動的に内フチの色を決定することができる。例えば、内フチの色は白か黒のいずれかに限定し、外フチの色が比較的明るい色(比較的明るい色として予め決められている色群に属する色)であれば、内フチの色は黒、外フチの色が比較的暗い色(比較的暗い色として予め決められている色群に属する色)であれば、内フチの色は白、というように決定する。あるいは、決定した外フチの色と補色の関係にある色を内フチの色として決定してもよい。
≪実施例3≫
フチ色決定部30dは、フチに隣接する色に応じてフチの色を決定する際、フチの色を隣接する色に対して際立たせたいか、逆に、馴染ませたいかの要望を、操作パネル17を介して予めユーザーに問い合わせるとしてもよい。そして、当該問い合わせに対し、フチの色を際立たせたいとの要望を受けた場合には、フチ色決定部30dは、上述したように例えば隣接する色と補色の関係にある色をフチの色として決定する。逆に、当該問い合わせに対し、フチの色を馴染ませたいとの要望を受けた場合には、フチ色決定部30dは、上述したように例えば隣接する色と近似する色をフチの色として決定する。このような問い合わせに応じた処理の分岐は、実施例1,2のいずれにおいても適用可能である。
さらに、フチ色決定部30dは、フチに隣接する色を、前記対象画像の色とするか前記周辺色とするかの指示を、操作パネル17を介して予めユーザーに問い合わせるとしてもよい。そして、当該問い合わせに対し、前記対象画像の色を指示された場合には、実施例1を実行し、前記周辺色を指示された場合には、実施例2を実行するとしてもよい。
≪実施例4≫
フチ色決定部30dは、前記対象画像の色と前記周辺色との両方に応じて、フチの色を決定するとしてもよい。まず、1重のフチが選択されている場合について説明する。フチが1重である場合、フチ色決定部30dは、対象画像の色に応じたフチの色と、周辺色に応じたフチの色とを両方決定する。対象画像の色に応じたフチの色を決定する手法、周辺色に応じたフチの色を決定する手法は既に説明した通りである。ここでは、対象画像の色を際立たせるような色C1が対象画像の色に応じたフチの色として決定され、かつ、周辺色と馴染むような色C2が周辺色に応じたフチの色として決定されたとする。フチ色決定部30dは、対象画像側から外側(印刷媒体の外側)に向かって、色C1から色C2へグラテーション状に変化する色を、フチの色として決定する。
図7は、実施例4を採用した場合(かつ1重のフチが選択された場合)に、印刷媒体Pに印刷された、画像領域IAの一部および画像領域IAに隣接するフチF1の一部を例示している。図7では、鎖線により印刷媒体Pの端(印刷媒体Pの内側と外側の境)の位置を示している。図7に例示したように、フチFの色は、対象画像側(画像領域IA側)から外側(印刷媒体の外側)に向かって、白(色C1)から黒(色C2)へグラテーション状に変化している。このような実施例4によれば、フチの色について、対象画像の色を際立たせ且つ周辺色に対しては馴染ませるという効果を生じさせることができる。なお、色C1と色C2とが同色である場合(あるいは色C1と色C2との色差が所定程度以下である場合)は、フチの色をグラテーション状とすることに(殆ど)意味が無いため、フチ色決定部30dは、色C1と色C2とのいずれか一方の色をフチの色とする。
実施例4において、2重のフチが選択されている場合、フチ色決定部30dは、外フチと内フチとのうち、太い方のフチの色を、上述したようにグラテーション状の色とする。これは、細い方のフチについて色をグラテーション状に表現しても、その状態が殆どユーザーに視認されないからである。上述したように本実施形態では、外フチの方が内フチよりも太い。そのため、2重のフチのうち、外フチの色がグラテーション状に表現される。外フチの色をグラテーション状としたときの内フチの色については、フチ色決定部30dは、例えば、色C1と前記特定された対象画像の色とのいずれとも異なる色を決定してもよいし、色C1としてもよい(実質的に、外フチが内側に向かって若干太くなり外フチと内フチとの識別が無くなる)。
次に、ステップS124(図4)以降の説明をする。
ステップS124では、プログラム30は、その時点でのフチの設定について、ユーザーからの許可を受けたか否か判定し、許可を受けた場合にはステップS126に進む。例えば、プログラム30は、操作パネル17の表示部24に、ステップ121,S122,S123で選択または決定した種類、太さおよび色のフチを周囲に有した対象画像を、縮小した状態で表示する(フチ設定確認用表示をする)。このフチ設定確認用表示を見たユーザーは、フチの設定に満足すれば、操作パネル17を操作して、例えば不図示の「OK」ボタンを押圧することによりフチの設定を許可した旨を通知する。一方、ユーザーは、フチの設定に満足出来ない場合は、操作パネル17を操作して、例えば不図示の「戻る」ボタンを押圧することにより、フチの設定が不許可である旨を通知する。プログラム30は、当該不許可の通知を受けた場合には、ステップS125に進む。なおプログラム30は、ステップ121,S122,S123で選択または決定した種類、太さおよび色のフチを周囲に有した対象画像を印刷媒体Pに印刷させ(フチ設定確認用印刷をし)、フチ設定確認用印刷の結果を見たユーザーから前記許可または不許可の通知を受けるとしてもよい(ステップS124)。
ステップS125では、プログラム30は、操作パネル17を介したユーザーからの操作に応じて、フチの設定(種類、太さ、色)について変更を受け付ける。ユーザーは、一旦設定されたフチの種類や太さや色について任意に変更することができる。これは、ステップS123において自動的に決定されるフチの色は、ユーザーに対するフチの色の最初の提案であることを意味する。ただし、このような提案が先に有ることで、ユーザーがフチの色を設定するために費やす負担を大幅に減らすことができる。ステップS125の後は、最新のフチの設定を反映したフチ設定確認用表示やフチ設定確認用印刷を経て、ステップS124における分岐が行われる。ステップS124,S125を繰り返す回数に特に制限は無い。
ステップS126では、プログラム30は、最新のフチの設定を所定のメモリーに保存し、フチ設定処理を終了する。
図3に戻って説明を続ける。
ステップS130では、プログラム30は、ステップS110の色彩編集が施された対象画像を表現する画像データ(本画像データと呼ぶ。)と、前記フチ設定処理で設定されたフチを本画像データの周囲において表現する画像データ(フチ画像データと呼ぶ。)とを合わせた画像データ(全体画像データと呼ぶ。)に基づいて、印刷データを生成する機能を実現する。全体画像データは、ビットマップ形式のデータである。むろん、フチ画像データの部分は、太さや色が前記ステップS126で保存された設定に応じて表現されている。
印刷データの生成のために、例えば、プログラム30は、全体画像データを解像度変換する。つまり、全体画像データの解像度が印刷装置による印刷解像度(dpi)と一致するように、全体画像データの解像度を変換し、また印刷媒体のサイズに応じて縦横の画素数を印刷に必要な画素数へ調整する。さらにプログラム30は、全体画像データに対し、色変換処理を行なう。つまり、プログラム30は、全体画像データの表色系を印刷装置10が採用するインク表色系に変換する。具体的には、全体画像データが画素毎に有するRGB値を、C,M,Y,Kの各インクの量(各階調値)の組み合わせであるCMYK値に変換する。色変換処理は、RGBとCMYKとの対応関係を予め定めたルックアップテーブル(LUT)を適宜参照することにより実行可能である。LUTは、例えばROM13に格納されている。
さらにプログラム30は、全体画像データに対し、ハーフトーン処理を行なう。ハーフトーン処理は、例えば、ディザ法や誤差拡散法等により行うことができる。ハーフトーン処理により、全体画像データは、画素毎かつインクの種類毎に、インク滴の吐出(ドット形成)またはインク滴の不吐出(ドット非形成)を決定した2値データ(ハーフトーンデータに変換される。このハーフトーンデータを印刷データとも呼ぶ。
ステップS140では、プログラム30は、印刷データに基づいた印刷を実現させる。具体的には、プログラム30は、印刷データを印刷ヘッド22に転送すべき順に並べ替えた上で、印刷ヘッド22へ順次転送する。かかる並び替えの処理によれば、印刷データに規定されたドットは、その画素位置およびインク種類に応じて、印刷ヘッド22のいずれのノズルによって、いずれのタイミングで吐出されるかが確定される。この結果、印刷データに基づいて、全体画像データが表現していた画像(対象画像および対象画像の周囲のフチ)が印刷媒体上に再現される。なお、色が白とされたフチは、インクの吐出はされずに印刷媒体上の余白として確保され、白以外の色に決定されたフチは、インクの吐出により印刷媒体上で再現される。
このように本実施形態によれば、印刷装置10は、対象画像の周囲に設けるフチの種類や太さをユーザーの指示に応じて選択し、選択されたフチの色を、フチに隣接する色(対象画像の色、及び又は、周辺色)に応じて自動的に決定するとした。従って、ユーザーは、フチに対する色の設定に労力を費やすことなく最適な色に設定されたフチを有する対象画像の印刷物(作品)を得ることができる。特に、対象画像を際立たせる(対象画像の端がどこまでかがはっきり視認できる)色のフチや、作品を掲示する所定面の色に溶け込むような色のフチが自動的に決定されユーザーに提案されるため、ユーザーは、見栄えの満足度が高い作品や、周囲の色や雰囲気に自然に溶け込む作品を容易に得ることができる。
3.変形例
本発明は上述の実施形態や実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形例も可能である。上述の実施形態や実施例や以下の変形例を適宜組み合わせた内容も、本発明の開示範囲である。
≪変形例1≫
画像修正部30fが、対象画像の色と対象画像に隣接するフチについて決定された色との差(色差)が所定の差(色差)以下である場合に、対象画像の色を修正するとしてもよい。このような画像修正部30fによる機能は、例えば、ステップS123においてフチの色が決定された後であって、フチ設定確認用表示やフチ設定確認用印刷の前に自動的に働く。ここで言う対象画像の色は、実施例1を参照のこと。また、対象画像に隣接するフチの色は、1重のフチであれば当該1重のフチであるし、2重のフチであれば内フチである。
例えば、画像修正部30fは、対象画像に隣接するフチの色が白であり、対象画像の色も白や白に近い明るい色である場合(対象画像が雪景色を撮影した写真等である場合)、対象画像におけるハイライト部の明るさを所定程度下げる修正を行う。ハイライト部とは、例えば、明度を0〜255階調で表現したときに250以上に該当する色を指し、そのような色の明度を、例えば、0〜255階調で表現したときに245未満程度にまで下げる。また、画像修正部30fは、対象画像に隣接するフチの色が黒であり、対象画像の色も黒や黒に近い暗い色である場合(対象画像が夜景を撮影した写真等で有る場合)、対象画像におけるシャドー部(最暗部)の明るさを所定程度上げる修正を行う。シャドー部とは、例えば、明度を0〜255階調で表現したときに5以下に該当する色を指し、そのような色の明度を、例えば、0〜255階調で表現したときに10以上程度にまで上げる。このようにフチの色との関係で対象画像の色を修正することで、結果的に、対象画像を際立たせることができる。
なお、画像修正部30fによる機能は、ステップS125においてユーザーからフチの設定(種類、太さ、色)の変更を受け付けた後であって、フチ設定確認用表示やフチ設定確認用印刷の前にも自動的に働くとしてもよい。また、フチ設定確認用表示や、フチ設定確認用印刷や、最終的なステップS140の印刷においては、画像修正部30fによって色が修正された後の対象画像が表示、印刷される。
≪変形例2≫
フチ生成部30eが、選択されたフチの種類が1重のフチである場合に、当該フチについて決定された色と対象画像の所定部分の色とに基づいて、当該フチと対象画像との間に新たなフチを生成してフチを2重化するか否かを判定し、2重化をすると判定した場合に、当該新たなフチを生成するとしてもよい。このようなフチ生成部30eによる機能は、ステップS121において1重のフチが選択され、かつ、ステップS123において当該1重のフチの色が決定された後であって、フチ設定確認用表示やフチ設定確認用印刷の前に自動的に働く。つまり、フチ生成部30eがその時点でのフチの設定を一部変更する。対象画像の所定部分の色とは、例えば実施例1で説明したように、対象画像の画像データ内の、中央を含む中央領域を除いた領域を対象として前記解析により特定される色である。
特に、フチ色決定部30dが1重のフチの色を前記周辺色に応じて決定した場合には、フチの色と対象画像の当該フチに近い領域の色とが似てしまうことがある。このような場合、対象画像を際立たせることができない。そこで、フチ生成部30eは、1重のフチについて決定された色と、対象画像の前記所定部分の色との差(色差)が、所定の差(色差)以下である場合にフチを2重化する。つまり、既存の1重のフチの内側にフチ(内フチ)を生成する。これにより既存のフチは外フチとなる。フチ生成部30eは、このように生成する内フチの色を、例えば、対象画像の前記所定部分の色の補色とすることができる。あるいは、実施例2で説明したように、既存のフチ(外フチ)の色に応じて内フチの色を決定するとしてもよい。このように1重のフチが選択されている場合でも、既存のフチの色と対象画像の前記所定部分の色との関係に応じて、フチを2重化することで、対象画像を際立たせることができる。
なお、フチ生成部30eによる機能は、ステップS125においてユーザーからフチの設定(種類、太さ、色)の変更を受け付けた後(フチの種類は1重が選択されている状態)であって、フチ設定確認用表示やフチ設定確認用印刷の前にも自動的に働くとしてもよい。また、フチ設定確認用表示や、フチ設定確認用印刷や、最終的なステップS140の印刷においては、フチ生成部30eによって生成された内フチを周囲に有する対象画像が表示、印刷される。
≪変形例3≫
図5Aの説明では、印刷装置10はフチなし印刷を実行可能であるとしたが、機種によってはフチなし印刷を実行できない物も有る。フチなし印刷では、インクを印刷媒体の全面に確実に吐出するために、印刷媒体の外側にも幾らかのインクが吐出される。従って、フチなし印刷を実行可能である機種には、印刷媒体の外側に打ち捨てられるインクを受けるためのインク吸収材がプラテン近傍に設けられている。言い換えると、このようなインク吸収剤を有さない機種は、フチなし印刷を実行できない機種である。変形例3では、印刷装置10がフチなし印刷を実行できない機種であるとして説明を行う。
このような場合、1重のフチが選択されていれば、フチ色決定部30dはフチの色を白に確定し、それ以外の色の設定を禁止する。また、2重のフチが選択されていれば、同様に外フチの色が白に確定される。また、1重のフチおよび2重のフチにおける外フチには、印刷媒体の外側にインクが吐出されないことを保障するための一定以上のマージン(余白の太さ)が要求される。これは例えば、図5Bに示した「普通」が示す太さである。このような状況において、2重のフチが選択されている場合、内フチを、対象画像の内側に設ける(対象画像の一部を削って設ける)か、対象画像の外側に設ける(対象画像を削らずに設ける)かを、プログラム30は外フチの太さの選択状況に応じて変更する。
一例として、プログラム30は、ステップS122において、外フチの太さとして「普通」よりも太いものが選択されていれば、内フチを対象画像の外側に設ける。これは、外フチの一部(対象画像に近い側)が内フチに侵食され得るが、それでも前記マージンは確保されるとともに、対象画像を削らないようにするため(画質保護のため)である。一方、プログラム30は、ステップS122において、外フチの太さとして「普通」が選択されていれば、内フチを対象画像の内側に設ける。これにより、前記マージンが確保され、印刷媒体の外側にインクが吐出される事態を確実に回避することができる。
≪変形例4≫
プログラム30は、印刷機能を持たないデバイスにも搭載され得る。プログラム30は、例えば、ネットワークへの接続機能を有する、デスクトップ型、ラップトップ型、タブレット型等のコンピューターや、スマートフォンや、デジタルスチルカメラや、その他ゲーム機器端末、といった様々なデバイスに、アプリケーションプログラムの一種として搭載され得る。これらデバイスを操作するユーザーは、当該デバイスに保存した任意の画像を、ネットワーク(インターネット)を通じて所望のサイト(例えば、画像を掲示するサイトや、SNSが提供するサイト)へ出力(アップロード)することが可能である。
前記アップロードを行う際に、ユーザーはデバイス上でプログラム30を起動させる。これにより、ユーザーは、画像の周囲に設けるフチの種類や太さを選択することができ、かつ、フチの色の自動決定の恩恵を受けることができる。このように、アップロードする対象の画像について、アプリケーションプログラムの機能によりフチを付けていわば装飾することで、アップロード先のサイト上での画像の見栄えを向上させることができる。なお、変形例4においては、前記周辺色は、アップロード先のサイトの背景色を意味する。このような背景色の情報は、当該サイトを予め閲覧したユーザーがデバイスに直接入力してプログラム30に通知してもよいし、プログラム30が前記ネットワークを介して前記アップロード先のサイトを管理するサーバー等に問い合わせて取得するとしてもよい。
10…印刷装置、11…制御部、12…CPU、13…ROM、14…RAM、15…通信IF、16…スロット部、17…操作パネル、18…読取部、19…搬送機構、20…キャリッジ、21…カートリッジ、22…印刷ヘッド、23…キャリッジモーター、24…表示部、24a,24b…UI画面、30…プログラム、30a…画像選択部、30b…フチ種類選択部、30c…フチ太さ選択部、30d…フチ色決定部、30e…フチ生成部、30f…画像修正部、F…フチ、F1…外フチ、F2…内フチ、IA…画像領域、MC…メモリーカード、P…印刷媒体、W,W1,W2…(フチの)太さ

Claims (5)

  1. 画像の周囲にフチを設けて当該画像を印刷媒体に印刷可能な印刷装置であって、
    前記印刷の対象となる画像を外部からの指示に応じて選択する画像選択部と、
    前記選択された画像の周囲に設ける前記フチの種類について、1重のフチか2重のフチかを外部からの指示に応じて選択するフチ種類選択部と、
    前記選択された種類にかかるフチの色を、フチに隣接する色に応じて決定するフチ色決定部と、を備え
    前記フチ色決定部は、前記選択された画像の色に応じて決定した第1の色と、前記選択された画像が印刷後に設置される所定面の色に応じて決定した第2の色と、の間でグラテーション状に変化する色を、前記フチの色として決定することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記選択された種類にかかるフチの太さを外部からの指示に応じて選択するフチ太さ選択部を備えることを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
  3. 前記選択された画像の色と当該画像に隣接するフチについて決定された色との差が所定の差以下である場合に前記選択された画像の色を修正する画像修正部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記選択されたフチの種類が1重のフチである場合、当該フチについて決定された色と前記選択された画像の所定部分の色とに基づいて、当該フチと当該画像との間に新たなフチを生成してフチを2重化するか否かを判定し、当該2重化をすると判定した場合に、当該新たなフチを生成するフチ生成部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 画像の周囲にフチを設けて当該画像を出力する処理をコンピューターに実行させる画像処理プログラムであって、
    前記出力の対象となる画像を外部からの指示に応じて選択する画像選択機能と、
    前記選択された画像の周囲に設ける前記フチの種類について、1重のフチか2重のフチかを外部からの指示に応じて選択するフチ種類選択機能と、
    前記選択された種類にかかるフチの色を、フチに隣接する色に応じて決定するフチ色決定機能と、を前記コンピューターに実行させ
    前記フチ色決定機能は、前記選択された画像の色に応じて決定した第1の色と、前記選択された画像が印刷後に設置される所定面の色に応じて決定した第2の色と、の間でグラテーション状に変化する色を、前記フチの色として決定することを特徴とする画像処理プログラム。
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