JP6113252B1 - エンジン始動装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮断機構部に設けられたばね部材の摩耗を防止し、常に所定の空転トルクを維持し得るエンジン始動装置、及びその製造方法を得ることを目的とする。【解決手段】遮断機後部に於ける第1の伝達部材と第2の伝達部材とを軸方向に連結させてモータ部の回転によるトルクをリングギアに伝達させ得るように、第1の伝達部材と第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、このばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接し第1の伝達部材に対する相対的回転が規制されているばね保護部とを有し、このばね保護部材によりバネ部材の摩耗を防止するようにした。【選択図】図7
Description
この発明は、エンジンを始動させるためのエンジン始動装置、及びその製造方法に関するものである。
従来、エンジンを始動させるためのエンジン始動装置は、エンジンが停止している状態でエンジンの始動動作を行う。従って、エンジン始動装置に設けられたピニオンギアは、エンジンに設けられたリングギアが回転していない状態で、リングギアとの噛み合わせが行われていた。しかしながら、近年では低燃費化のためにアイドリングストップを行うシステムに於いては、エンジンの再始動性を確保するため、リングギアの回転中でもピニオンギアをリングギアと噛み合わせることがある。
例えば、アイドリングストップした直後であってエンジンの回転がまだ止まっていない状態で再始動要求が入った場合、或いはエンジンの停止状態から再始動の際に時間を短縮する必要がある場合には、リングギアの回転中に事前にピニオンギアとの噛み合わせを行なうようにしている。このように、リングギアの回転中にピニオンギアを噛み合わせる場合、発生する衝撃トルクによりリングギア等が摩耗して変形する等の異常が発生することがあり、その結果、エンジン始動装置のヘリカルスプラインやピニオンギア等が大きく損傷する可能性がある。
従来、このような課題を解決するため、ピニオン移動体部に一対の伝達部材とバネ部材から成る遮断機構を備え、所定の条件のときトルクの伝達を遮断することで衝撃を緩和するようにしたエンジン始動装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
特許文献1に開示された従来のエンジン始動装置に於いて、遮断機構部は、出力軸側伝達部材と、ピニオンギア側伝達部材と、皿バネと、皿バネカバーとにより構成されており、例えばエンジンの逆回転によるトルクが所定値以上大きい場合に、軸方向反力が皿バネの初期荷重よりも大きくなると皿バネは圧縮されてたわむことになる。そして、そのたわみ量が、出力軸側伝達部材のトルク伝達面とピニオンギア側伝達部材のトルク伝達面とが噛み合っている軸方向のストロークよりも大きくなると、これ等のトルク伝達面が噛み合わなくなって出力軸側伝達部材とピニオンギア側伝達部材は空転し、エンジンの逆回転等による衝撃を緩和することができる。
特許文献1で提案された従来のエンジン始動装置に於いては、大きな衝撃トルクによりトルク伝達面の噛合いが外れて衝撃を緩和したとき、皿ばねと皿ばねを保持する部材との間で相対回転が生じ、皿ばねの摩耗が促進され、その結果、空転トルクが所定の値から低下してしまうという課題が存在する。
この発明は、従来のエンジン始動装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたもので、遮断機構部に設けられたばね部材の摩耗を防止し、常に所定の空転トルクを維持し得るエンジン始動装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
この発明によるエンジン始動装置は、
モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、
前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、
前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、
前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材と、
を備え、
前記ばね保護部材は、前記第1の伝達部材に対する相対的回転が規制されている、
ことを特徴とする。
モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、
前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、
前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、
前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材と、
を備え、
前記ばね保護部材は、前記第1の伝達部材に対する相対的回転が規制されている、
ことを特徴とする。
又、この発明によるエンジン始動装置は、
モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、 前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1
の伝達部材と、
前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、
前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材と、
を備え、
前記ばね保護部材は、前記第2の伝達部材に対する相対的回転が規制されている、
ことを特徴とする。
モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、 前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1
の伝達部材と、
前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、
前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材と、
を備え、
前記ばね保護部材は、前記第2の伝達部材に対する相対的回転が規制されている、
ことを特徴とする。
更に、この発明によるエンジン始動装置の製造方法は、
モータ部と、エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部とを備えたエンジン始動装置の製造方法であって、
前記ピニオン移動体部に、前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部とを設け、
前記遮断機構部に、前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与える皿ばねと、前記皿ばねの軸方向端部の少なくとも一部に当接するワッシャとを設け、
前記ワッシャの板厚と枚数とのうちの少なくとも一方を調整することにより、前記皿ばねが前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に与える押圧力を調整するようにした、
ことを特徴とする。
モータ部と、エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部とを備えたエンジン始動装置の製造方法であって、
前記ピニオン移動体部に、前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部とを設け、
前記遮断機構部に、前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与える皿ばねと、前記皿ばねの軸方向端部の少なくとも一部に当接するワッシャとを設け、
前記ワッシャの板厚と枚数とのうちの少なくとも一方を調整することにより、前記皿ばねが前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に与える押圧力を調整するようにした、
ことを特徴とする。
この発明によるエンジン始動装置によれば、前記遮断機構部は、前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材とを備え、前記ばね保護部材は、前記第1の伝達部材に対する相対的回転が規制されているので、リングギア側から異常なトルクが発生し、遮断機構部における爪部の噛合いが外れて第1の伝達部材と第2の伝達部材とが相対的に回転しても、第1の伝達部材に対するばね保護部材の相対的回転が規制されており、ワッシャとばね部材との間の相対的回転を無くすことができ、ばね部材を摩耗から保護し、所定の空転トルクを維持することができる。
又、この発明によるエンジンの始動装置によれば、前記遮断機構部は、前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材とを備え、前記ばね保護部材は、前記第2の伝達部材に対する相対的回転が規制されているので、リングギア側から異常なトルクが発生し、遮断機構部における爪部の噛合いが外れて第1の伝達部材と第2の伝達部材とが相対的に回転しても、第2の伝達部材に対するばね保護部材の相対的回転が規制されており、ワッシャとばね部材との間の相対的回転を無くすことができ、ばね部材を摩耗から保護し、所定の空転トルクを維持することができる。
更に、この発明によるエンジン始動装置の製造方法によれば、前記遮断機構部に、前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与える皿ばねと、前記皿ばねの軸方向端部の少なくとも一部に当接するワッシャとを設け、前記ワッシャの板厚と枚数とのうちの少なくとも一方を調整することにより、前記皿ばねが前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に与える押圧力を調整するようにしたので、遮断機構部を構成する部材の積み上げ公差が存在しても、板厚の異なる複数のワッシャのうちから積み上げ公差に応じて選択した板厚のワッシャ若しくはワッシャの枚数を調整して組付けることで、皿ばねのたわみ量のばらつきを低減し、荷重のばらつき、ひいては空転トルクのばらつきを低減し、部品の公差による空転トルクへの影響を少なくすることができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置、及びその製造方法を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施の形態1によるエンジン始動装置の分解斜視図である。実施の形態1によるエンジン始動装置は、モータ部10、出力軸20、ピニオン移動体部30、ソレノイドスイッチ部40、プランジャ50、レバー60、ブラケット70、ストッパ80、及び減速ギア部90により構成されている。プランジャ50とレバー60は、押し出し機構部を構成している。
以下、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置、及びその製造方法を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施の形態1によるエンジン始動装置の分解斜視図である。実施の形態1によるエンジン始動装置は、モータ部10、出力軸20、ピニオン移動体部30、ソレノイドスイッチ部40、プランジャ50、レバー60、ブラケット70、ストッパ80、及び減速ギア部90により構成されている。プランジャ50とレバー60は、押し出し機構部を構成している。
モータ部10は、エンジン(図示せず)を始動するための回転力を発生する。出力軸20は、モータ部10に減速ギア部90を介して結合されている。ピニオン移動体部30は、出力軸20とヘリカルスプライン結合され、出力軸20の周面を出力軸20の軸方向に摺動することができる。
ソレノイドスイッチ部40は、車両のキースイッチがオンされたとき、若しくはエンジン制御装置(以下、ECUと称する。)からエンジン始動装置にオン指令が発動されたときに内部に設けられた後述の吸引コイルに電流が流れ、励磁されることによりプランジャ50を吸引する。レバー60は、略中央部が回動自在に支持され、一端がプランジャ50に係合され他端がピニオン移動体部30に係合されている。プランジャ50が吸引コイルに吸引されてソレノイドスイッチ部40に近づく方向に移動すると、レバー60の一端はプランジャ50と共に移動し、レバー60の他端に係合されているピニオン移動体部30をソレノイドスイッチ部40から離れる方向に押し出す。ブラケット70は、モータ部10、出力軸20、及びピニオン移動体部30からなる夫々の部品を、エンジン側に固定している。
図2は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の断面図であって、エンジンに取り付けられた状態を示している。図2に於いて、エンジンの始動を行う場合は、車両のキースイッチをオンとするか、或いはECUからエンジン始動装置のオン指令を発動する。これにより、ソレノイドスイッチ部40の吸引コイル41に電流が流れて、プランジャ50が吸引コイル41に吸引される。プランジャ50が吸引コイル41に吸引されると、レバー60の一端がソレノイドスイッチ部40側に引き込まれて、レバー回転軸中心61を中心として図2の反時計方向に回転する。
レバー60が反時計方向に回転すると、レバー60の他端がピニオン移動体部30を図2の右側、つまりモータ部10から離れる方向に押し出す。その結果、出力軸20の周面に設けられている第1のヘリカルスプライン部としての出力軸側ヘリカルスプライン部21に沿って、出力軸20にスプライン結合したピニオン移動体部30が回転しながら図2の右方、つまりモータ部10から離れる方向に押し出される。更に、プランジャ50が吸引コイル41に吸引されて接点軸42の端部に当接し、ばね45を圧縮しながら接点軸42を図2の左方へ押し込む。これにより、接点軸42に設けられた移動接点部43が一対のモータ接点44a、44bを橋絡し、モータ部10への通電が開始され、モータ部10のモータが回転する。なお、図2の符号100は、エンジンに連結されるリングギアを示している。
図3は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、ピニオン移動体部の分解斜視図である。図3に於いて、ピニオン移動体部30は、リングギア100(図1参照)に噛み合うピニオンギア31、ピニオンギア31がエンジンによって回転されて出力軸20(図1参照)の回転数よりも大きくなった際に空転するオーバーランニングクラッチ部32、クラッチカバー33、遮断機構部34、レバー60と係合するレバー係止部材35、及びレバー係止部材35を止める止め部材36で構成される。遮断機構部34は、モータの回転によるトルクを伝達する方向に対して、そのトルクが後述する所定の条件にあるときそのトルクの伝達を遮断するものである。
図4は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、オーバーランニングクラッチ部の構成図である。図4に示すように、オーバーランニングクラッチ部32は、クラッチアウタ321、クラッチインナ322、クラッチローラ323、及びクラッチローラ323を図4の反時計方向に押圧付勢するクラッチばね324で構成される。
図5は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材の斜視図、図6は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、第2の伝達部材としてのピニオンギア側伝達部材の斜視図、図7は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、ピニオン移動体部の断面図である。図5、図6、及び図7に示すように、遮断機構部34は、第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材341と、第2の伝達部材としてのピニオンギア側伝達部材342と、ばね部材としての皿ばね37と、ばねカバー部材としての皿ばねカバー371と、ばね保護部材としてのワッシャ372とにより構成される。
第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材341は、図5に示すように、その内周面に出力軸側ヘリカルスプライン部21(図1参照)と噛み合わされてスプライン結合されるピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38を備えている。又、出力軸側伝達部材341は、その軸心の延びる方向に対して直交する平面部に爪部341cを備えている。この爪部341cは、出力軸側伝達部材341の前記平面部から前記軸心の延びる方向に突出するトルク伝達面341aと、このトルク伝達面341aから漸次前記平面部からの高さが減少する傾斜面に形成された滑り面341bから構成されている。実施の形態1では、図5に示すように爪部341cは軸心の周りに90度の角度間隔で4個設けられている。
第2の伝達部材としてのピニオンギア側伝達部材342は、図6に示すように、オーバーランニングクラッチ部32(図3、図4参照)のクラッチアウタ321と一体に構成されており、その軸心の延びる方向に対して直交する平面部に爪部342cを備えている。この爪部342cは、ピニオンギア側伝達部材342の前記平面部から前記軸心の延びる方向に突出するトルク伝達面342aと、このトルク伝達面342aから漸次前記平面部からの高さが減少する傾斜面に形成された滑り面342bから構成されている。実施の形態1では、図6に示すように爪部342cは軸心の周りに90度の角度間隔で4個設けられている。
図7に示すように、出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342は、夫々の爪部341cと342cとが対向するように配置され、出力軸側伝達部材341の爪部341cのトルク伝達面341aと、ピニオンギア側伝達部材342の爪部342cのトルク伝達面342aとが当接して、出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342とが、一方から他方へ回転トルクを伝達することができるように構成されている。
実施の形態1に於いては、皿ばね37は、その内周縁が、出力軸側伝達部材341のモータ側軸方向端面3411に当接するように配置されている。出力軸側伝達部材341のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38は、皿ばね37の貫通穴を貫通している。ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38の外周面の形状は、多角形に形成されている。皿ばね37の貫通穴は円形に形成されており、その直径は、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38の最大外径の寸法より大きく形成されている。
ワッシャ372は、皿ばね37と皿バネカバー371の軸方向内端面3711との間に配置され、ワッシャ372の中央部の貫通穴が出力軸伝達部材341のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38により貫通されている。ワッシャ372の貫通穴の形状は、出力軸伝達部材341のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38の外周面の多角形と同一の多角形であり、ワッシャ372の貫通穴の内周面とピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38の外周面との間には、所定のクリアランスが形成されている。従って、ワッシャ372は、出力軸側伝達部材341とそのピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38に対する相対的回転は規制されるが、出力軸側伝達部材341及びピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38に対する軸方向の移動は許容されている。
又、皿ばねカバー371は、その外周面部に形成された溝部371aにクラッチカバー33の端縁をかしめることで、クラッチカバー33とピニオンギア側伝達部材342つまりクラッチアウタ321とに一体に固定されている。ワッシャ372と出力軸側伝達部材341との間に挿入されている皿ばね37は、後述するように、所定の初期荷重Fk1で常に出力軸側伝達部材341をピニオンギア側伝達部材342の方向に押圧している。
図1から図7に於いて、モータ部10からのトルクは、出力軸20に設けられた出力軸側ヘリカルスプライン部21からピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38を通じて、ピニオン移動体部30へ伝達される。ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38に伝達されたモータ部10からのトルクは、出力軸側伝達部材341のトルク伝達面341aからピニオンギア側伝達部材342のトルク伝達面342aへ伝達され、オーバーランニングクラッチ部32のクラッチアウタ321とクラッチローラ323とクラッチインナ322を介してピニオンギア31に伝達される。ピニオンギア31に伝達されたモータ部10からのトルクは、エンジンのリングギア100に伝達され、エンジンを始動させる。
逆にエンジン側から逆回転でトルクが発生すれば、エンジンの逆回転によるトルクは、上記とは逆の経路で出力軸20へ伝達される。その際の遮断機構部34の動作イメージを図8に示す。即ち、図8は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、遮断機構部の説明図であって、エンジン側から逆回転でトルクが発生した場合の遮断機構部34に於ける、ピニオンギア側伝達部材342と出力軸側伝達部材341に加わる力の関係を示している。
図7及び図8に於いて、皿ばね37は、皿ばねカバー371と出力軸側伝達部材341との間に組み込まれるときに、出力軸側伝達部材341の軸心の延びる方向(以下、軸方向と称する。)の初期荷重Fk1を出力軸側伝達部材341に与えるように設定されている。ここで、初期荷重Fk1は次のように表わされる。
初期荷重Fk1=K×S
但し、Kは皿ばね37のばね定数、Sは皿ばね37の初期たわみ量である。
尚、図8は、後述するように皿ばね37が初期設定時よりも更に圧縮されて初期たわみ量S以上にたわみ、初期荷重Fk1より大きい荷重Fkを出力軸側伝達部材341に与えている状態を示している。
初期荷重Fk1=K×S
但し、Kは皿ばね37のばね定数、Sは皿ばね37の初期たわみ量である。
尚、図8は、後述するように皿ばね37が初期設定時よりも更に圧縮されて初期たわみ量S以上にたわみ、初期荷重Fk1より大きい荷重Fkを出力軸側伝達部材341に与えている状態を示している。
エンジンのリングギア100が逆回転してトルクTがピニオンギア31、及びオーバーランニングクラッチ部32に加われば、当接しているトルク伝達面341aとトルク伝達面342aに垂直な力Fが働く。ここで、トルク伝達面341aとトルク伝達面342aは、夫々出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342の軸心と垂直な平面に対してθの傾きを有している。従って、トルク伝達面341a、342aを通じて前述のエンジンの逆回転によるトルクTは、実際にはFsinθとして発生し、ピニオンギア側伝達部材342から出力軸側伝達部材341に伝達される。このとき、トルク伝達面341a、342aには軸方向反力Fcosθが働く。
ここで、皿ばね37による初期荷重Fk1と軸方向反力Fcosθとの関係が、
Fk1<Fcosθ
となったときに、皿ばね37は初期設定時よりも更に圧縮されてたわむ。従って、トルクTが大きくなり軸方向反力Fcosθが皿ばね37の初期荷重Fk1よりも大きくなると、皿ばね37が初期たわみ量Sから更にたわみ始めることになる。
Fk1<Fcosθ
となったときに、皿ばね37は初期設定時よりも更に圧縮されてたわむ。従って、トルクTが大きくなり軸方向反力Fcosθが皿ばね37の初期荷重Fk1よりも大きくなると、皿ばね37が初期たわみ量Sから更にたわみ始めることになる。
図9は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、遮断機構部の動作イメージ図であって、(a)は、前述の軸方向反力Fcosθが皿ばね37の初期荷重Fk以下であり、エンジンの逆回転によるトルクによりエンジンのリングギア100からピニオンギア31に伝達されたトルクが、ピニオンギア側伝達部材342から出力軸側伝達部材341へ伝達される状態を示している。
次に、エンジンの逆回転によるトルクTが所定値以上大きければ、軸方向反力Fcosθが皿ばね37の初期荷重Fk1よりも大きくなり、前述したように皿ばね37は初期圧縮量Sから更に圧縮されてたわむことになるが、そのたわみ量が、出力軸側伝達部材341のトルク伝達面341aとピニオンギア側伝達部材342のトルク伝達面342aが噛み合っている軸方向のストロークLよりも大きくなると、図9の(b)に示すように、出力軸側伝達部材341のトルク伝達面341aと、ピニオンギア側伝達部材342のトルク伝達面342aとが噛み合わなくなり、出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342は空転することになる。
即ち、図9の(b)に示す出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342の空転時には、皿ばね37による荷重Fk2は、
Fk2=K×(S+L)
となる。そして、皿ばね37のたわみ量が、(S+L)に達したときの皿ばね37の荷重Fk2と軸方向反力Fcosθとの関係が、
Fk2<Fcosθ
となったときに、出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342とは空転することになる。
Fk2=K×(S+L)
となる。そして、皿ばね37のたわみ量が、(S+L)に達したときの皿ばね37の荷重Fk2と軸方向反力Fcosθとの関係が、
Fk2<Fcosθ
となったときに、出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342とは空転することになる。
このとき、出力軸側伝達部材341は出力軸20とヘリカルスプライン結合されているため、その軸心を中心とする回転は規制されており回転しない。従って、出力軸側伝達部材341に対してピニオンギア側伝達部材342が空転するときは、回転しない出力軸側伝達部材431に対して、ピニオンギア側伝達部材342、即ちクラッチアウタ321と、クラッチカバー33と、皿ばねカバー371とが一体となって空転することになる。
このとき、皿ばねカバー371とワッシャ372との間で相対回転が生じるが、前述のように皿ばね37を保持するワッシャ372は、出力軸側伝達部材341に対する相対的回転は規制されており、ワッシャ372と出力軸側伝達部材341との間で相対回転が生じることはない。つまり、皿ばね37と皿ばね37を保持する部材としてのワッシャとの間で相対回転は生じず、ワッシャ372と皿ばね37との間の相対的回転による摩耗から皿ばね37を保護し、常に所定の空転トルクを維持することができる。
又、ワッシャ372は、次に述べるように、空転トルクのばらつき低減に対しても有効
である。即ち、皿ばね37はたわみ量が一定であっても材料特性の違いによる荷重の公差を持っている。それに加えて、従来の構造に於いては遮断機構部を構成する部品の積み上げ公差(以下の説明では、単に、部品の積み上げ公差と称する場合がある)がそのまま皿ばねのたわみ量のばらつき、つまりは荷重のばらつきとなり、所定の空転トルクに対してばらつきが大きくなってしまうことがある。
である。即ち、皿ばね37はたわみ量が一定であっても材料特性の違いによる荷重の公差を持っている。それに加えて、従来の構造に於いては遮断機構部を構成する部品の積み上げ公差(以下の説明では、単に、部品の積み上げ公差と称する場合がある)がそのまま皿ばねのたわみ量のばらつき、つまりは荷重のばらつきとなり、所定の空転トルクに対してばらつきが大きくなってしまうことがある。
そこで、部品の積み上げ公差によるたわみ量のばらつきに対して、そのばらつき量に応じて常に所定のたわみ量となるように、板厚tの異なるワッシャ372を複数個用意しておき、部品の積み上げ公差によるたわみ量のばらつき量に応じて、最適の板厚tを有するワッシャ372を選択して組付けを行なうことで、皿ばね37のたわみ量のばらつきを低減し、荷重のばらつき、つまりは空転トルクのばらつきを低減し、部品の積み上げ公差による空転トルクへの影響を少なくすることができる。
図10は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、皿ばねのたわみ量と遮断機構部を構成する部品の積み上げ公差に関する説明図であって、遮断機構部34に於ける出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342との空転時の皿ばね空間公差、つまり皿ばね37のたわみ量のばらつきを示している。図10に示すように、皿ばね37のたわみ量のばらつきは、クラッチアウタ321の公差(±a)、出力軸側伝達部材341の公差(±b)、皿ばねカバー371の公差(±c)の影響を大きく受け、結果として空転時のたわみ量中央値(S+L)に対して最大(+a+b+c)、最小(−a−b−c)のばらつきを持つことになる。
図11は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於ける、遮断機構部を構成する部品の積み上げ公差による皿ばねのたわみ量と荷重特性のばらつき、及びワッシャの選択組付けによる効果を示す説明図である。図11に示すように、皿ばね37のたわみ量が中央値、つまり皿ばね37のたわみ量が(S+L)に達したときの皿ばね37の荷重Fk2は、
Fk2=K×(S+L)
となる。
Fk2=K×(S+L)
となる。
これに対して部品の積み上げ公差が最大のときは、皿ばね37のたわみ量が(S+L+a+b+c)となり、荷重Fk2maxは、
Fk2max=K×(S+L+a+b+c)
となる。
つまり、このとき、所定の空転トルクよりも大きな衝撃をスタータが受けることになり、十分に衝撃を緩和することができず、リングギアやエンジン始動装置を損傷する可能性もある。
Fk2max=K×(S+L+a+b+c)
となる。
つまり、このとき、所定の空転トルクよりも大きな衝撃をスタータが受けることになり、十分に衝撃を緩和することができず、リングギアやエンジン始動装置を損傷する可能性もある。
一方、部品の積み上げ公差が最小のときは、皿ばね37のたわみ量が(S+L−a−b−c)となり、荷重Fk2minは、
Fk2min=K×(S+L−a−b−c)
となる。
この場合、所定の空転トルクよりも小さな衝撃で出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342とが空転してしまうため、エンジンを始動させるためのクランキングトルクを確保できずエンジン始動できない可能性がある。
Fk2min=K×(S+L−a−b−c)
となる。
この場合、所定の空転トルクよりも小さな衝撃で出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342とが空転してしまうため、エンジンを始動させるためのクランキングトルクを確保できずエンジン始動できない可能性がある。
この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の製造方法によれば、ワッシャ372の板厚tを調整することで空転トルクのばらつきを低減することができる。例えば、部品の積み上げ公差が最大となり、皿ばね37のたわみ量が(S+L+a+b+c)となる場合には、ワッシャ372の板厚tを小さくすることで所定の空転トルクを実現することができる。つまり、ワッシャ372の板厚を(t−x)とし、皿ばね37のたわみ量を(S+L+a+b+c−x)とする。このときの荷重Fk2max1は、
Fk2max1=K×(S+L+a+b+c−x)
となる。
Fk2maxとFk2max1との関係は、
Fk2max>Fk2max1
である。
Fk2max1=K×(S+L+a+b+c−x)
となる。
Fk2maxとFk2max1との関係は、
Fk2max>Fk2max1
である。
これに対して、部品の積み上げ公差が最小となり、皿ばね37のたわみ量が(S+L−a−b−c)となる場合は、ワッシャ372の板厚tを大きくすることで所定の空転トルクを実現させる。つまり、ワッシャ372の板厚を(t+x)とし、皿ばね37のたわみ量を(S+L−a−b−c+x)とする。このときの荷重Fk2min1は、
Fk2min1=K×(S+L−a−b−c+x)
となる。
Fk2minとFk2min1の関係は、
Fk2min<Fk2min1である。
これによって部品の積み上げ公差を吸収し、常に所定の空転トルクを満足させることが可能となる。
Fk2min1=K×(S+L−a−b−c+x)
となる。
Fk2minとFk2min1の関係は、
Fk2min<Fk2min1である。
これによって部品の積み上げ公差を吸収し、常に所定の空転トルクを満足させることが可能となる。
ワッシャ372の板厚や枚数の設定については、必要とする所定のトルクに応じて適宜調整することが可能である。
実施の形態2.
前述のこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置では、ワッシャ372を、皿ばね37と皿バネカバー371の軸方向内端面3711との間に配置したが、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置では、ワッシャ372を、出力軸側伝達部材341のモータ側軸方向端面3411と皿ばね37との間に配置するようにしたものである。
前述のこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置では、ワッシャ372を、皿ばね37と皿バネカバー371の軸方向内端面3711との間に配置したが、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置では、ワッシャ372を、出力軸側伝達部材341のモータ側軸方向端面3411と皿ばね37との間に配置するようにしたものである。
図12は、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置に於ける、ピニオン移動体部の分解斜視図である。図12に於いて、ピニオン移動体部30は、前述の実施の形態1の場合と同様に、リングギア100(図1参照)に噛み合うピニオンギア31、ピニオンギア31がエンジンによって回転されて出力軸20(図1参照)の回転数よりも大きくなった際に空転するオーバーランニングクラッチ部32、クラッチカバー33、遮断機構部34、レバー60と係合するレバー係止部材35、及びレバー係止部材35を止める止め部材36で構成される。遮断機構部34は、モータの回転によるトルクを伝達する方向に対して、そのトルクが後述する所定の条件にあるときそのトルクの伝達を遮断するものである。
オーバーランニングクラッチ部32は、図4に示すように、クラッチアウタ321、クラッチインナ322、クラッチローラ323、及びクラッチローラ323を図4の反時計方向に押圧付勢するクラッチばね324で構成されている。
図13は、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置に於ける、ピニオン移動体部の断面図である。図12及び図13に示すように、遮断機構部34は、出力軸側伝達部材341と、ピニオンギア側伝達部材342と、ばね部材としての皿ばね37と、皿ばねカバー371と、ワッシャ372とにより構成されている。
皿ばね37は、皿ばねカバー371の軸方向内端面3711とワッシャ372との間に挿入されている。図12によく示されているように、皿ばねカバー371の円筒部3712には、周方向に間隔を介して4か所に軸方向に延びる切欠部3713が形成されている。ワッシャ372は、外周部に周方向に間隔を介して4か所に突出部3721が形成されている。皿ばねカバー371の切欠部3713の周方向の幅は、ワッシャ372の突出部3721の周方向の幅とほぼ同一寸法に形成され、又、皿ばねカバー371の4つの切欠部3713の周方向の相互間隔は、ワッシャ372の4個の突出部3721の周方向の相互間隔とほぼ同一の形成されている。
ワッシャ372の中央部の貫通穴は、出力軸伝達部材341のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38により貫通されている。出力軸伝達部材341のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38の外周面の形状は円形であり、ワッシャ372の貫通穴の形状も円形である。ワッシャ372の貫通穴の内周面と、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部38の外周面との間には、所定のクリアランスが形成されている。
ワッシャ372の4個の突出部3721は、皿ばねカバー371の4つの切欠部3713に嵌合されている。従って、ワッシャ372は、皿ばねカバー371に対する相対的回転が規制され、皿ばねカバー371に対に対する軸方向へ相対的移動は許容されている。皿ばねカバー371は、その外周面部に形成された溝部371aにクラッチカバー33の端縁をかしめることでクラッチカバー33、ピニオンギア側伝達部材342つまりクラッチアウタ321と一体に固定されている。ワッシャ372と皿ばねカバー371との間に挿入されている皿ばね37は、前述の実施の形態1と同様に、所定の初期荷重Fk1で常に出力軸側伝達部材341をピニオンギア側伝達部材342の方向に押圧している。
実施の形態1によるエンジンの始動装置の場合と同様に、エンジンの逆回転によるトルクTが所定値以上大きければ、出力軸側伝達部材341とピニオンギア側伝達部材342は空転することになる。従って、出力軸側伝達部材341に対してピニオンギア側伝達部材342とが空転するときは、回転しない出力軸側伝達部材431に対して、ピニオンギア側伝達部材342、即ちクラッチアウタ321と、クラッチカバー33と、皿ばねカバー371とが一体となって空転することになる。このとき、皿ばね37を保持するワッシャ372と皿ばねカバー371との相対的回転は前述のように規制されており、これ等の間に相対的回転を生じることはない。つまり、皿ばね37と皿ばね37を保持する部材としてのワッシャ372との間で相対的回転は生じず、皿ばね37とワッシャ372との間の相対的回転による摩耗から皿ばね37を保護し、所定の空転トルクを維持することができる。尚、その他の構成は、前述の実施の形態1によるエンジン始動装置と同様である。
又、実施の形態1によるエンジン始動装置の製造方法と場合と同様に、ワッシャ372は部品積み上げ公差によるたわみ量のばらつきに応じて、予め用意されている板厚の異なる複数個のワッシャの中から、最適の板厚tを有するワッシャ372を選択して組付けることで、荷重のばらつき、つまりは空転トルクのばらつき低減に対しても有効に対応することができる。ワッシャ372の板厚tや枚数の設定については、必要とする所定のトルクに応じて適宜調整することが可能である。
以上述べたこの発明の実施の形態1及び実施の形態2によるエンジン始動装置、及びその製造方法の何れに於いても、アイドリングストップでリングギア100が惰性回転中にピニオンギア31とリングギア100を噛み合わせる場合について説明したが、アイドリングストップでリングギア100が完全停止してから噛み合わせる場合や、アイドリングストップ非搭載車用のエンジン始動装置であっても、ギアが摩耗した場合にロックすることでモータ回転が開始されれば異常な衝撃トルクが発生することによって、通常エンジン始動装置でも起こり得るので、この発明を適用すれば前述と同等の効果を奏することができる。
尚、この発明は前述の実施の形態1及び2によるエンジン始動装置、及びその製造方法に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1及び2の構成を適宜組み合わせたり、その構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
10 モータ部、20 出力軸、21 出力軸側ヘリカルスプライン部、30 ピニオン移動体部、31 ピニオンギア、32 オーバーランニングクラッチ部、321 クラッチアウタ、322 クラッチインナ、323 クラッチローラ、324 クラッチばね、33 クラッチカバー、34 遮断機構部、341 出力軸側伝達部材、3411 モータ側軸方向端面、341a、342a トルク伝達面、341b、342b 滑り面、341c、342c 爪部、342 ピニオンギア側伝達部材、35 レバー係止部材、36 止め部材、37 皿ばね、371 皿ばねカバー、3711 軸方向内端面、371a 溝部、372 ワッシャ、38 ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部、40 ソレノイドスイッチ部、41 吸引コイル、42 接点軸、43 移動接点部、44a、44b モータ接点、45 ばね、50 プランジャ、60 レバー、61 レバー回転軸中心、70 ブラケット、80 ストッパ、90 減速ギア部、100 リングギア
Claims (11)
- モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、
前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、
前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、
前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材と、
を備え、
前記ばね保護部材は、前記第1の伝達部材に対する相対的回転が規制されている、
ことを特徴とするエンジン始動装置。 - 前記第2の伝達部材に固定され、少なくとも前記ばね部材をカバーするばねカバー部材を備え、
前記ばね保護部材は、前記ばねカバー部材の軸方向内端面と前記ばね部材との間に配置され、
前記第1の伝達部材は、前記出力軸に設けられた出力軸ヘリカルスプライン部にヘリカルスプライン結合されるピニオン移動体側ヘリカルスプライン部を内周面に備え、
前記ばね部材は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の外周面に装着され、
前記ばね保護部材は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部に対する相対的回転が規制されるように、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の外周面に係合されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動装置。 - モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、
前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、
前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与えるばね部材と、
前記ばね部材の軸方向端部の少なくとも一部に当接するばね保護部材と、
を備え、
前記ばね保護部材は、前記第2の伝達部材に対する相対的回転が規制されている、
ことを特徴とするエンジン始動装置。 - 前記第2の伝達部材に固定され、少なくとも前記ばね部材をカバーするばねカバー部材を備え、
前記ばね保護部材は、前記第1の伝達部材の軸方向端面と前記ばね部材との間に配置され、
前記第1の伝達部材は、前記出力軸に設けられた出力軸ヘリカルスプライン部にヘリカルスプライン結合されるピニオン移動体側ヘリカルスプライン部を内周面に備え、
前記ばね部材は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の外周面に装着され、
前記ばね保護部材は、前記ばねカバー部材に対する相対的回転が規制されるように、前記ばねカバー部材に係合されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のエンジン始動装置。 - 前記ばね部材により前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に与える押圧力の初期荷重は、通常始動時に前記エンジンの出力が立ち上がっていく場合のトルクにより前記軸方向に発生する力では前記トルクの伝達を遮断しない荷重に設定されている、
ことを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載のエンジン始動装置。 - 前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材は、夫々軸方向に垂直な面に対して所定の傾きを有するトルク伝達面を備えている、
ことを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載のエンジン始動装置。 - 前記トルク伝達面の形状は、トルク伝達側の角度とトルク非伝達側の角度が異なっていることを特徴とする請求項6に記載のエンジン始動装置。
- 前記トルク伝達面は、回転方向に複数個設けられている、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のエンジン始動装置。 - 前記エンジン始動装置は、
前記押し出し機構部と前記スイッチ部を作動させて、前記エンジンが停止する過程の減速期間中に前記エンジンを再始動させるエンジン始動装置であって、
前記ソレノイドスイッチ部は、
前記押し出し機構部と前記スイッチ部とを作動させるコイルを1つのコイルで構成し、前記ピニオンギアを、前記押し出し機構部のプランジャを前記コイルに引き込む動作の過程で押し出しつつ、前記プランジャが更に前記コイルに引き込まれたときに前記モータ部の主回路を閉路し前記モータ部の駆動を開始するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1から8のうちの何れか一項に記載のエンジン始動装置。 - 前記ばね部材は、皿ばねにより構成され、
前記ばね保護部材は、ワッシャにより構成されている、
ことを特徴とする請求項1から9のうちの何れか一項に記載のエンジン始動装置。 - モータ部と、エンジン側に設けられたリングギアに噛み合い得るピニオンギアを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギアが前記リングギアと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部とを備えたエンジン始動装置の製造方法であって、
前記ピニオン移動体部に、前記リングギアと噛み合った前記ピニオンギアが、前記リングギアを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギアへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部とを設け、
前記遮断機構部に、前記モータ部の出力軸に前記ヘリカルスプライン結合された第1の伝達部材と、前記第1の伝達部材に対して前記軸方向に対向して配置され、前記第1の伝達部材に対して、相対的に回転可能であり且つ前記軸方向に移動可能に構成された第2の伝達部材と、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とを前記軸方向に連結させて前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギアに伝達させ得るように、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に押圧力を与える皿ばねと、前記皿ばねの軸方向端部の少なくとも一部に当接するワッシャとを設け、
前記ワッシャの板厚と枚数とのうちの少なくとも一方を調整することにより、前記皿ばねが前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に与える押圧力を調整するようにした、
ことを特徴とするエンジン始動装置の製造方法。
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