JP4305608B2 - カラーフィルタ保護膜用組成物および保護膜 - Google Patents

カラーフィルタ保護膜用組成物および保護膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示装置や電荷結合素子等の光デバイスに用いられるカラーフィルタを保護するための保護膜をインクジェット方式により形成するための材料として好適なインクジェット方式によるカラーフィルタ保護膜用組成物、その組成物を使用した保護膜の形成方法、ならびにその組成物から形成された保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置や電荷結合素子等の光デバイスは、その製造工程中に、溶剤、酸またはアルカリ溶液等による表示素子の浸漬処理が行われ、また、スパッタリングにより配線電極層を形成する際には、素子表面が局部的に高温に曝される。このような処理によって素子が劣化、損傷することを防止するために、これらの処理に対して耐性を有する薄膜からなる保護膜を素子の表面に設けることが行われている。
【0003】
このような保護膜の形成方法としては、従来、カラーフィルタ等の基板表面上に、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法などの方法で塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、加熱処理をすることにより目的とする保護膜を形成することが知られている。しかし、これらの方法では、保護膜形成に必要な樹脂組成物量を超えて、安定的な塗布のために多量の樹脂組成物が必要である。従って樹脂組成物の無駄が多く、そのためコストが高くなる等の問題があった。
【0004】
一方、特開昭59−75205号公報、特開昭61−245106号公報および特開昭63−235901号公報等には、インクジェットヘッドを用いてカラーフィルタの着色層を形成する工程を備えた、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法が開示されている。この方法では、カラーフィルタ用樹脂組成物の液滴を吐出する位置の制御が容易で、樹脂組成物の無駄も少なくなるため、製造コストを低減できるという利点がある。
【0005】
しかしながら、これらの公報では、インクジェット方式に適した組成を持つカラーフィルタ保護膜用組成物については十分な考察がなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、インクジェット方式によるカラーフィルタ保護膜用組成物のカラーフィルタ製造過程における挙動を詳細に検討した結果、カラーフィルタを構成している各画素パターンは面積が微小であるため、使用されるインクジェットヘッドの目詰まりを無くして、カラーフィルタ保護膜用組成物の液滴を直進性良く吐出する必要があり、そのためには、カラーフィルタ保護膜用組成物の吐出時の液滴の乾燥速度を小さくするとともに、乾燥による液滴の過度の粘度上昇も抑え、かつ固形分の析出を防止する必要があることを究明した。
【0007】
本発明は、従来技術における前記事情を勘案し、かつ前記知見に基づいてされたものである。それ故、本発明の目的は、カラーフィルタの製造に最適化されたカラーフィルタ保護膜を、低コストのインクジェット方式により製造するための組成物、およびその保護膜を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、保護膜として要求される諸特性、具体的には、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などを満たすと共に、下地基板上に形成されたカラーフィルタの段差を平坦化する性能に優れたカラーフィルタ保護膜を形成するために好適に用いられる組成物および上記組成物より形成された保護膜を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0010】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第一に、
(A)(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体(以下、「共重合体(A)」ということがある。)、
(B)(A)成分以外のカチオン重合性化合物、ならびに
(C)エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテルおよび乳酸ブチルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の常圧における沸点が180℃以上の溶媒
を含有することを特徴とする、カラーフィルタ用保護膜をインクジェット方式により形成するためのカラーフィルタ保護膜用組成物によって達成される。
【0011】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第二に、
上記(A)成分、(B)成分および(C)成分に加えて、さらに(D)熱および/または放射線により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする組成物によって達成される。
【0012】
本発明の上記目的および利点は、第三に、上記本発明の組成物を用いてインクジェット方式に形成された保護膜により達成される。
【0013】
以下、本発明の組成物に使用されるその他の構成成分について詳説する。
【0014】
共重合体(A)
本発明で使用される共重合体(A)は、(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体である。
【0015】
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%含有している。この構成単位が5重量%未満である共重合体は、耐熱性、耐薬品性、表面硬度が低下する傾向にあり、一方40重量%を超える共重合体は保存安定性が低下する場合がある。
【0016】
上記(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;およびこれらジカルボン酸の無水物が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、耐熱性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらの化合物(a1)は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0017】
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は得られる保護膜の耐熱性、表面硬度が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は、そのような共重合体を含有する組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0018】
上記(a2)エポキシ基含有不飽和化合物は、エポキシ基と重合性炭素−炭素二重結合を一分子中に持つ化合物であり、具体的には例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0019】
これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが共重合反応性および得られる保護膜の耐熱性、硬度を高める点から好ましく用いられる。これらの(a2)エポキシ基含有不飽和化合物は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0020】
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は、そのような共重合体を含有する組成物の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は得られる保護膜の耐熱性、表面硬度が低下する場合がある。
【0021】
上記(a3)成分である(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;
メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;
シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてメタクリル酸ジシクロペンタニルといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなどのメタクリル酸環状アルキルエステル;
シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてアクリル酸ジシクロペンタニルといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなどのアクリル酸環状アルキルエステル;
フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸アリールエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;
インデン、1−メチルインデン等のインデン誘導体;
フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルエステル;
およびスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
【0022】
これらのうち、スチレン、t−ブチルメタクリレート、メタクリル酸ジシクロペンタニル、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエン、フェニルマレイミド、シクロヘキシルなどが共重合反応性および耐熱性の点から好ましい。
【0023】
これらの化合物(a3)は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0024】
本発明に用いられる共重合体(A)は、ポリスチレン換算重量平均分子量が、好ましくは3,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。この範囲の分子量を持つ共重合体を使用することにより、平坦化性に優れた保護膜を得ることができる。
【0025】
本発明で使用される共重合体(A)は、上記(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物を、適当な溶媒および重合開始剤の存在下、例えばラジカル重合によって製造することができる。
【0026】
共重合体(A)の製造に使用される溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノールなどのアルコール類;
テトラヒドロフランなどのエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;
プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトンなどのケトン類;
【0027】
および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0028】
これらのうち、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールアルキルアセテート類が好ましく、就中、エチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートが特に好ましい。
【0029】
共重合体(A)の製造に使用される開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
【0030】
(B)(A)成分以外のカチオン重合性化合物
本発明で使用される(B)成分である(A)成分以外のカチオン重合性化合物としては、例えば、オキセタン基、3,4−エポキシシクロへキシル基、又はエポキシ基を分子内に2個以上有する化合物を挙げることができる。
【0031】
このような(B)成分である(A)成分以外のカチオン重合性化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
【0032】
上記オキセタン基を分子内に2以上有する化合物としては、例えば3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物等を挙げることができる。
【0033】
上記3,4−エポキシシクロヘキシル基を分子内に2個以上有する化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等を挙げることができる。
【0034】
エポキシ基を2個以上有する上記化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル等の各種ビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ポリフェノール型エポキシ樹脂;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
高級脂肪酸のグリシジルエステル類;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等を挙げることができる。
【0035】
エポキシ基を2個以上有する上記化合物の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)等;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、184(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、ERL−4234、4299、4221、4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ(株)製)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等;
脂肪族ポリグリシジルエーテルとしてエポライト100MF(共栄社化学(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
【0036】
上記のカチオン重合性化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
これらの(B)成分である(A)成分以外のカチオン重合性化合物のうち、好ましいものとして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0038】
(C)常圧における沸点が180℃以上の溶媒
本発明における溶媒は、常圧(1気圧)における沸点(以下、単に「沸点」という。)が180℃以上の溶媒(以下、「高沸点溶媒」という。)からなる。高沸点溶媒の沸点は、、好ましくは200℃以上である。また、高沸点溶媒の沸点の上限は、本発明におけるインクジェット方式カラーフィルタ保護膜用組成物からインクジェット方式によりカラーフィルタ保護膜を製造することができる限り、特に制約されるものではない。樹脂組成物の調製工程およびカラーフィルタ保護膜の製造工程における操作性の観点からみると、沸点が好ましくは290℃以下、より好ましくは280℃以下の、常温(20℃)で比較的低粘度の液体である高沸点溶媒が望ましい。したがって、本発明における高沸点溶媒の好ましい沸点範囲は、具体的には、180〜290℃であり、さらに好ましくは200〜280℃である。
【0042】
本発明において用いられる上記高沸点溶媒は
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテルおよび乳酸ブチルである
【0043】
前記高沸点溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0044】
高沸点溶媒の使用量は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは、100〜10,000重量部、より好ましくは1,000〜10,000重量部、さらに好ましくは2,000〜5,000重量部である。
【0045】
本発明においては、高沸点溶媒を使用することにより、下記の如き効果を奏することができる。すなわち、
▲1▼ インクジェット方式により画素パターンを形成する際には、カラーフィルタ保護膜用組成物を隔壁上端より盛り上がった状態となるようにカラーフィルタ領域に吐出させたのち、乾燥して、隔壁により区画されたカラーフィルタ領域内に保護膜を形成するが、このときの高沸点溶媒の蒸発速度が低く、吐出された該樹脂組成物が乾燥時に急激に変化することがないため、保護膜を形成する際の作業マージンが向上する。
▲2▼ インクジェット方式により保護膜を形成する際には、溶媒の蒸発によりカラーフィルタ保護膜用組成物が次第に粘稠になるが、溶媒の沸点が低いと粘度変化が大きくなるため、保護膜の形成過程の初期と終期での、カラーフィルタ領域に吐出された該樹脂組成物の変化の度合いが大きくなり、保護膜の形成に支障をきたすのに対して、高沸点溶媒を採用することにより、この粘度変化を小さく抑えることができ、所望の保護膜の形成が容易となる。
▲3▼ カラーフィルタ保護膜用組成物を吐出させるインクジェットヘッドの乾燥による目詰まりを防止でき、また該組成物を吐出する際のインクジェットヘッドの乾燥による飛行曲がりも防止でき、良好な直進性を確保できるため、カラーフィルタ保護膜用組成物の利用効率および保護膜製造装置の洗浄効率が向上する。
【0046】
また、本発明においては、沸点が180℃未満の溶媒(以下、「低沸点溶媒」という。)を高沸点溶媒と併用することができる。
【0047】
低沸点溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
【0048】
プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
メタノール、エタノールなどのアルコール類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、メチルイソアミルケトンなどのケトン類;
【0049】
および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類が挙げられる。
【0050】
これらのうち、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルアセテート類、エステル類が好ましく、特に、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルが好ましい。
【0051】
これらの低沸点溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0052】
低沸点溶媒の使用割合は、高沸点溶媒と低沸点溶媒との合計に対して、好ましくは、30重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。この場合、低沸点溶媒の使用割合が30重量%を超えると、高沸点溶媒を使用することによる所期の効果が損なわれるおそれがある。
【0053】
(D)熱および/または放射線により酸を発生する化合物
本発明に使用される(D)成分は、感放射線酸発生剤または感熱酸発生剤である。
【0054】
感放射線酸発生剤としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、ジアリールホスホニウム塩類等が好ましく使用できる。また、感熱酸発生剤としては、例えばスルホニウム塩類(前述のトリアリールスルホニウム塩類を除く)、ベンゾチアゾニウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類等が挙げられる。これらのうちでもスルホニウム塩類(前述のトリアリールスルホニウム塩類を除く)、ベンゾチアゾニウム塩類がさらに好ましく用いられる。
【0055】
上記ジアリールヨードニウム塩類としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。これらのうちでも、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートが好適に用いられる。
【0056】
上記トリアリールスルホニウム塩類としては、例えばトリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。これらのうちでも、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートが好適に用いられる。
【0057】
上記ジアリールホスホニウム塩類としては、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスホネート等を挙げることができる。
【0058】
感放射線性酸発生剤として好適に用いられる酸発生剤の市販品としては、ジアリールヨードニウム塩類として、ユニオンカーバイド社製 商品名:UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、みどり化学(株)製 商品名:MPI−103、BBI−103等を挙げることができる。
【0059】
また、トリアリールスルホニウム塩類として、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171、日本曹達(株)製 商品名:CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064、みどり化学(株)製 商品名:DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、サートマー社製 商品名:CD−1010、CD−1011、CD−1012等を挙げることができる。
【0060】
また、ジアリールホスホニウム塩類としてチバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュアー261、日本化薬(株)製 商品名:PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T等を挙げることができる。
【0061】
これらのうち、ユニオンカーバイド社製 商品名:UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトマーSP−170、SP−171、サートマー社製 商品名:CD−1012、みどり化学(株)製 商品名:MPI−103が、得られる保護膜が高い表面硬度を有することから好ましい。
【0062】
上記感熱酸発生剤のうち、スルホニウム塩類(前記のトリアリールスルホニウム塩類を除く)の具体例としては、4−アセトフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどのアルキルスルホニウム塩;
【0063】
ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートなどのベンジルスルホニウム塩;
【0064】
ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートなどのジベンジルスルホニウム塩;
【0065】
p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどの置換ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
【0066】
これらのうちでも4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート等が好ましく用いられる。
【0067】
上記ベンゾチアゾニウム塩類としては3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム テトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどのベンジルベンゾチアゾニウム塩が挙げられる。
【0068】
これらのうち、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート等が好ましく用いられる。
【0069】
感熱酸発生剤として好適に用いられる酸発生剤の市販品としては、アルキルスルホニウム塩として、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトンCP−66、CP−77を挙げることができる。
【0070】
また、ベンジルスルホニウム塩として、三新化学工業(株)製 商品名:SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−80L、SI−100L、SI−110Lを挙げることができる。
【0071】
これらのうち、SI−80、SI−100、SI−110が、得られる保護膜が高い表面硬度を有することから好ましい。
【0072】
これら(D)成分の使用量は、共重合体(A)100重量部当たり、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。
【0073】
この範囲の使用において良好な硬化特性が得られ、硬化後の膜の諸物性が損なわれることがない。
【0074】
組成物
次に、本発明の組成物について説明する。
【0075】
本発明の組成物の実施態様としては、以下の各場合を挙げることができる。
【0076】
▲1▼前述の共重合体(A)、(B)成分である(A)成分以外のカチオン重合性化合物、および(C)常圧における沸点が180℃以上の溶媒を必須成分とし、場合により後述する任意添加成分を含有する組成物(以下、「第1組成物」ということがある。)。
【0077】
▲2▼上記第1の組成物にさらに(D)熱および/または放射線により酸を発生する化合物を含有させた組成物(以下、「第2組成物」ということがある。)。
【0078】
上記第1組成物中の各成分の配合割合は、以下の通りである。
【0079】
第1組成物中に含有される(B)成分である(A)成分以外のカチオン重合性化合物の配合割合は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部の量で用いられる。この値が3重量部未満であると、得られる保護膜の硬度が不十分となる場合があり、一方この値が100重量部を超えると、塗膜の形成工程において困難を生ずる場合がある。
【0080】
第1組成物中に含有される(C)常圧における沸点が180℃以上の溶媒の使用量は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは、100〜10,000重量部、より好ましくは1,000〜10,000重量部、さらに好ましくは2,000〜5,000重量部である。
【0081】
上記第1組成物は、(D)熱および/または放射線により酸を発生する化合物をさらに含有させ、第2組成物とすることができる。
【0082】
第2組成物に含有される(D)熱および/または放射線により酸を発生する化合物の量は、共重合体(A)100重量部当たり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この範囲の使用量において組成物は良好な硬化特性を示し、得られる保護膜の諸物性が損なわれることはない。
【0083】
上記第1または第2組成物から、後述する方法により保護膜を形成することができる。このようにして形成された保護膜は、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などを満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まず、および下地基板上に形成されたカラーフィルタの段差を平坦化する性能に優れる。本発明の保護膜は、平坦化性が好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。
【0084】
任意添加成分
本発明の組成物は、上記した諸態様をとりうるが、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて上記以外の他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、界面活性剤、接着助剤等を挙げることができる。
【0085】
上記界面活性剤は、組成物の塗布性を向上するために添加される。
【0086】
このような界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0087】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレンアリールエーテル類としては、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンジアルキルエステル類としては、例えばポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等が挙げられる。
【0088】
このような界面活性剤の市販品としては、フッ素系界面活性剤として、BM CHIMIE社製 商品名:BM−1000、BM−1100、大日本インキ化学工業(株)社製 商品名:メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、住友スリーエム(株)社製 商品名:フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、旭硝子(株)社製 商品名:サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106等;
シリコーン系界面活性剤として、東レシリコーン(株)社製 商品名:SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190、信越化学工業(株)社製 商品名:KP341、新秋田化成(株)社製 商品名:エフトップEF301、同EF303、同EF352等;
その他の界面活性剤として、共栄社化学(株)社製 商品名:(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.90等を挙げることができる。
【0089】
これらの界面活性剤の添加量は、上記第1および2組成物に添加する場合にあっては共重合体(A)100重量部当たり、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下で使用される。界面活性剤の量が5重量部を超える場合は、塗布工程において塗膜の膜荒れが生じやすくなる場合がある。
【0090】
上記接着助剤は、形成される保護膜と基板との密着性を向上させるために添加される。
【0091】
このような接着助剤としては、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく用いられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0092】
このような接着助剤は、上記第1および2組成物に添加する場合にあっては共重合体(A)100重量部当たり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下の量で用いられる。接着助剤の量が30重量部を超える場合は、得られる保護膜の耐熱性が不十分となる場合がある。
【0093】
上記のようにして調製された組成物は、例えば孔径0.2〜3.0μm、好ましくは孔径0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
【0094】
保護膜の形成
次に、本発明の組成物を用いて本発明の保護膜を形成する方法について説明する。
【0095】
本発明の組成物が上記第1組成物である場合、および(D)成分として感熱酸発生剤を含有する第2組成物である場合には、当該組成物を基板表面にインクジェット装置により塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、加熱処理をすることにより目的とする保護膜を形成することができる。
【0096】
上記基板として使用できるものとしては、例えばガラス、石英、シリコン、樹脂等の基板が使用することができる。樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ならびに環状オレフィンの開環重合体およびその水素添加物の如き樹脂を挙げることができる。
【0097】
本発明の組成物の塗布方法は、インクジェット法でる。
【0098】
上記プレベークの条件としては、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、例えば70〜90℃で1〜15分間程度の条件を採用できる。
【0099】
塗膜形成後の加熱処理は、ホットプレートやオーブンなどの適宜の加熱装置により実施することができる。処理温度としては、150〜250℃程度が好ましく、加熱装置としてホットプレート使用の場合は5〜30分間、オーブン使用の場合は、30〜90分間の処理時間を採用することが好ましい。
【0100】
また、本発明の組成物が、(D)成分として感放射線酸発生剤を含有する第2組成物である場合には、当該組成物を基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、放射線照射処理(露光処理)を施すことにより目的とする保護膜を形成することができる。必要に応じて、露光処理後にさらに加熱処理を行ってもよい。
【0101】
この場合、上記と同様にして基板上に塗膜を形成することができる。
【0102】
上記放射線の照射処理において使用できる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を挙げることができる。190〜450nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。
【0103】
露光量は、好ましくは100〜20,000J/m2、より好ましくは1,000〜10,000J/m2である。
【0104】
このように形成された保護膜は、その膜厚が、好ましくは0.1〜8μm、より好ましくは0.1〜6μm、さらに好ましくは0.1〜4μmである。なお、本発明の保護膜がカラーフィルタの段差を有する基板上に形成される場合には、上記の膜厚は、カラーフィルタの最上部からの厚さとして理解されるべきである。
【0105】
本発明の保護膜は、下記の実施例から明らかなように、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などを満たすと共に、下地基板上に形成されたカラーフィルタの段差を平坦化する性能に優れた光デバイス用保護膜として好適である。
【0106】
【実施例】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0107】
共重合体(A)の製造
以下、本発明に使用される共重合体(A)の製造例を合成例1および2に示す。
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン25重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル45重量部およびメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル10重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は、6,000であった。
【0108】
合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン18重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部およびシクロヘキシルマレイミド22重量部を仕込み窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(A−2)の重量平均分子量(Mw)は、12,000であった。
【0109】
第1組成物の調製および評価
実施例1
(A)成分として合成例1で得られた共重合体(A−1)を含む溶液(共重合体(A−1)100重量部(固形分)に相当する量)と、成分(B)としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)10.0重量部、成分(C)としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート800重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を加え、さらに固形分濃度が10%になるようにジエチレングリコールメチルエチルエーテルを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して第1組成物を調製した。
保護膜の形成
上記のようにして調製した組成物は、無色透明であった。
【0110】
インクジェット装置を用いて上記組成物を、SiO2ディップガラス基板上に塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理して膜厚2.0μmの保護膜を形成した。
【0111】
保護膜の評価
▲1▼透明性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、分光光度計(150−20型ダブルビーム(日立製作所(株)製))を用いて400〜800nmの透過率を測定した。400〜800nmの透過率の最小値を表1に示した。この値が95%以上のとき、保護膜の透明性は良好といえる。
【0112】
▲2▼耐熱寸法安定性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、オーブン中250℃で1時間加熱し、加熱前後の膜厚を測定した。下記式にしたがって算出した耐熱寸法安定性を表1に示した。この値が95%以上のとき、耐熱寸法安定性は良好といえる。
耐熱寸法安定性={(加熱後の膜厚)/(加熱前の膜厚)}×100(%)
【0113】
▲3▼耐熱変色性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、オーブン中250℃で1時間加熱し、加熱前後の透明性を、上記▲1▼と同様にして測定した。下記式にしたがって算出した耐熱変色性を表1に示した。この値が5%以下のとき、耐熱変色性は良好といえる。
耐熱変色性=加熱前の透過率−加熱後の透過率(%)
【0114】
▲4▼表面硬度の測定
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により保護膜の表面硬度を測定した。この値を表1に示す。この値が4Hまたはそれより硬いとき、表面硬度は良好といえる。
【0115】
▲5▼密着性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、プレッシャークッカー試験(120℃、湿度100%、4時間)を行った後、JIS K−5400−1990の8.5.3付着性碁盤目テープ法により保護膜の密着性を評価した。碁盤目100個中、残った碁盤目の数を表1に示した。
【0116】
▲6▼平坦化性の評価
SiO2ディップガラス基板上に、顔料系カラーレジスト(商品名「JCR RED 689」、「JCR GREEN 706」、「CR 8200B」、以上、ジェイエスアール(株)製)をスピンナーにより塗布し、ホットプレート上で90℃、150秒間プレベークして塗膜を形成した。その後、所定のパターンマスクを介して、露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で2,000J/m2の露光量で照射し、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、超純水にて60秒間リンスした後、さらにオーブン中で230℃にて30分間加熱処理して、赤、緑および青の3色のストライプ状カラーフィルタ(各画素はストライプ幅100μm×長さ300μmの長方形)を形成した。
【0117】
このカラーフィルタが形成された基板表面の凹凸を、表面粗さ計「α−ステップ」(商品名:テンコール社製)で測定したところ、1.0μmであった。測定長:2,000μm、測定範囲:2,000μm角、測定点数:n=5。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色ストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向にn=5で測定(合計n数10)。
【0118】
この上に、上記保護膜形成用組成物をインクジェット装置にて塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理し、カラーフィルタの上面からの膜厚が2.0μmの保護膜を形成した。
【0119】
上記のようにして形成した、カラーフィルタ上に保護膜を有する基板について、接触式膜厚測定装置α−ステップ(テンコールジャパン(株)製)にて保護膜の表面の凹凸を測定した。測定長:2,000μm、測定範囲:2,000μm角、測定点数:n=5。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色ストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向にn=5で測定(合計n数10)。各測定毎の最高部と最底部の高低差(nm)の10回の平均値を表1に示した。この値が300nm以下のとき、平坦化性は良好といえる。
【0120】
実施例2〜および比較例1
組成物の各成分の種類および量を表1に記載のとおりとした他は実施例1と同様にして保護膜形成用組成物を調製し、実施例1と同様に保護膜を形成し、評価した。結果を表1に示した。
【0121】
第2組成物の調製および評価
実施例
(A)成分として合成例1で得られた共重合体(A−1)を含む溶液(共重合体(A−1)100重量部(固形分)に相当する量)と、成分(B)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート1032H60)50.0重量部、成分(C)としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート1,000重量部、(D)成分としてベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート2重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を加え、さらに固形分濃度が10%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して第2組成物を調製した。
ここで得られた組成物の外観を表1に示した。
【0122】
上記のように調製した組成物を使用して実施例1と同様に保護膜を形成し、評価した。結果を表1に示した。
【0123】
実施例および比較例2
組成物の各成分の種類および量を表1に記載の通りとした他は、実施例と同様にして組成物を調製した。
ここで調製した組成物の外観を表1に示す。
【0124】
上記組成物溶液をSiO2ディップガラス基板上に、インクジェット塗布装置を用いて塗布した後、80℃で5分間ホットプレート上でプレベークを行って塗膜を形成した。
【0125】
次いで、形成された塗膜に露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で2,000J/m2の露光量で照射した。さらにオーブン中230℃で60分間加熱し、保護膜を形成した。
【0126】
また、実施例1に記載の方法と同様にしてカラーフィルタを形成した基板上に、上記と同様に塗布、プレベーク、露光および加熱の各工程を実施して保護膜を形成した。
【0127】
これらの保護膜を有する基板を用いて、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0128】
【表1】
Figure 0004305608
【0129】
なお、表1において、各成分の添加量は重量部であり、表中の「−」は、該当する成分を添加していないことを表す。なお、共重合体(A)の添加量は合成例1、2で合成した共重合体溶液中の固形分量に、それぞれ換算した値を表す。
【0130】
また、(B)成分、(C)成分、(D)成分およびその他の溶媒の略称は、それぞれ以下のものを表す。
【0131】
B−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)
B−2::ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート1032H60)
B−3:トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
C−1:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
C−2:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
D−1:ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
D−2:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
S−1:ジエチレングリコールジメチルエーテル
S−2:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、カラー液晶表示装置や電荷結合素子等の光デバイスに用いられるカラーフィルタを保護するための保護膜をインクジェット方式により形成するための材料として好適な保護膜用組成物ならびにその組成物から形成された保護膜を得ることができる。
さらに、保護膜として従来から要求される諸特性、具体的には、密着性、表面硬度、透明性、耐熱寸法安定性、耐熱変色性を満たすと共に、下地基板であるカラーフィルタの段差を平坦化する性能に優れた光デバイス用保護膜形成材料として好適な組成物、およびそれから形成された保護膜を得ることができる。

Claims (4)

  1. (A)(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、
    (B)(A)成分以外のカチオン重合性化合物、ならびに
    (C)エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテルおよび乳酸ブチルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の常圧における沸点が180℃以上の溶媒
    を含有することを特徴とする、カラーフィルタ用保護膜をインクジェット方式により形成するためのカラーフィルタ保護膜用組成物。
  2. (D)熱および/または放射線により酸を発生する化合物をさらに含有する請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項1または2に記載の組成物を用いてインクジェット方式により形成されたカラーフィルタの保護膜。
  4. インクジェット方式によりカラーフィルタ保護膜を製造するための請求項1に記載の組成物の使用。
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