JP2009233897A - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の噴射量を精度良く推定し、その推定の高速化を図れ、印刷媒体や流体の無駄を防止可能な画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、流体貯留手段52のメモリ52bとの間で流体の残量に関する情報を読み出し、または流体の使用に応じて更新する流体情報制御部76と、基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッド60から噴射させる流体との関係を示す噴射量変換テーブルに基づいて、入力画像データごとに流体の噴射量を推測する噴射量推測手段25iと、入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、推測された噴射量に基づいて流体の残量を算出する残量算出手段25aと、流体の残量に関する情報および流体の噴射量に関する情報を通知する通知手段25aと、を具備している。
【選択図】図3
【解決手段】画像処理装置は、流体貯留手段52のメモリ52bとの間で流体の残量に関する情報を読み出し、または流体の使用に応じて更新する流体情報制御部76と、基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッド60から噴射させる流体との関係を示す噴射量変換テーブルに基づいて、入力画像データごとに流体の噴射量を推測する噴射量推測手段25iと、入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、推測された噴射量に基づいて流体の残量を算出する残量算出手段25aと、流体の残量に関する情報および流体の噴射量に関する情報を通知する通知手段25aと、を具備している。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムに関する。
インクジェット方式のプリンタに接続されるコンピュータには、プリンタドライバプログラムがインストールされる場合が多く、そのプリンタドライバプログラムにおいては、インク残量が少なくなったことを通知する機能を有することが一般的である。しかしながら、かかるインク残量で、どのようなデータをどれぐらい印刷できるのか、という点については、一般には分からない状態となっている。
それに対して、特許文献1には、最終出力画像データを形成した後に、1画素ずつのドットのオン・オフ情報とインク重量とに基づいて、インク打ち込み量を求め、インク残量とインク打ち込み量とを比較し、インク残量の方が多い場合のみ印刷を許可する、という技術内容について開示されている。また、特許文献2には、ユーザが印刷を実行する以前に、インクの消費量を把握するための技術内容について開示されている。
上述の特許文献1のように、1画素ずつのドットのオン・オフ情報を求める方式では、ハーフトーン処理等を行う必要があるが、その処理には時間が掛かる、という問題がある。ところで、印刷ヘッドが移動しない、ラインヘッドと呼ばれる印刷ヘッドを具備するタイプ(以下、ラインヘッドプリンタとする。)では、印刷速度が非常に高速であるため、上記のように処理時間が掛かる場合、そのような高速な印刷の支障となってしまう。
ここで、特許文献2の手法に基づけば、ドキュメントの内容によらない、標準的なインク消費量を、印刷前に認識することは可能である。しかしながら、上記文献に開示されている技術内容は、あくまでも標準的なインク消費量に関するものである。そのため、実際の印刷におけるインク消費量とは、ずれが生じる場合がある。そのため、印刷の途中でインク切れが生じて、印刷媒体やインクが無駄になってしまう場合もある。
本発明は、上記の事情に基づき為されたもので、その目的とするところは、流体の噴射量を精度良く推定すると共に、その推定の高速化を図ることが可能であり、印刷媒体や流体の無駄を防止可能な画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の画像処理装置は、流体を貯留する流体貯留手段に取り付けられているメモリとの間で、当該流体の残量に関する情報を読み出し、または流体の使用に応じて残量に関する情報を更新する流体情報制御部と、基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッドから噴射させる流体との関係を示す噴射量変換テーブルを記憶させるための記憶部と、記憶部に記憶されている噴射量変換テーブルに基づいて、入力される入力画像データから流体の噴射量を推測する噴射量推測手段と、入力画像データに基づく印刷を実行した場合に、噴射量推測手段で推測された噴射量に基づいて流体の残量を算出する残量算出手段と、流体の残量に関する情報および流体の噴射量を通知する通知手段と、を具備するものである。
このように構成する場合、噴射量推測手段では、噴射量変換テーブルに基づいて、流体の噴射量を推測することが可能となる。また、残量算出手段では、推測された噴射量に基づいて流体の残量が算出される。そして、通知手段では、流体の残量に関する情報および流体の噴射量に関する情報を通知する。このようにすれば、実際の印刷対象となる入力画像データに基づいて、流体の残量および流体の噴射量を、ユーザに通知させることが可能となる。そのため、印刷の途中で流体がなくなって、印刷媒体や流体が無駄になってしまうのを防止することが可能となる。
また、噴射量推測手段では、噴射量変換テーブルに基づいて、流体の噴射量を推測しているので、従来のように、入力画像データに対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の処理を行うことなく、流体の噴射量に関する情報、および流体の残量に関する情報が表示可能となる。そのため、処理の高速化が可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、通知手段での通知に基づいて、入力画像データの印刷順序の入れ替えを行うことを可能とする印刷順序設定手段を具備し、この印刷順序設定手段では、入れ替えられた印刷順序に従って、入力画像データを出力するものである。
このように構成する場合、印刷順序設定手段により、入力画像データの印刷順序の入れ替えを行うことが可能となるので、ユーザの優先度に応じた印刷順序で、入力画像データの印刷を行える。そして、入れ替えられた印刷順序で、入力画像データを出力するので、その印刷順序に従って、印刷までの処理を確実に実行させることが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、残量算出手段で入力画像データの印刷順序に基づいて入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、流体の残量が足りなくなると推測される場合には、印刷順序設定手段は、当該残量が足りなくなると推測された以降の印刷順序の入力画像データを出力しないものである。
このように構成する場合、流体の残量が足りなくなると推測された以降の印刷順序の入力画像データを出力しないので、以後の印刷処理が誤って実行されるのを防止可能となる。また、インク消費量を入力画像データに対してハーフトーン等の処理を行わずに知ることができることに基づき、入力画像データを出力させない、という処理を行うことで、そのような入力画像データに対してハーフトーン等の各処理を無駄に実行させずに済む。それにより、ハーフトーン等の各処理を経ることによって、無駄に時間を費やさずに済み、しかも画像処理装置における処理負荷を軽減させることも可能となる。また、ユーザは、流体が貯留されている流体貯留手段の交換時期を予め把握することができる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、噴射量変換テーブルは、RGB表色系である所定のデータ量のパッチ画像データに基づいて作成されると共に、この噴射量変換テーブルは、当該パッチ画像データにおける1つの画素分のデータを有していて、その1つの画素分のデータは、流体の噴射に関する期待値を有するものである。
このように構成する場合、噴射量変換テーブルは、パッチ画像から1つの画素分の流体噴射に関する期待値を有している。そのため、噴射量推測手段では、入力画像データの各画素毎の期待値を積算することにより、流体噴射量を容易に推測可能となる。
さらに、他の発明の画像処理方法は、流体を貯留する流体貯留手段に取り付けられているメモリとの間で、当該流体の残量に関する情報を読み出し、または流体の使用に応じて残量に関する情報を更新する流体情報制御工程と、基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッドから噴射させる流体との関係を示す噴射量変換テーブルに基づいて、入力される入力画像データごとに流体の噴射量を推測する噴射量推測工程と、入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、噴射量推測工程で推測された噴射量に基づいて流体の残量を算出する残量算出工程と、流体の残量に関する情報および流体の噴射量に関する情報を通知する通知工程と、を具備するものである。
このように構成する場合、噴射量推測工程では、噴射量変換テーブルに基づいて、流体の噴射量を推測することが可能となる。また、残量算出工程では、推測された噴射量に基づいて流体の残量が算出される。そして、通知工程では、流体の残量に関する情報および流体の噴射量に関する情報を通知する。このようにすれば、実際の印刷対象となる入力画像データに基づいて、流体の残量および流体の噴射量を、ユーザに通知させることが可能となる。そのため、印刷の途中で流体がなくなって、印刷媒体や流体が無駄になってしまうのを防止することが可能となる。
また、噴射量推測工程では、噴射量変換テーブルに基づいて、流体の噴射量を推測しているので、従来のように、入力画像データに対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の処理を行うことなく、流体の噴射量に関する情報、および流体の残量に関する情報が表示可能となる。そのため、処理の高速化が可能となる。
また、他の発明の画像処理プログラムは、流体を貯留する流体貯留手段に取り付けられているメモリとの間で、当該流体の残量に関する情報を読み出し、または流体の使用に応じて残量に関する情報を更新する流体情報制御手順と、基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッドから噴射させる流体との関係を示す噴射量変換テーブルに基づいて、入力される入力画像データごとに流体の噴射量を推測する噴射量推測手順と、入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、噴射量推測手順で推測された噴射量に基づいて流体の残量を算出する残量算出手順と、流体の残量に関する情報および流体の噴射量に関する情報を通知する通知手順と、を実行させるものである。
このように構成する場合、噴射量推測手順では、噴射量変換テーブルに基づいて、流体の噴射量を推測することが可能となる。また、残量算出手順では、推測された噴射量に基づいて流体の残量が算出される。そして、通知手順では、流体の残量に関する情報および流体の噴射量に関する情報を通知する。このようにすれば、実際の印刷対象となる入力画像データに基づいて、流体の残量および流体の噴射量を、ユーザに通知させることが可能となる。そのため、印刷の途中で流体がなくなって、印刷媒体や流体が無駄になってしまうのを防止することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る、画像処理装置を備える印刷装置10について、図1から図9に基づいて説明する。ここで、印刷装置10とは、コンピュータ20と、インクジェット方式のプリンタ30との組み合わせを指すものとするが、以下の説明において述べる機能を全て備えるプリンタであれば、当該プリンタを印刷装置10としても良い。また、画像処理装置は、コンピュータ20とプリンタ30との間に存在する装置であるが、以下の説明においては、コンピュータ20に機能的に実現される、図3の構成が画像処理装置に対応している。
<印刷装置の概略構成>
図1は、印刷装置10の概略構成を示す図である。図1に示すように、印刷装置10は、コンピュータ20と、プリンタ30とから構成されている。
図1は、印刷装置10の概略構成を示す図である。図1に示すように、印刷装置10は、コンピュータ20と、プリンタ30とから構成されている。
これらのうち、コンピュータ20は、CPU211と、メモリ制御回路212と、メモリ213と、HDD214と、ビデオ回路215と、インターフェース216と、バス217等を具備している。これらのうち、CPU211は、不図示のROMやHDD214等から各種プログラムおよび各種データを読み出して、各種の演算を実行する部分である。また、かかる各種プログラムおよび各種データの読み出し後、コンピュータ20の各構成が協動することによって、各種の手段に相当する構成が機能的に実現されている。
また、メモリ制御回路212は、CPU211からアドレス情報が供給されると動作を開始し、その先頭アドレスから順番にアドレスを指定してバス217を介してメモリ213から指定されたデータ数のデータを順番に読み出し、インターフェース216に出力する回路である。
メモリ213は、記憶部に対応し、例えばDRAM等のような各種データおよびプログラムを格納する外部メモリである。このメモリ213には、例えば、後述するアプリケーションプログラム23で作成されたRGB表色系の画像データを記憶する供給データバッファ213aと、各種の処理を終えた後の中間データを記憶する中間データバッファ213bと、後述する階調数変換テーブル253と、同じく後述する打ち込み量変換テーブル255とを有している。
HDD214は、CPU211からの要求に応じて、記録媒体であるハードディスクに記録されているデータあるいはプログラムを読み出すとともに、CPU211の演算処理の結果として発生したデータを前述したハードディスクに記録する記録装置である。ビデオ回路215は、CPU211から供給された描画命令に応じて描画処理を実行し、得られた画像データを映像信号に変換してディスプレイCRTに出力する回路である。
インターフェース216は、プリンタ30に対して画像データを出力すると共に、外部入力装置222(キーボードやマウス等)および外部記憶装置223(磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等)から出力された信号の表現形式を適宜変換して入力させるための回路である。また、バス217は、コンピュータ20の各構成に接続され、これらの間でデータの送受信を可能とする信号線である。
図3は、コンピュータ20に実装されているプログラムおよびドライバの機能について説明する図である。なお、これらの機能は、コンピュータ20のハードウエア(CPU211、アクセラレータボード等の不図示の画像処理エンジン等)と、HDD214に記録されているソフトウエアとが協働することにより実現される。この図に示すように、コンピュータ20には、アプリケーションプログラム23、ビデオドライバプログラム24、およびプリンタドライバプログラム25が実装されており、これらが所定のオペレーティングシステム(OS)の下で動作している。
アプリケーションプログラム23は、例えば、画像処理プログラムであり、ディジタルカメラ等から取り込まれた画像を加工処理したり、ユーザによって描画された画像を加工処理したりした後、ビデオドライバプログラム24およびプリンタドライバプログラム25に出力する。ビデオドライバプログラム24は、通知手段の一部に相当し、例えば、アプリケーションプログラム23から供給された画像データ(請求項でいう入力画像データに相当)に対してガンマ処理やホワイトバランスの調整等を行った後、映像信号を生成して、コンピュータ20に接続されている表示装置に供給して表示させる。
また、プリンタドライバプログラム25は、制御モジュール25aと、表示モジュール25bと、解像度変換モジュール25cと、色変換モジュール25dと、ハーフトーンモジュール25eと、印刷データ生成モジュール25fと、色変換テーブル25gと、記録率テーブル25hと、インク打ち込み量推測モジュール25iと、を備えている。
これらのうち、制御モジュール25aは、アプリケーションプログラム23からの入力、外部入力装置222(印刷順序設定手段の一部に相当)からの入力、プリンタ30からの入力、メモリ制御回路212からの入力、インク打ち込み量推測モジュール25iからの入力等に基づいて、種々の制御を実行する。この制御の中には、後述する印刷順序設定部101での印刷順序に従って印刷を実行すると仮定した際に、インクの残量が足りなくなると推測される場合には、制御モジュール25aは、印刷を確実に行うことが可能な画像データに関しては、以後の解像度変換モジュール25c等に当該画像データを出力する(受け渡す)。しかしながら、インク残量が足りなく印刷の途中までしか行えない画像データ、または印刷が完全に行うことができない画像データについては、制御モジュール25aは、画像データを以後の解像度変換モジュール25c等に当該画像データを出力しない(受け渡さない)。
なお、この制御モジュール25aは、通知手段の一部に相当する。また、制御モジュール25aの、その他の制御の詳細については、後述する。
表示モジュール25bは、印刷に関する情報表示および設定のためのウィンドウ(表示ウィンドウ100)を表示させる機能を有している。この表示モジュール25bは、制御モジュール25aから送信される情報を受信すると共に、受信された情報をビデオドライバプログラム24を介してディスプレイCRT(通知手段の一部に相当)に表示させる。なお、表示モジュール25bは、図4に示すような、表示ウィンドウ100を表示する機能を有しているが、その詳細については後述する。
解像度変換モジュール25cは、RGB表色系の画像データの解像度を、プリンタ30の印刷解像度に応じて適宜変換するモジュールである。また、色変換モジュール25dは、RGB(Red, Green, Blue)表色系によって表現されている画像データを、色変換テーブル25gを参照して、CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Black)表色系の画像データ(以下、中間データとする。)に変換する処理を行う。
ハーフトーンモジュール25eは、不図示のディザマトリクスおよび記録率テーブル25hを参照して、CMYK表色系によって表された画像データを、2値または多値(例えば、大、中、小、なし)のドットの組み合わせからなるビットマップデータに変換する。また、印刷データ生成モジュール25fは、ハーフトーン処理後のビットマップデータから、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含む印刷データを生成して、プリンタ30に供給する。
<表示ウィンドウ100の詳細について>
図4に示すように、表示モジュール25bによって表示される表示ウィンドウ100には、印刷順序設定部101と、サムネイル表示部102と、インク消費量表示部103と、印刷可能部数表示部104と、インク残量表示部105と、リコメンド表示部106と、確認表示部107とを有している。
図4に示すように、表示モジュール25bによって表示される表示ウィンドウ100には、印刷順序設定部101と、サムネイル表示部102と、インク消費量表示部103と、印刷可能部数表示部104と、インク残量表示部105と、リコメンド表示部106と、確認表示部107とを有している。
これらのうち、印刷順序設定部101は、印刷順序設定手段の一部に相当し、その内部にサムネイル表示部102を有している。この印刷順序設定部101では、印刷順序に従って、サムネイル表示部102を表示させている。図4に示す例では、左に表示されているサムネイル表示部102に表示されているサムネイル画像102Aから、右に表示されているサムネイル表示部102に表示されているサムネイル画像102Aに向かって、順次印刷を行う設定となっている。そして、サムネイル表示部102を、例えばマウスによってドラッグしたまま、印刷順序設定部101の中で他のサムネイル表示部102よりも左または右の部位にドロップすることにより、印刷順序の変更が可能となっている。
なお、印刷順序の変更は、かかるドラッグ&ドロップ方式によらずに、不図示の印刷順序を設定するウィンドウや表示ウィンドウ100の不図示のタブ等によって、印刷順序を設定するようにしても良い。
また、サムネイル表示部102には、サムネイル画像102Aが表示される。このサムネイル表示部102は、印刷順序設定部101に複数(図4では4つ)設置されている。サムネイル表示部102は、ビデオドライバプログラム24からサムネイル画像データを受け取り、それを所定の部位に、所定のサイズで表示させる。また、インク消費量表示部103は、制御モジュール25aがインク打ち込み量推測モジュール25iからインク打ち込み量に関するデータを受け取り、表示モジュール25b、ビデオドライバプログラム24を介して、所定の表示形式で表示させる。
また、印刷可能部数表示部104は、サムネイル表示部102で表示されている画像データを印刷順序に従って印刷した場合に、特定のサムネイル画像102Aを何枚印刷可能であるかを表示する部分である。この印刷可能部数表示部104では、インク残量に関する情報と、インク打ち込み量に関する情報とに基づいて、制御モジュール25aで、サムネイル表示部102で表示されている画像データを、あと何枚印刷できるのかを表示させる。
なお、インクの残量が所定の閾値よりも多い場合(インク残量が十分多い場合)には、印刷可能部数表示部104で表示させる必要性に乏しい。そのため、インク残量が十分多い場合には、印刷可能部数表示部104での具体的な印刷枚数(印刷部数としても良い。)の表示を省略したり、「X部以上」と表示するようにしても良い。
インク残量表示部105は、制御モジュール25aがカートリッジコントローラ76から受け取った、インク残量に関する情報を表示する部分である。このインク残量表示部105では、インクカートリッジ52(流体貯留手段に相当)の色毎に、インク残量を、例えばゲージの中に棒グラフ状に表示するようにしている。しかしながら、インク残量の表示は、図4に示す場合には限られず、種々の表示態様を採用可能である。なお、図4に示す例では、サムネイル画像102Aで表示されている画像データを印刷する場合に、いずれか一色でもインク残量が足りなくなる場合には、「インク残量が足りていません。」というメッセージを、インク残量表示部105に表示させていて、ユーザの視認性を高めるようにしている。しかしながら、インク残量が足りなくなる場合、ゲージの中の棒グラフ状の表示を、マイナス方向に向かう態様で表示させるようにしても良い。
また、リコメンド表示部106は、推奨する印刷順序を表示するための部分である。この例では、推奨する印刷順序に従うと印刷ができない画像データについては、そのファイル名を着色したり網掛けする等して、印刷可能な画像データのファイル名と区別可能としている。しかしながら、印刷可能な画像データと印刷ができない画像データとを区別可能とするものであれば、どのような表示態様を採用しても良い。
また、本実施の形態では、リコメンド表示部106には、最大限の画像データ数を印刷することができる印刷順序を表示するようにしている。しかしながら、リコメンド表示部106で表示されるものは、これには限られるものではなく、例えばインク残量が最小となる印刷順を表示する等、種々変形可能である。
また、確認表示部107は、表示ウィンドウ100に表示される、例えば「OK」ボタン等の表示であり、表示されている印刷順序で良い場合に、クリック等し、それによって次の処理または表示に移行するための表示部分である。
<インク打ち込み量推測モジュールについて>
図5は、インク打ち込み量推測モジュール25iの構成について説明するブロック図である。インク打ち込み量推測モジュール25iは、解像度変換処理が為されたRGB表色系の画像データを用いて(すなわち、プリンタ30で印刷媒体Pに合わせたサイズ、印刷モード等の指定に応じて解像度変換処理が為された画像データに対して)、インク打ち込み量の推測を行う。なお、このインク打ち込み量推測モジュール25iは、噴射量推測手段に対応する。
図5は、インク打ち込み量推測モジュール25iの構成について説明するブロック図である。インク打ち込み量推測モジュール25iは、解像度変換処理が為されたRGB表色系の画像データを用いて(すなわち、プリンタ30で印刷媒体Pに合わせたサイズ、印刷モード等の指定に応じて解像度変換処理が為された画像データに対して)、インク打ち込み量の推測を行う。なお、このインク打ち込み量推測モジュール25iは、噴射量推測手段に対応する。
このインク打ち込み量推測モジュール25iは、低解像度処理部251と、低階調化処理部252と、階調数変換テーブル253と、打ち込み量決定部254と、打ち込み量変換テーブル255と、を備えている。
これらのうち、低解像度処理部251は、RGB表色系の画像データの解像度を、低解像度化して、データ量の削減を図るものである。そのため、画像データを構成するピクセル(画素)の個数が低減される。ところで、ある特定の画素の周囲に存在する画素の階調値は、その特定の画素の階調値に近い値である場合が多い。そのため、この低減においては、例えば、m×n個の画素群の中のものを、1つの画素の階調値で代表させる(代表画素値を決定する)処理が行われる。この代表画素値の決定の手法の例としては、m×n個の画素群の中から、乱数的に任意の1つの画素の階調値を選択したり、規定の部位の画素の階調値を代表画素値とするものがある。しかしながら、その他の手法(例えば直線近似法、三次元たたみ込み法)等を用いて、代表画素値を求めるようにしても良い。
また、低解像度処理部251で画素数の低減が図られたものは、サムネイル画像102Aの元となるデータとして、ビデオドライバプログラム24に出力する。なお、サムネイル画像102Aは、不図示のモジュールにて作成するようにしても良い。
低階調化処理部252は、画像データの階調数を低減させて、データ量の削減を図るものである。例えば、上述の低解像度処理部251を経た画像データは、RGBそれぞれ256階調となっているが、これを所定の階調数に低減させる。この階調数の低減においては、階調数変換テーブル253が用いられる。なお、かかる階調数変換テーブル253を用いる場合以外に、例えば256階調の階調数に対する割り算を実行したり、所定の変換式を用いたり、これらを組み合わせたりして、階調数の削減を図るようにしても良い。
階調数変換テーブル253は、打ち込み量変換テーブル255のグリッド位置情報(図6参照)を元に作成した変換テーブルを利用して、階調数を低減させ、後述する打ち込み量変換テーブル255の階調数に一致させる処理を行う。なお、この階調数は、打ち込み量変換テーブル255の階調数に応じた値であれば、どのような値であっても良い。なお、図6では、打ち込み量変換テーブル255が、例えば17階調に低減させる場合が例示されていて、この図6に示す打ち込み量変換テーブル255のグリッド位置情報を利用して、階調数の低減を図っている。なお、格子点の内部に含まれる階調のデータについては、格子点を単純に上回る、または下回る等によって、上回った/下回った格子点の値とするようにしても良い。また、格子点の間隔(グリッド間隔)の取り方は、図6で示されるような場合には限られず、目的に応じて、適切なものを選択することが可能である。
打ち込み量決定部254は、低階調化処理部252を経た画像データに対して、打ち込み量変換テーブル255を参照して、インク打ち込み量を推測するものである。このとき、打ち込み量決定部254では、打ち込み量変換テーブル255(請求項でいう噴射量変換テーブル)で参照される1画素当たりのインク打ち込み量をm×n倍することにより、低解像度化する前のm×nの領域内のインク打ち込み量を推測することができる。また、打ち込み量変換テーブル255は、図6に示すような上述の17×17×17の各格子点(グリッド)ごとに、インク打ち込み量が対応付けられたものである。ここで、対応付けられているインク打ち込み量は、1画素当たりのインク打ち込みに関する期待値(確率的な期待値)である。
なお、図6に示す打ち込み量変換テーブル255では、インク打ち込み量が少ない部位(各階調値が255に近づく側)では、グリッド間隔が粗く、逆にインク打ち込み量が多い部位(すなわち、各階調値が0に近づく側)では、グリッド間隔を細かくとっている。換言すれば、インク打ち込み量の変化が大きい部位では、打ち込み量の変化の様子が詳しく分かるよう、グリッド間隔を細かくとっている一方、インク打ち込み量の変化が小さい部位では、打ち込み量の変化がさほどないので、グリッド間隔を粗くとっている。
<プリンタの概略構成>
続いて、プリンタ30の概略構成について説明する。図1は、印刷装置10の全体と共に、プリンタ30の概略構成を示す図である。プリンタ30は、紙送り機構40と、インク供給機構50と、ラインヘッド60と、プリンタ制御部70とを具備している。
続いて、プリンタ30の概略構成について説明する。図1は、印刷装置10の全体と共に、プリンタ30の概略構成を示す図である。プリンタ30は、紙送り機構40と、インク供給機構50と、ラインヘッド60と、プリンタ制御部70とを具備している。
紙送り機構40は、紙送りモータ(PFモータ)41と、この紙送りモータ41からの駆動力が伝達される給紙ローラ42等を具備していて、印刷用紙等の印刷媒体Pを、供給部位から排紙側に向けて搬送可能となっている。また、インク供給機構50は、カートリッジホルダ51と、インクカートリッジ52と、インク供給路53とを具備している。カートリッジホルダ51には、インクカートリッジ52が着脱自在に装着されている。そのため、本実施の形態のプリンタ30は、いわゆるオフキャリッジタイプの構成となっている。
また、インクカートリッジ52には、回路基板52aが取り付けられている。この回路基板52aは、例えばICチップ等であり、インクに関する情報を書き込み可能に保存するメモリ52b(記憶素子)を有している。かかるインクに関する情報としては、例えばインクカートリッジ52に貯留されているインクの色種データ、顔料/染料系のインクの種別データ、初期にインクカートリッジ52に充填されているインクの量を示すインク容量データ、インク残量データ、シリアル番号データ、有効期限データ、インクカートリッジ52を用いることができる対象機種データ等がある。
また、インクカートリッジ52とラインヘッド60との間には、インク供給路53が設けられていて、インクカートリッジ52からラインヘッド60にインク(流体に相当)を供給可能としている。
また、ラインヘッド60は、請求項でいう流体噴射ヘッドに相当するが、このラインヘッド60は、印刷媒体Pよりも幅広の長さ寸法を有している。なお、ラインヘッド60には、そのヘッド自体が一体的に形成されているものと、複数の短尺ヘッドが、主走査方向に前後しつつ副走査方向に配列されるものとがある。
<プリンタ制御部について>
また、図7に示すように、プリンタ制御部70は、CPU(Central Processing Unit)71、ROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)73、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)74、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)75、カートリッジコントローラ76、パネルI/F77、通信I/F78、ヘッドドライバ79、モータドライバ80等を備えている。そして、これらが相互にデータを送受信可能に接続されている。
また、図7に示すように、プリンタ制御部70は、CPU(Central Processing Unit)71、ROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)73、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)74、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)75、カートリッジコントローラ76、パネルI/F77、通信I/F78、ヘッドドライバ79、モータドライバ80等を備えている。そして、これらが相互にデータを送受信可能に接続されている。
これらのうち、CPU71は、ROM72やEEPROM74に格納されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、プリンタ30の各部を制御する部分である。ROM72には、プリンタ30を制御するための制御プログラムおよび処理に必要なデータ等が記憶されている。RAM73は、CPU71が実行途中のプログラムあるいは、演算途中のデータ等を一時的に格納するメモリである。また、EEPROM74は、プリンタ30の電源を切った後も、保持しておくことが必要な各種データを記憶するためのメモリである。なお、ROM72やEEPROM74にも、上述したプリンタドライバプログラム25と同様のプログラムが存在する。
ASIC75は、不図示の各種のセンサからの信号に基づいて、ラインヘッド60および各種モータを駆動させるための専用のICである。
カートリッジコントローラ76は、流体情報制御部に相当し、CPU71からの指令に基づいて、インクカートリッジ52に存在するメモリ52bへのアクセスを制御するための部分である。具体的には、カートリッジコントローラ76は、メモリ52bから、インクの色種データ、顔料/染料系のインクの種別データ、初期にカートリッジ52に充填されているインクの量を示すインク容量データ、インク残量データ、シリアル番号データ、有効期限データ、カートリッジ52を用いることができる対象機種データ等を読み出す。また、カートリッジコントローラ76は、ラインヘッド60が駆動されて、インク滴が噴射されると、その噴射量に応じてインク残量データを更新する。
また、パネルI/F77は、表示パネル81との間で信号の入出力を行う。それにより、表示パネル81には、所定の情報を表示可能となっている。ここで、表示パネル81は、プリンタ30の天面かつ前面に取り付けられる液晶パネルであり、カートリッジ52に関する情報を表示可能となっている。なお、いわゆるスタンドアローン形式で印刷を行う場合、この表示パネル81が表示装置に対応する。
また、通信I/F78は、不図示のコネクタを介してコンピュータ20と接続され、通信を行う。それにより、プリンタ30がコンピュータ20側から印刷データを受け取ると、その印刷データに基づいて、プリンタ30で印刷のための処理が開始される。また、通信I/F78を介して、プリンタ30側からコンピュータ20が各インクカートリッジ52のインクに関する情報を受け取る。それにより、コンピュータ20側では、後述する表示ウィンドウ100が画面に表示可能となる。
また、ヘッドドライバ79は、ASIC75からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧をラインヘッド60内のピエゾ素子に印加する。モータドライバ80は、ASIC75からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧を各種のモータに印加する。
<打ち込み量変換テーブルの作成に関して>
続いて、上述のような構成の印刷装置10における、打ち込み量変換テーブル255の作成に関して、図8の処理フローに基づいて、以下に説明する。なお、この処理フローは、プリンタ30に打ち込み量変換テーブル255が実装される前に、所定の画像処理装置において実行される。この画像処理装置は、画像入力部、ハーフトーン処理部、印刷データ生成部等に相当する部位を有している。
続いて、上述のような構成の印刷装置10における、打ち込み量変換テーブル255の作成に関して、図8の処理フローに基づいて、以下に説明する。なお、この処理フローは、プリンタ30に打ち込み量変換テーブル255が実装される前に、所定の画像処理装置において実行される。この画像処理装置は、画像入力部、ハーフトーン処理部、印刷データ生成部等に相当する部位を有している。
まず、インク打ち込み量を求めるためのパッチ画像(色見本)の画像データ(パッチ画像データ)を供給するが、この画像データは、上述した各格子点に対応するものである。また、上述したように、インク打ち込み量を1画素当たりの期待値として求めるためには、パッチ画像データは、ある程度以上の多数の画素を有している必要がある。そのため、パッチ画像データは、例えば100×100の画素数といった、多数の画素を有している。RGB表色系のパッチ画像データが入力されると(S01)、そのパッチ画像データに対して、CMYK表色系への色変換処理を行った後に(図示省略)、ハーフトーン処理を行う(S02)。それにより、パッチ画像データは、CMYK表色系における、ドットのオン/オフで表現される。なお、大中小のドットを打ち分けることが可能な場合には、その情報も反映される。また、CMYK表色系ではなく、CMY表色系、それらの間の中間色をも含めた表色系への色変換を行うようにしても良い(プリンタドライバプログラム25においても同様)。
上述のハーフトーン処理後、当該ハーフトーン処理後の画像データに基づいて、パッチ画像データ当たりのインク打ち込み量を算出する(S03)。このインク打ち込み量は、各色のインク(C,M,Y,K)につき、それぞれ求める。それによって、入力されたパッチ画像データに対する、インク打ち込み量が求められる。
上述のS03の処理の後に、パッチ画像データの1画素当たりのインク打ち込み量を算出する(S04)。ここで、実際のインク打ち込みは、ある画素につき、特定の色のインク滴が打たれる、または打たれないのいずれかである。しかしながら、ここで求められる1画素当たりのインク打ち込み量は、平均化された、期待値としての値であり、パッチ画像データの全画素を合計すると、上述のS03で求められたインク打ち込み量に等しくなる。
以上のような処理を、上述の17×17×17の各格子点ごとに繰り返す。それにより、全ての格子点に関する1画素当たりのインク打ち込み量が求められる。そして、求められた1画素当たりのインク打ち込み量は、打ち込み量変換テーブル255として、記憶させられる。
<印刷の際の処理フローについて>
次に、全体の処理フローについて、図9に基づいて説明する。印刷に先立って、ユーザは、アプリケーションプログラム23を起動させ、所望の画像データを表示させる。そして、ユーザが、例えば高精細な印刷を行うため等の所定の印刷モードを選択し、その後に印刷を指令すると、その印刷指令に基づいてプリンタドライバプログラム25が起動される(S11)。プリンタドライバプログラム25が起動されると、制御モジュール25aを経て画像データが解像度変換モジュール25cに受け渡され、その解像度変換モジュール25cにて、画像データをプリンタ30の印刷解像度に対応させる解像度変換処理が為される(S12)。
次に、全体の処理フローについて、図9に基づいて説明する。印刷に先立って、ユーザは、アプリケーションプログラム23を起動させ、所望の画像データを表示させる。そして、ユーザが、例えば高精細な印刷を行うため等の所定の印刷モードを選択し、その後に印刷を指令すると、その印刷指令に基づいてプリンタドライバプログラム25が起動される(S11)。プリンタドライバプログラム25が起動されると、制御モジュール25aを経て画像データが解像度変換モジュール25cに受け渡され、その解像度変換モジュール25cにて、画像データをプリンタ30の印刷解像度に対応させる解像度変換処理が為される(S12)。
そして、インク打ち込み量推測モジュール25iが起動され、解像度変換処理が為された画像データから、インク打ち込み量の推測を行う。具体的には、まず低解像度処理部251によって、解像度変換処理が為された画像データに対して、更に低解像度とする処理(代表画素値の決定)が為され、第1段階のデータ量の削減が図られる(S13)。第1段階のデータ量の削減が図られた後、低階調化処理部252では、階調数変換テーブルを参照しながら、階調数を低減させる処理が為され、第2段階のデータ量の削減が図られる(S14)。この階調数の低減では、例えばRGB各256階調の画像データを、それぞれ17階調とする処理がある。
続いて、打ち込み量決定部254では、打ち込み量変換テーブル255を参照しながら、階調数の低減が為された画像データから、インク打ち込み量の推測を行う(S15)。上述したように、打ち込み量変換テーブル255では、各グリッド毎にインク打ち込み量としての期待値を有している。そこで、打ち込み量決定部254では、期待値としてのインク打ち込み量をm×n倍することにより、代表画素値で代表させられる範囲の画素群のインク打ち込み量を求める。それを、全ての画像データの画素に対して行うことにより、画像データに対するインク打ち込み量の推測が為される。
打ち込み量決定部254でインク打ち込み量が求められると、そのインク打ち込み量に関する情報を、制御モジュール25aに出力する。ここで、制御モジュール25aは、プリンタ30(カートリッジコントローラ76)から、インク残量に関する情報を予め受け取っておく。そのため、制御モジュール25aでは、インク残量に関する情報と、インク打ち込み量に関する情報とから、新たなインク残量を算出する。そして、制御モジュール25aは、インク打ち込み量に関する情報と、新たなインク残量に関する情報とを、表示モジュール25bに出力する。それにより、図4に示すような、表示ウィンドウ100が表示される(S16)。
この表示ウィンドウ100では、印刷順序設定部101と、サムネイル表示部102と、インク消費量表示部103と、印刷可能部数表示部104と、インク残量表示部105と、リコメンド表示部106とが表示される。なお、この表示ウィンドウ100では、予め定められている(デフォルトの)印刷順序に従って、印刷する画像データを表示させる。そして、ユーザは、この表示ウィンドウ100を視認し、リコメンド表示部106で表示される、推奨する印刷順序を参考にしながら、印刷順序の確認を行う。このとき、制御モジュール25aでは、外部入力装置222を介して、印刷順序の入れ替えの操作があったか否かを判断する(S17)。そして、印刷順序の入れ替えがあったと判断される場合(Yesの場合)、入れ替え後の印刷順序で、各項目を再表示させる(S18)。
S17の判断において、印刷順序の入れ替えがない、と判断された場合(Noの場合;すなわち新たな入れ替えがなく確認表示部107(OKボタン)を押す等)、続いて印刷できない画像データが存在するか否かを判断する(S19)。すなわち、制御モジュール25aにおいて、印刷順序設定部101での印刷順序に従って印刷を実行すると、インクの残量が足りなくなると推測されるか否かを判断する。この判断において、インクの残量が足りなくなると判断される場合(Yesの場合)、制御モジュール25aは、インク残量が足りなく印刷の途中までしか行えない画像データ、または印刷が完全に行うことができない画像データについては、画像データを以後の解像度変換モジュール25c等に当該画像データを出力しない(S20)。
なお、S12の解像度変換処理が為された画像データに対しては、色変換モジュール25dによりCMYK表色系の画像データとする色変換処理、ハーフトーンモジュール25eによりドットのオン/オフ等で表現させるハーフトーン処理が為されている(図示省略)。そして、上述のS19で印刷できない画像データが存在しないと判断された場合(Noの場合)、またはS20の処理を経た場合、印刷データ生成モジュール25fでは、ハーフトーンモジュール25eから出力されたビットマップデータから、印刷データを生成する(S21)。そして、生成された印刷データは、プリンタ30に供給される(S22)。
<本発明の適用による効果>
以上のような印刷装置10においては、アプリケーションプログラム23から受け渡される画像データに対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の処理を行うことなく、インク打ち込み量の推測が精度良く行える。そのため、従来のように、画像データに対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の処理を行うことなく、インクの噴射量に関する情報、およびインクの残量に関する情報が表示可能となる。そのため、処理の高速化が可能となる。
以上のような印刷装置10においては、アプリケーションプログラム23から受け渡される画像データに対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の処理を行うことなく、インク打ち込み量の推測が精度良く行える。そのため、従来のように、画像データに対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の処理を行うことなく、インクの噴射量に関する情報、およびインクの残量に関する情報が表示可能となる。そのため、処理の高速化が可能となる。
また、実際の印刷対象となる画像データに基づいて、インクの残量およびインクの噴射量をディスプレイCRTに表示させることが可能となる。それにより、特定の印刷媒体への印刷途中でインクがなくなることに起因する、印刷途中の印刷媒体やインクが無駄になってしまうのを防止することが可能となる。
また、印刷順序設定部101により、画像データの印刷順序の入れ替えを行うことが可能となるので、ユーザの優先度に応じた印刷順序で、画像データの印刷を行える。そして、入れ替えられた印刷順序で、入力画像データを出力するので、その印刷順序に従って、印刷までの処理を確実に実行させることが可能となる。
さらに、制御モジュール25aは、インクの残量が足りなくなると推測された以降の印刷順序の画像データを出力しないので、以後の印刷処理が誤って実行されるのを防止可能となる。また、画像データを出力させない、という処理を行うことで、そのような画像データに対してハーフトーン等の各処理を無駄に実行させずに済む。それにより、ハーフトーン等の各処理を経ることによって、無駄に時間を費やさずに済み、しかも画像処理装置における処理負荷を軽減させることも可能となる。また、ユーザは、インクが貯留されているインクカートリッジ52の交換時期を予め把握することができる。
加えて、表示ウィンドウ100には、印刷順序設定部101、インク消費量表示部103、インク残量表示部105が設けられていて、それらは、画像データごとの印刷順序に従って表示される。そのため、どのぐらいの数の画像データを印刷できるのか容易に把握可能となり、印刷媒体Pやインクが無駄になるのを確実に防止可能となる。
さらに、表示ウィンドウ100には、サムネイル表示部102が設けられ、画像データに対応するサムネイル画像102Aが表示されるので、ユーザの視認性を大幅に高めることが可能となる。それにより、印刷媒体Pやインクが無駄になるのを効果的に防止することが可能となる。
また、印刷順序設定部101は、外部入力装置222からの入力に従って、画像データの印刷順序の変更を可能としている。そのため、ユーザは、表示ウィンドウ100を視認した上で、印刷順序設定部101において画像データの印刷順序を変更することが可能となる。このため、例えば各カートリッジ52に残存するインクの残量が少なく、一連の画像データに基づく印刷の途中でインク切れを生じさせる場合において、いずれかのカートリッジ52におけるインク残量が最も少なくなる状態となるように、印刷順序を構築することが可能となる。また、上記のように一連の画像データに基づく印刷の途中でインク切れを生じさせる場合において、印刷媒体Pの印刷枚数が最も多くなるように、印刷順序を構築することも可能となる。すなわち、ユーザの要望(優先度)に応じた印刷順序を構築することが可能となる。
さらに、表示ウィンドウ100には、リコメンド表示部106が表示される。そのため、印刷の設定に応じて画像データの最適な印刷順序がガイドされるので、かかる印刷順序のガイドに従えば、ユーザが種々の試行錯誤を行わなくても、容易に最適な印刷順序で印刷を行わせることが可能となる。それにより、ユーザの利便性を一層向上させることが可能となる。加えて、本実施の形態のリコメンド表示部106では、最大限の印刷枚数を印刷することができる印刷順序をガイドする。そのため、限られたインクの残量において、ユーザは最大限の印刷枚数の印刷結果を得ることが可能となる。
また、表示ウィンドウ100には、印刷可能部数表示部104が表示される。そのため、ユーザは、画像データを最大限印刷できる印刷枚数(印刷部数としても良い。)を容易に視認することが可能となり、ユーザが印刷順序を構築する際の利便性を一層向上させることが可能となる。
また、打ち込み量変換テーブル255は、パッチ画像から1つの画素分のインクの打ち込み量に関する期待値を有している。そのため、画像データの各画素毎の期待値を積算することにより、インクの打ち込み量を容易に推測可能となる。
さらに、低階調化処理部252にて、入力画像データの階調数の低減が図られる。それにより、入力画像そのものよりも、データ量が少ない状態で、インクの打ち込み量の推測が可能となり、推測処理の高速化を図ることが可能となる。
また、打ち込み量変換テーブル255では、低減された階調数(17×17×17等)で表現される場合における画素値(グリッド)と、その画素値の期待値とを有しているので、256階調のそれぞれの画素値に期待値を対応付ける場合と比較して、打ち込み量変換テーブル255のデータ量を大幅に削減可能となる。それにより、インク打ち込み量の推測処理の高速化を一層図ることが可能となる。
さらに、低階調化処理部252では、図4に示すように、インクの打ち込み量の多い、いわゆるシャドウ領域の方が、インクの打ち込み量の少ない、いわゆるハイライト領域よりも、256階調で見た場合の階調差が小さくなるように階調数を低減する。そのため、インクの打ち込み量の変化が大きい部位では、インクの打ち込み量の変化の様子が詳しく分かり、印刷媒体Pにカールが生じると予想される場合に、インクの打ち込み量の削減の設定を細かく行うことが可能となる。
また、低解像度処理部251では、m×nの画素群の画素の階調値に基づいて、代表画素値を決定する。それにより、画素数の低減が図られ、インクの打ち込み量の推測処理の一層の高速化を図ることが可能となる。また、インク打ち込み量推測モジュール23gで推測されたインク打ち込み量に基づいてハーフトーン処理を行う前の色変換テーブル23e(または/および記録率テーブル23f)が差し替えられる。そのため、従来のようにインクの打ち込み量を変更する場合に、再度ハーフトーン処理を行う必要がなく、処理の高速化を図ることが可能となる。
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について述べたが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、画像処理装置は、コンピュータ20に実現されているが、プリンタ30側に画像処理装置の機能が実現される構成を採用しても良い。また、コンピュータ20とプリンタ30の間に渡る状態で画像処理装置の機能が分散されている構成を採用しても良く、コンピュータ20/プリンタ30以外の、外部接続可能な装置から実現されていても良い。
以上、本発明の一実施の形態について述べたが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、画像処理装置は、コンピュータ20に実現されているが、プリンタ30側に画像処理装置の機能が実現される構成を採用しても良い。また、コンピュータ20とプリンタ30の間に渡る状態で画像処理装置の機能が分散されている構成を採用しても良く、コンピュータ20/プリンタ30以外の、外部接続可能な装置から実現されていても良い。
また、上述の実施の形態では、通知手段としては、制御モジュール25a、表示モジュール25b、ビデオドライバプログラム24、ディスプレイCRT等が対応していて、これらの協働によって、ディスプレイCRTに表示ウィンドウ100を表示させている。そして、この表示ウィンドウ100をユーザが視認することで、具体的な通知の内容を把握可能となっている。しかしながら、通知手段は、かかる表示ウィンドウ100に依存するものではない。例えば、音声によって通知するものであっても良く、表示ウィンドウ100とは別途のポップアップで表示されるようにしても良い。
また、印刷順序設定手段は、印刷順序設定部101、外部入力装置222等に限られるものではなく、不図示の操作ボタン、アイコン、印刷順序設定プログラム等でその機能の一部を果たすようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、プリンタとして、ラインヘッド60を備えるプリンタ30について説明している。しかしながら、プリンタ30は、ラインヘッド60を備えるプリンタには限られず、印刷ヘッドが主走査方向に走査する方式のプリンタに適用しても良い。
また、上述の実施の形態においては、インクジェット方式のプリンタ30を例示して説明している。しかしながら、流体を噴射可能なものであれば、インクジェット方式のプリンタ30には限られない。例えば、ジェルジェット方式のプリンタ、トナー方式のプリンタ、ドットインパクト方式のプリンタ等、種々のプリンタに対して、本発明を適用することが可能である。また、上述の実施の形態におけるプリンタ30は、プリンタ機能以外の機能(スキャナ機能、コピー機能等)を備える構成のような、複合的な機器の一部であっても良い。
また、上述の実施の形態では、解像度変換モジュール25cで解像度変換処理が為された後に、インク打ち込み量推測モジュール25iでインクの打ち込み量を推測しているが、アプリケーションプログラム23から直接インク打ち込み量推測モジュール25iに画像データを受け渡して、インク打ち込み量の推測を行うようにしても良い。
さらに、上述した請求項における噴射量推測手段、インク打ち込み量推測モジュール25i等は、ハードウエア的に実現されていても良く、ソフトウエア的に実現されていても良い。また、上述した画像処理装置の機能を備える画像処理プログラム(請求項でいう画像形成手順、駆動データ作成手順)を、例えば、CD、DVD、各種メモリ等に記憶させておき、かかる画像処理プログラムをコンピュータ20および/またはプリンタ30に読み込ませて、上述の各処理を実行するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、図1に示すような、画像処理装置を具備する印刷装置10について説明したが、この印刷装置10以外の印刷装置としても良い。例えば、コンピュータ20側に画像処理装置の全てが存在する構成を採用しても良く、プリンタ30側に画像処理装置の全てが存在する構成を採用しても良い。また、画像処理装置の機能のコンピュータ20とプリンタ30との間の機能分担の他の例としては、ハーフトーン処理までをコンピュータ20側で実行するように構成しても良い。
また、上述の実施の形態では、表示ウィンドウ100にサムネイル表示部102が設けられ、かかるサムネイル表示部102にサムネイル画像102Aが表示されている。しかしながら、表示ウィンドウ100は、かかるサムネイル表示部102を設ける構成に代えて、またはかかるサムネイル表示部102と共に、例えばファイル名等、画像データを識別するための他の情報を表示する部位を設けるようにしても良い。
10…印刷装置、20…コンピュータ(画像処理装置に相当)、23…アプリケーションプログラム、24…ビデオドライバプログラム(通知手段の一部に相当)、25…プリンタドライバプログラム(噴射量推測手段に相当)、25a…制御モジュール(通知手段の一部、および残量算出手段に相当)、25b…表示モジュール(通知手段の一部に相当)、25i…インク打ち込み量推測モジュール(噴射量推測手段に相当)、30…プリンタ、60…ラインヘッド、52…インクカートリッジ(流体貯留手段に相当)、70…プリンタ制御部、100…表示ウィンドウ、101…印刷順序設定部(印刷順序設定手段の一部に相当)、102…サムネイル表示部、103…インク消費量表示部、104…印刷可能部数表示部、105…インク残量表示部、106…リコメンド表示部、213…メモリ(記憶部に相当)、222…外部入力装置(印刷順序設定手段の一部に相当)、255…打ち込み量変換テーブル(噴射量変換テーブルに相当)、CRT…ディスプレイ(通知手段の一部に相当)
Claims (6)
- 流体を貯留する流体貯留手段に取り付けられているメモリとの間で、当該流体の残量に関する情報を読み出し、または上記流体の使用に応じて残量に関する情報を更新する流体情報制御部と、
基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッドから噴射させる上記流体との関係を示す噴射量変換テーブルを記憶させるための記憶部と、
上記記憶部に記憶されている上記噴射量変換テーブルに基づいて、入力される入力画像データから上記流体の噴射量を推測する噴射量推測手段と、
上記入力画像データに基づく印刷を実行した場合に、上記噴射量推測手段で推測された上記噴射量に基づいて上記流体の残量を算出する残量算出手段と、
上記流体の残量に関する情報および上記流体の噴射量に関する情報を通知する通知手段と、
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記通知手段での通知に基づいて、前記入力画像データの印刷順序の入れ替えを行うことを可能とする印刷順序設定手段を具備し、この印刷順序設定手段では、入れ替えられた印刷順序に従って、前記入力画像データを出力することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記残量算出手段で前記入力画像データの印刷順序に基づいて前記入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、前記流体の残量が足りなくなると推測される場合には、前記印刷順序設定手段は、当該残量が足りなくなると推測された以降の印刷順序の前記入力画像データを出力しないことを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
- 前記噴射量変換テーブルは、RGB表色系である所定のデータ量のパッチ画像データに基づいて作成されると共に、この噴射量変換テーブルは、当該パッチ画像データにおける1つの画素分のデータを有していて、その1つの画素分のデータは、前記流体の噴射に関する期待値を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 流体を貯留する流体貯留手段に取り付けられているメモリとの間で、当該流体の残量に関する情報を読み出し、または上記流体の使用に応じて残量に関する情報を更新する流体情報制御工程と、
基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッドから噴射させる上記流体との関係を示す噴射量変換テーブルに基づいて、入力される入力画像データごとに上記流体の噴射量を推測する噴射量推測工程と、
上記入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、上記噴射量推測工程で推測された上記噴射量に基づいて上記流体の残量を算出する残量算出工程と、
上記流体の残量に関する情報および上記流体の噴射量に関する情報を通知する通知工程と、
を具備することを特徴とする画像処理方法。 - 流体を貯留する流体貯留手段に取り付けられているメモリとの間で、当該流体の残量に関する情報を読み出し、または上記流体の使用に応じて残量に関する情報を更新する流体情報制御手順と、
基準となる画像データと所定の画素数当たりの流体噴射ヘッドから噴射させる上記流体との関係を示す噴射量変換テーブルに基づいて、入力される入力画像データごとに上記流体の噴射量を推測する噴射量推測手順と、
上記入力画像データに基づく印刷を実行すると仮定した場合に、上記噴射量推測手順で推測された上記噴射量に基づいて上記流体の残量を算出する残量算出手順と、
上記流体の残量に関する情報および上記流体の噴射量に関する情報を通知する通知手順と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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JP2008079950A JP2009233897A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012081649A (ja) * | 2010-10-12 | 2012-04-26 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置およびコンピュータプログラム |
JP2021115695A (ja) * | 2020-01-22 | 2021-08-10 | コニカミノルタ株式会社 | 情報処理装置、インクジェット記録装置及びインク使用量の算出方法 |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008079950A patent/JP2009233897A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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