JP6116834B2 - Iv族金属酸化物膜の作製方法 - Google Patents

Iv族金属酸化物膜の作製方法 Download PDF

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本発明は、半導体素子や光学素子などとして用いられるケイ素酸化物及びチタン酸化物の製膜用材料、その製膜用材料溶液及び製膜用材料溶液を用いたIV族金属酸化物膜の作製方法に関する。ただし、本文で記載するIV族金属酸化物は周期表の4族及び14族元素の酸化物を表す。
ケイ素酸化物及びチタン酸化物などIV族金属酸化物の膜は、組成や結晶構造などの違いに基づき、多様な比誘電率や電気抵抗率などの電気的性質や、光透過率や屈折率などの光学的性質を示す。このためIV族金属酸化物膜は半導体素子や光学素子などとして多くのデバイスに用いられ、今後もその産業上の有用性は更に高まるものと期待されている。IV族金属酸化物膜を作製する手法としては、大別すると乾式法と湿式法の二つが挙げられる。乾式法には、スパッタリング法、イオンプレーティング、蒸着法、CVD法などがあるが、これらの製膜方法では一般的に大型の真空装置を必要とする。湿式法には、ゾル−ゲル法、有機金属塗布分解法(Metal Organic Deposition; MOD法)などがある。湿式法によってIV族金属酸化物膜を作製する場合、得られるIV族金属酸化物膜の品質は、製膜用材料の種類、製膜温度に大きな影響を受ける。非特許文献1には、tert−ブトキシ基を有するSi(BuNCH=CHNBu)(OBu)とその合成方法が開示されているが、該ケイ素化合物をケイ素含有薄膜作製用の材料として用いることに関する記載は一切無い。特許文献1には、炭素数1から3の無置換のアルキルオキシ基を有するジアザシラシクロペンテン誘導体、その合成方法及びそれを材料として用いるCVD法による酸化ケイ素薄膜の製造法が開示されている。しかし、該ジアザシラシクロペンテン誘導体を酸化剤と反応させることによって、湿式法による製膜プロセスに適した製膜用材料が得られるとの記載は一切無い。特許文献2には炭素数1から16のフッ素原子で置換されていても良いアルキルオキシ基を有するジアザチタナシクロペンテン骨格を有するチタン錯体、その製造方法及びそれを材料として用いるCVD法による酸化チタン薄膜の製造法が開示されている。しかし、該チタン錯体を酸化剤と反応させることによって、湿式法による製膜に適した製膜用材料が得られるとの記載は一切無い。
また、非特許文献2、非特許文献3及び非特許文献4にはチタン原子を有する架橋型酸素原子によって架橋されているチタン化合物について記載されている。しかしながら、非特許文献2、非特許文献3及び非特許文献4には、該チタン化合物を製膜用材料溶液として用いることやIV金属酸化物膜については一切記載が無い。
特許文献3には、チタン原子を有する架橋型酸素原子によって架橋されているチタン化合物の溶液及びその溶液より作製された酸化物膜について記載されている。特許文献3に記載の酸化物膜は、ゾル液から作製された酸化物膜である。
特開2010−265257号公報 特開2010−30986号公報 特許第4633628号
Organometallics、第23巻、6330ページ(2004年) Jornal of the American Chemical Society、第115巻、8469ページ(1993年) New Jornal of chemistry、第23巻、1079ページ(1999年) Sol−Gel Commercialization and Applications: Proceedings of the Symposium at the 102nd Annual Meeting of The American Ceramic Society、 held May 1−2、 2000、 in St. Louis、 Missouri、 Ceramic Transactions、 Volume 123、49ページ(2001年)。
ゾル−ゲル法には、再現性が悪い点、作製したIV族金属酸化物膜の表面粗さが大きい点などの短所に加え、高い製膜温度を要するという短所がある。また、従来のMOD法では、IV族金属酸化物膜作製用材料として室温の大気中では分解しないアルコキソ錯体などが用いられているが、これらを確実に熱分解させて有用性の高いIV族金属酸化物膜を作製するためには高い製膜温度を要する。しかし、半導体素子や光学素子を製造する場合には、複数の異なる金属酸化物膜を積層するのが一般的であり、各層の間の相互拡散や剥離などのトラブルを防ぐためには、できるだけ低い温度で薄膜を作製することが求められるので、製膜時の基板温度は低い方が好ましい。また、近年は熱に弱い樹脂基板などの表面に金属酸化物膜を作製する技術の確立も強く求められている。すなわち、半導体素子や光学素子として有用なIV族金属酸化物膜を、できるだけ低い温度で作製することが可能なIV族金属酸化物膜作製方法及びIV族金属酸化物製膜用材料が求められている。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビニレンジアミド錯体を酸化剤と反応させることによって製膜用材料を製造し、その製膜用材料を用いることによってIV族金属酸化物膜を作製できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 0006116834
(式中、Mはチタン原子又はケイ素原子を表す。R及びRは各々独立に炭素数3から12のアルキル基を表す。R及びRは各々独立に、水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を表す。Rは、フッ素原子で置換されていても良い炭素数1から12のアルキル基を表す。)で示されるビニレンジアミド錯体を、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素からなる群から選ばれる一種類以上の酸化剤と反応させることにより製造される製膜用材料に関する。
また本発明は、製膜用材料及び有機溶媒を含む製膜用材料溶液に関する。
さらに、製膜用材料溶液を基板表面に塗布し、該基板を熱処理及び/又は紫外線照射処理するIV族金属酸化物膜を作製方法に関する。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。まず、R、R、R、R及びRの定義について説明する。R及びRで表される炭素数3から12のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれのものでも良い。具体的にはプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基などを例示することができる。
電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、R及びRは各々独立に炭素数3から8のアルキル基であることが好ましく、炭素数3から5の第二級又は第三級アルキル基であることが更に好ましく、イソプロピル基、tert−ブチル基又はtert−ペンチル基であることが殊更好ましい。
及びRは各々独立に、水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を表し、炭素数1から4のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれのものでも良く、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などを例示することができる。電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、R及びRは水素原子であることが好ましい。
で表される炭素数1から12のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれのものでも良く、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基などを例示することができる。
これらはフッ素原子で置換されていても良く、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、2,2−ジフルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ぺルフルオロプロピル基、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロイソペンチル基、ペルフルオロネオペンチル基、ペルフルオロ−tert−ペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、ペルフルオロウンデシル基、ペルフルオロドデシルなどを例示することができる。
電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、Rはフッ素原子で置換されていない炭素数1から4のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であることが殊更好ましい。
Mは、チタン原子又はケイ素原子を表し、その中でもチタン原子が好ましい。
具体的な一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体としては、例えば(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシチタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OMe))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OMe))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシチタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OMe))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシチタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OMe))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシチタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OEt))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OEt))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシチタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OEt))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシチタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OEt))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシチタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシチタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OPr))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシチタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OPr))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OPr))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OPr))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシチタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシチタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OBu))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシチタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OBu))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシチタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシチタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OBu))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシチタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OBu))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシチタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OPe))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPe))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)チタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)チタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)チタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OCHCF)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)チタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OCHCF)、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OCH(CF)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OCH(CF)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OCH(CF)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)チタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OCH(CF)、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)チタン(Ti(PrNCH=CHNPr)(OCHCHCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)チタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OCHCHCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)チタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OCHCHCHCF)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビスビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)チタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OCHCHCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシチタン(Ti(PeNCH=CHNPe)(OPe))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシチタン(Ti(OctNCH=CHNOct)(OPe))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−
ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシシラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OMe))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OMe))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシシラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OMe))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジメトキシシラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OMe))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシシラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OEt))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OEt))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシシラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OEt))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシシラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OEt))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシシラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシシラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OPr))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジプロポキシシラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OPr))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシシラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OPr))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシシラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OPr))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシシラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OPr))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシシラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシシラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OBu))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−sec−ブトキシシラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OBu))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシシラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OBu))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシシラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OBu))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ブトキシシラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OBu))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシシラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OPe))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OPe))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシシラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OPe))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジ−tert−ペンチルオキシシラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OPe))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)シラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)シラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)シラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OCHCF)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2,2,2−トリフルオロエチルオキシ)シラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OCHCF)、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OCH(CF)Me))、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OCH(CF)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OCH(CF)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OCH(CF)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ)シラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OCH(CF)、(N,N’−ジイソプロピル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)シラン(Si(PrNCH=CHNPr)(OCHCHCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)シラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OCHCHCHCF)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)シラン(Si(PeNCH=CHNPe)(OCHCHCHCF)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビスビス(4,4,4−トリフルオロブチルオキシ)シラン(Si(OctNCH=CHNOct)(OCHCHCHCF)等が挙げられ、特にTi(PrNCH=CHNPr)(OMe)、Ti(BuNCH=CHN
Bu)(OMe)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OMe)、Ti(PrNCH=CHNPr)(OEt)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OEt)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OEt)、Ti(PrNCH=CHNPr)(OPr)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OPr)、Ti(PrNCH=CHNPr)(OPr)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OPr)、Ti(PrNCH=CHNPr)(OBu)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Ti(PrNCH=CHNPr)(OBu)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Si(PrNCH=CHNPr)(OMe)、Si(BuNCH=CHNBu)(OMe)、Si(PeNCH=CHNPe)(OMe)、Si(PrNCH=CHNPr)(OEt)、Si(BuNCH=CHNBu)(OEt)、Si(PeNCH=CHNPe)(OEt)、Si(PrNCH=CHNPr)(OPr)、Si(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Si(PeNCH=CHNPe)(OPr)、Si(PrNCH=CHNPr)(OPr)、Si(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Si(PeNCH=CHNPe)(OPr)、Si(PrNCH=CHNPr)(OBu)、Si(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Si(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Si(PrNCH=CHNPr)(OBu)、Si(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Si(PeNCH=CHNPe)(OBu)等が好ましく、Ti(BuNCH=CHNBu)(OMe)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OMe)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OEt)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OEt)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OPr)、Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Ti(PeNCH=CHNPe)(OPr)、Si(BuNCH=CHNBu)(OMe)、Si(PeNCH=CHNPe)(OMe)、Si(BuNCH=CHNBu)(OEt)、Si(PeNCH=CHNPe)(OEt)、Si(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Si(PeNCH=CHNPe)(OPr)、Si(BuNCH=CHNBu)(OPr)、Si(PeNCH=CHNPe)(OPr)が殊更好ましい。
本発明の作製方法で用いるビニレンジアミド錯体(1)は、特許文献1及び特許文献2に記載の方法に準じて製造することができる。
本発明の製膜用材料について説明する。本発明の製膜用材料は、一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体を、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素からなる群より選ばれる一種類以上の酸化剤と反応させることにより製造される製膜用材料である。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤との反応は、溶媒中または溶媒無のいずれで実施することができる。溶媒中で実施する場合、用いることができる溶媒としては、反応に害を及ぼさないものであれば制限はなく、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタンなどのアルカン系溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼンなどのベンゼン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、1,2−ブタンジオールジメチルエーテル、1,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ブタンジオールジメチルエーテル、2,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒などを示すことができる。これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上の溶媒を任意の比率で混合して用いても良い。
電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、アルカン系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。有機溶媒の使用量には制限はなく、反応の時間効率が良い点でビニレンジアミド錯体(1)10グラムに対して溶媒を20mL以下用いるのが好ましく、10mL以下用いるのが更に好ましい。
本発明の製造方法で用いることができる酸化剤としては、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素を挙げることができる。これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上を任意の比率で混合して用いても良い。ビニレンジアミド錯体(1)との反応の時間効率が良い点で、酸素ガス、空気または水を用いるのが好ましい。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤のモル比については、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、ビニレンジアミド錯体(1)1モルに対して等モル以上の酸化剤を反応させるのが好ましい。酸化剤が酸素ガス又は空気などの気体の場合には、ビニレンジアミド錯体(1)1モルに対して5倍モル以上の酸素分子を反応させることが更に好ましい。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤を反応させるときには、必要に応じてヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素ガスなどの不活性ガスを反応雰囲気として用いることができる。不活性ガスを用いる場合であって、酸化剤が酸素ガスや空気などの気体のとき、酸化剤と不活性ガスの混合比には特に制限はなく、好ましくは酸化剤:不活性ガスの体積比を1:99から99:1の範囲、更に好ましくは20:80から80:20の範囲から適宜選んで用いることによって、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤の反応温度には特に制限はなく、ビニレンジアミド錯体(1)や酸化剤の種類に応じて適宜選択された温度で反応を実施することによって、製膜用材料を製造することができる。電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができるので、−30℃から350℃の範囲が典型的な反応温度であり、0℃から120℃の範囲が好ましく、10℃から80℃の範囲が更に好ましい。
また、必要に応じてピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類を添加しても良い。ピリジン類を添加する場合、その添加量に特に制限はなく、ビニレンジアミド錯体(1)1モルに対して0.1から50倍モルの範囲から適宜選択された量を用いることによって、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる。
製膜用材料は、必要に応じて濃縮、結晶化、抽出などの一般的な精製方法を用いることによって精製することも出来る。また、アルコールなどを用いた改質処理などの後処理を施しても良い。
電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤を反応させた後、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させて溶液させ、その後加熱することにより得られる製膜用材料であることが好ましい。
該アルコールとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールなどのセルソルブ類、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、2,7−ジメチル−3,6−オクタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1−ヒドロキシメチル−2−(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,2−ベンジルジメチロール、1,3−ベンジルジメチロール、1,2−シクロヘキサンジオール,1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオールなどのトリオール類、及び1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのテトラオール類などを例示することができる。電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化物膜を作製することができる点で、セルソルブ類が好ましく、エチレングリコールモノメチルエーテルが殊更好ましい。
また、製膜用材料は、チタン原子を有し、かつ、各前記金属原子が、架橋酸素原子によって架橋されている化合物を、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させ、その後加熱することにより得られる製膜用材料であってもよい。架橋型酸素原子とはこの場合、2個、3個又は4個の金属原子に架橋配位した酸素原子を表す(架橋オキソ配位子、三重架橋オキソ配位子及び四重架橋オキソ配位子)。該チタン原子を有し、かつ、各前記金属原子が、架橋酸素原子によって架橋されている化合物としては、例えば、TiO(OPr)10、TiO(OMe)(OPr)、TiO(OH)(OPr)、Ti(OPr)、TiO(OPr)(dmheot)、Ti(OEt)(OCOCH、Ti(OPr)(OCOCH、Ti(OBu)(OCOCH、Ti(OPr)12(OCOCHTi(OEt)20、Ti(OCH20、Ti(OPr)(OMc)、Ti10(OEt)24、Ti1113(OPr)18、Ti1113(OPr)13(OEt)、Ti1419(OH)(OBu)13(OCOCH、Ti1616(OEt)32、Ti1724(OPr)20、Ti1828(H)(OBu)17、Ti1828(OBu)16BuOH)、Ti1825(OBu)12(OCOCH10、Ti1822(OBu)26(acac)、Ti2840(OBu)20(OCOCH12等が挙げられ、その中でも低温で光学特性が良好な酸化物膜を作製することができる点で、Ti10(OEt)24、Ti1113(OPr)18、Ti1113(OPr)13(OEt)、Ti1419(OH)(OBu)13(OCOCH、Ti1616(OEt)32、Ti1724(OPr)20、Ti1828(H)(OBu)17、Ti1828(OBu)16BuOH)、Ti1825(OBu)12(OCOCH10、Ti1822(OBu)26(Oacac)、Ti2840(OBu)20(OCOCH12が好ましい。ここで、(OMc)は(OCOCCHCH)、(acac)は(CHCOCHCOCH)の略である。
分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールとしては、例えばビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤を反応させた後に用いたアルコールと同様のアルコールを挙げることができる。
本発明の製膜用材料溶液は、上記製膜用材料及び有機溶媒を含むことを特徴とする。
用いることができる有機溶媒としては、アルコール類、炭化水素類、エーテル類、ケトン類、カルボン酸、及びエステル類を挙げることができる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、シクロペンチルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノールなどモノオール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールなどのセルソルブ類、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、2,7−ジメチル−3,6−オクタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1−ヒドロキシメチル−2−(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,2−ベンジルジメチロール、1,3−ベンジルジメチロール、1,2−シクロヘキサンジオール,1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオールなどのトリオール類、及び1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのテトラオール類などを例示することができる。
炭化水素類としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどを例示することができる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、1,2−ブタンジオールジメチルエーテル、1,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ブタンジオールジメチルエーテル、2,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸2−メトキシエチル、酢酸3−メトキシプロピルなどを例示することができる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルジイソプロピルケトン、tert−ブチルメチルケトン、アセチルアセトン、ジアセチルなどを例示することができる。
カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、シュウ酸などを例示することができる。
エステル類としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピルなどのギ酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピルなどの酢酸エステル、γ−ブチロラクトンなどの環状エステルなどを例示することができる。
また、これらの有機溶媒のうち、任意の二種類以上を任意の割合で混合して用いても良い。
基板に塗布する際の潤滑性が良い点で好ましい有機溶媒としては、エステル類及びアルコール類を挙げることができ、酢酸エステルやセルソルブ類が更に好ましく、酢酸エチルやエチレングリコールモノメチルエーテルが殊更好ましい。
また、製膜用材料の溶解性が良い点で、エーテル類及びケトン類が更に好ましく、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン又はプロピレングリコールモノメチルアセテートが殊更好ましい。
本発明の製膜用材料溶液には、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、増粘剤、レオロジー調整剤などの調整剤を添加しても良い。
レベリング剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン、有機変性ポリシロキサン、アクリル樹脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどを例示することができる。
消泡剤としては、シリコーン、界面活性剤、ポリエーテル、高級アルコール、グリセリン高級脂肪酸エステル、グリセリン酢酸高級脂肪酸エステル、グリセリン乳酸高級脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸高級脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸高級脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸高級脂肪酸エステル、グリセリン酢酸エステル、ポリグリセリン高級脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどを例示することができる。
増粘剤としては、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、水添加ヒマシ油、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、脂肪酸アマイド、酸化ポリエチレン、デキストリン脂肪酸エステル、ジベンジリデンソルビトール、植物油系重合油、表面処理炭酸カルシウム、有機ベントナイト、シリカ、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、キサンタンゴム、ポリエーテルウレタン変性物、ポリ(アクリル酸−アクリル酸エステル)、モンモリロナイトなどを例示することができる。
レオロジー調整剤としては、酸化ポリオレフィンアマイト、脂肪酸アマイド系、酸化ポリオレフィン系、ウレア変性ウレタン、メチレンジイソシアナト、トリメチレンジイソシアナト、テトラメチレンジイソシアナト、ヘキサメチレンジイソシアナト、ω,ω’ジプロピルエーテルジイソシアナト、チオジプロピルジイソシアナト、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアナト、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナト、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−ジメチル−2,4−ビス(ω−イソシアナトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンなどを例示することができる。
製膜用材料溶液中の製膜用材料の濃度は、製膜用材料や有機溶媒の種類に応じて適宜選択される。例えば、例えば、製膜用材料が一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体から調整されたものであり有機溶媒がエチレングリコールモノメチルエーテルの場合、製膜用材料の濃度は任意であり、0.1wt%以上33wt%以下の濃度であることがIV族金属酸化物膜の厚みを制御しやすい点で好ましい。
製膜用材料を有機溶媒に溶かした後、必要に応じて加熱やろ過などの前処理をしてもよい。電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製できる点で、製膜用材料溶液をろ過して不溶物を取り除いた後で、基板の表面に塗布するのが好ましい。
製膜用材料溶液は、一種類の製膜用材料を有機溶媒に溶解させて用いる以外に、二種類以上の製膜用材料を有機溶媒に溶解させて用いることができる。二種類以上の製膜用材料を用いることにより、複合酸化物の薄膜を作製することができる。
IV族金属酸化物膜の作製方法は、製膜用材料溶液を基板表面に塗布し、該基板を熱処理及び/又は紫外線照射処理することにより作製する方法である。
製膜用材料溶液を基板の表面に塗布する方法としては、湿式法による薄膜作製プロセスにおいて一般的な方法を用いることができる。具体的には、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、バーコーティング法、超音波コーティング法、スクリーン印刷法、刷毛塗り、スポンジ塗りなどを例示することができる。コストメリットが高く、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、バーコーティング法が好ましい。
本発明の作製方法で用いることができる基板の種類は特に限定はなく、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリエチレンナフタレートなどの樹脂基板、及びこれらを複合した複合樹脂基板を用いることができる。また、ガラス、石英、陶器等のセラミックス、ケイ素、各種金属、各種金属酸化物、及びこれらの複合材などの無機基板を用いることができる。樹脂基板と無機基板を組み合わせた複合基板を用いることもできる。
熱処理の温度には特に限定はなく、使用する基板の熱変形温度以下が好ましい。また本発明の作製方法を用いることによって、低い温度の熱処理でもIV族金属酸化物膜を作製することが可能である。低い温度として具体的には20℃以上1000℃以下の範囲が好ましく、20℃以上700℃以下の範囲が更に好ましく、20℃以上400℃以下の範囲が更に好ましく、20℃以上200℃以下の範囲が殊更好ましい。
熱処理時間には特に限定はなく、必要十分な熱処理を施すことができる点で1分から5時間の範囲内が好ましく、1分から30分の範囲内がさらに効率的で好ましい。
紫外線照射処理をする場合、その雰囲気には特に限定はなく、例えば空気、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、アルゴン、ネオン、ヘリウムなどのガスを雰囲気として用いることができる。これらのガスを雰囲気として用いずに、真空中で紫外線照射処理することもできる。紫外線の照射波長には特に限定はなく、好ましくは200nmから400nmの範囲から、更に好ましくは250nmから400nmの範囲から、基板に影響を与えない波長を適宜選択することによって、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる。紫外線の照度は特に限定はなく、好ましくは100mJ/cm以上、さらに好ましくは500mJ/cm以上である。なお、パターンマスク(マスク基板)を介して紫外線照射して得られたIV族金属酸化物膜は、エッチングなどの後処理により解像度の高い細線パターンを形成することもできる。
熱処理と紫外線照射処理の両方を施す場合、その順序には特に限定はなく、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、紫外線照射処理を先に実施した後、熱処理を実施するのが好ましい。その時の紫外線の波長は200nmから400nmが好ましく、かつ熱処理の温度は20℃以上200℃以下が好ましい。
また、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なIV族金属酸化物膜を作製することができる点で、熱処理を施した後に紫外線照射処理を施し、さらに必要に応じて再熱処理を実施する方法も好ましい。この場合の紫外線の波長には特に限定はなく、200nmから400nmが好ましい。この場合の熱処理の温度には特に限定はなく、低い温度の熱処理でもIV族金属酸化物膜を作製することが可能である。ここで述べる低い温度として具体的には、20℃以上700℃以下の範囲が好ましく、更に20℃以上400℃以下の範囲が好ましく、更に20℃以上200℃以下の範囲が好ましく、更に20℃以上100℃以下の範囲が好ましく、20℃以上50℃以下の範囲が殊更好ましい。再熱処理をする場合、その温度には限定はなく、20℃以上700℃以下の範囲が好ましく、更に20℃以上400℃以下の範囲が好ましく、20℃以上200℃以下の範囲が殊更好ましい。再熱処理時間には特に限定はなく、必要十分な再熱処理を施すことができる点で1分から5時間の範囲内が好ましく、1分から30分の範囲内がさらに効率的で好ましい。
本発明の作製方法において、エッチング処理を熱処理及び/又は紫外線照射処理と組み合わせて実施することによってIV族金属酸化物のパターン膜を作製することができる。この場合、エッチング処理、熱処理及び紫外線照射処理の順序に限定はなく、良好な解像度のパターン膜を作製することができる点で、熱処理及び/又は紫外線照射処理の後にエッチング処理を行い、必要に応じて再熱処理を行う順序が更に好ましい。更に好ましくは、熱処理をした後、紫外線照射処理をし、次にエッチング処理を行う順序であり、殊更好ましくは、熱処理をした後、紫外線を照射し、次にエッチング処理を行い、最後に再熱処理を行う順序である。
エッチング処理の方法としては、当該技術分野で用いられる一般的な方法を使用することができる。具体的にはドライエッチング及びウェットエッチングを例示することができる。以下、ドライエッチングによってパターン膜を作製する方法について一例を挙げて説明する。Siウエハ基板上にIV族金属酸化物の製膜用材料を塗布した後、パターンマスク(マスク基板)を介して紫外線照射処理をして作製した粗製膜をエッチング装置チャンバー内に設置し、該チャンバー内にエッチングガスを導入し、プラズマを発生させる。このプラズマによりマスクしたIV族金属酸化物膜が削られ、エッチングが進行する。なお、エッチングガスとしては、当該技術分野で用いられる一般的なガスを用いることができ、具体的には塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、塩素、三フッ化塩素、五フッ化ヨウ素、メタンと水素の混合ガス、テトラフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、ヨードメタン、トリフルオロヨードメタン、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素等を例示することができる。また、使うことができるプラズマとしては、当該技術で使用されている誘導結合型プラズマ、容量結合型プラズマ、ECRプラズマ、マイクロ波プラズマ等を例示することができる。また、プラズマ源ガスとしては、当該技術分野で用いられる一般的なガスを用いることができ、例えばヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオン、キセノン等の不活性ガスをエッチングガスと共に用いることができる。
次に、ウェットエッチングによってパターン膜を作製する方法について一例を挙げて説明する。Siウエハ基板上にIV族金属酸化物の製膜用材料を塗布した後、パターンマスクを介して紫外線照射処理をして作製した粗製膜をエッチング液に浸漬することによって、エッチングが進行する。エッチング液としては、当該技術分野における一般的なエッチング液を用いることができる。具体的には、IV族金属酸化物膜を溶解させることが可能な酸又はアルカリ水溶液を例示することができ、具体的には過酸化水素水、塩酸、硝酸、硫酸、シュウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、シアン化水素酸、次亜塩素酸、王水などの酸水溶液、又はヨウ化カリウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液を例示することができるが、これらに限定されない。さらに、酸またはアルカリ水溶液に相溶性の良いエッチング用有機溶媒を適宜混合してエッチング処理を施すこともできる。相溶性の良いエッチング用有機溶媒としては、アルコール、ジオール、エーテル、イミド、環状イミド、炭酸エステルなどを例示することができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、2−ピロリジノン、1,3ジメチル−2−イミダゾリジノン、キノリン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。さらに、微細加工処理のためエッチング液の表面張力を下げる等の機能を有する機能剤を適宜混合してエッチング処理を施すこともできる。該機能材としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などの有機酸、あるいはドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレングリコールエーテルなどの界面活性剤などを例示することができるが、これらに限定されない。エッチング浸漬時間は特に制限はなく、1秒以上1時間以下が好ましく、更に5秒以上30分以下が好ましい。エッチング浸漬温度はエッチング液が固化や蒸発しない温度であれば特に制限はなく、−10℃以上50℃以下が好ましく、更に0℃以上30℃以下が好ましい。
本発明のIV族金属酸化物膜の作製方法によって、一層膜だけでなく二層膜以上の多層膜の作製も可能である。多層膜を作製するには、一層ずつ塗布して熱処理及び/又は紫外線照射処理する方法を繰り返す順次積層方法、及び塗布を繰り返して多層を形成した後、一度に熱処理及び/又は紫外線照射処理する積層方法とも可能である。
上記の方法によって得られたIV金属酸化物膜は、表面粗さの小さい膜となる。膜(2μm×2μm)の
表面粗さの値としては、好ましくは0.2〜1nm、特に好ましくは0.2〜0.5nmである。
本発明によって作製されるIV族金属酸化物膜は、例えばタッチパネルなどの反射防止膜、太陽電池などの透明導電膜、ハードコート材、ガラス等の傷補修材、ガスバリア材、光触媒性部材、プラズマおよびフッ化水素酸溶液に対する保護コーティング材などとして用いることができる。具体的な工業製品の例としては、テレビ、ラジオ、コンピュータ、あるいは携帯電話等の電化製品、建築用内外装材、車両、船舶、航空機等の内外装材、ガラス繊維、ガラス粉、板ガラス等の各種ガラス、車両、船舶、航空機などの窓部材、鏡、照明器具、タイル、医療機器、医療器具、医療用材料、衛星用品、半導体等の製造における製膜装置、プラズマ処理装置(プラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置、アッシング装置)、光学セル、マイクロ流体チップ等に用いられる。
ビニレンジアミド錯体(1)と、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素からなる群から選ばれる一種類以上の酸化剤とを反応させることによって製造される製膜用材料を用いることによって、低い温度の熱処理でもIV族金属酸化物膜を作製することができる。
膜のIRスペクトルを示す図である。 膜のIRスペクトルを示す図である。 解像度5μm以上のパターンを形成した膜の光学顕微鏡写真である。 解像度4μm以上のパターンを形成した膜の光学顕微鏡写真である。 膜の耐電圧特性を示す図である。 膜の耐電圧特性を示す図である。 膜の断面SEM写真である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書中では、Me、Et、Pr、Pr、Bu、Bu、Bu、Bu、Pe及びOctは、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基(tert−オクチル基)を示す。
実施例−1
アルゴン雰囲気下で、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))829mg(2.48mmol)及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、シュレンク管内を2Paまで減圧した。酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を充填した内容積5Lの風船をシュレンク管に接続し、シュレンク管内を酸素とアルゴンの混合ガスで満たした。シュレンク管に風船を接続したまま室温で15時間撹拌した後、80℃に加熱しながらシュレンク内を10Paまで減圧した。得られた残渣にヘキサン2mLを加えて溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通すことによって不溶物をろ別した。用いたシリンジフィルターをヘキサン2mLで二回洗浄し、ろ液及び洗浄液を合わせて濃縮することにより、黄色固体510mgを得た。
この黄色固体をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3mLに溶かし、80℃で14時間加熱した。70℃のオイルバスに反応容器を浸けて加熱しながら、反応容器内を10Paの減圧下、5時間かけて乾固することにより、製膜用材料1を黒色固体470mgとして得た。この製膜用材料1(470mg)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−01を得た。この該黒色固体は、黄色固体を分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールであるエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、その後加熱することにより得られる製膜用材料である。
また、上記と同様の手法で得た黄色固体0.30gをシュレンク管に移し、この黄色固体をジエチルエーテル0.8mlに溶かした。該シュレンク管を氷浴で3時間浸した後、該シュレンク管を−30℃で冷却することで、白色の針状結晶を得た。なお、単結晶X線解析構造解析より、この針状結晶は11個のチタン原子を有し、かつ、それらが、μ型架橋酸素原子によって架橋されているTi1113(OPr)18であった。
(X線結晶解析)
得られた結晶の分子構造および結晶構造は単結晶X線構造解析装置(リガクR−Axis RAPID II)を用いて決定した。構造解析精密化における最終のR値は0.14であった。最終のRw値は0.36であった。
組成式:C5412613Ti11
結晶系:単斜晶
空間群:P2/C
格子定数:a=25.74Å、b=14.19Å、c=26.66Å、α=γ=90°、β=108°
実施例−2
(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))3.98g(11.90mmol)から実施例−1と同様の方法で得た製膜用材料1(2.24g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル4.8mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−02を得た。
実施例−3
(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))3.98g(11.90mmol)から実施例−1と同様の方法で得た製膜用材料1(2.24g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル9.6mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−03を得た。
実施例−4
(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))3.98g(11.90mmol)から実施例−1と同様の方法で得た製膜用材料1(2.24g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル29mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−04を得た。
実施例−5
(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))3.98g(11.90mmol)から実施例−1と同様の方法で得た製膜用材料1(2.24g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル24mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−05を得た。
実施例−6
(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))3.98g(11.90mmol)から実施例−1と同様の方法で得た製膜用材料1(2.24g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル12mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−06を得た。
実施例−7
アルゴン雰囲気下で、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr))10.7g(32.1mmol)、トルエン14ml及び磁気撹拌子を50mlシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。該トルエン溶液に、酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を、テフロン(登録商標)チューブを通じて、流量100ml/minで撹拌しながら通気させた。3時間後、通気を止めて該トルエン溶液温度を室温まで冷ました。該トルエン溶液を減圧除去した後、残渣にアセトニトリル40mlを加え、不溶解物をろ過によって分取した。該不溶解物を減圧乾燥することにより、灰白色固体3.49gを得た。該灰白色固体(1.56g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル9.1mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて乾固することにより、製膜用材料2を橙色固体として1.58g得た。製膜用材料2(1.58g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル6.5mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−07を得た。
実施例−8
アルゴン雰囲気下で、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OEt))2.9g(9.6mmol)及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、シュレンク管内を2Paまで減圧した。酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を充填した内容積5Lの風船をシュレンク管に接続し、シュレンク管内を酸素とアルゴンの混合ガスで満たした。シュレンク管に風船を接続したまま室温で15時間撹拌した後、80℃に加熱しながらシュレンク内を10Paまで減圧した。得られた残渣にヘキサン2mLを加えて溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通すことによって不溶物をろ別した。用いたシリンジフィルターをヘキサン2mLで二回洗浄し、ろ液及び洗浄液を合わせて濃縮することにより、黄色固体1.5gを得た。該黄色固体1.1gをアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル10mLに溶かし、80℃で14時間加熱した。さらに反応容器内を80℃、10Paの減圧下、5時間かけて乾固することにより、製膜用材料3を黒色固体として1.4g得た。製膜用材料3(1.4g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル12mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−08を得た。
実施例−9
アルゴン雰囲気下で、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジノルマルプロピルチタン(Ti(BuNCH=CHNBu)(OPr)) 2.9g(8.7mmol)及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、シュレンク管内を2Paまで減圧した。酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を充填した内容積5Lの風船をシュレンク管に接続し、シュレンク管内を酸素とアルゴンの混合ガスで満たした。シュレンク管に風船を接続したまま室温で15時間撹拌した後、80℃に加熱しながらシュレンク内を10Paまで減圧した。得られた残渣にヘキサン2mLを加えて溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通すことによって不溶物をろ別した。用いたシリンジフィルターをヘキサン2mLで二回洗浄し、ろ液及び洗浄液を合わせて濃縮することにより、黄色固体1.2g得た。該黄色固体0.90gをアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル10mLに溶かし、80℃で14時間加熱した。さらに反応容器内を80℃、10Paの減圧下、5時間かけて乾固することにより、製膜用材料4を黒色固体として0.87g得た。製膜用材料4(0.87g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル8mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Ti−09を得た。
実施例−10
アルゴン雰囲気下で、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミノ−κN,N’)ジエトキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OEt))1.80g(6.28mmol)及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、シュレンク管内を20Paまで減圧した。酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を充填した内容積5Lの風船をシュレンク管に接続し、シュレンク管内を酸素とアルゴンの混合ガスで満たした。シュレンク管に風船を接続したまま室温で65時間撹拌した。80℃に加熱しながらシュレンク内を10Paまで減圧することにより白色懸濁物0.63gを得た。製膜用材料5(白色懸濁物0.63g)をエチレングリコールモノメチルエーテル10mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Si−01を得た。
実施例−11
アルゴン雰囲気下で、((N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジエトキシシラン(Si(BuNCH=CHNBu)(OEt))5.0g(32.1mmol)、トルエン20ml及び磁気撹拌子を50mlシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。該トルエン溶液に、酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を、テフロン(登録商標)チューブを通じて、流量100ml/minで撹拌しながら通気させた。4時間後、通気を止めて該トルエン溶液温度を室温まで冷ました。該トルエン溶液を減圧除去した後、80℃に加熱しながら10Paの減圧下、7時間減圧乾燥することにより、無色液体3.18gを得た。該無色液体(0.61g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3.1mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて撹拌することにより、製膜用材料6を無色液体として0.62g得た。製膜用材料6(無色液体0.62g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル2.5mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Si−02を得た。
実施例−12〜50及び比較例1〜3
実施例1から実施例11に示した方法で作製した製膜用材料溶液、及び比較例としてTiO膜製膜用材料溶液SYM−01(高純度化学製SYM−TI05:0.5mol/L)を、それぞれ基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を熱処理することによってIV族金属酸化物膜を作製した。得られた金属酸化物膜の評価結果を表1〜3に示す。膜厚および屈折率は、エリプソメーター(日本分光製MEL−30S)を用いて測定した波長300〜800nmのスペクトルの多層膜解析をすることにより決定した。
実施例−51〜54
実施例5または6に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−05又はTi−06を、基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を紫外線照射処理した後、実施例53および54のみ熱処理することによってIV族金属酸化物膜を作製した。得られたIV族金属酸化物膜の評価結果を表4に示す。膜厚および屈折率は、エリプソメーター(日本分光製MEL−30S)を用いて測定した波長300〜800nmのスペクトルの多層膜解析をすることにより決定した。
試験例−1
実施例1又は10に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−01又は製膜用材料溶液Si−01を基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を熱処理して作製したIV族金属酸化物膜の特性を表5に示す。表5の各項目について説明する。IV族金属酸化物膜の透過率及び反射率は、分光器(HITACHI製U−4100)を用いて測定したスペクトルに基づいて決定した。鉛筆硬度(JIS K5600−5−4)は、IV族金属酸化物膜を750gの荷重をかけた鉛筆でひっかき、傷がつかない鉛筆の硬度の上限に基づいて決定した。表面粗さRaは、走査型プローブ顕微鏡NanoScope IIIa(Veeco製)を用いて、2μm×2μm幅ごとに観察した結果に基づいて決定した。碁盤目試験(JIS K5400)は、膜にカッターナイフで1マスが1mm四方、合計100マスの切れ目を入れ、約5cmのセロハン粘着テープを碁盤目の上に粘着し、塗面に対し90℃角度で瞬間的に引き剥がし、100マスのうち、剥がれていない碁盤目の個数を示す。
試験例−2
実施例1に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−01を基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を熱処理して作製したIV族金属酸化物膜の紫外線領域における透過率を測定した結果を表6に示す。
試験例−3
実施例5に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−05を基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を熱処理して作製したIV族金属酸化物膜の耐久性試験を行った。膜を80℃、95%RHの恒温恒湿槽に設置し、設置前後の屈折率を測定した。その結果を表7に示す。なお、表7において、「試験時間0時間」は設置前を示し、その次の行に記載された「試験時間100h」が設置後を示す。
試験例−4
実施例5に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−05の空気中における保存安定性を評価した。製膜用材料溶液Ti−05を表8に記載した時間、空気に晒した後、シリンジフィルター(Millipore社製 SLLGM25NS 孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別して得た溶液を、それぞれ基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を熱処理することによってIV族金属酸化物膜を作製した。得られたIV族金属酸化物膜の評価結果を表8に示す。
実施例−55
実施例6に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−06をAl基板上にスピンコート法により塗布し、365nmの高圧水銀灯を照射(47J/cm)した後、200℃で30分熱処理することによって得たIV族金属酸化物膜のIRスペクトルを測定した。その結果を図2に示す。水酸基のO−H伸縮振動や有機基のC−H伸縮振動に基づくシグナルはほとんど観察されず、水や有機基が膜中に残存していないことが分かった。なお、塗布する際には、回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件を用いた。
比較例−4
実施例6に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−06をAl基板上にスピンコート法により塗布し、熱処理も紫外線照射処理もせずに得た試料のIRスペクトルを測定した。その結果を図1に示す。水酸基のO−H伸縮振動や有機基のC−H伸縮振動に基づくシグナルが3600〜2500cm−1付近及び1600cm−1付近に観察された。なお、塗布する際には、回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件を用いた。
実施例−56
実施例6に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−06をSiウエハ基板上にスピンコート法(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布した後、パターンマスク(マスク基板)を通じて紫外線ランプ(ウシオ製UPE−2002;波長200nmから400nmが混在)を照射(900mJ/cm)することにより粗製膜を得た。この粗製膜を、まずエチレングリコールモノメチルエーテルに20分間浸し、次いで2.5%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に80秒浸し、さらに純水に5分間浸した後、50℃に保った乾燥機中に静置して乾燥することにより、パターン膜を作製した。このパターン膜を光学顕微鏡で観察したところ、その解像度は5μm以上であることが分かった。パターン膜の光学顕微鏡写真を図3に示す。
実施例−57
実施例3に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−03をSiウエハ基板上にスピンコート法(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布した後、該Siウエハ基板を熱処理(40℃で10分)した。該Siウエハ基板に、パターンマスク(マスク基板)を通じて紫外線ランプ(ウシオ製UPE−2002;波長200nmから400nmが混在)を照射(400mJ/cm)することにより粗製膜を得た。この粗製膜を、2.4%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に24分間浸すことによりエッチング処理し、さらに純水に5分間浸した後、50℃に保った乾燥機中に静置して乾燥することにより、パターン粗膜を作製した。このパターン粗膜を230℃で30分間の再熱処理を施し、パターン膜を作製した。このパターン膜を光学顕微鏡で観察したところ、その解像度は4μm以上であることが分かった。パターン膜の光学顕微鏡写真を図4に示す。
実施例−58
実施例6に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−06をSiウエハ基板上にスピンコート法(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布した後、紫外線ランプ(ウシオ製UPE−2002;波長200nmから400nmが混在)を照射(900mJ/cm)した。該Siウエハ基板を300℃で30分熱処理することにより、IV族金属酸化物膜を作製した。さらに、作製した膜の表面にAl電極を形成することにより、試験用検体を作製した。該試験用検体に15Vの電圧を10秒間印加し、その耐電圧特性を測定したところ、十分な耐電圧を有することが分かった。耐電圧特性を図5に示す。
実施例−59
実施例6に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−06をSiウエハ基板上にスピンコート法(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布した後、紫外線ランプ(ウシオ製UPE−2002;波長200nmから400nmが混在)を照射(900mJ/cm)した。この基板を500℃で30分熱処理し、基板上にIV族金属酸化物膜を作製した。さらに、作製した膜の表面にAl電極を形成することにより、試験用検体を作製した。該試験用検体に15Vの電圧を10秒間印加し、その耐電圧特性を測定したところ、十分な耐電圧を有することが分かった。耐電圧特性を図6に示す。
実施例−60
実施例5に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−05をポリエチレンナフタレート樹脂フィルム基板(帝人デュポン社製テオネックス200、Q65FA)の表面にワイヤーバーコート法(エスエムテー社製PM−9050MC、塗工速度9.5m/min)により塗布し、該基板を180℃で30分間熱処理することにより、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム上にIV族金属酸化物膜を作製した。その膜厚及び屈折率を、エリプソメーター(日本分光製MEL−30S)を用いて測定した。波長300〜800nmのスペクトルの多層膜解析に基づき調べたところ、膜厚は69nmであり、波長633nmにおける屈折率は1.95であった。また、該IV族金属酸化物膜の断面SEM写真を図7に示す。
試験例−5
実施例1又は5に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−01又はTi−05を基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を熱処理して作製したIV族金属酸化物膜のプラズマ耐性試験を実施した。基板表面中央部にカプトンテープを貼り付け、マスクとした。この基板に対し、平行平板型の反応性イオンエッチング装置(アネルバ社製DEM−451)を用いて、CF(流量25.2sccm)−O(流量6.34sccm)−Ar(流量126sccm)の混合ガスを流しつつ、出力300W、2分間のプラズマエッチングを行った。プラズマエッチング後に、カプトンテープを剥離し、カプトンテープ貼り付け部と非貼り付け部との界面に生じた段差を同一サンプルにつき三箇所ずつ、接触式表面粗さ計(Sloan社製DEKTAK3030)にて測定し、その平均値をプラズマエッチング量とした。このプラズマエッチング量をエッチング時間で除することで、プラズマエッチング速度とした。なお、同条件でプラズマエッチングを行った場合、基板として用いた石英ガラスのプラズマエッチング速度は60.0nm/minであった。本試験の結果を表9に示す。
試験例−6
実施例1に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−01を基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を0.5時間熱処理して作製したIV族金属酸化物膜のフッ化水素酸溶液耐性試験を実施した。基板表面中央部にカプトンテープを貼り付け、マスクとした。この基板を、20℃の0.5wt%フッ化水素酸水溶液に浸漬し、湿式エッチングを行った。所定時間エッチング後に、カプトンテープを剥離し、カプトンテープ貼り付け部と非貼り付け部との界面に生じた段差を同一サンプルにつき三箇所ずつ、接触式表面粗さ計(Sloan社製DEKTAK3030)にて測定し、その平均値を湿式エッチング量とした。この湿式エッチング量をエッチング時間で除することで、湿式エッチング速度とした。なお、同条件で湿式エッチングを行った場合、基板として用いた石英ガラスの湿式エッチング速度は1.5nm/minであった。本試験の結果を表10に示す。
試験例−7
実施例3に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−03をコーニングガラス基板の表面にスピンコーティング法(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布し、365nmを主波長とする高圧水銀灯を照射(47J/cm)した後、130℃で30分熱処理することにより、IV族金属酸化物膜を作製した。該IV族金属酸化物膜の接触角試験をJIS R 1703−1:2007の規格に従って実施した。まず、5cm角の該コーニングガラス基板に製膜した試験片を5点用意した。続いて、試験片5点をエタノール(和光純薬工業社製一級)で洗浄した後、24時間自然乾燥させ、紫外線照射装置(紫外線照度計:浜松ホトニクス社製コントローラー部C−9546−01、センサー部H9958−01、ブラックライト:東芝社製、FL10BLB2本)にて2.0mW/cmの照度で紫外線を24時間照射した。その後、試験片にそれぞれ0.5mgのオレイン酸を塗布した。オレイン酸塗布後の試験片に水を接触させて水滴を形成させ、接触角を接触角測定装置(協和界面科学社製DM−300)で測定した。接触角の測定を試験片5点において測定し、その平均値を初期接触角とした。そして、試験片に紫外線照射(照度2.0mW/cm)を開始し、8時間ごとに接触角(試験片5点の平均値)を測定した。その結果を表11に示す。
試験例−8
実施例3に示した方法で作製した製膜用材料溶液Ti−03をコーニングガラス基板の表面にスピンコーティング法(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布し、700℃で30分熱処理した。作製したIV族金属酸化物膜の接触角試験を実施した。試験方法は試験例−7と同一である。本試験片の接触角変化を表12に示す。
Figure 0006116834
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尚、表1〜10に記載の“回転条件”は、製膜用材料溶液を基板の表面にスピンコート法により塗布する際の条件であり、それぞれ以下のとおりである。
A 回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで60秒処理した。
B 回転数200rpmで15秒処理した後、回転数1000rpmで60秒処理した。
C 回転数200rpmで15秒処理した後、回転数5000rpmで60秒処理した。
D 回転数200rpmで15秒処理した後、回転数500rpmで60秒処理した。
E 回転数500rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理した。
F 回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理した。
G 回転数200rpmで15秒処理した後、回転数1000rpmで30秒処理した。
H 回転数500rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで60秒処理した。
I 回転数500rpmで15秒処理した後、回転数5000rpmで60秒処理した。

Claims (7)

  1. TiO(OPr)10、TiO(OMe)(OPr)、TiO(OH)(OPr)、Ti(OPr)、TiO(OPr)(dmheot)、Ti(OEt)(OCOCH、Ti(OPr)(OCOCH、Ti(OBu)(OCOCH、Ti(OPr)12(OCOCH、TiO4(OEt)20、Ti(OCH20、Ti(OPr)(OMc)、Ti10(OEt)24、Ti1113(OPr)18、Ti1113(OPr)13(OEt)、Ti1419(OH)(OBu)13(OCOCH、Ti1616(OEt)32、Ti1724(OPr)20、Ti1828(H)(OBu)17、Ti1828(OBu)16BuOH)、Ti1825(OBu)12(OCOCH10、Ti1822(OBu)26(acac)、Ti2840(OBu)20(OCOCH12
    を、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させ、その後加熱することにより得られることを特徴とする製膜用材料及び有機溶媒を含むことを特徴とする製膜用材料溶液。
  2. 製膜用材料が、Ti1113(OPr)18を、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させ、その後加熱することにより得られる製膜用材料であることを特徴とする請求項1に記載の製膜用材料溶液。
  3. アルコールがセルソルブ類であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製膜用材料溶液。
  4. セルソルブ類がエチレングリコールモノメチルエーテルであることを特徴とする請求項3に記載の製膜用材料溶液。
  5. 有機溶媒がアルコール類であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製膜用材料溶液。
  6. アルコール類がエチレングリコールモノメチルエーテルであることを特徴とする請求項5に記載の製膜用材料溶液。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製膜材料溶液を基板表面に塗布し、該基板を熱処理、紫外線照射処理、又はその両方の処理をすることを特徴とするIV族金属酸化物膜の作製方法。
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