JP6116337B2 - 光学デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線吸収ガラス等の可視光透過性基板の面上に反射防止膜(AR膜:Anti Reflection)が形成されてある光学デバイスに関するものである。なお、本明細書で言う屈折率は、大気中での屈折率である。
デジタルカメラ等で使用されるCCD、CMOSなどの撮像素子の分光感度は、可視光の領域から赤外光の領域にわたる。撮像素子の直前の光学系において、前記可視光透過性基板として、例えば赤外線吸収ガラスを用いたものでは、撮像素子に入射する光のうち、赤外光を赤外線吸収ガラスにより吸収し、可視光を撮像素子に受光できるようにして、撮像画像を人間の視感度に近似させている。そして、この赤外線吸収ガラスなどの可視光透過性基板の表面に反射防止膜を成膜することで、可視光の反射損失を低減し、透過率を向上させるようにしている。
このような可視光透過性基板の表面に反射防止膜を成膜した光学デバイスでは前記した反射防止膜が単層であると、任意の波長以外では反射防止効果が十分ではない。特許文献1には、屈折率が異なる3層からなる反射防止膜の技術も提案され、可視域全体である400nm〜700nm帯域の反射防止を可能としている。
特開平5−2101号公報
ところで、撮像カメラの使用環境には高温高湿な環境もあり、このような撮像カメラの光学系に組み込まれる光学デバイスは、高温高湿な環境でも、その光学特性が損なわれないことが望ましい。本発明者は、光学デバイスに対して高温高湿環境下で長時間放置する試験を実施したところ、試験前では可視光の透過率が良好な光学デバイスが、試験後では、水分が基板内部に侵入し、光を散乱させるため、全体に白く曇ったように見える現象が発生し、可視光の透過率が極端に低下した。そこで、本発明者は、前記白い曇り現象の発生の原因について鋭意究明した結果、本発明を完成できるに至った。
すなわち、本発明は、上記に鑑みて為されたものであり、赤外線吸収ガラス等の可視光透過性基板の面上に屈折率が相異なる複数の積層膜からなる反射防止膜を設けた光学デバイスにおいて、高温高湿環境下に長時間放置しても、上記白い曇り現象の発生が防止され、透過性が試験前と同様に維持された、耐候性に優れた光学デバイスを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る光学デバイスは、銅イオンを含有するフツリン酸塩系ガラスもしくはリン酸塩系ガラスからなる可視光透過性基板と、前記可視光透過性基板の少なくとも1つの面上に可視光の反射を防止する反射防止膜を備えた光学デバイスであって、前記反射防止膜が、屈折率が異なる少なくとも2層以上の屈折率層が前記可視光透過性基板の面上に積層されて構成されていると共に、前記少なくとも2層以上の屈折率層のうち、屈折率が低い屈折率層以外の、少なくとも1層以上に、その材料としてAl23又はZrO2又はこれらの混合物を少なくとも含み、かつ、前記反射防止膜の大気と接する上面は前記屈折率が低い屈折率層の上面で構成されていると共に、前記屈折率が低い屈折率層は、材料がMgF 2 で構成され、前記上面を構成する粒子は、平均粒径17nm以下の粒子で構成されている、ことを特徴とするものである。
前記反射防止膜は、前記可視光透過性基板の片面に設けてもよいし、両面に設けてもよく、いずれの場合も本発明に含む。前記反射防止膜は、その成膜方法に限定されないが、真空蒸着法等の物理蒸着法により形成するのが好ましい。前記反射防止膜の上面における粒子の平均粒径は25nm未満であれば、どの平均粒径であってもよく、平均粒径を適宜に選択するとよい。
本発明では、前記反射防止膜の上面における粒子の平均粒径が25nm未満であることにより、高温高湿の環境下に長時間放置しても反射防止膜中に水分が容易に浸入することを防止できるようになった結果、白く曇ることが防止されて、可視光の透過性を維持できる。本発明の光学デバイスを、撮像カメラの撮像素子の直前に配置した場合には、良好な撮像画像を長期にわたり維持でき、耐候性に優れた撮像カメラを提供できる。
なお、可視光透過性基板は、可視光を透過させることができるものであればよく、特に限定されるものではない。
(2)本発明の前記(1)において好ましい実施態様は、前記屈折率が異なる少なくとも2層以上の屈折率層が、前記可視光透過性基板の面上に積層されて構成されているとともに、少なくとも前記可視光透過性基板から数えて第1層目の屈折率層に、その材料としてAl23又はZrO2又はこれらの混合物を少なくとも含む。
この場合、少なくとも可視光透過性基板から数えて第1層目の屈折率層の材料が、Al23又はZrO2又はこれらの混合物を少なくとも含むもので構成することで、中屈折率層として、屈折率が1.6〜1.7の範囲にあるAl23、もしくは高屈折率層として、屈折率が2.0〜2.4の範囲にあるZrO2が形成されるので、多数層からなる反射防止膜の設計が容易に行えるといったメリットがある。結果として、可視光領域全体に反射防止効果をもつ分光特性を得ることができる。しかしながら、少なくとも可視光透過性基板から数えて第1層目の屈折率層の材料が、Al23又はZrO2又はこれらの混合物を少なくとも含むものであると、水分が浸入した際に基板を溶解させやすく作用することがあり、従来の問題点がより顕著に生じやすい。これに対して上述の構成と組み合わせることで、反射防止膜中に水分が容易に浸入することを防止できるようになり、白く曇ることが防止され、可視光の透過性を維持できる。
(3)本発明の前記(1)において好ましい実施態様は、前記赤外線吸収ガラスの材料が、銅イオンを含有するフツリン酸塩系ガラスもしくは、リン酸塩系ガラスである。
この場合、可視光透過性基板の材料が、銅イオンを含有するフツリン酸塩系ガラスもしくは、リン酸塩系ガラスであると、赤外線吸収効果が高い状態で可視光を撮像素子に受光させ、撮像画像を人間の視感度に近似させることができる。また、ゴーストやフレアの原因を低減することができる。しかしながら、可視光透過性基板の材料が、銅イオンを含有するフツリン酸塩系ガラスもしくは、リン酸塩系ガラスであると、水分が浸入した際に溶解することがあり、従来の問題点がより顕著に生じやすい。これに対して上述の構成と組み合わせることで、反射防止膜中に水分が容易に浸入することを防止できるようになり、白く曇ることが防止され、可視光の透過性を維持できる。
本発明の光学デバイスは、高温高湿の環境下に長時間放置しても白い曇り現象の発生を防止することができるので、初期の光学特性を長期に亘り維持できるという耐候性に優れたものである。
図1は本発明の実施形態に係る光学デバイスの断面図である。 図2は前記光学デバイスの波長対反射率特性図である。 図3(a)は比較例の表面における粒子状態の模式図、図3(b)は実施形態の表面における粒子状態の模式図である。 図4は本発明の他の実施形態に係る光学デバイスの断面図である。 図5は本発明のさらに他の実施形態に係る光学デバイスの断面図である。 図6は本発明のさらに他の実施形態に係る光学デバイスの断面図である。 図7(a)は適正温度で作製した光学デバイスにおける反射防止膜の上面における粒子状態を示すSEM像(走査型電子顕微鏡写真像)、図7(b)は過剰温度で作製した光学デバイスにおける反射防止膜の上面における粒子状態を示すSEM像である。 図8(a)は比較例における高温高湿試験前後の光照射面とは反対側からの撮影写真、図8(b)は実施形態における高温高湿試験前後の光照射面とは反対側からの撮影写真である。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光学デバイスの断面図である。図1を参照して、光学デバイス1は、赤外線吸収ガラス2と、この赤外線吸収ガラス2の面上に設けられた反射防止膜3と、を備える。
赤外線吸収ガラス2は、可視光透過性基板の一例として、可視光を透過させるとともに、赤外光を吸収できるものであれば特にそのガラス素材に制限されるものではないが、銅イオンを含有するフツリン酸塩系ガラスもしくは銅イオンを含有するリン酸塩系ガラス、等を例示することができる。
反射防止膜3は、赤外線吸収ガラス2の面上に第1層、第2層及び第3層がこの順で3層となって積層された積層膜で構成されている。
反射防止膜3において、赤外線吸収ガラス2から数えて第1層目は、屈折率が前記3層のうちの中間の層である中屈折率層3aとなり、赤外線吸収ガラス2から数えて第2層目は屈折率が前記3層のうちの最も高い層である高屈折率層3bとなり、赤外線吸収ガラス2から数えて第3層目は屈折率が前記3層のうちの最も低い層である低屈折率層3cとなる。
第1層目の中屈折率層3aは、屈折率が1.6〜1.7の範囲でかつ光学膜厚が約1/4λ(ただし、λは光の波長520nm程度、以下同じ。)の屈折率層であり、材料としてはAl、ZrO、AlとZrOとの混合物のうちの少なくともいずれか1種を含む。
第2層目の高屈折率層3bは、屈折率が2.0〜2.4の範囲でかつ光学膜厚が約1/2λの屈折率層であり、材料としてはAl、ZrO、AlとZrOとの 混合物のうちの少なくともいずれか1種を含む。
第3層目の低屈折率層3cは、屈折率が1.5以下でかつ光学膜厚が約1/4λの屈折率層であり、MgF、その他の材料でもって構成される。
このような構成の光学デバイス1においては、図2に例示するように、可視光の波長領域400〜700nmでの反射率は1%以下である。ただし、この波長領域の範囲は人間により異なるので一例として示している。すなわち、人の目は、暗所において400〜620nm程度の範囲の波長の光線に応答し、明所において420〜700nm程度の範囲の波長の光線に応答する。一方、一般の撮像カメラの撮像素子(CCD)では、400〜700nmの範囲の波長の光線に高感度で応答し、さらに400nm未満の波長の光線や700nmを越える波長(赤外域)の光線にも応答する。したがって、図2のように可視光の波長領域400〜700nmでの反射率を1%以下とすることで、この光学デバイス1を撮像素子の直前の光学系に配置すると、赤外光は、この光学デバイス1で吸収されて撮像素子には到達させずに済む。一方で、可視光は高い透過率で撮像素子に到達できるので、人の目に近い良好な撮像画像が得られるようになる。
実施形態では、反射防止膜3の上面における粒子の平均粒径が25nm未満であることに特徴を有する。粒子の平均粒径がこのように極小となると、反射防止膜3の上面の粒子間の隙間の面積が小さくなり、そのため、高温高湿環境下に長時間放置されても、水分が反射防止膜3内部に浸入しにくくなり、白い曇り現象の発生が有効に防止されるものとなっている。
前記反射防止膜3の上面における粒子の平均粒径が24nmであるとヘイズ値が0.3となるため、平均粒径は24nm以下が好ましく、平均粒径が21nmであるとヘイズ値が0.2未満となるため、平均粒径は21nm以下がより好ましい。
なお、粒径とは、粒子ごとに算術二軸平均径((長辺+短辺)/2)で測定した値であり、平均粒径とは、粒子50個以上について測定した粒径を平均化したものとする。
粒径の測定方法は、前記反射防止膜3の上面におけるSEM像から得られた特定領域について、粒子50個以上の長辺および短辺の長さを計測して行った。
また、反射防止膜3の上面とは、反射防止膜3において、大気と接する面のことである。
このことを、図3を参照して、従来と実施の形態それぞれの反射防止膜上面の状態を説明すると、図3(a)は従来の反射防止膜の上面の状態を示し、図3(b)は実施形態の反射防止膜の上面の状態を示す。従来の場合、反射防止膜の上面での各粒子4aは直径が各種であるが、粒子4aの平均粒径が25nm以上であるために、図3(a)に模式的に示すように各粒子4a間の隙間5aの面積が大きくなり、そのため、高温高湿下で長時間にわたり放置されると、水分が反射防止膜の上面を形成する各粒子4a間の隙間5aから反射防止膜3内部に容易に浸入して、白い曇り現象が発生するようになる。
これに対して、実施形態では、反射防止膜3の上面を形成する各粒子4bは直径が各種であるが、粒子4bの平均粒径が25nm未満であるために、図3(b)に模式的に示すように反射防止膜3の上面における各粒子4b間の隙間の面積が小さくなり、高温高湿下で長時間にわたり放置されても、水分は反射防止膜3の上面から反射防止膜3内部に容易には浸入しなくなる。したがって、反射防止膜3を構成する各屈折率層3a〜3cの境界あるいは、反射防止膜3と赤外線吸収ガラス2との境界にも水分が浸入しにくくなり、白い曇り現象の発生が長期にわたり有効に防止される。
図4は他の実施形態の光学デバイスの断面図である。この実施形態では、反射防止膜3が赤外線吸収ガラス2から数えて第1層目の高屈折率層3dと、赤外線吸収ガラス2から数えて第2層目の低屈折率層3eとの合計2層からなる。
第1層目の高屈折率層3dは、屈折率が2.0〜2.4の範囲でかつ光学膜厚が約1/2λの屈折率層であり、材料としてはAl、ZrO、AlとZrOとの混合物のうちの少なくともいずれか1種を含む。
第2層目の低屈折率層3eは、屈折率が1.5以下でかつ光学膜厚が約1/4λの屈折率層であり、MgF、その他の材料でもって構成される。
この実施形態の場合も、反射防止膜3の表面の粒子の平均粒径が、25nm未満であり、反射防止膜の膜表面における各粒子間の面積が小さくなり、高温高湿環境下でも水分が反射防止膜3内部に浸入しにくくなり、白い曇り現象の発生が防止されるものとなっている。
図5は、さらに他の実施形態の光学デバイスの断面図である。この実施形態では、反射防止膜3が、赤外線吸収ガラス2から数えて第1層目の中屈折率層3fと、赤外線吸収ガラス2から数えて第2層目の低屈折率層3gとの合計2層からなる。
第1層目の中屈折率層3fは、屈折率が1.6〜1.7の範囲でかつ光学膜厚が1/4λ〜1/2λの範囲の屈折率層であり、Al、ZrO、AlとZrOとの混合物のうちの少なくともいずれか1種を含む。
第2層目の低屈折率層3gは、屈折率が1.5以下でかつ光学膜厚が約1/4λの屈折率層であり、MgF、その他の材料でもって構成される。
この実施形態の場合も、反射防止膜3の表面の粒子の平均粒径が、25nm未満であり、反射防止膜3の上面における各粒子間の隙間の面積が小さくなり、高温高湿環境下でも水分が反射防止膜3内部に浸入しにくくなり、白い曇り現象の発生が防止されるものとなっている。
図6は、さらに他の実施形態の光学デバイス1cの断面図である。この実施形態では、反射防止膜3が、赤外線吸収ガラス2から数えて奇数層目を高屈折率層、偶数層目を低屈折率層とし交互に積層してn(n=1,2,3,4,…)層からなる反射防止膜の一例として、赤外線吸収ガラス2から数えて、第1層目の高屈折率層3hと、第2層目の低屈折率層3iと、第3層目の高屈折率層3jと、第4層目の低屈折率層3kと、の合計4層からなる。
第1層目の高屈折率層3hは、屈折率が2.0〜2.4の範囲でかつ光学膜厚が約0.13λの屈折率層であり、材料としてはAl、ZrO、AlとZrOとの混合物のうちの少なくともいずれか1種を含む。
第2層目の低屈折率層3iは、屈折率が1.5以下でかつ光学膜厚が約0.08λの屈折率層であり、MgF、SiO、その他の材料でもって構成される。
第3層目の高屈折率層3jは、屈折率が2.0〜2.4の範囲でかつ光学膜厚が約0.16λの屈折率層であり、材料としてはZrO、TiO、その他の材料でもって構成される。
第4層目の低屈折率層3kは、屈折率が1.5以下でかつ光学膜厚が約0.25λの屈折率層であり、MgF、SiO、その他の材料でもって構成される。
この実施形態の場合も、反射防止膜3の表面の粒子の平均粒径が、25nm未満であり、反射防止膜3の上面における各粒子間の隙間の面積が小さくなり、高温高湿環境下でも水分が反射防止膜3内部に浸入しにくくなり、白い曇り現象の発生が防止されるものとなっている。
(実施例)
<光学デバイスの製造方法>
実施例の光学デバイスは、赤外線吸収ガラスと反射防止膜とからなり、反射防止膜は図1と同様に3層の積層膜(屈折率層)から構成される。赤外線吸収ガラスは、平面視サイズが縦横20mm×30mm程度、厚み0.30mm程度、屈折率1.56で銅イオンを含むフツリン酸ガラスを用いた。
反射防止膜を構成する第1層から第3層までの平面視サイズは赤外線吸収ガラスと同じであり、第1層目の中屈折率層は、屈折率1.70で光学膜厚1/4λであるAlとZrOとの混合物からなる。第2層目の高屈折率層は、屈折率2.10で光学膜厚1/2λのZrOで構成される。第3層目の低屈折率層は、屈折率1.38で光学膜厚1/4λのMgFで構成される。
各層の形成方法を説明すると、洗浄された赤外線吸収ガラスを真空蒸着装置にセットし、真空排気を行った後に、各層の成膜のための真空蒸着を開始した。真空蒸着時の赤外線吸収ガラスの温度を任意に変更を行った。各層の光学膜厚は、光学式膜厚監視法に基づいてモニターガラス上の反射率を制御することにより行った。なお、ヘイズ値(濁り度)は、高温高湿試験前後にJIS7136に沿って測定した。
表1に示す温度は、反射防止膜の各層を成膜する際の前記真空蒸着時の赤外線吸収ガラスの温度のことであり、表1において「低←温度→高」のうち、「低←」は矢印方向に温度が低くなり、「→高」は矢印方向に温度が高くなることを示す。同じく、表1に示すヘイズ値は、JIS7136に沿って測定された値であり、高温高湿試験後における光学デバイスの白い曇り現象を数値化したものである。一般的にヘイズ値0.3以下の曇りの程度はカメラの撮影画像において許容できる範囲とされ、ヘイズ値0.2以下の曇りの程度は、カメラの撮影画像において影響がない範囲とされる。また、表1では、反射防止膜の上面における粒径およびヘイズ値より、(1)−(3)は、適正温度を示し、(4)、(5)は許容温度を示し、(6)、(7)は過剰温度、例えば300℃以上を示す。
いずれの適正温度(1)、(2)、(3)においても、反射防止膜の上面における粒子の平均粒径はそれぞれ16nm、17nm、21nmとなり、各粒子間の隙間の面積が小さくなる。またそれぞれのヘイズ値は、0.11、0.09、0.16であり、白い曇り現象の発生は見られない。
また、許容温度(4)、(5)では、反射防止膜の上面における粒子の平均粒径はそれぞれ22nm、24nmであり、各粒子間の隙間の面積が前記適正温度(1)、(2)、(3)の場合よりも大きくなる。またそれぞれのヘイズ値は、0.20、0.30であり、白い曇り現象はわずかに確認できるものの許容できるものである。
また、過剰温度(6)、(7)では、反射防止膜の上面における粒子の平均粒径はそれぞれ25nm、30nmであり、各粒子間の隙間の面積が大きくなる。またそれぞれのヘイズ値は0.37、0.66であり、白い曇り現象がはっきりと確認することができる。
すなわち、粒子の平均粒径が25nm未満において、各粒子間の隙間の面積が小さくなるため高温高湿試験後におけるヘイズ値が小さい。つまり、光学デバイスの白い曇り現象の発生はほとんどなかった。
製造した光学デバイスの反射防止膜の上面の粒子の平均粒径が17nmと30nmそれぞれのSEM像を図7に示す。図7(a)は、適正温度で赤外線吸収ガラス上に反射防止膜を成膜した場合の光学デバイスにおける表面状態を示す。図7(b)は、過剰温度で赤外線吸収ガラス上に反射防止膜を成膜した場合の光学デバイスにおける表面状態を示す。
これらのSEM像を比較して明らかであるように、図7(a)のように適正温度で反射防止膜を成膜した場合は、反射防止膜の上面における粒子の平均粒径は17nmと小さくなり、反射防止膜の上面における各粒子間の隙間の面積が小さくなることが分かる。一方、図7(b)のように過剰温度で反射防止膜を成膜した場合は、反射防止膜の上面における粒子の平均粒径は30nmと大きくなって、反射防止膜の上面における各粒子間の隙間の面積が大きくなることが分かる。
図8(a)(b)は、比較例と実施例との高温高湿試験前後の白い曇り現象の発生の状態を示す写真である。図8(a)は、過剰温度で作製し粒子の平均粒径が30nmの比較例の光学デバイスであり、図8(b)は、適正温度で作製し粒子の平均粒径が17nmの実施例の光学デバイスである。それぞれの図8(a)(b)で左側が高温高湿試験後、右側が高温高湿試験前である。光学デバイスには、背面から光を透過させた。
図8(a)で示す比較例について説明すると、高温高湿試験前では図8(a)の右側の写真に示すように光がほぼ透過して光学デバイス表面で散乱していないので暗く写っている。しかし、高温高湿試験後では図8(a)の左側の写真に示すように光学デバイス内部に水分が浸透し、基板の一部が溶解した結果、空間ができることにより光が散乱されて全体が白く曇っていることが分かる。
これに対して、図8(b)で示す実施例について説明すると、高温高湿試験前では図8(b)の右側の写真に示すように光がほぼ透過して光学デバイス表面で反射していないので暗く写っている。また、高温高湿試験後でも図8(b)の左側の写真に示すように光学デバイス内部には水分が浸透していないので、白く曇らず、透明であることが分かる。つまり、高温高湿試験前後で光学デバイスにおける光の透過性に変化がないことが明らかである。
以上のように、実施例の光学デバイスは、反射防止膜の上面における粒子の平均粒径は25nm未満であるので、高温高湿の環境下でも、白く曇る現象は起きず、光学デバイスとしての性能を長期にわたり維持することができる耐候性に優れたものである。
なお、上記した実施形態では、低屈折率層、中屈折率層、及び高屈折率層を用いた3層による反射防止膜と、高屈折率層及び低屈折率層を用いた2層による反射防止膜と、中屈折率層及び低屈折率層を用いた2層による反射防止膜と、高屈折率層及び低屈折率層を用いたn層の反射防止膜(実施形態ではn=4)を例に挙げているが、反射防止膜の設計はこれら実施形態に限定されるものではなく、所望の反射防止特性が得られる、各屈折率層と層数の組み合わせで構成しても良い。
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態及び実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1,1a,1b,1c 光学デバイス
2 赤外線吸収ガラス
3 反射防止膜
3a 第1層目の中屈折率層
3b 第2層目の高屈折率層
3c 第3層目の低屈折率層
3d 第1層目の高屈折率層
3e 第2層目の低屈折率層
3f 第1層目の中屈折率層
3g 第2層目の低屈折率層
3h 第1層目の高屈折率層
3i 第2層目の低屈折率層
3j 第3層目の高屈折率層
3k 第4層目の低屈折率層

Claims (2)

  1. 銅イオンを含有するフツリン酸塩系ガラスもしくはリン酸塩系ガラスからなる可視光透過性基板と、前記可視光透過性基板の少なくとも1つの面上に可視光の反射を防止する反射防止膜を備えた光学デバイスであって、
    前記反射防止膜が、屈折率が異なる少なくとも2層以上の屈折率層が前記可視光透過性基板の面上に積層されて構成されていると共に、前記少なくとも2層以上の屈折率層のうち、屈折率が低い屈折率層以外の、少なくとも1層以上に、その材料としてAl23又はZrO2又はこれらの混合物を少なくとも含み、かつ、前記反射防止膜の大気と接する上面は前記屈折率が低い屈折率層の上面で構成されていると共に、前記屈折率が低い屈折率層は、材料がMgF 2 で構成され、前記上面を構成する粒子は、平均粒径17nm以下の粒子で構成されている、ことを特徴とする光学デバイス。
  2. 前記屈折率が異なる少なくとも2層以上の屈折率層が、前記可視光透過性基板の面上に積層されて構成されているとともに、少なくとも前記可視光透過性基板から数えて第1層目の屈折率層に、その材料としてAl23又はZrO2又はこれらの混合物を少なくとも含む、ことを特徴とする請求項1に記載の光学デバイス。
JP2013091575A 2013-04-24 2013-04-24 光学デバイス Active JP6116337B2 (ja)

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