JP6116538B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、同期PWMおよび非同期PWM制御を切り換えて行うモータ制御におけるモータ電流の検出に関する。
モータ駆動電流には、PWM制御に起因する電流リプルが乗るため、基本波についての正確な電流検出が難しい。
特許文献1では、電圧ベクトル座標系のQ軸成分の電流リプルiQhが「0」になる位相角で電流検出値をサンプリングホールドし、直前のサンプリングホールド値と最新のサンプリングホールド値の平均値を電流検出値とする。なお、サンプリングホールドは、位相60°区間に2回行われる。
特許文献2では、インバータに印加する電圧の位相角0度を基準に、位相角60°間を8以上の整数で除算した角度間隔で、dq軸電流をサンプリングホールドする。そして、サンプリングホールド値を移動平均することで、同期PWMのdq軸電流の基本波成分を検出する。
特許文献1,2の手法により、電流リプルの影響を排除して、モータ電流を検出することができる。
特許第4102114号公報 特開2013−187936号公報
ここで、特許文献1の電流サンプリング方法では、同期PWMの一つである低次高調波消去PWMを行った場合、Q軸成分の電流リプルIQhが「0」になる位相角におけるP軸成分の電流リプルIPhは同じ大きさで交互に繰り返す誤差でないため、平均値が「0」にならず、電流の基本波成分を抽出できない。すなわち、特許文献1では、IPhが60°毎の区間において30°,0Aの点を中心とした点対称波形であり、IQhが60°毎の区間において30°を中心とした線対称波形であることを前提としている。このため、この前提が崩れると電流の基本波成分を抽出できない。
特許文献2では、上述のように60°間のサンプリングを移動平均してdq軸電流の基本波成分を検出している。しかしながら、電流の基本波成分が変化している時には、移動平均により遅れが生じる。特に、回転数が低い程この遅れは大きくなる。また、この手法は、同期PWMの場合の電流検出であり、非同期PWMの場合は、回転電気角とPWM用のキャリアである三角波が非同期であるため移動平均するとジッターを生じ、正しい電流値を検出できない。
本発明は、モータに駆動電圧を印加するインバータと、前記駆動電圧の変調率および位相の指令値を出力する電圧指令生成手段と、前記インバータを非同期PWM制御するか、同期PWM制御するかを選択する選択手段と、前記モータに供給される電流を一定時間間隔で検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出した電流をdq軸電流に変換するdq軸電流変換器と、得られたdq軸電流のリプル周波数を除去する、ローパスフィルタおよびバンドストップフィルタと、を備え、前記バンドストップフィルタは、モータの回転周波数の6倍と、12倍と、18倍の周波数をリプル周波数としてそれぞれ除去する3段のバンドストップフィルタを含み、前記ローパスフィルタは、遮断周波数がモータ周波数の6倍の周波数に設定され、モータ周波数の6倍の周波数以上の周波数を除去する1段のローパスフィルタを含み、前記選択手段により、非同期PWM制御が選択した場合、および同期PWM制御を選択した場合のいずれの場合においても前記ローパスフィルタと、前記バンドストップフィルタの両方を使用してdq軸電流のリプル周波数を除去する
本発明は、モータに駆動電圧を印加するインバータと、前記駆動電圧の変調率および位相の指令値を出力する電圧指令生成手段と、前記インバータを非同期PWM制御するか、同期PWM制御するかを選択する選択手段と、前記同期PWM制御が選択された場合に、電気1周期中のパルス数を出力するパルス数生成手段と、前記モータに供給される電流を一定時間間隔で検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出した電流をdq軸電流に変換するdq軸電流変換器と、得られたdq軸電流のリプル周波数を除去するバンドストップフィルタと、を備え、前記バンドストップフィルタは、前記非同期PWM制御が選択された場合は、PWMキャリア周波数の倍数の周波数をリプル周波数として除去し、前記同期PWM制御が選択された場合は、モータの回転周波数と倍数の周波数をリプル周波数として除去する。
また、前記バンドストップフィルタは、前記同期PWM制御が選択された場合は、モータの回転周波数倍数であって、電気1周期中のパルス数に応じて予め決定された複数の周波数をリプル周波数として除去することが好適である。
また、非同期PWM制御が選択された場合は、前記バンドストップフィルタを2つ直列接続し、キャリア周波数2倍と4倍の周波数をリプル周波数として除去することが好適である。
PWM制御を行うモータ制御におけるモータ電流の基本波を検出することができる。
実施形態に係るモータ制御装置を含むモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 回転周波数-トルクマップ上の同期パルス数のパルス数を示す図である。 リプル除去フィルタの構成例を示すブロック図である。 リプル除去フィルタの中心周波数を示す図である。 リプル除去フィルタの他の構成例を示すブロック図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果の他手法との比較を示す図である。 モータ電流変化時の検出結果を示す図である。 リプル除去フィルタの他の構成例を示すブロック図である。 リプル除去フィルタのリプル除去特性を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。 モータ電流検出結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
<実施形態の装置構成>
図1は、実施形態に係るモータ制御装置を含むモータ制御システムの構成を示すブロック図である。このモータ制御システムは、電気車に搭載され、モータ10が電気車の駆動に用いられる。この例において、駆動対象となるモータ10は、三相の交流モータであり、そのロータの回転位置(位相角)がレゾルバや、ホール素子などの回転位置検出器12によって検出される。
モータの出力トルクについての目標値であるトルク指令と、回転位置検出器12によって検出された回転位置から得られた回転周波数が電圧指令生成部14に供給される。電圧指令生成部14では、トルク指令と回転数から得た回転周波数(回転角速度ω/2π)に基づいて、電圧指令vd,vqを生成する。この電圧指令vd,vqは、ベクトル制御における励磁電圧指令vd,トルク電圧指令vqである。なお、モータはポール数によって、電気周波数と機械周波数が異なる。そこで、本明細書においては、機械的な周波数は無視し、回転周波数は、電気周波数(モータ電流(電圧)の周波数)、周期は電気周期(モータ電流(電圧)の周期)をいう。
また、モータ10の三相のモータ電流iu,iv,iwを電流検出手段である電流センサ30によって検出する。三相の内の2相のモータ電流を検出することで三相のモータ電流を検出できるため、この例では、2相のモータ電流を検出している。
電流センサ30の出力は、サンプリング手段であるサンプラー32に供給され、ここで所定のサンプリングポイントにおけるモータ電流がサンプリングされる。
サンプラー32において、所定の間隔でサンプリングされた三相のモータ電流は、3相/dq軸変換部34において、dq軸電流id,iqにそれぞれ変換される。得られたdq軸電流id,iqは、リプル除去フィルタ36に供給され、リプル成分が除去される。この例では、リプル除去フィルタ36として、1段のバンドストップフィルタが採用されている。そして、得られたリプル成分が除去された、基本波についての電流値idb,iqbが電圧指令生成部14に供給される。
電圧指令生成部14は、トルク指令から計算した目標dq軸電流id,iqと比較して、PI制御による電圧指令vd,vqを生成する。また、目標d,q軸電流id,iqと、回転角速度ωから、電圧指令vd,vqの計算は、次式によって行われる。
ここで、Rは抵抗、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Φはモータコイルに鎖交する磁束の大きさである。また、トルク指令をτとすると、τ=Φiq+(Ld−Lq)id・iqの関係があり、通常はモータの効率を最大にするようにid,iqを決定する。また、温度変化による抵抗値変化、デッドタイムによる電圧誤差等は除いてある。
このように、回転位置から回転角速度ωを求め、トルク指令からid,iqを求めることで、電圧指令vd,vqが算出される。
また、この電圧指令生成部14には、インバータの入力電圧(正負母線間電圧)VHも供給されており、電圧指令の振幅をVHで除算することで変調率を計算する(下式)。
このように、電圧指令生成部14では、電圧指令vd、vqと、変調率を計算し、これをPWM信号生成部16に供給するが、変調率をパルス数生成部18、および非同期/同期判定器20に供給する。
パルス数生成部18では、同期PWM制御の際のパルス数を決定する。このパルス数の決定は、モータの回転周波数(電気周波数)に応じて、インバータのスイッチング周波数が所定の上限値を上回らないように決定すればよいが、モータ損失を考慮することも好適である。
ここで、パルス数は、例えば図2に示すマップによって決定する。図2の例では、同じ回転周波数であっても出力トルクが大きくなるとパルス数が少なくなり、これによって電流歪み率を所定値以下に抑制しつつパルス数を少なくすることができる。パルス数生成部18で生成されたパルス数はPWM信号生成部16に供給される。
また、非同期/同期判定器20は、供給される変調率に基づいて非同期PWM制御とするか、同期PWM制御とするかを決定し、その結果をPWM信号生成部16に供給する。
なお、電圧指令生成部14、パルス数生成部18、非同期/同期判定器20は、別々のブロックとして記載したが、1つの演算装置において、これら機能を達成してもよい。また、変調率は、いずれのブロックで演算しても構わない。なお、非同期/同期判定器20が、インバータ22を非同期PWM制御するか、同期PWM制御するかを選択する選択手段として機能する。
非同期/同期判定器20と、パルス数生成部18も、例えば図2のマップに基づき、非同期PWM、同期PWMのいずれを採用するか、同期PWMのパルス数をいくつにするかを決定すればよい。
電圧指令生成部14からの電圧指令vd、vqと、変調率と、パルス数生成部18からのパルス数、非同期/同期判定器20からの非同期PWM、同期PWMのいずれを採用するかについての非同期/同期指令は、PWM信号生成部16に供給される。なお、PWM信号生成部16には、回転位置の信号も供給されている。そこで、PWM信号生成部16では、モータ10を駆動するためにインバータ22の各スイッチング素子をオンオフするPWM信号を生成する。
すなわち、回転位置を参照して電圧指令vd、vqについて、dq軸→3相変換するとともに、変調率に基づきPWM波形を決定し、さらにパルス数により同期PWM制御の際のパルス数を決定して、各スイッチング素子をオンオフするPWM信号を生成する。
ここで、このPWM信号生成部16においては、非同期PWM制御の場合に、三角波(キャリア)と電圧指令の比較に基づきPWM信号を発生し、一方、同期PWM制御の場合には、三角波と電圧指令の比較ではなく、低次高調波消去PWMによりPWM信号を生成する。この低次高調波消去PWM制御では、各パルス数の低次高調波を消去できるPWM波形を予め記憶しておき、供給されてくるパルス数に応じて、PWM信号の波形を決定するとともに、変調率に応じてその波形のデューティ比を変更する。これによって、低次高調波を消去できるとともに、所期のモータの同期PWM制御を行うことができる。
インバータ22は、正負母線間に2つのスイッチング素子の直列接続からなるレグを3本有し、これらレグの中点を三相のモータ10の各相コイル端に接続している。そして、6つのスイッチング素子をPWM信号生成部16からのPWM信号でそれぞれスイッチング制御することで、モータ10の3相のコイルに三相のモータ駆動電流を供給する。
なお、インバータ22の正負母線間には、バッテリなどの直流電源から電圧VHの直流電力が供給される。
このようにして、インバータ22のスイッチングを制御することで、モータ10にトルク指令に応じた駆動電流を供給して、モータ10の駆動を制御することが可能となる。
例えば、電気自動車や、ハイブリッド自動車などでは、アクセルの踏み込み量などからトルク指令が決定され、これに応じて走行用モータの駆動が制御される。
<モータ電流のサンプリング>
ここで、本実施形態では、上述のように、同期PWM制御において低次高調波消去PWMを用いる。このため、パルス数により波形が決定されており、そのデューティ比が電圧指令に応じて変更される。
そして、同期PWMで駆動した場合のモータの各相波形は、0°〜60°,60°〜120°,120°〜180°の3つのパターンに分解され、180°〜360°はその反転となっている。また、各相は位相が120°異なっているが、dq軸電流波形をみると、すべて60°の間隔の波形の繰り返しである。
なお、各相モータ電流は、基本的に位相が120°ずつ異なった同様の波形であり、dq軸電流の位相角は、各相モータ電流の位相角に対応する。
そこで、本実施形態では、サンプラー32は、電気周期60°の区間において、16(2)で除算した、3.75°毎にサンプリングポイントを設定して、データをサンプリングしている。すなわち、各パルス数で同期PWMで駆動した場合のモータのdq軸波形を検討することで、60°を8で除算した各点(8点)以上のサンプリングを行うことで、電流リプルを含むdq軸電流を適切に得ることができる。
なお、非同期PWMの場合には、PWMのキャリアについての高調波(例えば、2倍、4倍の周波数)が電流リプルとなる。この電流リプルに応じた波形を検出する必要がある。そこで、キャリア周波数の4倍の周波数の16倍程度のサンプリング周波数とするとよい。これによって、キャリア周波数の4倍の周波数の電流リプルについて、1周期に16点のサンプルが得られ、波形を検出することができる。
ここで、同期PWM、非同期PWMのいずれにおいても、サンプラー32には一定時間間隔でサンプリングを行う。この一定時間間隔は、例えばA/D変換器の変換時間に若干の余裕時間を加えた時間とするのが好適である。通常のA/D変換器の変換時間より長く、余裕時間を加算した時間として、例えば5μsec程度があげられる。
<リプル除去フィルタ>
上述のように、各相のモータ電流の波形についてのデータがサンプラー32おいてサンプリングされ、これが3相/dq軸変換部34において、d軸電流id、q軸電流iqに変換される。なお、3相/dq軸変換部34には、回転位置検出器12で検出したモータ10の回転位置についての情報が供給されており、これを利用してdq軸への変換が行われる。
なお、3相/dq軸変換を行った後にサンプリングすることも可能であるが、サンプリングした後はデジタル処理を行うため、サンプラー32でモータ電流をサンプリングして、得られた値を3相/dq変換することが好ましい。
そして、得られたd軸電流id、q軸電流iqは、リプル除去フィルタ36に供給される。
このリプル除去フィルタ36は、バンドストップフィルタで形成されており、その時の運転状態に応じて、遮断する帯域の中心周波数が決定される。なお、バンドストップフィルタは、なるべく半値幅の狭いものがよいが、一般的なもので構わない。
そして、このバンドストップフィルタは、同期PWMの場合には、パルス数に応じて遮断中心周波数を決定し、非同期PWMの場合にはキャリア周波数に応じて遮断中心周波数を決定する。
ここで、ノイズとなる電流リプルは、3相交流モータの駆動における同期PWMの場合には、回転周波数の6倍の周波数が基本となる。そして、パルス数が多くなるに従って、より高次のリプルが大きくなる。また、1つの周波数(次数)の電流リプルだけを除去するのではなく、少なくとも2つの次数の電流リプルを除去することが好適である。このために、リプル除去フィルタ36を、2段のバンドストップフィルタで構成にすることが好適である。
例えば、図3に示すように、1段目のバンドストップフィルタ36−1、2段目のバンドストップフィルタ36−2を直列接続し、1段目と2段目で次数の異なる電流リプルを除去する。
図4に、バンドストップフィルタ36−1,36−2の遮断周波数の一例を示す。
同期PWMの場合には、パルス数1,3,5,7,9,11,15に対し、1段目のバンドストップフィルタ36−1の中心周波数を、6,6,6,12,12,12,18,24×(モータの電気周波数(fm))とする。また、2段目のバンドストップフィルタ36−2の中心周波数は、1段目のバンドストップフィルタ36−1の2倍の周波数とする。
パルス数が多くなると、電気周波数の1周期の中での電流のオンオフ回数が増加し、より高次の電流リプルが多くなるため、高次側のリプルを除去する。
非同期PWMの場合には、電流リプルは、三角波キャリアのキャリア周波数の倍数の電流リプルが発生する。そこで、バンドストップフィルタでは、これを除去すればいい。キャリア周波数の2倍、4倍の電流リプルを除去することで、比較的正確な基本波検出が可能になることがわかった。なお、キャリア周波数は、数kHz、例えば5kHz程度の場合が多いが、モータ10の駆動状況に応じて、適切なものが設定される。
なお、バンドストップフィルタ36−1,36−2は、デジタルフィルタであり、演算を切り換えることで、遮断周波数を変更することができる。バンドストップフィルタ36−1,36−2は、非同期/同期判定器20、パルス数生成部18から、非同期/同期の別、および同期の際のパルス数の情報をもらい、遮断周波数を設定すればよい。
このように、本実施形態では、その時にPWM制御の状態に応じて、バンドストップフィルタ36−1,36−2の遮断周波数を切り換えることで、パルス数に応じた適切な電流リプルの除去が行えるだけでなく、非同期の場合にも同様に対応することができる。
<ローパスフィルタの利用>
さらに、図5の例では、リプル除去フィルタ36として、2段のバンドストップフィルタを用いると共に、その後段にローパスフィルタ36Lを設けてある。このように、ローパスフィルタ36Lを設けることでジッターを抑制することができる。すなわち、本実施形態では、サンプラー32におけるサンプリングと、インバータ22におけるスイッチング発生の周波数が非同期であり、dq軸電流値にジッターが発生しやすい。バンドストップフィルタ36−1,36−2の後段にローパスフィルタ36Lを設けることでジッターを抑制することができる。
なお、ローパスフィルタ36Lは、前回の出力値と今回の入力値の差の数10%を前回の出力値に加算して、今回の出力値にするというような簡単なものが好適であり、これによって時間遅れをほとんど発生せずノイズの低減が図れる。
<同期PWMの場合の実例>
(i)電流検出の結果(低次高調波消去PWM(同期PWM)11パルス,バンドストップフィルタ1つ)
図6には、同期PWM11パルスの場合であって、バンドストップフィルタ36が1段構成の場合のスイッチング状態およびモータ電流が示してある。上段がインバータにおける各相のスイッチング素子のオンオフ状態の1周期を示している。2段目は、サンプラー32において得られるU,V,Wの各相の電流iu,iv,iwである。3段目、4段目がd軸電流、q軸電流のフィルタ前の電流値(d軸電流、q軸電流)と、フィルタ後の検出値(d軸電流検出値、q軸電流検出値)である。
このように、1段のバンドストップフィルタ(18・fm)によって、d、q軸電流について、電流リプルが除去されていることがわかる。
(ii)電流検出の結果(低次高調波消去PWM(同期PWM)11パルス,バンドストップフィルタ2つ)−図3の出力
図7には、同期PWM11パルスの場合であって、バンドストップフィルタが2段構成(18・fm,36fm)の場合が示してある。
このように、2段のバンドストップフィルタによって、d、q軸電流について、電流リプルが除去されて、ほぼ基本波が検出されていることがわかる。
(iii)電流検出の結果(低次高調波消去PWM11パルス,バンドストップフィルタ2つ+ローパスフィルタ)−図5の出力
図8には、同期PWM11パルスの場合であって、バンドストップフィルタが2段(18・fm,36fm)の後にローパスフィルタを追加した場合が示してある。
このように、ローパスフィルタを追加することによって、電流リプルがさらに除去されて、d、q軸電流が検出されることがわかる。
(iv)電流検出の結果(低次高調波消去PWM7パルス,バンドストップフィルタ2つ+ローパスフィルタ)−図5の出力
図9には、同期PWM7パルスでバンドストップフィルタが2段(12・fm,24fm)、ローパスフィルタありの場合を示してある。7パルスの場合、11パルスに比べ電流リプルが大きくなっている。しかし、2段のバンドストップフィルタ、およびローパスフィルタによって、電流リプルが十分除去され、基本波を検出することができる。
(v)電流検出の結果(低次高調波消去PWM5パルス,バンドストップフィルタ2つ+ローパスフィルタ)−図5の出力
図10には、同期PWM5パルスでバンドストップフィルタが2段(6・fm,12fm)、ローパスフィルタありの場合を示してある。
5パルスの場合でも、十分電流リプルを除去できていることがわかる。
(vi)電流検出の結果(低次高調波消去PWM1パルス,バンドストップフィルタ2つ+ローパスフィルタ)−図5の出力
図11は、同期PWM1パルスでバンドストップフィルタが2段(6・fm,12fm)、ローパスフィルタありの場合である。
このように、1パルスの場合であっても、基本波の検出が可能である。
(vii)電流検出の結果(非同期PWM,バンドストップフィルタ2つ+ローパスフィルタ)−図5の出力
図12には、非同期PWMでバンドストップフィルタが2段(4・fc,12fc)、ローパスフィルタありの場合を示してある。
このように、非同期PWMにおいても、バンドストップフィルタにより、電流リプルを十分除去することができる。
なお、図6−12において、リプル除去フィルタ(バンドストップフィルタ)36による処理前をd軸電流、q軸電流と記載し、リプル除去フィルタ(バンドストップフィルタ)36による処理後をd軸電流検出値、q軸電流検出値と記載してある。
<従来法との比較>
図13には、図12に示した非同期PWMにおけるd軸、q軸の検出値と、従来から知られている一般的手法である、山谷サンプルホールド法の比較を示す。この山谷サンプルホールド法では、非同期PWMのキャリアである三角波の山谷で電流値をサンプルホールドし、基本波を検出する。図中、黒四角で示したのが山谷サンプルホールド法による検出値である。
このように、多少の差はあるが、ほぼ同様の検出値が得られていることがわかる。
図14には、モータ電流が変化した際のd,q軸電流の検出値と、2段のバンドストップフィルタ36−1,36−2およびローパスフィルタ36Lで処理した際の検出値を示してある。このように、本実施形態では、バンドストップフィルタを利用する。このため、急激な出力変化の時も、検出遅れなくdq軸電流の基本波成分を検出することができる。
特許文献2の手法では、移動平均を行うため、検出値に遅れが生じる。この点で、本実施形態により、特許文献2の手法における欠点が解消されていることがわかる。
<3段のバンドストップフィルタとローパスフィルタの利用>
図15の例では、リプル除去フィルタ36として、3段のバンドストップフィルタ36−1,36−2,36−3と、ローパスフィルタ36Lと、有している。
ここで、バンドストップフィルタ36−1,36−2,36−3は、電気次数6,12,18の周波数(モータ回転数の6倍、12倍、18倍の周波数)のリプルを選択的に除去(遮断)する。これによって、モータ回転に伴って発生する電流リプルを除去することができる。
ローパスフィルタ36Lは、遮断周波数がモータの電気周波数の6次(モータ回転数の6倍)に設定される。
このようなリプル除去フィルタ36を採用することによって、図16に示すように、ローパスフィルタ36Lによって、電気次数36次の周波数のリプルが除去される。なお、ローパスフィルタ36Lで除去されるリプルは、パルス数によって異なる。例えば、パルス数によっては、24次の周波数のリプルが、ローパスフィルタ36Lによって除去される。ローパスフィルタ36Lの遮断周波数は、モータ周波数の6次の周波数に設定されるため、図16に示されるように、電気周波数の24次より高次の周波数は遮断される。
図17には、低次高周波消去PWM11パルスの場合であって、図15の構成のリプル除去フィルタ36を採用した場合のdq軸電流などが示されている。このように、十分なリプル除去が行われていることがわかる。
図18には、低次高周波消去PWM11パルスの場合であって、図15の構成から、3つのバンドストップフィルタ36−1,36−2,36−3を削除した構成、すなわち、ローパスフィルタ36Lからなる構成のリプル除去フィルタ36を採用した場合のdq軸電流などが示されている。このように、図17に比べると、電流リプルが残留する。
図19には、低次高周波消去PWM11パルスの場合であって、図15の構成から、12次、18次の2つのバンドストップフィルタ36−2,36−3を削除した構成、すなわち、6次のバンドストップフィルタ36−1と、ローパスフィルタ36Lからなる構成のリプル除去フィルタ36を採用した場合のdq軸電流などが示されている。このように、図18に比べると改善されているが、図17に比べると、電流リプルが残留する。
図20には、低次高周波消去PWM11パルスの場合であって、図15の構成から、18次のバンドストップフィルタ36−3を削除した構成、すなわち、6次、12次の2つのバンドストップフィルタ36−1,36−2と、ローパスフィルタ36Lからなる構成のリプル除去フィルタ36を採用した場合のdq軸電流などが示されている。このように、図19に比べると改善されているが、図17に比べると、電流リプルが残留する。
図21には低次高周波消去PWM7パルス、図22には低次高周波消去PWM5パルス、図23には低次高周波消去PWM1パルスの場合であって、図15の構成のリプル除去フィルタ36を採用した場合のdq軸電流などが示されている。このように、パルス数が変わっても十分なリプル除去が行われていることがわかる。
このように、図15に示される、電気次数6,12,18の周波数のバンドストップフィルタ36−1,36−2,36−3と、電気次数6の周波数を遮断周波数とするローパスフィルタ36Lの組み合わせからなるリプル除去フィルタ36を用いた場合には、低次高周波消去PWMを利用した場合に、パルス数によらず、十分なリプル除去が行える。
なお、図15に示されるリプル除去フィルタ36を採用した場合、同構成のまま非同期PWMの場合にも対応できる。これは、電気車などに用いる通常のモータの使用回転数であれば、ローパスフィルタ36Lによって、キャリア周波数の2倍以上の周波数成分を除去できるからである。
10 モータ、12 回転位置検出器、14 電圧指令生成部、16 PWM信号生成部、18 パルス数生成部、20 非同期/同期判定器、22 インバータ、30 電流センサ、32 サンプラー、34 3相/dq軸変換部、36 リプル除去フィルタ、36−1〜36−3 バンドストップフィルタ、36L ローパスフィルタ。

Claims (4)

  1. モータに駆動電圧を印加するインバータと、
    前記駆動電圧の変調率および位相の指令値を出力する電圧指令生成手段と、
    前記インバータを非同期PWM制御するか、同期PWM制御するかを選択する選択手段と、
    前記モータに供給される電流を一定時間間隔で検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段で検出した電流をdq軸電流に変換するdq軸電流変換器と、
    得られたdq軸電流のリプル周波数を除去する、ローパスフィルタおよびバンドストップフィルタと、
    を備え
    前記バンドストップフィルタは、モータの回転周波数の6倍と、12倍と、18倍の周波数をリプル周波数としてそれぞれ除去する3段のバンドストップフィルタを含み、
    前記ローパスフィルタは、遮断周波数がモータ周波数の6倍の周波数に設定され、モータ周波数の6倍の周波数以上の周波数を除去する1段のローパスフィルタを含み、
    前記選択手段により、非同期PWM制御が選択した場合、および同期PWM制御を選択した場合のいずれの場合においても前記ローパスフィルタと、前記バンドストップフィルタの両方を使用してdq軸電流のリプル周波数を除去する、
    モータ制御装置。
  2. モータに駆動電圧を印加するインバータと、
    前記駆動電圧の変調率および位相の指令値を出力する電圧指令生成手段と、
    前記インバータを非同期PWM制御するか、同期PWM制御するかを選択する選択手段と、
    前記同期PWM制御が選択された場合に、電気1周期中のパルス数を出力するパルス数生成手段と、
    前記モータに供給される電流を一定時間間隔で検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段で検出した電流をdq軸電流に変換するdq軸電流変換器と、
    得られたdq軸電流のリプル周波数を除去するバンドストップフィルタと、
    を備え、
    前記バンドストップフィルタは、
    前記非同期PWM制御が選択された場合は、PWMキャリア周波数の倍数の周波数をリプル周波数として除去し、
    前記同期PWM制御が選択された場合は、モータの回転周波数倍数の周波数をリプル周波数として除去する、
    モータ制御装置。
  3. 請求項に記載のモータ制御装置であって、
    前記バンドストップフィルタは、
    前記同期PWM制御が選択された場合は、モータの回転周波数倍数であって、電気1周期中のパルス数に応じて予め決定された複数の周波数をリプル周波数として除去する、
    モータ制御装置。
  4. 請求項またはに記載のモータ制御装置であって、
    非同期PWM制御が選択された場合は、前記バンドストップフィルタを2つ直列接続し、キャリア周波数2倍と4倍の周波数をリプル周波数として除去する、
    モータ制御装置。
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