JP6117356B2 - 蒸気混合物からエステルを除去する方法 - Google Patents

蒸気混合物からエステルを除去する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6117356B2
JP6117356B2 JP2015523451A JP2015523451A JP6117356B2 JP 6117356 B2 JP6117356 B2 JP 6117356B2 JP 2015523451 A JP2015523451 A JP 2015523451A JP 2015523451 A JP2015523451 A JP 2015523451A JP 6117356 B2 JP6117356 B2 JP 6117356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
inlet
outlet
ester
reaction step
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015523451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015530916A (ja
Inventor
デュンネンベルガー、ダニエル
ロヴィア、フランソワ
Original Assignee
スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト
スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト, スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト filed Critical スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト
Publication of JP2015530916A publication Critical patent/JP2015530916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6117356B2 publication Critical patent/JP6117356B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/14Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by absorption
    • B01D53/1425Regeneration of liquid absorbents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/74General processes for purification of waste gases; Apparatus or devices specially adapted therefor
    • B01D53/86Catalytic processes
    • B01D53/8668Removing organic compounds not provided for in B01D53/8603 - B01D53/8665
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/14Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by absorption
    • B01D53/1493Selection of liquid materials for use as absorbents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2255/00Catalysts
    • B01D2255/20Metals or compounds thereof
    • B01D2255/202Alkali metals
    • B01D2255/2022Potassium
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2255/00Catalysts
    • B01D2255/20Metals or compounds thereof
    • B01D2255/202Alkali metals
    • B01D2255/2027Sodium
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2255/00Catalysts
    • B01D2255/20Metals or compounds thereof
    • B01D2255/204Alkaline earth metals
    • B01D2255/2045Calcium
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/96Regeneration, reactivation or recycling of reactants

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Description

発明の背景
本発明は、蒸気混合物からエステルを除去する方法に関する。本発明は、この方法を実施するための装置、及び、前記方法における前記装置の使用、並びに、ポリ乳酸ポリマー又はラクチドの製造における当該方法又は装置の使用にも関する。
ポリエステルプレポリマー及び樹脂の製造時などの、重縮合又は開環重合プロセスにおいて揮発性低分子量種(‘lows’)を除去するのに使用される真空‘オーバーヘッド’システムから生じる蒸気の処理において、蒸気混合物からエステルを除去することは、役に立つ。例えば、ラクチドなどのアルファ−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルの除去は、ラクチド及びそのポリマーの製造において有用性を見つける。
ラクチドの製造方法の1つは、乳酸からのプレ重合を用いて、そして、それに続く低圧での熱触媒解重合である。ラクチドの製造において、ラクチドの蒸気混合物を含有する副生物流がしばしば製造され、そして、副生物流を洗って揮発性有機化合物のそれらの含有量を低減し及び/又はプロセス中への再循環戻しのために乳酸としてラクチドを回収することが望ましい。例えば、ラクチドを含有する蒸気混合物は、反応器システムの真空オーバーヘッドシステムが起源であってもよく、又は当該プロセスで得られる粗ラクチド生成物流の蒸留による精製における留出物が起源であってもよい。この粗ラクチド生成物流は、典型的に、ラクチド、水、乳酸及びオリゴマーを含有する複合多成分混合物である。
ラクチドを含有する蒸気混合物は、ラクチドの開環重合におけるように、ポリ乳酸(PLA)ポリマーの製造における一般的な副生物流でもある。例えば、融解、分子量及び色彩安定性及び/又は機械的特性などの生成物ポリマー特性を改善するためにPLAから残留ラクチドモノマー及び他の‘lows’を除去するのが望ましい。
蒸留によってPLAからラクチド及び他のlowsの除去を引き起こすのに十分な高い温度と一緒に低圧及び/又は不活性ガス流を適用することに基づくものなどの従来の揮発分除去方法によってPLAから残留ラクチド及び他の‘lows’が除去されてもよい。PLAの揮発分除去用に適切な装置は、フラッシュ蒸発器、降下ストランド揮発分除去器、薄膜蒸発器、高容積溶融混練機、及びベント式単軸及び二軸押出機を含む。ラクチドを含有する蒸気混合物は、いかなるこれらのタイプの装置及びそれらの揮発分除去プロセスが起源であってもよい。重合及び/又は揮発分除去における最終反応器が後重合プロセスでなされても良い後に、インライン揮発分除去システムを有することによって、揮発分除去プロセスは、PLAの製造中に一体化されてもよい。ラクチドの製造の場合のように、ラクチドモノマーを製造するために及び/又はPLAを製造するためにプロセス中に原材料として再循環するためにラクチド及び揮発性オリゴマーを回収し及び/又は副生物流の放出より前に揮発性有機化合物の含有量を低減することがしばしば望ましい。
蒸気流からラクチドを除去する方法は公知である。例えば、参照としてここに取り込まれるEP2030667は、ポリラクチドの製造中に発生するプロセス蒸気の洗浄及び縮合用の装置及び方法を開示する。ラクチドを含有するプロセス蒸気は、それらを縮合流と接触させそして乳酸の水溶液を含有する液体を洗浄してラクチドが液体中に溶解することによって、凝縮及び/又は洗浄されてもよいことが、開示される。ポリラクチドの製造用の連続プラントの場合は特に、循環中で縮合及び洗浄液体を実施するのが好ましいことが、開示される。
しかし、EP2030667の方法では、凝縮されるラクチド含有蒸気は、縮合及び洗浄液体でのラクチドの濃度の増加につながる。結果として、ラクチドの溶解限度を越え、そして、充填床において又は縮合及び/又は洗浄塔の物質移動要素において特に、循環液体中に固体が沈殿して循環中に閉塞を引き起こす。更に、ラクチドは、開環により液体中に含有する水と反応してラクトイル乳酸を形成する。ラクトイル乳酸形成の結果として、液体の粘度が増加し及び当該床又は充填上の分布が妨げられ、及び縮合及び洗浄効果が低減する。こうしてEP2030667は、循環中のラクチドの溶解限度に到達せずそして液体混合物の粘度が上昇しないように、水及び乳酸の混合物を、連続的に又は部分的に当該循環した縮合及び洗浄液体に供給するのが必要であることが、開示される。システムの氾濫を避けるために、水及び乳酸の混合物の流速と循環路中への凝縮物の流速との合計に対応する、循環路からの液体の部分流をその後抽出する必要がある。したがって、この方法は、閉塞を避けてそして流れの適切なバランスを維持するために複雑で扱いにくい方法を要求する。
EP2030667の方法の更なる短所は、ラクチドが、水、乳酸及びそれらの混合物中の非常に貧弱な溶解度を有することであり、そして、ラクチドは、これらの液体中での溶解及び加水分解の相対的に遅い速度も有する。したがって、沈殿を避けるために、多量の水及び乳酸が添加されなければならない。縮合及び洗浄方法及び装置の機能は、蒸気混合物に由来するものなどのプロセスから生じる成分を除去することであるべきであって、プロセスに更なる成分を添加することであるべきではない、という点で、多量のこれらの液体を添付することは、逆効果を招く。
EP2030667では縮合及び洗浄液体の温度を上昇させることによって、溶解及び加水分解の遅い速度が克服されてもよい。しかし、温度の上昇は、同時にその後、当該塔中の液体の蒸気圧を上昇させる。そうはいうものの、当該塔は、ラクチドを含有する蒸気混合物の源である揮発分除去容器と流体連通している。したがって、当該塔中の温度の及びこうして圧力の上昇は、揮発分除去容器中の圧力も上昇させ、及びこうして、その容器中の蒸留によるラクチド及び他のlowsの除去に負の影響を及ぼすであろう。
代替として、塩基によるエステルのケン化が公知であり、そして、当該エステルの加水分解に触媒作用を及ぼしてそれをそのナトリウム塩に転化するために、当該塔に、NaOH溶液などの苛性アルカリ溶液が添加されてもよい。しかし、この方法は、プロセスへの追加の物質のそれらの必要量の制御された添加を要求し、そして、苛性アルカリ溶液の使用は、それらの使用に関連する腐食及びEHS問題が原因で、一般に望ましくない。更に、苛性を水と混合する時にかなりの熱が発生し、そして、このことは、もしも苛性アルカリ溶液がある区域で濃縮されるならば、又は、もしもそれがあまりにも冷たい又はあまりにも熱い水溶液に又はあまりにも迅速に添加されるならば、プロセス中での制御されない及び激しい沸騰及び/又は跳ね飛ばしにつながることがある。
結論として、当該塔中で低い液体温度及びこのような圧力を維持することを可能にする一方で、多量の追加の成分又は苛性アルカリ溶液を循環に添加する必要なしにシステム中の粘度の増加及び固体の沈殿を妨げることが可能でそしてEP2030667のものよりも制御するのが容易になる蒸気混合物からラクチドなどのエステルを除去するための方法及び装置を有することが望ましいであろう。
発明の概要
この最新技術を根幹として、沈殿及び閉塞を妨げるために、上述の欠陥、特に、塔中での高温及びこのような圧力の使用や液体溶媒又は苛性アルカリ溶液を供給する必要性、に苦しまない蒸気混合物からのエステルの除去方法を提供することが、本発明の目的である。本発明の更なる目的は、前記方法における使用に適切な装置、前記方法における前記装置の使用、及び、ラクチド又はポリ乳酸ポリマーの製造における前記プロセス及び装置の使用を提供することを含む。
本発明によれば、これらの目的は、以下の方法によって実現される:
エステルを含有する蒸気混合物からエステルを除去する方法であって、当該方法は、エステルに対応する酸を含有する水溶液と蒸気混合物とを接触させることによる工程を含み、
当該エステルの一部は、当該水溶液中に溶解しているか又はそうでなければ当該水溶液に移送され、当該接触後に当該水溶液は循環中に導かれ、
当該水溶液は、
−加熱工程
−滞留時間及び温度を有する反応工程及び
−冷却工程
を含むプロセスで、当該循環中で処理され、
当該加熱工程は当該反応工程に先行し、当該反応工程は当該冷却工程に先行し、そして、当該反応工程における当該滞留時間及び当該温度は、当該水溶液中の当該エステルの含有量を実質的に低減するのに十分である、前記方法。
ラクチドなどのエステルは加水分解的に全く不安定なので、水溶液への一部のエステルの溶解は、少なくともいくらかのエステル及び/又はその加水分解生成物が水溶液中に溶解することを意味している。溶解すると、当該エステルは加水分解して溶解種としてその加水分解生成物を与えることがある。エステルとしてラクチドの場合は、加水分解生成物は、ラクトイル乳酸及び乳酸を含む。そうでなければ水溶液への一部のエステルの移送は、溶解以外の他の手段によって水溶液へ一部のエステルが移送されてもよいこと、例えば、当該エステルが蒸気及び/又は液体相から固化して沈殿又は懸濁固体として水溶液に移送されてもよいこと、を意味する。当該沈殿又は懸濁固体は、それに続いてその後同様に、いかなる順番で水溶液中で加水分解及び/又は溶解してもよく、又は、それは、沈殿又は懸濁固体として残ってもよい。
エステルの含有量を実質的に低減することは、エステルの沈殿及び循環の結果として起こる閉塞を避けるほど十分に当該含有量を低減することを意味する。当該プロセスは、循環中の流速及び/又は圧力を監視することにより、循環中の閉塞を容易に監視してもよい。例えば、もしも流速の減少が観察されるならば、反応工程の温度が上昇して循環中の水溶液中のエステルの含有量を低減させることがある。
本発明によれば、これらの更なる目的は、第一に、以下の装置によって実現される:
−蒸気混合物を水溶液と接触させるための向流塔、
−当該塔と流体連通していてそして当該水溶液を循環させるための循環路:
を含む装置であって、
ここで、当該向流塔は、当該蒸気混合物用の第一の入口及び当該水溶液用の第二の入口及び当該水溶液用の出口を有し、しかも、当該循環路は、当該水溶液用の入口及び出口を有し、そして、当該循環路の当該入口は、当該塔の当該出口と流体連通しており、しかも、当該循環路の当該出口は、当該塔の当該第二の入口と流体連通していることを特徴とし、
当該循環路は:
−入口及び出口を有する加熱工程を実施するための第一の熱交換器、
−入口及び出口を有する反応工程用の反応器、
−入口及び出口を有する冷却工程を実施するための第二の熱交換器
を含み、
しかも、当該第一の熱交換器の当該入口は当該循環路の当該入口と流体連通しており、当該第一の熱交換器の当該出口は当該反応器の当該入口と流体連通しており、当該反応器の当該出口は当該第二の熱交換器の当該入口と流体連通しており、そして、当該第二の熱交換器の当該出口は当該循環路の当該出口と流体連通している、前記の装置。
前記装置は、蒸気混合物からエステルを除去する方法において、好ましくはポリ乳酸ポリマー又はラクチドの製造において、当該発明に従って使用される。
本発明は、これらの目的を実現し、そして、以下の処理を使ってこの問題への解決を提供する:
当該水溶液は、
−加熱工程
−滞留時間及び温度を有する反応工程及び
−冷却工程
を含むプロセスで、当該循環中で処理され、
当該加熱工程は当該反応工程に先行し、当該反応工程は当該冷却工程に先行し、そして、当該反応工程における当該滞留時間及び当該温度は、当該水溶液中の当該エステルの含有量を実質的に低減するのに十分である、前記の処理。
結果として、エステルのより速い溶解及びより完全な加水分解が起るであろう。例えば、ラクチドは、感知できるほどのラクトイル乳酸中間体が残ることなしに乳酸にずっと加水分解されてもよい。したがって、循環中の沈殿及び/又は粘度増加の問題は避けられるであろう。本発明の当該方法によるエステルのこの所望の溶解及び加水分解の達成が、その後、容易に及び強く実現される。
これらの結果は、その後、驚いたことに、循環に水及び/又は乳酸などの追加の液体を添加する必要なしに、実現される。このことは、特許請求の範囲に記載の発明において沈殿及び粘度増加を避ける側面でこれらの液体の添加が必須であることをEP2030667が開示する点で、全く驚くべきである。
更にこれらの結果は驚いたことに、向流塔中の温度及びこのように蒸気圧を上昇させる必要なしに、又は、プロセスに追加の液体又は触媒成分を添加する必要なしに、実現もされる。本発明の装置では、反応器に入る前に循環路中の水溶液を加熱するための第一の熱交換器の使用及び反応工程後に水溶液を冷却するための第二の熱交換器の使用は、当該塔中の高温を要求することなしに当該反応が高温で迅速に進行するのを可能にする。
好ましい形態では、当該方法における当該エステルは、式Iのアルファ−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルであり、

式I
ここで、Rは、水素又は1〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝脂肪族基から成る群から選択され、そして、当該酸は、式Iのジエステルに対応する式IIのアルファ−ヒドロキシカルボン酸である。

式II
式Iの環状エステルは、水及び水溶液中の溶解の低い速度と同様に、水及びその溶液中の非常に低い溶解度に典型的に苦しむ。したがって、本発明の当該方法及び装置は、それらの蒸気混合物からそのようなエステルを除去するのに特に有用である。
他の好ましい形態によれば、当該方法における当該蒸気混合物は、ラクチドの開環重合によって調製されるポリ乳酸ポリマーの揮発分除去から得られる。これらなどのラクチドを含有する蒸気混合物は、周囲温度での乳酸の水溶液中のラクチドの低い溶解度及び低い溶解速度に起因して当該発明の方法及び装置から大きな利益を得る。
他の好ましい形態によれば、当該方法における当該蒸気混合物は、当該水溶液との接触より前に、スチームエジェクタを通過する。当該装置の好ましい形態において同様に、当該装置は、当該水溶液との接触より前に当該蒸気混合物が通過するスチームエジェクタを更に含み、しかも、当該エジェクタが入口及び出口を有し、そして、当該スチームエジェクタの当該出口が当該向流塔の当該第一の入口と流体連通している。スチームエジェクタは、揮発分除去容器及び/又は反応器の真空‘オーバーヘッド’システムに由来するものなどの、大量のガスをポンプ輸送するための安価で単純な手段であるという長所を有する。
当該方法の他の好ましい形態によれば、加熱工程の一部及び冷却工程の一部が、復熱器中で起こる。当該装置の好ましい形態において同様に、当該装置は、当該循環路中の更なる冷却工程及び更なる加熱工程を実施するための復熱器を更に含む。復熱器の使用は、当該方法において加熱工程のために冷却工程で解放された熱を再循環することによって合計エネルギー消費を低減させる効果的な手段を提供する点で、有利である。
当該方法の更に他の好ましい形態では、当該水溶液中の当該エステルの含有量が、反応工程中で10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満に低減される。当該エステルの含有量は、沈殿又は懸濁固体などの固体の形での及び/又はその溶解した非加水分解の形でのエステルの含有量を意味する。そのようなレベルへの当該エステルの含有量の低減は、循環中の沈殿、閉塞及び増加粘度に関する問題が起らないことを確保する点で、有益である。
当該方法の更に他の好ましい形態では、当該反応工程中の滞留時間が、少なくとも0.1分、好ましくは少なくとも1分、より好ましくは少なくとも5分、最も好ましくは少なくとも10分であり、そして、当該反応工程中の温度が、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃、より好ましくは少なくとも40℃、最も好ましくは少なくとも60℃である。当該方法の更に他の好ましい形態では、当該反応工程中の滞留時間が0.10〜30分であり、そして、当該反応工程中の温度が10〜95℃であり、好ましくは当該時間が0.5〜25分及び当該温度が20〜90℃、より好ましくは当該時間が0.75〜20分及び当該温度が40〜80℃、最も好ましくは当該時間が1〜15分及び当該温度が50〜75℃である。当該反応工程中でのそのような温度及び滞留時間の使用は、循環中に沈殿、閉塞及び増加粘度に関する問題が起らないように水溶液中のエステルの含有量が十分に低減されることを確保する点で、有益である。
当該方法の更なる好ましい形態では、追加された触媒の存在下に当該反応工程が起こる。触媒の使用は、加水分解反応及び/又は誘導反応の速度を増加させ、そしてこうして、水溶液中のエステルの含有量の低減の速度をも増加させる。当該速度のこの増加は、当該反応工程がより迅速に及びより低い温度で起ることを可能にし、こうして、当該装置のエネルギー消費及び要求される反応器サイズを低減させる一方で、当該方法の生産性及び穏やかさの増加を可能にする。
当該方法の更なる好ましい形態では、当該水溶液と当該蒸気混合物との接触が、少なくとも部分真空、好ましくは100mbar(100hPa)未満の真空、より好ましくは50mbar(50hPa)未満の真空、及び最も好ましくは30mbar(30hPa)未満の真空下に起こる。当該装置の他の好ましい形態では同様に、当該装置は、当該向流塔と流体連通している真空システムを更に含む。多くの用途では、当該向流塔は、揮発分除去容器及び/又は真空オーバーヘッドシステムと流体連通しているであろう。したがって、当該塔中で真空を維持することは、揮発分除去容器中の高真空を容易に維持して、ラクチド及び他のlowsの蒸留に有利に働き、及び/又は、真空オーバーヘッドシステム中の高真空を維持する上で有益である。
当該装置の更なる好ましい形態では、当該循環路は、当該水溶液を循環させるための駆動力を提供するためのポンプを更に含む。
本発明の他の側面は、本発明の方法、好ましくはポリ乳酸ポリマー又はラクチドの製造、における、本発明の装置の使用に関する。そのような使用は、その後、本発明の方法及び装置の上記で議論した長所から利益を得る。好ましい形態では、当該装置及び/又は方法の使用は、ポリ乳酸ポリマー又はラクチドの製造におけるものである。
当業者は、本発明の様々な特許請求の範囲及び形態の主題の組合せが、そのような組合せが技術的に実現可能な範囲への発明の限定なしに可能であることを理解するであろう。この組合せでは、いかなる1つの請求項の主題を、1以上の他の請求項の主題と組合せてもよい。主題のこの組合せでは、いかなる1つの方法の請求項の主題を、1以上の他の方法の請求項の主題又は1以上の装置の請求項の主題又は1以上の方法の請求項及び装置の請求項の混合物の主題と組合せてもよい。類推によって、いかなる1つの装置の請求項の主題を、1以上の他の装置の請求項の主題又は1以上の方法の請求項の主題又は1以上の方法の請求項及び装置の請求項の混合物の主題と組合せてもよい。一例として、請求項1の主題を、請求項11〜15のいずれか1項に記載の主題と組合せてもよい。一形態では、請求項11の主題を、請求項1〜10のいずれか1項に記載の主題と組合せる。ある特定の形態では、請求項11の主題を、請求項2の主題と組合せる。他の特定の形態では、請求項1の主題を、請求項13の主題と組合せる。他の一例として、請求項1の主題を、請求項2〜15のいかなる2つの主題と組合せてもよい。ある特定の形態では、請求項1の主題を、請求項2及び11の主題と組合せる。他の特定の形態では、請求項11の主題を、請求項1及び2の主題と組合せる。一例として、請求項1の主題を、請求項2〜15のいかなる3つの主題と組合せてもよい。ある特定の形態では、請求項1の主題を、請求項2、9及び11の主題と組合せる。他の特定の形態では、請求項11の主題を、請求項2、6、及び9の主題と組合せる。更に他の特定の形態では、請求項1の主題を、請求項2、6及び11の主題と組合せる。一例として、いかなる1つの請求項の主題を、そのような組合せが技術的に実現可能な範囲への限定なしにいかなる数の他の請求項の主題と組合せてもよい。
類似のやり方では、上述の形態の1つの主題を、限定せずに1以上の他の上述の形態の主題と組合せてもよい。一例として、本方法の特に好ましい形態によれば、当該エステルは式Iのエステルであり、そして、当該酸は式IIであり、そして、当該蒸気混合物は、ラクチドの開環重合によって調製されるポリ乳酸ポリマーの揮発分除去から得られる。他の一例として、他の特に好ましい形態によれば、蒸気混合物は、当該水溶液との接触より前にスチームエジェクタを通過し及び加熱工程の一部及び冷却工程の一部は当該方法での復熱器中で起こる。更に他の一例として、他の特に好ましい形態によれば、当該装置は、復熱器、スチームエジェクタ、及び真空オーバーヘッドシステムを更に含む。
図面の簡単な記述
本発明が、図面と同様に本発明の様々の形態を参照して以後でより詳しく説明されるであろう。参照番号の後のシングルクォーテションマーク(‘)は、従来技術のそれらの特徴を示すために使用される。概略図は以下を示す。
図1は、従来技術による方法の概略図を示す。 図2は、図1に示す従来技術の方法で使用するのに公知で従来技術による装置の概略図を示す。 図3は、本発明による方法の形態の概略図を示す。 図4は、図3に示す方法で使用するのに適切で本発明による装置の形態の概略図を示す。 図5は、本発明による装置の好ましい形態の概略図を示す。 図6は、エステル、酸、ラクチド、ポリ乳酸ポリマーの形態及び本発明の方法及び装置で使用する触媒の特定の形態の概略図を示す。 図7は、温度(℃)の関数として探知できないレベル(視覚観察)に水溶液中の沈殿又は溶解固体としてのラクチドの含有量を低減する滞留時間(分)のデータを示す。
発明の詳細な記述
図1〜2は、EP2030667による蒸気混合物からエステルを除去する従来技術の方法及び装置を示す。図1は、全体として参照番号200’でラベルされた従来技術の方法の概略図を示す。当該方法は、210’でラベルされた、エステル3’を含有する蒸気混合物5’とエステル3’に対応する酸4’を含有する水溶液6’とを接触させる工程;220’でラベルされた、水溶液6’中のエステル3’の一部を溶解させる工程、及び、230’でラベルされた、当該接触後に水溶液6’が循環73’中に導かれる工程、を有する。
図2は、全体として参照番号1’でラベルされた従来技術の装置の概略図を示す。装置1’は、蒸気混合物5’用の第一の入口211’、水溶液6’用の第二の入口212’、及び水溶液6’用の出口221’を有する向流塔2’を有する。装置1’は更に、当該塔2’と流体連通していて水溶液6’を循環させるための及び水溶液6’用の入口71’及び出口72’を有する循環路7’を有し、ここで、入口71’は出口221’と流体連通していて、出口72’は第二の入口212’と流体連通している。
図3は、全体として参照番号205でラベルされた本発明による方法の形態の概略図を示す。図1の従来技術の方法200’と同様に、発明205の方法は、210’でラベルされた、エステル3’に対応する酸4’を含有する水溶液6’とエステル3’を含有する蒸気混合物5’とを接触させる工程;220’でラベルされた、当該エステル3’の一部を、当該水溶液6’中に溶解させるか又はそうでなければ当該水溶液6’に移送する工程、及び、230’でラベルされた、当該接触後に当該水溶液6’が循環73中に導かれる工程、を含む。従来技術と対照的に、当該水溶液6’は:加熱工程240、滞留時間及び温度を有する反応工程250、及び冷却工程260を含むプロセスで、本発明による方法205において、当該循環73中で処理され、ここで、当該加熱工程240は当該反応工程250に先行し、当該反応工程250は当該冷却工程260に先行し、そして、当該反応工程250における当該滞留時間及び当該温度は、当該水溶液6’中の当該エステル3’の含有量を実質的に低減するのに十分である。結果として、エステル3’のより速い溶解及び加水分解が起るであろう。したがって、水及び/又は乳酸及び/又は苛性アルカリ溶液などの追加の液体を当該循環に添加する必要なしに、循環中の沈殿及び/又は粘度増加の問題は、驚くべきことに、避けられる。
本発明の特定の形態では、循環73中のプロセスは、1より多い加熱工程240、1より多い反応工程250、又は1より多い冷却工程260、及びそれらの組合せを含んでもよい。
当該方法205の好ましい形態では、当該エステル3’が、式Iのアルファ−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルであり、

式I
ここで、Rは、水素又は1〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝脂肪族基から成る群から選択され、そして、当該酸は、式Iのジエステルに対応する式IIのアルファ−ヒドロキシカルボン酸である。

式II
式Iのこれらのエステルは、それらの蒸気の洗浄及び/又は縮合における閉塞及び沈殿に関連するそれらの問題及び水溶液中のそれらの低い溶解度が原因で、本発明から強く利益を得る。
特定の好ましい形態では、式Iのエステル3’は、(S,S)−ラクチド(CAS No.4511−42−6);(R,R)−ラクチド(CAS No.25038−75−9);[メソ−ラクチド(CAS No.13076−19−2)としても公知の、(R,S)−ラクチド;及びそれらの混合物(CAS No.26680−10−4)から成る群から選択される。酸4’は、そのとき、(S)−乳酸(CAS No.50−21−5及び79−33−4)としても公知の、L−(+)−乳酸;(R)−乳酸(CAS No.10326−41−7)としても公知の、D−(−)−乳酸;及びそれらの混合物から成る群から選択される。
他の好ましい形態によれば、当該方法205における蒸気混合物5’は、ラクチド13’の開環重合によって調製されるポリ乳酸(PLA)ポリマー12’の揮発分除去から得られる。PLA12’は、様々のホモポリマーの形態(CAS No.26100−51−6;ラセミ化合物のポリ乳酸(D,L−PLA)dl−ポリラクチド:CAS No.:51063−13−9、26680−10−4、26100−51−6、及び34346−01−5;及びポリ−L−乳酸l−ポリラクチド(L−PLA)CAS No.:26261−42−2及び33135−50−1)及び、グリコール酸、グリコライド、ポリエチレングリコール、ポリ(オキシエチレングリコール)、ポリ(プロピレンオキシド)、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、1,5−ジオキセパン−2−オン、トリメチレンカーボネイト、及び N−イソプロピルアミドを含む非ラクチドコモノマーとのランダム、分枝、ブロック、グラフト、及び星形コポリマーとしてのコポリマーの形態で公知である。PLAを揮発分除去しそしてラクチド13’を含有する蒸気混合物5’を得る方法は、例えば、EP2030667、EP2310437及びEP2271696から公知である。
方法205の他の好ましい形態によれば、沈殿、閉塞及び粘度増加の問題を避けるように、当該水溶液6’中の当該エステル3’の含有量が、反応工程250中で10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満に低減される。
水溶液6’中のエステル3’の含有量は、種々の分析方法によって測定してもよい。クロマトグラフ方法としては、TCD、FID、ECD、又はMSなどの検出方法と連結したガスクロマトグラフィ、UV/VIS、蛍光、屈折率又はMS検出器と連結した高性能液体クロマトグラフィ、及びイオンクロマトグラフィを含む。分光学的方法としては、Raman、NIR、FTIR−ATR、UV/Vis及びNMR分光学を含む。前記方法は、例えば、Principles of Instrumental Analysis(ISBN 978−0495012016)又はAnalytical Measurements and Instrumentation for Process and Pollution Control(ISBN 978−0250404056)から公知である。これらの方法は、オンライン方法を使用するか、又はオフラインのサンプルを分析することにより、実施してもよい。オンライン分析方法は、例えば、機器技術:On−line analysis instruments,Vol.2(ISBN 0−408−00198−4)から公知である。
本出願で言及されるエステルの含有量は、ガスクロマトグラフ方法によって決定された含有量として定義される。
他の好ましい形態では、反応工程250中で、当該反応後の当該溶液が視覚の観察で決定して沈殿及び/又は懸濁固体の形でのエステルを何も含有しないようなレベルに、当該エステルの含有量は低減される。
水溶液6’中の当該エステル3’の含有量を実質的に低減するために非常に広い範囲にわたって滞留時間及び温度が変化してもよいことが、理解されるであろう。反応工程250中の温度は、反応工程250中の平均温度、例えば、反応器9中の平均温度と定義される。管式反応器の場合は、平均温度は、ここで、入口91及び出口92での温度の平均と定義される。方法205の好ましい形態では、当該反応工程250中の滞留時間は、少なくとも0.1分、好ましくは少なくとも1分、より好ましくは少なくとも5分、最も好ましくは少なくとも10分であり、そして、当該反応工程250中の温度が、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃、より好ましくは少なくとも40℃、最も好ましくは少なくとも60℃である。これらの滞留時間及び温度は限定なしに組合せてもよいことが、当業者によって理解されよう。方法205の更に他の好ましい形態では、当該反応工程250中の滞留時間が0.10〜30分であり、そして、当該反応工程250中の温度が10〜95℃であり、好ましくは当該時間が0.5〜25分及び当該温度が20〜90℃、より好ましくは当該時間が0.75〜20分及び当該温度が40〜80℃、最も好ましくは当該時間が1〜15分及び当該温度が50〜75℃である。これらの範囲の滞留時間及び温度は限定なしに組合せてもよいことが、当業者によって理解されよう。当該循環中で沈殿、閉塞、及び増加粘度の問題が起こらないように水溶液6’中のエステル3’の含有量が十分に低減することを確保する上で、そのような温度及び滞留時間の使用は有益である。以下の実施例で記載されるように、ラクチド濃度及び温度の関数として沈殿及び/又は懸濁固体の視覚観察に従って探知できないレベルにまで乳酸の水溶液6’又は水中のラクチド13’を溶解及び/又は加水分解するのに要求される時間の測定を実施することによって、温度及び滞留時間及びそれらの範囲のこれらの好ましい形態は、決定された。
滞留時間が、反応工程250で使用される反応器9の選択にいくらか依存するであろうということは、当業者によって理解されよう。本発明に従って反応工程250に適切な滞留を有することが可能なように、例えば、本出願で開示された滞留時間を提供することが可能なように、反応器9が選択されるであろうということは、当業者によって理解されよう。プロセスの間である程度は滞留時間が変化してもよいこと、例えば、所望により、エステル3’の含有量を低減するためにより長い滞留時間を提供するために反応器9を通る流速が低減されてもよいことは、当業者によって更に理解されよう。例えば、もしも流速が減少して観察される及び/又は圧力が増加して及び/又は沈殿及び/又は閉塞が観察されるならば、当該滞留時間は、エステル3’の含有量を低減するために反応工程250中で増加してもよい。それらはしばしばより高価であるかもしれないが、管式反応器の使用は全く短い滞留時間を可能にする。一形態では、管式反応器を反応器9として使用し、そして、反応工程250中の滞留時間は0.1〜5分、好ましくは0.15〜2分、より好ましくは0.2〜1分である。
所定の装置では、特により大きなスケール変更が所望又は要求される時は、反応工程250中の滞留時間というよりむしろ温度を変更することが一般により都合が良いであろうということは、当業者によって理解されよう。
方法205の更なる好ましい形態では、加水分解及び/又は誘導反応の速度及びこうして水溶液6’中のエステル3’の含有量の低減の速度をも増加させるために追加された触媒15の存在下に、反応工程250は起こる。本発明で使用される適切な触媒15は、塩基151を含む。アミン、アルキルアンモニウム水酸化物、及びイミダゾール化合物などの有機塩基153と同様に、ナトリウム、カリウム又はカルシウム水酸化物などの一般式M+X(−OH)の無機金属水酸化物152を使用してもよい。
本発明205の方法又は本発明の装置1における触媒15の添加位置は、特に限定されない。一形態では、装置1の当該塔2’において又は、方法205において蒸気混合物5’と水溶液6’との接触より前に、接触の間又は接触後に、触媒15は添加される。他の形態では、装置1における反応器9において又はその前の循環路7において又は、方法205において反応工程250の間に及び/又はその前の循環73中に、触媒15は添加される。
水溶液6’への追加された触媒15の量も、特に限定されず、そして、触媒15は、10ppm〜5重量%、特に20ppm〜1重量%、より特に50ppm〜5,000ppmの量である形態では添加されてもよい。塩基触媒151が添加される場合は、添加量はある形態では水溶液のpHが7より上、好ましくは8より上、より好ましくは9より上、及び最も好ましくは10より上、を維持するのに十分であろう。
追加された触媒15の使用は、反応工程250中で使用されるべきより短い滞留時間及び/又はより低い温度を可能にすることは、当業者によって理解されよう。特定の形態では、触媒15が使用され、そして、反応工程250中の滞留時間は0.1〜10分、好ましくは0.2〜5分、より好ましくは0.25〜3分である。他の特定の形態では、反応工程250中の温度は、10〜80℃、好ましくは15〜70℃、より好ましくは20〜60℃である。これらの滞留時間及び温度及びそれらの範囲は限定なしに組合せてもよい。
図4は、全体として参照番号1でラベルされた、装置の特定の形態を示す。従来技術1’の装置と同様に、本発明の装置1は、当該蒸気混合物5’用の第一の入口211’及び当該水溶液6’用の第二の入口212’及び当該水溶液6’用の出口221’を有し、蒸気混合物5’を水溶液6’と接触させるための向流塔2’を含む。装置1’は、当該水溶液6’用の入口71’及び出口72’を有し、そして、当該塔2’と流体連通していてそして当該水溶液6’を循環させるための循環路7を更に含み、しかも、当該入口71’は、当該出口221’と流体連通しており、しかも、当該出口72’は、当該第二の入口212’と流体連通している。従来技術とは対照的に、本発明の循環路7は、入口81及び出口82を有する加熱工程を実施するための第一の熱交換器8、入口91及び出口92を有する反応工程250用の反応器9、入口101及び出口102を有する冷却工程を実施するための第二の熱交換器10を含み、しかも、当該入口81は当該入口71’と流体連通しており、当該出口82は当該入口91と流体連通しており、当該出口92は当該入口101と流体連通しており、そして、当該出口102は当該出口72’と流体連通している。この循環路7の結果として、当該エステル3’のより速い溶解及び/又は加水分解が起るであろう。したがって、当該循環に水及び/又は乳酸又は苛性アルカリ溶液などの追加の液体を添加する必要なしに及び向流塔2’中の温度及びこうして蒸気圧を増加させる必要なしに、沈殿及び/又は粘度増加の問題は、驚いたことに避けられる。
当該塔2’及びその第一の入口211’、第二の入口212’及び出口221’は、それらが蒸気混合物5’と水溶液6’との接触を可能にする限り、特に限定されないことは、当業者によって理解されよう。ある形態では、装置1は1つより多い塔2’を有する。
従来の向流塔2’は、噴霧塔と同様に非充填塔又は充填塔を含むものが使用されてもよい。一形態では、当該向流塔は、参照としてここに取り込まれるUS2010/0252076 A1に記載されたような縮合及び洗浄装置である。蒸気混合物5’と水溶液6’との接触の効率を改善するために、充填塔が一般に好ましい。一形態では、当該塔2’は、例えばトレイ、ラシッヒ(Raschig)及び/又はポールリング(Pall rings)、サドルなど、例えばバールサドル(Berl saddle)、スフィア、フック、NOR−PAC、BIO−NET、Hel−X、Top−Packs、Mellapak、Montz−Pak、Ralu−Pak、Raschig Super−Pak及び/又は繊維製の充填などの業界で公知の物質移動要素を含有する。特定の形態では、使用される当該物質移動要素の表面は、20m/mと500m/mとの間である。
一形態では、当該塔2’は、当該塔2’の下部が塔排水ダメ中に開放しているように配置された塔排水ダメを有する。その後、当該水溶液6’は、蒸気混合物5’とのその接触後、出口22’を使ってそれが放出されるまで、当該排水ダメ中に集められる。別の形態では、当該水溶液6’は、接触後、その代わりに別個のタンク中に集められる。
典型的に、第一の入口211’及び出口22’は、当該塔2’の下部に、好ましくはいかなる物質移動要素よりも下に、配置され、そして、入口212’は、当該塔2’の上部に、好ましくはいかなる物質移動要素よりも上に、配置される。好ましい形態では、入口211’は、物質移動要素よりも下で排水ダメよりも上に配置され、出口22’は排水ダメ中に配置され、そして入口212’は物質移動要素よりも上に配置される。その後、水溶液6’は当該塔2’を通って重力によって落下し、そこでは、それは、排水ダメ中に集められて循環路7に放出される。別の形態では、入口212’は、噴霧塔の場合は当該塔2’のサイド上に配置される。
方法205の他の好ましい形態によれば、方法205中の蒸気混合物5’は、水溶液6’と接触するより前に、スチームエジェクタ14を通過する。同様に装置1の好ましい形態は、水溶液6’と接触するより前に、蒸気混合物5’を通過させるためのスチームエジェクタ14を更に含み、ここで、当該エジェクタは入口141及び出口142を有そ、そして、出口142は第一の入口211’と流体連通している。他の好ましい形態では、蒸気混合物5’は、直列に2個以上のスチームエジェクタ14を通過し、そして、当該装置は2個以上のスチームエジェクタ14を含む。複合スチームエジェクタ14の使用は、蒸気混合物5’及び水溶液6’の接触プロセスとエステル3’の揮発分除去のプロセスとの間のより大きな圧力差を可能にする。したがって、当該揮発分除去は、高真空で最適に起こってもよく、一方、蒸気混合物5’及び水溶液6’の接触は、当該接触工程での高真空を維持するエネルギーのコスト及び装置要求なしに低真空レベルで都合良く起こってもよい。
好ましい形態では、第一の入口211’は、揮発分除去容器、例えば、ポリラクチドポリマー12’の揮発分除去用に使用されるフラッシュ蒸発器、落下ストランド揮発分除去器、薄膜蒸発器、高容積溶融混練機、又はベント式単軸又は二軸押出機、と流体連通している。
好ましい形態では、第二の入口212’は、出口72’を介して供給される水溶液を分配するための少なくとも1つの液体分配器を有し、前記分配器はいかなる物質移動要素よりも上に配置されている。当該液体分配器は、好ましくは、散水又は噴霧装置、噴霧凝縮器又はスプリンクラーである。
一形態では、当該塔2’は、入口212’よりも上に好ましくはいかなる物質移動要素及びいかなる液体分配器よりも上に配置された真空システム16’に、接続される。真空システム16’は、いかなる非凝縮性ガス及び蒸気を放出するという目的に適合する。真空システム16’は、スチームエジェクタ、液体リングポンプ、ルートブロワー、又はスクリューポンプなどの1個以上の従来の真空ポンプを含んでもよい。場合により、当該塔2’と真空システム16’との間にインラインで及びそれらと流体連通して1個以上の冷却トラップが存在するであろう。
循環路7の第一の熱交換器8及び第二の熱交換器10は特に限定されず、そして、それらは、それぞれ、板、単管、らせん、又はSulzer Mixer Reactor(SMRTM)熱交換器の形であってもよい。当該熱交換器は、単流又は多流タイプのものであってもよい。板熱交換器が好ましい。なぜなら、本発明における水溶液6’用に典型的であるなど、低粘性流体との使用でそれらは経済的だからである。いくらかの形態では、1個より多い熱交換器8及び10を使用してもよい。
反応器9も特に限定されず、そして、滞留時間及び温度を持つ反応工程250を実施するのに適切ないかなる反応器でもよい。例えば、当該反応器は、1個以上の撹拌容器、単管、多管又はSulzer Mixer Reactor(SMRTM)反応器の形でもよい。一形態では、2個のバッチ反応器9が縦に一列に並んで操作される。
方法205の他の好ましい形態によれば、加熱工程240の一部及び/又は冷却工程260の一部は、エネルギー消費を低減するために、復熱器11中で起こる。一形態では、全体の加熱工程240及び/又は全体の冷却工程260は復熱器11中で起こる。同様に装置1の好ましい形態は、循環路7中で更なる加熱工程240”及び更なる冷却工程260”を実施するために復熱器11を更に含む。装置1の1つの特定の好ましい形態では、第一の熱交換器8及び/又は第二の熱交換器10は、復熱器11の一部である。方法205及び装置1の他の形態では、1つより多い復熱器11を使用してもよい。循環路7中での加熱240の一部及び冷却260の一部が復熱器11中で起こる限りは、限定なしに循環路7中での第一の熱交換器8及び第二の熱交換器10の各々の前及び/又は後に復熱器11が配置されてもよいことは、当業者によって理解されよう。復熱器11は、特に限定されず、そして、例えば、板、単管又は多管タイプのものでもよい。
方法205の好ましい形態では、蒸気混合物5’と水溶液6’との接触は、少なくとも部分真空、好ましくは100mbar(100hPa)未満の真空、より好ましくは50mbar(50hPa)未満の真空、及び最も好ましくは30mbar(30hPa)未満の真空下に起こる。同様に装置1の他の好ましい形態は、当該向流塔2’と流体連通している真空システム16を更に含む。真空は、揮発分除去容器でも高真空を容易に維持してそこでのラクチド13’の蒸留に有利に働くのに有益である。
循環路7は特に限定されず、そして、1つ以上のポンプ、バルブ、追加の出口及び追加の入口を更に含んでもよい。ポンプ17’は、循環路7を通る水溶液6’の循環73用の駆動力を提供するために使用してもよい。循環路7から分析用の液体又は廃棄物又はサンプルを除去するために追加の出口を使用してもよく、そして、所望により循環路7に水、酸4’、好ましくは乳酸、及び/又は触媒15を添加するために、追加の入口を使用してもよい。好ましい形態では、循環路7は、好ましくは反応器9中に及び/又はその前に触媒15の添加用の入口を含む。
循環路7は、循環路7の適切な操作の助けとなる流量計及び/又は圧力センサー及び/又はpHセンサーなどのセンサー及びエステル3’の含有量を測定するための分光計又はそれらのセンサーなどの様々のオンライン分析装置をも含んでもよい。例えば、もしも水溶液6’中のエステル3’の含有量が増加するならば、又は、もしも沈殿及び閉塞を示す循環路7で圧力が増加し又は当該流れが減少するならば、その時は、エステル3’の含有量の低減の速度を増加させるために反応器9中の温度が上昇してもよい。
図5は、スチームエジェクタ14、復熱器11、真空システム16’、及びポンプ17’を有する本発明による装置1の好ましい形態の模範的な概略図を示す。
本発明の他の側面は、方法205における、好ましくはラクチド13’又はポリ乳酸ポリマー12’の製造における、装置1の使用に関する。一形態では、装置1は、ポリエステルポリマーの製造用重合プラントの一部である。そのような使用は、その後、本発明の方法及び装置の上記で議論した長所からの利益を得る。好ましい形態では、方法205の使用は、ポリ乳酸ポリマー12’の製造におけるものである。
実施例
以下の実施例は、ここの特許請求の範囲の方法が如何にして評価されるかの詳細な記述を当業者に提供するために示されるのであり、発明者がそれらの発明としてみなすものの範囲を限定する意図ではない。別の指示がない限り、温度は摂氏度(℃)であり、時間は分である。
固体ラクチド13’を水又は様々の乳酸の水溶液と接触させて、そして、異なる比率のラクチド13’及び水又は乳酸の水溶液を有する様々の混合物を製造した。沈殿又は懸濁固体として存在する固体内容物のすべてを溶解及び/又は加水分解して透明な溶液を得る時間を、様々の温度で決定した。
様々の温度での水中での固体ラクチドの溶解及び/又は加水分解として代表的なデータを図7に示す。特定の温度で滞留時間を増加させることは固体内容物の低減及び最終的には取り除きに導くことが、観察された。温度を増加させることはラクチド及び水の混合物の固体内容物を取り除くのに要求される時間を低減するということが理解され得る。
乳酸の存在及び/又は添加は、固体内容物を取り除くのに必要な時間の低減に導くことが、更に観察された。いかなる特定のメカニズムに拘束されることを望まないが、ラクトイル乳酸及び/又は乳酸へのラクチド3’の加水分解は、固体及びラクチド含有量を自触媒的に低減するのに有益であると考えられる。したがって、循環路7の反応器9中での及び/又は循環73の反応工程250での酸4’の存在は、エステル3’の含有量を低減する上で有益である。

本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
エステル(3’)に対応する酸(4’)を含有する水溶液(6’)と蒸気混合物(5’)とを接触させることによって、エステル(3’)を含有する蒸気混合物(5’)からエステル(3’)を除去する方法であって、
当該エステル(3’)の一部は、当該水溶液(6’)中に溶解しているか又はそうでなければ当該水溶液(6’)に移送され、当該接触後に当該水溶液(6’)は循環(73)中に導かれ、
当該水溶液(6’)は、
−加熱工程(240)
−滞留時間及び温度を有する反応工程(250)
−冷却工程(260)
を含むプロセスで、当該循環(73)中で処理されることを特徴とし、
当該加熱工程(240)は当該反応工程(250)に先行し、当該反応工程(250)は当該冷却工程(260)に先行し、そして、当該反応工程(250)における当該滞留時間及び当該温度は、当該水溶液(6’)中の当該エステル(3’)の含有量を実質的に低減するのに十分である、前記の方法。
[2]
当該エステル(3’)が、式Iのアルファ−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルであり、

式I
ここで、Rは、水素又は1〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝脂肪族基から成る群から選択され、そして、酸(4’)は、式Iのジエステルに対応する式IIのアルファ−ヒドロキシカルボン酸である、[1]に記載の方法。

式II
[3]
当該蒸気混合物(5’)が、ラクチド(13’)の開環重合によって調製されるポリ乳酸ポリマー(12’)の揮発分除去から得られる、[1]又は[2]のいずれかに記載の方法。
[4]
当該蒸気混合物(5’)が、当該水溶液(6’)との接触より前に、スチームエジェクタ(14)を通過する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の方法。
[5]
加熱工程の一部及び冷却工程の一部が、復熱器(11)中で起こる、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]
当該水溶液(6’)中の当該エステル(3’)の含有量が、反応工程(250)中で10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満に低減される、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]
当該反応工程(250)中の滞留時間が、少なくとも0.1分、好ましくは少なくとも1分、より好ましくは少なくとも5分、最も好ましくは少なくとも10分であり、そして、当該反応工程(250)中の温度が、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃、より好ましくは少なくとも40℃、最も好ましくは少なくとも60℃である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]
当該反応工程(250)中の滞留時間が0.10〜30分であり、そして、当該反応工程(250)中の温度が10〜95℃であり、好ましくは当該時間が0.5〜25分及び当該温度が20〜90℃、より好ましくは当該時間が0.75〜20分及び当該温度が40〜80℃、最も好ましくは当該時間が1〜15分及び当該温度が50〜75℃である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の方法。
[9]
追加された触媒(15)の存在下に当該反応工程(250)が起こる、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[10]
当該水溶液(6’)と当該蒸気混合物(5’)との接触が、少なくとも部分真空、好ましくは100mbar(100hPa)未満の真空、より好ましくは50mbar(50hPa)未満の真空、及び最も好ましくは30mbar(30hPa)未満の真空下に起こる、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の方法
[11]
−蒸気混合物(5’)を水溶液(6’)と接触させるための向流塔(2’)、
−当該塔(2’)と流体連通していてそして当該水溶液(6’)を循環させるための循環路(7):
を含む、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置(1)であって、
ここで、当該向流塔(2’)は、当該蒸気混合物(5’)用の第一の入口(211’)及び当該水溶液(6’)用の第二の入口(212’)及び当該水溶液(6’)用の出口(221’)を有し、しかも、当該循環路(7)は、当該水溶液(6’)用の入口(71’)及び出口(72’)を有し、そして、当該入口(71’)は、当該出口(221’)と流体連通しており、しかも、当該出口(72’)は、当該第二の入口(212’)と流体連通していることを特徴とし、
当該循環路(7)は:
−入口(81)及び出口(82)を有する加熱工程を実施するための第一の熱交換器(8)、
−入口(91)及び出口(92)を有する反応工程(250)用の反応器(9)、
−入口(101)及び出口(102)を有する冷却工程を実施するための第二の熱交換器(10)
を含み、
しかも、当該入口(81)は当該入口(71’)と流体連通しており、当該出口(82)は当該入口(91)と流体連通しており、当該出口(92)は当該入口(101)と流体連通しており、そして、当該出口(102)は当該出口(72’)と流体連通している、前記の装置。
[12]
当該装置(1)が、当該循環路(7)中の更なる冷却工程及び更なる加熱工程を実施するための復熱器(11)を更に含む、[11]の装置(1)。
[13]
当該装置(1)が、当該水溶液(6’)との接触より前に当該蒸気混合物(5’)が通過するスチームエジェクタ(14)を更に含み、しかも、当該エジェクタ(14)が入口(141)及び出口(142)を有し、そして、当該出口(142)が当該第一の入口(211’)と流体連通している、[11]又は[12]のいずれかの装置(1)。
[14]
当該装置(1)が、当該向流塔(2’)と流体連通している真空システム(16)を更に含む、[11]〜[13]のいずれか1項に記載の装置(1)。
[15]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の方法、好ましくはポリ乳酸ポリマー(12’)又はラクチド(13’)の製造、における、[11]〜[14]のいずれか1項に記載の装置(1)の使用。

Claims (14)

  1. エステル(3’)に対応する酸(4’)を含有する水溶液(6’)と蒸気混合物(5’)とを接触させることによって、エステル(3’)を含有する蒸気混合物(5’)からエステル(3’)を除去する方法であって、
    当該エステル(3’)の一部は、当該水溶液(6’)中に溶解させるか又はそうでなければ当該水溶液(6’)に移送され、当該接触後に当該水溶液(6’)は循環(73)中に導かれ、
    当該水溶液(6’)は、
    −加熱工程(240)
    −滞留時間及び温度を有する反応工程(250)
    −冷却工程(260)
    を含むプロセスで、当該循環(73)中で処理されることを特徴とし、
    当該加熱工程(240)は当該反応工程(250)に先行し、当該反応工程(250)は当該冷却工程(260)に先行し、そして、当該反応工程(250)における当該滞留時間及び当該温度は、当該エステル(3’)の溶解及び/又は加水分解を通して当該水溶液(6’)中の当該エステル(3’)の含有量を実質的に低減するのに十分である、前記の方法。
  2. 当該エステル(3’)が、式Iのアルファ−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルであり、

    式I
    ここで、Rは、水素又は1〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝脂肪族基から成る群から選択され、そして、酸(4’)は、式Iのジエステルに対応する式IIのアルファ−ヒドロキシカルボン酸である、請求項1に記載の方法。

    式II
  3. 当該蒸気混合物(5’)が、ラクチド(13’)の開環重合によって調製されるポリ乳酸ポリマー(12’)の揮発分除去から得られる、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4. 当該蒸気混合物(5’)が、当該水溶液(6’)との接触より前に、スチームエジェクタ(14)を通過する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 加熱工程の一部及び冷却工程の一部が、復熱器(11)中で起こる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 当該水溶液(6’)中の当該エステル(3’)の含有量が、反応工程(250)中で10重量%未満に低減される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 当該反応工程(250)中の滞留時間が、少なくとも0.1分であり、そして、当該反応工程(250)中の温度が、少なくとも10℃である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 当該反応工程(250)中の滞留時間が0.10〜30分であり、そして、当該反応工程(250)中の温度が10〜95℃である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 追加された触媒(15)の存在下に当該反応工程(250)が起こる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 当該水溶液(6’)と当該蒸気混合物(5’)との接触が、少なくとも部分真空下に起こる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法
  11. −蒸気混合物(5’)を水溶液(6’)と接触させるための向流塔(2’)、
    −当該塔(2’)と流体連通していてそして当該水溶液(6’)を循環させるための循環路(7):
    を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置(1)を含むポリエステルポリマーの製造用重合プラントであって、
    ここで、当該向流塔(2’)は、当該蒸気混合物(5’)用の第一の入口(211’)及び当該水溶液(6’)用の第二の入口(212’)及び当該水溶液(6’)用の出口(221’)を有し、しかも、当該循環路(7)は、当該水溶液(6’)用の入口(71’)及び出口(72’)を有し、そして、当該循環路(7)の当該入口(71’)は、当該向流塔(2’)の当該出口(221’)と流体連通しており、しかも、当該循環路(7)の当該出口(72’)は、当該向流塔(2’)の当該第二の入口(212’)と流体連通していることを特徴とし、
    当該循環路(7)は:
    −入口(81)及び出口(82)を有する加熱工程を実施するための第一の熱交換器(8)、
    −入口(91)及び出口(92)を有する反応器(9)であって、当該エステル(3’)の溶解及び/又は加水分解によって当該水溶液(6’)中の当該エステル(3’)の含有量が低減される反応工程(250)用に適切な反応器(9)
    −入口(101)及び出口(102)を有する冷却工程を実施するための第二の熱交換器(10)
    を含み、
    しかも、当該第一の熱交換器(8)の当該入口(81)は当該循環路(7)の当該入口(71’)と流体連通しており、当該第一の熱交換器(8)の当該出口(82)は当該反応器(9)の当該入口(91)と流体連通しており、当該反応器(9)の当該出口(92)は当該第二の熱交換器(10)の当該入口(101)と流体連通しており、そして、当該第二の熱交換器(10)の当該出口(102)は当該循環路(7)の当該出口(72’)と流体連通している、前記の重合プラント
  12. 当該装置(1)が、当該循環路(7)中の更なる冷却工程及び更なる加熱工程を実施するための復熱器(11)を更に含む、請求項11の重合プラント
  13. 当該装置(1)が、当該水溶液(6’)との接触より前に当該蒸気混合物(5’)が通過するスチームエジェクタ(14)を更に含み、しかも、当該エジェクタ(14)が入口(141)及び出口(142)を有し、そして、当該エジェクタ(14)の当該出口(142)が当該向流塔(2’)の当該第一の入口(211’)と流体連通している、請求項11又は12のいずれかの重合プラント
  14. 当該装置(1)が、当該向流塔(2’)と流体連通している真空システム(16)を更に含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の重合プラント
JP2015523451A 2012-07-24 2013-04-23 蒸気混合物からエステルを除去する方法 Active JP6117356B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP12177650.4 2012-07-24
EP12177650 2012-07-24
PCT/EP2013/058394 WO2014015999A1 (en) 2012-07-24 2013-04-23 Method for removing an ester from a vapor mixture

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015530916A JP2015530916A (ja) 2015-10-29
JP6117356B2 true JP6117356B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=48444337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015523451A Active JP6117356B2 (ja) 2012-07-24 2013-04-23 蒸気混合物からエステルを除去する方法

Country Status (18)

Country Link
US (1) US9700840B2 (ja)
EP (1) EP2854991B1 (ja)
JP (1) JP6117356B2 (ja)
KR (1) KR102052488B1 (ja)
CN (1) CN104619398B (ja)
AU (1) AU2013295366A1 (ja)
BR (1) BR112015001292B1 (ja)
CA (1) CA2879358C (ja)
DK (1) DK2854991T3 (ja)
ES (1) ES2799501T3 (ja)
IN (1) IN2015DN00377A (ja)
MX (1) MX357161B (ja)
MY (1) MY168977A (ja)
NZ (1) NZ703552A (ja)
PH (1) PH12015500173A1 (ja)
RU (1) RU2610759C2 (ja)
TW (1) TW201425378A (ja)
WO (1) WO2014015999A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2017003522A (es) 2014-09-17 2017-07-28 Sulzer Chemtech Ag Metodo para estabilizar una composicion de fase condensada que incluye un ester ciclico en un proceso de fabricacion de un poliester o de una lactida.
US10493248B2 (en) * 2016-11-09 2019-12-03 Medtronic Vascular, Inc. Chordae tendineae management devices for use with a valve prosthesis delivery system and methods of use thereof
BE1029670B1 (fr) 2021-08-02 2023-03-06 Futerro Sa Procédé de récupération de lactide et d'acide lactique lors des étapes de production de polylactide (PLA)
EP4140978A1 (fr) 2021-08-26 2023-03-01 Futerro S.A. Procédé de préparation d'acide acrylique ou d'ester d'acide acrylique par déshydratation catalytique à partir d'un flux de recyclage d'un procédé de production d'acide polylactique
CN114573797A (zh) * 2022-04-01 2022-06-03 温州邦鹿化工有限公司 一种丙交酯生产聚乳酸切片连续聚合工艺

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4708721A (en) 1984-12-03 1987-11-24 General Signal Corporation Solvent absorption and recovery system
US5266706A (en) 1990-10-23 1993-11-30 E. I. Du Pont De Nemours & Company Solvent scrubbing recovery of lactide and other dimeric cyclic esters
DE4040334C2 (de) * 1990-12-17 1999-12-02 Gewerk Keramchemie Verfahren und Vorrichtung zur Rückgewinnung von Lösungsmitteln aus einem Abluftstrom
JP3343477B2 (ja) * 1996-07-03 2002-11-11 株式会社神戸製鋼所 ポリ乳酸の製造方法
ATE229549T1 (de) * 1997-02-14 2002-12-15 Fortum Oil & Gas Oy Verfahren zur entfernung und gewinnung von laktid aus polylaktid
DE10316466A1 (de) 2003-04-09 2004-10-28 Basf Ag Kühlung und Reinigung von Gasströmen
JP4971433B2 (ja) * 2006-05-18 2012-07-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 炭化水素および酸素の共吸収を低減させた、流体流からの酸性のガスの除去
ES2359086T3 (es) 2007-09-03 2011-05-18 Uhde Inventa-Fischer Gmbh Procedimiento para purificar vapores de proceso en la preparación de polilactida.
WO2009121830A1 (en) 2008-03-31 2009-10-08 Purac Biochem Bv Method for manufacturing stable polylactide
RU2510990C2 (ru) 2008-07-31 2014-04-10 ПУРАК Биокем БВ Способ непрерывного получения сложных полиэфиров
DE102011017032A1 (de) * 2011-04-14 2012-10-18 Linde Aktiengesellschaft Verfahren und Anlage zur Abreicherung von Stickoxiden aus sauerstoffhaltigen Gasströmen

Also Published As

Publication number Publication date
DK2854991T3 (da) 2020-07-13
CN104619398A (zh) 2015-05-13
EP2854991B1 (en) 2020-04-08
NZ703552A (en) 2016-08-26
MX357161B (es) 2018-06-28
US20150151247A1 (en) 2015-06-04
MY168977A (en) 2019-01-29
US9700840B2 (en) 2017-07-11
RU2015105784A (ru) 2016-09-10
PH12015500173A1 (en) 2015-03-16
WO2014015999A1 (en) 2014-01-30
AU2013295366A1 (en) 2015-01-29
CA2879358A1 (en) 2014-01-30
ES2799501T3 (es) 2020-12-18
CN104619398B (zh) 2017-06-06
CA2879358C (en) 2020-09-15
TW201425378A (zh) 2014-07-01
IN2015DN00377A (ja) 2015-06-12
KR20150032592A (ko) 2015-03-26
EP2854991A1 (en) 2015-04-08
MX2015000960A (es) 2015-04-16
RU2610759C2 (ru) 2017-02-15
BR112015001292B1 (pt) 2021-07-06
BR112015001292A2 (pt) 2017-07-04
KR102052488B1 (ko) 2020-01-08
JP2015530916A (ja) 2015-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6117356B2 (ja) 蒸気混合物からエステルを除去する方法
RU2602820C2 (ru) Способ и устройство для извлечения лактида из полилактида или гликолида из полигликолида
RU2471791C2 (ru) Способ очистки технологических потоков при производстве дилактида или полилактида
JPH10504563A (ja) ラクチドの製造方法
KR101806256B1 (ko) 폴리하이드록시-카르복실산의 제조 방법
JP6457075B2 (ja) ポリエステルまたはラクチドを製造するプロセスにおける環状エステルを含む凝縮相組成物を安定化するための方法
JP2009298935A (ja) ラクチド及びポリ乳酸の合成方法及び装置
JP2014214166A (ja) ポリエステルの製造方法及び製造装置
JP5122046B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6117356

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250