JP2014047198A - ビニレンジアミド錯体とその製造方法及び酸化物膜の作製方法 - Google Patents

ビニレンジアミド錯体とその製造方法及び酸化物膜の作製方法 Download PDF

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Kenichi Tada
賢一 多田
Tomoyuki Kinoshita
智之 木下
Yoshio Asano
祥生 浅野
Akisato Hirai
聡里 平井
Yoshinori Harada
美徳 原田
Kazuyoshi Arai
一喜 新井
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Sagami Chemical Research Institute
Tosoh Corp
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Sagami Chemical Research Institute
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Abstract

【課題】ジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)を作製するのに用いられるビニレンジアミド錯体及びその製造方法の提供。
【解決手段】一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体を製造し、さらに酸化剤と反応させることにより製膜用材料を調製し、該製膜用材料を用いてジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)を作製する。
Figure 2014047198

(式中、Mはジルコニウム原子又はハフニウム原子を表す。R及びRは、各々独立にC〜C12アルキル基を表す。R及びRは、各々独立に水素原子又はC〜Cアルキル基を表す。Rは、C〜C12アルキル基で表される置換アルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜を製造するのに用いられる製膜用材料の合成前駆体として有用なビニレンジアミド錯体とその製造方法及び該ビニレンジアミド錯体を用いた酸化物膜の作製方法に関する。
ジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜は、金属原子と酸素原子の組成比や結晶構造などの違いに基づき、多様な比誘電率や電気抵抗率などの電気的性質や、光透過率や屈折率などの光学的性質を示す。このためジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜は半導体素子や光学素子などとして多くのデバイスに用いられ、今後もその産業上の有用性は更に高まるものと期待されている。ジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜を作製する手法としては、大別すると乾式法と湿式法の二つが挙げられる。乾式法には、スパッタリング法、イオンプレーティング、蒸着法、CVD法などがある。湿式法には、ゾル−ゲル法、有機金属塗布分解法(Metal Organic Deposition; MOD法)などがある。乾式法が大型の真空装置など特殊な製造設備を要するのに対し、湿式法は簡易な製造設備だけで実施出来る点でコストメリットがある。湿式法によって薄膜を作製する場合、得られる薄膜の品質は、製膜用材料の種類、製膜温度に大きな影響を受ける。特許文献1にはビニレンジアミド配位子を有するチタン錯体及びその製造方法が開示されているが、本発明のビニレンジアミドジルコニウム錯体及びビニレンジアミドハフニウム錯体に関する記載は一切無い。また特許文献1に記載されているビニレンジアミドチタン錯体の製造方法は、本発明のビニレンジアミドジルコニウム錯体及びビニレンジアミドハフニウム錯体の製造方法とは異なる。さらに特許文献1には、ビニレンジアミドチタン錯体の用途としてCVD法による酸化チタン薄膜の製造法が開示されているが、該チタン錯体を酸化剤と反応させることによって、湿式法に適した製膜用材料が得られるとの記載は一切無い。
非特許文献1にはジルコニウム原子を有する架橋型酸素原子によって架橋されているジルコニウム化合物について記載されている。しかしながら、非特許文献1には該ジルコニウム化合物を製膜用材料として用いることやIV金属酸化物膜については一切記載が無い。
特開2010−30986号公報
polyhedron、第17巻、869ページ(1998年)
ゾル−ゲル法には、再現性が悪い点、作製した酸化物膜の表面粗さが大きい点などの短所に加え、高い製膜温度を要するという短所がある。また、従来のMOD法では、酸化物膜作製用材料として室温の大気中では分解しないアルコキソ錯体などが用いられているが、これらを確実に熱分解させて有用性の高い酸化物膜を作製するためには高い製膜温度を要する。しかし、半導体素子や光学素子を製造する場合には、複数の異なる金属酸化物膜を積層するのが一般的であり、各層の間の相互拡散や剥離などのトラブルを防ぐためには、できるだけ低い温度で薄膜を作製することが求められるので、製膜時の基板温度は低い方が好ましい。また、近年は熱に弱い樹脂基板などの表面に金属酸化物膜を作製する技術の確立も強く求められている。すなわち、半導体素子や光学素子として有用な酸化物膜を、できるだけ低い温度で作製することが可能な酸化物膜作製方法及び酸化物製膜用材料が求められている。また酸化物膜、具体的にはジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜を湿式法によって作製するための製膜用材料の合成前駆体として有用な、ジルコニウム錯体とハフニウム錯体、及びその製造方法を開発することも本発明の課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体、及び該ビニレンジアミド錯体を酸化剤と反応させることにより製造されることを特徴とする製膜用材料が上記課題を解決する優れた錯体及び材料であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 2014047198
(式中、Mはジルコニウム原子又はハフニウム原子を表す。R及びRは、各々独立にC〜C12アルキル基を表す。R及びRは、各々独立に水素原子又はC〜Cアルキル基を表す。Rは、C〜C12アルキル基、又はQRで表される置換アルキル基を表す。QはC〜Cアルキル基で置換されていてもよいC〜C直鎖アルキレン基を表す。RはC〜Cアルコキシ基又はジ(C〜Cアルキル)アミノ基を表す。)で示されるビニレンジアミド錯体に関する。
また本発明は、
一般式(2)
M(OR(2)
(式中、M及びRは一般式(1)と同意義を表す。)で示される金属テトラアルコキシド、一般式(3)
MCl(3)
(式中、Mは一般式(1)のMと同意義を表す。)で示される金属四塩化物及び一般式(4)
Figure 2014047198
(式中、R〜Rは一般式(1)と同意義を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるビニレンジアミドアルカリ金属塩を反応させることを特徴とするビニレンジアミド錯体の製造方法に関する。
さらに本発明は、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム、一般式(4)
Figure 2014047198
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるビニレンジアミドアルカリ金属塩及び一般式(5)
OR(5)
(式中、Rは一般式(1)のRと同意義を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示される金属アルコキシドを反応させることを特徴とする一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体におけるMがジルコニウム原子であるビニレンジアミド錯体の製造方法に関する。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。まず、R、R、R、R、R、Q及びRの定義について説明する。R及びRで表されるC〜C12アルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれのものでも良い。具体的にはプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基などを例示することができる。
本発明のビニレンジアミド錯体(1)を収率よく合成できる点で、R及びRが各々独立にC〜Cアルキル基であることが好ましく、第三級のC〜Cアルキル基であることが更に好ましく、tert−ブチル基又はtert−ペンチル基であることが殊更好ましい。
次にR及びRの定義について説明する。R及びRで表されるC〜Cアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれのものでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などを例示することができる。本発明のビニレンジアミド錯体(1)を収率よく合成できる点で、R及びRは各々独立に水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることが殊更好ましい。
次にRの定義について説明する。Rで表されるC〜C12アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでも良い。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基などを例示することができる。
がQRで表される置換アルキル基である場合、Qで表されるC〜C直鎖アルキレン基としては、1,2−エチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基及び1,6−ヘキサメチレン基を挙げることができる。これらのメチレン基は、C〜Cアルキル基で置換されていてもよい。該C〜Cアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基を挙げることができる。本発明のビニレンジアミド錯体(1)を収率よく合成できる点で、Qはメチル基又はエチル基で置換されていてもよい1,2−エチレン基又は1,3−トリメチレン基であることが好ましい。
で表されるC〜Cアルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブトキシ基、sec−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、シクロブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、1,1−ジメチルプロピルオキシ基(tert−ペンチルオキシ基)、1,2−ジメチルプロピルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基(ネオペンチルオキシ基)、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、2,2−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを挙げることができる。本発明のビニレンジアミド錯体(1)を収率よく合成できる点で、C〜Cアルコキシ基が好ましく、好ましい例としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブトキシ基、sec−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、シクロブチルオキシ基などを挙げることができる。
で表されるジ(C〜Cアルキル)アミノ基のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。ジ(C〜Cアルキル)アミノ基の例としては、ジメチルアミノ基、エチル(メチル)アミノ基、メチル(プロピル)アミノ基、イソプロピル(メチル)アミノ基、シクロプロピル(メチル)アミノ基、ブチル(メチル)アミノ基、イソブチル(メチル)アミノ基、sec−ブチル(メチル)アミノ基、tert−ブチル(メチル)アミノ基、シクロブチル(メチル)アミノ基、ペンチル(メチル)アミノ基、イソペンチル(メチル)アミノ基、メチル(ネオペンチル)アミノ基、tert−ペンチル(メチル)アミノ基、シクロペンチル(メチル)アミノ基、ヘキシル(メチル)アミノ基、シクロヘキシル(メチル)アミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(プロピル)アミノ基、エチル(イソプロピル)アミノ基、シクロプロピル(エチル)アミノ基、ブチル(エチル)アミノ基、エチル(イソブチル)アミノ基、sec−ブチル(エチル)アミノ基、tert−ブチル(エチル)アミノ基、エチル(ペンチル)アミノ基、エチル(イソペンチル)アミノ基、エチル(ネオペンチル)アミノ基、エチル(tert−ペンチル)アミノ基、エチル(ヘキシル)アミノ基、シクロヘキシル(エチル)アミノ基、ジプロピルアミノ基、ブチル(プロピル)アミノ基、tert−ブチル(プロピル)アミノ基、ペンチル(プロピル)アミノ基、ヘキシル(プロピル)アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチル(イソプロピル)アミノ基、tert−ブチル(イソプロピル)アミノ基、ペンチル(イソプロピル)アミノ基、ヘキシル(イソプロピル)アミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジ(シクロヘキシル)アミノ基などを挙げることができる。本発明のビニレンジアミド錯体(1)を収率よく合成できる点で、ジ(C〜Cアルキル)アミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基が更に好ましい。
本発明のビニレンジアミド錯体(1)を収率よく合成できる点で、RはC〜Cアルキル基であることが好ましく、第二級又は第三級のC〜Cアルキル基であることが更に好ましく、tert−ブチル基又はtert−ペンチル基であることが殊更好ましい。
本発明のビニレンジアミド錯体(1)として、好ましい具体例としては、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OBu))、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OBu))、ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OPe))、ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OPe))、ジ−sec−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OBu))、ジ−sec−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OBu))、ジシクロブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(O(cycloBu)))、ジシクロブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(O(cycloBu)))、ジ(1−エチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OCHEt)、ジ(1−エチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OCHEt)、ジ(1−メチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(O(CH(Me)CHCHCH)))、ジ(1−メチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(O(CH(Me)CHCHCH)))、ビス(1,1−ジメチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(O(C(Me)CHCHCH)))、ビス(1,1−ジメチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(O(C(Me)CHCHCH)))、ジ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(O(C(Et)(Me)CHCH)))、ジ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(O(C(Et)(Me)CHCH)))、ビス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OCEt)、ビス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OCEt)、ジシクロヘキシルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OCy))、ジシクロヘキシルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OCy)、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(OctNCH=CHNOct)(OBu))ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(OctNCH=CHNOct)(OPe))、
(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHNMe)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHNMe)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(OctNCH=CHNOct)(OCMeCHNMe)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−ジエチルアミノエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHNEt)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−ジエチルアミノエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHNEt)、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−ジエチルアミノエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(OctNCH=CHNOct)(OCMeCHNEt)、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロピルオキシ)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHNMe)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロピルオキシ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHNMe)、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OBu))、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OBu))、ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OPe))、ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OPe))、ジ−sec−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OBu))、ジ−sec−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OBu))、ジシクロブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(O(cycloBu)))、ジシクロブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(O(cycloBu)))、ジ(1−エチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCHEt)、ジ(1−エチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCHEt)、ジ(1−メチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(O(CH(Me)CHCHCH)))、ジ(1−メチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(O(CH(Me)CHCHCH)))、ビス(1,1−ジメチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(O(C(Me)CHCHCH)))、ビス(1,1−ジメチルブチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(O(C(Me)CHCHCH)))、ジ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(O(C(Et)(Me)CHCH)))、ジ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(O(C(Et)(Me)CHCH)))、ビス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCEt)、ビス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCEt)、ジシクロヘキシルオキソ(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCy))、ジシクロヘキシルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCy)、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(OctNCH=CHNOct)(OBu))ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(OctNCH=CHNOct)(OPe))、
ビス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHOMe))、ビス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHOMe))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2−ジメチルアミノ−1,1−ジメチルエチルオキシ)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHNMe)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2−ジメチルアミノ−1,1−ジメチルエチルオキシ)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHNMe)、ビス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHOMe))、ビス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHOMe))、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2−ジメチルアミノ−1,1−ジメチルエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHNMe)、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(2−ジメチルアミノ−1,1−ジメチルエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHNMe)などを挙げることが出来、好ましくはHf(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Hf(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Hf(BuNCH=CHNBu)(OPe)、Hf(PeNCH=CHNPe)(OPe)、Hf(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Hf(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Hf(BuNCH=CHNBu)(OCHEt、Hf(PeNCH=CHNPe)(OCHEt、Hf(BuNCH=CHNBu)(O(CH(Me)CHCHCH))、Hf(PeNCH=CHNPe)(O(CH(Me)CHCHCH))、Hf(BuNCH=CHNBu)(OCEt、Hf(PeNCH=CHNPe)(OCEt、Hf(BuNCH=CHNBu)(OCy)、Hf(PeNCH=CHNPe)(OCy)、Zr(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Zr(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Zr(BuNCH=CHNBu)(OPe)、Zr(PeNCH=CHNPe)(OPe)、Zr(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Zr(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Zr(BuNCH=CHNBu)(OCHEt、Zr(PeNCH=CHNPe)(OCHEt、Zr(BuNCH=CHNBu)(O(CH(Me)CHCHCH))、Zr(PeNCH=CHNPe)(O(CH(Me)CHCHCH))、Zr(BuNCH=CHNBu)(OCEt、Zr(PeNCH=CHNPe)(OCEt、Zr(BuNCH=CHNBu)(OCy)、Zr(PeNCH=CHNPe)(OCy)等であり、更に好ましくはHf(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Hf(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Hf(BuNCH=CHNBu)(OPe)、Hf(PeNCH=CHNPe)(OPe)、Zr(BuNCH=CHNBu)(OBu)、Zr(PeNCH=CHNPe)(OBu)、Zr(BuNCH=CHNBu)(OPe)、Zr(PeNCH=CHNPe)(OPe)、である。
次に、本発明のビニレンジアミド錯体(1)の製造方法について説明する。製造方法1は、金属テトラアルコキシド(2)、金属四塩化物(3)及びビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)を反応させることにより、本発明のビニレンジアミド錯体(1)を製造する方法である。
Figure 2014047198
(式中、M、R〜R及びRは一般式(1)のM、R〜R及びRと同意義を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)
製造方法1によってビニレンジアミド錯体(1)を製造する場合、先に金属テトラアルコキシド(2)と金属四塩化物(3)を先に反応させた後、ビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)を反応させるのがビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で好ましい。
金属テトラアルコキシド(2)、金属四塩化物(3)及びビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)のモル比には制限はなく、金属テトラアルコキシド(2):金属四塩化物(3)のモル比を4:6〜6:4の範囲から適宜選択し、さらに金属テトラアルコキシド(2)及び金属四塩化物(3)の総モル数の0.9倍〜1.1倍モルのビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)を用いるのがビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で好ましい。
製造方法1は、ビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で、不活性ガス雰囲気下において有機溶媒中で実施するのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどを例示することができる。ビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で、窒素ガス又はアルゴン雰囲気下で製造方法1を実施するのが好ましい。
製造方法1において、合成原料として用いられる金属テトラアルコキシド(2)としては、市販品をそのまま用いることができる。また、例えばD.C.Bradleyら著、「Alkoxo and Aryloxo Derivatives of Metals」、第1版、ACADEMIC PRESS、4−51ページ(2001年)など公知文献に記載の方法に準じて製造した金属テトラアルコキシド(2)を用いることができる。
金属テトラアルコキシド(2)の具体例としては、テトラメトキソハフニウム、テトラエトキソハフニウム、テトラプロポキソハフニウム、テトライソプロポキソハフニウム、テトラブトキソハフニウム、テトラ(イソブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(sec−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(シクロブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(イソペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−メチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ネオペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラ(シクロヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラ(1,3−ジメチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−エチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラ(1,1−ジメチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラキス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラキス(シクロヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)ハフニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキソ)ハフニウム、テトラメトキソジルコニウム、テトライソプロポキソジルコニウム、テトラブトキソジルコニウム、テトラ(イソブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(sec−ブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(シクロブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(イソペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−メチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ネオペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラ(シクロヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1,3−ジメチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−エチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1,1−ジメチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(シクロヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキソ)ジルコニウム、などを挙げることが出来、本発明のビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で好ましくはテトラブトキソハフニウム、テトラ(イソブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(sec−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(シクロブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(イソペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−メチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ネオペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラ(シクロヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラ(1,3−ジメチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−エチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラ(1,1−ジメチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラキス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラキス(シクロヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラブトキソジルコニウム、テトラ(イソブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(sec−ブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(シクロブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(イソペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−メチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ネオペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラ(シクロヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1,3−ジメチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−エチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1,1−ジメチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(シクロヘキシルオキソ)ジルコニウムであり、殊更好ましくはテトラ(tert−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウムである。
製造方法1の合成原料として用いられる金属四塩化物(3)としては、市販品をそのまま用いることができる。金属四塩化物として具体的には四塩化ハフニウム及び四塩化ジルコニウムを挙げることが出来る。また、テトラヒドロフランなどのエーテル類やアセトニトリルなどのニトリル類が配位した金属四塩化物を用いることも出来る。エーテル類が配位した金属四塩化物としては、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ハフニウムなどを例示することが出来る。ニトリル類が配位した金属四塩化物としては、テトラクロロビス(アセトニトリル)ジルコニウム、テトラクロロビス(アセトニトリル)ハフニウムなどを例示することが出来る。
ビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)およびその合成原料であるN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(RN=CHCH=NR)は、例えばJournal of the American Chemical Society、第120巻,12714ページ(1998年)やJournal of Organometallic Chemistry、第301巻、183ページ(1986年)などに記載の方法に準じて製造することができる。アルカリ金属Mとしては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子などを例示することができる。ビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で、Mはリチウム原子又はナトリウム原子であることが好ましく、リチウム原子が殊更好ましい。
ビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)の具体例としては、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウム、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジナトリウム、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジカリウム、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウム、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジナトリウム、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジカリウム、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウム、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジナトリウム、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジカリウムなどを挙げることが出来、本発明のビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で、好ましくは(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウム、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウム、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムである。
製造方法1は有機溶媒中で実施するのがビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で好ましい。用いることが出来る有機溶媒としては、反応を阻害することがない有機溶媒であれば制限はない。用いることができる溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル溶媒などを例示することができ、これらを単独で用いても良く、二種類以上を任意の比率で混合して用いても良い。ビニレンジアミド錯体(1)の収率が良い点で、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルテトラヒドロフランなどのエーテル類や、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなどの炭化水素溶媒が好ましい。製造方法1では溶媒の使用量に特に制限はなく、適宜選択された量の溶媒を用いることにより収率良くビニレンジアミド錯体(1)を製造することができる。
反応温度及び反応時間には特に限定はなく、好ましくは−80℃から200℃、10分から120時間の範囲の中から、更に好ましくは−20℃から120℃、1時間から48時間の範囲の中から適宜選択することによって、収率よくビニレンジアミド錯体(1)を製造することができる。
製造方法1によって製造したビニレンジアミド錯体(1)は、必要に応じてろ過、抽出、蒸留、昇華、結晶化などの一般的な精製方法を適宜用いることにより精製することができる。
本発明のビニレンジアミド錯体(1)は、Mがジルコニウム原子の場合には製造方法2に従って製造することも出来る。本発明の製造方法2は、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム、ビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)及び金属アルコキシド(5)を反応させることによって一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体におけるMがジルコニウム原子であるビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)を製造する方法である。
Figure 2014047198
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。M及びMはアルカリ金属原子を表す。)
テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウムは、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタンなどの溶媒中で四塩化ジルコニウムとテトラヒドロフランを反応させることにより調製することが出来る。
金属アルコキシド(5)におけるアルカリ金属Mとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを例示することが出来る。金属アルコキシド(5)としては、市販の物をそのまま用いることが出来るほか、公知の入手方法、例えばブチルリチウムなどのアルカリ金属アルキル化合物やナトリウムアミドなどのアルカリ金属アミドとアルコールの反応によって調製したものも用いることが出来る。
具体的な金属アルコキシド(5)の例としては、メトキシリチウム、エトキシリチウム、プロポキシリチウム、イソプロポキシリチウム、ブトキシリチウム、イソブチルオキシリチウム、sec−ブチルオキシリチウム、tert−ブチルオキシリチウム、シクロブチルオキシリチウム、ペンチルオキシリチウム、イソペンチルオキソリチウム、1−メチルブチルオキシリチウム、tert−ペンチルオキシリチウム、ネオペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウム、シクロヘキシルオキシリチウム、1,3−ジメチルブチルオキシリチウム、1−エチルプロピルオキシリチウム、1,1−ジメチルブチルオキシリチウム、1−エチル−1−メチルプロピルオキシリチウム、1,1−ジエチルプロピルオキシリチウム、シクロヘキシルオキシリチウム、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキシリチウム、1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシリチウム、メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、プロポキシナトリウム、イソプロポキシナトリウム、ブトキシナトリウム、イソブチルオキシナトリウム、sec−ブチルオキシナトリウム、tert−ブチルオキシナトリウム、シクロブチルオキシナトリウム、ペンチルオキシナトリウム、イソペンチルオキソナトリウム、1−メチルブチルオキシナトリウム、tert−ペンチルオキシナトリウム、ネオペンチルオキシナトリウム、ヘキシルオキシナトリウム、シクロヘキシルオキシナトリウム、1,3−ジメチルブチルオキシナトリウム、1−エチルプロピルオキシナトリウム、1,1−ジメチルブチルオキシナトリウム、1−エチル−1−メチルプロピルオキシナトリウム、1,1−ジエチルプロピルオキシナトリウム、シクロヘキシルオキシナトリウム、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキシナトリウム、1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、プロポキシカリウム、イソプロポキシカリウム、ブトキシカリウム、イソブチルオキシカリウム、sec−ブチルオキシカリウム、tert−ブチルオキシカリウム、シクロブチルオキシカリウム、ペンチルオキシカリウム、イソペンチルオキソカリウム、1−メチルブチルオキシカリウム、tert−ペンチルオキシカリウム、ネオペンチルオキシカリウム、ヘキシルオキシカリウム、シクロヘキシルオキシカリウム、1,3−ジメチルブチルオキシカリウム、1−エチルプロピルオキシカリウム、1,1−ジメチルブチルオキシカリウム、1−エチル−1−メチルプロピルオキシカリウム、1,1−ジエチルプロピルオキシカリウム、シクロヘキシルオキシカリウム、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキシカリウム、1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシカリウムなどを挙げることが出来、ビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)の収率が良い点で好ましくはブトキシリチウム、イソブチルオキシリチウム、sec−ブチルオキシリチウム、tert−ブチルオキシリチウム、シクロブチルオキシリチウム、ペンチルオキシリチウム、イソペンチルオキソリチウム、1−メチルブチルオキシリチウム、tert−ペンチルオキシリチウム、ネオペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウム、シクロヘキシルオキシリチウム、1,3−ジメチルブチルオキシリチウム、1−エチルプロピルオキシリチウム、1,1−ジメチルブチルオキシリチウム、1−エチル−1−メチルプロピルオキシリチウム、1,1−ジエチルプロピルオキシリチウム、シクロヘキシルオキシリチウムであり、殊更好ましくはtert−ブチルオキシリチウム又はtert−ペンチルオキシリチウムである。
製造方法2では、ビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)の収率が良い点で、先ずテトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウムとビニレンジアミドアルカリ金属塩を反応させ、次いで金属アルコキシド(5)を反応させるのが好ましい。
製造方法2は、ビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)の収率が良い点で、不活性ガス雰囲気下において有機溶媒中で実施するのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどを例示することができる。ビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)の収率が良い点で、窒素ガス又はアルゴン雰囲気下で製造方法1を実施するのが好ましい。
また、製造方法2で用いることが出来る有機溶媒としては、反応を阻害することがない有機溶媒であれば制限はない。用いることができる溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル溶媒などを例示することができ、これらを単独で用いても良く、二種類以上を任意の比率で混合して用いても良い。ビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)の収率が良い点で、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル溶媒が好ましく、またペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなどの炭化水素溶媒と、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル溶媒を混合して用いるのも好ましい。
製造方法2では溶媒の使用量に特に制限はなく、適宜選択された量の溶媒を用いることにより収率良くビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)を製造することができる。金属アルコキシド(5)の使用量については、ビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)の収率が良好な点で、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム1当量に対して2当量以上用いるのが好ましく、過不足無く反応を完結できる点でテトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム1当量に対して2当量から2.2当量の範囲内が更に好ましい。製造方法2の反応温度及び反応時間には特に限定はなく、好ましくは−80℃から120℃、10分から120時間の範囲の中から、更に好ましくは−80℃から60℃、1時間から48時間の範囲の中から適宜選択することによって、収率よくビニレンジアミドジルコニウム錯体(1−Zr)を製造することができる。
製造方法2によって製造したビニレンジアミド錯体(1)は、必要に応じてろ過、抽出、蒸留、昇華、結晶化などの一般的な精製方法を適宜用いることにより精製することができる。
次に、本発明の製膜用材料について説明する。本発明の一般式(1)で示されるビニレンジアミド錯体(1)を、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素からなる群より選ばれる一種類以上の酸化剤と反応させることによって、ジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜の作製に有用な製膜用材料となる。
また、本発明のビニレンジアミド錯体(1)と一般式(2)で示される金属テトラアルコキシドを混合して酸化剤と反応させても良い。この場合、用いることが出来る金属テトラアルコキシド(2)としては、テトラメトキソハフニウム、テトラエトキソハフニウム、テトラプロポキソハフニウム、テトライソプロポキソハフニウム、テトラブトキソハフニウム、テトラ(イソブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(sec−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(シクロブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(イソペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−メチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ネオペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(ヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラ(シクロヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラ(1,3−ジメチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−エチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラ(1,1−ジメチルブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラキス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)ハフニウム、テトラキス(シクロヘキシルオキソ)ハフニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)ハフニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキソ)ハフニウム、テトラメトキソジルコニウム、テトラエトキソジルコニウム、テトラプロポキソジルコニウム、テトライソプロポキソジルコニウム、テトラブトキソジルコニウム、テトラ(イソブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(sec−ブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(シクロブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(イソペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−メチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ネオペンチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(ヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラ(シクロヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1,3−ジメチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−エチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1,1−ジメチルブチルオキソ)ジルコニウム、テトラ(1−エチル−1−メチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(シクロヘキシルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)ジルコニウム、テトラキス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキソ)ジルコニウムなどを例示することが出来、テトラ(tert−ブチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ハフニウム、テトラ(tert−ブチルオキソ)ジルコニウム及びテトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウムが電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化物膜を作製することが出来る点で好ましい。本発明のビニレンジアミド錯体(1)と一般式(2)で示される金属テトラアルコキシドを混合して酸化剤と反応させる場合、少なくとも10モルパーセント以上、好ましくは20モルパーセント以上のビニレンジアミド錯体(1)を用いるのが電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化物膜を作製することが出来る点で好ましい。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤との反応は、溶媒中または溶媒無のいずれでも実施することができる。溶媒中で実施する場合、用いることができる溶媒としては、反応に害を及ぼさないものであれば制限はなく、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタンなどのアルカン系溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼンなどのベンゼン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、1,2−ブタンジオールジメチルエーテル、1,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ブタンジオールジメチルエーテル、2,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒などを示すことができる。これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上の溶媒を任意の比率で混合して用いても良い。
電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化物膜を作製することができる点で、アルカン系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。有機溶媒の使用量には制限はなく、反応の時間効率が良い点でビニレンジアミド錯体(1)10グラムに対して溶媒を20mL以下用いるのが好ましく、10mL以下用いるのが更に好ましい。
本発明のビニレンジアミド錯体(1)を用いて製膜用材料とするとき、用いることができる酸化剤としては、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素を挙げることができる。これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上を任意の比率で混合して用いても良い。ビニレンジアミド錯体(1)との反応の時間効率が良い点で、酸素ガス、空気または水を用いるのが好ましい。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤のモル比については、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)を作製することができる点で、ビニレンジアミド錯体(1)1モルに対して等モル以上の酸化剤を反応させるのが好ましい。酸化剤が酸素ガス又は空気などの気体の場合には、ビニレンジアミド錯体(1)1モルに対して5倍モル以上の酸素分子を反応させることが更に好ましい。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤を反応させるときには、必要に応じてヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素ガスなどの不活性ガスを反応雰囲気として用いることができる。不活性ガスを用いる場合であって、酸化剤が酸素ガスや空気などの気体のとき、酸化剤と不活性ガスの混合比には特に制限はなく、好ましくは酸化剤:不活性ガスの体積比を1:99から99:1の範囲、更に好ましくは20:80から80:20の範囲から適宜選んで用いることによって、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化ジルコニウム薄膜又は酸化ハフニウム薄膜(酸化物膜)を作製することができる。
ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤の反応温度には特に制限はなく、ビニレンジアミド錯体(1)や酸化剤の種類に応じて適宜選択された温度で反応を実施することによって、製膜用材料を製造することができる。電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化物膜を作製することができるので、−30℃から350℃の範囲が典型的な反応温度であり、0℃から120℃の範囲が好ましく、10℃から80℃の範囲が更に好ましい。
また、必要に応じてピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類を添加しても良い。ピリジン類を添加する場合、その添加量に特に制限はなく、ビニレンジアミド錯体(1)1モルに対して0.1から50倍モルの範囲から適宜選択された量を用いることによって、電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)を作製することができる。
また、ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤を反応させることによって本発明の製膜用材料とする場合、必要に応じてろ過、抽出、結晶化などの精製処理や、アルコールなどを用いた改質処理などの後処理を施しても良い。
電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好なジルコニウム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)を作製することができる点で、ビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤を反応させた後、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させ、その後加熱することにより得られる製膜用材料であることが好ましい。
該アルコールとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールなどのセルソルブ類、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、2,7−ジメチル−3,6−オクタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1−ヒドロキシメチル−2−(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,2−ベンジルジメチロール、1,3−ベンジルジメチロール、1,2−シクロヘキサンジオール,1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオールなどのトリオール類、及び1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのテトラオール類などを例示することができる。電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化物膜を作製することができる点で、セルソルブ類が好ましくエチレングリコールモノメチルエーテルが殊更好ましい。
製膜用材料は、ジルコニウム原子を有し、かつ、各前記金属原子が、架橋酸素原子によって架橋されている化合物を、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させ、その後加熱することにより得られる製膜用材料であってもよい。架橋型酸素原子とはこの場合、2個、3個又は4個の金属原子に架橋配位した酸素原子を表す(架橋オキソ配位子、三重架橋オキソ配位子及び四重架橋オキソ配位子)。該製膜用材料としては、例えば、ZrO(OH)(OBu)、ZrO(OBu)10、ZrO(OPr)10(acac)、Zr(OMc)12、Zr(OH)(OMc)12、Zr10(OH)(OPr)18(aaa)、Zr13(OMe)36等が挙げられ、その中でも低温で光学特性が良好な酸化物膜を作製することができる点で、Zr(OH)(OMc)12、Zr13(OMe)36が好ましい。ここで、(OMc)は(OCOCCHCH)、(aaa)は(CHCOCHCOCHCHCHCH)、(acac)は(CHCOCHCOCH)の略である。
分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールとしては、例えばビニレンジアミド錯体(1)と酸化剤を反応させた後に用いたアルコールと同様のアルコールを挙げることができる。
本発明の製膜用材料溶液は、上記製膜用材料と有機溶媒を含むことを特徴とする。
用いることができる有機溶媒としては、アルコール類、炭化水素類、エーテル類、ケトン類、カルボン酸及びエステル類を挙げることができる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、tert−ペンンチルアルコール、シクロペンチルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノールなどのモノオール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールなどのセルソルブ類、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、2,7−ジメチル−3,6−オクタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1−ヒドロキシメチル−2−(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,2−ベンジルジメチロール、1,3−ベンジルジメチロール、1,2−シクロヘキサンジオール,1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオールなどのトリオール類、及び1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのテトラオール類などを例示することができる。
炭化水素類としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどを例示することができる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、1,2−ブタンジオールジメチルエーテル、1,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ブタンジオールジメチルエーテル、2,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸2−メトキシエチル、酢酸3−メトキシプロピルなどを例示することができる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルジイソプロピルケトン、tert−ブチルメチルケトン、アセチルアセトン、ジアセチルなどを例示することができる。
カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、シュウ酸などを例示することができる。
エステル類としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピルなどのギ酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピルなどの酢酸エステル、γ−ブチロラクトンなどの環状エステルなどを例示することができる。
電気伝導度などの電気特性や屈折率などの光学特性が良好な酸化膜を作製することができる点で、有機溶媒としてはアルコール類が好ましく、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどのセルソルブ類が更に好ましく、エチレングリコールモノメチルエーテルが殊更好ましい。
また、これらの有機溶媒のうち、任意の二種類以上を任意の割合で混合して用いても良い。
製膜用材料溶液には、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、増粘剤、レオロジー調整剤などの調整剤を添加しても良い。
レベリング剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン、有機変性ポリシロキサン、アクリル樹脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどを例示することができる。
消泡剤としては、シリコーン、界面活性剤、ポリエーテル、高級アルコール、グリセリン高級脂肪酸エステル、グリセリン酢酸高級脂肪酸エステル、グリセリン乳酸高級脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸高級脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸高級脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸高級脂肪酸エステル、グリセリン酢酸エステル、ポリグリセリン高級脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどを例示することができる。
増粘剤としては、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、水添加ヒマシ油、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、脂肪酸アマイド、酸化ポリエチレン、デキストリン脂肪酸エステル、ジベンジリデンソルビトール、植物油系重合油、表面処理炭酸カルシウム、有機ベントナイト、シリカ、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、キサンタンゴム、ポリエーテルウレタン変性物、ポリ(アクリル酸−アクリル酸エステル)、モンモリロナイトなどを例示することができる。
レオロジー調整剤としては、酸化ポリオレフィンアマイト、脂肪酸アマイド系、酸化ポリオレフィン系、ウレア変性ウレタン、メチレンジイソシアナト、トリメチレンジイソシアナト、テトラメチレンジイソシアナト、ヘキサメチレンジイソシアナト、ω,ω’ジプロピルエーテルジイソシアナト、チオジプロピルジイソシアナト、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアナト、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナト、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−ジメチル−2,4−ビス(ω−イソシアナトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンなどを例示することができる。
製膜用材料溶液中の製膜用材料の濃度は、製膜用材料や有機溶媒の種類に応じて適宜選択される。例えば、有機溶媒がエチレングリコールモノメチルエーテルの場合、製膜用材料の濃度は任意であり、0.1wt%以上20wt%以下の濃度であることがジルコニム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)の厚みを制御しやすい点で好ましい。
また本発明の製膜用材料溶液は、一種類の製膜用材料を有機溶媒に溶解させて用いる以外に、二種類以上の製膜用材料を有機溶媒に溶解させて用いることができる。二種類以上の製膜用材料を用いることにより、光学特性の異なるジルコニム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)を作製することができる。
また本発明の製膜用材料溶液は、公知物質の製膜用材料溶液と共に用いることにより、複合酸化物の薄膜を作製することができる。
本発明の酸化物膜の作製方法は、上記製膜用材料溶液を基板表面に塗布し、該基板を熱処理及び/又は紫外線照射処理する酸化物膜の作成方法である。
製膜用材料溶液を基板の表面に塗布する方法としては、湿式法による薄膜作製プロセスにおいて一般的な方法を用いることができる。具体的には、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、バーコーティング法、超音波コーティング法、スクリーン印刷法、刷毛塗り、スポンジ塗りなどを表すことができる。コストメリットが高く、良好なチタン酸化物膜を作製できる点で、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、バーコーティング法が好ましい。
酸化物膜の作製方法で用いることができる基板の種類は特に限定はなく、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリエチレンナフタレートなどの樹脂基板、及びこれらを複合した複合樹脂基板を用いることができる。また、ガラス、石英、陶器等のセラミックス、ケイ素、各種金属、各種金属酸化物膜、及びこれらの複合材などの無機基板を用いることができる。樹脂基板と無機基板を組み合わせた複合基板を用いることもできる。
熱処理の温度には特に限定はなく、使用する基板の熱変形温度以下が好ましい。また本発明の作製方法を用いることによって、低い温度の熱処理でも酸化物膜を作製することが可能である。低い温度として具体的には20℃以上1000℃以下の範囲が好ましく、20℃以上700℃以下の範囲が更に好ましく、20℃以上400℃以下の範囲が更に好ましく、20℃以上200℃以下の範囲が殊更好ましい。
熱処理時間は特に限定はなく、必要十分な熱処理を施すことができる点で1分から5時間の範囲内が好ましく、1分から30分の範囲内がさらに効率的で好ましい。
紫外線照射処理をする場合、その雰囲気には特に限定はなく、例えば空気、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、アルゴン、ネオン、ヘリウムなどのガスを雰囲気として用いることができる。これらのガスを雰囲気として用いずに、真空中で紫外線照射処理することもできる。紫外線の照射波長には特に限定はなく、好ましくは150nmから400nmの範囲から、基板に影響を与えない波長を適宜選択することによって、電気特性や光学特性が良好な酸化物膜を作製することができる。紫外線の照度は特に限定はなく、好ましくは100mJ/cm以上、さらに好ましくは500mJ/cm以上である。なお、マスク基板を介して紫外線照射して得られた酸化物膜は、エッチングなどの後処理により解像度の高い細線パターンを形成することもできる。
熱処理と紫外線照射処理の両方を施す場合、その順序には特に限定はなく、電気特性や光学特性が良好な酸化物膜を作製することができる点で、紫外線照射処理を先に実施した後、熱処理を実施するのが好ましい。その時の紫外線の波長は150nmから400nmが好ましく、かつ熱処理の温度は20℃以上200℃以下が好ましい。
酸化物膜の作製方法によって、一層膜だけでなく二層膜以上の多層膜の作製も可能である。多層膜を作製するには、一層ずつ塗布して熱処理及び/又は紫外線照射処理する方法を繰り返す順次積層方法、及び塗布を繰り返して多層を形成した後、一度に熱処理及び/又は紫外線照射処理する積層方法とも可能である。
上記の方法によって得られたジルコニム酸化膜又はハフニウム酸化膜は、表面粗さの小さい膜となる。膜(2μm×2μm)の
表面粗さの値としては、好ましくは0.2〜1nm、特に好ましくは0.2〜0.5nmである。
本発明のビニレンジアミド錯体と酸化剤の反応によって調製した製膜用材料を用いて作製したジルコニム酸化膜又はハフニウム酸化膜(酸化物膜)は、例えばタッチパネルなどの反射防止膜、太陽電池などの透明導電膜、ハードコート材、ガラス等の傷補修材、ガスバリア材、光触媒性部材などとして用いることができる。具体的な工業製品の例としては、テレビ、ラジオ、コンピュータ、あるいは携帯電話等の電化製品、建築用内外装材、車両、船舶、航空機等の内外装材、ガラス繊維、ガラス粉、板ガラス等の各種ガラス、車両、船舶、航空機などの窓部材、鏡、照明器具、タイル、医療機器、医療器具、医療用材料、衛星用品、半導体等の製造における成膜装置、プラズマ処理装置(プラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置、アッシング装置)、光学セル、マイクロ流体チップ等に用いられる。
また本発明のビニレンジアミド錯体を材料として用いた化学気相蒸着法(CVD法)や原子層蒸着法(ALD)法などの製膜手法によって、酸化ジルコニウム薄膜や酸化ハフニウム薄膜、またはそれらのシリカート薄膜などを作製することも出来る。
本発明のビニレンジアミド錯体(1)は、電気的性質、光学的性質に優れた酸化物膜の原料である。該ビニレンジアミド錯体(1)と、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素からなる群から選ばれる一種類以上の酸化剤とを反応させることによって、ジルコニム酸化膜又はハフニウム酸化膜の作製に有用な製膜用材料を調製し、その製膜用材料を用いて電気的性質、光学的性質に優れた酸化物膜を作製することが出来る。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書中では、Me、Et、Pr、Pr、Bu、Pe、Cy及びOctは、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基(tert−オクチル基)を表す。なお全ての反応操作はアルゴンガス雰囲気下で実施した。
実施例−1
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン8.39g(42.7mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし、リチウム622mg(89.3mmol)を加えて室温で14時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残った固体をトルエン50mLに溶かすことにより、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を調製した。一方、四塩化ハフニウム6.83g(21.3mmol)をジエチルエーテル60mLとテトラヒドロフラン20mLの混合溶媒に懸濁させ、テトラ(tert−ブトキソ)ハフニウム10.05g(21.3mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応溶液から溶媒を減圧下で除去した後、トルエン80mLを加え、ドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度108℃、背圧1.0×10Pa)により、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(PeNCH=CHNPe)(OBu))を黄色の粘性液体として得た。収量10.83g(収率48%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,65(s,2H),1.59(q,J=7.3Hz,4H),1.29(s,18H),1.28(s,12H),0.89(t,J=7.3Hz,6H).13C NMR(125MHz,C)δ102.9,76.0,57.1,36.3,33.4,29.6,9.1。
実施例−2
Figure 2014047198
N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン6.56g(23.4mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶かし、リチウム334mg(48.1mmol)を加えて室温で15時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残った固体をトルエン50mLに溶かすことにより、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を調製した。一方、四塩化ハフニウム3.74g(11.7mmol)をジエチルエーテル30mLとテトラヒドロフラン10mLの混合溶媒に懸濁させ、テトラ(tert−ブトキソ)ハフニウム5.50g(11.7mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応溶液から溶媒を減圧下で除去した後、トルエン50mLを加え、ドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン90mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度146℃、背圧2.0×10Pa)により、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(OctNCH=CHNOct)(OBu))を黄色の粘性液体として得た。収量7.43g(収率52%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,68(s,2H),1.65(s,4H),1.42(s,12H),1.30(s,18H),1.01(s,18H).13C NMR(125MHz,C)δ102.6,76.0,58.5,56.4,33.5,32.2,31.9,31.8。
実施例−3
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン8.51g(43.3mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし、リチウム617mg(88.9mmol)を加えて室温で14時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残った固体をトルエン50mLに溶かすことにより、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム5.05g(21.7mmol)をジエチルエーテル50mLとテトラヒドロフラン20mLの混合溶媒に懸濁させ、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム9.53g(21.7mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応溶液から溶媒を減圧下で除去した後、トルエン80mLを加え、ドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度130℃、背圧2.4×10Pa)により、ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OPe))を黄色の粘性液体として得た。収量15.3g(収率76%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,64(s,2H),1.59(q,J=7.3Hz,4H),1.49(br,q,J=7.3Hz,4H),1.28(s,12H),1.22(br,s,12H),0.99(br,t,J=7.3Hz,6H),0.86(t,J=7.3Hz,6H).13C NMR(125MHz,C)δ103.8,77.7,57.5,38.0,36.3,31.1,29.4,9.3,9.2。
実施例−4
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン4.17g(24.8mmol)をテトラヒドロフラン35mLに溶かし、リチウム352mg(50.7mmol)を加えて室温で14時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残った固体をトルエン30mLに溶かすことにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム2.88g(12.4mmol)をジエチルエーテル35mLとテトラヒドロフラン15mLの混合溶媒に懸濁させ、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム5.44g(12.4mmol)を加えて室温で10時間撹拌した。反応溶液から溶媒を減圧下で除去した後、トルエン40mLを加え、ドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で12時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度101℃、背圧9.9×10Pa)により、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OPe))を黄色の液体として得た。収量8.40g(収率78%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,72(s,2H),1.48(q,J=7.3Hz,4H),1.33(s,18H),1.22(s,12H),0.99(t,J=7.3Hz,6H).13C NMR(125MHz,C)δ103.8,77.7,55.0,38.0,31.8,31.1,9.4。
実施例−5
Figure 2014047198
N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン10.9g(38.9mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし、リチウム553mg(79.7mmol)を加えて室温で15時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残った固体をトルエン50mLに溶かすことにより、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム4.53g(19.4mmol)をジエチルエーテル50mLとテトラヒドロフラン20mLの混合溶媒に懸濁させ、テトラ(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム8.55g(19.4mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応溶液から溶媒を減圧下で除去した後、トルエン50mLを加え、ドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度154℃、背圧1.6×10Pa)により、ジ−tert−ペンチルオキソ(N,N’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(OctNCH=CHNOct)(OPe))を黄色の粘性液体として得た。収量10.6g(収率50%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,69(s,2H),1.64(s,4H),1.49(br,4H),1.43(s,12H),1.24(brs,12H),1.02(br,6H),1.00(s,18H).13C NMR(125MHz,C)δ103.4,77.8,58.9,56.5,38.0,32.0,31.9,31.8,31.2,9.4。
実施例−6
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン7.14g(42.4mmol)をテトラヒドロフラン60mLに溶かし、リチウム600mg(86.4mmol)を加えて室温で14時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残った固体をトルエン50mLに溶かすことにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を調製した。一方、四塩化ハフニウム6.77g(21.1mmol)をジエチルエーテル50mLとテトラヒドロフラン15mLの混合溶媒に懸濁させ、テトラキス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)ハフニウム12.5g(21.1mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応溶液から溶媒を減圧下で除去した後、トルエン80mLを加え、ドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのトルエン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン120mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度135℃、背圧1.2×10Pa)により、ビス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ハフニウム(Hf(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHOMe))を黄色の粘性液体として得た。収量12.2g(収率52%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,79(s,2H),3.26(s,6H),3.08(s,4H),1.41(s,18H),1.21(s,12H).13C NMR(125MHz,C)δ105.5,85.1,75.1,60.1,55.3,32.0,29.8,29.5。
実施例−7
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン10.3g(52.6mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし、リチウム748mg(108mmol)を加えて室温で14時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム12.3g(52.6mmol)をジエチルエーテル25mL及びテトラヒドロフラン50mLの混合溶媒に懸濁させて室温で20分間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残渣にテトラヒドロフラン50mLを加えることにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル120mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、tert−ブトキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,40.0mL,107.6mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度112℃、背圧1.2×10Pa)により、ジ−tert−ブチルオキソ(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OBu))を黄色の粘性液体として得た。収量7.78g(収率34%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,64(s,2H),1.57(q,J=7.5Hz,4H),1.28(s,30H),0.86(t,J=7.3Hz,6H).13C NMR(125MHz,C)δ103.7,75.5,57.4,36.2,33.4,29.5,9.2。
実施例−8
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン9.90g(58.8mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし、リチウム836mg(120mmol)を加えて室温で14時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム13.7g(58.8mmol)をジエチルエーテル25mL及びテトラヒドロフラン50mLの混合溶媒に懸濁させて室温で20分間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残渣にテトラヒドロフラン50mLを加えることにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で13時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル120mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、1,1−ジエチルプロピルオキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,43.7mL,118mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度137℃、背圧8.6×10Pa)により、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジエチルプロピルオキソ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCEt)を黄橙色の粘性液体として得た。収量13.40g(収率47%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,74(s,2H),1.47(q,J=7.3Hz,12H),1.34(s,18H),0.91(t,J=7.3Hz,18H).13C NMR(125MHz,C)δ103.9,82.2,55.2,32.4,31.8,8.7。
実施例−9
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン8.00g(47.5mmol)をテトラヒドロフラン60mLに溶かし、リチウム669mg(96.4mmol)を加えて室温で14時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム11.0g(47.2mmol)をジエチルエーテル20mL及びテトラヒドロフラン40mLの混合溶媒に懸濁させて室温で20分間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残渣にテトラヒドロフラン40mLを加えることにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で13時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル110mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,35.5mL,95.5mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度118℃、背圧9.6×10Pa)により、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−メトキシエチルオキソ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHOMe))を黄橙色の粘性液体として得た。収量14.80g(収率67%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,79(s,2H),3.27(s,6H),3.09(brs,4H),1.40(s,18H),1.18(s,12H).13C NMR(125MHz,C)δ105.7,84.8,74.7,60.0,55.2,31.6,29.5。
実施例−10
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン7.60g(45.2mmol)をテトラヒドロフラン60mLに溶かし、リチウム642mg(92.4mmol)を加えて室温で14時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム10.5g(45.1mmol)をジエチルエーテル20mL及びテトラヒドロフラン40mLの混合溶媒に懸濁させて室温で20分間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残渣にテトラヒドロフラン40mLを加えることにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、tert−ペンチルオキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,34.0mL,91.5mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で14時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度101℃、背圧9.9×10Pa)により、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(tert−ペンチルオキソ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OPe))を黄色の液体として得た。収量13.77g(収率70%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,72(s,2H),1.48(q,J=7.3Hz,4H),1.33(s,18H),1.22(s,12H),0.99(t,J=7.3Hz,6H).13C NMR(125MHz,C)δ103.8,77.7,55.0,38.0,31.8,31.1,9.4。
実施例−11
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン4.91g(29.2mmol)をテトラヒドロフラン100mLに溶かし、リチウム425mg(61.2mmol)を加えて室温で14時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム6.80g(29.2mmol)をヘキサン40mL及びテトラヒドロフラン10mLの混合溶媒に懸濁させて室温で1時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残渣にテトラヒドロフラン150mLを加えることにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で24時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル150mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、tert−ブトキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,21.7mL,58.4mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で2時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン110mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧下で昇華することにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(tert−ブトキソ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OBu))を黄色の固体として得た。収量4.15g(収率35%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,73(s,2H),1.33(s,18H),1.28(s,18H).13C NMR(125MHz,C)δ103.7,75.4,54.8,33.4,31.8。
実施例−12
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン2.30g(13.7mmol)をテトラヒドロフラン40mLに溶かし、リチウム199mg(28.7mmol)を加えて室温で18時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム4.44g(19.1mmol)をヘキサン50mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶媒に懸濁させて室温で30分間撹拌することにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で25時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、1−エチルプロピルオキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,10.2mL,27.4mmol)を加えて15時間攪拌した反応液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で9時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ヘキサン50mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度110℃、背圧1.0×10Pa)により、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1−エチルプロピルオキソ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCHEt)を黄橙色の粘性液体として得た。収量2.06g(収率35%)。
H NMR(500MHz,C)δ5,71(s,2H),4.12(quintet,J=6.0Hz,2H),1.75(m,8H),1.24(s,18H),1.10(t,J=7.3Hz,12H).13C NMR(125MHz,C)δ103.7,82.8,55.2,31.6,30.8,11.1。
実施例−13
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン4.86g(28.9mmol)をテトラヒドロフラン40mLに溶かし、リチウム420mg(60.5mmol)を加えて室温で14時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム5.37g(23.0mmol)をヘキサン40mL及びテトラヒドロフラン10mLの混合溶媒に懸濁させて室温で1時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。残渣にテトラヒドロフラン150mLを加えることにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で24時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル150mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液から溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣にヘキサン100mLを加えて懸濁液を調製した。該懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、1,1,−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,21.5mL,57.8mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で16時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、ろ液から溶媒を減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度111℃、背圧9.8×10Pa)により、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシ)ジルコニウム(Zr(BuNCH=CHNBu)(OCMeCHNMe)を黄橙色の液体として得た。収量5.85g(収率41%)。
H NMR(500MHz,C)δ5.80(s,2H),2.27(s,4H),2.25(s,12H),1.44(s,18H),1.29(s,12H).13C NMR(125MHz,C)δ106.0,73.6,73.3,55.1,49.0,31.7,31.1。
実施例−14
Figure 2014047198
N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン8.08g(41.2mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし、リチウム606mg(87.3mmol)を加えて室温で15時間撹拌することにより、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。一方、四塩化ジルコニウム9.59g(41.2mmol)をヘキサン100mL及びテトラヒドロフラン50mLの混合溶媒に懸濁させて室温で40分間撹拌することにより、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液を調製した。テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド)ジリチウムのテトラヒドロフラン溶液を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で24時間撹拌した。得られたスラリーから溶媒を減圧下で除去した後、ジエチルエーテル100mLを加えて可溶成分を抽出した。抽出液から溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣にヘキサン100mLを加えて懸濁液を調製した。該懸濁液をドライアイス−メタノールバスを用いて−70℃まで冷やし、1,1,−ジメチル−2−ジメチルアミノエチルオキシリチウムのヘキサン溶液(2.69mol/L,30.6mL,82.3mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、ドライアイス−メタノールバスを取り除き、室温で15時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、ろ液から溶媒を減圧下で除去し、残渣を減圧蒸留すること(留出温度127℃、背圧4.3×10Pa)により、(N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,2−ビニレンジアミド−κN,N’)ビス(1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロピルオキシ)ジルコニウム(Zr(PeNCH=CHNPe)(OCMeCHNMe)を黄橙色の液体として得た。収量6.92g(収率32%)。
H NMR(500MHz,C)δ5.73(s,2H),2.29(s,4H),2.26(s,12H),1.66(t,J=7.3Hz,4H),1.42(s,12H),1.29(s,12H),0.93(t,J=7.3Hz,6H).13C NMR(125MHz,C)δ105.7,73.7,73.3,57.7,49.0,37.3,31.5,28.2,9.3。
実施例−15
アルゴン雰囲気下で、実施例7で得たZr(PeNCH=CHNPe)(OBu)及びテトラ(tert−ブトキシ)ジルコニウムの混合物(モル比26:74)0.5g及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、シュレンク管内を2Paまで減圧した。酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を充填した内容積5Lの風船をシュレンク管に接続し、シュレンク管内を酸素とアルゴンの混合ガスで満たした。シュレンク管に風船を接続したまま室温で24時間撹拌した後、80℃に加熱しながらシュレンク内を10Paまで減圧して揮発成分を除去することにより、黄色固体0.28gを得た。該黄色固体をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて乾固することにより、製膜用材料1を黒褐色固体として0.25g得た。製膜用材料1(0.25g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3.0mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Zr−01を得た。
また、上記と同様の手法で得た黄色固体0.27gをシュレンク管に移し、この黄色固体をジエチルエーテル0.6mlに溶かした。該シュレンク管を氷浴で3時間浸した後、該シュレンク管を−30℃で冷凍することで、白色の針状結晶を得た。なお、単結晶X線解析構造解析により、この針状結晶は3個のジルコニウム原子を有し、かつ、それらが架橋酸素原子によって架橋されているZrO(OH)(Bu)であることを確認した
(X線結晶解析)
構造解析精密化における最終のR値は0.06であった。最終のRw値は0.13であった。
組成式:C368211Zr
結晶系:単斜晶
空間群:P21/m
格子定数:a=10.84Å、b=20.55Å、c=11.31Å、α=γ=90°、β=101°
実施例−16
アルゴン雰囲気下で、実施例3で得たZr(PeNCH=CHNPe)(OPe)6.6g及びテトラ(tert−ペントキシ)ジルコニウムの混合物(モル比67:33)及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、シュレンク管内を2Paまで減圧した。酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を充填した内容積5Lの風船をシュレンク管に接続し、シュレンク管内を酸素とアルゴンの混合ガスで満たした。シュレンク管に風船を接続したまま室温で240時間撹拌した後、80℃に加熱しながらシュレンク内を10Paまで減圧して揮発成分を除去することにより、褐色液体4.1gを得た。該褐色液体をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル30mLに溶かし、80℃で15時間加熱した。さらに反応容器内を80℃、10Paの減圧下、10時間かけて乾固することにより、製膜用材料2を黒色固体として1.8g得た。製膜用材料2(0.24g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル2.2mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Zr−02を得た。
同様に、製膜用材料6 0.51gをアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル2.7mLに溶かし、シリンジフィルター(Millpore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Zr−03を得た。
実施例−17
アルゴン雰囲気下、実施例7で得たZr(PeNCH=CHNPe)(OBu)8.0g、トルエン20mL及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。該トルエン溶液に、アルゴンの混合ガス(酸素20体積%)をテフロン(登録商標)チューブを通じて流量100mL/minで撹拌しながら通気させた。9時間後、通気を止めて該トルエン溶液を室温まで冷ました。トルエンを減圧除去した後、残渣にアセトニトリル20mLを加え、不溶解物をろ過によって分取した。該不溶解物を減圧乾燥することにより、黄色固体5.6gを得た。該黄色固体(0.6g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル1.8mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて乾固することにより、製膜用材料3を橙色固体として0.31g得た。製膜用材料3(0.31g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3.8mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Zr−04を得た。
実施例−18
アルゴン雰囲気下で、実施例8で得たZr(BuNCH=CHNBu)(OCEt5.0g、トルエン20mL及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。また、該トルエン溶液に、アルゴンの混合ガス(酸素20体積%)をテフロン(登録商標)チューブを通じて流量100mL/minで撹拌しながら通気させた。9時間後、通気を止めて該トルエン溶液を室温まで冷ました。トルエンを減圧除去した後、残渣にアセトニトリル80mLを加え、不溶解物をろ過によって分取した。該不溶解物を減圧乾燥することにより、黄色固体2.5gを得た。該白色固体(0.6g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル4.1mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて乾固することにより、製膜用材料4を黄褐色固体として0.31g得た。製膜用材料4(0.31g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル2.6mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Zr−05を得た。
実施例−19
アルゴン雰囲気下で、実施例7で得たZr(BuNCH=CHNBu)(OPe)8.0g、トルエン20mL及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。また、該トルエン溶液に、アルゴンの混合ガス(酸素20体積%)をテフロン(登録商標)チューブを通じて流量100mL/minで撹拌しながら通気させた。6時間後、通気を止めて該トルエン溶液を室温まで冷ました。トルエンを減圧除去した後、残渣にトルエン2mL及びアセトニトリル40mLを加え、不溶解物をろ過によって分取した。該不溶解物を減圧乾燥することにより、橙色粘性固体5.3gを得た。該橙色粘性固体(0.6g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3.4mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて乾固することにより、製膜用材料5を橙色固体として0.34g得た。製膜用材料5(0.34g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル2.6mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Zr−06を得た。
比較例−1
アルゴン雰囲気下で、テトラ−tert−ブトキソジルコニウム5.0g、トルエン20mL及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。また、該トルエン溶液に、アルゴンの混合ガス(酸素20体積%)をテフロン(登録商標)チューブを通じて流量100mL/minで撹拌しながら通気させた。6時間後、通気を止めて該トルエン溶液を室温まで冷ました。トルエンを減圧除去することによって残渣2.4gを得た。該残渣を0.6g取り、エチレングリコールモノメチルエーテル3.2mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて濃縮することにより、製膜用材料6を白色粘性液体として0.58g得た。製膜用材料6(0.58g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル2.6mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Zr−07を得た。
実施例−20
アルゴン雰囲気下で、実施例1で得たHf(PeNCH=CHNPe)(OBu)8.0g、トルエン20mL及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。また、該トルエン溶液に、アルゴンの混合ガス(酸素20体積%)をテフロン(登録商標)チューブを通じて流量100mL/minで撹拌しながら通気させた。10時間後、通気を止めて該トルエン溶液を室温まで冷ました。トルエンを減圧除去した後、残渣にトルエン1mL及びアセトニトリル40mLを加え、不溶解物をろ過によって分取した。該不溶解物を減圧乾燥することにより、黄色固体4.8gを得た。該黄色固体(0.6g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル2.7mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて乾固することにより、製膜用材料7を赤褐色固体として0.42g得た。製膜用材料7(0.42g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3.4mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Hf−01を得た。
比較例−2
アルゴン雰囲気下で、テトラ−tert−ブトキソハフニウム8.0g、トルエン20mL及び磁気撹拌子を50mLシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。また、該トルエン溶液に、アルゴンの混合ガス(酸素20体積%)をテフロン(登録商標)チューブを通じて流量100mL/minで撹拌しながら通気させた。6時間後、通気を止めて該トルエン溶液を室温まで冷ました。トルエンを減圧除去することによって残渣4.8gを得た。該残渣を0.6g取り、エチレングリコールモノメチルエーテル2.7mLに溶かし、80℃で18時間加熱した。さらに反応容器内を22℃、10Paの減圧下、10時間かけて濃縮することにより、製膜用材料8を白色液体として0.42g得た。製膜用材料8(0.42g)をアルゴン雰囲気下でエチレングリコールモノメチルエーテル3.4mLに溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、製膜用材料溶液Hf−02を得た。
実施例21〜実施例41及び比較例3〜比較例7
実施例15〜実施例20及び比較例1〜比較例2に示した方法で作製した製膜用材料溶液を、それぞれ基板の表面にスピンコーティング法によりコーニングガラス1737基板に塗布し、その基板を30分熱処理することによって酸化物膜を作製した。得られた金属酸化物膜の評価結果を表1に表す。なお、スピンコーティング法による回転条件は回転数500rpmで10秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理した。膜厚および屈折率は、エリプソメーター(日本分光製MEL−30S)を用いて測定した波長300〜800nmのスペクトルの多層膜解析をすることにより決定した。
試験例−1
製膜用材料溶液Zr−03を基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を0.5時間熱処理して作製した酸化物膜のプラズマ耐性試験を実施した。基板表面中央部にカプトンテープを貼り付け、マスクとした。この基板に対し、平行平板型の反応性イオンエッチング装置(アネルバ社製DEM−451)を用いて、CF(流量25.2sccm)−O(流量6.34sccm)−Ar(流量126sccm)の混合ガスを流しつつ、出力300W、2分間のプラズマエッチングを行った。プラズマエッチング後に、カプトンテープを剥離し、カプトンテープ貼り付け部と非貼り付け部との界面に生じた段差を同一サンプルにつき三箇所ずつ、接触式表面粗さ計(Sloan社製DEKTAK3030)にて測定し、その平均値をプラズマエッチング量とした。このプラズマエッチング量をエッチング時間で除することで、プラズマエッチング速度とした。なお、同条件でプラズマエッチングを行った場合、基板として用いた石英ガラスのプラズマエッチング速度は60.0nm/minであった。本試験の結果を表2に表す。なお、スピンコーティング法による回転条件は回転数500rpmで15秒処理した後、回転数1000rpmで30秒処理した。
試験例−2
製膜用材料溶液Zr−03を基板の表面にスピンコーティング法により塗布し、その基板を熱処理して作製した酸化物膜のフッ化水素酸溶液耐性試験を実施した。基板表面中央部にカプトンテープを貼り付け、マスクとした。この基板を、20℃の0.5wt%フッ化水素酸水溶液に浸漬し、湿式エッチングを行った。所定時間エッチング後に、カプトンテープを剥離し、カプトンテープ貼り付け部と非貼り付け部との界面に生じた段差を同一サンプルにつき三箇所ずつ、接触式表面粗さ計(Sloan社製DEKTAK3030)にて測定し、その平均値を湿式エッチング量とした。この湿式エッチング量をエッチング時間で除することで、湿式エッチング速度とした。なお、同条件で湿式エッチングを行った場合、基板として用いた石英ガラスの湿式エッチング速度は1.5nm/minであった。本試験の結果を表3に表す。なお、スピンコーティング法による回転条件は回転数500rpmで15秒処理した後、回転数5000rpmで60秒処理した。
Figure 2014047198
Figure 2014047198
Figure 2014047198

Claims (25)

  1. 一般式(1)
    Figure 2014047198
    (式中、Mはジルコニウム原子又はハフニウム原子を表す。R及びRは、各々独立にC〜C12アルキル基を表す。R及びRは、各々独立に水素原子又はC〜Cアルキル基を表す。Rは、C〜C12アルキル基、又はQRで表される置換アルキル基を表す。QはC〜Cアルキル基で置換されていてもよいC〜C直鎖アルキレン基を表す。RはC〜Cアルコキシ基又はジ(C〜Cアルキル)アミノ基を表す。)で示されることを特徴とするビニレンジアミド錯体。
  2. 及びRが各々独立にC〜Cアルキル基であり、R及びRが水素原子であり、RがC〜Cアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のビニレンジアミド錯体。
  3. 及びRが各々独立にtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、R及びRが水素原子であり、Rがtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビニレンジアミド錯体。
  4. 一般式(2)
    M(OR(2)
    (式中、M及びRは一般式(1)のM及びRと同意義を表す。)で示される金属テトラアルコキシド、一般式(3)
    MCl(3)
    (式中、Mは一般式(1)のMと同意義を表す。)で示される金属四塩化物及び一般式(4)
    Figure 2014047198
    (式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるビニレンジアミドアルカリ金属塩を反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビニレンジアミド錯体の製造方法。
  5. 金属テトラアルコキシド(2)と金属四塩化物(3)を反応させた後、ビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)を反応させることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 及びRが各々独立にC〜Cアルキル基であり、R及びRが水素原子であり、RがC〜Cアルキル基であることを特徴とする請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 及びRが各々独立にtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、R及びRが水素原子であり、Rがtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、Mがリチウム原子であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム、一般式(4)
    Figure 2014047198
    (式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるビニレンジアミドアルカリ金属塩及び一般式(5)
    OR(5)
    (式中、Rは一般式(1)のRと同意義を表す。Mはアルカリ金属を表す。)で示される金属アルコキシドを反応させることを特徴とする請求項1の一般式(1)
    におけるMがジルコニウム原子であるビニレンジアミド錯体の製造方法。
  9. テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウムとビニレンジアミドアルカリ金属塩(4)を反応させた後、金属アルコキシド(5)を反応させることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 及びRが各々独立にC〜Cアルキル基であり、R及びRが水素原子であり、RがC〜Cアルキル基であることを特徴とする請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 及びRが各々独立にtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、R及びRが水素原子であり、Rがtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、Mがリチウム原子であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 請求項1〜3のいずれかに記載のビニレンジアミド錯体を、酸素ガス、空気、オゾン、水及び過酸化水素からなる群から選ばれる一種類以上の酸化剤と反応させることにより製造されることを特徴とする製膜用材料。
  13. 製膜用材料が、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させ、その後加熱することにより得られる製膜用材料であることを特徴とする請求項12に記載の製膜用材料。
  14. アルコールがセルソルブ類であることを特徴とする請求項13に記載の製膜用材料。
  15. アルコールがエチレングリコールモノメチルエーテルであることを特徴とする請求項13又は14に記載の製膜用材料。
  16. ジルコニウム原子を有し、かつ、各前記金属原子が、架橋酸素原子によって架橋されている化合物を、分子内に2個以上の酸素原子を含むアルコールに溶解させ、その後加熱することにより得られることを特徴とする製膜用材料。
  17. アルコールがセルソルブ類であることを特徴とする請求項16に記載の製膜用材料。
  18. セルソルブ類がエチレングリコールモノメチルエーテルであることを特徴とする請求項17に記載の製膜用材料。
  19. 請求項12〜18のいずれかに記載の製膜用材料及び有機溶媒を含むことを特徴とする製膜用材料溶液。
  20. 有機溶媒がアルコール類であることを特徴とする請求項19に記載の製膜用材料溶液。
  21. アルコール類がセルソルブ類であることを特徴とする請求項19又は20に記載の製膜用材料溶液。
  22. アルコール類がエチレングリコールモノメチルエーテルであることを特徴とする請求項21に記載の製膜用材料溶液。
  23. 請求項19〜22のいずれかに記載の製膜用材料溶液を基板表面に塗布し、該基板を熱処理及び/又は紫外線照射処理することを特徴とする酸化物膜の作製方法。
  24. 塗布する方法が、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、バーコーティング法、超音波コーティング法、スクリーン印刷法、刷毛塗り及びスポンジ塗りのいずれかひとつの方法又は二つ以上を組み合わせた方法であることを特徴とする請求項23に記載の作製方法。
  25. 塗布する方法がスピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法及びバーコーティング法のいずれかひとつの方法又は二つ以上を組み合わせた方法であることを特徴とする請求項23又は24に記載の作製方法。
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