JP2006214530A - 差動歯車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ほとんどエネルギーロスなしに、トルク配分あるいは回転速度を能動的に制御することができる差動歯車装置を提供する。
【解決手段】 第1及び第2の遊星歯車機構20a,20bと、遊星歯車機構20a,20bの外歯太陽歯車23a,23b又は遊星キャリア25a,25bの一方に結合された内結合部材22と、他方の遊星キャリア25a,25b又は外歯太陽歯車23a,23bに結合された第1及び第2の回転部材14,16と、遊星歯車機構20a,20bの内歯車26a,26bに結合され、互いに同軸に配置され、互いに対向する軸直角端面に歯車部28a,28bが形成された回転可能な第1及び第2の外結合部材27a,27bと、外結合材27a,27bの互いに対向する軸直角端面の間に配置され、外結合部材27a,27bの歯車部28a,28bにかみ合う回転可能な歯車部材29とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1及び第2の遊星歯車機構20a,20bと、遊星歯車機構20a,20bの外歯太陽歯車23a,23b又は遊星キャリア25a,25bの一方に結合された内結合部材22と、他方の遊星キャリア25a,25b又は外歯太陽歯車23a,23bに結合された第1及び第2の回転部材14,16と、遊星歯車機構20a,20bの内歯車26a,26bに結合され、互いに同軸に配置され、互いに対向する軸直角端面に歯車部28a,28bが形成された回転可能な第1及び第2の外結合部材27a,27bと、外結合材27a,27bの互いに対向する軸直角端面の間に配置され、外結合部材27a,27bの歯車部28a,28bにかみ合う回転可能な歯車部材29とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、差動歯車装置に関し、詳しくは、回転運動あるいは動力(トルク)を2経路に分けて伝達するとき、この両者の間に生じる回転速度の差を吸収する、あるいは、その差を積極的に与える、あるいは、両者のトルク配分を変化させることを可能とする機構に関する。
例えば自動車では、カーブを回るときの左右の駆動輪の回転半径差を吸収するため、デフレンシャルギヤボックス(以下、「デフ」という。)が必須である。現在使用されているデフのほとんどは、4個のすぐばかさ歯車により構成されている。
しかし、例えば一輪の路面抵抗がなくなったときには駆動トルクが抜け、車の挙動が不安定になる。
これに対処するため、この出力軸に摩擦ブレーキあるいは粘性抵抗などの制動装置を組み込んだリミテッドスリップデフが、高性能車に採用されてきている。
近年、この摩擦ブレーキあるいは摩擦・粘性抵抗を電子制御することにより、左右駆動輪のトルク配分をも変え、車の運転性能を高める機構が実用化されつつある(例えば、非特許文献1参照)。
"LEGEND メカニズム(ドライブシステム)"、〔online〕、ホンダ、〔平成17年1月17日検索〕、インターネット〈URL: http://www.honda.co.jp/auto-lineup/legend/mechanism/index.html〉
摩擦ブレーキあるいは摩擦・粘性抵抗を電子制御する場合、制動によりエネルギーロス、ブレーキをかけるという受動的制御、装置全体が重く大きくなるなどの問題点がある。
トルセンデフのように、かさ歯車、摩擦ブレーキあるいは摩擦・粘性抵抗を使わないリミテッドスリップデフも存在するが、これを、左右駆動輪の回転速度・トルクの配分を能動的に制御変更できる構造にすることができない。
一軸から左右駆動輪を機械的に駆動する際、回転速度、トルク配分を制御するのに、駆動軸にブレーキをかける、あるいは、摩擦や粘性抵抗を与えるという受動的制御ではなく、完全能動的、機構学的に、制御可能な機構が理想的である。
本発明は、かかる実情に鑑みて、ほとんどエネルギーロスなしに、トルク配分、回転速度を制御することができる差動歯車装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した、差動歯車装置を提供する。
差動歯車装置は、第1及び第2の遊星歯車機構と、内結合部材と、第1及び第2の回転部材と、第1及び第2の外結合部材と、歯車部材とを備える。前記第1及び第2の遊星歯車機構は、外歯太陽歯車と、該外歯太陽歯車にかみ合う遊星歯車と、該遊星歯車にかみ合う回転可能な内歯車と、前記遊星歯車を公転可能に支持する遊星キャリアとをそれぞれ有する。前記内結合部材は、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車又は前記遊星キャリアのいずれか一方に結合される。前記第1及び第2の回転部材は、前記第1及び第2の遊星歯車機構の他方の前記遊星キャリア又は前記外歯太陽歯車にそれぞれ結合される。前記第1及び第2の外結合部材は、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車にそれぞれ結合され、互いに同軸に配置され、互いに対向する軸直角端面にそれぞれ歯車部が形成され、回転可能である。前記歯車部材は、前記第1及び第2の外結合材の互いに対向する前記軸直角端面の間に配置され、前記第1及び第2の外結合部材の前記歯車部に、直接又は伝達中間歯車を介してかみ合い、回転可能である。
上記構成において、例えば、第1及び第2の遊星歯車機構の外歯太陽歯車に内結合部材が結合された場合、内結合部材が回転すると、第1及び第2の遊星歯車機構のそれぞれの遊星キャリアが回転し、遊星キャリアに結合された第1及び第2の回転部材が回転する。第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリアに内結合部材が結合された場合、内結合部材が回転すると、第1及び第2の遊星歯車機構の外歯太陽歯車が回転し、外歯大要歯車に結合された第1及び第2の回転部材が回転する。いずれの場合も、第1及び第2の回転部材に配分されるトルクに応じて、第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車に反力が作用する。
上記構成において、第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車に結合された第1及び第2の外結合部材の軸直角端面の歯車部に歯車部材がかみ合うので、歯車部材が静止していると、第1及び第2の外結合部材は回転できず、したがって第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車は回転できず、内結合部材に結合されていない第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリア又は外歯太陽歯車は等速で回転する。一方、歯車部材が回転すると、第1及び第2の外結合部材とそれに結合された第1及び第2の遊星歯車機構の内歯車が回転するため、内結合部材に結合されていない第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリア又は外歯太陽歯車の回転速度が変化し、内結合部材に結合されていない第1及び第2の遊星歯車機構の遊星キャリア又は外歯太陽歯車の回転速度に差が生じる。したがって、第1及び第2の回転部材に回転速度差を生じる。
上記構成において、外部から前記歯車部材にトルクが加えられると、第1及び第2の外結合部材に配分されるトルクが、その分、一方は加算、他方は減算されて変化し、前記第1及び第2の遊星歯車機構の出力たる回転部材へのトルク配分が、それに比例して、回転速度にかかわらず、変化する。
好ましくは、前記内結合部材の両端に、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車又は前記遊星キャリアのいずれか一方がそれぞれ結合される。前記内結合部材の中間位置に回転伝達部材が結合される。前記第1及び第2の外結合部材の互いに対向する前記軸直角端面の間を通って、前記回転伝達部材が駆動され、又は前記回転伝達部材の回転運動が取り出される。
このような構成は、特にデフに好適である。
好ましくは、前記外結合部材は、互いに対向する軸直角端面に、前記歯車部としてフェースギヤ、かさ歯車又はハイポドギヤがそれぞれ形成される。
上記構成によれば、歯車部材の中心軸を、第1及び第2の遊星歯車機構の中心軸に対して略直交に配置することができるので、装置構成が容易になる。
好ましくは、前記歯車部材の回転を規制する制動装置を備える。
上記構成によれば、トルク配分あるいは回転速度の変動を一定範囲内に制限し、トルク配分あるいは回転速度の急激な変化を緩和して制御することができる。
好ましくは、前記歯車部材を回転駆動する駆動装置を備える。
上記構成によれば、歯車部材を回転駆動することにより、トルク配分を能動的に制御することができる。
本発明の差動歯車装置は、ほとんどエネルギーロスなしに、左右出力のトルク配分あるいは回転速度を制御することができる。例えば、本発明の差動歯車装置をデフとして自動車の駆動系に採用すれば、自動車の運転性能を飛躍的に高め、自動車の能動的安全性大きく上昇させ、自動車の総合的性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態として実施例を、図1〜図9を参照しながら説明する。
〔実施例1〕
実施例1の差動歯車装置10について、図1〜図5を参照しながら説明する。
実施例1の差動歯車装置10について、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1の全体構成図及び、図1の線II−IIに沿って見た要部構成図である図2に示すように、差動歯車装置10は、大略、2組の遊星歯車機構20a,20bと、歯車部材たる差動小歯車29とを備えている。差動歯車装置10は、左右の駆動輪4,6と原動機(軸12の外方につながっているが、図示せず)との間に介在させるデフとして用いることができる。
外歯太陽歯車23a,23bは、内結合部材たる共通回転軸22の両端部にそれぞれ固定されている。共通回転軸22の中間部には、回転伝達部材たる共通歯車21が固定されている。共通歯車21には、外入力軸12の軸端に固定された入力歯車13がかみ合う。共通回転軸22と外入力軸12とは、略直交あるいは交差するように配置され、外入力軸12は、後述する外筒部材27a,27bの間に挿通される。共通歯車21及び入力歯車13は、ハイポイドギヤまたはかさ歯車である。ウォームギヤ又はフェースギヤとすることも可能である。
遊星歯車24a,24bは、それぞれ、外歯太陽歯車23a,23bと内歯車26a,26bとの間に配置され、外歯太陽歯車23a,23bと内歯車26a,26bの両方にかみ合う。遊星歯車24a,24bは、それぞれ、遊星キャリア25a,25bによって回転可能に支持されている。遊星キャリア25a,25bには、それぞれ、回転部材たる駆動軸14,16の一端が固定され、駆動軸14,16の中心軸は、遊星歯車24a,24bが公転する中心軸、すなわち遊星歯車機構20a,20bの中心軸と一致するようになっている。駆動軸14,16の他端には、タイヤなどの駆動輪4,6が固定される。
図1の線IV−IVに沿って見た図4(a)〜(c)に示すように、遊星歯車24a,24bの個数を増やせば、遊星歯車機構20a,20bを小さくすることができるので、差動歯車装置10の小型化、軽量化を図ることができる。
内歯車26a,26bには、外結合部材たる略筒状の外筒部材27a,27bが固定されている。外筒部材27a,27bは、所定間隔を設けて同軸で互いに対向するように配置されている。外筒部材27a,27bの互いに対向する軸直角端面には、歯車部たる差動大歯車28a,28bが設けられている。内歯車26a,26b及び外筒部材27a,27bは、遊星歯車機構20a,20bの中心軸のまわりを、一体的に回転する。例えば、外筒部材27a,27bの外周面と、差動歯車装置10の不図示のケーシングとの間に、ベアリングを設ける。なお、外筒部材27a,27bの内部にベアリングを設け、共通回転軸22を回転自在に支持するようにしてもよい。
図1、図2に示すように、外筒部材27a,27bの互いに対向する軸直角端面に設けられた差動大歯車28a,28bの間に、複数個の歯車部材たる差動小歯車29が配置され、図1の線V−Vに沿って見た図5に示すように、差動大歯車28a,28bとかみ合うようになっている。図2に示すように、各差動小歯車29は、差動歯車装置10のケーシング11に回転自在に支持された支持軸17および差動回転軸18に、それぞれ固定されている。
支持軸17に固定された差動小歯車29は、支持軸17を中心に自由に回転することができる。なお、差動小歯車29と支持軸17との間を回転自在とし、支持軸17をケーシング11に固定するようにしてもよい。
差動回転軸18に固定された差動小歯車29は、詳しくは後述するが、制動装置30により回転が規制され、また、制御モータ32によって回転駆動される。なお、すべての差動小歯車29を支持軸17のみを用いて回転自在に支持し、差動回転軸18がない構成、すなわち、制動装置30や制御モータ32を用いない構成としてもよい。
また、バランスのとれた構成とするために差動小歯車29を2個以上設けることが好ましいが、差動小歯車29を1個のみの構成とすることも可能である。この場合、支持軸17を用いても、差動回転軸18及び制動装置30、制御モータ32を用いてもよい。
図6に示すように、差動小歯車29とその両側の差動大歯車部28a,28bとの間に、それぞれ伝達中間歯車29s,29tを配置し、差動小歯車29とその両側の差動大歯車部28a,28bとが、それぞれ伝達中間歯車29s,29tを介してかみ合うようにしてもよい。伝達中間歯車29s,29tを設けることによって、外筒部材27a,27bの軸直角端面に設けられている差動大歯車部28a,28b間の距離を大きくすることができるので、図1に示したように、外入力軸12を外筒部材27a,27bの間に挿入し、入力歯車13を共通歯車21にかみ合わせる構造を、容易に実現することができる。なお、伝達中間歯車29s,29tの径は、差動小歯車29の径と同じであっても異なっていてもよい。また、差動小歯車29とその両側の差動大歯車部28a,28bとの間に、それぞれ、2個以上の伝達中間歯車、すなわち歯車列を配置するようにしてもよい。
図2に示すように、差動回転軸18の他端は、制動装置30を介して、制御モータ32のモータ出力軸19に結合されている。すなわち、差動回転軸18の他端に制動装置30の一端が固定され、制動装置30の他端にモータ出力軸19の軸端が固定されている。制動装置30は、摩擦や粘性などを利用して回転に抵抗を与え、回転を規制する装置である。制御モータ32は、制動装置30を介して、差動小歯車29を回転駆動する。
制動装置30と制御モータ32を直列に結合する代わりに、並列に配置してもよい。例えば図3(a)に示すように、制動装置30aが結合された差動回転軸18aの中間部分に歯車33を固定し、制御モータ32aの出力軸19aに歯車34を結合し、歯車33,34同士がかみ合うようにする。
また、直列に結合する場合には、順序を入れ替えてもよい。例えば図3(b)に示すように、制動装置30bが結合された差動回転軸18bの中間部分に制御モータ32bを配置する、換言すれば、制御モータ32bを貫通する制御モータ32bの出力軸18bの両端に、差動小歯車29と制動装置30bとを結合してもよい。
次に、差動歯車装置10の動作について説明する。
図1において例えば矢印50で示すように、原動機からの入力により、外入力軸12が回転し、入力歯車13とかみ合う共通歯車21を一定の速度比で回転させる。共通歯車21の回転により、矢印51で示すように共通回転軸22が回転し、遊星歯車機構20a,20bの外歯太陽歯車23a,23bを同一速度で駆動する。これにより、遊星歯車24a,24bが自転しながら公転し、遊星歯車24a,24bの公転運動が遊星キャリア25a,25bを介して駆動軸14,16の回転運動に変換され、矢印52a,52bで示すように、駆動軸14,16は同方向に回転する。
このとき、図5(a)に示すように、遊星歯車機構20a,20bの差動大歯車28a,28bと同時にかみ合っている差動小歯車29には、差動大歯車28a,28bから互いに相殺する方向(同方向)の力Fa,Fbが働く。
遊星歯車機構20a,20bの出力たる左右の遊星キャリア25a,25bに働くトルクの大きさが同じ時には、内歯車26a,26bにも、そして差動大歯車28a,28bにも同じトルクが働き、差動大歯車28a,28bを介して差動小歯車29が受ける力Fa,Fbは向きと大きさが等しくなり、差動小歯車29には回転トルクが働かない。
このとき、左右の遊星キャリア25a,25bの出力軸、すなわち駆動軸14,16の回転速度に差があれば、その差に対応するだけ、左右の内歯車26a,26bが互いに逆方向に回転し、図5(b)において矢印54a,54bで示すように、差動大歯車28a,28bも互いに逆方向に回転し、差動大歯車28a,28bとかみ合う差動小歯車29は、矢印55で示すように、受動的に回転をする。このような動作は、一般のデフと同様である。
左右の駆動軸14,16に働くトルクの大きさが異なると、遊星キャリア25a,25bに働くトルクの大きさが変化し、差動大歯車28a,28bを介して差動小歯車29が受ける力Fa,Fbに差が生じる。このとき、差動小歯車29に力Fa,Fbのみが作用する場合には、力Fa,Fbの差を解消するように、左右の遊星キャリア25a,25bに働くトルクの配分、すなわち駆動軸14,16に対するトルク配分が変化する。
図1、図2及び図3に示したように、制動装置30を追加することにより、リミッテッドデフの機能を加えることができる。すなわち、差動大歯車28a,28bから差動小歯車29に作用する力Fa,Fbの差を原因とする差動小歯車29の回転に対して、制動装置30を用いて制動を加えることにより、左右の駆動輪4,6の出力回転速度差の急激な変化を緩和することができる。
さらに、制御モータ32を追加し、制御モータ32から差動小歯車29にトルクを加えることにより、制御モータ32から差動小歯車29に加えるトルクに比例したトルクが、左右の外筒部材27a,27bの一方に対して加算され、同量のトルクが他方に対して減算される。これに対応して、駆動軸14,16の左右トルク配分が変化する。すなわち、差動小歯車29に結合された制御モータ軸19が出力するトルクの大きさを制御することにより、左右の駆動輪4,6に対するトルク配分を、この差動小歯車29の回転速度の如何に関わらず、能動的に制御することができる。制御モータ32のトルク容量は、差動小歯車29のピッチ円径を小さくすることにより、小さくすることが可能となる。
また、差動小歯車29を能動的に回転駆動することにより、差動小歯車29とかみ合う差動大歯車28a,28bが互いに逆方向に回転し、内歯車26a,26bは、速度の絶対値が同じで、逆方向に回転する。これに対応して、遊星歯車機構20a,20bの遊星キャリア25a,25bの一方の回転が加速され、他方の回転が減速される。これに伴い、左右の駆動軸14,16の回転速度に一定の速度差が生じる。したがって、外入力軸12の回転速度を変えることなく、左右の駆動軸14,16の回転速度に一定の速度差を能動的に制御して与えることができる。
駆動輪4,6が差動歯車装置10に関して入力側になるときには、回転速度や伝達トルクは、上記と同様の関係を保つが、差動歯車装置10にとっては、外入力軸12が出力軸になり、いわゆるエンジンブレーキの状態になる。この場合においても、駆動輪4,6に対するトルク配分あるいは駆動輪4,6の回転速度を、能動的に制御することができる。
〔実施例2〕
図7は、実施例2の差動歯車装置10aの構成を示す。差動歯車装置10aは、実施例1の差動歯車装置10と略同様に構成される。実施例1と同じ部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
図7は、実施例2の差動歯車装置10aの構成を示す。差動歯車装置10aは、実施例1の差動歯車装置10と略同様に構成される。実施例1と同じ部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
差動歯車装置10aでは、実施例1と異なり、駆動軸14,16の軸端は、遊星歯車機構20a,20bの外歯太陽歯車23a,23bに固定されている。また、共通回転軸22aの両端には、遊星歯車24a,24bを回転可能に支持する遊星キャリア25s,25tがそれぞれ結合されている。遊星歯車機構20a,20bは、駆動走行の状態で増速機構となる。
〔実施例3〕
図8は、実施例3の差動歯車装置10sの構成を示す。差動歯車装置10sは、実施例1の差動歯車装置10と略同様に構成される。実施例1と同じ部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
図8は、実施例3の差動歯車装置10sの構成を示す。差動歯車装置10sは、実施例1の差動歯車装置10と略同様に構成される。実施例1と同じ部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
原動機からの入力が伝達される入力平行軸12sは、共通回転軸22sと平行に配置される。入力平行軸12sに固定された入力歯車13sは、遊星歯車機構20a,20bの内歯車26a,26bに結合された外筒部材27a,27bの互いに対向する面の間を通り、共通回転軸22sの中間部に固定された共通歯車21sにかみ合うようになっている。入力歯車13s及び共通歯車21sは、平歯、はすば歯車又はやまば歯車である。
〔実施例4〕
図9は、実施例4の差動歯車装置10tの構成を示す。差動歯車装置10tは、実施例3と同様、原動機からの入力が伝達される入力平行軸12sが、共通回転軸22tと平行に配置される。入力平行軸12sに固定された入力歯車13sは、遊星歯車機構20s,20tの内歯車26a,26bに結合された外筒部材27a,27bの互いに対向する面の間を通って、共通回転軸22sの中間部に固定された共通歯車21sにかみ合うようになっている。
図9は、実施例4の差動歯車装置10tの構成を示す。差動歯車装置10tは、実施例3と同様、原動機からの入力が伝達される入力平行軸12sが、共通回転軸22tと平行に配置される。入力平行軸12sに固定された入力歯車13sは、遊星歯車機構20s,20tの内歯車26a,26bに結合された外筒部材27a,27bの互いに対向する面の間を通って、共通回転軸22sの中間部に固定された共通歯車21sにかみ合うようになっている。
〔まとめ〕
以上に説明した各実施例の差動歯車装置10,10a,10b,10s,10tは、一軸12,12sから左右の駆動輪4,6を機械的に駆動する際、トルク配分、回転速度を制御するのに、駆動軸にブレーキをかける、あるいは、摩擦や粘性抵抗を与えるという受動的制御ではなく、完全能動的、機構学的に、制御可能であり、差動大歯車28a,28bに同時にかみ合う差動小歯車29に与えるトルクあるいは回転を利用することによって、ほとんどエネルギーロスなしにトルク配分、回転速度を制御することができる。
以上に説明した各実施例の差動歯車装置10,10a,10b,10s,10tは、一軸12,12sから左右の駆動輪4,6を機械的に駆動する際、トルク配分、回転速度を制御するのに、駆動軸にブレーキをかける、あるいは、摩擦や粘性抵抗を与えるという受動的制御ではなく、完全能動的、機構学的に、制御可能であり、差動大歯車28a,28bに同時にかみ合う差動小歯車29に与えるトルクあるいは回転を利用することによって、ほとんどエネルギーロスなしにトルク配分、回転速度を制御することができる。
なお、本発明の差動歯車装置は、上記各実施例に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施可能である。
例えば、一方の外筒部材の内周面と、他方の外筒部材の外周面とが互いに対向し、こられの互いに対向する内周面と外周面とにそれぞれ差動歯車部(例えば平歯車)を形成し、これらの差動歯車部に差動歯車部材が同時にかみ合うようにすることも可能である。ただし、内部材に回転を伝達する部材と外筒部材との干渉を避けるようにするためには、構成が複雑になり、実施例のような軸対象の単純な構成にすることが困難である。
また、実施例では左右対称の構成であったが、左右非対称の構成としたり、2組の遊星歯車機構の減速比などの諸元が異なる構成としたりすることも可能である。内結合部材(共通回転軸)や外結合部材(外筒部材)は、回転を伝達することができれば、例えば歯車やキーなどのかみ合い機構を用いた複数部品で構成することも可能である。
また、実施例は、デフに用いる1入力、2出力の構成であったが、入力と出力の関係を任意に変更し組み合わせることによって、デフ以外に用いることも可能である。
10,10a,10s,10t 差動歯車装置
12 外入力軸
14,16 駆動軸(回転部材)
20a,20b 遊星歯車機構
21,21s 共通歯車(回転伝達部材)
22,22a,22s,22t 共通回転軸(内結合部材)
23a,23b 外歯太陽歯車
24a,24b 遊星歯車
25a,25b,25s 遊星キャリア
26a,26b 内歯車
27a,27b 外筒部材(外結合部材)
28a,28b 差動大歯車(歯車部)
29 差動小歯車(歯車部材)
30 制動装置
32 制御モータ(駆動装置)
12 外入力軸
14,16 駆動軸(回転部材)
20a,20b 遊星歯車機構
21,21s 共通歯車(回転伝達部材)
22,22a,22s,22t 共通回転軸(内結合部材)
23a,23b 外歯太陽歯車
24a,24b 遊星歯車
25a,25b,25s 遊星キャリア
26a,26b 内歯車
27a,27b 外筒部材(外結合部材)
28a,28b 差動大歯車(歯車部)
29 差動小歯車(歯車部材)
30 制動装置
32 制御モータ(駆動装置)
Claims (5)
- 外歯太陽歯車と、該外歯太陽歯車にかみ合う遊星歯車と、該遊星歯車にかみ合う回転可能な内歯車と、前記遊星歯車を公転可能に支持する遊星キャリアとをそれぞれ有する第1及び第2の遊星歯車機構と、
前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車又は前記遊星キャリアのいずれか一方に結合された内結合部材と、
前記第1及び第2の遊星歯車機構の他方の前記遊星キャリア又は前記外歯太陽歯車にそれぞれ結合された第1及び第2の回転部材と、
前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記内歯車にそれぞれ結合され、互いに同軸に配置され、互いに対向する軸直角端面にそれぞれ歯車部が形成された回転可能な第1及び第2の外結合部材と、
前記第1及び第2の外結合材の互いに対向する前記軸直角端面の間に配置され、前記第1及び第2の外結合部材の前記歯車部に、直接又は伝達中間歯車を介してかみ合う回転可能な歯車部材とを備えたことを特徴とする、差動歯車装置。 - 前記内結合部材の両端に、前記第1及び第2の遊星歯車機構の前記外歯太陽歯車又は前記遊星キャリアのいずれか一方がそれぞれ結合され、
前記内結合部材の中間位置に回転伝達部材が結合され、
前記第1及び第2の外結合部材の互いに対向する前記軸直角端面の間を通って、前記回転伝達部材が駆動され、又は前記回転伝達部材の回転運動が取り出されることを特徴とする、請求項1記載の差動歯車装置。 - 前記外結合部材は、互いに対向する軸直角端面に、前記歯車部としてフェースギヤ、かさ歯車又はハイポドギヤがそれぞれ形成されたことを特徴とする、請求項1又は2に差動歯車装置。
- 前記歯車部材の回転を規制する制動装置を備えたことを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の差動歯車装置。
- 前記歯車部材を回転駆動する駆動装置を備えたことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の差動歯車装置。
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2005
- 2005-02-04 JP JP2005028548A patent/JP2006214530A/ja active Pending
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