JP6116894B2 - 膜体への膜材取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の固定側部材に張設されるなどした膜体に対し、他の膜体や太陽電池など、上記膜体以外の他の物体を取り付けた膜材を取り付けるようにするための膜体への膜材取付構造に関するものである。
例えば、上記物体を太陽電池とした場合の膜体への物体取付構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記膜体の上面に沿うよう太陽電池が設けられる。また、この太陽電池の外縁部をその外方から覆うようこの外縁部に沿って延びると共に、上記膜体に熱溶着により取り付けられる枠形状のブラケットが設けられる。そして、このブラケットにより上記膜体に対し上記太陽電池が取り付けられるようになっている。
上記構成において、膜体に太陽電池を取り付けるための取り付け作業をする場合には、通常、次のようにすることが考えられる。即ち、まず、膜体の面の所定位置に太陽電池を設置し、次に、この太陽電池の外縁部をその外方から覆うように上記ブラケットを設置する。そして、これら太陽電池とブラケットとを所定の相対位置を保持させたままで、このブラケットを上記膜体の上面に熱溶着すれば、上記取り付け作業が終る。
特開2012−43948号公報
ところで、上記したように、従来の膜体への太陽電池の取り付け作業では、上記膜体の上面の所定位置に対し太陽電池とブラケットとを所定の相対位置に保持させたままで、このブラケットを上記膜体の上面の所定位置に熱溶着することが行われる。このため、上記した取り付け作業では複数の作業を同時進行させる必要が生じることから、この取り付け作業は煩雑になるおそれがある。また、特に、この取り付け作業を現場で行う場合には、作業環境が低下しがちとなるため、その分、この取り付け作業は更に煩雑になるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、膜体への他の膜体や太陽電池などの物体を取り付けた膜材の取り付け作業や、この物体の修理、交換等の際における上記膜体からの上記他の膜体または膜材の取り外し作業が容易にできるようにすることである。
請求項1の発明は、膜体3に対しこの膜体3以外の他の膜材7を取り付け可能とするための膜体への膜材取付構造において、
上記膜体3の面に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部16が上記膜体3の面に結合され、他端縁部17が上記一端縁部16に比べて厚肉とされる連結部材18と、その長手方向Aの各部で上記膜材7の外縁部がわに設けられた被係止部29を係止する係止具13を備え、前記係止具13は、前記係止具13の長手方向に向かって延びるように上記係止具13の幅方向の略中央位置に形成された連結溝21と、上記係止具13の長手方向に向かって延びるように上記係止具13の幅方向の左右両端にそれぞれ形成された係止溝31とを有し、上記連結溝21の長手方向の各部断面形状においてそれぞれその開口の内幅寸法よりも内底部25の内幅寸法が大きくされており、上記連結溝21の内底部25と上記連結部材18の他端縁部17とが上記長手方向で嵌合することにより上記連結部材18を介し上記係止具13が膜体3に連結されるようにし、上記係止溝31の長手方向の各部断面形状においてそれぞれその開口33の内幅寸法よりも内底部34の内幅寸法が大きくされており、上記係止溝31の内底部34と上記被係止部29とが上記長手方向で嵌合することにより上記係止具13に膜材7が係止されるようにしたことを特徴とする膜体への膜材取付構造である。
請求項の発明は、上記連結部材18が、上記長手方向Aに沿った視線で見た(図1)各部断面形状においてそれぞれ二枚折りとなるよう屈曲され、上記各部断面形状における屈曲部とは反対側の端縁部が上記連結部材18の上記一端縁部16を構成する連結膜材19と、この連結膜材19の屈曲部の内部に挿入され、この屈曲部と共に上記連結部材18の上記他端縁部17を構成する可撓性長尺材20とを有したことを特徴とする請求項に記載の膜体への膜材取付構造である。
請求項の発明は、上記膜材7がわに上記被係止部29を外嵌させてかしめることにより固着したことを特徴とする請求項に記載の膜体への膜材取付構造である。
請求項の発明は、上記係止具13をその長手方向Aに複数列設し、隣り合う両係止具13,13の互いの対向端部同士を繋ぐ連繋具37を設けたことを特徴とする請求項1からのうちいずれか1つに記載の膜体への膜材取付構造である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、膜体に対しこの膜体以外の他の複数の膜材並列に並べて取り付け可能とするための膜体への膜材取付構造において、
上記膜体の面に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記膜体の面に結合され、他端縁部が上記一端縁部に比べて厚肉とされる連結部材と、その長手方向の各部で上記膜材の外縁部がわに設けられた被係止部、当該外縁部に沿って係脱可能に係止する係止具を備え、前記係止具は、前記係止具の長手方向に向かって延びるように上記係止具の幅方向の略中央位置に形成された連結溝と、上記係止具の長手方向に向かって延びるように上記係止具の幅方向の左右両端にそれぞれ形成された係止溝とを有し、上記連結溝の長手方向の各部断面形状においてそれぞれその開口の内幅寸法よりも内底部の内幅寸法が大きくされており、上記連結溝の内底部と上記連結部材の他端縁部とが上記長手方向で嵌合することにより上記連結部材を介し上記係止具が膜体に連結されるようにし、上記係止溝の長手方向の各部断面形状においてそれぞれその開口の内幅寸法よりも内底部の内幅寸法が大きくされており、上記係止溝の内底部と上記被係止部とが上記長手方向で嵌合することにより上記係止具に膜材が係止されるようにされている
このため、膜体への膜材の取り付け、取り外し作業は、膜体への膜材の取り付けをバンドやロープを用いることに比べ、上記係止具に対し簡単な作業である係脱作業により達成されることから、上記膜体に膜材を取り付けるための取り付け作業や、この物体の修理、交換等の際における上記膜体からの上記膜材の取り外し作業は容易にできる。
特に、上記膜体への膜材の取り付け作業が、固定側部材への膜体の張設後になされる現場作業である場合には、予め、工場など作業環境のよいところで、膜体に対し連結部材を取り付け、次に、この連結部材を取り付けた膜体を固定側部材に張設し、その後、上記連結部材に取り付けられた係止具に対し簡単な作業である係止作業により上記膜材を係止させることができる。そして、このようにすれば、上記膜体への膜材の取り付け作業が現場作業であるとしても、この取り付け作業は容易にできる。また、すでに施工されている固定側部材に張設された膜体に対し、後から連結部材を取り付け、以後同様に上記した作業をしてもよく、この場合にも、上記膜材の取り付け作業は容易にできる。
また、上記膜体に膜材を取り付ける場合に、バンドやロープを用いることに比べて、上記係止具が膜材の面上で占有する面積は、より小さくできる。よって、その分、複数の膜材を互いに密に配置できて、膜体の面への膜材の設置効率が向上すると共に美観も向上する。ここで、仮に、この物体が太陽電池である場合には、これら太陽電池を互いに密に配置できることから、膜体の単位面積当たりの発電量を向上させることができて有益である。
しかも、膜体に結合された連結部材への係止具の連結作業は、上記連材の他端縁部と係止具の連結溝との互いの嵌合という簡単な作業により達成されることから、その分、膜体への膜材の取り付け作業や、修理、交換等の際における取り外し作業が、より容易にできる。
さらに、上記係止具への膜材がわの被係止部の係止構造は、前記した連結部材と同様に単純な構造であることから、上記係止具と被係止部とを用いての膜体への膜材の取り付けは、より簡単な構成で達成される。
請求項の発明は、上記連結部材が、上記長手方向に沿った視線で見た各部断面形状においてそれぞれ二枚折りとなるよう屈曲され、上記各部断面形状における屈曲部とは反対側の端縁部が上記連結部材の上記一端縁部を構成する連結膜材と、この連結膜材の屈曲部の内部に挿入され、この屈曲部と共に上記連結部材の上記他端縁部を構成する可撓性長尺材とを有している。
このため、上記連結部材は、単純な構造である二枚折りの連結膜材と長尺材とにより構成されることから、上記膜体への膜材の取り付けは簡単な構成で達成される。
請求項の発明は、上記膜材がわに上記被係止部を外嵌させてかしめることにより固着している。
このため、上記膜材がわへの上記被係止部の固着は、かしめという単純な作業で強固にできることから、その分、膜体への膜材の取り付け作業が容易にでき、また、膜体への膜材の取り付けが強固にできる。
また、上記膜材がわへの被係止部の固着は、この被係止部を上記膜材がわに外嵌させてかしめるというものである。
このため、上記膜材がわへの被係止部の固着後には、この被係止部によって上記膜材がわは覆い隠されることとなる。よって、この膜材がわの形成時、この膜材がわを切断したままの状態にしておくなど仕上げ加工をしないで足り、その分、膜体への膜材の取り付け作業が、より容易にできる。
また、上記膜材の少なくとも外縁部がわが繊維製である場合には、この膜材の外縁部がわへの被係止部の外嵌とかしめとにより、上記膜材の外縁部がわを補強でき、その繊維のほつれの発生を防止できる。よって、上記膜体への膜材の取り付けが強固にでき、かつ、この取り付け状態の寿命を向上させることができる。
請求項の発明は、上記係止具をその長手方向に複数列設し、隣り合う両係止具の互いの対向端部同士を繋ぐ連繋具を設けている。
このため、上記両係止具を連繋具により膜体の面方向に向かって連続的に整然と連結させることができる。よって、上記各係止具に係止させられる各膜材も整然と設置できることから、膜体への各膜材の取り付け作業を同一作業で次々とすることができ、これら各膜材の取り付け作業が容易かつ円滑にできる。また、上記各膜材を整然と設置させることにより、これら膜材を互いに密に配置できて膜体の面への膜材の設置効率が、より向上する。
また、上記両係止具同士が相対変位しようとすることは上記連繋具により防止される。よって、上記両係止具間における膜体や膜材の部分が上記相対変位により損傷することは防止されて、これらの寿命の向上が達成可能とされる。
実施例1を示し、装置の部分側面図である。 実施例1を示し、図1で示したものの部分破断斜視展開図である。 実施例2を示し、図1に相当する図である。
本発明の膜体への膜材取付構造に関し、膜体への他の膜体や太陽電池などの物体を取り付けた膜材の取り付け作業や、この物体の修理、交換等の際における上記膜体からの上記膜材の取り外し作業が容易にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、膜体に対しこの膜体以外の他の複数の膜材並列に並べて取り付け可能とするための膜体への膜材取付構造において、
上記膜体の面に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記膜体の面に結合され、他端縁部が上記一端縁部に比べて厚肉とされる連結部材と、その長手方向の各部で上記膜材の外縁部がわに設けられた被係止部を、当該外縁部に沿って係脱可能に係止する係止具を備えている。
なお、上記膜材としては、上記係止具に取り付けできるものであればよく、膜体や、太陽電池等が適用可能であるが、少なくとも上記係止具に係止される膜材の外縁部がわは可撓性を有することが好ましい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1,2に従って説明する。
図1,2において、符号1は、テント式建造物である。この建造物1の固定側部材2である各梁に対し膜体3の面方向の外縁部がこれら外縁部に設けられたハトメを介しレーシングロープ4により連結されている。そして、上記膜体3は、その面方向にある程度の引張力が与えられた状態で、上記各固定側部材2に張設されている。
上記膜体3はほぼ水平に延び、この膜体3の上面には、その面方向に沿ってこの膜体3以外の他の複数の物体が取り付けられた膜材7が並設され、これら各膜材7を上記膜体3の上面に取り付け、取り外し可能とする膜材取付構造8が設けられている。具体的には、上記膜材は可撓性板形状の太陽電池9が取り付けられており、これら各太陽電池9はそれぞれ上記膜体3の上面に沿って延び、碁盤目状に設置される。なお、上記膜体3は、斜め方向や縦方向に延びるよう各固定側部材2に張設させてもよい。
上記膜体3は、ケナフ繊維等の天然繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維、もしくはガラス繊維等の無機繊維等により形成される織物である基材と、この基材の表裏の各外面に被覆(コーティング)されるポリ塩化ビニル(PVC)やフッ素樹脂など熱可塑性樹脂材製の外面材(コーティング材)とを備えている。なお、上記膜体3の上、下面の各外面材は、少なくとも熱により溶着する部分の外面がポリ塩化ビニルやフッ素樹脂等の熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、この膜体3の他の部分の外面には、汚れ防止のための光触媒層等を設けていてもよいし、もしくは、上記熱可塑性樹脂に光触媒粒子を含有させることにより光触媒層としてもよい。
上記各太陽電池9は、それぞれ上記膜体3の面方向の一方向に長く延びる長方形をなし、互いに同形同大とされている。これら各太陽電池9は、詳図しないが、その表面で太陽光を受光してその光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子と、この太陽電池素子を全体的に覆ってこの太陽電池素子の外面に固着される表面材と、上記太陽電池素子の電気エネルギーを集めて外部に出力する端子ボックスとを備えている。上記太陽電池9の表面材は、フッ素樹脂など熱可塑性樹脂材製の透明なフィルムとされ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)等により形成される。
上記膜材取付構造8につき、以下詳しく説明する。
上記膜材取付構造8は、上記膜体3の面方向で互いに離れて位置し、上記膜体3の上面に沿って互いに平行に長く延び、それぞれ上記膜体3の上面の所定位置に結合される複数本の連結部材18と、これら各連結部材18の上方近傍に位置して、これら各連結部材18に沿ってそれぞれ長く延び、これら各連結部材18によりそれぞれ上記膜体3の上面の所定位置に連結される複数本の係止具13とを備えている。この係止具13は、アルミ合金など軽金属製とされるが、硬質の樹脂製としてもよい。
上記膜体3の面方向かつ上記係止具13の長手方向Aに直交する直交方向Bにおいて互いに隣り合う両係止具13,13は、膜体3の面方向で上記太陽電池9を挟むよう位置している。そして、上記両係止具13,13は、上記直交方向Bでの上記太陽電池9が取り付けられた膜材7の各外縁部がわを上記各係止具13の長手方向Aの各部で係脱可能に係止する。
上記連結部材18は、上記膜体3の上面に沿って上記長手方向Aに延び、この長手方向Aの各部における幅方向の一端縁部16が上記膜体3の上面に熱溶着Wにより結合され、他端縁部17が上記一端縁部16に比べて厚肉とされる。なお、上記膜体3への連結部材18の一端縁部16の結合は、縫着や接着によるものであってもよい。
上記連結部材18は、上記長手方向Aに沿った視線で見た(図1)各部断面形状においてそれぞれ二枚折りとなるよう屈曲され、上記各部断面形状における屈曲部とは反対側の端縁部が上記連結部材18の一端縁部16を構成する連結膜材19と、この連結膜材19の屈曲部の内部に挿入され、この屈曲部と共に上記連結部材18の他端縁部17を構成する可撓性長尺材20とを有している。
上記連結部材18の一端縁部16では、上記連結膜材19の幅方向の各端縁部が互いに逆方向に向かうよう屈曲してそれぞれ上記膜体3の上面に面接触して結合される。また、上記連結部材18の他端縁部17では、上記連結膜材19の幅方向中途部の屈曲部を袋状に加工することで、その長手方向Aの各部断面が環形状とされている。
上記連結膜材19は、上記膜体3と同様の材質、構造を有する膜材製とされる。また、上記長尺材20は、繊維製ロープや、金属、樹脂、もしくはゴム製の棒やパイプ製とされる。
また、上記係止具13は、上記係止具13の長手方向Aに向かって延びるよう形成される連結溝21を有し、この連結溝21は、上記係止具13の幅方向の中央部における上記膜体3がわの部分に形成される。また、上記連結溝21は、上記係止具13の長手方向Aの各部断面形状において、それぞれその開口24の内幅寸法よりも内底部25の内幅寸法が大きくなるよう形成される。
そして、上記連結溝21の開口24と、上記連結部材18における他端縁部17の一端縁部16がわの端部とが上記長手方向Aで嵌合すると共に、上記連結溝21の内底部25と、上記連結部材18の他端縁部17とが上記長手方向Aで嵌合することにより、上記連結部材18を介し上記係止具13が膜体3に連結される。
上記直交方向Bで隣り合う両係止具13,13の間における膜体3の上面に支持膜材28が設けられ、この支持膜材28の内縁部がわの端部、もしくは上面に上記太陽電池9が接着や溶着により結合される。上記支持膜材28は上記太陽電池9の表面材、もしくは膜体3と同様の材質、構造を有する膜材製とされる。なお、太陽電池9の表面材を延長すれば、上記支持膜材28は不要とすることが可能である。
上記太陽電池9の外縁部がわである上記直交方向Bでの上記支持膜材28の外縁部には、この支持膜材28の外縁部に沿って長く延びる被係止部29が固着される。この場合、被係止部29はアルミ合金製など軽金属製とされ、その長手方向Aの各部断面はU字形状とされる。そして、この被係止部29は上記支持膜材28の外縁部に外嵌され、かしめられることにより、この支持膜材28の外縁部に固着される。この場合、上記被係止部29の内部において互いに対面する両対向面はそれぞれジグザグ形状とされ、上記かしめにより上記支持膜材28の外縁部を挟んで互いに噛合する。このため、この支持膜材28の外縁部に対し上記被係止部29は強固に固着される。
一方、上記係止具13の長手方向Aの各部における幅方向(直交方向B)の各端部には、それぞれその長手方向Aに向かって延びるよう係止溝31が形成される。これら各係止溝31は、上記係止具13の長手方向Aの各部断面形状において、それぞれその開口33の内幅寸法よりも内底部34の内幅寸法が大きくなるよう形成される。
そして、上記係止溝31の開口33と上記支持膜材28の外縁部とが上記長手方向Aで嵌合すると共に、上記係止溝31の内底部34と上記被係止部29とが上記長手方向Aで嵌合することにより、上記支持膜材28と被係止部29とを介し上記物体が取り付けられた膜材7が上記係止具13に係止される。
上記係止具13はその長手方向Aに複数本が列設される。この場合、単一本の連結部材18により複数本の係止具13が膜体3に連結される。また、上記長手方向Aで隣り合う両係止具13,13の互いの対向端部同士を繋ぐ連繋具37が設けられる。
上記連繋具37は、上記係止具13にその長手方向Aに向かって延びるよう形成される断面蟻溝形状の連繋溝38と、上記両係止具13,13の互いの対向端部において各連繋溝38の内底部に上記長手方向Aから嵌入される鍔39a付きの連繋軸39とを有している。なお、上記連繋溝38は、これに代えて連繋孔であってもよく、上記連繋軸39は鍔39aのない金属や樹脂製の棒やパイプなどの長尺材であってもよい。
上記構成によれば、膜体3の面に沿って長く延び、この膜体3の所定位置に連結部材18により連結される一方、その長手方向Aの各部で膜材7の外縁部がわを係止する係止具13を備えている。
このため、膜体3への膜材7の取り付け、取り外し作業は、膜体3への膜材7の取り付けをバンドやロープを用いることに比べ、上記係止具13に対し簡単な作業である係脱作業により達成されることから、上記膜体3に膜材7を取り付けるための取り付け作業や、この膜材7に取り付けられた物体の修理、交換等の際における上記膜体3からの上記膜材7の取り外し作業は容易にできる。
特に、上記膜体3への膜材7の取り付け作業が、固定側部材2への膜体3の張設後になされる現場作業である場合には、予め、工場など作業環境のよいところで、膜体3に対し連結部材18を取り付け、次に、この連結部材18を取り付けた膜体3を固定側部材2に張設し、その後、上記連結部材18に取り付けられた係止具13に対し簡単な作業である係止作業により上記膜材7を係止させることができる。そして、このようにすれば、上記膜体3への膜材7の取り付け作業が現場作業であるとしても、この取り付け作業は容易にできる。また、すでに施工されている固定側部材2に張設された膜体3に対し、後から連結部材18を取り付け、以後同様に上記した作業をしてもよく、この場合にも、上記膜材7の取り付け作業は容易にできる。
また、上記膜体3に膜材7を取り付ける場合に、バンドやロープを用いることに比べて、上記係止具13が膜体3の面上で占有する面積は、より小さくできる。よって、その分、複数の膜材7を互いに密に配置できて、膜体3の面への膜材7の設置効率が向上すると共に美観も向上する。ここで、仮に、この膜材に取り付けられた物体が太陽電池9である場合には、これら太陽電池9を互いに密に配置できることから、膜体3の単位面積当たりの発電量を向上させることができて有益である。
また、前記したように、連結部材18が、上記膜体3の面に沿って延び、その幅方向の一端縁部16が上記膜体3の面に結合され、他端縁部17が上記一端縁部16に比べて厚肉とされるとともに、上記係止具13が、その長手方向Aに向かって延びるよう形成され、この長手方向Aの各部断面形状においてそれぞれその開口24の内幅寸法よりも内底部25の内幅寸法が大きくされた連結溝21を有し、この連結溝21の内底部25と上記連結部材18の他端縁部17とが上記長手方向Aで嵌合して上記連結部材18を介し上記係止具13が膜体3に連結されるようにしている。
このため、膜体3に結合された連結部材18への係止具13の連結作業は、上記連結膜材19の他端縁部17と係止具13の連結溝21との互いの嵌合という簡単な作業により達成されることから、その分、膜体3への膜材7の取り付け作業や、物体の修理、交換等の際における取り外し作業が、より容易にできる。
また、前記したように、連結部材18が、上記長手方向Aに沿った視線で見た(図1)各部断面形状においてそれぞれ二枚折りとなるよう屈曲され、上記各部断面形状における屈曲部とは反対側の端縁部が上記連結部材18の上記一端縁部16を構成する連結膜材19と、この連結膜材19の屈曲部の内部に挿入され、この屈曲部と共に上記連結部材18の上記他端縁部17を構成する可撓性長尺材20とを有している。
このため、上記連結部材18は、単純な構造である二枚折りの連結膜材19と長尺材20とにより構成されることから、上記連結部材18介しての膜体3への膜材7の取り付けは簡単な構成で達成される。
また、前記したように、膜材7がわに固着される被係止部29を設ける一方、上記係止具13にその長手方向Aに向かって延びるよう形成され、この長手方向Aの各部断面形状においてそれぞれその開口33の内幅寸法よりも内底部34の内幅寸法が大きくされた係止溝31を設け、この係止溝31の内底部34と上記被係止部29とが上記長手方向Aで嵌合して上記係止具13に膜材7が係止されるようにしている。
このため、上記係止具13への膜材7がわの被係止部29の係止構造は、前記した連結部材18と同様に単純な構造であることから、上記係止具13と被係止部29とを用いての膜体3への膜材7の取り付けは、より簡単な構成で達成される。
また、前記したように、膜材7がわに上記被係止部29を外嵌させてかしめることにより固着している。
このため、上記膜材7がわへの上記被係止部29の固着は、かしめという単純な作業で強固にできることから、その分、膜体3への膜材7の取り付け作業が容易にでき、また、膜体3への膜材7の取り付けが強固にできる。
また、上記膜材7がわへの被係止部29の固着は、この被係止部29を上記膜材7がわに外嵌させてかしめるというものである。
このため、上記膜材7がわへの被係止部29の固着後には、この被係止部29によって上記膜材7がわは覆い隠されることとなる。よって、この膜材7がわの形成時、この膜材7がわを切断したままの状態にしておくなど仕上げ加工をしないで足り、その分、膜体3への膜材7の取り付け作業が、より容易にできる。
また、上記膜材7の少なくとも外縁部がわが繊維製である場合には、この膜材7の外縁部がわへの被係止部29の外嵌とかしめとにより、上記膜材7の外縁部がわを補強でき、その繊維のほつれの発生を防止できる。よって、上記膜体3への膜材7の取り付けが強固にでき、かつ、この取り付け状態の寿命を向上させることができる。
また、前記したように、係止具13をその長手方向Aに複数列設し、隣り合う両係止具13,13の互いの対向端部同士を繋ぐ連繋具37を設けている。
このため、上記両係止具13,13を連繋具37により膜体3の面方向に向かって連続的に整然と連結させることができる。よって、上記各係止具13に係止させられる各膜材7も整然と設置できることから、膜体3への各膜材7の取り付け作業を同一作業で次々とすることができ、これら各膜材7の取り付け作業が容易かつ円滑にできる。また、上記各膜材7を整然と設置させることにより、これら膜材7を互いに密に配置できて膜体3の面への膜材7の設置効率が、より向上する。
また、上記両係止具13,13同士が相対変位しようとすることは上記連繋具37により防止される。よって、上記両係止具13,13間における膜体3や膜材7の部分が上記相対変位により損傷することは防止されて、これらの寿命の向上が達成可能とされる。
なお、以上は図示の例によるが、係止具13への膜材7の外縁部がわの係止は、この膜材7がわに弾性変形可能なフックを設け、このフックを上記直交方向Bから上記係止具13の係止溝31もしくは係止孔に嵌入させて係止させるようにしてもよい。
また、上記係止具13への膜材7の係止は、この膜材7の外縁部にロープやゴム、樹脂や金属製の長尺体を設け、この長尺体を上記長手方向Aから上記係止具13の係止溝31に挿入させて係止させるようにしてもよい。また、膜材7の外縁部がわである上記支持膜材28の外縁部を袋状に加工し、その内部に上記ロープやゴム、樹脂や金属製の長尺体を挿入し、この長尺体の挿入により厚肉とされた部分を上記係止具13の係止溝31に挿入させて係止させるようにしてもよい。
以下の図3は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図3に従って説明する。
図3において、上記膜体3の下面をその下方から覆う他の膜体として内装膜体43が設けられ、この内装膜体43は上記膜材7に相当する。上記膜体3の下面に連結部材18により係止具13が連結される。
そして、上記内装膜体43の各外縁部に被係止部29が固着され、この被係止部29が、上記膜体3の下面の係止具13に係止されるようになっている。
なお、上記係止具13には連繋具37が設けられていない。
1 建造物
2 固定側部材
3 膜体
7 物体が取り付けられた膜材
膜材取付装置
9 太陽電池
13 係止具
16 一端縁部
17 他端縁部
18 連結部材
19 連結膜材
20 長尺材
21 連結溝
24 開口
25 内底部
28 支持膜材
29 被係止部
31 係止溝
33 開口
34 内底部
37 連繋具
38 連繋溝
39 連繋軸
39a 鍔
43 内装膜体
A 長手方向
B 直交方向
W 熱溶着

Claims (4)

  1. 膜体に対しこの膜体以外の他の複数の膜材並列に並べて取り付け可能とするための膜体への膜材取付構造において、
    上記膜体の面に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記膜体の面に結合され、他端縁部が上記一端縁部に比べて厚肉とされる連結部材と、
    その長手方向の各部で上記膜材の外縁部がわに設けられた被係止部、当該外縁部に沿って係脱可能に係止する係止具と、を備え
    前記係止具は、前記係止具の長手方向に向かって延びるように上記係止具の幅方向の略中央位置に形成された連結溝と、上記係止具の長手方向に向かって延びるように上記係止具の幅方向の左右両端にそれぞれ形成された係止溝とを有し、
    上記連結溝の長手方向の各部断面形状においてそれぞれその開口の内幅寸法よりも内底部の内幅寸法が大きくされており、上記連結溝の内底部と上記連結部材の他端縁部とが上記長手方向で嵌合することにより上記連結部材を介し上記係止具が膜体に連結されるようにし、
    上記係止溝の長手方向の各部断面形状においてそれぞれその開口の内幅寸法よりも内底部の内幅寸法が大きくされており、上記係止溝の内底部と上記被係止部とが上記長手方向で嵌合することにより上記係止具に膜材が係止されるようにしたことを特徴とする膜体への膜材取付構造。
  2. 上記連結部材が、上記長手方向に沿った視線で見た各部断面形状においてそれぞれ二枚折りとなるよう屈曲され、上記各部断面形状における屈曲部とは反対側の端縁部が上記連結部材の上記一端縁部を構成する連結膜材と、この連結膜材の屈曲部の内部に挿入され、この屈曲部と共に上記連結部材の上記他端縁部を構成する可撓性長尺材とを有したことを特徴とする請求項に記載の膜体への膜材取付構造。
  3. 上記膜材がわに上記被係止部を外嵌させてかしめることにより固着したことを特徴とする請求項に記載の膜体への膜材取付構造。
  4. 上記係止具をその長手方向に複数列設し、隣り合う両係止具の互いの対向端部同士を繋ぐ連繋具を設けたことを特徴とする請求項1からのうちいずれか1つに記載の膜体への膜材取付構造。
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