JP6116480B2 - 反応性ペースト形成剤と重合可能な歯科用材料、硬化された歯科用材料およびこれらの使用 - Google Patents

反応性ペースト形成剤と重合可能な歯科用材料、硬化された歯科用材料およびこれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1つのモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの反応性ペースト形成剤、一官能性、二官能性またはオリゴ官能性ないし多官能性のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル(以下、共通に「メタクリル酸エステル」と呼称される)およびバルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルファミドを含有する、多孔質の多成分調製物の形の重合可能な歯科用材料に関する。加えて、本発明は、重合された歯科用材料ならびに例えば歯冠材料およびブリッジ材料としての重合可能な歯科用材料および重合された歯科用材料の使用に関する。
このような材料は、歯内治療後に、例えばマルチユニットのブリッジ、歯冠、インレー、オンレーまたはピン型暫間義歯(Stiftprovisorien)を製造するために使用される。
補綴学において、暫間義歯(Provisorien)を仕上げるための直接的または間接的な方法は、知られている。直接的な方法とは、調製直後に歯科医師によって暫間義歯を製造することである。間接的な製造は、実験室内でモデルを作り上げることにより行なわれる。
すなわち、例えば歯科医学における暫間の歯冠材料およびブリッジ材料は、調製を行なった後の象牙質の傷跡を遮蔽するために製造されるか、またはインプラント構築の一時的な管理のためにも製造される。前記の歯冠材料およびブリッジ材料は、天然の歯牙の残片を管理する際に、熱的影響、化学的影響および細菌による影響からの歯髄の保護に使用される。さらなる課題は、咀嚼機能の維持、咬合の上顎下顎関係または矢状の上顎下顎関係の確定および歯牙の残片上の隣接した歯肉の発育の阻止にある。
当該歯牙の調製前に相応する顎区間から、鋳型を取り、この鋳型により、調製すべき歯牙の元々の状況および形が確定される。調製後に、鋳型における研磨された歯牙の印象は、暫間の歯冠材料およびブリッジ材料で詰められる。こうして準備された印象は、顎上で整復される。暫間の歯冠材料およびブリッジ材料がゴム弾性状態を達成した場合には、形成された荒い暫間義歯(Provisorium)を有する鋳型を取り出し、完全に硬化した後に加工し、歯牙の残片に適合させ、かつ咬合(咬合面)を研磨することができる。暫間固定法(Provisorium)の開始は、特殊な暫間固定セメントを用いて行なわれる。
上位概念の重合可能な歯科用材料は、公知技術水準から自体公知である。この重合可能な歯科用材料は、重合が形成されたラジカルによって開始される重合性モノマーを含有する。このラジカルは、通例、適した開始剤と補助開始剤との反応によって形成され、この場合このラジカルの形成は、これらの開始剤および補助開始剤を調達した直後に開始される。従って、室温で単独で十分な貯蔵安定性を有する開始剤は、歯科用材料を貯蔵するために補助開始剤とは別個に保存されなければならない。それ故、それらの成分が最初に歯科用材料の加工直前に互いに接触され、かつ注意深く互いに混合される多成分系がたいてい使用される。
上位概念の歯科用材料のための公知技術水準から公知の開始剤系は、たいがい芳香族アミンを、例えばドイツ連邦共和国特許第975072号明細書に記載されているような有機過酸化物と組み合わせて有し、この場合アミンと過酸化物との酸化還元反応は、ラジカルを供給する。しかし、このようなアミンベースの開始剤系は、基本的な欠点、殊に前記成分および前記成分の二次生成物の毒性効果および/またはアレルギー触発効果、および一般に劣悪な色安定性を有する。前記欠点およびさらなる欠点は、欧州特許出願公開第1872767号明細書A1中に詳細に記載されている。
その上、前記欧州特許出願公開明細書には、公知技術水準の評価の際に、公知の開始剤系に対する代替物として、遷移金属イオンおよび塩化物イオンと組み合わせた、CH酸性化合物、殊にバルビツール酸誘導体が挙げられている。この代替の開始剤系は、重合の際により好ましい温度展開を有し、および得られたポリマーは、明らかにより良好な色安定性を有する。
複数のバルビツール酸またはこれらの誘導体をベースとする開始剤系の場合、複数のバルビツール酸(誘導体)は、重合性モノマーとは別個に保存されなければならない。このことは、CH酸性化合物、例えばバルビツール酸誘導体が既にCu(II)イオンおよび塩化物イオンの協力なしに空気酸素による自己酸化によりヒドロペルオキシドを形成するという理由にある。このヒドロペルオキシドは、反応性モノマーの重合を開始させるラジカルの形成下に崩壊し、従って、短時間内に自然重合を生じる。この自然重合プロセスは、安定剤の添加により短時間(数秒の範囲内)に減速または抑制されることができ、それに反して、貯蔵安定性の系の場合に望まれているようなより長時間に亘っては減速または抑制されえない。
バルビツール酸(誘導体)を開始剤成分として含有する酸化還元開始剤系を有する相対的に簡単な歯科用調製物は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10124029号明細書A1およびドイツ連邦共和国特許第3806740号明細書C1の記載から公知である。これらの刊行物には、バルビツール酸(誘導体)が粉末の形で液状モノマー混合物中に攪拌混入される粉末/液体系が記載されている。しかし、これは、手動混合により行なわれるので、前記系は、比較的計量供給するのが困難であり、かつ完成した歯冠またはブリッジ中の気泡を回避させることは、極めて困難であるか、または全く回避させることができない。
このような問題は、公知技術水準によれば、いわゆるペースト/ペースト系を使用することにより回避される。この場合、バルビツール酸(誘導体)は、不活性の可塑剤と充填剤とからなるペースト中に分散される。この場合には、開始剤を含有する成分には、もっぱら、CH酸性化合物と早期には重合しない化合物が含まれていることが必要とされ、すなわち、開始剤成分においては、主として、二重結合を含有しない非重合性化合物が使用される。
欧州特許第1194110号明細書B1の上位概念によれば、少なくとも1つの一官能性または多官能性のエチレン系不飽和モノマー、少なくとも1つの一官能性エチレン系不飽和モノマー、促進剤、ラジカル重合を触発しうる酸化還元開始剤系、充填剤、チキソトロピー助剤、遅延剤および助剤および通常の可塑剤を含有する重合可能な歯科用材料が開示されている。
また、欧州特許第1194110号明細書B1の重合された歯科用材料は、重合された歯科用材料中に含まれていない、一定の割合の未反応成分を有する。これは、歯科分野で使用される通常の可塑剤である。この可塑剤は、重合に対して不活性であり、すなわち、この可塑剤は、ラジカル重合性二重結合を全く含まず、それゆえ、重合導入されていない。前記理由から、こうして得られたポリマーの機械的性質は、改善が必要とされる。さらに、口腔の攻撃的な養生法において、このような未反応の成分が溶出する可能性があり、健康を害する反応が起こりうる。
欧州特許出願公開第1872767号明細書A1中に記載された発明は、公知技術水準から公知の欠点を回避させ、かつさらに1:1で計量供給される材料、例えば充填剤および配合用プラスチックも使用可能である、重合可能な歯科用材料のための開始剤系を得るという課題に基づくものであった。
欧州特許出願公開第1872767号明細書A1によれば、公知技術水準からのCH酸性化合物をベースとする開始剤系とは異なり、活性開始剤分子の前駆体、すなわちCH酸性化合物の塩が使用された。CH酸性化合物は、酸濃度が塩として存在するCH酸性化合物の酸濃度より高い酸を添加した後に初めて遊離され、引続きモノマーの重合プロセスのための開始剤分子として機能しうる。欧州特許出願公開第1872767号明細書によれば、公知技術水準のCH酸性化合物とは異なり、CH酸性化合物の塩がより長い時間に亘っても貯蔵安定性であることが確認された。それによって、重合性モノマーのポリマー反応のための開始剤活性は、重合可能な歯科用材料の成分をより長く貯蔵する場合でも保証される。この文献によれば、重合可能な歯科用材料が混合されるペースト、殊にCH酸性化合物の塩を含有するペーストは、特に有利に24ヶ月を上廻って色安定性および/または貯蔵安定性である。この種の調製物を用いる問題は、CH酸性化合物の触媒活性の遊離酸の放出が徐々に進行するにすぎず、それによって硬化反応が比較的長く継続することである。
欧州特許出願公開第1881010号明細書A1ならびに欧州特許出願公開第2239275号明細書A1の記載から、バルビツール酸誘導体の塩および重合性モノマーが酸官能基なしに開始剤成分中に含まれている重合性組成物は、公知であるか、或いはバルビツール酸誘導体の塩、その酸成分または前駆体ならびに銅化合物を含有する酸化還元開始剤系が準備される重合性組成物は、公知である。様々な調製物が記載されており、その中には、ペースト/ペースト組合せ物も記載されている。バルビツール酸と重合性エチレン系不飽和化合物との混合物、またはバルビツール酸誘導体と重合性エチレン系不飽和化合物との混合物は、貯蔵安定性ではないので、ここでは、バルビツール酸の塩またはバルビツール酸誘導体の塩が使用されている。ここでも、硬化反応は、バルビツール酸の塩またはバルビツール酸誘導体の塩と酸化合物との組合せにより触発され、それによってCH酸性化合物の触媒活性の遊離酸は、比較的緩徐に遊離されるにすぎない。
欧州特許出願公開第2198824号明細書の記載から、重合可能な歯科用材料は、公知である。この重合可能な歯科用材料は、少なくとも2つの成分AおよびBにおいて調製され、この場合成分Aは、ラジカル重合性モノマーの他に酸基なしに特別な過酸化物を含み、および成分Bは、酸基なしに、およびCH酸性化合物としてラジカル重合を触発しうるCH酸性化合物の塩なしにラジカル重合性モノマーを含む。すなわち、この重合可能な歯科用材料の場合も、活性の開始剤分子の前駆体、すなわち前記CH酸性化合物の塩が使用される。成分BにおいてCH酸性化合物の塩と選択されたエチレン系不飽和モノマーとの組合せは、十分に長い貯蔵安定性を許容する。CH酸性化合物の塩、例えばバルビツール酸の塩またはバルビツール酸誘導体の塩は、成分Aからの過酸化物との組合せの後に初めて活性化され、それに続いて、存在するモノマーの重合を生じさせる。前記の物質組成物は、酸の存在なしに、室温で良好に重合させることができる。この物質は、良好な硬化挙動および良好な機械的性質を示す。
より後の優先日のWO 2011/083020A2およびそれと並行のドイツ連邦共和国特許出願公開第102009058638号明細書A1には、歯科用材料を製造するための多成分系が記載されている。1つの成分は、少なくとも1つのラジカル重合性樹脂および少なくとも1つの重合促進剤を含み、第2の成分は、室温で液状またはペースト状の不活性のマトリックスおよび/または少なくとも1つのラジカル重合性樹脂ならびに少なくとも1つのCH酸性化合物またはその塩を重合開始剤として含む。1つの成分または2つの成分において、前記系は、ペルエステル、ペルアセタールまたはペルケタールを含む。第2の成分において(すなわち、重合開始剤を含む成分において)ラジカル重合性樹脂が設けられている場合には、この文献では、重合開始剤がCH酸性化合物の塩でなければならないことが要求されている。この重合可能な歯科用材料の場合もCH酸性化合物の塩とラジカル重合性樹脂との組合せだけが第2の成分において十分に長い貯蔵安定性を許容する。CH酸性化合物の塩、例えばバルビツール酸の塩またはバルビツール酸誘導体の塩は、両成分の組合せ後に初めて活性化され、それに続いて存在するモノマーの重合を生じさせる。
その中から、バルビツール酸誘導体またはマロニルスルファミドおよびイオノゲン的に結合したハロゲンおよび重金属化合物をベースとする開始剤系は、重合後のこれら成分の反応動力学および機械的性質に関連して改良することが必要であることが明らかになる。前記問題は、不活性の非反応性ペースト形成剤の存在によって決定的に影響を及ぼされることが想定される。
殊に、歯科分野での使用には、特に高い強度を有する材料が望ましい。例えば、歯科用材料は、歯冠およびブリッジの構築のために、極めて破壊安定性でなければならないのと同様に、歯牙の残片との関係も十分に安定していなければならない。
本発明の課題は、公知技術水準から公知の欠点を回避させ、同時に優れた貯蔵安定性ならびに再現可能な、十分に短い硬化時間が口腔条件下で保証される、ペースト状の重合性二成分系歯科用材料を準備することである。殊に、このような歯科用材料は、優れた機械的性質を有するポリマーに加工されうる。
この課題は、本発明による重合可能な歯科用材料の場合に、当該重合可能な歯科用材料が多成分系調製物、殊に成分AとBとからなる二成分系調製物の形で準備され、その中で個々の成分は、ペースト状で存在し、かつ選択された内容物質を含むことによって解決される。すなわち、成分Aにおいて、特に、マレイン酸単位および/またはフマル酸単位および/またはイタコン酸単位を有する反応性ペースト形成剤a)、および/または末端アリル基および/または末端メタリル基および/または側位アリル基および/または側位メタリル基を有する反応性ペースト形成剤b)が使用される。
本発明の基礎として、公知技術水準の欠点の原因は、不飽和の炭素−炭素結合を含まない、使用された不活性の、すなわち非反応性のペースト形成剤に基づいていることが判明した。
意外なことに、選択されたアルケニル基を含む反応性ペースト形成剤は、選択されたアルケニル基の早期の重合が起こることなしに、室温で、および40℃または60℃のストレス温度で貯蔵安定性で開始剤ペーストAとしてのバルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルホンアミドと調製されうることが見い出された。さらに、意外なことに、バルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルホンアミドならびにアルケニル基を含む反応性ペースト形成剤を含有する貯蔵安定性の触媒ペーストAにおいて、基礎ペーストBとの混合後に、該基礎ペーストB中に含有される、(メタ)アクリレート基を含む重合性化合物と一緒に口腔温度(35℃まで)でのラジカル重合で共重合し、その際にアルケニル基を含む反応性ペースト形成剤ならびに(メタ)アクリレート基を含む化合物は、生じる網状組織中に一緒に導入して結合されることが見い出された。それによって、非反応性ペースト形成剤を含有する、技術水準の調製物と比較して、重合後に最終製品において有効でより良好な機械的最終特性が達成される。これは、例えば3点曲げ試験におけるより高い曲げ強さおよび弾性率によって記録される。
選択されたアルケニル基を含む化合物がバルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルフェンアミドによって貯蔵中に補助開始剤(金属イオン、例えばCuイオンおよびハロゲンイオン)の不在下で、(メタ)アクリレートおよびビニルエーテルの場合と同様に重合され得ないことは、明らかである。他面、この選択されたアルケニル化合物は、(メタ)アクリレートモノマーの重合の際に口腔温度でコモノマーとして一緒に重合導入され、技術水準から公知の材料の場合によりも良好な機械的性質を生じる。さらなる利点は、選択されたアルケニル基を含む反応性ペースト形成剤を導入して結合することによって、技術水準により使用されるアルケニル不含の非反応性ペースト形成剤、例えば2,2−ビス−4−(2−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンビスアセテート(ドイツ連邦共和国特許第10017188号明細書)、ポリエチレングリコール(欧州特許出願公開第0563749号明細書A1)、フタレート、ポリエステルと比較して、溶出しうる化合物の割合が少なくなり、それによって高い生体適合性を期待できることである。
従って、本発明は、少なくとも1つのペースト状成分Aおよび少なくとも1つのペースト状成分Bを含む重合可能な歯科用材料に関し、この場合成分Aは、バルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルファミドの群から選択された、少なくとも1つのラジカル重合開始剤c)を含み、およびこの場合成分Bは、アクリル酸エステル基および/またはメタクリル酸エステル基を含む少なくとも1つの有機化合物d)、少なくとも1つの金属化合物e)および少なくとも1つのハロゲン化物化合物および/または擬ハロゲン化物化合物f)を含み、およびこの場合重合可能な歯科用材料は、成分Aが反応性ペースト形成剤として、マレイン酸および/またはフマル酸および/またはイタコン酸に由来する少なくとも1つの有機化合物a)(これは、マレイン酸および/またはフマル酸および/またはイタコン酸に由来する基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)、および/または少なくとも1個のアリル基および/またはメタリル基および場合によりマレイン酸および/またはフマル酸および/またはイタコン酸に由来する単位を含む少なくとも1つの化合物b)(これは、前記のエチレン性不飽和基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)を含むことによって特徴付けられる。
内容物質a)は、マレイン酸および/またはフマル酸および/またはイタコン酸に由来する任意の有機化合物であることができる。これらの化合物は、前記エチレン性不飽和基の他にはさらなるエチレン性不飽和基、例えばビニルエーテル基および/または(メタ)アクリレート基を含まない。
マレイン酸および/またはフマル酸および/またはイタコン酸に由来する有機化合物は、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの化合物であることができる。モノマーの化合物の例は、マレイン酸、フマル酸および/またはイタコン酸およびそれらの誘導体、例えばモノエステルもしくはジエステル、モノアミドもしくはジアミドまたは無水物である。このような誘導体の例は、モノアルキルエステルまたはジアルキルエステルならびに無水フマル酸、無水マレイン酸または無水イタコン酸である。
少なくとも1つのペースト状成分Aおよび少なくとも1つのペースト状成分Bを、前記成分AおよびBに対して上記の分布で上記の内容物質a)〜f)と一緒に含む重合可能な歯科用材料は、好ましく、この場合成分Aは、反応性ペースト形成剤として、マレイン酸および/またはフマル酸に由来する少なくとも1つの有機化合物a)(これは、マレイン酸および/またはフマル酸に由来する基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)、および/または少なくとも1個のアリル基および/またはメタリル基および場合によりマレイン酸および/またはフマル酸に由来する単位を含む少なくとも1つの化合物b)(これは、前記のエチレン性不飽和基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)を含む。
特に、これらの化合物は、マレイン酸ジアミドおよび/またはフマル酸ジアミドの群、特に有利にマレイン酸ジエステルおよび/またはフマル酸ジエステルの群を含む。その際に、特に好ましいのは、式Ia、Ib、IIa、IIbおよび殊に式IIcまたはIId
Figure 0006116480
〔式中、Xは、酸素または基−NR6−であり、
1、R2、R3およびR5は、互いに無関係に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルまたは一価複素環であり、これらは、場合により1個以上の置換基を有し、
4は、アルキレン、アルキレングリコールエーテル、シクロアルキレン、アリーレン、アラルキレンまたは二価複素環であり、これは、場合により1個以上の置換基を有し、
Aは、CH2−CH2、CH2−CH(CH3)またはCH2−CH2−CH2−CH2であり、
6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルまたは一価複素環であり、
nは、1〜50の整数であり、および
rは、1〜100の整数である〕で示される有機化合物である。
上記の基R1〜R5の1つまたはそれ以上は、場合により置換されていてよい。置換基の例は、さらに以下に記載されている。
1つの実施態様において、上記の基R1〜R5の1つまたはそれ以上は、酸官能基を有する置換基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物を有する。このような遊離酸基を含む化合物を有する歯科用材料は、殊に、セルフエッチング歯科用セメントとしての使用に適している。
さらに1つの実施態様において、上記の基R1〜R5の1つまたはそれ以上は、酸官能基を有する置換基の他に、ヒドロキシル基も置換基として有し、および/または式Ia、Ib、IIa、IIb、IIcおよび/またはIIdの酸官能化された化合物とヒドロキシ官能化された化合物との混合物が使用される。このような本発明により有利に利用される反応性ペースト形成剤a)は、例えば未反応の遊離カルボキシル末端基および/またはヒドロキシル末端基を有することができ、および/または遊離酸官能基および/またはヒドロキシ官能基が酸化合物での官能化により、例えば五酸化リンとの反応により変性されている基を有することができる。
実際に、式IIa、IIb、IIcおよびIIdの化合物は、しばしば、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステルまたはマレイン酸アミドおよびフマル酸アミドならびに様々な鎖長のポリエステルまたはポリアミドのランダムな混合物として存在する。さらに、分子中にフマル酸単位ならびにマレイン酸単位が存在している、式IIaおよびIIb、またはIIcおよびIIdの化合物の混合形が生じてもよい。
好ましい成分a)は、式Ia、Ib、IIa、IIb、IIcおよびIIdの2つまたはそれ以上の混合物であり、および/または係数nおよび係数rが、所定の規定の範囲内で様々な値を取る化合物の混合物である。
特に好ましい、本発明により使用される反応性ペースト形成剤a)の例は、次のとおりである:
Figure 0006116480
ジプロピレングリコール単位[−O−CH2−CH(CH3)−]2を有する、上述した化合物とは別に、とりわけ、プロピレングリコール単位[−O−CH2−CH(CH3)−]rを有する化合物またはエチレングリコール単位[−O−CH2−CH2−]rを有する化合物またはブチレングリコール単位、例えばテトラメチレングリコール単位、[−O−CH2−CH2−CH2−CH2−]rを有する化合物またはシクロペンチレン単位[−O−C58−]rを有する化合物またはシクロヘキシレン単位[−O−C610−]rを有する化合物またはフェニレン単位[−O−C64−]rを有する化合物またはナフチレン単位[−O−C106−]rを有する化合物またはベンジレン単位[−O−CH2−C64−]rを有する化合物が使用されてもよい。その際に、係数rは、1〜100の任意の整数の値を取ることができる。
鎖端に2−エチルヘキサノール単位を有する上述した化合物とは別に、特に別の一価アルコール、例えばベンジルアルコールまたはエタノールが末端基として使用されてもよい。
特に好ましい、本発明により使用される反応性ペースト形成剤a)のさらなる例は、次のとおりである:
Figure 0006116480
この場合、R3およびR5は、互いに無関係に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルまたは一価複素環であり、これらは、場合により1個以上の置換基を有し、但し、基R3またはR5の少なくとも1つは、水素であるものとする。
内容物質b)は、少なくとも1個のアリル基および/またはメタリル基を有する任意の化合物であることができ、該化合物は、場合によりさらに、フマル酸および/またはマレイン酸に由来する単位を有していてよい。その際に、有機化合物の他に、無機化合物も可能である。これらの化合物は、前記エチレン性不飽和基の他にはさらなるエチレン性不飽和基、例えばビニルエーテル基および/または(メタ)アクリレート基を含まない。アリル基および/またはメタリル基を含む塩は、成分b)として除外されている。
内容物質b)の化合物におけるアリル基および/またはメタリル基は、好ましくは、アリルエーテル基および/またはメタリルエーテル基である。
特に有利には、内容物質b)は、式III
Figure 0006116480
〔式中、R7は、場合により1個以上の置換基を有する、m価の基であり、
8は、基−CH2−CR9=CH2であり、
9は、水素またはメチルであり、
mは、1〜12、有利に1〜8、特に有利に1〜6、殊に有利に1〜4の整数であり、および
Yは、共有結合または二価の基の群から選択される〕で示される化合物である。
式IIIの化合物は、個別の化合物として使用されてよいし、または式IIIの様々な化合物の混合物として使用されてよい。殊に、3個以上の(メタ)アリル基を有する、より多価の化合物の場合、様々な官能化度を有する、式IIIの様々な化合物からなる混合物が使用されてよい。このための例は、様々な官能化度を有する(メタ)アリルペンタエリトリットエーテルの工業用混合物である。
前記の式IIIにおいてm価の基R7が話題となっている場合には、これは、任意の一価ないし十二価の基であることができる。
m価の基R7は、例えば、1〜12個の結合が基YまたはR8を有する化合物のために使用される、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族またはヘテロ環式基であることができる。このような基の一価または二価の基の例は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、一価複素環基、アルキレン基、アルキレンエーテル基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基および二価複素環基の本明細書における前記個所に見出せる。例えば、mが3または4である、より多価の基R7は、相応する構造を有するが、しかし、YまたはR8の結合に対してさらに遊離原子価を有する。
例えば、mが2〜12である、より多価の基R7の例は、2〜12個のケイ素原子がアリル基もしくはメタリル基で官能化されているかまたはアリルエーテル基もしくはメタリルエーテル基で官能化されているポリシロキサンであるか、或いは2〜12個のヒドロキシ基がアリル基もしくはメタリル基でエーテル化されている炭水化物であるか、或いは2〜12個のヒドロキシ基がアリル基もしくはメタリル基で官能化されているポリビニルアルコールである。
4個を上廻るアリル基を有する(メタ)アリル化合物の例は、アリル側鎖および/またはメタリル側鎖を有する不飽和ポリエステルの形のポリアリル化合物、殊に前記ポリエステルのスチレン不含混合物である。
6個のアリル基および/またはメタリル基を有する(メタ)アリル化合物の例は、マンニットヘキサアリルエーテル、ソルビットヘキシアリルエーテルまたはイノシットヘキサアリルエーテルならびに相応するメタリル誘導体である。
6個を上廻るアリル基および/またはメタリル基を有する(メタ)アリル化合物の例は、6個を上廻るアリル基および/またはメタリル基を有するポリサッカリドである。
また、m価の基R7は、1〜12個の結合が基YまたはR8を有する化合物のために使用される、さらなる基であることができる。さらなる基の例は、尿素基、シアナミド基、ホスホネート基、カーボネート基、シアヌレート基、イソシアヌレート基、ピロカーボネート基、モノアルキルシラン基、ジアルキルシラン基、トリアルキルシラン基、モノアリールシラン基、ジアリールシラン基、トリアリールシラン基、テトラアルキルジシロキサン基、テトラアリールジシロキサン基、テトラキス(トリアルキルシロキシ)ジシロキサン基、チオ尿素基、スルフィド基、スルホン基、ボラン基、ホスフェート基、ホスファイト基およびチオ尿素基である。前記基は、特に1〜2個のアリル基またはメタリル基を有する。
m価の有機基R7は、場合により、例えば1個以上のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または2個以上の前記置換基の組合せで置換されていてよい。
多価基R7の場合、全部の官能基が基R8と結合されている必要はない。前記官能基の若干の官能基だけがかかる基と結合しており、および残りの官能基が誘導されていないかまたは別の飽和基および/またはマレイン酸(誘導体)もしくはフマル酸(誘導体)に由来する基と結合されていることは、十分に可能である。種々の内容物質b)の混合物も使用されうる。
7は、前記置換基の他に、酸官能基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物を含むこともできる。このような遊離酸基を含む化合物を有する歯科用材料は、殊に、セルフエッチング歯科用セメントとしての使用に適している。
酸官能基を有する、特に好ましい、本発明により使用される反応性ペースト形成剤b)の例は、次の化合物(R=Hまたはメチル)である:
Figure 0006116480
Figure 0006116480
Figure 0006116480
殊に、また、これに関連して、有利に本発明により使用される反応性ペースト形成剤b)が酸官能基の他に遊離ヒドロキシル基も置換基R7に有すること、および/または酸官能化された反応性ペースト形成剤b)とヒドロキシ官能化された反応性ペースト形成剤b)との混合物が使用されることは、目的にかなうようによく考えられたことかもしれない。
特に好ましい、本発明により使用されるヒドロキシル官能化された反応性ペースト形成剤b)の例は、次の化合物(R=Hまたはメチル)である:
Figure 0006116480
前記の式IIIにおいて二価の基としてのYが話題となっている場合には、これは、任意の二価の有機基または無機基であることができる。Yは、任意の架橋基であることができるか、または基R7およびR8を互いに結合する共有結合であることができる。
二価の基Yの例は、さらに上記に列挙した、場合により置換された二価の基、すなわちアルキレン、アルキレンエーテル、シクロアルキレン、アリーレン、アラルキレンおよび二価複素環である。二価の基Yのさらなる例は、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸エステル基またはアミド基ならびに酸素原子または硫黄原子である。
特に好ましい、本発明により使用される反応性ペースト形成剤b)の例は、式IIIa
CH2=CR9−CH2−Spa−Z−Spa−CH2−CR9=CH2 (IIIa)
〔式中、R9は、水素またはメチルであり、
Spaは、2個のC原子の間の共有結合であるかまたは二価の架橋基、特に酸素原子、アミノ基、アルキレン、アルキレングリコールエーテル、シクロアルキレン、アリーレン、アラルキレンまたは二価複素環であり、および
Zは、二価の多環式基または二価の単核もしくは二核の芳香族基、特に次式IIIbまたはIIIc
Figure 0006116480
で示される基であり、
上記式中、R10は、水素、ヒドロキシル、アルコキシまたはアミノ、殊にNH2である〕で示される化合物である。
特に好ましい、本発明により使用される反応性ペースト形成剤b)の例は、式IIIdおよび式IIIe:
Figure 0006116480
〔式中、Rは、水素またはメチルであり、
Spbは、C原子とO原子との間の共有結合であるかまたは架橋基、特にアルキレン、アルキレングリコールエーテル、シクロアルキレン、アリーレン、アラルキレンまたは二価複素環であり、および
10は、水素またはヒドロキシ基、アルコキシ基もしくはアミノ基である〕で示される化合物である。
式IIIdの化合物の殊に好ましい例は、次式
Figure 0006116480
で示される化合物である。
式IIIeの化合物の殊に好ましい例は、次式
Figure 0006116480
〔式中、nは、0、1、2、・・・15であり、およびmは、0、1、2、・・・15であり、ならびにRは、水素またはメチルであり、この場合(メタ)アリルエーテル基およびヒドロキシル基は、特にそれぞれ隣接した環炭素原子に取り付けられている〕で示される化合物である。
エチレングリコール単位[−O−CH2−CH2−]nを有する表わされた化合物とは別に、特にプロピレングリコール単位[−O−CH2−CH(CH3)−]nを有する化合物またはブチレングリコール単位、例えばテトラメチレングリコール単位、[−O−CH2−CH2−CH2−CH2−]nを有する化合物またはシクロペンチレン単位[−O−C58−]nを有する化合物またはシクロヘキシレン単位[−O−C610−]nを有する化合物またはフェニレン単位[−O−C64−]nを有する化合物またはナフチレン単位[−O−C106−]nを有する化合物またはベンジレン単位[−O−CH2−C64−]nを有する化合物が使用されてもよく、この場合nは、1〜15の整数であることができる。相応することは、エチレングリコール単位[−O−CH2−CH2−]mに当てはまる。
特に好ましい、本発明により使用される反応性ペースト形成剤b)のさらなる例は、次式:
Figure 0006116480
〔式中、
Spは、架橋基、特にアルキレンまたはアルキレングリコールエーテルであり、
Rは、水素またはメチルであり、および
11は、酸素原子または−NH−基である〕で示される化合物、
Figure 0006116480
〔式中、
Spは、架橋基、特にアルキレンまたはアルキレングリコールエーテルであり、
11は、酸素原子または−NH−基であり、および
Rは、水素またはメチルである〕で示される化合物、
Figure 0006116480
〔式中、nは、0、1、2、・・・15であり、およびmは、0、1、2、・・・15であり、ならびにRは、水素またはメチルである〕で示される化合物、
Figure 0006116480
〔式中、Rは、水素またはメチルである〕で示される化合物、
Figure 0006116480
〔式中、Rは、H、アルキル、殊にメチルである〕で示される化合物である。その際に、ペンタエリトリットエーテルは、特に四官能化エーテルと低級官能化エーテルとの工業用混合物として、例えば四官能化ペンタエリトリットエーテル、三官能化ペンタエリトリットエーテルおよび二官能化ペンタエリトリットエーテルを含む工業用混合物として使用されうる。
特に好ましい、本発明により使用される反応性ペースト形成剤b)のさらなる例は、次の化合物である:
ジアリルマレート、ジアリル尿素、N,N−ジアリルアクリルアミド、ジアリルセバケート、ジアリルテレフタレート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルシアナミド、ジアリルグルタレート、ジアリルジグリコラート、ジアリルフマレート、ジアリルホモフタレート、ジアリルエーテル、ジアリルイタコネート、ジアリルアリルホスホネート、ジアリルスベレート、ジアリルスクシネート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルアゼレート、ジアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリン−α,α’−ジアリルエーテル、イソシアヌル酸ジアリル−n−プロピルエステル、イソシアヌル酸−ジアリルエステル、ピロカルボン酸ジアリルエステル、ジエチルジアリルマロネート、ジアリルフタレート、ジアリルジフェニルシラン、1,3−ジアリルテトラメチルジシロキサン、ジアリルジメチルシラン、1,3−ジアリルテトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、ジアリルマレエート、N,N''−ジアリルチオ尿素、ジアリルスルフィド、ジエチル−2,2−ジアリルマロネート、ジアリルスルホン、ジアリルアジペート(C12184)、1,2−ジアリル−シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(C14204;シス/トランス混合物)、トリアリル−ボラン、トリアリルホスフェート、トリアリルトリメサート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、トリアリルシアヌレート、トリアリルホスファイト、トリアリルチオ尿素、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリルエステル、テトラアリルピロメリテート、1,1,3,3−テトラアリルオキシプロパン、テトラアリルペンタエリトリトールおよびテトラアリルオキシエタンまたは類似のメタリル化合物。
バルビツール酸誘導体c)とは、本発明の範囲内でバルビツール酸、チオバルビツール酸および殊に置換されたバルビツール酸および置換されたチオバルビツール酸のことである。バルビツール酸の塩および該バルビツール酸の誘導体ならびにチオバルビツール酸および該チオバルビツール酸の誘導体は、除外されている。
マロニルスルファミドの塩も除外されている。
内容物質c)は、任意のバルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルファミドであることができる。バルビツール酸とともに、当該酸の誘導体、特に1位、3位および/または5位で置換された化合物または相応するチオバルビツレートが使用されてもよい。特に有利には、これは、式IVもしくはVのバルビツール酸誘導体または式VIのマロニルスルファミドであり、
Figure 0006116480
上記式中、R16およびR17は、互いに無関係に、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アラルキルおよび一価複素環であり、但し、基R16またはR17の少なくとも1つは、水素であるものとし、および
14およびR15は、互いに無関係に、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アラルキルおよび一価複素環である。
殊に有利には、R14および/またはR16またはR17が互いに無関係に、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル、殊にエチル、ブチル、フェニルまたはベンジルである、式IVのバルビツール酸誘導体が使用される。
特に好ましい、本発明により使用される重合開始剤c)の例は、ドイツ連邦共和国特許第1495520号明細書中に説明されたバルビツール酸およびバルビツール酸誘導体ならびに欧州特許第0059451号明細書B1中に説明されたマロニルスルファミドである。
好ましいマロニルスルファミドは、2,6−ジメチル−4−イソブチルマロニルスルファミド、2,6−ジイソブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジメチル−4−エチルマロニルスルファミドならびに2,6−ジオクチル−4−イソブチルマロニルスルファミドである。
特に有利に使用されるバルビツール酸誘導体の例は、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロペンチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−n−ブチルバルビツール酸、1,5−ジメチルバルビツール酸、5−n−ブチルバルビツール酸、5−シクロヘキシルバルビツール酸、5−エチルバルビツール酸、5−イソブチルバルビツール酸、5−イソプロピルバルビツール酸、5−フェニルバルビツール酸および1,3,5−トリメチルバルビツール酸である。これらのバルビツール酸誘導体は、単独で使用されてよいし、または当該バルビツール酸誘導体の2つ以上の混合物として使用されてよい。
前記の式I〜VIにおいてアルキル基が話題となっている場合には、これは、分枝鎖状または非分枝鎖状の飽和脂肪族炭化水素基である。これらの飽和脂肪族炭化水素基の鎖長は、通例、10個までのC原子である。好ましいのは、C1〜C8アルキル基である。そのための例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたは2−エチルヘキシルである。アルキル基は、場合により、例えば1個以上のアルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または酸基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または前記置換基の2個以上の組合せで置換されていてよい。
前記の式IV〜VIにおいてアルキル基が話題となっている場合には、これは、分枝鎖状または非分枝鎖状のモノ不飽和脂肪族炭化水素基である。これらのモノ不飽和脂肪族炭化水素基の鎖長は、通例、10個までのC原子である。好ましいのは、C2〜C8アルケニル基である。そのための例は、アリル、メタリルまたはビニルである。アルケニル基は、場合により、例えば1個以上のアルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または酸基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または前記置換基の2個以上の組合せで置換されていてよい。
前記の式I〜VIにおいてシクロアルキル基が話題となっている場合には、これは、飽和脂環式炭化水素基である。前記の飽和脂環式炭化水素基は、通例、5〜8個の環炭素原子を有する。好ましいのは、シクロペンチル基または殊にシクロヘキシル基である。これらの基は、1個以上のシクロアルキル環を有することができる。複数のシクロアルキル環は、互いに共有結合または架橋基により結合されていてよいかまたは二環式または多環式の環系を形成してよい。
シクロアルキル基は、場合により、例えば1個以上のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または酸基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または前記置換基の2個以上の組合せで置換されていてよい。
前記の式I〜VIにおいてアリール基が話題となっている場合には、これは、芳香族炭化水素基である。前記の芳香族炭化水素基は、通例、6〜12個の環炭素原子を有する。好ましいのは、ナフチル基または殊にフェニル基である。複数のアリール環は、互いに共有結合または架橋基により結合されていてよいかまたは二環式または多環式の芳香族環系を形成してよい。アリール基は、場合により、例えば1個以上のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または酸基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または前記置換基の2個以上の組合せで置換されていてよい。
前記の式I〜VIにおいてアラルキル基が話題となっている場合には、これは、アルキレン基と結合された芳香族炭化水素基である。前記の芳香族炭化水素基は、通例、6〜12個の環炭素原子を有し、および1〜3個の炭素原子をアルキレン基中に有する。アラルキル基の好ましい例は、ベンジルである。アラルキル基は、場合により、例えば1個以上のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または酸基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または前記置換基の2個以上の組合せで置換されていてよい。
前記の式I〜VIにおいてアルキレン基が話題となっている場合には、これは、分枝鎖状または非分枝鎖状の飽和の二価脂肪族炭化水素基である。これらの飽和の二価脂肪族炭化水素基の鎖長は、通例、8個までのC原子である。好ましいのは、C1〜C6アルキル基である。そのための例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、第二級ブチレン、第三級ブチレン、n−ペンチレンおよびn−ヘキシレンである。アルキレン基は、場合により、例えば1個以上のアルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または酸基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または前記置換基の2個以上の組合せで置換されていてよい。
前記の式I〜VIにおいてアルキレングリコールエーテル基が話題となっている場合には、これは、分枝鎖状または非分枝鎖状の飽和脂肪族アルキレングリコールに由来する基である。前記の飽和脂肪族アルキレングリコールに由来する基は、1個以上の繰返し構造単位を有することができる。アルキレン単位は、通例、2〜4個の炭素原子を有する。このタイプの基の例は、−[C24−O]q−C24−、−[C36−O]q−C36−および−[C48−O]q−C48−であり、但し、qは、1〜100、特に1〜30、殊に1〜15であるものとする。
アルキレングリコールエーテル基は、場合により、例えば1個以上のアルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または2個以上の前記置換基の組合せで置換されていてよい。
内容物質d)は、任意の少なくとも1個のアクリル酸エステル基および/またはメタクリル酸エステル基を含む有機化合物であることができる。モノマーの化合物とともに、オリゴマーおよびポリマーの(メタ)アクリレートがさらに重合能を有する(メタ)アクリルエステル基を有することを前提として、これらオリゴマーおよびポリマーの(メタ)アクリレートも適している。特に有利には、これは、式VII
Figure 0006116480
〔式中、pは、1〜12、特に1〜4の整数であり、
12は、場合により1個以上の置換基を有する、p価の有機基であり、
13は、水素またはメチルである〕で示される化合物である。
前記の式VIIにおいてp価の有機基R12が話題となっている場合には、これは、任意の一価ないし十二価の有機基であることができる。
その際に、p価の有機基R12は、1〜12個の結合が(メタ)アクリレート基を有する化合物のために使用される、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族またはヘテロ環式基であることができる。このような基R12の一価または二価の基の例は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、一価複素環基、アルキレン基、アルキレンエーテル基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基および二価複素環基の本明細書における前記個所に見出せる。pが3〜12である、より多価の基は、相応する構造を有するが、しかし、単数または複数の(メタ)アクリレート基への結合のためのさらなる遊離原子価を有する相応する構造を有する。それとは別に、p価の有機基は、例えば1〜6個の(メタ)アクリレート基で官能化されている、任意のポリマーの基であってもよい。
例えば、mが2〜12である、より多価の基R12の例は、2〜12個のケイ素原子が一緒になって官能化されているかまたはアクリレート基またはメタクリレート基で官能化されているポリシロキサンであるか、或いは2〜12個のヒドロキシ基がアクリレート基またはメタクリレート基でエステル化されている炭水化物であるか、或いは2〜12個のヒドロキシ基がアクリレート基もしくはメタクリレート基で官能化されているポリビニルアルコールである。
多価有機基R12の場合、全ての官能性が(メタ)アクリレート基と結びつけられる必要はない。前記官能基の若干の官能基だけがかかる基と結合しており、および残りの官能基が誘導されていないかまたは別の飽和基および/または不飽和基と結合されていることは、十分に可能である。種々の内容物質d)の混合物も使用されうる。
p価の有機基R12は、場合により、例えば1個以上のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されていてよいか、または酸基、例えばリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物で置換されていてよいか、または1個以上のハロゲン原子、例えば塩素原子で置換されていてよいか、または前記置換基の2個以上の組合せで置換されていてよい。
有利に使用される(メタ)アクリレート化合物d)の例は、少なくとも二官能性のアクリル酸エステルおよび/または(メタ)アクリル酸エステルである。その際に、これらのエステルは、モノマーのアクリレートおよびメタクリレートであることができるか、またはポリマーのアクリレートおよびメタクリレートであることができる。好ましくは、例えば、ビスフェノールAおよびグリシジル(メタ)アクリレートまたはこれらの、イソシアネートの付加により生じた誘導体をベースとする、米国特許第3066112号明細書に記載の長鎖状モノマーが使用されてよい。また、ビスフェノール−A−ジエチルオキシ(メタ)アクリレートおよびビスフェノール−A−ジプロピルオキシ(メタ)アクリレートのタイプの化合物は、特に好適である。さらに、オリゴ−エトキシル化されたビスフェノール−A−ジアクリル酸エステルおよびビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリル酸エステルならびにオリゴ−プロポキシル化されたビスフェノール−A−ジアクリル酸エステルおよびビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリル酸エステルが有利に使用されうる。
さらに、アクリル酸ジエステルおよびメタクリル酸ジエステルまたは少なくとも二官能性の脂肪族アルコールのより高級のエステル、例えばトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール−ジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール−ジ(メタ)アクリレートまたはトリメチロールプロパン−トリ(メタ)アクリレートは、好適である。
特に、ドイツ連邦共和国特許第2816823号明細書C2中に挙げられた、ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカンのジアクリル酸エステルおよびジメタクリル酸エステルならびにビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカンの、1〜3個の酸化エチレン単位および/または酸化プロピレン単位で延長された化合物のジアクリル酸エステルおよびジ(メタ)アクリル酸エステルも適している。
その上、好適なモノマーd)は、欧州特許出願公開第0235826号明細書A1中に記載された、(メタ)アクリル酸エステル、例えばトリグリコール酸−ビス[3(4)−(メタ)アクリルオキシメチル−8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]−デシルメチルエステル]である。
勿論、モノマーおよび/またはこれから製造された不飽和ポリマーからなる混合物が使用されてもよい。
さらなる好ましい実施態様において、内容物質d)に対して少なくとも二価のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル70%までに加えて、特に一官能性(メタ)アクリル酸エステル、例えばメチル(メタ)アクリレート50%までが使用されてよい。
(メタ)アクリレートd)のさらなる好ましい例は、次のものを含める:
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル−(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ−フルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル−(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリルオキシ−プロパン;
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール−プロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジグリシジル(メタ)アクリレート、モノエチレン−グリコールジ(メタ)アクリレートまたはポリエチレン−グリコールジ(メタ)アクリレート、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、モノプロピレン−グリコールジ(メタ)アクリレートまたはポリプロピレン−グリコールジ(メタ)アクリレート、およびモノブチレングリコールジ(メタ)アクリレートまたはポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えばポリテトラヒドロフランジ(メタ)アクリレート、その際に、ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体およびポリブチレングリコール誘導体またはポリペプチドテトラメチレングリコール誘導体の場合には、分枝鎖状構造を有するようなもの、ならびに線状構造を有するようなものが含まれている。
その上、単数または複数のウレタン結合を有する(メタ)アクリレートの例は、ジ−2−(メタ)アクリルオキシエチル−2,2’,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−2−(メタ)アクリルオキシエチル−2,4,4’−トリメチルヘキサメチレンジカルバメートおよび1,3,5−トリス[1,3−ビス{(メタ)アクリルオキシ}−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオンを一緒に含める。それとともに、例示的に、2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−オキセパノン、ヘキサメチレン−ジイソシアネートおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを有する、ウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート、ならびに1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを有する、ウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレートが挙げられる。前記の(メタ)アクリレートは、単独で使用されてよいし、当該(メタ)アクリレートの2つ以上の混合物として使用されてよい。
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリレートを含む内容物質d)は、好ましい。前記内容物質d)は、バルビツール酸誘導体またはマロニルスルファミドおよび有機ハロゲン化物を良好に溶解するので、上記化合物は、有利に内容物質d)中に含まれている。
さらに、本発明による歯科用材料は、成分Bにおいて金属化合物を内容物質e)として含む。
内容物質e)は、任意の金属化合物であることができる。この金属化合物は、フリーラジカルを形成するための触媒として利用される。通例、金属塩および/または金属錯体が使用される。
内容物質e)の金属は、一般に、ランタニドを含めて、元素の周期律表の第3主族および第4主族の金属ならびに第1副族ないし第8副族の金属である。前記の金属化合物は、特に銅、鉄、錫、クロム、マンガン、コバルト、亜鉛、ニッケル、希土類元素およびアルミニウムの塩または錯体化合物として使用される。
金属は、様々な、負ではない酸化数で、例えば酸化数+1または殊に+2で存在しうる。内容物質e)の金属は、様々な酸化数で存在していてもよいし、或いは多種多様の金属化合物の混合物が使用されてもよい。
金属塩は、任意の陰イオンを有することができる。陰イオンの例は、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩および殊にカルボン酸塩、例えば脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の陰イオン、例えば(メタ)アクリル酸陰イオンである。
金属錯体は、任意の配位子を有することができる。配位子の例は、金属原子との配位結合を形成することができる任意のルイス塩基である。好ましくは、カルボニル化合物および/または窒素原子、特に有利にβ−カルボニル化合物、殊に有利にアセチルアセトネートを配位子として有する金属錯体は、内容物質e)として使用される。
内容物質e)の好ましい金属錯体または金属塩の例は、アセチルアセトン酸銅、銅−4−シクロヘキシルブチレート、酢酸銅、オレイン酸銅、エチルヘキサン酸銅、アクリル酸銅、メタクリル酸銅、ナフテン酸銅、アセチルアセトン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オクチル酸マンガン、アセチルアセトン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン酸ニッケル、酢酸ニッケル、アセチルアセトン酸クロム、アセチルアセトン酸鉄、ナフテン酸ナトリウムおよびオクテン酸希土類元素である。
内容物質e)の金属化合物は、単独で使用されてよいし、当該金属化合物の2つ以上の混合物で使用されてよい。
有利に使用される内容物質e)は、成分B中に溶解されて存在する、殊に溶解された有機化合物の形で存在する金属化合物である。金属として、銅が特に適している。
さらに、本発明による歯科用材料は、成分Bにおいてハロゲン化物化合物または擬ハロゲン化物化合物を内容物質f)として含む。
内容物質f)は、可溶性塩の形で成分Bにおいて使用される、任意のハロゲン化物化合物または擬ハロゲン化物化合物であることができる。可溶性塩とは、1リットル当たり少なくとも1gが25℃で有機化合物d)中で溶解する化合物のことである。
ハロゲン化物化合物は、一般にフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物である。
擬ハロゲン化物化合物は、一般に陰イオンCN-、N3 -、OCN-、NCO-、CNO-、SCN-、NCS-またはSeCN-を有する化合物である。
陽イオンとして、原則的に、任意の金属陽イオンがこれに該当するが、しかし、特に周期律表の第1主族および第2主族の金属陽イオン、殊にカリウム陽イオン、ナトリウム陽イオンおよびリチウム陽イオンがこれに該当するか、またはアミン、殊に第三級アミンのヒドロハロゲン化物を含めて、アンモニア陽イオンまたはホスホニウム陽イオン、殊に有機基をするかかるものもこれに該当する。
好ましい内容物質f)は、元素の周期律表の第1主族または第2主族の金属、殊にリチウムまたはナトリウムのハロゲン化物、殊に塩化物もしくは臭化物、または擬ハロゲン化物であるか、または第四級アンモニウムイオン、第四級ホスホニウムイオンのハロゲン化物、殊に塩化物もしくは臭化物、または擬ハロゲン化物ならびに第三級アミンのヒドロハロゲン化物である。
好ましい内容物質f)の例は、有機ハロゲン化物、例えばベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルアルコニウムクロリド、セチルピリジンブロミド、セチルピリジンクロリド、セチルトリエチルアンモニウムブロミド、モノ−ないしテトラアリルアルキル−アンモニウムクロリド、モノ−ないしテトラアリルアルキルアンモニウムブロミド、殊にジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチル−アンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチル−アンモニウムクロリド、テトラデシルトリエチル−アンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミドおよびトリオクチルメチル−アンモニウムクロリド、相応するホスホニウム化合物またはヒドロハロゲン化物第三級アミン、殊に第三級アミンの塩酸塩である。
内容物質f)の化合物は、単独で使用されてよいし、当該化合物の2つ以上の混合物で使用されてよい。
好ましい実施態様において、本発明による多成分組成物は、少なくとも1つの成分において少なくとも1つの充填剤g)を含む。殊に、成分Bは、少なくとも1つの充填剤g)を含むか、または成分AおよびBは、それぞれ少なくとも1つの充填剤g)を含む。
充填剤(内容物質g))は、無機材料であるか、または有機材料である。無機材料の例は、様々な変態での二酸化ケイ素(例えば、石英、クリストバライト、リンケイ石(Quarzgut))、長石、粉砕したガラス、例えばバリウムガラス、アルミナガラス、カリウムガラスおよびフルオロアルミノケイ酸塩ガラス、ならびに難溶性フッ化物、例えばCaF2、YF3、YbF3、さらにシリカゲルならびにケイ酸、殊に熱分解法ケイ酸またはその粒質物、または合成ゼオライト、リン酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水和ケイ酸カルシウムまたは水和ケイ酸アルミニウム(カオリン)である。前記充填剤は、例えばγ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、アルキルトリクロロシラン、アルキルトリエトキシシラン、アルキルトリメトキシシラン、アルキルトリアセトキシシラン、アルキルトリ(メトキシエトキシ)シラン、殊にメチルトリクロロシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシランおよびメチルトリ(メトキシエトキシ)シランでの表面処理を受けてよい。さらに、使用可能な有機−無機複合充填剤は、前記充填剤を重合性モノマーまたはオリゴマーと混合し、この混合物を硬化させ、および引続き硬化した混合物を粉末状化することによって、製造されうる。
充填剤として、既に完成した、顔料が含有されたポリメチル−(メタ)アクリレートパールまたは別の粉末状化された有機ポリマーも適している。また、歯科用材料の可撓性を高めるために、可溶性の有機ポリマーを使用することは、好ましい。例えば、ポリビニルアセテートならびに塩化ビニル/ビニルアセテート、塩化ビニル/ビニル−イソブチルエーテルおよびビニルアセテート/マレイン酸ジブチルテールをベースとするコポリマーは、適している。
前記充填剤は、単独で使用されてよいし、当該充填剤の2つ以上の混合物で使用されてよい。無機充填剤の最大平均粒度は、特に15μm、殊に10μmである。特に有利には、5μm未満の平均粒度を有する充填剤が使用される。
充填剤の中で、無水ケイ酸、ケイ酸、水和ケイ酸カルシウムおよび水和ケイ酸アルミニウム(カオリン)の割合は、これらによって、長時間に亘る貯蔵の場合であっても、ペースト状の重合可能な歯科用材料がゲル化しないので、好ましい。その他の点では、もちろん、反応性ペースト形成剤a)および/またはb)に依存して相応するペーストにおいて様々な充填剤g)が使用されてよい。
さらに、より高いモノマー変換率を実現させるために、重合可能な歯科用材料が内容物質h)が存在する、成分Aおよび/またはBの全質量に対して、内容物質h)として有機過酸化物化合物を5質量%まで含有することは、有利である。内容物質h)は、好ましくは成分A中に存在する。特に、内容物質h)は、カルボン酸−ペルオキシエステル、炭酸−ペルオキシエステル、ジアシルペルオキシド、ペルケタール、ペルアセタール、ペルエーテル、ヒドロペルオキシド、過酸、またはこれらの2つ以上の組合せである。その中で、殊にカルボン酸ペルオキシエステル、炭酸ペルオキシエステルおよびペルケタールが好ましい。t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル−ヘキサノエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートまたはこれらの2つ以上の組合せが殊に有利に使用される。
本発明による歯科用材料が有機過酸化物h)、金属化合物e)、ハロゲン化物または擬ハロゲン化物f)および開始剤c)を含有する場合(バルビツール酸誘導体/マロニルスルファミド)には、有機過酸化物h)、開始剤c)、および金属化合物e)とハロゲン化物または擬ハロゲン化物f)との組合せが空間的に互いに別々の2つの成分中に存在することは、殊に有効である。例えば、有機過酸化物h)、本発明による反応性ペースト形成剤a)および/またはb)、開始剤c)(バルビツール酸誘導体/マロニルスルファミド)ならびに充填剤g)は、混練されてペーストになってよい。他面、重合性モノマーd)は、金属化合物e)とハロゲン化物または擬ハロゲン化物f)と充填剤g)との組合せと一緒であってもよい。
さらに、本発明による歯科用材料は、一般にこのような材料に添加される、1つ以上の添加剤i)を含有してよい。そのための例は、緩衝塩、水捕捉剤、例えばゼオライト、カルボン酸無水物、例えば無水酢酸、無水コハク酸、無水フタル酸および無水マレイン酸および/または加水分解反応およびエステル交換反応を阻止するための脱水された塩、金属捕捉剤、例えばQuadrapure(登録商標)、金属錯形成剤、例えばEDTA、さらなるペースト形成剤、界面活性剤、作用物質、光学的走査を可能にする物質、風味剤および/または臭覚剤、診断を可能にする物質、歯質(エナメル質、象牙質)をエッチングする作用を有する物質および/または癒着する作用を有する物質、フッ化物製剤(Fluoridisierungsmittel)、漂白剤、脱感作剤、接着結合助剤、染料、有色顔料、指示薬、成分c)、e)、f)およびh)とは異なるさらなる開始剤または開始剤成分、例えば無機過酸化物、無機過酸もしくはこれらのペルエステルまたは酸化還元開始剤成分および/または光開始剤、安定剤(例えば、酸化防止剤)、重合禁止剤、チキソトロピー助剤ならびに抗菌物質である。
成分Aにおける内容物質a)の割合は、通例、10〜85質量%、有利に20〜80質量%、特に有利に30〜75質量%である。
成分Aにおける内容物質b)の割合は、通例、10〜85質量%、有利に20〜80質量%、特に有利に30〜75質量%である。
成分Aにおける内容物質c)の割合は、通例、0.5〜20質量%、有利に2〜10質量%である。
成分Aにおける内容物質h)の割合は、通例、5質量%まで、有利に2質量%までである。
成分Bにおける内容物質d)の割合は、通例、20〜85質量%、有利に25〜80質量%、特に有利に30〜75質量%である。
成分Bにおける内容物質e)の割合は、通例、1〜100ppm、有利に2〜50ppmである。
成分Bにおける内容物質f)の割合は、通例、0.01〜1質量%、有利に0.05〜0.5質量%である。
その際に、本明細書における前記個所に記載の質量は、それぞれ当該成分の全質量に対するものである。
成分Aにおける内容物質g)の割合は、通例、成分Aの全質量に対して0〜80質量%、特に10〜70質量%、特に有利に20〜60質量%であり;成分Bにおける内容物質g)の割合は、通例、成分Bの全質量に対して10〜90質量%、特に15〜70質量%、特に有利に20〜60質量%である。
成分Aおよび/またはBにおける内容物質i)の割合は、通例、それぞれの成分の全質量に対して0〜20質量%、特に0〜15質量%、特に有利に0〜10質量%である。
成分Aが
− 成分a)および/またはb)の少なくとも1つの反応性ペースト形成剤10〜85質量%および
− 成分c)0.5〜20質量%を含有し、
この場合この百分率の記載は、成分Aの全質量に対するものであり、および成分Bが
− 成分d)20〜85質量%、
− 成分e)1〜100ppmおよび
− 成分f)0.01〜1質量%を含有し、
この場合、百分率の記載は、成分Bの全質量に対するものである、重合可能な歯科用材料は、好ましい。
本発明によるペースト形成剤の選択は、実施例において述べられている。
アルケニル基を含む化合物a)およびb)については、これらが(メタ)アクリレートおよびビニルエーテル(例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公告第10017188号明細書B4参照)の場合と同様に、CH酸性のバルビツール酸誘導体またはマロニルスルファミドにより貯蔵中に重合されず、他面、これに反して、本発明による内容物質と(メタ)アクリル酸エステルとの混合後に共重合し、それによってより良好な機械的性質を有する硬化された製品が形成されることは、好ましい。
バルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルファミドに基づく開始剤系は、モノマーd)のラジカル重合を生じさせる、さらなる開始剤系によって補充されうる。その際に、この開始剤系は、例えば成分c)、e)、f)およびh)とは異なるさらなる開始剤もしくは開始剤成分、例えば無機過酸化物、ヒドロペルオキシド、過酸、または酸化還元開始剤もしくは酸化還元開始剤成分および/または光開始剤であることができる。化学的開始と光化学的開始との組合せにより、本発明によるデュアルキュア型歯科用材料が製造されるかもしれない。
無機過酸化物として、殊にアルカリ金属ペルオキソジスルフェートまたはアルカリ土類金属ペルオキソジスルフェート、殊にナトリウムペルオキソジスルフェートまたはカリウムペルオキソジスルフェートが適している。酸化還元開始剤成分として、殊にアルカリ金属トルエンスルフィネートまたはアルカリ土類金属トルエンスルフィネート、殊にナトリウムトルエンスルフィネートまたはカリウムトルエンスルフィネートが適している。前記の付加的な開始剤は、殊に、例えばセルフエッチングセメントとして使用されうる酸性調製物の場合に使用されてよい。このような場合には、有利にナトリウムペルオキソジスルフェートが成分Aにおいて調製されることができ、およびナトリウムトルエンスルフィネートが場合により塩基性添加剤と一緒に成分Bにおいて調製されることができる。
光開始剤として、例えばα−ジケトン、例えばカンファーキノンは、第二級アミンおよび第三級アミンまたはモノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシド、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドおよびビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−n−プロピルフェニルホスフィンオキシドと一緒に適している。しかし、欧州特許出願公開第0073413号明細書A2、欧州特許出願公開第0007508号明細書A2、欧州特許出願公開第0047902号明細書A2、欧州特許出願公開第0057474号明細書A2および欧州特許出願公開第0184095号明細書A2に記載されているような、前記タイプの別の化合物も適している。
意外なことに、冒頭に引用された技術水準から予想されうるようなアルケニル基の早期の重合が起こることなく、反応性の、選択されたアルケニル基を含む反応性ペースト形成剤a)および/またはb)を開始剤成分Aとしてのバルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルファミドと一緒に調製しうることが判明した。
本発明によれば、成分Aと成分Bは、それぞれペーストとして空間的に互いに別々に存在することが提案される。
空間的に互いに別々のペースト、すなわち開始剤ペースト(成分A)と基礎ペースト(成分B)の使用は、貯蔵中に、ラジカルの早期の形成、ひいては両成分の予想より早く開始される重合を阻止する。その上、ペーストは、重合可能な歯科用材料の取扱いに対して有利である。それというのも、このペーストは、例えば、粉末および液体に基づく多成分系の場合よりも手で入念に混合することができるのと同様に自己混合システム(例えば、静的または動的な混合カニューレを備えた二重カートリッジ(Doppelkartusche))によっても入念に混合することができるからである。
本発明による重合可能な歯科用材料の成分Aは、室温で、ならびに40℃のストレス温度で、および部分的には60℃でも貯蔵安定性であり、すなわち反応性の、アルケニル基を含む反応性ペースト形成剤a)および/またはb)(モノマー、オリゴマー、ポリマー)は、バルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルファミドと一緒に開始剤ペーストを形成することができ、その際に貯蔵条件下でアルケニル基の早期の重合が起こることはない。同様の良好な貯蔵安定性は、重合可能な歯科用材料の成分Bに対しても確認されうる。
本発明による多成分組成物は、前記の歯科用材料の個々の成分を混合することによって重合可能な歯科用材料に加工される。特に、基礎成分Bは、触媒成分Aと、1:2〜20:1、特に有利に1:1〜10:1、殊に有利に10:1、5:1、4:1、2:1および1:1の比で混合される。この混合物は、口腔条件で急速な重合を示す。
開始剤ペーストAと成分B(基礎ペースト)との混合後に、アルケニル基を含む反応性ペースト形成剤は、基礎ペースト中に含まれるアクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴ−ポリマーと、患者の口腔内で相応する条件(温度35℃まで、相対空気湿度100%まで)でラジカル共重合する。その際に、アルケニル基を含むペースト形成剤は、生じる網状組織中に一緒に導入されて結合され、この網状組織は、硬化したポリマーの改善された機械的性質を生じる。
本発明による多成分系は、例えば欧州特許出願公開第723807号明細書、欧州特許出願公開第541972号明細書、WO 98/44860A1、欧州特許出願公開第492412号明細書、欧州特許出願公開第492413号明細書および欧州特許出願公開第956908号明細書中に記載されているような、特に適当な一次包装品中、例えばチューブ、ノズルおよび特に有利にカートリッジおよびチューブ状バッグ中に貯蔵され、および後の用途に対して調製して配分される。
特殊な実施態様は、固定材料、接合材料、充填材料、歯牙の残片の形成材料、インレー、オンレー、被覆冠(Verblendschalen)および人工歯を製造するための歯科技工的材料として、モデル材料、裂溝用シール材料、歯根溝用シール材料、歯科用セメントとして、ならびに暫間の歯冠材料およびブリッジ材料ならびに永続的な歯冠材料およびブリッジ材料としての前記の重合可能な歯科用材料の使用に関する。殊に有利には、本発明による歯科用材料は、歯冠材料およびブリッジ材料を製造するために使用され、この場合これらの歯冠材料およびブリッジ材料は、一時的および永続的な、暫間の、および確定的な義歯であると解釈すべきである。殊に有利には、本発明による歯科用材料は、歯科用セメントとして、殊にセルフエッチング歯科用セメントとして使用される。
また、本発明は、上記の成分AとBとを、特に1:20〜1:1の比で混合し、およびそれによって得られた重合可能な歯科用材料を重合することによって得られる、硬化された歯科用材料に関する。
本発明のさらなる形成、利点および使用可能性は、好ましい実施例の次の説明からももたらされる。その際に、全ての記載された特徴は、個別に、または任意の有効な組合せで、これらの要約とは無関係に個々の請求項および/またはこれらの背後の関係において本発明の対象を成す。
本明細書における百分率の記載は、別記しない限り質量%として規定される。
重合可能な歯科用材料は、上記の使用に対して高い強度を必要とする。それというのも、本発明により硬化された歯科用製品は、例えば咬合に対して生じる噛み付き力に基づいて破損安定性でなければならないのと同様に歯牙の残片との関係も十分に安定化されているべきであるからである。全ての内容物質を重合可能な歯科用材料中に導入して結合することにより、次の第18表から明らかなように、有効により良好な機械的性質が達成される。

次に、本発明による調製物中で使用された化合物1a、2a、2b、3a、4aおよび本発明によらない調製物(=比較例)で使用された化合物1b、2c、2d、2e、3b、4bの構造が表わされている。
Figure 0006116480
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出発材料の製造
1a、2aおよび4aの製造
水素化すべき物質100mlをジエチルエーテル約100ml(絶対)中に溶解し、および350mlの鋼製オートクレーブ中に移す。Pd/C触媒約5g(Pd10%)の添加後、水素圧力5バールで60℃で水素化した。反応の進行の制御のために、前記オートクレーブを水素供給とは別に、さらなる水素が吸収されるかどうかを観察した(圧力低下の際にさらに水素化された)。24時間後に、さらなる水素は吸収されなかった。Pd/C触媒の濾別後、生成物を蒸発濃縮し、NMR分光分析により試験した。全てのNMRスペクトルを室温でBruker DRX250スペクトロメーター(1H−NMR 250MHzで、13C−NMR 62MHzで)吸収した。ppmでの化学シフトは、それぞれの溶媒シグナル(1H−NMR、13C−NMR)に対するものである。
化合物1b:
Figure 0006116480
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化合物2c:
Figure 0006116480
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化合物4b:
Figure 0006116480
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本発明による開始剤ペーストを製造するために、次の第1表、第3表、第4表、第8表、第10表、第12表、第14表および第15表中に記載された内容物質を均質化し、および三本ロール練り機により分散させた。引続き、この開始剤ペーストを10:1カートリッジ型のMixpac CS 050−10−06(Sulzer社)の小さな室に詰め替え、同様に製造された、第17表による基礎ペーストを大きな室に供給した。前記材料を遠心分離によって脱ガス化し、前記カートリッジを閉鎖し、前記歯科用材料を静的混合機型Mixpac MBX 3.2−16−S(Sulzer社)上に搬出した。比較のために、第2表、第5表、第6表、第7表、第9表、第11表、第13表および第16表中に記載された内容物質を、同じ方法で本発明によらない開始剤ペーストに加工した。
弾性率および曲げ強さをEN ISO 4049に準拠して測定した(1回の測定当たり少なくとも8個の試験体)。結果は、第18表中に示されている。
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1) 内容物質HDK(登録商標)H2000は、2.5%の炭素含量および140m2/gのBET比表面積を有する(DIN 66131およびDIN 66132による)、トリメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸であり、この熱分解法ケイ酸は、この名称でWacker−Chemie GmbH社、Muenchen在、ドイツ連邦共和国、から入手可能である。
2) 内容物質Aerosil DT4は、メタクリル−シラン化された、疎水性二酸化ケイ素であり、この疎水性二酸化ケイ素は、この名称でEvonik Degussa GmbH社、Frankfurt a.M.在、ドイツ連邦共和国、から入手可能である。
Figure 0006116480
第18表から、技術水準に記載されている、非反応性ペースト形成剤を有する(すなわち、アルケニル基なしの)公知の歯科用材料と比較して、本発明による反応性ペースト形成剤を有する重合可能な歯科用材料は、重要でより良好な機械的性質を重合後に最終製品において達成することを確認することができる。これは、例えば3点曲げ試験におけるより高い曲げ強さおよび弾性率によって記録される。
貯蔵安定性の試験のために、カートリッジにIa、Ib、IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIIa、IIIb、IVaおよびIVbを、60℃、37℃および室温で詰め込んだ。全てのカートリッジの内容物質Ia、Ib、IIa、IIb、IIc、IIIa、IIIb、IVaおよびIVbは、4週間の貯蔵時間後にペースト状になり、かつ静的混合機上への搬出後に予想された時間で硬化した一方で、カートリッジIIdおよびIIeの場合には、材料の早期の硬化を観察することができた。60℃で詰め込まれたカートリッジの内容物質は、既に3時間後(IId)または1時間後(IIe)に硬化し、37℃で詰め込まれたカートリッジは、24時間後(IId)または5時間後(IIe)に硬化し、および室温で詰め込まれたカートリッジは、2日後(IId)または22時間後(IIe)に硬化した。
内容物質としてのペルエステルを有するVa、Vb、VIa、VIbおよびVIcをカートリッジに、37℃および室温で詰め込んだ。全ての場合に、前記内容物質は、4週間の貯蔵時間後にペースト状になり、および静的混合機上への搬出後に予想された時間で硬化した。本発明による調製物は、重要でより良好な機械的性質を示した。

Claims (21)

  1. 少なくとも1つのペースト状成分Aおよび少なくとも1つのペースト状成分Bを含む重合可能な歯科用材料であって、成分Aが、式IV、VまたはVI
    Figure 0006116480
    〔式中、R 16 およびR 17 は、互いに無関係に、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アラルキルおよび一価複素環であり、但し、基R 16 またはR 17 の少なくとも1つは、水素であるものとし、および
    14 およびR 15 は、互いに無関係に、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アラルキルおよび一価複素環である〕で示されるバルビツール酸誘導体および/またはマロニルスルファミドの群から選択された、少なくとも1つのラジカル重合開始剤c)を含み、および成分Bが、アクリル酸エステル基および/またはメタクリル酸エステル基を含む少なくとも1つの有機化合物d)、少なくとも1つの金属化合物e)および少なくとも1つのハロゲン化物化合物および/または擬ハロゲン化物化合物f)を含む、上記の重合可能な歯科用材料において、
    成分Aが反応性ペースト形成剤として、マレイン酸および/またはフマル酸に由来する式Ia、Ib、IIa、IIb、IIcまたはIId
    Figure 0006116480
    〔式中、Xは、酸素または基−NR 6 −であり、
    1 、R 2 、R 3 およびR 5 は、互いに無関係に、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキルまたは一価複素環であり、これらは、場合により1個以上の置換基を有し、
    4 は、アルキレン、アルキレングリコールエーテル、シクロアルキレン、アルキルシクロアルキレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アラルキレンまたは二価複素環であり、これは、場合により1個以上の置換基を有し、
    Aは、CH 2 −CH 2 、CH 2 −CH(CH 3 )またはCH 2 −CH 2 −CH 2 −CH 2 であり、
    6 は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキルまたは一価複素環であり、
    nは、1〜50の整数であり、および
    rは、1〜100の整数である〕で示される少なくとも1つの有機化合物a)(これは、マレイン酸および/またはフマル酸に由来する基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)を含み、この場合式IIa、IIb、IIcおよびIIdの有機化合物a)は、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステルまたはマレイン酸アミドおよびフマル酸アミドならびに様々な鎖長のポリエステルまたはポリアミドのランダムな混合物として存在してよい、および/または分子中にフマル酸単位ならびにマレイン酸単位が存在している、式IIaおよびIIb、またはIIcおよびIIdの化合物の混合形として存在してよい、および/または少なくとも1個のアリル基および/またはメタリル基および場合によりマレイン酸および/またはフマル酸に由来する単位を含む式III
    Figure 0006116480
    〔式中、R 7 は、場合により1個以上の置換基を有する、m価の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族またはヘテロ環式基であり、
    8 は、基−CH 2 −CR 9 =CH 2 であり、
    9 は、水素またはメチルであり、
    mは、1〜12の整数であり、および
    Yは、共有結合または二価の基の群から選択される〕で示される少なくとも1つの化合物b)(これは、前記のエチレン性不飽和基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)を含むことを特徴とする、上記の重合可能な歯科用材料。
  2. 成分Aが反応性ペースト形成剤として、マレイン酸および/またはフマル酸に由来する式Ia、Ib、IIa、IIb、IIcまたはIId
    Figure 0006116480
    〔式中、Xは、酸素または基−NR6−であり、
    1、R2、R3およびR5は、互いに無関係に、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキルまたは一価複素環であり、これらは、場合により1個以上の置換基を有し、
    4は、アルキレン、アルキレングリコールエーテル、シクロアルキレン、アルキルシクロアルキレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アラルキレンまたは二価複素環であり、これは、場合により1個以上の置換基を有し、
    Aは、CH2−CH2、CH2−CH(CH3)またはCH2−CH2−CH2−CH2であり、
    6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキルまたは一価複素環であり、
    nは、1〜50の整数であり、および
    rは、1〜100の整数である〕で示される少なくとも1つの有機化合物a)(これは、マレイン酸および/またはフマル酸に由来する基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)を含み、この場合式IIa、IIb、IIcおよびIIdの有機化合物a)は、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステルまたはマレイン酸アミドおよびフマル酸アミドならびに様々な鎖長のポリエステルまたはポリアミドのランダムな混合物として存在してよい、および/または分子中にフマル酸単位ならびにマレイン酸単位が存在している、式IIaおよびIIb、またはIIcおよびIIdの化合物の混合形として存在してよいことを特徴とする、請求項記載の重合可能な歯科用材料。
  3. 式IIcおよびIId
    Figure 0006116480
    〔式中、Xは、酸素または基−NR 6 −であり、
    3 およびR 5 は、互いに無関係に、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキルまたは一価複素環であり、これらは、場合により1個以上の置換基を有し、
    Aは、CH 2 −CH 2 、CH 2 −CH(CH 3 )またはCH 2 −CH 2 −CH 2 −CH 2 であり、
    6 は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキルまたは一価複素環であり、
    nは、1〜50の整数であり、および
    rは、1〜100の整数である〕で示される有機化合物a)(これは、マレイン酸および/またはフマル酸に由来する基の他にはさらなるエチレン性不飽和基を有しない)を含み、この場合式IIcおよびIIdの有機化合物a)は、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステルまたはマレイン酸アミドおよびフマル酸アミドならびに様々な鎖長のポリエステルまたはポリアミドのランダムな混合物として存在する、および/または分子中にフマル酸単位ならびにマレイン酸単位が存在している、式IIcおよびIIdの化合物の混合形として存在することを特徴とする、請求項2記載の重合可能な歯科用材料。
  4. 反応性ペースト形成剤b)として、次式
    Figure 0006116480
    〔式中、Rは、水素またはメチルである〕で示されるヒドロキシ官能化された化合物が使用されるか、
    または反応性ペースト形成剤b)として、式IIIa
    CH 2 =CR 9 −CH 2 −Spa−Z−Spa−CH 2 −CR 9 =CH 2 (IIIa)
    〔式中、R 9 は、水素またはメチルであり、
    Spaは、2個のC原子の間の共有結合であるかまたは二価の架橋基、特に酸素原子、アミノ基、アルキレン、アルキレングリコールエーテル、シクロアルキレン、アリーレン、アラルキレンまたは二価複素環であり、および
    Zは、二価の多環式基または二価の単核もしくは二核の芳香族基、特に次式IIIbまたはIIIc
    Figure 0006116480
    で示される基であり、
    上記式中、R 10 は、水素、ヒドロキシル、アルコキシまたはアミノ、殊にNH 2 である〕で示される化合物が使用されることを特徴とする、請求項1記載の重合可能な歯科用材料。
  5. 反応性ペースト形成剤b)として、式IIIdまたは式IIIe
    Figure 0006116480
    〔式中、Rは、水素またはメチルであり、
    Spbは、C原子とO原子との間の共有結合であるかまたは架橋基、特にアルキレン、アルキレングリコールエーテル、シクロアルキレン、アリーレン、アラルキレンまたは二価複素環であり、および
    10 は、水素またはヒドロキシ基、アルコキシ基もしくはアミノ基である〕で示される化合物が使用されることを特徴とする、請求項4記載の重合可能な歯科用材料。
  6. 反応性ペースト形成剤b)として、次式
    Figure 0006116480
    〔式中、nおよびmは、互いに無関係に、0〜15の整数であり、ならびにRは、水素またはメチルであり、この場合(メタ)アリルエーテル基およびヒドロキシル基は、特にそれぞれ隣接した環炭素原子に取り付けられている〕で示される化合物が使用されることを特徴とする、請求項5記載の重合可能な歯科用材料。
  7. 反応性ペースト形成剤b)として、次式
    Figure 0006116480
    Figure 0006116480
    〔式中、Rは、水素またはメチルであり、
    Spは、架橋基、特にアルキレンまたはアルキレングリコールエーテルであり、
    11 は、酸素原子または−NH−基であり、および
    nおよびmは、互いに無関係に、0〜15の整数である〕で示される化合物が使用されることを特徴とする、請求項1記載の重合可能な歯科用材料。
  8. 反応性ペースト形成剤b)として、次の化合物:
    ジアリルマレート、ジアリル尿素、N,N−ジアリルアクリルアミド、ジアリルセバケート、ジアリルテレフタレート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルシアナミド、ジアリルグルタレート、ジアリルジグリコラート、ジアリルフマレート、ジアリルホモフタレート、ジアリルエーテル、ジアリルイタコネート、ジアリルアリルホスホネート、ジアリルスベレート、ジアリルスクシネート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルアゼレート、ジアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリン−α,α’−ジアリルエーテル、イソシアヌル酸ジアリル−n−プロピルエステル、イソシアヌル酸−ジアリルエステル、ピロカルボン酸ジアリルエステル、ジエチルジアリルマロネート、ジアリルフタレート、ジアリルジフェニルシラン、1,3−ジアリルテトラメチルジシロキサン、ジアリルジメチルシラン、1,3−ジアリルテトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、ジアリルマレエート、N,N''−ジアリルチオ尿素、ジアリルスルフィド、ジエチル−2,2−ジアリルマロネート、ジアリルスルホン、ジアリルアジペート(C12184)、1,2−ジアリル−シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(C14204;シス/トランス混合物)、トリアリル−ボラン、トリアリルホスフェート、トリアリルトリメサート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、トリアリルシアヌレート、トリアリルホスファイト、トリアリルチオ尿素、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリルエステル、テトラアリルピロメリテート、1,1,3,3−テトラアリルオキシプロパン、テトラアリルペンタエリトリトールテトラアリルオキシエタン、ジメタリルマレート、ジメタリル尿素、N,N−ジメタリルアクリルアミド、ジメタリルセバケート、ジメタリルテレフタレート、ジメタリルマロネート、ジメタリルオキサレート、ジメタリルシアナミド、ジメタリルグルタレート、ジメタリルジグリコラート、ジメタリルフマレート、ジメタリルホモフタレート、ジメタリルエーテル、ジメタリルイタコネート、ジメタリルアリルホスホネート、ジメタリルスベレート、ジメタリルスクシネート、N,N−ジメタリル(メタ)アクリルアミド、ジメタリルイソフタレート、ジメタリルマレエート、ジメタリルアゼレート、ジメタリルカーボネート、トリメチロールプロパンジメタリルエーテル、グリセリン−α,α’−ジメタリルエーテル、イソシアヌル酸ジメタリル−n−プロピルエステル、イソシアヌル酸−ジメタリルエステル、ピロカルボン酸ジメタリルエステル、ジエチルジメタリルマロネート、ジメタリルフタレート、ジメタリルジフェニルシラン、1,3−ジメタリルテトラメチルジシロキサン、ジメタリルジメチルシラン、1,3−ジメタリルテトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、ジメタリルマレエート、N,N''−ジメタリルチオ尿素、ジメタリルスルフィド、ジエチル−2,2−ジメタリルマロネート、ジメタリルスルホン、ジメタリルアジペート(C 14 22 4 )、1,2−ジメタリル−シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(C 16 24 4 ;シス/トランス混合物)、トリメタリル−ボラン、トリメタリルホスフェート、トリメタリルトリメサート、トリメタリルアコニテート、トリメタリルシトレート、トリメタリルイソシアヌレート、ペンタエリトリトールトリメタリルエーテル、トリメタリルシアヌレート、トリメタリルホスファイト、トリメタリルチオ尿素、トリメタリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリメタリルエステル、テトラメタリルピロメリテート、1,1,3,3−テトラメタリルオキシプロパン、テトラメタリルペンタエリトリトール、および/またはテトラメタリルオキシエタンの1種以上
    が使用されることを特徴とする、請求項1記載の重合可能な歯科用材料。
  9. 反応性ペースト形成剤a)またはb)として、次式1a、2a、2b、3aまたは4a
    Figure 0006116480
    〔式中、式1aの化合物は、650のM および1000のM を有し、式2aおよび2bの化合物のmは概ね9であり、かつM は750である〕で示される化合物が使用されることを特徴とする、請求項1記載の重合可能な歯科用材料。
  10. 基R1〜R5の1つ以上が、酸官能基を有する置換基、殊にリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物を有するか、または基R1〜R5の1つ以上が、酸官能基を有する置換基およびヒドロキシル基を置換基として有するか、または内容物質a)として、式Ia、Ib、IIa、IIb、IIcおよび/またはIIdの酸官能化された化合物とヒドロキシ官能化された化合物との混合物が使用されることを特徴とする、請求項記載の重合可能な歯科用材料。
  11. 基R7が、酸官能基を有する置換基、殊にリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基および/またはカルボン酸基ならびにこれらの無水物を有するか、または基R7が、酸官能基を有する置換基およびヒドロキシル基を置換基として有するか、または内容物質b)として、式IIIの酸官能化された化合物とヒドロキシ官能化された化合物との混合物が使用されることを特徴とする、請求項記載の重合可能な歯科用材料。
  12. 内容物質c)が
    14および/またはR16またはR17が互いに無関係に、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルである、式IVのバルビツール酸誘導体の群から選択されることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  13. 内容物質d)が式VII
    Figure 0006116480
    〔式中、R12は、場合により1個以上の置換基を有する、p価の有機基であり、
    13は、水素またはメチルであり、および
    pは、1〜12の整数である〕で示される有機化合物であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  14. 内容物質e)が、金属塩および/または金属錯体、殊にカルボン酸、特に脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸、殊にアクリル酸またはメタクリル酸に由来する陰イオンを有する、ランタニドを含む、元素の周期律表の第3主族および第4主族の金属の塩ならびに第1副族ないし第8副族の金属の塩、特に有利に銅、鉄、錫、クロム、マンガン、コバルト、亜鉛、ニッケル、希土類元素およびアルミニウムの塩、またはβ−カルボニル化合物、殊にアセチルアセトネートに由来する配位子を有する、ランタニドを含む、元素の周期律表の第3主族および第4主族ならびに第1副族ないし第8副族の金属の錯体、特に有利に銅、鉄、錫、クロム、マンガン、コバルト、亜鉛、ニッケル、希土類元素およびアルミニウムの錯体の群から選択される金属化合物であり、および内容物質e)が殊に有利に銅化合物、殊にアセチルアセトン酸銅、ナフテン酸銅、メタクリル酸銅、アクリル酸銅、酢酸銅、オレイン酸銅、エチルヘキサン酸銅またはシクロヘキシル酪酸銅であることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  15. 内容物質f)が内容物質d)中で25℃で可溶性の塩、有利に周期律表の第1主族および第2主族の金属の金属陽イオンを有するハロゲン化物または擬ハロゲン化物、アンモニウム陽イオンまたはホスホニウム陽イオンを有するハロゲン化物または擬ハロゲン化物、殊にアミンのヒドロハロゲン化物を含む有機基を有するハロゲン化物または擬ハロゲン化物、殊に有利に陽イオンとして金属陽イオン、殊にリチウム陽イオンもしくはナトリウム陽イオン、またはアンモニウム陽イオンもしくはホスホニウム陽イオンを有する塩化物、臭化物またはヨウ化物、または陽イオンとしてリチウム陽イオンもしくはナトリウム陽イオンまたはアンモニウム陽イオンもしくはホスホニウム陽イオンを有するチオシアネート、イソチオシアネート、シアネートまたはイソシアネート、または第三級アミンのヒドロハロゲン化物であり、および内容物質f)が殊に有利にリチウムハロゲン化物、アンモニウムハロゲン化物もしくはホスホニウムハロゲン化物またはこれらのヒドロハロゲン化物から選択されることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  16. 成分Aおよび/またはBが付加的に少なくとも1つの充填剤g)を含み、この充填剤g)が特に、それぞれの成分の全質量に対して、成分Aにおいて0〜80質量%の量で存在しかつ成分Bにおいて10〜90質量%の量で存在することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  17. 成分Aおよび/またはBが付加的に、特に成分Aおよび/またはBの全質量に対して5質量%までの量で存在する少なくとも1つの有機過酸化物h)を含み、この場合成分h)は、特に有利にカルボン酸ペルオキシエステルおよび/または炭酸ペルオキシエステルおよび/またはペルケタールの群、殊に有利にt−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル−ヘキサノエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートまたはこれらの2つ以上の組合せの群から選択されることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  18. 成分Aが
    − 成分a)および/またはb)の少なくとも1つの反応性ペースト形成剤10〜85質量%および
    − 成分c)0.5〜20質量%を含有し、
    この場合この百分率の記載は、成分Aの全質量に対するものであり、および成分Bが
    − 成分d)20〜85質量%、
    − 成分e)1〜100ppmおよび
    − 成分f)0.01〜1質量%を含有し、
    この場合、百分率の記載は、成分Bの全質量に対するものであることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  19. 歯科用材料が成分Aおよび/またはBにおいて、1つ以上の添加剤i)、特に緩衝塩、水捕捉剤、金属捕捉剤、金属錯形成剤、さらなるペースト形成剤、界面活性剤、作用物質、光学的走査を可能にする物質、風味剤および/または臭覚剤、診断を可能にする物質、歯質をエッチングする作用を有する物質および/または癒着する作用を有する物質、フッ化物製剤、漂白剤、脱感作剤、接着結合助剤、染料、有色顔料、指示薬、成分c)、e)、f)およびh)とは異なるさらなる開始剤または開始剤成分、安定剤、重合禁止剤、チキソトロピー助剤ならびに抗菌物質またはこれらの2つ以上の組合せを含むことを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
  20. 請求項1から19までのいずれか1項に記載の成分AとBとを1:20〜1:1の比で混合し、およびそれによって得られた重合可能な歯科用材料を重合させることによって得られる、硬化された歯科用材料。
  21. 固定材料、接合材料、充填材料、歯牙の残片の形成材料、インレー、オンレー、被覆冠および人工歯を製造するための歯科技工的材料として、モデル材料、裂溝用シール材料、歯根溝用シール材料、歯科用セメントとして、ならびに暫間の歯冠材料およびブリッジ材料ならびに永続的な歯冠材料およびブリッジ材料を製造するために使用されることを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載の重合可能な歯科用材料。
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