JP6118063B2 - レンズシステムおよび撮像装置 - Google Patents

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本発明は、赤外線の波長帯域において使用するのに好適なレンズシステムおよびそれを用いた撮像装置に関するものである。
特許文献1には、5群構成で所定の面に非球面形状を備えた、視野全体および各倍率領域全体で高い結像性能を有しかつF値も小さくコンパクトな赤外線ズームレンズまたは赤外線多焦点レンズおよび赤外線イメージングシステムを得ることが記載されている。そのため、特許文献1には、物体側より、合焦機能を有し正の第1レンズ群、変倍機能を有し負の第2レンズ群、変倍に伴う補償機能を有し正の第3レンズ群、中間像を形成する機能を有し正の第4レンズ群、中間像を検出面にリレー結像させるための第5レンズ群、マスクおよびデュワ窓が配設され、第4レンズ群および第5レンズ群は各々少なくとも1つの非球面を有していることが記載されている。
特開2002−14283号公報
監視や観察などの多種多様な用途で採用される撮像装置においては、赤外線の波長帯域において鮮明な像が得られるレンズシステムが要望されている。
本発明の態様の1つは、物体側から像側へ向けて順に、ゲルマニウム製のレンズから構成され、変倍する際に移動しない正の屈折力の第1のレンズ群と、ゲルマニウム製のレンズから構成され、変倍する際に移動する負の屈折力の第2のレンズ群と、ゲルマニウム製のレンズから構成され、変倍する際に移動する正の屈折力の第3のレンズ群と、正の屈折力の第4のレンズ群とから構成されるレンズシステムであって、第4のレンズ群は、物体側から像側へ向けて順に、ゲルマニウム製のレンズから構成される正の屈折力の前群と、カルコゲナイド製のレンズから構成され、変倍する際に移動する負の屈折力の中群と、カルコゲナイド製のレンズから構成され、変倍する際に移動しない正の屈折力の後群とから構成され、広角端における第1のレンズ群、第2のレンズ群、第3のレンズ群および第4のレンズ群の前群の合成焦点距離fwgと、広角端における第4のレンズ群の中群および後群の合成焦点距離fwcと、第4のレンズ群の中群の合成焦点距離fc1と、第4のレンズ群の後群の合成焦点距離fc2とが以下の条件(1)および(2)を満たすレンズシステムである。
0.01<fwg/fwc<0.65 ・・・(1)
0.50<−fc1/fc2<1.50 ・・・(2)
このレンズシステムにおいては、条件(1)により、カルコゲナイド製のレンズから構成される第4のレンズ群の中群および後群のパワーを、ゲルマニウム製のレンズから構成される第1ないし第3のレンズ群および第4のレンズ群の前群のパワーに対して弱くし、さらに、条件(2)により、負の屈折力の中群と正の屈折力の後群とでパワーをほぼキャンセルさせている。すなわち、物体側から順に正−負−正−正の屈折力を備えた第1ないし第4のレンズ群の内、最も像側の第4のレンズ群を物体側から順に正−負−正の屈折力を備えた前群、中群および後群に分けることにより、第4のレンズ群の正のパワーを物体側の前群に持たせて、像側の中群および後群のパワーを抑えるとともに中群および後群のパワーバランスを確保しやすい構成としている。したがって、赤外線透過性が高い変倍可能なレンズシステムであって、色収差を含む諸収差が良好に補正された鮮明な像を結像させやすいレンズシステムを提供できる。
このレンズシステムは、最も物体側に正の屈折力の第1のレンズ群を配置したいわゆるポジティブリード型のレンズシステムであり、高変倍比化を図りやすく、物体側の正の第1のレンズ群により光束が収束されるため像側のレンズ群の有効径を小型化しやすい。このレンズシステムにおいては、広角端から望遠端へ変倍する際に、第2のレンズ群は物体側から像側へ単調に移動し、第3のレンズ群は変倍に伴う像面変動を補正するように物体側から像側へ単調に移動し、第4のレンズ群の中群は変倍に伴う像面変動を補正するように像側に凸状の軌跡を描いて移動することが望ましい。
像側に配置されレンズ有効径を小型化しやすい第4のレンズ群の中群を凸状の軌跡を描いて移動させることにより、物体側に配置されレンズ有効径が大型化しやすい第2および第3のレンズ群の移動を単調にしてレンズ駆動機構の簡素化を図るとともに、第2および第3のレンズ群の単調移動に伴う像面変動を補正できる。したがって、変倍に伴う収差変動を抑制しやすいコンパクトなレンズシステムを提供できる。
このレンズシステムにおいては、第1のレンズ群は、ゲルマニウム製の正の第1レンズから構成され、第2のレンズ群は、ゲルマニウム製の負の第2レンズから構成され、第3のレンズ群は、ゲルマニウム製の正の第3レンズから構成され、第4のレンズ群の前群は、ゲルマニウム製の正の第4レンズから構成され、第4のレンズ群の中群は、カルコゲナイド製の負の第5レンズから構成され、第4のレンズ群の後群は、カルコゲナイド製の正の第6レンズから構成され
このレンズシステムは、全体が4群6枚という少ないレンズ枚数により構成され、さらに、隣接する前群および中群のそれぞれが、低分散特性に優れたゲルマニウム製の正の第4レンズと、ゲルマニウム製よりも高分散のカルコゲナイド製の負の第5レンズとの組み合わせにより構成されている。したがって、明るく、全変倍領域において色収差を良好に補正可能なレンズシステムを低コストで提供できる。
このレンズシステムにおいては、典型的には、第1レンズは物体側に凸面を向けた凸メニスカスタイプであり、第2レンズは両凹タイプであり、第3レンズは物体側に凸面を向けた凸メニスカスタイプであり、第4レンズは物体側に凸面を向けた平凸タイプであり、第5レンズは物体側に凸面を向けた凹メニスカスタイプであり、第6レンズは物体側に凸面を向けた凸メニスカスタイプであることが望ましい。
このレンズシステムにおいては、第2レンズの物体側の凹面、第3レンズの物体側の凸面、第4レンズの物体側の凸面、第5レンズの像側の凹面、および第6レンズの物体側の凸面のそれぞれは非球面であることが望ましい。
本発明の異なる態様の1つは、上記レンズシステムと、レンズシステムにより結像された像を撮像する撮像デバイスとを有する撮像装置である。
本発明に係るレンズシステムおよびそれを用いた撮像装置の概略構成を示す図であり、(a)は広角端におけるレンズ配置を示し、(b)は中間焦点状態におけるレンズ配置を示し、(c)は望遠端におけるレンズ配置を示す。 レンズシステムのレンズデータを示す図。 レンズシステムの諸数値を示す図であり、(a)はズームデータを示し、(b)は非球面データを示す。 レンズシステムの広角端における収差図であり、(a)は縦収差図を示し、(b)は横収差図を示す。 レンズシステムの中間焦点状態における収差図であり、(a)は縦収差図を示し、(b)は横収差図を示す。 レンズシステムの望遠端における収差図であり、(a)は縦収差図を示し、(b)は横収差図を示す。
図1に、本発明に係るレンズシステム10およびそれを用いた撮像装置1の概略構成を示しており、図1(a)は広角端(WIDE)におけるレンズ配置を示し、図1(b)は中間焦点状態(MIDD)におけるレンズ配置を示し、図1(c)は望遠端(TELE)におけるレンズ配置を示している。撮像装置(赤外線カメラ)1は、レンズシステム10と、レンズシステム10により結像された像を電気信号(画像データ)に変換する撮像デバイス(撮像素子、赤外線イメージセンサー)50とを有する。
レンズシステム10は、物体側(被写体側)10aから像側(素子側)10bへ向けて順に、正の屈折力の第1のレンズ群G1と、負の屈折力の第2のレンズ群G2と、正の屈折力の第3のレンズ群G3と、正の屈折力の第4のレンズ群G4とから構成されている。第4のレンズ群G4の像側10bには、カバーガラスCGを挟んで赤外線イメージセンサー50が配置されている。赤外線イメージセンサー50は、例えば3〜14μmの波長帯に感度を有する赤外線センサーであり、フォトダイオードやフォトトランジスタなどの量子型(冷却型)や、ボロメータやマイクロボロメータなどの熱型(非冷却型)を用いることができる。赤外線センサー50は、画像データをパーソナルコンピュータなどのホスト装置に提供したり、コンピュータネットワークなどを介して外部の情報処理装置に伝送したりできる。
最も物体側10aの第1のレンズ群G1は、全体が正の屈折力を備えたレンズ群であり、物体側10aに凸面S1を向けた凸メニスカスタイプの正の第1レンズ(正メニスカスレンズ)L1から構成されている。正メニスカスレンズL1は、赤外線透過性が高く、高屈折率で低分散なレンズ材料であるゲルマニウムを用いて製造されたゲルマニウムガラスレンズである。ゲルマニウムガラスは、2〜20μmの赤外領域に透過波長帯を有し、屈折率が4.0前後と高く、3〜12μmの波長帯近傍において特に低分散特性を有するレンズ材料である。正メニスカスレンズL1は、レンズシステム10の中で最も大きな有効径(口径)のレンズである。
第1のレンズ群G1の像側10bに配置された第2のレンズ群G2は、全体が負の屈折力を備えたレンズ群であり、両凹タイプでゲルマニウム製の負の第2レンズ(負レンズ)L2から構成されている。負レンズL2は、物体側10aの凹面S3の曲率半径R3(−210.351mm)が、像側10bの凹面S4の曲率半径R4(249.743mm)よりも小さく、曲率の大きい凹面S3は非球面である。
第2のレンズ群G2の像側10bに配置された第3のレンズ群G3は、全体が正の屈折力を備えたレンズ群であり、物体側10aに凸面S5を向けた凸メニスカスタイプでゲルマニウム製の正の第3レンズ(正メニスカスレンズ)L3から構成されている。正メニスカスレンズL3は、物体側10aの凸面S5の曲率半径R5(145.030mm)が、像側10bの凹面S6の曲率半径R6(458.961mm)よりも小さく、曲率の大きい凸面S5は非球面である。
最も像側10bに配置された第4のレンズ群G4は、全体が正の屈折力を備えたレンズ群であり、物体側10aから像側10bへ向けて順に、正の屈折力の前群G41と、負の屈折力の中群G42と、正の屈折力の後群G43とから構成されている。
第4のレンズ群G4の最も物体側10aに配置された前群G41は、全体が正の屈折力を備えたレンズ群であり、物体側10aに凸面S7を向けた平凸タイプでゲルマニウム製の正の第4レンズ(正レンズ)L4から構成されている。正レンズL4の物体側10aの凸面S7は非球面である。
前群G41の像側10bに配置された中群G42は、全体が負の屈折力を備えたレンズ群であり、物体側10aに凸面S9を向けた凹メニスカスタイプの負の第5レンズ(負メニスカスレンズ)L5から構成されている。負メニスカスレンズL5は、赤外線透過性が高く、ゲルマニウムレンズよりも低屈折率で高分散なレンズ材料であるカルコゲナイドを用いて製造されたカルコゲナイドガラスレンズである。カルコゲナイドガラスは、S(硫黄)、Se(セレン)、Te(テルル)などのカルコゲン元素と呼ばれる互いに性質の似通った一連の元素のいずれかを成分として含むガラスであり、ゲルマニウムガラスと同様に赤外光に対する透過性が高く、ゲルマニウムよりも安価で加工がしやすいレンズ材料である。負メニスカスレンズL5は、レンズシステム10の中で2番目に小さな有効径のレンズであり、本例では、負メニスカスレンズL5の有効径は、正メニスカスレンズL1の有効径の0.32倍程度である。また、負メニスカスレンズL5は、像側10bの凹面S10の曲率半径R10(24.972mm)が、物体側10aの凸面S9の曲率半径R9(35.304mm)よりも小さく、曲率の大きい凹面S10は非球面である。
第4のレンズ群G4の最も像側10bに配置された後群G43は、全体が正の屈折力を備えたレンズ群であり、物体側に凸面を向けた凸メニスカスタイプでカルコゲナイド製の正の第6レンズ(正メニスカスレンズ)L6から構成されている。正メニスカスレンズL6は、レンズシステム10の中で最も小さな有効径のレンズであり、本例では、正メニスカスレンズL6の有効径は、正メニスカスレンズL1の有効径の0.27倍程度である。また、正メニスカスレンズL6は、物体側10aの凸面S11の曲率半径R11(62.467mm)が、像側10bの凹面S12の曲率半径R12(143.957mm)よりも小さく、曲率の大きい凸面S11は非球面である。
このレンズシステム10は、物体側10aから順に正−負−正−正の屈折力を備えた第1ないし第4のレンズ群G1〜G4から構成された4群構成をベースとし、さらに、第4のレンズ群G4を物体側10aから順に正−負−正の屈折力を備えた前群G41、中群G42および後群G43に分割することにより、全体を正−負−正−正−負−正と対称的な屈折力配置の6つのレンズ群G1、G2、G3、G41、G42およびG43から構成された6群構成とした、4群6枚あるいは6群6枚のレンズL1〜L6により構成された変倍可能なレンズシステムである。
このレンズシステム10においては、広角端から望遠端へ変倍する際に、第1のレンズ群G1、前群G41および後群G43は移動せず、第2のレンズ群G2は物体側10aから像側10bへ光軸100に沿って単調に移動し、第3のレンズ群G3は物体側10aから像側10bへ光軸100に沿って単調に移動し、中群G42は後群G43に近付いてから離れるように像側10bに凸状の軌跡を描いて移動する。
すなわち、このレンズシステム10においては、第2のレンズ群G2が変倍系(バリエーター)として移動することにより変倍し、第3のレンズ群G3が補正系(コンペンセーター)として第2のレンズ群G2に連動して移動することにより変倍に伴う像面位置(ピント位置)の変動を補正し、前群G41がリレー系として中群G42に入射する光束を収束し、中群G42が補正系として第2および第3のレンズ群G2、G3の単調な移動に伴う像面変動を補正する。レンズ有効径が比較的大きい第2および第3のレンズ群G2、G3を単調に移動させることにより、レンズ駆動機構を簡素化してレンズシステム10および撮像装置1のコンパクト化を図っている。
このレンズシステム10は、変倍の際に移動しない第1のレンズ群G1および後群G43により焦点調整(フォーカシング)を行う可変焦点レンズシステム(バリフォーカルレンズシステム)である。さらに、温度変化に伴うピント位置の変動を後群G43により補正することにより、変倍の際にピント位置が移動しないズームレンズシステムとすることも可能である。なお、前群G41は、変倍の際に移動するようにすることも可能である。
このレンズシステム10においては、広角端における第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3および第4のレンズ群G4の前群G41の合成焦点距離fwgと、広角端における第4のレンズ群G4の中群G42および後群G43の合成焦点距離fwcと、第4のレンズ群G4の中群G42の合成焦点距離fc1と、第4のレンズ群G4の後群G43の合成焦点距離fc2とが以下の条件(1)および(2)を満たすように設計されている。
0.01<fwg/fwc<0.65 ・・・(1)
0.50<−fc1/fc2<1.50 ・・・(2)
このレンズシステム10においては、条件(1)により、カルコゲナイド製のレンズのみから構成されるレンズ群G42およびG43(カルコゲナイドレンズ群Gc)のパワーを、ゲルマニウム製のレンズのみから構成されるレンズ群G1、G2、G3およびG41(ゲルマニウムレンズ群Gg)のパワーに対して弱くし、さらに、条件(2)により、負の屈折力の中群G42と正の屈折力の後群G43とでパワーをほぼキャンセルさせている。すなわち、第4のレンズ群G4を物体側10aから順に正−負−正の屈折力を備えた前群G41、中群G42および後群G43に分けることにより、第4のレンズ群G4の正のパワーを物体側10aに配置された前群G41のみでほぼ負担し、像側10bに配置された中群G42および後群G43のパワーを小さくするとともに中群G42および後群G43のパワーバランスをほぼ等しくしている。したがって、色収差を含む諸収差が良好に補正された鮮明な像を結像させやすいレンズシステム10を提供できる。
条件(1)の上限を超えると、像側10bに配置されたレンズ群G42およびG43から構成されるカルコゲナイドレンズ群Gcのパワーが、物体側10aに配置されたレンズ群G1、G2、G3およびG41から構成されるゲルマニウムレンズ群Ggのパワーに対して強くなり、非点収差や像面湾曲が増大しやすい。一方、条件(1)の下限を超えると、カルコゲナイドレンズ群Gcのパワーが、ゲルマニウムレンズ群Ggのパワーに対して弱くなり、レンズシステム10の全長が長くなりやすく、正レンズL4が大型化し、レンズシステム10をコンパクトにすることが困難となるとともに、非点収差や像面湾曲を補正することも困難となる。条件(1)の上限は、0.45であることが好ましく、0.25であることがさらに好ましく、条件(1)の下限は、0.05であることが好ましく、0.10であることがさらに好ましい。
条件(2)の上限を超えると、カルコゲナイドレンズ群Gcの後群G43のパワーが中群G42のパワーに対して強くなり、像面湾曲が増大しやすく、負メニスカスレンズL5の加工性が悪化し、レンズシステム10をコンパクトにすることが困難となる。一方、条件(2)の下限を超えると、後群G43のパワーが中群G42のパワーに対して弱くなり、像面湾曲を補正することが困難となる。条件(2)の上限は、1.25であることが好ましく、1.00であることがさらに好ましく、条件(2)の下限は、0.60であることが好ましく、0.80であることがさらに好ましい。
このレンズシステム10は、最も物体側10aに正の屈折力の正メニスカスレンズL1を配置したいわゆるポジティブリード型(正レンズ先行型)のレンズシステムである。このため、高ズーム比化を図りやすく、正メニスカスレンズL1により入射光束が収束されるため像側10bに配置された負メニスカスレンズL5および正メニスカスレンズL6の有効径を小型化できる。このレンズシステム10の広角端においては、図1(a)に示すように、負レンズL2が正メニスカスレンズL1に最も近付いて入射光束を発散させるため、物体側10aに配置されたレンズL1、L2およびL3において、軸外光線100aの光線高さが軸上光線100bの光線高さよりも高くなる。また、望遠端においては、図1(c)に示すように、負レンズL2が正メニスカスレンズL1から最も遠ざかり焦点距離が長くなるため、物体側10aに配置されたレンズL1〜L4において、軸上光線100bの光線高さが軸外光線100aの光線高さよりも高くなる。
このレンズシステム10においては、広角端において軸外光線100aの光線高さが高く、望遠端において軸上光線100bの光線高さが高いレンズ群G1、G2、G3およびG41に、低分散特性に優れたゲルマニウム製のレンズL1〜L4を配置している。このため、ズーミングに際して、広角端において増大しやすい倍率色収差と、望遠端において増大しやすい軸上色収差とを効果的に補正できる。さらに、軸外光線100aおよび軸上光線100bの光線高さが低くなるレンズ群G42およびG43に、ゲルマニウム製よりも安価で若干高分散のカルコゲナイド製のレンズL5およびL6を配置している。このため、低コスト化を図りながら倍率色収差および軸上色収差の発生を抑制できる。したがって、広角端から望遠端に至る全ズーム領域において色収差が良好に補正された鮮明な像を結像可能で、コストバランスに優れたレンズシステム10を提供できる。このレンズシステム10において、レンズL1〜L6の全てをゲルマニウム製とすると低コスト化が困難となり、軸上色収差が増大しやすく、レンズL1〜L6の全てをカルコゲナイド製とすると倍率色収差が増大しやすい。
このレンズシステム10は、トータル6枚という少ないレンズ枚数により構成された変倍可能なレンズシステムである。このため、赤外線の吸収が少なく、明るさおよび光量を確保してイメージサークルの大型化を図るとともに高変倍化を図ることができる。したがって、高画素化および高解像度化に伴い大型な赤外線センサー50を使用する場合にも高性能な赤外線画像を結像可能なレンズシステム10を提供できる。
さらに、このレンズシステム10においては、光軸100に沿って隣接する前群G41および中群G42のそれぞれに、ゲルマニウム製で低分散の正レンズ(凸レンズ)L4と、カルコゲナイド製で高分散の負メニスカスレンズ(凹レンズ)L5とを配置している。このため、互いに材質の異なる低分散の凸レンズと高分散の凹レンズとを組み合わせることにより、色収差をさらに効果的に補正することができる。したがって、明るく、全ズーム領域において色収差を良好に補正可能なレンズシステム10を提供できる。
このレンズシステム10においては、レンズ群G1、G2、G3およびG41にゲルマニウム製で高屈折率のレンズL1〜L4を配置しており、この内、負レンズL2を除く3枚のレンズL1、L3およびL4は正の屈折力を有しているため、ゲルマニウムレンズ群Ggにおいてペッツバール和が大きくなりやすい。このレンズシステム10においては、レンズ群G42にカルコゲナイド製で低屈折率のレンズL5を配置している。このため、低屈折率で負の屈折力を有する負メニスカスレンズL5により、レンズシステム10全体のペッツバール和を小さくして像面湾曲を効果的に補正することができる。
さらに、このレンズシステム10においては、最も有効径が大きい正メニスカスレンズL1を除いて、第2レンズL2ないし第6レンズL6のそれぞれの曲率が大きい側の凹面S3、凸面S5、凸面S7、凹面S10および凸面S11を非球面としている。このため、低コスト化を図りながら色収差を含む諸収差を良好に補正可能なレンズシステム10を提供できる。
図2に、レンズシステム10の各レンズのレンズデータを示している。図3に、レンズシステム10の諸数値を示している。図2のレンズデータにおいて、Riは物体側10aから順に並んだ各レンズ(各レンズ面)の曲率半径(mm)、diは物体側10aから順に並んだ各レンズ面の間の距離(mm)、niは物体側10aから順に並んだ各レンズの屈折率(基準波長10μm)を示している。図2において、Flatは平面を示している。
図3(a)に示すように、このレンズシステム10においては、正メニスカスレンズL1と負レンズL2との間の空気間隔(距離)d2と、負レンズL2と正メニスカスレンズL3との間の空気間隔d4と、正メニスカスレンズL3と正レンズL4との間の空気間隔d6と、正レンズL4と負メニスカスレンズL5との間の空気間隔d8と、負メニスカスレンズL5と正メニスカスレンズL6との間の空気間隔d10とが変化する。
また、負レンズL2の凹面S3と、正メニスカスレンズL3の凸面S5と、正レンズL4の凸面S7と、負メニスカスレンズL5の凹面S10と、正メニスカスレンズL6の凸面S11とは、非球面である。非球面は、Xを光軸100方向の座標、Yを光軸100と垂直方向の座標、光の進行方向を正、Rを近軸曲率半径とすると、図3(b)の係数K、A、BおよびCを用いて次式で表わされる。なお、「En」は、「10のn乗」を意味する。
X=(1/R)Y/[1+{1−(1+K)(1/R)1/2
+AY+BY+CY
本例のレンズシステム10の上述した条件(1)および(2)を与える各式の値は、以下のようになる。
条件(1) fwg/fwc=0.196
条件(2) −fc1/fc2=0.94
したがって、本例のレンズシステム10は、条件(1)および(2)を満たしている。
図4に、レンズシステム10の広角端のおける縦収差図および横収差図を示している。図5に、レンズシステム10の中間焦点状態のおける縦収差図および横収差図を示している。図6に、レンズシステム10の望遠端のおける縦収差図および横収差図を示している。図4〜図6に示すように、いずれの収差も良好に補正されており、鮮明な赤外線画像を撮影することができる。なお、球面収差およびコマ収差は、波長12000nm(点線)と、波長10000nm(実線)と、波長8000nm(一点鎖線)とを示している。また、非点収差およびコマ収差は、タンジェンシャル光線(T)およびサジタル光線(S)の収差をそれぞれ示している。
したがって、本例のレンズシステム10は、ズーム比が3倍以上で、F値が1.4以下と明るく、近赤外領域から遠赤外領域にわたって鮮明な赤外線画像を撮影でき、特に8〜14μmの遠赤外領域における収差補正特性が良好なレンズシステム10の一例である。このため、監視、観察、防災、計測、記録などの多種多様な用途で採用される赤外線カメラ(撮像装置)1に好適なレンズシステム10を提供できる。
1 撮像装置
10 レンズシステム

Claims (5)

  1. 物体側から像側へ向けて順に、ゲルマニウム製、変倍する際に移動しない正の屈折力の第1レンズから構成される第1のレンズ群と、
    ゲルマニウム製、変倍する際に移動する負の屈折力の第2レンズから構成される第2のレンズ群と、
    ゲルマニウム製、変倍する際に移動する正の屈折力の第3レンズから構成される第3のレンズ群と、
    正の屈折力の第4のレンズ群とから構成されるレンズシステムであって、
    前記第4のレンズ群は、前記物体側から前記像側へ向けて順に、ゲルマニウム製で、正の屈折力の第4レンズから構成される前群と、
    カルコゲナイド製、変倍する際に移動する負の屈折力の第5レンズから構成される中群と、
    カルコゲナイド製、変倍する際に移動しない正の屈折力の第6レンズから構成される後群とから構成され、
    広角端における前記第1のレンズ群、前記第2のレンズ群、前記第3のレンズ群および前記第4のレンズ群の前記前群の合成焦点距離fwgと、広角端における前記第4のレンズ群の前記中群および前記後群の合成焦点距離fwcと、前記第4のレンズ群の中群の合成焦点距離fc1と、前記第4のレンズ群の後群の合成焦点距離fc2とが以下の条件を満たす、レンズシステム。
    0.01<fwg/fwc<0.65
    0.50<−fc1/fc2<1.50
  2. 請求項1において、
    広角端から望遠端へ変倍する際に、前記第2のレンズ群は前記物体側から前記像側へ単調に移動し、前記第3のレンズ群は変倍に伴う像面変動を補正するように前記物体側から前記像側へ単調に移動し、前記第4のレンズ群の中群は変倍に伴う像面変動を補正するように前記像側に凸状の軌跡を描いて移動する、レンズシステム。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1レンズは前記物体側に凸面を向けた凸メニスカスタイプであり、前記第2レンズは両凹タイプであり、前記第3レンズは前記物体側に凸面を向けた凸メニスカスタイプであり、前記第4レンズは前記物体側に凸面を向けた平凸タイプであり、前記第5レンズは前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスタイプであり、前記第6レンズは前記物体側に凸面を向けた凸メニスカスタイプである、レンズシステム。
  4. 請求項において、
    前記第2レンズの前記物体側の凹面、前記第3レンズの前記物体側の前記凸面、前記第4レンズの前記物体側の前記凸面、前記第5レンズの前記像側の凹面、および前記第6レンズの前記物体側の前記凸面のそれぞれは非球面である、レンズシステム。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載のレンズシステムと、
    前記レンズシステムにより結像された像を撮像する撮像デバイスとを有する、撮像装置。
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