JP6121836B2 - Niめっき材の接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Niめっき材の接合方法に関し、特に、Niめっき材をAg部材に接合する方法に関する。
従来、複数の太陽電池セルを電気的に接続して太陽電池モジュールを製造するために、各々の太陽電池セルのSi基板に形成された(Agを主成分とする)Ag電極が半田接合によりインターコネクタ(接続配線)に電気的に接続されている(例えば、特許文献1参照)。
このような太陽電池モジュールのインターコネクタは、銅または銅合金の条材に半田めっき(Sn−Pb合金めっき)を施した半田めっき材から形成されている。このような半田めっき材からなるインターコネクタとAg電極との間の接合には、一般にSn−Pb半田が使用されているが、加熱による接合時のSi基板との熱膨張係数の差による熱ストレスを緩和するために、低融点のSn−Bi半田を含有する接合材(以下、「Sn−Bi半田含有接合材」という)を使用することが望まれている。
特開2008−192921号公報(段落番号0004)
しかし、半田めっき材からなるインターコネクタとAg電極との間の接合に、Sn−Bi半田含有接合材を使用すると、Ag電極側にSn−Bi半田含有接合材の引けが生じて、インターコネクタとAg電極を良好に接合することができなくなることがわかった。
そのため、Sn−Bi半田に対する濡れ性に着目し、Sn−Bi半田に対するAg電極との濡れ性に近い濡れ性のめっき材としてNiめっき材を半田めっき材の代わりに使用して、Sn−Bi半田含有接合材によりNiめっき材とAg電極との接合を試みたところ、Sn−Bi半田に対して、Niめっき材との濡れ性とAg電極との濡れ性はいずれも良く、Sn−Bi半田含有接合材によりNiめっき材とAg電極を良好に接合することができることがわかった。
しかし、Niめっき材を大気中において長期間保管すると、Sn−Bi半田に対する濡れ性が悪くなり、Sn−Bi半田含有接合材によりNiめっき材とAg電極を良好に接合することができなくなることがわかった。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、Niめっき材を大気中において長期間保管した後でも、Niめっき材の半田濡れ性の劣化を防止して、Niめっき材とAg部材を良好に接合することができる、Niめっき材の接合方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、基材の表面にNiめっきが施されたNiめっき材の表面に遊離シアン含有溶液を塗布した後、このNiめっき材にAg部材を半田含有接合材(半田を含有する接合材)で接合することにより、Niめっき材を大気中において長期間保管した後でも、Niめっき材とAg部材を良好に接合することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるNiめっき材の接合方法は、基材の表面にNiめっきが施されたNiめっき材の表面に遊離シアン含有溶液を塗布した後、このNiめっき材にAg部材を半田含有接合材で接合することを特徴とする。
このNiめっき材の接合方法において、Niめっき材の表面への遊離シアン含有溶液の塗布は、Niめっき材を遊離シアン含有溶液に浸漬することによって行われるのが好ましく、遊離シアン含有溶液がKCNまたはNaCNの水溶液であるのが好ましい。また、基材が導電性基材であるのが好ましく、導電性基材が銅または銅合金からなる基材であるのが好ましい。また、Niめっきが光沢Niめっきであるのが好ましい。また、半田含有接合材は、Sn−Bi半田またはSn−Pb半田を含む接合材であるのが好ましく、Sn−Bi半田を主成分とする接合材であるのがさらに好ましい。また、Ag部材は、Agを含む部材であるのが好ましく、Si基板上に形成されたAg電極でもよい。
本発明によれば、Niめっき材を大気中において長期間保管した後でも、Niめっき材の半田濡れ性の劣化を防止して、Niめっき材とAg部材を良好に接合することができる。そのため、真空梱包などの酸化防止手段を講ずることなく、Niめっき材を大気中において長期間保管した後でも、Ag部材と良好に接合可能なNiめっき材を提供することができる。
本発明によるNiめっき材の接合方法の一実施の形態として、Si基板上に形成されたAg電極とNiめっき材からなるインターコネクタとを半田含有接合材で接合した状態を概略的に示す断面図である。
本発明によるNiめっき材の接合方法の実施の形態では、基材の表面にNiめっきが施されたNiめっき材の表面に遊離シアン含有溶液を塗布した後、このNiめっき材にAg部材を半田含有接合材で接合する。
基材として、Niめっきが可能なCu系、Fe系、Al系などの金属母材を使用することができるが、導電性基材を使用するのが好ましく、導電性基材が(無酸素銅などの)銅または銅合金からなる基材であるのが好ましい。
Niめっきとして、ワット浴、スルファミン酸浴、ホウフッ化浴などのNiめっき浴を使用する一般的な電気Niめっきを使用することができるが、無電解Niめっきを使用してもよい。また、Niめっきは、無光沢Niめっきと光沢Niめっきのいずれでもよいが、光沢Niめっきであるのが好ましい。このNiめっきにより、厚さ0.1μm以上のNiめっき皮膜を基材上に形成すればよい。
遊離シアン含有溶液は、KCNまたはNaCNの水溶液などのように、遊離シアンを含有する水溶液であるのが好ましい。なお、シアノ基を含む化合物の溶液でも、KAg(CN)溶液は、CNがAgと錯体を形成して、遊離シアンにならないので、遊離シアン含有溶液ではない。
Niめっき材の表面への遊離シアン含有溶液の塗布は、遊離シアン含有溶液をNiめっき材に噴霧することによって行ってもよいし、遊離シアン含有溶液をしみ込ませたスポンジなどによってNiめっき材に塗布することによって行ってもよいが、Niめっき材を遊離シアン含有溶液に浸漬することによって行うのが好ましい。このようにNiめっき材の表面に遊離シアン含有溶液を塗布(Niめっき材の表面をシアン洗浄)することによって、Niめっき材の表面にCN基を含む皮膜とNi(OH)の皮膜を形成して、NiOやNiなどの酸化皮膜のような緻密で強固な不動態皮膜を除去するとともに、表面酸化による不動態皮膜の形成を防止することができる。そのため、Niめっき材の半田濡れ性を向上させることができるとともに、Niめっき材を大気中において長期間保管した後でも、Niめっき材の半田濡れ性の劣化を防止して、Niめっき材とAg部材を良好に接合することができる。なお、Niめっき材の表面に遊離シアン含有溶液を塗布した後に、水洗し、乾燥するのが好ましい。
半田含有接合材は、Sn−Bi半田またはSn−Pb半田を含む接合材であるのが好ましく、Sn−Bi半田を主成分とする接合材であるのがさらに好ましい。また、Ag部材は、Agを含む部材であるのが好ましく、Si基板上に形成されたAg電極でもよい。
本発明によるNiめっき材の接合方法の一実施の形態として、太陽電池モジュールの太陽電池セルのSi基板10上に形成されたAg電極12と、Niめっき材からなるインターコネクタ14とを半田含有接合材16で接合した状態を図1に示す。
以下、本発明によるNiめっき材の接合方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
(Niめっき材の作製)
まず、前処理として、50mm×45mm×0.2mmの大きさの純銅(C1020)からなる銅板の基材(被めっき材)を液温50℃に調整した50g/Lのアルカリ系界面活性剤(ユケン工業株式会社製のパクナCu35)に12秒間浸漬して電解脱脂を行った後、液温30℃に調整した30mL/Lの硫酸に12秒間浸漬して酸活性処理を行った。
次に、90g/Lのスルファミン酸ニッケルと35g/Lのホウ酸と20g/Lの塩化ニッケルを含む液温50℃のNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)中において、前処理後の基材を陰極とし、Ni電極板を陽極として、電流密度5A/dmで120秒間電気めっきを行って、(無光沢Niめっきにより)基材上に厚さ1.2μmのNiめっき皮膜を形成した後、得られたNiめっき材を水洗してめっき液を十分に洗い流した。
次に、後処理として、Niめっき材を40℃に調整した20g/LのKCN水溶液に12秒間浸漬した後、水洗および湯洗を行い、その後、素早くブロワーで乾燥させた。
このように後処理したNiめっき材のNiめっき皮膜について、X線光電子分光(ESCA)により表面分析を行ったところ、最表面に厚さ1.6nmのCN基を含む皮膜とNi(OH)の皮膜が形成されているのが確認された。
(Sn−58Bi共晶半田に対する半田濡れ性試験)
後処理したNiめっき材の(後述する耐熱試験および加速試験前の)初期の半田濡れ性試験として、Niめっき材をロジン系フラックス(RMAタイプ)に浸漬した後、235℃のSn−58Bi共晶半田浴(42質量%のSnと58質量%のBiの共晶半田浴)に浸漬深さ4mmで10秒間浸漬し、メニスコグラフによりゼロクロスタイム(浸漬後に濡れ力が浮力と等しくなるまでの時間)を求めた。この半田濡れ性試験を3回行ったところ、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.2秒、1.2秒、1.3秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、Sn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。
また、後処理したNiめっき材の耐熱試験後の半田濡れ性試験として、Niめっき材を155℃の乾燥炉内に16時間保持する耐熱試験を行った後に乾燥炉から取り出し、Niめっき材をロジン系フラックス(RMAタイプ)に浸漬した後、270℃のSn−58Bi共晶半田浴(42質量%のSnと58質量%のBiの共晶半田浴)に浸漬深さ4mmで10秒間浸漬し、メニスコグラフによりゼロクロスタイム(浸漬後に濡れ力が浮力と等しくなるまでの時間)を求めた。この耐熱試験後のNiめっき材の半田濡れ性試験を3回行ったところ、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.6秒、2.0秒、2.3秒であり、いずれもゼロクロスタイムが5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、耐熱試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。
また、後処理したNiめっき材の加速試験後の半田濡れ性試験として、Niめっき材を85℃、85%RHの恒温恒湿槽内に2時間保持する加速試験を行った後に恒温恒湿槽から取り出し、Niめっき材をロジン系フラックス(RMAタイプ)に浸漬した後、235℃のSn−58Bi共晶半田浴(42質量%のSnと58質量%のBiの共晶半田浴)に浸漬深さ4mmで10秒間浸漬し、メニスコグラフによりゼロクロスタイム(浸漬後に濡れ力が浮力と等しくなるまでの時間)を求めた。この加速試験後のNiめっき材の半田濡れ性試験を3回行ったところ、ゼロクロスタイムはそれぞれ8.1秒、8.4秒、8.1秒であり、いずれもゼロクロスタイムが10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は良好であった。
(6−4半田に対する半田濡れ性試験)
Sn−58Bi共晶半田浴に代えて235℃の6−4半田浴(60質量%のSnと40質量%のPbのSn−Pb半田浴)を使用した以外は、上記と同様の方法により、初期のNiめっき材の半田濡れ性試験を3回行ったところ、ゼロクロスタイムはそれぞれ3.1秒、2.7秒、2.8秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。
また、Sn−58Bi共晶半田浴に代えて235℃の6−4半田浴(60質量%のSnと40質量%のPbのSn−Pb半田浴)を使用した以外は、上記と同様の方法により、耐熱試験後のNiめっき材の半田濡れ性試験を3回行ったところ、ゼロクロスタイムはそれぞれ7.4秒、6.6秒、6.1秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。
また、Sn−58Bi共晶半田浴に代えて235℃の6−4半田浴(60質量%のSnと40質量%のPbのSn−Pb半田浴)を使用した以外は、上記と同様の方法により、加速試験後のNiめっき材の半田濡れ性試験を3回行ったところ、ゼロクロスタイムはそれぞれ9.3秒、8.1秒、8.3秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。
(Sn−58Bi共晶半田によるAg電極との接合)
純銅板の代わりに純銅(C1020)からなる銅条材の基材(被めっき材)を使用した以外は、上記と同様に前処理、Niめっきおよび後処理を行って、200mm×2000mm×0.2mmの大きさのNiめっき条材を得た後、スリット加工により300mm×4mm×0.2mmに切断して、太陽電池モジュールのインターコネクタ用の平角銅線を作製した。また、太陽電池セルのSi基板に(Agを主成分とする)Agペーストを焼成させてAg電極を形成した。これらの平角銅線とAg電極との間に、Sn−Bi半田を主成分とする接合材(フラックス混合品)を介在させ、大気中において170℃に加熱して半田接合した後に切断して、走査電子顕微鏡(SEM)により半田の引けの有無を確認したところ、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
また、上記の平角銅線を155℃の乾燥炉内に16時間保持する耐熱試験を行った後に、上記と同様の方法により、平角銅線とAg電極とを半田接合し、半田の引けの有無を確認したところ、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
また、上記の平角銅線を85℃、85%RHの恒温恒湿槽内に2時間保持して加速試験を行った後に、上記と同様の方法により、平角銅線とAg電極とを半田接合し、半田の引けの有無を確認したところ、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
(6−4半田によるAg電極との接合)
Sn−Bi半田とエポキシ樹脂を含有する接合材に代えて6−4半田を使用して、その融点の183℃に加熱した以外は、上記と同様の方法により、平角銅線とAg電極とを半田接合し、半田の引けの有無を確認したところ、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
また、上記の平角銅線を155℃の乾燥炉内に16時間保持する耐熱試験を行った後に、上記と同様の方法により、平角銅線とAg電極とを半田接合し、半田の引けの有無を確認したところ、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
また、上記の平角銅線を85℃、85%RHの恒温恒湿槽内に2時間保持して加速試験を行った後に、上記と同様の方法により、平角銅線とAg電極とを半田接合し、半田の引けの有無を確認したところ、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
[実施例2]
後処理においてKCN水溶液の代わりにNaCN水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmのNiめっき皮膜を形成し、得られたNiめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このようにして後処理したNiめっき材のNiめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ3.2秒、3.2秒、3.7秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ7.6秒、7.2秒、6.9秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は良好であった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ2.3秒、2.6秒、2.5秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ6.9秒、6.8秒、5.6秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ7.6秒、6.6秒、8.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。また、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
[実施例3]
実施例1で使用したNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)にさらに20mL/Lのサッカリン系光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−1000)と2mL/Lのアセチルアルコール系2次光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−2000)を添加した光沢Niめっき液(スルファミン酸光沢Niめっき浴)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、光沢Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmの光沢Niめっき皮膜を形成し、得られた光沢Niめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このようにして後処理した光沢Niめっき材の光沢Niめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田および6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ0.8秒、0.9秒、0.8秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。耐熱試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.8秒、1.3秒、1.6秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、耐熱試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ6.0秒、4.8秒、5.4秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は良好であった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.4秒、1.4秒、1.4秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ6.3秒、5.7秒、6.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ5.1秒、4.8秒、5.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田および6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。また、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
[実施例4]
実施例2で使用したNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)にさらに20mL/Lのサッカリン系光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−1000)と2mL/Lのアセチルアルコール系2次光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−2000)を添加した光沢Niめっき液(スルファミン酸光沢Niめっき浴)を使用した以外は、実施例2と同様の方法により、光沢Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmの光沢Niめっき皮膜を形成し、得られた光沢Niめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このようにして後処理した光沢Niめっき材の光沢Niめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.5秒、1.5秒、1.4秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ4.6秒、4.4秒、4.4秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.3秒、1.3秒、1.3秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ7.2秒、6.2秒、7.9秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ4.9秒、4.6秒、4.5秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。また、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。
[比較例1]
後処理において、KCN水溶液の代わりに、Niめっき皮膜の表面に有機皮膜を形成して撥水性を付与する表面処理剤(奥野製薬工業株式会社製のサフスルー)を使用し、この表面処理剤20mL/L含む水溶液を50℃に調整して、この水溶液に12秒間浸漬した以外は、実施例1と同様の方法により、Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmのNiめっき皮膜を形成し、得られたNiめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このように後処理したNiめっき材のNiめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ4.4秒、2.6秒、3.2秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であったが、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれも(ゼロクロスタイムが10秒より長いため)ゼロクロスタイムを求めることができず、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.8秒、2.0秒、1.8秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。しかし、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は悪かった。また、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験の2回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムを求めることができず、他の1回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムは8.3秒であり、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。また、初期の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されておらず、加速試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがないが接合形状が悪かった。
[比較例2]
後処理において、KCN水溶液の代わりに、Niめっき皮膜の表面に無機皮膜を形成するシランカップリング剤(メルテックス社製のコンディショナー1101)を使用し、このシランカップリング剤5mL/L含む水溶液を25℃に調整して、この水溶液に12秒間浸漬した以外は、実施例1と同様の方法により、Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmのNiめっき皮膜を形成し、得られたNiめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このように後処理したNiめっき材のNiめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ6.8秒、4.7秒、3.8秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は良好であったが、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ2.5秒、2.0秒、2.3秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であったが、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。また、初期の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
[比較例3]
後処理においてKCN水溶液の代わりに10質量%のHSOH水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmのNiめっき皮膜を形成し、得られたNiめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このように後処理したNiめっき材のNiめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験の2回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムを求めることができず、他の1回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムは9.6秒であり、初期Sn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は悪かった。また、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ4.3秒、5.3秒、5.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であったが、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがないが接合形状が悪く、加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。また、初期の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
[比較例4]
後処理においてKCN水溶液の代わりに20g/LのNaOH水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmのNiめっき皮膜を形成し、得られたNiめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このように後処理したNiめっき材のNiめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ4.2秒、3.7秒、3.5秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であったが、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田のいずれの場合も、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。また、初期の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
[比較例5]
後処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmのNiめっき皮膜を形成してNiめっき材を得た。
このようにして得られたNiめっき材のNiめっき皮膜について、X線光電子分光(ESCA)により表面分析を行ったところ、最表面にCN基を含む皮膜は形成されておらず、厚さ1.6nmのNiOとNiの酸化皮膜が形成されているのが確認された。
また、得られたNiめっき材のNiめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田および6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験の2回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムを求めることができず、他の1回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムは9.5秒であり、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は悪かった。また、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ2.9秒、3.4秒、4.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であったが、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田および6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがないが接合形状が悪く、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。また、初期の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
[比較例6]
比較例1で使用したNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)にさらに20mL/Lのサッカリン系光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−1000)と2mL/Lのアセチルアルコール系2次光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−2000)を添加した光沢Niめっき液(スルファミン酸光沢Niめっき浴)を使用した以外は、比較例1と同様の方法により、光沢Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmの光沢Niめっき皮膜を形成し、得られた光沢Niめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このようにして後処理した光沢Niめっき材の光沢Niめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.3秒、1.3秒、1.4秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。また、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ5.5秒、4.8秒、4.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は良好であった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.1秒、1.2秒、1.1秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。また、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ3.2秒、3.3秒、4.3秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。しかし、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていた。また、初期および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
[比較例7]
比較例2で使用したNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)にさらに20mL/Lのサッカリン系光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−1000)と2mL/Lのアセチルアルコール系2次光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−2000)を添加した光沢Niめっき液(スルファミン酸光沢Niめっき浴)を使用した以外は、比較例2と同様の方法により、光沢Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmの光沢Niめっき皮膜を形成し、得られた光沢Niめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このようにして後処理した光沢Niめっき材の光沢Niめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.3秒、1.4秒、1.3秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であったが、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.1秒、1.1秒、1.1秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。また、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ6.3秒、5.9秒、6.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。しかし、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に接合されていたが、加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。また、初期の平角銅線に対する6−4半田と加速試験後の平角銅線に対する6−4半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
[比較例8]
比較例3で使用したNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)にさらに20mL/Lのサッカリン系光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−1000)と2mL/Lのアセチルアルコール系2次光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−2000)を添加した光沢Niめっき液(スルファミン酸光沢Niめっき浴)を使用した以外は、比較例3と同様の方法により、光沢Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmの光沢Niめっき皮膜を形成し、得られた光沢Niめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このようにして後処理した光沢Niめっき材の光沢Niめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.4秒、1.3秒、1.5秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。しかし、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験の2回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムを求めることができず、他の1回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムは7.1秒であり、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.4秒、1.1秒、1.3秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。また、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ5.1秒、5.8秒、5.1秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さが速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。しかし、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験の1回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムを求めることができず、他の2回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ8.5秒、7.9秒であり、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなかったが接合状態が悪かった。また、初期および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなかったが接合状態が悪かった。
[比較例9]
比較例4で使用したNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)にさらに20mL/Lのサッカリン系光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−1000)と2mL/Lのアセチルアルコール系2次光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−2000)を添加した光沢Niめっき液(スルファミン酸光沢Niめっき浴)を使用した以外は、比較例4と同様の方法により、光沢Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmの光沢Niめっき皮膜を形成し、得られた光沢Niめっき材を水洗した後に後処理を行った。
このようにして後処理した光沢Niめっき材の光沢Niめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性試験と、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ2.1秒、2.3秒、2.0秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であったが、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.8秒、1.8秒、1.8秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。しかし、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に悪かった。また、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験の1回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムを求めることができず、他の2回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ8.8秒、9.2秒であり、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田の引けの有無と、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。また、初期の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されておらず、加速試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなかったが接合形状が悪かった。
[比較例10]
比較例5で使用したNiめっき液(スルファミン酸Niめっき浴)にさらに20mL/Lのサッカリン系光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−1000)と2mL/Lのアセチルアルコール系2次光沢剤(株式会社ムラタ製のSN−2000)を添加した光沢Niめっき液(スルファミン酸光沢Niめっき浴)を使用した以外は、比較例5と同様の方法により、光沢Niめっきにより基材上に厚さ1.2μmの光沢Niめっき皮膜を形成して光沢Niめっき材を得た。
このようにして得られた光沢Niめっき材の光沢Niめっき皮膜について、実施例1と同様の方法により、初期、耐熱試験後および加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田および6−4半田に対する濡れ性試験を行った。
その結果、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.7秒、1.6秒、1.6秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に良好であった。しかし、耐熱試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は非常に悪かった。また、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する3回の濡れ性試験の1回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムを求めることができず、他の2回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ7.3秒、7.0秒であり、加速試験後のNiめっき材のSn−58Bi共晶半田に対する濡れ性は悪かった。
また、初期のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ1.4秒、1.5秒、1.5秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも5秒以内と非常に短く(濡れる速さが非常に速く)、初期のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に良好であった。また、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、ゼロクロスタイムはそれぞれ5.8秒、6.2秒、5.9秒であり、ゼロクロスタイムがいずれも10秒以内と短く(濡れる速さがに速く)、加速試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は良好であった。しかし、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する3回の濡れ性試験では、いずれもゼロクロスタイムを求めることができず、耐熱試験後のNiめっき材の6−4半田に対する濡れ性は非常に悪かった。
また、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極を半田接合し、初期、耐熱試験後および加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田および6−4半田の引けの有無を確認した。
その結果、初期の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されておらず、加速試験後の平角銅線に対するSn−58Bi共晶半田では、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなかったが接合形状が悪かった。また、初期および加速試験後の平角銅線に対する6−4半田のいずれの場合も、平角銅線側とAg電極側のいずれも半田の引けがなく、接合形状も良好であり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていたが、耐熱試験後の平角銅線に対する6−4半田では、平角銅線側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
これらの実施例および比較例のNiめっき材の製造条件および特性を表1〜表4に示す。なお、表4において、半田の引けがなく接合形状が良好な場合を「○」、半田の引けがないが接合形状が悪い場合を「△」、半田の引けが生じた場合を「×」で示している。
Figure 0006121836
Figure 0006121836
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表1〜表4からわかるように、実施例1〜4のNiめっき材では、初期、耐熱試験後および加速試験後のいずれのNiめっき材でも、Sn−58Bi共晶半田と6−4半田のいずれに対しても濡れ性が良好であるが、実施例3〜4の光沢Niめっき材の方が実施例1〜2の無光沢Niめっき材よりも半田濡れ性が良好である。また、実施例1〜4のNiめっき材では、初期、耐熱試験後および加速試験後のいずれのNiめっき材をAg電極などのAg部材に半田接合しても、半田の引けがなく、接合形状も良好であり、良好に接合することができるが、実施例3〜4の光沢Niめっき材の方が実施例1〜2の無光沢Niめっき材よりも接合形状が良好である。
[比較例11]
Niめっきの代わりに半田めっきを行い、後処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により得られた半田めっき材について、実施例1と同様の方法により、平角銅線とAg電極をSn−58Bi共晶半田で接合し、初期および加速試験後の平角銅線に対する半田の引けの有無を確認した。その結果、初期および加速試験後ではいずれも、Ag電極側に半田の引けがあり、平角銅線とAg電極が良好に半田接合されていなかった。
本発明によるNiめっき材の接合方により、太陽電池セルのSi基板上に形成されたAg電極とNiめっき材からなるインターコネクタとを半田含有接合材で接合して太陽電池モジュールを作製することができる。
10 Si基板
12 Ag電極
14 インターコネクタ
16 半田含有接合材

Claims (10)

  1. 基材の表面にNiめっきが施されたNiめっき材の表面に遊離シアン含有溶液を塗布した後、このNiめっき材にAg部材を半田含有接合材で接合することを特徴とする、Niめっき材の接合方法。
  2. 前記Niめっき材の表面への前記遊離シアン含有溶液の塗布が、前記Niめっき材を前記遊離シアン含有溶液に浸漬することによって行われることを特徴とする、請求項1に記載のNiめっき材の接合方法。
  3. 前記遊離シアン含有溶液が、KCNまたはNaCNの水溶液であることを特徴とする、請求項1または2に記載のNiめっき材の接合方法。
  4. 前記基材が、導電性基材であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のNiめっき材の接合方法。
  5. 前記導電性基材が、銅または銅合金からなる基材であることを特徴とする、請求項4に記載のNiめっき材の接合方法。
  6. 前記Niめっきが、光沢Niめっきであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のNiめっき材の接合方法。
  7. 前記半田含有接合材が、Sn−Bi半田またはSn−Pb半田を含む接合材であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のNiめっき材の接合方法。
  8. 前記半田含有接合材が、Sn−Bi半田を主成分とする接合材であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のNiめっき材の接合方法。
  9. 前記Ag部材が、Agを含む部材であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載のNiめっき材の接合方法。
  10. 前記Ag部材が、Si基板上に形成されたAg電極であることを特徴とする、請求項1乃至8に記載のNiめっき材の接合方法。
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