JP6114756B2 - 切断−粉砕ミル - Google Patents

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Description

本発明は、種々の物質の切断および切断−粉砕のためのミルに関し、特に原材料、残留物、再生利用可能な物質、より一般的には複数の物質の集まりからなる物体の全体または大型の分割物を、1回の工程で小さな粒子へと変換できるこの種のミルに関する。ミルの下流において得られる粒子は、二次原料の市場において使用するための直接的な分類および分離に適する。さらに、本発明は、前記ミルへのタイヤの規則的な供給のために特に設計されたフィーダに関する。
本発明の切断−粉砕ミルが、特に廃タイヤの切断および粉砕における使用を参照して以下で説明されるが、そのような参照は、あくまでも好ましい応用の分野の例にすぎないと理解されるべきである。なぜならば、本発明による切断−粉砕ミルは、例えば木材およびプラスチック製品、皮革、プラスチックフィルム、紙、ゴム、マットレスなどの一般廃棄物および他のかさばる廃棄物、あらゆる種類および性質のバンパー、タンク、バッテリ、湯口、および梱包などの産業廃棄物、医療系廃棄物、ならびに有用な寿命サイクルを終え、かつミルへの供給が可能であるようなサイズを有するあらゆる固体の廃棄物全般(ただし、これらですべてではない)などのきわめてさまざまな物質を粒子へと変換し、したがって同時の体積削減を達成するためにも、適しているからである。
自動車のタイヤの切断/粉砕作業は、現在のところ、おそらくは事前のビード除去作業(乗用車のタイヤについては不要)の後に個々のタイヤをコンベアベルトによって第1のチョッパへと送り、そこでタイヤを約150〜300mmのサイズの大きな断片へと切断する大型の一部が屋外の施設において行われている。
次いで、このようにして得られた物質が、2つのさらなるコンベアベルトに乗せられ、直列に配置された対応する第2のチョッパへと送られ、これら第2のチョッパは、ゴム部分を20mm未満のサイズ(チップ)へと徐々に小さくする機能を有する。この作業と同時、またはこの作業の直後に、通常はタイヤのゴム構造に埋め込まれているワイヤが、ゴム部分から除去および分離される。
次いで、このようにして得られた混合物が、磁気式セパレータに組み合わせられた振動板へと送られ、取り除かれる鉄材料とゴムチップとの間の分離が達成される。
このようにして鉄が除かれたそのようなゴムチップが、最終的に、適切な精製ミルにおいて実行される微粉砕工程へと送られ、ゴムが約4mmの平均サイズの市販の粒子の形状へと小さくされる。この時点で、作業サイクルは終了し、ゴムの粒子が施設から得られ、直接的な使用および数十ミリメートルのサイズを有するゴム粉末をもたらす適切な微粉砕装置におけるさらなる非常に細かい粉砕を経る用途の両方であるきわめてさまざまな用途へと市販される。
特許文献1および特許文献2が、垂直軸と、中央の供給と、対向する粉砕ディスクとを有するこの種の微粉砕装置を開示している。例えば、この特許文献1に記載の装置は、10〜15mmの間の範囲のサイズのゴムチップまたは粒子を処理し、0.2〜0.4mmの間の範囲のサイズへと小さくするのに適している。
簡潔ではあるが以上の説明から容易に理解できるとおり、この種の公知の施設は、施設を構成する設備の種々の部分の購入コストが高いことに加えて、かさばる設備、対応する供給および輸送のコンベアベルト、ならびに処理待ちのタイヤの保管場所ゆえに、大きな空間を占有する。したがって、これらは、全体としての設置コストがきわめて高く、特に設置された設備の高い全体としての電力によっても決まる高い保守および運転コストもさらに加わる施設である。したがって、そのような施設の経済的に有利な運営を可能にするために、そのような施設が、きわめて広い領域の工場(タイヤの補修、保守、および交換のための大きな工場および小さな工場)から来る廃タイヤの収集センターとして機能することが必須である。
したがって、これらの施設のさらなる欠点が、廃タイヤを、廃タイヤの交換が行われる工場から上述の収集/処理センターへと運ばなければならず、すなわち高い輸送コストが加わり、そのような輸送コストが、タイヤが中空構造ゆえにきわめて大きな輸送体積を占めるがゆえに、タイヤの重量に応じて必要となると考えられる輸送コストよりもはるかに高いという事実によってもたらされる。
米国特許出願公開第2007/0029423号明細書 ドイツ国特許第28147878号公報
したがって、本発明の根底にある課題は、このような欠点を克服することであり、特に従来の粉砕施設のサイズおよび相対的稼働コストを劇的に減少させることで、タイヤの補修/交換の工場(小規模でも、大規模でも)への設置およびそのような工場における直接的な使用を可能にし、収集/処理センターへの輸送コストもゼロへと減らすことにある。
本発明のさらなる目的は、上述の種類の切断−粉砕ミルのためのフィーダ装置であって、例えば自由落下コンベアベルト式のフィーダの伝統的な装填システムから出発してミルの連続的な供給を実現可能にし、処理対象の物体の形状および位置にかかわらずにミルの切刃に対するこの物体の制御された圧力を維持するフィーダ装置を提供することにある。
これらの目的は、タイヤ全体について後の分類および精製作業に完璧に適した最終的な粒子サイズを有する粒子への直接的な変換をただ1つの装置で得ることができるようにする請求項1に記載の特徴を有する切断−粉砕ミルによって達成される。従属請求項が、本発明の好ましい追加の特徴を記載している。
本発明の廃棄物切断−粉砕ミルのさらなる特徴および利点が、いずれの場合も、あくまでも本発明を限定するものではない例として与えられ、添付の図面に示される本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
本発明による切断−粉砕ミルの全体の斜視図である。 同じ切断−粉砕ミルの上面図である。 図2の上面図と同様の上面図であるが、下方のロータを示すためにミルのステータが取り除かれている。 ミルのステータの下方からの平面図である。 図1のミルの縦断面図である。 図1の切断−粉砕ミルのためのフィーダの側面図である。 図6のフィーダの上面図である。 図6の線VIII−VIIIによるフィーダの断面図である。 本発明による切断−粉砕ミルのためのフィーダの全体の斜視図である。
図1に概略的に示されているように、本発明による切断−粉砕ミルは、頑丈なベース1と、下側のロータ2と、上側のステータ3と、ロータ2を駆動して回転させるモータ4とを基本的に備える垂直軸ミルである。
ベース1は、CNC数値制御工作機械における機械加工によって製造され、地面に対して水平にされ、堅固に固定される。最大の装置の剛性を得るために、寸法に関して過大なサイズにされる。
2つの切断ディスク2、3が、ベース1上に取り付けられ、下側のディスク2が、ベース1上に回転可能に取り付けられ、したがって簡潔に「ロータ」と称される。他方で、上側のディスク3は、ベース1上に不動に取り付けられ、簡潔に「ステータ」と称される。
ロータ2は、CMC工作機械によるチップ除去によって機械加工された超音波処理済みの炭素鋼で作られた大径のディスクである。ロータ2は、大きな厚さを有しており、この大きな厚さが、ロータ2が切断動作に加えて、切断動作の際に一様な回転運動を得るためのフライホイール機能も果たすことを可能にする。ロータ2のうちの粉砕すべき物質へと曝される部分は、1300HVを上回る表面硬度を得、したがってロータ2の耐摩耗性および耐食性を高めるために、炭化タングステンで覆われる。
ロータ2は、軸方向の力についてのプリロードベアリングならびに径方向および軸方向の力についての精密ベアリングによって支持される。潤滑が、マイクロプロセッサによって制御される自動マルチポイントシステムによって保証される。ベアリングの温度が、熱プローブによって継続的に監視される。二重外側ラビリンスが、ベアリングの清浄さを保証する。
ロータは、振動減衰システムが設けられた大きな作業トルクに適した静的に平衡したコンパクトな弾性継ぎ手(詳しくは図示されていない)を介して、モータ4から回転運動を受け取る。
図3に示されるように、第1の切刃5および第2の切刃6が、放射状または略放射状の姿勢にて、ロータ2の上面へと取り付けられる。刃5および6のための座が、ロータ2の上面に形成される一方で、そのようなロータの下面には、ねじ山付きのブシュ(図示されていない)および対応するねじを収容し、したがってロータにねじ穴を形成することなく、すなわち生じうる疲労破壊の危険な起点を避けつつ、前記刃の固定を可能にする滑らかな円柱形の貫通座が形成される。
第1の刃5は、ロータ2の半径に略等しい長さであり、すなわちロータ2の外周から中心まで延び、より正確にはロータ2の軸ピンに接する位置まで延びている。これらの刃は、以下でさらに明確になるとおり、粉砕すべき物質の導入を可能にする広い空間を互いの間に有するよう、30°〜90°、好ましくは45°〜75°、さらにより好ましくは約60°の角度にて、互いに等間隔に配置されている。
他方で、やはり放射状または略放射状の配置を有する第2の刃6は、ロータ2の半径よりもはるかに短い長さであり、以下でさらに詳しく説明される目的で、ロータの比較的限られた外周のクラウンにだけ位置している。第2の刃6も、5°〜15°、好ましくは約10°の角度にて、互いに等間隔かつ刃5に対しても等間隔に配置されている。したがって、現時点における好ましい実施形態においては、第1の刃5の各ペアの間に、5つの第2の刃6が配置され、中央に位置する第2の刃6は、残りの第2の刃6よりもわずかに長い径方向の長さを有することができる。上述した内容と図面の検討とから、ロータ2の前記外周のクラウンの範囲に位置する第1の刃5の外側部分が、第2の刃6と同じ機能を果たすことが、最終的に明らかである。
ロータ2の上方にステータ3が取り付けられ、ステータ3そのものは、超音波処理済みの炭素鋼で作られ、CNC工作機械によるチップ除去によって機械加工された大径のディスクで構成される。ステータ3も、径方向および軸方向の衝撃を、損傷を被ることなく吸収するために、過大なサイズとされている。ロータ2と同様に、ステータ3のうちの粉砕すべき物質へと曝される部分は、炭化タングステンで覆われる。
ステータ3は、ロータ2に対向し、ロータ2に完璧に同軸かつ平行に保たれる。ステータ3は、ステータ3を調節ねじ8によってベース1の対応するポスト9へと固定する2つの対向する台形の付属物7を備える。調節ねじ8は、ベース1へとせん断応力を加えつつ、適切な取り付け剛性を保証する。調節ねじ8は、ポスト9に形成された同数の円すい座ブシュ(図示されていない)に作用し、ロータとステータとの間の距離を、処理される物質および所望の最終的な粒度分布に応じて、所望の値へと高精度に調節することを可能にする。
第1の切刃11および第2の切刃12を収容するための適切にオフセットされた座が、ロータ2について上述したのと同様に、ステータ3の下部にそれぞれ形成され、第1の刃11が、ステータ3の中心の付近まで径方向または略径方向に延び、供給窓10に対応して終わる一方で、第2の刃12は、ロータ2の第2の刃6が配置される上述のクラウンに対応する外周の円形のクラウンの範囲内に位置する。刃11および12は、ロータ2の刃5および6に関してすでに示したやり方とまったく同様のやり方で、ステータ3を形成するディスクにおけるねじ穴の存在を回避するために、貫通ねじおよびねじ山付きのブシュを介して固定され、刃11および12の角度配置も、図4の図(図示を簡単にするために、一部の第2の刃12は図示されていない)に例示されるように窓10の存在によってそのような配置に或る程度の不規則が生じるという事実に従いつつ、ロータ2の刃について述べた同じパラメータを満たす。ステータ3の場合にも、ステータ3の前記外周のクラウンの範囲に位置する第1の刃11の外側部分が、第2の刃12と同じ機能を果たすことが、明らかである。
すでに述べたように、ステータ3の厚さに、略矩形の形状を有する窓10が形成され、粉砕すべき物体、特にタイヤ(図示されていない)が、この窓10を通って1つずつ導入され、ロータ2の第1の刃5に接触させられる。実際の問題として、窓10は、ステータ3において、もっぱらロータ2の主たる刃5が動作する領域において直径の方向に延びており、したがって第2の刃6が占める領域には影響を及ぼさない。
本発明のミルの駆動に関して、モータ4を、下記で平凡に構成することができる。
−熱交換器によって制御される温度での強制潤滑を備える直交軸形の減速ユニット。この減速ユニットを、電気または油圧モータによって動作させることができる。
−適切なサイズの油圧中央ユニットによって動作される直接の油圧モータ。
−トルクモータ。
好ましくは、本発明による切断−粉砕ミルは、ステータ3の容易かつ迅速な交換を可能にするシステムをさらに備える。このシステムは、ロータ2の刃5、6の交換およびステータ3に組み合わせられた固定の刃11、12の交換の両方をより容易かつより迅速にするために、ステータ3をベース1から取り外し、装置から遠ざけるために使用される。なぜならば、これらのすべての刃に、いかなる妨げもなくはるかに容易にアクセスできるためである。
ステータ3の迅速な交換のためのシステムは、ベース1へと固定された追加のフレームで構成され、このフレーム上を、再循環ボール式の摺動ブロックによって支持され、歯付きベルトシステムによって動作されるキャリッジが摺動する。摺動ブロックに取り付けられたこのキャリッジに、調節ねじ8を緩めた後でステータ3を持ち上げることができる2つの油圧アクチュエータが取り付けられ、ステータ3が持ち上げられた後で、キャリッジが刃の交換を可能にすべく側方位置へと動かされる。
刃の保守作業のさらなる高速化が望まれる場合には、鋭い刃が前もって備えられ、第1のステータ3との交換が可能である第2のステータ3を、使用することができ、この場合には、装置の休止時間が、ロータ2の刃の交換の時間だけに短縮され、この作業の間に、摺動ブロックを有するキャリッジ上のステータ3を、鋭い刃の予備のステータと交換することができる。
本発明の切断−粉砕ミルの動作の際に、別の小さなサイズの物質が処理される場合に、ミルの上部に、窓10を通って物質を粉砕室へと直接運ぶことを可能にする装填ホッパを設けることができる。ホッパは、ベース1の上部へと固定され、したがってステータ3の取り外しの操作および/または刃の交換作業の妨げとなることがない。
タイヤの場合に当てはまるように、かさばる物体を粉砕すべき場合には、それらが、すでに述べたように窓10へと1つずつ導入され、実際問題としては、処理対象のタイヤの次第の下降および連続的な切断によるタイヤからの物質の除去を可能にするロータ2上の隣接する2つの刃5の間の広い扇形の空間の存在ゆえに、作業者の介在を必要とすることなく、タイヤを窓10の内側に置き、タイヤがロータ2の表面に当接して刃5の作用によって徐々に自動的に「スライス」されるように、タイヤへの特定の圧力を維持すれば充分である。
窓10へのタイヤの導入を、手作業および本発明の一部であり、タイヤを正しい向きにして前記窓10へと送る適切な自動フィーダの両方で、実行することができる。そのようなフィーダは、図6〜図9を参照して以下で詳しく説明される。
本発明による切断−粉砕ミルのためのフィーダの構造は、幅の広い装填ホッパ14が取り付けられる頑丈な矩形のフレーム13を備える。フレーム13は、接続先の切断−粉砕ミルに比例したサイズであり、特に接続先の切断−粉砕ミルの供給窓10を完全に覆うようなサイズである。フレーム13は、切断−粉砕ミルの装填面への堅固な固定を可能にする取り付け手段(図示されていない)を備える。
フレーム13内に、2つの反対向きに回転する平行な軸のローラ15、16が枢支され、その配置は、図8の断面図に明確に示されており、前記ローラは、各々が外サイクロイド減速ユニットを備え、フレーム13の外側に配置されたそれぞれの電気モータMによって駆動されて運動する。ローラ15の回転軸が、フレーム13に対して固定される一方で、ローラ16の回転軸は、ローラ16の端部支持具に作用する一対の空気圧式アクチュエータ17の押し作用のもとで矢印Fの方向、すなわち、前記軸に対して垂直な方向に可動であり、したがってローラ16が、一定の調節可能な力でローラ15に向かって押し付けられた状態に保たれる。この一対のローラ15および16の特定の構成は、供給システムを粉砕すべき物体、特に、タイヤのサイズへと自動的かつ弾性的に調節することを可能にする。アクチュエータ17の好ましい動作圧力は、2barである。
モータMの電源が、好ましくは、フィーダが取り付けられた切断−粉砕ミルの主モータ4の消費電力を、最大効率の値の付近に可能な限り一定に保つ目的で、この主モータ4の消費電力に応じて調節される。特に、モータMの制御は、モータMの回転速度が、切断−粉砕ミルの前記主モータ4の消費電力が最適値を下回っている場合に最大値にされ、そのような消費電力が大きくなるにつれて次第に遅くされ、消費電力が所定の最適値以上になる場合に停止されることで、ミルが作業の過負荷に対処できるような制御である。
さらなる制御は、供給される物質の詰まりの状況に対処するために、ローラ15、16の回転のためのモータMの消費電力について設定される。実際問題として、この消費電力が設定値を超える場合に、モータMが或るプログラム可能な時間にわたってローラ15、16の回転方向を反転させ、次いで通常の回転に復帰させる。特定の回数の正転/逆転サイクルの後でも消費電力が所定の基準パラメータ未満に下がらない場合、フィーダは停止し、作業者に警報信号を送信する。
したがって、これらの制御ゆえに、本発明のフィーダは、完全に自動的なやり方で動作することができ、したがってフィーダを絶えず管理する作業者を必要とせず、装置の停止を決定したかもしれない境界線の状況を解決するための不連続な配備で充分である。
粉砕すべき一部の特別な物体の把持および引きずりを促進し、特にそのような物体が切断−粉砕ミルの刃によって過度に速く捕らえられることを防止するために、ローラ15、16に、一方または両方のローラ15、16の表面に沿って適切に配置されてこの表面から突出する歯付きのインサート18を設けることができる。インサート18の唯一の役割は、粉砕すべき物質をミルへと連れて行くとともに、供給の速度を調節し、物質が切断−粉砕ミルの刃によって切断される代わりに、たとえ部分的にでも引きずられている場合に、供給の速度を下げることであり、この目的のために、例えば数センチメートルの注目すべきすき間が、2つの対向するローラ15および16の隣接するインサートの間に常に残ることが適切である。
インサート18によるローラ15、16の周囲の物質の望ましくない引きずりの可能性をなくすために、排除バー19が、フィーダの出口窓20の縁に最終的に設けられ、これらの排除バーに形成された適切な溝が、インサート18のみの通過を可能にする。これにより、ローラ15および16によって供給される物質の全体が、下方の切断−粉砕ミルの供給窓10に正確に対応する出口窓20へと送られる。
上述の手作業または自動の装填モードにかかわらず、導入された物質は、ひとたびステータ3とロータ2との間に形成される粉砕室に達すると、ミルの粉砕室の中央のピンの付近、中間的な位置、および外周のクラウンにそれぞれ位置する3つの環状の切断領域を通過する。
a)第1の中央の環状の切断領域において、物質の入り口での切断および第1の粗い粉砕が行われる。刃の放射状の配置ゆえに、粗い物質あるいは物体の全体または大きなサイズに分けられた物体が、ミルの中央の付近において刃の移動速度が低いことに関係する大きな切断力を利用して、最初に薄くスライスされ、次いで粗く粉砕され、このように薄くスライスされて粗く粉砕された物質は同時に、物質に作用する遠心力によって粉砕室の中間部分へと運ばれる。
b)そのような第2の環状の切断領域において、第1の切刃5および11の高まる速度ゆえに、物質のサイズがさらに小さくされ、次いで遠心力が依然として作用しているがゆえに、物質が粉砕室の外側のクラウンに対応する第3の切断領域、特に、まさに第2の切刃6および12の存在を特徴とする領域に向かって徐々に移動する。
c)上記第3の環状の切断領域において、物質は、ロータ2およびステータ3の前記外側のクラウンに対応して配置された刃6および12の形状および相互の位置によって定められる所望の最終的な粒度分布に達するまで、最終的に細分化される。実際問題として、前記第2の刃の機能は、物質の出口部分を定め、したがって最終的な製品の粒度分布を定めることである。刃6および12は、耐摩耗性の鋼で製作され、処理対象の物質の種類および最終的な粒状の製品について望まれる要件に応じて変更することができる特定の形状を有する。
ミルの外部へと投げ出される粒状の物質は、最終的に、物質を収集地点へと運ぶコンベアベルトへと落下し、収集地点から、適切な従来の鉄除去の手順の後で、再使用のために送られる。
公知の施設と比べ、本発明による切断−粉砕ミルは、公知の施設において種々の大型の設備および関連の搬送システムによって実行されるすべての機能を、きわめて小さなサイズおよびコストのただ1つの装置に集めるという非凡な利点を有する。これは、結果として、本発明の切断−粉砕ミルを、自動車のタイヤの保守、補修、および交換のための大規模および小規模の工場に直接設置することを可能にし、したがって本発明の第1の目的に充分に到達することを可能にする。
以上の説明から明らかであるとおり、本発明のフィーダも、設定された目的に充分に到達している。実際問題として、通常は装填コンベアベルトによってホッパ14へと大量に装填された物体が、物体の種々の形状に弾性的に適応するローラ15、16によって徐々に捕らえられて下方の粉砕室へと送られ、切刃に対する適切な圧力が維持されると同時に、切断−粉砕ミルの過負荷および詰まりを回避する供給速度の調節作用が付与される。これがすべて、切断−粉砕ミルの主切断モータ4およびモータMの消費電力の値にもとづくモータMの電子制御ゆえに、作業者による介在を必要としない。
公知の粉砕施設のただ1つの小型サイズの装置への劇的な機能の集中およびサイズの縮小から、以下のさらなる利点ももたらされる。
1)設定されたより小さい電力定格
従来の先行技術の方法によって、4tのタイヤを4mmに等しいサイズの粒子が得られるまで処理するための設定された電力定格は、基本的に、
−150kWの出力の2つの副粉砕機(各々が75kW)、および
−160kWの出力の精製ミル
に関係する電力定格である一方で、
本発明によれば、
−200kWの出力のただ1つの切断−粉砕ミル
だけが必要であり、
したがって30%を超える設定された電力定格の削減がもたらされる。
2)保守のための装置の休止時間の短縮
公知の種類の施設においては、粉砕機および整粒機の刃の交換に、約2.5日の装置休止時間が必要である。対照的に、本発明によるミルにおいては、ロータ2の刃の交換に、わずかに約3時間の装置休止時間でよい。実際問題として、ステータ3の刃の交換時間は、新たな刃が前もって取り付けられた準備済みの交換用のステータを使用することによってミルの稼働中に関連の刃を交換するという上述の機会に鑑み、計算する必要がない。
3)かさの低減
本発明によるミルが、約6mの面積を占める一方で、先行技術の施設に典型的な2つの副粉砕機および精製ミルを関連の装填ベルトとともに備える施設が占める面積は、1,000mを超える可能性もある。したがって、本発明の切断−粉砕ミルによって得られる空間の削減は、劇的である。
しかしながら、本発明を、本発明の典型的な実施形態を示しているにすぎない以上の説明による特定の構成に限られると考えてはならず、以下の特許請求の範囲によってのみ定められる本発明の技術的範囲から離れることなく、いずれも当業者の理解の範囲であるいくつかの変種が可能であることを、理解すべきである。

Claims (5)

  1. 垂直軸のロータ(2)が回転可能に取り付けられたベース(1)を備えており、前記ロータ(2)は、複数の切刃(5、6)を上面に取り付けて保持するディスクの形状を有し、前記ロータ(2)に同軸なステータ(3)が組み合わせられ、前記ステータ(3)は、複数の切刃(11、12)を下面に取り付けて保持するディスクの形状であり、前記ステータ(3)が、処理対象の物質の粉砕室を定めるように、前記ロータ(2)の上方の固定の位置において前記ロータ(2)から調節可能な距離に取り付けられている、単一のコンパクトな作業ユニットの形式の使用済みの物体および他の廃棄物のための切断−粉砕ミルであって、
    前記刃(5、6;11、12)が、前記ロータ(2)およびステータ(3)の中心から外周まで延びる第1の刃(5、11)と、前記ロータ(2)およびステータ(3)の外周のクラウンだけを延びる第2の刃(6、12)とを含んでおり、
    前記ステータ(3)に、処理対象の物質の供給窓(10)が形成され、少なくとも部分的に前記第1の刃(5、11)だけが動作する粉砕室の領域へと開いていることを特徴とする、切断−粉砕ミル。
  2. 前記切刃(5、6;11、12)が、前記ロータ(2)およびステータ(3)に対して径方向または略径方向に配置されている、請求項1に記載の切断−粉砕ミル。
  3. 前記第1の刃(5、11)の互いの角度間隔が、30°〜90°であり、
    前記第2の刃(6、12)の互いの角度間隔および前記第1の刃(5、11)からの角度間隔が、5°〜15°である、請求項2に記載の切断−粉砕ミル。
  4. 前記第1の刃(5、11)からの周方向の距離が大きい第2の刃(6、12)が、他の第2の刃よりも長い、請求項3に記載の切断−粉砕ミル。
  5. 前記粉砕室が、粉砕されるべき物質が該物質に作用する遠心力の作用によって該物質の粒度分布を次第に小さくさせながら順次に横切る3つの環状の粉砕領域を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の切断−粉砕ミル。
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