JP6122119B2 - 駆動歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動歯車装置に関し、詳しくは、回転運動あるいは動力(トルク)を2経路に分けて伝達することができる駆動歯車装置に関する。
従来、自動車の駆動輪に分配するトルクや回転速度を制御するために用いる種々の装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、図25の構成図に示す差動歯車装置510が開示されている。この差動歯車機構510は、2組の遊星歯車機構520a,520bを備え、遊星歯車機構520a,520bの外歯太陽歯車部材523a,523b同士が内結合部材522を介して結合されている。それぞれの遊星歯車機構520a,520bの内歯車部材526a,526bに外結合部材527a,527bが結合され、外結合部材527a,527bの軸直角端面に、歯車部材529に噛み合う歯車部528a,528bが形成されている。内結合部材522に駆動力が入力されると、遊星キャリア525a,525bから駆動力が出力される。歯車部材529の回転・停止によって、駆動力の分配や回転速度を制御することができる。
特許文献2には、図26の斜視図に示す平歯車差動装置が開示されている。この平歯車差動装置は、第1及び第2の太陽歯車603,605と、互いに噛み合う第1及び第2の遊星歯車607,609とを備える。第1の遊星歯車607は第1の太陽歯車603のみと噛み合い、第2の遊星歯車609は第2の太陽歯車605のみと噛み合う。第1及び第2の太陽歯車603,605は、それぞれの歯数が同じであり、歯先円直径が互いに異なる。第1及び第2の太陽歯車603,605の一方には正の転位が、他方には負の転位が施されている。
特許文献3には、図27の構成図に示す伝動装置が開示されている。この伝動装置は、出力軸716,717の間に、出力軸716,717にそれぞれ結合された遊星ギヤセット718,719と、シフト機構722とを備える。シフト機構722はシフトポジションS1,S2に切り換えが可能であり、シフトポジションS1では同方向回転でブレーキ、駆動に対応可能であり、シフトポジションS2では左右軸が逆転運転できる。
特開2006−214530号公報 米国特許出願公開第2011/0245012明細書 米国特許出願公開第2010/0323838号明細書
図25の差動歯車装置510は、歯車部材529が、遊星歯車機構520a,520bの中心軸に対して非平行に配置されるため、構造上複雑となり製造コストが高くなる上、歯車部材529と外結合部材527a,527bの歯車部528a,528bとの噛み合いによって摩擦損失が生じる。また、歯車部材529が遊星歯車機構520a,520bの中心軸に対して径方向に配置され、外結合部材527a,527bにはねじりトルクが作用するためする、小型軽量化しにくい。
図26の平歯車差動装置は、車両の左右輪の回転差を許容する単なる差動歯車機構として働く段違い遊星歯車機構である。トルク分配を変更したり回転速度差を生じさせたりするためには、第1の遊星歯車607と第2の遊星歯車609を回転自在に支持するキャリアを回転させる必要がある。その場合、キャリアを回転させるための構成は、複雑かつ大きくなり、摩擦損失も生じる。
図27の伝動装置は、第1及び第2の遊星ギヤセッ718,719の構成が異なっており、左右非対称の複雑な構成であり、摩擦損失が大きくなる。
本発明は、かかる実情に鑑み、簡単な構成で容易に小型軽量化することができ、摩擦損失が少ない駆動歯車装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した駆動歯車装置を提供する。
上記の目的を達成するために、この発明は、ハウジングと、外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、を備え、前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備え、前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材に外歯が形成され、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構との間に配置され、両端が前記第1の遊星歯車機構側と前記第2の遊星歯車機構側とに突出するインナーロータと、両端が前記第1の遊星歯車機構側と前記第2の遊星歯車機構側とに突出するアウターロータとを有し、前記インナーロータの前記両端に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、前記アウターロータの前記第2の遊星歯車機構側が、前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材に同軸に結合された二重構造モータと、前記アウターロータの前記第1の遊星歯車機構側に同軸に結合され、内歯を有する第3の補助歯車部材と、前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記外歯に噛み合う第1の外歯と、前記第3の補助歯車部材の前記内歯に噛み合う第2の外歯とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第4の補助歯車部材と、を備え、前記二重構造モータの前記インナーロータが前記結合部材として機能し、前記二重構造モータの前記アウターロータと前記第3及び第4の補助歯車部材とが前記逆回転部材として機能し、前記二重構造モータが前記制御用モータとして機能し、かつ、前記結合部材を回転駆動する駆動用モータとして機能することを特徴とするものである。
上記構成において、結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の外歯太陽歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の外歯車太陽歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。
上記構成によれば、逆回転部材は、結合部材に入力された駆動力を伝達しない。また、逆回転部材は、公転させる必要はない。そのため、駆動歯車装置は、構成が簡単で、容易に小型化することができ、駆動歯車装置において生じる摩擦損失が少ない。
さらに、制御用モータを用いて、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させ、第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに分配される回転トルクや回転数の差を制御することができる。回転トルクを伝達するために回転する部分と、回転トルクの分配や回転数の差を制御するために制御用モータによって回転される部分とが、完全に分離されているため、制御性が極めて良い。さらに、制御用モータを駆動する電気系統や制御用モータの回転を伝達する機構が故障した場合、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させることができなくなるだけであり、逆回転部材によって回転トルクは第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配され、回転トルクの配分は異常状態にはならない。そのため、故障しても安全であり、回転トルクを分配する機械的な動作は維持される
またさらに、駆動歯車装置を容易に小型軽量化することができる。
また、この発明は、ハウジングと、外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、を備え、前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材に外歯が形成され、前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記第1の遊星歯車機構側に同軸に結合され、内歯を有する第5の補助歯車部材と、前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記外歯に噛み合う第1の外歯と、前記第5の補助歯車部材の前記内歯に噛み合う前記第2の外歯とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第6の補助歯車部材と、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構との間に配置され、両端が前記第1の遊星歯車機構側と前記第2の遊星歯車機構側とに突出するインナーロータを有し、前記インナーロータの前記両端に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合された駆動用モータと、を備え、前記第1対部材は、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材であり、前記駆動用モータの前記インナーロータが前記結合部材として機能し、前記第5及び第6の補助歯車部材が前記逆回転部材として機能することを特徴とするものである。
上記構成において、結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の外歯太陽歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の外歯車太陽歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。
上記構成によれば、逆回転部材は、結合部材に入力された駆動力を伝達しない。また、逆回転部材は、公転させる必要はない。そのため、駆動歯車装置は、構成が簡単で、容易に小型化することができ、駆動歯車装置において生じる摩擦損失が少ない。
また、逆回転部材同士の噛み合い箇所を減らして、構成を簡単にすることができる。さらに、径方向の寸法を小さくすることができる。
また、この発明は、ハウジングと、外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、を備え、前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備え、前記結合部材は、前記第1対部材である前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材に、外歯が形成され、同軸に配置され互いに反対側に突出し互いに逆方向に回転駆動される第1及び第2の出力軸を有し、前記第1及び第2の出力軸に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記外歯に噛み合う第1及び第2の外歯歯車が同軸に結合された逆回転モータユニットを備え、前記逆回転モータユニットが前記逆回転部材及び前記制御用モータとして機能することを特徴とするものである。
上記構成において、結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の外歯太陽歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の外歯車太陽歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。
上記構成によれば、逆回転部材は、結合部材に入力された駆動力を伝達しない。また、逆回転部材は、公転させる必要はない。そのため、駆動歯車装置は、構成が簡単で、容易に小型化することができ、駆動歯車装置において生じる摩擦損失が少ない。
さらに、制御用モータを用いて、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させ、第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに分配される回転トルクや回転数の差を制御することができる。回転トルクを伝達するために回転する部分と、回転トルクの分配や回転数の差を制御するために制御用モータによって回転される部分とが、完全に分離されているため、制御性が極めて良い。さらに、制御用モータを駆動する電気系統や制御用モータの回転を伝達する機構が故障した場合、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させることができなくなるだけであり、逆回転部材によって回転トルクは第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配され、回転トルクの配分は異常状態にはならない。そのため、故障しても安全であり、回転トルクを分配する機械的な動作は維持される。
またさらに、逆回転部材の組み付けが容易になる。
また、この発明は、ハウジングと、外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、を備え、前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、前記結合部材は、前記第1対部材である前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯は、前記第2の遊星歯車機構側に延長された内歯延長部分を含み、前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯は、前記第1の遊星歯車機構側に延長された内歯延長部分を含み、前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯延長部分に噛み合う第1の歯車と、第2の歯車とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第1の補助歯車部材と、前記第1の補助歯車部材の前記第2の歯車に噛み合う第3の歯車と、前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯延長部分に噛み合う第4の歯車とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第2の補助歯車部材と、を備え、前記第1及び第2の補助歯車部材が前記逆回転部材として機能することを特徴とするものである。
上記構成において、結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の外歯太陽歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の外歯車太陽歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。
上記構成によれば、逆回転部材は、結合部材に入力された駆動力を伝達しない。また、逆回転部材は、公転させる必要はない。そのため、駆動歯車装置は、構成が簡単で、容易に小型化することができ、駆動歯車装置において生じる摩擦損失が少ない。
また、第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材に外歯を形成することなく、第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材同士が互いに逆方向に回転するように結合することができる。
この発明では、前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備えていてよい。
この場合、制御用モータを用いて、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させ、第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに分配される回転トルクや回転数の差を制御することができる。回転トルクを伝達するために回転する部分と、回転トルクの分配や回転数の差を制御するために制御用モータによって回転される部分とが、完全に分離されているため、制御性が極めて良い。さらに、制御用モータを駆動する電気系統や制御用モータの回転を伝達する機構が故障した場合、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させることができなくなるだけであり、逆回転部材によって回転トルクは第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配され、回転トルクの配分は異常状態にはならない。そのため、故障しても安全であり、回転トルクを分配する機械的な動作は維持される。
この発明では、前記結合部材は、前記第1対部材である前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、前記結合部材に固定され、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車と同軸に形成された外歯を有する中間歯車部材をさらに備えていてよい。
この場合、駆動歯車装置の外部に配置した駆動源からの駆動力を中間歯車部材に入力し、第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに出力を分配することができる。
また、この発明は、ハウジングと、外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、を備え、前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備え、前記第1対部材は、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材であり、前記第1及び第2の遊星歯車機構の間に配置され、同軸かつ互いに反対側に突出し互いに逆方向に回転する第1及び第2の出力軸を有し、前記第1及び第2の出力軸に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合された逆回転モータユニットを備え、前記逆回転モータユニットは、前記逆回転部材及び前記制御用モータとして機能することを特徴とするものである。
上記構成において、結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の外歯太陽歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。結合部材に第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車部材が結合された場合、逆回転部材によって第1及び第2の遊星歯車機構の外歯車太陽歯車部材が互いに逆方向に回転するため、結合部材に入力された回転トルクが第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配されるようにすることができる。
上記構成によれば、逆回転部材は、結合部材に入力された駆動力を伝達しない。また、逆回転部材は、公転させる必要はない。そのため、駆動歯車装置は、構成が簡単で、容易に小型化することができ、駆動歯車装置において生じる摩擦損失が少ない。
さらに、制御用モータを用いて、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させ、第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに分配される回転トルクや回転数の差を制御することができる。回転トルクを伝達するために回転する部分と、回転トルクの分配や回転数の差を制御するために制御用モータによって回転される部分とが、完全に分離されているため、制御性が極めて良い。さらに、制御用モータを駆動する電気系統や制御用モータの回転を伝達する機構が故障した場合、第1及び第2の遊星歯車機構の第2対部材を互いに逆方向に回転させることができなくなるだけであり、逆回転部材によって回転トルクは第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに均等に分配され、回転トルクの配分は異常状態にはならない。そのため、故障しても安全であり、回転トルクを分配する機械的な動作は維持される。
またさらに、逆回転部材及び制御用モータの組み付けが容易になる。
本発明の駆動歯車装置は、簡単な構成で容易に小型軽量化することができ、摩擦損失が少ない。
駆動歯車装置の構成図である。(実施例1) 駆動歯車装置の歯車の噛み合いを示す斜視図である。(実施例1) 駆動歯車装置の歯車の噛み合いを示す斜視図である。(実施例1) 駆動歯車装置の歯車の噛み合いを示す斜視図である。(実施例1) 駆動歯車装置の歯車の噛み合いを示す斜視図である。(実施例1) 駆動歯車装置の歯車の噛み合いを平面図である。(実施例1) 駆動歯車装置の構成図である。(実施例2) 駆動歯車装置の歯車の噛み合いを平面図である。(実施例2) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例3) 駆動歯車装置の断面図である。(実施例3) 駆動歯車装置の断面図である。(実施例3) 駆動歯車装置の断面図である。(実施例3) 駆動歯車装置の歯車を見た透視図である。(実施例3) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例4) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例5) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例6) 両軸モータユニットの構成図である。(実施例6) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例7) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例8) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例9) 駆動歯車装置の断面図である。(実施例9) 駆動歯車装置の要部構成図である。(実施例10) 駆動歯車装置の断面図である。(実施例10) 駆動歯車装置の断面図である。(実施例10) 差動歯車装置の構成図である。(従来例1) 平歯車差動装置の斜視図である。(従来例2) 伝動装置の構成図である。(従来例3)
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図24を参照しながら説明する。
<実施例1> 実施例1の駆動歯車装置10について、図1〜図6を参照しながら説明する。
図1は、駆動歯車装置10の構成を自動車駆動を例にとり模式的に示す説明図である。図2〜図5は、駆動歯車装置10の歯車の噛み合いを示す斜視図である。なお、本発明の構成を容易に理解できるように、平歯車を図示しているが、平歯車に限るものではなく、はすば歯車、ダブルヘリカルギア、かさ歯車、コニカルギア等の適宜な種類の歯車を選択すればよい。
図1及び図2に示すように、駆動歯車装置10は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bと、結合軸12と、第1及び第2の補助歯車部材18,19とを備えている。
図1及び図2(b)に示すように、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bは、(i)外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材12a,12bと、(ii)外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された複数個の遊星歯車部材14a,14bと、(iii)遊星歯車に噛み合う内歯16a,17aが形成され、内歯16a,17aよりも径方向外側の外周面に外歯16b,17bが形成された内歯車部材16,17と、(iv)遊星歯車部材14a,14bを自転自在かつ公転自在に支持する遊星キャリア15a,15bとを有する。図2(a)及び(c)に示すように、遊星キャリア15a,15bの支持軸15p,15qに遊星歯車部材14a,14bが回転自在に支持され、遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tの回転が、例えば、左右の車輪2a,2bに伝達される。第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17は、駆動歯車装置10の不図示のハウジングに回転自在に支持され、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の回転中心軸の位置は、駆動歯車装置10の不図示のハウジングに対して固定されている。第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12b、内歯車部材16,17及び遊星キャリア15a,15bは、それぞれ回転自在である。
図3に示すように、結合軸12には、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bが同軸に固定されている。また、結合軸12は、外歯太陽歯車部材12a,12bの間に、駆動入力歯車30に噛み合う外歯が形成された中間歯車部材13が同軸に固定されている。結合軸12は結合部材である。
結合軸12に固定された中間歯車部材13の歯先円の直径は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の外歯16b,17bの歯先円の直径よりも小さくすることが好ましい。この場合、中間歯車部材13が突出しないため、第1及び第2の補助歯車部材18,19と干渉しないように構成することが容易であり、駆動歯車装置10を小型化することができる。また、駆動源に接続される駆動入力歯車30の回転中心軸を駆動歯車装置に接近させ、駆動源と駆動歯車装置とをコンパクトに構成することができる。
図4に示すように、複数組、例えば3組の第1及び第2の補助歯車部材18,19が、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の外側に、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bの回転中心軸と平行かつ回転可能に配置されている。第1の補助歯車部材18は、第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16の外歯16bに噛み合う第1の歯車18aと、第3の歯車18bとを有し、第1及び第3の歯車18a,18bは同軸に配置されている。第2の補助歯車部材19は、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17の外歯17bに噛み合う第2の歯車19aと、第4の歯車19bとを有し、第2及び第4の歯車19a,19bは同軸に配置されている。第1の補助歯車部材18の第3の歯車18bと、第2の補助歯車部材19の第4の歯車19bとは、噛み合う。なお、図4において、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17は、内歯16a,17aの図示が省略されている。第1及び第2の補助歯車部材18,19は、駆動歯車装置10の不図示のハウジングに回転自在に支持されており、第1及び第2の補助歯車部材18,19の回転中心軸の位置は、駆動歯車装置10の不図示のハウジングに対して固定されている。
さらに、制御用モータ4の回転軸4aに固定された制御用歯車部材5が、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17の外側に配置されている。制御用歯車部材5には、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17の外歯17bに噛み合う外歯が形成されている。制御用歯車部材5は、第1及び第2の補助歯車部材18,19の第1及び第2の歯車18a,19aのいずれか一方と噛み合う配置とすることも、第1及び第2の補助歯車部材18,19の第3及び第4の歯車18b,19bのいずれか一方と噛み合う配置とすることも可能である。
図示していないが、結合軸12と、遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tと、第1及び第2の補助歯車部材18,19とは、例えばベアリングを介してケーシングに回転自在に支持され、制御用モータ4がケーシングに固定される。
次に、駆動歯車装置10の動作について説明する。
図5の斜視図に示すように、第1及び第2の補助歯車部材18,19と制御用歯車部材5がない場合、駆動入力歯車30から中間歯車部材13に回転トルクが伝達されると、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tに、それぞれ、回転トルクTa,Tbが分配される。このとき、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の外歯16b,17bに、回転トルクTa,Tbに比例する同方向の力Fa,Fbが作用する。
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の外歯16b,17bに、第1及び第2の補助歯車部材18,19の第1及び第2の歯車18a,19aが噛み合っていると、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の外歯16b,17bから、第1及び第2の補助歯車部材18,19の第1及び第2の歯車18b,19bに力Fa,Fbが伝達される。第1及び第2の補助歯車部材18,19の第3及び第4の歯車18b,19bが噛み合っていると、回転トルクTa,Tbが等しく、Fa=Fbであるときには、第1及び第2の補助歯車部材18,19を介して力Fa,Fbが均衡し、回転トルクTa,Tbの分配が維持される。一方、遊星キャリア15a,15bの回転速度に差があるときも、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の外歯16b,17bから、したがって第1及び第2の補助歯車部材18,19の一方から他方に、回転速度の差が伝達され、回転トルクTa,Tbの分配はそのままに、力Fa,Fbの差が無く、回転トルクTa,Tbが均等に分配されるようになる。
すなわち、駆動歯車装置10は、第1及び第2の補助歯車部材18,19を備えることによって、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tに、回転エネルギーが均等に分配されるようにすることができる。
さらに、制御用モータ4の回転軸4aに固定された制御用歯車部材5から、回転トルクTcを加えると、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tから出力される回転トルクTa,Tbは、回転トルクTcに相当するトルクが一方には加算され、他方には減算されるように分配される。そのため、制御用歯車部材5から付加される回転トルクTcを調整することによって、回転トルクTa,Tbの差を制御することができる。
すなわち、駆動歯車装置10は、第1及び第2の補助歯車部材18,19に加え、制御用歯車部材5を備えることによって、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tに対する回転エネルギーの配分を、制御用歯車部材5によって制御することができる。
このように、駆動歯車装置10は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tに出力される回転トルクを、等しくしたり、回転トルクの差を制御したりすることができるので、左右や前後の車輪に回転トルクを分配するデフとして用いることができる。
例えば、エンジン自動車の左右輪に駆動トルクを分配するため、図6(a)に示すように、エンジンの駆動力を伝達する1つの駆動入力歯車30が、中間歯車部材13に噛み合う構成とする。ハイブリッドの場合には、図6(b)に示すように、エンジン駆動用の駆動入力歯車30aと、モータ駆動用の駆動入力歯車30bが、中間歯車部材13に噛み合う構成とする。これらの場合の各歯車の歯数の例を、次の表1に示す。
Figure 0006122119
駆動歯車装置10は、以下のように、優れた作用や効果を奏する。
第1及び第2の補助歯車部材18,19は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の外側に配置されるため、回転トルクに対応して作用する力が小さくなる。さらに、第1及び第2の補助歯車部材18,19は、複数組を配置し、回転トルクに対応して作用する力を各組で分担することができる。そのため、第1及び第2の補助歯車部材18,19の歯車は、強度の確保が容易である。また、回転トルクにより駆動歯車装置10内部の歯車軸のアライメントが狂うことはない。
また、第1及び第2の補助歯車部材18,19は、結合軸12や遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tと同様に、ケーシング等に回転自在に支持されており、単純に自転するだけであり、遊星歯車のように第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17のまわりを公転するものではない。しかも、第1及び第2の補助歯車部材18,19は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tの回転数の差、すなわち、車輪2a,2bの回転数の差のみに起因して回転するため、その回転速度自体も小さい。
これらのことから、第1及び第2の補助歯車部材18,19は、小さく構成することができる。
また、駆動歯車装置10は、第1及び第2の補助歯車部材18,19や、制御用歯車部材5の回転中心軸が、第1及び第3の遊星歯車機構11a,11bの回転中心軸と平行に配置され、軸方向に変化がないため、第1及び第2の補助歯車部材18,19を、第1及び第3の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17のまわりに配置することができる。
さらに、駆動歯車装置10は、第1及び第2の補助歯車部材18,19や、制御用歯車部材5の回転中心軸が、第1及び第3の遊星歯車機構11a,11bの回転中心軸と平行に配置され、回転軸が交差することがないため、既存技術で高性能かつ安価に製造でき、また噛み合いの摩擦損失が少ない。
したがって、駆動歯車装置10をコンパクトに構成し、小型軽量化し、高性能かつ安価に製造することが可能である。
駆動歯車装置10は、左右対称の形状とすることができるので、自動車に用いた場合、直進を確保することが容易である。
駆動歯車装置10は、回転トルクを伝達するための回転と、回転トルクの配分を制御するための回転とが、完全に分離されている。制御用モータ4を駆動しても、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tから出力される回転トルクの合計は変化しないため、モータやエンジンなどの駆動源の回転には、制御用モータ4の影響が及ばない。モータやエンジンなどの駆動源で発生させる駆動力の回転を変化させても、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tに出力される回転トルクの差の制御には、影響が及ばない。そのため、駆動歯車装置10は、回転トルクの分配や回転数の差に対する制御性が極めて良い。
また、制御用モータ4が断線等によって作動しない場合、制御用モータ4の回転軸4aが抵抗なく自由に回転するときには、回転トルクを等分配する機能が維持される。制御用モータ4の回転軸4aの回転が負荷になる場合、負荷に対応する回転トルク差が生じるが、回転トルクを分配する機能自体は維持される。また、この負荷によって、分配される回転トルクが制限されるため、出力軸に摩擦ブレーキあるいは粘性抵抗などの制動装置を組み込んだリミテッドスリップデフのように、働くことが期待される。すなわち、制御用モータ4の故障等によって制御用歯車部材5が機能しないときでも安全であり、かつ、回転トルクを分配する機械的な動作は維持される。
<実施例2> 実施例2の駆動歯車装置10aについて、図7及び図8を参照しながら説明する。実施例2の駆動歯車装置10aは、実施例1の駆動歯車装置10と略同様に構成されている。以下では、実施例1と同じ構成部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
図7に示すように、実施例2の駆動歯車装置10aは、実施例1の駆動歯車装置10と同じく、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bと、第1及び第2の補助歯車部材18,19と、制御用歯車部材5とを備えている。
実施例2の駆動歯車装置10aは、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの間の構成が、実施例1の駆動歯車装置10と異なる。すなわち、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの間に、両端に回転軸8が突出する電動モータ6が配置され、回転軸8の両端に、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bが固定されている。すなわち、電動モータ6の回転軸8は、実施例1の駆動歯車装置10の結合軸12の変形である。また、回転軸8の一方側に、中間歯車部材13が固定されている。
また、駆動入力歯車30は、実施例1の駆動歯車装置10と異なり、駆動入力歯車30に噛み合う駆動伝達歯車31が、駆動源によって回転される。図8(a)に示すように、1組の駆動入力歯車30と駆動伝達歯車31を備えても、図8(b)に示すように、2組以上の駆動入力歯車30a,30bと駆動伝達歯車31a,31bを備えても構わない。寸法構成的に可能ならば、実施例1のように駆動伝達歯車31を廃しその役割を駆動入力歯車30におわせることや、中間歯車部材13、駆動入力歯車30を非平行軸歯車にしても構わない。
駆動歯車装置10aには、実施例1の駆動歯車装置10と同様に、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bの中心軸15s,15tに出力される回転トルクを等配分したり、回転トルクの配分の差を制御したりすることができる。
駆動歯車装置10aに電動モータ6を組み込むことによって、電動モータと減速装置とデフとを組み合わせて駆動系を一体に構成し、小型化する。
駆動歯車装置10aは、特に、モータで駆動する自動車に好適である。すなわち、遊星歯車機構において、太陽外歯車を入力として、遊星キャリアを出力とした場合が、最も減速比が大きい。一般の自動車では、タイヤの1回転で1.8mから2m程度進み、車速は160Km/h程度であるので、遊星キャリアに必要とされる出力回転は、1200から1500rpm程度である。モータにとっては5,000rpmから10,000rpmが、最も効率的な回転数である。太陽外歯車が入力、遊星キャリアが出力とする遊星歯車機構の減速比ギア比は、一般に、3から8程度であるので、モータの最も効率的な回転数で、タイヤを回転させることができる。したがって、駆動歯車装置10aは、最も合理的で車両の要求に合ったモータ駆動系の構成を実現できる。
<実施例3> 実施例3の駆動歯車装置10bについて、図9〜図13を参照しながら説明する。図9は、駆動歯車装置10bの要部構成図である。図10は、図9の線A−Aに沿って切断した断面図である。図11は、図9の線B−Bに沿って切断した断面図である。図12は、図9の線C−Cに沿って切断した断面図である。図13は、図9の線D−Dに沿って歯車を見た透視図である。
図9に示すように、駆動歯車装置10bは、実施例1と略同様に構成されている。実施例1と異なり、駆動歯車装置10bは、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの間に配置された二重構造モータ100と、第3の補助歯車部材123と、駆動歯車装置10bのハウジング10kに回転自在に支持された第4の補助歯車部材40とを備えている。また、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17pには、外歯が形成されていない。
図12に示すように、二重構造モータ100は、2個のモータが同心状に構成されている。すなわち、ステータ110の内側に、磁石102が固定されたインナーロータ、すなわち結合軸12が配置され、ステータ110の外側に、磁石104が固定されたアウターロータ116が配置されている。ステータ110には、磁石102,104にそれぞれ対向するコイル112,114が設けられている。ステータ110は、支持部材150を介して、駆動歯車装置10bのハウジング10kに固定されている。
図9に示すように、二重構造モータ100のインナーロータ、すなわち結合軸12の両端には、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bが同軸に結合され、一体に回転する。すなわち、二重構造モータ100のインナーロータ、すなわち結合軸12は、結合部材として機能する
図9に示すように、二重構造モータ100のアウターロータ116の第1の遊星歯車機構11a側に、内歯122を有する第3の補助歯車部材123が同軸に結合され、第3の補助歯車部材123とアウターロータ116とは一体となって回転する。二重構造モータ100のアウターロータ116の第2の遊星歯車機構11b側は、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17pに同軸に結合され、アウターロータ116と内歯車部材17pとは一体となって回転する。
図9及び図10に示すように、第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16には、内歯16aと同心に、外歯16bが形成されている。
図9〜図11に示すように、第4の補助歯車部材40の両端に、第1及び第2の歯車40a,40bが同軸に形成され、第1の外歯40aは第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16の外歯16bと噛み合い、第2の歯車40bは第3の補助歯車部材123の内歯122と噛み合っている。
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bと遊星キャリア15a,15bとが静止している状態で、例えば図12において矢印180で示す方向に二重構造モータ100のアウターロータ116が回転すると、図11に示すように、第4の補助歯車部材40の第2の歯車40bは矢印182で示す方向に回転する。そして、図10に示すように、第4の補助歯車部材40の第1の外歯車40aは矢印182で示す方向に回転し、第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16は矢印184で示す方向に回転する。一方、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17pは、図13に示すように、二重構造モータ100のアウターロータ116と同じ方向、すなわち矢印180で示す方向に回転する。したがって、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17pは、アウターロータ116と第4の補助歯車部材40を介して、互いに逆方向に回転する。二重構造モータ100のアウターロータ116と第3及び第4の補助歯車部材123,40とが、逆回転部材として機能する。
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17pが同一回転数で互いに逆向きに回転すると、トルク配分の制御が容易になる。そのように設計の一例は、次のとおりである。
第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16の外歯16bの歯数:120
第4の補助歯車部材40の第1の歯車40aの歯数:12
第4の補助歯車部材40の第2の歯車40bの歯数:16
第3の補助歯車部材123の内歯122の歯数:160
第4の補助歯車部材40の配置個数:3
二重構造モータ100のインナーロータ、すなわち結合軸12が回転すると、その駆動力(回転トルク)は、実施例1と同様に、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bに伝達される。このとき、二重構造モータ100のアウターロータ116を回転させると、トルク配分が変わる。駆動歯車装置10bは、二重構造モータ100のインナーロータで駆動を制御し、アウターロータで差動を制御することができるため、駆動力の制御と、トルク配分の制御を、独立して行うことができる。
駆動歯車装置10bは、二重構造モータ100のインナーロータを駆動に用いて、二重構造モータ100のアウターロータをトルク配分の制御に用いている。これとは逆に、二重構造モータ100のアウターロータを駆動に用い、インナーロータをトルク配分の制御に用いることも可能であるが、小型でも高出力のインナーロータを駆動に用いる方が、駆動歯車装置を小型軽量化できる。
駆動歯車装置10bは、軸方向の寸法が小さく、外周に凸部がないコンパクトな構成することが容易である。また、逆回転部材の噛み合いは2箇所であり、実施例1の3箇所より少ない上、駆動用モータ100のアウターロータ116が逆回転部材を兼ねる。したがって、容易に小型軽量化することができる。
<実施例4> 実施例4の駆動歯車装置10cについて、図14を参照しながら説明する。
図14は、駆動歯車装置10cの要部構成図である。図14に示すように、駆動歯車装置10cは、実施例3の駆動歯車装置10bに、中間歯車部材13が追加されている。中間歯車部材13は、結合軸12に固定されている。中間歯車部材13は、駆動伝達歯車32に噛み合う。中間歯車部材13は、駆動歯車装置10cのハウジング10mの外側から、駆動伝達歯車32を介して駆動力が伝達される。実施例4の駆動歯車装置10cは、例えばハイブリッド車に用いる場合、エンジンの駆動力が中間歯車部材13に入力される。
<実施例5> 実施例5の駆動歯車装置10dについて、図15を参照しながら説明する。
図15は、駆動歯車装置10dの要部構成図である。図15に示すように、駆動歯車装置10dは、結合軸12を回転駆動する駆動用モータ100aと、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17pを回転駆動する制御用モータ100bとが、軸方向に並ぶように配置されている。
駆動用モータ100aは、磁石102が固定された結合軸12の周りをステータ110aが取り囲み、ステータ110aにはコイル112aが設けられている。ステータ110aは、支持部材150aを介して、駆動歯車装置10dのハウジング10nに固定されている。
第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16と、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17pとは、実施例3と略同様に、第5の補助歯車部材121及び第6の補助歯車部材40を介して、互いに逆方向に回転するように結合されている。
すなわち、第5の補助歯車部材121は、実施例3の駆動用モータ100のアウターロータ116及び第3の補助歯車部材123に相当する部材であり、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17に同軸に結合され、第1の遊星歯車機構11a側に、内歯122を有する。第6の補助歯車部材40は、駆動歯車装置10dのハウジング10mに回転自在に支持され、両端に第1及び第2の歯車40a,40bが同軸に形成されている。第6の補助歯車部材40の第1の歯車40aは第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16の外歯16bと噛み合い、第2の歯車40bは、第5の補助歯車部材121の内歯122と噛み合う。したがって、実施例3と同様に、第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16と、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17pとは、互いに逆方向に回転する。第5及び第6の補助歯車部材123,40は、逆回転部材として機能する。
第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17には、遊星機構43を介して、制御用モータ100bの出力軸42の回転が伝達される。すなわち、制御用モータ100bの出力軸42に、遊星機構43の外歯太陽歯車45が形成されている。遊星機構43の内歯車46は、駆動歯車装置10dのハウジング10mに固定されている。遊星機構43の遊星歯車44を回転自在に支持する遊星軸119は、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17に固定されている。したがって、制御用モータ100bの出力軸42の回転は、遊星機構43を介して、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17に伝達される。
駆動用モータ100aが回転すると、その駆動力(回転トルク)は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bに伝達される。このとき、制御用モータ100bを回転させると、トルク配分が変わる。駆動歯車装置10cは、駆動用モータ100aで駆動を制御し、制御用モータ100bで差動を制御することができるため、駆動力の制御と、トルク配分の制御を、独立して行うことができる。
駆動歯車装置10dは、実施例3の駆動歯車装置10bと同様に、逆回転部材同士の噛み合い箇所を減らして、構成を簡単にすることができる。また、径方向の寸法を小さくすることができる。
<実施例6> 実施例6の駆動歯車装置10eについて、図16及び図17を参照しながら説明する。
図16は、駆動歯車装置10eの要部構成図である。図16に示すように、駆動歯車装置10eは、実施例5の駆動歯車装置10dとは異なり、結合軸12を回転駆動する駆動用モータ100aと、制御用モータとなる逆回転モータユニット200とが、径方向に並ぶように配置されている。
逆回転モータユニット200は、同軸に配置され互いに反対側に突出し互いに逆方向に回転駆動される第1及び第2の出力軸を有する。逆回転モータユニット200の出力軸200a、200bには第1及び第2の歯車202,204が同軸に固定されている。第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17には、第1及び第2の歯車202,204に噛み合う外歯16b,17bが形成されている。
図17は、逆回転モータユニット200の構成を示す説明図である。図17に示すように、逆回転モータユニット200は、ハウジング201内に、モータ210と、歯車機構220とが同軸に配置されている。
モータ210は、ハウジング201に固定されたステータ214の内側に、インナーロータである出力軸200aが配置され、出力軸200aには磁石212が固定され、ステータ214にはコイル216が設けられている。出力軸200aは、ハウジング201に回転自在に支持され、一方の端部がハウジング201から突出し、他方の端部に歯車208が固定されている。
歯車機構220は、歯車部材222と回転部材224とを備えている。歯車部材222は、ハウジング201に回転自在に支持され、両端に歯車222a,222bが形成されている。回転部材224は、ハウジング201に回転自在に支持され、一方の端部に内歯226が形成され、他方の端部側に出力軸200bが同軸に形成されている。歯車部材222の一方の歯車222aは出力軸200aに固定された歯車208と噛み合い、他方の歯車222bは回転部材224の内歯226に噛み合っている。
逆回転モータユニット200は、出力軸200a、200bが同じ回転数で互いに逆方向に回転すると、設計が容易になり好ましいが、出力軸200a、200bの回転数が異なるものであって使用可能である。
逆回転モータユニット200が回転すると、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17は、互いに逆方向に回転する。逆回転モータユニット200は逆回転部材及び制御用モータとして機能する。逆回転モータユニット200はユニット化されているため、組み付けが容易である。
駆動歯車装置10eは、駆動用モータ100aによって駆動力を制御し、逆回転モータユニット200によってトルク配分を制御することができる。
<実施例7> 実施例7の駆動歯車装置10fについて、図18を参照しながら説明する。
図18は、駆動歯車装置10fの要部構成図である。図18に示すように、駆動歯車装置10fは、実施例6の駆動歯車装置10dの駆動用モータ100aの代わりに、結合軸12に中間歯車部材13が固定されている。中間歯車部材13は、駆動伝達歯車32に噛み合い、例えば、内燃機関やモータの回転が駆動伝達歯車32を介して入力される。
<実施例8> 実施例8の駆動歯車装置10gについて、図19を参照しながら説明する。
図19は、駆動歯車装置10gの要部構成図である。図19に示すように、駆動歯車装置10gは、実施例1〜7の結合軸12の代わりに、逆回転モータユニット200を用いている。すなわち、逆回転モータユニット200の第1及び第2の出力軸200a,200bに、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bが同軸に結合されている。
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17は、同方向に同じ回転数で回転するように、結合されている。すなわち、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17には外歯16b,17bが形成され、この外歯16b,17bに、歯車部材50の両端に同軸に形成された歯車52,54が噛み合っている。歯車部材50は、不図示の軸受を介して回転自在に、駆動歯車装置10gの不図示のケーシングに支持されている。歯車部材50は、結合部材である。
第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16の外歯16bには、駆動伝達歯車34が噛み合っている。内燃機関やモータの回転が駆動伝達歯車34を介して第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16に入力されると、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17は、同じ方向に同じ回転数で回転する。
このとき、逆回転モータユニット200が駆動されない場合には、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bは互いに逆方向に回転するため、第1の遊星歯車機構11a側と第2の遊星歯車機構11b側とに均等にトルクが配分される。逆回転モータユニット200が駆動され、第1の遊星歯車機構11aの外歯太陽車歯車部材12aと第2の遊星歯車機構11bの外歯太陽車歯車部材12bとが互いに逆方向に回転する場合には、この逆方向の回転に応じて、第1の遊星歯車機構11a側と、第2の遊星歯車機構11b側とへの回転トルクの配分が変わる。したがって、逆回転モータユニット200によって、トルク配分を制御することができる。
<実施例9> 実施例9の駆動歯車装置10hについて、図20及び図21を参照しながら説明する。図20は、駆動歯車装置10hの要部構成図である。図21は、図20の線A−Aに沿って切断した断面図である。
図20及び図21に示すように、実施例9の駆動歯車装置10hは、実施例1の駆動歯車装置10と略同様に構成されている。すなわち、実施例1の駆動歯車装置10と同じく、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bと、結合軸12と、第1及び第2の補助歯車部材18,19と、結合軸12に固定された中間歯車部材13とを備えている。
実施例1と異なり、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の内歯16a,17aは、互いに対向する側に延長された内歯延長部分16c,17cを含んでいる。
第1及び第2の補助歯車部材18,19は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17の内歯16a,16bより内側に配置され、第1の補助歯車部材18の第1の歯車18aが第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16の内歯延長部分16cに噛み合い、第1の補助歯車部材18の第2の歯車18bと第2の補助歯車部材19の第3の歯車19bとが互いに噛み合い、第2の補助歯車部材19の第4の歯車19aが第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17の内歯延長部分17cに噛み合う。
第1及び第2の補助歯車部材18,19は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星歯車部材14a,14bの間に、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星歯車部材14a,14bと中間歯車部材13とに干渉しないように配置されている。
第1及び第2の補助歯車部材18,19は、駆動歯車装置10hの不図示のハウジングに回転自在に支持されており、第1及び第2の補助歯車部材18,19の回転中心軸の位置は、駆動歯車装置10hの不図示のハウジングに対して固定されている。
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16,17は、第1及び第2の補助歯車部材18,19によって、互いに逆方向に回転するように結合されているので、中間歯車部材13に入力された回転トルクを、第1の遊星歯車機構11a側と第2の遊星歯車機構11b側に均等に配分することができる。
なお、トルク配分を制御する場合には、制御用モータによって、第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17、第1の補助歯車部材18、第2の補助歯車部材19の少なくとも一つが回転されるように構成する。
<実施例10> 実施例10の駆動歯車装置10iについて、図22〜図24を参照しながら説明する。図22は、駆動歯車装置10iの要部構成図である。図23(a)は、図22の線A−Aに沿って切断した断面図である。図23(b)は、図22の線B−Bに沿って切断した断面図である。図23(c)は、図22の線C−Cに沿って切断した断面図である。図24(d)は、図22の線D−Dに沿って切断した断面図である。図24(e)は、図22の線E−Eに沿って切断した断面図である。
図22〜図24に示すように、駆動歯車装置10iは、結合軸12を回転駆動する駆動用モータ100aと、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17を回転駆動する制御用モータ100bとが、軸方向に並ぶように配置されている。
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16q,17qは、軸受を介して回転自在に駆動歯車装置10iのハウジング10nに支持され、第1及び第2の補助歯車部材18,19によって、互いに逆方向に回転する。第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯車部材16q,17qの内歯16a,17aは、互いに対向する側に延長された内歯延長部分16c,17cを含んでいる。第1及び第2の補助歯車部材18,19は、不図示の軸受を介して回転自在に駆動歯車装置10iのハウジング10nに支持され、軸方向両端に歯車18a,18b;19a,19bが形成されている。第1の補助歯車部材18の第2の歯車18bと、第2の補助歯車部材19の第3の歯車18bとが互いに噛み合い、第1の補助歯車部材18の第1の歯車18aは、第1の遊星歯車機構11aの内歯車部材16qの内歯延長部分16cに噛み合い、第2の補助歯車部材19の第4の歯車19aが第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17の内歯延長部分17cに噛み合う。
各歯車の歯数の一例は、次のとおりである。
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの外歯太陽歯車部材12a,12bの歯数:23
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星歯車部材14a,14bの歯数:46
第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの内歯部材16,17の内歯16a,17aの歯数:115
第1及び第2の補助歯車部材18,19の第1乃至第4の歯車18a,18b,19a,19bの歯数:13
この場合、第1及び第2の補助歯車部材18,19は3組配置することが可能であり、遊星歯車部材14a,14bの配置個数:3と同じにすることが可能である。
第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17qには、実施例5と同様に、制御用モータ100bの出力軸42の回転が、第2の遊星歯車機構11bの内歯車部材17qに固定された遊星軸119を介して伝達される。
駆動用モータ100aが回転すると、その駆動力(回転トルク)は、第1及び第2の遊星歯車機構11a,11bの遊星キャリア15a,15bに伝達される。このとき、制御用モータ100bを回転させると、トルク配分が変わる。駆動歯車装置10iは、駆動用モータ100aで駆動を制御し、制御用モータ100bで差動を制御することができるため、駆動力の制御と、トルク配分の制御を、独立して行うことができる。
<まとめ> 以上に説明したように、駆動歯車装置10,10aは、簡単な構成で容易に小型軽量化することができ、摩擦損失が少ない。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態に示した部材は、複数の部材に分割して同一機能を果たすように構成しても構わない。
2a,2b 車輪
4 制御用モータ
4a 回転軸
5 制御用歯車部材
6 電動モータ
8 回転軸(結合部材)
10,10a〜10i 駆動歯車装置
10k,10m,10n ハウジング
11a 第1の遊星歯車機構
11b 第2の遊星歯車機構
12 結合軸(結合部材)
12a,12b 外歯太陽歯車部材
13 中間歯車部材
14a,14b 遊星歯車部材
15a,15b 遊星キャリア
15p,15q 支持軸
15s,15t 中心軸
16,17 内歯車部材
16a,17a 内歯
16b,17b 外歯
16q,17p,17q 内歯車部材
18 第1の補助歯車部材
18a 第1の歯車
18b 第2の歯車
19 第2の補助歯車部材
19a 第2の歯車
19b 第4の歯車
30,30a,30b 駆動入力歯車
31,31a,31b 駆動伝達歯車
40 第4の補助歯車部材、第6の補助歯車部材
50 歯車部材(結合部材)
100 二重構造モータ
100a 駆動用モータ
100b 制御用モータ
121 第5の補助歯車部材
123 第3の補助歯車部材
200 逆回転モータユニット
200a,200b 出力軸

Claims (7)

  1. ハウジングと、
    外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、
    を備え、
    前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、
    前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備え、
    前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材に外歯が形成され、
    前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構との間に配置され、両端が前記第1の遊星歯車機構側と前記第2の遊星歯車機構側とに突出するインナーロータと、両端が前記第1の遊星歯車機構側と前記第2の遊星歯車機構側とに突出するアウターロータとを有し、前記インナーロータの前記両端に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、前記アウターロータの前記第2の遊星歯車機構側が、前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材に同軸に結合された二重構造モータと、
    前記アウターロータの前記第1の遊星歯車機構側に同軸に結合され、内歯を有する第3の補助歯車部材と、
    前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記外歯に噛み合う第1の外歯と、前記第3の補助歯車部材の前記内歯に噛み合う第2の外歯とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第4の補助歯車部材と、
    を備え、
    前記二重構造モータの前記インナーロータが前記結合部材として機能し、
    前記二重構造モータの前記アウターロータと前記第3及び第4の補助歯車部材とが前記逆回転部材として機能し、
    前記二重構造モータが前記制御用モータとして機能し、かつ、前記結合部材を回転駆動する駆動用モータとして機能することを特徴とする、駆動歯車装置。
  2. ハウジングと、
    外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、
    を備え、
    前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、
    前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材に外歯が形成され、
    前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記第1の遊星歯車機構側に同軸に結合され、内歯を有する第5の補助歯車部材と、
    前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記外歯に噛み合う第1の外歯と、前記第5の補助歯車部材の前記内歯に噛み合う前記第2の外歯とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第6の補助歯車部材と、
    前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構との間に配置され、両端が前記第1の遊星歯車機構側と前記第2の遊星歯車機構側とに突出するインナーロータを有し、前記インナーロータの前記両端に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合された駆動用モータと、
    を備え、
    前記第1対部材は、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材であり、
    前記駆動用モータの前記インナーロータが前記結合部材として機能し、
    前記第5及び第6の補助歯車部材が前記逆回転部材として機能することを特徴とする、駆動歯車装置。
  3. ハウジングと、
    外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、
    を備え、
    前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、
    前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備え、
    前記結合部材は、前記第1対部材である前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材に、外歯が形成され、
    同軸に配置され互いに反対側に突出し互いに逆方向に回転駆動される第1及び第2の出力軸を有し、前記第1及び第2の出力軸に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記外歯に噛み合う第1及び第2の外歯歯車が同軸に結合された逆回転モータユニットを備え、
    前記逆回転モータユニットが前記逆回転部材及び前記制御用モータとして機能することを特徴とする、駆動歯車装置。
  4. ハウジングと、
    外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、
    を備え、
    前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、
    前記結合部材は、前記第1対部材である前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、
    前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯は、前記第2の遊星歯車機構側に延長された内歯延長部分を含み、
    前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯は、前記第1の遊星歯車機構側に延長された内歯延長部分を含み、
    前記第1の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯延長部分に噛み合う第1の歯車と、第2の歯車とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第1の補助歯車部材と、
    前記第1の補助歯車部材の前記第2の歯車に噛み合う第3の歯車と、前記第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材の前記内歯延長部分に噛み合う第4の歯車とが同軸に形成され、前記ハウジングに回転自在に支持された第2の補助歯車部材と、
    を備え、
    前記第1及び第2の補助歯車部材が前記逆回転部材として機能することを特徴とする、駆動歯車装置。
  5. 前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備えたことを特徴とする、請求項2又は4に記載の駆動歯車装置。
  6. 前記結合部材は、前記第1対部材である前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合され、
    前記結合部材に固定され、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車と同軸に形成された外歯を有する中間歯車部材をさらに備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の駆動歯車装置。
  7. ハウジングと、
    外歯太陽歯車が形成された外歯太陽歯車部材と、前記外歯太陽歯車に噛み合う遊星歯車が形成された遊星歯車部材と、前記遊星歯車に噛み合う内歯が形成された内歯車部材と、前記外歯太陽歯車の周りを公転可能かつ自転可能に前記遊星歯車部材を支持する遊星キャリアとを有し、前記外歯太陽歯車部材と前記内歯車部材と前記遊星キャリアとが回転自在である第1及び第2の遊星歯車機構と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、いずれか一方の第1対部材が結合され、前記第1対部材のそれぞれの回転数及び回転方向を同じにする結合部材と、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材と、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材とのうち、他方の第2対部材が結合され、前記第2対部材のそれぞれの回転方向を互いに逆にする逆回転部材と、
    を備え、
    前記結合部材に入力された回転トルクが、前記第1の遊星歯車機構と前記第2の遊星歯車機構とに配分され、前記遊星キャリアから出力され、
    前記第1の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記第2の遊星歯車機構の前記第2対部材と、前記逆回転部材との少なくとも一つを回転させる制御用モータをさらに備え、
    前記第1対部材は、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車部材であり、
    前記第1及び第2の遊星歯車機構の間に配置され、同軸かつ互いに反対側に突出し互いに逆方向に回転する第1及び第2の出力軸を有し、前記第1及び第2の出力軸に前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車部材が同軸に結合された逆回転モータユニットを備え、
    前記逆回転モータユニットは、前記逆回転部材及び前記制御用モータとして機能することを特徴とする、駆動歯車装置。
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