JP4412805B2 - 印刷システム、データ処理装置、印刷方法、および記録媒体 - Google Patents

印刷システム、データ処理装置、印刷方法、および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置と、互いにネットワークでつながれた複数のデータ処理装置を用いて印刷システムを構成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータなどのデータ処理装置で作成した画像やデジタルカメラやスキャナー等から取り込んだ画像を印刷するための印刷システムとして、コンピュータと印刷装置とからなる印刷システムが広く使用されている。通常、コンピュータが画像を取り扱うためのデータ形式と、印刷装置が画像を印刷するためのデータ形式とは異なっているので、かかる印刷システムでは、コンピュータが取り扱う画像データに所定の変換処理を施して、印刷装置で印刷可能なデータ形式に変換している。
【0003】
具体的には、コンピュータは光の三原色に対応するR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色の階調値の組み合わせによってカラー画像を表現するのに対し、印刷装置は、原則的にはインクの三原色に対応するC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロ)、あるいはこれにK(ブラック)を加えた各色を用いてカラー画像を印刷する。このため印刷に際しては、コンピュータで取り扱うRGB各色の階調データを、印刷装置が使用可能な各色の階調データに変換する処理を行っている。
【0004】
また、コンピュータが取り扱う画像データの階調数を変換する処理も必要となる。すなわち、例えば画像データが8ビットデータとすると、コンピュータが表現する画像データは階調数256の画像データとなるが、印刷装置で階調数256の画像を印刷することは困難である。一例として、印刷媒体上に各色のドットを形成して画像を印刷する印刷装置について説明すると、かかる印刷装置では、ドットを形成するか否かの状態しか表現し得ない。ドットの大きさを変えたり、濃・淡インクを使用して濃ドットおよび淡ドットを形成可能な印刷装置も存在するが、これらを印刷装置でも高々数階調の状態しか表現し得ない。従って、コンピュータなどのデータ処理装置が取り扱う画像データの階調数を、印刷装置が表現可能な階調数で表現された画像データに変換する処理が必要となる。その他、画像の印刷に際しては、データ処理装置の画像データの解像度を印刷装置が画像を印刷するための解像度に変換したり、印刷装置が実際に画像を印刷する手順に合わせて画像データの順番を入れ替えるといった処理も行っている。
【0005】
通常、これらの処理は、プリンタドライバと呼ばれる専用のプログラムによって実行され、プリンタドライバは、コンピュータの動作を制御するための、オペレーティングシステムと呼ばれる基本的なプログラムに組み込まれている。画像作成用の各種アプリケーションプログラムもオペレーティングシステムの下で動作しているので、画像データを印刷データに変換する処理は、画像データを作成したコンピュータの中央演算処理装置(CPU)を用いて行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、きわめて高画質の画像を印刷しようとすると、高い処理能力を有するコンピュータが必要になるという問題があった。なぜなら、きわめて高画質の画像を得ようとすると、データ変換のための処理が複雑化して処理の時間が増加するので、高い処理能力のコンピュータを用いなければ迅速に画像を印刷することができなくなるからである。かといって、印刷装置に接続されている全てのコンピュータを高い処理能力を有するコンピュータに変更することは、変更する手間や費用などを考慮すれば現実的ではなく、従って、印刷装置で印刷可能な画質は、印刷装置が接続されているコンピュータの処理能力によって制限される場合があった。
【0007】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、コンピュータなどのデータ処理装置の処理能力に関わらず、高画質の画像を印刷することが可能な技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印刷システムは、次の構成を採用した。すなわち、
所定の一連の変換処理を行うことにより画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該変換された印刷データを用いて画像を印刷する印刷システムであって、
前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
ネットワークに接続され、前記一連の変換処理の中の予め定められた少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行う第1のデータ処理装置と、
前記ネットワークに接続されており、前記一連の変換処理を開始して、少なくとも解像度変換を行って、前記特定処理を行う段階まで変換された画像データを、該ネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給するとともに、該第1のデータ処理装置で前記特定処理が施された画像データを該ネットワークを介して受け取り、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を行って該画像データを前記印刷データに変換した後、該印刷データを前記印刷装置に出力する第2のデータ処理装置と、
前記第2のデータ処理装置から前記印刷データを受け取って画像を印刷する印刷装置と
を備え、
前記第2のデータ処理装置は、前記特定処理を行うコンピュータプログラムを、前記ネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給するプログラム供給手段を備え、
前記第1のデータ処理装置は、前記供給されたコンピュータプログラムに従って、前記特定処理を行う装置である
ことを要旨とする。
【0009】
また、上記の印刷システムに対応する本発明の印刷方法は、
所定の一連の変換処理を行うことにより画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該変換された印刷データを用いて画像を印刷する印刷方法であって、
前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
前記一連の変換処理の中の予め定められた少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行うモジュールを含み前記一連の処理を行なうモジュールを、ネットワークに接続されて前記一連の変換処理を分担する第1のデータ処理装置と第2のデータ処理装置のうち、該第2のデータ処理装置に、予め記憶しておき、
前記第2のデータ処理装置で前記一連の変換処理を開始して、少なくとも解像度変換を行って、前記特定処理を行う直前の段階まで前記画像データを変換した後、該変換した画像データを該ネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給し、
前記第1のデータ処理装置が前記特定処理を実行する前に、前記第2のデータ処理装置に記憶された前記特定処理を行なうモジュールを前記第1のデータ処理装置に送信すると共に、該モジュールによって、該第1のデータ処理装置により、前記画像データに前記特定処理を施し、
前記第1のデータ処理装置で前記特定処理が施された画像データを前記ネットワークを介して受け取り、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を、前記第2のデータ処理装置が行って、該画像データを前記印刷データに変換し、
前記変換した印刷データを前記印刷装置に供給して、前記画像を印刷すること
を要旨とする。
【0010】
かかる印刷システム及び印刷方法においては、第1のデータ処理装置と第2のデータ処理装置とをネットワークで接続しておき、該第1のデータ処理装置には、画像データを印刷データに変換するための変換処理の少なくとも一部処理を予め記憶しておく。該第2のデータ処理装置は、前記一連の変換処理を開始し、前記第1のデータ処理装置に記憶しておいた特定処理を行う段階まで、前記画像データを変換した後、該変換した画像データを前記第2のデータ処理装置に供給する。次いで、該第2のデータ処理装置で特定処理を施された画像データを受け取って、続く一連の変換処理を行って受け取った画像データを前記印刷データに変換した後、変換した印刷データを前記印刷装置に供給して画像を印刷する。しかも、前記第2のデータ処理装置内に、前記特定処理を実行するコンピュータプログラムを前記第1のデータ処理装置に供給するプログラム供給手段を備え、該第1のデータ処理装置は供給されたコンピュータプログラムに従って、画像データを変換するから、第1のデータ処理装置では、該第2のデータ処理装置に適合した処理を適切に実行することができる。
【0011】
このように、画像データを印刷データに変換する処理の少なくとも一部を、ネットワークで接続された第1のデータ処理装置を用いて実施すれば、第2のデータ処理装置の処理能力の制約を受けずに前記変換処理を行うことができる。その結果、印刷装置が接続されたデータ処理装置の処理能力に関わらず、高画質の画像を印刷することが可能となる。
【0014】
かかる印刷システムにおいては、前記第2のデータ処理装置で前記画像の印刷条件に関する設定内容を検出して、前記第1のデータ処理装置で前記特定処理を行うか否かを判断し、該第1のデータ処理装置で前記特定処理を行わないと判断した場合には、該特定処理に相当する代替処理を該第2のデータ処理装置で行うようにしても良い。
【0015】
例えば、第2のデータ処理装置でも迅速に処理可能な印刷条件が設定されている場合などには、第1のデータ処理装置に画像データを送信せずに第2のデータ処理装置で画像データを印刷データに変換することで、変換処理を迅速に行うことができる。このように、印刷条件に応じて適切なデータ処理装置で変換処理を行うことにより、変換処理をより適切に行うことができるので好適である。
【0016】
前述の印刷システムおよび印刷方法においては、前記第2のデータ処理装置から前記第1のデータ処理装置に画像データを供給して、該第1のデータ処理装置上で前記印刷データに変換し、該変換した印刷データを該第2のデータ処理装置から印刷装置に供給して画像を印刷しても良い。
【0017】
こうして画像データを印刷データに変換するための前記一連の変換処理のすべてを1つのデータ処理装置で行えば、印刷システムあるいは印刷方法が全体として単純化されるので好適である。
【0018】
前述した課題の少なくとも一部を解決するため、本発明のデータ処理装置は、次の構成を採用した。すなわち、
ネットワークに接続されており、所定の一連の変換処理を実行することによって画像データを印刷装置用の印刷データに変換して、該印刷データを該印刷装置に供給するデータ処理装置であって、
前記一連の変換処理を開始して、該一連の変換処理の中の予め定められた第1の段階の直前までの処理を行う変換処理開始手段と、
前記第1の段階の直前まで処理された前記画像データを前記ネットワークに出力する画像データ出力手段と、
前記一連の変換処理中の前記第1の段階以降で、予め定められた第2の段階の直前まで処理された画像データを前記ネットワークから受け取る画像データ受取手段と、
前記受け取った画像データに前記第2の段階以降の前記一連の変換処理を行って、該画像データを前記印刷データに変換する印刷データ生成手段と、
前記変換された印刷データを前記印刷装置に出力する印刷データ出力手段と
を備えることを要旨とする。
【0019】
また、上記のデータ処理装置に対応する本発明のデータ処理方法は、
所定の一連の変換処理を実行することによって画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該印刷データを該印刷装置に供給するデータ処理方法であって、
前記一連の変換処理を開始して、該一連の変換処理の中の予め定められた第1の段階の直前までの処理を行った後、該変換された前記画像データをネットワークに出力し、
前記一連の変換処理中の前記第1の段階以降で、予め定められた第2の段階の直前まで処理された画像データを前記ネットワークから受け取って、
前記受け取った画像データに前記第2の段階以降の前記一連の変換処理を行って、該画像データを前記印刷データに変換し、該変換された印刷データを前記印刷装置に供給することを要旨とする。
【0020】
かかるデータ処理装置およびデータ処理方法においては、画像データを印刷データに変換するための一連の変換処理を開始して、該一連の変換処理中の予め定められた第1の段階までの処理を行った後、該変換された画像データをネットワークに出力する。次いで、該一連の変換処理中の該第1の段階以降で、予め定められた第2の段階まで処理された画像データをネットワークから受け取り、受け取った画像データに続く一連の変換処理を行って印刷データに変換した後、変換した印刷データを印刷装置に供給する。
【0021】
このようなデータ処理装置を用いて前述の印刷システムを構成すれば、該データ処理装置の処理能力に関わらず高画質の画像を印刷することができるので好適である。
【0022】
かかるデータ処理装置においては、画像の印刷条件に関する設定内容を検出し、該検出結果に基づいて画像データをネットワークに出力するか否かを判断し、出力しないと判断した場合には、該データ処理装置で前記一連の変換処理を行って該画像データを前記印刷データに変換しても良い。
【0023】
かかるデータ処理装置を用いて上述した印刷システムを構成すれば、画像の印刷条件に応じて適切に変換処理を行うことができるので好適である。
【0024】
かかるデータ処理装置においては、前記第1の段階として、各色の階調値の組み合わせで表現された前記画像データを、前記印刷データを表現する各色階調値の組み合わせに色変換する段階よりも少なくとも上流の段階まで、前記一連の変換処理を行うとともに、前記第2の段階として、少なくとも該色変換より下流の段階まで、前記一連の変換処理を行った前記画像データを受け取るようにしても良い。
【0025】
きわめて高画質の画像を印刷しようとすると、前記色変換を行うために高い処理能力が要求される場合があるが、かかるデータ処理装置を用いて印刷システムを構成すれば、該データ処理装置の処理能力にかかわらず、きわめて高画質の画像を印刷することができるので好適である。
【0026】
かかるデータ処理装置においては、前記第1の段階として、前記画像データが表現している階調数を前記印刷装置が表現可能な階調数に階調変換する段階よりも少なくとも上流の段階まで、前記一連の変換処理を行うとともに、前記第2の段階として、少なくとも該階調数変換より下流の段階まで、前記一連の変換処理を行った前記画像データを受け取るようにしても良い。
【0027】
きわめて高画質の画像を印刷しようとすると、前記階調数変換を行うために高い処理能力が要求される場合があるが、かかるデータ処理装置を用いて印刷システムを構成すれば、該データ処理装置の処理能力にかかわらず、きわめて高画質の画像を印刷することができるので好適である。
【0028】
前述した課題の少なくとも一部を解決するため、本発明のデータ処理装置を、次の構成を有するデータ処理装置とすることもできる。すなわち、
ネットワークに接続されており、該ネットワークから受け取ったデータに所定の処理を行った後、再び該ネットワークに出力するデータ処理装置であって、
画像データを印刷装置用の印刷データに変換する一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理である特定処理を行うプログラムを記憶している記憶手段と、
前記特定処理を行う直前まで変換された画像データを、該画像データの出力元を区別しながら前記ネットワークを介して受け取る画像データ受取手段と、
前記記憶されているプログラムに基づいて、前記受け取った画像データに前記特定処理を行う特定処理実行手段と、
前記特定処理が行われた画像データを、前記ネットワークを介して前記画像データの出力元に出力する画像データ出力手段と
を備えることを要旨とする。
【0029】
また、上記のデータ処理装置に対応する本発明のデータ処理方法は、
ネットワークから受け取ったデータに所定の処理を行って、再び該ネットワークに出力するデータ処理方法であって、
画像データを印刷装置用の印刷データに変換する一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理である特定処理を行うプログラムを記憶しておき、
前記特定処理を行う直前まで変換された画像データを、該画像データの出力元を区別しながら前記ネットワークを介して受け取り、
前記記憶されているプログラムに基づいて、前記受け取った画像データに前記特定処理を行い、
前記特定処理が行われた画像データを、前記ネットワークを介して前記画像データの出力元に出力することを要旨とする。
【0030】
かかる構成を有するデータ処理装置およびデータ処理方法においては、前記特定処理を行う直前まで変換された画像データをネットワークを介して受け取り、該画像データに該特定処理を施した後、該画像データを出力した出力元にネットワークを介して供給する。
【0031】
上述した印刷システムにおいて、このように画像データを変換すれば、印刷装置に印刷データを供給するデータ処理装置の能力に関わらず、該印刷装置では高画質の画像を印刷することが可能となるので好適である。
【0032】
かかるデータ処理装置においては、前記一連の変換処理の全処理を行うプログラムを記憶おき、変換前の画像データを受け取って印刷データに変換してもよい。
【0033】
このように変換前の画像データを受け取って印刷データに変換するデータ処理装置を用いて上述の印刷システムを構成すれば、印刷システムを単純化することができるので好ましい。
【0034】
かかるデータ処理装置においては、前記特定処理を行う直前まで前記画像データを変換するための前処理プログラムと、前記特定処理が行われた前記画像データを前記印刷データに変換するための後処理プログラムとを、前記ネットワークを介して前記画像データの出力元に供給するようにしても良い。
【0035】
かかるデータ処理装置を、印刷装置が接続された他のデータ処理装置に接続すれば、該他のデータ処理装置の処理能力に関わらず、該印刷装置を用いて高画質の画像を印刷することが可能となるので好適である。
【0036】
また、本発明は、上述した印刷方法を実現するプログラムをコンピュータに組み込むことで、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のような記録媒体として把握することも可能である。すなわち、
所定の一連の変換処理を行うことにより画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該変換された印刷データを印刷装置に供給して画像を印刷するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
前記一連の変換処理の中の予め定められた少なくとも一部の処理である特定処理を行う方法を、第1のデータ処理装置に記憶させる機能と、
第2のデータ処理装置で前記一連の変換処理を開始して、前記特定処理を行う直前の段階まで前記画像データを変換した後、該変換した画像データをネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給し、該第1のデータ処理装置に該特定処理を行わせる機能と、
前記第1のデータ処理装置で前記特定処理が施された画像データを前記ネットワークを介して受け取り、続く一連の変換処理を行って該画像データを前記印刷データに変換する機能と、
前記変換した印刷データを前記印刷装置に供給する機能と
を実現するプログラムを記録した記録媒体としての態様である。
【0037】
同様に、本発明は、上述したいずれかのデータ処理方法を実現するプログラムを記録した記録媒体として把握することも可能である。すなわち、
所定の一連の変換処理を実行することによって画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該印刷データを該印刷装置に供給して画像を印刷するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
前記一連の変換処理を開始して、該一連の変換処理の中の予め定められた第1の段階の直前までの処理を行った後、該変換された前記画像データをネットワークに出力する機能と、
前記一連の変換処理中の前記第1の段階以降で、予め定められた第2の段階の直前まで処理された画像データを前記ネットワークから受け取る機能と、
前記受け取った画像データに前記第2の段階以降の前記一連の変換処理を行って、該画像データを前記印刷データに変換する機能と、
前記変換された印刷データを前記印刷装置に供給する機能と
を実現するプログラムを記録した記録媒体としての態様である。
【0038】
あるいは、上述した他方のデータ処理方法を実現するプログラムを記録した記録媒体としての態様は、
ネットワークから受け取ったデータに所定の処理を行って、再び該ネットワークに出力するデータ処理方法を実現するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
画像データを印刷装置用の印刷データに変換する一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理である特定処理を行う方法を記憶しておく機能と、
前記特定処理を行う直前まで変換された画像データを、該画像データの出力元を区別しながら前記ネットワークを介して受け取る機能と、
前記記憶されている方法に基づいて、前記受け取った画像データに前記特定処理を施す機能と、
前記特定処理が施された画像データを、前記ネットワークを介して前記画像データの出力元に出力する機能と
を実現するプログラムを記録した記録媒体としての態様である。
【0039】
これら記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータで読み取り、該コンピュータを用いて上述の各機能を実現すれば、データ処理装置の処理能力に関わらず高画質の画像を印刷することが可能となる。
【0040】
【発明の他の態様】
また、本発明は、前述した印刷方法を行うための前記各機能を実現するプログラムコードをコンピュータに記憶させ、該プログラムコードに記述された各機能をコンピュータを用いて実現することで実施することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラムコードとして把握することも可能である。すなわち、
所定の一連の変換処理を行うことにより画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該変換された印刷データを印刷装置に供給して画像を印刷する方法を記述したプログラムコードであって、
前記一連の変換処理の中の予め定められた少なくとも一部の処理である特定処理を行う方法を、第1のデータ処理装置に記憶させる機能と、
第2のデータ処理装置で前記一連の変換処理を開始して、前記特定処理を行う直前の段階まで前記画像データを変換した後、該変換した画像データをネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給し、該第1のデータ処理装置に該特定処理を行わせる機能と、
前記第1のデータ処理装置で前記特定処理が施された画像データを前記ネットワークを介して受け取り、続く一連の変換処理を行って該画像データを前記印刷データに変換する機能と、
前記変換した印刷データを前記印刷装置に供給する機能と
を実現する方法を記述したプログラムコードとしての態様である。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、次の順序に従って説明する。
A.装置の構成:
B.第1実施例:
B−1.第1実施例の印刷処理の概要:
B−2.第1実施例の色変換処理:
B−3.第1実施例の階調数変換処理:
B−4.変形例:
C.第2実施例:
【0042】
A.装置の構成
本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明における実施例としての印刷システムの構成を示す説明図である。図示するように、この印刷システムは、データ処理装置としてのコンピュータ100と、コンピュータ100に接続された印刷装置200と、コンピュータ400と、コンピュータ同士をつなぐ通信回線300とから構成されている。
【0043】
コンピュータ100は、CPU102と、各種データやコンピュータ100を起動させるためのプログラム等を予め記憶しておくROM104と、CPU102で実行する各種プログラムやデータなどを一時的に記憶するRAM106と、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インターフェースP・I/F108と、コンピュータ100を通信回線300につなげるためのネットワークインターフェースカードNIC110と、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースV・I/F112と、これらを互いに接続するバス116等から構成されている。P・I/F108には、後述するカラープリンタ200や、種々のプログラムやデータが記憶されているハードディスク118等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をP・I/F108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。コンピュータ400は、図示するように、CPU402,ROM404,RAM406,P・I/F408,NIC410,V・I/F412,CRT414,ハードディスク418等を備え、コンピュータ100と同様にデータ処理装置として機能する。尚、コンピュータ400のCPU402は、コンピュータ100のCPU102よりも高速処理が可能であり、コンピュータ400のRAM406は、コンピュータ100のRAM106より大容量となっている。このため、コンピュータ400は、コンピュータ100に比べて高速処理が可能となっている。
【0044】
カラープリンタ200はカラー画像の印刷が可能なプリンタである。本実施例では、シアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタを使用している。もちろん、これら4色インクに淡シアンインクと淡マゼンタインクとを含めた6色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタを使用してもよい。尚、以下では場合によって、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインクのそれぞれを、Cインク,Mインク,Yインク,Kインクと略称するものとする。
【0045】
カラープリンタ200は、ピエゾ素子を用いてインクを吐出することによって印刷用紙上にインクドットを形成する方式を採用している。もちろん、他の方式によりインクを吐出するノズルユニットを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によってインクを吐出する方式のプリンタに適用するものとしてもよい。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式のプリンタや、レーザープリンタのような他の方式を用いた印刷装置であっても構わない。
【0046】
通信回線300は、いわゆるネットワークケーブルおよび図示しないHUB等を経由してデータのやりとりを行うLAN回線である。もちろんモデムを介して電話回線を使用することも可能である。
【0047】
図2は、本実施例のコンピュータ100のソフトウェア構成を示した説明図である。コンピュータ100の各種処理を行うすべてのソフトウェアは、オペレーティングシステム150と呼ばれるソフトウェアが管理している。例えば、フォトレタッチ用ソフト等の、各種アプリケーションプログラム154を用いて作成した画像は、オペレーティングシステム150を経由してビデオドライバ152と呼ばれるCRT114駆動用のアプリケーションプログラムに供給され、CRT114上に画像が表示される。その結果、CRT114上で確認しながら画像を作成することができる。作成した画像を印刷する場合は、アプリケーションプログラム154から画像データを、オペレーティングシステム150に出力すると、オペレーティングシステム150がプリンタドライバ500と呼ばれるアプリケーションプログラムに画像データを供給する。プリンタドライバ500は、画像データを受け取ると、カラープリンタ200が印刷可能な印刷データに変換して、カラープリンタ200に出力する。その結果、アプリケーションプログラム154で作成した画像がカラープリンタ200で印刷される。
【0048】
コンピュータ100が通信回線にデータを出力する処理も、次のようにオペレーティングシステム150の管理の下で行われる。先ず、アプリケーションプログラムが通信回線上に出力しようとするデータを、オペレーティングシステム150に供給すると、データはプロトコル156と呼ばれる特殊なアプリケーションプログラムに供給され、データを通信回線に出力するための所定の変換が行われる。すなわち、通信回線を使ったデータの授受は予め定められた取り決めに従って行う必要があるので、出力しようとするデータを所定のデータ形式に変換するのである。尚、プロトコルとは、広義には取り決め全体を指すが、所定のデータ形式に変換するためのアプリケーションプログラムを指して狭義に使用される場合もある。出力しようとするデータが所定のデータ形式に変換されたら、オペレーティングシステム150は、変換されたデータをネットワークドライバ158と呼ばれるアプリケーションプログラムに供給する。ネットワークドライバ158は、NIC110の動作を制御し、供給されたデータを電気信号に変換して通信回線に出力する。
【0049】
コンピュータ100が通信回線からデータを受け取る処理は、データを出力する処理とほぼ逆の手順で行われる。簡単に説明すると、ネットワークケーブルを伝わってNIC110に入力された電気信号は、ネットワークドライバ158でデータに変換されてオペレーティングシステム150に供給される。ネットワークドライバ158から供給されるデータは、通信回線でデータをやりとりするための所定のデータ形式に変換されているので、オペレーティングシステム150はこのデータを一旦プロトコル156に渡して、データ形式を復元した後、アプリケーションプログラム154に供給する。
【0050】
図3は、本実施例のコンピュータ400のソフトウェア構成を示す説明図である。コンピュータ400のソフトウェア構成は、コンピュータ100のソフトウェア構成とほぼ同様である。ただ、図1に示したように、本実施例のコンピュータ400にはカラープリンタは接続されていないことに対応して、カラープリンタを駆動するためのプリンタドライバがインストールされていないことのみが異なっている。もちろん、コンピュータ400にカラープリンタが接続されている場合は、コンピュータ100と同様のソフトウェア構成とすることも可能である。
【0051】
図4は、本実施例のカラープリンタ200の概略構成を示す説明図である。このカラープリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路260とから構成されている。
【0052】
キャリッジ240をプラテン236の軸方向に往復動させる機構は、プラテン236の軸と並行に架設されたキャリッジ240を摺動可能に保持する摺動軸233と、キャリッジモータ230との間に無端の駆動ベルト231を張設するプーリ232と、キャリッジ240の原点位置を検出する位置検出センサ234等から構成されている。
【0053】
印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン236と、プラテン236を回転させる紙送りモータ235と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ235の回転をプラテン236および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)とから構成されている。印刷用紙Pは、プラテン236と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン236の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0054】
制御回路260は、CPU261とROM262とRAM263等から構成されており、カラープリンタ200の各種機構を制御する。すなわち、制御回路260は、キャリッジモータ230と紙送りモータ235の動作を制御することによってキャリッジ240の主走査と副走査とを制御するとともに、コンピュータ100から供給される印刷データに基づいて、各ノズルでのインク滴の吐出を制御している。この結果、印刷用紙上の適切な位置にインクドットが形成される。
【0055】
キャリッジ240にはブラック(K)インクを収納するインクカートリッジ242と、シアン(C),マゼンタ(M),イエロ(Y)のインクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。もちろん、Kインクと他のインクを同じインクカートリッジに収納してもよい。複数のインクを1つのカートリッジに収納可能とすれば、インクカートリッジをコンパクトに構成することができる。
【0056】
キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247に供給される。各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247の各底面には、48個のノズルNz が一定のノズルピッチkで配列されたノズル列が1組ずつ設けられている。インクカートリッジ242,243から各ヘッドの供給されたK,C,M,Yの各色のインクは、制御回路260の制御の下で、それぞれのノズル列から吐出される。
【0057】
また、本実施例のカラープリンタ200は、大・中・小の大きさの異なる3種類のインクドットを形成することが可能となっている。以下、カラープリンタ200で大きさの異なるインクドットを形成している方法について説明するが、その準備として、先ず、各色インクを吐出するノズルの内部構造について説明する。図5(a)は各色インクを吐出するノズルの内部構造を示した説明図である。各色のインク吐出用ヘッド244ないし247には、このようなノズルが複数設けられている。図示するように、各ノズルにはインク通路255と、インク室256と、インク室の上にピエゾ素子PEとが設けられている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を経由して、インク室256に供給される。ピエゾ素子PEは、周知のように電圧を印加すると、結晶構造が歪んで極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定波形の電圧を印加することで、インク室256の側壁を変形させる。その結果、インク室256の容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzから吐出される。このインク滴Ipがプラテン236に装着された印刷用紙Pに染み込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。
【0058】
図5(b)は、ピエゾ素子PEに印加する電圧波形を制御することで、吐出するインク滴の大きさを変更する原理を示した説明図である。ノズルからインク滴Ipを吐出するためには、ピエゾ素子PEに負の電圧を印加してインクギャラリ257からインク室256内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正電圧を印加してインク室容積を減少させて、インク滴Ipを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適正であればインク室容積の変化量に相当するインクが流入するが、吸引速度が速すぎると、インクギャラリ257とインク室256との間には通路抵抗があるためにインクギャラリ257からのインクの流入が間に合わなくなる。その結果、インク通路255のインクがインク室内に逆流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態となる。図5(b)に実線で示した電圧波形aは、適正な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電圧波形bは適正速度より大きな速度で吸引する波形の一例を示している。
【0059】
充分なインクがインク室256内に供給された状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加すると、インク室256の容積減少に相当する体積のインク滴IpがノズルNzから吐出される。これに対して、インクの供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク滴となる。このように、本実施例のカラープリンタ200では、インク滴の吐出前に印加する負の電圧波形を制御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するインク滴の大きさを制御し、大ドット,中ドット,小ドットの3種類のインクドットを形成することが可能となっている。
【0060】
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、印刷データに従って、キャリッジ240の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラープリンタ200は印刷用紙上にカラー画像を印刷している。
【0061】
B.第1実施例:
B−1.第1実施例の印刷処理の概要:
第1実施例の印刷処理について説明する。フォトレタッチソフトやドローソフト、あるいはワードプロセッサソフトなどの各種アプリケーションプログラム154が印刷命令を発すると、オペレーティングシステム150の管理の下でプリンタドライバ500が、画像データを、カラープリンタ200が印刷可能な印刷データに変換する。図6は、プリンタドライバ500で画像データを印刷データに変換するための処理の流れを示したフローチャートである。この処理は、コンピュータ100のCPU102が主に行う処理である。以下、図6のフローチャートに従って説明する。
【0062】
印刷処理を開始すると、コンピュータ100のCPU102は、先ず初めに、印刷用のモジュールがメモリ上に存在しているか否かを判断する(ステップS100)。この処理の内容について説明する準備として、先ず、各種のモジュールについて説明する。プリンタドライバ500が、画像データを印刷データに変換する処理は、図7に概念的に示すように、大きく6つのモジュールに分かれていて、各モジュールのそれぞれは小さなプログラムを実行することによって、全体として画像データが印刷データに変換する処理が行われる。
【0063】
画像データ読み込みモジュール510とは、各種アプリケーションプログラム154が出力した画像データをオペレーティングシステム150からプリンタドライバ500に読み込むためのモジュールである。各種アプリケーションプログラム154は、R,G,Bの階調値で表現されたRGB階調データとしてカラー画像データを出力するので、画像データ読み込みモジュール510は、RGB階調データで表された画像データを取り込む。
【0064】
解像度変換モジュール512は、アプリケーションプログラム154が出力した画像データの解像度を、カラープリンタ200が印刷するための解像度に変換する処理を行うモジュールである。画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行って隣接画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって、画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
【0065】
色変換モジュール514は、R,G,Bの階調値の組み合わせによって表現されている画像データを、カラープリンタ200で使用するC,M,Y,K各色の階調値の組み合わせによって表現された画像データに変換する処理を行うモジュールである。色変換処理は、後述する色変換テーブルLUTと呼ばれる3次元の数表を参照することで迅速に行うことができる。図7に概念的に示すように、参照するLUTは予め色変換モジュール514に組み合わされて記憶されている。
【0066】
階調数変換モジュール516は、次のような処理を行うモジュールである。色変換モジュールによって変換されたCMYK階調データは、各色毎に256階調幅を持つデータとして表現されている。これに対し、本実施例のカラープリンタ200では、「大ドットを形成する」,「中ドットを形成する」,「小ドットを形成する」,「ドットを形成しない」のいずれかの状態しか採り得ない。すなわち、本実施例のカラープリンタ200は局所的には4階調しか表現し得ない。そこで、256階調を有する画像データを、カラープリンタ200が表現可能な4階調で表現された画像データに変換する必要がある。このような処理は階調数変換処理と呼ばれ、階調数変換モジュール516は、階調数変換処理を行うモジュールである。本実施例では、いわゆる誤差拡散法と呼ばれる方法を用いて階調数変換処理を行っている。誤差拡散法については、後ほど簡単に説明する。尚、階調数変換処理の方法は、誤差拡散法に限らず、組織的ディザ法などの周知の種々の方法を適用することもできる。
【0067】
インターレースモジュール518は、ドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、ドットの形成順序を考慮しながらカラープリンタ200に転送すべき順序に並べ替える処理を行うモジュールである。
【0068】
印刷データ出力モジュール520は、インターレース処理を行って最終的に得られたデータを、印刷データとしてカラープリンタ200に出力する処理を行うモジュールである。
【0069】
これら各モジュールを実行するプログラムは、通常は、ハードディスク118に記憶されており、印刷を行う場合には、オペレーティングシステム150がハードディスク118から読み出してRAM106に記憶してから、各プログラムが実行される。このことから、直前にアプリケーションプログラム154から印刷命令が発せられていれば、RAM106上に記憶されているプログラムを使用して処理を進めればよい。そこで、コンピュータ100のCPU102は、印刷処理を開始すると先ず初めに、ステップS100において、RAM106上に印刷のためのモジュールが存在するか否かを判断するのである。
【0070】
RAM106上にモジュールが存在していなければ(ステップS100:no)、図7に示した6つのモジュール510ないし520を、ハードディスク118から読み込んでRAM106上に記憶する(ステップS102)。
【0071】
6つのモジュールをすべて読み込むと、次に色変換モジュール514と、階調数変換モジュール516の2つのモジュールを、通信回線を介してコンピュータ400に送信する(ステップS104)。具体的には、次のような一連の処理を行う。先ずプリンタドライバ500が、2つのモジュールをオペレーティングシステム150を経由してプロトコル156に供給すると、プロトコル156は受け取った2つのモジュールを、通信回線300を介して送信するための所定のデータ形式に変換する(図2参照)。変換されたモジュールは、オペレーティングシステム150を経由してネットワークドライバ158に供給され、NIC110を介して電気信号として通信回線300に出力され、コンピュータ400のNIC410に伝達される。コンピュータ400では、送信されたモジュールを受け取るために、送信の逆の手順が行われる。すなわち、伝達された電気信号は、ネットワークドライバ458で読みとられた後、オペレーティングシステム450を経由してプロトコル456に供給され、元のデータ形式に変換される。オペレーティングシステム450は、こうして実行可能な形式に復元された2つのモジュールを受け取ると、新たなアプリケーションプログラム454として、コンピュータ400のRAM502に記憶する。
【0072】
ステップS100において、色変換モジュールおよび階調数変換モジュールの2つのモジュールを除く他のモジュールが、コンピュータ100のRAM106に存在すると判断された場合は、ハードディスク118からのモジュールの読み込みおよび所定のモジュールを送信する処理は行わずに、直接、次の画像データ読み込み処理を開始する(ステップS106)。
【0073】
画像データ読み込み処理とは、前述の画像データ読み込みモジュール510が行う処理、すなわち各種アプリケーションプログラム154が出力した画像データをオペレーティングシステム150を経由して読み込む処理である。
【0074】
画像データを読み込むと、次いで、コンピュータ100のCPU102は、解像度変換処理を開始する(ステップS108)。解像度変換処理とは、前述した解像度変換モジュール512が行う処理、すなわちアプリケーションプログラム154が出力した画像データの解像度を、カラープリンタ200が印刷するための解像度に変換する処理である。
【0075】
コンピュータ100のCPU102は、解像度変換処理が終了すると、処理後の画像データをコンピュータ400に向かって送信する(ステップS110)。画像データの送信も、ステップS104でモジュールを送信する場合と同様にして行われる。すなわち、オペレーティングシステム150の管理の下で、画像データはプロトコル156およびネットワークドライバ158で所定の処理を施された後、NIC110から電気信号としてネットワークケーブル上に出力され、コンピュータ400のNIC410に伝達される。画像データの送信が完了すると、コンピュータ100のCPU102は、プリンタドライバ500の処理を一旦中断し、他のアプリケーションプログラムを実行することが可能となる。コンピュータ100のCPU102がプリンタドライバ500の処理を中断している間は、プリンタドライバ500の実質的な処理はコンピュータ400のCPU402によって行われる。
【0076】
コンピュータ100がコンピュータ400に向かって画像データを送信すると、コンピュータ400のCPU402は、送信された画像データを受け取る処理を開始する(ステップS112)。画像データを受信する処理も、前述したモジュールを受け取る処理と同様にして行われる。すなわち、伝達された電気信号は、ネットワークドライバ458で読みとられた後、オペレーティングシステム450を経由してプロトコル456に供給され、元のデータ形式に変換されて、再びオペレーティングシステム450に供給される。
【0077】
画像データの受信処理が終了すると、コンピュータ400のCPU402は、色変換処理を開始する(ステップS114)。具体的には、オペレーティングシステム450が、先に受け取ってRAM406に記憶しておいた色変換モジュール514に、受信した画像データを供給することで、色変換処理が開始される。色変換処理は、前述したように、R,G,Bの階調値の組み合わせによって表現されている画像データを、カラープリンタ200で使用するC,M,Y,K各色の階調値の組み合わせによって表現された画像データに変換する処理である。第1実施例の印刷処理では、このようにコンピュータ400上で色変換処理を行っている理由については後述する。
【0078】
色変換処理が終了すると、コンピュータ400のCPU402は、次に階調数変換処理を開始する(ステップS116)。具体的には、オペレーティングシステム450が、RAM406上の記憶されている階調数変換モジュール516に、色変換後の画像データを供給することで階調数変換処理が開始される。前述したように、階調数変換処理は、色変換処理後の256階調を有するCMYK各色の階調データを、カラープリンタが表現可能な2階調の階調データに変換する処理である。第1実施例の印刷処理では、このようにコンピュータ400上で階調数変換処理を行っている理由についても後述する。
【0079】
こうして階調数変換処理が終了すると、コンピュータ400のCPU402は処理後の画像データを、コンピュータ100に向かって送信する(ステップS118)。コンピュータ400からコンピュータ100に向かって送信する場合も、コンピュータ100からコンピュータ400に向かって送信したと全く同様にして行うことができる。すなわち、オペレーティングシステム450の管理の下、画像データをプロトコル456で所定の形式に変換した後、ネットワークドライバ458を経由してNIC410から電気信号としてネットワークケーブル上に出力され、コンピュータ100のNIC110に伝達される。
【0080】
尚、解像度変換後の画像データを受け取ってから(ステップS112)、階調数変換後の画像データを送信するまで(ステップS118)の処理は、コンピュータ400のCPU402によって実行される。図6では、このことを明確に示すために、ステップS112からステップS118までの処理を破線で囲って示している。
【0081】
コンピュータ400が画像データを送信すると、コンピュータ100のCPU102は、再びプリンタドライバ500の処理を再開して、送信された画像データを受け取る(ステップS120)。すなわち、伝達されてきた電気信号をネットワークドライバ158で読み取った後、オペレーティングシステム450を経由してプロトコル456に供給して元のデータ形式に変換し、再びオペレーティングシステム450に出力する。
【0082】
こうして画像データの受信処理が終了すると、コンピュータ100のCPU102は、インターレース処理を開始する(ステップS122)。インターレース処理とは、前述したように、ドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、ドットの形成順序を考慮しながらカラープリンタ200に転送すべき順序に並べ替える処理である。インターレース処理を行うことによって、アプリケーションプログラム154から出力されて画像データは、カラープリンタ200が印刷可能な印刷データに変換される。
【0083】
インターレース処理が終了すると、コンピュータ100のCPU102は、印刷データをカラープリンタ200に出力する処理を開始する(ステップS124)。印刷データを出力するに際しては、カラープリンタ200のジョブ管理を行いながら印刷データを出力する。例えば、同じ印刷画像を複数部数印刷する場合、同じ印刷データを印刷するページ単位で必要回数だけ出力する。印刷データが複数ページにわたる場合は、複数ページがソート印刷されるよう管理することも可能である。すなわち、同じページを連続して印刷するのではなく、各ページが一部ずつ順番に並んだ状態で必要部数だけ印刷されるように、適切な順序で印刷データを出力することも可能である。また、ステップS124の処理では、カラープリンタ200が他の画像を印刷中の場合には、印刷終了を待って印刷データを出力するといった制御も行っている。こうして出力された印刷データは、前述したP・I/F108を経由してカラープリンタ200に供給され、カラープリンタ200が該印刷データに基づいて各色インクドットを形成することによって、印刷用紙上にカラー画像が印刷される。こうして、図6に示した印刷処理が終了する。
【0084】
B−2.第1実施例の色変換処理:
以上のように、第1実施例のプリンタドライバ500は、コンピュータ400上で色変換処理を行っている。この理由について説明する準備として、色変換モジュール514がコンピュータ400上で行う色変換処理について簡単に説明する。
【0085】
色変換モジュール514は、色変換テーブルLUTと呼ばれる3次元の数表を参照することによって、RGB各色階調値で表された画像データを、カラープリンタ200に備えられたCMYK各色毎の階調データに変換している。図8は、LUT(色変換テーブル)を概念的に示した説明図である。R軸,G軸,B軸を互いに直交する3軸に取ったRGB色空間を考えると、RGB階調データは色空間上の座標値によって表現することができる。RGBの各階調値が8ビットデータであるとすれば、各階調値は0から255の値をとるから、すべてのRGB階調データは一辺の長さが255の立方体内の座標点として表現することができる。このような立方体は色立体と呼ばれる。LUTは、RGB色立体を格子状に細分し、各格子点に、格子点のRGB階調データに対応するCMYK階調値の組み合わせを記憶した3次元の数表である。
【0086】
RGB階調データからCMYK階調データへの変換は、たいへん非線形性の強い変換であるため、計算式を用いて色変換処理を行うことは容易ではないが、図8に示すようなLUTを参照すれば、色変換を迅速に行うことが可能となる。例として、RGBの階調値がそれぞれr,g,bであるカラー画像データを、CMYKの階調値で表現された画像データに色変換する場合について説明する。先ず、色立体を格子状に細分してできた小立方体の中から座標値(r,g,b)の点Aを内包する小立方体dVを見つけ出す。次いで、この小立方体の各頂点に記憶されているCMYK階調値を読み出し、補間演算を行うことによって、座標値(r,g,b)に対応するCMYK階調値を算出する。各格子点に記憶しておくCMYK階調値は、予め実験的に正確に求めておくことができるので、RGB階調データの座標値の近傍に格子点が存在していれば、LUTを参照することによって対応するCMYK階調値を、迅速にかつ正確に求めることができる。このように、色変換の精度はRGB階調データの座標値から近傍の格子点までの距離に依存している。換言すれば、RGB色立体を分割する格子点の間隔を小さくすれば、それだけ正確に色変換処理を行うことが可能になる。
【0087】
次に、第1実施例のプリンタドライバ500が、コンピュータ400上で色変換処理を行う理由について説明する。第1実施例の色変換モジュール514は、RGB階調データをできるだけ正確なCMYK階調データに変換するために、格子点の間隔が階調値4のLUT、すなわち一辺の長さが255のRGB色立体の各辺を64分割したLUTを参照して色変換処理を行っている。かかるLUTには、色立体の各辺を64分割しているから、274625(=65×65×65)個もの格子点が記憶されていることになる。各格子点には、RGBの各階調値とCMYKの各階調値との合計7つの階調データが記憶されており、1つの階調データが1バイトデータとして表現されているから、LUT全体としては約1.9Mバイトのデータ量となる。このように大きなデータ量のLUTを参照しながら迅速に色変換処理を行うためには、LUTの格子点に記憶されているCMYK階調値を迅速に読み出せるように、LUT全体をメモリ上に展開しておく必要がある。このように大きなデータ量のLUTをメモリ上に展開したまま補間演算を行うためには、十分なメモリを搭載したコンピュータを用いて色変換処理を行う必要がある。とはいえ、すべてのコンピュータに十分なメモリを搭載することは困難である。そこで、第1実施例のプリンタドライバ500は、色変換モジュール514を十分なメモリを搭載したコンピュータ400に予め送信しておき、コンピュータ400上で色変換処理を行うのである。
【0088】
こうすれば、コンピュータ100に十分なメモリが搭載されていなくても、色変換処理を非常に正確に行って、きわめて高画質の画像を迅速に印刷することが可能となる。
【0089】
B−3.第1実施例の階調数変換処理:
前述したように、第1実施例のプリンタドライバ500は、階調数変換処理もコンピュータ400上で行っている。この理由について説明するために、先ず、階調数変換モジュール516が行う処理について簡単に説明する。
【0090】
図9は、階調数変換モジュール516がコンピュータ400のCPU402を用いて行う階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。階調数変換モジュール516では、誤差拡散法と呼ばれる方法を用いて階調数変換処理を行う。誤差拡散法による階調数変換処理は、処理に多少時間がかかる欠点があるが、高画質の画像を印刷することができるという利点がある。尚、階調数変換処理は、前述の色変換処理で変換されたCMYKの各色階調データ毎に行っているが、説明の煩雑化を避けるために、ここでは色を特定せずに説明する。
【0091】
階調数変換処理を開始すると、コンピュータ400のCPU402は、色変換された画像データCdを読み込む(ステップS200)。この画像データCdは、色変換処理によって変換されたCMYK各色の階調データであり、各色の階調データは256階調を有している。次いで、補正データCdxを生成する(ステップS202)。誤差拡散処理は処理済みの画素について生じた階調数変換による誤差を、その画素の回りの未処理画素に所定の重みを付けて配分するもので、ステップS202では、周辺の処理済み画素から分配されてきた誤差をステップS200で読み込んだ画像データCd に加えて補正データCdxを算出する。階調数変換による誤差を周辺の画素に拡散する誤差拡散処理については後述する。
【0092】
次いで、図10に示すようなドット記録率テーブルを参照して、補正データCdxに対応する大・中それぞれのドットについてのレベルデータRdL,Rdmを取得する(ステップS204)。
【0093】
ここで、ドット記録率とは、ある領域内の画素にドットが形成される割合をいう。その領域内に全くドットが形成されない場合のドット記録率は0%となり、領域内の全画素にドットが形成される場合のドット記録率は100%となる。また、レベルデータとは、ドット記録率0%のとき値0となり、ドット記録率100%のとき値255となるように、スケール変換を行ったデータである。図10は、大・中・小の各ドットのドット記録率が、画像データの階調値に対応付けて記憶されている様子を示している。
【0094】
図10に示されているように、ドット記録率は次のように設定されている。すなわち、画像データの階調値が増えるに従って小ドットのドット記録率が増加していき、小ドットのドット記録率が所定値まで増加したら、小ドットのドット記録率が減少して代わりに中ドットのドット記録率が増加していく。中ドットのドット記録率が所定値まで増加したら、今度は中ドットのドット記録率が減少して代わりに大ドットのドット記録率が増加していく。このようにドット記録率を設定しておけば、画像データの階調値が増えるに従って、初めは小ドットの形成密度が次第に増加し、途中から小ドットに代わって中ドット、あるいは大ドットの形成密度が増加していく。その結果、「ドットを形成しない」,「小ドットを形成する」,「中ドットを形成する」,「大ドットを形成する」の4つの状態、すなわち4階調で256階調の画像データを表現することができる。図10に示す対応関係は、コンピュータ400のメモリに各色毎に記憶されている。
【0095】
図9のステップS204の処理においては、図10のようなドット記録率テーブルを参照して、各色毎に大ドットと中ドットのレベルデータRdL,Rdmを取得するのである。尚、ここで、大ドットと中ドットについてのみレベルデータを取得するのは、後述するように、大・中ドットについてはそれぞれのレベルデータに誤差拡散法を適用して各ドットの形成を判断し、小ドットについては画像データの階調値に誤差拡散法を適用してドット形成を判断するからである。こうすれば、大・中ドットの形成有無を判断することにより発生した誤差を、小ドットで解消することができるので高画質の画像を印刷することが可能となる。
【0096】
こうして、大・中ドットのレベルデータRdL,Rdmを取得したら、それぞれのドットについて周辺画素から拡散されてきた誤差を加算して、大ドット用の補正レベルデータRxdL,中ドット用の補正レベルデータRxdmを生成する(ステップS206)。大・中それぞれのドットについて誤差を拡散する処理については後述する。
【0097】
次いで、大ドットの補正レベルデータRxdLと大ドット用の閾値thL とを比較することにより、大ドットについてのドット形成有無を判断する(ステップS208)。補正レベルデータRxdLが閾値thL より大きければ、着目画素には大ドットを形成すると判断して、多値化結果を表す値Cdrに、大ドットを形成することを意味する値「3」を書き込む(ステップS210)。閾値thL の方が大きい場合は、中ドットの形成有無を判断する。すなわち、中ドットの補正レベルデータRxdmと中ドット用の閾値thm とを比較して(ステップS212)、補正レベルデータRxdmが閾値thm より大きければ、着目画素には中ドットを形成すると判断して、判断結果を表す値Cdrに、中ドットを形成することを意味する値「2」を書き込む(ステップS214)。閾値thm の方が大きい場合は小ドットの形成有無を判断する。小ドットの形成有無は補正データCdxと小ドット用の閾値ths とを比較することによって判断する。補正データCdxが閾値ths より大きければ、着目画素には小ドットを形成すると判断して、判断結果を表す値Cdrに、小ドットを形成することを意味する値「1」を書き込み(ステップS218)、閾値ths の方が大きい場合はいずれのドットも形成しないことを意味する値「0」を書き込む(ステップS220)。
【0098】
以上のようにして着目画素について、いずれのドットを形成するか、あるいはドットを形成しないかの判断を終了したら、判断の結果生じた誤差の計算及び誤差の拡散処理を開始する。先ず、大ドット用の誤差計算および誤差拡散処理を行う(ステップS222)。例えば、大ドットの補正レベルデータRxdLが50であり、大ドットを形成したことによって表現される階調値が255であるとすると、着目画素に大ドットを形成すると判断した場合は、50−255=−205の誤差が発生する。逆に、他のドットを形成する場合を含めて着目画素に大ドットを形成しなかった場合は、大ドットに関しては、50−0=50の誤差が発生する。こうして大ドットに関して発生した誤差を、周辺画素に重みをつけて拡散する。周辺画素に拡散する際の重み係数の設定値を図11に示している。前述したステップS216において、大ドットの補正レベルデータRxdLを求めるために、大ドットのレベルデータRdLに加算されるのは、こうして着目画素に拡散されてきた大ドットに関する誤差である。
【0099】
こうして大ドットに関する誤差を計算し、誤差を周辺画素に拡散したら、中ドットの用の誤差計算及び誤差拡散処理を行う(ステップS224)。中ドット用の誤差計算及び誤差拡散処理は、上述の大ドット用の処理とほとんど同様である。ただし、中ドットに関する誤差と大ドットに関する拡散誤差は、周辺画素において別々に蓄積される。また、中ドットに関する誤差と大ドットに関する誤差とで、周辺画素に拡散する際の重みは異なった重みを使用することもできる。
【0100】
以上のようにして、大ドットおよび中ドットに関する誤差計算と誤差拡散処理が終了したら、着目画素に表現すべき目標の階調値と実際に表現される階調値との誤差を計算し、計算した誤差を周辺画素に拡散する(ステップS226)。この誤差も、大ドットあるいは中ドットに関する誤差とは別々に周辺画素に蓄積される。また、誤差を拡散する際の重みも、大・中ドットの誤差とは異ならせても良い。
【0101】
着目画素についてのドット形成有無を判断すると、全画素について階調数変換処理を行ったか否かを判断し(ステップS228)、未処理の画素があれば、ステップS200に戻って一連の処理を行う。こうして全画素についてドット形成有無を判断すると階調数変換処理を終了する。
【0102】
以上説明したように、階調数変換モジュール516は、大ドット,中ドット,小ドットの3種類のドットについてドットの形成有無を判断しながら、判断の結果生じた誤差を所定の重みを付けて周辺の多数の画素に拡散し、次の画素のドットの形成有無を判断する際には、周囲から拡散されてきた誤差を考慮してドット形成有無を判断する。こうして1つの画素で生じた誤差を広い領域に拡散させながら、大,中,小の3種類のドットの形成有無を判断しているので、たいへんに高画質の画像を印刷することが可能となっている。このように、1つの画素について、1色分のドットの形成有無を判断するために、画像データおよび拡散誤差の読み出しと、周辺にある多数の画素に対する拡散誤差の書き込みとを行わなければならないので、階調数変換処理を迅速に行うためには、データを高速に処理可能な高性能のコンピュータを用いることが好ましい。とはいえ、すべてのコンピュータがデータを高速に処理可能なわけではない。そこで、第1実施例のプリンタドライバ500は、階調数変換モジュール516を高速処理の可能なコンピュータ400に予め送信しておき、コンピュータ400上で階調数変換処理を行うのである。
【0103】
こうすれば、コンピュータ100では、それほど高速な処理ができなくても、階調数変換処理を迅速に行って、きわめて高画質の画像を迅速に印刷することが可能となる。
【0104】
以上に説明してきたように、第1実施例のプリンタドライバ500は、印刷処理を開始すると、先ず初めに、色変換モジュール514および階調数変換モジュール516の2つのモジュールを、通信回線を経由してコンピュータ400に送信しておく。次いで、各種アプリケーションプログラムから印刷すべき画像データを受け取ると、解像度変換処理を施した後、通信回線を通じてコンピュータ400に送信する。その後、コンピュータ400で色変換処理および階調数変換処理を施された画像データを受け取ると、この画像データにインターレース処理を施して印刷データに変換し、カラープリンタ200に供給してカラー画像を印刷する。こうすることで、コンピュータ100に搭載されているメモリ量や、コンピュータ100のデータ処理速度等の制約を受けることなく、たいへんに高画質の画像を印刷することが可能となっている。
【0105】
また、画像データの解像度を印刷解像度に変換する解像度変換処理や、カラープリンタが実際に画像を印刷する手順を考慮して画像データの順番を入れ替えるインターレース処理は、画像データを出力したアプリケーションプログラムや、カラープリンタの仕様と密接に関わる処理であるといえる。従って、これらの処理をコンピュータ100で行えば、アプリケーションプログラムやカラープリンタとのデータのやり取りを容易に行うことが可能となるので好適である。
【0106】
更に、色変換処理や階調数変換処理は、解像度変換処理およびインターレース処理の間で行われる処理であるため、画像データを出力するアプリケーションプログラムの種類や、カラープリンタの仕様による影響を受けにくい処理であると言うことができる。すなわち、特殊なデータ形式の画像を受け取る場合や、カラープリンタの仕様が異なっていても、色変換モジュール514や階調数変換モジュール516自体は同じモジュールを使用することができるという利点もある。
【0107】
また、コンピュータ100とコンピュータ400とは、通信回線でデータのやり取りが可能でありさえすれば、オペレーティングシステムの種類が異なっていても構わない。このことから、コンピュータ400に記憶されている色変換モジュール514と階調数変換モジュール516とを、互いに異なるオペレーティングシステムで動くコンピュータで共用することも可能となるので好適である。
【0108】
更に、異なるオペレーティングシステムで同じ色変換モジュール514と階調数変換モジュール516とを共用可能であることから、各オペレーティングシステム用のプリンタドライバを作成する場合に、色変換モジュール514の部分と階調数変換モジュール516の部分とは同じものを使用することができるので、オペレーティングシステム毎にプリンタドライバを作成する作業が軽減されて好ましい。同様に、オペレーティングシステムがバージョンアップされた場合にも、バージョンアップにプリンタドライバを対応させるための作業を軽減させることも可能となる。
【0109】
B−4.変形例:
上述してきた第1実施例の印刷システムには、種々の変形例が存在する。以下、これら変形例について簡単に説明する。
【0110】
第1実施例の印刷システムでは、色変換モジュール514および階調数変換モジュール516の2つのモジュールのみ、コンピュータ400に送信するものとして説明したが、もちろんこれら2つのモジュールとともに、解像度変換モジュール512およびインターレースモジュール518を送信する印刷システムとしてもよい。
【0111】
かかる第1の変形例では、プリンタドライバはアプリケーションプログラムから画像データを受け取ると、そのまま画像データをコンピュータ400に送信する。次いで、コンピュータ400上で解像度変換処理,色変換処理,階調数変換処理,インターレース処理を行い、印刷データに変換されたデータを受け取って、カラープリンタに出力することで画像を印刷する。このように、高速処理の可能なコンピュータ400上で行う処理が多くなれば、画像データを印刷データに変換する処理をそれだけ迅速に行うことができるので好適である。
【0112】
また、第1実施例の印刷システムでは、プリンタドライバ500が使用する色変換モジュール514および階調数変換モジュール516は、プリンタドライバ500がコンピュータ400に送信するものとして説明したが、予めコンピュータ400に複数種類の色変換モジュールおよび階調数変換モジュールを記憶しておき、その中なら使用するモジュールをプリンタドライバ500が選択するものとしてもよい。色変換モジュールおよび階調数変換モジュールに限らず、他のモジュールを記憶しておいても構わない。
【0113】
かかる第2の変形例では、印刷処理を開始すると、プリンタドライバは先ず初めに使用するモジュールを特定する情報を、コンピュータ400のオペレーティングシステム450に出力する。コンピュータのオペレーティングシステム450は、指定されたモジュールをハードディスク418からRAM406上に展開しておく。次いで、コンピュータ100のプリンタドライバ500は、アプリケーションプログラムから受け取った画像データに対して、解像度変換処理を施した後、コンピュータ400に送信する。コンピュータ400のオペレーティングシステム450は、色変換処理および階調数変換処理を施した後、画像データをコンピュータ100に送信する。コンピュータ100のプリンタドライバ500は、受け取った画像データにインターレース処理を施して印刷データに変換した後、カラープリンタに出力してカラー画像を印刷する。こうすれば、印刷処理の開始にあたって、コンピュータ100からコンピュータ400に各モジュールを送信する必要が無くなるので好適である。
【0114】
上述した第1実施例の印刷システムにおいては、各モジュールはコンピュータ100に記憶されていて、コンピュータ100からコンピュータ400に送信するものとして説明したが、各モジュールをコンピュータ400に記憶しておき、コンピュータ400からコンピュータ100に送信する印刷システムとしても構わない。
【0115】
かかる第3の変形例では、印刷処理が開始されると、先ず初めに、コンピュータ400が、画像データ読み込みモジュール510や印刷データ出力モジュール520などの所定の各モジュールをコンピュータ100に送信する。次いで、コンピュータ100は、送信されたモジュールを用いて、アプリケーションプログラム154から供給された画像データに所定のデータ変換を施し、変換した画像データをコンピュータ400に送信する。コンピュータ400は、送信された画像データに対して続く処理を行って再びコンピュータ100に出力する。コンピュータ100は、送信されているモジュールを用いて、受け取った画像データを印刷データに変換し、該印刷データを印刷装置に供給する。
【0116】
こうすれば、コンピュータ100にモジュールを予め記憶しておく必要がなくなるので、コンピュータ100の構成を簡素化することが可能となり好適である。また、かかる第3の変形例では、コンピュータ400に記憶されているモジュールを更新すれば、コンピュータ100で行われるデータ変換処理も自動的に更新される。すなわち、コンピュータ100に相当するコンピュータが複数存在している印刷システムの更新作業が簡便化されるので好ましい。
【0117】
C.第2実施例:
以上に説明した第1実施例では、きわめて高画質のカラー画像を印刷するために、必ずコンピュータ400上で色変換処理および階調数変換処理を行うものとして説明したが、表やグラフなどのように、それほどの高画質を必要としないカラー画像についてはコンピュータ100上で全てのデータ変換処理を行い、高画質を必要とするカラー画像についてはコンピュータ400上で色変換処理あるいは階調数変換処理を行うようにしてもよい。以下に説明する第2実施例のプリンタドライバは、必要とする画質に応じて、色変換処理および階調数変換処理を行うコンピュータを使い分けている。
【0118】
図12は、第2実施例の印刷処理の流れを示すフローチャートである。第2実施例の印刷処理は、印刷条件を取得して、全てのデータ変換処理をコンピュータ100上で行う場合と、一部の処理をコンピュータ400上で行う場合とを、要求されている印刷画質に応じて使い分けている点が、第1実施例の印刷処理に対して異なっている。以下、図12のフローチャートに従って、第1実施例の印刷処理と異なる点を中心に、第2実施例の印刷処理について説明する。
【0119】
印刷処理を開始すると、先ず初めにコンピュータ100のCPU102は、印刷条件を取得する(ステップS300)。印刷条件は、印刷しようとする画像データを作成したアプリケーションプログラムから、画像データとともにプリンタドライバ500に対して供給される。第2実施例では、印刷条件として、「通常画質」と、「高画質」と、「超高画質」の3種類の画質を指定することが可能であり、プリンタドライバ500は、各画質に応じて異なった方法を用いて画像データを印刷データに変換する。
【0120】
図13は、第2実施例のプリンタドライバ500が画像データを印刷データに変換する方法を、選択した画質に応じて使い分けている様子をまとめて示した説明図である。「超高画質」が選択されている場合は、第1実施例の場合と同様に、データ量の大きな超高画質用のLUT(色変換テーブル)を用いてできるだけ正確に色変換処理を行い、階調数変換処理にも、高画質の印刷画像が得られる誤差拡散法を使用する。「高画質」が選択されている場合は、階調数変換処理には超高画質の場合と同様に誤差拡散法を用いるが、LUTは超高画質用の大きなLUTではなく、通常画質用のLUTを用いて色変換処理を行う。第2実施例で用いられる通常画質用LUTとは、格子点の間隔が階調値8のLUT、すなわち一辺の長さが255のRGB色立体の各辺を32分割したLUTである。通常画質用LUTには、35937(=33×33×33)個の格子点に、RGBの各階調値とCMYKの各階調値との合計7つの階調データが記憶されている。1つの階調データが1バイトデータとして表現されているから、LUT全体としては約250Kバイトのデータ量となる。前述したように超高画質用のLUTは約1.9Mバイトのデータ量であるから、通常画質用LUTを記憶するためには、超高画質用LUTを記憶するための約1/8のメモリ量しか必要としない。
【0121】
「通常画質」が選択されている場合は、通常画質用のLUTを用いて色変換処理を行うとともに、階調数変換処理には、組織的ディザ法と呼ばれる方法を使用する。組織的ディザ法では、0〜255間での値の閾値をマトリックス中にできるだけ分散させて配置したディザマトリックスと呼ばれるマトリックスを用いてドットの形成有無を判断する。すなわち、ドットの形成有無を判断しようとする画素の画像データを読み出し、ディザマトリックス中のその画素に対応する位置に設定されている閾値よりも画像データの値が大きければ、その画素にはドットを形成すると判断し、閾値より画像データの値が小さければ、その画素にはドットを形成しないと判断する。組織的ディザ法では、ディザマトリックスに設定されている閾値と画像データの値とを読み出して比較するだけで、ドットの形成有無を判断することができるので、誤差拡散法に比べれば若干画質は劣るものの、迅速に階調数変換処理を行うことができる。
【0122】
CPU102は、図12のステップS300において選択されている印刷条件を取得したら、次に印刷条件に対応する各モジュールを読み込む(ステップS302)。第2実施例のプリンタドライバ500も、第1実施例のプリンタドライバ500と同様に、画像データ読み込みモジュールと、解像度変換モジュールと、色変換モジュールと、階調数変換モジュールと、インターレースモジュールと、印刷データ出力モジュールの6つのモジュールによって構成されている。ただし、前述したように、第2実施例のプリンタドライバ500は指定された印刷条件に応じて、使用するLUT(色変換テーブル)および階調数変換処理の方法を使い分けており、このことに対応して、印刷条件に応じて各モジュールの組み合わせが異なっている。ステップS302では、ステップS300で取得した印刷条件に対応した組み合わせの各種モジュールを読み込むのである。各印刷条件に対応するモジュールは、ハードディスク118に予め記憶されている。
【0123】
図14は、ハードディスク118に各種モジュールが記憶されている様子を概念的に示す説明図である。図示するように、ハードディスク118上には、画像データ読み込みモジュール510と、解像度変換モジュール512と、色変換モジュール514と、誤差拡散法による階調数変換モジュール516aと、組織的ディザ法による階調数変換モジュール516bと、インターレースモジュール518と、印刷データ出力モジュール520とが記憶されている。また、色変換モジュール514には、通常画質用の色変換テーブルLUTaおよび超高画質用の色変換テーブルLUTbが、いずれも色変換モジュール514に組み合わせられるように記憶されている。
【0124】
図12に示したステップS302では、画像データ読み込みモジュール510と、解像度変換モジュール512と、インターレースモジュール518と、印刷データ出力モジュール520の4つのモジュールに加えて、ステップS300で取得した印刷条件に応じて、LUTaまたはLUTbのいずれかの色変換テーブルを組み込んだ色変換モジュール514と、2つの階調数変換モジュールの中のいずれかのモジュールとを加えた、合計6つのモジュールをハードディスク118から読み込むのである。
【0125】
次いでCPU102は、先に取得した印刷条件が、「超高画質」か否かを判断する(ステップS304)。印刷条件が「超高画質」である場合は(ステップS304:yes)、ステップS302で読み込んだ色変換モジュールと階調数変換モジュールとを、コンピュータ400に送信する。印刷条件として「超高画質」が指定されている場合、ステップS302では、色変換モジュール514としては超高画質用の色変換テーブルLUTaを組み込んだ色変換モジュール514が、また、階調数変換モジュールとしては誤差拡散法による階調数変換モジュール516aが読み込まれている。ステップS306では、LUTaを組み込んだ色変換モジュール514と階調数変換モジュール516aとを、コンピュータ400に送信する。これらモジュールの送信は、第1実施例の場合と全く同様に行うことができる。以下、ごく簡単に説明すると、オペレーティングシステム150が、プリンタドライバ500から渡されたこれらモジュールを、プロトコル156と呼ばれるアプリケーションプログラムおよびネットワークドライバ158に順次供給し、変換されたデータがNIC110から電気信号としてネットワークケーブルを伝わり、コンピュータ400のNIC410に伝達される(図2参照)。コンピュータ400では送信の逆の処理が行われて、コンピュータ400のオペレーティングシステム450が新たなアプリケーションプログラム454としてメモリに記憶する(図3参照)。
【0126】
CPU102が、先に取得した印刷条件が「超高画質」でないと判断した場合は(ステップS304:no)、読み込んだ色変換モジュールと階調数変換モジュールとを送信することなく、次のステップS308の処理を開始する。
【0127】
CPU102は、ステップS308では、画像データを作成したアプリケーションプログラムから画像データを読み込む処理を行う。かかる処理は、ステップS302で読み込んだ、画像データ読み込みモジュール510が、画像を作成したアプリケーションプログラム154から画像データを読み込むことによって行われる。読み込んだ画像データは解像度変換モジュール512に供給されて、解像度変換処理が行われる(ステップS310)。解像度変換処理の内容は前述した第1実施例の処理内容と同様である。
【0128】
解像度変換処理が終了すると、CPU102は、再び指定されている印刷条件が「超高画質」か否かを判断する(ステップS312)。印刷条件が「超高画質」である場合は(ステップS312:yes)、ステップS306において色変換モジュール514および階調数変換モジュール516aが、既にコンピュータ400に送信されているので、解像度変換処理後の画像データをコンピュータ400に送信する(ステップS314)。画像データの送信は、ステップS306で各モジュールを送信した場合と全く同様の方法によって行う。
【0129】
画像データを受け取ったコンピュータ400のCPU402は、既に受け取っている色変換モジュール514および階調数変換モジュール516aに従って、画像データの色変換処理および階調数変換処理を行う(ステップS316およびステップS318)。ステップS316の色変換処理では、超高画質用の色変換テーブルLUTaを参照することによって、RGB階調値の組み合わせで表現された画像データをきわめて正確なCMYK階調値の組み合わせに変換する。また、ステップS318の階調数変換処理では、優れた画質の得られる誤差拡散法を用いて階調数変換処理を行うことにより、256階調を有するCMYK階調データを「大ドットを形成する」,「中ドットを形成する」,「小ドットを形成する」,「ドットを形成しない」のいずれかの状態に相当する4階調の画像データに変換する。
【0130】
こうして画像データを、CMYK各色毎のドット形成有無による表現に変換したら、変換した画像データをコンピュータ400からコンピュータ100に送信する(ステップS320)。変換後の画像データの送信は、ステップS314でコンピュータ100からコンピュータ400に変換前の画像データを送信した時と逆の順序の処理を行うことで実施することができる。尚、変換前の画像データを受け取ってから変換後の画像データを送信する処理までは、コンピュータ400のCPU402によって実行される。図12では、このことを明確に示すために、対応する処理であるステップS316からステップS320までを破線で囲うことで示している。
【0131】
ステップ312において、指定されている印刷条件が「超高画質」ではないと判断された場合は(ステップS312:no)、CPU102は画像データを送信することなく、そのまま色変換処理および階調数変換処理を行う(ステップS322およびS324)。図13に示したように、印刷条件として「通常画質」が指定されている場合は、ステップS302では、色変換テーブルLUTbが組み合わされた色変換モジュール514、および組織的ディザ法による階調数変換モジュール516bがハードディスク118から読み込まれている。また、印刷条件として「高画質」が指定されている場合は、色変換テーブルLUTbが組み合わされた色変換モジュール514、および誤差拡散法による階調数変換モジュール516aが読み込まれている。従って、ステップS322およびステップS324では、指定された印刷条件に対応した処理が実施される。
【0132】
こうして、指定された印刷条件に応じて、コンピュータ400あるいはコンピュータ100のいずれかで階調数変換処理が施され、CMYK各色毎のドットの有無による表現形式に画像データが変換されたら、次に、コンピュータ100のCPU102はインターレース処理を開始する(ステップS326)。画像データはインターレース処理を施されることによって、カラープリンタ200が印刷可能な印刷データに変換される。CPU102は、こうして印刷データをカラープリンタ200に出力する(ステップS328)。カラープリンタ200では、印刷データに従って、印刷媒体上に各色のインクドットが形成されて、最終的に画像データに対応するカラー画像が印刷される。
【0133】
以上に説明した第2実施例の印刷処理では、印刷条件として「超高画質」が指定されている場合は、十分なメモリを搭載しかつ高速処理の可能なコンピュータ400上で色変換処理および階調数変換処理を行い、それ以外の印刷条件が指定されている場合は、コンピュータ100上でデータ変換を行う。
【0134】
「超高画質」が指定された場合には、RGB階調データをできるだけ正確にCMYK階調データに変換するために、データ量の大きな超高画質用のLUTを参照して色変換処理を行い、また、階調数変換処理も画質に優れる誤差拡散法による階調数変換処理を行う。前述したように、超高画質用のLUTを使用して迅速に色変換処理を行うためには、十分なメモリを搭載したコンピュータを使用する必要がある。また、誤差拡散法による階調数変換処理を迅速に行うためには、高速処理の可能なコンピュータを用いることが好ましい。第2実施例の印刷処理では、印刷条件として「超高画質」が指定されている場合は、自動的にコンピュータ400で色変換処理および階調数変換処理が行われるので、たとえコンピュータ100が搭載するメモリ量が十分でなくても、あるいはそれほど高速処理ができなくても、きわめて高画質のカラー画像を印刷することが可能となる。
【0135】
また、印刷条件として「通常画質」あるいは「高画質」が指定された場合は、色変換処理および階調数変換処理を含めて、全ての処理をコンピュータ100上で行う。これらの印刷条件が指定されている場合は、色変換処理は通常処理の色変換テーブルLUTbを使用して行われるので、たとえコンピュータ100に十分なメモリが搭載されていなくても、迅速に色変換処理を行うことができる。更に、「通常画質」が指定されている場合は、高速処理の可能な組織的ディザ法による階調数変換処理が行われるので、たとえコンピュータ100がそれほど高速な処理ができなくても、迅速にカラー画像を印刷することができる。このように、コンピュータ100上で全ての処理を行えば、画像データを送受信する必要が無くなるので、その分、処理時間を短縮化することもできる。印刷条件として「高画質」が指定されている場合は、誤差拡散法による階調数変換処理が行われるので、若干処理時間が増加する傾向があるが、「高画質」が指定されている場合は良好な画質の画像が得られれば、若干の印刷時間の増加は許容されるので、そのことが問題を生じさせることはない。
【0136】
このように第2実施例の印刷処理では、それほど高画質が要求されず、むしろ迅速に印刷することが要求される場合は、全ての処理をコンピュータ100上で行い、画像データの送受信を省略することで迅速な印刷を可能であり、また、きわめて高画質の画像が要求されている場合は、高速処理の可能なコンピュータ400上で処理を行うことで、きわめて高画質の画像を迅速に印刷することが可能である。
【0137】
尚、以上に説明した第2実施例では、色変換処理と階調数変換処理のみをコンピュータ400上で行うものとして説明したが、解像度変換処理やインターレース処理なと他の処理もコンピュータ400上で行うものとしても構わない。高速処理の可能なコンピュータ400を用いて他の処理も行えば、その分だけ処理時間が短縮化され、延いては迅速に印刷することができるので好適である。
【0138】
また、印刷条件としては、「通常画質」,「高画質」,「超高画質」のみ
指定可能であるものとして説明したが、他の条件を指定しても構わないのはもちろんである。例えば、カラープリンタが備えるインクの種類や、印刷用紙の種類、あるいはこれらの組み合わせによって、インクの発色具合が微妙に異なるので、これら条件に対応した専用の色変換テーブルを使用して色変換処理を行うこととしてもよい。
【0139】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷システムの概略構成図である。
【図2】印刷システムを構成する一方のコンピュータのソフトウェア構成を示す説明図である。
【図3】印刷システムを構成する他方のコンピュータのソフトウェア構成を示す説明図である。
【図4】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図5】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を示す説明図である。
【図6】第1実施例の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1実施例のプリンタドライバに含まれる各モジュールを示す説明図である。
【図8】色変換テーブルを参照して色変換処理を行う原理を示す説明図である。
【図9】誤差拡散法を用いた階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】階調データに対応付けてドット記録率とレベルデータとがドット記録率テーブルに記憶されている様子を示した説明図である。
【図11】誤差拡散法において誤差を周辺画素に拡散する重み係数を示した説明図である。
【図12】第2実施例の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】指定された印刷条件に対応して適切な各モジュールが対応付けられている様子を示す説明図である。
【図14】第2実施例の各モジュールがハードディスクに記憶されている様子を概念的に示す説明図である。
【符号の説明】
100…コンピュータ
102…CPU
104…ROM
106…RAM
108…周辺機器インターフェースP・I/F
110…ネットワークインターフェースカードNIC
1118…ハードディスク
112…ビデオインターフェースV・I/F
114…CRT
116…バス
118…ハードディスク
120…デジタルカメラ
122…カラースキャナ
150…オペレーティングシステム
152…ビデオドライバ
154…アプリケーションプログラム
156…プロトコル
158…ネットワークドライバ
200…カラープリンタ
230…キャリッジモータ
231…駆動ベルト
232…プーリ
233…摺動軸
234…位置検出センサ
235…紙送りモータ
236…プラテン
240…キャリッジ
241…印字ヘッド
242,243…インクカートリッジ
244…インク吐出用ヘッド
255…インク通路
256…インク室
257…インクギャラリ
260…制御回路
261…CPU
262…ROM
263…RAM
300…通信回線
400…コンピュータ
402…CPU
404…ROM
406…RAM
408…周辺機器インターフェースP・I/F
408…RAM
410…ネットワークインターフェースカードNIC
412…ビデオインターフェースV・I/F
414…CRT
418…ハードディスク
450…オペレーティングシステム
454…アプリケーションプログラム
456…プロトコル
458…ネットワークドライバ
500…プリンタドライバ
502…RAM
510…画像データ読み込みモジュール
512…解像度変換モジュール
514…色変換モジュール
516…階調数変換モジュール
516a…階調数変換モジュール
516b…階調数変換モジュール
518…インターレースモジュール
520…印刷データ出力モジュール

Claims (11)

  1. 所定の一連の変換処理を行うことにより画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該変換された印刷データを用いて画像を印刷する印刷システムであって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    ネットワークに接続され、前記一連の変換処理の中の予め定められた少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行う第1のデータ処理装置と、
    前記ネットワークに接続されており、前記一連の変換処理を開始して、少なくとも解像度変換を行って、前記特定処理を行う段階まで変換された画像データを、該ネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給するとともに、該第1のデータ処理装置で前記特定処理が施された画像データを該ネットワークを介して受け取り、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を行って該画像データを前記印刷データに変換した後、該印刷データを前記印刷装置に出力する第2のデータ処理装置と、
    前記第2のデータ処理装置から前記印刷データを受け取って画像を印刷する印刷装置と
    を備え、
    前記第2のデータ処理装置は、前記特定処理を行うコンピュータプログラムを、前記ネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給するプログラム供給手段を備え、
    前記第1のデータ処理装置は、前記供給されたコンピュータプログラムに従って、前記特定処理を行う装置である
    印刷システム。
  2. 請求項1記載の印刷システムであって、
    前記第2のデータ処理装置は、
    前記画像の印刷条件に関する設定内容を検出し、該検出結果に基づいて、前記第1のデータ処理装置で前記特定処理を行うか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段が前記第1のデータ処理装置で前記特定処理を行わないと判断した場合に、該特定処理に相当する代替処理を行う代替処理実行手段と
    を備える装置である印刷システム。
  3. ネットワークに接続されており、所定の一連の変換処理の少なくとも一部を実行することによって画像データを印刷装置用の印刷データに変換して、該印刷データを該印刷装置に供給するデータ処理装置であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    前記一連の変換処理を開始して、該一連の変換処理の中の予め定められた第1の段階の直前までの処理であり、少なくとも解像度変換を含む処理を行う変換処理開始手段と、
    前記第1の段階の直前まで処理された前記画像データを、前記一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を施す他のデータ処理装置に、前記ネットワークを介して出力する画像データ出力手段と、
    前記他のデータ処理装置が前記特定処理を行うコンピュータプログラムを、前記ネットワークを介して前記他のデータ処理装置に供給するプログラム供給手段と、
    前記一連の変換処理中の前記第1の段階以降で、前記他のデータ処理装置が前記供給されたプログラムを実行することにより施した前記特定処理の結果、予め定められた第2の段階の直前まで処理された画像データを前記ネットワークを介して受け取る画像データ受取手段と、
    前記受け取った画像データに前記第2の段階以降の前記一連の変換処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を行って、該画像データを前記印刷データに変換する印刷データ生成手段と、
    前記変換された印刷データを前記印刷装置に出力する印刷データ出力手段と
    を備え
    るデータ処理装置。
  4. 請求項3記載のデータ処理装置であって、
    前記画像の印刷条件に関する設定内容を検出し、該検出結果に基づいて、前記画像データを前記ネットワークを介して前記他のデータ処理装置に出力するか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段が前記画像データを出力しないと判断した場合に、前記特定処理に相当する代替処理を含む前記一連の変換処理を開始して前記画像データを前記印刷データに変換する画像データ変換手段と
    を備えるデータ処理装置。
  5. ネットワークに接続されており、該ネットワークから受け取った画像データに所定の一連の処理の少なくとも一部を行った後、再び該ネットワークに出力するデータ処理装置であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    画像データを印刷装置用の印刷データに変換する一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行うプログラムを、ネットワークを介して他のデータ処理装置から受け取り記憶する記憶手段と、
    前記特定処理を行う直前までの処理であり、少なくとも解像度変換を含む変換処理がなされた画像データを、該画像データの出力元を特定しながら前記ネットワークを介して受け取る画像データ受取手段と、
    前記記憶した前記プログラムに基づいて、前記受け取った画像データに前記特定処理を行う特定処理実行手段と、
    前記特定処理が行われた画像データを、前記ネットワークを介して前記画像データの前記特定した出力元に出力し、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理に供する画像データ出力手段と
    を備えるデータ処理装置。
  6. 所定の一連の変換処理を行うことにより画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該変換された印刷データを用いて画像を印刷する印刷方法であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    前記一連の変換処理の中の予め定められた少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行うモジュールを含み前記一連の処理を行なうモジュールを、ネットワークに接続されて前記一連の変換処理を分担する第1のデータ処理装置と第2のデータ処理装置のうち、該第2のデータ処理装置に、予め記憶しておき、
    前記第2のデータ処理装置で前記一連の変換処理を開始して、少なくとも解像度変換を行って、前記特定処理を行う直前の段階まで前記画像データを変換した後、該変換した画像データを該ネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給し、
    前記第1のデータ処理装置が前記特定処理を実行する前に、前記第2のデータ処理装置に記憶された前記特定処理を行なうモジュールを前記第1のデータ処理装置に送信すると共に、該モジュールによって、該第1のデータ処理装置により、前記画像データに前記特定処理を施し、
    前記第1のデータ処理装置で前記特定処理が施された画像データを前記ネットワークを介して受け取り、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を、前記第2のデータ処理装置が行って、該画像データを前記印刷データに変換し、
    前記変換した印刷データを前記印刷装置に供給して、前記画像を印刷する
    印刷方法。
  7. 所定の一連の変換処理の少なくとも一部を実行することによって画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該印刷データを該印刷装置に供給するデータ処理方法であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    前記一連の変換処理を開始して、該一連の変換処理の中の予め定められた第1の段階の直前までの処理であり、少なくとも解像度変換を含む処理を行い、
    該処理の後、該変換された前記画像データを、前記一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を施す他のデータ処理装置に、ネットワークを介して出力すると共に、前記他のデータ処理装置が前記特定処理を行うコンピュータプログラムを、前記ネットワークを介して前記他のデータ処理装置に供給し、
    前記一連の変換処理中の前記第1の段階以降で、前記他のデータ処理装置が前記供給されたプログラムを実行することにより施した前記特定処理の結果、予め定められた第2の段階の直前まで処理された画像データを前記ネットワークを介して受け取って、
    前記受け取った画像データに前記第2の段階以降の前記一連の変換処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を行って、該画像データを前記印刷データに変換し、該変換された印刷データを前記印刷装置に供給する
    データ処理方法。
  8. ネットワークから受け取った画像データに所定の一連の処理の少なくとも一部を行って、再び該ネットワークに出力するデータ処理方法であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    画像データを印刷装置用の印刷データに変換する一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行うプログラムを、ネットワークを介して他のデータ処理装置から受け取って、記憶しておき、
    前記特定処理を行う直前までの処理であり、少なくとも解像度変換を含む変換処理がなされた画像データを、該画像データの出力元を特定しながら前記ネットワークを介して受け取り、
    前記記憶した前記プログラムにより、前記受け取った画像データに前記特定処理を行い、
    前記特定処理が行われた画像データを、前記ネットワークを介して前記画像データの前記特定した出力元に出力し、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理に供する
    データ処理方法。
  9. 所定の一連の変換処理を行うことにより画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該変換された印刷データを印刷装置に供給して画像を印刷するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    前記一連の変換処理の中の予め定められた少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行うプログラムを含み前記一連の処理を行なうプログラムを、ネットワークに接続されて前記一連の変換処理を分担する第1のデータ処理装置と第2のデータ処理装置のうち、該第2のデータ処理装置に記憶させる機能と、
    第2のデータ処理装置で前記一連の変換処理を開始して、前記特定処理を行う直前の段階までの処理であり、少なくとも解像度変換を含む変換処理により前記画像データを変換した後、該変換した画像データをネットワークを介して前記第1のデータ処理装置に供給する機能と、
    前記第1のデータ処理装置が前記特定処理を実行する前に、前記第2のデータ処理装置に記憶された前記特定処理を行なうプログラムを前記第1のデータ処理装置に送信すると共に、該プログラムによって、該第1のデータ処理装置により、前記画像データに前記特定処理を行わせる機能と、
    前記第1のデータ処理装置で前記特定処理が施された画像データを前記ネットワークを介して受け取り、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を、前記第2のデータ処理装置に行わせて、前記画像データを前記印刷データに変換する機能と、
    前記変換した印刷データを前記印刷装置に供給する機能と
    を実現するプログラムを記録した記録媒体。
  10. 所定の一連の変換処理の少なくとも一部を実行することによって画像データを印刷装置用の印刷データに変換し、該印刷データを該印刷装置に供給して画像を印刷するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    前記一連の変換処理を開始して、該一連の変換処理の中の予め定められた第1の段階の直前までの処理であり、少なくとも解像度変換を含む処理を行った後、該変換された前記画像データを、前記一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を施す他のデータ処理装置に、ネットワークを介して出力すると共に、前記他のデータ処理装置が前記特定処理を行うコンピュータプログラムを、前記ネットワークを介して前記他のデータ処理装置に供給する機能と、
    前記一連の変換処理中の前記第1の段階以降で、前記他のデータ処理装置が前記供給されたプログラムを実行することにより施した前記特定処理の結果、予め定められた第2の段階の直前まで処理された画像データを前記ネットワークを介して受け取る機能と、
    前記受け取った画像データに前記第2の段階以降の前記一連の変換処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理を行って、該画像データを前記印刷データに変換する機能と、
    前記変換された印刷データを前記印刷装置に供給する機能と
    を実現するプログラムを記録した記録媒体。
  11. ネットワークから受け取った画像データに所定の一連の処理の少なくとも一部を行って、再び該ネットワークに出力するデータ処理方法を実現するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
    前記一連の変換処理は、少なくとも色変換を伴う画像変換処理であり、
    画像データを印刷装置用の印刷データに変換する一連の変換処理の中の少なくとも一部の処理であり、色変換および階調数変換を含む特定処理を行うプログラムを、ネットワークを介して他のデータ処理装置から受け取って、記憶しておく機能と、
    前記特定処理を行う直前までの処理であり、少なくとも解像度変換を含む変換処理がなされた画像データを、該画像データの出力元を特定しながら前記ネットワークを介して受け取る機能と、
    前記記憶したプログラムにより、前記受け取った画像データに前記特定処理を施す機能と、
    前記特定処理が施された画像データを、前記ネットワークを介して前記画像データの前記特定した出力元に出力し、前記一連の変換処理のうち前記特定処理を除いた残余の処理であり、前記印刷装置における印刷手順を考慮して画像データの順番を入れ替える処理を含む処理に供する機能と
    を実現するプログラムを記録した記録媒体。
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