JP6118138B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関する。
従来、トラック、バス及び建設用車両などに装着される重荷重用タイヤでは、トレッドにおける摩耗を抑制するため、例えば、ラグ溝の溝壁を所定角度範囲内に調整するなど、トレッドパターンに工夫を施した手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、重荷重用タイヤの摩耗の抑制に対する要求は、年々高まっており、さらなる改善が望まれているのが実情である。
特開2006−213177号公報
従来の重荷重用タイヤにおける摩耗原因を検討した結果、トレッド内に生じるせん断力に起因することが分かった。具体的に、ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向Lとがなす角度が大きい領域では、ベルト張力が小さくなるため、かかる領域は、タイヤ周方向Lに大きく収縮する。
その結果、かかるタイヤ1が回転すると、タイヤ周方向Lにおけるタイヤ幅方向Wの端部近傍の領域は、タイヤ周方向Lに大きく収縮するため、タイヤ周方向Lにおけるタイヤ赤道線CL近傍の領域の長さは、タイヤ周方向Lにおけるタイヤ幅方向Wの端部近傍の領域の長さよりも長くなる。
したがって、かかるタイヤ1が回転すると、タイヤ赤道線CL近傍の領域では、タイヤ回転方向の力(ドライビング力)が発生し、タイヤ幅方向Wの端部近傍の領域では、タイヤ回転方向の反対方向の力(ブレーキング力)が発生するため、両領域の境界付近で剪断力が発生する。
さらに、かかるタイヤ1に対して、内圧が加えられた後、荷重が加えられた場合には、タイヤ赤道線CL近傍の領域とタイヤ幅方向Wの端部近傍の領域との間で、タイヤ径方向における変形の度合いが異なるため、両者の境界付近で剪断力が発生する。なお、一般的に、両領域の境界は、タイヤ赤道線からタイヤ幅方向外側に向かって、トレッド部のタイヤ幅方向における幅の1/4だけ離れた1/4点部に位置する。
特に、かかるタイヤ1が、操舵軸に装着された際には、舵角によるタイヤ幅方向Wの力が加えられ、かかるタイヤ1が、制動力が働く軸に装着された際には、制動力が加えられることで、より一層、剪断力が大きくなる。
特に、かかる現象は、タイヤ幅方向Wにおける陸部の長さがタイヤ幅方向Wにおけるトレッド部10の長さの30%以上となるように構成されている重荷重用のタイヤ1において顕著になる。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、タイヤ赤道線CL近傍の領域とタイヤ幅方向Wの端部近傍の領域との間で発生する剪断力を低減することができるタイヤを提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、路面に接地する接地面(トレッド踏面10f)を有するトレッド部(トレッド部10)を有するタイヤ(タイヤ1)であって、前記トレッド部のタイヤ赤道線からタイヤ幅方向外側の少なくとも一方には、タイヤ赤道線からタイヤ幅方向外側に向かって、前記トレッド部のタイヤ幅方向における幅の1/4だけ離れた位置を中心とする1/4点部(1/4点部A)を基準として、タイヤ幅方向外側に前記タイヤ赤道線を挟んで一対のショルダー陸部(ショルダー陸部40A)が形成され、タイヤ幅方向内側に一対のセンター陸部(センター陸部40B)が形成されており、前記一対のショルダー陸部の少なくとも一方には、前記トレッド部のタイヤ幅方向外側の端部(端部10E)からタイヤ幅方向内側に向かって延びるとともに、前記ショルダー陸部内で終端する幅方向溝(幅方向溝30)がタイヤ周方向に間隔を設けて形成されており、前記一対のセンター陸部の少なくとも一方には、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びるとともに、前記センター陸部内に両端部を有する傾斜溝(傾斜溝50)が、タイヤ周方向に間隔を設けて形成されており、前記幅方向溝は、少なくとも一部において、タイヤ幅方向よりもタイヤ回転方向前方に向かって傾斜する傾斜部分(例えば、急傾斜部32)を有しており、前記傾斜溝の延在方向は、タイヤ回転方向よりもタイヤ幅方向外側に向かって傾斜することを要旨とする。
かかるタイヤによれば、1/4点部を基準として、ショルダー陸部とセンター陸部とが形成されている。ショルダー陸部には、タイヤ幅方向よりもタイヤ回転方向前方に傾斜する傾斜部分を有する幅方向溝が形成され、センター陸部には、タイヤ周方向に対して傾斜する傾斜溝が形成されている。なお、かかるタイヤでは、傾斜溝は、タイヤ回転方向よりもタイヤ幅方向外側に向かって傾斜する。つまり、かかるタイヤでは、幅方向溝と傾斜溝とがタイヤ回転方向の前方に向かって、互いに近づくように傾斜している。このようなタイヤによれば、幅方向溝によって、ショルダー陸部における変形自由度を高めつつ、傾斜溝によって、センター陸部における変形自由度を高めることができる。
また、かかるタイヤでは、タイヤ転動時にショルダー陸部が徐々に接地していくと、幅方向溝のタイヤ回転方向の前後において、ゴムの流動が発生する。更に、かかるタイヤでは、タイヤ転動時にセンター陸部が徐々に接地していくと、傾斜溝のタイヤ回転方向の前後においても、ゴムの流動が発生する。また、かかるタイヤでは、幅方向溝のタイヤ回転方向の前後と、傾斜溝のタイヤ回転方向の前後とにおいて、ゴムの流動が発生することによって、タイヤ回転方向の力(ドライビング力)を発生させることができる。
ここで、かかるタイヤでは、幅方向溝のタイヤ回転方向の前後と、傾斜溝のタイヤ回転方向の前後とに限定されず、幅方向溝と傾斜溝との間の領域においても、ゴムの流動が発生する。すなわち、ショルダー陸部とセンター陸部との間に位置する1/4点部おいても、ゴムの流動が発生するため、1/4点部おいても、タイヤ回転方向の力(ドライビング力)を発生させることができる。
このように、かかるタイヤによれば、幅方向溝と傾斜溝とによって、ショルダー陸部とセンター陸部とにおいて、タイヤ回転方向の力(ドライビング力)を発生させることが可能になるため、1/4点部においてもタイヤ回転方向の力(ドライビング力)を発生させることが可能になる。なお、1/4点部は、角度が最も小さいベルト層の端部に対応するタイヤ幅方向位置である。すなわち、かかるタイヤによれば、角度が最も小さいベルト層の端部に対応するタイヤ幅方向位置である1/4点部に発生していた剪断力を抑制できる。
本発明の第1の特徴において、前記傾斜溝の延在方向とタイヤ周方向とが成す角度θ(θ50)は、0度<θ≦60度の範囲内であってもよい。
本発明の第1の特徴において、前記幅方向溝のタイヤ周方向における間隔P1と、前記傾斜溝のタイヤ周方向における長さL1とは、P1/5≦L1≦P1の関係を満たしてもよい。
本発明の第1の特徴において、前記トレッド部は、前記接地面よりもタイヤ径方向内側に複数のベルト層(例えば、小交錯ベルト層13)を備えており、前記1/4点部は、前記ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向とのなす角度が最も小さいベルト層(小交錯ベルト層13)の端部に対応する位置に配置されていてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、タイヤ赤道線CL近傍の領域とタイヤ幅方向Wの端部近傍の領域との間で発生する剪断力を低減することができるタイヤを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るタイヤのタイヤ径方向及びタイヤ幅方向に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態に係るタイヤのベルト構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るタイヤにおけるトレッド踏面の一部の平面図である。 本発明の第1実施形態に係るタイヤにおけるトレッド踏面の一部拡大平面図である。 本発明の第1実施形態に係るタイヤによって奏することができる効果について説明するための図である。 比較例に係るタイヤと実施例に係るタイヤとを用いて測定した測定結果を示すコンター図である。
本発明に係るタイヤの一例について、図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(タイヤの概略構成)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1実施形態に係るタイヤ1について説明する。
図1に、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ径方向に沿いタイヤ周方向に直交する断面図を示し、図2に、本実施形態に係るタイヤ1の複数のベルト層の概念図を示し、図3に、本実施形態に係るタイヤ1におけるトレッド踏面の一部の平面図を示す。
本実施形態では、タイヤ1の一例として、重荷重用のタイヤ1について説明するが、本発明は、かかるタイヤに限定されるものではない。なお、本実施形態に係るタイヤ1は、かかるタイヤ1の回転方向Rを特定する方向性パターンを有するものとする。すなわち、本実施形態に係るタイヤ1では、ホイールに対するタイヤ1の装着方向が決まっているものとする。なお、タイヤ回転方向Rとタイヤ周方向Lとは平行である。
図1に示すように、本実施形態に係るタイヤ1は、路面に接地するトレッド踏面10f(接地面)を有するトレッド部10を有する。
本実施形態に係るタイヤ1では、トレッド部10は、トレッド踏面10fよりもタイヤ径方向D内側に複数のベルト層を具備している。具体的には、本実施形態に係るタイヤ1は、図1及び図2に示すように、トレッド部10において、タイヤ径方向D外側から2枚の保護ベルト11A/11Bからなる保護ベルト層11、2枚の主交錯ベルト12A/12Bからなる主交錯ベルト層12、及び、2枚の小交錯ベルト13A/13Bからなる小交錯ベルト層13を具備する。
例えば、図2に示すように、かかるタイヤ1では、小交錯ベルト層13を構成するコードとタイヤ周方向Lとがなす角度(θ13)は、5〜20°であり、主交錯ベルト層12を構成するコードとタイヤ周方向Lとがなす角度(θ12)は、15〜40°であり、保護交錯ベルト層11を構成するコードとタイヤ周方向Lとがなす角度(θ11)は、20〜40°である。なお、それぞれの角度は、θ13>θ12≧θ11の関係を満たす。
また、小交錯ベルト層13のタイヤ幅方向Wにおける幅は、トレッド踏面10fの幅W1の25〜70%であり、主交錯ベルト層12のタイヤ幅方向Wにおける幅は、トレッド踏面10fの幅W1の55〜90%であり、保護交錯ベルト層11のタイヤ幅方向Wにおける幅は、トレッド踏面10fの幅W1の60〜110%である。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、図1及び図3に示すように、タイヤ赤道線CLからタイヤ幅方向W外側に向かって、トレッド部10のタイヤ幅方向Wにおける幅W1の1/4だけ離れた位置を中心とする1/4点部Aが設けられている。
本実施形態では、1/4点部Aは、ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向Lとなす角度が最も小さいベルト層(すなわち、小交錯ベルト層13)の端部に対応する領域とすることができる。
なお、本実施形態に係るタイヤ1では、1/4点部Aを基準として、タイヤ幅方向W外側に、タイヤ赤道線CLを挟んで一対のショルダー陸部40Aが形成されており、タイヤ幅方向W内側に、一対のセンター陸部40Bが形成されている。
一対のショルダー陸部40Aの少なくとも一方には、トレッド部10のタイヤ幅方向W外側の端部10Eからタイヤ幅方向W内側に向かって延びるとともに、ショルダー陸部40A内で終端する幅方向溝30がタイヤ周方向Lに間隔を設けて形成されている。具体的に、幅方向溝30は、タイヤ幅方向W外側の溝端部30aと、タイヤ幅方向W内側の溝端部30bとを有している。溝端部30aは、トレッド部10のタイヤ幅方向Wの端部10Eに開口する。一方、溝端部30bは、ショルダー陸部40A内で終端する。
ここで、トレッド部10のタイヤ幅方向Wの端部10Eとは、タイヤ1に正規内圧及び正規荷重が加えられた状態、かつタイヤ転動時に路面と接した状態において、トレッド踏面(接地面)の端部を示す。タイヤ1が路面に接した状態とは、例えば、タイヤ1が正規リムに装着され、かつ正規内圧及び正規荷重が負荷された状態を示す。
なお、「正規リム」「正規内圧」「正規荷重」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2010年度版に定められた適用サイズにおける標準リム、測定方法で規定された空気圧、適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)を指す。日本以外では、規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
なお、例えば、本実施形態に係るタイヤ1では、1対のショルダー陸部40Aの両方において、複数の幅方向溝30が形成されていてもよいし、1対のショルダー陸部40Aのうち、ホイールへの装着時にホイール側に配置される側に、複数の幅方向溝30が形成されていてもよいし、ホイールへの装着時にホイール側に配置される側の反対側(外側)に、複数の幅方向溝30が形成されていてもよい。
また、かかる幅方向溝30の各々は、タイヤ周方向Lに均一もしくは不均一な所定間隔をおいて形成されていてもよい。なお、本実施形態に係るタイヤ1では、幅方向溝30の各々は、タイヤ周方向Lに一定間隔P1をおいて形成されているものとする。例えば、かかるタイヤ周方向Lにおける一定間隔P1は、かかる幅方向溝30の深さと比べて、長くなるように構成されていてもよい。
一対のセンター陸部40Bの少なくとも一方には、タイヤ周方向Lに対して傾斜する方向に延びるとともに、センター陸部40B内に両端部を有する傾斜溝50が、タイヤ周方向Lに間隔を設けて形成されている。
傾斜溝50は、タイヤ回転方向Rの後方に溝端部50aを有し、タイヤ回転方向Rの前方に溝端部50bを有する。溝端部50aと溝端部50bとは、センター陸部40B内に形成されている。
なお、例えば、本実施形態に係るタイヤ1は、1対のセンター陸部40Bの両方において、複数の傾斜溝50が形成されていてもよいし、1対のセンター陸部40Bのうち、ホイールへの装着時の装着方向内側もしくは外側の一方のみに、設けられていてもよい。
また、かかる傾斜溝50の各々は、タイヤ周方向Lに所定間隔をおいて形成されていてもよい。
なお、本実施形態に係るタイヤ1では、傾斜溝50の各々は、タイヤ周方向Lに一定間隔P2をおいて形成されているものとする。例えば、かかるタイヤ周方向Lにおける一定間隔P2は、かかる傾斜溝50の深さと比べて、長くなるように構成されていてもよい。
本実施形態に係るタイヤ1では、傾斜溝50のタイヤ周方向Lにおける間隔P2は、幅方向溝30の間隔P1と等しい場合を例に挙げて説明する。
上述のように、本実施形態に係るタイヤ1では、ショルダー陸部40Aに形成される一の幅方向溝30と、センター陸部40Bに形成される一の傾斜溝50とが組となり、この組がタイヤ周方向Lに間隔P1を設けて形成されている。
(幅方向溝30及び傾斜溝50の構成)
次に、幅方向溝30及び傾斜溝50の構成について、詳細を説明する。図4は、本実施形態に係るタイヤ1のトレッド部10の一部拡大平面図である。
本実施形態に係るタイヤ1では、幅方向溝30は、少なくとも一部において、タイヤ幅方向Wよりもタイヤ回転方向R前方に向かって傾斜する傾斜部分を有している。
具体的に、図4に示すように、かかる幅方向溝30は、ショルダー陸部40Aのタイヤ回転方向Rの前方に向かって傾斜するように形成されている急傾斜部32と、急傾斜部32よりもタイヤ幅方向Wの端部10E側においてタイヤ幅方向Wに延びるように形成されている緩傾斜部31とを具備している。
図4に示すように、急傾斜部32は、緩傾斜部31と比べて、タイヤ幅方向Wに対して大きく傾斜するように構成されている。なお、本実施形態では、緩傾斜部31は、タイヤ幅方向Wに平行に延びるものとする。従って、本実施形態に係るタイヤ1では、急傾斜部32が、タイヤ回転方向R前方に向かって傾斜する傾斜部分を構成する。例えば、緩傾斜部31が、タイヤ回転方向Rの前方に向かって傾斜する場合には、緩傾斜部31と急傾斜部32との両方が、傾斜部分を構成する。
また、緩傾斜部31は、ショルダー陸部40Aのタイヤ幅方向Wの端部側を貫通するように形成されている。具体的に、緩傾斜部31は、幅方向溝30のタイヤ幅方向W外側の溝端部30aを有しており、当該溝端部30aは、ショルダー陸部40Aのタイヤ幅方向Wの端部に貫通する。言い換えれば、溝端部30aは、トレッド部10の端部10Eに開口する。
また、図4に示すように、本実施形態に係るタイヤ1では、傾斜溝50の延在方向は、タイヤ回転方向Rよりもタイヤ幅方向W外側に傾斜する。具体的に、溝端部50aから溝端部50bに向かって、傾斜溝50の溝幅の中心を通る直線の延在方向は、タイヤ回転方向Rに対して、タイヤ幅方向W外側に所定角度θ50だけ傾斜する。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、傾斜溝50の延在方向とタイヤ回転方向R(タイヤ周方向L)とが成す角度θ50は、0度<θ50≦60度の範囲内であることが好ましい。
また、図4に示すように、幅方向溝30の延在方向と、傾斜溝50の延在方向とは、点Pxにおいて交差する。点Pxは、タイヤ周方向Lにおいて、傾斜溝50の溝端部50aよりもタイヤ回転方向R前方に位置することが好ましい。一方、点Pxは、タイヤ幅方向Wにおいて、傾斜溝50の溝端部50aよりもタイヤ幅方向W外側に位置することが好ましい。
なお、図4の例では、幅方向溝30の急傾斜部32の延在方向を、幅方向溝30の延在方向として示しているが、幅方向溝30の溝端部30aの溝幅の中心から、幅方向溝30の溝端部30bの溝幅の中心に延びる直線を、幅方向溝30の延在方向としてもよい。
また、例えば、幅方向溝30及び傾斜溝50は、溝幅50mm以下であることが好ましい。また、幅方向溝30の溝幅が、傾斜溝50の溝幅よりも大きくなるようにしてもよい。なお、ショルダー陸部40A及びセンター陸部40Bには、タイヤ周方向L又はタイヤ幅方向Wに延びる1本又は複数本の周方向細溝(サイプ)が設けられていてもよい。なお、かかる周方向細溝のタイヤ径方向Dの深さは、幅方向溝30及び傾斜溝50のタイヤ径方向Dの深さよりも浅いことが好ましい。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、幅方向溝30のタイヤ幅方向W内側の溝端部30bは、ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向Lとなす角度が最も小さいベルト層(すなわち、小交錯ベルト層13)の端部に対応する1/4点部Aの近傍に設けられていてもよい。
同様に、傾斜溝50の溝端部50bが、ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向Lとなす角度が最も小さいベルト層(すなわち、小交錯ベルト層13)の端部に対応する1/4点部Aの近傍に設けられていてもよい。
ここで、「1/4点部Aの近傍」とは、例えば、1/4点部Aを中心として、タイヤ幅方向Wのショルダー陸部40Aとセンター陸部40Bとの幅(タイヤ幅方向Wの長さ)の1/3以内の距離にある領域としてもよい。
(作用及び効果)
本実施形態に係るタイヤ1のトレッド部10において、小交錯ベルト層13の端部よりもタイヤ幅方向Wの端部側の領域A2では、小交錯ベルト層13の端部よりもタイヤ赤道線CL側の領域A1と比べて、各ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向Lとなす角度が大きい。すなわち、かかるタイヤ1のトレッド部10において、小交錯ベルト層13の端部よりもタイヤ幅方向Wの端部側の領域A2では、小交錯ベルト層13の端部よりもタイヤ赤道線CL側の領域A1と比べて、ベルト張力が小さい。
その結果、かかるタイヤ1のトレッド部10において、小交錯ベルト層13の端部よりもタイヤ幅方向Wの端部側のショルダー陸部40A(すなわち、領域A2)は、小交錯ベルト層13の端部よりもタイヤ赤道線CL側のセンター陸部40B(すなわち、領域A1)と比べて、タイヤ周方向Lに大きく収縮する。
したがって、かかるタイヤ1が回転すると、ショルダー陸部40Aでは、タイヤ回転方向Rの力(ドライビング力)が発生し、センター陸部40Bでは、タイヤ回転方向Rの反対方向の力(ブレーキング力)が発生するため、ショルダー陸部40A及びセンター陸部40Bの境界付近(すなわち、小交錯ベルト層13の端部近傍の領域)で剪断力が発生し易い。具体的には、ショルダー陸部40A及びセンター陸部40Bの境界に位置する1/4点部で剪断力が発生し易い。
ここで、本実施形態に係るタイヤ1では、ショルダー陸部40Aに上述の急傾斜部32(傾斜部分)を有する幅方向溝30を形成し、センター陸部40Bに上述の傾斜溝50を形成することによって、小交錯ベルト層13の端部よりもタイヤ幅方向Wのタイヤ赤道線CL側のセンター陸部40Bにおいて、タイヤ回転方向Rの力(ドライビング力)を発生させることができる。
具体的には、本実施形態に係るタイヤ1において、荷重時には、ショルダー陸部40Aは、幅方向溝30が形成されている領域において変形する。かかる場合に、図5に示すように、上述の幅方向溝30の形状によれば、ショルダー陸部40Aのタイヤ回転方向Rの後方側(踏込側)に対する変形自由度C1の方が、ショルダー陸部40Aのタイヤ回転方向Rの前方側(蹴出側)に対する変形自由度C2よりも大きくすることが可能になる。
すなわち、タイヤ回転方向Rの前方側に対するゴムの流動量が大きくなる。その結果、本実施形態に係るタイヤ1では、上述の幅方向溝30によって、タイヤ回転方向Rの力(ドライビング力)を発生させることができる。
更に、本実施形態に係るタイヤ1において、荷重時には、センター陸部40Bは、傾斜溝50が形成されている領域において変形する。かかる場合に、図5に示すように、上述の傾斜溝50の形状によれば、センター陸部40Bのタイヤ回転方向Rの後方側(踏込側)に対する変形自由度Z1の方が、センター陸部40Bのタイヤ回転方向Rの前方側(蹴出側)に対する変形自由度Z2よりも大きくすることが可能になる。
すなわち、タイヤ回転方向Rの前方側に対するゴムの流動量が大きくなる。その結果、本実施形態に係るタイヤ1では、上述の傾斜溝50によって、タイヤ回転方向Rの力(ドライビング力)を発生させることができる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、幅方向溝30と傾斜溝50とは、タイヤ回転方向Rの前方に向かって、互いに近づくように傾斜している。したがって、幅方向溝30と傾斜溝50との間の領域には、トレッド面視において、タイヤ回転方向R前方に向かって幅が徐々に小さくなる陸部が形成される。また、幅方向溝30と傾斜溝50との間の領域では、タイヤ転動時に陸部が徐々に接地していくと、タイヤ回転方向R前方に向かって、ゴムが流動する。また、かかるタイヤ1では、タイヤ回転方向前方に向かって、ゴムが流動することによって、タイヤ回転方向Rの力(ドライビング力)を一層高めることができる。
このように、本実施形態に係るタイヤ1によれば、幅方向溝30及び傾斜溝50を形成することによって、タイヤ回転方向Rの力(ドライビング力)を発生させることが可能になるため、ショルダー陸部40A及びセンター陸部40Bの境界付近で発生するタイヤ回転方向Rの反対方向の力(ブレーキング力)が小さくなる。
この結果、本実施形態に係るタイヤ1では、ショルダー陸部40A及びセンター陸部40Bの境界付近(すなわち、小交錯ベルト層13の端部近傍の領域)において発生する剪断力を低減することができる。具体的には、ショルダー陸部40A及びセンター陸部40Bの境界に位置する1/4点部において発生する剪断力を低減することができる。
なお、本実施形態に係るタイヤ1において、求められる性能に応じて、更に、細溝(サイプ)や各種溝が設けられていてもよい。
[実施例]
次に、本発明の効果を明確にするために、比較例1、比較例2及び実施例1に係るタイヤを用いて行った試験の結果について説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
本実験において、実施例1に係るタイヤとしては、ショルダー陸部40Aに急傾斜部32(傾斜部分)を有する幅方向溝30を有し、センター陸部40Bに傾斜溝50を有する図3に示すラジアルタイヤを用いた。
比較例1に係るタイヤとしては、ショルダー陸部40Aに急傾斜部32(傾斜部分)を有する幅方向溝30を有するが、センター陸部40Bに傾斜溝50を有しないラジアルタイヤを用いた。
比較例2に係るタイヤとしては、ショルダー陸部40Aに急傾斜部32(傾斜部分)を有する幅方向溝30を有し、センター陸部40Bに傾斜溝50を有する図3に示すラジアルタイヤを用いた。但し、比較例2に係るタイヤとしては、傾斜溝50のタイヤ周方向に対する傾斜角度が0度(すなわち、傾斜がない)であるラジアルタイヤを用いた。
また、本試験では、全てのラジアルタイヤのサイズを「59/80R63」とし、トレッド部におけるゴムの流動量を測定した。
ここで、本試験で用いたリムの幅は、5-J×14(JATMA規定の標準サイズ)とした。測定結果を図6(a)乃至(c)に示す。図6(a)乃至(c)は、各タイヤのトレッド面視におけるゴムの流動量を示すコンター図であり、コンター図の模様に応じて、タイヤ回転方向R前方又は後方へのゴムの流動量が大きいことを示している。
なお、図6(a)は、比較例1の測定結果であり、図6(b)は、比較例2の測定結果であり、図6(c)は、実施例1の測定結果である。
図6(a)に示すように、比較例1に係るタイヤでは、1/4点部Aよりもタイヤ幅方向W外側において、ゴムの流動量が大きいものの、1/4点部Aにおけるゴムの流動量は小さい。図6(b)に示すように、比較例2に係るタイヤでは、比較例1に係るタイヤに比べて、1/4点部Aにおけるゴムの流動量が発生している。これは、1/4点部Aのタイヤ幅方向W内側において、変形自由度Z1と変形自由度Z2とが発生していることを示している。
一方、図6(c)に示すように、実施例1に係るタイヤでは、比較例1乃至2に係るタイヤに比べて、1/4点部Aにおけるゴムの流動量が大幅に増加している。これは、1/4点部Aのタイヤ幅方向Wの内側において、変形自由度Z1と変形自由度Z2とが増大していることを示している。
したがって、実施例1に係るタイヤによれば、1/4点部A(すなわち、小交錯ベルト層13の端部近傍の領域)において、タイヤ回転方向Rの力(ドライビング力)を増大させることが可能になることが証明された。
その結果、1/4点部Aの境界付近(すなわち、小交錯ベルト層13の端部近傍の領域)で発生する剪断力を低減することができる。
[その他の実施形態]
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。
例えば、上述した実施形態では、トレッド部10において、タイヤ赤道線CLの両側に幅方向溝30と傾斜溝50とが形成されている場合を例に挙げて説明した。しかし、タイヤ1では、トレッド部10において、タイヤ赤道線CLの一方側に幅方向溝30と傾斜溝50とが形成されていてもよい。
このように、本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
1…タイヤ、10…トレッド部、10E…端部、10f…トレッド踏面、11…保護ベルト層、12…主交錯ベルト層、13…小交錯ベルト層、30…幅方向溝、31…緩傾斜部、32…急傾斜部、40…陸部、40A…ショルダー陸部、40B…センター陸部、50…傾斜溝

Claims (4)

  1. 路面に接地する接地面を有するトレッド部を有するタイヤであって、
    前記トレッド部のタイヤ赤道線からタイヤ幅方向外側には、タイヤ赤道線からタイヤ幅方向外側に向かって、前記トレッド部のタイヤ幅方向における幅の1/4だけ離れた位置を中心とする1/4点部を基準として、タイヤ幅方向外側に前記タイヤ赤道線を挟んで一対のショルダー陸部が形成され、前記タイヤ赤道線を挟んでタイヤ幅方向内側に一対のセンター陸部が形成されており、
    前記一対のショルダー陸部の少なくとも一方には、前記トレッド部のタイヤ幅方向外側の端部からタイヤ幅方向内側に向かって延びるとともに、前記ショルダー陸部内で終端する幅方向溝がタイヤ周方向に間隔を設けて形成されており、
    前記一対のセンター陸部の少なくとも一方には、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びるとともに、前記センター陸部内に両端部を有する傾斜溝が、タイヤ周方向に間隔を設けて形成されており、
    前記幅方向溝は、少なくとも一部において、タイヤ幅方向よりもタイヤ回転方向前方に向かって傾斜する傾斜部分を有しており、
    前記傾斜溝のタイヤ回転方向後方の溝端部から前記傾斜溝のタイヤ回転方向前方の溝端部に向かう前記傾斜溝の延在方向は、タイヤ回転方向よりもタイヤ幅方向外側に向かって傾斜する
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記傾斜溝の延在方向とタイヤ周方向とが成す角度θは、0度<θ≦60度の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記幅方向溝のタイヤ周方向における間隔P1と、前記傾斜溝のタイヤ周方向における長さL1とは、P1/5≦L1≦P1の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記トレッド部は、前記接地面よりもタイヤ径方向内側に複数のベルト層を備えており、
    前記1/4点部は、前記ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向とのなす角度が最も小さいベルト層の端部に対応する位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイヤ。
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