JP6120574B2 - 感光性ネガ型樹脂組成物、微細構造体、微細構造体の製造方法及び液体吐出ヘッド - Google Patents

感光性ネガ型樹脂組成物、微細構造体、微細構造体の製造方法及び液体吐出ヘッド Download PDF

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Description

本発明は、感光性ネガ型樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた微細構造体、その微細構造体の製造方法、及び液体吐出ヘッドに関する。
微細加工技術の一つとして、ネガ型感光性樹脂に対して露光及び現像を行い、微細パターンを有する構造物(微細構造体)を形成するフォトリソグラフィーの技術が知られている。この技術は例えば半導体集積回路製造用途、半導体露光用マスク製造用途、各種MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)製造用途など、広範に使用されている。MEMS製造用途の一例としては、各種小型センサー、マイクロプローブ、薄膜磁気ヘッド、インクジェット記録ヘッドなどで実用化が進んでいる。露光を行うための装置としては、i線を光源とするステッパーが広く用いられている。この技術分野においては、近年、より複雑かつ高精細な構造を有する構造物を製造することが要望されており、フォトマスクを介した光源からの光に対して、高い精度を示す微細構造体を形成可能なネガ型感光性樹脂が要望されている。
特許文献1には、ネガ型感光性樹脂として、多官能エポキシ樹脂とカチオン重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、発熱抵抗体を加熱することによって生成させた気泡を外気と連通させることにより、インク液滴を吐出させるノズルを含むMEMS製造用インクジェットヘッドが開示されている。また、このインクジェットヘッドのインク流路壁の形成に用いる被覆樹脂として、常温にて固体状のエポキシ樹脂を主成分とする樹脂組成物が開示されている。
特開2008−256980号公報 特許第3143307号公報
しかしながら、これらの樹脂組成物では、フォトリソグラフィー法を適用した場合に、高感度及び高解像力で、顔料インク中に保存しても剥がれのない、即ち顔料インク耐性に優れたノズルを得ることが困難な場合があった。
本発明はこれらの点を鑑みてなされたものであり、フォトリソグラフィー法を適用した場合に、高感度及び高解像力で、顔料インク耐性に優れた微細構造体(例えば、ノズル)を作製できる感光性ネガ型樹脂組成物を提供することを目的の一つとする。また、本発明は、この感光性ネガ型樹脂組成物を用いた微細構造体、その製造方法、および液体吐出ヘッドを提供することを他の目的とする。
上記課題を解決する本発明は、
シクロヘキセンオキシド骨格を分子内に少なくとも3個有する樹脂(a)と、下記式b1で表わされるカチオン部構造および下記式b2で表されるアニオン部構造から成るオニウム塩(b)と、シラン化合物(c)と、有機溶剤(d)と、を含むことを特徴とする感光性ネガ型樹脂組成物である。
Figure 0006120574
[R1からR3は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1以上30以下の有機基を表し、ただし、R1からR3を構成する全ての原子中に、酸素原子が2つ以上含まれ、R1とR2、R2とR3、およびR1とR3は、いずれも直接または連結基を介して連結して環状構造を形成してもよく、 からR のうち少なくとも1つが環状カルボニル構造を含み、前記2つ以上の酸素原子はそれぞれ該環状カルボニル構造中のカルボニル基に含まれるものであり、4はフッ素原子で置換されてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基を表し、Xは、炭素原子、窒素原子、リン原子、またはホウ素原子を表し、Y1は、−S(=O)2−、フッ化アルキレン基、*1−O−CF2−、*1−C(=O)−CF2−、*1−O−C(=O)−CF2−、*1−C(=O)−O−CF2−、または単結合を表し、ただし、*1はR4に結合する末端を表し、Xが炭素原子を表す場合、nは0、1または2を表し、ただし、mとnとの合計は3であり、Xが窒素原子を表す場合、nは0または1を表し、ただし、mとnとの合計は2であり、Xがリン原子を表す場合、nは0以上6以下の整数を表し、ただし、mとnとの合計は6であり、Xがホウ素原子を表す場合、nは0以上3以下の整数を表し、ただし、mとnとの合計は4であり、mが2以上の整数を表す場合、Xに結合する2つ以上のR4−Y1−基において、1つのR4−Y1−基中のいずれかの炭素原子と、他のR4−Y1−基中のいずれかの炭素原子とが単結合を介して結合することにより環状構造を形成してもよい]。
また、本発明は、基板上に形成される微細構造体であって、上記感光性ネガ型樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする微細構造体である。また、本発明は、この微細構造体により流路形成層が構成されている液体吐出ヘッドである。さらに、本発明は、(1)上記感光性ネガ型樹脂組成物を基板上に配置する工程と、(2)該感光性ネガ型樹脂組成物を、i線光を用いたフォトリソグラフィーによりパターニング処理する工程と、を含むことを特徴とする微細構造体の製造方法である。
本発明より、フォトリソグラフィー法を適用した場合に、高感度及び高解像力で、顔料インク耐性に優れた微細構造体(例えば、ノズル)を作製できる感光性ネガ型樹脂組成物を提供することができる。また、本発明より、この感光性ネガ型樹脂組成物を用いた微細構造体、その製造方法、および液体吐出ヘッドを提供することができる。
液体吐出ヘッドの構成例を示す模式的斜視図である。 エネルギー発生素子を有する基板の概略図である。 本発明の微細構造体の製造方法の一例を説明するための概略工程図である。 本発明の微細構造体の製造方法の別の例を説明するための概略工程図である。 感度および解像力評価に用いるフォトマスクを示す図である。
本発明の感光性ネガ型樹脂組成物は、フォトリソグラフィー法を用いて微細構造体(例えばノズル)を形成する際に好適であり、高感度、高解像力、および顔料インク耐性に優れた微細構造体を形成することができる。本発明の感光性ネガ型樹脂組成物は、特に、i線光を用いてフォトリソグラフィーを行った場合に、解像力が優れている。
以下に、本発明の感光性ネガ型樹脂組成物に関して詳細に説明する。
<<感光性ネガ型樹脂組成物>>
本発明の感光性ネガ型樹脂組成物は、後述する第1のエポキシ樹脂(a)と、第1のオニウム塩(b)と、シラン化合物(c)と、有機溶剤(d)とを含む。また、この感光性ネガ型樹脂組成物は、後述する第2のエポキシ樹脂(e)、第2のオニウム塩(f)、第3のオニウム塩(g)、第3のエポキシ樹脂(h)およびその他の成分を含むことができる。以下に、本発明の感光性ネガ型樹脂組成物に含まれるこれらの成分について詳細に説明する。
<第1のエポキシ樹脂(a):シクロヘキセンオキシド骨格を分子内に少なくとも3個有する樹脂>
本発明に用いる第1のエポキシ樹脂(a)は、シクロヘキセンオキシド骨格を分子内(分子構造中)に少なくとも3個有していれば良く、それ以外は特に限定されない。分子内にシクロヘキセンオキシド骨格を少なくとも3個有することによって、高解像力を得られる。また、塗布面状均一性の観点から、第1のエポキシ樹脂(a)は、分子内にシクロヘキセンオキシド骨格を10個以下有することが好ましい。
第1のエポキシ樹脂(a)中のエポキシ当量は、硬化物の吸水性の観点から130以上、解像力の観点から400以下が好ましい。高解像力と顔料インク耐性の観点から、第1のエポキシ樹脂(a)として、下記式a1で表わされる樹脂を用いることが好ましい。
Figure 0006120574
式a1中、Rは、脂環式エポキシ基およびエステル基(−C(=O)−O−)のうちの一方または両方を含有してもよい、炭素数1以上30以下の炭化水素基を表す。ただし、この炭素数は、炭化水素基に含有される脂環式エポキシ基やエステル基の炭素数を含む炭素数である。高解像力を得る観点から、本発明では、R中の炭素数を1以上30以下とする。なお、R中に、脂環式エポキシ基やエステル基を複数有しても良い。また、Rは、後述する式a1−3のように、脂環式エポキシ基のみから成ることもできる。
脂環式エポキシ基とは、脂環式基にエポキシ基が連結した構造を有し、それら脂環式基とエポキシ基を含めた基のことを意味する。脂環式エポキシ基としては、例えば、シクロヘキセンオキシド基、及び3-グリシジルシクロヘキシル基を挙げることができる。
炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状飽和炭化水素基や、直鎖状、分岐鎖状または環状不飽和炭化水素基(例えば、芳香族炭化水素基)等を挙げることができる。この中でも、有機溶剤への溶解性の観点から、炭化水素基は、シクロヘキシル基またはベンゼン環であることが好ましい。また、Rは、後述する式a1−13や式a1−14のように、シクロヘキシル基やベンゼン環を複数有していても良く、これらの基や環が、エステル基等を介して結合した構造を有していても良い。なお、式a1中のRに結合するh個の側鎖(例えば、−CO[A1]L1−OCH2−V1)はそれぞれ、R中の同じ炭素原子に結合していても良いし、R中の異なる炭素原子に結合していても良い。
1からAhは、それぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1以上9以下のアルキレン基と、−O−と、−C(=O)−とからなる群から選ばれる基で構成される基(基Aと称することもある)を表す。その際、基Aは、この群から選ばれる1つ以上の基で構成されることができ、基A中にこの群中の同一の基(例えば、−O−)を複数有していても良い。この基Aとしては、例えば、−O−R30−C(=O)−*3、及び−O−R30−O−C(=O)−*3を挙げることができる。ここで、R30は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1以上9以下のアルキレン基を表し、*3は、式a1中の−OCH2基との結合位置(−OCH2基側の末端)を表す。なお、高解像力を得る観点から、このアルキレン基の炭素数は1以上9以下とする。また、A1からAhは、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。
1からVhは、それぞれ独立に、下記式a2で表わされる基を表す。
Figure 0006120574
式a2中、R21からR29は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上9以下のアルキル基を表す。なお、エポキシ重合性、すなわち感度の観点から、このアルキル基の炭素数は1以上9以下とする。
なお、本願明細書において、アルキル基は、別段の断りがない限り、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基および環状アルキル基を含むものである。
式a1中、L1からLhは、それぞれ独立に0以上の数を表す。すなわち、第1のエポキシ樹脂(a)(例えば、後述する樹脂(a1−1))は、同一式(例えば、後述する式a1−1)を満たす化合物の混合物であってもよく、その場合、式a1中のL1からLhはこれら化合物の平均値を表すことになる。このため、L1からLhはそれぞれ整数であっても良いし、小数であっても良い。なお、樹脂(a)が混合物でなく単一の化合物であれば、L1からLhはいずれも0以上の整数となる。
また、Ah、LhおよびVhにおけるhは2以上の整数を表す。ただし、hが2の場合は、式a1のR中に少なくとも1個のシクロヘキセンオキシド骨格を含有する。
第1のエポキシ樹脂(a)の好ましい具体例として、以下の式a1−1から式a1−14にそれぞれ示す樹脂(a1−1)から樹脂(a1−14)を挙げることができる。これらの具体例は、解像力と顔料インク耐性の両立の観点から第1のエポキシ樹脂(a)として好適である。
なお、式a1−1、式a1−5〜式a1−10、式a1−13、および式a1−14中のL1〜L4の合計(L1+L2+L3+L4)は、いずれも0以上20以下の数を表す。また、式a1−2、式a1−11および式a1−12中のL1〜L3の合計(L1+L2+L3)は、いずれも0以上10以下の数を表す。さらに、式a1−3中のL1およびL2の合計(L1+L2)は、0以上5以下の数を表す。式a1−4中のL1〜L5の合計(L1+L2+L3+L4+L5)は、0以上25以下の数を表す。
なお、以下の第1のエポキシ樹脂(a)が市販されている。
・樹脂(a1−1)
商品名:エポリード GT401[ダイセル化学工業株式会社製、式a1−1中のL1〜L4の合計が約1のもの、エポキシ当量210〜225]。
商品名:エポリード GT403[ダイセル化学工業株式会社製、式a1−1中のL1〜L4の合計が約3のもの、エポキシ当量270〜300]。
・樹脂(a1−3)
商品名:エポリード GT301[ダイセル化学工業株式会社製、式a1−3中のL1及びL2の合計が約1のもの、エポキシ当量185〜205]。
商品名:エポリード GT302[ダイセル化学工業株式会社製、式a1−3中のL1及びL2の合計が約2のもの、エポキシ当量225〜250]。
Figure 0006120574
Figure 0006120574
第1のエポキシ樹脂(a)として最も好ましくは、シクロヘキセンオキシド骨格を分子内に少なくとも4個有する樹脂であり、この樹脂としては、例えば、樹脂(a1−1)、樹脂(a1−4)〜樹脂(a1−10)、樹脂(a1−13)、および樹脂(a1−14)が挙げられる。分子内にシクロヘキセンオキシド骨格を少なくとも4個有することにより、高解像力および強靭な硬化膜が容易に得られる。
感光性ネガ型樹脂組成物中の第1のエポキシ樹脂(a)の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量部%以上であることがさらに好ましい。また、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。第1のエポキシ樹脂(a)の含有量が1質量%以上、70質量%以下であれば、感光性ネガ型樹脂組成物を基板に塗布した際に、高感度で適度な硬度のレジスト層が容易に得られる。
なお、第1のエポキシ樹脂(a)は、1種類を単独で用いても良いし、複数種類を併用しても良い。
<第1のオニウム塩(b):式b1で表わされるカチオン部構造および式b2で表されるアニオン部構造から成るオニウム塩>
第1のオニウム塩は、下記式b1で表されるカチオン部構造(以下、カチオン部(b1)と称することもある)と、下記式b2で表されるアニオン部構造(以下、アニオン部(b2)と称することもある)とから成るオニウム塩である。第1のオニウム塩は、塩であるため、カチオン部(b1)とアニオン部(b2)との1対1の組み合わせからなることができる。
Figure 0006120574
式b1中、R1からR3は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数(この置換基の炭素数を含む炭素数)1以上30以下の有機基を表す。但し、R1からR3を構成する全ての原子(全構成原子)中に、酸素原子は2つ以上含まれる。酸素原子が2つ以上含まれることにより、吸収波長の長波長化からi線感光性が向上したり、樹脂との相溶性が向上する。溶剤溶解性の観点から、この全構成原子中に、酸素原子は10以下含まれることが好ましい。R1からR3のうちの全てが、酸素原子を含んでいても良いし、R1からR3のうちの1つまたは2つのみが酸素原子を含んでいても良い。また、R1からR3は、いずれも環状構造を1つまたは複数含有することができる。
上記有機基としては、例えば、総炭素数6以上30以下のアリール基、総炭素数4以上30以下の複素環基、総炭素数1以上30以下のアルキル基、総炭素数2以上30以下のアルケニル基または総炭素数2以上30以下のアルキニル基を挙げることができる。
これらの有機基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロ原子含有芳香族環基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基の各基およびハロゲン原子を挙げることができる。上記有機基は、これらの各基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種または複数種の置換基で置換されることができる。また、上記有機基は、これらの置換基を介して式b1中のS+に結合することができる。例えば、後述する式b1−17では、有機基である複素環基が、置換基であるアリールチオ基を介してS+に結合している。
これらの置換基として、より具体的には、例えば、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、ヒドロキシ基、炭素数3以上6以下のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、炭素数2以上6以下のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基)、炭素数2以上6以下のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基)、炭素数1以上6以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基)、炭素数2以上6以下のアルキルカルボニル基、炭素数7以上11以下のアリールカルボニル基、炭素数2以上6以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基)、炭素数7以上11以下のアリールオキシカルボニル基、炭素数7以上11以下のアリールチオカルボニル基、炭素数2以上6以下のアシロキシ基、炭素数6以上10以下のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基)、炭素数1以上6以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基)、炭素数6以上14以下のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基)、炭素数4以上8以下のヘテロ原子含有芳香族環基(例えば、フリル基、チエニル基)、炭素数6以上10以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基)、炭素数1以上6以下のアルキルスルフィニル基、炭素数6以上10以下のアリールスルフィニル基、炭素数1以上6以下のアルキルスルホニル基、炭素数6以上10以下のアリールスルホニル基、炭素数1以上6以下のアルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基の各基およびハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられる。
なお、R1からR3は同一の基であっても良いし、互いに異なる基であっても良い。また、R1とR2、R2とR3、およびR1とR3は、いずれも直接または連結基を介して連結して環状構造を形成しても良い。言い換えると、R1からR3中の2個以上のR(例えば、R1とR2とR3)が互いに直接または連結基を介して結合して環状構造を形成することができる。
連結基としては、例えば、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NR31−、−CO−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、炭素数1以上3以下のアルキレン基、および、フェニレン基を挙げることができる。ここでR31は炭素数1以上5以下のアルキル基または炭素数6以上10以下のアリール基を表す。なお、例えば、R1とR2とが環状構造を形成した場合、この環状構造における炭素数は、R1の炭素数(1以上30以下)と、R2の炭素数(1以上30以下)と、連結基の炭素数(連結基を介さない場合は0)との合計となる。また、R1とR3や、R2とR3が環状構造を形成した場合も同様に考えることができる。しかし、R1とR2、R2とR3、またはR1とR3が環状構造を形成した場合、保存安定性の観点から、これらの環状構造における炭素数は、いずれも4以上10以下とすることが好ましい。なお、R1とR2とR3とが連結して、複数の環状構造を形成した場合は、各環状構造における炭素数を4以上10以下とすることが好ましい。
式b2中、R4はフッ素原子で置換されてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基を表す。R4は、例えば、フッ素原子で置換されてもよい炭素数1以上30以下の、アルキル基又はアリール基であることができる。なお、感度の観点から、この炭化水素基の炭素数は1以上30以下とする。
Xは炭素原子、窒素原子、リン原子およびホウ素原子から選ばれる原子である。Xが炭素原子を表す場合、nは、0、1および2から選ばれる整数を表し、ただし、mとnとの合計(m+n)は3である。Xが窒素原子を表す場合、nは0および1から選ばれる整数を表し、ただし、mとnとの合計は2である。Xがリン原子を表す場合、nは、0以上6以下から選ばれる整数を表し、ただし、mとnとの合計は6である。Xがホウ素原子を表す場合、nは0以上3以下から選ばれる整数を表し、ただし、mとnとの合計は4である。
1は、−S(=O)2−、フッ化アルキレン基、*1−O−CF2−、*1−C(=O)−CF2−、*1−O−C(=O)−CF2−、*1−C(=O)−O−CF2−、及び単結合から選ばれる基または結合を表す。なお、フッ化アルキレン基の炭素数は、解像力の観点から2以上、感度の観点から10以下とすることが好ましい。なお、Y1が*1−O−CF2−、*1−C(=O)−CF2−、*1−O−C(=O)−CF2−、または、*1−C(=O)−O−CF2−を表す場合、R4とは、これらの基中の*1が結合する。即ち、*1はR4と結合する末端を表す。
式b2中、Y1が−S(=O)2−または単結合を表し、かつnが0である場合、第1のオニウム塩(b)から発生する酸の揮発性の観点から、R4は、少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1以上12以下の炭化水素基であることが好ましい。
また、式b2中のmが2以上の整数を表す場合、Xに結合する2つ以上のR4−Y1−基において、1つのR4−Y1−基中のいずれかの炭素原子と、他のR4−Y1−基中のいずれかの炭素原子とが単結合を介して結合することにより環状構造を形成していてもよい。
感度の観点から、式b2中のXはリン原子であることが好ましく、その具体例として、後述のアニオン部(b2−11)〜アニオン部(b2−18)が挙げられる。ルイス酸系である場合(例えばXがリン原子を表す場合)、感光性ネガ型樹脂組成物により形成される硬化膜が耐熱性に優れる傾向にある。
第1のオニウム塩(b)を構成するカチオン部(b1)とアニオン部(b2)の組み合わせの一例を以下に挙げる。カチオン部(b1)の特徴は、i線等に高い感光性を有する点である。この特徴は、カチオン部(b1)が酸素原子を2個以上含有することによって、第1のオニウム塩(b)の吸収波長の長波長化が可能となることに起因する。一方、アニオン部(b2)は、第1のオニウム塩(b)が感光によって分解する際、このアニオン部(b2)に起因する酸を発生させる。その後、発生した酸(発生酸)の作用によって、樹脂(例えば、第1のエポキシ樹脂(a))中のエポキシ基のカチオン重合反応を開始、促進することができる。この発生酸は、硬化物の強靭性を得る観点から、第1のエポキシ樹脂(a)等のエポキシ基を有する樹脂を十分に硬化する酸強度を有していることがより好ましい。エポキシ基を有する樹脂を十分に硬化する酸強度とは、ルイス酸においては六フッ化アンチモン酸より強い強酸であること、すなわちハメットの酸度関数HOが18より大きいことを意味する。ブレンステッド酸においては、ノナフルオロブタンスルホン酸以上の強酸であること、すなわちPKaが−3.57以上であることを意味する。
Figure 0006120574
さらに、カチオン部(b1)の具体例として、以下の式b1−1から式b1−42にそれぞれ示すカチオン部(b1−1)からカチオン部(b1−42)を挙げることができる。
Figure 0006120574
Figure 0006120574
Figure 0006120574
Figure 0006120574
これらの中でも、高いi線感光性を有するという観点から、環状カルボニル構造を含むカチオン部(b1)が好ましい。この環状カルボニル構造を含むカチオン部(b1)の例として、例えば、カチオン部(b1−17)〜カチオン部(b1−30)を挙げることができる。また、吸収波長の長波長化の観点から、カチオン部(b1)は、環状カルボニル構造を含む複素環基を含むことがより好ましい。この環状カルボニル構造を含む複素環基を含むカチオン部(b1)の具体例として、例えば上記カチオン部(b1−17)〜カチオン部(b1−24)が挙げられる。また、吸収波長の長波長化の観点から、式b1中のR1からR3のうち少なくとも1つが環状カルボニル構造を含むものであることが好ましく、R1からR3のうち2つ以上が環状カルボニル構造を含むものであることがより好ましい。また、環状カルボニル構造中のカルボニル基が共役系中にあることが特に好ましい。カルボニル基が共役系中に存在することにより、第1のオニウム塩(b)の吸収の長波長化に大きく寄与することができ、特に共役系が芳香族環を含むことによりi線感光性がより向上することができる。
アニオン部(b2)の具体例として、以下の式b2−1から式b2−22にそれぞれ示すアニオン部(b2−1)からアニオン部(b2−22)を挙げることができる。
Figure 0006120574
第1のオニウム塩(b)は、単独又は2つ以上の組み合わせで使用することができる。感光性ネガ型樹脂組成物中の第1のオニウム塩(b)の含有量は、感度の観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、第1のオニウム塩(b)の含有量は、現像残渣の観点から、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましい。さらには、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
<シラン化合物(c)>
シラン化合物(c)は、ケイ素原子を含む化合物であれば特に限定されないが、感光性ネガ型樹脂組成物と基板との間の密着性を向上させる、もしくは補助する機能を有するオルガノシラン化合物であることが好ましい。このオルガノシラン化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するオルガノシラン化合物;N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−β(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジル)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するオルガノシラン化合物;3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するオルガノシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を有するオルガノシラン化合物;を挙げることができる。
シラン化合物(c)は、無機基板とエポキシ樹脂膜の密着性の観点から、エポキシ基を有するオルガノシラン化合物を用いることが好ましい。エポキシ基を有するシラン化合物としては、例えば、商品名:SILQUEST A−187 SILANE(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)が市販品として入手でき、特に好ましく用いられる。
感光性ネガ型樹脂組成物中のシラン化合物(c)の含有量は、密着性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。また、シラン化合物(c)の含有量は、硬化物の強靭性を得る観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
なお、シラン化合物(c)は、1種を単独で用いても良いし、複数種類を併用しても良い。
<有機溶剤(d)>
有機溶剤(d)としては特に限定されないが、感光性ネガ型樹脂組成物の作製に用いる各成分(第1のエポキシ樹脂(a)や第1のオニウム塩(b)やシラン化合物(c)等)を溶解できる溶剤であることが望ましい。例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4以上10以下)、環を含有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4以上10以下)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル、ベンゼン環を有する化合物、等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
環を含有してもよいモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
ベンゼン環を有する化合物としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレンが好ましく挙げられる。キシレンと表記される場合には、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、エチルベンゼン等の混合物であってもよい。
好ましく使用できる有機溶剤(d)としては、常温(25℃)常圧(105Pa)下で、沸点110℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネート、キシレンが挙げられる。本発明においては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
感光性ネガ型樹脂組成物中の有機溶剤(d)の含有量は、5.0質量%以上であることが好ましく、10.0質量%以上であることがより好ましい。また、99.5質量%以下であることが好ましく、99.0質量%以下であることがより好ましい。さらには、70.0質量%以下であることが好ましく、60.0質量%以下であることがより好ましい。有機溶剤(d)の含有量を5.0質量%以上99.5質量%以下とすることにより、感光性ネガ型樹脂組成物を支持体(基板)に塗布した際に、塗布面状の良いレジスト層が容易に得られる。
本発明の感光性ネガ型樹脂組成物は、上述したように、第1のエポキシ樹脂(a)、第1のオニウム塩(b)、シラン化合物(c)および有機溶剤(d)からなることができる。しかし、これらの成分のみには限定されず、例えば、以下に述べる、第2のエポキシ樹脂(e)、第2のオニウム塩(f)、第3のオニウム塩(g)および第3のエポキシ樹脂(h)等も、感光性ネガ型樹脂組成物に好適に使用することができる。
<第2のエポキシ樹脂(e):シクロヘキセンオキシド骨格とは異なる脂環式基を含有する、軟化点70℃以上のエポキシ樹脂>
第2のエポキシ樹脂(e)は、シクロヘキセンオキシド骨格とは異なる脂環式基を含有する、軟化点70℃以上のエポキシ樹脂であれば良く、それ以外は特に限定されない。なお、シクロヘキセンオキシド骨格と異なる脂環式基としては、例えば、3-グリシジルシクロヘキシル基を挙げることができる。
第2のエポキシ樹脂(e)は、厚膜のパターンを形成するのに十分なエポキシ基を1分子中に有し、かつシクロヘキセンオキシド骨格とは異なる脂環式基を含有する多官能エポキシ樹脂化合物が好ましい。このような多官能エポキシ樹脂としては、例えば、多官能脂環型エポキシ樹脂や、多官能芳香族エポキシ樹脂を水素化した、水素化エポキシ樹脂が挙げられる。この多官能芳香族エポキシ樹脂としては、例えば、多官能フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、多官能オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうち、例えば、多官能脂環型エポキシ樹脂では、商品名:EHPE 3150(ダイセル化学工業株式会社製)が市販品として入手でき、特に好ましく用いられる。また、水素化エポキシ樹脂では、商品名:ST−4000D(新日鐵化学株式会社製)が市販品として入手でき、特に好ましく用いられる。
第2のエポキシ樹脂(e)の軟化点は、70℃以上であれば特に限定されないが、一般に、180℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましい。軟化点が70℃以上であれば、高精細なパターンが容易に形成可能となり、180℃以下であれば、未反応のエポキシ基が少ない、十分に三次元架橋した硬化物が容易に得られるようになる。
軟化点の測定には、環球法を使用することができる。環球法はJIS K 5902(ロジン)、JIS K 2207(石油アスファルト)を参照することができる。また、その規格に準拠した市販の自動測定装置を使用することができる。
感光性ネガ型樹脂組成物中の第2のエポキシ樹脂(e)の含有量は、0.02質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。また、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
第2のエポキシ樹脂(e)の含有量が0.02質量%以上、80質量%以下であれば、感光性ネガ型樹脂組成物を支持体に塗布した際に、高解像力で適度な硬度のレジスト層が容易に得られる。
なお、第2のエポキシ樹脂(e)は、1種類を単独で用いても良いし、複数種類を併用しても良い。
<第2のオニウム塩(f):式f1で表されるカチオン部構造および式f2で表されるアニオン部構造から成るオニウム塩>
第2のオニウム塩(f)は、それぞれ特定の構造である式f1で表わされるカチオン部構造(以下、カチオン部(f1)と称することがある)と、式f2で表されるアニオン部構造(以下、アニオン部(f2)と称することがある)とから成る。また、第2のオニウム塩(f)は、カチオン部(f1)とアニオン部(f2)との1対1の組み合わせからなることができる。
Figure 0006120574
式f1中、R5からR7は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数(この置換基の炭素数を含む炭素数)1以上15以下の有機基を表す。また、R5からR7は、いずれも環状構造を1つまたは複数含有することができる。この有機基としては、例えば、総炭素数6以上15以下のアリール基、および総炭素数1以上15以下のアルキル基を挙げることができる。これらの有機基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、フッ化アルキル基、ヒドロキシ基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基の各基およびハロゲン原子を挙げることができる。上記有機基は、これらの各基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種または複数種の置換基で置換されることができる。また、上記有機基は、これらの置換基を介して式f1中のS+に結合することができる。
これらの置換基として、より具体的には、例えば、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、炭素数1以上6以下のフッ化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基)、ヒドロキシ基、炭素数3以上6以下のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、炭素数1以上6以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基)、炭素数2以上6以下のアルキルカルボニル基、炭素数7以上11以下のアリールカルボニル基、炭素数6以上10以下のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基)、炭素数1以上6以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基)、炭素数6以上10以下のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、炭素数6以上10以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基)の各基およびハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられる。
5からR7は同一の基であっても良く、互いに異なる基であってもよい。また、R5とR6、R6とR7、および、R5とR7は、いずれも直接または連結基を介して連結して環状構造を形成してもよい。即ち、R5からR7中、2個以上のR(例えば、R5とR6とR7)が互いに直接または連結基を介して結合して環状構造(環構造)を形成してもよい。なお、この環状構造における炭素数は、上述したR1〜R3の時と同様に算出することができる。また、R5とR6、R6とR7、または、R5とR7が環状構造を形成した場合、保存安定性の観点から、これらの環状構造における炭素数は、いずれも4以上10以下とすることが好ましい。また、R5とR6とR7が連結して複数の環状構造を形成した場合は、各環状構造における炭素数を4以上10以下とすることが好ましい。この連結基としては、例えば、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NR32−、−CO−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、炭素数1以上3以下のアルキレン基、およびフェニレン基を挙げることができる。ここでR32は炭素数1以上10以下のアルキル基または炭素数6以上15以下のアリール基を表す。
式f2中、R8はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。第2のオニウム塩(f)から発生する酸の熱拡散性制御の観点からこの炭化水素基の炭素数は1以上20以下とする。この炭化水素基は、例えば、直鎖状、分岐鎖状または環状飽和炭化水素基、並びに、直鎖状、分岐鎖状、または環状不飽和炭化水素基であることができる。なお、R8中に環状構造を1つ(単環)または複数(多環)有することができる。具体的に、この炭化水素基は、例えば、総炭素数1以上20以下のアルキル基、および総炭素数6以上20以下のアリール基であることができる。
ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を挙げることができる。
また、この炭化水素基は、例えば、アルキル基、オキソ基、シクロアルキル基、アルコキシ基、およびアルキルカルボニル基からなる群より選ばれる1種または複数種の置換基で置換されていてもよい。また、上記炭化水素基は、これらの置換基を介して式f2中のY2に結合することができる。
これらの置換基として、より具体的には、例えば、炭素数1以上10以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、炭素数3以上6以下のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、炭素数1以上6以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基)、炭素数2以上6以下のアルキルカルボニル基等が挙げられる。なお、この置換基の炭素数は、炭化水素基の炭素数1以上20以下に含まれる。
2はメチレン基、−CH2−C(=O)−*2、−CH2−C(=O)−O−*2、−CH2−O−CF2−*2、−CH2−C(=O)−CF2−*2、−CH2−O−C(=O)−CF2−*2、−CH2−C(=O)−O−CF2−*2、または単結合を表す。ただし、*2は、R8に結合する末端を表す。Zは炭素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を表す。ただし、Zが炭素原子を表す場合は、kは1を表し、Zが硫黄原子を表す場合は、kは2を表す。Zは硫黄原子であることが好ましい。Zが硫黄原子の場合、Zが炭素原子の場合に比べ、アニオンをより安定化することができる。そのため、アニオン部(f2)の求核性が抑制され、アニオン部(f2)がカチオン部(f1)を求核攻撃することに由来して第2のオニウム塩(f)が分解することをより確実に抑制することができる。
本発明に用いる第1のオニウム塩(b)は、上述したように、感光後に、アニオン部(b2)に起因する酸を発生させることができ、この酸は強酸であるため、樹脂中のエポキシ基のカチオン重合反応を開始及び促進させることができ、感光に適している。
また、本発明では、この第1のオニウム塩(b)と第2のオニウム塩(f)とを併用することが好ましい。第2のオニウム塩(f)を用いることによって、感光後に第1のオニウム塩(b)から発生する酸が感光性ネガ型樹脂組成物に拡散して、未露光部分まで硬化させることをより確実に防ぐことができ、解像性が低下することをより確実に防ぐことができる。アニオン部(f2)にプロトンが付与した酸を仮定した場合、この酸は、エポキシ重合ができない、もしくは重合を引き起こす酸性度が非常に弱い弱酸の構造となっている。したがって、第1のオニウム塩(b)から発生するアニオン部(b2)起因の酸が、第2のオニウム塩(f)と出会うと塩交換がおこり、この酸が、エポキシ重合ができない又は重合を引き起こし難い弱酸に変換される。即ち、第2のオニウム塩(f)は、エポキシ重合において、エポキシ重合を促進する酸に対する良好なクエンチャーとして機能することができる。その結果、第2のオニウム塩(f)を使用した場合、現像コントラストを一層高めることができ、より高解像力のパターンを得ることができる。
なお、第2のオニウム塩(f)は、単独又は2つ以上の組み合わせで使用することができる。
第2のオニウム塩を構成するカチオン部(f1)とアニオン部(f2)の一例を以下に挙げる。
Figure 0006120574
次に、カチオン部(f1)の好ましい具体例として、以下の式f1−1から式f1−20にそれぞれ示すカチオン部(f1−1)からカチオン部(f1−20)を挙げることができる。
Figure 0006120574
アニオン部(f2)の好ましい具体例として、以下の式f2−1から式f2−56にそれぞれ示すアニオン部(f2−1)からアニオン部(f2−56)を挙げることができる。
Figure 0006120574
Figure 0006120574
アニオン部(f2)は、芳香族炭化水素基及び脂環炭化水素基のうちの一方または両方を含有する構造であることが好ましく、即ちR8が芳香族炭化水素基及び脂環炭化水素基のうちの一方または両方を含む基であることが好ましい。芳香族炭化水素基及び脂環炭化水素基のうちの一方または両方を含有する構造である場合、その嵩高さや炭素密度に起因し、アニオン部(f2)から発生した酸が加熱工程中に揮発して大気雰囲気中に蒸散することをより確実に抑制できる。芳香族炭化水素基及び脂環炭化水素基のうちの一方また両方を含有するR8を有するアニオン部構造の具体例としては、例えば、上記アニオン部(f2−1)〜アニオン部(f2−11)、アニオン部(f2−17)〜アニオン部(f2−25)、アニオン部(f2−28)〜アニオン部(f2−40)、並びにアニオン部(f2−48)〜アニオン部(f2−56)が挙げられる。
感光性ネガ型樹脂組成物中の第2のオニウム塩(f)の含有量は、第1のオニウム塩(b)から発生する強酸の制御性の観点から、0.001質量%以上であることが好ましい。また、第2のオニウム塩(f)の含有量は、感度の観点から、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。
また、感光性ネガ型樹脂組成物における第1のオニウム塩(b)と第2のオニウム塩(f)の配合量は、以下の関係を満たすことが好ましい。
第1のオニウム塩(b)のモル数 > 第2のオニウム塩(f)のモル数
この関係を満たす場合、クエンチャーとして機能する第2のオニウム塩(f)に対してエポキシ重合に有効な酸を発生させる第1のオニウム塩(b)が多い状態となり、高感度化を容易に図ることができる。
<第3のオニウム塩(g):式g1で表わされるカチオン部構造および式g2で表されるアニオン部構造から成る第3のオニウム塩>
第3のオニウム塩(g)は、下記式g1で表わされるカチオン部構造(以下、カチオン部(g1)と称することがある)および下記式g2で表されるアニオン部構造(以下、アニオン部(g2)と称することがある)から成るオニウム塩である。このオニウム塩(g)は、カチオン部(g1)と、アニオン部(g2)との1対1の組み合わせからなることができる。
Figure 0006120574
式g1中、R9からR11は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数(この置換基の炭素数を含む炭素数)1以上30以下の有機基を表す。また、iは、0以上6以下から選ばれる整数を表す。ただし、iとjとの合計(i+j)は、6である。また、R9〜R11は、いずれも環状構造を1つまたは複数含有することができる。
上記有機基としては、例えば、総炭素数6以上30以下のアリール基、総炭素数4以上30以下の複素環基、総炭素数1以上30以下のアルキル基、総炭素数2以上30以下のアルケニル基、及び総炭素数2以上30以下のアルキニル基を挙げることができる。これらの有機基が有しても良い置換基としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロ原子含有芳香族環基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基の各基およびハロゲン原子を挙げることができる。上記有機基はこれらの各基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種または複数種の置換基で置換されることができる。また、上記有機基は、これらの置換基を介して式g1中のS+に結合することができる。
これらの置換基として、より具体的には、例えば、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、ヒドロキシ基、炭素数3以上6以下のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、炭素数2以上6以下のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基)、炭素数2以上6以下のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基)、炭素数1以上6以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基)、炭素数2以上6以下のアルキルカルボニル基、炭素数7〜11のアリールカルボニル基、炭素数2以上6以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基)、炭素数7以上11以下のアリールオキシカルボニル基、炭素数7以上11以下のアリールチオカルボニル基、炭素数2以上6以下のアシロキシ基、炭素数6以上10以下のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基)、炭素数1以上6以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基)、炭素数6以上14以下のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基)、炭素数4以上8以下のヘテロ原子含有芳香族環基(例えば、フリル基、チエニル基)、炭素数6以上10以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基)、炭素数1以上6以下のアルキルスルフィニル基、炭素数6以上10以下のアリールスルフィニル基、炭素数1以上6以下のアルキルスルホニル基、炭素数6以上10以下のアリールスルホニル基、炭素数1以上6以下のアルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基の各基およびハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられる。R9からR11は同一の基であっても良いし、互いに異なる基であってもよい。
また、R9とR10、R10とR11、および、R9とR11は、いずれも直接または連結基を介して連結して環状構造を形成しても良い。即ち、R9からR11中、2個以上のR(例えば、R9とR10とR11)が互いに直接または連結基を介して結合して環状構造を形成してもよい。なお、この環状構造における炭素数は、上述したR1〜R3の時と同様に算出することができる。また、R9とR10、R10とR11、または、R9とR11が環状構造を形成した場合、保存安定性の観点から、これらの環状構造における炭素数は、いずれも4以上10以下とすることが好ましい。また、R9とR10とR11が連結して複数の環状構造を形成した場合は、各環状構造における炭素数を4以上10以下とすることが好ましい。この連結基としては、例えば、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NR33−、−CO−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、炭素数1以上3以下のアルキレン基およびフェニレン基を挙げることができる。ここでR33は炭素数1以上5以下のアルキル基または炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
第3のオニウム塩(g)は、感光した際に酸を発生することでき、この酸の作用により、エポキシ基のカチオン重合反応を開始及び促進することができ、第1のオニウム塩(b)を補助する役割を果たすことができる。その結果、第3のオニウム塩(g)を使用した場合、より高解像力のパターンを得ることができる。
第3のオニウム塩(g)は、単独又は2つ以上の組み合わせ、すなわち混合物として使用することができる。
この第3のオニウム塩を構成するカチオン部(g1)とアニオン部(g2)の一例を以下に挙げる。
Figure 0006120574
カチオン部(g1)の好ましい具体例として、以下の式g1−1から式g1−12にそれぞれ示すカチオン部(g1−1)からカチオン部(g1−12)を挙げることができる。
Figure 0006120574
次に、アニオン部(g2)の好ましい具体例を以下に挙げる。
即ち、SbF6 -、Sb(OH)F5 -、Sb(OH)24 -、Sb(OH)33 -、Sb(OH)42 -、Sb(OH)5-、およびSb(OH)6 -、を挙げることができる。
感光性ネガ型樹脂組成物中の第3のオニウム塩(g)の含有量は、解像力の向上の観点から、0.01質量%以上であることが好ましい。また、第3のオニウム塩(g)の含有量は、保存時における析出の観点から、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
<第3のエポキシ樹脂(h):芳香族基を含有するエポキシ樹脂>
第3のエポキシ樹脂(h)は、芳香族基を含有するエポキシ樹脂であれば良く、それ以外は特に限定されない。しかし、解像力の向上の観点から、第3のエポキシ樹脂(h)として、エポキシ基を1分子中に2個以上有する多官能芳香族エポキシ樹脂化合物を用いることが好ましい。このような多官能芳香族エポキシ樹脂としては、多官能フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、多官能オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。例えば、商品名:エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン社製)や、商品名:EP−4000S(ダイセル化学工業株式会社製)や、商品名:EP−4010S(ダイセル化学工業株式会社製)や、商品名:エピクロンN−865(大日本インキ化学工業社製)等が市販品として入手でき、特に好ましく用いられる。
感光性ネガ型樹脂組成物中の第3のエポキシ樹脂(h)の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上45質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。感光性ネガ型樹脂組成物中に第3のエポキシ樹脂(h)を0.1質量%以上50質量%以下含むことにより、感光性ネガ型樹脂組成物を支持体に塗布した際に、高解像力で適度な硬度のレジスト層が容易に得られる。
なお、第3のエポキシ樹脂(h)は、1種類を単独で用いても良いし、複数種類を併用しても良い。
第1のエポキシ樹脂(a)の要件(シクロヘキセンオキシド骨格を分子内に3個以上有する)及び第2のエポキシ樹脂(e)の要件(シクロヘキセンオキシド骨格とは異なる脂環式基を含有しかつ軟化点が70℃以上)をいずれも満たす樹脂を用いた場合、以下のようになる。即ち、この両要件を満たす樹脂は、第1のエポキシ樹脂(a)として考え、その含有量を算出する。
また、上記第1のエポキシ樹脂(a)の要件及び第3のエポキシ樹脂(h)の要件(芳香族基を含有する)をいずれも満たす樹脂を用いた場合、この両要件を満たす樹脂は、第1のエポキシ樹脂(a)として考え、その含有量を算出する。例えば、上述した樹脂(a1−11)及び樹脂(a1−13)は、この両要件を満たしている。
さらに、上記第2のエポキシ樹脂(e)の要件及び上記第3のエポキシ樹脂(h)の要件をいずれも満たす樹脂を用いた場合、この両要件を満たす樹脂は、第2のエポキシ樹脂(e)として考え、その含有量を算出する。
また、上記第1のエポキシ樹脂(a)、第2のエポキシ樹脂(e)及び第3のエポキシ樹脂(h)のいずれの要件も満たす樹脂を用いた場合、これらの要件を満たす樹脂は、第1のエポキシ樹脂(a)として考え、その含有量を算出する。
<その他の成分>
感光性ネガ型樹脂組成物には、上記(a)〜(h)成分以外に、例えば以下の他の成分を含むことができる。即ち、その成分に特に制限はないが、用途に応じて、界面活性剤や増感剤、吸光剤、重合促進剤、難燃剤、難燃助剤などを使用することができる。
<微細構造体>
本発明の微細構造体は、基板上に形成され、本発明の感光性ネガ型樹脂組成物の硬化物からなる。なお、微細構造体とは、ミクロン単位以下で制御されたパターンを有する構造体を意味する。微細構造体としては、例えば、液体吐出ヘッド中の流路形成層(ノズル層)やディスプレイにおけるカラーフィルター、素子および配線形成部材などを挙げることができる。
<微細構造体の製造方法>
本発明の微細構造体の製造方法は、以下の工程を含むことを特徴とする。
(1)上記感光性ネガ型樹脂組成物を基板上に配置する工程。
(2)この感光性ネガ型樹脂組成物を、i線光を用いたフォトリソグラフィーによりパターニング処理する工程。
本発明の微細構造体の製造方法は、例えば、液体吐出ヘッドの作製に適用することができる。液体吐出ヘッドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、インクを被記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドや、バイオチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッドが挙げられる。
以下に、このインクジェット記録ヘッドに着目して、本発明の微細構造体の製造方法を説明する。
<インクジェット記録ヘッドの製造方法>
図1にインクジェット記録ヘッドの構成例を説明するための模式的斜視図を示す。図1に示すインクジェット記録ヘッドは、エネルギー発生素子2を複数有する基板上に、インク吐出口(吐出口)5と、このインク吐出口5に連通するインク流路(液体流路)3cとを構成する流路形成層4を有する。また、基板1には、インク(液体)をインク流路3cに供給するためのインク供給口(液体供給口)6が設けられている。図2に示すように、基板1上にエネルギー発生素子2が所定のピッチで複数個配置されている。なお、エネルギー発生素子2には素子を動作させるための制御信号入力電極(不図示)が接続されている。
また、インクジェット記録ヘッドにおける吐出口の配列密度は、特に限定されるものではない。例えば、インクジェット記録ヘッドに、2つの吐出口列を作製し、その際、片側の吐出口列を600dpi(dots per inch)として、インクジェット記録ヘッド全体の吐出口の配列密度を1200dpiとすることができる。更には、片側吐出口列が1200dpi以上の高い配列密度とすることもできる。
インクとしては、例えば、顔料分散型インク、および染料と顔料分散型を併用したインクを用いることができる。顔料分散型インクは、特に限定されるものではなく、例えば、発色の元となる化合物として顔料(例えば、カーボンブラック)を使用し、顔料の特性に応じて染料インクとは異なる有機溶剤(例えば、2−ピロリドン)を含有する、もしくは有機溶剤量を多く含有するものが使用できる。
以下にインクジェット記録ヘッドの製造方法について図3及び4を参照して説明する。図3及び4は、図1及び図2のA−B断面における断面図に相当する。なお、図3に示す製造方法を製法1と表し、図4に示す製造方法を製法2と表す。
<製法1>
まず、図3(a)に示すように、エネルギー発生素子2を有する基板1を用意する。
基板1は、Si基板であることが好ましい。特に、シリコン単結晶体であることが好ましく、基板1のインク供給口6の穿設を異方性エッチングにより行う場合は、結晶方位<100>のシリコン単結晶体であることが好ましい。基板1の貫通孔の穿設をドライエッチング、サンドブラスト、レーザーにより行う場合は、結晶方位<110>のシリコン単結晶体などであってもよい。
エネルギー発生素子2は、インク液滴を吐出させるための吐出エネルギーがインクに与えられ、インク液滴がインク吐出口から吐出可能なものであれば、特に限定はされない。例えば、エネルギー発生素子2として発熱抵抗素子が用いられる場合、この発熱抵抗素子が近傍のインクを加熱することにより、インクに状態変化を生起させ吐出エネルギーを発生する。
次に、図3(b)に示すように、基板1上に、溶解可能な樹脂組成物を塗布し、インク流路パターン用の溶解可能な樹脂層3aを形成する。
溶解可能な樹脂層3aの形成方法としては、例えば、ポジ型感光性樹脂を適宜溶媒に溶解し、スピンコート法等により基板1上に塗布する。その後、加熱することで溶解可能な樹脂層3aを形成することができる。溶解可能な樹脂層3aの厚さとしては、所望のインク流路の高さであり、特に限定されるものではないが、例えば、2〜50μmであることが好ましい。
次に、図3(c)に示すように、溶解可能な樹脂層3aに放射線を照射し、現像することにより、インク流路パターン3bを形成する。
次に、インク流路パターン3b及び基板1上に、本発明の感光性ネガ型樹脂組成物を配置して感光性ネガ型樹脂組成物層を形成する(工程(1))。なお、感光性ネガ型樹脂組成物層を形成する際に、プリベーク(例えば、60℃、9分)を行うことができる。
感光性ネガ型樹脂組成物層の厚さとしては、インク流路パターン3b上の厚みとして2μm以上であることが好ましい。また、厚さの上限は、特に制限されるものではないが、インク吐出口部の現像性を考慮して、例えば、インク流路パターン3b上の厚みとして100μm以下である。このように、感光性ネガ型樹脂組成物は、基板表面に直接配置されても良いし、基板と感光性ネガ型樹脂組成物との間に他の層(例えば、接着層等)を有していても良い。
次に、この感光性ネガ型樹脂組成物層にi線光を照射し、その後MIBK(メチルイソブチルケトン)等の溶剤により現像を行い、パターニング処理する(工程(2))。さらに、イソプロピルアルコール(IPA)等の溶剤により適宜リンス処理を行う。さらに、露光後ベーク(例えば、90℃、4分)を行い、インク吐出口5を形成し、吐出口パターン及びインク流路パターンが形成された流路形成層(インク流路形成層)4を作製する(図3(d))。なお、インク吐出口5を形成する際に使用するi線光の中心波長は、365nmである。
次に、図3(e)に示すように、エッチング処理(例えば異方性エッチング)など適当な方法を用いて、基板1にインク供給口6を形成する。
次に、図3(f)に示すように、インク流路パターン3bを適切な溶媒を用いて溶解除去し、インク流路3cを形成する。適切な溶媒としては、例えばアルカリ水溶液や有機溶媒を用いることができる。
その後、基板1をダイシングソーやレーザーアブレーション、ドライエッチング等により切断分離、チップ化し、エネルギー発生素子2を駆動させるための電気的接合を行う。さらに、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
なお、上記の方法は、インクジェット記録ヘッドの製造方法に限られず、中空パターンを形成するパターン形成方法としても有効である。
<製法2>
まず、図4(a)に示すように、エネルギー発生素子2を有する基板1上に、溶解可能な樹脂組成物を塗布し、インク流路パターン3bを形成する(図4(a))。
次に、図4(b)に示すように、インク流路パターン3b及び基板1上に、本発明の感光性ネガ型樹脂組成物からなる第1の感光性ネガ型樹脂組成物層4aを形成する。
次に、図4(c)に示すように、第1の感光性ネガ型樹脂組成物層4aに第一のフォトマスク10を介してi線光を照射する。続いて、第一の露光後ベークを行うと、表面へこみ7や吐出口の潜像である、第一の吐出口パターン8aが形成された第2の感光性ネガ型樹脂組成物層4bが形成される。上記第一の露光後ベークの条件は、特に制限されないが、例えば100℃で4分間の熱処理である。
次に、図4(d)に示すように、第2の感光性ネガ型樹脂組成物層4bに第二のフォトマスク11を介して再度i線光を照射する。第二のフォトマスク11は第一のフォトマスク10とは異なる開口部を有する。この際、第一の露光における未露光部の少なくとも一部に第二の露光を行う。続いて、第二の露光後ベークを行うと、新たに、吐出口の潜像である第二の吐出口パターン8bが形成される。これにより、吐出口パターン及びインク流路パターンが形成された流路形成層4が形成される。上記第二の露光後ベークの条件は、特に制限されないが、例えば90℃で4分間の熱処理である。
第二のフォトマスク11は、吐出口5を形成するために、吐出口形に対応した円形や楕円形の遮光部が存在するものである。一方で、第一のフォトマスク10は、第二のフォトマスク11のノズル遮光部と同じ位置に遮光部が存在し、かつ、第二のフォトマスク11の遮光部を覆い、より大きな面積の遮光部を有する。この製法2のように、2段階で吐出口部分のパターニング処理を行うことにより、表面へこみ7の凹みを利用した露光時に得られる光のレンズ効果により、吐出口5にテーパ形状を容易に形成することができる。
次に、MIBK(メチルイソブチルケトン)等により現像処理を行う。さらに、IPA等により適宜リンス処理を行うことで、図4(e)に示すように、吐出口5を形成する。
次に、図4(f)に示すように、エッチング処理など適当な方法を用いて、基板1にインク供給口6を形成する。そして、インク流路パターン3bを適当な溶媒に溶解して除去し、インク流路3cを形成する。
その後、基板1をダイシングソー等により切断分離、チップ化し、エネルギー発生素子2を駆動させるための電気的接合を行う。さらに、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
なお、上記の方法は、インクジェットヘッドの製造方法に限られず、中空パターンを形成するパターン形成方法としても有効である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例1,2,7,15は参考例を示す。
<実施例1〜22>
(感光性ネガ型樹脂組成物の調製)
表1に記載の配合に従って、第1のエポキシ樹脂(a)、第1のオニウム塩(b)、シラン化合物(c)、および有機溶剤(d)、必要に応じて第2のエポキシ樹脂(e)、第2のオニウム塩(f)、第3のオニウム塩(g)、及び第3のエポキシ樹脂(h)およびその他の成分を混合し、感光性ネガ型樹脂組成物を得た。表1において、各成分の単位は質量部を表す。
(インクジェット記録ヘッドの作製)
通常、1つの基板を用いて複数のインクジェット記録ヘッドを作製するが、以下では1つのインクジェット記録ヘッドに着目して説明する。
・製法1
まず、エネルギー発生素子2を有するシリコンウエハーからなる支持体(基板1)を用意した。続いて、この基板1上に、溶解可能な樹脂組成物を塗布し、インク流路パターン用の溶解可能な樹脂層3aを形成した。次に、溶解可能な樹脂層3aに放射線を照射し、現像することにより、インク流路パターン3bを形成した。
続いて、得られた感光性ネガ型樹脂組成物を、この基板1及びインク流路パターン3b上にスピンコーターで塗布した後、60℃で、9分間プリベーク乾燥して、感光性樹脂組成物層を得た。この感光性ネガ型樹脂組成物層の基板上の膜厚は40μmであり、この感光性ネガ型樹脂組成物層のインク流路パターン3b上の厚みは25μmであった。
次に、この感光性ネガ型樹脂組成物層に、商品名:FPA−3000 i5+(i線ステッパー、キヤノン社製)を用いて、後述する感度及び解像力評価用のパターンが描写されたマスクを介してパターン露光を行い、ホットプレートにより90℃、4分の露光後ベーク処理を行った。なお、i線ステッパーは、デフォーカス設定を適宜変更することで、例えば−5〜10度程度の所望のテーパ角度を得ることができる。このパターン露光では、テーパ角度が1度となるように、i線ステッパーのデフォーカス設定を行った。
テーパ角度は、吐出口5の側壁(側面)において、インク吐出方向(図3では、紙面上方向)の最末端を起点として基板1側に向かって垂線を引いた場合、この垂線と吐出口5の側壁の間に形成される角度を表す。
その後、商品名:CDS−860R+(キヤノン社製)を用いて現像処理を行い、オーブンを用いて140℃で1時間のポストベークを行い、吐出口パターン及びインク流路パターンが形成されたインク流路形成層4を得た。このインク流路形成層4は、感光性ネガ型樹脂組成物の硬化物からなる。なお、吐出口配列密度は、片側600dpi×2列で、1200dpiとした。
次に、エッチング処理により、基板1にインク供給口6を形成した。続いて、インク流路パターン3bを溶媒(MIBK(メチルイソブチルケトン))を用いて溶解除去し、インク流路3cを形成した。その後、得られた基板に、エネルギー発生素子2を駆動させるための電気的接合を行った。さらに、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
・製法2
まず、製法1と同様に、エネルギー発生素子2が設けられた基板1(シリコンウエハー)上に、溶解可能な樹脂組成物を塗布し、インク流路パターン3bを形成した。次に、インク流路パターン3b及び基板1上に、得られた感光性ネガ型樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、60℃で、9分間プリベーク乾燥して、第1の感光性ネガ型樹脂組成物層4aを形成した。この第1の感光性ネガ型樹脂組成物層4aの基板1上の膜厚は40μmであり、この第1の感光性ネガ型樹脂組成物層4aのインク流路パターン3b上の厚みは27μmであった。
次に、第1の感光性ネガ型樹脂組成物層4aに、商品名:FPA−3000 i5+(i線ステッパー、キヤノン社製)を用いて、表面へこみ7のパターンが描写された第一のフォトマスク10を介してパターン露光を行い、ホットプレートにより90℃、4分の露光後ベーク処理を行った。その際、第1の感光性ネガ型樹脂組成物層4aの感光部は硬化が進行し、第2の感光性ネガ型樹脂組成物層4bへ変化する。
次に、この層4bに、商品名:FPA−3000 i5+(i線ステッパー、キヤノン社製)を用いて、後述する感度及び解像力評価用のパターンが描写された第二のフォトマスク11を介してパターン露光を行い、ホットプレートにより90℃、4分の露光後ベーク処理を行った。なお、その際、吐出口5のテーパ角度が7度となるように、i線ステッパーのデフォーカス設定を行った。
その後、商品名:CDS−860R+(キヤノン社製)を用いて現像処理を行い、オーブンを用いて140℃で1時間のポストベークを行った。これにより、新たに吐出口の潜像である第二の吐出口パターン8bが形成され、吐出口パターン及びインク流路パターンが形成された流路形成層4を得た。なお、吐出口配列密度は、片側600dpi×2列で、1200dpiとした。
次に、エッチング処理により、基板1にインク供給口6を形成した。続いて、インク流路パターン3bを溶媒(MIBK(メチルイソブチルケトン))を用いて溶解除去し、インク流路3cを形成した。その後、得られた基板に、エネルギー発生素子2を駆動させるための電気的接合を行った。さらに、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
<評価>
(感度及び解像力評価用のパターンが描写されたフォトマスク)
上記製法1及び製法2では、フォトマスク(製法2では、第二のフォトマスク11)として、図5に示すフォトマスクを用いた。このフォトマスクは、設計寸法が長軸20μm×短軸16μmの楕円形吐出口に、幅3μm(図5のc)のラインパターンが短軸に沿って橋渡しされたパターンが形成されている。そして、各製法において、この図5に示すフォトマスクを用いて、感光性ネガ樹脂組成物層(製法2では層4b)にネガ型レジストパターンを形成した。図5のマスク中、白抜き部分が遮光部を表し、このマスクを用いて中空パターンを形成した。
(感度)
以下の方法で、各例の感光性ネガ樹脂組成物の感度評価を行った。具体的には、図5に示すフォトマスクを用いて、露光量を500〜30000J/m2の範囲で段階的に変更して、各例の製法1における感光性ネガ型樹脂組成物層に対してi線露光を行った。そして、得られたパターンのうち、橋渡しパターンの中心部分の幅が3μmに形成されるために必要な露光量(J/m2)を測定した。この露光量が小さければ小さい程、感光性ネガ型樹脂組成物は高感度であると言える。
なお、製法1及び2では、表1に示す露光量(J/m2)にて、図5に示すフォトマスクを用いて感光性ネガ樹脂組成物層にネガ型レジストパターンを形成した。
(解像力)
図5に示すフォトマスクを用いて製法1及び2でそれぞれ感光性ネガ樹脂組成物層に形成したネガ型レジストパターンにおいて、楕円と橋渡しラインパターンが交差する部分を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、その解像性を測定した。マスクパターンに忠実にレジストパターンが形成できた場合の半月型の端部(図5のa)から、橋渡しラインパターンのエッジ上に沿った仮想直線を引いた時、この半月型の端部aから、この仮想直線と実際に解像したパターンとが交差する点dまでの距離(図5のb)を解像力とした(単位はμm)。これは、実際のパターンが、半月型の端部(図5のa)まで解像している場合、解像力が0μmとなることを意味し、設計寸法に一致していることを示す。しかし、解像力が低下すると、半月型の端部(図5のa)にネガ化物が残る。よって、このネガ化物の広がりの程度(図5のb)により解像力の値を決定することができる。なお、半月型の端部aと、交差する点dまでの距離は、各端部に対して計4か所存在するが、そのうち、最も解像力が悪いもの(距離bが長いもの)を本評価の解像力として表1に示した。
(顔料インク耐性)
各例において製法1または製法2を用いて作製したインクジェット記録ヘッドを金属顕微鏡で観察し、基板1とインク流路形成層4が漏れなく接着していることを確認した(以下、初期と表記する)。次に、このインクジェット記録ヘッドを顔料分散型インク(商品名:PGI−39M、キヤノン社製)中に浸漬した。これをオーブン中で60℃、常圧(105Pa)の条件に保ち、7日間、顔料分散型インク中に浸漬し続けた。この浸漬試験後のインクジェット記録ヘッドを再度金属顕微鏡で観察し、以下の基準に従い評価した。なお、○と判定された場合、そのインクジェット記録ヘッドの作製に用いた感光性ネガ型樹脂組成物は、顔料インク耐性が良好であると言える。
○:基板1とインク流路形成層4が初期と同様に漏れなく接着しているもの。
×:一部分でも剥がれが観察されたもの。
<比較例1〜7>
表1に記載の配合に従って、感光性ネガ型樹脂組成物を作製した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製した。各例の感光性ネガ型樹脂組成物及びインクジェット記録ヘッドを実施例1と同様に評価した。
なお、製法2に関する解像力及び顔料インク耐性の評価は、実施例4、14、16〜19、21、及び比較例1〜2についてのみ実施した。
Figure 0006120574
*1)商品名:エポリード GT401(ダイセル化学工業製)、エポキシ当量210〜225
*2)商品名:エポリード GT403(ダイセル化学工業製)、エポキシ当量270〜300
*3)商品名:エポリード GT301(ダイセル化学工業製)、エポキシ当量185〜205
*4)商品名:SILQUEST A−187 SILANE(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)
*5)商品名:EHPE3150(ダイセル化学工業製)、エポキシ当量:180、軟化点:85℃
*6)商品名:EP−4000S(ダイセル化学工業製)、エポキシ当量:260
*7)商品名:JER157S70(ジャパンエポキシレジン製)、エポキシ当量:210、軟化点:70℃
*8)商品名:FX512(スリーM製)
*9)商品名:CELLOXIDE 2081(ダイセル化学工業製)、下記構造式
Figure 0006120574
*10)トリメリット酸無水物(TA)(東京化成工業製)。
*11)商品名:SILQUEST A−1100 SILANE(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)。
*12)30000(J/m)においてもパターン形成できなかった(露光量不足)。よって、解像力、顔料インク耐性評価は未実施。
第1のエポキシ樹脂(a)、第1のオニウム塩(b)、シラン化合物(c)及び有機溶剤(d)を含む実施例1〜22の感光性ネガ型樹脂組成物は、高感度かつ高解像力であり、顔料インク耐性に優れた流路形成層(パターン硬化物)を有するインクジェット記録ヘッドを作製できた。
一方、比較例1〜7の感光性ネガ型樹脂組成物を用いて作製した流路形成層は、感度、解像力および顔料インク耐性の両立が十分ではなかった。
以上より、本発明の感光性ネガ型樹脂組成物は、高感度および高解像力であり、顔料インク耐性に優れたノズルを形成することができる。したがって、インクジェットに代表される、MEMS用等の微細加工を施した各種デバイスに好適に用いることができる。
1 基板
2 エネルギー発生素子
3a 溶解可能な樹脂層
3b インク流路パターン
3c インク流路
4 流路形成層(インク流路形成層)
4a 第1の感光性ネガ型樹脂組成物層
4b 第2の感光性ネガ型樹脂組成物層
5 吐出口
6 インク供給口
7 表面へこみ
8a 第一の吐出口パターン
8b 第二の吐出口パターン
10 第一のフォトマスク
11 第二のフォトマスク

Claims (13)

  1. シクロヘキセンオキシド骨格を分子内に少なくとも3個有する樹脂(a)と、
    下記式b1で表わされるカチオン部構造および下記式b2で表されるアニオン部構造から成るオニウム塩(b)と、
    シラン化合物(c)と、
    有機溶剤(d)と、
    を含むことを特徴とする感光性ネガ型樹脂組成物:
    Figure 0006120574
    [R1からR3は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1以上30以下の有機基を表し、ただし、R1からR3を構成する全ての原子中に、酸素原子が2つ以上含まれ、R1とR2、R2とR3、および、R1とR3は、いずれも直接または連結基を介して連結して環状構造を形成してもよく、 からR のうち少なくとも1つが環状カルボニル構造を含み、前記2つ以上の酸素原子はそれぞれ該環状カルボニル構造中のカルボニル基に含まれるものであり、
    4はフッ素原子で置換されてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基を表し、Xは、炭素原子、窒素原子、リン原子、またはホウ素原子を表し、
    1は、−S(=O)2−、フッ化アルキレン基、*1−O−CF2−、*1−C(=O)−CF2−、*1−O−C(=O)−CF2−、*1−C(=O)−O−CF2−、または単結合を表し、ただし、*1はR4に結合する末端を表し、
    Xが炭素原子を表す場合、nは0、1または2を表し、ただし、mとnとの合計は3であり、
    Xが窒素原子を表す場合、nは0または1を表し、ただし、mとnとの合計は2であり、Xがリン原子を表す場合、nは0以上6以下の整数を表し、ただし、mとnとの合計は6であり、
    Xがホウ素原子を表す場合、nは0以上3以下の整数を表し、ただし、mとnとの合計は4であり、
    mが2以上の整数を表す場合、Xに結合する2つ以上のR4−Y1−基において、1つのR4−Y1−基中のいずれかの炭素原子と、他のR4−Y1−基中のいずれかの炭素原子とが単結合を介して結合することにより環状構造を形成してもよい]。
  2. 前記環状カルボニル構造が、芳香族環を含む共役系中にある請求項1に記載の感光性ネガ型樹脂組成物。
  3. 式b1中、9,10−アントラキノン骨格、または2つ以上のチオキサントン骨格を有する請求項2に記載の感光性ネガ型樹脂組成物。
  4. 前記樹脂(a)が、下記式a1で表わされることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物:
    Figure 0006120574
    [Rは、脂環式エポキシ基およびエステル基(−C(=O)−O−)のうちの一方または両方を含有してもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基を表し、
    1からAhは、それぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1以上9以下のアルキレン基と、−O−と、−C(=O)−とからなる群から選ばれる1つ以上の基で構成される基を表し、V1からVhは、それぞれ独立に、下記式a2で表わされる基を表し、L1からLhは、それぞれ独立に、0以上の数を表し、
    h、LhおよびVhにおけるhは2以上の整数を表し、ただし、hが2の場合は、R中に少なくとも1個のシクロヘキセンオキシド骨格を含有する]、
    Figure 0006120574
    [R21からR29は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上9以下のアルキル基を表す]。
  5. 更に、シクロヘキセンオキシド骨格とは異なる脂環式基を含有する、軟化点70℃以上のエポキシ樹脂(e)を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物。
  6. 更に、下記式f1で表わされるカチオン部構造および下記式f2で表されるアニオン部構造から成るオニウム塩(f)を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物:
    Figure 0006120574
    [R5からR7は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1以上15以下の有機基を表し、ただし、R5とR6、R6とR7、および、R5とR7は、いずれも直接または連結基を介して連結して環状構造を形成してもよく、
    8はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1以上20以下の炭化水素基を表し、Y2はメチレン基、−CH2−C(=O)−*2、−CH2−C(=O)−O−*2、−CH2−O−CF2−*2、−CH2−C(=O)−CF2−*2、−CH2−O−C(=O)−CF2−*2、−CH2−C(=O)−O−CF2−*2、または単結合を表し、ただし、*2はR8に結合する末端を表し、
    Zは炭素原子または硫黄原子を表し、ただし、Zが炭素原子を表す場合、kは1を表し、Zが硫黄原子を表す場合、kは2を表す]。
  7. 式f2中のZが硫黄原子を表す請求項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物。
  8. 更に、下記式g1で表わされるカチオン部構造および下記式g2で表されるアニオン部構造から成るオニウム塩(g)を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物:
    Figure 0006120574
    [R9からR11は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1以上30以下の有機基を表し、ただし、R9とR10、R10とR11、および、R9とR11は、いずれも直接または連結基を介して連結して環状構造を形成してもよく、
    iは、0以上6以下の整数を表し、ただし、iとjとの合計は6である]。
  9. 式b2中のXがリン原子を表す請求項1からのいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物。
  10. 更に、芳香族基を含有するエポキシ樹脂(h)を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物。
  11. 基板上に形成される微細構造体であって、請求項1から10のいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする微細構造体。
  12. 請求項11に記載の微細構造体により流路形成層が構成されている液体吐出ヘッド。
  13. (1)請求項1から10のいずれか1項に記載の感光性ネガ型樹脂組成物を基板上に配置する工程と、
    (2)該感光性ネガ型樹脂組成物を、i線光を用いたフォトリソグラフィーによりパターニング処理する工程と、
    を含むことを特徴とする微細構造体の製造方法。
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