JP6121942B2 - 植物のバイオマス量を増産させる遺伝子及びその利用方法 - Google Patents

植物のバイオマス量を増産させる遺伝子及びその利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定の遺伝子の発現を抑制した植物体、当該遺伝子の発現を抑制することによるバイオマス量を増産する方法、バイオマス量が増産した植物体の製造方法に関する。
バイオマス(biomass)とは、一般的には一定面積あたりに生息または存在する生物の総量を指し、特に植物を対象とした場合は、単位面積あたりの乾重量を意味する。バイオマスの単位は、質量又はエネルギー量で数値化する。バイオマスという表現は、「生物体量」、「生物量」も同義語であり、植物バイオマスの場合には「現存量(Standing crop)」の語が使われることもある。植物バイオマスは、大気中の二酸化炭素を太陽エネルギーを用いて固定して生成されるため、いわゆるカーボンニュートラルなエネルギーとして捕らえることができる。したがって、植物のバイオマスを増加させることは、地球環境保全、地球温暖化防止、温室効果ガス排出低減の効果がある。従って、植物バイオマスを増産させる技術は産業上の重要性が高い。
一方、植物は、その一部の組織自体(種子、根、葉茎など)を目的として栽培されたり、油脂などの種々の物質生産を目的として栽培されたりする。例えば、植物が生産する油脂としては、大豆油、ごま油、オリーブ油、椰子油、米油、綿実油、ひまわり油、コーン油、べに花油、パーム油及び菜種油等が古来より知られており、家庭用途や工業用途に広く利用されている。また、植物が生産する油脂は、バイオディーゼル燃料やバイオプラスチックの原料としても使用され、石油代替エネルギーとして適用性が広がっている。
特に、サトウキビなどのエネルギー作物は、バイオ燃料の原料となるため、植物自体の総量(植物バイオマス量)を増産させることが期待されている。このような状況において、植物バイオマス量を増産させるには、単位耕地面積あたりの生産性の向上が必要となる。ここで単位耕地面積あたりの栽培個体数が一定であると仮定すると、個体あたりのバイオマス量の向上が必要であることが判る。
しかしながら、植物バイオマス量は、多数の遺伝子が関与すると考えられており(いわゆる量的形質の一種)、個別の遺伝子導入や欠損、遺伝子操作では効果的に増産できないと考えられている。例えば、特許文献1には、180種類ほど列挙されたポリペプチドのうち1つ又は複数を植物体に導入(活性化)することで、植物体の窒素利用効率を向上させ、バイオマスを増産させるといった技術が開示されている。これら180種類のポリペプチドには、clathrin associated protein complex small subunit(YeastのAP-2; Yjr058c)が含まれている。ただし、clathrin associated protein complex small subunit についてはバイオマス増産効果を示す実測データは開示されていない。
ところで、小胞輸送とは、細胞内における物質の輸送或いは細胞外への物質の輸送を、小胞を介して行うメカニズムのことを指している。小胞輸送される物質としては、タンパク質や脂質など多岐にわたっている。一般に、細胞内の小胞輸送を阻害すると、細胞自体は大きくなくものの、バイオマス量としては少ないことが知られている(非特許文献1)。また、非特許文献2には、葉緑体のチラコイド膜輸送に関与するタンパクをbio-informatics解析で予想したこと、ホモロジー解析により酵母における膜輸送に関与するタンパクに関するシロイヌナズナゲノム上のホモログを列挙している。非特許文献2には、酵母のRet3とホモロジーのあるタンパクとして、シロイヌナズナにおけるAt3g09800及びAt4g08520が指摘されている。
なお、シロイヌナズナにおけるAt3g09800を過剰発現し、或いは欠損させた植物体は知られていない。ただし、特許文献1〜5には、At3g09800がコードするタンパク質に対して例えば70%程度以上の配列類似性を有するタンパク質をコードする遺伝子を過剰発現することでバイオマスを増産することが開示されている。
US7834146 US7214786 US8299318 US7569389 WO2009/037279
Tahara et al (2007) Clathrin is involved in organization of mitotic spindle and phragmoplast as well as in endocytosis in tobacco cell cultures. Protoplasma, 230: 1-11. Andersson, M. X. and Sandelius, A. S. (2004) A chloroplast-localized vesicular transport system: a bio-informatics approach. BMC Genomics, 5: 40.
しかしながら、細胞内の小胞輸送で機能する遺伝子の発現を抑制する又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害することでバイオマスの増産に寄与するか不明であった。そこで、本発明は、細胞内の小胞輸送で機能する遺伝子の発現を抑制する又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害することでバイオマスが増産した植物体、バイオマス量を増産する方法、バイオマス量が増産した植物体の製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者等が鋭意検討した結果、植物細胞内の小胞輸送で機能する特定の遺伝子を抑制することでバイオマスが増産することを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1) コートマー・アダプタのゼータサブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又はコートマー・アダプタのゼータサブユニットを阻害した、若しくはクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットを阻害した植物体。
(2) 上記遺伝子は、以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードすることを特徴とする(1)記載の植物体。
(a)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列に対して60%以上の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
(c)配列番号1又は3に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
(3) 上記遺伝子は、配列番号1〜62のうち偶数で示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、又は配列番号1〜62のうち奇数で示す塩基配列を有することを特徴とする(1)記載の植物体。
(4) 上記遺伝子の発現をRNA干渉法により抑制したことを特徴とする(1)記載の植物体。
(5) 植物における、コートマー・アダプタのゼータサブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又はコートマー・アダプタのゼータサブユニットを阻害する、若しくはクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットを阻害する、植物体のバイオマスを増産する方法。
(6) 上記遺伝子は、以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードすることを特徴とする(5)記載の方法。
(a)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列に対して60%以上の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
(c)配列番号1又は3に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
(7) 上記遺伝子は、配列番号1〜62のうち偶数で示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、又は配列番号1〜62のうち奇数で示す塩基配列を有することを特徴とする(5)記載の方法。
(8) 上記遺伝子の発現をRNA干渉法により抑制したことを特徴とする(5)記載の方法。
(9) 植物における、コートマー・アダプタのゼータサブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又はコートマー・アダプタのゼータサブユニットを阻害する、若しくはクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットを阻害する工程と、
前記工程後の後代植物のバイオマス量を測定し、当該バイオマス量が有意に向上した系統を選抜する工程とを含む植物体の製造方法。
(10) 上記遺伝子は、以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードすることを特徴とする(9)記載の製造方法。
(a)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列に対して60%以上の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
(c)配列番号1又は3に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
(11) 上記遺伝子は、配列番号1〜62のうち偶数で示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、又は配列番号1〜62のうち奇数で示す塩基配列を有することを特徴とする(9)記載の製造方法。
(12) 上記遺伝子の発現をRNA干渉法により抑制したことを特徴とする(9)記載の製造方法。
本発明によれば、植物細胞内の小胞輸送で機能する特定の遺伝子を抑制することで植物のバイオマスを増産させることができ、優れたバイオマス量の植物を製造することができる。
形質転換体におけるAt3g09800遺伝子の発現量をリアルタイムPCRにより解析した結果を示す特性図である。 形質転換体におけるAt4g08520遺伝子の発現量をリアルタイムPCRにより解析した結果を示す特性図である。 At3g09800遺伝子を過剰発現する形質転換体及びAt3g09800遺伝子の発現を抑制した形質転換体を撮像した写真である。 ベクターコントロール株及びAt4g08520遺伝子の発現を抑制した形質転換体を撮像した写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る植物体は、細胞内の小胞輸送で機能する遺伝子の発現を抑制する及び/又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害することで、バイオマスが増産するといった特徴を有している。ここで、小胞輸送で機能する遺伝子とは、具体的には、コートマー・アダプタのゼータサブユニット(ζ-COP)をコードする遺伝子及びクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子のいずれか一方又は両方である。ここで、バイオマスが増産するとは、上述した遺伝子を有する野生型の植物と比較したときにバイオマス量が有意に増加していることを意味する。
また、植物体の全体に亘って、上述した遺伝子の発現を抑制し又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害しても良いし、植物組織の少なくとも一部において遺伝子の発現を抑制し又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害しても良い。ここで植物組織とは、葉、茎、種子、根及び花等の植物器官を含む意味である。
本発明において、遺伝子の発現を抑制するとは、当該遺伝子を欠損させること、当該遺伝子の発現量を抑制又は減少させることを含む意味である。遺伝子を欠損させるとは、当該遺伝子のコーディング領域の一部又は全部を含む領域を染色体より欠失させること、当該遺伝子のコーディング領域にトランスポゾン等を組み込むことで当該遺伝子を破壊すること意味する。また、遺伝子の発現量を減少させる方法としては、特に限定されないが、当該遺伝子の発現制御領域を改変して転写量を低減する方法、当該遺伝子の転写産物を選択的に分解する方法等を挙げることができる。
本発明において遺伝子を抑制する手法としては、所謂、トランスポゾン法、トランスジーン法、転写後遺伝子サイレンシング法、RNAi法、ナンセンス仲介減衰(Nonsense mediated decay, NMD)法、リボザイム法、アンチセンス法、miRNA(micro-RNA)法、siRNA(small interfering RNA)法、コサプレッション(co-suppression)法、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(Zinc finger nuclease (ZFN) )法、TALE(Transcription Activator-Like Effector)ヌクレアーゼ法、及びCRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)法等を挙げることができる。
また、コートマー・アダプタのゼータサブユニット遺伝子によりコードされるタンパク質の機能を阻害するとは、当該タンパク質がコートマー・アダプタ複合体として機能することを阻害することを意味する。同様に、クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニット遺伝子によりコードされるタンパク質の機能を阻害するとは、当該タンパク質がクラスリン・アダプタ複合体として機能することを阻害することを意味する。具体的に、これらタンパク質を抗原とする抗体を発現させたり、当該タンパク質に対するアンタゴニスト活性を有するタンパク質を発現させたりするといった手法を挙げることができる。
コートマー・アダプタのゼータサブユニット(ζ-COP)をコードする遺伝子及びクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子は、種々の植物において内在遺伝子として特定することができる。例えば、シロイヌナズナにおいて、コートマー・アダプタのゼータサブユニット(ζ-COP)をコードする遺伝子及びクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子は、それぞれAt3g09800及びAt4g08520として知られている。
At3g09800で特定される遺伝子の塩基配列及び当該遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号1及び2に示す。At4g08520で特定される遺伝子の塩基配列及び当該遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号3及び4に示す。
ただし、発現を抑制する対象となる、コートマー・アダプタのゼータサブユニット(ζ-COP)をコードする遺伝子及びクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子は、配列番号1及び2にて特定されるAt3g09800及び配列番号3及び4にて特定されるAt4g08520に限定されるものではない。すなわち、シロイヌナズナに内在する相同遺伝子やシロイヌナズナ以外の植物に内在する相同遺伝子の発現を抑制してもよい。これら相同遺伝子は、特に限定されず、種々の生物に関する遺伝子配列を格納したデータベースを検索することで特定することができる。すなわち、配列番号1〜4に示した塩基配列やアミノ酸配列をクエリー配列として、例えばDDBJ/EMBL/GenBank国際塩基配列データベースやSWISS-PROTデータベースを検索し、公知のデータベースから容易に検索・同定することができる。
ここで、相同遺伝子とは、一般的に、共通の祖先遺伝子から進化分岐した遺伝子を意味しており、2種類の種の相同遺伝子(オルソログ(ortholog))及び同一種内で重複分岐により生じた相同遺伝子(パラログ(paralog))を含む意味である。換言すると、上述した「相同遺伝子」にはオルソログやパラログといった相同遺伝子を含む意味である。
シロイヌナズナに内在する相同遺伝子及びシロイヌナズナ以外の植物における相同遺伝子を表1に示す。なお、表1には、酵母における相同遺伝子も列挙した。また、表1において各相同遺伝子の塩基配列及び当該相同遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列について配列番号を記載した。
Figure 0006121942
表1に列挙した遺伝子は、配列番号2又は4に示したアミノ酸配列に対して60%以上の配列類似性を有するタンパク質をコードしており、At3g09800又はAt4g08520がコードするタンパク質と同じ機能を有するタンパク質をコードする蓋然性が非常に高い遺伝子である。よって、表1に列挙した遺伝子の発現を抑制するか、表1に列挙した遺伝子がコードするタンパク質を阻害することによって、表1に示した対応する植物のバイオマス量を増産させることができる。
ここで、配列類似性とは、Genetyx (Ver. 9)、BLAST、PSI-BLAST、HMMERといった配列類似性検索ソフトウェアをデフォルトの設定で使用して2つのアミノ酸配列間の類似性を示す値として算出される値を意味する。
表1に示した相同遺伝子について、At3g09800及びAt4g08520とのアミノ酸レベルでの一致度(Identity)及び配列類似性(Similarity)を表2に纏めた。
Figure 0006121942
以上のように、本発明に係る植物体において抑制対象の遺伝子としては、配列番号2又は4に示すアミノ酸配列に対して60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。なお、本発明に係る植物体において抑制対象の遺伝子としては、配列番号2又は4に示すアミノ酸配列に対して60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の一致度を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。
また、本発明に係る植物体は、上述のように、抑制対象の遺伝子が明らかとなっていない場合には、通常の方法を適用して相同遺伝子を特定すればよい。すなわち、植物のゲノム情報が明らかになっていないならば、定法に従ってゲノムライブラリー又はcDNAライブラリーを作製し、配列番号1又は3に示す塩基配列の相補的な塩基配列の全部又は一部をプローブとしたハイブリダイゼーションにより抑制すべき遺伝子を特定することができる。言い換えると、相同遺伝子は、配列番号1又は3に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、コートマー・アダプタのゼータサブユニット又はクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質をコードする遺伝子として特定することができる。
ここで、ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいうハイブリダイゼーションは、J. Sambrook et al. Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory(1989)に記載されている方法等、従来公知の方法で行うことができる。
ところで、可溶糖を高蓄積するように改変する植物としては、特に限定されず、如何なる植物であっても良い。対象となる植物としては、例えば、双子葉植物、単子葉植物、例えばアブラナ科、イネ科、ナス科、マメ科、ヤナギ科等に属する植物(下記参照)が挙げられるが、これらの植物に限定されるものではない。
アブラナ科:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、アブラナ(Brassica rapa、Brassica napus)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、ナタネ(Brassica rapa、Brassica napus)、チンゲンサイ(Brassica rapa var. chinensis)、カブ(Brassica rapa var. rapa)、ノザワナ(Brassica rapa var. hakabura)、ミズナ(Brassica rapa var. lancinifolia)、コマツナ(Brassica rapa var. peruviridis)、パクチョイ(Brassica rapa var. chinensis)、ダイコン(Brassica Raphanus sativus)、ワサビ(Wasabia japonica)など。
ナス科:タバコ(Nicotiana tabacum)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solaneum tuberosum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、トウガラシ(Capsicum annuum)、ペチュニア(Petunia)など。
マメ科:ダイズ(Glycine max)、エンドウ(Pisum sativum)、ソラマメ(Vicia faba)、フジ(Wisteria floribunda)、ラッカセイ(Arachis. hypogaea)、ミヤコグサ(Lotus corniculatus var. japonicus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、アズキ(Vigna angularis)、アカシア(Acacia)など。
キク科:キク(Chrysanthemum morifolium)、ヒマワリ(Helianthus annuus)など。
ヤシ科:アブラヤシ(Elaeis guineensis、Elaeis oleifera)、ココヤシ(Cocos nucifera)、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)、ロウヤシ(Copernicia)など。
ウルシ科:ハゼノキ(Rhus succedanea)、カシューナットノキ(Anacardium occidentale)、ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)、マンゴー(Mangifera indica)、ピスタチオ(Pistacia vera)など。
ウリ科:カボチャ(Cucurbita maxima、Cucurbita moschata、Cucurbita pepo)、キュウリ(Cucumis sativus)、カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)、ヒョウタン(Lagenaria siceraria var. gourda)など。
バラ科:アーモンド(Amygdalus communis)、バラ(Rosa)、イチゴ(Fragaria)、サクラ(Prunus)、リンゴ(Malus pumila var. domestica)など。
ナデシコ科:カーネーション(Dianthus caryophyllus)など。
ヤナギ科:ポプラ(Populus trichocarpa、Populus nigra、Populus tremula) など。
フトモモ科:ユーカリ(Eucalyptus camaldulensis、Eucalyptus grandis) など。
イネ科:トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、コムギ(Triticum aestivum)、タケ(Phyllostachys)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ネピアグラス(Pennisetum pupureum)、エリアンサス(Erianthus ravenae)、ミスキャンタス(ススキ)(Miscanthus virgatum)、ソルガム(Sorghum)スイッチグラス(Panicum)など。
ユリ科:チューリップ(Tulipa)、ユリ(Lilium)など。
なかでも、単子葉植物を対象として、可溶糖を高蓄積できる単子葉植物を製造することが好ましい。単子葉植物のなかでも、特に、イネ、コムギ、オオムギ、サトウキビやトウモロコシといったイネ科の植物を対象とすることが好ましい。
その他の工程、その他の方法
上述した遺伝子の発現を抑制する又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害する工程の後、植物体のなかから適切な表現型を示す個体を選抜する選抜工程を、従来公知の方法で行うことができる。選抜の方法は特に限定されるものではなく、植物体そのもの、または任意の器官や組織の重量を測定して野生型と比較して有意に増産しているものを選抜すればよい。
また得られた植物から定法に従って後代植物を得ることができる。すなわち、バイオマスが増産した後代植物を、そのバイオマス量を基準として選抜することによって、バイオマス量が増産された安定的な植物系統を作出することができる。
なお、本発明における植物体とは、成育した植物個体、植物細胞、植物組織、カルス、種子の少なくとも何れかが含まれる。つまり、本発明では、最終的に植物個体まで成育させることができる状態のものであれば、全て植物体とみなす。また、上記植物細胞には、種々の形態の植物細胞が含まれる。かかる植物細胞としては、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片等が含まれる。これらの植物細胞を増殖・分化させることにより植物体を得ることができる。なお、植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて、従来公知の方法を用いて行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、上述した遺伝子の発現を抑制する又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害することで、野生型の植物体と比較して、個体あたりのバイオマス量が有意に増産した植物体を提供することができる。ここで、バイオマス量が有意に増産するとは、野生型と比較して一個体あたりの総重量が統計的に有意に大となっていることを意味する。このとき、植物体の一部の組織が特異的に大となり、他の組織が野生型と同等であったとしても、植物体全体についての総重量が大であればバイオマス量が増産したと判断する。
本発明によれば、植物体のバイオマス量が増産するため、植物体全体を生産目的とした場合及び植物体の一部の組織(例えば種子など)やその含有成分を生産目的とした場合のいずれにおいても生産性の向上を達成することができる。例えば、植物種子に含まれる油脂を生産目的とした場合、作付け面積あたりで回収できる油脂量を大幅に向上させることができる。ここで油脂としては、特に限定されず、例えば、大豆油、ごま油、オリーブ油、椰子油、米油、綿実油、ひまわり油、コーン油、べに花油及び菜種油等の植物由来の油脂を例示することができる。また、製造した油脂は、家庭用途や工業用途に広く利用することができ、更にはバイオディーゼル燃料の原料としても使用することができる。すなわち、本発明によれば上述した遺伝子の発現を抑制する又は当該遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害した植物体を利用することによって、上述した家庭用途又は工業用途の油脂や、バイオディーゼル燃料等を低コストに製造することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では、シロイヌナズナにおけるAt3g09800遺伝子或いはAt4g08520を過剰発現する形質転換体、及びAt3g09800遺伝子或いはAt4g08520の発現を抑制した形質転換体を作製し、バイオマス増産効果を検証した。
<コンストラクトの作製>
At3g09800遺伝子或いはAt4g08520を過剰発現させるためpBI 35S:At3g09800及びpBI 35S:At4g08520を作製した。具体的には、先ず、Arabidopsis thaliana (Col-0) のcDNAをテンプレートにして、プライマー (At3g09800: 5’-tccccgggtggtcagtcccttatgtctcctgattcttgtcct-3’(配列番号71)、5’-ttgaacgatcggggaaattcgagctctcatgtaagcagacttcttgc-3’(配列番号72)と5’-ttggagagaacacgggggactctagaggatcccgggtggtcagtc-3’(配列番号73); At4g08520: 5’-tccccgggtggtcagtcccttatggcagggactaatgattct-3’ (配列番号74)、5’-ttgaacgatcggggaaattcgagctcttatgtaagaagacttctcgc-3’ (配列番号75)と5’-ttggagagaacacgggggactctagaggatcccgggtggtcagtc-3’(配列番号76))でPCR増幅しAt3g09800及びAt4g08520のORFをそれぞれ単離した。これらのDNA断片をBamHIとSacIで切断したpBI121ベクターへIn-Fusion Dry-Down PCR Cloning Kit w/Cloning Enhancer (Clontech社製)を使用して(In-Fusion反応)クローニングし、pBI 35S:At3g09800及びpBI 35S:At4g08520を得た。
一方、At3g09800遺伝子或いはAt4g08520の発現を抑制するためpBI 35SS:At3g09800RNAi及びpBI 35SS:At4g08520RNAiを作製した。具体的には、先ず、Arabidopsis thaliana (Col-0)のcDNAをテンプレートにして、プライマー(At3g09800: 5’-atgtctcctgattcttgtcct-3’(配列番号77)と5’-cacctcatgtaagcagacttcttgc-3’(配列番号78);At4g08520: 5’-atggcagggactaatgattct-3’(配列番号79)と5’-caccttatgtaagaagacttctcgc-3’(配列番号80))でPCR増幅しAt3g09800及びAt4g08520のORFをそれぞれ単離し、pENTR Directional TOPO Cloning Kits (Invitrogen社製)を使用して、pENTR/D-TOPO ベクターへクローニングした (pENTR At3g09800及びpENTR At4g08520)。これらのベクター中のAt3g09800及びAt4g08520のORFをpBI-sense, antisense-GW (INPLANTA INNOVATIONS INC社製)へGateway LR Clonase II Enzyme Mix (Invitrogen社製)を使用して(LR反応)クローニングし、pBI 35SS:At3g09800RNAi及びpBI 35SS:At4g08520RNAiを得た。
<シロイヌナズナ形質転換体の作製>
上記の4種類のベクターを野生型のシロイヌナズナ (Col-0)へfloral-dip 法 (Clough and Bent, 1998)を用いて形質転換した。T1植物の選抜はカナマイシン(終濃度30 mg/mL)とカルベニシリン(終濃度100 mg/mL)を含むMS培地で行った。その後、スーパーミックスA(サカタのタネ社製)を使用して鉢上げした。
<遺伝子の発現抑制の確認>
上記で得られた形質転換体及びベクターコントロール株について、At3g09800遺伝子又はAt4g08520遺伝子の発現量をリアルタイムPCRにより解析した。なお、これら形質転換体及びベクターコントロール株についてはT3種子を使用した。
先ず、各ライン株のT3種子をMS培地(Sucrose free)(Gellan Gum(終濃度0.5%)で作製)に播種し、3日間、春化処理を行った。その後、22℃、16時間明条件/8時間暗条件で23〜26日間(春化処理の期間を含む)生育させた植物体の全地上部をサンプリングした(2個体ずつプールした)。
次に、RNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN社製)とRNase-Free DNase Set(QIAGEN社製)とを用いて、サンプリングした植物体のTotal RNAの抽出を行った。そして、High-Capacity RNA-to-cDNA kit(ABI社製)を用いて、20μL反応溶液中あたり2.0μg Total RNA の組成でcDNA合成を行った。そして、POWER SYBR GREEN PCR MASTER MIX(Applied Biosystems社製)を用いて、表3の組成でリアルタイムPCRを行った。
Figure 0006121942
PCR及び蛍光検出には、7000 Sequence Detection System(Applied Biosystems社製)を用い以下の条件で検出した。
Figure 0006121942
なお、発現解析に使用した各遺伝子のプライマーを表5に示した。
Figure 0006121942
<結果>
先ず、pBI 35SS:At3g09800RNAi或いはpBI 35SS:At4g08520RNAiを導入した形質転換体及びベクターコントロール株について、At3g09800遺伝子又はAt4g08520遺伝子の発現量をリアルタイムPCRにより解析した結果を、それぞれ図1及び2に示した。なお、図1及び2に示した、At3g09800遺伝子及びAt4g08520遺伝子の発現量は、At4g27960の発現量で標準化した値である。図1及び2に示したように、得られた形質転換体では、それぞれAt3g09800遺伝子及びAt4g08520遺伝子の発現量がベクターコントロール株よりも有意に抑制されていることが明らかとなった。
また、pBI 35S:At3g09800を導入したシロイヌナズナ形質転換体及びpBI 35SS:At3g09800RNAiを導入したシロイヌナズナ形質転換体を撮像した写真を図3に示し、ベクターコントロール株及びpBI 35SS:At4g08520RNAiを導入したシロイヌナズナ形質転換体を撮像した写真を図4に示した。なお、図3及び4の写真は、鉢上げ後12日目の植物体(播種後36日目)である。また、図3及び4中のScale Barは10mmを意味する。図3及び4に示すように、At3g09800遺伝子の過剰発現株は、pBI121(35S:GUS)を導入したコントロール株と同程度の個体サイズであったが、pBI 35SS:At3g09800RNAi又はpBI 35SS:At4g08520RNAiを導入したシロイヌナズナ形質転換体はコントロール株と比較して個体サイズが優位に増加した。
以上の結果から、At3g09800遺伝子又はAt4g08520遺伝子の発現を抑制することによって、植物体のバイオマスが増産することが明らかとなった。

Claims (9)

  1. 以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質であるコートマー・アダプタのゼータサブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又は当該コートマー・アダプタのゼータサブユニットを阻害した、若しくは以下の(d)〜(f)のいずれかのタンパク質であるクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又は当該クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットを阻害した植物体。
    (a)配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
    (b)配列番号2に示すアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニットとして機能するタンパク質
    (c)配列番号1に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、コートマー・アダプタのゼータサブユニットとして機能するタンパク質
    (d)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
    (e)配列番号4に示すアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
    (f)配列番号3に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
  2. 上記遺伝子は、配列番号30又は54で示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、又は配列番号29又は53で示す塩基配列を有することを特徴とする請求項1記載の植物体。
  3. 上記遺伝子の発現をRNA干渉法により抑制したことを特徴とする請求項1記載の植物体。
  4. 植物における、以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質であるコートマー・アダプタのゼータサブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又は当該コートマー・アダプタのゼータサブユニットを阻害する、若しくは以下の(d)〜(f)のいずれかのタンパク質であるクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又は当該クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットを阻害する、植物体のバイオマスを増産する方法。
    (a)配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
    (b)配列番号2に示すアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニットとして機能するタンパク質
    (c)配列番号1に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、コートマー・アダプタのゼータサブユニットとして機能するタンパク質
    (d)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
    (e)配列番号4に示すアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
    (f)配列番号3に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
  5. 上記遺伝子は、配列番号30又は54で示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、又は配列番号29又は53で示す塩基配列を有することを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 上記遺伝子の発現をRNA干渉法により抑制したことを特徴とする請求項4記載の方法。
  7. 植物における、以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質であるコートマー・アダプタのゼータサブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又は当該コートマー・アダプタのゼータサブユニットを阻害する、若しくは以下の(d)〜(f)のいずれかのタンパク質であるクラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制する又は当該クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットを阻害する工程と、
    前記工程後の後代植物のバイオマス量を測定し、当該バイオマス量が有意に向上した系統を選抜する工程とを含む植物体の製造方法。
    (a)配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
    (b)配列番号2に示すアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、コートマー・アダプタのゼータサブユニットとして機能するタンパク質
    (c)配列番号1に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、コートマー・アダプタのゼータサブユニットとして機能するタンパク質
    (d)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質
    (e)配列番号4に示すアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
    (f)配列番号3に示す塩基配列の相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、クラスリン・アダプタの小(シグマ)サブユニットとして機能するタンパク質
  8. 上記遺伝子は、配列番号30又は54で示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、又は配列番号29又は53で示す塩基配列を有することを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  9. 上記遺伝子の発現をRNA干渉法により抑制したことを特徴とする請求項7記載の製造方法。
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