JP6121695B2 - ソックス - Google Patents

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Description

本発明は、足底部に滑り止め部材が配設される一対の左足用靴下及び右足用靴下からなるソックスに関するものである。
従来の作業用靴下は、靴下の接地面側の踵部、外側縁部、内側縁部、足裏部の領域にゴムや軟質のプラスチック等から成る滑り止め部材を点状に貼り付ける。これにより、靴下は床等の上で荷物を運搬、配達する際には滑り難く、靴を履く際には履き易くなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−98401号公報
従来の作業用靴下は、靴を履き易くかつ靴を脱いだ後は床面で滑り難くするのであるが、底面のボールガース部からつま先部領域に滑り止め部材を付設しておらず、靴を履いた状態での走行時における靴に対する靴下の滑りを考慮したものではなく、特に、トラック(競争用の走路)のコーナー(曲がり角)を左回り(反時計回り)に走行する際に滑り止め部材による効果が不十分であるという課題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、トラックのコーナーを左回りに走行する際に靴に対する靴下の滑りを抑制することができるソックスを提供することを目的とする。
本発明に係るソックスにおいては、左足用靴下の足底部の表地面における右側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設され、右足用靴下の足底部の表地面における右側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設されるものである。
また、本発明に係るソックスにおいては、必要に応じて、左足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設され、右足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設されるものである。
また、本発明に係るソックスにおいては、必要に応じて、左足用靴下の足底部の表地面における滑り止め部材と、左足用靴下の足底部の裏地面における滑り止め部材とが連通し、右足用靴下の足底部の表地面における滑り止め部材と、右足用靴下の足底部の裏地面における滑り止め部材とが連通しているものである。
さらに、本発明に係るソックスにおいては、必要に応じて、左足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨に対応する領域がパイル編みで編成され、右足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨に対応する領域がパイル編みで編成されるものである。
また、本発明に係るソックスにおいては、必要に応じて、ベース生地の周方向の伸縮抵抗に対して周方向の伸縮抵抗の大きい編地からなり、着用者の中足趾節関節及び足根中足関節に対応する部分を周回し、着用者の第1中足骨骨頭部及び第5中足骨基底部を押圧する帯状部を備えるものである。
本発明に係るソックスにおいては、左足用靴下の足底部の表地面における右側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設され、右足用靴下の足底部の表地面における右側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設されることにより、トラックのコーナーを左回りに走行する際に靴に対する靴下の滑りを抑制することができるものである。
また、本発明に係るソックスにおいては、左足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設され、右足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨に対応する領域に滑り止め部材が配設されることにより、トラックのコーナーを左回りに走行する際に着用者の足裏に対する靴下の滑りを抑制することができる。
また、本発明に係るソックスにおいては、左足用靴下の足底部の表地面における滑り止め部材と、左足用靴下の足底部の裏地面における滑り止め部材とが連通し、右足用靴下の足底部の表地面における滑り止め部材と、右足用靴下の足底部の裏地面における滑り止め部材とが連通していることにより、足底部の表地面及び裏地面における各滑り止め部材を一体として一時に形成することができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
さらに、本発明に係るソックスにおいては、左足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨に対応する領域がパイル編みで編成され、右足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨に対応する領域がパイル編みで編成されることにより、合成樹脂又は天然樹脂にかぶれる傾向にある着用者に対しても、ソックスを快適に履かせることができる。
また、本発明に係るソックスにおいては、ベース生地の周方向の伸縮抵抗に対して周方向の伸縮抵抗の大きい編地からなり、着用者の中足趾節関節及び足根中足関節に対応する部分を周回し、着用者の第1中足骨骨頭部及び第5中足骨基底部を押圧する帯状部を備えることにより、着用者の第2趾、第3趾及び第4趾に対して母趾及び第5趾を効率よく外側に広げることができ、足裏の横揺れ及び横振れを防止する横アーチと縦揺れを防止してクッション作用を奏する縦アーチとを形成して、足裏の安定性を向上することができる。
(a)は第1の実施形態に係るソックスの左足用靴下を左上側からみた左上側斜視図であり、(b)は第1の実施形態に係るソックスの左足用靴下を右下側からみた右下側斜視図であり、(c)は図1(b)に示す足底部の表地面を示す底面図である。 (a)は第1の実施形態に係るソックスの右足用靴下を右上側からみた右上側斜視図であり、(b)は第1の実施形態に係るソックスの右足用靴下を左下側からみた左下側斜視図であり、(c)は図2(b)に示す足底部の表地面を示す底面図である。 (a)は図1(b)に示す足底部の裏地面を示す平面図であり、(b)は図2(b)に示す足底部の裏地面を示す平面図である。 (a)は足底部の表地面に液体状の滑り止め部材を塗布した状態における図1(c)に示す足底部の矢視A−A’線の断面図であり、(b)は図4(a)に示す液体状の滑り止め部材が足底部の内部に染み出している状態における図1(c)に示す足底部の矢視A−A’線の断面図であり、(c)は図3(a)に示す足底部の矢視B−B’線の断面図である。
(本発明の第1の実施形態)
フートウェアは、足袋、くつ下及び脚胖に分類され、さらに、くつ下を大別すると、足部のみからなるフートカバー類、口ゴム部、身部及び足部の三部位からなるソックス類、身部がソックスよりも著しく長いストッキング類、並びに上部にパンティ部が付いたタイツ及びパンティ・ストッキング類に分類することができる。
すなわち、フートウェアは、足部、必要に応じて身部、口ゴム部又はパンティ部を、適宜備えることで、それぞれの用途目的に合った足の衣服となる。
以下、本実施形態においては、足部11、身部12及び口ゴム部13を備えたソックス10を例に挙げて説明するが、この三部位を備えたソックス10に限られるものではなく、少なくとも足部11を備えたフートウェアであればよい。
図1及び図2において、この第1の実施形態に係るソックス10は、丸編により編成された筒状編地のうち着用者の踵及び爪先に対応する部分を縫製加工してソックス形状とする構成であり、一対の左足用靴下10a及び右足用靴下10bからなる。
ソックス10(左足用靴下10a、右足用靴下10b)は、足部11、身部12及び口ゴム部13の三部に大別される。
足部11は、かかと成形部分であるかかと部11aと、爪先成形部分である爪先部11bと、かかと部11a及び爪先部11bの図示しないゴアラインの先端を結ぶ線より上の部分である足甲部11cと、かかと部11a及び爪先部11bの図示しないゴアラインの先端を結ぶ線より下の部分である足底部11dとを備える。
なお、本実施形態に係るソックス10は、図1(c)及び図2(c)に示すように、着用者の母趾111と母趾111以外の4つの足指(第2趾112、第3趾113、第4趾114、第5趾115)とを分けて爪先部11bに装着できるように、爪先部11bを2つに分割しているが、走行時に爪先部11bから足指が抜けることを防止できるのであればこの形状に限られるものではなく、足部11の爪先部11bを2以上に分割し構成してもよいし、母趾111に限らずに1つの足指と他の4つの足指とを分割し構成してもよいし、複数の足指と他の複数の足指とを分割し構成してもよい。
また、本実施形態に係るソックス10は、平編やリブ編等により編成されるベース生地1の周方向の伸縮抵抗に対して周方向の伸縮抵抗の大きい編地からなり、着用者の中足趾節関節180及び足根中足関節190に対応する部分を周回し、着用者の第1中足骨骨頭部121a及び第5中足骨基底部125bを押圧する帯状部2を必要に応じて備える。
なお、本実施形態に係る帯状部2は、ベース生地1の編地中に編み目を作らずにゴム糸及びウーリーナイロン糸を編み込んだ挿入編からなる編地であるが、ベース生地1の周方向の伸縮抵抗に対して周方向の伸縮抵抗の大きい編地であれば、この編地に限られるものではない。
また、本実施形態に係る帯状部2は、着用者の中足趾節関節180に対応する部分を周回する第1の帯状部2aと、着用者の足根中足関節190に対応する部分を周回する第2の帯状部2bとの2つの帯状体から構成されるが、第1の帯状部2aと第2の帯状部2bとを一体にして、1つの帯状体で構成されてもよい。
帯状部2(第1の帯状部2a、第2の帯状部2b)は、中足趾節関節180における第1中足骨骨頭部121a及び第5中足骨骨頭部125aと、足根中足関節190における第1中足骨基底部121b及び第5中足骨基底部125bとを固定し、第1中足骨骨頭部121a側の支点21と第5中足骨基底部125b側の作用点22とを押圧する。これにより、帯状部2は、第2趾112、第3趾113及び第4趾114に対して母趾111及び第5趾115を効率よく外側に広げることができ、足裏の横揺れ及び横振れを防止する横アーチと縦揺れを防止してクッション作用を奏する縦アーチとを形成して、足裏の安定性を向上することができる。また、帯状部2は、足部の外転や外がえしを防止することにより、ねじれ歩行による膝関節及び股関節における力の逃げを抑制し、下腿部のO脚及び股関節のO脚を改善することができる。
さらに、帯状部2は、第1中足骨骨頭部121a側の支点21と第5中足骨基底部125b側の作用点22とを押圧する部分をパイル編みで隆起させることにより、ソックス100の着用者が履いた靴の内壁に当接して、着用者の中足趾節関節180及び足根中足関節190に対応する部分を強く締め付けることができ、横アーチを形成して、後述する滑り止め部材による効果を相乗的に発揮することができる。
左足用靴下10aは、足底部11dの表地面(靴の中敷に当接する面)における右側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾115及び第5中足骨125に対応する領域に滑り止め部材(以下、第1の滑り止め部材3aと称す)が配設される。
なお、本実施形態に係る左足用靴下10aは、図1(c)に示すように、足底部11dの表地面における着用者の左足の第5趾115、第5中足骨125、第4趾114、第4中足骨124、立方骨130及び踵骨140に対応する領域に第1の滑り止め部材3aが配設される。
また、右足用靴下10bは、足底部11dの表地面における右側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾111及び第1中足骨121に対応する領域に滑り止め部材(以下、第2の滑り止め部材3bと称す)が配設される。
なお、本実施形態に係る右足用靴下10bは、図2(c)に示すように、足底部11dの表地面における着用者の右足の母趾111、第1中足骨121、内側楔状骨150、舟状骨160及び距骨170に対応する領域に第2の滑り止め部材3bが配設される。
第1の滑り止め部材3a及び第2の滑り止め部材3bは、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリウレタン若しくはシリコーン等の軟性の合成樹脂又は天然樹脂を接着樹脂とし、ドット加工(パウダードット、ペースドット、ダブルドット)、パウダー加工、くもの巣加工又はフィルム加工等を接着樹脂の加工方法とするものであり、形状は特に限定されるものではない。
なお、本実施形態に係る第1の滑り止め部材3a及び第2の滑り止め部材3bは、シリコーンゴム製の複数のドット(例えば、直径1mm、高さ1mmの半球形状凸部)により構成され、例えば、シルクスクリーン印刷法を用いて、足底部11dの表地面における所定の領域に液体状のシリコーンゴムを塗布し、塗布したシリコーンゴムを乾燥させて足底部11dの表地面に固着して配設される。
このように、本実施形態に係るソックス10は、第1の滑り止め部材3aが左足用靴下10aの足底部11dの表地面における所定の領域に配設され、第2の滑り止め部材3bが右足用靴下10bの足底部11dの表地面における所定の領域に配設されることにより、トラックのコーナーを左回りに走行する際に走行者(ソックス10の着用者)に生じる遠心力に伴い、走行者が履いた靴の中敷に対するソックス10のコーナー外側に流れる横滑りを抑制して、走行者を前方に推進させる地面からの反力を効率よく受け止め、走行ロスを抑制し、前方への推進力を向上することができる。
なお、本実施形態においては、ベース生地1に用いられる地編糸として、綿50%とエステル50%とで配合され、太さ30デニール、撚り本数1本及び編み本数2本からなる表糸、太さ30デニールのポリウレタンの芯糸と太さ75デニールのエステルの巻き糸とからなるカバーリング・ヤーンである裏糸を用いているが、この材質に限られるものではなく、表糸として、綿、毛(カシミヤ、ラム、アンゴラなど)、絹若しくは麻などの天然繊維、アクリルなどの化学繊維、又は吸汗、速乾若しくは体温調整機能を持つ素材などを、ソックス10のコスト又は着用者のニーズに合わせて選択することが好ましい。また、裏糸として、ナイロン若しくはFTY、又は抗菌、防臭若しくは消臭素材を、ソックス10のコスト又は着用者のニーズに合わせて選択することが好ましい。
また、帯状部2におけるウーリーナイロン糸は、太さ100デニール、撚り本数2本及び編み本数2本からなる。
また、帯状部2におけるゴム糸は、太さ260デニールのポリエーテル系の芯糸と太さ75デニールのエステルの巻き糸とからなるカバーリング・ヤーンである。
(本発明の第2の実施形態)
図3(a)は図1(b)に示す足底部の裏地面を示す平面図であり、図3(b)は図2(b)に示す足底部の裏地面を示す平面図である。図4(a)は足底部の表地面に液体状の滑り止め部材を塗布した状態における図1(c)に示す足底部の矢視A−A’線の断面図であり、図4(b)は図4(a)に示す液体状の滑り止め部材が足底部の内部に染み出している状態における図1(c)に示す足底部の矢視A−A’線の断面図であり、図4(c)は図3(a)に示す足底部の矢視B−B’線の断面図である。図3及び図4において、図1及び図2と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
左足用靴下10aは、足底部11dの裏地面(着用者の足裏に当接する面)における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾115及び第5中足骨125に対応する領域に滑り止め部材(以下、第3の滑り止め部材3cと称す)が配設される。
なお、本実施形態に係る左足用靴下10aは、図3(a)に示すように、足底部11dの裏地面における着用者の左足の第5趾115、第5中足骨125、第4趾114、第4中足骨124、立方骨130及び踵骨140に対応する領域に第3の滑り止め部材3cが配設される。
また、右足用靴下10bは、足底部11dの裏地面における着用者の右足の母趾111及び第1中足骨121に対応する領域に滑り止め部材(以下、第4の滑り止め部材3dと称す)が配設される。
なお、本実施形態に係る右足用靴下10bは、図3(b)に示すように、足底部11dの裏地面における着用者の右足の母趾111、第1中足骨121、内側楔状骨150、舟状骨160及び距骨170に対応する領域に第4の滑り止め部材3dが配設される。
第3の滑り止め部材3c及び第4の滑り止め部材3dは、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリウレタン若しくはシリコーン等の軟性の合成樹脂又は天然樹脂を接着樹脂とし、ドット加工(パウダードット、ペースドット、ダブルドット)、パウダー加工、くもの巣加工又はフィルム加工等を接着樹脂の加工方法とするものであり、形状は特に限定されるものではない。
なお、本実施形態に係る第3の滑り止め部材3c及び第4の滑り止め部材3dは、シリコーンゴム製の複数のドット(例えば、直径1mm、高さ1mmの半球形状凸部)により構成され、例えば、シルクスクリーン印刷法を用いて、左足用靴下10a及び右足用靴下10bをそれぞれ裏返した(足底部11dの裏地面を露出させた)状態で、足底部11dの裏地面における所定の領域に液体状のシリコーンゴムを塗布し、塗布したシリコーンゴムを乾燥させて足底部11dの表地面に固着して配設される。
しかしながら、第3の滑り止め部材3c及び第4の滑り止め部材3dを配設するために、左足用靴下10a及び右足用靴下10bをそれぞれ裏返した状態で、液体状のシリコーンゴムを塗布することは、第1の滑り止め部材3a(第2の滑り止め部材3b)と第3の滑り止め部材3c(第4の滑り止め部材3d)とを一時に形成することができず、製造工程が複雑になる。
これに対し、例えば、シルクスクリーン印刷法を用いて、足底部11dの表地面における所定の領域に液体状のシリコーンゴムを塗布し(図4(a)参照)、塗布したシリコーンゴムが乾燥しないうちに第1の滑り止め部材3a(第2の滑り止め部材3b)の各ドットに対応する半球形状凹部の型で表地面側からシリコーンゴムを押圧して足底部11dの裏地面にシリコーンゴムを染み出させ(図4(b)参照)、第3の滑り止め部材3c(第4の滑り止め部材3d)の各ドットに対応する半球形状凹部の型で染み出したシリコーンゴムを受ける。そして、足底部11dの表地面及び裏地面にあるシリコーンゴムを乾燥させて固着させ、足底部11dの表地面に第1の滑り止め部材3a(第2の滑り止め部材3b)を配設させ、足底部11dの裏地面に第3の滑り止め部材3c(第4の滑り止め部材3d)を配設させる。これにより、第1の滑り止め部材3a(第2の滑り止め部材3b)と第3の滑り止め部材3c(第4の滑り止め部材3d)とを一体として一時に形成することができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
この場合に、左足用靴下10aは、足底部11dの表地面における第1の滑り止め部材3aと、左足用靴下10aの足底部11dの裏地面における第3の滑り止め部材3cとが連通することになる。
また、右足用靴下10bは、足底部11dの表地面における第2の滑り止め部材3bと、右足用靴下10bの足底部11dの裏地面における第4の滑り止め部材3dとが連通することになる。
また、足底部11dの表地面から裏地面へのシリコーンゴムの染み出しを円滑にするために、足底部11dをメッシュ編みにより編成することが好ましい。
なお、この第2の実施形態においては、第1の滑り止め部材3a及び第2の滑り止め部材3bに加えて第3の滑り止め部材3c及び第4の滑り止め部材3dが足底部11dの裏地面における所定の領域に配設されるところのみが第1の実施形態と異なるところであり、第3の滑り止め部材3c及び第4の滑り止め部材3dによる作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
第1の実施形態で前述したように、第1の滑り止め部材3a及び第2の滑り止め部材3bは、走行者が履いた靴の中敷に対するソックス10のコーナー外側に流れる横滑りを抑制することができるのであるが、コーナーの曲率半径が小さい場合や走行者の走行速度が大きい場合に走行者に生じる遠心力が大きくなり、走行者が履いたソックス10(足底部11dの裏地面)及び走行者の足裏間における最大静止摩擦力を超えて、足底部11dの裏地面に対する走行者の足裏が横滑りを起こす可能性がある。
このため、本実施形態に係るソックス10は、第3の滑り止め部材3cが左足用靴下10aの足底部11dの裏地面における所定の領域に配設され、第4の滑り止め部材3dが右足用靴下10bの足底部11dの裏地面における所定の領域に配設されることにより、ソックス10の足底部11dの裏地面に対する走行者の足裏の横滑りを抑制して、走行者を前方に推進させる地面からの反力を効率よく受け止め、走行ロスを抑制し、前方への推進力をさらに向上することができる。
なお、本実施形態に係るソックス10は、足底部11dの裏地面における所定の領域の摩擦係数を上げることができるのであれば、第3の滑り止め部材3c及び第4の滑り止め部材3dに限られるものではなく、例えば、足底部11dの裏地面における所定の領域の編地を凹凸が生じる編地にすることが考えられる。
具体例として、左足用靴下10aは、足底部11dの裏地面における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾115及び第5中足骨125に対応する領域がパイル編みで編成される。
特に、本実施形態に係る左足用靴下10aは、足底部11dの裏地面における着用者の左足の第5趾115、第5中足骨125、第4趾114、第4中足骨124、立方骨130及び踵骨140に対応する領域がパイル編みで編成される。
また、右足用靴下10bは、足底部11dの裏地面における左側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾111及び第1中足骨121に対応する領域がパイル編みで編成される。
特に、本実施形態に係る右足用靴下10bは、足底部11dの裏地面における着用者の右足の母趾111、第1中足骨121、内側楔状骨150、舟状骨160及び距骨170に対応する領域がパイル編みで編成される。
なお、パイル編みで編成される編地は、ベース生地1をなす地編糸に他の編糸(パイル糸)を添えて給糸し、地編糸を表面に、パイル糸を裏面に現すように地編糸とともにパイル糸を編み込み、パイル糸のシンカ・ループを拡大してリング状にパイルを出したパイル編からなる編地である。
このように、本実施形態に係るソックス10は、第3の滑り止め部材3c及び第4の滑り止め部材3dの代替として、足底部11dの裏地面における所定の領域をパイル編みで編成することにより、合成樹脂又は天然樹脂にかぶれる傾向にある着用者に対しても、ソックス10を快適に履かせることができる。
(本発明のその他の実施形態)
前述した第1の実施形態及び第2の実施形態においては、ソックス10(フートウェア)を例に挙げて説明したが、本発明を靴に応用してもよい。
すなわち、一対の左足用靴及び右足用靴からなる靴は、左足用靴の靴底における右側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨(好ましくは、第5趾、第5中足骨、第4趾、第4中足骨、立方骨及び踵骨)に対応する領域に滑り止め部材が配設され、右足用靴の靴底における右側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨(好ましくは、母趾、第1中足骨、内側楔状骨、舟状骨及び距骨)に対応する領域に滑り止め部材が配設される。
また、一対の左足用靴及び右足用靴からなる靴は、左足用靴の中敷における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨(好ましくは、第5趾、第5中足骨、第4趾、第4中足骨、立方骨及び踵骨)に対応する領域に滑り止め部材が配設され、右足用靴の中敷における左側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨(好ましくは、母趾、第1中足骨、内側楔状骨、舟状骨及び距骨)に対応する領域に滑り止め部材が配設される。
特に、第1の実施形態又は第2の実施形態に係るソックス10は、靴底及び中敷における所定の領域に滑り止め部材が配設された靴と組み合わせることにより、ソックス10の第1の滑り止め部材3a及び第2の滑り止め部材3bと靴の中敷の滑り止め部材とが係合し、靴の中敷に対するソックス10のコーナー外側に流れる横滑りを防止して、走行者を前方に推進させる地面からの反力を効率よく受け止め、走行ロスを抑制し、前方への推進力をより向上することができる。
1 ベース生地
2 帯状部
2a 第1の帯状部
2b 第2の帯状部
3a 第1の滑り止め部材
3b 第2の滑り止め部材
3c 第3の滑り止め部材
3d 第4の滑り止め部材
10 ソックス
10a 左足用靴下
10b 右足用靴下
11 足部
11a かかと部
11b 爪先部
11c 足甲部
11d 足底部
12 身部
13 口ゴム部
21 支点
22 作用点
100a 左足
100b 右足
111 母趾
112 第2趾
113 第3趾
114 第4趾
115 第5趾
121 第1中足骨
121a 第1中足骨骨頭部
121b 第1中足骨基底部
124 第4中足骨
125 第5中足骨
125a 第5中足骨骨頭部
125b 第5中足骨基底部
130 立方骨
140 踵骨
150 内側楔状骨
160 舟状骨
170 距骨
180 中足趾節関節
190 足根中足関節

Claims (3)

  1. 一対の左足用靴下及び右足用靴下からなるソックスにおいて、
    前記左足用靴下の足底部の表地面における右側半分の領域のうち着用者の左足第5趾及び第5中足骨に対応する領域にのみ滑り止め部材が配設され、
    前記右足用靴下の足底部の表地面における右側半分の領域のうち着用者の右足母趾及び第1中足骨に対応する領域にのみ滑り止め部材が配設され、
    前記左足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の左足の第5趾及び第5中足骨に対応する領域にのみ滑り止め部材が配設され、
    前記右足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の右足の母趾及び第1中足骨に対応する領域にのみ滑り止め部材が配設され、
    前記左足用靴下の足底部の表地面における滑り止め部材と、前記左足用靴下の足底部の裏地面における滑り止め部材とが連通し、
    前記右足用靴下の足底部の表地面における滑り止め部材と、前記右足用靴下の足底部の裏地面における滑り止め部材とが連通し、
    前記左足用靴下と前記右足用靴下の各滑り止め部材が各靴下足底部の母趾側と第5趾側とにおいて非対称に配置されていることを特徴とするソックス。
  2. 前記請求項1に記載のソックスにおいて、
    前記左足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の左足の少なくとも第5趾及び第5中足骨に対応する領域がパイル編みで編成され、
    前記右足用靴下の足底部の裏地面における左側半分の領域のうち着用者の右足の少なくとも母趾及び第1中足骨に対応する領域がパイル編みで編成されることを特徴とするソックス。
  3. 前記請求項1又は2のいずれかに記載のソックスにおいて、
    ベース生地の周方向の伸縮抵抗に対して周方向の伸縮抵抗の大きい編地からなり、着用者の中足趾節関節及び足根中足関節に対応する部分を周回し、着用者の第1中足骨骨頭部及び第5中足骨基底部を押圧する帯状部を備えることを特徴とするソックス。
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