JP6117476B2 - サーマルプリントヘッド - Google Patents

サーマルプリントヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP6117476B2
JP6117476B2 JP2012076929A JP2012076929A JP6117476B2 JP 6117476 B2 JP6117476 B2 JP 6117476B2 JP 2012076929 A JP2012076929 A JP 2012076929A JP 2012076929 A JP2012076929 A JP 2012076929A JP 6117476 B2 JP6117476 B2 JP 6117476B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning direction
main scanning
print head
thermal print
slit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012076929A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013203022A (ja
Inventor
好英 阿部
好英 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Hokuto Electronics Corp
Original Assignee
Toshiba Hokuto Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Hokuto Electronics Corp filed Critical Toshiba Hokuto Electronics Corp
Priority to JP2012076929A priority Critical patent/JP6117476B2/ja
Publication of JP2013203022A publication Critical patent/JP2013203022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6117476B2 publication Critical patent/JP6117476B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Description

本発明は、サーマルプリントヘッドに関する。
サーマルプリントヘッドは、発熱部に配列された複数の発熱体を発熱させ、その熱により感熱記録紙などの媒体に文字や図形などの画像を形成する出力用デバイスである。このサーマルプリントヘッドは、バーコードプリンタ、デジタル製版機、ビデオプリンター、イメージャー、シールプリンターなどの記録機器に広く利用されている。
一般的なサーマルプリントヘッドは、放熱板と、放熱板に取り付けられた発熱体板と、発熱体板と同じ側で放熱板に取り付けられた回路基板とを備えている。この発熱体板の放熱板と相対する表面の反対側の表面の帯状に延びる発熱領域には、複数の発熱抵抗体が所定の間隔で直線状に配列されている。また、回路基板には、発熱抵抗体を駆動する駆動回路の一部となる駆動ICなどの電気部品が搭載されている。発熱抵抗体に接続された電極と駆動ICとの間は、ワイヤーボンディングで結線されている。結線に持ちいれられたボンディングワイヤーは、樹脂で封止される。
このようなサーマルプリントヘッドを用いたプリンタは、一般的に、所定の弾性を持つ材料で円筒状に形成されたプラテンローラを備えている。このプラテンローラは、側面が発熱体板上の発熱領域に接するように配置され、発熱抵抗体が配列された主走査方向に平行な軸を中心に回転可能に設けられる。プラテンローラの回転によって、プラテンローラと発熱領域の間に挿入された媒体は、主走査方向に垂直な副走査方向に移動する。プラテンローラによって媒体を発熱領域に押し付けつつ、その媒体を副走査方向に移動させ、発熱抵抗の発熱パターンを媒体の移動とともに変化させることにより、所望の画像を媒体上に形成する。
たとえば特許文献1には、1つの画素を複数の熱点で加熱するサーマルプリントヘッドが開示されている。
特開平5−262018号公報
サーマルプリントヘッドにおいて、1つの画素を複数の熱点で加熱する場合、複数の熱点の間の非発熱部には熱が伝わりにくい。このため、非発熱部でも媒体を発色温度以上に加熱しようとすると、熱点の温度を発色温度に比べて十分に高める必要がある。その結果、熱効率が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、サーマルプリントヘッドの1つの画素内での温度分布を平坦化することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、サーマルプリントヘッドにおいて、絶縁基板と、絶縁基板の表面に主走査方向間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体と、発熱抵抗体に接続されて電圧を印加する電極とを設け、複数の発熱抵抗体の内部に、熱流入部を囲み、かつ一部または一辺が欠けて主走査方向を横切る副走査方向に向かって開放された楕円弧状または長方形状のスリットを形成した
本発明によれば、絶縁基板と、絶縁基板の表面に主走査方向へ間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体と、発熱抵抗体に接続されて電圧を印加する電極とを設け、複数の発熱抵抗体の内部に、熱流入部を囲み、かつ一部または一辺が欠けて主走査方向を横切る副走査方向に向かって開放された楕円弧状または長方形状のスリットを形成したことにより、複数の発熱抵抗体を発熱させる際、熱流入部をほとんど発熱させずに当該熱流入部に周囲で発生したジュール熱を流入させることができ、かくしてサーマルプリントヘッドの1つの画素内での温度分布を平坦化して熱効率を向上させることができる。
本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態における一部切欠き平面図である。 本実施の形態におけるヘッド基板の断面図である。 本実施の形態のサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの断面図である。 本実施の形態における抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。 本実施の形態のサーマルプリントヘッドにおける発熱抵抗体の主走査方向の温度分布を比較例とともに示すグラフである。 比較例のサーマルプリントヘッドの抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第2の実施の形態における抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第3の実施の形態における抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1および第2の実施の形態の変形例における発熱抵抗体の平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1および第2の実施の形態の他の変形例における発熱抵抗体の平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1および第2の実施の形態の他の変形例における発熱抵抗体の平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1および第2の実施の形態の他の変形例における発熱抵抗体の平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1および第2の実施の形態の他の変形例における発熱抵抗体の平面図である。
本発明に係るサーマルプリントヘッドの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態における一部切欠き平面図である。図2は、本実施の形態におけるヘッド基板の断面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッド11は、ヘッド基板20と放熱板30と回路基板40とを有している。ヘッド基板20は、セラミック基板22とグレーズ層25と抵抗体層23と電極層28と保護膜29とを有している。セラミック基板22は、長方形の板である。グレーズ層25は、セラミック基板22の一方の表面に被着している。抵抗体層23および電極層28は、セラミック基板22およびグレーズ層2からなる絶縁基板の表面に積層されている。
抵抗体層23および電極層28は、所定のパターンにパターニングされている。電極層28の一部には、空隙が設けられており、その空隙部分に対応する抵抗体層23が発熱抵抗体26となる。発熱抵抗体26は、絶縁基板の長手方向に間隔を置いて配列されて、絶縁基板の長手方向(主走査方向)に帯状に延びる発熱領域24を形成している。グレーズ層2、抵抗体層23および電極層28の表面は、一部を除き保護膜29で被覆されている。
ヘッド基板20および回路基板40は、放熱板30の一方の面に載置され、固定されている。回路基板40には、発熱抵抗体26に電圧を印加して発熱させるIC(Integrated Circuit)である駆動素子42が搭載されている。駆動素子42とヘッド基板20との間には、保護膜29で覆われずに露出した電極層28と駆動素子42との間に架け渡されたボンディングワイヤー44で電気的に接続されている。また、駆動素子42と回路基板40との間にもボンディングワイヤー44が架け渡されている。電極層28の露出部分、駆動素子42およびボンディングワイヤー44は、封止樹脂体48で封止されている。
図3は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの断面図である。
このサーマルプリンタは、サーマルプリントヘッド11とプラテンローラ50を有している。プラテンローラ50は、発熱領域24に平行な軸52を中心に回転する円柱である。プラテンローラ50の側面は、ある程度の弾性を有している。
被印刷媒体60は、プラテンローラ50によってサーマルプリントヘッド11の発熱領域24に押し付けられつつ、副走査方向に移動する。感熱性の被印刷媒体60への印画の際には、外部から供給される信号などによって駆動素子42などの駆動回路から発熱抵抗体26に電流が供給されて、発熱する。サーマルプリントヘッド11の発熱領域24の発熱パターンを変化させながら、被印刷媒体60を副走査方向に移動させることにより、被印刷媒体60上に所望の画像が印画される。
図4は、本実施の形態における抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。
電極層28(図2参照)には、空隙を挟んで直線状に延びる電極72,73の対が主走査方向に複数配列されたパターンが形成されている。一方の電極73は、主走査方向に延びる共通電極71に接続されている。他方の電極72は、ボンディングワイヤー44(図2参照)を介して駆動素子42(図2参照)に接続されている。
対となった電極72,73の間は、長方形の発熱抵抗体26となっている。発熱抵抗体26の中央部には、スリット74が形成されている。スリット74部分では、抵抗体層23はエッチングによって取り除かれており、グレーズ層25が露出している。
発熱抵抗体26の内部に形成されるスリット74は、熱流入部75を囲んでいる。スリット74は、閉じておらず、すなわち一部が開放されている。この解放されている部分で、熱流入部75は、発熱抵抗体26内の他の部分と連結している。
本実施の形態では、スリット74は、主走査方向に延びる連結部76の両側に位置する2つの端部をこれらの端部とは副走査方向の異なる位置の折返部90を通過して連結する。たとえば、スリット74は、馬蹄形に形成される。スリット74によって、発熱抵抗体26には、スリット74の主走査方向の両側の狭発熱部77と、スリット74の副走査方向の両側の全幅発熱部78が形成される。また、スリット74の内側には、熱流入部75が形成され、その熱流入部75は、連結部76を介して全幅発熱部78に接続している。
解像度が300dpiの場合、主走査方向に隣り合う電極72,73あるいは発熱抵抗体26の間のピッチは84.5μm、電極72,73の幅はたとえば76.5μmである。また、この場合、隣り合う電極72,73あるいは発熱抵抗体26の間の隙間は、8μmである。スリット74の幅はたとえば5μmである。スリット74の外形は、たとえば28μmである。
次に、本実施の形態のサーマルプリントヘッド11の製造方法について説明する。
まず、たとえば厚さが約1mmのセラミック基板22の表面に厚さが約40μmのグレーズ層25を被着させる。セラミック基板22は、たとえばアルミナ(Al)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)などで形成される。グレーズ層25は、たとえば耐熱ガラスなどで形成される。グレーズ層25は、たとえばガラスペーストをセラミック基板22の表面にスクリーン印刷などによって塗布し、その後、焼成することによって形成される。
このようにして形成された絶縁基板の表面に、タンタル(Ta)などがドーピングされたSiOの抵抗体層23がスパッタリング法などによって形成される。さらに、抵抗体層23の表面にアルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、あるいはこれらを主成分とする合金、あるいはこれらの金属または合金の積層体である電極層28をスパッタリング法などによって積層する。
次に、この電極層28の全面にフォトレジスト膜を塗布した後、そのフォトレジスト膜上に第1のマスクパターンを配置する。その状態で、フォトレジスト膜を露光し、現像することによって、第1のマスクパターンをフォトレジスト膜に転写する。第1のマスクパターンが転写されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとし電極層28をリン酸などによってウェットエッチングしてパターニングする。これにより、電極層28が所定の形状にパターニングされる。
その後、残存した電極層28および抵抗体層23の表面に、第2のマスクパターンを配置する。この第2のマスクパターンは、発熱抵抗体26の形状を決めるためのパターンである。第2のマスクパターンには、発熱抵抗体26およびその両端部に接続された電極72,73の間の副走査方向に延びる空隙と、発熱抵抗体26の中央部のスリット74とに対応する形状が規定されている。
第2のマスクパターンを配置した状態で、フォトレジスト膜を露光し、現像することによって、第2のマスクパターンがフォトレジスト膜に転写される。その後、第2のマスクパターンが転写されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、抵抗体層23をケミカルドライエッチング(CDE)や反応性イオンエッチング(RIE)などによりドライエッチングする。これにより、抵抗体層23が所定の形状にパターニングされる。
このようにして、電極層28および抵抗体層23が所定の形状にパターニングされた後、電極層28、抵抗体層23および露出したグレーズ層25を覆うように、SiO2やSiONなどの耐酸化性と耐摩耗性を有する保護層29を積層する。これによりヘッド基板20が完成する。
このヘッド基板20および別途製造した回路基板40を、別途製造した放熱板30上で合体する。その後、駆動素子42を回路基板40上に配置し、ボンディングワイヤー44を架け渡す。さらに、ボンディングワイヤー44などを封止樹脂体48で封止することによって、サーマルプリントヘッド11が完成する。
本実施の形態のサーマルプリントヘッド11において、両端の電極72,73を介して発熱抵抗体26に電圧が印加されると、発熱抵抗体26には電流が流れる。その電流は、スリット74の副走査方向の上流側および下流側の全幅発熱部78では、発熱抵抗体26の主走査方向の幅の全体を流れる。また、副走査方向のスリット74部分では、スリット74の主走査方向の両側の狭発熱部77を電流が流れる。スリット74の内側の熱流入部75には、電位差がほとんど生じないため電流はほとんど流れない。
発熱抵抗体26の狭発熱部77は、全幅発熱部78に比べて幅が狭いめ電気抵抗が大きい。したがって、狭発熱部77での発熱は、全幅発熱部78に比べて大きい。
また、熱流入部75には電流がほとんど流れないため、熱流入部75ではほとんど発熱しない。しかし、熱流入部75は、連結部76を介して全幅発熱部78に接続している。このため、全幅発熱部78および狭発熱部77で発生したジュール熱は、連結部76を介して熱流入部75に流れ込む。
図5は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドにおける発熱抵抗体の主走査方向の温度分布を比較例とともに示すグラフである。図6は、比較例のサーマルプリントヘッドの抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。図5は、発熱抵抗体26の副走査向の中央部の狭発熱部77、スリット74および熱流入部75を通る位置での温度分布である。図5の実線は本実施の形態の場合、図5の破線は図6の比較例の場合である。図5の一点鎖線は、被印刷媒体60の発色に必要な温度を示す。
1つの画素を構成する発熱抵抗体26内に、発熱量が大きい狭発熱部77を主走査方向に複数設けることにより、発熱量が主走査方向で一定の場合に比べて、発熱領域24の表面における温度分布を平坦化させることができる。さらに、本実施の形態のように、狭発熱部77の間に連結部76を介して発熱抵抗体26の他の部分に接続した熱流入部75を設けると、全幅発熱部78および狭発熱部77で発生したジュール熱が熱流入部75に流れ込むため、主走査方向の温度分布をさらに平坦化することができる。
発熱抵抗体26の温度分布を平坦化することにより、サーマルプリントヘッド11の表面の被印刷媒体60に接する部分の温度分布を平坦化することができる。被印刷媒体60の発色温度を超える部分に使われた熱量は印画に対しては無駄であるため、温度分布の平坦化によって、熱効率が向上し、省エネルギーにつながる。また、被印刷媒体60の温度が発色温度よりも過度に超えると、被印刷媒体60を損傷する可能性があるが、この可能性も温度分布の平坦化により低減することができる。
なお、本実施の形態では、スリット74は円弧状であるが、スリット74を連結部76の主走査方向の両側の2つの端部からそれぞれ副走査方向に直線的に延びる部分と、それらの連結部76とは反対側の端部同士を主走査方向に直線的に延びる部分とを持つ形状としてもよい。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの第2の実施の形態における抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッドにおいて、それぞれの発熱抵抗体26には、第1の実施の形態と同様のスリット74が2つ形成されている。これらのスリット74は、発熱抵抗体26の主走査方向の中央部に、副走査方向の異なる位置に設けられている。スリット74の端部で挟まれた連結部76は互いに向かい合っており、2つのスリットの折返部90は連結部76に対して副走査方向の外側に位置している。スリット74と副走査方向の同じ位置には、発熱抵抗体26の側辺に切欠き79が形成されている。
これにより、それぞれの発熱抵抗体26には、2つのスリット74の間およびスリット74とそれぞれの電極72,73との間に、3つの全幅発熱部78が形成されている。また、スリット74の主走査方向の両側には、それぞれ2つの狭発熱部77が形成されている。つまり、それぞれの発熱抵抗体26には4つの狭発熱部77が形成されている。また、それぞれの狭発熱部77は、切欠き79によって幅が狭められている。
本実施の形態では、狭発熱部77を副走査方向の異なる位置に形成しているため、発熱抵抗体26の副走査方向の温度分布をより平坦化することができる。また、狭発熱部77の数を増やし、かつ、その狭発熱部77をそれぞれの発熱抵抗体26のコーナー部近傍に配置しているため、発熱抵抗体26の温度分布をより平坦化することができる。さらに、切欠き79によって、発熱抵抗体26の外周部近傍の発熱量を高めているため、発熱抵抗体26の温度分布をより平坦化することができる。
2つのスリット74に挟まれる位置の全幅発熱部78は、1つのスリット74と1つの電極72,73に挟まれる位置の全幅発熱部78に比べて、温度が高くなる傾向にある。しかし、本実施の形態では、熱流入部75と全幅発熱部78との連結部76を発熱抵抗体26の副走査方向の中央部側に近い位置に設けている。このため、温度が高くなる傾向にある2つのスリット74に挟まれる位置の全幅発熱部78から熱が効果的に熱流入部75に流れ込み、温度分布がより平坦化する。
このように、本実施の形態によれば、発熱抵抗体26の主走査方向および副走査方向の温度分布を平坦化することにより、サーマルプリントヘッド11の表面の被印刷媒体60に接する部分の温度分布を平坦化することができる。この温度分布の平坦化によって、熱効率が向上し、省エネルギーにつながる。また、被印刷媒体60の損傷する可能性を温度分布の平坦化により低減することができる。
[第3の実施の形態]
図8は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの第3の実施の形態における抵抗体層および電極層のパターンを示す平面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッドは、1つの画素を形成する2つの発熱抵抗体26が折返し電極81で接続された折り返し型のサーマルプリントヘッドである
発熱抵抗体26は、主走査方向に間隔を置いて配列され、隣り合う2つずつが1つの折返し電極81で接続されている。発熱抵抗体26の折返し電極81とは反対側の端部には電極82が接続されている。発熱抵抗体26の一方の電極82は、個別電極として駆動素子42(図1参照)と接続されている。発熱抵抗体26の他方の電極82は、共通電極を介して所定の電位となる端子に接続されている。
本実施の形態のサーマルプリントヘッドで印画する際には、ある電極82に所定の電位が印加されると、発熱抵抗体26、折返し電極81および他方の電極82を通って電流が流れる。これにより、折返し電極81で接続された2つの発熱抵抗体26が同時に発熱し、1つの画素を形成する。
1つの画素を形成する2つの発熱抵抗体26が並んだ長方形の領域の内部には、副走査方向に向かい合う連結部86のそれぞれの両側に位置する2つの端部をそれらの端部とは副走査方向の異なる位置の折返部90を通過して連結するスリット84が形成されている。また、この1つの画素を形成する2つの発熱抵抗体26が並んだ長方形の領域の内部には、発熱抵抗体分割スリットが形成されている。この発熱抵抗体分割スリットは、対となった2つの発熱抵抗体26の間を主走査方向に分割する、2つの折返部90のそれぞれから副走査方向の外側に延びる部分91と、この主走査方向に分割する部分91に対して主走査方向の両側に位置するスリット84の端部同士を連結する部分92とを持つ。
つまり、この1つの画素を形成する2つの発熱抵抗体26が並んだ長方形の領域の内部には、対となった発熱抵抗体26を主走査方向に2つに区切る隙間の他に、S字あるいは逆S字状のスリット84が形成されている。スリット84によって、電流が流れる部分が狭められた狭発熱部87がそれぞれの発熱抵抗体26の電極82および折返し電極81の近傍の2か所に形成されている。また、狭発熱部87と電極82および折返し電極81の近傍の2か所、および狭発熱部87の間には、全幅発熱部88が形成されている。
1つの画素を形成する2つの発熱抵抗体26の一部は、副走査方向の異なる位置で、主走査方向に重なって位置している。1つのスリット84の主走査方向に挟まれる位置は、熱流入部85となり、それらの熱流入部85は、連結部86を介して全幅発熱部88に接続されている。
このようなサーマルプリントヘッドにおいても、第2の実施の形態と同様に、1つの画素の4つのコーナー部近傍に狭発熱部87を設け、それらの主走査方向に並んだ狭発熱部8の間に連結部86で全幅発熱部88に接続した熱流入部85が設けられている。このため、1つの画素内でも発熱抵抗体26の温度分布をより平坦化することができる。また、熱流入部85と全幅発熱部88との連結部86を1つの画素の副走査方向の中央部側に近い位置に設けている。このため、温度が高くなる傾向にある2つの狭発熱部87に挟まれる位置の全幅発熱部88から熱が効果的に熱流入部85に流れ込み、温度分布がより平坦化する。
このように、本実施の形態によれば、発熱抵抗体26の主走査方向および副走査方向の温度分布を平坦化することにより、サーマルプリントヘッド11の表面の被印刷媒体60に接する部分の温度分布を平坦化することができる。この温度分布の平坦化によって、熱効率が向上し、省エネルギーにつながる。また、被印刷媒体60の損傷する可能性を温度分布の平坦化により低減することができる。
[変形例]
図9ないし図13は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1および第2の実施の形態の変形例における発熱抵抗体の平面図である。
図9に示す変形例は、第1の実施の形態とスリット74が開放されている方向が異なっている。第1の実施の形態では、スリット74は副走査方向に向かって開放されているが、本変形例では、スリット74は主走査方向に向かって開放されている。このため、スリット74で囲まれる熱流入部75には、解放された部分(連結部76)から主走査方向に熱が流入する。したがって、熱流入部75の主走査方向の両側の狭発熱部77のうち、スリット74が開放された方向(図9における左側)の狭発熱部77からより多くの熱が流入する。
そこで本変形例では、スリット74を発熱抵抗体26の主走査方向の中央部からスリット74が開放された方向にずらして配置している。その結果、スリット74が開放された方向の狭発熱部77で発熱量が多くなり、主走査方向での温度分布を均一化できる。スリット74の主走査方向中央部からのずれの程度は、温度分布シミュレーションなどによって主走査方向の温度分布ができるだけ均一になるように決定するとよい。
図10に示す変形例は、第1の実施の形態とスリット74の形状が異なっている。第1の実施の形態では、スリット74は、円弧状あるいは楕円弧状であるが、本変形例では、長方形の一辺を削除した形状としている。このような形状で熱流入部75をスリット74で囲んでも、第1の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
図11に示す変形例では、スリット74は、主走査方向に延びる2本の線状の部分と、これらの部分を主走査方向の中央部で連結する線状の部分とからなる。この変形例は、主走査方向の中央部を挟んで両側の2つのスリットを連結したものとみなすことができる。このようなスリット74で副走査方向の位置が同じ2つの熱流入部75が形成される。このような形状であっても、熱流入部75にはそれらと副走査方向の同じ位置に形成された狭発熱部から熱がそれぞれ流入し、主走査方向での温度分布が平坦化する。
図12に示す変形例は、図11に示す変形例のスリット74を90度回転させたものである。この変形例は、副走査方向の中央部を挟んで両側の2つのスリットを連結したものとみなすことができる。このようなスリット74で主走査方向の位置が同じ2つの熱流入部75が形成される。このような形状であっても、熱流入部75には主走査方向に向かってスリット74が開放した部分を通って熱がそれぞれ流入し、主走査方向での温度分布が平坦化する。
図13に示す変形例は、図9に示す変形例にさらに1つのスリット74を追加したものである。2つのスリット74は、発熱抵抗体26の全体での温度分布を平坦化させるため、副走査方向の異なる位置に設けられ、主走査方向には、それぞれスリット74が開放された方向に向かう発熱抵抗体26の辺に近接して設けられている。スリット74の主走査方向中央部からのずれの程度は、温度分布シミュレーションなどによって主走査方向の温度分布ができるだけ均一になるように決定するとよい。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
11…サーマルプリントヘッド、20…ヘッド基板、22…セラミック基板、23…抵抗体層、24…発熱領域、25…グレーズ層、26…発熱抵抗体、28…電極層、29…保護膜、30…放熱板、40…回路基板、42…駆動素子、44…ボンディングワイヤー、48…封止樹脂体、50…プラテンローラ、52…軸、60…被印刷媒体、71…共通電極、72…電極、73…電極、74…スリット、75…熱流入部、76…連結部、77…狭発熱部、78…全幅発熱部、81…折返し電極、82…電極、84…スリット、86…連結部、87…狭発熱部、88…全幅発熱部、90…折返部、91…部分、92…部分

Claims (9)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板の表面に主走査方向へ間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体に接続されて電圧を印加する電極と
    を具備し、
    複数の前記発熱抵抗体は、
    内部に、熱流入部を囲み、かつ一部または一辺が欠けて前記主走査方向を横切る副走査方向に向かって開放された楕円弧状または長方形状のスリットが形成された
    ことを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 複数の前記発熱抵抗体は、
    内部の前記副走査方向の異なる位置に、2つの前記スリットが形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 複数の前記発熱抵抗体は、
    内部の前記主走査方向の中央部に、前記スリットが形成された
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 複数の前記発熱抵抗体は、
    前記スリットと前記副走査方向の同じ位置に前記主走査方向の幅を減少させる切欠きが形成された
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のサーマルプリントヘッド。
  5. 前記絶縁基板は、
    前記表面に、前記発熱抵抗体の前記主走査方向の中央部で2つの前記スリットのそれぞれから前記副走査方向の外側に延びる第1部と、当該第1部に対して互いに反対側に位置する前記スリットの端部同士を連結する第2部とを持つ発熱抵抗体分割スリットが形成され、
    前記電極は、
    前記第1部で分割された2つの前記発熱抵抗体の前記副走査方向の同じ側の端部同士を連結する折返電極と、当該折返電極とは反対側の2つの端部にそれぞれ接続されて前記副走査方向に延びる個別電極および共通電極とを含む
    ことを特徴とする請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  6. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板の表面に主走査方向へ間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体に接続されて電圧を印加する電極と
    を具備し、
    複数の前記発熱抵抗体は、
    熱流入部を囲み、かつ前記主走査方向に向かって開放されたスリットが、前記発熱抵抗体の内部の前記主走査方向の中央よりも前記開放された方の辺に近い位置に形成された
    ことを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  7. 複数の前記発熱抵抗体は、
    内部の前記主走査方向を横切る前記副走査方向の異なる位置に2つの前記スリットが形成された
    ことを特徴とする請求項に記載のサーマルプリントヘッド。
  8. 前記スリットは、
    一部が欠けた楕円弧状または一辺が欠けた長方形状である
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載のサーマルプリントヘッド。
  9. 前記電極は、
    前記主走査方向に延びる共通電極と、当該共通電極と前記発熱抵抗体を挟んで反対側でそれぞれの前記発熱抵抗体の端部から前記副走査方向に延びる個別電極とを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項ならびに請求項ないし請求項8のいずれか1項に記載のサーマルプリントヘッド。
JP2012076929A 2012-03-29 2012-03-29 サーマルプリントヘッド Active JP6117476B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012076929A JP6117476B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 サーマルプリントヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012076929A JP6117476B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 サーマルプリントヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013203022A JP2013203022A (ja) 2013-10-07
JP6117476B2 true JP6117476B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=49522639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012076929A Active JP6117476B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 サーマルプリントヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6117476B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58134764A (ja) * 1982-02-04 1983-08-11 Seiko Instr & Electronics Ltd サ−マルプリントヘツド
JPS59169946U (ja) * 1983-04-27 1984-11-14 株式会社リコー サ−マルヘツド
JPS61204743U (ja) * 1985-06-12 1986-12-24
JPS62200445U (ja) * 1986-06-11 1987-12-21
JPH0958040A (ja) * 1995-08-25 1997-03-04 Rohm Co Ltd サーマルヘッドの発熱調整方法
JP2003031405A (ja) * 2001-07-19 2003-01-31 Murata Mfg Co Ltd 抵抗体のトリミング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013203022A (ja) 2013-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6117476B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JP2010125679A (ja) サーマルプリントヘッド
JP6557066B2 (ja) サーマルプリントヘッドの製造方法およびサーマルプリントヘッド
JP5990017B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP2013202796A (ja) サーマルプリントヘッド
JP5798311B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリンタ
JP7001388B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法
JP6341723B2 (ja) サーマルプリントヘッド及びサーマルプリンタ
JP2008080525A (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
JP2016190463A (ja) サーマルプリントヘッド及びサーマルプリンタ
JP2009061616A (ja) サーマルプリントヘッド、サーマルプリンタおよび印刷方法
JP2014188980A (ja) サーマルプリントヘッド
JP5260038B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP2009131994A (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP5647477B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリンタ
JP2014087938A (ja) サーマルプリントヘッド
JP5342313B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP5329887B2 (ja) サーマルヘッド
JP6422225B2 (ja) サーマルヘッド
JP6383852B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JP6209040B2 (ja) サーマルヘッド
JP2011073270A (ja) サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリンタ
JP5670076B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP6080665B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JP5798352B2 (ja) サーマルヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140613

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6117476

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150