JP6356715B2 - トルクベクタリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、駆動用モータの出力トルクを左右輪に伝達する際におけるトルクの分配率を設定することができるトルクベクタリング装置に関するものである。
特許文献1には、駆動用モータの出力トルクを左右の駆動輪に伝達する差動機構と、差動機構から左右輪に伝達するトルクの分配率を制御する差動用モータとにより構成されたトルクベクタリング装置が記載されている。この差動機構は、二つのシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、各サンギヤに駆動用モータからトルクが伝達され、各リングギヤは各々を互いに反転させるように反転機構を介して連結され、かつ一方のリングギヤに差動用モータが連結されている。そして、各遊星歯車機構のキャリヤにドライブシャフトを介して駆動輪が連結されている。
国際公開第2015/008661号
特許文献1に記載されたトルクベクタリング装置を搭載した車両における左右の駆動輪の駆動トルクは、トルクベクタリング装置による分配率の変更などによってそれぞれ異なるトルクに制御することができる。一方、各駆動輪の制動力は各駆動輪ごとに設けたブレーキ装置によって発生させることになる。各駆動輪ごとに設けられる従来のブレーキ装置は、ディスクやドラムなどの回転部材と、その回転部材に摩擦接触させられる摩擦材と、油圧シリンダなどのアクチュエータとを備えているから、必要十分な制動力を発生することができる半面、重量が大きいことにより、バネ下荷重が大きくなって、車体の振動や走行安定性が悪化する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、駆動輪に制動力を作用させるブレーキ機構を小型化することができるトルクベクタリング装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、駆動用モータと、前記駆動用モータからトルクが入力される第1入力要素と、一方の駆動輪に連結された第1出力要素と、前記第1入力要素のトルクが前記第1出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第1反力要素とにより構成された第1遊星歯車機構と、前記駆動用モータからトルクが入力される第2入力要素と、一方の駆動輪に連結された第2出力要素と、前記第2入力要素のトルクが前記第2出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第2反力要素とにより構成された第2遊星歯車機構とを有する差動機構と、前記第1反力要素と前記第2反力要素とのいずれか一方にトルクを伝達する差動用モータと、前記第1反力要素に作用するトルクを反転させて前記第2反力要素に伝達する反転機構と、前記第1入力要素と、前記第2入力要素とを連結する回転軸と、前記駆動用モータの出力軸から前記回転軸にトルクを伝達する回転部材とを備えたトルクベクタリング装置において、前記回転部材に選択的に摩擦接触して制動力を発生させるブレーキ機構を備え、前記ブレーキ機構は、前記回転部材と前記第1反力要素または前記第1出力要素とを摩擦接触させるとともに、前記回転部材と前記第2反力要素または前記第2出力要素とを摩擦接触させることにより、前記回転部材に前記制動力を作用させるように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明は、駆動用モータと、前記駆動用モータからトルクが入力される第1入力要素と、一方の駆動輪に連結された第1出力要素と、前記第1入力要素のトルクが前記第1出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第1反力要素とにより構成された第1遊星歯車機構と、前記駆動用モータからトルクが入力される第2入力要素と、一方の駆動輪に連結された第2出力要素と、前記第2入力要素のトルクが前記第2出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第2反力要素とにより構成された第2遊星歯車機構とを有する差動機構と、前記第1反力要素と前記第2反力要素とのいずれか一方にトルクを伝達する差動用モータと、前記第1反力要素に作用するトルクを反転させて前記第2反力要素に伝達する反転機構と、前記第1入力要素と、前記第2入力要素とを連結する回転軸と、前記駆動用モータの出力軸から前記回転軸にトルクを伝達する回転部材とを備えたトルクベクタリング装置において、前記回転部材に選択的に摩擦接触して制動力を発生させるブレーキ機構を備え、前記駆動用モータは、前記出力軸の回転速度を低下させる制動トルクを出力することができるように構成され、前記回転部材は、前記駆動用モータの出力軸と一体に回転するように構成され、前記第1反力要素または前記第1出力要素に噛み合う第1ブレーキ用ギヤと、前記第2反力要素または前記第2出力要素に噛み合う第2ブレーキ用ギヤとを備え、前記ブレーキ機構は、前記回転部材と前記第1ブレーキ用ギヤとを摩擦接触させるとともに、前記回転部材と前記第2ブレーキ用ギヤとを摩擦接触させることにより、前記回転部材に前記制動力を作用させるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明では、前記回転部材は、前記回転軸とは異なる回転体の回転軸線上に配置してもよい。
この発明では、前記回転部材は、前記駆動用モータの出力ギヤであってもよい
この発明では、前記第1遊星歯車機構は、前記第1反力要素が前記第1入力要素よりも低回転のときに減速機として機能し、かつ前記第2遊星歯車機構は、前記第2反力要素が前記第2入力要素よりも低回転のときに減速機として機能するように構成してもよい。
この発明では、前記ブレーキ機構は、電磁力により前記摩擦接触する際の摩擦力を制御するように構成してもよい。
この発明では、前記ブレーキ機構は、摩擦接触する面の間にオイルが介在するように構成された湿式のブレーキ機構であってもよい。
この発明によれば、トルクベクタリング装置の構成要素である駆動用モータの出力軸から、回転部材を介して各遊星歯車機構の入力要素に連結された回転軸にトルクが伝達されるように構成されている。そして、その回転部材に摩擦接触して制動力を作用させるブレーキ機構が設けられている。すなわち、トルクベクタリング装置にブレーキ機構が内在されている。したがって、ブレーキ機構により回転部材に制動力を作用させることで駆動輪に制動力を作用させることができるので、駆動輪に従来のブレーキ機構を設ける必要がなく、あるいはそのブレーキ機構を小型化することができる。その結果、バネ下荷重を低減することができ、車体の振動を低減することや走行安定性を向上させることができる。また、その回転部材は、駆動トルクを伝達するものとしての機能に加えて、ブレーキロータとしての機能を有することになるため、トルクベクタリング装置に内蔵されたブレーキ機構を小型化することができる。
この発明によれば、各遊星歯車機構は、差動用モータからトルクが伝達される反力要素が、駆動用モータからトルクが入力される入力要素よりも低回転のときに減速機として機能するように構成されている。そして、この構成では、各出力要素の回転速度が同一の場合には、各反力要素は停止した状態となり、また、各出力要素の回転速度が異なっている場合には、各反力要素が相対回転し、それに伴い差動用モータが回転する。そのように各反力要素が相対回転している場合であっても、各反力要素の回転速度は極低速となる。そのため、各遊星歯車機構は減速機として機能することになるので、回転部材に作用させる制動力が増大して各出力要素に作用する。その結果、ブレーキ機構を小型化することができる。
この発明によれば、回転部材と、各反力要素または各出力要素入力部材とを摩擦接触させることにより、回転部材に制動力を作用させるように構成されている。したがって、上記各反力要素または各出力要素がブレーキディスクとしても機能する。その結果、ブレーキ機構を小型化することができる。
この発明によれば、回転部材が駆動用モータと一体に回転するように構成されている。したがって、駆動用モータによる制動トルクと、ブレーキ機構による制動力との分担の調整などが容易になる。
この発明によれば、各入力要素を連結する回転軸とは異なる回転体の回転軸線上に回転部材を配置している。したがって、ブレーキ機構による摩擦の熱が、差動機構を構成する各回転要素に伝達されにくく、その結果、各回転要素が熱膨張するなどを要因とした動力損失の増大を抑制することができる。
この発明によれば、ブレーキ機構は、電磁力により摩擦接触する際の摩擦力を制御するように構成されている。したがって、駆動用モータおよび差動用モータならびにブレーキ機構が電気的に制御されることとなり、各モータやブレーキ機構の協調制御が容易になる。
この発明によれば、ブレーキ機構は、湿式のブレーキ機構である。そのため、摩擦熱の発生を抑制することができ、あるいは迅速にその熱を低下させることができるので、トルクを伝達する各部材が熱膨張するなどを要因とした動力損失の増大を抑制することができる。
この発明の実施例におけるトルクベクタリング装置の構成の一例を説明するための模式図である。 キャリヤをブレーキディスクとして機能させる構成の一例を説明するための模式図である。 出力ギヤをブレーキロータとして機能させる構成の一例を説明するための模式図である。 ブレーキ用ギヤを介して差動モータの出力トルクをリングギヤに伝達する構成の一例を説明するための模式図である。 反転機構により各ブレーキ用ギヤを連結した構成の一例を説明するための模式図である。 トルクベクタリング装置の前提となる構成に一例を説明するための模式図である。
この発明を適用することができるトルクベクタリング装置の前提となる構成の一例を図6に模式的に示している。図6に示すトルクベクタリング装置1は、駆動力源として機能する駆動用モータ2と、その駆動用モータ2から出力されたトルクを左右の駆動輪3a,3bに伝達する差動機構4と、左右の駆動輪3a,3bに伝達するトルクの分配率を制御する差動用モータ5とにより構成されている。図6に示す駆動用モータ2は、従来知られているハイブリッド車両や電気自動車などに駆動力源として設けられているモータと同様に構成することができ、例えば、永久磁石形同期モータで構成することができる。
その駆動用モータ2の出力軸6には、出力ギヤ7が連結されている。この出力ギヤ7には、差動機構4に連結されたドリブンギヤ8が噛み合っており、このドリブンギヤ8には、軸線方向における両側に突出した回転軸9が連結されている。
この回転軸9は、駆動用モータ2の出力軸6と平行に配置されており、その両側にそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車機構10,11が連結されている。なお、以下の説明では、一方の遊星歯車機構を、第1遊星歯車機構10と記し、他方の遊星歯車機構を、第2遊星歯車機構11と記す。
第1遊星歯車機構10は、回転軸9に連結された第1サンギヤ12と、第1サンギヤ12と同心円上に配置され、かつドリブンギヤ8よりも外径が大きい第1リングギヤ13と、第1サンギヤ12および第1リングギヤ13に噛み合う第1プラネタリギヤ14と、第1プラネタリギヤ14を自転可能に保持するとともに、第1プラネタリギヤ14が第1サンギヤ12の回転中心を中心として公転することができるように保持する第1キャリヤ15とにより構成されている。この第1キャリヤ15には、図示しない一方側のドライブシャフトが連結されている。上記第1サンギヤ12が、この発明の実施例における「第1入力要素」に相当し、第1リングギヤ13が、この発明の実施例における「第1反力要素」に相当し、第1キャリヤ15が、この発明の実施例における「第1出力要素」に相当する。上記第1リングギヤ13には、外歯が形成されている。なお、この発明の実施例における「第1遊星歯車機構」は、シングルピニオン型の遊星歯車機構に限らず、ダブルピニオン型の遊星歯車機構であってもよい。
また、第2遊星歯車機構11は、第1遊星歯車機構10と同一に構成されており、回転軸9に連結された第2サンギヤ16と、第2サンギヤ16と同心円上に配置され、かつドリブンギヤ8よりも外径が大きい第2リングギヤ17と、第2サンギヤ16および第2リングギヤ17に噛み合う第2プラネタリギヤ18と、第2プラネタリギヤ18を自転可能に保持するとともに、第2プラネタリギヤ18が第2サンギヤ16の回転中心を中心として公転することができるように保持する第2キャリヤ19とにより構成されている。この第2キャリヤ19には、図示しない他方側のドライブシャフトが連結されている。上記第2サンギヤ16が、この発明の実施例における「第2入力要素」に相当し、第2リングギヤ17が、この発明の実施例における「第2反力要素」に相当し、第2キャリヤ19が、この発明の実施例における「第2出力要素」に相当する。上記第2リングギヤ17には、外歯が形成されている。なお、この発明の実施例における「第2遊星歯車機構」は、シングルピニオン型の遊星歯車機構に限らず、ダブルピニオン型の遊星歯車機構であってもよい。
上述した第1リングギヤ13と第2リングギヤ17とは、反転機構20を介して連結されている。この反転機構20は、回転軸9と平行に配置され、かつケース32に回転自在に保持された第1連結軸21と、第2連結軸22とにより構成されている。この第1連結軸21における一方の端部には、第1リングギヤ13の外歯に噛み合う第1ピニオンギヤ23が形成され、他方の端部には、第2ピニオンギヤ24が形成されている。また、第2連結軸22における一方の端部には、第2リングギヤ17の外歯に噛み合う第3ピニオンギヤ25が形成され、他方の端部には、第2ピニオンギヤ24に噛み合う第4ピニオンギヤ26が形成されている。上記の第2ピニオンギヤ24と第4ピニオンギヤ26との歯数は同一である。したがって、第1連結軸21と第2連結軸22とが同一の回転速度で回転するように構成されている。上記のように構成された反転機構20が、第1遊星歯車機構10および第2遊星歯車機構11の外周側を囲うように、円周方向に所定の間隔を空けて複数設けられている。
さらに、各リングギヤ13,17にトルクを伝達するために差動用モータ5が設けられている。この差動用モータ5は、永久磁石形同期モータや誘導モータなどにより構成することができる。図6に示す例では、差動用モータ5の出力軸27は、駆動用モータ2の出力軸6や回転軸9と平行に配置されており、その先端部に出力ギヤ28が連結されている。また、差動用モータ5の出力軸27と平行にカウンタシャフト29が配置されており、そのカウンタシャフト29の一方の端部に、出力ギヤ28と噛み合いかつ出力ギヤ28よりも大径のカウンタドリブンギヤ30が連結されている。さらに、カウンタシャフト29の他方の端部には、カウンタドリブンギヤ30よりも小径のカウンタドライブギヤ31が連結されており、そのカウンタドライブギヤ31が第2リングギヤ17の外歯に噛み合っている。すなわち、差動用モータ5から出力されたトルクが増大されて第2リングギヤ17に伝達されるように構成されている。なお、差動用モータ5から第1リングギヤ13にトルクを伝達するように構成していてもよい。
上述した各遊星歯車機構11,12や、出力ギヤ7,28などは、ケース32に収容されており、各遊星歯車機構11,12や出力ギヤ7,28などの摺動部や発熱部に、潤滑用または冷却用のオイルが供給されるように構成されている。
このように構成されたトルクベクタリング装置1の作用について説明する。図6に示す構成では、駆動用モータ2から出力されたトルクが各サンギヤ12,16に伝達される。その際に、第1サンギヤ12に作用するトルクとは反対方向のトルクが第1リングギヤ13に作用するとともに、第2サンギヤ16に作用するトルクとは反対方向のトルクが第2リングギヤ17に作用する。すなわち、駆動用モータ2から各遊星歯車機構10,11に入力されるトルクは、各リングギヤ13,17に同一の方向のトルクとして作用する。そのように各リングギヤ13,17には、同一方向のトルクが作用するものの、各リングギヤ13,17は、反転機構20により連結されているため、各リングギヤ13,17に作用するトルクが相殺される。そのため、直進走行時など各リングギヤ13,17が停止している状態では、各リングギヤ13,17が反力要素として機能する。
したがって、第1サンギヤ12に伝達されたトルクが、第1遊星歯車機構10のギヤ比に応じて増大されて第1キャリヤ15から出力され、第2サンギヤ16に伝達されたトルクが、第2遊星歯車機構11のギヤ比に応じて増大されて第2キャリヤ19から出力される。上述したように第1遊星歯車機構10と第2遊星歯車機構11とは、同一の構成となっているため、第1キャリヤ15から出力されるトルクと、第2キャリヤ19から出力されるトルクとは同一となり、また第1キャリヤ15の回転速度と第2キャリヤ19の回転速度とが同一となる。すなわち、左右の駆動輪3a,3bに伝達されるトルクが同一となり、左右の駆動輪3a,3bの回転速度が同一となる。
一方、差動用モータ5からトルクを出力すると、第2遊星歯車機構11における反力要素として機能する第2リングギヤ17の反力トルクが変化するため、第2キャリヤ19から出力されるトルクが変化する。例えば、第2リングギヤ17の反力トルクが増大するように差動用モータ5からトルクを出力すると、第2キャリヤ19から出力されるトルクが増大する。他方、そのように第2リングギヤ17の反力トルクが増大するように差動用モータ5からトルクを出力した場合には、第1リングギヤ13には、反転機構20を介して反力トルクが低下するようにトルクが作用する。その結果、第1キャリヤ15から出力されるトルクが低下する。すなわち、差動用モータ5からトルクを出力することにより、左右輪3a,3bに伝達されるトルクの分配率を変更することができる。
さらに、旋回走行時などであって左右の駆動輪3の回転速度が異なっている場合には、各リングギヤ13,17が相対回転し、それに伴って差動用モータ5が回転する。例えば、第2キャリヤ19に連結された側の駆動輪3bが、第1キャリヤ15に連結された側の駆動輪3aよりも高速回転となる場合には、第1サンギヤ12と第2サンギヤ16とは同一回転速度で回り続けているため、第1キャリヤ15と第2キャリヤ19との間の回転速度の差を第1リングギヤ13と第2リングギヤ17との間の回転速度の差として吸収する必要がある。
第1リングギヤ13と第2リングギヤ17とは反転機構20を介して連結されているため、第1リングギヤ13と第2リングギヤ17との間の回転速度の差は、第2リングギヤ17、カウンタドライブギヤ31、カウンタドリブンギヤ30、出力ギヤ28、出力軸27を通じて差動用モータ5を回転させる。この状態においても、差動用モータ5にトルクを発生させると、上述の回転速度関係を保ったまま、左右の駆動輪3a,3bのトルク分配を適時、変更することが可能となる。
上述したように各リングギヤ13,17は、差動量を調整するために回転し、その回転速度は極低速となる。したがって、各リングギヤ13,17が回転している場合であっても、第1遊星歯車機構10および第2遊星歯車機構11は、減速機として機能することとなる。すなわち、第1サンギヤ12に伝達されたトルクが増大されて第1キャリヤ15から出力され、同様に第2サンギヤ16に伝達されたトルクが増大されて第2キャリヤ19から出力される。
この発明におけるトルクベクタリング装置は、図6に示すように構成されたトルクベクタリング装置1にブレーキ機構Bを更に備えたものである。以下、トルクベクタリング装置1にブレーキ機構Bを備えた構成例を説明する。なお、以下の説明では、図6と同一の構成は、同一の参照符号を付してその説明を省略する。また、ケース32や差動用モータ5などの図6に示す例と同一に形成された部材は、図1ないし5で示していない場合がある。
図1は、ドリブンギヤ8をブレーキロータとして機能させ、かつ各リングギヤ13,17をブレーキディスクとして機能させるように構成されている。図1に示す例では、ドリブンギヤ8のうちの外周側の両側面に、環状の被接触部8a,8bが一体に形成されている。なお、このドリブンギヤ8が、この発明の実施例における「回転部材」に相当する。
また、第1リングギヤ13には、ドリブンギヤ8側の側面から軸線方向に突出した第1円筒部13aが一体に形成されており、その第1円筒部13aの先端には、第1遊星歯車機構10とドリブンギヤ8との間に介在する環状の第1接触部13bが一体に形成されている。この第1接触部13bのうちの外周側の側面は、被接触部8aと面接触するように構成されており、その側面に図示しない摩擦材が取り付けられている。また、第1接触部13bのうちの内周側であって、半径方向においてドリブンギヤ8の側面が窪んでいる箇所には、第1コイル33aが設けられている。なお、第1接触部13bと被接触部8aとの隙間が、第1コイル33aの側面とドリブンギヤ8の側面との隙間よりも小さくなるように形成されている。
その第1コイル33aに通電するための第1リード線34aは、第1接触部13bおよび第1円筒部13a、ならびに第1リングギヤ13の内部を通って設けられており、第1リングギヤ13のうちのケース32側の側面に設けられた第1端子部材35aに接続されている。そして、その第1端子部材35aには、ケース32に設けられた第1ブラシ36aが接触していて、その第1ブラシ36aを介して図示しないバッテリから電力が供給されるように構成されている。なお、第1リングギヤ13は、平歯車やはすば歯車などにより構成されており、回転軸9の軸線方向に沿って移動することができるように構成されている。
また、第2リングギヤ17には、ドリブンギヤ8側の側面から軸線方向に突出した第2円筒部17aが一体に形成されており、その第2円筒部17aの先端には、第2遊星歯車機構11とドリブンギヤ8との間に介在する環状の第2接触部17bが一体に形成されている。この第2接触部17bのうちの外周側の側面は、被接触部8bと面接触するように構成されており、その側面に図示しない摩擦材が取り付けられている。また、第2接触部17bのうちの内周側であって、半径方向においてドリブンギヤ8の側面が窪んでいる箇所には、第2コイル33bが設けられている。なお、第2接触部17bと被接触部8bとの隙間が、第2コイル33bの側面とドリブンギヤ8の側面との隙間よりも小さくなるように形成されている。
その第2コイル33bに通電するための第2リード線34bは、第2接触部17bおよび第2円筒部17a、ならびに第2リングギヤ17の内部を通って設けられており、第2リングギヤ17のうちのケース32側の側面に設けられた第2端子部材35bに接続されている。そして、その第2端子部材35bには、ケース32に設けられた第2ブラシ36bが接触していて、その第2ブラシ36bを介して図示しないバッテリから電力が供給されるように構成されている。なお、第2リングギヤ17は、平歯車やはすば歯車などにより構成されており、回転軸9の軸線方向に沿って移動することができるように構成されている。
図1に示すように構成されたトルクベクタリング装置1は、制動時に、各コイル33a,33bに通電して電磁力を発生させることにより、各接触部13b,17bと被接触部8a,8bとを摩擦接触させる。その摩擦力は、各コイル33a,33bに通電する電流に応じて制御することができる。なお、そのように各接触部13b,17bと被接触部8a,8bとの接触面にオイルが介在している。すなわち、各リングギヤ13,17とドリブンギヤ8とにより構成されたブレーキ機構Bは、電磁ブレーキであるとともに、湿式のブレーキ機構Bである。
上述したように各遊星歯車機構10,11は、減速機として機能するため、第1サンギヤ12は第1キャリヤ15よりも高速で回転し、かつ第2サンギヤ16は第2キャリヤ19よりも高速で回転する。したがって、上記のように各接触部13b,17bと被接触部8a,8bとが接触すると、第1サンギヤ12および第2サンギヤ16には、回転速度を低下させるようにトルクが作用する。その際に、第1リングギヤ13および第2リングギヤ17には、回転速度を増大させるようにトルクが作用するものの、上述したように第1リングギヤ13と第2リングギヤ17とは、反転機構20を介して連結されているため、そのトルクが相殺される。すなわち、制動時においても駆動時と同様に各リングギヤ13,17が反力要素として機能する。
そして、上記のように各接触部13b,17bと被接触部8a,8bとが摩擦接触することにより、各遊星歯車機構10,11は差動制限されるため、第1サンギヤ12および第1キャリヤ15の回転速度が、第1リングギヤ13の回転速度に一致するように、第1サンギヤ12および第1キャリヤ15にはトルクが作用し、同様に第2サンギヤ16および第2キャリヤ19の回転速度が、第2リングギヤ17の回転速度に一致するように、第2サンギヤ16および第2キャリヤ19にはトルクが作用する。上述したように各遊星歯車機構10,11は減速機として機能するため、各キャリヤ15,19には、その回転速度が低下するようにトルクが作用し、またそのトルクは、各サンギヤ12,16に作用するトルクを増大させたトルクとして作用する。すなわち、ドリブンギヤ8に作用させる制動力に基づく制動トルクよりも大きな制動トルクが各キャリヤ15,19に作用する。なお、差動用モータ5からトルクを出力して、第1キャリヤ15と第2キャリヤ19とに作用する制動トルクの分配率を変更した場合も同様にブレーキ機構Bによる制動トルクが増大させられて各キャリヤ15,19に伝達される。
上述したように減速機として機能する各遊星歯車機構10,11の入力側、より具体的には入力要素として機能するサンギヤ12,16に連結されたドリブンギヤ8に制動力を作用させるように構成することにより、その制動力に基づいた制動トルクが増大されて各キャリヤ15,19に伝達されるので、ブレーキ機構Bを小型化することができる。また、駆動輪3a,3bに別途ブレーキ機構を設ける必要がなく、あるいは駆動輪3a,3bに設けるブレーキ機構を小型化することができるため、いわゆるバネ下荷重を低下させることができ、その結果、走行安定性や乗り心地を向上させることができる。さらに、ドリブンギヤ8がブレーキロータとして機能し、かつ各リングギヤ13,17がブレーキディスクとして機能することにより、ブレーキ機構B用の他の部材を設ける必要がなく、駆動力制御装置1全体として小型化することができる。
また、上述したように湿式のブレーキ機構Bであるので、オイルによってドリブンギヤ8や各リングギヤ13,17の摩擦熱の発生を抑制することができ、あるいは迅速に冷却することができる。そのため、ドリブンギヤ8や各リングギヤ13,17をブレーキ機構Bとして機能させた場合であっても、ドリブンギヤ8や各リングギヤ13,17の耐久性が低下することを抑制することができ、またはそれらのギヤ13,17が熱膨張するなどを要因とした動力損失の増大を抑制することができる。さらにブレーキ機構Bおよび各モータ2,5が電気的に制御されるため、それらの装置2,5,Bの協調制御が容易になる。またさらに、ドリブンギヤ8の外周側に被接触部8a,8bを形成することにより、その被接触部8a,8bに作用する制動力は、回転軸線からの距離に応じて大きいトルクとなって作用することになるため、被接触部8a,8bと接触部13b,17bとの接触圧を小さくすることができる。言い換えると、第1コイル33aおよび第2コイル33bに通電する電流を小さくすることができる。
なお、この発明の実施例におけるブレーキ機構は、ドリブンギヤ8とリングギヤ13,17とが摩擦係合する構成に限らず、差動機構4にトルクを入力するギヤと、差動機構4のうち反力要素または出力要素と一体となって回転する回転部材とが摩擦係合であってもよい。図2には、ドリブンギヤ8とキャリヤ15,19とが摩擦係合するように構成されたトルクベクタリング装置1の一例を示している。なお、上述した図6や図1と同様の構成には同一の参照符号を付してその説明を省略する。また、図2に示す例では、ドリブンギヤ8を挟んで両側の構成が同一となっているため、図における右側の部分の構成のみについて説明する。
図2に示す各リングギヤ13,17には、上述した円筒部13a,17aや接触部13b,17bが形成されておらず、図6と同様に単に円環状に形成されている。一方、第1キャリヤ15における第1プラネタリギヤ14が嵌合される第1ピニオンシャフト15aのうちのドリブンギヤ8側の端部には、環状の第1板部材15bが軸線方向に移動するとともに、一体回転することができるように、スプラインなどにより係合している。この第1板部材15bの外径は、ドリブンギヤ8の外径とほぼ同一に形成されており、その外周側の側面と被接触部8aとが摩擦係合するように構成されている。したがって、第1板部材15bの外周側には、図示しない環状の摩擦材が取り付けられている。
また、第1板部材15bの内周部には、第3コイル33cが設けられている。この第3コイル33cは、図1に示す第1コイル33aと同様に構成されており、図示しないバッテリなどから電力が供給されるように構成されている。具体的には、第1ピニオンシャフト15aと、第1キャリヤ15のうちの第1ピニオンシャフト15aが連結される環状の板部15cとの内部を通って第3リード線34cが設けられ、その第3リード線34cを介してケース32から電力が供給されるように構成されている。なお、その第3リード線34cの端部に設けられた第3端子部材35cは、ケース32に設けられた第3ブラシ36cと接触するように構成されている。
このように構成することにより第3コイル33cに通電して、第1板部材15bを被接触部8aに接触させることにより、図1に示す例と同様に駆動輪3に制動トルクを作用させることができる。その結果、図1と同様の効果を奏することができる。
また、摩擦接触する相手側のギヤは、ドリブンギヤ8に限らず出力ギヤ7であってもよい。すなわち、出力ギヤ7を、この発明の実施例における「回転部材」として機能するように構成してもよい。その構成例を、図3に示している。図3に示す例では、出力軸6と相対回転可能に嵌合するとともに、第1リングギヤ13に噛み合う第1ブレーキ用ギヤ37が設けられ、同様に出力軸6と相対回転可能に嵌合するとともに、第2リングギヤ17に噛み合う第2ブレーキ用ギヤ38が設けられている。これらのギヤ37,38に内周部にはコイル39が設けられている。また、出力ギヤ7の外周側の両側面には、軸線方向に突出した環状の突起部7a,7bが設けられている。
上記の第1ブレーキ用ギヤ37の側面と環状の突起部7aとが接触するとともに、第2ブレーキ用ギヤ38の側面と環状の突起部7bとが接触するように構成されており、それら各ブレーキ用ギヤ37,38の側面には、図示しない摩擦材が設けられている。
なお、第2ブレーキ用ギヤ37を挟んで出力ギヤ7とは反対側にパーキングロック機構40が設けられている。具体的には、出力軸6と同軸上にパーキングロック用モータ41が設けられており、そのモータ41を制御することにより、第2ブレーキ用ギヤ38を出力ギヤ7に接触させるように構成されている。このパーキングロック用モータ41の出力軸42には、送りネジが形成されており、その出力軸42に、環状の押圧部材43の内周面に形成された歯が噛み合っている。すなわち、パーキングロック用モータ41を回転させることにより、押圧部材43が軸線方向に移動するように構成されている。そして、押圧部材43における第2ブレーキ用ギヤ38側の側面には、軸受け44が取り付けられており、押圧部材43が第2ブレーキ用ギヤ38側に移動したときに、その軸受け44を介して第2ブレーキ用ギヤ38を出力ギヤ7側に押圧するように構成されている。
したがって、パーキングロック用モータ41を回転させて第2ブレーキ用ギヤ37と出力ギヤ7とを接触させることにより、その後、モータ41へ通電しなくても第2ブレーキ用ギヤ37と出力ギヤ7とが接触した状態を維持する。すなわち、パーキングロック状態を維持することができる。
図3に示すように構成した場合であっても、図1に示す構成と同様の効果を奏することができる。また、図3に示す構成では、差動機構4とは別の構成部材、より具体的には、回転軸9とは異なる回転軸線上に設けられた出力ギヤ7がブレーキロータとしての機能を兼用するので、摩擦接触面が発熱した場合であっても、差動機構4への熱の伝達が抑制される。そのため、差動機構4を構成する部材が熱膨張することを抑制することができるので、そのような熱膨張を要因とする動力損失を抑制することができる。さらに、ブレーキとなる部材をドライブシャフトと同軸上に配置することがないので、ドライブシャフトと同軸上の幅を短くすることができる。
さらに、図3に示す構成では、駆動用モータ2とブレーキ機構Bとの間に、ギヤなどの変速機がないため、制動時に、駆動用モータ2を回生制御するとともに、ブレーキ機構Bにより制動トルクを駆動輪3に作用させる場合には、駆動用モータ2とブレーキ機構Bとの制動トルクの分担などの調整が容易になる。なお、図4に示すように差動用モータ5を第2ブレーキ用ギヤに噛み合うように設けてもよい。
またさらに、図5に示すように反転機構20を、第1ブレーキ用ギヤ37と第2ブレーキ用ギヤ38とに噛み合うように設け、かつ第3ピニオンギヤ25と一体にドリブンギヤ45を形成し、そのドリブンギヤ45に差動用モータ5の出力ギヤ28を噛み合わせるように構成してもよい。このように構成することにより、ドリブンギヤ8の外径を各リングギヤ13,17の外径よりも大きくすることができるため、駆動用モータ2から差動機構4へ入力されるトルクを増大させることができる。また、反転機構20を設けることによる鉛直方向における差動機構4の下端部が下側に突出する量を低減することができる。そのため、ドライブシャフトを低い位置に形成することができるので、そのドライブシャフトの先端部に取り付けられる図示しないボールジョイントの傾斜角を低下させることができ、駆動輪3への動力の伝達効率が低下することを抑制することができる。
1…トルクベクタリング装置、 2…駆動用モータ、 3a,3b…駆動輪、 4…差動機構、 5…差動用モータ、 6,27,42…出力軸、 7,28…出力ギヤ、 8,45…ドリブンギヤ、 9…回転軸、 10,11…遊星歯車機構、 12,16…サンギヤ、 13,17…リングギヤ、 14,18…プラネタリギヤ、 15,19…キャリヤ、 20…反転機構、 21,22…連結軸、 23,24,25,26…ピニオンギヤ、 33a,33b,33c,39…コイル、 37,38…ブレーキ用ギヤ、 B…ブレーキ機構。

Claims (7)

  1. 駆動用モータと、
    前記駆動用モータからトルクが入力される第1入力要素と、一方の駆動輪に連結された第1出力要素と、前記第1入力要素のトルクが前記第1出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第1反力要素とにより構成された第1遊星歯車機構と、前記駆動用モータからトルクが入力される第2入力要素と、一方の駆動輪に連結された第2出力要素と、前記第2入力要素のトルクが前記第2出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第2反力要素とにより構成された第2遊星歯車機構とを有する差動機構と、
    前記第1反力要素と前記第2反力要素とのいずれか一方にトルクを伝達する差動用モータと、
    前記第1反力要素に作用するトルクを反転させて前記第2反力要素に伝達する反転機構と、
    前記第1入力要素と、前記第2入力要素とを連結する回転軸と、
    前記駆動用モータの出力軸から前記回転軸にトルクを伝達する回転部材と
    を備えたトルクベクタリング装置において、
    前記回転部材に選択的に摩擦接触して制動力を発生させるブレーキ機構を備え、
    前記ブレーキ機構は、前記回転部材と前記第1反力要素または前記第1出力要素とを摩擦接触させるとともに、前記回転部材と前記第2反力要素または前記第2出力要素とを摩擦接触させることにより、前記回転部材に前記制動力を作用させるように構成されている
    ことを特徴とするトルクベクタリング装置。
  2. 駆動用モータと、
    前記駆動用モータからトルクが入力される第1入力要素と、一方の駆動輪に連結された第1出力要素と、前記第1入力要素のトルクが前記第1出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第1反力要素とにより構成された第1遊星歯車機構と、前記駆動用モータからトルクが入力される第2入力要素と、一方の駆動輪に連結された第2出力要素と、前記第2入力要素のトルクが前記第2出力要素から出力されるように反力トルクを出力する第2反力要素とにより構成された第2遊星歯車機構とを有する差動機構と、
    前記第1反力要素と前記第2反力要素とのいずれか一方にトルクを伝達する差動用モータと、
    前記第1反力要素に作用するトルクを反転させて前記第2反力要素に伝達する反転機構と、
    前記第1入力要素と、前記第2入力要素とを連結する回転軸と、
    前記駆動用モータの出力軸から前記回転軸にトルクを伝達する回転部材と
    を備えたトルクベクタリング装置において、
    前記回転部材に選択的に摩擦接触して制動力を発生させるブレーキ機構を備え、
    前記駆動用モータは、前記出力軸の回転速度を低下させる制動トルクを出力することができるように構成され、
    前記回転部材は、前記駆動用モータの出力軸と一体に回転するように構成され、
    前記第1反力要素または前記第1出力要素に噛み合う第1ブレーキ用ギヤと、前記第2反力要素または前記第2出力要素に噛み合う第2ブレーキ用ギヤとを備え、
    記ブレーキ機構は、前記回転部材と前記第1ブレーキ用ギヤとを摩擦接触させるとともに、前記回転部材と前記第2ブレーキ用ギヤとを摩擦接触させることにより、前記回転部材に前記制動力を作用させるように構成されている
    ことを特徴とするトルクベクタリング装置。
  3. 請求項2に記載のトルクベクタリング装置において、
    前記回転部材は、前記回転軸とは異なる回転体の回転軸線上に配置されていることを特徴とするトルクベクタリング装置。
  4. 請求項3に記載のトルクベクタリング装置において、
    前記回転部材は、前記駆動用モータの出力ギヤである
    ことを特徴とするトルクベクタリング装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のトルクベクタリング装置において、
    前記第1遊星歯車機構は、前記第1反力要素が前記第1入力要素よりも低回転のときに減速機として機能し、かつ前記第2遊星歯車機構は、前記第2反力要素が前記第2入力要素よりも低回転のときに減速機として機能するように構成されている
    ことを特徴とするトルクベクタリング装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のトルクベクタリング装置において、
    前記ブレーキ機構は、電磁力により前記摩擦接触する際の摩擦力を制御するように構成されている
    ことを特徴とするトルクベクタリング装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のトルクベクタリング装置において、
    前記ブレーキ機構は、摩擦接触する面の間にオイルが介在するように構成された湿式のブレーキ機構である
    ことを特徴とするトルクベクタリング装置。
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