JP6121597B1 - 免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤およびTh17細胞分化促進剤 - Google Patents

免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤およびTh17細胞分化促進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 エルゴチオネインの生理作用に関する新たな知見に基づき、新規な用途を提供する。【解決手段】 エルゴチオネインを有効成分とする、免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤、免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物、Th17細胞分化促進剤およびTh17細胞分化促進用食品組成物、ならびに、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法およびTh17細胞の分化を促進する方法。本発明によれば、生体の免疫応答を活性化して、あるいは生体のTH17細胞による免疫応答を活性化して、健康増進、各種疾病の改善や治癒、予防に寄与することができる。【選択図】 図5

Description

本発明は、エルゴチオネインを有効成分とする、免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤、免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物、Th17細胞分化促進剤およびTh17細胞分化促進用食品組成物、ならびに、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法およびTh17細胞の分化を促進する方法に関する。
エルゴチオネインは硫黄原子を含むアミノ酸の一種であり、肝臓や血液細胞などの生体内に広く存在している。また、タモギタケなどのキノコ類にも多く含まれている。エルゴチオネインは、従来、抗酸化機能を有することが知られており、この機能を期待して化粧品や健康食品として利用されている。エルゴチオネインの機能としては、その他に、特許文献1には、β−ディフェンシンの産生を促進することが([0007]、[図7]および[図17]など)、特許文献2には、パネト細胞において抗菌物質の産生を促進することが(特許請求の範囲など)、それぞれ開示されている。
特許第4831711号公報 特許第5088911号公報
しかしながら、エルゴチオネインの生理作用については未だ十分に解明されておらず、生理作用の解明およびこれに基づくエルゴチオネインの新規な用途の開発が望まれていた。本発明は、係る課題を解決するためになされたものであって、エルゴチオネインの生理作用に関する新たな知見に基づき、新規な用途として、免疫応答活性化サイトカイン産生促進作用およびTh17細胞分化促進作用を奏する発明を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、エルゴチオネインが、Toll様受容体(TLR)を刺激することによって誘導される免疫応答活性化サイトカインの産生を促進すること、ならびに抗原ペプチドによって誘導されるTh17細胞の分化を促進することを見出した。そこで、これらの知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
(1)本発明に係る免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤は、エルゴチオネインを有効成分とする。
(2)本発明に係る免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤は、さらにToll様受容体リガンドを含むことが好ましい。
(3)本発明に係る免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤は、Th17細胞による免疫応答を促進するための剤であってもよい。
(4)本発明に係る免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤において、エルゴチオネインはタモギタケから抽出したエルゴチオネインであってもよい。
(5)本発明に係る免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物は、エルゴチオネインを有効成分とする。
(6)本発明に係る免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法は、下記(a)〜(c)の工程を有する;
(a)ヒトまたは動物にエルゴチオネインを摂取させる工程、
(b)前記ヒトまたは動物において、Toll様受容体の刺激により免疫応答活性化サイトカインを産生させる工程、
(c)前記ヒトまたは動物において、摂取させたエルゴチオネインにより免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する工程。
(7)本発明に係るTh17細胞分化促進剤は、エルゴチオネインを有効成分とする。
(8)本発明に係るTh17細胞分化促進剤は、さらに抗原ペプチドを含むことが好ましい。
(9)本発明に係るTh17細胞分化促進剤において、エルゴチオネインはタモギタケから抽出したエルゴチオネインであってもよい。
(10)本発明に係るTh17細胞分化促進用食品組成物は、エルゴチオネインを有効成分とする。
(11)本発明に係るTh17細胞の分化を促進する方法は、下記(d)〜(f)の工程を有する;
(d)ヒトまたは動物にエルゴチオネインを摂取させる工程、
(e)前記ヒトまたは動物において、抗原ペプチドの刺激によりTh17細胞を分化させる工程および
(f)前記ヒトまたは動物において、摂取させたエルゴチオネインによりTh17細胞の分化を促進する工程。
本発明の免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤等によれば、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進することができるため、生体の免疫応答を活性化して、健康増進、各種疾病の改善や治癒、予防に寄与することができる。
また、本発明のTh17細胞分化促進剤等によれば、Th17細胞の分化を促進することができるため、生体のTH17細胞による免疫応答を活性化して、健康増進、各種疾病の改善や治癒、予防に寄与することができる。
また、エルゴチオネインは、食用キノコに多く含有されることから、安全性の高い物質であるといえる。したがって、本発明によれば、免疫応答活性化サイトカインの産生やTh17細胞の分化を効果的に促進することができ、かつ、安全性も高く、日常的に簡便に摂取することができる様々な食品や医薬品等を得ることができる。
骨髄由来マクロファージの培養上清に含まれるサイトカインの濃度を示す棒グラフである。AはIL−6、BはIL−12、CはIL−10の濃度をそれぞれ示す。図中、「EGT(mM)」は培地におけるエルゴチオネインの濃度を、「培養時間」はエルゴチオネインの事前投与における培養時間を、それぞれ示す。 各種のTLRリガンド(Pam2CSK4、Pam3CSK4、LPSおよびガーディキモド)で刺激した骨髄由来マクロファージの培養上清に含まれるサイトカインの濃度を示す棒グラフである。AはIL−6、BはIL−12、CはIL−1β、DはIL−10の濃度をそれぞれ示す。図中、「EGT(mM)」は培地におけるエルゴチオネインの濃度を示す。また、「*」はP値<0.05、「**」はP値<0.005、「***」はP値<0.0005、「n.s.」は有意差無し、「n.d.」は検出限界以下をそれぞれ示す。 各種のTLRリガンド(Pam2CSK4、Pam3CSK4、LPSおよびガーディキモド)で刺激した骨髄由来マクロファージにおける、各種のサイトカインの遺伝子発現量を示す棒グラフである。AはIL−6、BはIL−12、CはIL−1β、DはIL−10、EはIL−12p35、FはIL−23p19の遺伝子発現量をそれぞれ示す。図中、「EGT(mM)」は培地におけるエルゴチオネインの濃度を示す。また、「*」はP値<0.05、「**」はP値<0.005、「***」はP値<0.0005、「n.s.」は有意差無しをそれぞれ示す。 共培養したF4/80陽性細胞およびCD4陽性細胞の培養上清に含まれるIL−17Aの濃度を示す棒グラフである。図中、「EGT(mM)」は培地におけるエルゴチオネインの濃度を示す。また、「*」はP値<0.05、「**」はP値<0.005、「n.d.」は検出限界以下をそれぞれ示す。 エルゴチオネインまたはPBSを摂取させた後Pam2CSK4を注射したマウスの、血清に含まれるIL−6の濃度を示す折れ線グラフである。「*」はP値<0.05を示す。
以下、本発明に係る免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤、免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物、Th17細胞分化促進剤およびTh17細胞分化促進用食品組成物、ならびに、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法およびTh17細胞の分化を促進する方法について詳細に説明する。
本発明において、「免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤」とは、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する剤をいう。また、「免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物」とは、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する食品組成物をいう。
本発明の「Th17細胞分化促進剤」とは、Th17細胞の分化を促進する剤をいう。また、「Th17細胞分化促進用食品組成物」とは、Th17細胞の分化を促進する食品組成物をいう。
ここで、「サイトカイン」とは、免疫システムの細胞が産生して分泌するタンパク質であって、細胞間情報伝達を担う一群の液性因子をいう。サイトカインは、細胞表面の膜上に存在する受容体に結合して、特有の細胞内シグナル伝達経路の引き金を引き、結果的に細胞に生化学的あるいは形態的な変化をもたらす。サイトカインには、多くの種類が存在し、そのような種類としては、例えば、コロニー刺激因子(CSF)や顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、エリスロポエチン(EPO)などの造血因子、上皮成長因子(EGF)や繊維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)などの細胞増殖因子、腫瘍壊死因子α(TNF−α)やリンフォトキシンα(LT−α)、LT−βなどの腫瘍壊死因子(TNF)、レプチンやTNF−αなどのアディポカイン、神経成長因子(NGF)などの神経栄養因子、インターロイキン(IL)、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン、インターフェロン(IFN)、トランスフォーミング成長因子(TGF)などを挙げることができる。
本発明の「免疫応答活性化サイトカイン」とは、これらのうち、特に、ヒトや動物における免疫応答を活性化させる働きを有するサイトカインをいう。免疫応答活性化サイトカインとして、具体的には、例えば、インターロイキン6(IL−6)やインターロイキン1β(IL−1β)、TNF−α、インターフェロンγ(IFN−γ)、インターロイキン8(IL−8)などの炎症性サイトカイン(炎症症状を引き起こすサイトカイン)や、インターロイキン12(IL−12)、インターロイキン23(IL−23)などを挙げることができる。
一方、免疫応答を抑制するサイトカインとしては、インターロイキン4(IL−4)やインターロイキン10(IL−10)、トランスフォーミング成長因子β(TGF−β)などを挙げることができ、これらは、「抗炎症性サイトカイン」あるいは「抑制性サイトカイン」と総称される。
本発明に係る免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤および免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物は、後述する実施例1、2および4で示すように、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進し、抑制性サイトカインの産生を抑制することができる。特に、免疫応答活性化サイトカインのうち、Th17細胞の分化誘導に寄与することが知られているIL−6、および、Th17細胞の生存や機能維持に寄与することが知られているIL−23の産生を促進することから、本発明は、Th17細胞による免疫応答を促進するために用いることができる。
ここで、「Th17細胞」は、インターロイキン17(IL−17)を産生するヘルパーT細胞をいい、ナイーブT細胞から分化する。IL−17産生細胞は、細胞内寄生菌(マイコバクテリウム)感染症への防御に寄与することが確認されている(Elena Zenaro et. al., Journal of Leukocyte Biology, Vol. 86, Dec. 2009, 1393-1401; 第1400頁第6段落など)。また、IL−17は、ヒトおよびマウスにおいて、真菌感染症への防御に寄与することが確認されている(Eva Bar et. al., Immunity 40, 117-127, Jan. 16, 2014; Summaryなど)。
従って、本発明のTh17細胞分化促進剤およびTh17細胞分化促進用食品組成物は、Th17細胞の分化を促進することにより、細菌や真菌の感染症の予防や治療に用いることができる。同様に、本発明の免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤および免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物もまた、Th17細胞による免疫応答を促進することにより、細菌や真菌の感染症の予防や治療に用いることができる。
本発明の免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤、免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物、Th17細胞分化促進剤およびTh17細胞分化促進用食品組成物はいずれも、エルゴチオネインを有効成分とする。
本発明において、「エルゴチオネイン」は、試薬や健康食品などとして市販されているものを用いてもよく、キノコなどの天然物質から抽出・精製等したものを用いてもよい。エルゴチオネインはキノコの中でもタモギタケに多く含有されるため、本発明のエルゴチオネインを天然物質から得る場合、タモギタケから抽出することが好ましい。
エルゴチオネインをタモギタケから抽出する方法としては、下記の方法を挙げることができる。まず、 生のタモギタケ150kg〜200kgを水200Lに入れて加熱し、沸騰させた状態で5分間煮出した後、濾過して150Lの濾液を得る。この濾液について、5000rpm、10℃の条件下で30分間遠心分離を行って135Lの上清を回収する。5×30cmのカラムに充填したイオン交換樹脂(アンバーライトIR120B H型;オルガノ社)に、回収した上清のうちの7.5Lを入れ、一晩自然落下させる。続いて、イオン交換樹脂を回収し、蒸留水2.5Lを用いて洗浄して糖質成分を除去した後、0.28%(w/w)アンモニア水10Lを用いて溶出し、イオン交換樹脂に吸着していた陽イオン性化合物を含む溶出液10mLを得る。ロータリーエバポレーターを用いてこの溶出液を濃縮した後、下記の条件により定法に従って高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行い、流出開始3〜4分に検出されるピークの画分を分取する。分取した画分を合わせた後、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥することにより、粉末状のタモギタケ由来エルゴチオネイン1.7g(7.4mmol)を得ることができる。
HPLCの条件
HPLCシステム;日立高速液体クロマトグラフLaChrom Elite
溶離溶媒;0〜1%(v/v)アセトニトリル水溶液
カラム;Inertsil ODS−SP(ジーエルサイエンス社)
検出器;UV検出器
検出条件;250nm
また、本発明の免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物は、エルゴチオネインの他に、Toll様受容体リガンド(Toll-like receptor ligand;TLRリガンド)を含むことが好ましい。
「Toll様受容体リガンド(TLRリガンド)」とは、Toll様受容体(Toll-like receptor;TLR)」のリガンドであり、「TLRアゴニスト」ともいう。ここで、TLRは、一般に、ヒトまたは動物の細胞表面またはエンドソームに存在する受容体タンパク質であり、種々の病原体をリガンドとして結合して、シグナル伝達系を活性化し、サイトカイン産生などの免疫反応を作動させる機能を有する。TLRには複数の種類が存在し、例えば、ヒトでは10種類が知られていて、TLR1〜10と呼ばれる。
本発明の「TLRリガンド」は、TLRに結合して免疫応答活性化サイトカインを産生させる物質であればよい。ここで、ある物質が、「TLRに結合して免疫応答活性化サイトカインを産生させるか否か」は、定法に従って確認することができる。すなわち、後述する実施例1(3)および(4)に示すように、マクロファージなどのTLRを発現している培養細胞の培地に、被検物質を添加して所定の時間培養する。また、比較対照として、被検物質を添加しないで同様に培養する。その後、培養上清中の免疫応答活性化サイトカインの濃度を、エライザまたはフローサイトメーターを用いたビーズアレイ法(Cytometric Bead Array;CBA)により測定する。被検物質を添加した場合の方が、添加しない場合と比較して当該濃度が大きければ、被検物質は「TLRに結合して免疫応答活性化サイトカインを産生させる」と判断することができる。
本発明の「TLRリガンド」として、具体的には、例えば、リポ多糖(LPS)などのTLR1/4リガンド、合成ジアシル化リポタンパク質などのTLR2/6リガンド、合成トリアシル化リポタンパク質などのTLR1/2リガンド、加熱処理細菌(Heat-Killed Bacteria)やリポグリカン、リポテイコ酸、ペプチドグリカン、合成リポタンパク質、ザイモサンなどのTLR2リガンド、Poly(I:C)やウイルス二本鎖DNAなどのTLR3リガンド、リピドA(Monophosphoryl Lipid A)などのTLR4リガンド、フラジェリンなどのTLR5リガンド、イミダノキノリン化合物(ガーディキモド、イミキモドなど)やグアノシンアナログなどのTLR7リガンド、一本鎖RNAや大腸菌RNAなどのTLR8リガンド、チアゾロキノリン化合物やイミダゾキノリン化合物、ウイルス一本鎖RNAなどのTLR7/8リガンド、CpGモチーフをもつDNAなどのTLR9リガンドを挙げることができる。本発明において、TLRリガンドは、例えば、試薬として市販されているものを用いることができる他、定法に従って化学合成してもよく、細菌やウイルスから定法に従って抽出・精製等したものを用いてもよい。
本発明において「免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する」とは、免疫応答活性化サイトカインの産生量を増大させることをいう。被検物質が「免疫応答活性化サイトカインの産生を促進するか否か」は、定法に従って確認することができる。すなわち、後述する実施例1(1)〜(4)に示すように、まず、マクロファージなどの免疫応答活性化サイトカインを産生する能力を有する培養細胞の培地に被検物質を添加して所定の時間培養する。また、比較対照として、被検物質を添加しないで同様に培養する。続いて、TLRリガンドを添加して所定の時間培養する。その後、培養上清中の免疫応答活性化サイトカインの濃度を、エライザまたはCBAにより測定する。被検物質を添加した場合の方が、添加しない場合と比較して当該濃度が大きければ、被検物質は「免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する」と判断することができる。
本発明において、被検物質が「Th17細胞の分化を促進するか否か」は、IL−17の産生量を測定することにより確認することができる。すなわち、後述する実施例3(1)〜(4)に示すように、まず、F4/80陽性細胞などの抗原提示細胞の培地に被検物質を添加して所定の時間培養する。また、比較対照として、被検物質を添加しないで同様に培養する。続いて、当該抗原提示細胞とナイーブT細胞とを、抗原ペプチドの存在下で所定の時間共培養する。その後、培養上清中のIL−17の濃度を、エライザまたはCBAにより測定する。被検物質を添加した場合の方が、添加しない場合と比較してIL−17の濃度が大きければ、被検物質は「Th17細胞の分化を促進する」と判断することができる。
ここで、「抗原ペプチド」とは、一般に、生体にとって異物として認識される抗原タンパク質のアミノ酸配列に由来するペプチドであって、抗原提示細胞の細胞表面に抗原提示されるペプチドをいう。
本発明のTh17細胞分化促進剤およびTh17細胞分化促進用食品組成物は、エルゴチオネインの他に、抗原ペプチドを含むことが好ましい。
本発明の抗原ペプチドは、抗原提示細胞の細胞表面に抗原提示されうる限り、そのアミノ酸配列および配列長は特に限定されない。抗原ペプチドとして、具体的には、例えば、細菌やウイルス、原虫などの抗原タンパク質に由来する抗原ペプチドの他、トリ卵白アルブミン(Ovalbumin;OVA)の323〜339番目のアミノ酸配列からなるペプチドを挙げることができる。ここで、抗原タンパク質として、具体的には、例えば、サルモネラ菌やネズミチフス菌のフラジェリンタンパク質、インフルエンザウイルスのM2タンパク質、マラリア原虫のSERA(Serine Repeat Antigen)タンパク質、B群連鎖球菌のGBS80タンパク質、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)のpg40エンベロープタンパク質、HIVウイルスのgp120またはgp160エンベロープタンパク質、ヒトパピローマウイルスのE6、E7、またはL2タンパク質、C型肝炎ウイルスHCVのE2・NS1エンベロープ糖タンパク質、フラビウイルス属のNS1非構造タンパク質またはDI・II・IIIタンパク質、アミロイドベータ(Aβ)タンパク質、ペスチウイルス属のgp53タンパク質、豚コレラウイルスのgp55エンベロープタンパク質、パルポウイルスのVP2カプシドタンパク質、ホワイトスポット症候群ウイルスのVP28エンベロープタンパク質などを挙げることができる。
本発明の抗原ペプチドは、試薬として市販されているものを用いてもよく、上述の抗原タンパク質の公知のアミノ酸配列情報に基づいて、その一部に相当するアミノ酸配列からなる抗原ペプチドを、化学合成または遺伝子工学的に合成して用いてもよい。化学合成する場合は、例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)などの化学合成法により合成することができる他、各種の市販のペプチド合成機を利用して合成することもできる。また、遺伝子工学的に合成する場合は、例えば、抗原ペプチドのアミノ酸配列をコードするDNAを、適当なベクターに挿入して組換えベクターを得た後、その組換えベクターを大腸菌等の適当な宿主に導入して形質転換体を得る。そして、得られた形質転換体を培養して当該DNAを発現させることにより、抗原ペプチドを得ることができる。
本発明に係る免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法は、下記(a)〜(c)の工程を有する;
(a)ヒトまたは動物にエルゴチオネインを摂取させる工程、
(b)前記ヒトまたは動物において、Toll様受容体(TLR)の刺激により免疫応答活性化サイトカインを産生させる工程、
(c)前記ヒトまたは動物において、摂取させたエルゴチオネインにより免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する工程。
なお、本方法において、上述した「免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤」および「免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物」と同じまたは相当する構成については、再度の説明は省略する。
本発明において、「ヒトまたは動物」には、ヒトまたは動物に由来する培養細胞も含まれる。
(a)の工程は、生体(in vivo)のヒトまたは動物に対しては、エルゴチオネインをそのまま、あるいは飲食物や飼料、医薬品などの形態で、経口摂取させることにより行うことができる。また、エルゴチオネインを含有する液体状、ゲル状ないしクリーム状の組成物を塗布、貼付あるいは噴霧するなどして経皮吸収させてもよく、座薬や注射により摂取させてもよい。また、ヒトまたは動物に由来する培養細胞に対しては、エルゴチオネインを培地に添加することにより摂取させることができる。
(b)の工程は、エルゴチオネインを摂取させたヒトまたは動物において、TLRの刺激により免疫応答活性化サイトカインを産生させる工程である。すなわち、当該ヒトまたは動物において、TLRが刺激された結果、免疫応答活性化サイトカインが産生された状態となればよい。
なお、本発明において「TLRが刺激される」とは、TLRを発現しているヒト、動物ないし培養細胞においてTLRにTLRリガンドが結合することをいう。すなわち、「TLRを刺激する」とは、TLRにTLRリガンドを結合させることをいう。
TLRの刺激は、例えば、当該ヒトまたは動物に、TLRリガンドを摂取させることにより行うことができる。TLRリガンドを摂取させる方法は、上述した(a)の工程におけるエルゴチオネインを摂取させる方法と同様の方法を挙げることができる。
(c)の工程において、摂取させたエルゴチオネインにより免疫応答活性化サイトカインの産生が促進されたか否かは、定法に従って確認することができる。すなわち、培養細胞に対しては、上述の「被検物質が免疫応答活性化サイトカインの産生を促進するか否かを確認する方法」で確認することができる。一方、生体(in vivo)のヒトまたは動物に対しては、後述する実施例4に示すように、血清を採取して、当該血清に含まれる免疫応答活性化サイトカインの濃度を、エライザまたはCBAにより測定する。エルゴチオネインを摂取した場合の方が、摂取しない場合と比較して当該濃度が大きければ、「摂取させたエルゴチオネインにより免疫応答活性化サイトカインの産生が促進された」と判断することができる。
本発明に係るTh17細胞の分化を促進する方法は、下記(d)〜(f)の工程を有する;
(d)ヒトまたは動物にエルゴチオネインを摂取させる工程、
(e)前記ヒトまたは動物において、抗原ペプチドの刺激によりTh17細胞を分化させる工程および
(f)前記ヒトまたは動物において、摂取させたエルゴチオネインによりTh17細胞の分化を促進する工程。
なお、本方法において、上述した「免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤」、「免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物」、「免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法」、「Th17細胞分化促進剤」および「Th17細胞分化促進用食品組成物」と同じまたは相当する構成については、再度の説明は省略する。
(d)の工程は、上述した「免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法」の(a)の工程と同様に行うことができる。
(e)の工程は、エルゴチオネインを摂取させたヒトまたは動物において、抗原ペプチドの刺激によりTh17細胞を分化させる工程である。すなわち、当該ヒトまたは動物が抗原ペプチドの刺激を受けた結果、Th17細胞が分化した状態となればよい。ここで、「抗原ペプチドの刺激を受ける」とは、当該ヒトまたは動物における抗原提示細胞が抗原ペプチドに接触することをいう。
(e)の工程は、簡便には、当該ヒトまたは動物に、抗原ペプチドを摂取させることにより行うことができる。抗原ペプチドを摂取させる方法は、上述した「免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法」の(a)の工程におけるエルゴチオネインを摂取させる方法と同様の方法を挙げることができる。
「抗原ペプチドの刺激を受けた結果、Th17細胞が分化したか否か」は、IL−17の産生量を測定することにより確認することができる。すなわち、培養細胞については培養上清中の、生体(in vivo)のヒトまたは動物については血清中のIL−17の濃度を、エライザまたはCBAにより測定する。抗原ペプチドの刺激を受けた場合の方が、抗原ペプチドの刺激を受けない場合と比較してIL−17の濃度が大きければ、「抗原ペプチドの刺激を受けた結果、Th17細胞が分化した」と判断することができる。
(f)の工程において、摂取させたエルゴチオネインによりTh17細胞の分化が促進されたか否かは、定法に従って確認することができる。すなわち、培養細胞に対しては、上述の「被検物質がTh17細胞の分化を促進するか否かを確認する方法」で確認することができる。一方、生体(in vivo)のヒトまたは動物に対しては、血清を採取して、当該血清に含まれるIL−17の濃度を、エライザまたはCBAにより測定する。エルゴチオネインを摂取した場合の方が、摂取しない場合と比較して当該濃度が大きければ、「摂取させたエルゴチオネインによりTh17細胞の分化が促進された」と判断することができる。
本発明の免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤およびTh17細胞分化促進剤(以下、まとめて「本発明の剤」という場合がある。)の具体的な態様としては、例えば、医薬品や医薬部外品、食品添加物、サプリメントなどの健康食品などを挙げることができる。本発明の剤の製剤化には、当業者に公知の方法を用いることができる。
本発明の剤を医薬品や医薬部外品、サプリメントとして用いる場合の剤型としては、例えば、液剤、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、コーティング剤、懸濁剤、ジェル剤、吸入剤、注射剤、点滴剤、糖衣剤、ドライシロップ剤、シロップ剤、ドロップ剤、ドリンク剤座薬、塗布剤、噴霧剤、貼付剤、軟膏、クリームなどを挙げることができる。
本発明の剤の摂取量は、摂取させる対象の年齢や体重、症状、摂取方法などによって適宜設定することができる。
本発明の免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物およびTh17細胞分化促進用食品組成物(以下、まとめて「本発明の食品組成物」という場合がある。)の具体的な態様としては、例えば、食用に供するペースト、水煮、レトルト食品、ベビーフード、発酵食品、保存食、乳製品、水産加工品、食肉加工品、穀物加工品などの加工食品や飲料、食品添加物、サプリメントなどの健康食品、動物飼料などを挙げることができる。
本発明の食品組成物は、各種の飲食品や動物飼料、食品添加物の通常の製造過程において、その有効成分を添加して製造することができる。
次に、本発明の各実施例について説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
以下の実施例において、エルゴチオネインは、試薬のL−エルゴチオネイン(TETRAHEDRON社)を用いた。また、特に記載の無い場合、細胞の培養は37℃、5(v/v)%CO条件下で行った。
<実施例1>サイトカイン産生に対する効果の検討
(1)骨髄由来マクロファージの調製
C57BL/6マウス(雌、6〜10週齢;日本クレア社)由来の骨髄細胞を6日間培養し、これを骨髄由来マクロファージ(bone marrow-derived macrophages;BMDM)とした。培地は、10(v/v)%(fetal bovine serum;FBS)、100mU/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシンおよび30(v/v)%のL929細胞ならし培地(conditioned medium)を含むRPMI1640培地を用いた。培地は3日毎に新しいものに交換した。
(2)エルゴチオネインの事前投与
本実施例1(1)のBMDMの培地に1mMまたは10mMとなるようL−エルゴチオネイン(TETRAHEDRON社)を添加して、3〜24時間培養した。また、比較対照として、エルゴチオネインに代えて同量のリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline;PBS)を添加し、同様に培養した。
(3)Toll様受容体の刺激
Toll様受容体リガンド(TLRリガンド)により、BMDMのToll様受容体(TLR)を刺激した。具体的には、本実施例1(2)のBMDMの培地に、ガーディキモド(インビトロジェン社)を1μg/mLとなるよう添加して24時間培養し、これをTLRリガンド有り」の試料とした。また、TLRを刺激しない比較対照として、ガーディキモドに代えて同量のPBSを培地に添加して同様に培養し、これを「TLRリガンド無し」の試料とした。
(4)サイトカイン濃度の測定
本実施例1(3)のBMDMの培養上清に含まれるIL−6、IL−12p40およびIL−10の濃度を測定した。IL−6およびIL−10の濃度は、BD Cytometric Bead Array (CBA) Mouse IL-6 Flex SetおよびMouse IL-10 Flex Set(BD Bioscience社)を用いて、フローサイトメーターを用いたビーズアレイ法(CBA)を使用書に従って行うことにより測定した。また、IL−12p40の濃度は、Mouse IL-12/23 p40 ELISA MAX Deluxe(Biolegend社)を用いて、エライザを使用書に従って行うことにより測定した。測定値について、各条件における3試料の平均値および標準偏差を求めた。その結果を図1に示す。
図1に示すように、TLRリガンド無しの場合は、培地におけるエルゴチオネインの濃度が0、1および10mMのいずれの試料でも、IL−6、IL−12p40およびIL−10が検出されなかった。すなわち、TLRを刺激しなかった場合は、エルゴチオネインの有無に関わらず、IL−6、IL−12p40およびIL−10が検出されなかった。
その一方で、TLRリガンド有りの場合は、培地におけるエルゴチオネインの濃度が0、1および10mMのいずれの試料でも、IL−6、IL−12p40およびIL−10のいずれも検出された。そして、エルゴチオネインの濃度が大きいほど、あるいは事前投与の培養時間が長いほど、IL−6およびIL−12p40の濃度が大きく、IL−10の濃度が小さかった。特に、エルゴチオネインの事前投与の培養時間が12時間以上または濃度が10mM以上において、IL−6およびIL−12p40の濃度が顕著に大きかった。
すなわち、エルゴチオネインは、TLRの刺激により誘導されるIL−6およびIL−12の産生を促進し、IL−10の産生を抑制することが示された。また、IL−6およびIL−12の産生促進効果は、エルゴチオネインの事前投与の培養時間が24時間以上または濃度が10mM以上である場合に、顕著に大きくなることが示された。これらの結果から、エルゴチオネインはTLRの刺激により誘導される免疫応答活性化サイトカインの産生を促進することが明らかになった。
<実施例2>サイトカイン産生促進効果におけるTLRリガンドの検討
(1)サイトカイン濃度の測定
実施例1(1)〜(4)に記載の方法により、BMDMにエルゴチオネインを投与した後TLRを刺激し、培養上清のサイトカイン濃度を測定した。ただし、エルゴチオネインの濃度は0または10mMとした。また、TLRリガンドは、合成ジアシル化リポタンパク質(Pam2CSK4;CS Bio社)(50nM)、合成トリアシル化リポタンパク質(Pam3CSK4;;Boehringer Mannheim社)(100ng/mL)、リポ多糖(LPS;シグマ社))(100ng/mL)およびイミダゾキノリン化合物(ガーディキモド;インビトロジェン社)(1μg/mL)を、括弧内の濃度となるよう培地に添加して用いた。また、サイトカインは、IL−6、IL−12p40、IL−1βおよびIL−10の濃度を測定した。IL−1βの濃度は、CBA Mouse IL-1β Flex set(BD Bioscience社)を用いてCBAを使用書に従って行うことにより測定した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、TLRリガンド無しの場合は、エルゴチオネインの濃度が0および10mMのいずれの試料でも、IL−6、IL−12p40、IL−1βおよびIL−10が検出されなかった。すなわち、TLRを刺激しなかった場合は、エルゴチオネインの有無に関わらず、IL−6、IL−12p40、IL−1βおよびIL−10が検出されなかった。
その一方で、TLRリガンド有りの場合は、IL−6、IL−12p40、IL−1βおよびIL−10のいずれも検出された。そして、TLRリガンドとしてPam2CSK4、Pam3CSK4およびガーディキモドを用いた場合は、エルゴチオネインの濃度が10mMの方が0mMと比較してIL−6、IL−12p40およびIL−1βの濃度が大きく、IL−10の濃度が小さかった。TLRリガンドとしてLPSを用いた場合は、エルゴチオネインの濃度が10mMの方が0mMと比較してIL−6およびIL−12p40の濃度が大きく、IL−1βおよびIL−10の濃度が小さかった。
すなわち、エルゴチオネインは、各種のTLRリガンドによるTLRの刺激で誘導されるIL−6、IL−12およびIL−1βの産生を促進し、IL−10の産生を抑制することが示された。これらの結果から、エルゴチオネインは、幅広いTLRリガンドによるTLRの刺激で誘導される免疫応答活性化サイトカインの産生を促進することが明らかになった。
(2)サイトカイン遺伝子の発現量の測定
本実施例2(1)のBMDMについて、IL−6、IL−12p40、IL−1β、IL−10、IL−12p35およびIL−23p19の遺伝子発現量を定量RT−PCR法により測定した。具体的には、まず、RNeasy Mini prep Kit(キアゲン社)を用いて、BMDMから全RNAを抽出した。続いて、この全RNAを鋳型として、High-capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems社)およびランダムヘキサマーを用いてcDNAを作製した。次に、このcDNAを鋳型として、各サイトカイン遺伝子に特異的なプライマー(配列は以下に示す)、PCR試薬「SYBR GREEN PCR Master Mix」(Applied Biosystems社)およびPCR装置「StepOne Real-Time PCR system」(Applied Biosystems社)を用いて定量PCRを行った。定量結果はマウスGAPDH遺伝子の発現量で補正し、「エルゴチオネインの濃度が0mMかつTLRリガンド無し」の場合の遺伝子発現量を1として、それに対する増加量(倍数)で表した。その結果を図3に示す。
《遺伝子特異的なプライマーの配列》
マウスGAPDH フォワード;5’-GCCTGGAGAAACCTGCCA-3’(配列番号1)
マウスGAPDH リバース;5’-CCCTCAGATGCCTGCTTCA-3’(配列番号2)
マウスIL−12p35フォワード;5’-ATGTGTCTCCCAAGGTCAGC-3’(配列番号3)
マウスIL−12p35リバース;5’-ATGACCCTGGCCAAACTGAG-3’(配列番号4)
マウスIL−12p40フォワード;5’-AATGTCTGCGTGCAAGCTCA-3’(配列番号5)
マウスIL−12p40リバース;5’-ATGCCCACTTGCTGCATGA-3’(配列番号6)
マウスIL−23p19フォワード;5’-TCTGCATGCTAGCCTGGAAC-3’(配列番号7)
マウスIL−23p19リバース;5’-TGGCTGTTGTCCTTGAGTCC-3’(配列番号8)
マウスIL−6 フォワード;5’-GTTCTCTGGGAAATCGTGGA-3’(配列番号9)
マウスIL−6 リバース;5’-TCCAGTTTGGTAGCATCCATC-3’(配列番号10)
マウスIL−10 フォワード;5’-GGCGCTGTCATCGATTTCTC-3’(配列番号11)
マウスIL−10 リバース;5’-TGCTCCACTGCCTTGCTCTTA-3’(配列番号12)
マウスIL−1β フォワード;5’-TGACGGACCCCAAAAGATGA-3’(配列番号13)
マウスIL−1β リバース;5’-TGCTGCTGCGAGATTTGAAG-3’(配列番号14)
図3に示すように、TLRリガンド無しの場合は、エルゴチオネインの濃度が10mMにおいて、IL−6、IL−12p40、IL−1βおよびIL−10の遺伝子発現量の増加は認められなかった。すなわち、TLRを刺激しなかった場合は、エルゴチオネインを添加しても、IL−6、IL−12p40、IL−1βおよびIL−10の遺伝子発現量は増加しなかった。
その一方で、TLRリガンド無しの場合でも、エルゴチオネインの濃度が10mMにおいて、IL−12p35およびIL−23p19の遺伝子発現量の増加が認められた。この結果から、エルゴチオネインは、単独で、マクロファージからのIL−12およびIL−23の遺伝子発現を促進することが明らかになった。
また、TLRリガンドとしてPam2CSK4、Pam3CSK4、LPSおよびガーディキモドを用いた場合は、エルゴチオネインの濃度が0および10mMのいずれにおいても、IL−6、IL−12p40、IL−1β、IL−10、IL−12p35およびIL−23p19の遺伝子発現量の増加が認められた。そして、この場合は、エルゴチオネインの濃度が10mMの方が0mMと比較してIL−6、IL−12p40、IL−1β、IL−12p35およびIL−23p19の遺伝子発現の増加量が大きく、IL−10の遺伝子発現の増加量が小さかった。
すなわち、エルゴチオネインは、各種のTLRリガンドによるTLRの刺激で誘導されるIL−6、IL−12、IL−1βおよびIL−23の遺伝子発現を促進し、IL−10の遺伝子発現を抑制することが示された。これらの結果から、エルゴチオネインは幅広いTLRリガンドによるTLRの刺激で誘導される免疫応答活性化サイトカインの産生を促進することが明らかになった。
<実施例3>Th17細胞分化に対する効果の検討
(1)F4/80陽性細胞およびCD4陽性細胞の調製
抗原提示細胞として、F4/80陽性細胞を調製した。F4/80陽性細胞は、C57BL/6マウス(雌、6〜10週齢;日本クレア社)由来の脾臓細胞をビオチン結合F4/80抗体(Biolegend社)で標識し、ストレプトアビジンマイクロビーズ(MiltenyBiotec社)を用いて単離することにより調製した。
また、ナイーブT細胞として、CD4陽性細胞を調製した。CD4陽性細胞は、トリ卵白アルブミン(OVA)に対するT細胞受容体を発現するOT−IIトランスジェニックマウス(北里大学の岩淵博士より供与)の脾臓から、CD4抗体結合マイクロビーズ(MiltenyBiotec社)を用いて単離した。
(2)抗酸化物質の事前投与
本実施例3(1)のF4/80陽性細胞の培地に、エルゴチオネインまたはN−アセチル−L−システイン(NAC;シグマ社)を添加して24時間培養した。エルゴチオネインは30mM、NACは10mMとなるよう添加した。なお、NACは抗酸化物質として知られているグルタチオンの前駆物質である。また、抗酸化物質を投与しない比較対照の試料として、エルゴチオネインおよびNACに代えて同量のPBSを添加して同様に培養した。培地は、10(v/v)%FBS、1mMの4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid(HEPES)、55μMの2−メルカプトエタノール、100mU/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシンを含むRPMI1640培地を用いた。
(3)CD4陽性細胞との共培養
文献(Yabu Mら、IL-23-dependent and -independent enhancement pathways of IL-17A production by lactic acid. Int Immunol. 2011;23: 29-41. doi:10.1093/intimm/dxq455)に記載の方法に従って、F4/80陽性細胞とCD4陽性細胞との共培養を行った。すなわち、本実施例3(2)のF4/80陽性細胞と本実施例3(1)のCD4陽性細胞とを同数(1×10個ずつ)混合し、抗原ペプチドおよびTLRリガンドの存在下または非存在下で3.5日間共培養した。なお、「抗原ペプチドの存在下」とする場合は、トリ卵白アルブミンの323〜339番目のアミノ酸配列(ISQAVHAAHAEINEAGR;配列番号15)からなるペプチド(OVA323−339ペプチド;MBLライフサイエンス社)を、0.1μg/mLとなるよう培地に添加した。「抗原ペプチドの非存在下」とする場合は、OVA323−339ペプチドに代えて同量のPBSを添加した。また、「TLRリガンドの存在下」とする場合は、Pam2CSK4(CS Bio社)を50nMとなるよう培地に添加した。「TLRリガンドの非存在下」とする場合は、Pam2CSK4に代えて同量のPBSを添加した。
(4)サイトカイン濃度の測定
本実施例3(3)の培養上清中のIL−17Aの濃度を、CBA Mouse IL-17A Flex set(BD Bioscience社)を用いてCBAを使用書に従って行うことにより測定した。その結果を図4に示す。
図4に示すように、OVA323−339ペプチドを添加しない場合は、培地におけるエルゴチオネインまたはNACの濃度が0、10mMまたは30mMのいずれの試料でも、IL−17Aが検出されなかった。すなわち、抗原ペプチドの非存在下では、エルゴチオネインまたはNACの有無に関わらず、IL−17Aが検出されなかった。
その一方で、OVA323−339ペプチドを添加した場合は、培地におけるエルゴチオネインまたはNACの濃度が0mMならびにエルゴチオネインの濃度が30mMの試料でIL−17Aが検出され、NACの濃度が10mMの試料ではIL−17Aがほとんど検出されなかった。そして、エルゴチオネインを添加したものと添加しないものとを比較すると、エルゴチオネインを添加した方が、IL−17Aの濃度が大きかった。これに対して、NACを添加したものと添加しないものとを比較すると、NACを添加した方がIL−17Aの濃度が小さかった。また、OVA323−339ペプチドを添加し、かつエルゴチオネインを事前投与した場合において、Pam2CSK4を添加したものと添加しないものとを比較すると、Pam2CSK4を添加した方がIL−17Aの濃度が大きかった。
すなわち、NACはOVA323−339ペプチドにより誘導されるTh17細胞の分化を抑制するのに対して、エルゴチオネインはOVA323−339ペプチドにより誘導されるTh17細胞の分化を促進することが示された。また、エルゴチオネインによるTh17細胞の分化促進効果は、TLRリガンドが存在する場合に、より大きくなることが示された。これらの結果から、エルゴチオネインは抗原ペプチドにより誘導されるTh17細胞の分化を促進することが明らかになった。
<実施例4>生体(in vivo)における検討
C57BL/6マウス(雌、6〜10週齢;日本クレア社)に、15mgのエルゴチオネインまたは同量のPBSを、カニュラを用いて経口摂取させた。24時間後、10nmolのPam2CSK4(CS Bio社)を腹腔内注射することによりTLRを刺激した。続いて、0、1、3、5、7、9および24時間後に尾静脈より血液を採取して、血清を回収した。血清の回収方法は、まず、血液を37℃で60分間インキュベートして凝固させた後、4℃で60分間静置した。次に、2400×gで3分間遠心分離を行って上清を回収し、これをさらに6200×gで3分間遠心分離に供して上清を回収し、これを血清とした。血清に含まれるIL−6の濃度を、実施例1(4)に記載の方法により測定した。測定値について、各条件における3個体の平均値および標準偏差を求めた。その結果を図5に示す。
図5に示すように、エルゴチオネインを摂取させたものとPBSを摂取させたものとを比較すると、エルゴチオネインを摂取させたものの方が、3時間後、5時間後および7時間後のIL−6濃度が大きかった。すなわち、エルゴチオネインは、TLRの刺激により誘導されるIL−6の産生を促進することが示された。この結果から、エルゴチオネインはTLRの刺激により誘導される免疫応答活性化サイトカインの産生を促進することが明らかになった。

Claims (9)

  1. エルゴチオネインと、リポ多糖(LPS)、Pam2CSK4、合成トリアシル化リポタンパク質およびイミダノキノリン化合物から選択されるいずれかのToll様受容体リガンド有効成分とする、免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤。
  2. Th17細胞による免疫応答を促進するための、請求項1に記載の免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤。
  3. エルゴチオネインがタモギタケから抽出したエルゴチオネインである、請求項1または請求項2に記載の免疫応答活性化サイトカイン産生促進剤。
  4. エルゴチオネインと、リポ多糖(LPS)、Pam2CSK4、合成トリアシル化リポタンパク質およびイミダノキノリン化合物から選択されるいずれかのToll様受容体リガンドとを有効成分とする、免疫応答活性化サイトカイン産生促進用食品組成物。
  5. 下記(a)〜(c)の工程を有する、免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する方法(医療行為を除く);
    (a)ヒトまたは動物にエルゴチオネインと、リポ多糖(LPS)、Pam2CSK4、合成トリアシル化リポタンパク質およびイミダノキノリン化合物から選択されるいずれかのToll様受容体リガンドとを摂取させる工程、
    (b)前記ヒトまたは動物において、Toll様受容体の刺激により免疫応答活性化サイトカインを産生させる工程、
    (c)前記ヒトまたは動物において、摂取させたエルゴチオネインにより免疫応答活性化サイトカインの産生を促進する工程。
  6. エルゴチオネインと、配列番号15のアミノ酸配列からなる抗原ペプチド有効成分とする、Th17細胞分化促進剤。
  7. エルゴチオネインがタモギタケから抽出したエルゴチオネインである、請求項に記載のTh17細胞分化促進剤。
  8. エルゴチオネインと、配列番号15のアミノ酸配列からなる抗原ペプチドとを有効成分とする、Th17細胞分化促進用食品組成物。
  9. 下記(d)〜(f)の工程を有する、Th17細胞の分化を促進する方法(医療行為を除く);
    (d)ヒトまたは動物にエルゴチオネインと、配列番号15のアミノ酸配列からなる抗原ペプチドとを摂取させる工程、
    (e)前記ヒトまたは動物において、抗原ペプチドの刺激によりTh17細胞を分化させる工程および
    (f)前記ヒトまたは動物において、摂取させたエルゴチオネインによりTh17細胞の分化を促進する工程。
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