JP5734138B2 - モータ制御装置及びモータ駆動システム、並びにモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置及びモータ駆動システム、並びにモータ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御装置及びモータ駆動システム、並びにモータ制御方法に関するものである。
3相モータの制御は、高効率を目的として、3相の駆動電流を制御するためにパルス幅変調制御(正弦波PWM制御)が用いられている。また、一般的に、モータの高回転領域(高速領域)におけるトルクアップを図るために、正弦波PWM制御に替わり1パルス駆動制御や過変調制御が用いられている。
特許文献1にも記載されているように、1パルス駆動制御が行われる場合は、電気角180°毎にモータヘの電圧指令をオン又はオフするために、矩形波駆動となる。これにより、インバータ出力電圧を限界まで引き上げることができトルクアップに繋がる。しかしながら、特許文献1に記載の1パルス駆動制御では、正弦波PWM制御に比べてモータ電流に高調波成分を多く含むこととなるため、トルク変動が大きくなる。また、1パルス駆動制御への切替時にトルクショックが発生することが懸念され、車両の乗り心地等に悪影響を与える可能性がある。
また、特許文献2には、正弦波PWM制御から過変調制御への切換時の制御安定性を高めるために、演算により求めた交流電圧指令の時間軸方向の変化を平滑化させる電圧フィルタを用いることで交流電圧指令の振幅及び位相の急激な変化を避け、さらに電流検出器によるモータ電流の時間軸方向の変化を平滑化させる電流フィルタを用いることでモータ電流の高調波成分を除去する技術が記載されている。また、特許文献2では、フィルタの時定数を電気角周波数の整数倍に設定することが好ましいとされている。
特願2007−298491号公報 特願2008−254086号公報
しかし、特許文献2に記載のフィルタは、一般的なローパスフィルタであると推定され、時定数を電気角周波数に合わせても、特定の周波数成分、すなわち電気角周波数の基本波成分の減衰は十分とならない。十分に減衰させるために、フィルタの次数を高くすると、演算量が多くなるため演算を行うCPUの負担が増加し、現実的に実現が困難となる。
また、ローパスフィルタを用いることによって、時定数よりも高帯域の周波数帯域は全て減衰されてしまう。
さらに、ローパスフィルタを用いると、図9に示される一般的なローパスフィルタの特性に示されるように、時定数(カットオフ周波数)より手間の低い周波数からそれ以上の高い周波数帯域において位相遅れが顕著となる。その結果、ローパスフィルタを通過した後の電流をモータの制御に用いると、ローパスフィルタによる位相遅れにより、制御の安定裕度が小さくなり、モータの制御が不安定になる可能性が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、モータの制御を不安定にすることなく、モータを駆動するための電力に重畳する基本波成分を除去できる、モータ制御装置及びモータ駆動システム、並びにモータ制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のモータ制御装置及びモータ駆動システム、並びにモータ制御方法は以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係るモータ制御装置は、3相交流電力によって駆動するモータに流れる3相交流電流を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記3相交流電流を2相交流電流へ変換する変換手段と、前記変換手段から出力された前記2相交流電流に重畳する基本波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とし、前記モータの回転数に基づいて該阻止帯域が変化するノッチフィルタを有するフィルタ手段と、前記モータを駆動させる3相交流電圧指令値を、前記フィルタ手段から出力された2相交流電流と電流指令値に基づいて生成する生成手段と、を備え、前記ノッチフィルタは、前記モータの回転数が高くなると阻止帯域の帯域幅を狭くすると共に減衰量を大きくし、前記モータの回転数が低くなると阻止帯域の帯域幅を広くすると共に減衰量を小さくする
上記構成によれば、検出手段によって、3相交流電力で駆動するモータに流れる3相交流電流が検出され、変換手段によって、検出された3相交流電流が2相交流電流へ変換される。
変換手段から出力された2相交流電流であるd軸電流及びq軸電流には、基本波成分が重畳されている。この基本波成分は、モータのトルク変動を生じさせる。
そこで、変換手段から出力された2相交流電流に重畳する基本波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とし、モータの回転数に基づいて該阻止帯域が変化するノッチフィルタを有するフィルタ手段によって、該阻止帯域の周波数成分が減衰される。
そして、生成手段によって、モータを駆動させる3相交流電圧指令値が、フィルタ手段から出力された2相交流電流と電流指令値に基づいて生成される。すなわち、モータは、基本波成分が除去された2相交流電流を用いてフィードバック制御されることとなる。
以上のように、本構成は、モータの制御を不安定にすることなく、モータを駆動するための電力に重畳する基本波成分を除去できる。
上記第一態様では、ノッチフィルタが、モータの回転数が高くなると阻止帯域の帯域幅を狭くすると共に減衰量を大きくし、モータの回転数が低くなると阻止帯域の帯域幅を広くすると共に減衰量を小さくする
上記構成によれば、モータの回転数に応じてノッチフィルタの効果を変化させることができる。
上記第一態様では、前記ノッチフィルタが、前記モータの回転数が所定値以上である高速領域において行われる1パルス駆動制御又は過変調制御で生じる前記基本波成分及び6倍高調波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とすることが好ましい。
モータの回転数が所定値以上である高速領域において行われる1パルス駆動制御又は過変調制御では、6倍高調波成分が生じる。そこで、上記構成によれば、ノッチフィルタの阻止帯域を基本波成分及び6倍高調波成分を含む周波数帯域とするので、モータを駆動するための3相交流電力に重畳する基本波成分及び6倍高調波成分を除去できる。
上記第一態様では、前記フィルタ手段が、前記ノッチフィルタと共に前記6倍高調波成分を含む周波数帯域に対応したローパスフィルタを有することが好ましい。
上記構成によれば、ローパスフィルタにより6倍高調波成分がさらに減衰されるので、6倍高調波成分をより確実に除去できる。
上記第一態様では、前記ノッチフィルタが、ディジタルノッチフィルタであり、ディジタルノッチフィルタにおける要求周波数をプリワーピング処理によって補正してもよい。
本発明の第二態様に係るモータ駆動システムは、上記記載のモータ制御装置と、前記モータ制御装置により生成されたインバータ駆動信号に基づいて制御されるインバータとを具備する。
本発明の第三態様に係るモータ制御方法は、3相交流電力によって駆動するモータに流れる3相交流電流を検出する第1工程と、前記第1工程によって検出した前記3相交流電流を2相交流電流へ変換する第2工程と、前記第2工程で変換した前記2相交流電流に重畳する基本波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とし、前記モータの回転数に基づいて該阻止帯域が変化するノッチフィルタを有するフィルタ手段によって、該阻止帯域の周波数成分を減衰させる第3工程と、前記モータを駆動させる3相交流電圧指令値を、前記フィルタ手段から出力された2相交流電流と電流指令値に基づいて生成する第4工程と、を含み、前記ノッチフィルタは、前記モータの回転数が高くなると阻止帯域の帯域幅を狭くすると共に減衰量を大きくし、前記モータの回転数が低くなると阻止帯域の帯域幅を広くすると共に減衰量を小さくする
本発明によれば、モータの制御を不安定にすることなく、モータを駆動するための電力に重畳する基本波成分を除去できる、という優れた効果を有する。
本発明の第1実施形態に係るモータ駆動システムの概略構成を示した図である。 本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。 正弦波PWM制御におけるモータ電圧及びモータ電流の応答を示すグラフである。 1パルス駆動制御におけるモータ電圧及びモータ電流の応答を示すグラフである。 U相電圧のFFT解析の結果を示すグラフである。 q軸電流のFFT解析の結果を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る可変ノッチフィルタの周波数特性を示すグラフである。 本発明の第3実施形態に係る可変ノッチフィルタの周波数特性を示すグラフである。 一般的なローパスフィルタの特性を示すグラフである。
以下に、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置及びモータ駆動システム、並びにモータ制御方法について、図面を参照して説明する。本発明のモータ制御装置及びモータ駆動システム、並びにモータ制御方法は、交流モータに対して広く適用可能であるが、特に、電気自動車等のように、使用回転数の領域が広く、また、制御切替時におけるトルク変動による影響が大きいシステムにおける交流モータの駆動システムとして採用されるのに適している。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るモータ駆動システム1の概略構成を示した図である。図1に示されるように、モータ駆動システム1は、モータ制御装置2及びインバータ3を備えている。インバータ3は、交流モータ4の力行制御中においては、バッテリ5からの直流電力を3相交流電力に変換して交流モータ4に出力し、交流モータ4の回生制御中においては、交流モータ4で発生した3相交流電力を直流電力に変換してバッテリ5に出力する。
インバータ3の入力直流電圧Vdcは電圧センサ6により検出され、モータ制御装置2に出力されるとともに、3相交流電流Iu*,Iv*,Iw*が電流センサ7により検出されてモータ制御装置2に出力される。
モータ制御装置2は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)であり、以下に記載する各処理を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を有しており、CPU(Central Processing Unit)がこの記録媒体に記録されたプログラムをRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置に読み出して実行することにより、以下の各処理が実現される。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。
モータ制御装置2は、交流モータ4の回転速度を上位の制御装置(図示略)から与えられるモータ速度指令に一致させるようなインバータ駆動信号Sを相毎に生成し、これらをインバータ2の各相に対応するスイッチング素子に与えることでインバータ3を制御し、所望の3相交流電圧を交流モータ4に供給する。
また、モータ制御装置2は、交流モータ4の回転数が所定値未満である低回転領域(低速領域)において正弦波PWM制御を行い、交流モータ4の回転数が所定値以上である高回転領域(高速領域)において1パルス駆動制御を行う。正弦波PWM制御は、d−q座標系を用いて制御を行う制御方式であり、1パルス駆動制御は、極座標系を用いて制御を行う制御方式である。
図2は、モータ制御装置2が備える機能を展開して示した機能ブロック図であり、モータ制御装置2が1パルス駆動制御を行う場合における機能ブロック図を示している。
モータ制御装置2は、速度計算部10、電流指令部11、3相/2相変換部12、可変ノッチフィルタ部13、電流PI制御部14、極座標/3相変換部15、及び駆動信号生成部16を備える。
速度計算部10は、交流モータ4のロータ位置θに基づいて、交流モータ4の電気角周波数ω(rad/s)を算出する。
電流指令部11は、入力されたトルク指令及び速度計算部10から入力された電気角周波数ωを用いて、q軸電流指令値Iq及びd軸電流指令値Idを設定する。
3相/2相変換部12は、電流センサ7によって検出された3相交流測定電流Iu*,Iv*,Iw*をd−q座標系の2相交流測定電流であるd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する。3相/2相変換部12から出力された2相交流測定電流は、可変ノッチフィルタ部13へ入力される。
可変ノッチフィルタ部13は、3相/2相変換部12から出力された2相交流測定電流であるd軸電流Id及びq軸電流Iqに重畳する基本波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とし、交流モータ4の回転数に基づいて該阻止帯域が変化するノッチフィルタを有する。
電流PI制御部14は、PI制御器を有するフィードバック制御部であり、電流指令部11によって設定されるd軸電流指令値Id及びq軸電流指令値Iqと、可変ノッチフィルタ部13から出力されるd軸電流Id及びq軸電流Iqとを入力情報として取得し、これらの情報から振幅指令値Vaと電圧位相角指令値δを設定する。
極座標/3相変換部15は、入力された極座標で表わされている電圧指令値(振幅指令値Vaと電圧位相角指令値δ)を3相交流電圧指令値に変換し、駆動信号生成部16に出力する。このとき、電圧位相角指令値δについては、交流モータ4のロータ位置θに基づいて位相補償が行われ、補償後の電圧位相角指令値δ+θが駆動値生成部16に出力される。
駆動信号生成部16は、正弦波PWM制御時には、極座標/3相変換部15からの3相交流電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づいて各相に対応するインバータ3のスイッチング素子を駆動する駆動信号Sを生成し、インバータ3に出力する。一方、1パルス駆動制御時には、位相角指令値δ+θに基づいて、各相に対応するインバータ3のスイッチング素子を駆動する矩形波の駆動信号Sを生成し、インバータ3に出力する。
ここで、上述したように、2相交流測定電流であるd軸電流Id及びq軸電流Iqには、基本波成分が重畳されている。この基本波成分は、交流モータ4のトルク変動を生じさせる。
以下、この基本波成分を除去するために用いられる可変ノッチフィルタ部13の詳細について説明する。
本第1実施形態では、交流モータ4の回転数として、速度計算部10で算出された電気角周波数ωが可変ノッチフィルタ部13へ入力される。可変ノッチフィルタ部13による除去対象となる基本波成分は、交流モータ4の速度に応じて変化するためである。これにより、可変ノッチフィルタ部13は、阻止帯域の周波数成分を減衰させることで、2相交流測定電流であるd軸電流Id及びq軸電流Iqに重畳する電気角周波数ωの基本波成分を除去することとなる。なお、交流モータ4の回転数(電気角周波数ω)と阻止帯域の帯域幅の対応関係は、予め定められており、例えば記憶装置に交流モータ4の回転数と阻止帯域の帯域幅の対応関係がテーブル情報として記憶されている。
下記(1)式は、可変ノッチフィルタ部13におけるアナログノッチフィルタの伝達関数であり、sはラプラス演算子を示し、Qは基本波補償用減衰率を示す。
Figure 0005734138
可変ノッチフィルタ部13をディジタルノッチフィルタとすると、下記(2)式のように表わされる。Tは離散時間フィルタのサンプル時間である。
Figure 0005734138
さらに、1パルス駆動制御のように交流モータ4の高回転領域では、電気角周波数ωの基本波成分(例えば、交流モータ4の回転数が6000rpmである場合、基本波成分が700Hz)が制御周期(例えば10kHz)近傍となり、アナログ周波数とディジタル周波数との変換誤差の影響が生じる可能性がある。
そのため、可変ノッチフィルタ部13は、下記(3)式に示される補正式を用いたプリワーピング処理を行うことによって、アナログ周波数とディジタル周波数との変換誤差を解消することが好ましい。なお、(3)式においてωdは、ディジタルノッチフィルタにおける要求周波数(rad/s)である。
Figure 0005734138
そして、可変ノッチフィルタ部13で基本波成分が除去された2相交流測定電流は、電流PI制御部14へ入力される。このため、交流モータ4は、基本波成分が除去された2相交流電流を用いてフィードバック制御されることとなる。
以上説明したように、本第1実施形態に係るモータ制御装置2は、3相/2相変換部12によって、電流センサ7で検出された3相交流測定電流を2相交流測定電流へ変換し、2相測定交流電流に重畳する基本波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とし、交流モータ4の回転数に基づいて該阻止帯域が変化するノッチフィルタを有する可変ノッチフィルタ部13によって、該阻止帯域の周波数成分を減衰させる。そして、モータ制御装置2は、電流PI制御部14、及び極座標/3相変換部15によって、交流モータ4を駆動させる3相交流電力指令値を、可変ノッチフィルタ部13から出力された2相交流測定電流と電流指令値に基づいて生成する。
従って、本第1実施形態に係るモータ制御装置2は、交流モータ4の制御を不安定にすることなく、交流モータ4を駆動するための3相交流電力に重畳する基本波成分を除去できる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本第2実施形態に係るモータ制御装置2の構成は、図2に示される第1実施形態に係るモータ制御装置2の構成と同様であるので説明を省略する。
図3は、正弦波PWM制御におけるモータ電圧及びモータ電流の応答を示し、図4は、1パルス駆動制御におけるモータ電圧及びモータ電流の応答を示す。
交流モータ4が正弦波PWM制御によって制御される場合は、図3に示されるようにモータ電圧が正弦波状に制御される。この場合、高調波成分は正弦波PWM制御のキャリア周波数である数kHzで発生するが、この高調波成分は小さく交流モータ4のトルク変動として問題となる大きさではない。一方、交流モータ4が1パルス駆動制御によって制御される場合は、図4に示されるようにモータ電気角180°毎にスイッチング素子をON/OFFさせるため、3相電圧に、基本波成分の5倍及び7倍の高調波成分が重畳することとなる。
図5は、3相電圧のうちU相電圧VuのFFT(Fast Fourie Transform)解析の結果の一例を示しており、基本波の5倍及び7倍に高調波成分が生じている。そして、3相電圧における5倍及び7倍の高調波成分は、d−q軸上において、図6のq軸電流IqのFFT解析に示されるように、基本波成分の6倍となる。
そこで、本第2実施形態に係る可変ノッチフィルタ部13は、1パルス駆動制御において、基本波成分及び6倍高調波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とするために、フィルタの構成が複数段構成とされている。
下記(4)式は、本第2実施形態に係る可変ノッチフィルタ部13におけるフィルタの伝達関数の一例である。なお、(4)式に示される伝達関数の1段目は基本波成分に対応し、2段目は6倍高調波成分に対応しており、Qは基本波補償用減衰率であり、Qは6倍高調波補償用減衰率である。さらに、(4)式に示される伝達関数の3段目は、6倍調波成分の減衰率を増大させるためのローパスフィルタである。ωはローパスフィルタの遮断角周波数であり、6倍調波成分に対応する周波数帯域より低い周波数とされている。
Figure 0005734138
図7は、第2実施形態に係る可変ノッチフィルタ13の周波数特性を示すグラフの一例である。図7の例では、基本波成分の電気角周波数ωは700Hzであり、6倍高調波成分の電気角周波数ωは4.2kHzである。図7における領域Aは基本波成分を含む帯域であり伝達関数の1段目で減衰される帯域を示し、領域Bは6倍高調波成分を含む帯域であり伝達関数の2段目で減衰される帯域を示し、領域Cはローパスフィルタで減衰される帯域を示している。
以上説明したように、本第2実施形態に係るモータ制御装置2は、ノッチフィルタの阻止帯域を、交流モータ4の回転数が所定値以上である高速領域において行われる1パルス駆動制御で生じる基本波成分及び6倍高調波成分を含む周波数帯域とするので、交流モータ4を駆動するための3相交流電力に重畳する基本波成分及び6倍高調波成分を除去できる。
また、可変ノッチフィルタ部13は、ノッチフィルタと共に6倍高調波成分を含む周波数帯域に対応したローパスフィルタを有するので、6倍高調波成分をより確実に除去できる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、本第3実施形態に係るモータ制御装置2の構成は、図2に示される第1実施形態に係るモータ制御装置2の構成と同様であるので説明を省略する。
交流モータ4の低回転領域では、上述したように正弦波PWM制御を行うため、高調波成分は小さい。このため、可変ノッチフィルタ部13による高調波成分の除去をあまり必要としない。しかし、交流モータ4が高回転になるほど、高調波成分の除去の必要性が高まる。また、可変ノッチフィルタ部13を通過した2相交流測定電流は、ノッチフィルタの影響により、例えばローパスフィルタに比べて小さいながらも位相遅れが生じる。
そこで、本第3実施形態に係る可変ノッチフィルタ部13は、阻止帯域の帯域幅及び減衰量を交流モータ4の回転数に応じて変化させる。なお、本第3実施形態に係る可変ノッチフィルタ部13は、交流モータ4の回転数として、速度計算部10から入力される交流モータ4の電気角周波数ωを用いる。
下記(5)式は、ノッチフィルタの伝達関数の一例であり、ζ1,ζは交流モータ4の回転数に応じて変化する変数である。図8に示されるように、変数ζ1を大きくすると、減衰量(深さ)が大きくなり、変数ζを大きくすると帯域幅が大きくなる。
Figure 0005734138
本第3実施形態に係る可変ノッチフィルタ部13は、交流モータ4の回転数が高くなると、変数ζ1を大きくしてノッチフィルタの減衰量を大きくすると共に、変数ζ2を小さくしてノッチフィルタの帯域幅を狭くする。これにより、交流モータ4の高回転領域では、可変ノッチフィルタ部13の効果が強くなり、基本波成分及び6倍高調波成分をより確実に除去することができる。
一方、交流モータ4の回転数が低くなると、可変ノッチフィルタ部13は、変数ζ1を小さくしてノッチフィルタの減衰量を小さくすると共に、変数ζ2を大きくしてノッチフィルタの帯域幅を広くする。これにより、交流モータ4の低回転領域では、可変ノッチフィルタ部13の効果が弱くなり、ノッチフィルタによる位相遅れの影響を小さくすることができる。
なお、交流モータ4の回転数(電気角周波数ω)と変数ζ1、ζ2の対応関係は、予め定められており、例えば記憶装置に交流モータ4の回転数と変数ζ1、ζ2の対応関係がテーブル情報として記憶されている。
また、可変ノッチフィルタ部13は、ノッチフィルタの阻止帯域の帯域幅及び減衰量の両方を交流モータ4の回転数に応じて変化させるのではなく、ノッチフィルタの阻止帯域の帯域幅及び減衰量の何れか一方を交流モータ4の回転数に応じて変化させてもよい。
以上説明したように、本第3実施形態に係るモータ制御装置2は、ノッチフィルタの阻止帯域の帯域幅及び減衰量の少なくとも一方を交流モータ4の回転数に応じて変化させるので、交流モータ4の回転数に応じてノッチフィルタの効果を変化させることができる。
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記第1実施形態においては、1パルス駆動制御を行う場合について説明したが、1パルス駆動制御の外、PWM駆動制御及び過変調制御を行う場合に適用してもよい。過変調制御を用いる制御の場合、正弦波PWM制御から過変調制御を経て1パルス駆動制御に切り替わる、又は1パルス駆動制御から過変調制御を行った後に、正弦波PWM制御に切り替わる。このように、正弦波PWM制御と1パルス駆動制御とを切り替える場合、その間に過変調制御を入れることにより、トルク変動を更に抑制させることができる。
また、上記第2実施形態及び第3実施形態においては、1パルス駆動制御を行う場合について説明したが、1パルス駆動制御の外、過変調制御を行う場合に適用してもよい。
1 モータ駆動システム
2 モータ制御装置
3 インバータ
4 交流モータ
7 電流センサ
12 3相/2相変換部
13 可変ノッチフィルタ部
14 電流PI制御部
15 極座標/3相変換部
16 駆動信号生成部

Claims (6)

  1. 3相交流電力によって駆動するモータに流れる3相交流電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記3相交流電流を2相交流電流へ変換する変換手段と、
    前記変換手段から出力された前記2相交流電流に重畳する基本波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とし、前記モータの回転数に基づいて該阻止帯域が変化するノッチフィルタを有するフィルタ手段と、
    前記モータを駆動させる3相交流電圧指令値を、前記フィルタ手段から出力された2相交流電流と電流指令値に基づいて生成する生成手段と、
    を備え、
    前記ノッチフィルタは、前記モータの回転数が高くなると阻止帯域の帯域幅を狭くすると共に減衰量を大きくし、前記モータの回転数が低くなると阻止帯域の帯域幅を広くすると共に減衰量を小さくするモータ制御装置。
  2. 前記ノッチフィルタは、前記モータの回転数が所定値以上である高速領域において行われる1パルス駆動制御又は過変調制御で生じる前記基本波成分及び6倍高調波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記フィルタ手段は、前記ノッチフィルタと共に前記6倍高調波成分を含む周波数帯域に対応したローパスフィルタを有する請求項記載のモータ制御装置。
  4. 前記ノッチフィルタは、ディジタルノッチフィルタであり、ディジタルノッチフィルタにおける要求周波数をプリワーピング処理によって補正する請求項1から請求項3の何れか1項記載のモータ制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ制御装置と、
    前記モータ制御装置により生成されたインバータ駆動信号に基づいて制御されるインバータと
    を具備するモータ駆動システム。
  6. 3相交流電力によって駆動するモータに流れる3相交流電流を検出する第1工程と、
    前記第1工程によって検出した前記3相交流電流を2相交流電流へ変換する第2工程と、
    前記第2工程で変換した前記2相交流電流に重畳する基本波成分を含む周波数帯域を阻止帯域とし、前記モータの回転数に基づいて該阻止帯域が変化するノッチフィルタを有するフィルタ手段によって、該阻止帯域の周波数成分を減衰させる第3工程と、
    前記モータを駆動させる3相交流電圧指令値を、前記フィルタ手段から出力された2相交流電流と電流指令値に基づいて生成する第4工程と、
    を含み、
    前記ノッチフィルタは、前記モータの回転数が高くなると阻止帯域の帯域幅を狭くすると共に減衰量を大きくし、前記モータの回転数が低くなると阻止帯域の帯域幅を広くすると共に減衰量を小さくするモータ制御方法。
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