JP6119857B2 - リチウムイオン二次電池用正極集電体およびリチウムイオン二次電池用正極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極集電体およびリチウムイオン二次電池用正極 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極集電体およびリチウムイオン二次電池用正極に関する。
リチウムイオンを用いるリチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比較して、体積・重量エネルギ密度が高いといった特長を有する。そのため、携帯電話やノート型パソコン等の民生機器用電源として広く使用されている。さらに、今後は、COの排出を抑制し環境に配慮したモータ駆動の電気自動車やモータとエンジンで駆動するハイブリッド車用の電源、または太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギの電力貯蔵用の電源などの大型用途として展開されることが期待されている。
リチウムイオン二次電池を大型用途に展開するには、電池の高エネルギ密度化が求められる。一般的に、電池のエネルギ密度を高めるには、活物質の高容量化、電極中の活物質含有率の向上、及び活物質、導電剤、結着剤等からなる電極合剤層の厚みの増加、などの手段が考えられる。ここで、電極合剤層の厚みを単に増加させると、電極合剤層が集電体から剥離し易くなったり、リチウムイオン二次電池の容量特性(以下、レート特性とも呼ぶ)が低下したりするという課題がある。また、活物質の粒径が小さくなると、より顕著にこのような傾向が現れる。
この問題を解決するため、特許文献1に記載の技術では、集電体を構成する箔の少なくとも一方の表面が粗面化されており、該粗面化された箔表面の算術平均高さRaが0.2〜0.8μm、最大高さRzが0.5〜5μmの範囲にあり、粗面化された箔表面に着いている油分の量が50〜1000μg/mの範囲内とすることが提案されている。このような箔を用いると、粗面化によって電極合剤層が集電体から剥離し難くなり、さらに適量の油分によって密着性が向上する効果が期待できる。
他にも、特許文献2には、Ra0.1〜10μmのアルミニウム箔、特許文献3にはRaが2.5μm以上のアルミニウム箔を用いた集電体について開示されている。
日本国特開2012−230777号公報 国際公開第2012/063920号公報 日本国特開2012−136735号公報
しかしながら、従来技術の集電体では、電極合剤層と集電体との間の電子伝導性、すなわちレート特性の向上が不十分となる場合がある。また、粒径の小さい活物質を用いると、レート特性が低下しやすいという傾向がある。
本発明は、上記課題に鑑み、電極合剤層と集電体との電子伝導性が良好であって、小粒径の活物質を使用する場合にもレート特性が低下しにくい集電体を提供する。
本発明の1の態様によると、リチウムイオン二次電池に用いられ、電極合剤層が形成されるリチウムイオン二次電池用正極集電体は、前記正極集電体の少なくとも一方の表面の三次元中心面平均粗さSRaをA、前記正極集電体の集電体表面の実表面積と幾何学面積との比(実表面積)/(幾何学面積)をBとしたとき、A≧0.10μm、及び、6≦(B/A)≦15を満たし、前記正極集電体はアルミニウム系金属により形成されている。
本発明によれば、電極合剤層との密着性が高く、かつ、レート特性に優れた集電体を提供することができる。
リチウムイオン二次電池の内部構造の概略を示す図である。 図2は、AおよびBを説明する図である。 図3は、(B/A)を説明する図である。 図4は、レート特性が80%以上である実施例1〜9を示す図である。 図5は、レート特性が80%を下回る比較例1〜3を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
<リチウムイオン二次電池10の構成>
図1は、本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を示す半断面図(縦断面)であり、リチウムイオン二次電池の内部構造の概略を示している。なお、本発明による集電体を用いたリチウムイオン二次電池は、正極、負極、及びセパレータから構成され、既存のリチウムイオン二次電池と同じようなコイン型、円筒型、角型、ラミネート型等の電池構造を採用することができる。正極・負極は、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な活物質粒子、結着剤等を含む電極合剤層が集電機能を有する集電体等の基材上に設けられてなる。
リチウムイオン二次電池(18650型リチウムイオン二次電池)10は、正極1、負極2、及び、正極1と負極2との間に介在して、正極1と負極2との接触を防ぐとともにイオン伝導性を有する微多孔性薄膜等のセパレータ3を備える。これら正極1、負極2及びセパレータ3は、重ねられて螺旋状に捲回され、有機溶媒を使用した非水電解液とともにステンレス製またはアルミニウム製の電池缶4に封入されている。
正極1には電流を取り出す正極リード7が形成され、正極リード7は蓋部6に接触している。一方、負極2には電流を取り出す負極リード5が形成され、電池缶4と接触している。正極1で発生した電流は正極リード7により取り出され、負極2で発生した電流は負極リード5により取り出される。螺旋状に捲回された捲回体の軸方向上下には、短絡を防ぐための絶縁板9がそれぞれ設けられている。絶縁板9には、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性を有する材料が用いられる。電池缶4と蓋部6との間には、電解液の漏れを防止するとともに、電池缶4と蓋部6との間を絶縁するためのパッキン(シール材)8が設けられている。パッキン8には、電気絶縁性を有するゴムなどが使用される。
<正極1>
正極1は、アルミニウムや銅等からなる後述の集電体の表裏両面に正極合剤層を形成したものである。正極集電体としては、高電位にさらされるため耐食効果の高いアルミニウムを用いることが多い。正極合剤層は、片面につき、例えば100μm程度の厚さで塗布して形成される。正極合剤層は、リチウムイオンの吸蔵放出に寄与する正極活物質、正極1の導電性を高めるための導電材、集電体との密着性を確保するための結着剤等を含む。
正極1の活物質(正極活物質)には、LiM、LiMO、LiMnO−LiMO、LiMPO(MはNi、Mn、Co、Fe等の遷移金属。ただし、Li、Al、Mg等の置換元素を加えてもよい。)等の公知の正極活物質を用いることができる。正極1の導電性を高めるための導電材には、グラファイトやカーボンブラック等が用いられる。集電体との密着性を確保するための結着剤には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が用いられる。
<負極2>
負極2は、銅やアルミニウムからなる後述の集電体の表裏両面に負極合剤層を形成したものである。負極合剤層は、負極活物質、結着剤等を含む。負極合剤層には、金属リチウムや炭素材料等、リチウムイオンを挿入可能な材料またはリチウムの化合物が形成可能な材料が用いられる。特に、炭素材料が好適である。
炭素材料としては、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛類、石炭系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系コークス、石油系ピッチの炭化物、またはピッチコークスの炭化物等の非晶質炭素が用いられる。好ましくは、これら上記の炭素材料に種々の表面処理を施したものが望ましい。これらの炭素材料は1種類で用いるだけでなく、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
また、リチウムイオン(Li+)を挿入可能な材料またはリチウムの化合物を形成可能な材料としては、アルミニウム、スズ、ケイ素、インジウム、ガリウム、マグネシウム等の金属や、これらの元素を含む合金、またはスズやケイ素等を含む金属酸化物が挙げられる。さらにまた、これらの金属や合金や金属酸化物と、黒鉛や非晶質炭素等の炭素材料との複合材が挙げられる。
<集電体>
集電体はアルミニウム系金属(以下では、アルミニウムとも呼ぶ)や銅系金属(以下では、銅とも呼ぶ)などにより形成され、公知の方法で製造することができる。集電体の電極合剤層が形成される面は、表面が均質に粗化されていて、少なくとも一方の三次元中心面平均粗さSRa(A)がA≧0.10μmで、さらに、実表面積と幾何学面積との比(実表面積)/(幾何学面積)をBとしたときに、比(B/A)が6≦(B/A)≦15である。
図2はA,Bを説明するための図であり、集電体の断面形状を模式的に示したものである。幾何学面積とは集電体20の投影面積であり、表面が理想的な平面とした場合の面積である。実表面積とは集電体20の粗面を表面積が変わらないように二次元化したときの面積である。三次元中心面平均粗さSRa(A)は、凹凸表面の凹凸深さに対応する指標である。一般的に、三次元中心面平均粗さSRa(A)を大きくすると粗面の程度が上がって実表面積も大きくなる。密着性(剥離強度)は、電極合剤層30に含まれる結着剤と集電体表面との接触面積の大きさに依存し、粗面化して実表面積を大きくすることで密着性向上を図ることができる。後述する実施例からも分かるように、十分な剥離強度を得るためには、A≧0.10μmに設定するのが好ましい。
ところで、従来のように三次元中心面平均粗さSRa(A)のみを指標として粗面化を図ると、十分なレート特性を得られない場合がある。本実施の形態では、三次元中心面平均粗さSRa(A)に加えて(B/A)という指標を用いることで、密着性(剥離強度)の向上及びレート特性の向上を図ることができた。なお、三次元中心面平均粗さSRaは、次式(1)により計算される量である。式(1)において、f(x、y)は断面曲面を表し、LはX方向の基準長さ,MはY方向の基準長さである。
(B/A)は粗化の均質性を表しており、A(三次元中心面平均粗さSRa)の値が同じ場合には、Bが大きい方が粗化の均質性が高い傾向にある。図3は(B/A)を説明する図であり、図3(a)と図3(b)とではAの値が等しい。しかし、凹部200が形成された集電体20aよりも、凹部201が2つ形成されている集電体20bの方が実表面積は大きい。そのため、B(実表面積と幾何学面積との比)の値の大きい集電体20bの方が(B/A)は大きくなる。このように、粗化のための凹凸が集電体20の表面全体に均質に形成されるとBが大きくなり、(B/A)も大きくなる。すなわち、(B/A)の値を均質性の指標として用いることができる。そして、A≧0.10μmの粗面を形成する際に、(B/A)を所定範囲に制御することで、均質な粗面を得ることができる。
レート特性を向上させるためには、後述するように(B/A)を6≦(B/A)≦15のように設定するのが好ましい。(B/A)<6の場合には、三次元中心面平均粗さSRa(A)が大きい割に、実表面積と幾何学面積の比(B)が小さいため、集電体表面の粗化が均質ではなくなり、電極内で電流密度分布に濃淡が生じてレート特性が低下する。一方、15<(B/A)の場合にも、レート特性が低下する傾向にある。
すなわち、三次元中心面平均粗さSRa(A)が0.10μm以上で、6≦(B/A)≦15である粗面化された集電体20の場合には、集電体表面が均質に粗化されていて、レート特性が優れている。また、電極合剤層と集電体20との密着性を高くすることができる。
さらに、Bが1.2≦B≦4.5であることが好ましい。B<1.2では、電極合剤層と集電体20との接触面積が小さく、密着性向上の効果が得られない。一方、4.5<Bでは、Bの増加に伴って局所的に凹部における集電体20の厚さが薄い部分ができ、集電体20の引張強度が低下するといった課題が生じる。
また、三次元中心面平均粗さSRa(A)は、0.10μm≦A≦0.70μmであることが好ましい。A<0.10μmでは、三次元中心面平均粗さSRa(A)が小さ過ぎて、電極合剤層と集電体20との密着性増加の効果が得られない。一方、0.70<Aでは、三次元中心面平均粗さSRa(A)が大きすぎて、集電体表面を均質に粗化することが難しくなる。また、Aが大きくなり過ぎると凹部における集電体20の厚さが薄くなり、集電体20の引張強度が低下する。
集電体表面の粗化処理の手法に関しては、ケミカルエッチング、メカニカルエッチング、カーボンコーティング、電解法(電解析出法)等が挙げられるが、カーボンコーティングや電解法が好ましく、特に電解法が好ましい。ケミカルエッチングやメカニカルエッチングでは、集電体の引張強度の保持や粗化の均質性のコントロールが難しいのに対し、カーボンコーティングや電解法は集電体の引張強度を制御することが容易である。
特に、電解法(電解析出法)は、エッチング法やカーボンコーティングによる粗面化に比べて、均質性においてより優れている。電解法は陰極基板上に金属を析出させる方法であるが、電解法によれば、基板表面全体上に柱状の析出物が均質に形成され、均質な粗面の集電体を得ることができる。電解法においては、処理時間、電流値、電解液濃度、陰極ロールの表面粗さ等を制御することによって、(B/A)の値を前述した6以上15以下の範囲に制御することができる。また、電解法では、表面被膜が生じないという利点もある。
<リチウムイオン二次電池の作製方法>
リチウムイオン二次電池の作製方法の一例を示すと以下の通りである。正極活物質を、炭素材料粉末の導電材及びポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共に混合して、スラリを作製する。正極活物質に対する(正極活物質を100質量%とした場合)導電材の混合比は3質量%以上10質量%以下が望ましい。また、正極活物質に対する(正極活物質を100質量%とした場合)結着剤の混合比は2質量%以上10質量%以下が望ましい。混合に際して、正極材料をスラリ中で均一に分散させるため、混練機を用いて充分な混練を行うことが好ましい。
得られたスラリは、例えば、ロール転写機等によって集電体の両面に塗布される。集電体には、厚さ15μm以上25μm以下のアルミニウム箔を用いることが好ましい。その後、スラリが両面塗された集電体をプレス乾燥することによって、正極1(図1参照)の電極板が形成される。正極合剤層の厚さは100μm以上250μm以下が望ましい。
負極の場合も正極と同様であって、負極活物質を結着剤と混合し、集電体に塗布後にそれをプレスし、電極を形成する。負極活物質の厚さは30μm以上150μm以下が望ましい。また、負極活物質と結着剤の混合比は、例えば負極活物質と結着剤の質量比で95:5が望ましい。負極の場合には、集電体として厚さ7μm以上20μm以下の銅箔を用いることができる。
それぞれの電極合剤層を形成した正極及び負極の電極は、所定の長さに切断されて図1に示す正極1と負極2とされる。正極1及び負極2の電流引き出し用のタブ部には、正極リード7及び負極リード5がスポット溶接または超音波溶接により形成する。タブ部の正極リード7及び負極リード5は、電極から電流を取り出すために設けられた長方形形状の部材であって、それぞれ集電体20と同材質の金属箔から形成される。正極リード7が設けられた正極1及び負極リード5が設けられた負極2は、リチウムイオンを通すイオン伝導性の微多孔質膜からなるセパレータ3を挟んで重ねられる。微多孔質膜には、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が用いられる。そして、この重ねられたものは、図1に示すように円筒状(螺旋状)に捲かれて電極群とされ、円筒状容器の電池缶4に収納される。
容器(電池缶4)の材質はステンレスまたは、アルミニウムが望ましい。ステンレスは、表面に不働態皮膜が形成されるので腐食しにくく、また鋼であるので強度が高いので、電池缶4内の電解液等が気化したガスの内圧上昇に耐えられる。アルミニウムを用いた場合には、軽量なので重量当りのエネルギ密度が高いという特徴を有する。
図1に示すように電極群(正極1、負極2、セパレータ3)を電池容器の電池缶4に収納した後、電池容器の電池缶4内に電解液を注入し、パッキン8で密封して電池が完成する。
電解液としては、ジエチルカーボネート(DEC),ジメチルカーボネート(DMC),エチレンカーボネート(EC),プロピレンカーボネート(PC),ビニレンカーボネート(VC),メチルアセテート(MA),エチルメチルカーボネート(EMC),メチルプロピルカーボネート(MPC)等の溶媒に電解質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF),4フッ化ホウ酸リチウム(LiBF),過塩素酸リチウム(LiClO)等を溶解させたものを用いるのが望ましい。電解質濃度は0.7M(モル)以上1.5M(モル)以下が望ましい。
また、これら電解液にカルボン酸無水基を有する化合物や、プロパンサルトン等の硫黄元素(S)を有する化合物、ホウ素(B)を有する化合物を混合させてもよい。これらの化合物の添加目的は、負極2の表面での電解液の還元分解抑制や、正極1から溶出したマンガン等の金属元素の負極2での還元析出防止、電解液のイオン導電性向上、電解液の難燃化等があり、目的に応じて選択すればよい。
なお、図示は省略するが、セパレータに袋状のものを用いてこの中に電極を収納し、これらを順次重ねて多層構造として角型容器に収納してもよい。
以下、アルミニウムよりなる正極集電体の例を用い、さらに詳細に実施例を説明するが、本発明は本明細書に記載した実施例に限定されるものではなく、他の正極集電体及び負極集電体にも使用できる。例えば、下記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
まず、各実施例について説明する前に、集電体20の三次元中心面平均粗さSRa及び実表面積、幾何学面積の測定方法、剥離強度の測定方法について説明する。
<集電体の三次元中心面平均粗さSRaおよび実表面積、幾何学面積の測定方法>
集電体20の三次元中心面平均粗さSRa、実表面積、幾何学面積は、走査型共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス製 LEXT OLS3100)を用いて、以下のように測定した。まず、波長408±5nmの半導体レーザー、対物レンズ50倍(開口数:NA(numerical aperture)=0.95、作動距離:WD(working distance)=0.3mm)、ズーム1倍の条件で共焦点観察した。次に、集電体粗部の高さに合わせて3D走査範囲の上下限を設定し、Fineモードで3D画像を取り込んだ。取り込んだ3D画像のX−Y方向の範囲は約256μm×192μmであった。その後、x−y方向の傾きを補正し、三次元中心面平均粗さSRaと、実表面積及び幾何学面積を解析した。
三次元中心面平均粗さSRaは、読み込まれた画像から半導体レーザーの波長の1/3より長い表面うねり成分を除去して得られた断面曲面を用いた。幾何学面積は、読み込まれた画像のX−Y距離から算出した。実表面積は、取り込まれた画像の凹凸を平面化した時の面積から算出した。
<剥離強度の測定方法>
電極の剥離強度Pは表面・界面切削装置(ダイプラ・ウィンテス製 SAICAS DN−20S型)を用いて、以下のように測定した。まず、打ち抜き冶具を用いて、正極1を直径15mmの円盤状に打ち抜いて試料を作製した。剥離強度の測定は、材質:ボロンナイトライド、刃幅(w):1mmの切削刃を用いて刃先合せし、押圧荷重0.5Nの定荷重モードで水平速度を2.0μm/secとして電極合剤層が集電体20から剥離する時の水平力FHを測定した。剥離強度Pは次式(2)により計算される。
P=FH/w ・・・(2)
以下に示す実施例1〜9は、剥離強度及びレート特性のいずれも満足する場合の例を示したものである。ここでは、剥離強度の閾値を1.0kN/m、レート特性の閾値を80%とし、実施例に示したものは、いずれの条件も満足しているものである。
(実施例1)
集電体20として、電解法で作製した厚さ15μmのアルミニウム箔を用いた。三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.23μm、実表面積と幾何学面積の比Bは1.9であって、(B/A)=8.3であった。正極活物質には、平均一次粒子径300nm、平均二次粒子径5μmに造粒されたLi1.2Ni0.25Mn0.55を用いた。正極活物質、カーボンブラック及び、予め溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた結着剤を質量比で85:10:5の割合で混合し、均一に混合されたスラリを厚さ200μmのブレードを用いてアルミニウム集電体上に塗布した。その後、120℃で乾燥し、プレスにて電極密度が2.5g/cmになるよう圧縮成型した。圧縮成型後、直径15mmの円盤状に、打ち抜き冶具を用いて打ち抜き、試験電池用の正極を作製した。表面・界面切削装置を用いて剥離強度を算出した結果、実施例1の剥離強度は、1.4kN/mと高い値を示した(図4)。
上記のように作製した正極を用い、金属リチウムを対極とし、1.0モルのLiPFを電解質としたEC(エチレンカーボネート)とDMC(ジメチルカーボネート)とEMC(エチルメチルカーボネート)の混合溶媒を電解液として、試験電池を作製した。
この試験電池のレート特性を以下の手順で評価した。充電レートを0.1C(10時間で100%の充電が完了する速さ)として4.6Vまで定電流/定電圧で充電した後、2.5Vまで0.1Cの放電レート(10時間で100%の放電が完了する速さ)で定電流放電した。この動作を、充電と放電とを1回ずつ行うことを1サイクルとして、3サイクル繰り返した。その後、充電レートを0.1Cとして4.6Vまで定電流/定電圧で充電した後、0.1Cの放電レートで2.5Vまで定電流放電し、そのときの放電容量を測定した。同様に、充電レートを0.1Cとして4.6Vまで定電流/定電圧で充電した後、3Cの放電レートで2.5Vまで定電流放電し、そのときの放電容量を測定した。そして、そのときの容量比、すなわち(3C放電時の放電容量)/(0.1C放電時の放電容量)をレート特性とした。実施例1におけるレート特性は、81%と高い値を示した(図4)。
(実施例2)
本実施例2では、集電体20として、電解法で作製した厚さ15μmのアルミニウム箔を使用し、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.28μm、実表面積と幾何学面積との比Bは2.4、(B/A)=8.6であった。実施例1と同様に試験電池用の正極を作製し、剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.5kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、レート特性=84%と高い値を示した(図4)。
(実施例3)
本実施例3では、集電体20として、厚さ15μmの電解法で作製したアルミニウム箔を使用し、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.11μm、実表面積と幾何学面積との比Bは1.6、(B/A)=14.5であった。実施例1と同様に試験電池用の正極を作製し、剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.1kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、レート特性=80%と高い値を示した(図4)。
(実施例4)
本実施例4では、集電体20として、厚さ20μmの電解法で作製したアルミニウム箔を使用し、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.42μm、実表面積と幾何学面積との比Bは4.3、(B/A)=10.2であった。実施例1と同様に試験電池用の正極を作製し、剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.8kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、レート特性=86%と高い値を示した(図4)。
(実施例5)
本実施例5では、集電体20として、厚さ25μmの電解法で作製したアルミニウム箔を使用し、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.60μm、実表面積と幾何学面積との比Bは3.9、(B/A)=6.5であった。実施例1と同様に試験電池用の正極を作製し、剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.8kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、レート特性=83%と高い値を示した(図4)。
(実施例6)
本実施例6では、集電体20として、厚さ30μmの電解法で作製したアルミニウム箔を使用し、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.68μm、実表面積と幾何学面積との比Bは4.4、(B/A)=6.5であった。実施例1と同様に試験電池用の正極を作製し、剥離強度を算出した結果、剥離強度=2.0kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、レート特性=83%と高い値を示した(図4)。
(実施例7)
本実施例7では、集電体20として、厚さ20μmの電解法で作製したアルミニウム箔を使用し、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.35μm、実表面積と幾何学面積との比Bは3.1、(B/A)=8.9であった。実施例7では、平均一次粒子径100nm、平均二次粒子径3μmに造粒された炭素被覆LiFe0.2Mn0.8POを正極活物質として用いた。炭素を含んだ正極活物質、カーボンブラック及び、予め溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた結着剤を質量比で85:10:5の割合で混合し、均一に混合されたスラリを厚さ200μmのブレードを用いてアルミニウム集電体上に塗布した。その後、120℃で乾燥し、プレスにて電極密度が2.2g/cmになるよう圧縮成型した。圧縮成型後、直径15mmの円盤状に、打ち抜き冶具を用いて打ち抜き、試験電池用の正極を作製した。
実施例1と同様に剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.6kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製し、充電の終止電圧を4.6Vから4.5Vに変更した以外は、実施例1と同様にレート特性を評価した結果、レート特性=92%と高い値を示した(図4)。
(実施例8)
本実施例8では、集電体20として、電解法で作製した厚さ15μmのアルミニウム箔を用いた。三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.15μm、実表面積と幾何学面積との比Bは1.8、(B/A)=12.0であった。実施例8では、平均一次粒子径500nm、平均二次粒子径12μmに造粒されたLiNi0.5Mn1.5を正極活物質として用いた。正極活物質、カーボンブラック及び、予め溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた結着剤を質量比で85:10:5の割合で混合し、均一に混合されたスラリを厚さ200μmのブレードを用いてアルミニウム集電体上に塗布した。その後、120℃で乾燥し、プレスにて電極密度が2.6g/cmになるよう圧縮成型した。圧縮成型後、直径15mmの円盤状に、打ち抜き冶具を用いて打ち抜き、試験電池用の正極を作製した。
実施例1と同様に剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.2kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製し、充電の終止電圧を4.6Vから5.1Vに変更した以外は、実施例1と同様にレート特性を評価した。その結果、レート特性=86%と高い値を示した(図4)。
(実施例9)
本実施例9では、集電体20として、実施例1と同様のアルミニウム箔を用いた。実施例9では、平均一次粒子径30nm、平均二次粒子径1μmに造粒された以外は実施例1と同様の正極活物質を用い、試験電池用の正極を作製した。実施例1と同様に剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.1kN/mと高い値を示した(図4)。ただし、実施例1の場合に比べて活物質の粒径がより小さくなっていることから、実施例1の場合よりも剥離強度は低くなっているものの、通常に用いることは可能である。実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、実施例9のレート特性は、84%と高い値を示した(図4)。
実施例1〜9は、レート特性が80%以上の例を示したものである。実施例1〜9では、剥離強度も1.1kN/m以上と十分な強度を備えている。これに対し、図5に示す比較例1〜3は、レート特性が80%よりも小さい場合を示す。
(比較例1)
比較例1は、三次元中心面平均粗さSRa(A)が小さい場合の一例を示したものである。比較例1では、集電体20として、厚さ15μmの圧延法で作製したアルミニウム箔を用いた。三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.08μm、実表面積と幾何学面積との比Bは1.1、(B/A)=13.8であった。実施例1と同様に試験電池用の正極を作製したところ、プレスにて圧縮成型する際に、電極密度が2.2g/cmより大きくになると電極合剤層が集電体20から剥離したため、電極密度は2.2g/cmとなるように調整した。実施例1と同様に剥離強度を算出した結果、比較例1の剥離強度は、0.8kN/mと低い値を示した(図5)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、比較例1のレート特性は、69%と低い値を示した(図5)。
(比較例2)
比較例2は、三次元中心面平均粗さSRa(A)に対する実表面積と幾何学面積との比Bが、(B/A)<6の場合の一例である。なお、三次元中心面平均粗さSRa(A)はA≧0.10μmを満足している。比較例2では、集電体20としてケミカルエッチング法で作製した厚さ30μmのアルミニウム箔を使用し、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.58μm、実表面積と幾何学面積との比Bは2.5、(B/A)は4.3であった。実施例1と同様に試験電池用の正極を作製し、剥離強度を算出した結果、剥離強度=1.6kN/mと高い値を示した(図5)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、比較例2のレート特性は、74%と低い値を示した(図5)。
(比較例3)
比較例3は、三次元中心面平均粗さSRa(A)に対する実表面積と幾何学面積の比(B)が、15<(B/A)の場合の一例である。なお、三次元中心面平均粗さSRa(A)はA≧0.10μmを満足している。比較例3では、集電体20として、電解法で作製した厚さ15μmのアルミニウム箔を用いた。三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.10μm、実表面積と幾何学面積との比Bは1.7、(B/A)は17.0であった。実施例1と同様に剥離強度を算出した結果、比較例3の剥離強度は、1.1kN/mと高い値を示した(図4)。また、実施例1と同様に試験電池を作製してレート特性を評価した結果、比較例3のレート特性は、75%と低い値を示した(図5)。
図4に示す実施例1〜9のように、レート特性が80%以上のデータにおいては、比(B/A)の値は6≦(B/A)≦15の範囲に含まれている。また、三次元中心面平均粗さSRa(A)は0.10μm≦A≦0.70μmの範囲に含まれている。さらに、実表面積と幾何学的面積との比Bは、1.2≦B≦4.5の範囲に含まれている。
一方、図5に示す比較例1は、(B/A)は6≦(B/A)≦15の条件は満足しているが、AがA<0.10μmのように小さい場合である。このようにAの値が小さい場合には、それに伴って実表面積と幾何学面積との比Bの値も小さくなり、比較例1の場合には1.1となっている。その結果、集電体表面の三次元中心面平均粗さが小さすぎ、また、Bが小さいため接触面積も小さくなり、電極合剤層と集電体20との密着性が低下したものと考えられる。また、実施例1〜9と比較してレート特性が低下しているのは、電極合剤層と集電体20との密着性が低く、電極合剤層と集電体間の電子伝導性が低下したためと考えられる。このように、三次元中心面平均粗さSRa(A)が小さすぎると、剥離強度およびレート特性の両方が低下することが分かる。
図5に示す比較例2,3は、比(B/A)が6≦(B/A)≦15を満足しておらずレート特性が80%より小さい場合の例を示したものである。比較例2,3のいずれも、実施例1〜9の場合と同様にA,Bは0.10μm≦A≦0.70μm、1.2≦B≦4.5の範囲内に含まれており、高い剥離強度が得られている。すなわち、密着性の点では実施例1〜9と同様の性能が得られている。
一方、レート特性が実施例1〜9と比較して低下している比較例2の場合には、(B/A)<6であるために、三次元中心面平均粗さSRa(A)が大きい割に、実表面積と幾何学面積との比Bが小さく、集電体表面の粗化が不均質なために電極合剤層と集電体との間の電子伝導性が十分に低下しなかったためと考えられる。(B/A)>15となっている比較例3の場合には、三次元中心面平均粗さSRa(A)が0.1μmと小さい割に実表面積と幾何学面積との比Bが大きい。そのため、粗さにバラツキが生じて集電体表面の粗化が不均質となり、電極合剤層と集電体間の電子伝導性が十分に低下しなかったため、レート特性が低下したものと考えられる。
図4,5に示す実施例及び比較例から、次のようなことが結論できる。リチウムイオン二次電池に用いられ、電極合剤層が形成される集電体において、三次元中心面平均粗さSRa(A)がA≧0.10μmを満たすと共に、(B/A)が6≦(B/A)≦15を満足することにより、レート特性に優れた集電体を得ることができる。また、そのような集電体を用いることで、レート特性に優れたリチウムイオン二次電池用正極が得られる。さらに、6≦(B/A)≦15の条件を前提としてA、Bの値を考えた場合、図4から、0.10μm≦A≦0.70μm、1.2≦B≦4.5であることが好ましい。A,Bがこの範囲外になると、十分な密着性が得られない。アルミニウム系金属による集電体では電解法を用いるのが好ましく、電解法における条件を制御することにより、A≧0.10μm、かつ、6≦(B/A)≦15を満たす粗面を容易に形成することができる。
このように、集電体表面の粗化状態をA≧0.10μm及び6≦(B/A)≦15とすることで、レート特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。正極活物質の微粒子化に伴い、集電体と合剤層との剥離が重要な課題として認識されており、集電体と合剤層との密着性が向上する本実施例はその点でも有効である。特に、活物質の平均一次粒子径を10〜500nmのように微粒子化した場合においても、従来のようにレート特性や密着性の低下が抑制され、上述したように高レート、高密着性を実現することができる。実施例1〜6、実施例7,実施例8、実施例9においてはそれぞれ活物質及び平均一次粒径、平均二次粒子径がそれぞれ異なるが、集電体の粗化状態が上記条件を満たすようにすることで、いずれの場合も優れた剥離強度及びレート特性が得られている。
なお、上述した実施例では正極に用いられるアルミニウム集電体を例に説明したが、本発明は集電体の粗面化に関する指標A,B,(B/A)の関係に関するものであって、上述したアルミニウム集電体に限らず銅箔などの他材質の集電体にも同様に適用することができる。また、正極、負極のどちらでも適用できる。また、圧延加工により得られた箔を本発明の集電体として用いることもできる。すなわち、(B/A)を指標の一つとして使用し、(B/A)を上述のように制御することによって、図4の場合と同様に、剥離強度及びレート特性の向上を図ることができる。
なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2013年第144766号(2013年7月10日出願)
1:正極、2:負極、3:セパレータ、4:電池缶、5:負極リード、6:蓋部、7:正極リード、8:パッキン、9:絶縁板、10:リチウムイオン二次電池、20:集電体

Claims (5)

  1. リチウムイオン二次電池に用いられ、電極合剤層が形成される正極集電体であって、
    前記正極集電体の少なくとも一方の表面の三次元中心面平均粗さSRaをA、前記正極集電体の集電体表面の実表面積と幾何学面積との比(実表面積)/(幾何学面積)をBとしたとき、A≧0.10μm、及び、6≦(B/A)≦15を満たし、
    前記正極集電体はアルミニウム系金属により形成されているリチウムイオン二次電池用正極集電体。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極集電体において、
    前記比Bが、1.2≦B≦4.5を満たすリチウムイオン二次電池用正極集電体。
  3. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極集電体において、
    前記Aが、0.10μm≦A≦0.70μmを満たすリチウムイオン二次電池用正極集電体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極集電体と、
    正極活物質、導電材及び結着剤を含み、前記正極集電体の集電体表面に形成された電極合剤層と、を備えるリチウムイオン二次電池用正極。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用正極において、
    前記正極活物質の平均一次粒子径が10〜500nmを満たすリチウムイオン二次電池用正極。
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