JP6119726B2 - シリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法及び判定装置 - Google Patents

シリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法及び判定装置 Download PDF

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Description

本発明はエンジンのシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法及び判定装置に関する。
エンジンのシリンダヘッドの燃焼室容積は、エンジンの圧縮比を決定づけるため、その管理が極めて重要である。この燃焼室容積を調整する方法の一例が特許文献1に記載されている。その調整方法は、気筒毎の燃焼室を形成する各凹部の頂部に平坦な基準面を備えたシリンダヘッド素材を鋳造し、このシリンダヘッド素材におけるシリンダブロックとの合わせ面を切削加工し、この合わせ面から上記基準面までの高さ方向距離を気筒毎に計測し、この高さ方向距離に基づき上記凹部表面の切削加工対象部の削り代を調整するというものである。
特開2011−256730号公報
ところで、シリンダヘッド燃焼室壁面は、金型で形成された後に、吸気ポート及び排気ポートの開口部や容積調整用に設けられた余肉部等が切削加工される。しかし、余肉部の削り代の調整だけでは、必ずしも所期の燃焼室容積にならないことがある。すなわち、吸排気ポートの開口部間や、それらのポートの開口部と点火プラグ取付部との間のような切削加工の対象になっていない面が、金型の摩耗や金型に対する溶湯の凝固付着等が原因となって設計通りの形状になっていないことがある。それらの面の形状不良のために燃焼室容積の設計値からずれが大きくなっている場合、それがエンジンの圧縮比に影響し、燃焼不良、燃費の悪化等を招く。
これに対して、燃焼室壁面を全体にわたってレーザースキャンして設計通りの形状になっているか否かを判定することも考えられるが、装置が大掛かりになるとともに、スキャンに時間がかかり、決められたラインタクトで判定処理することが難しい。
そこで、本発明は、上記圧縮比に影響するシリンダヘッドの燃焼室形状の良否を比較的簡単に判定できるようにする。
本発明は、上記課題を解決するために、シリンダヘッドの燃焼室壁面に設定した複数の測定点の輪郭度に基いて、燃焼室形状の良否を判定するようにした。
ここに開示するシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法は、エンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッドの燃焼室壁面に複数のエリアを設定して、燃焼室形状の良否を判定する方法であり、
各エリアに設定した測定点の位置を実測するステップと、
実測点と対応する設計データ上の測定点の位置誤差に基いて、実測点に予め設定した面の輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアの有無を判定するステップと、
上記位置ずれを生じているエリアがあるときに、全エリアについて各々の設計データ上の測定点と実測点の位置誤差を上記燃焼室の容積誤差に換算するステップと、
上記各エリアの容積誤差を積算した総容積誤差に基いて燃焼室形状の良否を判定するステップとを備えていることを特徴とする。
実測点に輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアがないときは当該燃焼室形状は良であると判定することができる。
実測点に上記位置ずれを生じているエリアがあるときは、当該燃焼室形状は不良である可能性が高いが、ここで問題にするのは燃焼室容積である。すなわち、実測点に上記位置ずれを生じているエリアがあっても、例えば、余肉方向の位置ずれによる燃焼室容積の減少が、欠肉気味になっている他のエリアによる燃焼室容積の増大によって幾分相殺され、トータルでみれば、設計値からの燃焼室容積のずれが許容範囲に収まっている場合がある。
そこで、当該燃焼室形状良否判定方法では、上記位置ずれを生じているエリアがあるときには、全エリアについて各々の設計データ上の測定点と実測点の位置誤差を上記燃焼室の容積誤差に換算し、その容積誤差を積算した総容積誤差に基いて燃焼室形状の良否を判定するようにしている。これにより、エンジンの圧縮比の観点からは問題がないにも拘わらず、不良品として排除されるシリンダヘッドが減ることになり、その結果、歩留まりが高くなる。
好ましい実施形態では、上記位置ずれエリアの判定ステップにおいて、全エリアにわたって実測点と設計データ上の測定点を重ね合わせる(全体的にみて位置誤差が最小になるようにする)ベストフィット処理を行ない、該ベストフィット処理後の上記実測点と測定点の位置誤差に基いて上記位置ずれエリアの有無を判定する。
ここに、ベストフィット処理をするということは、ベータムなしで輪郭度を照合する、つまり、燃焼室壁面の位置を除外して形だけを設計形状と照合するということである。よって、燃焼室容積の誤差の大小の観点から、位置ずれを生じているエリアの有無を精度良く判定することができる。
この場合、上記位置誤差の容積誤差への換算においては、上記ベストフィット処理後の上記測定点と実測点の位置誤差を用いる。これにより、容積誤差の換算が容易になる。
また、好ましい実施形態では、上記位置誤差の容積誤差への換算においては、上記ベストフィット処理後のエリアの実測点の位置誤差をΔBFTとし、当該エリアの面積をAとしたとき、補正係数K(ΔBFT)を与えて次式で当該エリアの容積誤差Vを算出し、当該エリアが曲面であり且つ余肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)を0.85以上1.0未満とし、当該エリアが曲面であり且つ欠肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)を1.0超1.35以下とし、当該エリアが平面であるときの補正係数K(ΔBFT)を1とする。
V=ΔBFT×A×K(ΔBFT)
上記補正係数の設定により、曲面エリアにおいて容積誤差が大きく出てくることになり、不良品の発生を確実に防止する上で有利になる。
上記余肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)は、より好ましくは、0.85以上0.95以下の範囲とし、さらに欠肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)は、より好ましくは、1.25以上1.35以下の範囲とすることができる。
好ましい実施形態では、上記シリンダヘッドは、複数の気筒を列状に配置した多気筒エンジンのシリンダヘッドであって、気筒列方向に並ぶ各燃焼室壁面は、該シリンダヘッドにおけるシリンダブロックとの合わせ面と、気筒列方向の両端に位置する燃焼室壁面の頂部とを基準にして余肉部が切削加工されるものであり、
上記気筒列方向両端に位置する上記燃焼室壁面の頂部を結ぶ基準線に対して、上記気筒列方向中間の上記燃焼室壁面の頂部が予め設定した公差内にあるか否かに基いて燃焼室形状の良否を判定するステップとを備えている。
シリンダヘッドの各燃焼室壁面の余肉部をシリンダヘッドの合わせ面と気筒列方向両端の燃焼室壁面の頂部とを基準にして切削加工した場合、気筒列方向両端の燃焼室壁面は狙いの燃焼室容積が得られるように加工されるが、気筒列方向中間の燃焼室では、燃焼室壁面の頂部の位置によっては、燃焼室容積を調整するという観点において必ずしも狙い通りの加工にならない場合がある。
そこで、気筒列方向両端に位置する上記燃焼室壁面の頂部を結ぶ基準線に対して、気筒列方向中間の燃焼室壁面の頂部が予め設定した公差内にないときは燃焼室形状の不良を判定する。これにより、不良品の発生を確実に防止する上で有利になる。
好ましい実施形態では、上記燃焼室壁面は上記シリンダヘッドの鋳造後に部分的に切削加工されて形成されるものであり、上記エリアは、上記燃焼室壁面の上記鋳造後に切削加工されない面に設定されている。
また、ここに開示するシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定装置は、エンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッドの燃焼室壁面に複数のエリアを設定して、燃焼室形状の良否を判定する装置であって、
上記燃焼室壁面の設計データを記憶する手段と、
各エリアに設定した測定点の位置を実測する三次元測定機と、
上記実測点と上記設計データ上の対応する測定点の位置誤差に基いて、実測点に予め設定した輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアの有無を判定する手段と、
全エリアについて各々の実測点の位置誤差を上記燃焼室の容積誤差に換算して総容積誤差を算出する手段と、
上記輪郭度公差を超える位置誤差を生じているエリアがないときに上記燃焼室形状を良と判定し、上記輪郭度公差を超える位置誤差を生じているエリアがあるときは、上記総容積誤差に基いて燃焼室形状の良否を判定する手段とを備えていることを特徴とする。
この装置により、上述の燃焼室形状良否判定方法を実施して、燃焼室形状の良否を比較的簡単に判定することができ、燃焼室容積が許容範囲を逸脱した不良品を排除することができる。
本発明によれば、シリンダヘッドの燃焼室壁面に複数のエリアを設定し、各エリアに設定した測定点の位置を実測し、その実測点と対応する設計データ上の測定点の位置誤差に基いて、実測点に輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアの有無を判定し、位置ずれを生じているエリアがあるときに、全エリアについて各々の測定点と実測点の位置誤差を燃焼室の容積誤差に換算し、その容積誤差を積算した総容積誤差に基いて燃焼室形状の良否を判定するから、燃焼室形状の良否を比較的簡単に且つ精度良く判定することができ、決められたラインタクトで不良品を確実に排除していくことが容易になる。
シリンダヘッドの斜視図。 金型の斜視図。 燃焼室形状良否判定装置のブロック図。 燃焼室壁面の正面図。 燃焼室形状良否判定のフロー図。 燃焼室壁面のプロファイル測定の説明図。 ベストフィット処理の説明図。 燃焼室高さの気筒間差判定の説明図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態は直列4気筒エンジンの金型で鋳造されたアルミ合金製シリンダヘッドの燃焼室形状の良否判定方法及びその装置に関する。
<シリンダヘッド及び金型>
図1に示すように、シリンダヘッド1は、シリンダブロックの頂面に合わせる平坦な合わせ面2を有し、この合わせ面2に各気筒毎の燃焼室を形成する4つの凹部3が1列に並んで開口している。凹部3はシリンダブロックの気筒及びピストンの頂面と共に燃焼室を形成する。
凹部3の内周面、すなわち、燃焼室壁面4には、2つの吸気ポート5及び2つの排気ポート6が開口している。燃焼室壁面4の頂部には点火プラグの取付孔が設けられるプラグ取付部7及び平坦になった基準面Pが凹状に形成されている。燃焼室壁面4の周縁部には相対する一対の燃焼室容積調整用の余肉部9が設けられている。余肉部9は吸気ポート5と排気ポート6の間に設けられている。
図2にシリンダヘッド1の合わせ面2及び凹部3を形成する金型11を示す。金型11には、合わせ面2を形成する平坦面12、凹部3を形成する凸部13が設けられている。
<燃焼室形状の良否判定>
図3にシリンダヘッド1の燃焼室形状の良否判定のための装置構成を示す。この装置は、三次元測定機(タッチプローブを用いた直交座標測定システム)15とデータ処理システム(コンピュータ)16によって構成されている。
図3において、21はCPU、22は表示手段としてのCRT等のディスプレイ、23はデータの入力手段であるキーボード、24はブートプログラム等を記憶しているROM、25は各種データ及び処理結果を一時的に記憶するデータ格納手段としてのRAM、26は燃焼室形状の良否判定を行なうためのプログラム等を記憶するHDD等の記憶装置、27は外部の情報システムと通信ネットワークを介して通信するための通信インタフェース、28は処理結果等を印刷するプリンタである。これらの各構成は、バス29を介して接続されており、CPU21は記憶装置26に記憶したプログラムに従って、シリンダヘッド1の燃焼室形状の良否判定を行なう。CPU21は、後述のベストフィット処理手段、位置ずれを生じているエリアの有無を判定する手段、実測点の位置誤差を燃焼室容積の誤差に換算して総容積誤差を算出する手段、総容積誤差に基いて燃焼室形状の良否を判定する手段、並びに燃焼室高さの気筒間差を測定して判定する手段等を構成する。
[測定対象面のエリア設定]
燃焼室形状の良否は、燃焼室壁面4の切削加工されない面のプロファイルを三次元測定機15によって実測し、そのプロファイルの設計データ上のプロファイルからの誤差に基いて判定される。
図4に示すように、上記プロファイル測定のために、燃焼室壁面4の測定対象面は、設計データ上で複数のエリアに分割され、各エリアに1乃至3の測定点A〜Nが設定されている。後述の容積誤差の換算においては、測定点が1つのエリアでは、その1つの測定点に係る位置データに基いて当該エリアの容積誤差が換算され、測定点が複数のエリア(例えば測定点D1及びD2を有するエリア)では、その複数の測定点に係る位置データに基いて所定の割合で分担して当該エリアの容積誤差が換算される。もちろん、測定点が複数のエリアを設けず、予め測定対象面を細く分割して、1つのエリアに1つの測定点を設定するようにしてもよい。
燃焼室壁面4の設計データ、並びにエリア及び測定点に関するデータは、キーボード23によって入力し或いは外部情報システムから取り込んでデータ格納手段としてのRAM25に記憶格納する。また、三次元測定機15による実測データもRAM25に記憶格納される。
[燃焼室形状の良否判定のフロー]
図5に示すように、ステップA1で燃焼室壁面4の測定対象面のプロファイルを三次元測定機15によって実測する。続くステップA2で実測点と設計データ上の測定点を重ね合わせるベストフィット処理を行なう。続くステップA3で測定対象面の輪郭度を判定する。すなわち、実測点に予め設定した輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアの有無を判定する。
位置ずれを生じているエリアがあるとき(NG)は、ステップA4に進んで、全エリアについて各々の設計データ上の測定点と実測点の位置誤差を燃焼室の容積誤差に換算し、各エリアの容積誤差を積算した総容積誤差を求める。続くステップA5で総容積誤差が許容範囲であるか否かを判定する。
ステップA3で位置ずれを生じているエリアがないと判定されたとき、並びにステップA5で総容積誤差が許容範囲であると判定されたときは、ステップA6に進んで、シリンダヘッド1の4つの燃焼室壁面4の頂部の高低差を測定する。続くステップA7で当該高低差が許容範囲にあるか否かを判定する。
ステップA5の容積判定がNGであるとき、並びにステップ7の気筒間差判定がNGであるときは、ステップA8に進んで、ディスプレイ22等によって燃焼室形状不良の警告を出す。ステップA7又はA8に続くステップA9で上記の各判定結果を記録・表示する。以下、具体的に説明する。
−ステップA1(プロファイル測定)−
三次元測定機によるプロファイルの測定にあたっては、図1に示すようにシリンダヘッド1に設けられた2つの相対する基準面31にタッチプローブを当て、その両基準面31を結ぶ線分の中点を原点32とする。そうして、設計データ上の測定点を目標にしてタッチプローブを該測定点に対して垂直方向に移動させることにより、実際の燃焼室壁面4にタッチさせ、その実測点の座標を取得する。
図6はプロファイル測定の説明図である。同図では、理解を容易にするため台形状の凹部を有するワークを想定して、その実プロファイルMを実線で示し、その設計データ上のプロファイルDを破線で示している。実プロファイルMにおける○点は設計プロファイルDの測定点D〜Dに対応する点である。測定点Dの座標(x1,y1,z1)に対して実測点Mの座標(xm1,ym1,zm1)が得られ、測定点Dの座標(x2,y2,z2)に対して実測点Mの座標(xm2,ym2,zm2)が得られ、測定点Dの座標(x3,y3,z3)に対して実測点Mの座標(xm3,ym3,zm3)が得られる。
−ステップA2(ベストフィット処理)−
測定点Dと実測点Mの位置誤差Lは((x1-xm1)+(y1-ym1)+(z1-zm1))1/2となり、測定点D平面の方程式は、測定方向ベクトルを(a1,b1,c1)とすると、a1・x+b1・y+c1・z+d1=0となる。定数d1はその方程式に測定点Dの座標(x1,y1,z1)を代入することで求まる。同様に、測定点Dと実測点Mの位置誤差Lは((x2-xm2)+(y2-ym2)+(z2-zm2))1/2となり、測定点Dと実測点Mの位置誤差Lは((x3-xm3)+(y3-ym3)+(z3-zm3))1/2となる。
図7に示すように、実プロファイルMを(Δx、Δy、Δz)移動させ、設計プロファイルDとの距離が最小になるポイントを探す(プロファイルの重ね合わせ)。実測点M1の移動後の座標は(xm1-Δx,ym1-Δy,zm1-Δz)であり、移動後のM'とD平面の垂直距離L'は次式のとおりである。
'=|a1・(xm1-Δx)+b1・(ym1-Δy)+c1・(zm1-Δz)+d1|×(a1+b1+c1)−1/2
移動後の距離(誤差)の自乗和(L'+L'+L')が最小になるΔx、Δy、Δzを求める。これには、マイクロソフト社エクセルのソルバー(多次元解析機能)を用いることができる。誤差の自乗和が最小になる状態がベストフィット状態である。
−ステップA3(輪郭度判定)−
ベストフィット処理後の各エリアの実測点の測定点に対する位置誤差ΔBFTを求め、予め設定した輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアの有無を判定する。位置ずれを生じているエリアがないときは、燃焼室形状は良ということになる。これは、燃焼室形状良否の第1判定である。
−ステップA4(容積換算)−
上記ベストフィット処理後のエリアについて、実測点の位置誤差をΔBFTとし、当該エリアの面積をAとしたとき、補正係数K(ΔBFT)を与えて次式で当該エリアの容積誤差Vを算出する。各エリアの測定点が1点であっても、当該エリア全体にわたって、ΔBFTの位置誤差があるとみなして、容積誤差が大きくなる方向に当該換算を行なうものである。
V=ΔBFT×A×K(ΔBFT)
ここに、当該エリアが曲面であり且つ余肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)を0.9とし、当該エリアが曲面であり且つ欠肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)を1.3とし、当該エリアが平面であるときの補正係数K(ΔBFT)を1とする。当該エリアに複数の測定点を設定したときは、面積Aに各測定点が担う分担率を乗ずる。
各エリアの得られた容積誤差Vを1つの燃焼室壁面4の全エリアにわたって積算し、当該燃焼室壁面4の総容積誤差量Vtを求める。
−ステップA5(容積判定)−
燃焼室壁面4の総容積誤差量Vtが予め設定した許容範囲か否かを判定する。総容積誤差Vtが許容範囲であれば、燃焼室形状は良ということになる。これは、燃焼室形状良否の第2判定である。
−ステップA6,A7(気筒間差判定)−
図8に示すように、鋳造後の4つの燃焼室壁面4は、シリンダヘッド1の合わせ面2(基準面X)と、気筒列方向の両端に位置する燃焼室壁面4の頂部基準面P1,P2を結ぶ基準線BLとを基準にして、余肉部9がボールエンドミルによって切削加工される。すなわち、基準面Xから基準線BLまでの高さが基準高さよりも高いときは削り代が小さくなり、基準高さよりも低いときは削り代が大きくなるように余肉部9が切削される。その場合、頂部基準面P1,P2が切削加工の基準になる気筒列方向両端の燃焼室壁面4は狙いの燃焼室容積が得られるように加工されるが、気筒列方向中間の燃焼室では、その基準面Pの高さによっては、燃焼室容積を調整するという観点において必ずしも狙い通りの加工にならない場合がある。
そこで、基準線BLに対する、気筒列方向中間の燃焼室壁面4の基準面Pの高低差dを測定し、この高低差dが予め設定した公差内にあるか否かを判定する。その高低差dが公差内であれば、余肉部9の削り代に問題となるような過不足は生じないから、燃焼室形状は良ということになる。これは、燃焼室形状良否の第3判定である。
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、燃焼室壁面4の測定対象面を複数のエリアに分割し、各エリアを代表する少数の測定点の実測によって、プロファイルを測定するようにしたから、データの処理負担が軽くなり、短時間に燃焼室形状の良否を判定することができる。また、ベストフィット処理によって、燃焼室壁面4の位置を除外して形だけを設計形状と照合するようにしたから、燃焼室容積の誤差の大小の観点から、位置ずれを生じているエリアの有無を精度良く判定することができる。さらに、位置ずれを生じているエリアがあるケースでも、実測点の位置誤差を容積誤差に換算し、総容積誤差に基いて圧縮比に対する影響をみるようにしたから、不必要に燃焼室形状の不良判定をすることが避けられる。また、位置ずれを生じているエリアがないケースや総容積誤差に問題がないケースでも、燃焼室の高さの観点から余肉部9の削り代に過不足を生じるか否かを判定するようにしたから、不良品を確実に排除する上で有利になる。
また、図5の良否判定のフローにおいて、ステップA3でNGの判定が出たときには、金型に問題がある可能性が高い。そこで、当該NG判定を金型の検査に反映させ、金型の摩耗量や異物の付着を調べることにより、以後の不良シリンダヘッドの発生を抑制することができる。
また、上記実施形態は直列4気筒エンジンのシリンダヘッドの燃焼室形状の良否判定に関するが、本発明は、単気筒エンジン、V型など他の多気筒エンジンのシリンダヘッドの燃焼室形状の良否判定に用いることができる。
1 シリンダヘッド
2 合わせ面
3 凹部(燃焼室形成部)
4 燃焼室壁面
8 加工用基準面
9 燃焼室容積調整用の余肉部
15 三次元測定機
16 データ処理システム
D1〜D3 測定点
M1〜M3 実測点

Claims (7)

  1. エンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッドの燃焼室壁面に複数のエリアを設定して、燃焼室形状の良否を判定する方法であって、
    各エリアに設定した測定点の位置を実測するステップと、
    実測点と対応する設計データ上の測定点の位置誤差に基いて、実測点に予め設定した輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアの有無を判定するステップと、
    上記位置ずれを生じているエリアがあるときに、全エリアについて各々の設計データ上の測定点と実測点の位置誤差を上記燃焼室の容積誤差に換算するステップと、
    上記各エリアの容積誤差を積算した総容積誤差に基いて燃焼室形状の良否を判定するステップとを備えていることを特徴とするシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法。
  2. 請求項1において、
    上記位置ずれエリアの判定ステップでは、全エリアにわたって実測点と設計データ上の測定点を重ね合わせるベストフィット処理を行ない、該ベストフィット処理後の上記実測点と測定点の位置誤差に基いて上記位置ずれエリアの有無を判定することを特徴とするシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法。
  3. 請求項2において、
    上記位置誤差を容積誤差に換算するステップでは、上記ベストフィット処理後の上記測定点と実測点の位置誤差を用いることを特徴とするシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法。
  4. 請求項3において、
    上記位置誤差を容積誤差に換算するステップでは、上記ベストフィット処理後のエリアの実測点の位置誤差をΔBFTとし、当該エリアの面積をAとしたとき、補正係数K(ΔBFT)を与えて次式で当該エリアの容積誤差Vを算出し、当該エリアが曲面であり且つ余肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)を0.85以上1.0未満とし、当該エリアが曲面であり且つ欠肉方向の位置誤差であるときの補正係数K(ΔBFT)を1.0超1.35以下とし、当該エリアが平面であるときの補正係数K(ΔBFT)を1とすることを特徴とするシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法。
    V=ΔBFT×A×K(ΔBFT)
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記シリンダヘッドは、複数の気筒を列状に配置した多気筒エンジンのシリンダヘッドであって、気筒列方向に並ぶ各燃焼室壁面は、該シリンダヘッドにおけるシリンダブロックとの合わせ面と、気筒列方向の両端に位置する燃焼室壁面の頂部とを基準にして余肉部が切削加工されるものであり、
    上記気筒列方向両端に位置する上記燃焼室壁面の頂部を結ぶ基準線に対して、上記気筒列方向中間の上記燃焼室壁面の頂部が予め設定した公差内にあるか否かに基いて燃焼室形状の良否を判定するステップとを備えていることを特徴とするシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    上記燃焼室壁面は上記シリンダヘッドの鋳造後に部分的に切削加工されて形成されるものであり、
    上記エリアは、上記燃焼室壁面の上記鋳造後に切削加工されない面に設定されていることを特徴とするシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法。
  7. エンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッドの燃焼室壁面に複数のエリアを設定して、燃焼室形状の良否を判定する装置であって、
    上記燃焼室壁面の設計データを記憶する手段と、
    各エリアに設定した測定点の位置を実測する三次元測定機と、
    上記実測点と上記設計データ上の対応する測定点の位置誤差に基いて、実測点に予め設定した輪郭度公差を超える位置ずれを生じているエリアの有無を判定する手段と、
    全エリアについて各々の実測点の位置誤差を上記燃焼室の容積誤差に換算して総容積誤差を算出する手段と、
    上記輪郭度公差を超える位置誤差を生じているエリアがないときに上記燃焼室形状を良と判定し、上記輪郭度公差を超える位置誤差を生じているエリアがあるときは、上記総容積誤差に基いて燃焼室形状の良否を判定する手段とを備えていることを特徴とするシリンダヘッドの燃焼室形状良否判定装置。
JP2014252128A 2014-12-12 2014-12-12 シリンダヘッドの燃焼室形状良否判定方法及び判定装置 Active JP6119726B2 (ja)

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