JP6213173B2 - チタン酸化物膜の製造方法及びチタン酸化物膜 - Google Patents
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TixOy(OR1)z1(OR2)z2(OR3)z3 (1)
(式中、x,yは2以上の整数、z1,z2,およびz3は、0以上の整数であり、R1,R2およびR3はそれぞれ独立して、水素、アルキル基、アリール基を表す。ただし、R1,R2およびR3は、ヘテロ原子を含む官能基を含有していてもよい)
[7]一般式(1)で、xが11又は12である上記[6]に記載のチタン酸化物膜の製造方法。
(式中、R4、R5、R6、R7およびR8は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
[12]脂肪族アルコールが、一般式(3)で表される多価アルコール及び/又はエーテルアルコール化合物である上記[10]に記載のチタン酸化物膜の製造方法。
(式中、R9およびR11は、各々独立に水素または炭素数1〜20のアルキル基を表す。R10は水素、水酸基、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。ただし、R9、R10およびR11はヘテロ原子を含む官能基を有していても良い)
[13]アルコールの量が、チタン酸化物クラスター化合物1当量に対し、0.1〜4.0当量である上記[9]〜[12]のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
TixOy(OR1)z1(OR2)z2(OR3)z3 (1)
(式中、x,yは2以上の整数、z1,z2,およびz3は、0以上の整数であり、R1,R2およびR3はそれぞれ独立して、水素、アルキル基、アリール基を表す。ただし、R1,R2およびR3は、ヘテロ原子を含む官能基を含有していてもよい)
一般式(1)のxは2以上の整数であり、好ましくは11又は12であり、yは2以上の整数であり、好ましくは13である。z1,z2,およびz3は、0以上の整数であり、好ましくはz1が18、z2及びz3が0である。
(式中、R12及びR15は各々独立に炭素数3〜12のアルキル基を表す。R13及びR14は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R16は、フッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
一般式(2)で示されるビニレンジミアド錯体におけるR12及びR15は各々独立に炭素数3〜12のアルキル基を表し、具体的な炭素数3〜12のアルキル基としては、例えばプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基等が挙げられ、R13及びR14は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、具体的な炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基等が挙げられ、R16は、フッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基を表し、具体的なフッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、2,2−ジフルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ぺルフルオロプロピル基、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロイソペンチル基、ペルフルオロネオペンチル基、ペルフルオロ−tert−ペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、ペルフルオロウンデシル基、ペルフルオロドデシル基等が挙げられる。
PrNCH=CHNiPr)(OMe)2、Ti(tBuNCH=CHNtBu)(OMe)2、Ti(tPeNCH=CHNtPe)(OMe)2、Ti(iPrNCH=CHNiPr)(OEt)2、Ti(tBuNCH=CHNtBu)(OEt)2、Ti(tPeNCH=CHNtPe)(OEt)2、Ti(iPrNCH=CHNiPr)(OPr)2、Ti(tBuNCH=CHNtBu)(OPr)2、Ti(tPeNCH=CHNtPe)(OPr)2、Ti(iPrNCH=CHNiPr)(OiPr)2、Ti(tBuNCH=CHNtBu)(OiPr)2、Ti(tPeNCH=CHNtPe)(OiPr)2、Ti(iPrNCH=CHNiPr)(OsBu)2、Ti(tBuNCH=CHNtBu)(OsBu)2、Ti(tPeNCH=CHNtPe)(OsBu)2、Ti(iPrNCH=CHNiPr)(OtBu)2、Ti(tBuNCH=CHNtBu)(OtBu)2、Ti(tPeNCH=CHNtPe)(OtBu)2等が挙げられる。
Ti(OR17)4 (5)
(式中、R17は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で表されるチタンテトラアルコキシド錯体を、水あるいはジアセトンアルコールと反応させる方法も知られている。
(式中、R4、R5、R6、R7およびR8は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
一般式(2)で表されるフェノール誘導体におけるR4、R5、R6、R7およびR8は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、具体的な炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘプチル基、オクチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1,1−ジメチルオクチル基、ノニル基、1−メチルノニル基、1−エチルノニル基、1,1−ジメチルノニル基、デシル基、1−メチルデシル基、1−エチルデシル基、1,1−ジメチルデシル基、1−メチル,1−エチルデシル基、1,1−ジエチルデシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、1−エチルウンデシル基、1,1−ジメチルウンデシル基、1−メチル,1−エチルウンデシル基、1,1−ジエチルウンデシル基、ドデシル基、1−メチルドデシル基、1,1−ジメチルドデシル基、1−メチル,1−エチルドデシル基、11,11−ジメチルドデシル基、1,1−ジエチルドデシル基、11,11−ジエチルドデシル基、ステアリル基、1−メチルステアリル基、1,1−ジメチルステアリル基、17,17−ジメチルステアリル基、ウンステアリル基、ドステアリル基等が挙げられる。
(式中、R9およびR11は、各々独立に水素または炭素数1〜20のアルキル基を表す。R10は水素、水酸基、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。ただし、R9、R10およびR11はヘテロ原子を含む官能基を有していても良い)
一般式(3)で表される多価アルコール、エーテルアルコール化合物におけるR9およびR11は、水素または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R10は水素、水酸基、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。R9、R10、R11における炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘプチル基、オクチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1,1−ジメチルオクチル基、ノニル基、1−メチルノニル基、1−エチルノニル基、1,1−ジメチルノニル基、デシル基、1−メチルデシル基、1−エチルデシル基、1,1−ジメチルデシル基、1−メチル,1−エチルデシル基、1,1−ジエチルデシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、1−エチルウンデシル基、1,1−ジメチルウンデシル基、1−メチル,1−エチルウンデシル基、1,1−ジエチルウンデシル基、ドデシル基、1−メチルドデシル基、1,1−ジメチルドデシル基、1−メチル,1−エチルドデシル基、11,11−ジメチルドデシル基、1,1−ジエチルドデシル基、11,11−ジエチルドデシル基、ステアリル基、1−メチルステアリル基、1,1−ジメチルステアリル基、17,17−ジメチルステアリル基、ウンステアリル基、ドステアリル基等が挙げられる。またR6、R7およびR8におけるヘテロ原子を含む官能基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、tert−ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、2,2−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、1−エチルブチルオキシ基、2−エチルブチルオキシ基、1,1,2−トリメチルプロピルオキシ基、1,2,2−トリメチルプロピルオキシ基、1−エチル−1−メチルプロピルオキシ基、1−エチル−2−メチルプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、1−エチルヘプチルオキシ基、1,1−ジメチルヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、1−エチルオクチルオキシ基、1,1−ジメチルオクチルオキシ基、ノニルオキシ基、1−メチルノニルオキシ基、1−エチルノニルオキシ基、1,1−ジメチルノニルオキシ基、デシルオキシ基、1−メチルデシルオキシ基、1−エチルデシルオキシ基、1,1−ジメチルデシルオキシ基、1−メチル,1−エチルデシルオキシ基、1,1−ジエチルデシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、1−メチルウンデシルオキシ基、1−エチルウンデシルオキシ基、1,1−ジメチルウンデシルオキシ基、1−メチル,1−エチルウンデシルオキシ基、1,1−ジエチルウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、1−メチルドデシルオキシ基、1,1−ジメチルドデシルオキシ基、1−メチル,1−エチルドデシルオキシ基、11,11−ジメチルドデシルオキシ基、1,1−ジエチルドデシルオキシ基、11,11−ジエチルドデシルオキシ基、ステアリルオキシ基、1−メチルステアリルオキシ基、1,1−ジメチルステアリルオキシ基、17,17−ジメチルステアリルオキシ基、ウンステアリルオキシ基、ドステアリルオキシ基等が挙げられる。
アルゴン雰囲気下で、(N,N’−ジ−tert−ブチル−1,2−ビニレンジアミド−κ2N,N’)ジイソプロポキシチタン(Ti(tBuNCH=CHNtBu)(OiPr)2)10.7g(32.1mmol)、トルエン14ml及び磁気撹拌子を50mlシュレンク管に入れ、ビニレンジアミド錯体のトルエン溶液を調製した。該トルエン溶液に、酸素とアルゴンの混合ガス(酸素20体積%)を、テフロン(登録商標)チューブを通じて、流量100ml/minで撹拌しながら通気させた。3時間後、通気を止めて該トルエン溶液温度を室温まで冷ました。該トルエン溶液を減圧除去した後、残渣にアセトニトリル40mlを加え、不溶解物をろ過によって分取した。該不溶解物を減圧乾燥することにより、チタン酸化物クラスターであるTi11O13(OiPr)18を主成分とする白色固体3.49gを得た。
アルゴン雰囲気下で、チタンテトライソプロポキシド(Ti(OiPr)4)4.22g(14.8mmol)、トルエン20ml及び磁気撹拌子を50mlシュレンク管に入れ、チタンテトライソプロポキシドのトルエン溶液を調製した。該トルエン溶液に、ジアセトンアルコール1.72g(14.8mmol)を室温で撹拌中に添加した。24時間後、反応溶液をろ過し、不溶解物の白色沈殿を分取した。該白色沈殿にアセトニトリル6mlを加え、不溶解物の白色沈殿を分取した。該不溶解物を減圧乾燥することにより、チタン酸化物クラスターであるTi11O13(OiPr)18を主成分とする白色固体0.76gを得た。
参考例−1により、合成された白色固体0.20gをトルエン4.02gに溶かし、5wt%のTi11O13(OiPr)18のトルエン溶液を調製した。該トルエン溶液をシリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、成膜用材料溶液Ti−01を得た。成膜用材料溶液Ti−01をガラス基板(コーニング製、コーニングガラス1737)にスピンコート(回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布した。その後、該ガラス基板を赤外線ゴールドイメージ炉(アルバック理工製、QHC、VHC−P610)に設置し、窒素ガスを0.1kg/cm2の流量で通気しながら、熱処理条件1の工程で熱処理を施した後、熱処理条件2の工程で熱処理を施し、チタン酸化物膜Ti−01を得た。
参考例−1により、合成された白色固体0.32gにエチレングリコールモノメチルエーテル1.84gを添加し、室温で15時間撹拌(アルコールによるチタン酸化物クラスターの置換)した後、反応溶液を減圧(室温、内圧10Pa、5時間)した。得られた残渣(赤色固体)0.26gにエチレングリコールモノメチルエーテル2.18gを溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、成膜用材料溶液Ti−02を得た。
参考例−1により、合成された白色固体0.20g(0.11mmol)をトルエン3.00gに溶かした。また別に、p−ヘキシルフェノール0.020g(0.11mmol)をトルエン3.10gに溶かした溶液を調製した。Ti11O13(OiPr)18のトルエン溶液を室温雰囲気で撹拌しながら、p−ヘキシルフェノールのトルエン溶液を60minかけて滴下した。滴下後24時間撹拌(アルコールによるチタン酸化物クラスターの置換)し、得られた溶液を減圧乾燥することにより、TixOy(OH)z1(OiPr)z2(OC6H4C6H13)z3で示される黄色固体0.15gを得た。
参考例−1により、合成された白色固体0.20g(0.11mmol)をトルエン3.00gに溶かした。また別に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル0.018g(0.11mmol)をトルエン3.0gに溶かした溶液を調製した。Ti11O13(OiPr)18のトルエン溶液を室温雰囲気で撹拌しながら、ジエチレングリコールモノブチルエーテルのトルエン溶液を60minかけて滴下した。滴下後24時間撹拌(アルコールによるチタン酸化物クラスターの置換)し、得られた溶液を減圧乾燥することにより、TixOy(OH)z1(OiPr)z2(OC2H4OC2H4OC4H9)z3で示される白色固体0.21gを得た。
チタンテトライソプロポキシドTi(OiPr)40.15gをトルエン2.85gに溶かし、5wt%のTi(OiPr)4のトルエン溶液を調製した。該トルエン溶液をシリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、成膜用材料溶液Ti−05を得た。
チタンテトライソプロポキシドTi(OiPr)43.64gにトルエン16.4gを加えた溶液に、エチレングリコールモノメチルエーテル4.05gを添加し、室温で15時間撹拌した後、反応溶液を減圧(室温、内圧10Pa、5時間)し、黄色固体4.26gが得られた。この黄色固体0.99gにエチレングリコールモノメチルエーテル5.52gを溶かし、シリンジフィルター(Millipore社製SLLGM25NS孔径0.20μm)を通して不溶物をろ別することにより、成膜用材料溶液Ti−06を得た。
成膜用材料溶液Ti−04をガラス基板(コーニング製、コーニングガラス1737)にスピンコート(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布した。その後、該ガラス基板を赤外線ゴールドイメージ炉(アルバック理工製、QHC、VHC−P610)に設置し、窒素ガスを0.1kg/cm2の流量で通気しながら、熱処理条件1の工程で熱処理を施した後、120℃から180℃まで100℃/minで昇温し、180℃で30min保持し、チタン酸化物膜Ti−07を得た。
成膜用材料溶液Ti−04をガラス基板(コーニング製、コーニングガラス1737)にスピンコート(回転数200rpmで15秒処理した後、回転数2000rpmで30秒処理する条件)によって塗布した。その後、該ガラス基板を赤外線ゴールドイメージ炉(アルバック理工製、QHC、VHC−P610)に設置し、窒素ガスを0.1kg/cm2の流量で通気しながら、熱処理条件1の工程で熱処理を施した後、120℃から450℃まで100℃/minで昇温し、450℃で30min保持し、チタン酸化物膜Ti−08を得た。
チタン酸化物膜Ti−02およびチタン酸化物膜Ti−06の膜表面の凹凸状態をAFMで観察した。チタン酸化物膜Ti−02表面の凹凸状態を図1に、チタン酸化物膜Ti−06表面の凹凸状態を図2に示す。チタン酸化物クラスターを成膜したチタン酸化物膜Ti−02の表面は10nm以下の微結晶から成る微細な凹凸が確認された。これは、チタン酸化物膜Ti−06と比べ、ナノサイズの粒径のチタン酸化物を有する薄膜が形成されていることを示唆する。
チタン酸化物膜Ti−02およびチタン酸化物膜Ti−06の吸光度を測定した。その結果を図3に示す。チタン酸化物クラスターを成膜したチタン酸化物膜Ti−02の方が、チタンテトライソプロポキシドを成膜したチタン酸化物膜Ti−06に比べ、最大吸光度が低波長側にシフトしている。
チタン酸化物膜Ti−01、チタン酸化物膜Ti−03、チタン酸化物膜Ti−04、チタン酸化物膜Ti−05、ガラス基板(コーニング製、コーニングガラス1737)に指紋付着性を評価した。
Claims (15)
- アルコールと反応させた置換チタン酸化物クラスター化合物及び有機溶媒から成る液を、250〜400℃に保持し熱処理するチタン酸化物膜の製造方法。
- 保持時間が、1分〜10時間である請求項1に記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- 有機溶媒が、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケトン類およびエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- 有機溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、セルソルブ類から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- チタン酸化物クラスター化合物が、チタン原子を2個以上有し、かつ、該チタン原子が架橋酸素原子によって架橋されている化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- チタン酸化物クラスター化合物が、一般式(1)で表される化合物である請求項1〜5のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
TixOy(OR1)z1(OR2)z2(OR3)z3 (1)
(式中、x,yは2以上の整数、z1,z2,およびz3は、0以上の整数であり、R1,R2およびR3はそれぞれ独立して、水素、アルキル基、アリール基を表す。ただし、R1,R2およびR3は、ヘテロ原子を含む官能基を含有していてもよい) - 一般式(1)で、xが11又は12である請求項6に記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- 一般式(1)で、xが11、yが13、z1が18、z2およびz3が0、R1がイソプロピル基である請求項6又は7に記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- アルコールが、フェノール誘導体及び/又は脂肪族アルコールである請求項1〜8のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- アルコールの量が、チタン酸化物クラスター化合物1当量に対し、0.1〜4.0当量である請求項1〜11のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- アルコールと反応させた置換チタン酸化物クラスター化合物及び有機溶媒から成る液を、窒素及び/又はアルゴン中で熱処理することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- アルコールと反応させた置換チタン酸化物クラスター化合物及び有機溶媒から成る液を、ガラス及び/又は樹脂基板に塗布し、塗布した基板を250〜400℃に保持し熱処理することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のチタン酸化物膜の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法により得られる10nm以下の微結晶からなる微細な凹凸を有するチタン酸化物膜。
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