以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1は眼鏡枠形状測定装置の全体の概略構成図である。
眼鏡枠形状測定装置1は、眼鏡フレームFを所定の測定状態で保持するためのフレーム保持ユニット500と、フレーム保持ユニット500によって保持されたフレームFのリムの輪郭をトレースしてリムの三次元形状を測定するための測定ユニット100と、を有する。フレーム保持ユニット500は、本体ベース10の前側に配置されている。測定ユニット100の主要な機構は、本体ベース10に配置され、フレーム保持ユニット500によって保持された眼鏡フレームFの後側(装用者の眼が位置する側)に位置する。
フレーム保持ユニット500の構成を図1−図4に基づいて説明する。フレーム保持ユニット500は、眼鏡フレームFの左右リム(FL、FR)を眼鏡フレーム装用時の縦方向から挟み込んで保持するために、縦方向(Y方向)に移動される第1スライダー503及び第2スライダー505と、第1スライダー503及び第2スライダー505を縦方向に移動可能にガイドするガイド機構508と、を備える。ガイド機構508は、少なくとも第1スライダー503と第2スライダー505との間で、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右方向(X方向)の中央部に配置されている。
図1−4の実施例のガイド機構508は、第1スライダー503及び第2スライダー505の少なくとも一方を縦方向に移動可能ガイドするために構成された支柱部材510を有する。支柱部材510は、第1スライダー503と第2スライダー505との間を縦方向に延び、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右方向の中央部に配置されている。また、支柱部材510は、第1スライダー503及び第2スライダー505によって保持されるフレームFのブリッジFBより後側に配置されている。また、支柱部材510の左右方向の幅は、フレームFのブリッジFBの左右幅以下にされている。好ましくは、支柱部材510の左右方向の幅は、右リムFRの鼻側端(左右方向の最も中央側の位置)と左リムFLの鼻側端との幅(距離)以下にされている。なお、支柱部材510の左右方向の幅とは、好ましくは、第1スライダー503と第2スライダー505との間に少なくとも存在する支柱部分の左右方向の幅である。
図1の実施例では、フレーム保持ユニット500は、装用者が眼鏡フレームFを装着する場合と同じく、眼鏡フレームFを水平方向に保持するために、鉛直方向から眼鏡フレームFを挟み込むように、第1スライダー503が上側に配置され、第2スライダー505が下側に配置されている。しかし、フレーム保持ユニット500は、垂直方向に限られず、水平方向又は前後に傾斜した方向から眼鏡フレームFを挟み込む構成であっても良い。
また、図1の実施例においては、第1スライダー503はカバー503aを有し、第2スライダー505に対向するカバー503aの面(図1では、カバー503aの下面)が左右リムの上端(又は下端)に当接する。また、第2スライダー505はカバー505aを有し、第1スライダー503に対向するカバー505aの面(図1では505aの上面)が左右リムの下端(又は上端)に当接する。なお、第1スライダー503及び第2スライダー505に当接される眼鏡フレームFの左右リムの上下端は、上下逆であっても良い。
図2は、カバー503a及び505aを取り除いた状態のフレーム保持ユニット500の正面図である。図3は、図2をフレーム保持ユニット500を右から見た側面図である。図4は、カバー503a及び505aを取り除いた状態のフレーム保持ユニット500を後ろから見た後面図である。なお、図1−図4において、左右方向をX方向とし、縦方向(上下方向)をY方向とし、前後方向をZ方向として図示する。
図2−4において、固定ベース520は装置の本体ベース10に固定されている。固定ベース520上には、第2スライダー505に含まれるスライド板550が縦方向(Y方向)に移動可能に保持されている。スライド板550の下には2本のシャフト553及び555が固定されている。シャフト553は、固定ベース520の固定されたブロック522によって縦方向に移動可能に支持されている。また、シャフト555は、固定ベース520に取り付けられた2つのローラ524によって縦方向に移動可能に支持されている。これらシャフト553、シャフト555、固定ベース520、ブロック522、ローラ524等によって第2スライダー505を縦方向に支持する支持機構552が構成される。
また、第1スライダー503を構成するスライド板560が支柱部材510の上部に固定されている。支柱部材510は、固定ベース520及びブロック522等によって縦方向に移動可能に保持されている。図1−4の実施例では支柱部材510は第1スライダー503を縦方向に移動可能にガイドするガイド機構を兼ねている。支柱部材510の下方には取り付け板562(図4参照)が取り付けられている。取り付け板562の前側の下方(図2参照)には、第1ローラ564が取り付けられている。また、ブロック522の下方の前側には、前後方向(Z方向)に延びるシャフト525を中心にして回転可能な円弧部材526が取り付けられている。円弧部材526は左右方向に延びる第1アーム526a及び第2アーム526bを有する。第1アーム526aの上面に第1ローラ564が載っている。また、スライド板550に固定されたシャフト555の下端の前側には、第2ローラ557が取り付けられている。そして、円弧部材526の第アーム526bの上面に第2ローラ557が載っている。これらによって、第1スライダー503及び第2スライダー505の互いの間隔が広がる方向及び互いの間隔が狭くなる方向に、第1スライダー503及び第2スライダー505が連動して移動される連動機構530が構成される。すなわち、スライド板550(第2スライダー505)が上昇した状態では、円弧部材526の第1アーム526aが下方に下がるため、第1ローラ564も下がる。これにより、スライド板560(第1スライダー503)が下方に下がり、第1スライダー503及び第2スライダー505の互いの間隔が狭められる(閉じられる)。そして、スライド板560(第1スライダー503)が上方向に移動されると、第1ローラ564が上昇することによって、円弧部材526の第1アーム526aも上昇可能になると共に、円弧部材526の第2アーム526bが下降可能にされる。そして、スライド板550、シャフト555及び第2ローラ5557が自重によって下降される。これによって第1スライダー503と第2スライダー505との間隔が広げられる(開かれる)。
スライド板560(第1スライダー503)の上部には、回転ノブ570が設けられている。回転ノブ570には縦方向(Y方向)に延びる回転シャフト572が取り付けられている。回転シャフト572は、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右方向の中央部に配置されている。好ましくは、回転シャフト572は、支柱部材510より前側で、且つ第1スライダー503及び第2スライダー505によって保持されるフレームのブリッジFBより後側に配置されている。回転シャフト572は、支柱部材510と共に縦方向に移動可能に、且つ回転可能に、スライド板550、スライド板560及び固定ベース520に保持されている。回転ノブ570及び回転シャフト572は、眼鏡フレームFのリム(FR、RL)を前ピン及び後ピンによってクランプするために使用される。
図5は、スライド板550を上から見た図であり、眼鏡フレームFのリム(FR、RL)を、前ピン及び後ピンによって前後方向からクランプするためのクランプ機構を説明する図である。
図5において、クランプ機構580Aは、左リムFLを前後方向からクランプするための一対の前ピン582a及び後ピン582bを有する。前ピン582aは、軸584aを中心に回転可能なアーム586aに取り付けられている。後ピン582bは、軸584bを中心に回転可能なアーム586bに取り付けられている。アーム586aの基部には軸584aを中心としたギヤ588aが形成されている。同様に、アーム586bの基部にも軸584bを中心としたギヤ588bが形成されている。ギヤ588bはギヤ588aに噛み合わされている。このギヤの噛み合いにより、アーム586bが軸584bを中心に回転されると、これに連動してアーム586aも軸584aを中心に回転される。すなわち、前ピン582aと後ピン582bが連動して開閉される。アーム586aとアーム586bとの間には圧縮バネ589が配置されている。圧縮バネ589によってアーム586aとアーム586bは、開く方向に付勢力が与えられている。
図5において、右側のクランプ機構580Bは、上記のクランプ機構580Aと左右対称であるので、各部材には同符号を付し、その説明は省略する。
クランプ機構580Aのアーム586bにワイヤ592aが取り付けられている。ワイヤ592aの一端がガイド部材を介して左右中央の半リング部材594に接続されている。半リング部材594の内径は、回転シャフト572の径に噛み合う大きさで形成されている。回転シャフト572には円形部材574が固定されている。半リング部材594は、円形部材574にピン576によって連結されている。図5において、回転シャフト572が時計の回転方向に回転されると、円形部材574が回転シャフト572と一体的に回転され、半リング部材594の内径が回転シャフト572の径に噛み合う位置まで半リング部材594が移動される。半リング部材594の移動により、ワイヤ592aが引っ張られる。これにより、クランプ機構580Aの前ピン582a及び後ピン582bが閉じる方向に移動される。回転シャフト572が反時計回りに回転されると、半リング部材594は図5の状態に戻される。圧縮バネ589によって、前ピン582a及び後ピン582bの間隔が広げられる。
クランプ機構580Bのアーム586bにもワイヤ592aが接続され、ワイヤ592aの一端は半リング部材594に接続されている。このため、回転シャフト572の回転により、クランプ機構580Bの前ピン582a及び後ピン582bも、クランプ機構580Aと同様に開閉される。
第1スライダー503側のスライド板560にも、上記と同様なクランプ機構580A及び580Bが配置されている。スライド板560側のクランプ580A及び580Bにおいては、スライド板560側に対して上下反転している構成である。このため、その説明は省略する。
なお、実施例では、操作者が回転ノブ570を回転することにより、クランプ機構580A、580Bを駆動するものとしたが、その駆動手段としてはモータを使用することでも良い。また、クランプ機構580A及び580Bは実施例に限られず、周知の機構が使用されても良い。また、左右リムの前後方向を固定する機構としては、一対の前ピン582a及び後ピン582bに代えて、V字状の溝を持つ当接部材をそれぞれスライド板550及び560に設ける構成でも良い。
以上のようにフレーム保持ユニット500が構成されているため、第1スライダー503及び第2スライダー505によって眼鏡フレームFが所定の測定状態に安定的に保持される。実施例のフレーム保持ユニット500においては、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右両端に、第1スライダー503及び第2スライダー505を縦方向に移動可能にガイドするためのガイド機構が配置されていない。そして、フレーム保持ユニット500においては、第1スライダー503を縦方向に移動可能に支える支柱部材510が、少なくとも第1スライダー503と第2スライダー505との間で左右の中央部に配置されている。このため、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右両端は、外側に向けて開放されている(左右両端に空間が空けられている)。言い換えれば、第1スライダー503と第2スライダー505との間における左右両端が開放されている。これにより、操作者はフレームFを保持しながら、フレームFの後側(右テンプルFTR及び左テンプルFTL)を測定ユニット100側に向けた状態で、第1スライダー503及び第2スライダー505にフレームFを容易に保持させることができる。また、このようなフレーム保持ユニット500の構成により、フレーム保持ユニット500の小型化が図られている。また、ガイド機構508を構成する支柱部材510は左右方向の中央に配置され、支柱部材51の左右方向の幅がフレームFのブリッジFBの左右幅以下にされているため、後述する測定ユニット200による測定時に、測定子110及び測定子軸112との干渉を避けた測定ができる。
測定ユニット100の好ましい構成例を、図1、図6−図9に基づいて説明する。測定ユニット100の主要な機構は、本体ベース10に配置され、フレーム保持ユニット500によって保持された眼鏡フレームFの後側(装用者の眼が位置する側)に位置する。
測定ユニット100は、測定子110と、測定子軸112と、測定子移動ユニット108と、回転ユニット200と、前後移動ユニット300と、を備える。測定子110は眼鏡フレームFのリム(FR、FL)の溝(図示を略す)に挿入される。測定子110はは測定子軸112の先端に取り付けられている。測定子移動ユニット108は、測定子110を径方向に移動させるために構成されている。測定子移動ユニット108によって、測定子110は回転軸Z1の付近から離れる方向に及び回転軸Z1の付近に近づく方向に移動される。回転ユニット200は、リムの輪郭に沿って測定子110の先端110aがリムをトレースするように、リムの輪郭内を通るように設定された回転軸Z1を中心に測定子移動ユニット108を回転するために構成され、フレーム保持ユニット500に保持されたフレームFの後側に配置されている。前後移動ユニット300は、フレームの前後方向(実施例では、回転軸Z1が延びる前後方向)におけるリムの変化に沿って測定子110がリムをトレースするように、前前後方向における測定子110の位置を変化させるために構成されている。実施例の前後移動ユニット300は、回転ユニット200を回転軸Z1の方向に移動させるために構成されている。
実施例の測定子移動ユニット108は、回転軸Z1に対して非平行に設定された回旋軸A1を中心にして測定子軸112をリムの径方向に回旋させるための回旋ユニット120を備える。測定子移動ユニット108としては、回旋ユニット120の構成に限られず、回転軸Z1に垂直な平面(測定基準面S1)に平行に直線移動する構成であっても良い。
また、測定ユニット100は、フレーム保持ユニット500に保持されたフレームFの右リムFRを測定するための第1測定位置と、他方の左リムFLを測定するための第2測定位置と、の間で回転ユニット200等を移動する左右移動ユニット400を備える。
図6は、測定ユニット100を上から見た図である。本体ベース10には、開口11が形成されている。回転ユニット200等が配置された円弧動ベース402は、本体ベース10の下に配置されている。円弧動ベース402に搭載された回転ユニット200等は、開口11から上に表れている。左右移動ユニット400は、円弧動ベース402、モータ404等を備える。円弧動ベース402は、本体ベース10の後方に設定された軸C1(縦軸)を中心に、円弧動可能に本体ベース10に保持されている。軸C1は、フレーム保持ユニット500に保持された眼鏡フレームFの後側に位置し、眼鏡フレームの縦方向(Y方向)に延びている。実施例では、軸C1は、フレーム保持ユニット500の左右の中心を通って前後方向に延びる中心線L1の位置に設定されている。これにより、円弧動ベース402は、円弧動ベース402の前側(フレーム保持ユニット500が位置する側)が軸C1を中心にして左右方向に移動可能にされている。
図7は、本体ベース10を省いた状態の円弧動ベース402を上から見た図である。円弧動ベース402の前部分には、軸C1を中心にして同一半径で形成されたラック406が固定されている。ラック406は、本体ベース10に固定されたモータ404のギヤに噛み合わされている。したがって、モータ404が駆動されると、ラック406等の回転伝達機構を介して円弧動ベース402が軸C1を中心に円弧動(回転)される。これにより、回転ユニット200の回転軸Z1は、中心線L1を挟んで左右方向に振られる。この円弧動ベース402の円弧動によって、右リムFRを測定するための第1測定位置と左リムFLを測定するための第2測定位置とに、回転ユニット200の回転軸Z1の位置が切換えられる(移動される)。第1測定位置は、中心線L1に対して回転軸Z1が右リムFR側に角度α傾斜した位置である。第2測定位置は、中心線L1に対して回転軸Z1が左リムFL側に角度α傾斜した位置である。角度αは、中心線L1に対する回転軸Z1の距離が後側に対して前側が大きくなる角度に設定されている。角度αは、例えば、12度に設定されている。すなわち、回転ユニット200が第1測定位置及び第2測定位置にそれぞれ位置するときに、回転軸Z1が中心線L1に対してそれぞれ所定の角度αで傾斜している。このため、測定基準面S1は、左右方向(X方向)の中心に対してフレームFのテンプル側が後方に傾斜するように設定される。これにより、特に、眼鏡フレームFが高カーブの場合に、測定子110がリムに沿い易く、測定子110がリムから外れ難くなる。また、左右移動ユニット400によって回転ユニット200が第1測定位置及び第2測定位置に移動されたときにも、回転ユニット200はフレームFの左テンプルFTLと右テンプルFTRとの間に位置する構成である。
なお、第1測定位置から第2測定位置に回転ユニット200等の測定機構を移動させたときに、フレーム保持ユニット500に保持された眼鏡フレームFの左テンプルFTLと右テンプルFTRとの間に回転ユニット200等の測定機構が位置する構成であれば、実施例に限られない。例えば、左右移動ユニット400は、左右方向に平行(直線的)に回転ユニット200(ベース402)を移動することでも良い。しかし、回転ユニット200等のフレームFの後側に配置する構成において、高カーブフレームを測定する場合には、軸C1を中心に回転ユニット200の回転軸Z1が中心線L1に対して傾斜する構成が有利である。そして、この構成の場合には、測定子移動ユニット108が回転軸Z1に垂直な平面に平行に直線移動する構成であっても、高カーブフレームを好適に測定できる。
図7において、円弧動ベース402には前後移動ユニット300が配置されている。前後移動ユニット300は次のように構成されている。前後移動ユニット300は、回転ユニット200を回転軸Z1の方向に移動可能にガイドするガイド機構304を備える。図7において、ガイド機構304は、例えば、回転軸Z1と並行に延びるガイドシャフト304a及び304bを有する。前後動ブロック302は、ガイドシャフト304a及び304bに沿って移動可能に搭載されている。前後動ブロック302には、ガイドシャフト304aと並行に延びるラック305が固定されている。円弧動ベース402にはモータ306が固定されている。モータ306の回転軸に取り付けられたギヤがラック305に噛み合わされている。したがって、モータ306の回転により前後動ブロック302がZ1軸方向に移動される。
また、回転ユニット200が搭載される前後動ベース310が、ガイドシャフト304a及び304bに沿って移動可能に搭載されている。前後動ベース310には、センサ板312が取り付けられている。円弧動ベース402には、センサ板312に配置された指標を検知するセンサ314が固定されている。センサ314は、例えば、センサ板312の指標を検知することにより、回転軸Z1方向における前後動ベース310の移動位置を検知する。すなわち、センサ314によって、回転軸Z1方向における測定子110の移動位置が検知される。
前後動ブロック302には、前後動ベース310と前後動ブロック302とを連結するためのモータ322を有する連結機構320が取付け板(図示を略す)を介して取り付けられている。連結機構320は偏心カム323、移動アーム324、ストッパ部材(図示を略す)、等を備える。モータ322の回転により偏心カム323及び移動アーム324が回転され、ストッパ部材が前後動ベース310を前後動ブロック302側に押し付けることにより、前後動ベース310が前後動ブロック302に連結される。これにより、モータ306の駆動によって前後動ブロック302と一体的に前後動ベース310が回転軸Z1の方向に移動される。そして、前後動ベース310に搭載された回転ユニット200が後側(軸C1側)に設定された退避位置と、前側(フレーム保持ユニット500側)に設定された測定開始の初期位置と、の間で移動される。
測定開始位置において、モータ322の駆動によって連結機構320が解除された後は、モータ306の駆動によって前後動ブロック302が、さらに前側の待機位置に移動される。これにより、前後動ベース310及び回転ユニット200は、自由な前後動が可能にされる。なお、前後動ユニット300は、測定子軸112が伸張される機構、回転ユニット20に対して測定子軸112が回転軸Z1方向に移動される構成、等も可能である。
図8は、回転ユニット200及び回旋ユニット120を正面(回転軸Z1)方向から見た図である。図9は、回転ユニット200及び回旋ユニット120を側面から見た図である。
回転ユニット200の構成を説明する。図1、図8、図9において、前後動ベース310上に保持ブロック202が固定されている。保持ブロック202に回転ベース204が回転軸Z1を中心に回転可能に保持されている。回転ベース204は、保持ブロック202に固定されたモータ206によって、ギヤ等から構成される回転伝達機構208を介して回転軸Z1の回りに回転される。
回旋ユニット120の構成例を説明する。図1、図6、図8、図9において、回転ベース204には、回旋ユニット120が搭載されている。回転ベース204上のブロック122には、測定子軸支持部材124が回旋軸A1を中心にして回転可能に保持されている。測定子軸支持部材124に測定子軸112の基部が取り付けられている。これにより、測定子軸112が回旋軸A1を中心にして回旋されることにより、測定子110は回転軸Z1から円弧運動として径方向に移動される。支持部材124は、測定子110の先端が回転軸Z1から離れる方向に回転されるように、測定圧付与手段の一例であるバネ(付勢部材)126によって常時付勢力が与えられている。このとき、測定子軸112を含む回旋ユニット120の重心は回旋軸A1上に有るように構成することが好ましい。この場合、回旋角の影響を少なくして、測定圧をほぼ一定に保つことができる。
ここで、回旋軸A1は、回転軸Z1に直交する第1方向であって良い。しかし、好ましくは、回旋軸A1は、回転軸Z1に直交する第1方向と、回転軸Z1の軸方向である第2方向と、の間の第3方向に延びるように、回転軸Z1に対して或る角度β(図6参照)で傾斜して設定されている。すなわち、第3方向の角度βは0度より大きく、90度より小さい。さらに好ましくは、回旋軸A1が延びる第3方向は、回転軸Z1に直交する第1方向と回転軸Z1に平行な第2方向との中間(例えば、角度βが40〜50度である)に設定されている。実施例では、角度βが45度に設定されている。回旋軸A1が回転軸Z1に対して角度βで傾斜されていることにより、測定子110の先端が回転軸Z1から離れるに従って、回転軸Z1に直交する測定基準面S1に対する測定子110の先端方向の傾斜角が大きくなる。特に、回旋軸A1の傾斜は、高カーブフレームのテンプル(FTL、FTR)の付近のリムを測定子110がトレースするときに有利である。そして、本実施例の装置では、眼鏡フレームの後側に回転ユニット200及び回旋ユニット120が配置されている。この構成により、高カーブフレームの場合であっても、測定子110が高カーブフレームのリムから外れ難くなり、そのリムの輪郭をスムーズにトレースできる。
基準面S1の基準位置は、フレーム保持ユニット500の所定位置(例えば、基準平面S1が第2スライダー505側の前ピン582a及び582bの中央を通る位置)とされる。なお、実施例では、回転軸Z1は、右リムFRを測定するための第1測定位置と左リムFLを測定するための第2測定位置とで、それぞれ中心線L1を挟んで角度αで傾斜しているため、右リムFRを測定するための基準面S1と左リムFLを測定するための基準面S1も、左右方向に対してそれぞれ角度αで傾斜していることになる。
また、回旋軸A1が回転軸Z1に対して角度β(回転軸Z1に直交する第1方向で無い角度)で傾斜されていることにより、回転軸Z1方向から見た時、図10のように、測定子110の先端が移動される軌跡は円弧軌跡ATとなる。これにより、リムの動径長が長くなる方向に変化している場合に、測定子110の追従性が良くなり、リムを精度良く測定できる。
測定子軸支持部材124にはセンサ板132が取り付けられている。ブロック122には、センサ板132に形成された指標を検知するセンサ130が取り付けられている。センサ130は、センサ板132の回転位置を検知することによって、測定子軸支持部材124の回転を検知する。すなわち、センサ130によって測定子軸112(測定子110)の回旋軸A1を中心として回旋状態が検知される。測定開始時の測定子110の初期位置は、測定子110の先端が回転軸Z1の付近に位置するように設定されている(支持部材124の回転が制限されている)。
なお、実施例では、回旋軸A1は回転軸Z1を通過せず(回転軸Z1に交差せず)、或る距離W(例えば、10mm)だけ離れている。これにより、測定子軸112の長さを短くしつつ、動径方向の測定範囲を長くすることができる。測定子軸112の長さを短くできれば、装置を小型化できる。
図11A,図11Bは、測定子110を測定開始の初期位置に固定するための固定機構を説明する図である。測定子軸112は、回旋軸A1を中心にして回旋されるようにバネ126によって付勢力が与えられている。測定開始時、バネ126の付勢力に抗して、測定子110が回転軸Z1の付近に位置するように、測定子軸112及び支持部材124の回旋が以下に説明する固定機構140によって固定される。図11Aは回旋の固定が解除された状態を示す図であり、図11Bは測定子軸112及び支持部材124の回旋が初期位置で固定された状態を示す図である。
図11A,図11Bにおいて、支持部材124の後端側から延びた棒部材142にコロ144が配置されている。また、回転ベース204(図11A,11Bでは図示が略されている)に固定されたブロック122に後方に延びる円筒部材136が取り付けられている。円筒部材136の後端には、シャフト部材148によって回転部材150が回転可能に支持されている。回転部材150には、コロ144に係合する係合部材152が固定されている。
回転部材150の後面が回転軸Z1に垂直となるように、図6に示す押し込み部材154によって押し込まれると、図11Bに示すように、係合部材152が傾斜される。係合部材152が傾斜されることにより、コロ144及び棒部材142を介して支持部材124を回旋軸A1の回りに回転する力が与えられる。そして、図11Bの状態で支持部材124の回旋が制限されることにより、測定子110及び測定子軸112が測定開始の初期位置に固定される。
図6において、押し込み部材154はシャフト156を中心に回転可能なアーム部材158に取り付けられている。アーム部材158は、図7で示した連結機構320が有するモータ322の駆動によって回転される移動アーム324が係合されることにより、回転部材150側に押し込まれる。図7の連結機構320のモータ322、偏心カム323及び移動アーム324等は、固定機構140の一部として兼用されている。モータ322が逆回転され、押し込み部材154が回転部材150から引き離されると、バネ126によって測定子110が径方向(回転軸Z1から離れる方向)に移動される測定圧が掛けられる。
図12は、眼鏡枠形状測定装置1の電機系の構成図である。各モータ(404、306、322、306、206)及び各センサ(314、130)は、制御部(制御ユニット)50に接続されている。また、制御部50は、測定結果等を記憶するメモリ52、測定開始信号を入力するスイッチ61等を有する入力ユニットの例であるスイッチパネル60が接続されている。制御部50は各モータの駆動を制御すると共に、各センサからの出力信号等に基づいてリムの三次元形状を演算する演算手段を兼ねる。
<動作>
以上のような構成を備える眼鏡枠形状測定装置の動作を説明する。操作者は、フレーム保持ユニット500にフレームFを保持させる。操作者が回転ノブ570と共に第1スライダー503を持ち上げると、第2スライダー505が連動して下方に下がり、フレームFの左リムFL及び右リムFRを挿入する空間が開く。操作者はフレームFの後側(左テンプルFTL及び右テンプルFTR)が測定ユニット100の回転ユニット200側に向くように、第1スライダー503及び第2スライダー505の間に挟みこむ。また、操作者は右リムFR及び左リムFLを前ピン582a及び後ピン582bの間に位置させる。操作者によって第1スライダー503が下げられると、これに連動して第2スライダー505が上昇し、フレームF(左リムFL及び右リムFR)が第1スライダー503の対向面と第2スライダー505の対向面との間に保持される。その後、操作者によって回転ノブ570が回転させることによって、クランプ機構580A及び580Bが作動され、4箇所に配置された前ピン582a及び後ピン582bによって左リムFL及び右リムFRがクランプされる。これにより、フレームFが測定状態に保持される。なお、実施例の図1、図6においては、装用時の左右リムの下端が第2スライダー505に当接されるように図示されているが、左右リムの下端が第2スライダー503に当接されるように、縦方向の上下が逆にされてフレームがセットされる方式であっても良い。
ここで、第1スライダー503及び第2スライダー505を縦方向に移動可能にガイドするガイド機構の例である支柱部材510が、左右方向の中央付近で、且つフレームFの後側に配置されている。そして、フレーム保持ユニット500は、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右両側には、第1スライダー503及び第2スライダー505を縦方向に移動可能にガイドするガイド機構が無い構成である。このため、左右の幅が広い高カーブフレームであっても、ガイド機構の配置に制限されず、また、ガイド機構に干渉されずに、操作者は左右のテンプルFTL、FTRを測定ユニット100側(回転ユニット200側)に位置させることができる。また、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右両側が開放されているため、操作者はフレームFの右テンプルFTR及び左テンプルFTLを測定ユニット100側(回転ユニット200側)に位置させる作業を容易に行える。また、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右両側にガイド機構を設けずに済むため、フレーム保持ユニット500をコンパクトに構成でき、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右の幅より広いフレームFを保持させることができる。
スイッチパネル60によって測定開始信号が入力されると、測定が開始される。スイッチパネル60では、左右リムを連続的に測定するための測定開始信号と、左右リムを選択的に測定するための測定開始信号と、を入力可能にされている。例えば、スイッチ61によって左右リムを連続的に測定するための測定開始信号が入力される。左右リムの連続測定では、例えば、右リムFRの測定から開始されるように設定されている。制御部50は、左右移動ユニット400のモータ404の駆動を制御して軸C1を中心に円弧動ベース402を回転させ、右リムFRを測定するために設定された位置に円弧動ベース402移動する。この時、回転ユニット200の回転軸Z1は、左右方向(X方向)の中心線L1に対して角度α(12度)傾いた位置に設定されている。回転軸Z1は、フレーム保持ユニット500によって保持されたリムの内部の位置となる。リムの三次元形状測定における動径長の測定の基準面は、回転軸Z1に直交する基準面S1(図6参照)とされる。また、回転軸Z1方向の基準面S1の基準位置は、フレーム保持ユニット500の所定位置(例えば、基準平面S1が第2スライダー505側の前ピン582a及び582bの中央を通る位置)とされる。
制御部50は、前後移動ユニット300のモータ306の駆動を制御し、前後動ブロック302及び前後動ベース310を前側(フレームF側)に移動させることにより、退避位置に置かれていた回転ユニット200及び測定子110等を測定開始の初期位置まで移動させる。測定開始の初期位置は、測定子110が右リムの上側の前ピン582aと後ピン582bとの中央位置に設定されている。
次に、制御部50は、連結機構320のモータ322を駆動し、固定機構140による測定子軸112の回旋の固定を解除する。測定子軸112の回旋の固定が解除されると、バネ126によって測定子軸112が回旋軸A1を中心に回旋され、測定子110の先端が回転軸Z1から離れる方向(リムの溝に向かう方向)に移動される。測定子軸112の回旋角は、センサ130によって検知される。測定子110の先端がリムの溝に挿入されると、測定子軸112の回旋が停止する。したがって、制御部50はセンサ130の出力信号に基づいて測定子110の先端がリムの溝に挿入されたことを検知する。この検知結果によって、制御部50は、さらにモータ322を駆動し、連結機構320よる連結を解除する。その後、制御部50は前後移動ユニット300のモータ306を駆動し、前後動ブロック302を前側(フレームF側)の待機位置に移動させる。これにより、前後動ベース310及び回転ユニット200は、回転軸Z1方向への自由な前後動が可能にされる。
次に、制御部50は、リムをトレースするために、回転ユニット200のモータ206を駆動し、回転ベース204を回転軸Z1の回りに回転させる。回転ベース204の回転により回旋ユニット120と共に測定子軸112及び測定子110が回転軸Z1の回りに回転され、これによって測定子110がリムの周方向に移動される。すなわち、リムの輪郭が測定子110によってトレースされる。このとき、測定子112の先端がリム側に向かうように、バネ126によって測定圧が掛けられているため、リムの動径長の変化に応じて測定子軸112(支持部材124)が回旋軸A1を中心に回旋される。このときの測定子軸112の回旋状態はセンサ130によって検知される。また、回転軸Z1方向におけるリムの変化に追従して測定子110と共に回転ユニット200(前後動ベース310)が前後方向(回転軸Z1方向)に移動される。この前後移動はセンサ314によって検知される。制御部50は、センサ130の検知信号に基づき、回転ベース204の回転角毎に基準位置(回転軸Z1の位置)からのリムの動径長rnを得る。回転ベース204の或る回転角(θn)における動径長(rn)は、測定子軸112の回旋角と、回旋中心から測定子110の先端までの距離(これは既知である)と、等に基づいて数学的に演算される。また、制御部50はセンサ314の検知信号に基づいて回転ベースの回転角(θn)毎に、回転軸Z1方向のリムの位置(zn)を得る。そして、回転ベース204を1回転させることにより、リムの全周の三次元形状データ(rn,zn,θn)(n=1,2,3、・・・,N)が得られる。その測定結果(トレース結果)は、メモリ52に記憶される。
ここで、測定子軸112の移動は、動径方向への直動機構で無く、回旋軸A1を中心にして回旋される構成とされている。このため、図13のように、基準面S1(回転軸Z1に直交する面)に対する測定子110の先端の傾斜角Taは、測定子110が回転軸Z1から離れる(動径長rnが長くなる)に従って大きくなる。したがって、特に、高カーブフレームの耳側部分のカーブがきつくなる傾向があるが、動径長rnが中央部に比べて長くなるに従って傾斜角Taも大きくなるため、高カーブフレームのリムに沿い易く、測定子110がリムの溝から外れ難く、高カーブフレームを安定して測定できる。
また、前述のような回転軸Z1及び回旋軸A1の配置により、回転ユニット200等の構成を小型にできる。例えば、回転軸Z1が左右方向の中心線L1と同一方向に延び、且つ回旋軸A1が回転軸Z1に直交する方向(第1方向)に延びている場合に比べて、測定子軸112を長くすることなく、測定可能な動径長の範囲を広くできる。回旋軸A1が回転軸Z1に直交する方向に延びている構成においては、測定子軸112の長さを短くし過ぎると、それに応じて測定可能な動径長の範囲が小さくなると共に、動径長が長くなるに従って測定子110の傾斜角Taが大きくなる。これに比べて本件実施例の本装置では、中心線L1に対して回転軸Z1が傾斜し、さらに、回旋軸A1が回転軸Z1に対して傾斜しているため、測定子軸の長さを短くしつつ、高カーブフレームを測定できる。
一方、回旋軸A1が回転Z1と同じ方向(第2方向)であると、測定子112が傾斜されず、単に円弧移動するのみとなる。この場合の円弧移動の最大距離は、回転軸Z1と回旋軸A1との距離Wに比例する。高カーブフレームのよう動径長が長いフレームに対応するためには、この距離Wを長くする必要があり、回転ユニット200(回転ベース204等)が大型化する。これに対して、本件実施例の装置では、上記のような回旋軸A1の配置により、回転ユニット200を小型化できる。回旋軸A1の角度が40〜50度(実施例では45度)であると、8カーブの高カーブフレームにも対応でき、スムーズな測定が行える。
また、本件実施例の装置では、回旋軸A1が回転軸Z1に直交する第1方向では無く、回転軸Z1の第2方向と第1方向との間の傾斜方向に設定されているため、回転軸Z1の方向から見たときの測定子112の移動軌跡は、図10及び図14のように円弧動の軌跡TAとされる。図14のように、リム(FR、FL)内の中心点OCに対する動径長rnが長くなる方向である矢印YA方向にリムが変化している場合には、動径長rnの変化方向に対する測定子112の角度RTaが小さい方が、トレース時の測定子110の追従性が良くなる。一方、動径長rnが短くなる方向である矢印YB方向にリムが変化している場合には、動径長rnの変化方向に対する測定子112の角度RTaが大きい方が、トレース時の測定子110の追従性が良くなる。本装置では、測定子112の移動軌跡は円弧動の軌跡TAであり、動径長rnが長くなる方向である矢印YA方向にリムが変化しているトレース時には、角度RTaは直動方向TBの角度RTb(直動方向TBとリムの変化方向との成す角度)に対して小さくなっているので、直動方式よりも測定子110の追従性が良好となる。一方、矢印YB方向にリムが変化しているトレース時には、角度RTaは直動方向TBの角度RTbに対して大きくなっているので、直動方式よりも測定子110の追従性が良好となる。
以上のように、本実施の装置では、回旋軸A1が傾斜されているため、基準面S1に対する測定子110の先端が傾斜可能にされ、且つ測定子110が円弧軌跡TAで移動されるという両方の作用を有し、高カーブフレームのリムのトレースをスムーズに行える。
右リムFRの測定が終了すると、制御部50によってモータ322が駆動され、固定機構140によって測定子軸112の回旋状態が初期状態に戻される。その後、連結機構320が駆動され、回転ユニット200が後方の退避位置に戻される。次に、もう片方の左リムFLの測定を行うために、制御部50は、左右移動ユニット400のモータ404の駆動を制御し、軸C1を中心に円弧動ベース402を回転させ、左リムFLを測定するために設定された位置に円弧動ベース402移動する。左リムFLの測定位置は、回転ユニット200の回転軸Z1が中心線L1に対して角度α(12度)傾いた位置に設定されている。その後、右リムFRの場合と同様なトレース動作が行われ、左リムFLの三次元形状データ(rn,zn,θn)(n=1,2,3、・・・,N)が測定される。左リムFLの測定結果はメモリ52に記憶される。
なお、本実施例では、回転軸Z1が中心線L1に対して角度αで傾斜された状態で測定され、右リムFR及び左リムFLのそれぞれの測定基準面S1も、中心線L1に垂直な面に対して角度α分傾斜されている。右リムFR及び左リムFLの三次元形状を従来装置と同じ基準(中心線L1に垂直な面)とする場合には、メモリ52に記憶された右リムFR及び左リムFLの形状データをそれぞれ角度αで補正すれば良い。これにより、フレームカーブ、右リムFR及び左リムFLの幾何中心間距離、等の算出において、従来装置と整合性を持つ測定結果が得られる。
図15は、フレーム保持ユニット500の第1変容例の概略構成図である。図15の左図は、フレーム保持ユニット500を正面から見た図である。図15の右図は、フレーム保持ユニット500を側面から見た図である。なお、図1−図4のフレーム保持ユニット500と同一の部材には、同一の符号を付している。
この変容例での第1スライダー503及び第2スライダー505を縦方向に移動可能ガイドするガイド機構508Aは、第1スライダー503を縦方向に移動可能に支持する支持機構540Aと、第2スライダー503を縦方向に移動可能に支持する支持機構522Aと、支持機構540Aと支持機構522Aとを保持する支柱部材510Aと、を備える。
図15において、第2スライダー505に含まれるスライド板550が縦方向(Y方向)に移動可能に、支持機構552Aによって保持されている。支持機構552Aは、固定ベース520と、スライド板550の下に取り付けられた2つのシャフト553Aと、2つのシャフト553Aを縦方向に移動可能に保持するブロック522Aであって、固定ベース520に取り付けられたブロック522Aと、を備える。支持機構552Aは、第1スライダー503を構成するスライド板560が縦方向(Y方向)に移動可能に、支持機構552Aによって保持されている。
また、第1スライダー503を構成するスライド板560は、縦方向(Y方向)に移動可能に、支持機構540Aによって保持されている。支持機構540Aは支持機構552Aと基本的に同様な機構であり、スライド板560の上に取り付けられた2つのシャフト543Aと、2つのシャフト543Aを縦方向に移動可能に保持するブロック542Aと、を備える。そして、支持機構522A(固定ベース520)と支持機構540A(ブロック542A)は、支柱部材510Aによって固定されている。この変容例では、第1スライダー503及び第2スライダー505を縦方向に移動可能ガイドするガイド機構は、支持機構522A(固定ベース520)と、支持機構540A(ブロック542A)と、支柱部材510Aと、によって構成されている。
支柱部材510Aは、図1等の支柱部材510と同じく、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右方向(図1のX方向)の中央部に配置されている。また、支柱部材510Aは、第1スライダー503及び第2スライダー505によって保持されるフレームFのブリッジFBより後側に配置されている。また、支柱部材510の左右方向の幅は、フレームFのブリッジFBの左右幅以下にされている。
また、第1スライダー503及び第2スライダー505の互いの間隔が広がる方向及び互いの間隔が狭くなる方向に、第1スライダー503及び第2スライダー505が連動して移動される連動機構530Aは、次のように構成されている。固定ベース520にプーリ532Aが取り付けられている。ブロック542Aにもプーリ534Aが取り付けられている。このプーリ532A及び534Aとの間には、ワイヤー536Aが掛け渡されている。プーリ532A及び534A、ワイヤー536Aは、支柱部材510Aと同じく、左右中央に配置されている。そして、ワイヤー536Aの後方側が、スライド板560から延びる接続端537Aに接続されている。ワイヤー536Aの前方側が、スライド板550から延びる接続端538Aに接続されている。また、スライド板560とスライド板550との間に、バネ539Aが接続されている。バネ539Aによって、第1スライダー503(スライド板560)及び第2スライダー505(スライド板530)の互いの間隔が狭められる方向に付勢力が与えられている。このような連動機構530Aによって、例えば、第1スライダー503が第2スライダー505から離れる方向に移動されると、接続端536Aが上方に移動され、ワイヤ−536Aに引っ張られる接続端538Aが下方に移動される。これにより、第1スライダー503の移動に連動して、第2スライダー505も第1スライダー503から離れる方向に移動される。
なお、図15の変容例では、左右リムの前後方向を固定する機構として、V字状の溝を持つ当接部材583Aがスライド板560及びスライド板550にそれぞれ配置されている。
図16は、フレーム保持ユニット500の第2変容例の概略構成図である。なお、図16においては、フレーム保持ユニット500を横から見た側面図のみを示している。また、図16において、図15と同種の要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
この変容例での第1スライダー503及び第2スライダー505の少なくとも一方を縦方向に移動可能ガイドするガイド機構508Bを備える。図16のガイド機構508Bは、第1スライダー503及び第2スライダー505の両方を縦方向に移動可能に支持する支柱部材510Bを備える。
図16において、固定ベース520に縦方向に延びる支柱部材510Bが接続されている。第1スライダー503(スライド板560)には支持機構の例である支持ブロック560Bが取り付けられている。第1スライダー503は支持ブロック560Bによって縦方向に移動可能に、支柱部材510Bに支持されている。同様に、第2スライダー505(スライド板530)には、支持機構の例である支持ブロック550Bが取り付けられ、第2スライダー505は支持ブロック550Bによって縦方向に移動可能に、支柱部材510Bに支持されている。
以上のように、図16の変容例では、第1スライダー503及び第2スライダー505を縦方向に移動可能にガイドするガイド機構508Bは、支持ブロック550Bと、支持ブロック560Bと、支柱部材510Bと、によって構成されている。
また、連動機構530Bは、図15の変容例と同様な機構であり、支柱部材510Bの上側に配置されたプーリ534Aと、支柱部材510Bの下側に配置されたプーリ532Aと、ワイヤー536Aと、支持ブロック560Bから延びてワイヤー536Aの後方側に接続される接続端537Aと、支持ブロック550Bから延びてワイヤー536Aの前方側に接続される接続端538Aと、スライド板560とスライド板550との間に接続されたバネ539Aと、を備える。この連動機構530Bによって、第1スライダー503及び第2スライダー505の互いの間隔が広がる方向及び互いの間隔が狭くなる方向に、第1スライダー503及び第2スライダー505が連動して移動される。
図16の変容例においても、支柱部材510Bは、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右方向の中央部に配置されている。また、支柱部材510Bは、第1スライダー503及び第2スライダー505によって保持されるフレームFのブリッジFBより後側に配置されている。また、支柱部材510Bの左右方向の幅は、フレームFのブリッジFBの左右幅以下にされている。
上記のような変容例においても、ガイド機構(505A,508B)の支柱部材(510A,510B)の配置により、第1スライダー503及び第2スライダー505の左右両端は外側に向けて開放されているため、操作者はフレームFを保持しながら、フレームFの後側(右テンプルFTL及び左テンプルFTL)を測定ユニット100側に向けた状態で、第1スライダー503及び第2スライダー505にフレームFを容易に保持させることができる。